説明

癌幹細胞を標的とする薬剤を同定する方法およびその使用

本発明は、癌幹細胞を標的とする化合物および組成物を同定するための方法に関する。一面において、本発明は、それを必要とする対象において癌幹細胞の増殖および/または生存を阻害するために癌幹細胞を特異的に標的とする化合物および組成物を使用する処置方法に関する。本発明の他の局面は、それを必要とする対象において癌幹細胞の増殖および/または生存を阻害するための処置の選択における、癌幹細胞のバイオマーカーの使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物が癌幹細胞の増殖および/または生存を阻害する能力を試験するための方法であって、
(a)1または2以上の試験細胞を化合物のサンプルと接触させること、ここで前記1または2以上の試験細胞は上皮間葉移行を経験したものである、および
(b)前記化合物による前記1または2以上の試験細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルを検出すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
上皮間葉移行が1または2以上の試験細胞においてE−カドヘリンの活性を阻害することからもたらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1または2以上の試験細胞においてE−カドヘリンの活性を阻害することが、前記1または2以上の試験細胞をE−カドヘリンに対する遮断抗体と接触させること、前記1または2以上の試験細胞においてディスアドヘリンの発現を誘導すること、または前記1または2以上の試験細胞において細胞極性遺伝子を干渉することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1または2以上の試験細胞においてE−カドヘリンの活性を阻害することが、前記1または2以上の試験細胞を、E−カドヘリンのmRNAに相補的な低分子干渉核酸と接触させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
上皮間葉移行が1または2以上の試験細胞において転写因子の活性を誘導することからもたらされ、ここで転写因子が:Snail1、Snail2、グースコイド、FoxC2、TWIST、E2A、SIP-1/Zeb-2、dEF1/ZEb1、LEF1、Myc、HMGA2、TAZ、Klf8、HIF-1、HOXB7、SIM2sおよびFosから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上皮間葉移行がTWISTの活性を誘導することからもたらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
1または2以上の試験細胞においてTWISTの活性を誘導することが、前記1または2以上の試験細胞をTWISTをコードする発現ベクターと接触させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上皮間葉移行が、1または2以上の試験細胞を、TGF-β/BMPスーパーファミリーのメンバー、Wnt-ファミリーのメンバー、FGFファミリーのメンバー、Notchリガンド、EGFファミリーのメンバー、IGFファミリーのメンバー、PDGFおよびHGFから選択される増殖因子と接触させることからもたらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
上皮間葉移行が、1または2以上の試験細胞においてシグナル経路の活性を調節することからもたらされ、ここでシグナル経路は、TGF-β、Wnt、BMP、Notch、HGF-Met、EGF、IGF、PDGF、FGF、P38-mapk、Ras、PI3キナーゼ-Akt、SrcおよびNF-kBから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
上皮間葉移行が、1または2以上の試験細胞を、低酸素、放射線照射および慢性化学療法処置から選択されるストレスに供することからもたらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
上皮間葉移行が、1または2以上の試験細胞を、ニコチン、nAChRアゴニスト、過酸化水素、C3aまたはMFG-E8による処置に供することからもたらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
1または2以上の試験細胞が非腫瘍原性細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
1または2以上の試験細胞が腫瘍原性細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
(a)1または2以上の試験細胞および1または2以上の対照細胞を、化合物のサンプルと接触させること、ここで、前記1または2以上の試験細胞は上皮間葉移行を経験しており、前記1または2以上の対照細胞はEMTを経験していない、ならびに
(b)前記化合物による前記1または2以上の試験細胞および対照細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルを検出すること;ならびに
(c)前記化合物が前記試験細胞の増殖および/または生存に対して対照細胞よりも高い阻害効果を有する場合、前記化合物をCSC選択的な化学療法剤の候補として同定すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
試験細胞および対照細胞が遺伝子的に一致する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
試験細胞は、E−カドヘリンの発現を阻害する低分子干渉RNAを発現するかまたは含み、対照細胞はかかるRNAを発現しない、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
1または2以上の対照細胞を化合物のサンプルと接触させること、ならびに、前記化合物による前記1または2以上の対照細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルを検出することをさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
1または2以上の対照細胞が上皮間葉移行を経験していない上皮細胞である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1または2以上の対照細胞が、対照発現コンストラクトまたは対照低分子干渉核酸と接触させられる、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
対照低分子干渉核酸が1または2以上の対照細胞の内在遺伝子を標的とせず、随意にここで低分子干渉核酸がGFPのmRNAを標的とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
対照発現コンストラクトがGFPをコードする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
対照発現コンストラクトがレポータータンパク質をコードする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
1または2以上の対照細胞が非腫瘍原性細胞を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
1または2以上の対照細胞が腫瘍原性細胞を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
1または2以上の試験細胞の各々は、少なくとも1つの他の試験細胞とは異なる用量の化合物と、および/もしくは異なる期間、接触させられ;ならびに/または、ここで、1または2以上の対照細胞の各々は、少なくとも1つの他の対照細胞とは異なる用量の化合物と、および/もしくは異なる期間、接触させられる、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
試験および/または対照の用量応答曲線を分析することをさらに含み、ここで試験用量応答曲線は、複数の用量での化合物による1または2以上の試験細胞の阻害のレベルを示し;ここで、対照用量応答曲線は複数の用量での化合物による1または2以上の対照細胞の阻害のレベルを示す、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
分析することが、化合物についての1または2以上の試験細胞および/または1または2以上の対照細胞に対するEC50値を決定することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
化合物についての1または2以上の対照細胞に対するEC50値が、該化合物についての1または2以上の試験細胞に対するEC50値よりも統計学的に有意により低い、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
化合物についての1または2以上の対照細胞に対するEC50値が、該化合物についての1または2以上の試験細胞に対するEC50値よりも統計学的に有意により高い、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
化合物が対照化合物であり、随意にこれは、ドキソルビシン、パクリタキセル、アクチノマイシンD、カンプトテシンおよびスタウロスポリンから選択される、請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
1または2以上の対照細胞と1または2以上の試験細胞とが共培養中にある、請求項17〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
1または2以上の試験細胞が、検出可能であって1または2以上の対照細胞の識別特徴と区別可能である識別特徴を有し、随意にここで前記識別特徴はGFPタンパク質および/または癌幹細胞バイオマーカーの発現のレベルを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
1または2以上の試験細胞におけるGFPタンパク質の発現のレベルが、1または2以上の対照細胞におけるGFPタンパク質の発現のレベルと比較される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
共培養のサンプル中の各々の細胞の識別特徴を検出することにより1または2以上の試験細胞の1または2以上の対照細胞に対する比をモニタリングすることをさらに含み、随意にここで検出することは蛍光励起細胞ソーティングを含む、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
複数の試験サンプルを試験することをさらに含み、ここで前記試験サンプルの各々は1または2以上の試験細胞の少なくとも1つを含み;および/または、複数の対照サンプルを試験することをさらに含み、ここで前記対照サンプルの各々は1または2以上の対照細胞の少なくとも1つを含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
各々の試験サンプルおよび/または各々の対照サンプルが別々の培養チャンバー中にあり、随意にここで各々の培養チャンバーはマルチウェルプレートのウェルである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
マルチウェルプレートが、6、12、24、96、384または1536から選択される数のウェルを有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
化合物が複数の化合物からなるライブラリーから得られ、随意にここでライブラリーは、天然生成物ライブラリー、多様性ライブラリー、キナーゼ阻害剤ライブラリー、HDAC阻害剤ライブラリー、公知の生物活性化合物のライブラリー、ペプチドライブラリー、抗体ライブラリー、またはRNAiライブラリーから選択される、請求項1〜24および35〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
1または2以上の試験細胞を接触させることが、化合物のサンプルをライブラリーから試験サンプルを含む培養チャンバーに移すことを含み;および/またはここで、1または2以上の対照細胞を接触させることが、化合物のサンプルをライブラリーから対照サンプルを含む培養チャンバーに移すことを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
1または2以上の対照細胞よりも1または2以上の試験細胞に対して細胞毒性が実質的により高いリード化合物を、該化合物による前記1または2以上の試験細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルを該化合物による前記1または2以上の対照細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルと比較することにより同定することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
1または2以上の癌細胞をリード化合物のサンプルと接触させること;および前記リード化合物による前記1または2以上の癌細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルを検出することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
1または2以上の癌細胞が、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、子宮頚癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、または精巣腫瘍から得られる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
1または2以上の癌細胞の少なくとも1つが癌幹細胞であり、これは癌幹細胞のバイオマーカーを有する、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
癌幹細胞のバイオマーカーがCD44およびCD24の細胞表面マーカープロフィールである、請求項35または43に記載の方法。
【請求項45】
癌幹細胞が、MDA-MB-231、SUM159またはT47D乳癌細胞である、請求項42または43に記載の方法。
【請求項46】
1または2以上の癌細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルを検出することが、前記1または2以上の癌細胞のうち少なくとも1種の癌幹細胞であるものの割合を決定することを含む、請求項41〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
1または2以上の癌細胞の増殖よび/または生存の阻害のレベルを検出することが、前記1または2以上の癌細胞が懸濁培養中でコロニーを形成する能力を決定することを含む、請求項41〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
1または2以上の癌細胞の増殖よび/または生存の阻害のレベルを検出することが、前記1または2以上の癌細胞がin vivoで腫瘍を形成する能力を決定することを含む、請求項41〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
(i)効力の改善、(ii)毒性の低減、これは随意に治療インデックスの改善であってもよい;(iii)副作用の低減;(iv)治療作用の開始および/もしくは効果の持続期間の改変;ならびに/または(v)薬理動態パラメーター、これは随意に吸収、分配、代謝および/もしくは排出であってもよい、の改変を達成するためにリード化合物を改変することにより、精製リード化合物を製造することをさらに含む、請求項40〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
リード化合物または精製リード化合物の定量的構造活性関係性分析を行うことにより、前記リード化合物または精製リード化合物のin vivoでの毒性学プロフィールを決定することをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
リード化合物または精製リード化合物を薬学的に受容可能なキャリアとともに製剤化することにより医薬組成物を製造することをさらに含む、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
癌細胞を有する対象に医薬組成物を投与し、前記対象に対する化合物の毒性、ならびに/または前記対象における癌細胞の増殖および/もしくは生存に対する化合物の影響を評価することにより、リード化合物または精製リード化合物をin vivoで試験することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
対象が、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ブタ、非ヒト霊長類およびヒトから選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
試験細胞および/または対照細胞における1または2以上の癌幹細胞マーカーの発現を決定することをさらに含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
1または2以上の癌幹細胞マーカーが、CD20、CD24、CD34、CD38、CD44、CD45、CD105、CD133、CD166、EpCAM、ESA、SCA1、PecamおよびStro1から選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
1または2以上の癌幹細胞マーカーがCD24およびCD44である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
化合物による試験細胞および/または対照細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルを検出することが、細胞計数アッセイ、複製標識アッセイ、細胞膜完全性アッセイ、細胞ATPに基づく生存率アッセイ、ミトコンドリアレダクターゼ活性アッセイ、カスパーゼ活性アッセイ、アネキシンV染色アッセイ、DNA含有量アッセイ、DNA分解アッセイ、および核断片化アッセイから選択されるアッセイを行うことを含む、請求項1〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
1または2以上の細胞を特徴づけるための方法であって、
(a)1または2以上の細胞を、ドキソルビシン、パクリタキセル、アクチノマイシンD、カンプトテシンおよびスタウロスポリンから選択される化合物と接触させること、
(b)前記化合物による1または2以上の細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルを検出すること、ならびに
(c)(b)の結果を対照レベルと比較すること、ここで、前記化合物による前記1または2以上の細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルが対照レベルより統計学的に有意により低い場合、前記1または2以上の細胞は癌幹細胞の特徴を有する、
を含む、前記方法。
【請求項59】
1または2以上の細胞において癌幹細胞バイオマーカーまたは機能的アッセイを評価することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
癌幹細胞バイオマーカーが、E−カドヘリン発現、TWIST発現、およびCD44/CD24細胞表面マーカープロフィールから選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
機能的アッセイが、コロニー形成アッセイまたはin vivo腫瘍播種アッセイである、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
対照レベルが、化合物による癌幹細胞ではない1または2以上の癌細胞の増殖および/または生存の阻害のレベルである、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
癌を有するかまたは有することが疑われる対象を処置するための方法であって、パクリタキセルの有効量を、エトポシド、サリノマイシン、アバメクチンまたはニゲリシンを含む医薬組成物の有効量と組み合わせて前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項64】
癌を有するかまたは有することが疑われる対象を処置するための方法であって、エトポシド、サリノマイシン、アバメクチン、ニゲリシンまたは前述のいずれかの誘導体を含む医薬組成物の有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項65】
癌を有する対象のための処置を選択するための方法であって、癌における癌幹細胞バイオマーカーを評価すること、および、前記癌幹細胞バイオマーカーが検出された場合は、サリノマイシン、アバメクチン、エトポシドまたはニゲリシンまたはそれらの誘導体を随意にパクリタキセルまたはその誘導体と組み合わせて含む医薬組成物の有効量を前記対象に投与することにより該対象を処置することを含む、前記方法。
【請求項66】
癌幹細胞バイオマーカーが、E−カドヘリン発現;TWIST発現、およびCD44/CD24細胞表面マーカープロフィールから選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
癌幹細胞バイオマーカーを評価することが、対象から癌のサンプルを得ることを含む、請求項63〜66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
癌におけるE−カドヘリンおよび/またはTWISTの発現が、癌におけるE−カドヘリンおよび/またはTWISTのタンパク質および/またはRNAの発現のレベルを測定すること、ならびに随意に前記レベルを参照標準と比較することにより決定される、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
参照標準が、癌幹細胞におけるE−カドヘリンおよび/またはTWISTのタンパク質および/またはRNAの発現のレベルである、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
参照標準が、癌幹細胞ではない癌細胞におけるE−カドヘリンおよび/またはTWISTのタンパク質および/またはRNAの発現のレベルである、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
癌が、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、子宮頚癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、または精巣腫瘍である、請求項63〜70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
癌が乳癌または肺癌である、請求項63〜71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
対象が哺乳動物であり、これは随意にヒトである、請求項63〜72のいずれか一項に記載の方法
【請求項74】
医薬組成物が、静脈内で、筋肉内で、皮下で、腹腔内で、経口で、またはエアロゾルとして投与される、請求項63〜73のいずれか一項に記載の方法
【請求項75】
癌を有するかまたは有することが疑われる対象を処置するための方法であって、EMTを経験していない対照細胞の増殖および/または繁殖の阻害と比較して、EMTを経験した試験細胞の増殖および/または繁殖を選択的に阻害する化合物を含む医薬組成物の有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項76】
試験細胞と対照細胞とが遺伝子的に一致する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
試験細胞が非腫瘍原性である、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
癌を有するかまたは有することが疑われる対象を処置するための方法であって、非CSC癌細胞に対するその効果と比較して癌幹細胞の増殖を選択的に阻害するかまたは癌幹細胞を殺傷する化合物の有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項79】
癌を有するかまたは有することが疑われる対象を処置するための方法であって、非癌性細胞に対するその効果と比較して癌幹細胞の増殖を選択的に阻害するかまたは癌幹細胞を殺傷する化合物の有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項80】
薬物の発見のための標的を同定する方法であって、
(a)試験細胞の増殖および/または繁殖を選択的に阻害する化合物を提供すること、ここで、前記試験細胞はEMTを経験した細胞である;ならびに
(b)前記化合物の生物学的標的を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項81】
生物学的標的が、試験細胞により発現されるタンパク質またはRNAである、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
化合物が、表1に列記される化合物またはその誘導体である、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
生物学的標的と相互作用するかまたはこれに作用する第2の化合物を同定するためのスクリーニングを行うことをさらに含む、請求項80に記載の方法。
【請求項84】
薬物の発見のための標的を同定する方法であって、以下の工程:
(a)試験細胞または試験細胞溶解物を、前記試験細胞の増殖および/または繁殖を選択的に阻害する化合物と接触させること、ここで接触は前記化合物が細胞の生体分子と物理的に相互作用することができる条件下において行われ、ここで前記試験細胞はEMTを経験した細胞である;
(b)前記化合物と物理的に相互作用する細胞の生体分子を単離すること;ならびに
(c)前記生体分子を同定すること
を含む、前記方法。
【請求項85】
生体分子と相互作用するかまたはこれに作用する第2の化合物を同定するためのスクリーニングを行うことをさらに含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
化合物が表1に列記される化合物またはその誘導体である、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
化合物が支持体に結合してそれによりアフィニティーマトリックスを形成している、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
癌幹細胞を生成する方法であって、EMTを経験するように癌細胞を誘導することを含む、前記方法。
【請求項89】
癌細胞が実験的に生成された癌細胞である、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
癌細胞が天然に存在する癌に由来する、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
上皮間葉移行が、癌細胞においてE−カドヘリンの活性を阻害することからもたらされる、請求項88に記載の方法。
【請求項92】
癌細胞においてE−カドヘリンの活性を阻害することが、前記癌細胞をE−カドヘリンに対する遮断抗体と接触させること、前記癌細胞においてディスアドヘリンの発現を誘導すること、または前記癌細胞において細胞極性遺伝子を干渉することを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
癌細胞においてE−カドヘリンの活性を阻害することが、前記癌細胞をE−カドヘリンのmRNAに相補的な低分子干渉核酸と接触させることを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
癌細胞が、1または2以上の試験細胞において転写因子を発現させることにより、EMTを経験するよう誘導され、ここで前記転写因子は、Snail 1、Snail2、グースコイド、FoxC2、TWIST、E2A、SIP-1/Zeb-2、dEF1/ZEb1、LEF1、Myc、HMGA2、TAZ、Klf8、HIF-1、HOXB7、SIM2sおよびFosから選択される、請求項88に記載の方法。
【請求項95】
癌細胞が、転写因子の活性を構成的に誘導することにより、EMTを経験するよう誘導される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
癌幹細胞が(i)腫瘍を惹起する;(ii)ソフトアガー懸濁培養中でコロニーを形成する;および/または(iii)腫瘍球を形成する可能性が、EMTを経験するように誘導されていない癌細胞が有する可能性と比較して増大している、請求項88に記載の方法。
【請求項97】
実験的に生成された癌細胞が、癌遺伝子をコードする発現ベクターを含む、請求項89に記載の方法。
【請求項98】
癌遺伝子がV12H-RASである、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
試験剤が癌幹細胞の増殖、ソフトアガー懸濁培養中でのコロニー形成、腫瘍球形成および/または腫瘍惹起能力を阻害する能力を評価することをさらに含む、請求項88に記載の方法。
【請求項100】
癌幹細胞の増殖、ソフトアガー懸濁培養中でのコロニー形成、腫瘍球形成および/または腫瘍惹起能力が阻害された場合に、試験剤が癌治療のための候補の薬剤として同定される、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
癌幹細胞の特性を有する癌細胞を動物宿主中へ導入することをさらに含む、請求項88に記載の方法。
【請求項102】
試験剤が動物宿主における癌幹細胞の増殖または腫瘍惹起能力を阻害する能力を評価することをさらに含む、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
癌幹細胞の増殖または腫瘍惹起能力が阻害された場合に、試験剤が癌治療のための候補の薬剤として同定される、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
請求項88〜98のいずれか一項に記載の方法により生成された癌幹細胞。
【請求項105】
請求項104に記載の細胞を含む動物宿主。
【請求項106】
請求項104に記載の癌幹細胞を有する容器を含むキット。
【請求項107】
EMTを経験するように誘導されていない、癌幹細胞を生成するためにEMTを経験するように誘導された癌細胞と遺伝的に一致する癌細胞を有する第2の容器をさらに含む、請求項106に記載のキット。
【請求項108】
容器が凍結保存剤をさらに含む、請求項106または107に記載のキット。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C−1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C−1】
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【図2C−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B−5C−1】
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【図5C−2】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A−7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B−8C】
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【図8D−8E】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B−11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図16−3】
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【公表番号】特表2011−522515(P2011−522515A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504009(P2011−504009)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/002254
【国際公開番号】WO2009/126310
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(500219537)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (25)
【氏名又は名称原語表記】MASSACHUSETTS INSTITUTE OF TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】77 Massachusetts Avenue, Cambridge, Massachussetts 02139,U.S.A
【出願人】(500482810)ホワイトヘッド・インスティテュート・フォー・バイオメディカル・リサーチ (7)
【Fターム(参考)】