説明

癌疾患の治療のためのジヒドロプテリジノン

【課題】種々の癌疾患の治療のための化合物の提供。
【解決手段】有糸分裂調節薬としてのポロ様キナーゼの抑制によるヒト又は非ヒト哺乳類生体中の異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療のための医薬組成物の調製のための、特定のジヒドロプテリジノン化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般式(I)
【化1】

(式中、基L、R1、R2、R3、R4及びR5は特許請求の範囲及び明細書に示された意味を有する)
のジヒドロプテリジノン(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)、及び癌治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポロ様キナーゼ(PLK)は細胞サイクルにおけるプロセスを調節するのに重要な役割を果たすセリン/スレオニンキナーゼである。4種のPLK、即ち、PLK-1、PLK-2、PLK-3及びPLK-4が技術水準に開示されている。PLKは真核生物細胞サイクルの調節(例えば、哺乳類細胞における有糸分裂マシナリの調節)に役割を果たす。特にPLK-1について、有糸分裂の調節に関する重要な役割が示されている(非特許文献1及び2)。PLK-1の過剰発現は癌を含む腫瘍細胞と強く関連していると考えられる(特許文献1)。PLK1の過剰発現が種々の腫瘍型、例えば、非小細胞肺癌、扁平上皮癌、乳癌、卵巣癌又は乳頭状癌だけでなく、結腸直腸癌について実証されていた(非特許文献3〜8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO 2004/014899
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Gloverら, 1998, Genes Dev. 12:3777-87
【非特許文献2】Qianら, 2001, Mol Biol Cell. 12:1791-9
【非特許文献3】Wolfら, 1997, Oncogene 14, 543-549頁
【非特許文献4】Knechtら, 1999, Cancer Res. 59, 2794-2797頁
【非特許文献5】Wolfら, 2000, Pathol Res Pract. 196, 753-759頁
【非特許文献6】Weichertら, 2004, Br. J. Cancer 90, 815-821頁
【非特許文献7】Itoら, 2004, Br. J. Cancer 90, 414-418頁
【非特許文献8】Takahashiら, 2003, Cancer Sci. 94, 148-152頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は種々の癌疾患の治療のための化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は有糸分裂調節薬としてのポロ様キナーゼの抑制によるヒト又は非ヒト哺乳類生体中の異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療のための医薬組成物の調製のための、式(I)
【化2】

の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)の使用に関する。
【0007】
式中、
R1、R2(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素もしくは必要により置換されていてもよいC1-C6-アルキルを表し、又は
R1及びR2は一緒になって2〜5員アルキルブリッジ(これは1〜2個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
R3は水素もしくは必要により置換されていてもよいC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル及びC6-C14-アリールの中から選ばれた基、又は
必要により置換されていてもよく、かつ/又はブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル、C3-C12-シクロアルケニル、C7-C12-ポリシクロアルキル、C7-C12-ポリシクロアルケニル、C5-C12-スピロシクロアルキル、C3-C12-ヘテロシクロアルキル(これは1〜2個のヘテロ原子を含む)、及びC3-C12-ヘテロシクロアルケニル(これは1〜2個のヘテロ原子を含む)の中から選ばれた基を表し、或いは
R1とR3又はR2とR3は一緒になって飽和又は不飽和C3-C4-アルキルブリッジ(これは1個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
【0008】
R4は水素、-CN、ヒドロキシ、-NR6R7及びハロゲンの中から選ばれた基、又は
必要により置換されていてもよいC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C5-アルキルオキシ、C2-C5-アルケニルオキシ、C2-C5-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルスルホキソ及びC1-C6-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表し、
Lは必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nは0又は1を表し、
mは1又は2を表し、
R5は必要により置換されていてもよいモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピペラジニルカルボニル、ピロリジニル、トロペニル、R8-ジケトメチルピペラジニル、スルホキソモルホリニル、スルホニルモルホリニル、チオモルホリニル、-NR8R9及びアザシクロヘプチルの中から選ばれた基を表し、
R6、R7(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素又はC1-C4-アルキルを表し、かつ
R8、R9はR5にある未置換窒素置換基を表し、これらは同じであってもよく、また異なっていてもよく、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
R1〜R4、R6及びR7が先に定義されたとおりであり、かつ
Lが必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nが1を表し、
mが1又は2を表し、
R5が必要により置換されていてもよいモルホリニル、ピペリジニル、R8-ピペラジニル、ピロリジニル、トロペニル、R8-ジケトメチルピペラジニル、スルホキソモルホリニル、スルホニルモルホリニル、チオモルホリニル、-NR8R9及びアザシクロヘプチルの中から選ばれた、窒素原子を介してLに結合されている基を表し、
R8、R9がR5にある未置換窒素置換基(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す、式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)の本発明の使用が好ましい。
【0010】
R1〜R4、R6及びR7が先に定義されたとおりであり、
Lが必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nが0又は1を表し、
mが1又は2を表し、
R5がR8-ピペリジニル、R8R9-ピペラジニル、R8-ピロリジニル、R8-ピペラジニルカルボニル、R8-トロペニル、R8-モルホリニル及びR8-アザシクロヘプチルの中から選ばれた、炭素原子を介してLに結合されている基を表し、かつ
R8、R9がR5にある未置換窒素置換基(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す、式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)の本発明の使用がまた好ましい。
【0011】
L、m、n及びR3〜R9が先に定義されたとおりであり、かつ
R1、R2(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)が水素、Me、Et、Prの中から選ばれた基を表し、又は
R1及びR2が一緒になってC2-C4-アルキルブリッジを形成する、式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)の使用が特に好ましい。
R1、R2、m、n及びR5〜R8が先に定義されたとおりであり、かつ
R3が必要により置換されていてもよいC1-C10-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、C3-C6-ヘテロシクロアルキル及びC6-C14-アリールの中から選ばれた基を表し、又は
R1とR3又はR2とR3が一緒になって飽和又は不飽和C3-C4-アルキルブリッジ(これは1〜2個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
R4が水素、OMe、OH、Me、Et、Pr、OEt、NHMe、NH2、F、Cl、Br、O-プロパルギル、O-ブチニル、CN、SMe、NMe2、CONH2、エチニル、プロピニル、ブチニル及びアリルの中から選ばれた基を表し、かつ
Lが必要により置換されていてもよいフェニル、フェニルメチル、シクロヘキシル及び分岐C1-C6-アルキルの中から選ばれたリンカーを表す、式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)の本発明の使用が特に好ましい。
更なる実施態様において、本発明は化合物が下記の表
【0012】
【化3】

【0013】
【化4】

【0014】
【化5】

【0015】
(表中に使用される略号X1、X2、X3、X4及びX5は夫々の場合に相当する基R1、R2、R3、R4及びL-R5に代えて表中に示される一般式中の位置への結合を表す)
に示された式(I)の化合物からなる群から選ばれる、本発明の式(I)の化合物の使用に関する。
好ましい実施態様において、本発明はポロ様キナーゼがPLK-1である、本発明の式(I)の化合物の使用に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は疾患が不適当な細胞増殖、移動、アポトーシス又は血管形成、好ましくは不適当な細胞増殖を特徴とする、本発明の式(I)の化合物の使用に関する。不適当な細胞増殖は不適当な細胞成長、過度の細胞分裂、加速された速度の細胞分裂及び/又は不適当な細胞生存から得られる細胞増殖を意味する。
別の好ましい実施態様において、本発明は疾患が癌腫、肉腫、メラノーマ、ミエローマ、血液学的腫瘍、リンパ腫及び小児癌からなる群から選ばれた癌である、本発明の式(I)の化合物の使用に関する。
本発明の範囲内の癌腫の例として、腺癌(AC)、扁平上皮癌(SCC)及び混合又は未分化癌腫が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の範囲内の癌腫として下記の組織が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
・頭部及び首の腫瘍:SCC、AC、移行上皮癌、粘液性類表皮癌、未分化癌腫;
・中枢神経系腫瘍:星状細胞腫、グリア芽細胞腫、髄膜腫、神経鞘腫、シュワン鞘腫、上衣腫、下垂体腫、乏枝膠腫、髄芽腫;
・気管支及び縦隔の腫瘍;
○気管支腫瘍:
■小細胞肺癌(SCLC):燕麦細胞肺癌、中間細胞癌、複合燕麦細胞肺癌;
■非小細胞肺癌(NSCLC):SCC、紡錐体細胞癌、AC、気管支胞状癌腫、大細胞NSCLC、明細胞NSCLC;
○中皮腫;
○胸腺腫;
○甲状腺癌:乳頭状、のう胞状、未分化、延髄;
・胃腸道の腫瘍:
○食道癌:SCC、AC、未分化、類癌腫、肉腫;
○胃癌:AC、腺扁平、未分化;
○結腸直腸癌:AC(ACの遺伝性形態を含む)、類癌腫、肉腫;
○肛門癌:SCC、移行上皮癌、AC、基底細胞癌;
○膵臓癌:AC(腺管癌及び腺房癌を含む)、内分泌膵臓の乳頭状、腺扁平、未分化の腫瘍;
○肝細胞癌、胆管癌、血管肉腫、肝芽細胞腫;
○胆管癌;AC、SCC、小細胞、未分化;
○胃腸ストロマ腫瘍(GIST);
・婦人科の癌:
○乳癌:AC(侵食性の腺管、小葉及び延髄の癌を含む)、管状、粘液性の癌、パジェット癌、炎症性癌腫、in situの線管及び小葉の癌腫;
○卵巣癌:上皮腫瘍、ストロマ腫瘍、生殖細胞腫瘍、未分化腫瘍;
○子宮頚癌:SCC、AC、混合腫瘍及び未分化腫瘍;
○子宮内膜癌:AC、SCC、混合、未分化腫瘍;
○外陰部癌:SCC、AC;
○膣癌:SCC、AC;
・尿道及び睾丸の癌:
○睾丸癌:精上皮腫;
○非精上皮生殖細胞腫瘍:奇形腫、胎児細胞癌、絨毛癌、卵黄のう腫瘍、混合、セルトーリ細胞及びライディヒ細胞腫瘍;
○生殖腺外生殖細胞腫瘍;
○前立腺癌:AC、小細胞、SCC;
○腎臓細胞癌:AC(明細胞を含む)、乳頭状及び嫌色素性の癌腫、遺伝形態(例えば、フォン・ヒッペル・リンダウ症候群)、腎芽細胞腫;
○膀胱癌:移行細胞(尿路上皮性)癌、SCC、AC;
○尿道癌:SCC、移行細胞癌、AC;
○陰茎癌:SCC;
・内分泌組織の腫瘍:
○甲状腺癌:乳頭状、のう胞状、未分化、延髄の癌腫(MEN症候群を含む);
○内分泌膵臓の腫瘍;
○カルチノイド;
○褐色細胞腫。
【0017】
本発明の範囲内の肉腫の例として、ユーイング肉腫、骨肉腫又は骨原性肉腫、軟骨肉腫、滑液膜肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、中皮肉腫又は中皮腫、繊維肉腫、血管肉腫又は血管内皮腫、脂肪肉腫、グリオーマ又は星状細胞腫、粘液肉腫、悪性繊維性組織球腫、間葉又は混合中胚葉の腫瘍、神経芽細胞腫及び明細胞肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の範囲内のメラノーマの例として、表在性メラノーマ、結節性メラノーマ及びほくろ-悪性メラノーマが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の範囲内のミエローマの例として、免疫細胞腫、形質細胞腫及び多発性ミエローマが挙げられるが、これらに限定されない。
別の好ましい実施態様において、本発明は血液腫瘍が白血病である、本発明の使用に関する。
本発明の範囲内の血液腫瘍の更なる例として、骨髄、赤血球又はリンパ起源の急性又は慢性白血病、骨髄形成異常症候群(MDS)及び骨髄増殖性症候群(MPS、例えば、慢性骨髄性白血病、骨髄繊維症、一次性赤血球増加又は本態性血小板血症)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の範囲内のリンパ腫の例として、
・ホジキンリンパ腫;
・非ホジキンリンパ腫:T細胞リンパ腫及びB細胞リンパ腫
○B細胞リンパ腫:
■低等級及び中間等級:慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、小リンパ球性リンパ腫、ヘアリーセル白血病、プラスマ細胞リンパ腫、外とう細胞リンパ腫、ろ胞性リンパ腫、周辺帯リンパ腫(MALT-リンパ腫を含む);
■高等級:拡散大B細胞リンパ腫(免疫芽球性別型及び中心芽球性(centroblastic)別型を含むDLBCL)、リンパ芽球性の、バーキットリンパ腫;
○T細胞リンパ腫:
■低等級:T-CLL、T-PLL、菌状息肉腫、セザリー症候群;
■高等級:未分化大細胞、T免疫芽球性及びリンパ芽球性
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
別の好ましい実施態様において、本発明は疾患が混合腫瘍、未分化腫瘍及びこれらの転移からなる群から選ばれた癌である、本発明の使用に関する。
本発明の範囲内の混合腫瘍の例として、腺扁平上皮癌、混合中胚葉腫瘍、癌肉腫及び奇形癌腫が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の範囲内の未分化の、その他の腫瘍又はこれらの転移の例として、未分化腫瘍、未知の初期の癌腫(CUP)、未知の初期の転移(MUP)及びクロム親和性細胞腫、カルチノイドが挙げられるが、これらに限定されない。
更なる実施態様において、本発明はアミロイドーシス、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、クローン病、多発性硬化症、全身性硬化症(硬皮症)、混合結合組織病、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、自己免疫脈管炎、ベーチェット症候群、乾癬、自己免疫関節炎、サルコイドーシス及び真性糖尿病からなる群から選ばれた自己免疫障害の治療のための医薬組成物の調製のための、本発明の式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)の使用に関する。
【0019】
更なる実施態様において、本発明はカンジダ症、クリプトコッカス症、アスペルギルス症、ムコール症、白癬、皮膚糸状菌症、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、コクシジウム症、ニューモシスティスを含むが、これらに限定されない菌類疾患の治療のための医薬組成物の調製のための、本発明の式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)の使用に関する。
ポロ様キナーゼをコードする相同遺伝子が菌類(S.セレビジエ、S.ポンベ、C.アルビカンス)、ハエ(D.メラノガスター)、ぜん虫(C.エレガンス)及び脊椎動物の範囲の種々の真核生物から同定されており、有糸分裂進行を調節するのに重要なメカニズムに相当する(Gloverら, 1996, J Cell Biol, 135, 1681-1684頁, Bachewichら, 2003, Mol Biol Cell 14, 2163-2180頁)。こうして、治療有効量の式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)の優先的に局所又は全身の投与は、菌類疾患を治療するための新規アプローチに相当する。
更なる実施態様において、本発明は哺乳類に治療有効量の式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形又は生理学的に機能性の誘導体の形態であってもよい)を投与することを特徴とするヒト又は非ヒト哺乳類の異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療方法に関する。
【0020】
更なる実施態様において、本発明は患者に治療有効量の式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形又は生理学的に機能性の誘導体の形態であってもよい)を投与することを特徴とする一種以上の上記疾患を患う患者の治療方法に関する。
哺乳類の有糸分裂調節薬としてのポロ様キナーゼの抑制によるヒト又は非ヒト哺乳類生体中の異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療方法はPLK活性及び/又はPLKもしくはその他のPLKイソ型の一種、好ましくはPLK-1の過剰発現を調節し、変調し、結合し、もしくは抑制することを含む。
更なる実施態様において、本発明は活性成分が経口、腸、経皮、静脈内、腹腔内又は注射、好ましくは静脈内に投与される、本発明の式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形又は生理学的に機能性の誘導体の形態であってもよい)の使用に関する。
本発明の意味内で、式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)は、Saos-2、H4、MDA-MB-435S、MDA-MB453、MCF7、ヒーラS3、HCT116、Colo 205、HT29、FaDu、HL-60、K-562、THP-1、HepG2、A549、NCI-H460、NCI-H520、GRANTA-519、Raji、Ramos、BRO、SKOV-3、BxPC-3、Mia CaPa-2、DU145、PC-3、NCI-N87、MES-SA、SK-UT-1B及びA431を含むが、これらに限定されない種々のヒト腫瘍細胞系の増殖を抑制する。
以下の実施例は本発明を説明するが、その範囲を限定しない。
【実施例】
【0021】
4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミド(これは本発明の式(I)の化合物(表2中の例示化合物Nr.46)である)の活性を培養ヒト腫瘍細胞についての細胞傷害試験及び/又はFACS分析(そこでは細胞サイクル進行についてのその抑制効果が監視される)により測定し得る。両方の試験方法で、この化合物が良好〜非常に良好な活性を示す(表1を参照のこと)。
アラマー・ブルーTM細胞傷害アッセイ
アラマー・ブルーTMアッセイは代謝活性の検出に基づいて蛍光定量/比色分析の成長指示薬をとり込むことにより細胞の増殖を定量的に測定するように設計される。
細胞培養:種々のヒト腫瘍細胞系をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)又は微生物及び細胞培養物のドイツコレクション(DSMZ)から購入することができ、供給業者により指示された培地中で75〜175cm2の組織培養フラスコ中で培養する。細胞を保湿雰囲気中で37℃及び5%のCO2で、適当なスプリット比で管理する。対数増殖細胞をアッセイに使用する。
アッセイ条件:実験の1日目に、1000-4000の細胞(培地100μl中)を無菌96ウェルプレートの夫々のウェルに接種する。使用した細胞の数は細胞の増殖速度及びサイズに依存する。夫々のプレートの8個のウェルを対照について自由に収容させる(培地+還元されたアラマーブルーTMについて4ウェル、また培地+酸化されたアラマーブルーTMについて4ウェル)。プレートをインキュベーター中で一夜保存する。実験の2日目に、インヒビターの連続希釈液を0.1%のDMSOを含む培地中で調製する。使用した典型的な濃度は10、3、1、0.3、0.1、0.03、0.01、0.003及び0.001μMである。希釈液(2x濃厚液)100μlを夫々のウェルに添加してウェル当り200μlの最終容積を生じる。対照として、単純培地及び0.1%のDMSOを含む培地を指定ウェルに添加する。全てのデータ点を4回反復で行なう。次いで細胞を72時間インキュベートする。このインキュベーション期間後に、アラマーブルーTM20μlを夫々のウェルに添加する。対照として、還元されたアラマーブルーTM(30分間オートクレーブ処理されたアラマーブルーTM)20μlを細胞を含まない4ウェルに添加し、アラマーブルーTM20μlを細胞を含まない残りの4ウェルに添加する。4-5時間のインキュベーション後に、プレートを蛍光スペクトロフォトメーター中で測定する(励起530nm、発光590nm、スリット15、積分時間0.1)。
データ分析:計算のために、4回反復実験からの平均値を採用し、バックグラウンドを引く。0.1%のDMSO値(0.1%のDMSOを含むが、化合物を含まない培地中に細胞を含む8ウェルから得られた平均値)を100%対照として採用する。可変ヒル傾斜を有するシグモイド曲線分析プログラム(グラフ・パッド・プリズムバージョン3.03)を使用してデータを反復計算によりフィットする。
【0022】
PI染色腫瘍細胞についてのFACS分析
プロピジウムヨウ素(PI)は二本鎖DNAに化学量論的に結合し、こうして種々の細胞サイクル段階(G0/1期、S期及びG2/M期)にある細胞の%を測定するために細胞のDNA含量を測定するのに好適な薬剤であり、一方、G0又はG1期の細胞は二倍体DNA含量(2N)を有し、G2及びM期(有糸分裂)の細胞は2倍の(4N)DNA含量を有する。
細胞培養:種々のヒト腫瘍細胞系をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)又は微生物及び細胞培養物のドイツコレクション(DSMZ)から購入することができ、供給業者により指示された培地中で75〜175cm2の組織培養フラスコ中で培養する。細胞を保湿雰囲気中で37℃及び5%のCO2で、適当なスプリット比で管理する。対数増殖細胞をアッセイに使用する。
アッセイ条件:実験の1日目に、1x106の腫瘍細胞を培地15ml中で夫々の75cm2の組織培養フラスコに塗布し、培養物をインキュベーターに戻す。翌日に、インヒビターの連続2倍希釈液(100x濃厚液)を10%のDMSOを含む組織培地中で調製する。100x濃厚希釈液150μlをフラスコ中の培地15mlに添加する。対照として、DMSOを別のフラスコに与えて0.1%の最終濃度を生じる。使用した典型的な最終濃度は0.1%のDMSOを含む培地中で1.6、0.8、0.4、0.2、0.1、0.05、0.025、0.0125、0.00625μMである。24時間のインキュベーション後に、細胞をPBSによる2回洗浄及びその後のトリプシン/ETDAの添加により回収する。トリプシン処理した細胞をPBS中1%のBSAでプラスチックから洗浄する。培地中の非付着細胞及びPBS洗浄液中の細胞をトリプシン処理した細胞と一緒に、それらを1000rpmで4℃で5分間遠心分離することによりペレットにする。上澄みを捨て、ペレットをPBSで2回洗浄する。上澄みの吸引後に、ペレットを残留PBS(約100μl)中で再度懸濁させる。細胞固定のために、80%の冷エタノール5mlを含む15mlの試験管(ファルコン)を調製し、細胞懸濁液を徐々に添加し、少なくとも2時間又は一夜にわたって-20℃に保つ。固定した細胞をペレットにし、PBSで1回洗浄し、次いで細胞ペレットをPBS中0.25%のトリトンX-100 2ml中で再度懸濁させる。氷の上での5分のインキュベーション後に、PBS5mlを夫々のサンプルに添加し、サンプルを再度1000rpmで4℃で5分間遠心分離する。上澄みを捨て、ペレットをプロピジウムヨウ素(PI)染色溶液(PBS中0.1%のRNase及び10μg/mlのプロピジウムヨウ素)0.5ml中で再度懸濁させる。細胞を暗所で20分間インキュベートし、続いて5mlのポリスチレン丸底チューブに移す。
データ分析:アルゴンレーザー(500mW、放出488nm)を備えたFACSアナライザーを使用し、DNAセル・クエスト分析ソフトウェア(ベクトン・ディキンソン)を使用して、細胞のDNA含量の分析を行なうことができる。対数PI蛍光をバンド-パスフィルター(ベクトン・ディキンソン585/43)で測定する。個々の細胞サイクル期(例えば、G0/G1期、S期及びG2/M期)にある細胞集団の定量をベクトン・ディキンソンからのModFit LTソフトウェアパッケージで行なう。細胞サイクルのG2/M期で静止した細胞についてのEC50値を、シグモイド曲線分析プログラム(グラフ・パッド・プリズムバージョン3.03)を使用することにより計算する。
【0023】
表1
4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドのin vitro効力データ

【0024】
式(I)の化合物、その互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグは、それら自体で、又は本発明のその他の活性物質と組み合わせて、また必要によりその他の薬理学上活性な物質と連係して使用し得る。
本発明の使用に好適な医薬製剤として、例えば、錠剤、カプセル、座薬、溶液、特に注射用の溶液(s.c.、i.v.、i.m.)及び注入用の溶液、シロップ、エマルション又は分散可能な粉末が挙げられる。夫々の場合の医薬上活性な化合物の含量は全組成物の0.1〜90重量%、好ましくは0.5〜50重量%の範囲、即ち、以下に示される用量範囲を得るのに充分である量であるべきである。明記される用量は、必要により、1日に数回与えられてもよい。
好適な錠剤は、例えば、一種以上の活性物質を既知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えば、トウモロコシ澱粉又はアルギン酸、バインダー、例えば、澱粉又はゼラチン、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルク及び/又は放出を遅延するための薬剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、又はポリ酢酸ビニルと混合することにより得られてもよい。錠剤はまた数層を含んでもよい。
被覆錠剤は錠剤と同様にして製造されたコアーを錠剤被覆に通常使用される物質、例えば、コリドン又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することにより調製されてもよい。遅延放出を得、又は不適合性を防止するために、コアーはまた幾つかの層からなってもよい。同様に、錠剤被覆物は、おそらく錠剤について上記された賦形剤を使用して、遅延放出を得るための幾つかの層からなってもよい。
本発明の活性物質又はこれらの組み合わせを含むシロップ又はエリキシル剤は更に甘味料、例えば、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖及び風味増強剤、例えば、風味料、例えば、バニリン又はオレンジエキスを含んでもよい。それらはまた懸濁アジュバント又は増粘剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキサイドの縮合生成物、又は防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエートを含んでもよい。
【0025】
注射及び注入のための溶液は必要により乳化剤及び/又は分散剤を使用して、通常の方法で、例えば、防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエート、又は安定剤、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸のアルカリ金属塩の添加により調製され、水が希釈剤として使用される場合、有機溶媒が必要により溶媒和剤又は溶解助剤として使用され、注射バイアルもしくはアンプル又は注入びんに移されてもよい。
一種以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含むカプセルは、例えば、活性物質を不活性担体、例えば、ラクトース又はソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることにより調製されてもよい。
好適な座薬は、例えば、この目的に用意された担体、例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール又はこれらの誘導体と混合することによりつくられてもよい。
好適な賦形剤は、例えば、水、医薬上許される有機溶媒、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物源の油(例えば、落花生油又はゴマ油)、一官能性又は多官能性アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高度に分散されたケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、グルコース、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、使用済み亜硫酸塩液、メチルセルロース、澱粉及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)であってもよい。
【0026】
製剤は通常の方法、好ましくは経口もしくは経皮経路、最も好ましくは経口経路により投与される。経口投与される場合、錠剤は、勿論、上記担体に加えて、種々の添加剤、例えば、澱粉、好ましくはジャガイモ澱粉、ゼラチン等と一緒に添加剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムを含んでもよい。滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクがまた錠剤を形成するのに使用されてもよい。水性懸濁液の場合、活性物質が上記賦形剤に加えて種々の風味増強剤又は着色剤と合わされてもよい。非経口使用のために、活性物質の溶液が好適な液体担体材料を使用して調製されてもよい。
静脈内使用のための用量は時間当り1-2000mg、好ましくは時間当り5-1000mgである。
しかしながら、体重又は投与の方法、薬物に対する個々の応答、使用される製剤の性質及び薬物が投与される時間又は間隔に応じて、明記された量から逸脱することが時々必要であるかもしれない。こうして、或る場合には、上記最小量より少ない量を使用することが充分であるかもしれず、一方、その他の場合には明記された上限が超えられるべきであろう。多量を投与する場合、それらを1日にわたって幾つかの単一用量で広げることが推奨されるかもしれない。
下記の製剤実施例は本発明を説明し、その範囲を限定しない。
【0027】
医薬製剤の実施例
A) 錠剤 錠剤当り
活性物質 100mg
ラクトース 140mg
トウモロコシ澱粉 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
500mg
微粉砕された活性物質、ラクトース及びトウモロコシ澱粉の一部を一緒に混合する。その混合物を篩分け、次いで水中ポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、混錬し、湿式造粒し、乾燥させる。顆粒、残りのトウモロコシ澱粉及びステアリン酸マグネシウムを篩分け、一緒に混合する。その混合物を圧縮して好適な形状及びサイズの錠剤を製造する。
B) 錠剤 錠剤当り
活性物質 80mg
ラクトース 55mg
トウモロコシ澱粉 190mg
微結晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ナトリウムカルボキシメチル澱粉 23mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
400mg
微粉砕された活性物質、トウモロコシ澱粉の一部、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを一緒に混合し、その混合物を篩分け、残りのトウモロコシ澱粉及び水で処理して顆粒を形成し、これを乾燥させ、篩分ける。ナトリウムカルボキシメチル澱粉及びステアリン酸マグネシウムを添加し、混合し、その混合物を圧縮して好適なサイズの錠剤を形成する。
C) アンプル溶液
活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用の水 5ml
活性物質を水にそれ自体のpH又は必要により5.5〜6.5のpHで溶解し、塩化ナトリウムを添加してそれを等張性にする。得られた溶液を濾過して発熱物質を除き、濾液を無菌条件下でアンプルに移し、次いでこれらを滅菌し、融着によりシールする。アンプルは活性物質5mg、25mg及び50mgを含む。
D) 更なる注射溶液
実施例1
【0028】

【0029】
実施例2

【0030】
実施例3

【0031】
実施例4

【0032】
実施例5

【0033】
実施例6

【0034】
実施例7

【0035】
実施例8

【0036】
化合物4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドの製造方法がWO 03/20722だけでなく、WO 04/76454に記載されており、これらが参考として本明細書に含まれる。
しかしながら、完全のために、化合物4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドの製造方法を以下に同様に記載する。この方法は本発明の説明として理解されるべきであり、それをその主題に限定するものではない。
4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドの合成
合成のために、最初に中間体化合物Z3を以下に記載されるように調製する。
【0037】
【化6】

D-2-アミノ酪酸54.0g(0.52モル)をメタノール540mL中で懸濁させ、氷で冷却しながら塩化チオニル132g(1.1モル)と徐々に合わせる。その混合物を1.5時間還流し、次いで蒸発させる。残っている油をtert-ブチルメチルエーテル540mLと合わせ、生成した無色の結晶を吸引濾過する。
収量:化合物Z3a(無色の結晶)78.8g
化合物Z3a74.2g及びシクロペンタノン43.5mL(0.49モル)をジクロロメタン800mLに溶解する。0℃で酢酸ナトリウム40.0g(0.49モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム150.0g(0.71モル)の添加後に、その混合物を周囲温度で12時間撹拌し、次いで20%の炭酸水素ナトリウム溶液500mLを添加する。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z3b(明黄色の油)85.8g
化合物Z3b40.0g及び炭酸カリウム30.0g(0.22モル)をアセトン600mL中で懸濁させ、氷で冷却しながらアセトン200mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン45.0g(0.23モル)と合わせる。12時間後に、2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン更に5.0gを添加し、3時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、酢酸エチル800mL及び水600mLに吸収させ、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z3c(褐色の油)75.0g
【0038】
化合物Z3c100gを氷酢酸650mLに溶解し、70℃で鉄粉末20gを回分添加する。その混合物を70℃で1時間、次いで100℃で1.5時間撹拌し、次いでケイソウ土により熱時濾過する。その反応混合物を蒸発させ、メタノール/ジクロロメタンに吸収させ、シリカゲルに適用し、ソクスレー抽出により酢酸エチルで精製する。溶媒を除去し、残渣をメタノールとともに撹拌する。
収量:化合物Z3d(明褐色の結晶)30.0g
化合物Z3d25.0g及びヨウ化メチル6.5mL(0.1モル)をジメチルアセトアミド250mLに入れ、-10℃で鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム3.8g(0.95モル)を添加する。それを0℃で20分間、次いで周囲温度で30分間撹拌し、最後に氷を添加する。その反応混合物を蒸発させ、水300mLと合わせる。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z3e(無色の固体)23.0g
化合物Z3e6.0g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸5.1g(31ミリモル)をエタノール90mL及び水350mL中で懸濁させ、濃塩酸3.5mLと合わせ、48時間還流する。その反応混合物を蒸発させ、残渣をメタノール/ジエチルエーテルとともに撹拌し、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z3(明るいベージュ色の結晶)6.3g
4-〔〔(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-5-メチル-6-オキソ-2-プテリジニル〕アミノ〕-3-メトキシ-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-ベンズアミドを以下に記載されるように得る。
化合物Z3 0.15g、TBTU0.12g、DIPEA0.12mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン50mgを添加し、その混合物を25℃で更に2.5時間撹拌する。次いでその溶液を水で抽出し、次いで蒸発させる。残渣を温かい酢酸エチルに溶解し、エーテル及び石油エーテルから結晶化する。
収量:白色の結晶0.025g、融点:塩基として203℃
【0039】
本発明の式(I)の全ての化合物は以下に記載される合成方法Aにより調製されてもよく、一般式(A1)〜(A9)の置換基は先に示された意味を有する。この方法は本発明の説明として理解されるべきであり、それをその主題に限定するものではない。
方法A
工程1A
式(A1)の化合物を式(A2)の化合物と反応させて式(A3)の化合物を得る(ダイアグラム1A)。この反応はWO 00/43369又はWO 00/43372に従って行なわれてもよい。化合物(A1)は、例えば、シティ・ケミカルLLC(139アリングス・クロシング・ロード、ウェスト・ヘーブン、CT、06516、米国)から市販されている。化合物(A2)は文献:(a) F. Effenberger, U. Burkhart, J. Willfahrt Liebigs Ann. Chem. 1986, 314-333; (b) T. Fukuyama, C.-K. Jow, M. Cheung, Tetrahedron Lett. 1995, 36, 6373-6374; (c) R.K. Olsen, J. Org. Chem. 1970, 35, 1912-1915; (d) F.E. Dutton, B.H. Byung Tetrahedron Lett. 1998, 30, 5313-5316; (e) J.M. Ranajuhi, M.M. Joullie Synth. Commun. 1996, 26, 1379-1384)から知られている操作により調製し得る。
ダイアグラム1A
【0040】
【化7】

工程1Aでは、1当量の化合物(A1)及び1〜1.5当量、好ましくは1.1当量の塩基、好ましくは炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、最も好ましくは炭酸カリウムを、必要により水と混合されてもよい希釈剤、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、石油エーテル又はジオキサン、好ましくはシクロヘキサン又はジエチルエーテル中で撹拌する。
0〜15℃、好ましくは5〜10℃の温度で、有機溶媒、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン又はジオキサンに溶解した、1当量の式(A2)のアミノ酸を滴下して添加する。その反応混合物を撹拌しながら18℃〜30℃、好ましくは約22℃の温度に加熱し、次いで更に10〜24時間、好ましくは約12時間撹拌する。次いで希釈剤を蒸留して除き、残渣を水と合わせ、その混合物を有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル又は酢酸エチル、好ましくは酢酸エチルで2〜3回抽出する。合わせた有機抽出液を乾燥させ、溶媒を蒸留して除く。残渣(化合物A3)を先に精製しないで工程2で使用し得る。
工程2A
工程1Aで得られた化合物(A3)をそのニトロ基で還元し、環化して式(A4)の化合物を生成する(ダイアグラム2A)。
ダイアグラム2A
【0041】
【化8】

工程2Aでは、1当量のニトロ化合物(A3)を酸、好ましくは氷酢酸、ギ酸又は塩酸、好ましくは氷酢酸に溶解し、50〜70℃、好ましくは約60℃に加熱する。次いで還元剤、例えば、亜鉛、スズ又は鉄、好ましくは鉄ファイリングを添加してその発熱反応を完結させ、その混合物を100〜125℃、好ましくは約117℃で0.2〜2時間、好ましくは0.5時間撹拌する。周囲温度に冷却した後、その鉄塩を濾過し、溶媒を蒸留して除く。残渣を溶媒又は溶媒の混合物、例えば、酢酸エチル又はジクロロメタン/メタノール9/1及び半飽和NaCl溶液に吸収させ、例えば、ケイソウ土により濾過する。有機相を乾燥させ、蒸発させる。残渣(化合物(A4))はクロマトグラフィーもしくは結晶化により精製されてもよく、又は合成の工程3Aで粗生成物として使用されてもよい。
工程3A
工程2Aで得られた化合物(A4)をダイアグラム3Aに示されるような求電子置換により反応させて式(A5)の化合物を得てもよい。
ダイアグラム3A
【0042】
【化9】

工程3Aでは、1当量の式(A4)のアミドを有機溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド、好ましくはジメチルアセトアミドに溶解し、約-5〜5℃、好ましくは0℃に冷却する。
次いで0.9〜1.3当量の水素化ナトリウム及び0.9〜1.3当量のメチル化試薬、例えば、ヨウ化メチルを添加する。その反応混合物を約0〜10℃、好ましくは約5℃で0.1-3時間、好ましくは約1時間撹拌し、必要によりこの温度で更に12時間放置してもよい。その反応混合物を氷水に注ぎ、沈殿を単離する。残渣(化合物(A5))を好ましくはシリカゲルによる、クロマトグラフィー、もしくは結晶化により精製してもよく、又は合成の工程4Aで粗生成物として使用してもよい。
工程4A
式(A9)の化合物を得るための工程3Aで得られた化合物(A5)のアミン化(ダイアグラム4A)は別法4.1Aについて文献、例えば、(a) M.P.V. Boarland, J.F.W. McOmie J. Chem. Soc. 1951, 1218-1221又は(b) F.H.S. Curd, F.C. Rose J. Chem. Soc. 1946, 343-348、別法4.2Aについて、例えば、(a) Banks J. Am. Chem. Soc. 1944, 66, 1131、(b) Ghosh及びDolly J. Indian Chem. Soc. 1981, 58, 512-513又は(c) N.P. Reddy及びM. Tanaka Tetrahedron Lett. 1997, 38, 4807-4810から知られている方法を使用して行なわれてもよい。
ダイアグラム4A
【0043】
【化10】

【0044】
例えば、別法4.1Aでは、1当量の化合物(A5)及び1〜3当量、好ましくは約2当量の化合物(A6)を無溶媒で、又は有機溶媒、例えば、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドもしくはジオキサン、好ましくはスルホラン中で、0.1〜4時間、好ましくは1時間にわたって、100〜220℃、好ましくは約160℃で加熱する。冷却後に、生成物(A9)を有機溶媒又は溶媒の混合物、例えば、ジエチルエーテル/メタノール、酢酸エチル、塩化メチレン、又はジエチルエーテル、好ましくはジエチルエーテル/メタノール9/1の添加により結晶化し、又はクロマトグラフィーにより精製する。
例えば、別法4.2Aでは、1当量の化合物(A5)及び1〜3当量の化合物(A6)を酸、例えば、1-10当量の10-38%の塩酸及び/又はアルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、好ましくはエタノールとともに、還流温度で1〜48時間、好ましくは約5時間撹拌する。沈殿した生成物(A9)を濾過し、必要により水洗し、乾燥させ、好適な有機溶媒から結晶化する。
例えば、別法4.3Aでは、1当量の化合物(A5)及び1〜3当量の化合物(A7)を溶媒、例えば、トルエン又はジオキサンに溶解し、ホスフィンリガンド、例えば、2,2'-ビス-(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル及びパラジウム触媒、例えば、トリス(ジベンジリデン-アセトン)-ジパラジウム(0)並びに塩基、例えば、炭酸セシウムと合わせ、1-24時間、好ましくは17時間還流する。その反応混合物を、例えば、シリカゲルで精製し、生成物(A8)をその溶液から単離し、又は好適な結晶化により得る。生成物(A8)を好適な溶媒、例えば、ジオキサンに溶解し、例えば、3:1の溶媒対酸の比で、酸、例えば、半濃塩酸と混合する。次いでその混合物を1-48時間、例えば、12時間還流し、生成した沈殿を単離する。所望により、生成物(A9)を結晶化により精製する。
工程5A
ダイアグラム5A
【0045】
【化11】

例えば、1当量の化合物(A9)を1当量の活性化試薬、例えば、O-ベンゾトリアゾリル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)及び塩基、例えば、1.5当量のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)とともに有機希釈剤、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、好ましくはジクロロメタン又はジメチルホルムアミドに溶解する。1当量のアミン(A10)の添加後に、その反応混合物を20℃〜100℃で0.1〜24時間、好ましくは約2時間撹拌する。式(A11)の生成物を、例えば、結晶化又はクロマトグラフィー精製により得る。
一般式(I)の化合物は下記の合成の実施例と同様にして合成し得る。実施例のナンバリングは表2に使用されるナンバリングに相当する。しかしながら、これらの実施例は本発明を更に説明するための操作の例のみとして意図され、本発明をそれらの主題に限定するものではない。
化合物を合成するのに使用される幾つかの中間体化合物の調製がまた以下に記載される。
酸の調製
表2の実施例94及び95の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z1を以下に記載されるように調製する。
【0046】
【化12】

D-アラニンメチルエステルxHCl 50.0g(0.48モル)及びシクロヘキサノン49.1g(0.50モル)をジクロロメタン300mLに入れ、次いで酢酸ナトリウム41.0g(0.50モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム159.0g(0.75モル)と合わせる。その混合物を一夜撹拌し、次いで10%の炭酸水素ナトリウム溶液300mLを添加する。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を10%の炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z1a(透明な液体)72.5g
化合物Z1a72.5gを水500mLに入れ、ジエチルエーテル500mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン76.6g(0.39モル)を添加する。-5℃の温度で、10%の炭酸水素カリウム溶液100mLを滴下して添加する。その混合物を-5℃で3時間、更に周囲温度で12時間撹拌する。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させる。蒸発時に、生成物が結晶化する。
収量:化合物Z1b(黄色の結晶)48.0g
化合物Z1b48.0gを氷酢酸350mLに溶解し、60℃に加熱する。鉄粉末47.5gを添加し、その間に温度が105℃に上昇する。その反応混合物を80℃で3時間撹拌し、次いでセルロースにより熱時濾過し、蒸発させる。残渣を水及び酢酸エチル中で撹拌し、吸引濾過し、明灰色の沈殿を酢酸エチルで洗浄する。濾液を希薄なアンモニア及び水で洗浄し、有機相をNa2SO4で乾燥させ、活性炭により濾過し、蒸発させる。若干更に明灰色の固体を得る。
収量:化合物Z1c(明灰色の結晶)29.5g
化合物Z1c32.1gをジメチルアセトアミド300mLに入れ、ヨウ化メチル13mL(0.2モル)と合わせる。-5℃で、鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム6.4g(0.16モル)を回分添加する。2時間後に、その反応混合物を氷水800mLに注ぐ。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z1d(ベージュ色の結晶)33.0g
化合物Z1d4.0g及び4-アミノ-3-メチル安息香酸2.3g(15ミリモル)をエタノール50mL及び水120mL中で懸濁させ、濃塩酸2mLと合わせ、48時間還流する。冷却時に生成した沈殿を吸引濾過し、水、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄する。
収量:化合物Z1(無色の結晶)2.9g
化合物、表2の実施例188及び実施例203を合成するために、最初に中間体化合物Z2を以下に記載されるように調製する。
【0047】
【化13】

ジクロロメタン1500mL中のD-アラニンエチルエステルxHCl 128.2g(0.83モル)及びシクロペンタノン71.5g(0.85モル)の溶液を酢酸ナトリウム70.1g(0.85モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム265.6g(1.25モル)と合わせる。その反応混合物を12時間撹拌し、次いで10%の炭酸水素ナトリウム溶液1.5Lに注ぐ。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z2a(無色の油)143.4g
化合物Z2a66.0gを水500mLに入れ、ジエチルエーテル500mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン85.0g(0.44モル)と合わせる。-5℃で、10%の炭酸水素カリウム溶液100mLを滴下して添加し、その反応混合物を周囲温度で48時間撹拌する。水相をジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。暗赤色の固体を石油エーテルとともに撹拌し、吸引濾過する。
収量:化合物Z2b(黄色の結晶)88.0g
化合物Z2b88.0gを氷酢酸1000mLに溶解し、60℃で鉄粉末85gと回分式で合わせ、その間に温度が110℃に上昇する。それを60℃で1時間撹拌し、次いでセルロースにより熱時吸引濾過し、蒸発させる。褐色の固体を水700mLとともに撹拌し、吸引濾過する。
収量:化合物Z2c(明褐色の結晶)53.3g
化合物Z2c53.3gをジメチルアセトアミド300mLに入れ、ヨウ化メチル13mL(0.21モル)と合わせる。-5℃で、鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム5.0g(0.21モル)を回分添加する。12時間後に、その反応混合物を氷水1000mLに注ぎ、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z2d(無色の結晶)40.0g
化合物Z2d4.0g及び4-アミノ-3-クロロ安息香酸2.8g(16ミリモル)をエタノール25mL及び水60mL中で懸濁させ、濃塩酸3mLと合わせ、43時間還流する。冷却時に生成した沈殿を吸引濾過し、水、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄する。
収量:化合物Z2(無色の結晶)0.9g
表2の実施例19、21、22、23、45、46、55、58、116、128、131、133、134、136、138、177、217、231、239、46、184、166及び187の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z3を以下に記載されるように調製する。
【0048】
【化14】

D-2-アミノ酪酸54.0g(0.52モル)をメタノール540mL中で懸濁させ、氷で冷却しながら塩化チオニル132g(1.1モル)と徐々に合わせる。その混合物を1.5時間還流し、次いで蒸発させる。残っている油をtert-ブチルメチルエーテル540mLと合わせ、生成した無色の結晶を吸引濾過する。
収量:化合物Z3a(無色の結晶)78.8g
化合物Z3a74.2g及びシクロペンタノン43.5mL(0.49モル)をジクロロメタン800mLに溶解する。0℃で酢酸ナトリウム40.0g(0.49モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム150.0g(0.71モル)の添加後に、その混合物を周囲温度で12時間撹拌し、次いで20%の炭酸水素ナトリウム溶液500mLを添加する。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z3b(明黄色の油)85.8g
化合物Z3b40.0g及び炭酸カリウム30.0g(0.22モル)をアセトン600mL中で懸濁させ、氷で冷却しながらアセトン200mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン45.0g(0.23モル)と合わせる。12時間後に、2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン更に5.0gを添加し、3時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、酢酸エチル800mL及び水600mLに吸収させ、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z3c(褐色の油)75.0g
【0049】
化合物Z3c100gを氷酢酸650mLに溶解し、70℃で鉄粉末20gを回分式で添加する。その混合物を70℃で1時間、次いで100℃で1.5時間撹拌し、次いでケイソウ土により熱時濾過する。その反応混合物を蒸発させ、メタノール/ジクロロメタンに吸収させ、シリカゲルに適用し、ソクスレー抽出により酢酸エチルで精製する。溶媒を除去し、残渣をメタノールとともに撹拌する。
収量:化合物Z3d(明褐色の結晶)30.0g
化合物Z3d25.0g及びヨウ化メチル6.5mL(0.1モル)をジメチルアセトアミド250mLに入れ、-10℃で鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム3.8g(0.95モル)を添加する。それを0℃で20分間、次いで周囲温度で30分間撹拌し、最後に氷を添加する。その反応混合物を蒸発させ、水300mLと合わせる。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z3e(無色の固体)23.0g
化合物Z3e6.0g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸5.1g(31ミリモル)をエタノール90mL及び水350mL中で懸濁させ、濃塩酸3.5mLと合わせ、48時間還流する。その反応混合物を蒸発させ、残渣をメタノール/ジエチルエーテルとともに撹拌し、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z3(明るいベージュ色の結晶)6.3g
表2の実施例81、82、93及び137の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z4を以下に記載されるように調製する。
【0050】
【化15】

エチル1-アミノシクロプロパン-1-カルボキシレートxHCl 25.0g(0.19モル)及びシクロペンタノン16.8g(0.20モル)をジクロロメタン300mLに溶解し、酢酸ナトリウム16.4g(0.20モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム61.7g(0.29モル)と合わせる。それを一夜撹拌し、次いでその反応混合物を10%の炭酸水素ナトリウム溶液400mLに注ぐ。水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z4a(無色の油)34.5g
ジエチルエーテル350mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン42.5g(0.22モル)を水350mL中の化合物Z4a34.5gの混合物に添加する。-5℃で、その混合物を10%の炭酸水素カリウム溶液80mLと合わせ、周囲温度で一夜撹拌する。水相をジエチルエーテルで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z4b(褐色の油)53.8g
化合物Z4b20.1gを氷酢酸200mLに溶解し、60℃で鉄粉末19.1gと回分式で合わせ、その時間中に温度が100℃に上昇した。その混合物を60℃で3時間撹拌し、次いでセルロースにより吸引濾過し、蒸発させる。残渣を水及び酢酸エチル中で撹拌し、黄色の沈殿を吸引濾過する。濾液を希薄なアンモニア及び水で洗浄し、有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。ジエチルエーテルの添加後に、追加の生成物が結晶化する。
収量:化合物Z4c(黄色の結晶)4.0g
化合物Z4c7.8g及びヨウ化メチル2.6mL(0.04モル)をジメチルアセトアミド100mLに溶解し、-5℃で水素化ナトリウム1.5g(0.04モル)を鉱油中60%の分散液として回分添加する。2時間後に、その反応混合物を氷水に注ぎ、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z4d(明褐色の結晶)7.5g
化合物Z4d3.0g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸1.9g(11ミリモル)をエタノール40mL及び水80mL中で懸濁させ、濃塩酸2mLと合わせ、20時間還流する。4-アミノ-3-メトキシ安息香酸更に0.5gを添加し、48時間還流する。冷却時に生成した沈殿を吸引濾過し、水、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄する。
収量:Z4(無色の結晶)2.1g、融点:222-223℃。
表2の実施例162、43、53、161、202、211、215及び212の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z5を以下に記載されるように調製する。
【0051】
【化16】

酢酸エチル1000mL中のエチル2-ブロモイソブチレート73.4mL(0.5モル)、3-メチル-1-ブチルアミン87.1mL(0.75モル)、ヨウ化ナトリウム82.5g(0.6モル)及び炭酸カリウム76.0g(0.6モル)の混合物を3日間にわたって還流する。存在する塩を濾過し、濾液を蒸発させる。
収量:化合物Z5a(赤色の油)97.0g
2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン49.0g(0.25モル)及び炭酸カリウム38.3g(0.28モル)をアセトン500mL中で懸濁させ、0℃でアセトン375mL中の化合物Z5a93.0gと合わせる。その反応混合物を周囲温度で一夜撹拌し、濾過し、蒸発させる。酢酸エチルに溶解した残渣を水洗し、有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z5b(褐色の油)102.7g
化合物Z5b22.7gを氷酢酸350mLに溶解し、60℃で鉄粉末17.4gと回分式で合わせる。添加が終了した後、その混合物を0.5時間還流し、熱時濾過し、蒸発させる。残渣をジクロロメタン/メタノール(9:1)200mLに吸収させ、塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相をケイソウ土により吸引濾過し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/シクロヘキサン1:1)により精製する。
収量:化合物Z5c(無色の結晶)1.9g
化合物Z5c1.9gをジメチルアセトアミド32mLに溶解し、氷で冷却しながら鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム0.3g(7ミリモル)と合わせる。10分後に、ヨウ化メチル0.5mL(7ミリモル)を添加し、周囲温度で3時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、水と合わせる。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z5d(無色の結晶)1.6g
化合物Z5d14.0g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸10.0g(0.06モル)をジオキサン200mL及び水80mL中で懸濁させ、濃塩酸10mLと合わせ、40時間還流する。冷却時に生成した沈殿を吸引濾過し、水、ジオキサン及びジエチルエーテルで洗浄する。
収量:化合物Z5(無色の結晶)13.9g
表2の実施例88、194、229及び89の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z6を以下に記載されるように調製する。
【0052】
【化17】

L-2-アミノ酪酸6.0g(0.06モル)を0.5M硫酸80mLに入れ、0℃で水15mL中の亜硝酸ナトリウム5.5g(0.08モル)と合わせる。その反応混合物を0℃で22時間撹拌し、硫酸アンモニウムと合わせ、濾過する。濾液をジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z6a(黄色の油)6.0g
メタノール200mLを氷で冷却しながら塩化チオニル65.0mL(0.89モル)及びメタノール50mL中の化合物Z6a76.0gと連続して合わせる。得られる混合物を0℃で1時間、周囲温度で2時間撹拌し、次いでメタノール及び残っている塩化チオニルを真空で0℃で除く。
収量:化合物Z6b(黄色の油)40.0g
トリフルオロメタンスルホン酸無水物30.0mL(0.17モル)をジクロロメタン150mLに入れ、氷で冷却しながらジクロロメタン50mL中の化合物Z6b20.0g及びピリジン14.0mL(0.17モル)の溶液を1時間以内に添加する。その混合物を周囲温度で2時間撹拌し、生成した塩を吸引濾過し、次いで水100mLで洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z6c(明黄色の油)42.0g
ジクロロメタン200mL中の化合物Z6c42.0gを氷で冷却しながらジクロロメタン400mL中のアニリン15.5mL(0.17モル)及びトリエチルアミン24.0mL(0.17モル)の溶液に1時間以内に滴下して添加する。その混合物を周囲温度で1時間、更に35℃で2時間撹拌する。その反応混合物を水洗し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させる。残っている残渣を蒸留(95-100℃、1x10-3ミリバール)により精製する。
収量:化合物Z6d(無色の油)14.0g
【0053】
化合物Z6d14.0g及び炭酸カリウム16.0g(0.1モル)をアセトン100mL中で懸濁させ、10℃で2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン16.0g(0.08モル)と合わせる。その混合物を40℃で4時間撹拌し、生成した塩を吸引濾過し、濾液を蒸発させる。残渣を酢酸エチル300mLに吸収させ、水洗する。有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z6e(褐色の油)31.0g
化合物Z6e31.0gを氷酢酸200mLに溶解し、60℃で鉄粉末10gと回分式で合わせ、その時間中に温度が85℃に上昇した。その混合物を60℃で更に1時間撹拌し、ケイソウ土により濾過し、蒸発させる。残渣をメタノールとともに撹拌する。
収量:化合物Z6f(褐色の結晶)4.5g
-20℃で、鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム0.6g(16ミリモル)をジメチルアセトアミド100mL中の化合物Z6f4.5g及びヨウ化メチル1.0mL(16ミリモル)の混合物に回分添加する。1時間後に、その反応混合物を水50mLと合わせ、蒸発させる。残渣を水200mLとともに撹拌し、沈殿を吸引濾過し、石油エーテルで洗浄する。
収量:化合物Z6g(無色の結晶)4.5g
トルエン30mL中の化合物Z6g1.5g及びメチル4-アミノ-3-メトキシベンゾエート1.4g(8ミリモル)の懸濁液を2,2'-ビス-(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル0.4g(0.6ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)0.23g(0.3ミリモル)及び炭酸セシウム7.0g(21ミリモル)と合わせ、17時間還流する。その反応混合物をシリカゲルに適用し、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール9:1)により精製する。
収量:化合物Z6h(黄色の結晶)1.7g
化合物Z6h1.7gをジオキサン50mLに溶解し、半濃塩酸15mLと合わせ、12時間還流する。冷却後に、生成した沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z6(無色の固体)1.1g
表2の実施例26、20、32、56、101、112及び209の化合物を合成するために、最初に中間体化合物Z7を以下に記載されるように調製する。
【0054】
【化18】

D-アラニンメチルエステルxHCl 50.0g(0.36モル)をジクロロメタン500mL及びアセトン35mL中で懸濁させ、酢酸ナトリウム30.0g(0.37モル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム80.0g(0.38モル)と合わせる。その混合物を12時間撹拌し、10%の炭酸水素ナトリウム溶液400mLに注ぐ。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z7a(黄色の油)51.0g
水450mL中の化合物Z7a51.0gの懸濁液をジエチルエーテル450mL中の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリジン80.0g(0.41モル)と合わせる。-5℃で、10%の炭酸水素カリウム溶液100mLを滴下して添加する。その反応混合物を3時間撹拌し、有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。
収量:化合物Z7b(黄色の油)74g
化合物Z7b18.6gを氷酢酸200mLに溶解し、60℃で鉄粉末20.0gと回分式で合わせる。その混合物を60℃で2時間撹拌し、次いでセルロースにより吸引濾過する。残渣を酢酸エチルに溶解し、水及び濃アンモニアで洗浄する。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。残渣をジエチルエーテルから結晶化する。
収量:化合物Z7c(無色の結晶)9.8g
化合物Z7c17.0g及びヨウ化メチル7mL(0.1モル)をジメチルアセトアミド200mLに溶解し、-5℃で鉱油中60%の分散液としての水素化ナトリウム4.0g(0.1モル)と合わせる。その反応混合物を30分間撹拌し、次いで氷水300mLに注ぐ。生成した沈殿を吸引濾過し、石油エーテルとともに撹拌する。
収量:化合物Z7d(ベージュ色の結晶)14.8g
化合物Z7d0.9g及び4-アミノ-3-メトキシ安息香酸1.5g(9ミリモル)を30分間にわたって210℃に加熱する。冷却後に、残渣を酢酸エチルとともに撹拌し、得られた沈殿を吸引濾過する。
収量:化合物Z7(灰色の結晶)1.2g
下記の酸が、例えば、前記合成の方法と同様にして調製し得る。
【0055】
【化19】

【0056】
アミノ成分L-R5の合成
下記のアミン、
1,1-ジメチル-2-ジメチルアミノ-1-イル-エチルアミン及び1,1-ジメチル-2-ピペリジン-1-イル-エチルアミン、
【0057】
【化20】

を以下のようにして得てもよい。
化合物を下記の文献に従って調製し得る:(a) S. Schuetzら, Arzneimittel-Forschung 1971, 21, 739-763、(b) V.M. Belikovら, Tetrahedron 1970, 26, 1199-1216及び(c) E.B. Butler及びMcMillan J. Amer. Chem. Soc. 1950, 72, 2978。
その他のアミンを上記文献と較べて改良された様式で、以下のようにして調製し得る。
1,1-ジメチル-2-モルホリン-1-イル-エチルアミン
【0058】
【化21】

モルホリン8.7mL及び2-ニトロプロパン9.3mLを、その反応を氷で冷却しながら調製する。ホルムアルデヒド(37%)7.5mL及び0.5モル/LのNaOH溶液4mLを徐々に滴下して添加する(<10℃)。次いでその混合物を25℃で1時間、50℃で1時間撹拌する。その溶液を水及びエーテルで処理し、水相をエーテルで3回抽出する。合わせた有機相をNaSO4で乾燥させ、ジオキサン中のHCl(4モル/l)と合わせ、生成した沈殿を吸引濾過する。収量:白色の粉末21.7g。その白色の粉末5gをメタノール80mLに溶解し、RaNi2gを添加し、40分間にわたって35℃及び3.5kg/cm2(50psi)で水素で処理する。これが1,1-ジメチル-2-モルホリン-1-イル-エチルアミン3.6gを生じる。
下記のアミンを同様に調製し得る。
1,1-ジメチル-N-メチルピペラジン-1-イル-エチルアミン
【0059】
【化22】

1,1-ジメチル-2-ピロリジン-1-イル-エチルアミン
【0060】
【化23】

1,3-ジモルホリン-2-アミノ-プロパン
【0061】
【化24】

アルドリッチ社から得られた1,3ジモルホリン-2-ニトロプロパン5gをメタノール80mLに溶解し、RaNi2gを添加して5.5時間にわたって30℃及び3.5kg/cm2(50psi)で水素で処理する。これが1,3ジモルホリン-2-アミノ-プロパン4.2gを生じる。
4-アミノベンジルモルホリン
【0062】
【化25】

このアミンの調製が下記の文献に記載されている:S. Mitsuruら, J. Med. Chem. 2000, 43, 2049-2063。
4-アミノ-1-テトラヒドロ-4H-ピラン-4-イル-ピペリジン
【0063】
【化26】

4-tert-ブチルオキシカルボニル-アミノピペリジン20g(100ミリモル)をCH2Cl2 250mLに溶解し、12時間にわたって室温でテトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン10g(100ミリモル)及びNaBH(OAc)3 42g(200ミリモル)とともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をCH2Cl2 200mLに溶解し、12時間にわたって室温でトリフルオロ酢酸100mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣をCHCl3で吸収させ、再度蒸発させ、次いでアセトンに吸収させ、塩酸塩をエーテル性HClで沈殿させる。収量:14.3g(56%)
シス-及びトランス-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン
【0064】
【化27】

ジベンジル-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン
4-ジベンジルシクロヘキサノン3.9g(30ミリモル)をCH2Cl2 100mLに溶解し、12時間にわたって室温でモルホリン3.9g(45ミリモル)及びNaBH(OAc)3 9.5g(45ミリモル)とともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をシリカゲルカラム(シリカゲル約20mL;約500mLの酢酸エチル90/メタノール10+1%の濃アンモニア)により精製する。適当な画分を真空で蒸発させる。収量:シス-異性体6.6g(60%)及びトランス-異性体2g(18%)。
また、トランス-ジベンジル-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミンを下記の方法により調製し得る。
4-ジベンジルシクロヘキサノン33g(112ミリモル)をMeOH300mLに溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩17.4g(250ミリモル)と合わせ、60℃で4時間撹拌する。溶媒を真空で蒸発させ、水500mL及び炭酸カリウム50gと合わせ、ジクロロメタン300mLで2回抽出する。
有機相を乾燥させ、真空で蒸発させ、残渣を石油エーテルから結晶化し、EtOH1.5Lに溶解し、70℃に加熱する。ナトリウム166gを回分式で添加し、ナトリウムが溶解するまでその混合物を還流する。溶媒を真空で除き、残渣を水100mLと合わせ、エーテル400mLで2回抽出する。有機相を水洗し、乾燥させ、真空で蒸発させ、カラム(シリカゲル約1.5L;約2Lの酢酸エチル80/メタノール20+2%の濃アンモニア)を使用してトランス異性体を単離する。収量:12.6g(41.2%)
トランス-1-アミノ-4-ジベンジルアミノシクロヘキサン6.8g(23ミリモル)をDMF90mLに溶解し、8時間にわたって100℃で2,2'-ジクロロエチルエーテル5mL(42ミリモル)及び炭酸カリウム5gとともに撹拌する。冷却後に、水30mLを添加し、沈殿した結晶を吸引濾過し、短いカラム(シリカゲル約20mL、酢酸エチル約100mL)により精製する。残渣をメタノール及び濃HClから二塩酸塩として結晶化する。収量:7.3g(72.4%)
トランス-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン
トランス-ジベンジル-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン7.2g(16.4ミリモル)をMeOH100mLに溶解し、30-50℃でPd/C(10%)1.4gで水素化する。溶媒を真空で除き、残渣をエタノール及び濃HClから結晶化する。収量:3.9g(93%)
シス異性体を同様に調製し得る。
シス-及びトランス-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン
【0065】
【化28】

トランス-ジベンジル-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン
トランス-1-アミノ-4-ジベンジルアミノシクロヘキサン(実施例2を参照のこと)2.0g(6.8ミリモル)をDMF50mLに溶解し、48時間にわたって室温で1,5-ジブロモペンタン1.6g(7ミリモル)及び炭酸カリウム2gとともに撹拌する。その混合物を冷却し、水と合わせ、ジクロロメタン100mLで2回抽出し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をカラム(シリカゲル約100mL、約500mLの酢酸エチル80/メタノール20+1%の濃アンモニア)で精製する。所望の画分を真空で蒸発させ、石油エーテルから結晶化する。収量:1.2g(49%)トランス-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン
トランス-ジベンジル-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン1.7g(4.8ミリモル)をMeOH35mLに溶解し、20℃でPd/C(10%)350mgで水素化する。溶媒を真空で除き、残渣をエタノール及び濃HClから結晶化する。収量:1.1g(78%)
シス異性体を同様に調製し得る。
シス-及びトランス-4-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン
【0066】
【化29】

4-ジベンジルシクロヘキサノン4.1g(25.3ミリモル)をジクロロメタン50mLに溶解し、12時間にわたって室温でN-フェニルピペラジン7.4g(25.3ミリモル)及びNaBH(OAc)3 7.4g(35ミリモル)とともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル80/メタノール20+0.5%の濃アンモニア)で精製する。収量:シス-異性体1.7g(15.8%)及びトランス-異性体0.27g(2.5%)
トランス-4-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン
トランス-ジベンジル-〔4-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシル〕-アミン270mg(0.61ミリモル)をMeOH5mLに溶解し、20-30℃でPd/C(10%)40mgで水素化する。
溶媒を真空で除き、残渣をエタノール及び濃HClから結晶化する。収量:110mg(69%)
シス異性体を同様に調製し得る。
シス-及びトランス-4-(4-シクロプロピルメチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン
【0067】
【化30】

4-ジベンジルシクロヘキサノン9.8g(33.4ミリモル)をジクロロメタン100mLに溶解し、12時間にわたって室温でN-シクロプロピルメチルピペラジン5.6g(40ミリモル)及びNaBH(OAc)3 8.5g(40ミリモル)とともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をシリカゲルカラム(シリカゲル約50mL、約3Lの酢酸エチル95/メタノール5+0.25%の濃アンモニア)で精製する。適当な画分を真空で蒸発させる。速く溶離するシス化合物が酢酸エチルから結晶化した。トランス-化合物をエタノール+濃HClから結晶化する。収量:シス-異性体8.5g(61%)及びトランス-異性体2.2g(13%)
シス-4-(4-シクロプロピルメチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン
シス-ジベンジル-〔4-(4-シクロプロピルメチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシル〕-アミン8.5g(20ミリモル)をMeOH170mLに溶解し、30-50℃でPd/C(10%)1.7gで水素化する。溶媒を真空で除き、残渣をエタノール及び濃HClから結晶化する。収量:4.4g(91%)
トランス-異性体を同様に調製し得る。
【0068】
実施例の合成
実施例152
化合物Z10 0.15g、TBTU0.14g、DIPEA0.13mLをジクロロメタンに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いで1-(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジン90μLを添加し、25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタンで希釈し、水で抽出する。生成物を有機相への石油エーテル、エーテル及び酢酸エチルの添加により沈殿させる。収量:ベージュ色の固体0.16g
実施例164
化合物Z10 0.10g、TBTU0.1g、DIPEA0.08mLをジクロロメタン4mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いでジメチルアミノプロピルアミン44μLを添加し、25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタンで希釈し、水で抽出する。生成物を有機相への石油エーテル、エーテル及び酢酸エチルの添加により沈殿させる。収量:黄色の固体0.08g
実施例242
化合物Z10 0.15g、TBTU0.14g、DIPEA0.13mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いで1-(2-アミノエチル)ピペリジン75μLを添加し、25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタンで希釈し、水で抽出する。生成物を有機相への石油エーテル、エーテル及び酢酸エチルの添加により沈殿させる。収量:黄色の固体0.14g
実施例188
化合物Z2 0.1g、TBTU0.09g、DIPEA0.05mLをジクロロメタン15mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン33mgを添加し、その混合物を25℃で更に3時間撹拌する。その溶液を水20mLで抽出し、次いで真空で乾燥させる。エーテルを使用して生成物を結晶化する。収量:白色の結晶0.047g
実施例203
化合物Z2 0.1g、TBTU0.09g、DIPEA0.5mLをジクロロメタン15mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで4-アミノ-1-ベンジルピペリジン50mgを添加し、その混合物を25℃で更に3時間撹拌する。その溶液を水20mLで抽出し、次いで真空で蒸発させる。次いで残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、単離した生成物をエーテルで結晶化する。収量:白色の結晶0.015g
【0069】
実施例94
化合物Z1 0.17g、TBTU0.19g、DIPEA0.11mLをジクロロメタン50mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン63mgを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。水50mL及び炭酸カリウム1gをその溶液に添加し、相分離カートリッジを使用して有機相を分離し、次いで真空で蒸発させる。次いで生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、精製した生成物をエーテルで結晶化する。収量:白色の結晶0.1g
実施例95
化合物Z1 0.17g、TBTU0.19g、DIPEA0.11mLをジクロロメタン50mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いでエキソ-3-β-アミノ-トロパン77mgを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。水50mL及び炭酸カリウム1gをその溶液に添加し、相分離カートリッジを使用して有機相を分離し、次いで真空で蒸発させる。次いで生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、精製した生成物をエーテルで結晶化する。収量:白色の結晶0.03g
実施例46
化合物Z3 0.15g、TBTU0.12g、DIPEA0.12mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン50mgを添加し、その混合物を25℃で更に2.5時間撹拌する。次いでその溶液を水で抽出し、次いで蒸発させる。残渣を温かい酢酸エチルに溶解し、エーテル及び石油エーテルから結晶化する。収量:白色の結晶0.025g実施例80
化合物Z8 0.2g、TBTU0.2g、DIPEA0.1mLをジクロロメタン10mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン100mgを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。次いでその溶液を希薄な炭酸カリウム溶液で抽出し、蒸発させる。エーテルを使用して残渣を結晶化する。収量:白色の結晶0.12g
【0070】
実施例190
化合物Z8 0.2g、TBTU0.2g、DIPEA0.3mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で1時間撹拌する。次いで4-アミノ-1-ベンジルピペリジン0.13gを添加し、その混合物を25℃で更に1時間撹拌する。次いでその溶液を塩化メチレン10mLで希釈し、水20mLで抽出する。次いで生成物をシリカゲルで精製し、酢酸エチル及びエーテルから結晶化する。収量:化合物Z8 0.23g
ベンジルアミンZ8 0.23gをメタノール10mLに溶解し、Pd/C50mgと合わせ、3バールで3時間にわたって25℃で水素化する。石油エーテル及び酢酸エチルを添加することにより、白色の結晶を生成する。これらをシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル及びエーテルから結晶化する。収量:白色の結晶0.075g
実施例196
化合物Z10 0.1g、TBTU0.09g、DIPEA0.3mLをジクロロメタン4mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いでアミン67mgを添加し、25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタンで希釈し、水で抽出する。次いでそれをシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、残渣をアセトンに溶解し、エーテル性HClと合わせ、生成した沈殿を単離する。収量:明黄色の固体0.09g
実施例166
化合物Z10 0.1g、TBTU0.11g、DIPEA0.14mLをジメチルホルムアミド2mLに溶解し、50℃で3時間撹拌する。次いで4-モルホリノメチルフェニルアミン55mgを添加する。次いでその反応混合物を17時間以内に周囲温度に冷却する。次いでジメチルホルムアミドを真空で除き、残渣をジクロロメタンに吸収させ、水で抽出する。次いでそれをシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、生成物を酢酸エチル及びエーテルから結晶化する。収量:黄色の結晶0.06g
【0071】
実施例81
化合物Z4 0.2g、TBTU0.2g、DIPEA0.1mLをジクロロメタン10mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン0.1gを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。次いでその溶液を炭酸カリウム水溶液で抽出し、次いで蒸発させる。エーテルを使用して生成物を結晶化する。収量:白色の結晶0.16g
実施例162
化合物Z5 0.1g、TBTU0.07g、DIPEA0.15mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で20分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン0.04gを添加し、その混合物を25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタン15mLで希釈し、水20mLで抽出する。残渣をMeOH及びアセトンに溶解し、エーテル性HCl 1mLと合わせ、蒸発させる。エーテル、酢酸エチル及び少量のMeOHを使用して結晶性生成物を生成する。収量:白色の結晶0.1g
実施例88
化合物Z6 0.1g、TBTU0.12g、DIPEA0.12mLをジクロロメタン10mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで1-メチル-4-アミノピペリジン0.04gを添加し、その混合物を25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタン10mLで希釈し、水10mLで抽出する。エーテル、酢酸エチル及び石油エーテルを使用して結晶性生成物を生成する。収量:白色の結晶0.6g
実施例89
化合物Z6 0.1g、TBTU0.08g、DIPEA0.08mLをジクロロメタン10mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いでN,N-ジメチルネオペンタンジアミン37μLを添加し、その混合物を25℃で更に2時間撹拌する。次いでその溶液をジクロロメタン10mLで希釈し、水10mLで抽出する。次いで生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル、エーテル及び石油エーテルから結晶化する。収量:白色の結晶0.005g
実施例26
化合物Z7 0.15g、TBTU0.16g、DIPEA1mLをジクロロメタン5mLに溶解し、25℃で30分間撹拌する。次いで4-モルホリノシクロヘキシルアミン0.1gを添加し、その混合物を25℃で更に17時間撹拌する。次いで残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせ、沈殿を単離し、水洗する。次いでそれをジクロロメタンに溶解し、再度蒸発させる。生成物を酢酸エチルから結晶化する。収量:白色の結晶0.1g
【0072】
実施例9
化合物Z9 150mg及びアミン93mgをジクロロメタン5mLに溶解し、12時間にわたって室温でTBTU160mg及びDIPEA1mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣を酢酸エチルから結晶化する。収量:82.0mg
実施例16
化合物Z8 150mg及びトランス-4-ピペリジノ-シクロヘキシルアミン73mgをジクロロメタン5mLに溶解し、12時間にわたって室温でTBTU160mg(0.50ミリモル)及びDIPEA1mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣を酢酸エチルから結晶化する。収量:87.0mg
実施例37
化合物Z9 100mg及び3-アミノ-1-エチル-ピロリジン42mgをジクロロメタン10mLに溶解し、12時間にわたって室温でTBTU90mg及びDIPEA0.5mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣を酢酸エチル/石油エーテルから結晶化する。収量:24.0mg
【0073】
実施例120
化合物Z11 100mg及び4-アミノ-1-テトラヒドロ-4H-ピラン-4-イル-ピペリジン73mgをジクロロメタン10mLに溶解し、1時間にわたって室温でTBTU90mg及びDIPEA0.5mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣を酢酸エチル/石油エーテルから結晶化する。収量:89mg
実施例212
化合物Z5 150mg及びトランス-4-(4-シクロプロピルメチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン(塩酸塩として)150mgをジクロロメタン5mLに溶解し、2時間にわたって室温でTBTU160mg及びDIPEA2mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を10%の炭酸カリウム溶液10mLと合わせる。沈殿を吸引濾過し、水洗し、ジクロロメタンに吸収させ、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をカラム(シリカゲル20mL、300mLの酢酸エチル90/メタノール10+2%の濃アンモニア)で精製する。適当な画分を真空で蒸発させ、酢酸エチルから結晶化する。収量:140mg
実施例232
化合物Z11 390mg及びトランス-4-(4-tブチルオキシカルボニル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシルアミン240mgをNMP2.5mLに溶解し、2時間にわたって室温でTBTU482mg及びトリエチルアミン1mLとともに撹拌する。次いで水100mL及び炭酸カリウム200mgを添加し、沈殿を吸引濾過し、水洗し、シリカゲルカラムにより精製する。適当な画分を真空で蒸発させ、ジクロロメタン2mLに溶解し、トリフルオロ酢酸2mLと合わせ、室温で2時間撹拌し、水更に100ml及び炭酸カリウム200mgと合わせ、沈殿を吸引濾過し、水洗する。次いで沈殿をシリカゲルカラムにより精製する。適当な画分を真空で蒸発させ、残渣をエタノール及び濃塩酸から結晶化する。収量:95mg
【0074】
実施例213
実施例232の化合物60mgを酢酸エチル10mLに溶解し、30分間にわたって室温で無水酢酸1mL及びトリエチルアミン1mLとともに撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を水及びアンモニアと合わせ、沈殿した結晶を吸引濾過し、水及び少量の冷アセトンで洗浄する。収量:40mg
実施例218
化合物Z9 1.2g及び1,4-ジオキサスピロ〔4.5〕デカ-8-イルアミン0.5gをジクロロメタン20mLに溶解し、12時間にわたって室温でTBTU1.28g及びトリエチルアミン4mLとともに撹拌した。次いで水50mL及び炭酸カリウム0.5gを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、真空で蒸発させる。残渣を酢酸エチルから結晶化し、1N塩酸25mL及びメタノール20mLと合わせ、50℃で30分間撹拌する。メタノールを真空で除き、沈殿を吸引濾過し、水洗し、乾燥させる。残渣をジクロロメタン20mLに吸収させ、12時間にわたって室温でチオモルホリン0.5g及びNaBH(OAc)3 0.5gとともに撹拌する。次いで水及び炭酸カリウムを添加し、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣をシリカゲルカラムで精製する。適当な画分を真空で蒸発させ、塩酸塩をエーテル性HClで沈殿させる。収量:トランス-異性体86mg;無定形の粉末
実施例187
ジクロロメタン5mL中の化合物Z3 200mgをジイソプロピルエチルアミン0.1mL及びTBTU180mgと合わせ、30分間撹拌する。次いで4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミン191mgを添加し、その混合物を一夜撹拌する。その反応混合物を水と合わせ、水相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させる。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール100:7)により精製する。
収量:128mg(明黄色の結晶)
とりわけ、表2にリストした式(I)の化合物を前記操作と同様にして得る。表2中に使用した略号X1、X2、X3、X4及びX5は夫々の場合に相当する基R1、R2、R3、R4及びL-R5に代えて表2に示される一般式中の位置への結合を表す。
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
【表5】

【0080】
【表6】

【0081】
【表7】

【0082】
【表8】

【0083】
【表9】

【0084】
【表10】

【0085】
【表11】

【0086】
【表12】

【0087】
【表13】

【0088】
【表14】

【0089】
【表15】

【0090】
【表16】

【0091】
【表17】

【0092】
【表18】

【0093】
【表19】

【0094】
【表20】

【0095】
【表21】

【0096】
【表22】

【0097】
【表23】

【0098】
【表24】

【0099】
【表25】

【0100】
【表26】

【0101】
【表27】

【0102】
【表28】

【0103】
【表29】

【0104】
【表30】

【0105】
【表31】

【0106】
【表32】

【0107】
【表33】

【0108】
【表34】

【0109】
【表35】

【0110】
【表36】

【0111】
【表37】

【0112】
【表38】

【0113】
【表39】

【0114】
【表40】

【0115】
【表41】

【0116】
【表42】

【0117】
【表43】

【0118】
【表44】

【0119】
【表45】

【0120】
【表46】

【0121】
【表47】

【0122】
【表48】

【0123】
【表49】

【0124】
【表50】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有糸分裂調節薬としてのポロ様キナーゼの抑制によるヒト又は非ヒト哺乳類生体中の異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療のための医薬組成物の調製のための、下記式(I)の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー又はこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)の使用。
【化1】

〔式中、
R1、R2(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素もしくは必要により置換されていてもよいC1-C6-アルキルを表し、又は
R1及びR2は一緒になって2〜5員アルキルブリッジ(これは1〜2個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
R3は水素もしくは必要により置換されていてもよいC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル及びC6-C14-アリールの中から選ばれた基、又は
必要により置換されていてもよく、かつ/又はブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル、C3-C12-シクロアルケニル、C7-C12-ポリシクロアルキル、C7-C12-ポリシクロアルケニル、C5-C12-スピロシクロアルキル、C3-C12-ヘテロシクロアルキル(これは1〜2個のヘテロ原子を含む)、及びC3-C12-ヘテロシクロアルケニル(これは1〜2個のヘテロ原子を含む)の中から選ばれた基を表し、或いは
R1とR3又はR2とR3は一緒になって飽和又は不飽和C3-C4-アルキルブリッジ(これは1個のヘテロ原子を含んでもよい)を表し、
R4は水素、-CN、ヒドロキシ、-NR6R7及びハロゲンの中から選ばれた基、又は
必要により置換されていてもよいC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C5-アルキルオキシ、C2-C5-アルケニルオキシ、C2-C5-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルスルホキソ及びC1-C6-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表し、
Lは必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nは0又は1を表し、
mは1又は2を表し、
R5は必要により置換されていてもよいモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピペラジニルカルボニル、ピロリジニル、トロペニル、R8-ジケトメチルピペラジニル、スルホキソモルホリニル、スルホニルモルホリニル、チオモルホリニル、-NR8R9及びアザシクロヘプチルの中から選ばれた基を表し、
R6、R7(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素又はC1-C4-アルキルを表し、かつ
R8、R9はR5にある未置換窒素置換基を表し、これらは同じであってもよく、また異なっていてもよく、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す〕
【請求項2】
R1〜R4、R6及びR7が先に定義されたとおりであり、かつ
Lが必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nが1を表し、
mが1又は2を表し、
R5が必要により置換されていてもよいモルホリニル、ピペリジニル、R8-ピペラジニル、ピロリジニル、トロペニル、R8-ジケトメチルピペラジニル、スルホキソモルホリニル、スルホニルモルホリニル、チオモルホリニル、-NR8R9及びアザシクロヘプチルの中から選ばれた、窒素原子を介してLに結合されている基を表し、
R8、R9がR5にある未置換窒素置換基(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す、請求項1記載の一般式(I)の化合物の使用。
【請求項3】
R1〜R4、R6及びR7が先に定義されたとおりであり、
Lが必要により置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、必要によりブリッジされていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(これは1個又は2個の窒素原子を含む)の中から選ばれたリンカーを表し、
nが0又は1を表し、
mが1又は2を表し、
R5がR8-ピペリジニル、R8R9-ピペラジニル、R8-ピロリジニル、R8-ピペラジニルカルボニル、R8-トロペニル、R8-モルホリニル及びR8-アザシクロヘプチルの中から選ばれた、炭素原子を介してLに結合されている基を表し、かつ
R8、R9がR5にある未置換窒素置換基(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選ばれた基を表す、請求項1又は2記載の一般式(I)の化合物の使用。
【請求項4】
化合物が下記の表
【化2】

【化3】

【化4】

(表中に使用される略号X1、X2、X3、X4及びX5は夫々の場合に相当する基R1、R2、R3、R4及びL-R5に代えて表中に示される一般式中の位置への結合を表す)
に示された式(I)の化合物からなる群から選ばれる、請求項1記載の一般式(I)の化合物の使用。
【請求項5】
ポロ様キナーゼがPLK-1であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
疾患が不適当な細胞増殖、移動、アポトーシス又は血管形成を特徴とすることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
疾患が癌腫、肉腫、メラノーマ、ミエローマ、血液学的腫瘍、リンパ腫及び小児癌からなる群から選ばれた癌であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
癌が白血病であることを特徴とする、請求項7記載の使用。
【請求項9】
疾患が混合腫瘍、未分化腫瘍及びこれらの転移からなる群から選ばれた癌であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項記載の使用。
【請求項10】
アミロイドーシス、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、クローン病、多発性硬化症、全身性硬化症(硬皮症)、混合結合組織病、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、自己免疫脈管炎、ベーチェット症候群、乾癬、自己免疫関節炎、サルコイドーシス及び真性糖尿病からなる群から選ばれた自己免疫障害の治療のための医薬組成物の調製のための、請求項1から4のいずれか1項記載の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)の使用。
【請求項11】
真菌類疾患の局所又は全身の治療のための医薬組成物の調製のための、請求項1から4のいずれか1項記載の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形、生理学的に機能性の誘導体又はプロドラッグの形態であってもよい)の使用。
【請求項12】
疾患がカンジダ症、クリプトコッカス症、アスペルギルス症、ムコール症、白癬、皮膚糸状菌症、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、コクシジウム症及びニューモシスティスからなる群から選ばれることを特徴とする、請求項11記載の使用。
【請求項13】
活性成分が経口、腸、経皮、静脈内、腹腔内又は注射により投与される、請求項1から12のいずれか1項記載の使用。
【請求項14】
請求項1から4のいずれか1項記載の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形又は生理学的に機能性の誘導体の形態であってもよい)を含有することを特徴とする、有糸分裂調節薬としてのポロ様キナーゼの抑制によるヒト又は非ヒト哺乳類生体中の異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療用医薬組成物。
【請求項15】
請求項1から4のいずれか1項記載の化合物(必要によりその互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩、溶媒和物、水和物、多形又は生理学的に機能性の誘導体の形態であってもよい)を含有することを特徴とする、請求項6から12のいずれか1項記載の一種以上の疾患を患う患者の治療用医薬組成物。

【公開番号】特開2012−211178(P2012−211178A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−151593(P2012−151593)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【分割の表示】特願2007−526350(P2007−526350)の分割
【原出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】