Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤
説明

癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤

【課題】癌幹細胞及び/又は癌前駆細胞の減少剤等の提供。
【解決手段】式(I)


{式中、R1


[式中、R6はCO2R8(式中、R8は水素原子等を表す)等を表す]等を、R2は水素原子等を、R3は複素環基等を、R4及びR5は同一又は異なってヒドロキシ、アルキル等を表す}で表されるポリエーテル化合物又はその薬学的に許容される塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリエーテル化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤等に関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、近年の日本における第1位の死因であり、癌による死亡者数は毎年300,000人を超える。癌についての分子的な解析や理解が顕著に進展し、また、癌の検出法及び治療法も進歩しているにもかかわらず、癌による死亡率は依然として高く、いまだに多くの癌に対して効果的な治療薬や治療法は見出されていない。
癌の既存治療法である外科療法、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、免疫療法等は癌に対してある一定の治療効果を示す一方で、再発性の癌細胞の出現や癌の転移に対してはその効果は限定されている。癌の再発や転移の予防薬、または再発性癌や転移癌を治療するための新しい治療薬の開発が必要とされている。
【0003】
種々の癌において、病巣を構成する癌細胞には不均一性が存在することが知られているが[キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、1984年、第44巻、p.2259-2265]、癌は単一の細胞を起源とするものと考えられてきた[プロシィーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、1967年、第58巻、p.1468-1471;ブラッド・セルズ(Blood Cells)、1979年、第5巻、p.261-282]。軟寒天培地におけるコロニー形成能及び脾臓におけるコロニー形成能を指標とするアッセイにより、コロニー形成能を有する細胞は、癌細胞集団の中に微量にしか存在しないことが示された[サイエンス(Science)、1977年、第197巻、p.461-463;ネイチャー(Nature)、1963年、第199巻、p.79-80]。また、生体内への移植により造腫瘍活性(腫瘍形成能力)を有する細胞は少数であることが示された[キャンサー(Cancer)、1961年、第14巻、p.971-978;ネイチャー(Nature)、1994年、第367巻、p.645-648]。これらの結果から、癌細胞集団の中で、大多数の癌細胞は腫瘍を形成する能力が著しく低く、微量にしか存在しない一部の細胞またはその集団のみが高い腫瘍形成能力を有することが示された。このことを説明するモデルとして二つのモデル、即ち、確率論的モデル(stochastic model)と階層モデル(hierarchical model)が提唱された[ネイチャー(Nature)、2001年、第414巻、p.105-111]。確率論的モデルは、腫瘍内の癌細胞は全て造腫瘍活性を有するが、低頻度かつ非同期的に一部の細胞でこのような能力が活性化されるとするものである。一方、階層モデルは、腫瘍内の極微量の細胞集団のみが強い増殖能力と高い造腫瘍活性を示し、さらに多様な子孫細胞を生み出して階層構造を形成するとするものである。
【0004】
近年、不均一な癌細胞集団に極微量しか存在しない細胞の同定や分離が、細胞表面マーカーを検出するための多様な抗体の開発、細胞を解析及び分離するためのフローサイトメーターの開発、分離した癌細胞を移植し解析する上で適した非肥満糖尿病/複合免疫不全(NOD/SCID)マウス等の免疫不全マウスの開発により可能になり、その中で、階層モデルを支持する多くの知見が報告されている。即ち、階層モデルと合致する強い増殖能力と高い造腫瘍活性をもつ微量の細胞集団としての癌幹細胞の存在が明らかになってきた[ネイチャー・レビューズ・キャンサー(Nature Reviews Cancer)、2005年、第5巻、p.311-321]。
【0005】
例えば、ヒト急性骨髄性白血病において、癌幹細胞は、正常造血幹細胞と同様、微量しか存在しないCD34陽性/CD38陰性の細胞集団に濃縮されていることが明らかにされ、この細胞集団はNOD/SCIDマウスにおいて造腫瘍活性を示し、さらに2次移植も可能であった[ネイチャー・メディシン(Nature Medicine)、1997年、第3巻、p.730-737]。このCD34陽性/CD38陰性の細胞集団では、正常造血幹細胞とは異なり、c-kitの発現が消失していた[エクスペリメンタル・ヘマトロジー(Experimental Hematology)、2000年、第28巻、p.660-671]。また、ヒト多発性骨髄腫において、NOD/SCIDマウスにおいて造腫瘍活性を有する癌幹細胞が、少数のCD138陰性画分に濃縮されていることが示された[ブラッド(Blood)、2004年、第103巻、p.2332-2336]。
【0006】
血液系の癌細胞だけでなく、幾つかの固形癌においても癌幹細胞の存在が報告されてきた。例えば、ヒト乳癌において、低頻度に存在するCD44陽性/CD24陰性(またはCD24低発現)の細胞画分、及びCD44陽性/CD24陰性(またはCD24低発現)かつ上皮特異的抗原(epithelial-specific antigen: ESA)陽性の細胞画分に癌幹細胞が濃縮されていることが示された[米国特許第6984522号明細書;プロシィーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、2003年、第100巻、p.3983-3988]。ヒトグリア芽腫及びヒト髄芽腫においては、少数のCD133陽性細胞画分に癌幹細胞が濃縮され、癌幹細胞はNOD/SCIDマウスにおいて造腫瘍活性を有することが示された[ネイチャー(Nature)、2004年、第432巻、p.396-401]。更に、ヒト前立腺癌においては、非常に少ない細胞集団であるCD44陽性/α2β1高発現/CD133陽性細胞画分に癌幹細胞が存在することが示唆されている[キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、2005年、第65巻、p.10946-10951]。
【0007】
更に、ヒトの肺癌組織においては、非常に少ない細胞集団であるサイドポピュレーション(side population:SP)画分に癌幹細胞が存在することが示された[キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、2007年、第67巻、p.4827-4833]。
また、ヒト乳癌幹細胞、ヒト大腸癌幹細胞、ヒト肺癌幹細胞、ヒトグリア芽腫及び髄芽腫癌幹細胞、ヒトメラノーマ癌幹細胞等が、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、上皮細胞増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)等を添加した無血清培地で、浮遊細胞塊(スフェア: sphere)を形成し、維持及び濃縮されることが報告されている[ネイチャー(Nature)、2004年、第432巻、p.396-401;プロシィーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、2004年、第101巻、p.3781-3786;オンコジーン(Oncogene)、2004年、第23巻、p.9392-9400;キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、2005年、第65巻、p.9328-9337;キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、2005年、第65巻、p.5506-5511;ネイチャー(Nature)、2007年、第445巻、p.111-115;セル・デス・アンド・ディファレンティエーション(Cell Death and Differentiation)、2008年、第15巻、p.504-514]。
【0008】
癌幹細胞は以下の(1)〜(3)の少なくとも何れか一つ以上の能力により特徴付けられている[キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、2006年、第66巻、p.9339-9344;ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)、2006年、第355巻、p.1253-1261]。
(1)癌幹細胞は、自己複製能を有する。自己複製とは、細胞増殖とは同義ではない。自己複製能とは、対称分裂あるいは非対称分裂により、細胞系譜上、親細胞と同等の能力及び分化程度を保持している娘細胞を少なくとも一つ産出できる能力を示す。
(2)癌幹細胞は、癌前駆細胞等を経て、腫瘍を構成する複数種の癌細胞へ分化できる。癌幹細胞から分化した複数種の癌細胞は、正常幹細胞の場合と同様に、細胞系譜上、癌幹細胞を起点とする階層性を有する。癌幹細胞より、段階的に多種癌細胞が産出されることにより多様な特徴を有する腫瘍が形成される。
(3)癌幹細胞は、高い造腫瘍活性を保有する。癌幹細胞は、対称分裂あるいは非対称分裂による自己複製及び分化を繰り返すことで癌細胞集団の過剰な増殖を可能にする。
【0009】
この様な特徴をもつ癌幹細胞は、癌の根治療法並びに癌の転移及び再増殖を含む再発を抑制する方法の新たな標的細胞として注目されている[キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、2006年、第66巻、p.1883-1890]。
近年、白血病癌幹細胞の研究の発展は目覚しく、活性酸素産生に関わる分子、Bcl-2、Hsp90、ファルネシル基転移酵素等が白血病癌幹細胞内の分子標的として同定されている[ブラッド(Blood)、2005年、第105巻、p.4163-4169;ブラッド(Blood)、2007年、第110巻、p.4427-4435;ブラッド(Blood)、2007年、第110巻、p.678-685;セル・サイクル(Cell Cycle)、2007年、第6巻、p.2227-2231;キャンサー・セル(Cancer Cell)、2006年、第10巻、p.375-388;ロイケミア(Leukemia)、2005年、第19巻、p.1184-1191]。
【0010】
一方、固形癌に関しては、癌幹細胞が各種腫瘍において存在することは確認されているが、白血病癌幹細胞のように臨床検体からの入手が容易ではなく、また、一部の腫瘍を除いて癌幹細胞の細胞表面マーカーが決定されていないため、抗癌幹細胞活性の評価法の構築が困難である。そのため、白血病幹細胞において有効性が示唆されている分子標的が、固形癌幹細胞においても有効性を示すかどうか明らかではない。
【0011】
イオノフォア活性を有するポリエーテル系抗生物質であるジアネマイシンが知られている(非特許文献1、2)。同化合物が上皮癌細胞に対して抗細胞活性を有することが知られている(非特許文献3)。
【0012】
【化1】

【0013】
ポリエーテル構造を有する化合物が癌幹細胞の阻害活性を有することが知られている(特許文献1、非特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2009/126310号パンフレット
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(The Journal of Antibiotics)」、1969年、第22巻、第4号、p.161
【非特許文献2】「バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)」、1971年、第45巻、第5号、p.1279
【非特許文献3】「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(The Journal of Antibiotics)」、1992年、第45巻、第4号、p.556
【非特許文献4】「セル(Cell)」、2009年、第138巻、p.645
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、ポリエーテル化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は以下の(1)〜(24)に関する。
(1)式(I)
【0018】
【化2】

【0019】
{式中、R1
【0020】
【化3】

【0021】
[式中、R6はホルミル、CH2OR7(式中、R7は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の脂肪族複素環基を表す)、CO2R8(式中、R8は前記R7と同義である)、またはCONR9aR9b(式中、R9a及びR9bは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の脂肪族複素環基を表す)を表すか、またはR6がR4またはR5と一緒になって
【0022】
【化4】

【0023】
(炭素原子Aと炭素原子Bとが結合する)
または
【0024】
【化5】

【0025】
(式中、R10は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、炭素原子Aと炭素原子Cとが結合する)を形成する]または
【0026】
【化6】

【0027】
(式中、R11は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の脂肪族複素環基を表す)を表し、
R2は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、
R3は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換の複素環基を表し、
R4及びR5は同一または異なって水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、または置換もしくは非置換の低級アルコキシを表すか、R4及びR5が一緒になって酸素原子または硫黄原子を表すか、またはR1

【0028】
【化7】

【0029】
(式中、R6は前記と同義である)である場合、R4またはR5がR6と一緒になって
【0030】
【化8】

【0031】
(炭素原子Aと炭素原子Bとが結合する)
または
【0032】
【化9】

【0033】
(式中、R10は前記と同義であり、炭素原子Aと炭素原子Cとが結合する)を形成する}で表されるポリエーテル化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(2)R1
【0034】
【化10】

【0035】
(式中、R8は前記と同義である)である前記(1)記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(3)R8が水素原子である前記(2)記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(4)R2が水素原子である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(5)R3が置換もしくは非置換の脂肪族複素環基である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(6)R3
【0036】
【化11】

【0037】
である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(7)R4がヒドロキシであり、R5がヒドロキシメチルである前記(1)〜(6)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(8)癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が造腫瘍活性を有する細胞である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【0038】
(9)癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が、造腫瘍活性を有する、腫瘍原発巣に存在する細胞集団、腫瘍再発巣に存在する細胞集団、1つ以上の細胞で構成される微少転移巣を含む転移腫瘍巣に存在する細胞集団、骨髄に存在する細胞集団、サイドポピュレーション(Side population)細胞集団、静止期細胞集団、G0期細胞集団、RNA含有量が全癌細胞集団における平均含有量より相対的に低い細胞集団、ピロニンY(pyroninY)取込み量が全癌細胞集団における平均取込み量より相対的に低い細胞集団、CD34陽性細胞集団、CD38陰性細胞集団、CD138陰性細胞集団、CD44陽性細胞集団、CD24発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に低い細胞集団、上皮特異的抗原(epithelial-specific antigen: ESA)陽性細胞集団、スフェア(sphere)細胞集団、CD24陽性細胞集団、CD166陽性細胞集団、α2β1インテグリン陽性細胞集団、CD133陽性細胞集団、CD90陽性細胞集団、CD55陽性細胞集団、CD55発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に高い細胞集団及びアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Aldehyde Dehydrogenase: ALDH)活性が高い細胞集団から選択される少なくとも一つの細胞集団に属する細胞である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【0039】
(10)癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が、造腫瘍活性を有するサイドポピュレーション(Side population)細胞集団に属する細胞である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(11)癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が、造腫瘍活性を有するスフェア(sphere)細胞集団に属する細胞である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(12)癌が血液癌である前記(1)〜(11)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(13)癌が固形癌である前記(1)〜(11)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【0040】
(14)癌が乳癌または肺癌である前記(1)〜(11)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(15)少なくとも1つの化合物と同時に又は遂次的に投与するための前記(1)〜(14)のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(16)少なくとも1つの化合物が抗腫瘍剤である前記(15)記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
(17)前記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリエーテル化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌の転移及び/または再発の予防剤。
(18)癌が、その癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が造腫瘍活性を有する癌である前記(17)記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
【0041】
(19)癌が、その癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が、造腫瘍活性を有する、腫瘍原発巣に存在する細胞集団、腫瘍再発巣に存在する細胞集団、1つ以上の細胞で構成される微少転移巣を含む転移腫瘍巣に存在する細胞集団、骨髄に存在する細胞集団、サイドポピュレーション(Side population)細胞集団、静止期細胞集団、G0期細胞集団、RNA含有量が全癌細胞集団における平均含有量より相対的に低い細胞集団、ピロニンY(pyroninY)取込み量が全癌細胞集団における平均取込み量より相対的に低い細胞集団、CD34陽性細胞集団、CD38陰性細胞集団、CD138陰性細胞集団、CD44陽性細胞集団、CD24発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に低い細胞集団、上皮特異的抗原(epithelial-specific antigen: ESA)陽性細胞集団、スフェア(sphere)細胞集団、CD24陽性細胞集団、CD166陽性細胞集団、α2β1インテグリン陽性細胞集団、CD133陽性細胞集団、CD90陽性細胞集団、CD55陽性細胞集団、CD55発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に高い細胞集団及びアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Aldehyde Dehydrogenase: ALDH)活性が高い細胞集団から選択される少なくとも一つの細胞集団に属する細胞である前記(17)記載の癌の転移及び/または再発の予防剤
【0042】
(20)癌が血液癌である前記(17)〜(19)のいずれかに記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
(21)癌が固形癌である前記(17)〜(19)のいずれかに記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
(22)癌が乳癌または肺癌である前記(17)〜(19)のいずれかに記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
(23)少なくとも1つの化合物と同時に又は遂次的に投与するための前記(17)〜(22)のいずれかに記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
(24)少なくとも1つの化合物が抗腫瘍剤である前記(23)記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
【発明の効果】
【0043】
本発明により、ポリエーテル化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、試験例3における、パクリタキセルに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸はパクリタキセルの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【図2】図2は、試験例3における、ドセタキセルに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸はドセタキセルの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【図3】図3は、試験例3における、ドキソルビシンに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸はドキソルビシンの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【図4】図4は、試験例3における、5-フルオロウラシルに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸は5-フルオロウラシルの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【図5】図5は、試験例3における、シタラビンに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸はシタラビンの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【0045】
【図6】図6は、試験例3における、エトポシドに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸はエトポシドの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【図7】図7は、試験例3における、メトトレキサートに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸はメトトレキサートの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【図8】図8は、試験例3における、ビノレルビンに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸はビノレルビンの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【図9】図9は、試験例3における、ラパマイシンに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸はラパマイシンの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【図10】図10は、試験例4における、ジアネマイシンに対する接着細胞及びスフェア細胞の生存率を示す図である。縦軸は生存率(%、相対値)を、横軸はジアネマイシンの濃度(μmol/L)を表す。黒丸は接着細胞の生存率、白丸はスフェア細胞の生存率を表す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
式(I)の各基の定義において、
低級アルキル及び低級アルコキシの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分枝状の炭素数1〜10のアルキルが挙げられ、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられる。
【0047】
低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数2〜10のアルケニルが挙げられ、より具体的にはビニル、アリル、1-プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等が挙げられる。
低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数2〜10のアルキニルが挙げられ、より具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等が挙げられる。
【0048】
シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルが挙げられ、より具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。
アラルキルとしては、例えば炭素数7〜16のアラルキルが挙げられ、より具体的にはベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル、フェニルヘプチル、フェニルオクチル、フェニルノニル、フェニルデシル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、ナフチルプロピル、ナフチルブチル、ナフチルペンチル、ナフチルヘキシル、アントリルメチル、アントリルエチル等が挙げられる。
【0049】
複素環基としては、芳香族複素環基、脂肪族複素環基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基等が挙げられ、より具体的にはフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル等が挙げられる。
【0050】
脂肪族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂肪族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂肪族複素環基等が挙げられ、より具体的にはアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ピペリジニル、アゼパニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピラゾリニル、オキシラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、5,6-ジヒドロ-2H-ピラニル、オキサゾリジニル、モルホリノ、モルホリニル、チオキサゾリジニル、チオモルホリニル、2H-オキサゾリル、2H-チオキサゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリジニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチオキサゾリル、ベンゾジオキソリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロ-2H-クロマニル、ジヒドロ-1H-クロマニル、ジヒドロ-2H-チオクロマニル、ジヒドロ-1H-チオクロマニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロキナゾリニル、ジヒドロベンゾジオキサニル等が挙げられる。
【0051】
置換低級アルキル、置換低級アルケニル、置換低級アルキニル及び置換低級アルコキシにおける置換基(A)としては、同一または異なって、例えば置換数1〜3のヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、ハロゲン、低級アルコキシ、シクロアルキル、低級アルカノイル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ等が挙げられる。置換基の置換位置は、特に限定されない。
【0052】
ここでハロゲンはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
低級アルコキシ及びシクロアルキルは、それぞれ前記と同義である。
低級アルカノイルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数1〜7のアルカノイルが挙げられ、より具体的にはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル等が挙げられる。
【0053】
低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノ及びジ低級アルキルアミノの低級アルキル部分はそれぞれ前記低級アルキルと同義である。ジ低級アルキルアミノの2個の低級アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
置換シクロアルキル、置換アラルキル、置換複素環基及び置換脂肪族複素環基における置換基(B)としては、同一または異なって、例えば置換数1〜3のヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキルアミノカルボニル、ジ低級アルキルアミノカルボニル、低級アルコキシ、アラルキルオキシ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルファニル、低級アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、複素環基等が挙げられる。置換基の置換位置は、特に限定されない。
【0054】
ここでハロゲン、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル及び複素環基は、それぞれ前記と同義である。
低級アルキルアミノカルボニル、ジ低級アルキルアミノカルボニル、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルファニル及び低級アルキルチオの低級アルキル部分は前記低級アルキルと同義であり、ジ低級アルキルアミノカルボニルにおける2個の低級アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
【0055】
アラルキルオキシのアラルキル部分は前記アラルキルと同義である。
アリール及びアリールオキシのアリール部分としては、例えば炭素数6〜14の単環式、二環式または三環式のアリールが挙げられ、より具体的にはフェニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、アントリル等が挙げられる。
化合物(I)の薬学的に許容される塩は、例えば薬学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等を包含する。
【0056】
化合物(I)の薬学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、薬学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられ、薬学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられ、薬学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジン等の付加塩が挙げられ、薬学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばグリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の付加塩が挙げられる。
【0057】
また、本発明の減少剤及び予防剤は、更に少なくとも1つ以上の化合物または癌治療法と組み合わせて用いることもできる。組み合わせて用いる化合物としては、抗腫瘍剤と抗腫瘍剤以外の蛋白質または低分子化合物が挙げられる。
抗腫瘍剤としては、例えば蛋白質医薬品、化学療法剤、ホルモン療法剤、分子標的薬、分化誘導剤、骨吸収阻害剤、核酸医薬品(siRNA、アンチセンスオリゴ)等を含め、癌の治療に使用される化合物が挙げられる。また、本発明の減少剤または予防剤を投与する前または投与した後に、放射線を照射(放射線療法)することもできる。
【0058】
放射線療法における放射線としては、例えば陰電子、陽電子、陽子、速中性子、負π中間子、重イオン、荷電粒子、X線、γ線、電波、赤外線、紫外線、可視光等が挙げられる。
蛋白質医薬品の例としては、例えばサイトカイン、抗体等が挙げられる。
サイトカインとしては、例えばインターロイキン-2(IL-2)、IFN-α、IFN-γ、GM-CSF、G-CSF、TNF-α、IL-1β、及びそれらのサイトカインの誘導体等が挙げられる。
【0059】
抗体としては、例えば抗EGFR抗体{セツキシマブ(アービタックス)[cetuximab(Erbitux)];パニツムマブ(ベクティビックス)[panitumumab (Vectibix)]}、抗ErbB2抗体{トラスツズマブ(ハーセプチン)[trastuzumab(Herceptin)]}、抗VEGF抗体{ベバシズマブ(アバスチン)[bevacizumab(Avastin)]}、抗CD20抗体{リツキシマブ(リツキサン)[rituximab(Rituxan)]}、抗CD33抗体{ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ)[gemtuzumab ozogamicin(Mylotarg)]}、抗CD52抗体{アレムツズマブ(キャンパス)[alemtuzumab(Campath)]}、抗TRAIL抗体等が挙げられる。
【0060】
化学療法剤としては、例えばチューブリン作用薬、DNA作用薬、代謝拮抗剤等が挙げられる。
チューブリン作用薬の例としては、例えばビンブラスチン(vinblastine)、ビンデシン(vindesine)、ビンクリスチン(vincristine)、ビノレルビン(vinorelbine)、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテア)等が挙げられる。
【0061】
DNA作用薬の例としては、例えばクロラムブシル(chlorambucil)、シクロフォスファミド(cyclophosphamide)、メルファラン(melpharan)、シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、ダカルバジン(DTIC)[dacarbazine (DTIC)]、オキザロプラチン(oxaloplatin)、ブレオマイシン(bleomycin)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)[doxorubicin (adriamycin)]、ドキソルビシンリポ(ドキシル)[doxorubicin lipo (doxil)]、イダルビシン(idarubicin)、マイトマイシン(mitomycin)、ミトキサントロン(mitoxantrone)、エトポシド(etoposide)、カンプトテシン(camptothecin)、CPT-11,10-ヒドロキシ-7-エチル-カンプトテシン(SN38)、イリノテカン(irinotecan)、トポテカン(topotecan)、5-アザシチジン(5-azacytidine)、デシタビン(decitabine)等が挙げられる。
【0062】
代謝拮抗剤の例としては、例えば5-フルオロウラシル(5-fluorouracil)、フルダラビン(fludarabine)、ヒドロキシウレア(hydroxyurea)、シタラビン(cytarabine)、メトトレキセート(methotrexate)、ペメトレキセド(pemetrexed)、カペシタビン(capecitabine)、ゲムシタビン(ゲムザール)[gemcitabine (gemzar)]、テガフール・ウラシル配合剤(UFT)、クロファラビン(clofarabine)、ネララビン(nelarabine)等が挙げられる。
【0063】
ホルモン療法剤としては、例えば抗アンドロゲン剤、抗エストロゲン剤、アンドロゲン製剤、エストロゲン製剤、LH-RH作動薬(化学的去勢薬)、プロゲスチン、アロマターゼ阻害剤、ステロイドサルファターゼ阻害剤等が挙げられる。
ホルモン療法剤の例としては、例えばロイプロリド(leuprolide)、ゴセレリン(goserelin)、メゲストロール(megestrol)、タモキシフェン(tamoxifen)、ICI182780、トレミフェン(Tremifene)、ファドロゾール(fadrozole)、レトロゾール(letrozole)、フルタミド(flutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)、テストラクトン(testolactone)、ミトタン(mitotane)、プレドニゾロン(prednisolone)、デキサメタゾン(dexamethasone)等が挙げられる。
【0064】
分子標的薬としては、例えばBcr-Abl阻害剤、EGFR阻害剤、JAK阻害剤、マルチキナーゼ阻害剤、キネシンEg5阻害剤、Flt-3阻害剤、mTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、HDAC阻害剤、DNAメチル化阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、Bcl-2阻害剤、Aurora阻害剤、Ablキナーゼ阻害剤、VEGFR阻害剤、FGFR阻害剤、PDGFR阻害剤、エフリン(Ephrin)阻害剤、Hsp90阻害剤等が挙げられる。
【0065】
分子標的薬の例としては、例えばゲフィチニブ(イレッサ)[gefitinib (Iressa)]、エルロチニブ(タルセバ)[erlotinib (Tarceva)]、ラパチニブ(タイカーブ)[lapatinib(Tykerb)、HKI-272、BIBW-2992、BMS-599626]、イマチニブ(グリベック)[imatinib (Gleevec )、STI571]、ダサチニブ(スプリセル)[dasatinib(Sprycel)、BMS-354825]、ニロチニブ(タシグナ)[nilotinib(Tasigna)、AMN107]、スニチニブ(スーテント)[sunitinib (SUTENT)、SU11248]、ソラフェニブ(ネクサバール)[sorafenib (Nexabar)、BAY43-9006]、CHIR-258、vatalanib(PTK-787)、R-1155777(tipifarnib、zarnestra)、ラパマイシン(rapamycin)、アフィニトール(エベロリムス)[everolimus、RAD001]、テムシロリムス[temsirolimus、CCI-779]、ボルテゾミブ(ベルケード)[bortezomib (Velcade)、PS-341]、PR-171、NPI-0052、ボリノスタット(ゾリンザ)[vorinostat(Zolinza)、suberanilohydroxamic acid、SAHA]、バルプロ酸、MS-275、アスパラギナーゼ(asparaginase)、ペグアスパラガーゼ(オンキャスパー)[pegaspargase(Oncaspar)]等が挙げられる。
【0066】
Flt-3阻害剤としては、例えば、CEP-701、PKC412、MLN518、CHIR-258、インダゾール誘導体(例えば、WO2005/012257またはWO2005/012258)、ピリミジン誘導体(例えば、WO2005/095382)、イソインドリノン・フタルイミド誘導体(例えば、WO2005/095341)等が挙げられる。
Hsp90阻害剤の例としては、例えばラディシコール(Radicicol)、ゲルダナマイシン(Geldanamycin)、17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17-allylamino-17-demethoxygeldanamycin、17-AAG)、17-ジメチルアミノエチルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17-dimethylaminoethylamino-17-demethoxygeldanamycin、17-DMAG)、ハービマイシン(Herbimycin)A、ノボビオシン(Novobiocin)、ベンゾフェノン誘導体(例えば、WO2005/000778)、レブラスタチン(Reblastatin)、EH21A2及びその類縁化合物(例えば、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)、2008年、第18巻、p.1577-1580、US2005/0026894)、プリン誘導体(例えば、WO02/036075)、ピラゾール誘導体(例えば、WO03/055860)、ベンゼン誘導体(例えば、WO2005/063222)、安息香酸誘導体(例えば、WO2006/051808)、ベンゼノイドアンサマイシン誘導体(例えば、WO2007/001049)等が挙げられる。
【0067】
分化誘導剤の例としては、例えばオール−トランスレチノイン酸(all-trans retinoic acid)、亜砒酸、サリドマイド(thalidomide)、レナリドマイド(lenalidomide)、ベキサロテン(ターグレチン)[bexarotene (targretin)]等が挙げられる。
骨吸収阻害剤の例としては、例えばビスフォスフォナート(zoledronic acid、Zometa)、デノスマブ(denosumab)等が挙げられる。
【0068】
上記の化合物は、単独投与では十分な治療または予防効果が得られない場合や、高用量投与では副作用が懸念される場合がある。しかしながら、上記の化合物と本発明の減少剤または予防剤とを組み合わせることにより、高い治療及び/または予防効果を得ることができる。更に、本発明の減少剤または予防剤と上記の化合物との組み合わせにより、高い治療効果が得られることから、上記の化合物の投与回数、投与量の削減ができる。従って、十分な治療効果に加えて、副作用を軽減することができる。
【0069】
抗腫瘍剤以外の蛋白質としては、エリスロポエチン(エスポー、エポジン)、ネスプ[ダルベポエチンα(Darbepoetinα)、Aranesp、Nesp]等を挙げることができる。また、抗腫瘍剤以外の低分子化合物としては、オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬等が挙げられる。オピオイド鎮痛薬としては、モルヒネ、フェンタニル、レミフェンタニル、オキシコドン等が、非オピオイド鎮痛薬としては、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、インドメタシン等が挙げられる。
【0070】
本発明において癌幹細胞とは、以下の(1)〜(3)に示す能力のうち、少なくとも1つ以上の能力を有する細胞をいう。
(1)自己複製能を有する。自己複製とは、細胞増殖とは同義ではない。自己複製能とは、対称分裂あるいは非対称分裂により、細胞系譜上、親細胞と同等の能力及び分化程度を保持している娘細胞を少なくとも一つ産出できる能力を示す。
(2)癌前駆細胞等を経て、腫瘍を構成する複数種の癌細胞へ分化できる能力を有する。癌幹細胞から分化した複数種の癌細胞は、正常幹細胞の場合と同様に、細胞系譜上、癌幹細胞を起点とする階層性を有する。癌幹細胞より、段階的に多種癌細胞が産出されることにより多様な特徴を有する腫瘍が形成される。
(3)高い造腫瘍能(造腫瘍活性)を有する。癌幹細胞は、対称分裂あるいは非対称分裂による自己複製及び分化を繰り返すことで癌細胞集団の過剰な増殖を可能にする。
【0071】
本発明において前駆細胞は、細胞系譜において幹細胞と終末分化細胞の中間に位置付けられる。細胞分化は連続した細胞の形質変化によって進行するため、厳密に幹細胞と前駆細胞を区別する手法は明らかにされていない。本発明における癌前駆細胞とは、分化系統上癌幹細胞に近くかつ癌幹細胞の下流に存在する細胞を意味しており、本発明の癌幹細胞には、癌幹細胞と癌前駆細胞の混合集団が含まれる。
【0072】
本発明における癌幹細胞は、あらゆる組織の正常幹細胞、正常前駆細胞または正常分化細胞に由来し、腫瘍原発巣、腫瘍再発巣、1つの細胞以上で構成される微少転移巣を含む転移腫瘍巣、骨髄、末梢血等に存在する。
本発明における癌幹細胞には、癌化した幹細胞や造腫瘍活性を有する細胞等が含まれる。癌幹細胞としては、前記(1)〜(3)のいずれかの性質を有する細胞であればいずれの細胞であってもよいが、好ましくは血液癌の癌幹細胞、各種固形癌の癌幹細胞等が挙げられ、より好ましくは各種固形癌の癌幹細胞が挙げられる。
【0073】
血液癌の癌幹細胞としては、骨髄腫、リンパ腫等の癌幹細胞が挙げられ、具体的には、急性白血病、骨髄異形成症候群、慢性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫等の癌幹細胞が挙げられる。
急性白血病の癌幹細胞としては、急性骨髄性白血病等の癌幹細胞、急性リンパ性白血病等の癌幹細胞が挙げられ、急性骨髄性白血病の癌幹細胞としては急性未分化型骨髄性白血病、急性未分化型骨髄芽球性白血病、急性分化型骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、赤白血病、急性巨核芽球性白血病等の癌幹細胞が挙げられる。また、急性リンパ性白血病の癌幹細胞としては前駆型リンパ芽球性白血病/リンパ腫、前駆T細胞系急性リンパ性白血病、幼若型B細胞系急性リンパ性白血病、成熟型B細胞系急性リンパ性白血病等の癌幹細胞が挙げられる。
【0074】
慢性白血病の癌幹細胞としては、慢性骨髄性白血病等の癌幹細胞、慢性リンパ性白血病等の癌幹細胞が挙げられ、慢性リンパ性白血病の癌幹細胞としては、B細胞型慢性リンパ性白血病、T細胞型慢性リンパ性白血病、小細胞性リンパ腫等の癌幹細胞が挙げられる。
悪性リンパ腫の癌幹細胞としては、ホジキンリンパ腫(ホジキン病)、非ホジキンリンパ腫(非ホジキン病)、脳のリンパ腫(中枢神経原発悪性リンパ腫)、皮膚のリンパ腫等の癌幹細胞が挙げられる。
【0075】
ホジキンリンパ腫の癌幹細胞としては、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、古典的ホジキンリンパ腫(結節硬化型、混合細胞型、リンパ球豊富型、リンパ球減少型)等の癌幹細胞が挙げられる。
非ホジキンリンパ腫の癌幹細胞としては、NK/T細胞性リンパ腫、B細胞性リンパ腫等の癌幹細胞が挙げられ、NK/T細胞性リンパ腫の癌幹細胞としては、前駆Tリンパ芽球型リンパ腫/白血病、T細胞性リンパ芽球性リンパ腫、成熟T細胞腫瘍、節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型、芽球性NK細胞リンパ腫等の癌幹細胞が挙げられる。また、成熟T細胞腫瘍の癌幹細胞としては、T細胞前リンパ球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、腸管症型腸T細胞リンパ腫、肝脾γδT細胞リンパ腫、血管免疫芽球型T細胞リンパ腫、末梢性T細胞性リンパ腫、未分化型大細胞型リンパ腫、成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)等の癌幹細胞が挙げられる。
【0076】
B細胞性リンパ腫の癌幹細胞としては、濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、びまん性大細胞性B細胞性リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、B細胞性リンパ芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、マントル細胞リンパ腫等の癌幹細胞が挙げられる。
皮膚のリンパ腫の癌幹細胞としては、菌状息肉症、リンパ腫様丘疹症、セザリー症候群、皮膚CD30陽性未分化大細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、皮下蜂窩織炎様T細胞リンパ腫、皮膚γδ型T細胞リンパ腫、皮膚NK/T細胞リンパ腫、皮膚CD8型リンパ腫等の癌幹細胞が挙げられる。
【0077】
固形癌の癌幹細胞としては、肉腫及び癌腫の癌幹細胞が挙げられ、具体的には、繊維肉腫、粘膜肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、食道癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢腺癌、骨髄癌、気管支原性癌、腎細胞癌、尿管癌、肝癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、子宮内膜癌、精巣癌、肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、神経膠芽腫、星状細胞腫、骨髄芽種、頭蓋咽頭癌、喉頭癌、舌癌、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、腹膜播腫、奇形腫、神経芽細胞腫、髄芽腫、網膜芽細胞腫等の癌幹細胞が挙げられる。肺癌の癌幹細胞としては、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌の癌幹細胞が挙げられ、好ましくは非小細胞肺癌の癌幹細胞が挙げられる。
【0078】
また、本発明における癌幹細胞として、癌幹細胞マーカーで特定できる血液癌の癌幹細胞、癌幹細胞マーカーで特定できる各種固形癌の癌幹細胞等も挙げられ、好ましくは、造腫瘍活性をもつ血液癌の癌幹細胞、造腫瘍活性をもつ各種固形癌の癌幹細胞が挙げられ、より好ましくは、造腫瘍活性をもつ各種固形癌の癌幹細胞が挙げられる。
血液癌の癌幹細胞としては、急性骨髄性白血病におけるCD34陽性かつCD38陰性の細胞等、多発性骨髄腫におけるCD138陰性の細胞等が挙げられる。
【0079】
固形癌の癌幹細胞としては、(1)乳癌におけるCD44陽性かつCD24陰性(またはCD24低発現)の細胞、CD44陽性でCD24陰性(またはCD24低発現)かつ上皮特異的抗原(epithelial-specific antigen: ESA)陽性の細胞、スフェア細胞等、(2)脳腫瘍及び神経芽細胞腫におけるCD44陽性かつCD24陽性の細胞、CD133陽性の細胞、スフェア細胞等、(3)大腸癌におけるCD44陽性かつCD166陽性の細胞、CD133陽性の細胞、スフェア細胞等、(4)前立腺癌におけるCD44陽性でα2β1インテグリン高発現かつCD133陽性の細胞等、(5)膵癌におけるCD44陽性でCD24陽性の細胞、CD44陽性でCD24陽性かつESA陽性の細胞、CD133陽性の細胞、スフェア細胞等、(6)頭頚部癌におけるCD44陽性の細胞等、(7)肝癌におけるサイドポピュレーション(side population:SP)細胞、CD44陽性かつCD90陽性の細胞、CD133陽性の細胞等、(8)肺癌等の各種固形癌におけるサイドポピュレーション(side population:SP)細胞、CD133陽性の細胞、スフェア細胞等が挙げられる。
本発明における癌幹細胞には、これらが有するマーカーに特異的な抗体を用いたフローサイトメーター、免疫組織染色法等により検出または同定できる細胞が含まれ、例えばCD34、CD38、CD138、CD44、CD24、ESA、CD133、CD166、CD90、α2β1等の癌幹細胞マーカーが前記の特徴を有する癌幹細胞が挙げられる。また、本発明における癌幹細胞の検出または同定方法は、抗体、アプタマー、アンチセンスオリゴRNA、アンチセンスオリゴDNA等が癌幹細胞に特異的に結合し、該細胞を検出または同定できる方法であれば如何なる方法であってもよい。本発明における癌幹細胞は抗体、アプタマー、アンチセンスオリゴRNA、アンチセンスオリゴDNA等の先にビオチン、蛍光色素、蛍光ビーズまたは蛍光蛋白質等を結合させる方法により検出または同定できる細胞も含まれる。
【0080】
各種固形癌に含まれるSP細胞としては、Hoechst33342排出能が高い、薬剤排出能が高い、薬剤抵抗性が高い、細胞周期が静止期にある細胞が多い等の特徴を示す細胞が挙げられ、例えばフローサイトメーターによりこれらの特徴により分画できる細胞が含まれる。
SP細胞の検出方法として、例えばHoechst33342による染色を用いる方法等が挙げられる。
【0081】
薬剤排出能の指標となるマーカーとしては、ATP-binding cassette (ABC) transporter スーパーファミリー遺伝子産物である、ABCB1、ABCB5、ABCG2遺伝子産物等が挙げられる。
細胞周期が静止期にある細胞を検出する指標としては、核酸結合色素であるPropidium iodide(PI)染色等を用いる細胞周期測定法におけるG0/G1細胞集団比率、ピロニンY(pyroninY)染色等を用いるRNA含有量測定法におけるG0細胞集団比率等が挙げられる。
【0082】
一部のSP細胞においては、Aldehyde Dehydrogenase(ALDH)活性が高いこと[ステム・セルズ(Stem Cells)2009年, 第10巻, p.2552-2562)、またはCD55発現量が多いこと[エクスペリメンタル・セル・リサーチ(Exp Cell Res.), 2007年, 第313巻, p.1877-1885]が知られていることから、ALDHまたはCD55が高発現であることをSP細胞の識別マーカーとして用いることが出来る。また、SP細胞の特徴とは独立に、ALDHの発現量の高い細胞集団に、癌幹細胞が濃縮されていることが報告されている[セル・ステム・セル(Cell Stem Cell)、2007年、第1巻、p.555-567]。
【0083】
癌幹細胞としては、静止期細胞集団、G0期細胞集団、RNA含有量が全癌細胞集団における平均含有量より相対的に低い細胞(RNAlow細胞)集団、ピロニンY(pyroninY)取込み量が全癌細胞集団における平均取込み量より相対的に低い細胞集団、CD24発現量が全癌細胞集団における平均取込み量より相対的に低い細胞集団、CD55陽性細胞集団、CD55発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に高い細胞集団、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(Aldehyde Dehydrogenase: ALDH)活性が高い細胞集団、ALDH活性が全癌細胞集団における平均活性より相対的に高い細胞集団等に属する癌幹細胞が挙げられる。RNA含有量が全癌細胞集団における平均含有量より相対的に低い細胞集団としては、10%以上低い細胞集団が好ましく、20%以上低い細胞集団がより好ましく、30%以上低い細胞集団がさらに好ましく、40%以上低い細胞集団がさらに好ましく、50%以上低い細胞集団がさらに好ましく、90%以上低い細胞集団がとりわけ好ましい。ピロニンY(pyroninY)取込み量が全癌細胞集団における平均取込み量より相対的に低い細胞集団としては、10%以上低い細胞集団が好ましく、20%以上低い細胞集団がより好ましく、30%以上低い細胞集団がさらに好ましく、40%以上低い細胞集団がさらに好ましく、50%以上低い細胞集団がさらに好ましく、90%以上低い細胞集団がとりわけ好ましい。CD24発現量が全癌細胞集団における平均含有量より相対的に低い細胞集団としては、10%以上低い細胞集団が好ましく、20%以上低い細胞集団がより好ましく、30%以上低い細胞集団がさらに好ましく、40%以上低い細胞集団がさらに好ましく、50%以上低い細胞集団がさらに好ましく、90%以上低い細胞集団がとりわけ好ましい。CD55発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に高い細胞集団としては、10%以上高い細胞集団が好ましく、20%以上高い細胞集団がより好ましく、30%以上高い細胞集団がさらに好ましく、40%以上高い細胞集団がさらに好ましく、50%以上高い細胞集団がさらに好ましく、100%以上高い細胞集団がとりわけ好ましい。
【0084】
また、SP細胞の検出は、Hoechst33342による染色、前記のSP細胞の特徴を表すマーカーによる各種検出、前記の血液癌及び固形癌の癌幹細胞の特徴(CD34、CD38、CD138、CD44、CD24、ESA、CD133、CD166、CD90、α2β1等の癌幹細胞マーカー)による各種検出を組み合わせて行うこともできる。SP細胞としては、これらの検出方法によって同定または分離できる各種固形癌に含まれる癌幹細胞も包含される。
【0085】
本発明の減少剤は、病巣を取り除く切除術等の外科療法、放射線療法、化学療法、術前または術後の補助化学療法、ホルモン療法、免疫療法等の治療中または治療後の癌の再発予防及び/または癌の転移予防、原発性の癌の治療及び/または予防、癌の根絶治療等、いかなる癌の治療及び/または予防に対しても用いることができ、また、本発明の予防剤は、病巣を取り除く切除術等の外科療法、放射線療法、化学療法、術前または術後の補助化学療法、ホルモン療法、免疫療法等の治療中または治療後の癌の再発予防及び/または癌の転移予防、癌の根絶治療等、癌の予防に対して用いることができる。本発明の減少剤は、例えば造血器腫瘍による癌(例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫等)、乳癌、子宮体癌、子宮頚癌、前立腺癌、膀胱癌、腎癌、胃癌、食道癌、肝癌、胆道癌、大腸癌、直腸癌、膵癌、肺癌、頭頚部癌、骨肉腫、メラノーマまたは脳腫瘍による癌の治療及び/または予防に用いることができる。中でも、乳癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌等の肺癌の治療及び/または予防に用いることが好ましい。更に、前記の癌幹細胞が含まれる癌の治療及び/または予防に用いることができる。また、本発明の減少剤及び予防剤は、前記の癌の予防に用いられることが好ましく、前記の癌の再発予防及び/または転移予防に用いられることがより好ましい。また、前記の癌の根絶治療に用いられることも好ましい。
【0086】
本発明の減少剤及び予防剤の効果、例えば癌幹細胞数を減少させる効果、癌幹細胞数を増加させない効果、癌幹細胞に対する抗細胞効果、癌幹細胞に対する増殖抑制効果、癌幹細胞に対する殺細胞効果は、例えばin vitroの抗細胞活性を測定することによって調べることができる。in vitro抗細胞活性の測定方法としては、癌細胞または癌幹細胞を含む細胞画分を用いた方法、癌幹細胞を含む癌細胞株を用いた方法等が挙げられる。
【0087】
血液癌または固形癌の患者由来の癌幹細胞を含む細胞に加えて、癌細胞株としては、ES-2、SK-OV-3、Caov-3、OV-90、TOV-112D、OVCAR-3、A549、H460、SK-LU-1、Calu-6、H358、H596、A427、Calu-1、Calu-3、H292、H1299、H128、H345、FaDu、H23、H526、H209、H69、SHP77、K562、HL60、U937、KG-1、KG-1a、THP-1、Meg-01、CMK、MV-4-11、HCC1143、HCC1395、HCC1937、MCF-7、MDA-MB-231、MDA-MB-415、MDA-MB-468、SW620、COLO201、COLO320DM、DLD-1、COLO205、SW1116、LS180、LS174T、SW480、HCT-15、HT29、HCT116、A172、SNB-19、SK-N-FI、M059K、M059J、Capan-1、Capan-2、CFPAC-1、BxPC-3、MIA Paca-2、PANC-1、AsPC-1、HPAC等の各種細胞が挙げられる。これらの癌細胞株は、American Type Culture Collection(ATCC)、Japanese Collection of Research Bioresources(JCRB)、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ)等の公的セルバンク、各種研究機関等から、または市販品として入手できる。
【0088】
また、癌細胞株由来の癌幹細胞としては、(1)急性骨髄性白血病由来細胞株におけるCD34陽性/CD38陰性の細胞等、(2)多発性骨髄腫由来細胞株におけるCD138陰性の細胞等、(3)乳癌由来細胞株におけるCD44陽性/CD24陰性(またはCD24低発現)の細胞、CD44陽性/CD24陰性(またはCD24低発現)かつ上皮特異的抗原(epithelial-specific antigen: ESA)陽性の細胞、スフェア細胞等、(4)脳腫瘍由来細胞株及び神経芽細胞腫由来細胞株におけるCD44陽性かつCD24陽性の細胞、CD133陽性の細胞、スフェア細胞等、(5)大腸癌由来細胞株におけるCD44陽性かつCD166陽性の細胞、CD133陽性の細胞、スフェア細胞等、(6)前立腺癌由来細胞株におけるCD44陽性でα2β1インテグリン高発現かつCD133陽性の細胞等、(7)膵癌由来細胞株におけるCD44陽性でCD24陽性の細胞、CD44陽性でCD24陽性かつESA陽性の細胞、CD133陽性の細胞、スフェア細胞等、(8)頭頚部癌由来細胞株におけるCD44陽性の細胞等、(9)肝癌由来細胞株におけるサイドポピュレーション(side population:SP)細胞、CD44陽性かつCD90陽性の細胞、CD133陽性の細胞等、(10)肺癌由来細胞株等の各種固形癌由来細胞株におけるサイドポピュレーション(side population:SP)細胞、CD133陽性の細胞、スフェア細胞等が挙げられる。
【0089】
さらに、癌幹細胞として、例えば(1)造血幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞等の正常組織由来の幹細胞、生殖系列幹細胞、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞等の各種幹細胞、(2)造血前駆細胞、神経前駆細胞等の各種組織由来の前駆細胞、(3)上皮細胞、血管内皮細胞、繊維芽細胞、筋細胞、骨細胞、肝細胞等の各種組織由来の正常細胞、(4)上皮癌、腺癌、肉腫、神経膠腫等の各種組織由来の癌細胞、(5)各種組織由来の癌細胞株等の各種細胞への、PI3K、STAT3、βCatenin、Notch、Hedgehog、Wnt、hTERT、Bmi1、Evi1、TEL/AML1、Meis1、HoxA9、HoxD13、HoxB3、HoxB8、HoxA10、MLL-ENZ、MLL-AF9、AML-ETO、MOZ-TIF2、CDX2、Bcr-Abl、BCL6、maf-B、FGFR、c-maf、SCL、Hox11、LMO2、LMO1、E2a-Pbx1、TEL-Abl、myc、ENS-WT1、k-ras、Bcrp1、ras、src、jun、met、fos、ret、EML4-ALK等の癌遺伝子の導入、N-ethyl-N-nitrosourea、N-Methyl-N-nitrosourea、3,4-benzopyrene、3-methylcholanthrene、2-acetylaminofluorene、7,12-dimethylbenz[a]anthracene、N-nitroso-N-buthylurea、7,8,12-trimethylbenz(a)anthracene等の化学発癌剤による処理、重粒子線、エックス線、ガンマ線、紫外線、マイクロ波等の放射線の照射により誘導できる細胞、これらの各細胞からのPTEN、p53、Rb、BRCA1、BRCA2、WT1、VHL等の癌抑制遺伝子の欠失、変異、不活化等により誘導できる細胞も挙げられる。
【0090】
次に化合物(I)の製造法について説明する。
化合物(I)に含まれる化合物のうち、ジアネマイシンは公知の方法に従って得ることができる[ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(The Journal of Antibiotics)、1969年、第22巻、p.161]。
ジアネマイシンから、公知の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ第2版(Comprehensive Organic Transformations 2nd edition)、R. C. ラロック(Larock)著、Vch Verlagsgesellscaft Mbh(1999年)等に記載の方法]に従って、化合物(I)を合成することができる。
【0091】
上記各製造法における中間体及び目的化合物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、中間体においては特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
化合物(I)の中には、幾何異性体、光学異性体等の立体異性体、互変異性体等が存在し得るものもあるが、本発明の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤、ならびに癌の転移及び/または再発の予防剤には、これらを含め、全ての可能な異性体及びそれらの混合物を使用することができる。
【0092】
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)及びその薬学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤、ならびに癌の転移及び/または再発の予防剤に使用することができる。
【0093】
次に、代表的な化合物(I)の薬理作用について試験例により具体的に説明する。以下の試験例4及び5において、試験化合物としてジアネマイシンを用いた。

試験例1:マウス自然発症乳癌由来の接着細胞株及びスフェア細胞株の樹立
C57BL/6雌マウス(日本エスエルシー社)に自然発症した腫瘍塊を摘出し、病理解析及び細胞株の樹立を以下の方法で行った。摘出した腫瘍塊の一部を10%中性緩衝ホルマリン液にて固定後、パラフィンブロックを作製し、薄切してヘマトキシリン・エオジン染色による病理解析を行った。その結果、この腫瘍塊は乳癌(管状/腺房細胞腺腫)であることが判明した。摘出した腫瘍塊の一部を、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)(ギブコ社)で2回洗浄し、さらにダルベッコ改変イーグル培地(DMEM:F12)(ギブコ社)で1回洗浄した後、ハサミで約1 mm角に細断した。これを50 mLチューブに移しかえ、DMEM:F12に溶解した1 mg/mLのコラゲナーゼタイプ1(ギブコ社)を30 mL加え、37 ℃で60分間振盪処理した。DMEM:F12を20 mL加えて転倒混和し、室温で1000回転/分(以下、rpmと記載する)、5分間遠心し、上清を除去することにより洗浄した。さらにDMEM:F12を50 mL加えて転倒混和し、室温で1000 rpm、5分間遠心し、上清を除去する操作を2回行うことで洗浄した。細胞をDPBSに懸濁し、100μmセルストレイナー(ベクトン・ディッキンソン社)を通すことで、残渣を除去し、生死細胞アナライザー(Vi-CELL、ベックマン・コールター社)にて細胞数を計測した。10%ウシ胎児血清(ギブコ社)、1%ペニシリン・ストレプトマイシン(ギブコ社)を含むMinimum Essential Medium(ギブコ社)(以下、接着細胞用培地という)に懸濁し、組織培養フラスコ(F-25、ナルジェ ヌンク インターナショナル社)に1×105細胞/mLの細胞密度となるように播種し、37 ℃、5% CO2インキュベーターで培養した。3〜4日毎に、以下の方法で継代培養を行った。組織培養フラスコから培地を除去し、DPBSで洗浄後、TrypLE select Animal-Origin-Free (登録商標)(ギブコ社)を0.5 mL加え、37 ℃、5% CO2インキュベーターに細胞が剥がれるまで(5分間)静置した。接着細胞用培地10 mLを加えて15 mLチューブに細胞を回収し、室温で1000 rpm、5分間遠心した。上清を除去し、細胞を接着細胞用培地に懸濁した。生死細胞アナライザーにて細胞数を計測し、組織培養フラスコに5×104〜1×103細胞/mLの細胞密度となるように播種し、37 ℃、5% CO2インキュベーターにて培養した。このような条件で接着細胞の培養を続けた(以下、このような条件で樹立した細胞を接着細胞株という)。
【0094】
接着細胞を、1ヶ月継代培養した後、以下の方法で無血清培養を行い、スフェア細胞株を樹立した。接着細胞を前述の方法で回収し、10%ウシ胎児血清(ギブコ社)及び1%ペニシリン・ストレプトマイシンを含む、StemSpan SFEM(基礎培地、StemCell Technologies社)に懸濁し、生死細胞アナライザーで細胞数を計測した。組織培養フラスコ(F-25)に1×105 細胞/mLの細胞密度となるように播種し、37 ℃、5% CO2インキュベーターで培養した。接着細胞と同様の方法で継代培養を行い、継代時にStemSpan SFEMに添加する血清濃度を10%から2%まで段階的に減らして培養した。血清濃度2%以下からの継代培養は、以下の通り行った。浮遊している細胞のみチューブに回収し、室温にて1000 rpm、5分間遠心して、上清を除去し細胞を回収した。StemSpan SFEMを加えてピペッティングにて細胞を軽くほぐし、記載の濃度になるように各種培地添加物を加えた[10 ng/mL 塩基性線維芽細胞増殖因子(Human FGF-basic、PEPROTECH社)、20 ng/mL上皮細胞増殖因子(mouse EGF、シグマ社)、1%ペニシリン・ストレプトマイシン]。さらに、ウシ胎児血清(ギブコ社)を添加して組織培養フラスコに播種し、37℃、5%CO2インキュベーターで培養した。以上の操作を繰り返し、1ヶ月かけて血清濃度を0%(無血清)にした。無血清になった時点での継代培養は、以下の方法で行った。細胞を含む培養液をチューブに移しかえ、室温にて1000 rpm、5分間遠心し、上清を除去して細胞を回収した。化学的解離キット (NeuroCult Chemical Dissociation Kit)(StemCell Technologies社)のプロトコルに従って細胞を処理し、単細胞にした。顕微鏡下で単細胞になったことを確認し、10 ng/mL塩基性線維芽細胞増殖因子及び20 ng/mL上皮細胞増殖因子、1%ペニシリン・ストレプトマイシンを含むStemSpan SFEM(以下、スフェア用培地という)に懸濁し、細胞数を計測した。組織培養フラスコ(F-25、ナルジェ ヌンク インターナショナル社)に5×104〜1×103細胞/mLの細胞密度となるように播種し、37 ℃、5% CO2インキュベーターで培養した。3〜4日毎に、50 μg/mL 塩基性線維芽細胞増殖因子溶液を1/5000量及び100μg/mL上皮細胞増殖因子溶液を1/5000量添加した。7日毎にNeuroCult Chemical Dissociation Kitを用いて単細胞にし、室温にて1000 rpm、5分間遠心して、上清を除去し細胞を回収した。細胞は、組織培養フラスコにスフェア用培地で5×104〜1×103細胞/mLの細胞密度となるように播種し、37 ℃、5% CO2インキュベーターで培養した。細胞は、組織培養用フラスコには接着せず、浮遊性の細胞塊(スフェア)を形成して増殖を続けることが確認された(以下、このような条件で培養し樹立した細胞をスフェア細胞株という)。癌幹細胞の分離・濃縮法の一つであるスフェア培養[セル・サイクル(Cell Cycle)、2008年、第7巻、p.1360-1370]で細胞の継代が可能であることから、癌幹細胞としての性質を有する細胞であることが示唆された。
【0095】
試験例2:接着細胞株及びスフェア細胞株の造腫瘍活性の比較
マウス自然発症乳癌由来接着細胞とスフェア細胞の造腫瘍活性を以下の方法で比較した。6週齢の雌ヌードマウス(BALB/c-slc-nu/nu 、日本エスエルシー社)を1週間馴化飼育した。接着細胞株は、組織培養フラスコから培地を除去し、DPBSで洗浄後、TrypLE select Animal-Origin-Free (登録商標)(ギブコ社)を0.5 mL加え、37 ℃、5% CO2インキュベーターに細胞が剥がれるまで(5分間)静置した。接着細胞用培地10 mLを加えて懸濁した細胞を15 mLチューブに回収し、室温で1000 rpm、5分間遠心して、上清を除去した。細胞は10 mLのDPBSに懸濁し、生死細胞アナライザーにて細胞数を計測した。スフェア細胞は、スフェア細胞を含む培養液を15 mLチューブに移しかえ、室温で1000 rpm、5分間遠心し、上清を除去して回収した。細胞は、NeuroCult Chemical Dissociation Kitのプロトコル[ステム・セルズ(Stem Cells)、2008年、第26巻、p.656-665;ザ・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(The Journal of Neuroscience)、2008年、第28巻、p.13978-13984]に従って処理し、顕微鏡下で単細胞になったことを確認した。さらに35μmセルストレイナーを通すことで残渣を除去した後、10 mLのDPBSに懸濁し、生死細胞アナライザーにて細胞数を計測した。細胞を移植する前日に、生理食塩水に溶解した1 mg/mLのウサギ由来抗アシアロGM1抗体(和光純薬社)100μLをマウス腹腔内に投与した。接着細胞及びスフェア細胞を、それぞれ、1×105個、1×104個、1×103個/100μLとなるようにDPBSで調整し、全量をマイジェクター29G(テルモ社)を用いて、マウス乳腺に移植した(2ヶ所/マウス、各群2匹)。腫瘍の生着は、ノギスを用いて、週1回の頻度で測定した。移植後、120日における腫瘍の生着率を、表1に示す。以上の結果から、スフェア細胞株と接着細胞株では明らかな生着率の差が認められ、スフェア細胞株に造腫瘍活性を有する癌幹細胞が濃縮されていることが示された。
【0096】
【表1】

【0097】
試験例3:抗癌剤に対する感受性の比較
癌幹細胞としての性質を有する細胞は、SP細胞やスフェア細胞等に濃縮されており、癌幹細胞は、癌細胞と比較して各種抗癌剤に対して感受性が低い(耐性を示す)ことが報告されている[セル・サイクル(Cell Cycle)、2008年、第7巻、p.1360-1370;ザ・ファセブ・ジャーナル(The FASEB Journal)、2007年、第21巻、p.3777-3785]。そこで、接着細胞株とスフェア細胞株の代表的な抗癌剤に対する感受性について比較した。
【0098】
接着細胞及びスフェア細胞を、対数増殖期となる細胞数、すなわち、接着細胞は700個/ウェル、スフェア細胞は2000個/ウェルとなるように、それぞれの培養培地で調整し、96穴マイクロプレート(ナルジェ ヌンク インターナショナル社)の各ウェルに100μLずつ播種した。細胞非播種群としては、各培地のみを100μLずつ各ウェルに播種した。37 ℃、5% CO2インキュベーターで24時間培養した。抗癌剤として、パクリタキセル(シグマ社)、ドセタキセル(サノフィ・アベンティス社)、ドキソルビシン(協和発酵キリン社)、5-フルオロウラシル(5-FU、シグマ社)、シタラビン(日本新薬社)、エトポシド(シグマ社)、メトトレキサート(シグマ社)は、300μmol/Lから300 pmol/Lまで、それぞれの培養培地で10倍ずつ段階的な希釈溶液を調製した。ビノレルビン(シグマ社)、ラパマイシン(和光純薬社)は、30μmol/Lから30 pmol/Lまで、それぞれの培養培地で10倍ずつ段階的な希釈溶液を調製した。このように調製した抗癌剤溶液及びコントロールとして各培地を、それぞれの細胞を播種したウェルに50μLずつ添加した(N=3)。各培地100μLのみを添加したウェル(細胞非播種群)には、コントロールとして各培地を50μLずつ添加し(N=3)、37 ℃、5% CO2インキュベーターで72時間培養した。WST-8(キシダ化学社)を15μLずつ各ウェルに添加して、37 ℃、5% CO2インキュベーターで8時間呈色反応を行った。マイクロプレートリーダー(Emax、モレキュラーデバイス社)で490 nmの吸光度(参照波長:650 nm)を測定し、コントロールとして細胞に培地のみを加えたウェル(化合物非添加群)の測定値(細胞生存率100%)、細胞を播種せず培地のみのウェル(細胞非播種群)の測定値(細胞生存率0%)から各濃度の抗癌剤添加時の細胞生存率の相対値を算出した。
【0099】
【数1】

【0100】
各濃度の抗癌剤に対する細胞生存率(相対値)を図1〜9に示す。以上の結果から、接着細胞株と比較してスフェア細胞株は各種抗癌剤に対して感受性が低く、薬剤感受性からもスフェア細胞株が癌幹細胞としての性質を有することが示された。

試験例4:スフェア細胞に対するジアネマイシンの効果
試験例3と同様に、接着細胞及びスフェア細胞を、対数増殖期となる細胞数、すなわち、接着細胞は700個/ウェル、スフェア細胞は2000個/ウェルとなるように、それぞれの培養培地で調製し、96穴マイクロプレート(ナルジェ ヌンク インターナショナル社)の各ウェルに100μLずつ播種した。細胞非播種群としては、各培地のみを100μLずつ各ウェルに播種し、37 ℃、5% CO2インキュベーターで24時間培養した。10 mmol/Lに調製したジアネマイシンを培養培地で段階的に希釈し、1ウェルあたり50μL添加した(N=3)。また、コントロールとしてジアネマイシンを含まない溶液も同様に調製し、1ウェルあたり50μL添加した(N=3)。37 ℃で72時間、5% CO2インキュベーター内で培養した後、WST-8(キシダ化学社)を15μLずつ各ウェルに添加して、37 ℃、5% CO2インキュベーターで8時間呈色反応を行った。マイクロプレートリーダー(Emax、モレキュラーデバイス社)で490 nmの吸光度(参照波長:650 nm)を測定し、コントロールとして細胞に培地のみを加えたウェル(ジアネマイシン非添加群)の測定値(細胞生存率100%)、細胞を播種せず培地のみのウェル(細胞非播種群)の測定値(細胞生存率0%)から各濃度のジアネマイシン添加時の細胞生存率の相対値を以下の数式に当てはめて算出した。
【0101】
【数2】

【0102】
各濃度のジアネマイシンによる細胞生存率(相対値)を図10に示す。この結果から、ジアネマイシンは、接着細胞株よりもスフェア細胞株に選択的な抗細胞活性を示しており、ジアネマイシンが癌幹細胞を選択的に減少させ得ることが示された。

試験例5:Side population(SP)細胞画分に対するジアネマイシンの効果
ヒト非小細胞肺癌株であるA549のSP細胞画分には癌幹細胞活性をもつ細胞集団が濃縮されている。フローサイトメーターを用いて、ジアネマイシンのA549に存在するSP細胞画分に対する減少活性を文献の方法[キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、2007年、第67巻、p.4827-4833]に従って検出した。
【0103】
A549(ATCC社)の培養には、10%ウシ胎児血清(ギブコ社)及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン溶液(ギブコ社)を含むF12K培地(ギブコ社)を使用した。細胞培養用フラスコ(ナルジェ ヌンク インターナショナル社)に培養用培地で1000万個/mLに調整したA549の細胞溶液を培養用培地1 mL当たり5 μLずつ播種し、37 ℃で48時間、5% CO2インキュベーター内において培養した。細胞の培養用培地にて段階的に希釈して調整したジアネマイシンを含む溶液をそれぞれ100μLずつ添加し(終濃度0.003〜3.0μmol/L)、再び5% CO2インキュベーター内にて37 ℃で48時間培養した。
【0104】
A549をDPBS(ギブコ社)で洗浄後、TrypLE select Animal-Origin-Free (登録商標)(ギブコ社)を0.5 mL加え、37 ℃、5% CO2インキュベーターに細胞が剥がれるまで(5分間)静置した。10%ウシ胎児血清入りF12K培地10 mLを加えて懸濁した細胞を15 mLチューブに回収し、室温で1000 rpm、5分間遠心して、上清を除去した。2%ウシ胎児血清(ギブコ社)を含むDulbecco's Modified Eagle Medium(ギブコ社)にて懸濁し、細胞調整液(100万細胞/mLを1 mL)を準備した。この細胞調整液にHoechst33342(Invitrogen社)を終濃度5μg/mLとなるように添加した後、37 ℃で30分の間隔で細胞を撹拌しながら90分間静置し、細胞染色を行った。染色反応終了後、2%ウシ胎児血清(ギブコ社)を含むPhosphate-buffered saline(PBS)溶液(ギブコ社)を用いて細胞を洗浄し、Propidium Iodide(Invitrogen社)を終濃度1μg/mLとなるように添加して死細胞の染色を行い、氷中に保管した。フローサイトメーター[BD FACSCantII, ベクトン・ディッキンソン(BD)社]を用いて、SP細胞含有率を解析した。
【0105】
ジアネマイシン添加群のSP細胞含有率比は、ジアネマイシンを添加しない無処理群をジアネマイシン添加群と同様に培養して得られたSP細胞含有率(6.0%)をジアネマイシン添加群と同様に測定し、以下の式に従って算出した。
【0106】
【数3】

【0107】
また、SP細胞画分の確認実験として、ジアネマイシン未処理の細胞調整液に対し、Hoechst33342による染色反応時に、ABCトランスポーターの阻害剤であるfumitremorgin C (FTC)(シグマ社)を終濃度1μmol/Lになるように添加したFTC処理群の試験を上記と同様に行った。該処理群において、FTCによるSP細胞画分の消失が確認された。
SP細胞画分に対するジアネマイシンの効果を表2に示した。
【0108】
【表2】

【0109】
ジアネマイシン添加群では、SP細胞画分の顕著な減少が確認され、SP細胞含有率比は0.018〜0.66であった。
以上より、ジアネマイシンはSP細胞画分の顕著な減少効果を示し、癌細胞よりもSP細胞画分の感受性が高いことが明らかとなった。この結果から、ジアネマイシンは癌幹細胞に対し高い減少活性を有することが示唆された。
【0110】
化合物(I)またはその薬学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物及び人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を単独で、または任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それらの医薬製剤は、活性成分を薬学的に許容される一種もしくはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
【0111】
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内等の非経口を挙げることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、注射剤等が挙げられる。
経口投与に適当な、例えば錠剤等は、乳糖等の賦形剤、澱粉等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤等を用いて製造できる。
【0112】
非経口投与に適当な、例えば注射剤等は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩溶液とブドウ糖溶液の混合液等を用いて製造できる。
化合物(I)またはその薬学的に許容される塩の投与量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、通常、経口の場合、成人1人当たり0.01 mg〜1 g、好ましくは0.05〜100 mgを一日一回ないし数回投与する。静脈内投与等の非経口投与の場合、成人1人当たり0.001〜100 mg、好ましくは0.01〜10 mgを一日一回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量及び投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
【0113】
以下に、本発明の態様を実施例で説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

【実施例1】
【0114】
製剤例1:錠剤
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。
ジアネマイシン40g、乳糖286.8g及び馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。得られた混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
【0115】
【表3】

【実施例2】
【0116】
製剤例2:注射剤
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。
ジアネマイシン1 gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
【0117】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明により、ポリエーテル化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤等が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化12】


{式中、R1
【化13】


[式中、R6はホルミル、CH2OR7(式中、R7は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の脂肪族複素環基を表す)、CO2R8(式中、R8は前記R7と同義である)、またはCONR9aR9b(式中、R9a及びR9bは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の脂肪族複素環基を表す)を表すか、またはR6がR4またはR5と一緒になって
【化14】


(炭素原子Aと炭素原子Bとが結合する)
または
【化15】


(式中、R10は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、炭素原子Aと炭素原子Cとが結合する)を形成する]または
【化16】


(式中、R11は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の脂肪族複素環基を表す)を表し、
R2は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、
R3は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換の複素環基を表し、
R4及びR5は同一または異なって水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、または置換もしくは非置換の低級アルコキシを表すか、R4及びR5が一緒になって酸素原子または硫黄原子を表すか、またはR1
【化17】


(式中、R6は前記と同義である)である場合、R4またはR5がR6と一緒になって
【化18】


(炭素原子Aと炭素原子Bとが結合する)
または
【化19】


(式中、R10は前記と同義であり、炭素原子Aと炭素原子Cとが結合する)を形成する}で表されるポリエーテル化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項2】
R1
【化20】


(式中、R8は前記と同義である)である請求項1記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項3】
R8が水素原子である請求項2記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項4】
R2が水素原子である請求項1〜3のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項5】
R3が置換もしくは非置換の脂肪族複素環基である請求項1〜4のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項6】
R3
【化21】


である請求項1〜4のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項7】
R4がヒドロキシであり、R5がヒドロキシメチルである請求項1〜6のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項8】
癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が造腫瘍活性を有する細胞である請求項1〜7のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項9】
癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が、造腫瘍活性を有する、腫瘍原発巣に存在する細胞集団、腫瘍再発巣に存在する細胞集団、1つ以上の細胞で構成される微少転移巣を含む転移腫瘍巣に存在する細胞集団、骨髄に存在する細胞集団、サイドポピュレーション(Side population)細胞集団、静止期細胞集団、G0期細胞集団、RNA含有量が全癌細胞集団における平均含有量より相対的に低い細胞集団、ピロニンY(pyroninY)取込み量が全癌細胞集団における平均取込み量より相対的に低い細胞集団、CD34陽性細胞集団、CD38陰性細胞集団、CD138陰性細胞集団、CD44陽性細胞集団、CD24発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に低い細胞集団、上皮特異的抗原(epithelial-specific antigen: ESA)陽性細胞集団、スフェア(sphere)細胞集団、CD24陽性細胞集団、CD166陽性細胞集団、α2β1インテグリン陽性細胞集団、CD133陽性細胞集団、CD90陽性細胞集団、CD55陽性細胞集団、CD55発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に高い細胞集団及びアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Aldehyde Dehydrogenase: ALDH)活性が高い細胞集団から選択される少なくとも一つの細胞集団に属する細胞である請求項1〜7のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項10】
癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が、造腫瘍活性を有するサイドポピュレーション(Side population)細胞集団に属する細胞である請求項1〜7のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項11】
癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が、造腫瘍活性を有するスフェア(sphere)細胞集団に属する細胞である請求項1〜7のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項12】
癌が血液癌である請求項1〜11のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項13】
癌が固形癌である請求項1〜11のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項14】
癌が乳癌または肺癌である請求項1〜11のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項15】
少なくとも1つの化合物と同時に又は遂次的に投与するための請求項1〜14のいずれかに記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項16】
少なくとも1つの化合物が抗腫瘍剤である請求項15記載の癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤。
【請求項17】
請求項1〜7のいずれかに記載のポリエーテル化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌の転移及び/または再発の予防剤。
【請求項18】
癌が、その癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が造腫瘍活性を有する癌である請求項17記載の癌の転移及び/または再発の予防剤
【請求項19】
癌が、その癌幹細胞及び/または癌前駆細胞が、造腫瘍活性を有する、腫瘍原発巣に存在する細胞集団、腫瘍再発巣に存在する細胞集団、1つ以上の細胞で構成される微少転移巣を含む転移腫瘍巣に存在する細胞集団、骨髄に存在する細胞集団、サイドポピュレーション(Side population)細胞集団、静止期細胞集団、G0期細胞集団、RNA含有量が全癌細胞集団における平均含有量より相対的に低い細胞集団、ピロニンY(pyroninY)取込み量が全癌細胞集団における平均取込み量より相対的に低い細胞集団、CD34陽性細胞集団、CD38陰性細胞集団、CD138陰性細胞集団、CD44陽性細胞集団、CD24発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に低い細胞集団、上皮特異的抗原(epithelial-specific antigen: ESA)陽性細胞集団、スフェア(sphere)細胞集団、CD24陽性細胞集団、CD166陽性細胞集団、α2β1インテグリン陽性細胞集団、CD133陽性細胞集団、CD90陽性細胞集団、CD55陽性細胞集団、CD55発現量が全癌細胞集団における平均発現量より相対的に高い細胞集団及びアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Aldehyde Dehydrogenase: ALDH)活性が高い細胞集団から選択される少なくとも一つの細胞集団に属する細胞である請求項17記載の癌の転移及び/または再発の予防剤
【請求項20】
癌が血液癌である請求項17〜19のいずれかに記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
【請求項21】
癌が固形癌である請求項17〜19のいずれかに記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
【請求項22】
癌が乳癌または肺癌である請求項17〜19のいずれかに記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
【請求項23】
少なくとも1つの化合物と同時に又は遂次的に投与するための請求項17〜22のいずれかに記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。
【請求項24】
少なくとも1つの化合物が抗腫瘍剤である請求項23記載の癌の転移及び/または再発の予防剤。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−213612(P2011−213612A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81122(P2010−81122)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001029)協和発酵キリン株式会社 (276)
【Fターム(参考)】