説明

発信器を備えた筆記ペンのペンホルダ

【課題】 発信器を備えた筆記ペンと受信装置を一体化することで、筆記ペンの携帯性を向上させる。
【解決手段】 普通記入用紙上に手書きした筆跡入力信号を発信するための専用筆記ペンと、筆記ペンから発信された超音波信号や赤外線の受信器を組み込んだ受信装置とを一体化可能とした構造として、筆記ペンを簡単な操作で取り付け取り外しができ携帯可能としたことを特徴とする筆記ペン用ペンホルダ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
超音波と赤外線を発信する発信器を備えた専用の筆記ペンと、該専用の筆記ペンから発信される超音波信号と、赤外線とを受信する複数の受信器を組み込んだ受信装置を有する手書き筆跡入力装置が開発されている。この手書き筆跡入力装置は、普通記入用紙上に専用筆記ペンで筆記すると受信装置が、専用筆記ペンから発信された超音波信号と赤外線とを複数の受信器により受信し、専用筆記ペンの位置座標を計測し、座標位置を検出する。前記座標データを連続的に検出することにより、書いた文字や図形等を手書き筆跡データとして認識、記憶する装置である。
【背景技術】
【0002】
専用筆記ペンを固定する方法は、一般的に筒状や袋状の形状が多く、専用筆記ペンをペンホルダに取り付ける際に方向性があるため操作しにくいことと、携帯時に専用筆記ペンが落下しないようにするための保持機能が複雑であった。
【特許文献1】特願平11−144328号公報。
【特許文献2】特願平07−291625号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発信器を備えた専用筆記ペンと、受信器を組み込んだ受信装置は、筆記具と同様の取り扱いをするため携帯性を考慮されてはいるが、発信器を備えた専用筆記ペンと、受信器を組み込んだ受信装置は、一対で使用するため操作時は別々となる。しかし携帯時には、発信器を備えた専用筆記ペンと、受信器を組み込んだ受信装置をセットにすることが望ましいため、簡単な操作で発信器を備えた専用筆記ペンを受信器を組み込んだ受信装置に取り付け取り外しができ、発信器を備えた専用筆記ペンと受信装置を一体化し、携帯性に優れた形態をとる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
受信器を組み込んだ受信装置には用紙を挟む部分を利用しペンホルダにフックを設置すること、ペンの保持機能として樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリプロピレン等)の弾性を利用し、固定することで携帯時に簡単にはずれないようにし、ペンホルダを一体成型することで複雑な構造をなくし、容易に取り付け、取り外しができる操作性の良い構造とする。
【発明の効果】
【0005】
発信器を備えた専用筆記ペンと受信器を組み込んだ受信装置は、ペンホルダに発信器を備えた専用筆記ペンをセットし、一組のセットにすることで、発信器を備えた専用筆記ペンまたは受信装置のどちらかを忘れたり、落としたりすることが無い。
また発信器を備えた専用筆記ペンを、樹脂からなるペンホルダにセットすることで、簡単な構造で、前記発信器を備えた専用筆記ペンの取りはずしができるため操作性に優れた手書き筆跡入力装置の提供ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
発信器を備えた専用の筆記ペンと、受信器を組み込んだ受信装置において、受信装置は普通記入用紙を挟み込み位置決めする構造を備えているため、受信装置の用紙挟み込み構造を利用しペンホルダを固定することで携帯性、操作性を良くする。
受信装置に用紙を取り付けるクリップ部を要しクリップに挟み込める形状としたペンホルダ。ペンホルダにはペン形状に合った固定部を要しペンの着脱が容易にできることを特徴としたペンホルダ。
【実施例1】
【0007】
以下、図1を参照しながら本発明を適用した一例である発信器(図示せず)を内蔵した専用筆記ペンのペンホルダについて説明する。
参照符号1は、発信器(図示せず)を内蔵した専用筆記ペンである。前記、発信器を内蔵した専用筆記ペン1を使用しない場合の保管状態は、軸2にキャップ3を勘合させ、キャップ3の頭冠4により固定されたクリップ5を使用し、使用者のポケット(図示せず)に挟み、尾栓11が下を向くように保管する。
使用時には、受信装置6のクリップ下7とベース8の間に用紙9を挟み、スイッチ10を押し受信装置6を起動させる。キャップ3を軸2より外し、キャップ3が使用中に紛失することを防ぐ為に、尾栓11側に勘合させる。
発信器を内蔵した専用筆記ペン1のキャップ3を外すと、軸2に固定されたボールペンのリフィル12が設けられており、用紙9に筆記できる。
ボールペンのリフィル12上部には、発信器を内蔵した専用筆記ペン1の位置のデータを送信するためセンサー(図示せず)を保護するためのセンサーカバー13が、軸2に接着されている。使用者は用紙9上に発信器を内蔵した専用筆記ペン1で筆記を開始する。発信器を内蔵した専用筆記ペン1の位置データを受信装置6が筆跡データとして認識し、受信装置6内に設けられているメモリ(図示せず)記憶する。
【0008】
次に、図2を参照しながら本発明のペンホルダについて説明する。
ペンホルダ14はベース板15の先端部に一体に成形されたフック16があり、受信装置6のクリップ下7に固定される。発信器を内蔵した専用筆記ペン1の形状にあったペン皿17、該ペン皿17にセットする発信器を内蔵した専用筆記ペン1を押さえ込み、固定するペンフック18が一体で成形されている。
【0009】
次に、図3を参照してペンホルダ14をセットした受信装置6と発信器を内蔵した専用
筆記ペン1の固定方法を説明する。
受信装置6のベース8には受信器(図示せず)、記憶装置(図示せず)、制御回路基板19が内部でネジ20により固定され、前記制御回路基板19を保護するカバー21で覆われている。ベース8の軸受け部22にはクリップ上23とクリップ下24がネジ25で固定され、使用者がクリップ上23を押すとことでクリップ下24がベース8より離れ隙間ができ、用紙9(図1参照)を挟み込むことが出来る。クリップ上23とベース8の軸受け部22にバネ26が設置され、クリップ下24は常にベース8に密着する構造としている。
【0010】
ペンホルダ14には、発信器を内蔵した専用筆記ペン1の形状にあったペン皿17、前記発信器を内蔵した専用筆記ペン1を押さえ込み固定するペンフック18が一体で成形されるため、発信器を内蔵した専用筆記ペン1の軸2をペン皿17とペンフック18の間に圧入するとペンフック18は撓み押し広げられ軸2がペン皿17上に乗り、ペンフック18は弾性力で戻り発信器を内蔵した専用筆記ペン1の軸2を固定する。取り外しは発信器を内蔵した専用筆記ペンの尾栓11、又はキャップ3を圧入方向と逆に引き上げることでペンフック18は押し広げられ、発信器を内蔵した専用筆記ペンを取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例の説明図
【図2】本発明の実施例の説明図
【図3】本発明の実施例の説明図
【符号の説明】
【0012】
1 発信器を内蔵した専用筆記ペン
2 軸
3 キャップ
4 キャップ3の頭冠
5 クリップ
6 受信装置
7 クリップ下
8 受信装置6のベース
9 用紙
10 スイッチ
11 尾栓
12 ボールペンのリフィル
13 センサーカバー
14 ペンホルダ
15 ベース板
16 フック
17 ペン皿
18 ペンフック
19 制御回路基板
20 ネジ
21 カバー
22 ベース8の軸受け部分
23 クリップ上
24 クリップ下
25ネジ
26バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信器を備えた専用の筆記ペンと該専用の筆記ペンから発信される受信器を組み込んだ受信装置を一体化した構造を特徴とする発信器を備えた筆記ペンのペンホルダ。
【請求項2】
前記、発信器を備えた筆記ペンのペンホルダは、筆記ペンの形状に合わせた保持部を有し、樹脂の弾性力を利用して固定することを特徴とする請求項1記載の発信器を備えた筆記ペンのペンホルダ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−18533(P2006−18533A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194967(P2004−194967)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】