説明

発作の回復

本発明は、治療を必要とする被検者に有効量のある種のヒドロキシルアミン誘導体を投与することを含んでなる発作を治療する方法を提供する。本発明は、また、必要に応じて1または2以上の追加の治療剤と組合わせて、ある種のヒドロキシルアミン誘導体またはその薬学上許容される塩を含んでなる医薬組成物を提供する。ある種の組成物において、追加の治療剤は第2ヒドロキシルアミン誘導体またはその薬学上許容される塩である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発作の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
発作は、米国単独において約700,000人/年に影響を与える医学的緊急事態である。発作は、自然のまたは医学的関与により、しばしば再潅流に引き続く脳の一部分への血液供給の突然の喪失により引き起こされる。血液供給の喪失のための酸素の欠如および再潅流時の再酸素化の両方は、影響を受けた区域の脳組織に対する死および/または障害を引き起こすことがあり、体の半分に対する永久的および一時的麻痺または衰弱、視覚および発話の障害、思考、認識、注意、学習、判断および記憶の問題、情緒の問題、および普通に、死をしばしば生ずる。
【0003】
発作は2つの主要なタイプに分類される: 虚血性発作、これはすべての発作の出来事の85%より多くを構成する、および出血性発作、これは残りの事象を構成する。虚血性発作において、動脈中の遮断位置に発生する凝固 (血栓性発作) 、動脈中の遮断部位に移動しかつそこにそれ自体留まる凝固物または斑 (塞栓性発作) または排出の障害を生じ、新鮮な酸素に富んだ血液が影響を受けた区域に入るのを妨害する静脈の遮断 (静脈性血栓症) により、脳の一部分に酸素を供給する血管が遮断される。
【0004】
出血性発作において、血管は破裂または放血し、破壊前の区域に新鮮な血液が到達しなくなる。さらに、出血性発作では、血液はそれが接触するようになる脳組織を損傷し、さらにことに排出が遮断される場合、頭蓋内圧を上昇させる。虚血性発作および出血性発作の好ましい治療は、ことに抗血栓剤の使用に関して、異なることがある。なぜなら、虚血性発作事象を患う患者は血液の適切な流れを遮断する血液凝固物を溶解しかつ除去することから利益を得るが、このような治療剤は出血性発作事象を患う患者においてそれ以上の出血および障害を引き起こすことがあるからである。
【0005】
脳における虚血性傷害は、脳組織における熱ショックタンパク質 (HSP) の発現の増加に導く。HSP類は分子シャペロンであり、主として適切なタンパク質フォールディングを促進することを通して、種々の細胞プロセスにおいて必須の役割を演ずるタンパク質の1クラスである。例えば、分子シャペロンは非共有結合で発生期タンパク質および部分的にフォールディングした中間体に結合し、そして正しいタンパク質フォールディング経路に沿ってそれらを案内し、これによりそれらの不可逆的凝集およびミスフォールディングを防止する。分子シャペロンは、また、細胞内膜を横切るオルガネラ中へのそれらのトランスロケーションのためにタンパク質を変性する。さらに、分子シャペロンはミスフォールディングしたタンパク質の分解を促進する。
【0006】
細胞が高温または他の細胞ストレスに暴露されるとき、HSPの発現は増加する。HSP類は、また、「ストレスタンパク質」と呼ばれ、それらのアップレギュレーションは時には「ストレス応答」の一部分としてより一般に記載される。亜致死虚血の動物の前治療は分子シャペロンhsp 70発現を誘導し、より重症の引き続く虚血性障害に対して脳を保護し; Simon 他、Neurosci. Lett. 163: 135-137 (1993) 参照、そして血流が急速な再潅流により回復したとき発生する酸素基のバーストに対して脳を保護することが示された。
【0007】
したがって、シャペロン発現の増加は、虚血性および再潅流傷害に対して保護的および有益であると考えられる。
【0008】
現在、発作を無効にする関与の3つのタイプが存在する: 発作の防止、障害を最小にする事象直後の療法、および発作後のリハビリ。障害を最小にする療法の有効性は、虚血性事象後1時間以内に急激に減少する。この短時間内のこのような治療に対するアクセスの可能性は、発作の被害者が既に医学的監視下にないかぎり、小さいので、このタイプの現存する療法は使用が限られている。
【0009】
したがって、発作を治療する新しい方法が要求されている。特に、発作が既に発生した後、障害を最小とする新しい治療法を見出し、そして発作が発生した1時間以上経過してから治療を開始したときでさえ、損傷した脳組織の機能回復を増進することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0010】
治療が必要な被検体、例えば、発作を患っているとして診断された被検体に有効量の1種または2種以上のある種のヒドロキシルアミン誘導体を投与し、発作に関連する、および/または発作を患っていると推測される症候または代理マーカーを証明することを含んでなる、発作の治療法が提供される。本発明の方法を実施するために有効なある種のヒドロキシルアミン誘導体は下記の特許に記載されているものを包含するが、必ずしもこれらに限定されない: 米国特許第5,147,879号、米国特許第6,143,741号、米国特許第6,653,326号、米国特許第6,649,628号、米国特許第6,384,029号、米国特許第5,328,906号、米国特許第5,296,606号、米国特許第5,919,796号、米国特許第6,002,002号、米国特許第6,180,787号、米国特許第6,384,029号および米国公開2005/0043295、これらは引用することによって本明細書の一部とされる。
【0011】
本発明の方法を実施するために有効な典型的な化合物は下記を包含する:
N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]-3-ピリジン-カルボキシイミドイル-クロライド (ビモクロモル) 、
【化1】

【0012】
N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイル-クロライド (アリモクロモル) 、
【化2】

及び
【0013】
5,6-ジヒドロ-5-(1-ピペリジニル)-メチル-3-(3-ピリジル)-4H-1,2,4-オキサジアジン (イロキサナジン)
【化3】

【0014】
本発明の方法を実施するために他の有効な典型的な化合物はN-[3-(1,1-ジメチルエチル)アミノ-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-トリフルオロメチルベンゼン-カルボキシイミドイルクロライド (化合物2) である:
【化4】

【0015】
上記化合物のいずれの式もその化合物のすべての立体異性体、例えば、幾何異性体 (すなわち、E、Z) および光学異性体 (すなわち、R、S) を包含することを意図する。本発明の単一の立体化学的異性体ならびに鏡像異性体およびジアスレオマー混合物は本発明の範囲内に入る。特記しない限り、本明細書に描写する式はまた1または2以上の同位体的に富んだ原子の存在のみが異なる化合物、および前記化合物のすべての塩を包含することを意味する。
【0016】
上記化合物のいずれも単独または組み合わせで、必要に応じて1種または2種以上の治療剤と組合わせて、分子シャペロンが関係付けられている疾患、障害または症状を治療するために使用することができる。好ましい追加の治療剤が提供される。
【0017】
より一般的に、本発明の態様は式 (I) の化合物または式 (II) の互変異性体化合物:
【化5】

およびそれらの薬学上許容される塩を含んでなる医薬組成物を使用して実施することができ、ここで式 (I) および式 (II) の化合物の各々において、
【0018】
Aは、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリール部分および/またはアルキル部分において置換されたアラルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリール基であり、
Zは、共有結合、酸素または =N(R3) であり、
R3は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、またはアリール部分および/またはアルキル部分において置換されたアラルキルから成る群から選択され、
【0019】
Rはアルキルまたは置換アルキルであり、
Xは、式 (I) の化合物において、ハロゲンまたは置換ヒドロキシまたはアミノ、1置換アミノまたは2置換アミノ基でありそして、式 (II) の化合物において、酸素、イミノまたは置換イミノ基であり、そして
R’ は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、アリール部分および/またはアルキル部分において置換されたアラルキル、アシルまたは置換アシル基である。
【0020】
1つの態様において、本発明の方法は、発作を患う被検体にヒドロキシルアミン誘導体を発作直後に投与することを含んでなる。他の態様において、この方法は、発作後少なくとも0.25、0.5、1、2、6、24、48または72時間以上においてヒドロキシルアミン誘導体を最初に投与することを含んでなる。
【0021】
他の態様において、本発明の方法は、1種または2種以上の治療剤を1種または2種以上のヒドロキシルアミン誘導体と組合わせて投与することを含んでなる。他の好ましい態様において、この方法はアリモクロモルとイロキサナジンとの組み合わせを投与することを含んでなる。他の態様において、追加の治療剤は発作に関連する症候を軽減ことが知られている薬物である。特定の態様において、追加の治療剤は抗炎症剤、酸素基スカベンジャー、解熱剤、抗血栓剤 (抗血小板剤および抗凝固剤) 、血栓崩壊剤および神経保護剤から成る群から選択される。
【0022】
好ましい態様によれば、本発明の医薬組成物は経口投与される。
本発明は、また、発作を治療するための1種または2種以上のヒドロキシルアミン誘導体を含んでなる医薬組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、永久的閉塞をもつラットのヒドロキシルアミン誘導体の投与による機能回復を示し、これは実施例1に記載する、前足配置試験における改善として示されている。
【図2】図2は、永久的閉塞をもつラットのヒドロキシルアミン誘導体の投与による機能回復を示し、これは実施例1に記載する、後足配置試験における改善として示されている。
【図3】図3は、永久的閉塞をもつラットのヒドロキシルアミン誘導体の投与による機能回復を示し、これは実施例1に記載する、体スイング試験における改善として示されている。
【図4】図4は、実施例1に記載する実験における実験動物の体重を示す。
【0024】
【図5】図5は、実施例1に記載する実験における治療過程にわたる梗塞の大きさを示す。
【図6】図6は、永久的閉塞をもつラットのアリモクロモル、ヒドロキシルアミン誘導体の投与による機能回復を示し、これは実施例4に記載する、前足配置試験における改善として示されている。
【図7】図7は、永久的閉塞をもつラットのアリモクロモルの投与による機能回復を示し、これは実施例4に記載する、後足配置試験における改善として示されている。
【図8】図8は、永久的閉塞をもつラットのアリモクロモルの投与による機能回復を示し、これは実施例4に記載する、体スイング試験における改善として示されている。
【0025】
【図9】図9は、実施例4に記載する実験動物の体重を示す。
【図10】図10は、永久的閉塞をもつラットのアリモクロモルの投与による機能回復に対する投与量応答効果を示し、これは実施例2に記載する、前足配置試験における改善として示されている。
【図11】図11は、永久的閉塞をもつラットのアリモクロモルの投与による機能回復に対する投与量応答効果を示し、これは実施例2に記載する、後足配置試験における改善として示されている。
【0026】
【図12】図12は、永久的閉塞をもつラットのアリモクロモルの投与による機能回復に対する投与量応答効果を示し、これは実施例2に記載する、体スイング試験における改善として示されている。
【図13】図13は、実施例2に記載する実験動物の体重を示す。
【図14】図14は、実施例10に記載する酸素/グルコース遮断後の細胞死%を示す。
【図15】図15は、相対的ヒトおよびラット経口アリモクロモル薬物速度論的薬物暴露を示す。
【図16】図16は、増加する量のアリモクロモルの経口投与後3時間および6時間の時点において達成された脳脊髄液 (CSF) レベルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
1.定義
便宜上、明細書、実施例および添付された実施態様において使用されているある種の用語をここに収集する。特記しない限り、本発明において使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術における当業者が普通に理解しているものと同一の意味を有する。
【0028】
冠詞「a」および「an」は、1または1より多い (すなわち、少なくとも1つ ) 冠詞の文法的目的語を意味するために使用する。1例として、「要素」は1つの要素または1より多い要素を意味する。
用語 「を包含する」 は、本明細書において、句「を包含するが、これらに限定されない」を意味し、それと互換的に使用される。
【0029】
用語 「または」 は、情況がそれ以外のことを明瞭に指示しないかぎり、用語 「および/または」 を意味し、それと互換的に使用される。
用語 「例えば」 は、用語 「例えば、であるが、それらに限定されない」 を意味し、それと互換的に使用される。
【0030】
用語 「障害」 および「疾患」は、体の任意の部分、器官または系 (またはそれらの任意の組合わせ) の正常な構造または機能からのすべての逸脱に対して包括的に使用され、そしてそれらを意味する。特定の疾患は特徴的症候および徴候、例えば、生物学的、化学的および物理学的変化により発現され、そして下記のものを包含するが、これらに限定されない種々の他の因子にしばしば関連する: 人口学的、環境的、活動的、遺伝的および医学的に歴史的因子。ある種の特徴的徴候、症候および関係する因子を種々の方法を通して定量化して重要な診断情報が得られる。
【0031】
用語 「予防的」 または「療法的」治療は、1種または2種以上の主題の組成物を被検体に投与することを意味する。好ましくない症状 (例えば、宿主動物の疾患または他の好ましくない状態) の臨床的発現前にそれが投与される場合、治療は予防的である、すなわち、それは好ましくない症状の発生に対する宿主の保護に寄与するが、好ましくない症状の発生後に投与する場合、治療は療法的である (すなわち、好ましくない症状またはそれからの副作用の進行を減少、軽減または防止することが意図される) 。
【0032】
用語 「治療効果」 は、1種または2種以上の薬理学的に活性な物質により引き起こされる、動物、特に哺乳動物、より詳細にはヒトにおける局所的または全身的効果を意味する。こうして、この用語は疾患の診断、治癒、緩和、治療または予防においてまたは動物またはヒトにおける望ましい肉体的または精神的進展または症状の増進において使用するために意図される任意の物質を意味する。句「治療的有効量」は、合理的利益/危険比において必要な局所的または全身的効果を生成する、このような物質の任意の治療に適用可能な量を意味する。ある種の態様において、化合物の治療的有効量は療法的インデックス、溶解度およびその他に依存するであろう。例えば、本発明の方法の実施において有効なある種の化合物は、このような治療に適用可能な合理的利益/危険比を生成するために十分な量で投与できる。
【0033】
用語 「有効量」 は、適当な投与量および処方計画により被検体に投与したとき、必要な結果を生成する治療剤の量である。
治療すべき「被検体」または「患者」は、ヒトまたは非ヒト、好ましくは哺乳動物を意味することができる。
【0034】
用語 「障害のための治療を必要とする被検体」 は、その障害を有すると診断され、その障害に関連する症候または代理マーカーを証明するか、あるいはその障害を有することが推測される被検体である。
この明細書を通じて、単語「含んでなる」は、記載する整数または整数の群の包括を意味するが、任意の他の整数または整数の群を排除しないことを意味することが理解されるであろ。
【0035】
用語 「アルキル」 は、1〜21個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状、飽和脂肪族炭化水素を意味する。「短鎖アルキル」は1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基を意味する。短鎖アルキル基の例は下記を包含するが、これらに限定されない: メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、ペンチル、t-ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチル基。好ましくは、短鎖アルキルは1〜6個の炭素原子を含有し、そしてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、ペンチル、t-ペンチルおよびヘキシル基から成る群から選択される。
【0036】
「長鎖アルキル」は9〜21個の炭素原子を含有するアルキル基を意味する。長鎖アルキル基の例は下記を包含するが、これらに限定されない: ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシルおよびヘンエイコシル基。好ましくは、長鎖アルキルは9〜17個の炭素原子を含有し、そしてノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシルおよびヘプタデシル基から成る群から選択される。
【0037】
用語 「シクロアルキル」 は、3〜8個の炭素原子を含有する一環式、非芳香族、炭化水素環を意味する。「短シクロアルキル鎖」は、3〜8個の炭素原子を含有するシクロアルキル基を意味する。例は下記を包含するが、これらに限定されない: シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル基。好ましくは、シクロアルキル基は3〜7個の炭素原子を含有し、そしてシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルから成る群から選択される。
【0038】
用語 「アリール」 は、6、10、12または14個の炭素原子を含有し、そして環系の少なくとも1つの環が芳香族である、一環式または多環式環系を意味する。アリール環系の例は下記を包含するが、これらに限定されない: フェニル、ナフチル、ペンタレニルおよびアントラセニル基。好ましくは、アリール基はフェニルまたはナフチル基である。
【0039】
用語 「アラルキル」 は、アルキル基の1または2以上の水素原子が1または2以上のアリール基で置換されている、アルキル基を意味する。アラルキル基の例は下記を包含するが、これらに限定されない: ベンジル、ベンズヒドリル、トリチル、1-フェニル-エチル、2-フェニル-エチル、2-ベンズヒドリル-エチル、3-フェニルプロピル、1-メチル-2-フェニル-エチル、1-フェニルブチル、4-トリチルブチル、1,1-ジメチル-2-フェニルエチル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチルおよび6-フェニルヘキシル基。好ましくは、アラルキル基は、フェニル基で置換された、1〜4個の炭素原子を含有する低級アルキル基である。好ましいアラルキル基は下記を包含するが、これらに限定されない: ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチルおよび1-メチル-2-フェニルエチル基。
【0040】
用語 「複素環式」 は、環系が不飽和結合を含有することができるが、芳香族ではない、1〜15個の炭素原子および1〜4個の異種原子を含有する、一環系を意味する。異種原子は独立して硫黄、窒素または酸素である。例は下記を包含するが、これらに限定されない: アジリジニル、アゼチジニル、オキサジラニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ペルヒドロチアゾリル、ペルヒドロ-イソキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、ペルヒドロ-ピリミジニル、ペルヒドロ-ピリダジニル、モルホリニル、ペルヒドロ-1H-アゼピニル、オキサゾリル、イソキサゾリルおよびオキサジアゾリル (例えば、1,2,4-オキサジアゾリルおよびその他) 。好ましくは、複素環式環は3〜8員環系である。より好ましくは、複素環式環は5〜8員環系である。より好ましくは、複素環式環は1〜2個の酸素および1〜3個の窒素原子を含有する、5〜6員環系である。
【0041】
用語 「ヘテロアリール」 は、1〜15個の炭素原子および1〜4個の異種原子を含有し、環系中の少なくとも1つの環が芳香族である、一環式または多環式環系を意味する。異種原子は硫黄、窒素または酸素である。好ましくは、ヘテロアリール基は不飽和3〜8員環である。より好ましくは、ヘテロアリール基は5〜6員の、1〜4個のNを含有する不飽和ヘテロ一環式基である。例は下記を包含するが、これらに限定されない: ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル基およびそのN-オキシド、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびジヒドロトリアジニル。好ましくは、ヘテロアリール基は1〜5個のN原子を含有する多環式環である。
【0042】
例は下記を包含するが、これらに限定されない: インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンズトリアゾリル、テトラゾロピリジル、テトラゾロピリダジニルおよびジヒドロ-トリアゾロピリジル。好ましくは、ヘテロアリール基は不飽和環、1〜2個の酸素原子および1〜3個のN原子を含有する多環式環である。例は下記を包含するが、これらに限定されない: ベンゾキサゾリルおよびベンゾキサジアゾリル。好ましくは、ヘテロアリール基は1〜2個の硫黄原子および1〜3個のN原子を含有する、一環式3〜8員環、より好ましくは5〜6員環である。
【0043】
例は下記を包含するが、これらに限定されない: チアゾリル、1,2-チアゾリル、チアゾリニルおよびチアジアゾリル。好ましくは、ヘテロアリール基は1個の硫黄原子または1個の酸素原子を含有する、一環式3〜8員環、より好ましくは5〜6員環である。例は下記を包含するが、これらに限定されない: チエニルおよびフラニル。好ましくは、ヘテロアリール基は1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する二環式環である。例は下記を包含するが、これらに限定されない: ベンゾチアゾリルおよびベンゾチアジアゾリル。
【0044】
用語 「アシル」 基は下記であることができるアシル基を意味する: 短鎖アルカノイル (例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルおよびその他) 、短鎖アルコキシ-カルボニル (例えば、メトキシ-カルボニル、エトキシ-カルボニル、プロポキシ-カルボニル、ブトキシ-カルボニル、t-ブトキシ-カルボニルおよびその他) 、短鎖アルキル-スルホニル (例えば、メチル-スルホニル、エチル-スルホニルおよびその他) 、アリール-スルホニル (例えば、フェニル-スルホニルおよびその他) 、アロイル (例えば、ベンゾイル、ナフトイルおよびその他) 、アリール-(短鎖アルカノイル)(例えば、フェニル-アセチル、フェニル-プロピオルおよびその他)、シクロ-(短鎖アルキル)-(短鎖アルカノイル) (例えば、シクロヘキシル-アセチルおよびその他) 、アリール-(短鎖アルコキシ)-カルボニル (例えば、ベンジルオキシ-カルボニルおよびその他) 、アリール-カルバモイル (例えば、フェニル-カルバモイル、ナフチル-カルバモイルおよびその他) 、シクロアルキル-カルバモイル (例えば、シクロヘキシル-カルバモイルおよびその他) 、ヘテロ-一環式スルホニル (例えば、チエニル-スルホニル、フリル-スルホニルおよびその他) 。アシル基は必要に応じて1〜3個の前述の置換基で置換されることができる。
【0045】
用語 「ω-アミノ-アルキル」基は、アルキル鎖中のω-位置に置換N原子を含有し、そしてアルキル鎖が必要に応じて1または2以上の置換基、好ましくは1または2以上のハロゲン (例えば、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード) 、ヒドロキシル基またはアシル化ヒドロキシル基で置換された、短鎖アルキル基を意味する。好ましくは、1つまたは2つの短鎖アルキル基および「アルキル」の定義は前述と同一である。アルキル鎖のω-位置におけるN原子は1つまたは2つの短鎖アルキル置換基、好ましくはメチル、エチル、t-ブチルおよびその他、シクロアルキルカルバモイル (例えば、シクロヘキシル-カルバモイルおよびその他) で置換することができる。
【0046】
好ましくは、N原子は1〜4個の窒素原子を含有する飽和複素環式基の一部分であることができ、前記複素環式基はアジリジニル、アゼチジニル、オキサジラニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ペルヒドロ-チアゾリル、ペルヒドロ-イソキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、ペルヒドロ-ピリミジニル、ペルヒドロ-ピリダジニル、モルホリニルおよびペルヒドロ-1H-アゼピニルから成る群から選択される。ω-位置におけるN原子はアリール基 (例えば、フェニルおよびその他) で置換されることができ、そして短鎖アルキル置換基で第四級化するか、あるいはその上酸化することができる。
【0047】
用語 「ハロゲン」 は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0048】
用語 「置換されていてもよい」 アリールまたはアルキルは、1または2以上の置換基を有するアリール基またはアルキル基を意味する。置換基の例は下記を包含するが、これらに限定されない: シアノ、ヒドロキシル、短鎖アルキル (例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、ペンチル、t-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびその他) 、短鎖アルコキシ (例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、ペンチルオキシ、t-ペンチルオキシ、ヘキシルオキシおよびその他) 、アリール (例えば、フェニル、ナフチルおよびその他) 、ニトロ、アミノ、モノ-(短鎖アルキル)-置換アミノ (例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t-ブチル)-アミノおよびその他、ジ-(短鎖アルキル)-置換アミノ (例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノおよびその他) 、モノハロゲン、ジハロゲンまたはトリハロゲン (短鎖)-アルキル (例えば、クロロメチル、2,2-ジクロロエチル、トリフルオロメチルおよびその他) またはハロゲン原子 (例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子) 。
【0049】
用語 「生物学的に利用可能な」 は、少なくともある量の特定の化合物が体循環中に存在することを意味する。経口生物学的利用率の形式的計算はF値で記載される (“Fundamentals of Clinical Pharmacokinetics,” John G. Wegner、Drug Intelligence Publications; Hamilton, III. 1975) 。F値は静脈内投与後の体循環(例えば、血漿)中の親薬物の濃度/非静脈内経路 (例えば、経口) による投与後の体循環中の親薬物の濃度の比から誘導される。したがって、本発明の範囲内の経口生物学的利用率は、静脈内投与と比較した経口投与後の血漿中の検出可能な親薬物の量の比またはF値のを意図する。
【0050】
用語 「治療する」 または 「治療」 は、哺乳動物、例えば、ヒトにおける疾患の症候を緩和または軽減すること、または疾患に関連する確認可能な測定値の改良を意味することを意図する。
用語 「患者」 は、哺乳動物 (例えば、ヒト) を包含する動物を意味する。
【0051】
用語 「薬学上許容される誘導体」 は、本発明の化合物、またはレシピエントに投与したとき、本発明の化合物またはその代謝産物または残留物を提供できる (直接的または間接的に) 他の化合物、の薬学上許容される塩、エステル、またはこのようなエステルの塩を意味する。
【0052】
2.態様
本発明は、治療を必要とする被検体、すなわち、発作を患っていると診断された被検体、発作に関連する症候または代理マーカーを示す被検体、および/または発作を患っていることが推測される被検体に、有効量の1種または2種以上のある種のヒドロキシルアミン誘導体を投与することを含んでなる、発作を治療する方法に関する。本発明の方法を実施するために有効なヒドロキシルアミン誘導体は、下記の特許に既に記載されているものを包含する: 米国特許第5,147,879号、米国特許第6,143,741号、米国特許第6,653,326号、米国特許第6,649,628号、米国特許第6,384,029号、米国特許第5,328,906号、米国特許第5,296,606号、米国特許第5,919,796号、米国特許第6,002,002号、米国特許第6,180,787号、米国特許第6,384,029号および米国公開2005/0043295、これらは引用することによって本明細書の一部とされる。
【0053】
1つの態様において、本発明の方法は、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]-3-ピリジン-カルボキシイミドイル-クロライド (ビモクロモル) 、
【化6】

を投与する工程を含んでなる。
【0054】
ビモクロモルは米国特許第5,147,879号 (これは引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されており、そして同様な化合物の当業者によく知られている方法により製造できる。特に、米国特許第6,180,787号 (これは引用することによって本明細書の一部とされる) 参照。
【0055】
他の態様において、本発明の方法は、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイル-クロライド (アリモクロモル) 、
【0056】
【化7】

を投与する工程を含んでなる。
【0057】
他のところで記載したように、アリモクロモルは分子シャペロンが関係付けられてきている疾患、症状または障害を有する患者を治療するために使用できる。このような疾患は下記を包含するが、これらに限定されない: 神経変性疾患。ある態様において、神経変性疾患は中枢神経系 (CNS) 中に存在する。ある態様において、疾患は発作、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) 、パーキンソン病 (PD) 、アルツハイマー病 (AD) 、ハンチントン病および膵嚢胞性繊維症から成る群から選択される。
【0058】
アリモクロモルは、同様な化合物の当業者によく知られている方法により製造できる。例えば、下記の文献を参照のこと: 米国特許第6,649,628号およびPCT公開WO 01/79174、これらの両方は引用することによって本明細書の一部とされる。
【0059】
本発明のなお他の態様において、5,6-ジヒドロ-5-(1-ピペリジニル)-メチル-3-(3-ピリジル)-4H-1,2,4-オキサジアジン (イロキサナジン) 、
【化8】

を使用する。
【0060】
イロキサナジンおよび関係する化合物はPCT公開WO 98/06400および米国特許第6,384,029号 (これらは引用することによって本明細書の一部とされる) に以前に記載され、そして同様な化合物の当業者によく知られている方法、例えば、これらの公報に記載されている方法により製造できる。
【0061】
本発明の方法を実施するために有効な他の化合物は、N-[3-(1,1-ジメチルエチル)アミノ-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-トリフルオロメチルベンゼン-カルボキシイミドイルクロライド (化合物2)、
【0062】
【化9】

である。
【0063】
化合物2は同様な化合物の当業者によく知られている方法により製造できる。例えば、下記の文献を参照のこと: 米国特許第6,649,628号およびPCT公開WO 01/79174、これらの両方は引用することによって本明細書の一部とされる。化合物2は、例えば、上記参考文献中のアリモクロモルの製造について記載されている方法に従い、例えば、CN-ピリジンの代わりにCF3-シアノピリジンを使用しかつピペリジンをt-ブチルアミンで置換することによって製造できる。
【0064】
特定の態様において、アリモクロモル、イロキサナジンおよび化合物2の単独、または互いとの組合わせまたは他の治療剤との組合わせは、発作の治療において有効であることが見出された。
【0065】
より一般的に、本発明のある種の態様は式 (I) の化合物または式 (II) の互変異性体化合物:
【化10】

【0066】
およびそれらの薬学上許容される塩を含んでなる医薬組成物を使用して実施することができ、ここで式 (I) および式 (II) の化合物の各々において、
Aはアルキル、置換アルキル、アラルキル、アリール部分および/またはアルキル部分において置換されたアラルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリール基であり、
Zは共有結合、酸素または =N(R3) であり、
R3は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、またはアリール部分および/またはアルキル部分において置換されたアラルキルから成る群から選択され、
【0067】
Rはアルキルまたは置換アルキルであり、
Xは、式 (I) の化合物において、ハロゲンまたは置換ヒドロキシまたはアミノ、1置換アミノまたは2置換アミノ基でありそして、式 (II) の化合物において、酸素、イミノまたは置換イミノ基であり、そして
R’ は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、アリール部分および/またはアルキル部分において置換されたアラルキル、アシルまたは置換アシル基である。
【0068】
上記化合物のすべての式は、その化合物のすべての立体化学的型、例えば、幾何異性体 (すなわち、E、Z) および光学異性体 (すなわち、R、S) を包含することを意図する。本発明の単一の立体化学的異性体ならびに鏡像異性体およびジアスレオマー混合物は本発明の範囲内に入る。特記しない限り、本明細書に描写する式はまた1または2以上の同位体的に富んだ原子の存在のみが異なる化合物を包含することを意味する。例えば、ジュウテリウムまたはトリチウムによる水素の置換、または13C-または14C-に富んだ炭素による炭素の置換を除外して、本発明の式を有する化合物は本発明の範囲内に入る。
【0069】
ある態様において、式 (I) または (II) の化合物はヒドロキシル基を含有する炭素において「R」立体配置を有する。ある態様において、式 (I) または (II) の化合物はヒドロキシル基を含有する炭素において「S」立体配置を有する。
ある態様において、式 (I) または (II) の化合物は炭素-窒素二重結合を横切って「E」立体配置を有する。ある態様において、式 (I) または (II) の化合物は炭素-窒素二重結合を横切って「Z」立体配置を有する。
【0070】
1つの態様において、式 (I) の化合物において、Zは共有結合であり、そしてXはハロゲンである。この態様のある面において、Xはクロロまたはブロモである。この態様のある面において、Aは (i) アラルキルまたは置換アリール部分を有するアラルキル、(ii) アリールまたは置換アリール、(iii) ナフチル、(iv) ベンゼン環と縮合できるものを包含する、N含有ヘテロアリール基、(v) S含有ヘテロアリール基および (vi) O-含有ヘテロアリール基から成る群から選択される。この態様のある面において、Aはフェニルアルキルまたは1または2以上の置換基、好ましくはアルコキシを有するフェニルアルキルである。この態様の他の面において、Aはフェニルまたは置換フェニルである。この態様のある面において、Aはアルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシおよびニトロから成る群から選択される1または2以上の置換基を含有する置換フェニルである。
【0071】
この態様のある面において、Aはピリジルである。この態様のそれ以上の面において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、(iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。
【0072】
Zが共有結合であり、そしてXがハロゲンである式 (I) の化合物は、米国特許第5,147,879号、米国特許第5,328,906号および米国特許第5,296,606号 (これらのすべては引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されている。これらの化合物は、引用した米国特許に記載されている手順により、好ましくは適当なハロゲン化水素酸塩の存在下に対応するX=NH2誘導体をジアゾ化することによって製造できる。出発化合物は既知の手順、例えば、ハンガリー特許No. 117,578 (1976) に記載されている手順により、すなわち、式 (1) (R1=R2=H):
【0073】
【化11】

のアミドキシムを、例えば、式 (2)
R-L
式 (2)
【0074】
の反応性誘導体と塩基の存在下にカップリングすることによって得ることができ、そして通常単離または精製しないでジアゾ化することができる。この化合物の末端基AおよびRは、必要に応じてさらにアミド化または誘導化することができる。
【0075】
他の態様において、式 (I) の化合物において、Zは共有結合であり、そしてXは置換ヒドロキシ基-OQであり、ここでQは非置換または置換アルキルまたはアラルキル基である。この態様の1つの面において、Qは直鎖状または分枝鎖状アルキルである。この態様の1つの面において、Aはアリールまたはヘテロアリールであり、そしてRは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、および (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、AはN含有ヘテロ芳香族基である。この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。
【0076】
他の態様において、式 (I) の化合物において、Zは共有結合であり、Xは-OQであり、Zは共有結合であり、そしてRは-CH2-CH(OH)-R”である。この化合物はヒドロキシ基に通して環化されており、そして式 (I’)
【0077】
【化12】

【0078】
により表され、式中R” は直鎖状または分枝鎖状アルキル基および置換直鎖状または分枝鎖状アルキル基から成る群から選択される。この態様のある面において、R” は必要に応じてそのアミノ基上で置換されたω-アミノ-アルキルである。この態様のある面において、R” はそのアミノ基上でC1-5直鎖状または分枝鎖状アルキル鎖で置換されたω-アミノ-アルキルである。ある面において、R” はアミノ基上で1置換または2置換されたω-アミノ-アルキルであり、ここでアミノ置換基は互いに独立して1つまたは2つの直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであるか、あるいはR” は隣接するN原子と一緒になって3〜7員の複素環式環を形成する。ある面において、環は5〜7員のヘテロ環であり、必要に応じて追加の異種原子を含有する。ある面において、Aはフェニル、置換フェニル、N含有ヘテロアリール、置換N含有ヘテロアリール、S含有ヘテロアリールおよび置換S含有ヘテロアリールから成る群から選択される。
【0079】
式中Zが共有結合であり、そしてXが-OQである、式 (I’) の化合物は、ハンガリー特許出願No. 2385/1992 (これは引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されている。これらの化合物は、式中Zが共有結合であり、そしてXがハロゲンである、式 (I) の化合物から、ハンガリー特許出願No. 2385/1992に記載されている手順により、例えば、アルコキシドとの反応により、または式 (I’) の環状化合物のアルカリ閉環により製造することができる。
【0080】
他の態様において、式 (I) の化合物において、Zは共有結合であり、Xは-NR1R2であり、式中R1およびR2は独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキル、置換直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、3〜7員環を含有する飽和環を形成する。この態様のある面において、R1およびR2は飽和5〜7員環を形成する。この態様のある面において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、および (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。
【0081】
この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。この態様のある面において、Aは (i) アラルキルまたは置換アリール部分を有するアラルキル、(ii) アリールまたは置換アリール、(iii) ナフチル、(iv) ベンゼン環と縮合できるものを包含する、N含有ヘテロアリール基、(v) S含有ヘテロアリール基および (vi) O-含有ヘテロアリール基から成る群から選択される。
【0082】
この態様のある面において、Aはフェニルアルキルまたは1または2以上の置換基を有する置換フェニルアルキルである。この態様のある面において、Aは1または2以上のアルコキシ基により置換されたフェニルアルキルである。この態様のある面において、Aはフェニルまたは置換フェニルである。この態様のある面において、Aはアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ニトロおよびアシルアミノ基から成る群から選択される1または2以上の置換基を含有する置換フェニルである。この態様の他の面において、Aはピリジルである。
【0083】
式中Zが共有結合であり、そしてXが-NR1R2である、式 (I) の化合物は、ハンガリー特許No. 117,578 (1976) および米国特許第6,653,326号 (これらの両方は引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されている。これらの化合物は、式 (I) の化合物の非置換アミドキシム誘導体 (式 (I) 、式中R1=R2=H) を式 (II) の化合物の反応性誘導体で塩基の存在下にアルキル化することによって合成できる。
【0084】
他の態様において、式 (I) の化合物において、Zは共有結合であり、Xは-NR1R2であり、Rは-CH2-CH(OH)-R” である。この化合物は-NR1R2基に通して環化され、そして式 (I”)
【0085】
【化13】

【0086】
により表され、R” は直鎖状または分枝鎖状アルキル基および置換直鎖状または分枝鎖状アルキル基から成る群から選択される。R1は水素、非置換または置換直鎖状または分枝鎖状アルキル、シクロアルキル、非置換アラルキルおよびアリール部分およびアルキル部分において置換されたアラルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Aは (i) アリールまたは置換アリール、(ii) ナフチル、(iii) ベンゼン環と縮合できるものを包含する、N含有ヘテロアリール基、(iv) S含有ヘテロアリール基、および (v) O含有ヘテロアリール基から成る群から選択される。ある面において、Aはフェニルまたは置換フェニルである。
【0087】
ある面において、Aは1または2以上のアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、アミノまたはニトロ基を含有する置換フェニルである。それ以上の面において、R” は (i) 1または2以上の1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、または (ii) 1または2以上の1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキルは3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。ある面において、ω-アミノ-アルキル基は2置換アミノ部分を有し、ここで置換基は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、飽和3〜7員複素環式環を形成する。ある面において、環は5〜7員であり、そして必要に応じて追加の異種原子を含有する。ある面において、ω-アミノ-アルキル基のアミノ置換基は直鎖状または分枝鎖状アルキル基またはシクロアルキルである。
【0088】
式 (I”) の化合物は、式中Zが共有結合であり、そしてXが-NR1R2である、式 (I) の開鎖化合物を使用して、原子N (4)-C (5) 間で閉環することによって製造することができ、式中R1は上記式 (I”) の化合物に関連して定義したとおりであり、R2はHであり、Rは-CH2-CHY5-R” であり、ここでY5は脱離基、例えば、ハロゲン原子である。このような誘導体は対応するY5-OH化合物から無機ハロゲン化剤、例えば、塩化チオニルまたは五塩化リンを使用して得ることができる。
【0089】
ハロゲン化は不活性溶媒、例えば、ベンゼン、クロロホルム、テトラヒドロフランおよびその他の存在または非存在下に、通常沸騰させることによって実施することができる。例えば、塩化チオニルの蒸発により、過剰の試薬を除去した後、粗製ハロゲン誘導体を環化することができ、ここで環化は、単離または精製を使用するか、あるいは使用しないで、t-ブタノール中において強塩基、例えば、カリウムブトキシドで処理して式 (I”) の化合物を生成することによって実施し、最後に式 (I”) の化合物を標準手順 (抽出、再結晶化およびその他) により単離および精製する。
【0090】
1つの態様によれば、式 (I) の化合物において、Zは共有結合であり、そしてXは-OQであり、式中Qはアルキル、置換アルキル、アラルキル、および置換アリール部分または置換アルキル部分を有する置換アラルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Aがアルキルまたは置換アルキルであるとき、それは1〜4個の炭素原子を含有する。ある面において、AはC1-4アルキルまたは置換アルキル、アラルキルおよび置換アリール部分または置換アルキル部分を有する置換アラルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、および (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。
【0091】
式中Zが酸素であり、そしてXが-OQである、式 (I) の化合物は、式 (6) のO置換ヒドロキシルアミン (例えば、下記の文献を参照のこと: Ger. Off. 2,651,083 (1976)) および式 (7) のオルトエステルの反応により製造することができる:
H2N-O-R 式 (6) C(OQ)4 式 (7)
【0092】
縮合は、溶媒として、試薬それ自体中で、好ましくは沸騰することによって、実施することができる。蒸発後、生成物は結晶化により、側鎖R中にアミン機能が存在するする場合、酸付加塩の形態で単離することができる。
【0093】
本発明の1つの態様によれば、式 (I) の化合物において、Zは酸素であり、Xは-NR1R2であり、式中R1およびR2は独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキル、置換直鎖状または分枝鎖状アルキル、シクロアルキル、アリールおよび置換アリールから成る群から選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、3〜7飽和員環を含有する飽和環を形成する。ある面において、R1およびR2は5〜7員飽和環を形成する。この態様のある面において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、および (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。
【0094】
この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。この態様のある面において、Aは (i) アルキルまたは置換アルキル、(iii) アラルキルまたは置換アリール部分および/または置換アルキル部分を有するアラルキル、および (iv) アリールまたは置換アリールから成る群から選択される。この態様のある面において、Aはフェニルまたは置換フェニルである。
【0095】
式 (I) の化合物は、後述するように、製造することができ、ここで方法はXの特質、すなわち、Xが非置換アミノ官能性 (NH2) または置換アミノ官能性であるかどうかに依存する。
【0096】
式中XがNH2である、式 (I) の化合物は式 (6) のヒドロキシルアミンを式A-O-CNの有機シアネートに付加することによって製造できる。 (例えば、下記の文献を参照のこと: Chem. Ber. 98、144 (1965)) 。この反応は好ましくは不活性有機溶媒中で、通常室温において実施できる。単離はしばしばクロマトグラフィー精製を必要とする。
【0097】
式中Xが1置換アミノ基 (例えば、NHR1) である、式 (I) の化合物は、式 (9):
【化14】

【0098】
の既知のハロホルムイミデート (例えば、下記の文献を参照のこと: Houben-Weyl、“Methoden der Organishen Chemie”、Band E/4、p. 544 (1983)) および式 (6) の化合物を有機塩基 (例えば、トリエチルアミン) または無機塩基、例えば、炭酸ナトリウムの存在下に不活性溶媒、例えば、ベンゼン、テトラヒドロフランおよびその他中で反応させ、次いで標準的に仕上げおよび精製を実施することによって製造できる。
【0099】
式中Xが2置換アミノ基である、式 (I) の化合物は、式 (5) の第二級アミンを式中Zが酸素であり、そしてXが-OQである、式 (I) の化合物 (これは前述の方法により製造できる) と反応させることによって製造できる:
HNR1R2 式 (5)。
【0100】
これらのアミン化反応は、極性有機溶媒、例えば、エタノール中で、必要に応じて還流させることによって実施される。
【0101】
他の態様によれば、式 (I) の化合物において、Zは=N(R3) であり、式中R3は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、および置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキルから成る群から選択され、そしてXは-NR1R2であり、式中R1およびR2は独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキル、置換直鎖状または分枝鎖状アルキル、アリールまたは置換アアリールおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、3〜7飽和員環を含有する飽和環を形成する。
【0102】
この態様のある面において、Aはアルキル、置換アルキル、アラルキル、置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキル、アリールおよび置換アリールから成る群から選択される。ある面において、R1およびR2は5〜7員飽和環を形成する。この態様のそれ以上の面において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、および (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。
【0103】
式中Zが=NR3であり、そしてXが-NR1R2である、式 (I) の化合物は、前述の化合物 (すなわち、式中Zが酸素であり、そしてXが-NR1R2である、式 (I) の化合物) のグループに属する対応するイソ尿素誘導体をアンモニアまたは第一級または第二級アミンでアミノ分解することによって製造できる。この反応は好ましくは極性溶媒、例えば、水またはエタノール中で、過剰量のアミンを使用して実施することができる。選択的に、式 (10) のハロホルムアミド (Houben-Weyl、“Methoden der Organishen Chemie”、Band E/4、p. 553 (1983)) を式 (6) の化合物と有機または無機の塩基の存在下に反応させて、このグループの化合物をその上製造することができる:
【0104】
【化15】

この反応は、不活性有機溶媒中で、通常周囲温度において実施することができる。
【0105】
式中Rが式 (b):
【化16】

【0106】
式中Rはアシルである、の基である、式 (I) の化合物は、R7として水素を含有する対応する化合物をエステル化することによって製造できる。アルキルエステルまたはアリールエステルは、第三級アミンまたは無機塩基の存在下に、好ましくは不活性溶媒中で、酸塩化物または酸無水物を使用することによって得ることができる。
【0107】
しかしながら、前述の化合物のグループは下記の構造を有するヒドロキシルアミン誘導体を排除することを理解すべきである:
R3-A-C (NH2) =N-O-CH2-CH (OH) -CH2-N (R1)(R2)
【0108】
式中、
R1はHまたはC1-5アルキルであり、
R2はH、C1-5アルキル、C3-8シクロアルキルまたはOHまたはフェニルで置換することができるフェニルであり、R1およびR2は、隣接する窒素原子と一緒になって、5〜8員の飽和または不飽和環を形成し、前記環は必要に応じて1または2以上の追加のN、OまたはS原子を含有し、そしてベンゼン環と縮合することができ、
R3はH、または1または2以上のハロまたはC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニル、ナフチルまたはピリジルであり、
【0109】
Aは式 (a):
【化17】

【0110】
の基であり、式中
R4はHまたはフェニルであり、
R5はHまたはフェニルであり、
mは0、1または2であり、そして
nは0、1または2である。
【0111】
他の態様によれば、本発明は、式 (I) の化合物互変異性体形態を表す、式 (II) の化合物を提供する。本発明の1つの面において、式 (II) の化合物において、Zは共有結合であり、そしてXは酸素である。この態様のそれ以上の面において、Aは (i) アルキル、アラルキルまたは置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキル、(ii) アリールまたは置換アリール、(iii) N含有ヘテロアリール基、および (iv) S含有ヘテロアリール基から成る群から選択される。この態様のある面において、Aはフェニルまたは1または2以上の置換基を有するフェニルである。この態様のある面において、Aはアルキル、ハロアルキルおよびアルコキシから成る群から選択される1または2以上の置換基を含有する置換フェニルである。この態様の他の面において、Aはピリジルである。
【0112】
それ以上の面において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、および (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。
【0113】
それ以上の面において、R’ は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、および置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキルから成る群から選択される。
【0114】
このグループに属する化合物は、ハンガリー特許出願No. 2385/1992 (これは引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されている。これらの化合物は本明細書に記載する方法に従い製造することができ、最も好ましくは、それらは式 (6) を有するO置換ヒドロキシルアミン誘導体 (例えば、下記の文献を参照のこと: Ger. Off. 2,651,083 (1976)) を式 (11):
【0115】
【化18】

【0116】
の酸塩化物でアシル化することによって製造できる。
【0117】
この経路は、また、R’ が水素以外である化合物の製造に、出発物質として、式 (6) の代わりに、式 (12) の化合物を使用して利用できる:
R1HN-O-R 式 (12)
【0118】
他の態様によれば、式 (II) の化合物において、Zは化学結合であり、Xは=NR4であり、式中R4はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アリール基または置換アルキル基を有するアラルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択され、そしてR4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、および置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキルから成る群から選択される。
【0119】
この態様のある面において、Aは (i) アラルキルまたは置換アリール部分を有するアラルキル、(ii) アリールまたは置換アリール、(iii) ナフチル、(iv) N含有ヘテロアリール基および (v) S含有ヘテロアリール基から成る群から選択される。この態様のある面において、Aはフェニルアルキルまたは1または2以上の置換基を有する置換フェニルアルキルである。この態様のある面において、Aは1または2以上のアルコキシ基により置換されたフェニルアルキルである。この態様の他の面において、Aはフェニルまたは置換フェニルである。この態様のある面において、Aはアルキル、ハロアルキルおよびニトロから成る群から選択される1または2以上の置換基を含有する置換フェニルである。この態様のある面において、Aはピリジルである。
【0120】
ある態様において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、および (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。
【0121】
これらの化合物は、式 (13):
【化19】

のN,N’-2置換アミドキシムを式 (2) の化合物 (反応条件については下記を参照のこと: 式中Zが共有結合であり、そしてXが-NR1R2である、式 (I) の化合物の製造) でO-アルキル化するか、あるいは式 (12) のN,O-2置換ヒドロキシルアミンを式 (16):
【0122】
【化20】

のハロゲン化イミドイルでO-アシル化することによって製造できる。
【0123】
この反応は不活性溶媒中で、好ましくは有機または無機の酸スカベンジャーの存在下に実施することができる。
Rが式 (b) の基 (式中Rはアシルである) である化合物は、R7として水素を含有する対応する化合物をエステル化することによって製造できる。アルキルエステルまたはアリールエステルは、第三級アミンまたは無機塩基の存在下に、好ましくは不活性溶媒中で、酸塩化物または酸無水物を使用することによって得ることができる。
【0124】
1つの態様によれば、式 (II) の化合物において、Zは酸素であり、そしてXは酸素である。この態様のある面において、Aはアルキル、置換アルキル、アラルキル、および置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキルから成る群から選択される。ある面において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、および (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。
【0125】
この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。この態様のある面において、R’ は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、および置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキルから成る群から選択される。
【0126】
この態様によれば、化合物はハンガリー特許出願No. 1756/95 (1995年6月15日提出) (これは引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されている。これらの化合物は、式中Zが共有結合でありそしてXが酸素である、式 (II) の化合物の合成について記載したように、簡単な酸塩化物を使用するのと同様な方法において、式 (6) または式 (12) のヒドロキシルアミンを式 (14) のクロロホルメートでアシル化することによって製造できる。この反応は無機または有機の塩基の存在を必要とし、そして不活性溶媒中で、例えば、クロロホルム中で実施できる。副生物の塩は、例えば、水を使用する抽出により除去され、そして生成物は有機溶液から単離する。
【0127】
なお他の態様において、式 (II) の化合物において、Zは酸素であり、Xは=NR4であり、式中R4はアルキル、置換アルキル、アラルキル、置換アリール基または置換アルキル基を有する置換アラルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリール基から成る群から選択される。この態様のある面において、Aはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキルおよび置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Aは非置換または置換フェニルである。
【0128】
この態様のある面において、Rは適当にはアルキル鎖中にヒドロキシ基またはアシルオキシ基を含有し、そして必要に応じてアミン窒素上で置換されたω-アミノアルキルであり、ここでω-アミノアルキル基のアルキル鎖は好ましくは3〜8個の炭素原子を含有する。この態様のある面において、R’ はアルキル、アリールまたはアラルキルから成る群から選択され、これらの基は非置換または置換であることができる。
【0129】
この態様によれば、式中Zが酸素であり、そしてXが-NR1R2である、式 (I) のこれらの化合物は、同様に式 (9) のハロホルムイミデートおよび式 (12) の化合物を有機塩基 (例えば、トリエチルアミン) または無機塩基、例えば、炭酸ナトリウムの存在下に不活性溶媒、例えば、ベンゼン、テトラヒドロフランおよびその他中で反応させ、次いで標準的に仕上げおよび精製を実施することによって製造できる。
【0130】
他の態様において、式 (II) の化合物において、Zは=N(R3) であり、式中R3は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、および置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキルから成る群から選択され、そしてXは酸素である。この態様のある面において、Aは (i) アラルキルまたは置換アルキル部分または置換アリール部分を有するアラルキル、(ii) アリールまたは置換アリール、(iii) N含有ヘテロアリール基、(iv) 直鎖状または分枝鎖状アルキルまたは置換直鎖状または分枝鎖状アルキルおよび (v) シクロアルキル基から成る群から選択される。
【0131】
この態様のある面において、Aはフェニルアルキルまたは1または2以上の置換基を有するフェニルアルキルである。この態様のある面において、Aはフェニルまたは置換フェニルである。この態様のある面において、Aはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびニトロ基から成る群から選択される1または2以上の置換基を含有する置換フェニルである。この態様の他の面において、Rが(iv) であるとき、アルキル基は4〜12個の炭素原子を含有する。
【0132】
この態様のある面において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキル、および (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。ある面において、R’ は水素、アルキル、置換アルキル、アラルキル、置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキル、アリール、置換アリール、アシルおよび置換アシル基から成る群から選択される。
【0133】
この態様によれば、これらの化合物はハンガリー特許出願No. 1756/95 (これは引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されており、そして式 (6) または式 (12) のヒドロキシルアミン化合物を式 (15):
【0134】
A-N=C=O 式 (15)
【0135】
のイソシアネートと不活性溶媒中で、通常混合物の簡単な攪拌により室温において2〜24時間反応させることによって製造できる。最後に、溶媒の蒸発後に生成物を単離する。ある面において、生成物は結晶化により単離することができる。
【0136】
他の態様において、式 (II) の化合物において、Zは=N(R3) であり、式中R3は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、および置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキルから成る群から選択され、Xは=NR4であり、式中R4はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アリール基または置換アルキル基を有する置換アラルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択され、そしてR’ はアルキル、置換アルキル、アラルキル、置換アリール部分および置換アルキル部分を有する置換アラルキル、アリールおよび置換アリールから成る群から選択される。
【0137】
この態様のある面において、R3は水素、アラルキルおよび置換アルキルから成る群から選択され、R4は水素またはアリール基であり、そしてAはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびアリール部分および/またはアルキル部分において置換されることができるアラルキルから成る群から選択される。それ以上の面において、Rは (i) ω-アミノ-アルキル、(ii) 1置換または2置換アミノ部分を有するω-アミノ-アルキル、(iii) 置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルおよび (iv) 1置換または2置換アミノ部分およびまた置換アルキル部分を有するω-アミノ-アルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、Rが (iv) であるとき、アルキル基はヒドロキシ基またはアシルオキシ基で置換されている。この態様のある面において、ω-アミノ-アルキル基は3〜8個の炭素原子のアルキル部分である。
【0138】
この態様によれば、化合物は対応するイソ尿素誘導体 (式中Zが酸素でありそしてXが=NR4である、式 (II) の化合物) を第一級または第二級アミンまたはアンモニアでアミノ分解することによって製造できる。この反応は好ましくは極性溶媒、例えば、水またはエタノール中で、過剰量のアミンを使用して実施することができる。選択的に、化合物は式 (10) のハロホルムアミジンを式 (12) の化合物と有機または無機の塩基の存在下に不活性溶媒中で、通常それらの沸点において反応させることによって製造できる。
【0139】
1つの態様によれば、本発明は式 (I) の化合物を提供し、式中Xはハロゲンであり、Zは化学結合であり、そしてAは式 (a) の基であり、式中Y1はハロ、アルコキシ、ニトロ基およびハロアルキル基から成る群から選択され、そしてnは1、2および3から成る群から選択されか、あるいはAはO含有ヘテロアリール、S含有ヘテロアリール、またはベンゼン環と縮合できるN含有ヘテロアリール基であり、そしてRは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は、互いに独立して、H、直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、3〜7員環を形成し、Y6は-OR7であり、式中R7はHまたはアシル基であり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3であり、ただしAがピリジルまたはナフチルまたは式 (a) の基であり、式中Y1がハロまたはアルコキシであるとき、R7はH以外である。これらの化合物は必要に応じてAとしてN第四級C1-4アルキルを有するN含有ヘテロ芳香族基または前記N含有ヘテロ芳香族基のオキシドおよび/またはRを含有することができ、ここで末端のR6およびR7により形成される環はN第四級またはN酸化飽和複素環式環である。
【0140】
この態様のある面において、Xはクロロまたはブロモである。この態様のある面において、Y1は1〜4個の炭素原子を含有するハロアルキルである。他の面において、Y1はフリル、チエニル、ピリジル、キノリルおよびイソキノリルから成る群から選択される。この態様のある面において、R5およびR6は、互いに独立して、置換直鎖状または分枝鎖状アルキルである。ある面において、R5およびR6はC1-4アルキルである。他の面において、R5およびR6がそれらが結合する窒素原子と一緒になって3〜7員環を形成するとき、生ずる環は5〜7員飽和複素環式環である。ある面において、R7はアルキルカルボニル、置換アルキルカルボニル、アリールカルボニルまたは置換アリールカルボニル、およびアミノアシルまたは置換アミノアシルから成る群から選択される。
【0141】
この態様のある面において、Aは式 (a) の基であり、式中Y1はトリフルオロメチルである。この態様のある面において、Xはハロであり、Aはピリジルであり、Zは化学結合であり、そしてRは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は互いに独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6はそれらが結合する窒素原子と一緒になって3〜7員環を形成し、Y6は-OR7であり、式中R7はアミノアシル基であり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。ある面において、R5およびR6は互いに独立してC1-4アルキルまたはシクロアルキルである。他の面において、R5およびR6は隣接するN原子と一緒になって5〜7員複素環式環を形成する。この態様の各面によれば、化合物は光学的に活性であることができる。
【0142】
この態様によれば、これらの化合物は、米国特許第5,147,879号、米国特許第5,328,906号および米国特許第5,296,606号 (これらのすべては引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されている手順に類似する手順より、製造することができる。例えば、R5およびR6の両方が水素以外である化合物は、米国特許第5,147,879号、米国特許第5,328,906号および米国特許第5,296,606号に記載されている手順と同様に、適当なハロゲン化水素の存在下に対応するNH2誘導体 (すなわち、式中Zが共有結合でありそしてXがNH2である、式 (I) の化合物) のジアゾ化により製造することができる。
【0143】
出発化合物は、また、既知の手順、例えば、ハンガリー特許No. 117,578 (これは引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されている手順により、すなわち、式 (1) のアミドキシム (ここで式 (1) のR1およびR2はHである) を、例えば、式 (2) の反応性誘導体と塩基の存在下にカップリングすることによって製造することができ、そして通常単離または精製しないでジアゾ化することができる。
【0144】
選択的に、式中R7がHでありそしてmが1である化合物について、化合物は式 (3) のオキシランを式 (4) のアミンと反応させることによって製造できる。この手順は、また、式中R5がHである化合物の製造に使用できる。
【0145】
選択的に、式中R5が式 (b) により表されそしてR7がアシル基である化合物について、化合物は式中R7がHである対応する化合物のエステル化により製造することができる。アルキルエステルまたはアリールエステルは、酸塩化物または酸無水物を使用して、第三級アミンまたは無機塩基の存在下に、好ましくは不活性溶媒中で、あるいはある場合において2相系中で水性無機塩基の存在下にショッテン-バウマン (Schotten-Bauman) 手順により、製造することができる。アミノアシルエステルを製造するために、基本的にペプチド化学から知られている手順において、カルボキシル活性化N保護アミノ酸誘導体 (例えば、活性エステル) を試薬として使用することができる。
【0146】
また、このカップリングは塩基 (例えば、トリエチルアミン) の存在を必要とする。生成物の単離および精製は、標準的製造技術を使用することによって実行できる; 最後の生成物はしばしば適当な無機酸および有機酸との塩の形態であることができる。キラルアミノ酸から出発すると、生成物は頻繁にジアステレオマーであり、R基中に第2キラル中心を有する。単離の間に、これらのジアステレオマーはしばしば分割することができ、そして生成物は立体的に純粋な形態で得ることができる。
【0147】
式 (I) の化合物のなお他の態様において、Zは化学結合であり、Xはハロであり、Aは式 (c) の基であり、そしてRは式 (d) の基である:
【0148】
【化21】

【0149】
分子中に少なくとも1つが存在しなくてはならないY2およびY3の一方または両方は、酸素または1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたは置換アルキルであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。Y2およびY3は点線で結合されている。この態様のある面において、Xはクロロまたはブロモである。化合物が1価または2価のカチオンであるとき、それらのアニオンは1つまたは2つのハロゲン化物イオンである。この態様のある面において、アニオンはヨウ化物イオンである。
【0150】
この態様によれば、化合物はそれらの非置換前駆体中の末端のピリジン基および/またはピペリジン基の化学的変性により、例えば、N酸化または第四級化により製造することができる。この態様のある面において、化合物は不活性溶媒中において過酸で酸化することによって製造できる。この態様のそれ以上の面において、過酸は置換過安息香酸である。この態様のそれ以上の面において、不活性溶媒はクロロホルムまたはジクロロメタンである。両方の酸化可能な基が存在する場合、使用する試薬の量に依存して一酸化物または二酸化物が形成する。
【0151】
酸化反応の終わりにおいて、過剰の試薬を分解し、生成物を蒸発により単離する。この態様の他の面において、化合物は第四級化により製造することができる。この態様のある面において、化合物はハロゲン化アルキルを使用する第四級化により製造できる。この態様のある面において、ハロゲン化アルキルはヨウ化メチルである。この態様のそれ以上の面において、化合物は適当な溶媒中で試薬を還流させることによって製造できる。ある面において、溶媒はアセトンである。この態様のある面において、化合物は媒質中に不溶性であり、そして簡単な濾過により単離することができる。
【0152】
式 (I) の化合物のなお他の態様において、Zは化学結合であり、Aはアラルキル、置換アラルキル、フェニル、1または2以上の置換基を有する置換フェニル、ベンゼン環と縮合できる、N含有ヘテロアリール基、およびS含有ヘテロ芳香族基であり、Xは-NR1R2であり、式中R1およびR2は、互いに独立して、H、直鎖状または分枝鎖状アルキル、置換直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR1およびR2はそれらが結合する窒素原子と一緒になって3〜7員環を形成することができ、Rは式 (e)
【0153】
【化22】

【0154】
の基であり、式中R5およびR6は、互いに独立して、H、直鎖状または分枝鎖状アルキル、置換直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6はそれらが結合する窒素原子と一緒になって3〜7員環を形成し、前記環は追加の異種原子および置換基を含有することができ、Y4はH、1〜4個の炭素原子を有するアルキルおよび置換アルキルから成る群から選択され、Y5はH、1〜4個の炭素原子を有するアルキルおよび置換アルキルおよびOR7から成る群から選択され、式中R7はHまたはアシルであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3であり、ただしAが非置換であるか、あるいはハロゲンまたはアルコキシで置換されたフェニル、またはアルコキシで置換されたフェニルアルキル、またはピリジルであり、そしてR7がHであるとき、R1およびR2の少なくとも1つはH以外であるか、あるいはAが非置換であるか、あるいはハロゲンまたはアルコキシで置換されたフェニル、またはアルコキシで置換されたフェニルアルキル、またはピリジルであり、そしてR1およびR2の各々がHであるとき、R7はH以外である。
【0155】
この態様のある面において、Aはフェニルアルキルまたはフェニルである。ある面において、Aがフェニルアルキルであるとき、フェニルは1または2以上のアルコキシ基で置換されることができる。ある面において、アルコキシ基は1〜4個の炭素原子を有する。他の面において、Aは1または2以上の置換基を有する置換フェニルである。ある面において、置換基はアルキル、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたはハロアルキル、ハロ、アシルアミノまたはニトロ基から成る群から選択される。他の面において、Aはピロリル、ピリジル、イソキノリル、キノリルおよびチエニルから成る群から選択される。ある面において、Aがヘテロアリール基であるとき、それは1または2以上のアルキル、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキルで置換されることができる。
【0156】
この態様のある面において、R1およびR2は互いに独立して1〜6個の炭素原子を有するアルキルである。他の面において、R1およびR2はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、この環は5〜7員飽和ヘテロ環である。
【0157】
この態様のある面において、R5およびR6は互いに独立して1〜4個の炭素原子を有するアルキルである。他の面において、R5およびR6はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、この環は5〜7員飽和ヘテロ環であり、追加の異種原子および置換基を含有することができる。この面において、置換基は1〜4個の炭素原子を有するアルキルである。
【0158】
この態様によれば、XがNH2である化合物は、前述の手順と同様にして、式 (1) のR1およびR2がHである、式 (1) の対応する化合物を式 (2) の化合物と反応させることによって製造できる。式 (2) のアルキル化剤はヒドロキシルおよび/またはアミノ置換基を含有することができる。この反応は無機または有機の塩基の存在を必要とし、好ましい方法において、アルコール性アルコラート溶液を媒質および塩基として使用する。化合物は適当な有機酸または無機酸との塩として単離することができる。
【0159】
この態様によれば、R1およびR2の一方または両方がH以外である化合物は2つの方法により製造できる。第1の方法において、必要な置換基R1および/またはR2を有する、式 (1) のアミドキシムを、前のパラグラフに記載する手順と同様にして、式 (2) の反応性化合物と反応させることができる。出発物質として使用する、式 (1) の置換アミドキシムは文献から知られている。例えば、下記の文献を参照のこと: Chem. Rev. 62、155-183 (1962) 、これは引用することによって本明細書の一部とされる。
【0160】
第2の方法において、式中Zが共有結合でありそしてXがハロゲンである、式 (I) の化合物中のハロゲン原子を式 (5) のアミンで置換すると、その上同様な化合物を生成することができる。R基中にOH置換基 (Y4=OH) を有する誘導体の場合において、このヒドロキシル基は置換反応前に保護し、置換反応後に脱保護しなくてはならず、そうでなければ式 (I’) の環状誘導体の形成が優先する。保護のために、アセチル型保護基、例えば、テトラヒドロピラニル基は最も満足すべきものであることが証明された。保護は非保護化合物をジヒドロピランと反応させ、次いでハロゲン/アミン置換により実施することができ、この置換は通常溶媒、例えば、アルコール中の還流を必要とする。生成物の脱保護は、最終的に、酸性処理により、例えば、p-トルエンスルホン酸の存在下にエタノール溶液を沸騰させることによって達成できる。
【0161】
本発明の他の態様によれば、式 (I) の化合物はY5がアシルオキシ基である化合物を包含する。それらはY5がOHである対応する化合物のアシル化により製造することができ、これらの化合物は文献 (例えば、ハンガリー特許No. 117,578) から知られているか、あるいは本発明において記載されている。これらの反応は、Y7がアシル基である、同様なハロ誘導体について記載した反応と同じように達成できる。
【0162】
他の態様によれば、式 (I) の化合物は、また、各記号が下記の意味を有する化合物を包含する: Zは酸素または=N(R3) であり、式中R3は非置換または置換アルキル基であり、Xは-NR1R2であり、式中R1およびR2は、互いに独立して、水素、非置換または置換直鎖状または分枝鎖状アルキル、非置換または置換アリール、および非置換または置換アラルキル基から成る群から選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、必要に応じて1または2以上の異種原子を含有する3〜7員飽和複素環式環を形成する。
【0163】
この態様によれば、Aは非置換または置換アルキル、非置換または置換アリール、および非置換または置換アラルキル基から成る群から選択される。さらにこの態様によれば、Rは式 (b) の基であり、式中R1およびR2は互いに独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR1およびR2はそれらが結合する窒素原子と一緒になって3〜7員飽和複素環式環を形成する。この態様によれば、Y6はHまたは-OR7であり、式中R7はHまたはアシルであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。
【0164】
この態様の1つの面において、R1およびR2は互いに独立してフェニルである。他の面において、R1およびR2はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成するとき、この環は必要に応じて1または2以上の異種原子を含有する3〜7員飽和複素環式環である。ある面によれば、Aはフェニルまたは置換フェニルである。ある面によれば、R5およびR6は互いに独立してC1-4アルキルである。選択的にある面によれば、R5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって3〜7員環を形成し、この環は5〜7員飽和複素環式環である。ある面によれば、R7は非置換または置換アルキルカルボニルまたはアリールカルボニルである。
【0165】
他の態様によれば、式 (I) の化合物は、また、各記号が下記の意味を有する化合物を包含する: Zは酸素であり、そしてXは-OQであり、式中Qは非置換または置換アルキルまたは非置換または置換アラルキル基であり、Aは非置換または置換アルコキシまたは非置換または置換アラルキル基であり、そしてRは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は互いに独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって3〜7員飽和複素環式環を形成し、Y6はHまたは-OR7であり、式中R7はHまたはアシルであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。
【0166】
この態様のある面において、R5およびR6は互いに独立してC1-4アルキルである。他の態様において、R5およびR6は、それらが結合するN原子と一緒になるとき、3〜7員環を形成し、この環は5〜7員飽和複素環式環である。ある面において、R7は非置換または置換アルキルカルボニルまたはアリールカルボニルである。
【0167】
他の態様によれば、式 (I) の化合物は、また、各記号が下記の意味を有する化合物を包含する: Aは非置換または置換アリール、N含有ヘテロ芳香族基およびS含有ヘテロ芳香族基から成る群から選択され、Zは化学結合であり、Xは-OQであり、式中QはC1-4アルキルであり、そしてRは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は互いに独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6は、それらが結合するN原子と一緒になったとき、3〜7員複素環式環を形成し、Y6はHであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。
【0168】
この態様のある面において、Aはフェニルである。他の面において、Aはピリジルである。この態様のある面において、R5およびR6は互いに独立してC1-4アルキルである。他の面において、R5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって5〜7員複素環式環を形成する。
【0169】
この態様によれば、これらの化合物は、式中Xがハロである式 (I) の対応する化合物および対応するアルコラートを、好ましくはアルコラートに対応するアルコール中で、好ましくは還流させることによって製造することができる。この反応混合物をこの分野において知られている方法で処理し、そして生成物はクロマトグラフィーまたは塩形成により単離することができる。
【0170】
なお他の態様によれば、式 (II) の化合物は各記号が下記の意味を有する化合物を包含する: Xは酸素であり、AはC1-20直鎖状または分枝鎖状アルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アラルキル、ナフチルおよびN含有ヘテロ芳香族基から成る群から選択され、Zは化学結合であり、R’ はH、C1-4アルキルおよびアラルキルから成る群から選択され、Zは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は互いに独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって3〜7員複素環式環を形成し、Y6はHまたは-OR7であり、式中R7はHであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3であり、ただしAがアルキル以外でありかつR1がHであるとき、Y6はHである。
【0171】
この態様のある面において、Aはフェニルまたはハロフェニルである。他の面において、Aはピリジルである。この態様のある面において、R’ はフェニルアルキルである。この態様のある面において、R5およびR6は互いに独立してC1-4アルキルである。他の面において、R5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって5〜7員複素環式環を形成する。
【0172】
なお他の態様によれば、式 (II) の化合物は、また、各記号が下記の意味を有する化合物を包含する: Zは共有結合、酸素および=N(R3) から成る群から選択され、式中R3は水素または非置換または置換アルキル基であり、Xは=NR4であり、式中R4は水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換アリールおよび非置換または置換アラルキルから成る群から選択される。
【0173】
この態様によれば、Aは非置換または置換アルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アラルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択され、R’ は非置換または置換アルキル、非置換または置換アリールおよび非置換または置換アラルキルから成る群から選択され、Rは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は互いに独立してHおよび直鎖状または分枝鎖状アルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって3〜7員複素環式環を形成し、Y6はHまたは-OR7であり、R7はHまたはアシルであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。
【0174】
この態様のある面において、R4はフェニルまたはハロフェニルである。この態様のある面において、Aはフェニル、置換フェニルおよびフェニルアルキルから成る群から選択される。この態様のある面において、R’ はフェニルまたはフェニルアルキルである。この態様のある面において、R5およびR6は互いに独立してC1-4アルキルである。他の面において、R5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって5〜7員複素環式環を形成する。この態様のある面において、R7は非置換または置換アルキルカルボニルまたはアリールカルボニルである。
【0175】
なお他の態様によれば、式 (II) の化合物は、また、各記号が下記の意味を有する化合物を包含する: Xは酸素であり、Aは非置換または置換アルキル、非置換または置換アラルキルであり、Zは酸素であり、R’ はアルキルまたはアラルキル、好ましくはフェニルアルキルであり、Rは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は互いに独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6は、それらが結合するN原子と一緒になったとき、3〜7員環を形成し、Y6はHまたは-OR7であり、R7はHまたはアシルであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。ある面において、R5およびR6は互いに独立してC1-4アルキルである。他の面において、R5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって5〜7員複素環式環を形成する。ある面において、R7は非置換または置換アルキルカルボニルまたはアリールカルボニルである。
【0176】
この態様のある面において、Aはフェニルアルキルである。ある面において、R’ はフェニルアルキルである。
なお他の態様によれば、式 (II) の化合物は、また、式中Xが酸素であり、そしてZが=NHである化合物を包含する。
【0177】
1つの態様によれば、式 (II) の化合物は、各記号が下記の意味を有する化合物を包含する: Aは非置換または置換アルキル、シクロアルキルおよび非置換または置換アラルキルから成る群から選択され、Rは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は互いに独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって3〜7員複素環式環を形成し、Y6はHまたは-OHであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。
【0178】
この態様のある面において、Aはフェニルアルキル、非置換フェニルまたはハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはニトロで置換されたフェニルである。他の面において、R5およびR6は互いに独立してC1-4アルキルである。他の面において、R5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって5〜7員複素環式環を形成する。
【0179】
1つの態様によれば、一般式 (II) の化合物は、各記号が下記の意味を有する化合物を包含する: Aは式 (a):
【0180】
【化23】

【0181】
の基であり、式中Y1はハロアルキルであり、nは1、2または3であり、R’ はHであり、そしてRは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は互いに独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択されるか、あるいはR5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって3〜7員複素環式環を形成し、Y6はHまたは-OHであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。
【0182】
この態様のある面において、Y1はトリフルオロメチルである。他の面において、R5およびR6は互いに独立してC1-4アルキルである。他の面において、R5およびR6はそれらが結合するN原子と一緒になって5〜7員複素環式環を形成する。
【0183】
1つの態様によれば、式 (II) の化合物は、また、式 (I”) の環状化合物を包含し、式中Aは非置換フェニル、ハロまたはニトロで置換されたフェニル、およびN含有ヘテロアリールから成る群から選択され、R1はHであり、そしてR” はアミノ基上で1置換または2置換されたω-アミノ-アルキル基であり、そのアルキル鎖は1〜5個の炭素原子を有し、そしてアミノ置換基は互いに独立して1つまたは2つの直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであることができるか、あるいは2つのアミノ基はそれらに隣接するN原子と一緒になって3〜7員、好ましくは5〜7員飽和複素環式環またはそれらのC1-4アルキルN第四級誘導体を形成し、ただしAが3-ピリジルであるとき、R” は1-ピペリジルメチルと異なる。
【0184】
上記化合物のすべては単独でまたは組合わせで、あるいは必要に応じて1種または2種以上の追加の治療剤と組合わせて、分子シャペロンが関係付けられてきている疾患、障害または症状の治療に使用できる。このような疾患は下記を包含するが、これらに限定されない: 糖尿病性末梢神経疾患を除外する神経変性疾患。ある態様において、神経変性は中枢神経系 (CNS) 中に存在する。ある態様において、疾患は発作、神経変性疾患および膵嚢胞性繊維症から成る群から選択される。ある態様において、疾患は発作である。
【0185】
ある種の態様において、本発明の方法は、発作を患う被検体に発作直後にヒドロキシルアミン誘導体を投与することを含んでなる。他の態様において、本発明の方法は、発作後少なくとも0.25、0.5、1、2、6、24、48または72時間以上においてヒドロキシルアミン誘導体を最初に投与することを含んでなる。他の態様において、2以上のヒドロキシルアミン誘導体を、同時にまたは順次に、被検体に共投与する。好ましい態様において、この方法はアリモクロモルおよびイロキサナジンを投与することを含んでなる。
【0186】
他の態様において、本発明の方法は、発作を患っている被検体に1種または2種以上のヒドロキシルアミン誘導体および1種または2種以上の追加の治療剤を投与することを含んでなる。他の態様において、追加の治療剤は抗炎症剤、酸素基スカベンジャー、解熱剤、抗血栓剤 (抗血小板剤および抗凝固剤) 、血栓崩壊剤、神経保護剤およびEGFRインヒビターから選択される。
【0187】
抗炎症剤および/または解熱剤は下記のものであることができる: 非ステロイド抗炎症剤 (NSAID) 、例えば、アミノアリールカルボン酸誘導体、例えば、エフェナミン酸、エトフェナメート、フルフェナミン酸、イソニキシン、メクロフェナミン酸、メファナミン酸、ニフルミン酸、タルニフルメート、テロフェナメートおよびトルフェナミン酸; アリール酢酸誘導体、例えば、アセメタシン、アルクロフェナク、アムフェナク、ブフェキサマク、シンメタシン、クロピラク、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、フェルビナク、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、グルカメタシン、イブフェナク、インドメタシン、イソフェゾラク、イソキセパク、ロナゾラク、メチアジン酸、オキサメタシン、プログルメタシン、スリンダク、チアラミド、トルメチンおよびゾメピラク; アリール酪酸誘導体、例えば、ブマジゾン、ブチブフェン、フェブフェンおよびキセンブシン; アリールカルボン酸、例えば、クリダナク、ケトロラクおよびチノリジン; アリールプロピオン酸誘導体、例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシン酸、カルプロフェン、フェノプロフェン、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、イブプロキサム、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピケトプロフェン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プロチジン酸、スプロフェンおよびチアプロフェン酸;
【0188】
ピラゾール類、例えば、ジフェンナミゾールおよびエピリゾール; ピラゾロン類、例えば、アパゾン、ベンズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、モラゾン、オキシフェンブタゾン、フェニブタゾン、ピペブゾン、プロピフェナゾン、ラミフェナゾン、スキシブゾンおよびチアゾリノブタゾン; サリチル酸誘導体、例えば、アセタミノサロール、アスピリン、ベノリレート、ブロモサリゲニン、アセチルサリチル酸カルシウム、ジフニサル、エテルサレート、フェンドサル、ゲンチシン酸、グリコールサリシレート、イミダゾールサリシレート、リシンアセチルサリシレート、メサラミン、モルホリンサリシレート、1-ナフチルサリシレート、オルサラジン、パルサルミド、フェニルアセチルサリシレート、フェニルサリシレート、サラセタミド、サリシルアミンo-酢酸、サリシル硫酸、サルサレートおよびスルファサラジン; チアジンカルボキシアミド類、例えば、ドロキシカム、イソキシカム、ピロキシカムおよびテノキシカム; その他、例えば、y-アセタミドカプロン酸、s-アデノシルメチオニン、3-アミノ-4-ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、ベンダザク、ベンジダミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾン、グアイアズレン、ナブメトン、ニメスリド、オルゴテイン、オキサセプロール、パラニリン、ペリソキサール、ピフォキシム、プロクアゾン、プロキサゾールおよびテニダプ; およびそらの薬学上許容される塩; ステロイドの抗炎症剤、例えば、グルココルチコイド; および他の鎮痛剤、例えば、アセタミノフェン、およびオピエート。
【0189】
ステロイドの抗炎症治療剤 (グルココルチコイド) は以下を包含するが、これらに限定されない:21-アセトキシプレフネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アミシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニソン、クロベスタソル、クロベタソン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチソン、コルチバゾール、デフラゾコルト、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、エノキソロン、フルアザコルト、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロンアセテート、フルプレドニデンアセテート、フルプレドニソロン、フルランドレノリド、フルチカソンプロピオネート、ホルモコルタル、ハルシノニド、ハロベタソルプリオピオネート、ハロメタゾン、ハロプレドンアセテート、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノールエタボネート、マジプレドン、メドリソン、メプレドニソン、メチロールプレドニソロン、モメタゾンフロエート、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニソロン、プレドニソロン25-ジエチルアミノアセテート、プレドニソンリン酸ナトリウム、プレドニソン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルタル、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、およびそらの薬学上許容される塩。
【0190】
酸素遊離基スカベンジャーは下記のものであることができる: N-(2-メルカプトプロピオニル)グリシン (MPG) 、エドラボン、2-(4-カルボキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチルイミダゾリン-1-オキシ-3-オキシド (カルボキシ-PTIO) 、スーパーオキシドジスムターゼまたはその模倣物、またはカフェイン酸フェネチルエステル (CAPE) 。
【0191】
抗血小板剤はアスピリン、クロピドグレルまたはチクロピジンであることができる; それは他の組合わせ薬物、例えば、アグレノクス (Aggrenox) (アスピリンと放出延長ジピリダモールとの組合わせ) であることができる。
抗凝固剤はワルファリン、ヘパリン、ダルテパリン (Fragmin) 、エノキサパリン (Lovenox) またはチンザパリン (Innohep) であることができる。
【0192】
血栓崩壊剤の例は、組織プラスミノーゲンアクチベーター (t-PA) またはフォンダパリヌクス (Arixtra) である。
発作後の続発症を治療するために適当な他の薬剤は、グラチラマーアセテート、インターフェロンβ1A、インターフェロンβ1B、エストラジオール、プロゲステロンおよびそれらの混合物を包含する。
【0193】
適当な神経保護剤は下記を包含するが、これらに限定されない: ドネペジル、メマニン、ニモジピン、リルゾール、リバスチグミン、タクリン、TAK147、キサリプロデンおよびそれらの混合物。
【0194】
適当なEGFRインヒビターは下記を包含するが、これらに限定されない: ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、そらの薬学的塩およびそれらの混合物。
【0195】
ヒドロキシルアミン誘導体は、個体に、適当な手段により、好ましくは直接的に (例えば、局所的に、神経組織の位置への注射により) または全身的に (例えば、非経口的または経口的に) 提供することができる。ここで、化合物は下記の経路で提供すべきである: 非経口的に、例えば、静脈内、皮下的、筋肉内、眼窩内、眼に、心室内、頭蓋内、嚢内、脊髄内、槽内、腹腔内、経頬的、経直腸的、経膣的、鼻内またはエーロゾル投与。好ましい態様によれば、本発明の医薬組成物は経口投与される。
【0196】
単一投与形態を製造するために担体物質と組合わせることができる化合物および追加の治療剤の両方の量は、治療する宿主および特定の投与モードに依存して変化するであろう。好ましくは、本発明の組成物は0.1〜1 g/kg体重/日、好ましくは0.1〜300 mg/kg体重/日を投与できるように配合される。化合物の投与量は患者の症状および病気、および必要な1日量に依存するであろう。ヒトの療法において、経口1日量は好ましくは10〜300 mgである。これらの投与量は単位投与形態で投与され、これらの単位投与形態は、ある場合において、ことに経口的治療において、2〜3以下のより小さい投与量に分割される。
【0197】
本発明の組成物において、化合物は互いとの組合わせにおいて相乗的に作用し、さらに追加の治療剤の存在下に相乗的に作用することができる。したがって、このような組成物中の1種または2種以上の化合物および1種または2種以上の追加の治療剤の量は、その治療剤のみを利用する単独療法において要求される量より少ないであろう。このような組成物において、0.1〜1 g/kg体重/日の追加の治療剤の投与量を投与することができる。
【0198】
また、患者についての特定の投与量および治療処方計画は、下記を包含する種々の因子に依存するであろうことを理解すべきである: 使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的健康、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組合わせ、および治療医師の判断および治療する特定の疾患の重症度。化合物の投与量は、また、組成物中に存在する特定の化合物の種類に依存するであろう。さらに、有効量は、なかでも、化合物のサイズ、化合物の生物分解性、化合物の生物学的活性および化合物の生物学的利用能に基づくであろう。化合物が急速に分解せず、生物学的に利可能でありかつ高度に活性である場合、有効であるためにより少ない量が要求されるであろう。当業者、例えば、医師または一般的出発点を与えられた獣医は、被検体に適当な実際の投与量を日常的慣例として容易に決定できる。
【0199】
化合物は1時間ごとに、毎日、毎週、毎年 (例えば、徐放性形態で) または1回の放出として放出させることができる。放出はある時間にわたる連続的放出、例えば、静脈内放出であることができる。本明細書に記載する方法の1つの態様において、治療用組成物は少なくとも1回/日投与される。1つの態様において、治療用組成物は毎日投与される。1つの態様において、治療用組成物は1日置きに投与される。1つの態様において、治療用組成物は6〜8以上毎に、またはより詳しくは、毎週投与される。
【0200】
1つの態様において、本明細書に記載する療用化合物または組成物は持続放出性形態で投与される。このような方法は、治療的有効投与量のヒドロキシルアミン誘導体がこのような方法の被検体に連続的に放出されるように、持続放出性カプセル剤または被覆された移植可能な医学的装置を移植することを含んでなる。ヒドロキシルアミン誘導体はカプセル剤を介して放出させ、これによりある時間にわたって薬剤またはペプチドの持続放出を可能とすることができる。調節放出性または持続放出性組成物は、親油性デポー剤 (例えば、脂肪酸、蝋、油) の製法を包含する。また、ポリマー (例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン) で被覆した特定の組成物が本発明に包含される。
【0201】
本発明の他の面は、発作を治療するためのヒドロキシルアミン誘導体を含んでなる組成物を提供する。このような組成物は、ヒドロキシルアミン誘導体と薬学的に適当な担体とを含んでなる。
【0202】
材料は必要な投与経路に適合するように調合される。製剤は、適当な賦形剤、例えば、薬学上許容される緩衝剤、安定剤、局所麻酔剤およびその他を含んでなり、これらはこの分野においてよく知られている。非経口投与のために、典型的な製剤は無菌の溶液または懸濁液である; 経口投与のために、シロップ剤、錠剤、カプセル剤、ゲルキャップ、または口に合う溶液; 吸入による投与のために、微結晶質粉剤または噴霧に適当な溶液; 膣内または直腸内投与のために、ペッサリー、坐剤、クリームまたは泡剤。好ましい製剤は経口投与のための製剤である。
【0203】
これらの医薬組成物において使用できる適当な薬学上許容される担体は下記を包含するが、これらに限定されない: イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩類または電解質類、例えば、プロタミン硫酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩類、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースに基づく物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂。
【0204】
ある態様において、薬学上許容される担体はステアリン酸マグネシウムである。普通に受け入れられ、使用されている追加の薬学上の賦形剤は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science (編者: Gennaro、A. )、Mack Pub. 1990 (これは引用することによって本明細書の一部とされる) において見出される。
【0205】
実施例において詳述するように、本発明の方法において有効な化合物を虚血性発作の動物モデルに投与した。イロキサナジンおよび特にアリモクロモルは梗塞サイズに影響を与えないで虚血性発作の回復を加速したことが結果により示された。これは他の化合物を使用して前に見られたが、我々の知るところによると、経口的に利用可能な薬剤では決して見られなかった。アリモクロモルは、脳の中へ直接注射されるbFGFである最良の陽性対照と同様によいか、あるいはそれよりすぐれた働きをする。
【実施例】
【0206】
下記の実施例は例示を意図する。実施例は非限定的であり、そして当業者はこの開示により他の態様が考えられることを認識するであろう。
実施例1ラットにおける中央大脳動脈閉塞 (MCAO) 後の機能回復
この研究の目的は、ラットにおける恒久的中央大脳動脈閉塞 (MCAO) のモデルにおいて、神経学的回復を増進することにおけるアリモクロモルおよびイロキサナジンの効能を評価することであった。恒久的MCAOは十分に受け入れられており、発作の臨床的面を研究するための標準的動物モデルであると考えられる (Stroke、1999; 30: 2752-2758) 。
【0207】
変更されたタムラ (Tamura) モデルに従い基部の右中央大脳動脈 (MCA) の恒久的閉塞によりフォーカル大脳梗塞をつくるために、順化の目的で手術前に7日間挙動評価のために収容しかつ取扱われてきた、40匹の各々体重300〜400 gの雄スプレイグ・ダウレイ(Sprague Dawley)ラットを麻酔下に手術した。簡単に述べると、ラットをN2O: O2 (2: 1) の混合物中の2〜3%のハロタンで麻酔し、そしてN2O: O2 (2: 1) の混合物中の1〜1.5%のハロタンで維持した。側頭筋を両断し、眼と外耳道との間の中途に作られた切開を通して反転させた。頬骨弓を除去しないでかつ顔面神経を横に切開しないで側頭下頭蓋骨局部切除を通して、基部MCAを露出させた。次いで嗅神経にちょうど近接する位置から下位大脳静脈にわたって、微小二極凝固により、動脈を閉塞させ、横に切開した。手順全体を通して、体温を37.5℃±0.5℃に維持した。MCAOの1日前におよびMCAO直後にセファゾリン (40 mg/kg; Baxter、Lot 06014.1、Exp. Jan 2009) を腹腔内投与して、感染を防止した。
【0208】
ラットを各10匹の動物の4グループに無作為に分割した。1つのグループに閉塞後1時間に出発して3日間1日1回200 mg/kg/日のアリモクロモルを経口投与し、次いで合計29日間1日1回50 mg/kg/日のアリモクロモルを経口投与した。アリモクロモルについてと同一の投与処方計画を使用して、第2グループにイロキサナジンを投与した。第3グループは陽性対照グループであり、そして1μg (20μg/ml、また、100μg/mlのウシ血清アルブミンを含有する) のβ-繊維芽細胞増殖因子 (bFGF) を閉塞後1時間および1日に (すなわち、2回の投与) 槽内に投与する。第4グループはベヒクルのみを投与する陰性対照である。
【0209】
動物を手術前 (第1日) 、次いで手術後7日毎 (第7日、第14日、第21日および第28日) に前足および後足配置試験および体スイング試験により評価した。これらの試験は発作後の機能回復を示す標準試験として広く受け入れられている。
【0210】
前足配置試験のために、試験官はテーブルトップに密接してラットを保持し、ひげの、視的、触覚的または自己受容的刺激に応答してテーブルトップ上に前足を置くラットの能力を記録する。同様に、後足配置試験のために、試験官は触覚的および自己受容的刺激に応答してテーブルトップ上に後足を置くラット能力を記録する。感覚入力の各モードのために別の下位スコアを獲得し (可能なハーフポイントの表示) 、そして加えて全体のスコアを得る (前足配置試験について: 0 = 正常、12 = 最大に障害された; 後足配置試験について: 0 = 正常、6 = 最大に障害された) 。
【0211】
体スイング試験のために、そのラットをその尾の基部からほぼ1インチのところで保持した。次いでそれをテーブルの表面より1インチ上に持ち上げた。ラットを垂直軸に保持し、左側および右側のいずれからも10°以下に限定した。ラットが頭を垂直軸からいずれかの側にはずれて動かす度に、スイングを記録した。ラットは計測すべき次のスイングのために垂直位置に戻らなくてはならない。30回の合計のスイングを計測した。正常ラットは典型的にはいずれの側に対しても等しいスイング数を有する。病巣の虚血後、ラットは反対 (左) 側にスイングする傾向を有する。
【0212】
各試験後カッコ内の範囲のスコアを与えることによって、挙動を評価した:
下記から成る前足配置試験 (0〜12): ひげ触覚的配置 (0〜2); 視的配置 (前方向、横方向) (0〜4); 触覚的配置 (背面、側方向) (0〜4); および自己受容的配置 (0〜2) 。
下記から成る後足配置試験: 触覚的配置 (前方向、側方向) (0〜4); および自己受容的配置 (0〜2) 。
【0213】
MCAO後第28日に、対照グループおよび投与量が最高であるグループの中のラットをクロラールハイドレートで深く麻酔し、心臓を通して通常生理食塩溶液 (ヘパリン2単位/mlを含む) を潅流させた。脳を除去し、10%ホルマリン中に貯蔵した。次いで固定した脳をパラフィン中に埋め込み、マイクロトームを使用して5μmの頭頂切片を切断した。次いで切片をヘマトキシリンおよびエオシン (H&E) で染色した。各脳からの7つの切片(+4.7、+2.7、+0.7、-1.3、-3.3、-5.3および-7.3、それぞれブレグマと比較した) をデジタルカメラで撮影し、そして各スライス上の梗塞区域を「間接的方法」を使用してNIHイメージ (イメージJ) により決定して (無傷の対側[左]半球の区域 - 同側[右]半球の無傷領域の区域) 脳水腫について補正した (Jiang 他、1996) 。次いで梗塞区域をスライス間で合計し、スライスの厚さを掛けて合計の梗塞体積を得て、これを無傷の対側半球体積の百分率として表した。
【0214】
アリモクロモル、イロキサナジンおよび陰性対照に関してブラインドである研究者により、実験は実施された。投与法が異なるために、bFGFのグループはブラインドとすることができなかった。すべてのデータは平均±S.E.M. として表した。挙動および体重のデータはANOVA (処置X時間) の反復測定により分析した。すべてのグループを含む全体のANOVAについての正のF値は、グループ間でANOVAをペアとなすことができた。梗塞体積のデータを一方向ANOVAにより分析した。下記の図面において: * = ベヒクル処置グループと<0.05だけ異なる; ** = ベヒクル処置グループとp<0.01だけ異なる; *** = ベヒクル処置グループとp<0.001だけ異なる。アリモクロモルについての結果を図1、図2および図3に示す。
【0215】
図1は前足配置試験の結果を示す。bFGFのグループ、陽性対照における回復は、期待するように、ベヒクルのグループより優れていた (p<0.01) 。アリモクロモルのグループにおける回復は、すべての時点において、ベヒクルのグループより優れていた (p<0.05) 。ベヒクルのグループに比較して、イロキサナジンのグループにおいて回復の増進の有意でない傾向が存在した。初期の時点 (すなわち、第1日、第3日および第7日) における回復のスコアはベヒクルのグループのそれらよりも優れ、発作からの回復の初期段階におけるイロキサナジンの確かな有効性を示すが、改善は遅延し、閉塞事象からはなれた時点において持続されなかった。
【0216】
図2は後足配置試験の結果を示す。bFGFのグループ、陽性対照、における回復は、ベヒクルのグループより優れていた (p<0.001) 。前足配置試験の結果と同様に、アリモクロモルのグループにおける回復はすべての時点においてベヒクルのグループより優れ (p<0.001) 、発作からの回復を高めるアリモクロモルの連続した有効性を示す。イロキサナジンのグループにおける回復は、ベヒクルのグループより優れていた (p<0.01) 。イロキサナジンのグループについての回復スコアは改善し続けたが、閉塞事象後からより多くの時間が経過したので、アリモクロモルのグループまたは陽性対照グループよりも速度が低かった。
【0217】
図3は体スイング試験の結果を示す。bFGFのグループにおける回復は、ベヒクルのグループより優れていた (p<0.05) 。アリモクロモルのグループにおける回復は、ベヒクルのグループより優れていた (p<0.01) 。ベヒクルのグループに比較して、アリモクロモルのグループにおける回復の増進の有意でない傾向が存在した。
【0218】
図4は異なるグループ間で体重の有意差が存在しないことを示し、そして図5は梗塞サイズが変化しなかったことを示す。
試験動物の体重において有意な変化は存在せず、そして試験動物の脳の梗塞体積において有意な変化は存在しなかった。表1参照。
【0219】
【表1】

【0220】
結論すると、有意差は4つのグループ間で神経学的回復において見られた。すべての挙動試験 (前足配置試験、後足配置試験および体スイング試験) において、アリモクロモルのグループおよびbFGFのグループはベヒクルに比較して回収の有意な増進を示した。イロキサナジン処置グループは、後足配置試験において回復の有意な増進を示し、そして前足配置試験および体スイング試験において回復の増進に向かう傾向を示した。グループ間に体重または梗塞体積において、有意差は存在しなかった。これらの結果は、アリモクロモル処置およびイロキサナジン処置の動物における知覚運動の回復の増進を示す。前足配置試験および後足配置試験は知覚運動皮質の機能回復を反映するが、体スイング試験は層組織の機能回復を反映する。
【0221】
全体として、これらの結果が示すように、アリモクロモルおよびイロキサナジン、および共通の構造的要素を共有する化合物およびこれらのヒドロキシルアミン誘導体に構造的に関係しかつ機能的に同等である化合物は、発作後の知覚運動の機能回復を増進する薬物として有効である。回復の時間経過により示されるように、すべての試験時点において改善された回復スコアを示したアリモクロモル、および初期の試験時点において回復を増進する傾向があったイロキサナジンの各々は、閉塞事象後の異なる時点においてその効果を発揮することができる。したがって、これらの2つの化合物を使用する組合わせ療法は加法的効果または相乗的効果を有することができ、イロキサナジンは閉塞後の初期の時点、例えば、第7日まで回復を促進し、そしてアリモクロモルは閉塞後またはその後の第7日から第28日までにおいて連続的改善を提供することができる。
【0222】
実施例2アリモクロモルを投与するラットにおけるMCA閉塞後の機能回復 - 投与量の研究
各体重300〜400 gの50匹の雄スプレイグ・ダウレイ(Sprague Dawley)ラットを実施例1に記載するように麻酔下に手術してMCA閉塞をつくり、そして各10匹の動物の5グループに分割する。各グループに閉塞後第1日に出発してアリモクロモルを1日1回35日間25 mg/kg/日、50 mg/kg/日、100 mg/kg/日または200 mg/kg/日の投与量で経口投与した。1つのグループはベヒクルのみを投与する対照グループである。
【0223】
動物を手術前 (第1日) に、次いで手術後7日毎(7、14、21、28および35日) に前足配置試験、後足配置試験および体スイング試験により評価し、そして実施例1に記載するようにスコアを付けた。
【0224】
MCAO後第35日に、対照グループおよび最高投与量を与えたグループのラットを殺し、実施例1におけるように脳を評価した。他のグループのラットを殺し、脳を取出し、それ以上の分析のために瞬間凍結させた。
【0225】
図10、図11および図12に示す前足配置試験、後足配置試験および体スイング試験についての結果により、アリモクロモルの50、100および200 mg/kg/日の投与量で開始する挙動スコアの有意な投与量に関係する改善が存在したことが例示される。ベヒクルの対照グループと25 mg/kg/日の投与量のグループとの間に有意差は示されなかった。これらの3つの試験の結果は実施例1および実施例3における結果を独立して確証し、アリモクロモルは50〜200 mg/kg/日の範囲の投与量において発作回復モデルにおいて有効であることを示し、200 mg/kg/日はこの研究において最大有効投与量である。さらに、体重または梗塞体積における変化は観察されなかった。これは実施例1および実施例4における結果に類似した。
【0226】
実施例3イロキサナジンを投与するラットにおけるMCA閉塞後の機能回復 - 投与量の研究
治療剤としてイロキサナジンを使用して実施例2をまた実施し、ただしより高い投与量の50 mg/kg/日、100 mg/kg/日、200 mg/kg/日または400 mg/kg/日を1日1回35日間使用する。実施例1の結果は、所定の投与量下にイロキサナジンを投与した動物において改善された回復の有意な傾向は存在しなかったことを示した。この実施例は、発作からの回復の増進におけるイロキサナジンの効能をより明瞭に示すことが期待される。
【0227】
実施例4アリモクロモルを投与するラットにおけるMCA閉塞後の機能回復 - 治療ウィンドウ
各体重300〜400 gの50匹の雄スプレイグ・ダウレイ(Sprague Dawley)ラットを実施例1に記載するように麻酔下に手術してMCA閉塞をつくり、そして各10匹の動物の5グループに分割する。各グループに閉塞後6、12、24および48時間にアリモクロモルを200 mg/kg/日の投与量で1日1回35日間経口投与する。1つのグループは対照グループであり、6時間にベヒクルのみを投与する。実施例2に記載するように、動物を評価する。
【0228】
図6は、ラットにアリモクロモルを投与した後の前足配置試験の結果を示す。実施例1に記載する実験結果と一致して、閉塞後種々の時点においてアリモクロモルを投与されたすべてのグループにおける回復はベヒクルのグループより優れていた。処置グループの各々についての回復の時間経過にわたる結果は、ベヒクルのグループより優れていた (ANOVA、p<0.06) 。回復は有意であり、閉塞後最初の時間48時間にアリモクロモルを投与したときでさえ、持続された; しかしながら、これらの条件下のこれらの実験において、回復は発作後6時間にアリモクロモルを投与されたグループにおいてより優れていた。これらの結果が示唆するように、アリモクロモル治療機構は発作回復プロセスの初期および後期の両方の時間において働くことができる。
【0229】
図7は、アリモクロモル投与後の後足配置試験の結果を示す。前足配置試験の結果と同様に、各アリモクロモルで処置したグループにおける回復の時間経過はベヒクルのグループより優れ (ANOVA、p<0.001) 、発作からの回復を増進させるアリモクロモルの連続した有効性を示す。アリモクロモルの最初の投与が閉塞後6、12、24または48時間であるかどうかに無関係に、処置したグループ間に統計的差は存在せず、閉塞から、少なくとも48時間までの、長い時間後に投与したときでさえ、アリモクロモルは回復の促進において高度に有効であることが示される。
【0230】
図8は、アリモクロモル投与後の体スイング試験の結果を示す。すべてのアリモクロモルのグループにおける回復は、回復時間経過にわたってベヒクルのグループより優れていた (ANOVA、p<0.03) 。閉塞後48時間にアリモクロモルを投与されたグループの回復は、閉塞後第21日までおよびそれを含む時点について、閉塞後6時間にアリモクロモルを投与されたグループと区別できなかった。これらの条件下のこれらの実験において、閉塞後6時間にアリモクロモルを投与されたグループは21日後に改善された行動を示し続けたが、他のグループは漸減した。この結果が示唆するように、アリモクロモル治療機構は発作回復プロセスの初期および後期の両方の時間において働くことができ、そしてアリモクロモルの初期の効果は回復プロセスの後期でさえ陽性の効果をもち続けることができる。
図9は、異なるグループ間に体重の有意差が存在しなかったことを示す。
【0231】
実施例5イロキサナジンを投与したラットにおけるMCA閉塞後の機能回復 - 時間経過
また、実施例4の実験は治療剤としてイロキサナジンを使用して実施する。結果は、現在入手可能な治療剤よりも遅い時間におけるイロキサナジンの効能を示すことが期待される。
【0232】
実施例6アリモクロモルとイロキサナジンとの組合わせを投与したラットにおけるMCA閉塞後の機能回復
イロキサナジンおよびアリモクロモルの両方を投与して、実施例2〜5に記載する実験を実施する。結果は、互いとの化合物の干渉を示さず、そして2つの治療化合物の少なくとも加法的効果および多分相乗的効果を示すことが期待される。
【0233】
実施例7化合物2を投与したアレチネズミにおける一時的全体的大脳虚血の損傷からの神経保護
体重60〜80 gの成体の雄モンゴルアレチネズミに、外科手術前に50 mg/kgの化合物2を腹腔内投与して、一時的全体的大脳虚血を誘発した。アレチネズミを70% N2Oと30% O2との気体混合物中の2%ハロタンで麻酔下に手術し、次いで1%ハロタン下に維持して頸動脈を外科的に露出し、5分間締付けて、脳への血流を妨害した。5分後、締付けを除去し、再潅流を発生させた。GuptaおよびSharma、Biol. Pharm. Bull. 29 (5) 957-961 (2006) に本質的に説明されているように、Y迷路試験より運動性および自発的変更についてアレチネズミを評価し、そして再潅流後4日に断頭して、海馬CA-1区域における神経生存について組織学的に評価した。
【0234】
2つの実験において、化合物2は神経保護効果を示し、担体のみを投与した対照グループに比較して、試験グループにおけるアレチネズミが改善された結果を示すことができるようにした。
【0235】
実施例8実験的心臓虚血/再潅流を経験するラットにおける化合物2の保護作用
当業者に知られている標準的心臓虚血/再潅流モデル前に化合物2を投与したとき、ラットは心室不整脈期間を有意に短縮しそして全生存率を有意に増加した。
【0236】
実施例9細胞障害性低酸素下のマウスにおける化合物2の保護作用
化合物2を投与したマウスは、シアン化水素中毒により誘導されるストレス (細胞障害性低酸素) の条件下に生存時間を有意に増加した。細胞障害性低酸素は標準プロトコルにより誘導した。化合物2は明白に毒性ではなく、マウスにおいて約1000 mg/kgのLD50を有した。別に、化合物2を試験し、標準細菌逆突然変異アッセイにおいて突然変異誘発性ではないことが見出された。
【0237】
実施例10酸素/グルコース遮断後のラット皮質ニューロンのレスキュー
10.1 細胞培養
E18ウィスター系ラット胚 (National Animal Center、フィンランド、クオピオ) から、混合皮質培養物を調製した。皮質を切り裂き、そして組織を小片に切断した。DNアーゼおよびパパインと15分間インキュベートすることによって、細胞を分離した。細胞を遠心分離 (1500 rpm、5分) により収集した。組織をピペットでつき砕き、そして細胞をポリ-L-リシン被覆48ウェルのプレート上に置いた (300,000細胞/cm2; 2 mMグルタミン、0.1μg/ml ゲンタマイシン、10% 熱不活性化胎仔ウシ血清 (FBS-HI) および10% 熱不活性化ウマ血清 (HS-HI) を補充したMEM (2 g/l グルコース) 中の) 。
【0238】
3〜4時間後、培地をMEM (2 g/l グルコース) に交換し、2 mMグルタミン、0.1μg/ml ゲンタマイシンおよび5% FS-HIを補充した。3日in vitro後、グルタミン、ゲンタマイシンおよび各5%のFSB-HIおよびHS-HI血清を補充したMEM (2 g/l グルコース) を含有する培地中に細胞を移した。第6日in vitro に、シトシンアラビノシド (10 μMの最終濃度) を24時間添加することによって、好ましくない細胞分裂を抑制した。グルタミン、ゲンタマイシンおよび5% HS-HI血清を補充したMEM (2 g/l グルコース) に培養物を移した後、さらに実験を実施した。
【0239】
10.2 酸素グルコース遮断 (OGD)
健康な外観を有する細胞を含有するウェルを、第10日in vitroに実験のために選択した。アリモクロモルを平衡塩溶液中に希釈した。全神経死の対照として、300μM NMDAを24時間使用し、そして酸素およびグルコースを培養物から5時間除去して、ほぼ30〜60%の細胞死を誘導した。培地のみで処理し、酸素正常状態の条件下にインキュベートしたウェルをゼロ対照として使用した。OGDの開始後1時間に、アリモクロモルを0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20および50μMの濃度でウェルに添加した。細胞を再びフラッシュし、4時間後、培地を取出し、化合物を含有する正常培地をピペットでウェルに入れ、そしてプレートを酸素正常状態のインキュベーターの中にさらに20時間入れた。
【0240】
10.3 LDH放出による細胞死の評価
24時間後、存在しうる細胞破片を遠心分離 (13,000 rpm、3分) により除去した。培地の2つの100 mlのアリコートをピペットでマイクロタイタープレートに入れ、等しい量のLDH試薬をウェルの中にピペットで入れた。ムルチスカン (Multiskan) ELISAリーダー (Labsystems、フィンランド) 中で3分の反応速度論的測定プロトコルを使用して、340 nmにおける吸収を直ちに測定した。吸収/分の変化を決定し、これは放出されたLDH (= 細胞死) に直接比例する。
【0241】
図14は酸素グルコース遮断 (OGD) において、0.2μMを除外したアリモクロモルのすべての濃度は、酸素およびグルコースの遮断の開始後1時間に細胞に投与したとき、LDH放出により測定して、OGDに対して保護的であった。
【0242】
実施例11ラットにおける薬物速度論的データ
薬物速度論的研究は、1つの対照グループおよび3つの投与したグループ (200 mg/kg/日、400 mg/kg/日および900 mg/kg/日) を6ヶ月間含んだ。対照グループおよび3つの投与したグループ (n = 96匹の動物/性別/グループ) を6ヶ月間胃管栄養によりベヒクルおよび適当な濃度のアリモクロモルで経口処置した。血液試料を3匹の動物から8時点 - 0 (投与前) 時間、投与後0.5、1、2、4、8、12および24時間において - 雄について第0日、第27日、第89日および第180日にそして雌について第0日、第27日、第89日および第181日に収集した。アリモクロモルの血清濃度をHPLCにより測定した。ウィンノンリン (WinNonlin) v5.0.1薬物速度論的ソフトウェアを使用して、薬物速度論的パラメーター (AUCおよびCmax) を推定した。図15は、200 mg/kg/日の経口投与後27日における平均AUCおよびCmax値を示す。
【0243】
実施例12ヒトにおける薬物速度論的臨床的研究
二重盲検およびプラシーボ調節臨床的研究において、7人の健康なヒトボランディアに400 mg t.i.d. 投与量 (1200 mg/日) を経口投与した。ECG、生命の徴候、臨床化学的または物理的検査 (体重を含む) について、臨床的異常性または変化は観測されなかった。図15が示すように、200 mg/kg/日のラットPK研究における暴露レベルはヒトボランディアにおいて安全に達成可能である。
【0244】
図16が示すように、増加する投与量のアリモクロモルを使用して経口投与後3および6時間に脳脊髄液 (CSF) を測定することにより、アリモクロモルはヒト血液脳関門を貫通することが理解される。
【0245】
この出願のいずれかの場所において引用した特許、特許出願、特許公報または科学論文の内容は引用することによって本明細書の一部とされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発作の治療を必要とする被検体に有効量の化合物を投与し、これにより発作に関連する症候を減少しまたは防止することを含んでなる発作を治療する方法、ここで前記化合物は次の通りである: 式 (I)、式 (II) または式 (I’) により表されるヒドロキシルアミン誘導体の1または2以上またはそれらの塩またはそれらの光学的に活性な立体異性体:
【化1】

式中
Aはアルキル、置換アルキル、アラルキル、アリール部分および/またはアルキル部分において置換されたアラルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリール基であり、
Zは共有結合、酸素または =NR3であり、式中R3は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキルおよびアリール部分および/またはアルキル部分において置換されたアラルキルから成る群から選択され、
Rはアルキルまたは置換アルキルであり、
Xは、式 (I) の互変異性体において、ハロまたは置換ヒドロキシまたはアミノ、1置換アミノまたは2置換アミノ基であり、そして
Xは、式 (II) の互変異性体において、酸素、イミノまたは置換イミノ基であり、そして
R’ は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アリール部分または置換アルキル部分を有するアラルキル、アシルまたは置換アシル基である、
および式 (I”)
【化2】

の分子内環構造を必要に応じて含有する式 (I) の化合物。
【請求項2】
化合物が式 (I) により表され、式中
Rはアルキルまたは置換アルキルであり、そして
(a) Zは共有結合であり、そしてXはハロゲンであるか、あるいは
(b) Zは共有結合であり、そしてXは置換ヒドロキシ基-OQであり、式中Qは炭化水素であるか、あるいは
(c) Zは共有結合であり、そしてXは-NR1R2であり、式中
R1およびR2は独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキル、置換直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであるか、あるいは
R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、3〜7員を含有する飽和環を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Rが1または2以上のアミノ基またはアルキル基上で置換されていてもよいω-アミノ-アルキルであり、そしてアルキル鎖は3〜8個の炭素原子を含有し、直鎖状または分枝鎖状であり、ヒドロキシまたはアシルオキシで置換されることができる、請求項2の方法。
【請求項4】
Rがアミノ上で1または2置換されたω-アミノ-アルキルであり、ここでアミノ置換基は、互いに独立して、1つまたは2つの直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであるか、あるいは2つのアミノ置換基は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、3〜7員の飽和ヘテロ環を形成し、前記ヘテロ環は追加の1または2以上の異種原子を含有することができる、請求項2または3の方法。
【請求項5】
Zが化学結合であり、Xがハロであり、そしてAがアラルキル、1または2以上のアリール部分またはアルキル部分において置換されたアラルキル、アリール、置換アリールまたはヘテロアリールである、請求項2の方法。
【請求項6】
Aが (a) 非置換フェニルアルキルまたは1または2以上のアルコキシ置換基を有することができる置換フェニルアルキル、(b) フェニル、(c) 1または2以上のハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルまたはニトロで置換されたフェニル、(d) ナフチル、(e) ベンゼン環と縮合できるN含有ヘテロアリール、または (f) S含有またはO含有ヘテロアリールである、請求項5の方法。
【請求項7】
Zが化学結合であり、そしてXが式-OQの置換ヒドロキシであり、式中Qは直鎖状または分枝鎖状であり、そしてQは非置換または置換アルキル、非置換アラルキル、または1または2以上のアリール部分またはアルキル部分において置換されたアラルキルであり、そしてAがヘテロアリールである、請求項2の方法。
【請求項8】
Zが化学結合であり、Xが-NR1R2であり、式中R1およびR2は独立してH、直鎖状または分枝鎖状非置換アルキル、置換直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであるか、あるいはR1およびR2は、それらに隣接するN原子と一緒になって、3〜7員飽和環を形成し、そしてAがアラルキル、アリール部分またはアルキル部分の一方または両方において置換されたアラルキル、非置換または置換アリール、またはヘテロアリールである、請求項2の方法。
【請求項9】
Aが (a) フェニルアルキル、(b) フェニル部分において1または2以上の置換基を有していてもよいフェニルアルキル、(c) フェニル、(d) 1または2以上のアルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロまたはアシルアミノで置換されたフェニル、(e) ナフチル、(f) ベンゼン環と縮合できるN含有ヘテロアリールまたは (g) S含有またはO含有ヘテロアリールである、請求項8の方法。
【請求項10】
化合物が式 (I)
【化3】

により表される、請求項1の方法:
式中
a) Xはハロであり、Zは化学結合であり、そして
a1) Aは式 (a)
【化4】

の基であり、式中Y1はハロ、アルコキシ、ハロアルキルまたはニトロであり、そしてnは1、2または3であるか、あるいはAはO含有ヘテロアリール、S含有ヘテロアリール、またはベンゼン環と縮合できるN含有ヘテロ芳香族基、またはN-C1-4アルキル第四級誘導体またはそのN-オキシドであり、
Rは式 (b)
【化5】

の基であり、式中R5およびR6は独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであるか、あるいはR5およびR6はそれらに隣接するN原子と一緒になったとき3〜7員飽和複素環式環を形成し、Y6は-OR7であり、式中R7はHまたは非置換または置換アルキルカルボニル、アリールカルボニルまたはアミノアシルであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3であるか、あるいはY6はN-C1-4アルキル第四級誘導体またはそのN-オキシドであり、
ただしAがピリジルまたは式 (a) の基であり、式中Y1がハロまたはアルコキシであるとき、R7はH以外であるか、あるいは
a2) Aは式 (c)
【化6】

の基であり、
Rは式 (d)
【化7】

の基であり、そして任意の置換基Y2およびY3は、それらの1つが分子中に存在しなくてはならず、酸素またはC1-4アルキルであり、kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3であり、そして
化合物が1価または2価のカチオンであるとき、アニオンは1つまたは2つのハロゲン化物イオンであるか、あるいは
b) Aは非置換または置換アリールまたはN含有ヘテロ芳香族基またはS含有ヘテロ芳香族基であり、
Zは化学結合であり、Xは-OQであり、式中QはC1-4アルキルであり、そしてRは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであるか、あるいはR5およびR6はそれらに隣接するN原子と一緒になったとき3〜7員飽和複素環式環を形成し、
Y6はHであり、
kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。
【請求項11】
Aが式 (a) の基であり、そしてY1がC1-4ハロアルキルである、請求項10の方法。
【請求項12】
化合物がヒドロキシルアミン誘導体の光学的に活性な立体異性体である、請求項10の方法:
式中
Xはハロであり、
Zは化学結合であり、そして
Rは式 (b) の基であり、式中R5およびR6は独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであるか、あるいはR5およびR6はそれらに隣接するN原子と一緒になったとき3〜7員飽和複素環式環を形成し、
Y6は-OR7であり、式中R7はアミノアシルであり、
kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3である。
【請求項13】
化合物が式 (I) により表される、請求項1の方法:
式中
Xは-NR1R2であり、式中R1およびR2は独立してH、非置換または置換直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであるか、あるいはR1およびR2はそれらが結合するN原子と一緒になったとき3〜7員ヘテロ環を形成し、
Aは非置換フェニルアルキル、1または2以上のアルコキシで置換された置換フェニルアルキル、フェニル、1または2以上のハロ、アルキル、ハロアルキル、アシルアミノまたはニトロで置換されたフェニル、ベンゼン環と縮合できる非置換または置換N含有ヘテロ芳香族基またはS含有ヘテロアリールであり、ここで異種原子は1または2以上のアルキル置換基を有することができ、
Zは化学結合であり、そして
Rは式 (e)
【化8】

の基であり、式中R5およびR6は独立してH、直鎖状または分枝鎖状アルキルまたはシクロアルキルであるか、あるいは
R5およびR6はそれらに隣接するN原子と一緒になったとき3〜7員飽和複素環式環を形成し、前記環は追加の1または2以上の異種原子および必要に応じて1または2以上のC1-4アルキル置換基を有することができ、
Y4はHまたは非置換または置換C1-4アルキルであり、
Y5はHまたは非置換または置換C1-4アルキルまたは-OR7であり、式中R7はHまたはアシルであり、
kは1、2または3であり、そしてmは1、2または3であり、
ただしR7がHであるとき、R1およびR2の少なくとも1つはH以外であり、そしてR1およびR2の各々がHであるとき、R7はH以外である。
【請求項14】
従属的なパラグラフ (a) において、Aがフリル、チエニル、ピリジル、キノリルまたはイソキノリルである、請求項10の方法。
【請求項15】
従属的なパラグラフ (b) において、Aがフェニルまたはピリジルである、請求項10の方法。
【請求項16】
Aがピロリル、ピリジル、イソキノリル、キノリルまたはチエニルである、請求項13の方法。
【請求項17】
化合物がN-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]-3-ピリジン-カルボキシイミドイル-クロライド (ビモクロモル) 、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロライド (アリモクロモル) 、N-[3-(1,1-ジメチルエチル)アミノ-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-トリフルオロメチルベンゼン-カルボキシイミドイルクロライドおよび5,6-ジヒドロ-5-(1-ピペリジニル)-メチル-3-(3-ピリジル)-4H-1,2,4-オキサジアジン (イロキサナジン) またはそれらの薬学上許容される塩またはそれらの光学的に活性な立体異性体である、請求項1の方法。
【請求項18】
化合物がN-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロライド (アリモクロモル) またはそれらの薬学上許容される塩またはそれらの光学的に活性な立体異性体である、請求項17の方法。
【請求項19】
発作が発生した少なくとも1時間後に化合物を投与する、請求項17または18の方法。
【請求項20】
発作が発生した少なくとも6時間後に化合物を投与する、請求項19の方法。
【請求項21】
発作が発生した少なくとも24時間後に化合物を投与する、請求項20の方法。
【請求項22】
発作が発生した少なくとも72時間後に化合物を投与する、請求項21の方法。
【請求項23】
追加の治療剤をさらに投与することを含んでなる、請求項17の方法。
【請求項24】
第2ヒドロキシルアミン誘導体をさらに投与することを含んでなる、請求項17の方法。
【請求項25】
ヒドロキシルアミン誘導体がアリモクロモルであり、そして第2ヒドロキシルアミン誘導体がイロキサナジンである、請求項24の方法。
【請求項26】
追加の治療剤が抗炎症剤、酸素基スカベンジャー、解熱剤、抗血栓剤 (抗血小板剤および抗凝固剤) 、血栓崩壊剤および神経保護剤から成る群から選択される、請求項23の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2010−511622(P2010−511622A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539359(P2009−539359)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/024711
【国際公開番号】WO2008/070010
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(506149900)シトルックス コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】