説明

発信の際車両の運転者を支援する非常制動支援システム

本発明は、 発進の際車両の運転者を支援する非常制動支援システム(10)であって、車両の前の物体を検出する周辺センサ装置(14)のデータ及び運転者の加速願望を検出する加速ペダルセンサ装置(16)のデータに基いて、車両の前の物体との衝突の危険を認識するように構成されている衝突危険認識装置(12)、及び衝突危険認識装置のデータに関係して、車両の前の物体との切迫した衝突を回避する方策を実行するように構成されている衝突回避装置(18)を有し、運転者による加速願望を検出する際、所定の速度閾値より低い車両速度では、安全構想の中断条件及び作動抑制条件の停止を一時的に所定期間行うように、非常制動支援システム(10)が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の発進の際車両の運転者を支援する非常制動支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている周辺センサ装置に基く非常制動支援システム(EBA)は、車両が全く反応しないか又は遅すぎて反応するか又は誤って反応する発進状況において、車両の運転者を支援する。支援は、視覚、音響及び/又は触覚の警報の作動により、(一部)自動的な制動介入により、又は制動介入中に、運転者によって行うことができる。
【0003】
このようなシステムが一般に動作する速度範囲は、典型的に30km/hである(衝突緩和制動システムCMS、制動による衝突緩和CMBB、自動車製造者本田の衝突緩和制動システムCMBS)。
【0004】
自動車製造者メルセデスベンツのSクラスで使用されるプレセーフブレーキ、又は自動車製造者ボルボ(例えばモデルXC60)により提供されて約0km/h〜約30km/hで動作する安全システム(シティセイフティ)のように、既に約0km/hから動作するシステムも最近提供されている。
【0005】
非常制動支援システムのシステム設計における主要点は、誤作動の回避及び処理である。誤作動は、周辺センサ装置及び周辺解釈の不足のため排除できない。特に周辺センサ装置の信号品質が、通常品質管理としてのみ、即ちISO26262により安全に関連していないものとして、ただしせいぜいISO26262によるASIL(自動車安全保全レベル)段階Aとして分類されているからである。
【0006】
誤作動は、特に低い速度の場合使用される周辺センサ装置に関係して信号を与えることがある。更に使用される周辺センサ装置に関係して、先駆的に動かない物体が問題を生じ、誤始動の原因を示す。これは、特に現在通常非常制動支援システムのために使用されるレーダセンサ装置に当てはまる。
【0007】
非常制動支援システムの作動構想及び中断構想へ、運転者の反応及びかじ取り、点滅、制動及び加速のような動作も含まれる。
【0008】
更に別の安全構想は、中断願望又は作動願望に由来しないことがある交通状況を認識する際、作動を中断又は抑制せねばならないことである。この安全目標は、SIL(安全保全レベル)規格によるSIL3又はASIL段階Dにより評価され、専門的に認められる。作動の中断及び抑制は、原則的に運転者が加速ペダルを正の方向に操作する時に行われる。運転者の加速及び発進の願望は、特にいわゆるキックダウンの場合(運転者が加速ペダルを完全に踏込む場合)、“非制動願望”と解釈される。このため通常加速ペダル操作の勾配及び/又は絶対値が、解釈閾値により評価される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
さて本発明の課題は、発進の際車両の運転者を支援する非常制動支援システムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1の特徴を持つ、発進の際車両の運転者を支援する非常制動支援システムによって解決される。本発明のそれ以外の構成は従属請求項からわかる。
【0011】
本発明の主要な考えは、運転者のための非常制動支援を加速の際にも行うことである。最初に述べたように、従来の非常制動支援構想では、加速により一般に非常制動支援機能の作動が停止されるか又は抑制され、運転者が例えば交通状況を誤って評価して例えば加速ペダルを操作する時、前述した停止又は抑制は、発進の際欠点となることがあるけれども、運転者の車両の前にある車両が停止しているか制動しているか又は自己の車両より強く加速されていないので、追突事故を起こすことがあることを、見通す。このような交通状況は、例えば加速車線が存在しない自動車道路上の建築現場範囲にしばしば存在する。このような状況では、運転者は目標車線上の後から来る車両及び運転者の車両の前を走行する車両を同時に判断せねばならない。この場合急速な加速がしばしば必要であり、それが高度の適応及び欠陥を生じることがある。自己車両の運転者及び先行車両の運転者は、この状況を時々異なるように解釈し、自己車両の運転者は大抵の場合先行車両の加速を前提にする。そうでない場合、又は先行車両が突然その加速を中断する場合、追突事故が起こることがある。ここで、運転者を支援するため、衝突の危険を周辺センサ装置及び加速ペダルセンサ装置のデータに基いて認識し、切迫した衝突を回避する1つ又は複数の方策を実行することによって、本発明は、救済策を講じる。この場合発進は、停止又は低い車両速度からの加速と定義されている。本発明は、特に(ISO26262による機能的安全要求を満たすための)フェイルセーフの理由から、従来技術から公知の従来のシステムによっては覆われない発進時の追突の上述した事故状況に向けられる。
【0012】
さて本発明は、1つの実施形態によれば、
発進の際車両の運転者を支援する非常制動支援システムに関し、
車両の前の物体を検出する周辺センサ装置のデータ及び運転者の加速願望を検出する加速ペダルセンサ装置のデータに基いて、車両の前の物体との衝突の危険を認識するように構成されている衝突危険認識装置、及び
衝突危険認識装置のデータに関係して、車両の前の物体との切迫した衝突を回避する方策を実行するように構成されている衝突回避装置を有し、
運転者による加速願望を検出する際、所定の速度閾値より低い車両速度では、安全構想の中断条件及び作動抑制条件の停止を一時的に所定期間行うように、非常制動支援システムが構成されている。
【0013】
これにより本発明による非常制動支援機能は、加速願望を知ると非常制動支援機能を停止又は抑制する現存の安全構想と共に、安全構想を一般に危うくしたり全く無視することなく、作動可能である。
【0014】
加速ペダルセンサ装置のデータに基いて、適応可能な期間内に車両加速度を評価し、
評価される車両加速度が物体との衝突を予想させる場合、車両の前の物体との衝突の危険を認識するように、
衝突危険認識装置が構成されている。
【0015】
周辺センサ装置及び加速ペダルセンサ装置のデータに基いて、衝突までの時間ttc、必要な制動操作までの時間ttb、必要なかじ取り操作までの時間tts、及び/又は衝突を回避するために必要な減速度a_necを計算し、
これらの計算される値の1つ又は複数により、車両の前の物体との衝突の危険を評価するように、
衝突認識装置が構成されている。
【0016】
車両の前の物体との切迫した衝突を回避するための方策として、次の動作の1つ又は複数
特に自発的な速くかつ時間的に限定される制動介入のため電子制動システムを駆動する制動介入信号の出力、
特に加速願望の時間的に限定される抑制のため機関制御装置を駆動する加速阻止信号の出力、
運転者に対する視覚、音響及び/又は触覚警報の出力
を実行するように、衝突回避装置が構成されている。
【0017】
更に衝突回避装置が、可変勾配を持ちかつ可変目標減速側に最大に可能な減速のための制動介入信号を出力するように構成されている。
【0018】
システムが、運転者による加速願望の検出の際、安全構想の中断条件及び作動抑制条件を停止する作動停止信号を、所定の期間一時的に特に約1〜3秒間出力するように構成されている。
【0019】
更にシステムが、車両が停止しているか、又は
車両速度が所定の速度閾値より低く、車両の加速度が負でない時にのみ、
作動停止信号を出力するように構成されている。
【0020】
最後にシステムが、車両の負の加速度が存在する時、作動停止信号を出力しないように構成されている。
【0021】
本発明のそれ以外の利点及び適用可能性は、図面に示される実施例に関する以下の説明から明らかになる。
【0022】
明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面において、後述する符号の簡単な説明で使用される概念及び符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 本発明による非常制動支援システムの実施例のブロック線図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下同じか又は機能的に同じ素子は同じ符号を付けられている。以下に示される絶対値及び尺度は例示的な値を示すに過ぎず、このような大きさへの発明の限定を示すものではない。
【0025】
図1には、衝突危険認識装置12及び衝突回避装置18を持つ非常制動支援システム10が示されている。システム10は例えば電子制御装置(ECU)の形又はECUへ組込むための集積回路の形でも構成することができる。システムの両方の装置12及び18は種々のやり方で構成することができ、例えば別々の集積回路として、1つの集積回路において機能モジュールとして、又はECUの強力なプロセッサにより構成される非常制動支援プログラムのプログラムモジュールとして構成して、本発明による非常制動支援機能を果たすことができる。
【0026】
非常制動支援システム10に、非常制動支援システム10が使用される車両の現在の加速度ax及び現在の速度vxが供給される。更に非常制動支援システム10、もっと詳細に言えば衝突危険認識装置12が、車両の周辺センサ装置14及び加速ペダルセンサ装置16に接続されて、これら両方のセンサ装置からデータを受ける。
【0027】
非常制動支援システム10は、例えばTHZ(タンデム主シリンダ)又はBLS(制動灯開閉器)の制動ペダルセンサ装置、かじ取りハンドルセンサ装置、車輪回転数センサ装置、特にESC(電子安定性制御装置)の慣性センサ装置の信号のような別のセンサ装置の信号を受けて処理するように構成される。
【0028】
周辺センサ装置14は車両の正面に設けられて、車両の前の範囲及びこの範囲にある物体例えば先行車両を検出する。周辺センサ装置14として、例えばレーダ、ライダ、超音波センサ装置のような運転者支援システムの慣用のセンサ装置を使用することができる。
【0029】
更に非常制動支援システム10は、周辺センサ装置14及び加速ペダルセンサ装置16の受信されるデータに関係して、加速阻止信号24及び作動停止信号34を発生して出力するように構成されている。制動介入信号20は例えば車両バスシステムを介して電子制動システム22に供給されて、自発的な制動圧力確立のためにこの電子制動システム22を駆動する。加速阻止信号24は例えば車両バスシステムを介して機関制御装置26へ供給されて、運転者により望まれる加速を阻止することができる。作動停止信号34は、運転者による加速願望を検出すると、所定期間一時的に、安全構想の中断条件及び作動抑制条件を停止するために用いられる。この安全構想は、比較的徐々に先行する車両又は停止している物体へ追突する際、例えば非常制動支援機能により意図され、特に運転者が加速ペダル踏込みにより追突事故を生じるのを阻止するようにする。それが、最初に述べたように、特定の状況において、発進の場合のようにめんどうであり、従って短い期間であっても、停止されるようにする。
【0030】
最後に非常制動支援システム10は、視覚、音響及び触覚警報28,30又は32を出力するように構成されている。視覚警報28は、例えば車両の計器盤にある警報表示の照明によって行い、音響警報30は明らかに知覚可能な警報音によって行い、触覚警報32は例えばかじ取りハンドル又は加速ペダルの振動の発生によって行うことができる。
【0031】
信号20,24,28及び30を発生する周辺センサ装置14及び加速ペダルセンサ装置16のデータが衝突危険認識装置12及び衝突回避装置18によってどのように処理されるかが、以下詳細に説明される。
【0032】
このため衝突危険認識装置12は、周辺センサ装置14の監視範囲に物体特に先行車両が存在するか否かについて、周辺センサ装置14のデータを評価する。更に衝突危険認識装置12は、加速ペダルセンサ装置16が運転者の加速願望を通報しているか否かについて、加速ペダルセンサ装置16のデータを評価する。先行車両が検出され、加速願望があると、衝突危険認識装置12は、適応可能な期間中に加速ペダルセンサ装置16のデータにより、予想される車両加速度を計算する。このように予測される車両加速度は、適応可能な期間中連続して実現化される。予測される車両加速度が先行車両との衝突を予想させると、衝突危険認識装置12が衝突の危険を認識する。更に衝突危険認識装置12は、周辺センサ装置14のデータ及び予測される車両加速度のデータから
先行車両との衝突までの時間ttc、
先行車両との切迫した衝突を回避するため、必要な制動操作までの時間ttb、
先行車両との切迫した衝突を回避するため、必要なかじ取り操作までの時間tts及び/又は
衝突を回避するために必要な減速度a_nec
を計算する。
【0033】
衝突の危険が認識されると、衝突危険認識装置12がこれを衝突回避装置18へ通報する。更に値ttc,ttb,tts及びa_necが衝突回避装置18へ伝送される。
【0034】
衝突回避装置18は、受信される値により、電子制動システム22による速くかつ時間的に限定された自発的制動介入を計算し、制動システム22へ出力される適当な制動介入信号20を発生する。更に衝突回避装置18は、機関制御装置26へ出力される加速阻止信号24を発生する。電子制動システム22は、制動介入信号20の受信後、適当な制動圧力を車両の制動機に確立して、衝突を回避できるように車両を減速する。機関制御装置26は、加速阻止信号24の受信後、機関が車両を加速しないように、燃料供給を制御する。更に衝突回避装置18は、運転者のために視覚、音響及び触覚警報28,30及び32を発生する。
【0035】
車両が高すぎる速度で例えば渋滞する所又は信号機の所で先行車両に接近する場合、一般に非常制動支援システム10は、車両にある別の運転者システム特に追突を回避する最初に述べた非常制動システムと共に使用される。しかし最初に述べたような非常制動システムでは、制動機の作動は、フェイルセーフの理由から、運転者による加速の際即ち加速ペダルの操作の際、無効にされるので、このような非常制動システムと本発明による非常制動支援システムとの申し分のない共同動作のために、非常制動システムの安全構想により必要な中断条件及び作動抑制条件“加速ペダルの適当な操作による運転者中断又は加速願望”が特定期間一時的に排除されるか又は抑制されることが必要であるので、本発明による非常制動支援システム10は問題なく動作することができる。一時的な排除の期間は固定的に規定されるか又は可変であってもよく、またシステム状態又は特定の交通状況の認識とは無関係であるか又はそれにより規定されてもよい。特に中断条件又は作動抑制条件の一時的な停止は、常に実現するか、又は例えば発進状況のような特定の走行条件にのみ限定して実現することができる。中断条件の一時的停止により、一般に非常制動システムのために必要な安全構想を危険にさらすことなく、本発明による非常制動支援システム10は、これらの条件において介入可能である。非常制動システムの安全構想の一時的停止の期間は、例えば1〜3秒であってもよい。しかしシステム設計に応じて、別の期間も可能である。期間の終了後、中断条件が再び作動せしめられる。誤作動の場合、運転者の加速願望又は中断願望がこの限定された期間のみ抑制され、期間の終了後直ちに転換可能である。それにより上述した状況への非常制動システムの適用可能性がかなり拡張される。
【0036】
中断条件及び作動抑制条件の一時的な停止は、常に又は特定の走行条件(例えば発進状況)に限定されてのみ実現可能である。発進状況において規定される停止による実現のために、例えば車両の停止の際又は低い速度閾値以下における発進状況が、車両の負でない加速度(減速度でない)により解釈されることによって、発進状況の認識が行われる。このため非常制動支援システム10へ、現在の縦加速度ax及び現在の縦速度vxが供給される。データax及びvxは、例えば車両バスを介して、ABS又はESPのような車両の他のECUにより利用可能にされる。条件vx<速度閾値及びax>0が満たされると、非常制動支援システム10が車両の発進状況を受入れることができる。選択的に運転者の始まる加速願望(正の加速ペダル勾配)も、特に加速ペダルセンサ装置16のデータから誘導可能で、発進状況の認識へ含めて、非常制動支援システム10による発進状況の特に信頼できる確実な認識を保証することができる。非常制動支援システム10が発進状況を認識すると、この非常制動支援システムが、中断条件及び作動抑制条件を一時的に排除する非常制動システムへ供給可能な作動停止信号34を出力して、発進の際非常制動が行われるのを回避することができる。付加的な安全基準として、標準事例において中断願号を抑制しないようにするため、非常制動状況が存在する(発進状況が存在しない)場合、中断条件又は作動抑制条件の一時的排除が行われないようにすることができる。このような場合非常制動支援システム10は作動停止信号34を出力しない。
【0037】
本発明の使用のために、標準距離レーダセンサに比べて少ない技術的要求を持つ周辺センサで十分である。なぜならば、到達距離は約1〜10mであればよいからである。例えばライダセンサ又はカメラは、本発明の目的によく適している。既に上述したように、特に例えば計器クラスタのような人間−機械インタフェースによる介入中又は介入後、運転者のために警告又はシステム介入通報を行うことができる。警報の種類は音響、視覚及び/又は触覚で行うことができ、例えば試験通信、計器における照明信号、音響警報及び/又はかじ取りハンドル、加速ペダル又は制動ペダルの振動として行うことができる。
【0038】
本発明は、特に発進の際非常制動支援機能により車両の運転者を支援するので、特に建築現場範囲のような特定の交通状況において、特に運転者の誤評価により起こることがある追突事故を防止することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 非常制動支援システム
12 衝突危険認識装置
14 周辺センサ装置
16 加速ペダルセンサ装置
18 衝突回避装置
20 制動介入信号
22 電子制動システム
24 加速阻止信号
26 機関制御装置
28 視覚警報
30 音響警報
32 触覚警報
34 作動停止信号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発進の際車両の運転者を支援する非常制動支援システム(10)であって、
車両の前の物体を検出する周辺センサ装置(14)のデータ及び運転者の加速願望を検出する加速ペダルセンサ装置(16)のデータに基いて、車両の前の物体との衝突の危険を認識するように構成されている衝突危険認識装置(12)、及び
衝突危険認識装置のデータに関係して、車両の前の物体との切迫した衝突を回避する方策を実行するように構成されている衝突回避装置(18)を有し、
運転者による加速願望を検出する際、所定の速度閾値より低い車両速度では、安全構想の中断条件及び作動抑制条件の停止を一時的に所定期間行うように、非常制動支援システム(10)が構成されている、
非常制動支援システム。
【請求項2】
加速ペダルセンサ装置のデータに基いて、適応可能な期間内に車両加速度を評価し、
評価される車両加速度が物体との衝突を予想させる場合、車両の前の物体との衝突の危険を認識するように、
衝突危険認識装置が構成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
周辺センサ装置及び加速ペダルセンサ装置のデータに基いて、衝突までの時間ttc、必要な制動操作までの時間ttb、必要なかじ取り操作までの時間tts、及び/又は衝突を回避するために必要な減速度a_necを計算し、
これらの計算される値の1つ又は複数により、車両の前の物体との衝突の危険を評価するように、
衝突認識装置が構成されている
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
車両の前の物体との切迫した衝突を回避するための方策として、次の動作の1つ又は複数
特に自発的な速くかつ時間的に限定される制動介入のため電子制動システム(22)を駆動する制動介入信号(20)の出力、
特に加速願望の時間的に限定される抑制のため機関制御装置(26)を駆動する加速素子信号(24)の出力、
運転者に対する視覚、音響及び/又は触覚警報(28,30,32)の出力
を実行するように、衝突回避装置が構成されている
ことを特徴とする、請求項1又は2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
更に衝突回避装置が、可変勾配を持ちかつ可変目標減速特に最大に可能な減速のための制動介入信号を出力するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
システムが、運転者による加速願望の検出の際、安全構想の中断条件及び作動抑制条件を停止する作動停止信号(14)を、所定の期間一時的に特に約1〜3秒間出力するように構成されていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載のシステム。
【請求項7】
更にシステムが、車両が停止しているか、又は
車両速度が所定の速度閾値より低く、車両の加速度が負でない時にのみ、
作動停止信号を出力するように構成されている
ことを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
更にシステムが、車両の負の加速度が存在する時、作動停止信号を出力しないように構成されている
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載のシステム。

【公表番号】特表2013−513526(P2013−513526A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545083(P2012−545083)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/DE2010/001420
【国際公開番号】WO2011/069489
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(509343699)コンチネンタル・テーヴエス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オツフエネハンデルスゲゼルシヤフト (9)
【Fターム(参考)】