説明

発信者情報提供装置

【課題】電話帳を持たない端末において、着信がなされたタイミングで、端末上に発信元電話番号に対応する発信者情報を表示する。
【解決手段】電話通信機能を備えるユーザ端末とネットワークを介して接続される発信者情報提供装置において、前記ユーザ端末からユーザIDを含むログイン要求を受信し、ログイン認証を行う認証手段と、発信元電話番号を含む電話発信信号を受信した前記ユーザ端末から、当該発信元電話番号を含む発信者情報要求を受信する手段と、前記発信元電話番号を検索キーとして、前記ユーザIDに対応する電話帳情報を検索する検索手段と、前記検索手段により、前記発信元電話番号と同じ電話番号が検出された電話帳情報から、当該電話番号に対応する設定情報を取得し、当該設定情報を含む発信者情報を前記ユーザ端末に送信する手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末への電話着信時に、端末に発信者情報を表示させる技術に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な携帯電話機等の端末には電話帳が備えられ、例えば、電話着信時に当該電話帳を利用して、発信者情報(発信者の氏名等)を表示することが可能である。しかし、このような端末を紛失した場合、電話帳の情報が漏洩する恐れがある。
【0003】
近年、端末紛失等による情報漏えいを防止する目的で、サーバ上に電話帳や発着信履歴を記録し、端末上に電話帳や発着信履歴を記録しないようにした電話システムが使用されてきている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−109470号公報
【特許文献2】特開2010−268178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、端末上でなくサーバ上に電話帳を備える電話システムでは、端末に電話着信があった場合に、端末上には着信信号から得られる発信元の電話番号しか表示することができず、発信者情報を表示できない。このため、端末のユーザは、発信者を確認してから受話操作を行うことができないという問題がある。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、電話帳を持たない端末において、着信がなされたタイミングで、端末上に発信元電話番号に対応する発信者情報を表示することを可能とした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、電話通信機能を備えるユーザ端末とネットワークを介して接続される発信者情報提供装置であって、前記ユーザ端末からユーザIDを含むログイン要求を受信し、ログイン認証を行う認証手段と、発信元電話番号を含む電話発信信号を受信した前記ユーザ端末から、当該発信元電話番号を含む発信者情報要求を受信する手段と、前記発信元電話番号を検索キーとして、前記ユーザIDに対応する電話帳情報を検索する検索手段と、前記検索手段により、前記発信元電話番号と同じ電話番号が検出された電話帳情報から、当該電話番号に対応する設定情報を取得し、当該設定情報を含む発信者情報を前記ユーザ端末に送信する手段と、を備えることを特徴とする発信者情報提供装置として構成される。
【0008】
前記発信者情報提供装置は、ユーザID毎に、電話番号と設定情報とを対応付けた個人電話帳情報を格納した個人電話帳格納手段と、複数のユーザIDに対応付けられたグループID毎に、電話番号と設定情報とを対応付けた共有電話帳情報を格納した共有電話帳格納手段と、特定の組織内で割り当てられる電話番号と設定情報とを対応付けた組織内電話帳情報を格納した組織内電話帳格納手段と、を更に備え、前記検索手段は、前記発信元電話番号を検索キーとして、前記ユーザIDに対応する電話帳情報を検索する際、前記個人電話帳情報から前記発信元電話番号と同じ電話番号が検出されない場合に、前記発信元電話番号を検索キーとして、前記ユーザIDに対応するグループの共有電話帳情報を検索し、当該共有電話帳情報から前記発信元電話番号と同じ電話番号が検出されない場合に、前記発信元電話番号を検索キーとして、前記組織内電話帳情報を検索するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電話帳を持たないユーザ端末であっても、着信がなされたタイミングで、発信元電話番号に対応する発信者情報を表示することが可能となる。また、ユーザIDに基づき、電話帳情報に対する検索範囲を限定することができるので、個人の情報を他人に開示したりすることを回避でき、あたかもユーザ端末内に個人専用の電話帳を備える場合と同様の電話帳を実現できる。また、グループの概念を導入したことにより、各組織内で閉じた電話帳を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る発信者情報表示システムの全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るユーザ端末10の機能構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る発信者情報提供装置40の機能構成図である。
【図4】発信者情報表示システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図5】個人電話帳格納部441に格納されるテーブル情報の例を示す図である。
【図6】共有電話帳格納部442に格納されるテーブル情報の例を示す図である。
【図7】社内電話帳格納部443に格納されるテーブル情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態では、ユーザ端末10のユーザは、特定の会社の社員であるものとする。なお、以下で説明する実施の形態は例に過ぎず、本発明は他の形態にも適用可能である。
【0012】
(システム構成)
図1に、本発明の実施の形態に係る発信者情報表示システムの全体構成を示す。図1に示すように、本実施の形態に係る発信者情報表示システムは、電話網20に接続可能なユーザ端末10が、ネットワーク30を介して発信者情報提供装置40に接続される構成を有する。
【0013】
本実施の形態では、ネットワーク30は、インターネット等のIPネットワークである。ユーザ端末10は、ネットワーク30を通じてIP通信が可能であるとともに、電話網20を通じて電話通信も可能な端末である。また、本実施の形態では、ユーザ端末10は無線によりネットワーク30及び電話網20にアクセスする機能を持つことを想定しているが、有線で接続する端末であっても構わない。
【0014】
電話網20は特定の種類に限定されないが、本実施の形態では、内線電話網と外線電話網とがゲートウェイで接続された電話網(例えば、特許文献1参照)を想定しており、ユーザ端末10は、内線による着信を受ける場合もあるし、外線による着信を受ける場合もある。なお、内線電話網は、例えば特定の会社内で規定された内線番号が割り振られた各端末間で、内線番号を用いて電話の発着信を可能とする電話網であり、外線電話網は、固定電話網(回線交換網、IP電話網等)、携帯電話網、PHS網等であり、03、050、090、070等で始まる所定の電気通信番号を用いて電話発着信を可能とする電話網である。
【0015】
また、電話網20がIP電話網である場合、当該IP電話網はネットワーク30上に構築されたIP電話網であってもよい。
【0016】
図2に、本実施の形態に係るユーザ端末10の機能構成図を示す。本実施の形態では、ユーザ端末10としてスマートフォン等の携帯端末を使用することを想定しているが、ユーザ端末10はスマートフォン等に限られるわけではなく、本実施の形態で説明する動作を実現できる端末であればどのような種類の端末であってもよい。
【0017】
図2に示すように、ユーザ端末10は、無線通信機能部11、アプリケーション部12、電話機能部13、表示部14、ログイン情報格納部15を有する。
【0018】
無線通信機能部11は、例えば無線LAN、3G、LTE等により無線通信を行う機能部であり、アプリケーション部12、及び電話機能部13は、当該無線通信機能部11を利用して無線通信を行う。
【0019】
電話機能部13は、電話網20に接続して電話通信(発信、着信、通話)を行うための機能を有する。また、電話機能部13は、電話着信を受けたときに、発信元電話番号を含む着信イベント情報(着信があったことを示す情報)をアプリケーション部12に渡す機能を有する。
【0020】
アプリケーション部12は、ユーザ端末10にインストールされるアプリケーションプログラムにより実現される機能部であり、ユーザIDとユーザパスワードを発信者情報提供装置40に送信することにより、発信者情報提供装置40に対してログイン要求を行う機能、電話機能部13から着信イベント情報を受けたことを契機として、発信者情報要求を発信者情報提供装置40に送信する機能、及び、発信者情報提供装置40から受信した発信者情報を表示部14で表示するための機能を備える。
【0021】
表示部14は、電話機能部13もしくはアプリケーション部12が出力する情報を表示する機能を有するとともに、操作部を兼ねており、画面をタッチする等の操作により操作情報を生成し、操作情報を電話機能部13もしくはアプリケーション部12に渡す機能等を有する。
【0022】
ログイン情報格納部15には、発信者情報提供装置40へのログインの際に用いるユーザID(ログインID)、ユーザパスワードが格納されている。
【0023】
図3に、発信者情報提供装置40の機能構成図を示す。図3に示すように、発信者情報提供装置40は、発信者情報取得部41、ユーザ認証部42、電話帳設定部43、電話帳格納部44、ユーザ情報格納部45、ネットワーク通信部46を備える。以下、各機能部の機能の概要について説明する。
【0024】
発信者情報取得部41は、ユーザ端末10から受信するユーザIDや発信元電話番号をキーとして、電話帳格納部44に格納された電話帳情報を検索し、発信元電話番号に対応する発信者情報を取得し、ユーザ端末10に送信する機能を有する。
【0025】
ユーザ認証部42は、ユーザ端末10から受信するユーザIDとユーザパスワードに基づきユーザのログイン認証を行う機能部であり、ユーザID、ユーザパスワードが、ユーザ情報格納部45に予め登録されたものかどうかを判定することにより認証を行う。なお、認証の方法はこれに限られるわけではない。ユーザ情報格納部45には、登録されたユーザのユーザID、ユーザパスワードが格納されている。また、ユーザ認証部42は、認証に成功したユーザ端末10に対してセッションIDを払い出し、セッションIDをユーザ情報格納部45にユーザIDと対応付けて格納する機能を備える。認証に成功したユーザ端末10へのデータ通信、及びユーザ端末10から発信者情報提供装置40へのデータ通信には、それぞれセッションIDが含まれる。すなわち、認証成功により、ユーザ端末10と発信者情報提供装置40との間にはセッションが確立され、当該セッションは上記セッションIDにより識別される。また、発信者情報提供装置40は、当該セッションを介して受信したデータに含まれるセッションIDにより、送信元であるユーザ端末10のユーザIDをユーザ情報格納部45から取得し、後述する検索等に使用する。
【0026】
電話帳格納部44は、個人電話帳格納部441、共有電話帳格納部442、社内電話帳格納部443を含む。個人電話帳格納部441には、個人別(ユーザID毎)の電話帳情報が格納されている。共有電話帳格納部442には、会社内の組織等を単位とするグループ毎の電話帳情報が格納されている。社内電話帳格納部443には、会社(組織の一例)における全社員共通の電話帳情報が格納されている。
【0027】
電話帳設定部43は、電話帳格納部44における電話帳を設定/編集等しようとするユーザの端末に対して設定用画面を表示し、当該端末からネットワーク30を介して受信する電話帳の情報を電話帳格納部44に格納するための機能部である。ただし、設定の際には、ユーザは端末から自身のユーザID,パスワードを用いて発信者情報提供装置40にログインを行い、ログインできた場合に、個人電話帳格納部441については当該ユーザIDに対応する個人の電話帳のみ参照/設定できる。共有電話帳格納部442については当該ユーザIDに対応するグループの共有電話帳のみ参照/設定できる。ただし、共有電話帳の設定については特定の担当者のみが設定できることとしてもよい。また、社内電話帳格納部443に関しては、ログインできたユーザは参照はできるが、設定は特定の担当者のみが行う。
【0028】
なお、発信者情報提供装置40における電話帳の設定方法は特に限定されるわけでなく、上記の方法は一例に過ぎない。
【0029】
ネットワーク通信部46は、発信者情報提供装置40が、各ユーザ端末等とネットワーク30を介してデータ通信を行うための機能部である。
【0030】
図3に示した発信者情報提供装置40は、記憶装置及びCPUを備える一般的なコンピュータに、上記各機能部に対応する処理を行うためのプログラムを搭載することにより実現できる。当該プログラムは、メモリやディスク等の記録媒体から上記コンピュータにインストールしてもよいし、ネットワーク上のサーバから上記コンピュータにダウンロードし、インストールすることとしてもよい。
【0031】
また、発信者情報提供装置40の上記各機能部は、1つのコンピュータ内に備える必要はなく、例えば、上記機能部のうちの1つ又は複数の機能部を有するコンピュータを、複数個ネットワーク接続した構成を、発信者情報提供装置40として用いてもよい。例えば、電話帳格納部44をデータベースサーバとして発信者情報提供装置40とは別のコンピュータで構成し、これらをネットワーク接続した構成を採用してもよい。
【0032】
(システムの動作)
以下、図4に示すシーケンス図に沿って、発信者情報表示システムの動作を説明する。
【0033】
まず、ユーザ端末10は、ユーザIDとユーザパスワードを発信者情報提供装置40に送信することによりログイン要求を行う(ステップ1)。なお、ユーザIDとユーザパスワードの送信は、ユーザ端末10におけるユーザ操作により行ってもよいし、ユーザ端末10におけるアプリケーション部12が起動したときなどに、自動的にユーザIDとユーザパスワードの送信を行うこととしてもよい。
【0034】
ユーザIDとユーザパスワードを受信した発信者情報提供装置40において、ユーザ認証部42がユーザ認証を行う(ステップ2)。本例ではユーザ認証に成功したものとし、ステップ3に進む。なお、ユーザ認証に成功しなかった場合は、例えば、エラーメッセージがユーザ端末10に返される。
【0035】
ユーザ認証部42は、セッションIDを払い出し、当該セッションIDを含む認証成功メッセージをユーザ端末10に送信する(ステップ3)。ユーザ端末10はセッションIDを記憶手段に保持、今後の発信者情報提供装置40への通信の際に当該セッションIDを含める。これにより、ユーザ端末10と発信者情報提供装置40間においてセッションが確立されたことになる。
【0036】
電話網20に接続されている発信元端末21からユーザ端末10(本実施の形態では発信先端末となる)に対して電話発信が行われると、発信元電話番号を含む電話発信信号(呼接続要求信号)がユーザ端末10に送信される(ステップ4)。
【0037】
発信元電話番号を含む電話発信信号を受信したユーザ端末10の電話機能部13は、ユーザに着信を知らせるとともに、発信元電話番号を含む着信イベント情報(発信元電話番号そのものが着信イベント情報であってもよい)をアプリケーション部12に渡し、着信イベント情報を受けたアプリケーション部12は、発信元電話番号とセッションIDとを含む発信者情報要求を生成し(ステップ5)、発信者情報要求を発信者情報提供装置40に送信する(ステップ6)。
【0038】
発信者情報要求を受信した発信者情報提供装置40では、ステップ7〜11において、発信者情報取得部41により、発信者情報の取得及び送信の処理が行われる。
【0039】
ここでの処理内容を説明するにあたり、まず、個人電話帳格納部441、共有電話帳格納部442、社内電話帳格納部443に格納されるテーブル情報例を説明する。
【0040】
図5に、個人電話帳格納部441に格納されるテーブル情報の例を示す。図5に示す例では、各ユーザID毎に、電話番号と設定情報が格納されている。個人電話帳格納部441は、個々のユーザが、自分の個人的な情報として電話帳情報を格納するものであり、各ユーザは、ユーザIDで特定される自分の電話帳情報のみを参照・設定可能である。本実施の形態において、個人電話帳格納部441における電話番号は、例えば当該ユーザの個人的な業務相手や友人等の外線番号である。また、設定情報は、特定の情報に限定される必要はなく、例えば、氏名、会社名、自分との関係等である。
【0041】
図6に、共有電話帳格納部442に格納されるテーブル情報の例を示す。図6に示すように、共有電話帳格納部442には、ユーザIDとグループIDとを対応付けたテーブル情報(a)と、グループID毎に電話帳情報を有するテーブル情報(b)が格納されている。発信者情報取得部41は、テーブル情報(a)を参照してユーザIDからグループIDを取得し、当該グループIDに対応するテーブル情報(b)における該当グループの電話帳情報を検索する。すなわち、ユーザは、自分の所属するグループの電話帳のみを利用可能である。なお、テーブル情報(a)とテーブル情報(b)を一体として構成してもよい。
【0042】
ここでのグループは、例えば、ユーザ端末10のユーザが属する会社の営業部、開発部等の部署単位であるが、これに限られるわけではない。また、電話番号は、例えば、該当部署の取引先の外線番号であり、設定情報は、例えば、氏名、会社名、役職等である。
【0043】
図7に、社内電話帳格納部443に格納されるテーブル情報の例を示す。図7に示すように、本例の社内電話帳格納部443には、ユーザ端末10のユーザが属する会社の社員に割り当てられている社内の電話番号(内線番号、外線番号)毎に、設定情報が格納されている。設定情報は、本例では、氏名、所属部署名、役職である。また、例えば、図7の電話番号3で例示しているように、電話番号が代表番号である場合、当該代表番号に該当する複数人の設定情報が格納される。なお、個人電話帳格納部441、共有電話帳格納部442、社内電話帳格納部443のいずれにおいても、1つの電話番号に対して格納される設定情報は1つ(1レコード)とは限らず、複数であってもよい。
【0044】
図4に戻り、ステップ7において、発信者情報取得部41は、発信者情報要求に含まれていたセッションIDに基づき、ユーザ情報格納部45からユーザIDを取得し、当該ユーザIDと発信元電話番号を用いて個人電話帳格納部441を検索する。すなわち、発信者情報取得部41は、個人電話帳格納部441において、当該ユーザIDに対応する個人の電話帳情報のみを発信元電話番号を用いて検索する。当該発信元電話番号と同じ電話番号を検出できた場合(個人の電話帳情報に発信元電話番号が含まれていた場合)はステップ10に進み、検出できなかった場合はステップ8に進む。
【0045】
ステップ8では、発信者情報取得部41は、ユーザIDと発信元電話番号を用いて共有電話帳格納部442を検索する。すなわち、発信者情報取得部41は、共有電話帳格納部442において、上記ユーザIDに対応するグループIDをテーブル情報(a)から取得し、当該グループIDに対応するグループの電話帳情報のみを発信元電話番号を用いて検索する。当該発信元電話番号と同じ電話番号を検出できた場合(グループの電話帳情報に発信元電話番号が含まれていた場合)はステップ10に進み、検出できなかった場合はステップ9に進む。
【0046】
ステップ9では、発信者情報取得部41は、発信者情報要求に含まれていた発信元電話番号を用いて社内電話帳格納部443を検索する。当該発信元電話番号と同じ電話番号を検出できた場合(電話帳情報に発信元電話番号が含まれていた場合)はステップ10に進む。検出できなかった場合は、例えば、発信元電話番号に該当する情報がなかった旨の情報をユーザ端末10に通知する。
【0047】
ステップ10において、発信者情報取得部41は、検出された電話番号に対応する設定情報を該当の格納部から取得し、ユーザ端末10に表示するための発信者情報を作成する。例えば、検出された電話番号に対応する設定情報が1つであれば、電話番号と設定情報を対にした情報を発信者情報とする。また、検出された電話番号に対応する設定情報が複数であれば、電話番号と複数設定情報からなるリストとが発信者情報となる。設定情報が複数である場合とは、例えば、電話番号が代表番号である場合等である。なお、発信者情報の中に電話番号を含めることは必須ではない。
【0048】
また、発信者情報取得部41は、社内電話帳格納部443で検索がヒットし、社内電話帳格納部443から設定情報を取得して発信者情報を作成する場合は、発信者情報の中に、社員からの発信であることを示す情報を含めるようにしてもよい。また、社内電話帳格納部443以外の格納部から設定情報を取得して発信者情報を作成する場合は、社外からの発信であることを示す情報を含めるようにしてもよい。また、個人電話帳格納部441、共有電話帳格納部442、社内電話帳格納部443の各々において、設定情報の項目として社員か非社員かを示す項目を設けることにより、発信者情報取得部41は、当該項目の情報で社員/非社員を識別して、社員/非社員の情報を発信者情報に含めるようにしてもよい。
【0049】
続いて、ステップ9では、発信者情報取得部41は、ネットワーク通信部46を介して、作成した発信者情報をユーザ端末10に送信する。
【0050】
すなわち、発信者情報取得部41は、発信元電話番号を検索キーとして、ログイン認証にて認証に成功したユーザIDに対応する電話帳情報を検索する検索手段と、前記検索手段により、前記発信元電話番号と同じ電話番号が検出された電話帳情報から、当該電話番号に対応する設定情報を取得し、当該設定情報を含む発信者情報をユーザ端末10に送信する手段とを含む。
【0051】
また、より詳細な例として、発信者情報取得部41は、発信元電話番号を検索キーとして、ログイン認証にて認証に成功したユーザIDに対応する個人電話帳情報を検索し、当該個人電話帳情報から発信元電話番号と同じ電話番号が検出されない場合に、発信元電話番号を検索キーとして、当該ユーザIDに対応するグループの共有電話帳情報を検索し、当該共有電話帳情報から発信元電話番号と同じ電話番号が検出されない場合に、発信元電話番号を検索キーとして、組織内電話帳情報を検索する検索手段と、検索手段により、発信元電話番号と同じ電話番号が検出された電話帳情報から、当該電話番号に対応する設定情報を取得し、当該設定情報を含む発信者情報をユーザ端末10に送信する手段を含む。
【0052】
発信者情報を受信したユーザ端末10において、アプリケーション部12が、表示部14上に発信者情報を表示する。これにより、ユーザ端末10には、発信者の電話番号、設定情報(例えば、氏名、会社名、役職等)、社員からの発信か否かを示す情報等が表示される(ステップ12)。
【0053】
続いて、ユーザが、ユーザ端末10で受話操作(例えば、表示部14上で応答ボタンにタッチする操作)を行うことにより(ステップ13)、応答信号が発信元端末21に送られ(ステップ14)、通話が行われる(ステップ15)。
【0054】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 ユーザ端末
20 電話網
30 ネットワーク
40 発信者情報提供装置
11 無線通信機能部
12 アプリケーション部
13 電話機能部
14 表示部
15 ログイン情報格納部
41 発信者情報取得部
42 ユーザ認証部
43 電話帳設定部
44 電話帳格納部
45 ユーザ情報格納部
46 対端末通信部
441 個人電話帳格納部
442 共有電話帳格納部
443 社内電話帳格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話通信機能を備えるユーザ端末とネットワークを介して接続される発信者情報提供装置であって、
前記ユーザ端末からユーザIDを含むログイン要求を受信し、ログイン認証を行う認証手段と、
発信元電話番号を含む電話発信信号を受信した前記ユーザ端末から、当該発信元電話番号を含む発信者情報要求を受信する手段と、
前記発信元電話番号を検索キーとして、前記ユーザIDに対応する電話帳情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により、前記発信元電話番号と同じ電話番号が検出された電話帳情報から、当該電話番号に対応する設定情報を取得し、当該設定情報を含む発信者情報を前記ユーザ端末に送信する手段と、
を備えることを特徴とする発信者情報提供装置。
【請求項2】
前記発信者情報提供装置は、
ユーザID毎に、電話番号と設定情報とを対応付けた個人電話帳情報を格納した個人電話帳格納手段と、
複数のユーザIDに対応付けられたグループID毎に、電話番号と設定情報とを対応付けた共有電話帳情報を格納した共有電話帳格納手段と、
特定の組織内で割り当てられる電話番号と設定情報とを対応付けた組織内電話帳情報を格納した組織内電話帳格納手段と、を更に備え、
前記検索手段は、
前記発信元電話番号を検索キーとして、前記ユーザIDに対応する電話帳情報を検索する際、前記個人電話帳情報から前記発信元電話番号と同じ電話番号が検出されない場合に、前記発信元電話番号を検索キーとして、前記ユーザIDに対応するグループの共有電話帳情報を検索し、当該共有電話帳情報から前記発信元電話番号と同じ電話番号が検出されない場合に、前記発信元電話番号を検索キーとして、前記組織内電話帳情報を検索する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発信者情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−13019(P2013−13019A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145854(P2011−145854)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000102717)エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社 (43)
【Fターム(参考)】