説明

癌治療のためのビス(チオ‐ヒドラジドアミド)塩

開示されるのは構造式(I)によって表されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩であり、Yは共有結合であるか、または置換もしくは非置換直鎖ヒドロカルビル基である。R1〜R4は独立して-H、脂肪族基、置換脂肪族基、アリール基、もしくは置換アリール基であるか、またはR1およびR3はこれらが結合している炭素および窒素原子とともに、ならびに/もしくはR2およびR4はこれらが結合している炭素および窒素原子とともに、任意に芳香族環に縮合した非芳香族複素環を形成する。Zは-Oまたは-Sである。M+は薬学的に許容され得る一価の陽イオンであり、M2+は薬学的に許容され得る二価の陽イオンである。開示されるのはまた、上記のビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩を含む医薬組成物である。さらに開示されるのは癌を有する被験体を治療する方法である。該方法は、上記のビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩の有効量を投与する工程を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2004年6月23日に出願された米国特許仮出願第60/582,596号および2005年5月16日に出願された米国特許仮出願第60/681,368号の利益を主張する。上記出願の全体の教示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
(発明の背景)
現在、多くの薬物が癌治療において使用され得る。しかしながら多くの場合、癌は抗癌療法に反応しない、または癌の成長および/もしくは転移がただ遅くなるだけである。腫瘍の大きさが減少したり、腫瘍が小康状態に入ったり、最初は抗癌療法に反応する場合でも、腫瘍はしばしば薬物に対して耐性ができる。これらの理由のため、複数の薬物に耐性を持つ癌を治療するのに用いられ得る、新しい抗癌剤および新しい薬物の必要性がある。
【0003】
特定のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)化合物は、多剤耐性となった癌細胞を含む癌細胞に対して有意に細胞傷害性があるとして、ならびにタキソール(taxol)およびエポシロン(Epothilone)D等の他の抗癌剤の抗癌活性を高めるために、本発明者達により記載されている(例えば、全内容が参照により本明細書に援用される米国公開第2004/0225016 A1号、第2003/0045518号および第2003/0119914号を参照されたい)。
【0004】
(本発明の概要)
ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩(disalts)は、予想外に高い水溶性および生物学的利用能を示すことが見出されている。例えば化合物(1)および(2)の対応する中性型の溶解度が約0.1 mg/mlであるのに比べて、化合物(1)および(2)の二ナトリウム(disodium)塩ならびに二カリウム(dipotassium)塩は1,000 mg/mlを超える水溶性を示す(実施例2、10、および15を参照されたい)。溶解度の同様の増加は化合物(12)、(13)および(14)の二ナトリウム塩ならびに二カリウム塩で見られた(実施例12-15を参照されたい)。さらに、化合物(1)の中性化合物の生物学的利用能は4.8%であったのに、二ナトリウム塩の生物学的利用能は80%であった(実施例16を参照されたい)。化合物(1)および(2)の代表する互変異性体構造を以下に示す:


これらの結果に基づき、ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩を含む医薬組成物である新規のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩、およびビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩を用いる治療の方法が開示される。
【0005】
本発明の一態様は、以下の構造式(I)で表される化合物、およびその互変異性型:



である。
【0006】
Yは共有結合、または置換もしくは非置換の直鎖のヒドロカルビル基である。R1〜R4は独立して‐H、脂肪族基、置換の脂肪族基、アリール基もしくは置換のアリール基であるか、またはR1およびR3はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって、ならびに/もしくはR2およびR4はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって、任意に芳香環に縮合した非芳香族複素環を形成する。Zは‐Oまたは‐Sである。M+は薬学的に許容され得る一価の陽イオンであり、M2+は薬学的に許容され得る二価の陽イオンである。
【0007】
本発明の別の様態は、本明細書に開示されるビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩および薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含む医薬組成物である。該医薬組成物は例えば抗癌剤として治療に用いられ得る。
【0008】
本発明はまた癌を有する被検体を治療する方法を提供する。該方法は本明細書に開示されるビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩の有効量を被検体に投与することを含む。該ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は、単一の治療として(すなわち被検体に投与されるただ一つの抗癌剤として)投与されるか、または1つ以上の他の抗癌剤と共に同時投与される。
【0009】
個体の癌治療を目的とする薬の製造における本明細書に開示されるビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩の使用もまた、本発明において提供される。
【0010】
本発明はまた、ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩を調製する方法を提供する。該方法は、中性のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)、有機溶媒および塩基を合わせてビス(チオ‐ヒドラジドアミド)溶液を形成する工程;ならびに、該溶液および有機アンチソルベント(antisolvent)を合わせることによりビス(チオ‐ヒドラジドアミド)の二塩を沈殿させる工程を含む。
【0011】
様々な態様において、ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩を調製する方法は、中性のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)、およびメタノール、エタノール、アセトン、およびメチルエチルケトンより選ばれる有機溶媒を合わせて混合物を作る工程;該混合物に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムエトキシドより選ばれる塩基の少なくとも二当量を添加することにより溶液を形成する工程;ならびに、該溶液およびペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、酢酸エチルおよびジエチルエーテルより選ばれる有機非溶媒を合わせてビス(チオ‐ヒドラジドアミド)の二塩を沈殿させる工程を含む。
【0012】
様々な態様において、ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩を調製する方法は、中性のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)、有機溶媒および塩基を合わせてビス(チオ‐ヒドラジドアミド)溶液を形成する工程;ならびに、ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)の二塩を分離する工程を含む。
【0013】
様々な態様において、ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩を調製する方法は、中性のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)、有機溶媒および塩基を合わせてビス(チオ‐ヒドラジドアミド)溶液を形成する工程;ならびに、該溶液およびメチルtert-ブチルエーテルを合わせることによりビス(チオ‐ヒドラジドアミド)の二塩を沈殿させる工程を含む。
【0014】
様々な態様において、ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩を調製する方法は、中性のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)、ならびにメタノール、エタノール、アセトン、およびメチルエチルケトンより選ばれる有機溶媒を合わせて混合物を作る工程;該混合物に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムエトキシドより選ばれる塩基の少なくとも二当量を添加することにより溶液を形成する工程;ならびに、該溶液およびメチルtert-ブチルエーテルを合わせてビス(チオ‐ヒドラジドアミド)の二塩を沈殿させる工程を含む。
【0015】
開示のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は優れた水溶性および高い生物学的利用能を有するため、静脈内および経口投与に適する水性の製剤に用いられ得る。また、該開示のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は比較的毒性が低く、最小限の副作用で比較的高用量での、該開示の二塩の使用を可能にする。該化合物の高い水溶性は、言い換えると、高用量製剤を可能にする。
【0016】
本明細書中に開示されるビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は、多剤耐性となった癌を含む癌を治療するのに用いられ得る。従って、該開示のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は他の薬物養生の効果が無かったあるいは無くなったかのいずれかの癌を治療するのに用いられ得る。さらに、該開示のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩はタキソールまたはタキソールの類似体等の他の抗癌剤と併用した時に特に効果的である。
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は構造式(I)で表される。
【0018】
M+は薬学的に許容され得る一価の陽イオンである。M2+は薬学的に許容され得る二価の陽イオンである。「薬学的に許容され得る」とは、該陽イオンが被検体への投与に適することを意味する。M+またはM2+の例としては、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、およびNR4+が挙げられ、ここでRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の脂肪族基(例えば、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基もしくはアンモニウムアルキル基)もしくは置換もしくは非置換のアリール基、または2つのR基が一緒になって任意に芳香環に縮合された置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成する。好ましくは、該薬学的に許容され得る陽イオンはLi+、Na+、K+、NH3(C2H5OH)+、N(CH3)3(C2H5OH)+、アルギニンまたはリシンである。より好ましくは、該薬学的に許容され得る陽イオンはNa+またはK+である。Na+はさらにより好ましい。
【0019】
構造式(I)において、Zは好ましくは‐Oである。より好ましくは、Zは‐Oであり;R1およびR2は同じであり;ならびにR3およびR4は同じである。
【0020】
一態様において、構造式(I)のYは共有結合、-C(R5R6)-、-(CH2CH2)-、トランス-(CH=CH)-、シス-(CH=CH)-または-(CC)-基であり、好ましくは-C(R5R6)-基である。R1〜R4は構造式(I)について上述の通りである。R5およびR6はそれぞれ独立して‐H、脂肪族基もしくは置換の脂肪族基である、またはR5は‐Hであり、およびR6は置換もしくは非置換のアリール基であるか、またはR5およびR6は一緒になって、C2〜C6置換もしくは非置換のアルキレン基である。薬学的に許容され得る陽イオンは上述の通りである。
【0021】
本発明の好ましい態様において、該ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は構造式(II):



で表される。R1〜R6および該薬学的に許容され得る陽イオンは構造式(I)について上述の通りである。
【0022】
本発明のさらに好ましい一態様において、該ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は、R1およびR2がそれぞれ置換または非置換のアリール基、好ましくは置換あるいは非置換のフェニル基であり;R3およびR4はそれぞれ置換または非置換の脂肪族基、好ましくはアルキル基、より好ましくはメチル基またはエチル基であり;ならびにR5およびR6は上述の通りだが、R5は好ましくは‐Hであり、およびR6は好ましくは‐H、脂肪族基または置換の脂肪族基である、構造式(II)で表される。
【0023】
あるいは、R1およびR2はそれぞれ置換または非置換のアリール基であり;R3およびR4はそれぞれ置換または非置換の脂肪族基であり;R5は‐Hであり;ならびにR6は‐H、脂肪族基または置換の脂肪族基である。好ましくは、R1およびR2はそれぞれ置換または非置換のアリール基であり;R3およびR4はそれぞれアルキル基であり;ならびにR5は‐Hであり、およびR6は‐Hまたはメチルである。さらにより好ましくは、R1およびR2はそれぞれ置換または非置換のフェニル基であり;R3およびR4はそれぞれメチル基またはエチル基であり;ならびにR5は‐Hであり、およびR6は‐Hまたはメチル基である。R1およびR2で表されるアリール基ならびにR3、R4およびR6で表される脂肪族基の適切な置換基は、アリール基および脂肪族基として以下に記載される。
【0024】
本発明の別のさらに好ましい態様において、該ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は、R1およびR2がそれぞれ置換または非置換の脂肪族基、好ましくは少なくとも一つのアルキル基と任意に置換したC3〜C8シクロアルキル基、より好ましくはシクロプロピル基または1-メチルシクロプロピル基であり;R3およびR4が構造式(I)について上述の通りであり、好ましくは両方とも置換または非置換のアルキル基であり;ならびにR5およびR6が上述の通りだが、R5が好ましくは‐Hであり、およびR6が好ましくは‐H、脂肪族基または置換の脂肪族基であり、より好ましくは‐Hまたはメチル基である、構造式(II)で表される。
【0025】
あるいは、該ビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は、R1およびR2がそれぞれ置換または非置換の脂肪族基であり;R3およびR4が構造式(I)について上述の通りであり、好ましくは両方とも置換または非置換のアルキル基であり;ならびにR5が‐Hであり、およびR6が‐H、または任意に置換した脂肪族基である、構造式(II)で表される。好ましくはR1およびR2は両方とも、少なくとも一つのアルキル基と任意に置換したC3〜C8シクロアルキル基であり;R3およびR4は両方とも構造式(I)について上述の通りであり、好ましくはアルキル基であり;ならびにR5は‐Hであり、およびR6は‐H、脂肪族基または置換の脂肪族基である。より好ましくは、R1およびR2は両方とも、少なくとも一つのアルキル基と任意に置換したC3〜C8シクロアルキル基であり;R3およびR4は両方ともアルキル基であり;ならびにR5は‐Hであり、およびR6は‐Hまたはメチル基である。さらにより好ましくは、R1およびR2は両方ともシクロプロピル基または1-メチルシクロプロピル基であり;R3およびR4は両方ともアルキル基、好ましくはメチル基またはエチル基であり;ならびにR5は‐Hであり、およびR6は‐Hまたはメチル基である。
【0026】
以下は構造式(II)で表されるビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩の具体例である:R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はエチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともフェニルであり、ならびにR5およびR6は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2-チエニルであり;R3およびR4は両方ともフェニルであり、ならびにR5およびR6は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも4-シアノフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はベンジルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はエチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともエチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はn-ブチルである;R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はイソプロピルである;R1およびR2は両方とも3-ニトロフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;;R1およびR2は両方とも4-クロロフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6は3-チエニルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり、ならびにR5およびR6は一緒になってプロピレンである;R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方とも2-クロロ-5-メトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方とも2,5-ジクロロフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方とも2,6-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方とも2,5-ジメチルフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともエチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである、R1およびR2は両方とも2,5-ジエトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5は‐Hであり、ならびにR6はメチルである;R1およびR2は両方ともシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともエチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり、ならびにR6は‐Hである;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はエチルであり、ならびにR6は‐Hである;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はn-プロピルであり、ならびにR6は‐Hである;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともエチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3はメチルであり、およびR4はエチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方とも2-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方とも2-フェニルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方とも1-フェニルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともシクロブチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともシクロペンチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともシクロヘキシルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともシクロヘキシルであり;R3およびR4は両方ともフェニルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともメチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともメチルであり;R3およびR4は両方ともt-ブチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともメチルであり;R3およびR4は両方ともフェニルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともt-ブチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともエチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方ともn-プロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである。これらの例において、M+およびM2+で表される該薬学的に許容され得る陽イオンは構造式(I)について記載の通りであり、好ましくはLi+、Na+、K+、NH3(C2H5OH)+またはN(CH3)3(C2H5OH)+であり、より好ましくはNa+またはK+、さらにより好ましくはNa+である。
【0027】
構造式(II)で表される多くのビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩に関して、Yは-CH2-である。例としては:R1およびR2は両方ともフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともo-CH3-フェニルである;R1およびR2は両方ともo-CH3C(O)O-フェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともフェニルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともエチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともn-プロピルである;R1およびR2は両方ともp-シアノフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともp-ニトロフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともn-ブチルである;R1およびR2は両方ともp-クロロフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも3-ニトロフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも3-シアノフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも3-フルオロフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2-フラニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともフェニルである;R1およびR2は両方とも2-メトキシフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも3-メトキシフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2-メトキシ-5-クロロフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともエチルである;R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2,5-ジクロロフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2,5-ジメチルフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2-メトキシ-5-クロロフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも3,6-ジメトキシフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方とも2-エチルフェニルである;R1およびR2は両方とも2-メチル-5-ピリジルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;またはR1はフェニルであり;R2は2,5-ジメトキシフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともメチルであり、ならびにR3およびR4は両方ともp-CF3-フェニルである;R1およびR2は両方ともメチルであり、ならびにR3およびR4は両方ともo-CF3-フェニルである;R1およびR2は両方とも-CH2)3COOHであり;ならびにR3およびR4は両方ともフェニルである;R1およびR2は両方とも以下の構造式:



で表され、ならびにR3およびR4は両方ともフェニルである;R1およびR2は両方ともn-ブチルであり、ならびにR3およびR4は両方ともフェニルである;R1およびR2は両方ともn-ペンチルであり、ならびにR3およびR4は両方ともフェニルである;R1およびR2は両方ともメチルであり、ならびにR3およびR4は両方とも2-ピリジルである;R1およびR2は両方ともシクロヘキシルであり、ならびにR3およびR4は両方ともフェニルである;R1およびR2は両方ともメチルであり、ならびにR3およびR4は両方とも2-エチルフェニルである;R1およびR2は両方ともメチルであり、ならびにR3およびR4は両方とも2,6-ジクロロフェニルである;R1〜R4全てがメチルである;R1およびR2は両方ともメチルであり、ならびにR3およびR4は両方ともt-ブチルである;R1およびR2は両方ともエチルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともt-ブチルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともシクロプロピルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともシクロプロピルであり、ならびにR3およびR4は両方ともエチルである;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2-メチルシクロプロピルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも1-フェニルシクロプロピルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方とも2-フェニルシクロプロピルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともシクロブチルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1およびR2は両方ともシクロペンチルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである;R1はシクロプロピルであり、R2はフェニルであり、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである、が挙げられる。これらの例において、M+およびM2+で表される該薬学的に許容され得る陽イオンは構造式(I)について記載の通りであり、好ましくはLi+、Na+、K+、NH3(C2H5OH)+またはN(CH3)3(C2H5OH)+であり、より好ましくはNa+またはK+、さらにより好ましくはNa+である。
【0028】
本発明のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩の好ましい例は以下の通りである:



2M+およびM2+は構造式(I)について上述の通りである。好ましくは、該薬学的に許容され得る陽イオンは、M+がLi+、Na+、K+、NH3(C2H5OH)+またはN(CH3)3(C2H5OH)+である、2M+である。より好ましくは、M+はNa+またはK+である。さらにより好ましくは、M+はNa+である。
【0029】
構造式(I)〜(II)において、R1およびR2は同じであるか、もしくは異なっており、ならびに/またはR3およびR4は同じであるか、もしくは異なっている。好ましくは、R1およびR2は同じであり、ならびにR3およびR4は同じである。
【0030】
開示のビス(チオ‐ヒドラジドアミド)二塩は互変異性型を有し得る。例の目的で、例えば、Yが-CH2-である構造式(II)で表される該化合物の互変異性型を以下に示す:






開示の化合物のある互変異性型が構造的に描かれる時、他の互変異性型もまた包含される事を理解されたい。
【0031】
本発明のある特定の化合物は、異なる立体異性体(例えばジアステレオマーおよびエナンチオマー)として得られ得る。本発明は、全ての異性体型および開示された化合物のラセミ混合物、ならびに純粋な異性体、およびラセミ混合物を含むその混合物の双方で被験体を処置する方法を含む。立体異性体は、クロマトグラフィー等の任意の好適な方法を用いて分離され、および単離され得る。
【0032】
「直鎖ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基」はアルキレン基、すなわち結合基で任意に置換された1つ以上(好ましくは1つ)の内部メチレン基を有する-(CH2)y-である。yは正の整数(例えば1〜10)であり、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1または2である。「結合基」とは、直鎖ヒドロカルビルのメチレンを置換する官能基をいう。好適な結合基の例としては、ケトン(-C(O)-)、アルケン、アルキン、フェニレン、エーテル(-O-)、チオエーテル(-S-)、またはアミン(-N(Ra)-)が挙げられ、Raは以下のように規定される。好ましい結合基は-C(R5R6)-であり、R5およびR6は上記のように規定される。アルキレン基およびヒドロカルビル基の好適な置換基は、開示された化合物の抗癌活性を実質的に阻害しないものである。R5およびR6は、Yで表されるアルキレン基またはヒドロカルビル基の好ましい置換基である。
【0033】
脂肪族基は、完全に飽和しているか、もしくは1つ以上の不飽和単位を含有する直鎖、分枝または環式非芳香族炭化水素である。典型的に、直鎖または分枝脂肪族基は1〜約20、好ましくは1〜約10の炭素原子を有し、および環式脂肪族基は3〜約10、好ましくは3〜約8の炭素原子を有する。脂肪族基は、好ましくは直鎖または分枝アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチルもしくはオクチルであるか、または3〜約8の炭素原子を有するシクロアルキル基である。C1〜C8直鎖もしくは分枝アルキル基、またはC3〜C8環式アルキル基もまた「低級アルキル」基としてよばれる。
【0034】
用語「芳香族基」は、「アリール」、「アリール環」、「芳香族環」、「アリール基」および「芳香族基」と同義的に用いられ得る。芳香族基として、フェニル、ナフチルおよびアントラシル(anthracyl)等の炭素環式芳香族基、ならびにイミダゾリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピリミジル(pyrimidy)、ピラニル、ピラゾリル、ピロリル(pyrroyl)、ピラジニル、チアゾール、オキサゾリル、およびテトラゾール等のヘテロアリール基が挙げられる。用語「ヘテロアリール基」は、「ヘテロアリール」、「ヘテロアリール環」、「ヘテロ芳香族環」および「ヘテロ芳香族基」と同義的に用いられ得る。ヘテロアリール基は、環構造中に硫黄、酸素および窒素等の1つ以上のヘテロ原子を含む芳香族基である。好ましくは、ヘテロアリール基は1〜4のヘテロ原子を含む。
【0035】
芳香族基はまた縮合多環式芳香族環系を含み、その中で炭素環式芳香族環またはヘテロアリール環が1つ以上の他のヘテロアリール環に縮合される。例として、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール(benzooxazole)、ベンズイミダゾール、キノリニル、イソキノリニルおよびイソインドリルが挙げられる。
【0036】
用語「アリーレン(arylene)」は、2つの他の結合によって分子の残余に結合されるアリール基をいう。例として、1,4-フェニレン基の構造を以下に示す:


【0037】
アリーレン基の置換基は、アリール基の以下に記載されるようなものである。
【0038】
非芳香族ヘテロ環式環は、窒素、酸素、または硫黄等の1つ以上のヘテロ原子を環中に含む非芳香族環である。該環は、5、6、7または8員環であり得る。好ましくは、ヘテロ環基は1〜約4のヘテロ原子を含む。例として、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル(tetrahyrothiophenyl)、モルホリノ、チオモルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニルおよびチアゾリジニルが挙げられる。
【0039】
(アルキレン基を含む)脂肪族基、非芳香族ヘテロ環基、ベンジル基またはアリール基(炭素環式およびヘテロアリール)の好適な置換基は、開示された化合物の抗癌活性を実質的に阻害しないものである。置換基を有する化合物において、置換基を有さない化合物と比較して、抗癌活性が約50%より多く減少するとき、置換基は実質的に抗癌活性を阻害する。好ましい置換基の例として、-Ra、-OH、-Br、-Cl、-I、-F、-ORa、-O-CORa、-CORa、-CN、-NO2、-COOH、-SO3H、-NH2、-NHRa、-N(RaRb)、-COORa、-CHO、-CONH2、-CONHRa、-CON(RaRb)、-NHCORa、-NRcCORa、-NHCONH2、-NHCONRaH、-NHCON(RaRb)、-NRcCONH2、-NRcCONRaH、-NRcCON(RaRb)、-C(=NH)-NH2、-C(=NH)-NHRa、-C(=NH)-N(RaRb)、-C(=NRc)-NH2、-C(=NRc)-NHRa、-C(=NRc)-N(RaRb)、-NH-C(=NH)-NH2、-NH-C(=NH)-NHRa、-NH-C(=NH)-N(RaRb)、-NH-C(=NRc)-NH2、-NH-C(=NRc)-NHRa、-NH-C(=NRc)-N(RaRb)、-NRdH-C(=NH)-NH2、-NRd-C(=NH)-NHRa、-NRd-C(=NH)-N(RaRb)、-NRd-C(=NRc)-NH2、-NRd-C(=NRc)-NHRa、-NRd-C(=NRc)-N(RaRb)、-NHNH2、-NHNHRa、-NHRaRb、-SO2NH2、-SO2NHRa、-SO2NRaRb、-CH=CHRa、-CH=CRaRb、-CRc=CRaRb、-CRc=CHRa、-CRc=CRaRb、-CCRa、-SH、-SRa、-S(O)Ra、-S(O2)Raが挙げられる。
【0040】
Ra〜Rdは各々独立してアルキル基、芳香族基、非芳香族ヘテロ環基または-N(RaRb)であり、一緒になって置換または非置換の非芳香族ヘテロ環基を形成する。Ra〜Rdで表されるアルキル、芳香族および非芳香族ヘテロ環基、ならびに-N(RaRb)で表される非芳香族ヘテロ環基は、各々が任意に独立して、R#で表される1つ以上の基で置換される。
【0041】
R#は、R+、-OR+、-O(ハロアルキル)、-SR+、-NO2、-CN、-NCS、-N(R+)2、-NHCO2R+、-NHC(O)R+、-NHNHC(O)R+、-NHC(O)N(R+)2、-NHNHC(O)N(R+)2、-NHNHCO2R+、-C(O)C(O)R+、-C(O)CH2C(O)R+、-CO2R+、-C(O)R+、-C(O)N(R+)2、-OC(O)R+、-OC(O)N(R+)2、-S(O)2R+、-SO2N(R+)2、-S(O)R+、-NHSO2N(R+)2、-NHSO2R+、-C(=S)N(R+)2、または-C(=NH)-N(R+)2である。
【0042】
R+は、-H、C1〜C4アルキル基、単環式ヘテロアリール基、非芳香族ヘテロ環基またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、-CN、-NO2、アミン、アルキルアミンもしくはジアルキルアミンで任意に置換されたフェニル基である。任意に、-N(R+)2基は非芳香族ヘテロ環基である、ただしR+で表される非芳香族ヘテロ環基、および第2級の環アミンを構成する-N(R+)2が任意にアシル化またはアルキル化されるものとする。
【0043】
R1〜R4で表されるフェニル基類を含む、フェニル基に対する好ましい置換基として、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ、フェニル、ベンジル、ピリジル、-OH、-NH2、-F、-Cl、-Br、-I、-NO2、または-CNが挙げられる。
【0044】
R1およびR2で表されるシクロアルキル基類を含む、シクロアルキル基に対する好ましい置換基は、メチル基またはエチル基等のアルキル基である。
【0045】
本発明の別の態様は、本明細書中で開示されたビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩(disalt)および薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含む医薬組成物である。
【0046】
好適な薬学的に許容され得る担体は、開示された二塩の生物活性を阻害しない不活性成分を含み得る。薬学的に許容され得る担体は生体適合性、すなわち非毒性、非炎症性、非免疫原性、および被験体に投与する際に他の望ましくない反応が全くないべきである。Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, PAに記載されたもの等の、標準的な医薬製剤化の技術が使用され得る。投与される化合物の処方は、選択される投与経路にしたがって異なるであろう(例えば液剤、エマルジョン、カプセル)。非経口投与に好適な医薬担体としては、例えば滅菌水、生理的食塩水、静菌食塩水(約0.9% mg/ml ベンジルアルコールを含有する食塩水)、リン酸緩衝食塩水、ハンクス液、リンガー液等が挙げられる。組成物を被包する方法(硬いゼラチンまたはシクロデキストリンでの被覆等)が当該分野で公知である(Bakerら, 「Controlled Release of Biological Active Agents」, John Wiley and Sons, 1986)。
【0047】
本発明の別の態様は、癌を患う被験体の処置方法である。任意に、本発明の方法は、以下に記載されるような多剤耐性癌に用いられ得る。該方法は、本明細書中に記載されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩の有効量を投与する工程を含む。好ましくは、1つ以上のさらなる抗癌薬物が、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩と同時投与される。抗癌薬物の例は以下に記載される。好ましくは、同時投与される抗癌薬物は、微小管(mictotubule)を安定させるタキソールまたはタキソールのアナログ等の薬剤である。
【0048】
「被験体」は哺乳動物、好ましくはヒトであるが、獣医学的処置を必要とする動物、例えば愛玩用動物(companion animals)(例えばイヌ、ネコ等)、家畜動物(例えばウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ等)および実験動物(例えばラット、マウス、モルモット等)でもあり得る。
【0049】
上記したように、本発明の1つの態様は、癌を患う被験体の処置に指向される。「癌を患う被験体の処置」とは、以下:癌の成長または広がりを抑制すること、癌の程度を減少させること(例えば腫瘍の大きさを減少させること、または患部の数を減少させること)、癌の成長速度を抑制すること、および癌(組織または血清成分等)と関連する臨床症状もしくは臨床指標を改善または向上させること、の1つ以上を部分的にまたは実質的に達成することを含む。
【0050】
本発明の方法によって処置または予防され得る癌は、限定されないが、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫、頚(cervical)癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、希突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、網膜芽腫のヒト肉腫および癌;例えば、急性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病(骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病および赤白血病)の白血病;慢性白血病(慢性骨髄性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ性白血病);ならびに真性多血症、リンパ腫(ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症(waldenstrobm’s macroglobulinemia)、およびH鎖病が挙げられる。
【0051】
白血病の他の例としては、例えば、(例えばp388(ネズミ)細胞系によって例示されるような)リンパ性白血病、大顆粒リンパ性白血病、およびリンパ芽球性白血病の急性および/または慢性白血病;例えば、(例えばCEM、ジャーカット、およびHSB-2(急性)、YAC-1(ネズミ)細胞系によって例示されるような)T細胞白血病、Tリンパ性白血病、およびTリンパ芽球性白血病のT細胞白血病;(例えばSB(急性)細胞系によって例示されるような)B細胞白血病、およびBリンパ性白血病;例えば、BおよびT細胞白血病、ならびにBおよびTリンパ性白血病の混合細胞白血病;例えば、顆粒球性白血球、(例えばHL-60(前骨髄球)細胞系によって例示されるような)骨髄性白血病(myelocytic leukemia)、および(例えばK562(慢性)細胞系によって例示されるような)骨髄性白血病(myelogenous leukemia);好中球性白血病;好酸球性白血病;(例えばTHP-1(急性)細胞系によって例示されるような)単球性白血病;骨髄単球性白血病;ネーゲリ型骨髄性白血病(myeloid leukemia);ならびに非リンパ性白血病が挙げられる。白血病の他の例は、Chemotherapy Sourcebook、Michael C. Perry編、Williams & Williams(1992)の60章およびHolland Frie Cancer Medicine 第5版、Bast ら編、B.C.Decker Inc.(2000)の36節に記載されている。前述の参照の全教示は、参照により本明細書中に援用される。
【0052】
1つの態様において、開示された方法は、多発性骨髄腫等の非固形腫瘍を患う被験体の処置に特に有効であると考えられる。別の態様において、開示された方法は、(例えばジャーカットおよびCEM細胞系によって例示されるような)T白血病;(例えばSB細胞系によって例示されるような)B白血病;(例えばHL-60細胞系によって例示されるような)前骨髄球;(例えばMES-SA細胞系によって例示されるような)子宮肉腫;(例えばTHP-1(急性)細胞系によって例示されるような)単球性白血病;および(例えばU937細胞系によって例示されるような)リンパ腫に対して特に有効であると考えられる;最も好ましくは、該方法のこの態様は、化合物(1)の二ナトリウム塩を使用する。
【0053】
開示された方法は、癌が「多剤耐性」になってしまった被験体の処置に特に有効である。抗癌薬物が癌を患う被験体の処置においてもはや有効でないとき、抗癌薬物に対して最初に反応した癌は、抗癌薬物に対して耐性となる。例えば、大きさの減少またはさらに寛解に向かうことによって、多くの腫瘍が抗癌薬物での処置に最初に反応し、ただ薬物に対して耐性ができるだけの結果となるであろう。増加した用量の抗癌薬物の投与にも関わらず、薬物耐性腫瘍は、その成長の再開および/または外観上寛解に向かった後の再出現によって特徴付けられる。2種以上の抗癌薬物に対して耐性ができた癌は、「多剤耐性」とよばれる。例えば、癌が3種以上の抗癌剤、しばしば5種以上の抗癌剤および時には10種以上の抗癌剤に対して耐性となるのは一般的である。
【0054】
「有効量」とは、癌を患う被験体に対して化合物を投与するとき、有益な臨床的結果が達成される化合物の量である。「有益な臨床的結果」とは、腫瘍の質量(mass)の減少、転移の減少、癌と関連する症状の重篤度の減少、および/または処置が無い場合と比較して、被験体の寿命の増加を含む。被験体に投与する化合物の正確な量は、疾患または状態のタイプおよび重篤度、ならびに全般的な健康状態、年齢、性別、体重および薬物への耐性等の、被験体の特徴に依存し得る。それはまた、癌の程度、重篤度およびタイプにも依存し得る。当業者は、これらの要因および他の要因によって適切な用量を決定し得るだろう。開示された化合物の有効量は、典型的に、1日につき約1mg/mm2〜1日につき約10グラム/mm2、好ましくは1日につき10mg/mm2〜約5グラム/mm2の範囲である。別の抗癌剤と同時投与される場合、第二の抗癌剤の「有効量」は、使用される薬物のタイプに依存し得る。好適な投薬量(dosage)は承認された抗癌剤で知られており、被験体の状態、処置される癌のタイプおよび使用されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩の量にしたがい、当業者によって調節され得る。
【0055】
開示されたビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩は、例えばカプセル、懸濁液もしくは錠剤の経口投与を含む任意の好適な経路によって、または非経口投与によって投与される。非経口投与として、例えば筋肉内、静脈内、皮下または腹腔内注射による等の全身投与を含み得る。ビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩はまた、処置される癌のタイプによって、経口的に(例えば食事)、局所的に、吸入法により(例えば気管支内、鼻腔内、経口吸入もしくは点鼻薬)または直腸的に投与される。経口投与および非経口投与が、投与の好ましい様式である。
【0056】
任意に、開示されたビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩は、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン(acronine);アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン(ambomycin);酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン、アスパラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ(azetepa);アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;二メシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン(calusterone);カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン(carubicin);カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジコン(diaziquone);ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ヂュアゾマイシン(duazomycin);エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン(elsamitrucin);エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール(erbulozole);塩酸エソルビシン(esorubicin);エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン(etoprine);塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド(fenretinide);フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;(組み換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)インターロイキンII、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;インターフェロンγ-Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン(metoprine);メツレデパ;ミチンドミド;マイトカルシン(mitocarcin);マイトクロミン(mitocromin);マイトジリン;マイトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;マイトスペル(mitosper);ミトーテン;塩酸ミトザントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン(pentamustine);硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン(pyrazofurin);リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセート(sparfosate)ナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン(temoporfin);テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン(trestolone);リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン(vinepidine);硫酸ビングリシネート(vinglycinate);硫酸ビンロイロシン(vinleurosine);酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン(vinrosidine);硫酸ビンゾリジン(vinzolidine);ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン等の、他の抗癌剤と同時投与され得る。
【0057】
他の抗癌薬物としては、限定されないが:20-エピ(epi)-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン(acylfulvene);アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン(ambamustine);アミドクス(amidox);アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォリド(andrographolide);新脈管形成阻害薬;アンタゴニストD;アンタゴニズトG;アンタレリクス;抗背側化形成タンパク質1(anti-dorsalizing morphogenetic protein-1);抗アンドロゲン、前立腺癌腫(prostatic carcinoma);抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン(aphidicolin glycinate);アポトーシス遺伝子調節因子(modulator);アポトーシス調節因子(regulator);アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン(axinastatin)1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン(azatoxin);アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール(balanol);バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン(benzochlorin);ベンゾイルスタウロスポリン(benzoylstaurosporine);βラクタム誘導体;β-アレチン(alethine);βクラマイシン(clamycin)B;ベツリン酸;bFGF阻害因子;ビカルタマイド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド;ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリアポックスIL-2;カペシタビン(capecitabine);カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来の阻害薬;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害薬(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロールン(chlorln);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシン(collismycin)A;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クランベスシジン(crambescidin)816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシン(curacin)A;シクロペンタントラキノン(cyclopentanthraquinone);シクロプラタム(cycloplatam);サイペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロダイデムニン(dehydrodidemnin)B;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ダイデムニン(didemnin)B;ジドクス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシン(duocarmycin)SA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン(fluasterone);フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin);ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害薬;ゲムシタビン;グルタチオン阻害薬;ヘプスルファム(hepsulfam);ヘレグリン(heregulin);ヘキサメチレンビスアセタミド;ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモホシン、イロマスタット、イミダゾアクリドン(imidazoacridones)、イミキモド、免疫刺激ペプチド、インスリン様成長因子-1受容体阻害薬、インターフェロンアゴニスト、インターフェロン、インターロイキン、ヨーベングアン、ヨードドキソルビシン、4-イポメアノール(ipomeanol, 4-)、イロプラクト(iroplact)、イルソグラジン、イソベンガゾール(isobengazole)、イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン-Nトリアセタート、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン(lentinan sulfate)、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病抑制因子、白血球αインターフェロン、リュープロリド+エストロゲン+プロゲステロン、リュープロレリン、レバミソール、リアロゾール、鎖状ポリアミン類似体、親油性二糖ペプチド、親油性白金化合物、リッソクリナミド7、ロバプラチン、ロンブリシン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、ルルトテカン、テキサフィリンルテチウム(lutetium texaphyrin)、リソフィリン(lysofylline)、細胞溶解性ペプチド、マイタンシン(maitansine)、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリリシン阻害薬、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害薬、メノガリル、メルバロン、メテレリン、メチオニナーゼ(methioninase)、メトクロプラミド、MIF阻害薬、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマイシン類似体、ミトナフィド、マイトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞増殖因子-サポリン(saporin)、ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム(molgramostim)、モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、モノホスホリル脂質A+ミコバクテリウム(myobacterium)細胞壁ストレプトキナーゼ(sk)、モピダモール、多薬剤耐性遺伝子阻害薬、多腫瘍抑制因子1に基づく治療薬(suppressor 1-based therapy)、カラシ抗癌剤、ミカペルオキシド(mycaperoxide)B、ミコバクテリア細胞壁抽出物、ミリアポロン、N-アセチルジナリン、N置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスチップ(nagrestip)、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン(napavin)、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素調節因子、ニトロキシド抗酸化剤、ニトルリン(nitrullyn)、O6-ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン(okicenone)、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカイン誘導物質、オルマプラチン(ormaplatin)、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、パラウアミン(palauamine)、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガーゼ(pegaspargase)、ペルデシン、ペントサン多硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール(pentrozole)、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、フェニル酢酸塩(phenylacetate)、ホスファターゼ阻害薬、ピシバニル、ピロカルピン塩酸塩、ピラルビシン、ピリトレキシム、プラセチン(placetin)A、プラセチン(placetin)B、プラスミノーゲン活性化因子阻害薬、白金錯体、白金化合物、白金-トリアミン錯体、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニソン、プロピルビスアクリドン(propyl bis-acridone)、プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害薬、プロテインAに基づく免疫調節物、プロテインキナーゼC阻害薬、プロテインキナーゼC阻害薬、微細藻類(microalgal)、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害薬、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害薬、プルプリン類(purpurins)、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化(pyridoxylated)ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害薬、ras阻害薬、ras-GAP阻害薬、ジメチル化レテリプチン、レニウムRe 186エチドロナート、リゾキシン、リボザイム、RIIレチンアミド、ログレチミド、ロヒツカイン(rohitukine)、ロムルチド、ロキニメックス、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、サイントピン、サルコシルCNU(SarCNU)、サルコフィトールA、サルグラモスチム、スジ1(Sdi 1)模倣物、セムスチン、セネスセンス誘導阻害薬1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害薬、シグナル伝達調節物、単鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ナトリウムボロカプテイト(sodium borocaptate)、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール(solverol)、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン(sonermin)、スパルホシン酸(sparfosic acid)、スピカマイシンD、スピロムスチン(spiromustine)、スプレノペンチン、スポンギスタチン1、スクアラミン、幹細胞阻害薬、幹細胞分裂阻害薬、スチピアミド、ストロメリシン(stromelysin)阻害薬、スルフィノシン、超活性血管活性腸ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ(suradista)、スラミン、スワインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリムスチン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフル、テルラピリリウム(tellurapyrylium)、テロメラーゼ阻害薬、テモポルフィン、テモゾロミド(temozolomide)、テニポシド、テトラクロロデカオキシド(tetrachlorodecaoxide)、テトラゾミン、タリブラスチン、チオコラリン(thiocoraline)、トロンボポエチン、トロンボポエチン模倣物、サイマルファシン(thymalfasin)、サイモポイエチン受容体アゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、スズエチルエチオプルプリン(tin ethyl etiopurpurin)、チラパザミン、二塩化チタノセン(titanocene bichloride)、トプセンチン、トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害薬、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害薬、チルホスチン類、UBC阻害薬、ウベニメックス、尿生殖洞誘導増殖抑制因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチド、バリオリンB、ベクター系、赤血球遺伝子治療薬(therapy)、ベラレソール、ベラミン(veramine)、ベルジン類(verdins)、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビンキサルチン(vinxaltine)、バイタクシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、およびジノスタチン スチマラマーが挙げられる。好ましいさらなる抗癌薬は5-フルオロウラシルおよびロイコボリンである。
【0058】
使用され得る治療用抗体の例としては、限定されないが、転移性乳癌の患者の治療のためのヒト化抗HER2モノクローナル抗体であるHERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)(Genentech, CA);凝塊形成の予防のための血小板に対する抗糖タンパク質IIb/IIIa受容体であるREOPRO(登録商標)(アブシキシマブ)(Centocor);急性腎臓同種移植拒絶の予防のための免疫抑制性の、ヒト化抗CD25モノクローナル抗体であるZENAPAX(登録商標)(ダクリズマブ)(Roche Pharmaceuticals, Switzerland);マウス抗17-IA細胞表面抗原IgG2a抗体であるPANOREXTM(Glaxo Wellcome/Centocor);マウス抗イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体であるBEC2(ImClone System);キメラ抗EGFR IgG抗体であるIMC-C225(ImClone System);ヒト化抗αVβ3インテグリン抗体であるVITAXINTM(Applied Molecular Evolution/MedImmune);ヒト化抗CD52 IgG1抗体であるCampath 1H/LDP-03(Leukosite);ヒト化抗CD33 IgG抗体であるSmart M195(Protein Design Lab/Kanebo);キメラ抗CD20 IgG1抗体であるRITUXANTM(IDEC Pharm/Genentech, Roche/Zettyaku);ヒト化抗CD22 IgG抗体であるLYMPHOCIDETM(Immunomedics);LYMPHOCIDETMY-90(Immunomedics);Lymphoscan(Tc-99m標識、放射性イメージング、Immunomedics);Nuvion(CD3に対する、Protein Design Labs);CM3はヒト化抗ICAM3抗体であり(ICOS Pharm);IDEC-114は霊長類化(primatied)抗CD80抗体であり(IDEC Pharm/Mitsubishi);ZEVALINTMは放射性標識マウス抗CD20抗体であり(IDEC/Schering AG);IDEC-131はヒト化抗CD40L抗体であり(IDEC/Eisai);IDEC-151は霊長類化(primatized)抗CD4抗体であり(IDEC);IDEC-152は霊長類化抗CD23抗体であり(IDEC/Seikagaku);SMART抗CD3はヒト化抗CD3 IgGであり(Protein Design Lab);5G1.1はヒト化抗補体因子5(C5)抗体であり(Alexion Pharm);D2E7はヒト化抗TNF-α抗体であり(CAT/BASF);CDP870はヒト化抗TNF-αFab断片であり(Celltech);IDEC-151は霊長類化抗CD4 IgG1抗体であり(IDEC Pharm/SmithKline Beecham);MDX-CD4はヒト抗CD4 IgG抗体であり(Medarex/Eisai/Genmab);CD20-ストレプトアビジン(sreptdavidin)(+ビオチン-イットリウム90、NeoRx);CDP571はヒト化抗TNF-αIgG4抗体であり(Celltech);LDP-02はヒト化抗α4β7抗体であり(LeukoSite/Genentech);OrthoClone OKT4Aはヒト化抗CD4 IgG抗体であり(Ortho Biotech);ANTOVATMはヒト化抗CD40L IgG抗体であり(Biogen);ANTEGRENTMはヒト化抗VLA-4 IgG抗体であり(Elan);およびCAT-152はヒト抗TGF-β2抗体である(Cambridge Ab Tech)、が挙げられる。
【0059】
本発明の方法および組成物において使用され得る化学療法剤としては、限定されないが、アルキル化剤、代謝拮抗物質、天然物、またはホルモンが挙げられる。本発明の方法および組成物におけるT細胞悪性疾患(T-cell malignancies)の治療または予防のために有用なアルキル化剤の例としては、限定されないが、ナイトロジェンマスタード類(例えばメクロレタミン(mechloroethamine)、シクロホスファミド、クロラムブシルなど)、スルホン酸アルキル類(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素類(例えばカルムスチン、ロムスチンなど)、またはトリアゼン類(ダカルバジン(decarbazine)など)が挙げられる。本発明の方法および組成物におけるT細胞悪性疾患の治療または予防のために有用な代謝拮抗物質の例としては、限定されないが、葉酸類似体(例えばメトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えばシタラビン(Cytarabine))、プリン類似体(例えばメルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が挙げられる。本発明の方法および組成物におけるT細胞悪性疾患の治療または予防のために有用な天然物の例としては、限定されないが、ビンカアルカロイド類(例えばビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン類(例えばエトポシド)、抗生物質(例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えばL-アスパラギナーゼ)、または生物反応修飾物質(例えばインターフェロンα)が挙げられる。
【0060】
本発明の方法および組成物における癌の治療または予防のために有用なアルキル化剤の例としては、限定されないが、ナイトロジェンマスタード類(例えばメクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファランなど)、エチレンイミンおよびメチルメラミン類(例えばヘキサメチルメラミン(hexamethlymelamine)、チオテパ)、スルホン酸アルキル類(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素類(例えばカルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシンなど)、またはトリアゼン類(ダカルバジン(decarbazine)など)が挙げられる。本発明の方法および組成物における癌の治療または予防のために有用な代謝拮抗物質の例としては、限定されないが、葉酸類似体(例えばメトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えばフルオロウラシル、フロクスウリジン(floxouridine)、シタラビン(Cytarabine))、プリン類似体(例えばメルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が挙げられる。本発明の方法および組成物における癌の治療または予防のために有用な天然物の例としては、限定されないが、ビンカアルカロイド類(例えばビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン類(例えばエトポシド、テニポシド)、抗生物質(例えばアクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、ミトマイシン)、酵素(例えばL-アスパラギナーゼ)、または生物反応修飾物質(例えばインターフェロンα)が挙げられる。本発明の方法および組成物における癌の治療または予防のために有用なホルモンおよびアンタゴニストの例としては、限定されないが、副腎皮質ステロイド類(例えばプレドニソン)、プロゲスチン類(例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メゲストロールアセタート、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えばジエチルスチルベストロール(diethlystilbestrol)、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えばタモキシフェン)、アンドロゲン類(例えばテストステロンプロピオナート、フルオキシメステロン)、抗男性ホルモン(例えばフルタミド)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体(例えばロイプロリド)が挙げられる。癌の治療または予防のために本発明の方法において、および組成物について使用され得る他の薬剤としては、白金配位錯体類(例えばシスプラチン、カルボプラチン(carboblatin))、アントラセンジオン(例えばミトキサントロン)、置換尿素(例えばヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えばプロカルバジン)、副腎皮質抑制薬(例えばミトタン、アミノグルテチミド)が挙げられる。
【0061】
本明細書中に開示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩(disalts)は、微小管の安定化によりG2-M期の細胞を抑止することによって作用する抗癌剤と同時投与される場合、特に効果的であると考えられている。したがって、開示される方法は、好ましくは、かかる機構によって作用する抗癌薬の同時投与を含む。微小管の安定化によりG2-M期の細胞を抑止することによって作用する抗癌剤の例としては、限定されないが、次の市販されている薬物、および開発が行われている薬物が挙げられる:エルブロゾール(R-55104としても公知)、ドラスタチン10(DLS-10およびNSC-376128としても公知)、イセチオン酸ミボブリン(CI-980としても公知)、ビンクリスチン、NSC-639829、ジスコデルモリド(NVP-XX-A-296としても公知)、ABT-751(Abbott、E-7010としても公知)、アルトヒルチン類(Altorhyrtins)(アルトヒルチンAおよびアルトヒルチンCなど)、スポンギスタチン類(スポンギスタチン1、スポンギスタチン2、スポンギスタチン3、スポンギスタチン4、スポンギスタチン5、スポンギスタチン6、スポンギスタチン7、スポンギスタチン8、およびスポンギスタチン9など)、セマドチン塩酸塩(LU-103793およびNSC-D-669356としても公知)、エポチロン類(エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(デスオキシエポチロンAまたはdEpoAとしても公知)、エポチロンD(KOS-862、dEpoB、およびデスオキシエポチロンBとも称される)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロンB(BMS-310705としても公知)、21-ヒドロキシエポチロンD(デスオキシエポチロンFおよびdEpoFとしても公知)、26-フルオロエポチロンなど)、アウリスタチンPE(NSC-654663としても公知)、ソブリドチン(TZT-1027としても公知)、LS-4559-P(Pharmacia、LS-4577としても公知)、LS-4578(Pharmacia、LS-477-Pとしても公知)、LS-4477(Pharmacia)、LS-4559(Pharmacia)、RPR-112378(Aventis)、硫酸ビンクリスチン、DZ-3358(Daiichi)、FR-182877(Fujisawa、WS-9885Bとしても公知)、GS-164(Takeda)、GS-198(Takeda)、KAR-2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF-223651(BASF、ILX-651およびLU-223651としても公知)、SAH-49960(Lilly/Novartis)、SDZ-268970(Lilly/Novartis)、AM-97(Armad/Kyowa Hakko)、AM-132(Armad)、AM-138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN-5005(Indena)、クリプトフィシン52(LY-355703としても公知)、AC-7739(Ajinomoto、AVE-8063AおよびCS-39.HClとしても公知)、AC-7700(Ajinomoto、AVE-8062、AVE-8062A、CS-39-L-Ser.HCl、およびRPR-258062Aとしても公知)、ビチレブアミド(Vitilevuamide)、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン(NSC-106969としても公知)、T-138067(Tularik、T-67、TL-138067、およびTI-138067としても公知)、COBRA-1(Parker Hughes Institute、DDE-261およびWHI-261としても公知)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジンA1(BTO-956およびDIMEとしても公知)、DDE-313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリド(Fijianolide)B、ラウリマリド、SPA-2(Parker Hughes Institute)、SPA-1(Parker Hughes Institute、SPIKET-Pとしても公知)、3-IAABU(Cytoskeleton/Mt. Sinai School of Medicine、MF-569としても公知)、ナルコシン(NSC-5366としても公知)、ナスカピン(Nascapine)、D-24851(Asta Medica)、A-105972(Abbott)、ヘミアステルリン、3-BAABU(Cytoskeleton/Mt. Sinai School of Medicine、MF-191としても公知)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトナート、T-138026(Tularik)、モンサトロール(Monsatrol)、イナノシン(Inanocine)(NSC-698666としても公知)、3-IAABE(Cytoskeleton/Mt. Sinai School of Medicine)、A-204197(Abbott)、T-607(Tularik、T-900607としても公知)、RPR-115781(Aventis)、エロイテロビン類(デスメチルエロイテロビン、デスアセチルエロイテロビン(Desaetyleleutherobin)、イソエロイテロビンA、およびZ-エロイテロビン)、カリベオシド、カリベオリン、ハリコンドリンB、D-64131(Asta Medica)、D-68144(Asta Medica)、ジアゾナミドA、A-293620(Abbott)、NPI-2350(Nereus)、タッカロノリドA、TUB-245(Aventis)、A-259754(Abbott)、ジオゾスタチン(Diozostatin)、(-)-フェニルアヒスチン(NSCL-96F037としても公知)、D-68838(Asta Medica)、D-68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D-43411(Zentaris、D-81862としても公知)、A-289099(Abbott)、A-318315(Abbott)、HTI-286(SPA-110トリフルオロ酢酸塩としても公知)(Wyeth)、D-82317(Zentaris)、D-82318(Zentaris)、SC-12983(NCI)、リン酸レスベラスタチンナトリウム(Resverastatin phosphate sodium)、BPR-0Y-007(国立保健研究所(National Health Research Institutes))、およびSSR-250411(Sanofi)、ならびにゲルダナマイシン(geldanmycin)、ラジシコール、ハービマイシンA、マクベシンIおよびII、ノボビオシン、17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、17-デメトキシ-17-[2-(ジメチルアミノ)エチルアミノ]ゲルダナマイシン(17DMAG)、CNF-1010などのHsp90阻害薬、PU3、PU24FCl、およびPU29FClなどのプリン系Hsp90阻害薬、ならびにKF25706およびKF58333などのラジシコールのオキシム誘導体。
【0062】
「パクリタキセル(Paclitaxel)」とも称されるタキソール(Taxol)は、微小管形成を促進させ、安定化させることによって作用する、周知の抗癌薬である。タキソールの構造を図1に示す。タキソテール(taxotere)を含むタキソールの多くの類似体が公知であり、その構造を図2に示す。タキソテールはまた、「ドセタキセル(Docetaxol)」とも称される。他のタキソール類似体の構造を図3〜23に示す。かかる化合物は、一般的な構造的特徴として、基礎となるタキサン骨格を有し、微小管の安定化によりG2-M期の細胞を抑止する能力を有することがまた示されている。したがって、図3〜23より、多種多様な置換基が、生物活性に不利に影響することなく、タキサン骨格を修飾し得ることが明らかである。タキソール類似体の0個、1つ、または両方のシクロヘキサン環が、示された位置で二重結合を有し得ることはまた、明らかである。明晰にする目的で、基本タキサン骨格を以下、構造式(VI):


に示す。構造式(VI)によって表されるタキサン骨格において、シクロヘキサン環から、二重結合は省略されている。基本タキサン骨格は、図3〜23ならびに下記の構造式(VII)および(VIII)に示されるように、1つまたは両方のシクロヘキサン環において、0個、または1つの二重結合を含み得る。タキソール類似体の間で構造的変化が一般に起こる部位を示すために、構造式(VI)からいくつかの原子がまた省略されている。例えば、ただ酸素原子のみによるタキサン骨格上の置換は、ヒドロキシル、アシル、アルコキシ、または別の酸素を有する置換基が該部位に一般に見られることを示す。タキサン骨格上のこれらのおよび他の置換は、微小管形成を促進させ、安定化させる能力を喪失することなくなされ得る。したがって、用語「タキソール類似体」は、本明細書中で、基本タキソール骨格を有し、微小管形成を増進する化合物を意味するように定義される。タキソール類似体は、ナノ粒子コロイド組成物として製剤化され得、注入時間を改善し、数名の患者に過敏性反応を引き起こすクレモフォール(Cremophor)とともに該薬物を送達する必要性を除き得る。ナノ粒子コロイド組成物として製剤化されたタキソール類似体の例は、生理食塩水で再構成されているタンパク質安定化パクリタキセルのナノ粒子コロイド組成物である、ABI-007である。
【0063】
典型的には、本明細書中で用いられるタキソール類似体は構造式(VII)または(VIII):


(R10は低級アルキル基、置換低級アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、-SR19、-NHR19、または-OR19である。
R11は低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、または置換アリール基である。
R12は-H、-OH、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルコキシ、置換低級アルコキシ、-O-C(O)-(低級アルキル)、-O-C(O)-(置換低級アルキル)、-O-CH2-O-(低級アルキル)-S-CH2-O-(低級アルキル)である。
R13は-H、-CH3であるか、またはR14とともに-CH2-である。
R14は-H、-OH、低級アルコキシ、-O-C(O)-(低級アルキル)、置換低級アルコキシ、-O-C(O)-(置換低級アルキル)、-O-CH2-O-P(O)(OH)2、-O-CH2-O-(低級アルキル)、-O-CH2-S-(低級アルキル)であるか、またはR20とともに二重結合である。
R15は-H、低級アシル、低級アルキル、置換低級アルキル、アルコキシメチル、アルキルチオメチル(alkthiomethyl)、-OC(O)-O(低級アルキル)、-OC(O)-O(置換低級アルキル)、-OC(O)-NH(低級アルキル)、または-OC(O)-NH(置換低級アルキル)である。
R16はフェニル、または置換フェニルである。
R17は-H、低級アシル、置換低級アシル、低級アルキル、置換低級アルキル、(低級アルコキシ)メチル、または(低級アルキル)チオメチルである。
R18は-H、-CH3であるか、またはR17ならびにR17およびR18が結合している炭素原子とともに、五または六員非芳香族複素環である。
R19は低級アルキル基、置換低級アルキル基、フェニル基、置換フェニル基である。
R20は-Hであるか、またはハロゲンである。
R21は-H、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アシル、または置換低級アシルである。)
によって表される。
【0064】
好ましくは構造式(VII)および(VIII)の変化因子は、次のように定義される:R10はフェニル、tert-ブトキシ、-S-CH2-CH-(CH3)2、-S-CH(CH3)3、-S-(CH2)3CH3、-O-CH(CH3)3、-NH-CH(CH3)3、-CH=C(CH3)2、またはパラ-クロロフェニルであり、R11はフェニル、(CH3)2CHCH2-、-2-フラニル、シクロプロピル、またはパラ-トルイルであり、R12は-H、-OH、CH3CO-、または-(CH2)2-N-モルホリノであり、R13はメチルであるか、またはR13およびR14はともに-CH2-であり、
R14は-H、-CH2SCH3、または-CH2-O-P(O)(OH)2であり、R15はCH3CO-であり、
R16はフェニルであり、R17は-Hであるか、またはR17およびR18はともに-O-CO-O-であり、
R18は-Hであり、R20は-Hであるか、または-Fであり、ならびにR21は-H、-C(O)-CHBr-(CH2)13-CH3、もしくは-C(O)-(CH2)14-CH3、-C(O)-CH2-CH(OH)-COOH、-C(O)-CH2-O-C(O)-CH2CH(NH2)-CONH2、-C(O)-CH2-O--CH2CH2OCH3、または-C(O)-O-C(O)-CH2CH3である。
【0065】
タキソール類似体はまた、ポリアクリルアミドなどの薬学的に許容され得るポリマーに結合し得るか、または該ポリマーから垂れさがり得る。この種類のポリマーの1つの例を図24に示す。用語「タキソール類似体」は、本明細書中で用いられる場合、かかるポリマーを含む。
【0066】
本明細書中に開示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩は、本発明の方法によって調製され得る。開示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩の調製方法は、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)、有機溶媒、および塩基を合わせ、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液を形成する工程、ならびに該溶液および有機アンチソルベントを合わせ、それによりビス(チオ-ヒドラジドアミド)の二塩(例えば構造式(I)〜(V)によって表される化合物)を沈殿させる工程を含む。開示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩の中性形態は、両方ともタキソール促進剤の合成(SYNTHESIS OF TAXOL ENHANCERS)と題された米国公報第2003/0045518号、および同2003/0119914号に記載されている方法に従って、ならびにまた癌の治療法(TREATMENT FOR CANCERS)と題された米国公報第2004/0225016 A1号に記載されている方法に従って、調製され得る。これらの公報の全教示は、参照によって本明細書中に援用される。
【0067】
典型的には、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)の各モル当量に対して、少なくとも約2モル当量の塩基が用いられ、より典型的には約2〜約5当量、または好ましくは約2.0〜約2.5当量の塩基が用いられる。
【0068】
適切な塩基は、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)と反応し、二塩を生成するのに十分な強さであり得る。種々の態様において、塩基はアミン(例えばトリエチルアミン、ジフェニルアミン、ブチルアミンなど)、水酸化アンモニウム(例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetramethyammonium hydroxide)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなど)、アルカリ金属水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ金属C1〜C6アルコキシド、またはアルカリ金属アミド(例えばナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなど)であり得る。いくつかの態様において、塩基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC1〜C6アルコキシド、カリウムC1〜C6アルコキシド、ナトリウムアミドもしくはカリウムアミド、または好ましくは水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、もしくはナトリウムエトキシドである。
【0069】
種々の態様において、塩基はアルカリ金属水素化物(例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムなど)、二価金属塩基(例えば酸化マグネシウム)、C1〜C6アルキルアルカリ金属(例えばブチルリチウム)、またはアリールアルカリ金属(例えばフェニルリチウム)であり得る。より典型的には、塩基は水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ブチルリチウム、ブチルナトリウム、ブチルカリウム、フェニルリチウム、フェニルナトリウム、またはフェニルカリウムである。
【0070】
本明細書中で用いられる場合、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、およびルビジウムが挙げられる。
【0071】
有機溶媒は、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)および該有機溶媒の混合物に塩基が加えられる場合、安定である任意の有機溶媒であり得る。典型的には、有機溶媒は、該方法によって形成されたビス(チオ-ヒドラジドアミド)塩を溶解させ、溶液を形成するのに十分な極性である。種々の態様において、有機溶媒は水混和性である。有機溶媒は、C1〜C4脂肪族アルコール(例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールなど)、C1〜C4脂肪族ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン、2-ブタノンなど)、C2〜C4脂肪族エーテル(例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテルなど)、C2〜C4脂環式エーテル(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、グリコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなど)、アルキルグリコールエーテル(例えばエチレングリコールジメチルエーテルなど)、およびアセトニトリルから一般に選択され得る。より典型的には、有機溶媒はメタノール、エタノール、プロパノール(例えば1-プロパノール、2-プロパノール)、ブタノール(例えば1-ブタノール、tert-ブチルアルコールなど)、アセトン、テトラヒドロフラン、およびメチルエチルケトンから選択され得る。好ましくは、有機溶媒はメタノール、エタノール、アセトン、およびメチルエチルケトンから選択され得る。
【0072】
本明細書で用いる場合、有機アンチソルベント(antisolvent)は、塩基、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)および有機溶媒を合わせることにより作製される溶液に添加されると、ビス(チオヒドラジドアミド)二塩を該溶液から析出させる溶媒である。典型的には、有機アンチソルベントは、C5〜C10アルカン(例えば、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンなど)、C5〜C10シクロアルカン(例えば、シクロヘキサン,シクロペンタンなど)、C3〜C10アルキルエステル(例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酪酸メチルなど、C3〜C10アルキルエーテル(例えば、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテルなど)、ベンゼン、トルエン、およびキシレンから選択され得る。より典型的には、有機アンチソルベントは、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル(例えば、1-プロピルまたは2-プロピルなどのプロピル)、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、および石油エーテルから選択され得る。いくつかの態様では、有機アンチソルベントは、C5〜C10アルカンまたはC5〜C10シクロアルカンであり得る。種々の好ましい態様では、有機アンチソルベントは、ヘプタンであり得るか、または有機アンチソルベントは、ジエチルエーテルまたは酢酸エチルであり得る。種々の好ましい態様では、有機アンチソルベントは、メチルtert-ブチルエーテルであり得る。
【0073】
種々の態様では、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は、有機溶媒に実質的に不溶性であるため混合物が形成され得、それにより、塩基を混合物と合わせると、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液が形成される。典型的には、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液は透明であり得る。一般的に、約0.25〜約2.5モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を、1リットルあたりの有機溶媒と合わせ、または典型的には、約0.75〜約1.5モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を、1リットルあたりの有機溶媒と合わせる。好ましくは、約1モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を、1リットルあたりの有機溶媒と合わせる。
【0074】
本明細書で用いる場合、「ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液」は、有機溶媒、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)および塩基から形成した場合、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)一塩(monosalt)、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩(disalt)などの1種類以上の種を含み得る。
【0075】
好ましい態様では、有機溶媒はエタノールである。好ましくは、塩基は約2モル〜約5モル、またはより好ましくは、約2〜約2.5モルの水酸化ナトリウム水溶液である
【0076】
好ましい態様では、有機溶媒はアセトンである。好ましくは、塩基は約2モル〜約5モルまたは、より好ましくは約2〜約2.5モルのエタノール性ナトリウムエトキシドである。
【0077】
本発明によって調製されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩は、本明細書に開示する二塩であり、構造式(I)〜(V)で表されるものが含まれる。開示した方法において構造式(I)〜(II)で表される二塩を調製するために使用される中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は以下の構造式(I')〜(II')で表され得、ここで、
変数は、それぞれ構造式(I)〜(II)と同じ値および好ましい値である。

【0078】
したがって、本発明で用いる場合、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は、少なくとも2つの水素(例えば、構造式(I')および(II')内の窒素原子に結合した水素を有し、これは、本明細書に記載の塩基と反応し、二塩を形成し得る。
【0079】
構造式(I)では、M+は、薬学的に許容され得る一価カチオンである。M2+は、上記のような薬学的に許容され得る二価カチオンである。
【0080】
種々の好ましい態様では、有機溶媒はアセトンであり得る; 塩基はエタノール性ナトリウムエトキシドであり得る; 有機溶媒はエタノールであり得る; 塩基は水酸化ナトリウム水溶液であり得る;アンチソルベントはヘプタンであり得る; 中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は:

【0081】
であり得る、および/または中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は:


であり得る。
【0082】
本発明を、なんら限定を意図しない以下の実施例により説明する。
【実施例】
【0083】
実施例1. ナトリウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(3)

【0084】
N-マロニル-ビス(N'-チオベンゾイル-N'-メチルヒドラジド)(2 g)を含むTHF(25 mL)の攪拌透明溶液に、ナトリウムアミド(0.2 g)を添加した。得られた混合物を室温で4時間攪拌した。沈殿した生成物を濾過により回収しTHFおよびエーテルで洗浄した。得られた固形物を真空(0.1 mmHg)で12時間乾燥した。1.53 gの重量の淡黄色固形物が得られた。
【0085】
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):2.2-2.7(m, 2H), 3.1-3.7(m, 6H), 7.1-7.5(m, 10 H). C19H19N4NaO2S2・0.55H2Oの元素分析の計算値:C 52.75%, H 4.66%, N12.98%; 実測値:C 52.42%, H 4.41%, N 13.07%.
【0086】
実施例2. 二ナトリウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(1)

【0087】
方法A: H2O(10 mL)中NaOH(0.358 g, 8.95 mmol)の攪拌透明溶液にN-マロニル-ビス(N'-チオベンゾイル-N'-メチルヒドラジド)(1.79g, 4.48 mmol)を室温で添加した。得られた溶液を濾過し、次いで、濾液をドライアイス/iPrOH浴で冷却した後、フリーズドライし、化合物1を固形物として得た。
【0088】
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):2.15(s, 2H), 3.45(s, 6H), 7.0-7.2(m, 6 H), 7.2-7.4(m, 4H). C19H18N4Na2O2S2.0.7H2O(457.22) の元素分析の計算値:C 49.91; H 4.29; N12.26; 実測値:C 49.95; H 4.17; N12.05.
【0089】
方法B: THF(15 mL)中-N-マロニル-ビス(N'-チオベンゾイル-N'-メチルヒドラジド)(0.92 g)の攪拌溶液にMeOH(15 mL)中NaOH(0.184 g)の溶液を添加した。15分間室温で攪拌後、得られた溶液を濃縮し、エーテルで沈殿させ、濾過後、1 gの薄橙色粉末を得た。沈殿物の物理的データは、方法Aで得られたものと一致した。
【0090】
実施例3. リチウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(4)

【0091】
THF(90 ml)中N-マロニル-ビス(N'-チオベンゾイル-N'-メチルヒドラジド)(8g, 20 mmol)の溶液にリチウム(llithium)ジイソプロピルアミド(LDA)(20 mmol, ヘプタン/THF/エチルベンゼン中2M)を0℃で添加し、混合物を2時間攪拌した。沈殿物を回収し、EtOAcで洗浄し、乾燥させてN-マロニル-ビス(N'-チオベンゾイル-N'-メチルヒドラジド)のモノリチウム塩(6.5 g)を得た。
【0092】
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm), 7.71-7.32(m, 10H), 3.72-2.73(m, 9H).
【0093】
実施例4. 二リチウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(5)

【0094】
化合物5を、1当量の代わりに2当量のLDAを用いたこと以外は、実施例3に記載の方法に従って調製した。
【0095】
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):7.61-7.12(m, 10H), 3.82-2.29(m, 8H).
【0096】
実施例5. エタノールアミン; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(6)
モノエタノールアミン化合物を、LDA の代わりに1当量のエタノールアミンを用いることにより実施例3と同様にして作製した。
【0097】
1H-NMR 4783(DMSO-d6)δ(ppm):7.72-7.33(m, 10H), 3.80-2.63(m, 13H).
【0098】
実施例6. ジエタノールアミン; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(7)
ジエタノールアミン化合物を、1当量のLDAの代わりに2当量のエタノールアミンを用いることにより実施例3と同様にして作製した。
【0099】
1H-NMR 4783(DMSO-d6)δ(ppm):7.69-7.31(m, 10H), 3.78-2.64(m, 16H)
【0100】
実施例7. マグネシウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(8)

【0101】
水中MgO(440 mg, 1.1 mmol, 15 mL)の懸濁液のpHを2〜3に調整し、透明な溶液を形成した。この溶液に、二リチウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート(1 mmol)を添加し、混合物を3時間攪拌した。形成された沈殿物を回収し、水で洗浄し、次いで、乾燥させ、マグネシウム塩(2.1 g)を得た。
【0102】
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):7.68-7.32(m, 10H), 3.98-2.49(m, 8H).
【0103】
実施例8. カルシウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(9)
カルシウム化合物を、MgOの代わりにCa(OH)2を用いることにより実施例7と同様にして作製した。
【0104】
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):7.67-7.34(m, 10H), 3.91-2.55(m, 8H).
【0105】
実施例9. 一カリウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(10)

【0106】
N-マロニル-ビス(N'-チオベンゾイル-N'-メチルヒドラジド)(微粉化)、5.006 g(12.5 mmol)を、70mLの無水エタノールに懸濁した。この懸濁液に、攪拌しながら、メタノール中水酸化カリウムの1.008 N溶液12.4 mL(1当量)を添加した。得られた溶液を、ガラスアクロディスク(acrodisc)(Gelman)により濾過し、約5 mLに濃縮した。この濃縮溶液に5 mLの酢酸エチルを添加した後、無水エーテルを、得られる溶液が濁るまで添加した。この溶液を、結晶化のために一晩放置した。固化した沈殿物をスパチュラで離散させ、濾別し、無水エーテルで2回洗浄し、50℃で真空乾燥させ、一カリウム塩を淡黄色固形物(4.05 g, 70%)として得た。
【0107】
1H NMR(DMSO-d6)(互変体の混合物):δ(ppm):7.4-7.25, 7.22(m, 10H), 3.60, 3.45および3.19(一重線, 6H), 2.78, 2.39および1.96(一重線, 3H)). IR(KBr):1686s, 1572, 1478 cm-1. C19H19K2N4O2S2+ H2Oの分析の計算値:C, 49.98; H, 4.64; K, 8.56; N, 12.27. 実測値:C, 49.99; H, 4.51; K, 8.67; N, 11.91.
【0108】
実施例10. 二カリウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(2)

【0109】
方法A: N-マロニル-ビス(N'-チオベンゾイル-N'-メチルヒドラジド)(微粉化、5.006 g, 12.5 mmol)を、水中水酸化カリウム(容積測定標準溶液, Aldrich)の1.002 N溶液24.95 mL(2当量)で処理した。少しの粒子を除くすべての物質を溶解させ、6mLのMilli-Q 水を添加し、少量の小さな残留粒子を有する溶液を得た。該溶液を、次いで、ガラスアクロディスク(Gelman)により濾過し、フィルターを2mLのMilli-Q 水でリンス処理し、合わせた溶液を、Milli-Q 水で50 mLに希釈し、凍結乾燥し、標題化合物を黄色泡状物(6.17 g)として得た。
【0110】
1H NMR(DMSO-d6):δ(ppm):7.34-7.31(m, 4H), 7.11-7.09(m, 6H), 3.51(m, 6H), 2.11(s, 2H). IR(KBr):1561, cm-1. C19H18K2N4O2S2+ H2Oの分析の計算値:C, 46.13; H, 4.07; K, 15.81; N, 11.33. 実測値:C, 46.08; H, 4.21; K, 16.05; N, 11.32.
【0111】
方法B: あるいは、N-マロニル-ビス(N'-チオベンゾイル-N'-メチルヒドラジド)(微粉化、5.006 g, 12.5 mmol)を無水THF(62 mL)に溶解した。この溶液に、メタノール中水酸化カリウム(容積測定標準溶液, Aldrich)の1.008N溶液25.1 mL(2当量)を添加した。得られた溶液から、溶媒を減圧下で除去すると、約5mLの油状残渣が残留し、これを、淡黄色固形物が得られるまで無水エーテルで粉砕した。固形物を濾別し、無水エーテルで2回洗浄し、50℃で真空乾燥させ、二カリウム塩を粉末(poweder)(4.3 g, 73%)として得た。NMRデータは、方法Aにおいて先に得られたものと同一であった。
【0112】
実施例11. コリン(Cholin); 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(11)
65mLの無水THF 中N-マロニル-ビス(N'-チオベンゾイル-N'-メチルヒドラジド)(2 g, 5 mmol)の攪拌溶液に、10 mlの無水THF中コリン水酸化物(MeOH中45%溶液)の溶液1.32mLを滴下した。最初に、透明な溶液が形成された後、微細な固形物の沈殿が生じた。この溶液を、1時間放置し、沈殿を終結させた。沈殿物を濾別し、エーテル:THF(2:1, v/v)で2回、次いで、無水エーテルで1回洗浄し、50℃で真空乾燥させ、標題の塩を淡黄色粉末(2.14 g, 85%)として得た。
【0113】
1H NMR(DMSO-d6)(互変体の混合物):δ(ppm):7.4-7.35, 7.24-7.19(m, 10H), 3.83-3.80(m, 2H), 3.40-3.37(m, 2H), 3.60, 3.45および3.19(一重線, 6H), 3.10(m, 9H), 2.64, 2.32および2.06(一重線, 3H)). IR(KBr):1686s, 1586s, 1482s cm-1.
【0114】
実施例12. 二ナトリウム; 2-(N'-メチル-N'-チオ-1-メチルシクロプロピル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオ-1-メチルシクロプロピル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(12)

【0115】
H2O(5 mL)中NaOH(24.7 mg, 0.62 mmol)の攪拌透明溶液に、N-マロニル-ビス(N'-チオ-1-メチルシクロプロピル-N'-メチルヒドラジド)(110 mg, 0.31 mmol)を室温で添加した。得られた溶液を濾過し、次いで、濾液をドライアイス/iPrOH浴で冷却した後、フリーズドライし、化合物(12)を固形物として得た。
【0116】
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):0.38(t, 4H, J=5), 0.83(t, 4H, J=5), 1.18(s, 6 H), 2.62(s, 2H), 3.38(s, 6H).
【0117】
実施例13. 二ナトリウム; 2-(N'-メチル-N'-チオシクロプロピル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオシクロプロピル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(13)

【0118】
二ナトリウム化合物は、実施例12で用いたものと同様の方法によって調製した。
【0119】
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm): 0.45(m, 4H), 0.85(m, 4H), 2.61(s, 2 H), 2.70(m, 1H), 3.41(s, 6H).
【0120】
実施例14. 二カリウム; 2-(N'-メチル-N'-チオ-1-メチルシクロプロピル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオ-1-メチルシクロプロピル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(14)

【0121】
二カリウム化合物を、NaOHの代わりにKOHを用いたこと以外は、実施例12で用いたものと同様の方法によって調製した。
【0122】
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):0.39(m, 4H), 0.82(m, 4H), 1.18(s, 6 H), 2.60(s, 2H), 3.38(s, 6H).
【0123】
実施例15. ビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩は、対応する一塩および中性形態よりも有意に高い溶解性を有する
化合物を計量し、水を該化合物に、もたらされる化合物の濃度が約100 mg/mLとなるように添加した。混合物を、次いで、充分振とうし、超音波処理した(約50℃で約5〜10分間)。添加量の化合物が完全に可溶化された場合は、さらなる量の化合物を溶液に添加し、混合物を充分振とうし、懸濁液となるまで超音波処理した。懸濁液を、次いで、0.2μmフィルターにより濾過した。濾過した溶液をDMSOで希釈した。次いで、混合物をHPLCにより解析し、化合物の濃度を測定した。
【0124】
HPLCシステムは、1100型 4つ一組の(quaternary)ポンプ、1100型自動試料採取装置、280 nmでのUV検出用1100型 ダイオードアレイ検出器(Diode-Array Detector) を取り付けたHP 1100型(Agilent, Wilmington, DE)で構成した。HPLC解析は、0.1%ギ酸含有アセトニトリル-水からなる勾配移動相を用いて行なった。移動相を脱気し、溶媒濾過装置により濾過し、1.0 mL/分の一定速度でポンプ輸送した。分離は、プレカラムフィルター(XTerra MS C18, 3.9 mm×20 mm)を取り付けた内径4.6 mm×150 mmのXTerra MS C18 分析用カラム(Waters Corp., Milford, MA, USA)上で行なった。カラムは40℃に維持した。データ取得および装置の設定は、HP Chemstation ソフトウェア(version 8.03)を用いて制御した。
【0125】
試験した各化合物の溶解性データを以下に表1に示す。
【表1】

【0126】
表1でわかるように、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩、例えば、化合物1、2、5、7、12、13および14は、対応する中性または一塩化合物よりも有意に高い水溶性を有する。特に、化合物1および2は、対応する中性形態よりも有意に高い水溶性を示した。同様に、二塩化合物である化合物1、2、5および7は、対応する一塩化合物である化合物3、4、6および10よりもずっと高い水溶性を示した。
【0127】
実施例16. ビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩は、対応する一塩および中性形態よりも有意に高い生物学的利用能を有する
A)イヌにおける薬物動態試験の手順
雄ビーグル犬を、使用前に少なくとも1週間馴化させ、実験用飼料および水を随意に与え、温度および湿度が制御された部屋内に収容した。化合物を、静脈内注射用の溶液または経口投与用のカプセルとして調製した。3匹のイヌを本試験に用いた。化合物は、橈側皮静脈を介して静脈内に注射するか、または経口強制飼養した。用量は、動物の体重に基づいて調整した。血液試料を、化合物の投与後、5、10および30分間ならびに1、2、4、6、8および24時間(例)の間隔で採取し、全血試料の遠心分離(5000 rpm, 8 min)後に血漿試料を調製した。これらの試料の50μlを、アセトニトリルを用いるタンパク質沈殿によって抽出した。血漿中の化合物を、液体クロマトグラフィーとともにタンデム質量分析計(LC/MS/MS)により測定した。化合物濃度は、制御した血漿の同じ抽出手順の場合で作成した標準曲線(濃度対ピーク面積)によって決定した。曲線下面積(AUC)を、改良台形法を用いて計算した。最後の測定可能な血漿濃度から無限大までのAUCの部分を、C/kによって概算し、ここで、kは、対数線形濃度時間点の最小二乗回帰によって示され、Cは、最後の測定可能な血漿濃度を表す。生物学的利用能をAUCpo/ AUCivによって計算した。
【0128】
B) LC/MS/MSによる血漿中の化合物(1)および(3)の生物学的解析法
化合物(1)および(3)ならびにその内部標準を、アセトニトリルを用いたタンパク質沈殿によって、ヘパリン化血漿から抽出した。クロマトグラフィーは、XTerraカラム(Waters, 粒径:5μm; 100 mm×内径3.0 mm)において、アセトニトリル、水およびギ酸の混合物を用いて行なった。解析は、ターボイオンスプレーインターフェースを伴うSciex API 365 タンデム質量分析装置において行なった。多重(multiple)反応モニタリング(MRM)モードを用い、m/z 399.0→165.1で陰イオンを測定した。ラン時間を9分/試料とし、化合物(1)および(3)を、1/X2-加重最小二乗線形回帰プロットを用いてピーク面積比によって定量した。
【0129】
試験した各化合物の生物学的利用能データを以下に表2に示す。表2においてわかるように、二塩化合物である化合物(1)は、対応する中性化合物または一塩化合物である化合物(3)よりもずっと大きい生物学的利用能を示した。
【表2】

【0130】
実施例17. 二ナトリウム塩の調製の方法プロセス
I. 一般的な方法
約50mmolの中性形態の本発明の化合物を50mLのアセトン中に懸濁する。約2.04当量のNaOHをエタノールに溶解し、38mLの21%溶液を形成する。温度を約0℃に維持しながら、NaOH溶液を該化合物の懸濁液に添加する。混合物を約20分間攪拌して透明な溶液を得、次いで、約1.2mLの水を添加する(add)。溶液を室温にし、約400mLのヘプタンを添加する。溶液を約12時間攪拌し、得られた沈殿物を濾過により回収する。
【0131】
沈殿物を、約60mLのアセトンに添加し、2時間室温で攪拌し、次いで、濾過により回収し、真空下で1時間、約50℃にて乾燥させ、化合物の純粋な二ナトリウム塩を得る。
【0132】
II. 二ナトリウム; 2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノレート:化合物(1)の調製
化合物(1)を上記の一般的な方法によって調製した。解析データは以下のとおりであった。
【0133】
1H NMR(DMSO-d6)(ppm)7.38-7.02(m, 10H), 3.51(s, 6H), 2.13(s, 2H)
元素分析: C19H20N4Na2O2S2の計算値:C 49.34, H 4.36, N 12.11, S 13.87; 実測値 C 49.28, H 4.18, N 11.91, S 13.63
【0134】
実施例18〜20: 二ナトリウムビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液の調製
ビス(チオ-ヒドラジドアミド)(化合物1, 15グラム)の試料を40mLの無水エタノールと合わせ、混合物をスラリーとして形成した。水酸化ナトリウム水溶液(3.0 mL H2O中3.0グラム NaOH)を、室温で攪拌しながら、混合物に添加し、混合物を35℃を超えないように冷却した。水酸化ナトリウム水溶液添加容器を1mLの水および5mLのエタノールでリンス処理し、リンス液を混合物に添加した。添加後、混合物を110分間攪拌した。得られた黄色の二ナトリウムビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液を、以下の実施例のために3等分した。
【0135】
実施例18: 63%収率のビス(チオ-ヒドラジドアミド)二ナトリウム塩
上記の黄色二ナトリウムビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液の3分の1の部分を17mLのメチルtert-ブチルエーテルと合わせ、60分間攪拌した(沈殿が30分未満で生じた)。得られたスラリーを濾過し、10mLの酢酸エチル:メチルtert-ブチルエーテルの1:1 混合物、続いて、5 mLの酢酸エチルで洗浄した。残留溶媒を真空により除去し、化合物(1)の二ナトリウム塩3.51グラム(63%)を淡黄色固形物として得た。黄色混入物が認識された。
【0136】
実施例19: 87%収率の純粋なビス(チオ-ヒドラジドアミド)二ナトリウム塩
上記の黄色二ナトリウムビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液の3分の1の部分を17mLのメチルtert-ブチルエーテルと合わせ、60分間攪拌した(沈殿が30分未満で生じた)。さらに17mLのメチルtert-ブチルエーテルを、得られた粘稠なスラリーに添加し、さらに14時間攪拌した。得られたスラリーを濾過し、10mLの酢酸エチル:メチルtert-ブチルエーテルの1:1 混合物、続いて、10 mLの酢酸エチルで洗浄した。残留溶媒を真空により除去し、化合物(1)の二ナトリウム塩4.84グラム(87%)を淡黄色固形物として得た。黄色混入物は認識されなかった。
【0137】
実施例20: 96%収率の純粋なビス(チオ-ヒドラジドアミド)二ナトリウム塩
上記の黄色二ナトリウムビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液の3分の1の部分を17mLのメチルtert-ブチルエーテルと合わせ、60分間攪拌した(沈殿が30分未満で生じた)。さらに34mLのメチルtert-ブチルエーテルを、得られた粘稠なスラリーに添加し、さらに14時間攪拌した。得られたスラリーを濾過し、10mLの酢酸エチル:メチルtert-ブチルエーテルの1:1 混合物、続いて、10 mLの酢酸エチルで洗浄した。残留溶媒を真空により除去し、化合物(1)の二ナトリウム塩5.35グラム(96%)を淡黄色固形物として得た。黄色混入物は認識されなかった。
【0138】
本発明を、その好ましい態様を参照して具体的に示し、記載したが、形態および詳細における種々の変形が、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱せずに本発明においてなされ得ることは、当業者によって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】図1はタキソール(パクリタキセル)の構造である。
【図2】図2はタキソテール(ドセタキセル)の構造である。
【図3】図3はタキソール類似体の構造である。
【図4】図4はタキソール類似体の構造である。
【図5】図5はタキソール類似体の構造である。
【図6】図6はタキソール類似体の構造である。
【図7】図7はタキソール類似体の構造である。
【図8】図8はタキソール類似体の構造である。
【図9】図9はタキソール類似体の構造である。
【図10】図10はタキソール類似体の構造である。
【図11】図11はタキソール類似体の構造である。
【図12】図12はタキソール類似体の構造である。
【図13】図13はタキソール類似体の構造である。
【図14】図14はタキソール類似体の構造である。
【図15】図15はタキソール類似体の構造である。
【図16】図16はタキソール類似体の構造である。
【図17】図17はタキソール類似体の構造である。
【図18】図18はタキソール類似体の構造である。
【図19】図19はタキソール類似体の構造である。
【図20】図20はタキソール類似体の構造である。
【図21】図21はタキソール類似体の構造である。
【図22】図22はタキソール類似体の構造である。
【図23】図23はタキソール類似体の構造である。
【図24】図24はポリマー主鎖から懸垂したタキソール類似基を含むポリマーの構造である。該ポリマーは示される3つのモノマー単位のターポリマーである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式:



(式中、
Yは共有結合または置換もしくは非置換の直鎖のヒドロカルビル(hydrocarbyl)基であり;
R1〜R4は独立して‐H、脂肪族基、置換の脂肪族基、アリール基もしくは置換のアリール基であるか、またはR1およびR3はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって、ならびに/もしくはR2およびR4はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって、任意に芳香環に縮合した非芳香族複素環を形成し;
Zは‐Oまたは‐Sであり;ならびに
M+は薬学的に許容され得る一価の陽イオンであり、およびM2+は薬学的に許容され得る二価の陽イオンである)
で表される化合物。
【請求項2】
薬学的に許容され得る陽イオンがNa+またはK+である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
薬学的に許容され得る陽イオンがNa+である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
ZはOであり、R1およびR2は同じであり、ならびにR3およびR4は同じである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
式中、
Yは共有結合、-C(R5R6)-、-(CH2CH2)-、トランス-(CH=CH)-、シス-(CH=CH)-または-(CC)-基であり;ならびに
R5およびR6はそれぞれ独立して‐H、脂肪族基もしくは置換の脂肪族基であるか、もしくはR5は‐Hであり、およびR6は置換もしくは非置換のアリール基であるか、またはR5およびR6は一緒になって、C2〜C6置換もしくは非置換のアルキレン基である、
請求項4記載の化合物。
【請求項6】
式中、
Yは-C(R5R6)-であり;
R1およびR2がそれぞれ置換または非置換のアリール基であり;ならびに
R3およびR4はそれぞれ置換または非置換の脂肪族基である、
請求項5記載の化合物。
【請求項7】
式中、R5は‐Hであり、およびR6は‐H、または脂肪族基もしくは置換の脂肪族基である、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
式中、R3およびR4はそれぞれアルキル基であり、ならびにR6は‐Hまたはメチル基である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
式中、R1およびR2はそれぞれ置換または非置換のフェニル基であり、ならびにR3およびR4はそれぞれメチル基またはエチル基である、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
式中、R1で表されるフェニル基およびR2で表されるフェニル基が、
-Ra、-OH、-Br、-Cl、-I、-F、-ORa、-O-CORa、-CORa、-CN、-NCS、-NO2、-COOH、-SO3H、-NH2、-NHRa、-N(RaRb)、-COORa、-CHO、-CONH2、-CONHRa、-CON(RaRb)、-NHCORa、-NRcCORa、-NHCONH2、-NHCONRaH、-NHCON(RaRb)、-NRcCONH2、-NRcCONRaH、-NRcCON(RaRb)、-C(=NH)-NH2、-C(=NH)-NHRa、-C(=NH)-N(RaRb)、-C(=NRc)-NH2、-C(=NRc)-NHRa、-C(=NRc)-N(RaRb)、-NH-C(=NH)-NH2、-NH-C(=NH)-NHRa、-NH-C(=NH)-N(RaRb)、-NH-C(=NRc)-NH2、-NH-C(=NRc)-NHRa、-NH-C(=NRc)-N(RaRb)、-NRdH-C(=NH)-NH2、-NRd-C(=NH)-NHRa、-NRd-C(=NH)-N(RaRb)、-NRd-C(=NRc)-NH2、-NRd-C(=NRc)-NHRa、-NRd-C(=NRc)-N(RaRb)、-NHNH2、-NHNHRa、-NHRaRb、-SO2NH2、-SO2NHRa、-SO2NRaRb、-CH=CHRa、-CH=CRaRb、-CRc=CRaRb、-CRc=CHRa、-CRc=CRaRb、-CCRa、-SH、-SRa、-S(O)Ra、-S(O)2Ra
から選ばれる一つ以上の基と任意に置換され、式中Ra〜Rdがそれぞれ独立して、アルキル基、芳香族基、非芳香族複素環基または-N(RaRb)であり、一緒になって、置換または非置換の非芳香族複素環基を形成し、Ra〜Rdで表されるアルキル基、芳香族基および非芳香族複素環基ならびに-N(RaRb)で表される非芳香族複素環基が、R#で表される一つ以上の基とそれぞれ任意に独立して置換され;
R#はR+、-OR+、-O(ハロアルキル)、-SR+、-NO2、-CN、-NCS、-N(R+)2、-NHCO2R+、-NHC(O)R+、-NHNHC(O)R+、-NHC(O)N(R+)2、-NHNHC(O)N(R+)2、-NHNHCO2R+、-C(O)C(O)R+、-C(O)CH2C(O)R+、-CO2R+、-C(O)R+、C(O)N(R+)2、-OC(O)R+、-OC(O)N(R+)2、-S(O)2R+、-SO2N(R+)2、-S(O)R+、-NHSO2N(R+)2、-NHSO2R+、-C(=S)N(R+)2、または-C(=NH)-N(R+)2であり;
R+は、-H、C1〜C4アルキル基、単環式ヘテロアリール基、非芳香族ヘテロ環基、またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、-CN、-NO2、アミン、アルキルアミンもしくはジアルキルアミンで任意に置換されたフェニル基である;または
-N(R+)2は非芳香族複素環基である、ただしR+で表される非芳香族ヘテロ環基、および第2級の環アミンを構成する-N(R+)2が任意にアシル化またはアルキル化されるものとする、
請求項9記載の化合物。
【請求項11】
式中、R1およびR2で表されるフェニル基が、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ、フェニル、ベンジル、ピリジル、-OH、-NH2、F、-Cl、-Br、-I、-NO2または-CNと任意に置換される、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
式中、Yは-CR5R6-であり;R1およびR2は両方とも置換または非置換の脂肪族基であり;R5は‐Hであり;ならびにR6は‐H、または任意に置換した脂肪族基である、請求項5記載の化合物。
【請求項13】
式中、R1およびR2は両方とも、少なくとも一つのアルキル基と任意に置換したC3〜C8シクロアルキル基である、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
式中、R3およびR4は両方ともアルキル基であり;ならびにR6は‐Hまたはメチルである、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
式中、R1およびR2は両方ともシクロプロピルまたは1-メチルシクロプロピルである、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
以下の構造式:



(式中、
R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともエチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも4-シアノフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも4-メトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;
R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともエチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも4-シアノフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも3-シアノフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも3-フルオロフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも4-クロロフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも2-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも3-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも2,5-ジクロロフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメチルフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;
R1およびR2は両方ともシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともエチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり;R6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はメチルであり、およびR6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はエチルであり、およびR6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5はn-プロピルであり、およびR6は‐Hである;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方ともメチルである;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともエチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピルであり;R3はメチルであり、およびR4はエチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも2-メチルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも2-フェニルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方とも1-フェニルシクロプロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともシクロブチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともシクロペンチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともシクロヘキシルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともシクロヘキシルであり;R3およびR4は両方ともフェニルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともメチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともメチルであり;R3およびR4は両方ともt-ブチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともメチルであり;R3およびR4は両方ともフェニルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともt-ブチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;
R1およびR2は両方ともエチルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである;または
R1およびR2は両方ともn-プロピルであり;R3およびR4は両方ともメチルであり;R5およびR6は両方とも‐Hである)
で表される化合物。
【請求項17】
以下の構造式:



で表される化合物。
【請求項18】



より選ばれる構造式で表される化合物。
【請求項19】
薬学的に許容され得る担体または希釈剤(diluent)および以下の構造式:



(式中、
Yは共有結合または置換もしくは非置換の直鎖のヒドロカルビル基であり;
R1〜R4は独立して‐H、脂肪族基、置換の脂肪族基、アリール基もしくは置換のアリール基であるか、またはR1およびR3はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって、ならびに/もしくはR2およびR4はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって、任意に芳香環に縮合した非芳香族複素環を形成し;
Zは‐Oまたは‐Sであり;ならびに
M+は薬学的に許容され得る一価の陽イオンであり、およびM2+は薬学的に許容され得る二価の陽イオンである)
で表される化合物を含む医薬組成物。
【請求項20】
薬学的に許容され得る陽イオンがNa+またはK+である、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項21】
薬学的に許容され得る陽イオンがNa+である、請求項20記載の医薬組成物。
【請求項22】
ZはOであり、R1およびR2は同じであり、ならびにR3およびR4は同じである、請求項21記載の医薬組成物。
【請求項23】
式中、
Yは共有結合、-C(R5R6)-、-(CH2CH2)-、トランス-(CH=CH)-、シス-(CH=CH)-または-(CC)-基であり;ならびに
R5およびR6はそれぞれ独立して‐H、脂肪族基もしくは置換の脂肪族基であるか、もしくはR5は‐Hであり、およびR6は置換もしくは非置換のアリール基であるか、またはR5およびR6は一緒になって、C2〜C6置換もしくは非置換のアルキレン基である、請求項22記載の医薬組成物。
【請求項24】
式中、
Yは-C(R5R6)-であり;
R1およびR2がそれぞれ置換または非置換のアリール基であり;ならびに
R3およびR4はそれぞれ置換または非置換の脂肪族基である、
請求項23記載の医薬組成物。
【請求項25】
R5が-Hであり、かつR6が-Hまたは脂肪族基もしくは置換脂肪族基である、請求項24記載の医薬組成物。
【請求項26】
R3およびR4が各々アルキル基であり、R6が-Hまたはメチルである、請求項25記載の医薬組成物。
【請求項27】
R1およびR2が各々置換または非置換のフェニル基であり、ならびにR3およびR4が各々メチルまたはエチルである、請求項26記載の医薬組成物。
【請求項28】
R1で表されるフェニル基、およびR2で表されるフェニル基が、
-Ra、-OH、-Br、-Cl、-I、-F、-ORa、-O-CORa、-CORa、-CN、-NO2、-COOH、-SO3H、-NH2、-NHRa、-N(RaRb)、-COORa、-CHO、-CONH2、-CONHRa、-CON(RaRb)、-NHCORa、-NRcCORa、-NHCONH2、-NHCONRaH、-NHCON(RaRb)、-NRcCONH2、-NRcCONRaH、-NRcCON(RaRb)、-C(=NH)-NH2、-C(=NH)-NHRa、-C(=NH)-N(RaRb)、-C(=NRc)-NH2、-C(=NRc)-NHRa、-C(=NRc)-N(RaRb)、-NH-C(=NH)-NH2、-NH-C(=NH)-NHRa、-NH-C(=NH)-N(RaRb)、-NH-C(=NRc)-NH2、-NH-C(=NRc)-NHRa、-NH-C(=NRc)-N(RaRb)、-NRdH-C(=NH)-NH2、-NRd-C(=NH)-NHRa、-NRd-C(=NH)-N(RaRb)、-NRd-C(=NRc)-NH2、-NRd-C(=NRc)-NHRa、-NRd-C(=NRc)-N(RaRb)、-NHNH2、-NHNHRa、-NHRaRb、-SO2NH2、-SO2NHRa、-SO2NRaRb、-CH=CHRa、-CH=CRaRb、-CRc=CRaRb、-CRc=CHRa、-CRc=CRaRb、-CCRa、-SH、-SRa、-S(O)Ra、-S(O2)Ra
(式中Ra〜Rdは各々独立してアルキル基、芳香族基、非芳香族ヘテロ環基または-N(RaRb)であり、一緒になって置換または非置換の非芳香族ヘテロ環基を形成し、Ra〜Rdで表されるアルキル基、芳香族基および非芳香族ヘテロ環基、ならびに-N(RaRb)で表される非芳香族ヘテロ環基は、各々が任意に独立して、R#で表される1つ以上の選択された基で置換される;
R#は、R+、-OR+、-O(ハロアルキル)、-SR+、-NO2、-CN、-NCS、-N(R+)2、-NHCO2R+、-NHC(O)R+、-NHNHC(O)R+、-NHC(O)N(R+)2、-NHNHC(O)N(R+)2、-NHNHCO2R+、-C(O)C(O)R+、-C(O)CH2C(O)R+、-CO2R+、-C(O)R+、-C(O)N(R+)2、-OC(O)R+、-OC(O)N(R+)2、-S(O)2R+、-SO2N(R+)2、-S(O)R+、-NHSO2N(R+)2、-NHSO2R+、-C(=S)N(R+)2、もしくは-C(=NH)-N(R+)2である;
R+は、-H、C1〜C4アルキル基、単環式ヘテロアリール基、非芳香族ヘテロ環基、またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、-CN、-NO2、アミン、アルキルアミンもしくはジアルキルアミンで任意に置換されたフェニル基である;または、
-N(R+)2基は非芳香族ヘテロ環基である、ただしR+で表される非芳香族ヘテロ環基、および第2級の環アミンを構成する-N(R+)2が任意にアシル化またはアルキル化されるものとする)
から選択される1つ以上の基で任意に置換される、請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
R1およびR2で表されるフェニル基が、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ、フェニル、ベンジル、ピリジル、-OH、-NH2、-F、-Cl、-Br、-I、-NO2または-CNで任意に置換される、請求項28記載の医薬組成物。
【請求項30】
Yが-CR5R6-である;R1およびR2が双方とも置換または非置換の脂肪族基である;R5が-Hである;ならびに R6が-Hまたは任意に置換された脂肪族基である、請求項23記載の医薬組成物。
【請求項31】
R1およびR2が双方とも、少なくとも1つのアルキル基で任意に置換されたC3〜C8シクロアルキル基である、請求項30記載の医薬組成物。
【請求項32】
R3およびR4が双方とも置換アルキル基であり、ならびにR6が-Hまたはメチルである、請求項31記載の医薬組成物。
【請求項33】
R1およびR2が双方ともシクロプロピルまたは1-メチルシクロプロピルである、請求項32記載の医薬組成物。
【請求項34】
薬学的に許容され得る担体または賦形剤および以下の構造式:


(式中:
R1およびR2は双方ともフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともフェニルである;R3およびR4は双方ともエチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも4-シアノフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも4-メトキシフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方ともフェニルである;R3およびR4は双方ともエチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも4-シアノフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも2,5-ジメトキシフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも2,5-ジメトキシフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも3-シアノフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも3-フルオロフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも4-クロロフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも2-ジメトキシフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも3-メトキシフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも2,3-ジメトキシフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも2,3-ジメトキシフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも2,5-ジフルオロフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも2,5-ジフルオロフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも2,5-ジクロロフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2の双方は2,5-ジメチルフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも2,5-ジメトキシフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも2,5-ジメトキシフェニルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方ともシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともエチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも1-メチルシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも1-メチルシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はメチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも1-メチルシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はエチルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも1-メチルシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5はn-プロピルである;R6は-Hである;
R1およびR2は双方とも1-メチルシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方ともメチルである;
R1およびR2は双方とも1-メチルシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともエチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも1-メチルシクロプロピルである;R3はメチル、およびR4はエチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも2-メチルシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも2-フェニルシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方とも1-フェニルシクロプロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともシクロブチルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともシクロペンチルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともシクロヘキシルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともシクロヘキシルである;R3およびR4は双方ともフェニルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともメチルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともメチルである;R3およびR4は双方ともt-ブチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともメチルである;R3およびR4は双方ともフェニルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともt-ブチルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;
R1およびR2は双方ともエチルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである;または
R1およびR2は双方ともn-プロピルである;R3およびR4は双方ともメチルである;R5およびR6は双方とも-Hである)
で表される化合物を含む、医薬組成物。
【請求項35】
薬学的に許容され得る担体または賦形剤、および以下の構造式:


で表される化合物を含む、組成物。
【請求項36】
薬学的に許容され得る担体または賦形剤、ならびに


から選択される構造式で表される化合物を含む、組成物。
【請求項37】
癌を患う被験体の処置方法であって、前記方法が以下の構造式:


(式中:
Yは共有結合または置換もしくは非置換の直鎖ヒドロカルビル基である;
R1〜R4は独立して-H、脂肪族基、置換脂肪族基、アリール基もしくは置換アリール基であるか、またはR1およびR3はそれらが結合する炭素および窒素原子とひとまとまりとなり、ならびに/もしくは、R2およびR4はそれらが結合する炭素および窒素原子とひとまとまりとなり、任意に芳香環に対して縮合された非芳香族ヘテロ環を形成する;
Zは-Oまたは-Sである;ならびに
M+は薬学的に許容され得る一価陽イオンであり、M2+は薬学的に許容され得る二価陽イオンである)
で表される化合物の有効量を被験体に投与することを含む、方法。
【請求項38】
該薬学的に許容され得る陽イオンがNa+またはK+である、請求項37記載の化合物。
【請求項39】
該薬学的に許容され得る陽イオンがNa+である、請求項38記載の化合物。
【請求項40】
癌が多剤耐性癌である、請求項39記載の方法。
【請求項41】
該化合物が微小管を安定させる抗癌剤と同時投与される、請求項39記載の方法。
【請求項42】
該化合物がタキソールまたはタキソールのアナログと同時投与される、請求項39記載の方法。
【請求項43】
ZがOである;R1およびR2が同一である;ならびにR3およびR4が同一である、請求項39記載の方法。
【請求項44】
Yは共有結合、-C(R5R6)-、-(CH2CH2)-、トランス-(CH=CH)-、シス-(CH=CH)-、または-(CC)-基である;ならびに
R5およびR6は各々独立して、-H、脂肪族もしくは置換脂肪族基であるか、またはR5は-Hであり、かつR6は置換もしくは非置換のアリール基であるか、またはR5およびR6はひとまとまりとなり、C2〜C6置換もしくは非置換のアルキレン基である、
請求項43記載の方法。
【請求項45】
Yは-C(R5R6)-である;
R1およびR2は各々置換または非置換のアリール基である;ならびに
R3およびR4は各々置換または非置換の脂肪族基である、
請求項43記載の方法。
【請求項46】
R5が-Hであり、かつR6が-Hまたは脂肪族もしくは置換脂肪族基である、請求項45記載の方法。
【請求項47】
R3およびR4が各々アルキル基であり、R6が-Hまたはメチルである、請求項46記載の方法。
【請求項48】
R1およびR2は各々置換または非置換のフェニル基であり、ならびにR3およびR4は各々メチルまたはエチルである、請求項47記載の方法。
【請求項49】
R1で表されるフェニル基、およびR2で表されるフェニル基が、
-Ra、-OH、-Br、-Cl、-I、-F、-ORa、-O-CORa、-CORa、-CN、-NO2、-COOH、-SO3H、-NH2、-NHRa、-N(RaRb)、-COORa、-CHO、-CONH2、-CONHRa、-CON(RaRb)、-NHCORa、-NRcCORa、-NHCONH2、-NHCONRaH、-NHCON(RaRb)、-NRcCONH2、-NRcCONRaH、-NRcCON(RaRb)、-C(=NH)-NH2、-C(=NH)-NHRa、-C(=NH)-N(RaRb)、-C(=NRc)-NH2、-C(=NRc)-NHRa、-C(=NRc)-N(RaRb)、-NH-C(=NH)-NH2、-NH-C(=NH)-NHRa、-NH-C(=NH)-N(RaRb)、-NH-C(=NRc)-NH2、-NH-C(=NRc)-NHRa、-NH-C(=NRc)-N(RaRb)、-NRdH-C(=NH)-NH2、-NRd-C(=NH)-NHRa、-NRd-C(=NH)-N(RaRb)、-NRd-C(=NRc)-NH2、-NRd-C(=NRc)-NHRa、-NRd-C(=NRc)-N(RaRb)、-NHNH2、-NHNHRa、-NHRaRb、-SO2NH2、-SO2NHRa、-SO2NRaRb、-CH=CHRa、-CH=CRaRb、-CRc=CRaRb、-CRc=CHRa、-CRc=CRaRb、-CCRa、-SH、-SRa、-S(O)Ra、-S(O2)Ra
(式中Ra〜Rdは各々独立してアルキル基、芳香族基、非芳香族ヘテロ環基または-N(RaRb)であり、一緒になって置換または非置換非芳香族ヘテロ環基を形成し、Ra〜Rdで表されるアルキル基、芳香族基および非芳香族ヘテロ環基、ならびに-N(RaRb)で表される非芳香族ヘテロ環基は、各々が任意に独立して、R#で表される1つ以上の選択された基で置換される;
R#は、R+、-OR+、-O(ハロアルキル)、-SR+、-NO2、-CN、-NCS、-N(R+)2、-NHCO2R+、-NHC(O)R+、-NHNHC(O)R+、-NHC(O)N(R+)2、-NHNHC(O)N(R+)2、-NHNHCO2R+、-C(O)C(O)R+、-C(O)CH2C(O)R+、-CO2R+、-C(O)R+、-C(O)N(R+)2、-OC(O)R+、-OC(O)N(R+)2、-S(O)2R+、-SO2N(R+)2、-S(O)R+、-NHSO2N(R+)2、-NHSO2R+、-C(=S)N(R+)2、もしくは-C(=NH)-N(R+)2である;
R+は、-H、C1〜C4アルキル基、単環式ヘテロアリール基、非芳香族ヘテロ環基、またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、-CN、-NO2、アミン、アルキルアミンもしくはジアルキルアミンで任意に置換されたフェニル基である;または、
-N(R+)2基は非芳香族ヘテロ環基である、ただしR+で表される非芳香族ヘテロ環基、および第2級の環アミンを構成する-N(R+)2が任意にアシル化またはアルキル化されるものとする)
から選択される1つ以上の基で任意に置換される、請求項48記載の方法。
【請求項50】
R1およびR2によって表されるフェニル基がC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ、フェニル、ベンジル、ピリジル、-OH、-NH2、-F、-Cl、-Br、-I、-NO2、または-CNで任意に置換される、請求項49記載の方法。
【請求項51】
Yが-CR5R6-であり、R1およびR2が両方とも置換または非置換脂肪族基であり、R5が-Hであり、かつR6が-Hまたは任意に置換された脂肪族基である、請求項44記載の方法。
【請求項52】
R1およびR2が両方とも少なくとも1つのアルキル基で任意に置換されたC3〜C8シクロアルキル基である、請求項51記載の方法。
【請求項53】
R3およびR4が両方とも置換または非置換アルキル基であり、R6が-Hまたはメチルである、請求項52記載の方法。
【請求項54】
R1およびR2が両方ともシクロプロピル、または1-メチルシクロプロピルである、請求項53記載の方法。
【請求項55】
次の構造式:


(式中、
R1およびR2が両方ともフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともフェニルであり、R3およびR4が両方ともエチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも4-シアノフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも4-メトキシフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方ともフェニルであり、R3およびR4が両方ともエチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも4-シアノフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも3-シアノフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも3-フルオロフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも4-クロロフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2-ジメトキシフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも3-メトキシフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,3-ジメトキシフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,3-ジメトキシフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,5-ジフルオロフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,5-ジフルオロフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,5-ジクロロフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,5-ジメチルフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2,5-ジメトキシフェニルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方ともシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともエチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも1-メチルシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも1-メチルシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がメチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも1-メチルシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がエチルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも1-メチルシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5がn-プロピルであり、R6が-Hであるか、
R1およびR2が両方とも1-メチルシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方ともメチルであるか、
R1およびR2が両方とも1-メチルシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともエチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも1-メチルシクロプロピルであり、R3がメチルであり、R4がエチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2-メチルシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも2-フェニルシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方とも1-フェニルシクロプロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともシクロブチルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともシクロペンチルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともシクロヘキシルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともシクロヘキシルであり、R3およびR4が両方ともフェニルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともメチルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともメチルであり、R3およびR4が両方ともt-ブチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともメチルであり、R3およびR4が両方ともフェニルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2が両方ともt-ブチルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、
R1およびR2がエチルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hであるか、または
R1およびR2が両方ともn-プロピルであり、R3およびR4が両方ともメチルであり、R5およびR6が両方とも-Hである)
により表される化合物の有効量を被験体に投与することを含む、癌を有する被験体の治療方法。
【請求項56】
癌が多剤耐性癌である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
該化合物が微小管を安定化させる抗癌剤と同時投与される、請求項55記載の方法。
【請求項58】
該化合物がタキソール(taxol)またはタキソールの類似体と同時投与される、請求項55記載の方法。
【請求項59】
次の構造式:


により表される化合物の有効量を被験体に投与することを含む、癌を有する被験体の治療方法。
【請求項60】
癌が多剤耐性癌である、請求項59記載の方法。
【請求項61】
該化合物が微小管を安定化させる抗癌剤と同時投与される、請求項59記載の方法。
【請求項62】
該化合物がタキソールまたはタキソールの類似体と同時投与される、請求項59記載の方法。
【請求項63】



から選択される構造式により表される化合物の有効量を被験体に投与することを含む、癌を有する被験体の治療方法。
【請求項64】
癌が多剤耐性癌である、請求項63記載の方法。
【請求項65】
該化合物が微小管を安定化させる抗癌剤と同時投与される、請求項63記載の方法。
【請求項66】
該化合物がタキソールまたはタキソールの類似体と同時投与される、請求項63記載の方法。
【請求項67】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)、有機溶媒、および塩基を合わせ、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液を形成する工程、ならびに
該溶液および有機アンチソルベント(antisolvent)を合わせ、それによりビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液からビス(チオ-ヒドラジドアミド)の二塩(disalt)を沈殿させる工程
を含む、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩の調製方法。
【請求項68】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)の各モル当量に対して少なくとも約2モル当量の塩基が用いられる、請求項67記載の方法。
【請求項69】
有機溶媒が水混和性である、請求項68記載の方法。
【請求項70】
有機溶媒がC1〜C4脂肪族アルコール、C1〜C4脂肪族ケトン、C2〜C4脂肪族エーテル、C2〜C4脂環式エーテル、ジオキサンジメチルホルムアミド(dioxane dimethyl formamide)、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、グリコール、アルキルグリコールエーテル、ジオキサン、およびアセトニトリルから選択される、請求項69記載の方法。
【請求項71】
有機溶媒がメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、tert-ブチルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、およびメチルエチルケトンから選択される、請求項70記載の方法。
【請求項72】
有機溶媒がメタノール、エタノール、およびアセトンから選択される、請求項70記載の方法。
【請求項73】
塩基がアミン、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属C1〜C6アルコキシド、またはアルカリ金属アミドである、請求項68記載の方法。
【請求項74】
塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC1〜C6アルコキシド、カリウムC1〜C6アルコキシド、ナトリウムアミド、またはカリウムアミドである、請求項73記載の方法。
【請求項75】
塩基が水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、またはナトリウムエトキシドである、請求項74記載の方法。
【請求項76】
塩基がアルカリ金属水素化物、アルキルアルカリ金属、またはアリールアルカリ金属である、請求項68記載の方法。
【請求項77】
塩基が水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ブチルリチウム、ブチルナトリウム、ブチルカリウム、フェニルリチウム、フェニルナトリウム、またはフェニルカリウムである、請求項76記載の方法。
【請求項78】
有機アンチソルベントがC5〜C10アルカン、C5〜C10シクロアルカン、C3〜C10アルキルエステル、C3〜C10アルキルエーテル、ベンゼン、トルエン、およびキシレンから選択される、請求項68記載の方法。
【請求項79】
有機アンチソルベントがジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、および石油エーテルから選択される、請求項78記載の方法。
【請求項80】
有機アンチソルベントがC5〜C10アルカン、またはC5〜C10シクロアルカンである、請求項79記載の方法。
【請求項81】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が有機溶媒に実質的に不溶性である、請求項68記載の方法。
【請求項82】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を、まず、有機溶媒と合わせて混合物を形成し、塩基を混合物に添加してビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液を形成する、請求項81記載の方法。
【請求項83】
1リットルの有機溶媒あたり約0.25〜約2.5モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を合わせる、請求項81記載の方法。
【請求項84】
1リットルの有機溶媒あたり、約0.75〜約1.5モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を合わせる、請求項83記載の方法。
【請求項85】
約2〜約5モル当量の塩基が使用される、請求項83記載の方法。
【請求項86】
約2.0〜約2.5モル当量の塩基が使用される、請求項85記載の方法。
【請求項87】
1リットルの有機溶媒あたり、約1モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を合わせる、請求項85記載の方法。
【請求項88】
有機溶媒がエタノールである、請求項87記載の方法。
【請求項89】
塩基が約2モル〜約5モルの水酸化ナトリウム水溶液である、請求項88記載の方法。
【請求項90】
有機アンチソルベント(antisolvent)がジエチルエーテルまたは酢酸エチルである、請求項89記載の方法。
【請求項91】
有機溶媒がアセトンである、請求項87記載の方法。
【請求項92】
塩基が約2モル〜約5モルのエタノール性ナトリウムエトキシドである、請求項91記載の方法。
【請求項93】
有機アンチソルベントがヘプタンである、請求項92記載の方法。
【請求項94】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が、以下の構造式:


式中、
Yは、共有結合または任意に置換された直鎖ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基である;
R1〜R4は、独立して、-H、任意に置換された脂肪族基、任意に置換されたアリール基、またはR1およびR3が、これらが結合した炭素および窒素原子と一緒になって、および/またはR2およびR4が、これらが結合した炭素および窒素原子と一緒になって、任意に芳香族環に縮合された非芳香族複素環を形成する;および
ZはOまたはSである、
で表される、請求項67記載の方法。
【請求項95】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が、以下の構造式:


式中、
R1およびR2がともにフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにフェニルである; R3およびR4がともにエチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに4-シアノフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がメチルである; R6が-Hである;
R1およびR2がともに4-メトキシフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がメチルである; R6が-Hである;
R1およびR2がともにフェニルである; R3およびR4がともにエチルである; R5がメチルである; R6が-Hである;
R1およびR2がともに4-シアノフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2,5-ジメトキシフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2,5-ジメトキシフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がメチルである; R6が-Hである;
R1およびR2がともに3-シアノフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに3-フルオロフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに4-クロロフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がメチルである; R6が-Hである;
R1およびR2がともに2-ジメトキシフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに3-メトキシフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2,3-ジメトキシフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2,3-ジメトキシフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がメチルである; R6が-Hである;
R1およびR2がともに2,5-ジフルオロフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2,5-ジフルオロフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がメチルである; R6が-Hである;
R1およびR2がともに2,5-ジクロロフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2,5-ジメチルフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2,5-ジメトキシフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2,5-ジメトキシフェニルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がメチルである; R6が-Hである;
R1およびR2がともにシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにシクロプロピルである; R3およびR4がともにエチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がメチルである; R6が-Hである;
R1およびR2がともに1-メチルシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; Y’が結合である;
R1およびR2がともに1-メチルシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに1-メチルシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がメチルである、ならびにR6が-Hである;
R1およびR2がともに1-メチルシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がエチルである、ならびにR6が-Hである;
R1およびR2がともに1-メチルシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5がn-プロピルであり、R6が-Hである;
R1およびR2がともに1-メチルシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともにメチルである;
R1およびR2がともに1-メチルシクロプロピルである; R3およびR4がともにエチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに1-メチルシクロプロピルである; R3がメチルである、ならびにR4がエチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2-メチルシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに2-フェニルシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともに1-フェニルシクロプロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにシクロブチルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにシクロペンチルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにシクロヘキシルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにシクロヘキシルである; R3およびR4がともにフェニルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにメチルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにメチルである; R3およびR4がともにt-ブチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにメチルである; R3およびR4がともにフェニルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がともにt-ブチルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである;
R1およびR2がエチルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである; または
R1およびR2がともにn-プロピルである; R3およびR4がともにメチルである; R5およびR6がともに-Hである、
で表される、請求項94記載の方法。
【請求項96】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が、


である、請求項95記載の方法。
【請求項97】
ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が、


である、請求項95記載の方法。
【請求項98】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)、ならびに
メタノール、エタノール、アセトン、およびメチルエチルケトンから選択される有機溶媒を合わせて混合物を作製する工程;
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムエトキシドから選択される少なくとも2当量の塩基を混合物に添加し、それにより、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液を形成する工程;ならびに
該溶液を、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、酢酸エチル、およびジエチルエーテルから選択される有機アンチソルベントと合わせ、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)の二塩を、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液から沈殿させる工程
を含む、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩の調製方法。
【請求項99】
有機溶媒がアセトンである、請求項98記載の方法。
【請求項100】
塩基がエタノール性ナトリウムエトキシドである、請求項98記載の方法。
【請求項101】
有機溶媒がエタノールである、請求項98記載の方法。
【請求項102】
塩基が水酸化ナトリウム水溶液である、請求項98記載の方法。
【請求項103】
アンチソルベントがヘプタンである、請求項98記載の方法。
【請求項104】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が、


である、請求項98記載の方法。
【請求項105】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が、


である、請求項98記載の方法。
【請求項106】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)、有機溶媒および塩基を合わせてビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液を形成する工程;ならびに
ビス(チオ-ヒドラジドアミド)の二塩をビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液から分離する工程
を含む、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)二塩の調製方法。
【請求項107】
1モル当量の中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)に対して少なくとも約2モル当量の塩基が使用される、請求項106記載の方法。
【請求項108】
有機溶媒が、C1〜C4脂肪族アルコール、C1〜C4脂肪族ケトン、C2〜C4脂肪族エーテル、C2〜C4脂環式エーテル、ジオキサンジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、グリコール、アルキルグリコールエーテル、ジオキサン、およびアセトニトリルから選択される、請求項107記載の方法。
【請求項109】
有機溶媒が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、tert-ブチルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、およびメチルエチルケトンから選択される、請求項108記載の方法。
【請求項110】
塩基が、アミン、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属C1〜C6アルコキシド、またはアルカリ金属アミドである、請求項109記載の方法。
【請求項111】
塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC1〜C6アルコキシド、カリウムC1〜C6アルコキシド、ナトリウムアミド、またはカリウムアミドである、請求項110記載の方法。
【請求項112】
塩基が、アルカリ金属水素化物、アルキルアルカリ金属、またはアリールアルカリ金属である、請求項107記載の方法。
【請求項113】
塩基が、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ブチルリチウム、ブチルナトリウム、ブチルカリウム、フェニルリチウム、フェニルナトリウム、またはフェニルカリウムである、請求項112記載の方法。
【請求項114】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が、有機溶媒に実質的に不溶性である、請求項107記載の方法。
【請求項115】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を、まず、有機溶媒と合わせて混合物を形成し、塩基を混合物に添加してビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液を形成する、請求項114記載の方法。
【請求項116】
1リットルの有機溶媒あたり、約0.25〜約2.5モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を合わせる、請求項114記載の方法。
【請求項117】
約2〜約5モル当量の塩基が使用される、請求項116記載の方法。
【請求項118】
1リットルの有機溶媒あたり約1モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)を合わせる、請求項116記載の方法。
【請求項119】
中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が、以下の構造式:


式中、
Yは、共有結合または任意に置換された直鎖ヒドロカルビル基である;
R1〜R4は、独立して、-H、任意に置換された脂肪族基、任意に置換されたアリール基、またはR1およびR3が、これらが結合した炭素および窒素原子と一緒になって、および/またはR2およびR4が、これらが結合した炭素および窒素原子と一緒になって、任意に芳香族環に縮合された非芳香族複素環を形成する;および
ZはOまたはSである、
で表される、請求項106記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2008−504264(P2008−504264A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518152(P2007−518152)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/021642
【国際公開番号】WO2006/009940
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(503271718)シンタ ファーマスーティカルズ コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】Synta Pharmaceuticals Corp.
【Fターム(参考)】