発光ダイオード装置及びその製造方法
【課題】信頼性が高くかつ製造コストの低減が可能な発光ダイオード装置の提供。
【解決手段】発光ダイオード装置は、第1の面及び裏側の第2の面を有し、第1の面には第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極、並びに前記第1及び第2の電極を囲み下部が前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成される枠体が設けられ、第2の面には第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子が設けられてなる配線基板と、第1の面及び裏側の第2の面を有し、第2の面が発光面となり、第1の面には第1及び第2の接続用電極を有し、かつ第1及び第2の接続用電極は配線基板の第1及び第2の電極に重ねて接続されてなる発光ダイオードチップと、枠体の内側となる配線基板の第1の面に形成され、少なくとも半導体チップの周面から枠体に至る部分に設けられる絶縁性の樹脂からなる封止体とを有する。
【解決手段】発光ダイオード装置は、第1の面及び裏側の第2の面を有し、第1の面には第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極、並びに前記第1及び第2の電極を囲み下部が前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成される枠体が設けられ、第2の面には第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子が設けられてなる配線基板と、第1の面及び裏側の第2の面を有し、第2の面が発光面となり、第1の面には第1及び第2の接続用電極を有し、かつ第1及び第2の接続用電極は配線基板の第1及び第2の電極に重ねて接続されてなる発光ダイオードチップと、枠体の内側となる配線基板の第1の面に形成され、少なくとも半導体チップの周面から枠体に至る部分に設けられる絶縁性の樹脂からなる封止体とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光ダイオード装置の製造技術に係わり、特に、発光ダイオード(LED)を形成した発光ダイオードチップを透明な樹脂で封止する技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード装置は各分野で使用されている。発光ダイオード装置の一つの構造として、発光ダイオードチップを窪みの底に配置し、前記窪み内に透明な絶縁性樹脂で被う構造が知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開 2005-167086号公報
【非特許文献1】日経BP社発行「日経エレクトロニクス」2005年4月25日号、95頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、発光ダイオードチップを透明な樹脂で被う場合、整形金型を使用して樹脂からなる封止体を形成する方法、あるいはディスペンサを使用したポッティングによって樹脂を流し込んで封止体を形成する方法が一般的に採用されている。後者の方法では、樹脂の流出を止めるため樹脂止め構造が必要になる。一般にはリフレクタを後付けで取り付けている。しかし、この方法では、発光ダイオードチップとの間の位置合わせ精度が出し難い上に作業が面倒になり製造コストが高騰する。
【0005】
本発明の目的は発光ダイオードチップと樹脂止めとの位置関係が高精度である発光ダイオード装置の製造技術を提供することにある。
本発明の他の目的は製造コストの低減が達成できる発光ダイオード装置の製造技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)発光ダイオード装置は、
第1の面に第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極並びに前記第1及び第2の電極を囲み下部が前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成される枠体を有し、前記第1の面の反対面となる第2の面には前記第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子を有する配線基板と、
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第2の面が発光面となり、前記第1の面に第1の接続用電極及び第2の接続用電極を有し、前記第1の接続用電極が前記配線基板の前記第1の電極に重ねて接続され、前記第2の接続用電極が前記配線基板の前記第2の電極に重ねて接続されてなる発光ダイオードチップと、
前記配線基板の前記枠体の内側となる前記第1の面に形成され、少なくとも前記半導体チップの周面から前記枠体に至る部分に設けられる絶縁性の樹脂からなる封止体と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、前記配線基板の前記第2の面には金属からなる放熱体が設けられている。また、前記配線基板の前記第1の面と前記発光ダイオードチップの前記第1の面との間には絶縁性の樹脂からなるアンダーフィル樹脂層が設けられている。このアンダーフィル樹脂層は前記封止体の下に設けられている。
【0008】
このような発光ダイオード装置は、
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、かつ前記第1の面に製品形成部をマトリックス状に複数配置した配線基板であり、前記製品形成部は、前記第1の面に第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極並びに前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成されかつ前記第1及び第2の電極を囲むように設けられる枠体素地層が設けられ、前記第2の面に前記第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子が設けられてなる配線基板を準備する工程、
(b)前記枠体素地層上に所定厚さの重ね層を形成して前記枠体素地層と前記重ね層とによって枠体を形成する工程、
(c)第1の面に第1の接続用電極及び第2の接続用電極を有し、前記第1の面の反対面となる第2の面が発光面となる発光ダイオードチップを、前記第1の接続用電極を前記配線基板の前記第1の電極に重ねて接続し、前記第2の接続用電極を前記配線基板の前記第2の電極に重ねて接続して前記配線基板に固定する工程、
(d)前記枠体の内側に絶縁性の樹脂を注入して発光ダイオードチップの少なくとも外周部分から前記枠体の内側面に至る部分を前記樹脂で封止して封止体を形成する工程と、
(e)前記各製品形成部が分離されるように前記配線基板を縦横に切断する工程、を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記工程(c)で発光ダイオードチップを固定した後、(f)前記配線基板の第1の面と前記発光ダイオードチップの前記第1の面の間の隙間に流動性の絶縁性の樹脂を所定量注入して前記隙間を塞ぐアンダーフィル樹脂層を形成する工程、を行い、その後前記工程(e)を行う。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0011】
前記(1)の手段によれば、(a)発光ダイオードチップの周面側を被う絶縁性の樹脂からなる封止体は、発光ダイオードチップの周囲を囲むように配線基板の第1の面に設けられた枠体の内側に注入される絶縁性の樹脂によって形成される。配線基板の第1の面には発光ダイオードチップの第1の接続用電極及び第2の接続用電極が接続される第1の電極及び第2の電極が設けられるが、この第1及び第2の電極を設ける際、第1及び第2の電極を囲むように枠体の下部を構成する枠体素地層が同時処理によって形成される。そして、その後、枠体素地層上に所定厚さの重ね層を形成して枠体素地層と重ね層とによって枠体を形成する。従って、第1及び第2の電極に対する枠体の位置関係、換言するならば配線基板に固定される発光ダイオードチップに対する枠体の位置関係は、枠体素地層が第1及び第2の電極と同時処理によって形成されることから高精度となる。
【0012】
(b)枠体の下部を構成する枠体素地層は、配線基板に第1及び第2の電極を形成する際同時処理によって形成することから作業性がよい。また、枠体の上部を構成する重ね層は、枠体素地層上に形成するため作業性がよい。従って、枠体形成作業は精度良く形成される他に同一プロセスで作りこめるために安価となり、発光ダイオード装置の製造コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0014】
図1乃至図12は本発明の実施例1である発光ダイオード装置及びその製造方法に係わる図である。図1乃至図6は発光ダイオード装置の構造に係わる図であり、図7乃至図12は発光ダイオード装置の製造方法に係わる図である。
【0015】
発光ダイオード装置1は図1及び図2に示すようになっている。図1は発光ダイオード装置の外観を示す斜視図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。発光ダイオード装置1は、四角形の配線基板2と、配線基板2の第1の面2aに形成された四角形枠からなる枠体3と、枠体3の内側の配線基板2に搭載された四角形の発光ダイオードチップ4とを有している。前記枠体3は四角形枠となるが、その各辺は配線基板2の各辺に沿って延在するように設けられている。枠体3は、下部の枠体素地層5と、この枠体素地層5に重ねて設けられる上部の重ね層6とで形成されている。
【0016】
枠体3の内側には絶縁性の樹脂からなる封止体7が設けられている。即ち、発光ダイオードチップ4の周面から枠体3の内側面に亘って絶縁性の樹脂が充填されて封止体7が形成されている。発光ダイオードチップ4は第1の面4aと、この第1の面4aの反対面となる第2の面4bを有し、第2の面4bは発光面となっている。発光ダイオードチップ4の第2の面4bは、図1及び図2に示すように、封止体7から露出している。
【0017】
一方、配線基板2の第1の面2aの反対面となる第2の面2bには、第1の極性(例えば、カソード)となる第1の外部電極端子8と、第2の極性(例えば、アノード)となる第2の外部電極端子9が設けられている。また、第1の外部電極端子8と第2の外部電極端子9との間の配線基板2の第2の面2bには金属からなる放熱体10が設けられている。
【0018】
配線基板2は、例えば、プリント基板で形成されている。配線基板2は、図2に示すように、例えば、ガラス・エポキシ樹脂からなるコア基板11を有している。そして、このコア基板11の第2の面(図2では下面)には前述のように第1の外部電極端子8及び第2の外部電極端子9が形成されている。第1の外部電極端子8及び第2の外部電極端子9は細長い長方形パターンとなり、配線基板2の一対の辺の近傍に辺に沿って延在する構造となっている。図2において、第1の外部電極端子8は右の辺に沿って延在し、第2の外部電極端子9は左の辺に沿って延在している。
【0019】
コア基板11の第2の面の反対面となる第1の面には、2箇所に層間導体層12,13が形成されている。一方の層間導体層12はコア基板11に設けられた貫通孔11a内に突出した導体12aを介して第1の外部電極端子8に電気的に接続されている。また、他方の層間導体層13はコア基板11に設けられた貫通孔11b内に突出した導体13aを介して第2の外部電極端子9に電気的に接続されている。
【0020】
また、コア基板11の第1の面側には絶縁層14が形成されている。この絶縁層14には2箇所に貫通孔14a,14bが設けられている。一方の貫通孔14aは層間導体層12上に位置し、他方の貫通孔14bは層間導体層13上に位置している。絶縁層14上には第1の電極16と第2の電極17が設けられている。第1の電極16は絶縁層14に設けられた貫通孔14a内に突出した導体16aを介して層間導体層12に電気的に接続されている。第2の電極17は絶縁層14に設けられた貫通孔14b内に突出した導体17aを介して層間導体層13に電気的に接続されている。従って、第1の電極16はカソードとなり、第2の電極17はアノードとなる。
【0021】
また、図3は封止体及びアンダーフィル樹脂層を除去した発光ダイオード装置の斜視図、図4は封止体、アンダーフィル樹脂層及び発光ダイオードチップを除去した発光ダイオード装置の平面図、図5は発光ダイオードチップの斜視図、図6は金スタッド電極を示す模式的斜視図である。
【0022】
発光ダイオードチップ4は、図2及び図3に示すように、接続手段としてフリップ・チップ接続によって第1の電極16及び第2の電極17に接続されて配線基板2に搭載されている。
【0023】
発光ダイオードチップ4は、図5に示すように、第1の面4aには、第1の極性(例えば、カソード)となる第1の接続用電極21と、第2の極性(アノード)となる第2の接続用電極22が設けられている。図5は発光ダイオードチップ4の第1の面4aを上面とした模式的斜視図であり、実線枠で示す面積が大きい左側の実線線枠領域が第2の極性(アノード)となる第2の接続用電極22であり、細い右側の実線線枠領域が第1の極性(カソード)となる第1の接続用電極21である。そして、各電極面には一列または複数列にバンプ電極23が形成されている。特に限定はされないが、第1の接続用電極21の電極面には複数のバンプ電極23が一列設けられ、第2の接続用電極22の電極面には複数のバンプ電極23が複数列(例えば、5列)設けられている。
【0024】
図4は、第1の電極16及び第2の電極17上にランド24を複数形成した図である。ランド24は、例えば、図6に示すように、金スタッド電極25からなっている。この金スタッド電極は、第1及び第2の電極16,17に金線をネイルヘッドボンディングした後、接続部分の近傍から金線を分断することによって形成される。ネイルヘッドボンディングする筒状のボンディングツール(キャピラリ)は先端が球状化された部分(ボール部分)を押し潰す結果、金スタッド電極は図6の模式図で示すような形状になる。これらランド24は、発光ダイオードチップ4の第1の面4aに設けられたバンプ電極23に対応して設けられる。
【0025】
発光ダイオードチップ4は第1の面4aが第1の電極16及び第2の電極17に対面させられ、かつ各バンプ電極23が第1の電極16及び第2の電極17に設けられたランド24にそれぞれ重なるように位置決めされてフリップ・チップ接続されている。例えば、バンプ電極23は半田で形成され、リフロー(一時的加熱処理)によって各バンプ電極23は各ランド24、即ち、金スタッド電極25に接続される。図2及び以降の説明における発光ダイオード装置の製造においては、発光ダイオードチップ4の第1の面4aに設けられたバンプ電極23と、第1の電極16及び第2の電極17のランド24(金スタッド電極)との接続部分を接続部26として呼称して示す。
【0026】
他方、図2に示すように、配線基板2の第1の面2a、第1の電極16及び第2の電極17と、発光ダイオードチップ4の第1の面4aとの隙間には、絶縁性の樹脂からなるアンダーフィル樹脂層27が充填されて隙間を塞いでいる。このアンダーフィル樹脂層27は発光ダイオードチップ4の外側にまで広がっているが、この広がり部分は封止体7の下に重なって位置している。
【0027】
つぎに、実施例1の発光ダイオード装置1の製造方法について、図7乃至図12を参照して説明する。
発光ダイオード装置1の製造においては、図9に示すように、最初に配線基板2fが準備される。この配線基板2fは、発光ダイオード装置1を製造する製品形成部30をマトリックス状に配列した長方形板となっていて、製造の最終段階で配線基板2fを縦横に切断して各製品形成部30を分離して複数の発光ダイオード装置1を製造する。そこで、この配線基板2fを、特に配線母基板2fとも呼称する。図9は配線母基板(配線基板)2fの平面図である。図10は配線母基板2fの製品形成部30の第1の面を示す拡大平面図、図11は配線母基板2fの製品形成部30の第2の面を示す拡大底面図である。
【0028】
配線母基板2fを縦横に切断することによって図1に示す発光ダイオード装置1が製造される。従って、配線母基板2fの製品形成部30の断面図は、図2に示す配線基板2の断面構造となる。そこで、配線母基板2fの断面構造の説明は省略する。
【0029】
図9に示すように、配線母基板2fは、長方形の外周部分は製品形成部30群を囲む枠部31となる。この枠部31には図示しないが位置決め時あるいは搬送時に使用する複数種類のガイド孔が設けられている。また、枠部には配線母基板2fを切断する際の目印になる切断マークも設けられている(図示せず)。図9には製品形成部30を7列4行に配置した配線母基板2fが示されている。
【0030】
実施例で使用する配線母基板2fは、図7(a)に示すように、各製品形成部30の第1の面に、第1の電極16及び第2の電極17と一緒に形成される枠体素地層5を有する特徴ある構造となっている。即ち、枠体素地層5、第1の電極16及び第2の電極17は、同一の導体層をホトリソグラフィ及びエッチングによって同時処理することによって形成されるため、第1の電極16及び第2の電極17に対する枠体素地層5の位置寸法関係は精度の高いものとなる。図7は配線母基板2fの一部である製品形成部30を示す図である。従って、製品形成部30の各部の名称及び符号は配線基板2の説明で使用した名称及び符号を使用する。なお、図7乃至図12において、平面図では点線または二点鎖線で囲まれる四角形部分が製品形成部30であり、断面図では隣接する一対の二点鎖線間が製品形成部30である。
【0031】
ここで、寸法の一例を挙げれば以下のとおりとなる。コア基板11は厚さは70μmとなり、第1の外部電極端子8、第2の外部電極端子9及び放熱体10は厚さは70μmとなり、絶縁層14の厚さは70μmとなり、絶縁層14上の第1の電極16及び第2の電極17の厚さは70μmとなる。
【0032】
このような配線母基板2fを準備した後、図7及び図8の工程断面図で示す工程を経て発光ダイオード装置1が製造される。図7は発光ダイオード装置の製造方法の前半工程を示す工程断面図であり、図8は発光ダイオード装置の製造方法の後半工程を示す工程断面図である。図7及び図8においても一つの製品形成部30を示すことによって製造方法を説明する。
【0033】
図7(a)に示すように、配線母基板2fを準備する。製品形成部30の第1の面、即ち、第1の面2aには四角形状の枠体素地層5が設けられ、この枠体素地層5の枠内部には第1の電極16及び第2の電極17が位置している。また、製品形成部30の第2の面、即ち、第2の面2bには第1の外部電極端子8、第2の外部電極端子9及び放熱体10が設けられている。
【0034】
つぎに、図7(b)に示すように、配線母基板2fの第1の面2aに金属層35を形成する。この金属層35は、例えば、厚さ100μmの銅箔からなり、下地の銅パターンと電気的に接合するように熱圧着や厚膜メッキによって貼り付けられる。銅箔は製品形成部30においては、絶縁層14、枠体素地層5、第1の電極16、第2の電極17の表面に接合形成される。
【0035】
つぎに、図7(c)に示すように、金属層35の表面に枠体素地層5に一致して重なるようなパターンとなるホトレジスト膜36を常用のホトリソグラフィ技術によって形成する。
【0036】
つぎに、図7(d)に示すように、ホトレジスト膜36をマスクとして金属層35をエッチングして枠体素地層5に一致して重なる重ね層6を形成する。エッチング後ホトレジスト膜36は除去される。これにより、枠体素地層5と重ね層6によって枠体3が形成される。
【0037】
つぎに、図8(a)に示すように、製品形成部30の第1の電極16及び第2の電極17の表面にランド24を形成する。ランド24は、既に説明した金スタッド電極25で構成される。金スタッド電極の形成は、筒状のキャピラリで保持した金線の先端を球状化し、この球状部分をキャピラリで潰すように金線を電極板に加熱加圧して接続(ネイルヘッドボンディング)させ、その後、接続部分の近傍から金線を分断することによって形成される。金線は、例えば、20μm程度の直径で、金スタッド電極の直径は80μm程度となる。第1の電極16及び第2の電極17に形成する金スタッド電極25は、図5に示す発光ダイオードチップ4の第1の面4aに形成されたバンプ電極23に対応するように形成される。図12にはランド24(金スタッド電極25)の配列状態を示してある。
【0038】
つぎに、図8(b)に示すように、製品形成部30の第1の電極16及び第2の電極17上に発光ダイオードチップ4をフリップ・チップ接続する。即ち、発光ダイオードチップ4の第1の面4aに設けた各バンプ電極23を、これに対応したランド24(金スタッド電極25)に接続する。これにより、図8(b)に示すように、発光ダイオードチップ4は第1の電極16及び第2の電極17に、金スタッド電極25及びバンプ電極23が一体となって形成される接続部26によって接続される。
【0039】
つぎに、図8(c)に示すように、発光ダイオードチップ4と配線母基板2fとの間の隙間に、絶縁性の樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を注入し、かつ硬化処理してアンダーフィル樹脂層27を形成する。アンダーフィル樹脂としては、封止体7を形成する樹脂よりも流動性が良好である樹脂を使用する。発光ダイオードチップ4の第1の面4aの下側に注入された樹脂は発光ダイオードチップ4の第1の面4aの下から外に流出するが、枠体3に阻止される。発光ダイオードチップ4の第1の面4aと、配線母基板2fとの狭い隙間を気泡を残すことなくアンダーフィル樹脂層27で塞ぐことができ、発光ダイオード装置1の耐湿性を向上させることができる。
【0040】
つぎに、図8(d)に示すように、枠体3の内側に絶縁性の樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を流し込み、発光ダイオードチップ4の周面から枠体3の内側面に至る部分を被う封止体7を形成する。封止体7は発光ダイオードチップ4の外周に流れ出したアンダーフィル樹脂層部分を被うようになる。アンダーフィル樹脂層27と封止体7との二重封止により、発光ダイオード装置1の耐湿性はさらに向上する。
【0041】
つぎに、常用の分離切断技術によって配線母基板2fを縦横に切断し、図1に示す発光ダイオード装置1を複数製造する。切断(ダイシング)は、例えば、各製品形成部30の境界部分をダイシングブレードで切断することによって行う。この際、切断前に配線母基板2fの第2の面にダイシングテープを貼り付けておく。そして、ダイシング時にはダイシングブレードによる切断溝の底がダイシングテープの途中深さとなるようにしてダイシングを行う。その後、分離された各発光ダイオード装置1をダイシングテープから引き剥がすことによって発光ダイオード装置1を得ることができる。
【0042】
実施例1の発光ダイオード装置及びその製造方法によれば以下の効果を有する。
(1)発光ダイオードチップ4の周面側を被う絶縁性の樹脂からなる封止体7は、発光ダイオードチップ4の周囲を囲むように配線基板2の第1の面2aに設けられた枠体3の内側に注入される絶縁性の樹脂によって形成される。配線基板2の第1の面2aには発光ダイオードチップ4の第1の接続用電極21及び第2の接続用電極22が接続される第1の電極16及び第2の電極17が設けられるが、この第1及び第2の電極16,17を設ける際、第1及び第2の電極16,17を囲むように枠体3の下部を構成する枠体素地層5が同時処理によって形成される。そして、その後、枠体素地層5上に所定厚さの重ね層6を形成して枠体素地層5と重ね層6とによって枠体3を形成する。従って、第1及び第2の電極16,17に対する枠体3の位置関係、換言するならば配線基板2に固定される発光ダイオードチップ4に対する枠体3の位置関係は、枠体素地層5が第1及び第2の電極16,17と同時処理によって形成されることから高精度となる。
【0043】
(2)枠体3の下部を構成する枠体素地層5は、配線基板2に第1及び第2の電極16,17を形成する際同時処理によって形成することから作業性がよい。また、枠体3の上部を構成する重ね層6は、枠体素地層5上に形成するため作業性がよい。従って、枠体3の形成作業は容易となり、発光ダイオード装置1の製造コストの低減を図ることができる。
【実施例2】
【0044】
図13は本発明の実施例2である発光ダイオード装置の断面図である。実施例2の発光ダイオード装置1は、実施例1の発光ダイオード装置1において、発光ダイオードチップ4の発光面となる第2の面4bをも封止体7で封止する構造である。この場合、発光ダイオードチップ4の発光面から放射される光を透過させるため、封止体7は透明な樹脂が使用される。透明な絶縁性の樹脂としては、エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂に比較して耐久性に優れたシリコーン樹脂を使用する。
【0045】
実施例2の発光ダイオード装置1及びその製造方法においても実施例1と同様な効果を奏する。また、発光ダイオードチップ4の発光面を封止体7で保護することから発光ダイオード装置1の信頼性が高くなる。
【0046】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、実施例では、枠体素地層5をホトリソグラフィ及びエッチングによって第1の電極16及び第2の電極17と一緒に形成する方法について説明したが、他の方法であってもよいことは勿論である。例えば、配線母基板2fの第1の電極16及び第2の電極17を導体ペーストを印刷して形成する場合、この印刷時に枠体素地層5を同時に印刷して形成する方法も採用することができる。この方法によれば、枠体素地層5を第1の電極16及び第2の電極17と同時に形成することができるため、第1の電極16及び第2の電極17に対する枠体素地層5の位置寸法関係を精度の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1である発光ダイオード装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】封止体及びアンダーフィル樹脂層を除去した実施例1の発光ダイオード装置の斜視図である。
【図4】封止体、アンダーフィル樹脂層及び発光ダイオードチップを除去した実施例1の発光ダイオード装置の平面図である。
【図5】発光ダイオードチップの斜視図である。
【図6】前記金スタッド電極を示す模式的斜視図である。
【図7】実施例1の発光ダイオード装置の製造方法の前半工程を示す工程断面図である。
【図8】実施例1の発光ダイオード装置の製造方法の後半工程を示す工程断面図である。
【図9】実施例1の発光ダイオード装置の製造に用いる配線基板の平面図である。
【図10】前記配線基板の製品形成部の第1の面を示す拡大平面図である。
【図11】前記配線基板の製品形成部の第2の面を示す拡大底面図である。
【図12】前記製品形成部の第1及び第2の電極に金スタッド電極を形成した状態を示す配線基板の平面図である。
【図13】本発明の実施例2である発光ダイオード装置の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…発光ダイオード装置、2…配線基板、2a…第1の面、2b…第2の面、3…枠体、4…発光ダイオードチップ、4a…第1の面、4b…第2の面、5…枠体素地層、6…重ね層、7…封止体、8…第1の外部電極端子、9…第2の外部電極端子、10…放熱体、11……コア基板、11a,11b…貫通孔、12,13…層間導体層、12a…導体、13a…導体、14…絶縁層、14a,14b…貫通孔、16…第1の電極、16a…導体、17…第2の電極、17a…導体、21…第1の接続用電極、22…第2の接続用電極、23…バンプ電極、24…ランド、25…金スタッド電極、26…接続部、27…アンダーフィル樹脂層、30…製品形成部、31…枠部、35…金属層、36…ホトレジスト膜。
【技術分野】
【0001】
本発明は発光ダイオード装置の製造技術に係わり、特に、発光ダイオード(LED)を形成した発光ダイオードチップを透明な樹脂で封止する技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード装置は各分野で使用されている。発光ダイオード装置の一つの構造として、発光ダイオードチップを窪みの底に配置し、前記窪み内に透明な絶縁性樹脂で被う構造が知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開 2005-167086号公報
【非特許文献1】日経BP社発行「日経エレクトロニクス」2005年4月25日号、95頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、発光ダイオードチップを透明な樹脂で被う場合、整形金型を使用して樹脂からなる封止体を形成する方法、あるいはディスペンサを使用したポッティングによって樹脂を流し込んで封止体を形成する方法が一般的に採用されている。後者の方法では、樹脂の流出を止めるため樹脂止め構造が必要になる。一般にはリフレクタを後付けで取り付けている。しかし、この方法では、発光ダイオードチップとの間の位置合わせ精度が出し難い上に作業が面倒になり製造コストが高騰する。
【0005】
本発明の目的は発光ダイオードチップと樹脂止めとの位置関係が高精度である発光ダイオード装置の製造技術を提供することにある。
本発明の他の目的は製造コストの低減が達成できる発光ダイオード装置の製造技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)発光ダイオード装置は、
第1の面に第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極並びに前記第1及び第2の電極を囲み下部が前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成される枠体を有し、前記第1の面の反対面となる第2の面には前記第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子を有する配線基板と、
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第2の面が発光面となり、前記第1の面に第1の接続用電極及び第2の接続用電極を有し、前記第1の接続用電極が前記配線基板の前記第1の電極に重ねて接続され、前記第2の接続用電極が前記配線基板の前記第2の電極に重ねて接続されてなる発光ダイオードチップと、
前記配線基板の前記枠体の内側となる前記第1の面に形成され、少なくとも前記半導体チップの周面から前記枠体に至る部分に設けられる絶縁性の樹脂からなる封止体と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、前記配線基板の前記第2の面には金属からなる放熱体が設けられている。また、前記配線基板の前記第1の面と前記発光ダイオードチップの前記第1の面との間には絶縁性の樹脂からなるアンダーフィル樹脂層が設けられている。このアンダーフィル樹脂層は前記封止体の下に設けられている。
【0008】
このような発光ダイオード装置は、
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、かつ前記第1の面に製品形成部をマトリックス状に複数配置した配線基板であり、前記製品形成部は、前記第1の面に第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極並びに前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成されかつ前記第1及び第2の電極を囲むように設けられる枠体素地層が設けられ、前記第2の面に前記第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子が設けられてなる配線基板を準備する工程、
(b)前記枠体素地層上に所定厚さの重ね層を形成して前記枠体素地層と前記重ね層とによって枠体を形成する工程、
(c)第1の面に第1の接続用電極及び第2の接続用電極を有し、前記第1の面の反対面となる第2の面が発光面となる発光ダイオードチップを、前記第1の接続用電極を前記配線基板の前記第1の電極に重ねて接続し、前記第2の接続用電極を前記配線基板の前記第2の電極に重ねて接続して前記配線基板に固定する工程、
(d)前記枠体の内側に絶縁性の樹脂を注入して発光ダイオードチップの少なくとも外周部分から前記枠体の内側面に至る部分を前記樹脂で封止して封止体を形成する工程と、
(e)前記各製品形成部が分離されるように前記配線基板を縦横に切断する工程、を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記工程(c)で発光ダイオードチップを固定した後、(f)前記配線基板の第1の面と前記発光ダイオードチップの前記第1の面の間の隙間に流動性の絶縁性の樹脂を所定量注入して前記隙間を塞ぐアンダーフィル樹脂層を形成する工程、を行い、その後前記工程(e)を行う。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0011】
前記(1)の手段によれば、(a)発光ダイオードチップの周面側を被う絶縁性の樹脂からなる封止体は、発光ダイオードチップの周囲を囲むように配線基板の第1の面に設けられた枠体の内側に注入される絶縁性の樹脂によって形成される。配線基板の第1の面には発光ダイオードチップの第1の接続用電極及び第2の接続用電極が接続される第1の電極及び第2の電極が設けられるが、この第1及び第2の電極を設ける際、第1及び第2の電極を囲むように枠体の下部を構成する枠体素地層が同時処理によって形成される。そして、その後、枠体素地層上に所定厚さの重ね層を形成して枠体素地層と重ね層とによって枠体を形成する。従って、第1及び第2の電極に対する枠体の位置関係、換言するならば配線基板に固定される発光ダイオードチップに対する枠体の位置関係は、枠体素地層が第1及び第2の電極と同時処理によって形成されることから高精度となる。
【0012】
(b)枠体の下部を構成する枠体素地層は、配線基板に第1及び第2の電極を形成する際同時処理によって形成することから作業性がよい。また、枠体の上部を構成する重ね層は、枠体素地層上に形成するため作業性がよい。従って、枠体形成作業は精度良く形成される他に同一プロセスで作りこめるために安価となり、発光ダイオード装置の製造コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0014】
図1乃至図12は本発明の実施例1である発光ダイオード装置及びその製造方法に係わる図である。図1乃至図6は発光ダイオード装置の構造に係わる図であり、図7乃至図12は発光ダイオード装置の製造方法に係わる図である。
【0015】
発光ダイオード装置1は図1及び図2に示すようになっている。図1は発光ダイオード装置の外観を示す斜視図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。発光ダイオード装置1は、四角形の配線基板2と、配線基板2の第1の面2aに形成された四角形枠からなる枠体3と、枠体3の内側の配線基板2に搭載された四角形の発光ダイオードチップ4とを有している。前記枠体3は四角形枠となるが、その各辺は配線基板2の各辺に沿って延在するように設けられている。枠体3は、下部の枠体素地層5と、この枠体素地層5に重ねて設けられる上部の重ね層6とで形成されている。
【0016】
枠体3の内側には絶縁性の樹脂からなる封止体7が設けられている。即ち、発光ダイオードチップ4の周面から枠体3の内側面に亘って絶縁性の樹脂が充填されて封止体7が形成されている。発光ダイオードチップ4は第1の面4aと、この第1の面4aの反対面となる第2の面4bを有し、第2の面4bは発光面となっている。発光ダイオードチップ4の第2の面4bは、図1及び図2に示すように、封止体7から露出している。
【0017】
一方、配線基板2の第1の面2aの反対面となる第2の面2bには、第1の極性(例えば、カソード)となる第1の外部電極端子8と、第2の極性(例えば、アノード)となる第2の外部電極端子9が設けられている。また、第1の外部電極端子8と第2の外部電極端子9との間の配線基板2の第2の面2bには金属からなる放熱体10が設けられている。
【0018】
配線基板2は、例えば、プリント基板で形成されている。配線基板2は、図2に示すように、例えば、ガラス・エポキシ樹脂からなるコア基板11を有している。そして、このコア基板11の第2の面(図2では下面)には前述のように第1の外部電極端子8及び第2の外部電極端子9が形成されている。第1の外部電極端子8及び第2の外部電極端子9は細長い長方形パターンとなり、配線基板2の一対の辺の近傍に辺に沿って延在する構造となっている。図2において、第1の外部電極端子8は右の辺に沿って延在し、第2の外部電極端子9は左の辺に沿って延在している。
【0019】
コア基板11の第2の面の反対面となる第1の面には、2箇所に層間導体層12,13が形成されている。一方の層間導体層12はコア基板11に設けられた貫通孔11a内に突出した導体12aを介して第1の外部電極端子8に電気的に接続されている。また、他方の層間導体層13はコア基板11に設けられた貫通孔11b内に突出した導体13aを介して第2の外部電極端子9に電気的に接続されている。
【0020】
また、コア基板11の第1の面側には絶縁層14が形成されている。この絶縁層14には2箇所に貫通孔14a,14bが設けられている。一方の貫通孔14aは層間導体層12上に位置し、他方の貫通孔14bは層間導体層13上に位置している。絶縁層14上には第1の電極16と第2の電極17が設けられている。第1の電極16は絶縁層14に設けられた貫通孔14a内に突出した導体16aを介して層間導体層12に電気的に接続されている。第2の電極17は絶縁層14に設けられた貫通孔14b内に突出した導体17aを介して層間導体層13に電気的に接続されている。従って、第1の電極16はカソードとなり、第2の電極17はアノードとなる。
【0021】
また、図3は封止体及びアンダーフィル樹脂層を除去した発光ダイオード装置の斜視図、図4は封止体、アンダーフィル樹脂層及び発光ダイオードチップを除去した発光ダイオード装置の平面図、図5は発光ダイオードチップの斜視図、図6は金スタッド電極を示す模式的斜視図である。
【0022】
発光ダイオードチップ4は、図2及び図3に示すように、接続手段としてフリップ・チップ接続によって第1の電極16及び第2の電極17に接続されて配線基板2に搭載されている。
【0023】
発光ダイオードチップ4は、図5に示すように、第1の面4aには、第1の極性(例えば、カソード)となる第1の接続用電極21と、第2の極性(アノード)となる第2の接続用電極22が設けられている。図5は発光ダイオードチップ4の第1の面4aを上面とした模式的斜視図であり、実線枠で示す面積が大きい左側の実線線枠領域が第2の極性(アノード)となる第2の接続用電極22であり、細い右側の実線線枠領域が第1の極性(カソード)となる第1の接続用電極21である。そして、各電極面には一列または複数列にバンプ電極23が形成されている。特に限定はされないが、第1の接続用電極21の電極面には複数のバンプ電極23が一列設けられ、第2の接続用電極22の電極面には複数のバンプ電極23が複数列(例えば、5列)設けられている。
【0024】
図4は、第1の電極16及び第2の電極17上にランド24を複数形成した図である。ランド24は、例えば、図6に示すように、金スタッド電極25からなっている。この金スタッド電極は、第1及び第2の電極16,17に金線をネイルヘッドボンディングした後、接続部分の近傍から金線を分断することによって形成される。ネイルヘッドボンディングする筒状のボンディングツール(キャピラリ)は先端が球状化された部分(ボール部分)を押し潰す結果、金スタッド電極は図6の模式図で示すような形状になる。これらランド24は、発光ダイオードチップ4の第1の面4aに設けられたバンプ電極23に対応して設けられる。
【0025】
発光ダイオードチップ4は第1の面4aが第1の電極16及び第2の電極17に対面させられ、かつ各バンプ電極23が第1の電極16及び第2の電極17に設けられたランド24にそれぞれ重なるように位置決めされてフリップ・チップ接続されている。例えば、バンプ電極23は半田で形成され、リフロー(一時的加熱処理)によって各バンプ電極23は各ランド24、即ち、金スタッド電極25に接続される。図2及び以降の説明における発光ダイオード装置の製造においては、発光ダイオードチップ4の第1の面4aに設けられたバンプ電極23と、第1の電極16及び第2の電極17のランド24(金スタッド電極)との接続部分を接続部26として呼称して示す。
【0026】
他方、図2に示すように、配線基板2の第1の面2a、第1の電極16及び第2の電極17と、発光ダイオードチップ4の第1の面4aとの隙間には、絶縁性の樹脂からなるアンダーフィル樹脂層27が充填されて隙間を塞いでいる。このアンダーフィル樹脂層27は発光ダイオードチップ4の外側にまで広がっているが、この広がり部分は封止体7の下に重なって位置している。
【0027】
つぎに、実施例1の発光ダイオード装置1の製造方法について、図7乃至図12を参照して説明する。
発光ダイオード装置1の製造においては、図9に示すように、最初に配線基板2fが準備される。この配線基板2fは、発光ダイオード装置1を製造する製品形成部30をマトリックス状に配列した長方形板となっていて、製造の最終段階で配線基板2fを縦横に切断して各製品形成部30を分離して複数の発光ダイオード装置1を製造する。そこで、この配線基板2fを、特に配線母基板2fとも呼称する。図9は配線母基板(配線基板)2fの平面図である。図10は配線母基板2fの製品形成部30の第1の面を示す拡大平面図、図11は配線母基板2fの製品形成部30の第2の面を示す拡大底面図である。
【0028】
配線母基板2fを縦横に切断することによって図1に示す発光ダイオード装置1が製造される。従って、配線母基板2fの製品形成部30の断面図は、図2に示す配線基板2の断面構造となる。そこで、配線母基板2fの断面構造の説明は省略する。
【0029】
図9に示すように、配線母基板2fは、長方形の外周部分は製品形成部30群を囲む枠部31となる。この枠部31には図示しないが位置決め時あるいは搬送時に使用する複数種類のガイド孔が設けられている。また、枠部には配線母基板2fを切断する際の目印になる切断マークも設けられている(図示せず)。図9には製品形成部30を7列4行に配置した配線母基板2fが示されている。
【0030】
実施例で使用する配線母基板2fは、図7(a)に示すように、各製品形成部30の第1の面に、第1の電極16及び第2の電極17と一緒に形成される枠体素地層5を有する特徴ある構造となっている。即ち、枠体素地層5、第1の電極16及び第2の電極17は、同一の導体層をホトリソグラフィ及びエッチングによって同時処理することによって形成されるため、第1の電極16及び第2の電極17に対する枠体素地層5の位置寸法関係は精度の高いものとなる。図7は配線母基板2fの一部である製品形成部30を示す図である。従って、製品形成部30の各部の名称及び符号は配線基板2の説明で使用した名称及び符号を使用する。なお、図7乃至図12において、平面図では点線または二点鎖線で囲まれる四角形部分が製品形成部30であり、断面図では隣接する一対の二点鎖線間が製品形成部30である。
【0031】
ここで、寸法の一例を挙げれば以下のとおりとなる。コア基板11は厚さは70μmとなり、第1の外部電極端子8、第2の外部電極端子9及び放熱体10は厚さは70μmとなり、絶縁層14の厚さは70μmとなり、絶縁層14上の第1の電極16及び第2の電極17の厚さは70μmとなる。
【0032】
このような配線母基板2fを準備した後、図7及び図8の工程断面図で示す工程を経て発光ダイオード装置1が製造される。図7は発光ダイオード装置の製造方法の前半工程を示す工程断面図であり、図8は発光ダイオード装置の製造方法の後半工程を示す工程断面図である。図7及び図8においても一つの製品形成部30を示すことによって製造方法を説明する。
【0033】
図7(a)に示すように、配線母基板2fを準備する。製品形成部30の第1の面、即ち、第1の面2aには四角形状の枠体素地層5が設けられ、この枠体素地層5の枠内部には第1の電極16及び第2の電極17が位置している。また、製品形成部30の第2の面、即ち、第2の面2bには第1の外部電極端子8、第2の外部電極端子9及び放熱体10が設けられている。
【0034】
つぎに、図7(b)に示すように、配線母基板2fの第1の面2aに金属層35を形成する。この金属層35は、例えば、厚さ100μmの銅箔からなり、下地の銅パターンと電気的に接合するように熱圧着や厚膜メッキによって貼り付けられる。銅箔は製品形成部30においては、絶縁層14、枠体素地層5、第1の電極16、第2の電極17の表面に接合形成される。
【0035】
つぎに、図7(c)に示すように、金属層35の表面に枠体素地層5に一致して重なるようなパターンとなるホトレジスト膜36を常用のホトリソグラフィ技術によって形成する。
【0036】
つぎに、図7(d)に示すように、ホトレジスト膜36をマスクとして金属層35をエッチングして枠体素地層5に一致して重なる重ね層6を形成する。エッチング後ホトレジスト膜36は除去される。これにより、枠体素地層5と重ね層6によって枠体3が形成される。
【0037】
つぎに、図8(a)に示すように、製品形成部30の第1の電極16及び第2の電極17の表面にランド24を形成する。ランド24は、既に説明した金スタッド電極25で構成される。金スタッド電極の形成は、筒状のキャピラリで保持した金線の先端を球状化し、この球状部分をキャピラリで潰すように金線を電極板に加熱加圧して接続(ネイルヘッドボンディング)させ、その後、接続部分の近傍から金線を分断することによって形成される。金線は、例えば、20μm程度の直径で、金スタッド電極の直径は80μm程度となる。第1の電極16及び第2の電極17に形成する金スタッド電極25は、図5に示す発光ダイオードチップ4の第1の面4aに形成されたバンプ電極23に対応するように形成される。図12にはランド24(金スタッド電極25)の配列状態を示してある。
【0038】
つぎに、図8(b)に示すように、製品形成部30の第1の電極16及び第2の電極17上に発光ダイオードチップ4をフリップ・チップ接続する。即ち、発光ダイオードチップ4の第1の面4aに設けた各バンプ電極23を、これに対応したランド24(金スタッド電極25)に接続する。これにより、図8(b)に示すように、発光ダイオードチップ4は第1の電極16及び第2の電極17に、金スタッド電極25及びバンプ電極23が一体となって形成される接続部26によって接続される。
【0039】
つぎに、図8(c)に示すように、発光ダイオードチップ4と配線母基板2fとの間の隙間に、絶縁性の樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を注入し、かつ硬化処理してアンダーフィル樹脂層27を形成する。アンダーフィル樹脂としては、封止体7を形成する樹脂よりも流動性が良好である樹脂を使用する。発光ダイオードチップ4の第1の面4aの下側に注入された樹脂は発光ダイオードチップ4の第1の面4aの下から外に流出するが、枠体3に阻止される。発光ダイオードチップ4の第1の面4aと、配線母基板2fとの狭い隙間を気泡を残すことなくアンダーフィル樹脂層27で塞ぐことができ、発光ダイオード装置1の耐湿性を向上させることができる。
【0040】
つぎに、図8(d)に示すように、枠体3の内側に絶縁性の樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を流し込み、発光ダイオードチップ4の周面から枠体3の内側面に至る部分を被う封止体7を形成する。封止体7は発光ダイオードチップ4の外周に流れ出したアンダーフィル樹脂層部分を被うようになる。アンダーフィル樹脂層27と封止体7との二重封止により、発光ダイオード装置1の耐湿性はさらに向上する。
【0041】
つぎに、常用の分離切断技術によって配線母基板2fを縦横に切断し、図1に示す発光ダイオード装置1を複数製造する。切断(ダイシング)は、例えば、各製品形成部30の境界部分をダイシングブレードで切断することによって行う。この際、切断前に配線母基板2fの第2の面にダイシングテープを貼り付けておく。そして、ダイシング時にはダイシングブレードによる切断溝の底がダイシングテープの途中深さとなるようにしてダイシングを行う。その後、分離された各発光ダイオード装置1をダイシングテープから引き剥がすことによって発光ダイオード装置1を得ることができる。
【0042】
実施例1の発光ダイオード装置及びその製造方法によれば以下の効果を有する。
(1)発光ダイオードチップ4の周面側を被う絶縁性の樹脂からなる封止体7は、発光ダイオードチップ4の周囲を囲むように配線基板2の第1の面2aに設けられた枠体3の内側に注入される絶縁性の樹脂によって形成される。配線基板2の第1の面2aには発光ダイオードチップ4の第1の接続用電極21及び第2の接続用電極22が接続される第1の電極16及び第2の電極17が設けられるが、この第1及び第2の電極16,17を設ける際、第1及び第2の電極16,17を囲むように枠体3の下部を構成する枠体素地層5が同時処理によって形成される。そして、その後、枠体素地層5上に所定厚さの重ね層6を形成して枠体素地層5と重ね層6とによって枠体3を形成する。従って、第1及び第2の電極16,17に対する枠体3の位置関係、換言するならば配線基板2に固定される発光ダイオードチップ4に対する枠体3の位置関係は、枠体素地層5が第1及び第2の電極16,17と同時処理によって形成されることから高精度となる。
【0043】
(2)枠体3の下部を構成する枠体素地層5は、配線基板2に第1及び第2の電極16,17を形成する際同時処理によって形成することから作業性がよい。また、枠体3の上部を構成する重ね層6は、枠体素地層5上に形成するため作業性がよい。従って、枠体3の形成作業は容易となり、発光ダイオード装置1の製造コストの低減を図ることができる。
【実施例2】
【0044】
図13は本発明の実施例2である発光ダイオード装置の断面図である。実施例2の発光ダイオード装置1は、実施例1の発光ダイオード装置1において、発光ダイオードチップ4の発光面となる第2の面4bをも封止体7で封止する構造である。この場合、発光ダイオードチップ4の発光面から放射される光を透過させるため、封止体7は透明な樹脂が使用される。透明な絶縁性の樹脂としては、エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂に比較して耐久性に優れたシリコーン樹脂を使用する。
【0045】
実施例2の発光ダイオード装置1及びその製造方法においても実施例1と同様な効果を奏する。また、発光ダイオードチップ4の発光面を封止体7で保護することから発光ダイオード装置1の信頼性が高くなる。
【0046】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、実施例では、枠体素地層5をホトリソグラフィ及びエッチングによって第1の電極16及び第2の電極17と一緒に形成する方法について説明したが、他の方法であってもよいことは勿論である。例えば、配線母基板2fの第1の電極16及び第2の電極17を導体ペーストを印刷して形成する場合、この印刷時に枠体素地層5を同時に印刷して形成する方法も採用することができる。この方法によれば、枠体素地層5を第1の電極16及び第2の電極17と同時に形成することができるため、第1の電極16及び第2の電極17に対する枠体素地層5の位置寸法関係を精度の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1である発光ダイオード装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】封止体及びアンダーフィル樹脂層を除去した実施例1の発光ダイオード装置の斜視図である。
【図4】封止体、アンダーフィル樹脂層及び発光ダイオードチップを除去した実施例1の発光ダイオード装置の平面図である。
【図5】発光ダイオードチップの斜視図である。
【図6】前記金スタッド電極を示す模式的斜視図である。
【図7】実施例1の発光ダイオード装置の製造方法の前半工程を示す工程断面図である。
【図8】実施例1の発光ダイオード装置の製造方法の後半工程を示す工程断面図である。
【図9】実施例1の発光ダイオード装置の製造に用いる配線基板の平面図である。
【図10】前記配線基板の製品形成部の第1の面を示す拡大平面図である。
【図11】前記配線基板の製品形成部の第2の面を示す拡大底面図である。
【図12】前記製品形成部の第1及び第2の電極に金スタッド電極を形成した状態を示す配線基板の平面図である。
【図13】本発明の実施例2である発光ダイオード装置の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…発光ダイオード装置、2…配線基板、2a…第1の面、2b…第2の面、3…枠体、4…発光ダイオードチップ、4a…第1の面、4b…第2の面、5…枠体素地層、6…重ね層、7…封止体、8…第1の外部電極端子、9…第2の外部電極端子、10…放熱体、11……コア基板、11a,11b…貫通孔、12,13…層間導体層、12a…導体、13a…導体、14…絶縁層、14a,14b…貫通孔、16…第1の電極、16a…導体、17…第2の電極、17a…導体、21…第1の接続用電極、22…第2の接続用電極、23…バンプ電極、24…ランド、25…金スタッド電極、26…接続部、27…アンダーフィル樹脂層、30…製品形成部、31…枠部、35…金属層、36…ホトレジスト膜。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面に第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極並びに前記第1及び第2の電極を囲み下部が前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成される枠体を有し、前記第1の面の反対面となる第2の面には前記第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子を有する配線基板と、
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第2の面が発光面となり、前記第1の面に第1の接続用電極及び第2の接続用電極を有し、前記第1の接続用電極が前記配線基板の前記第1の電極に重ねて接続され、前記第2の接続用電極が前記配線基板の前記第2の電極に重ねて接続されてなる発光ダイオードチップと、
前記配線基板の前記枠体の内側となる前記第1の面に形成され、少なくとも前記半導体チップの周面から前記枠体に至る部分に設けられる絶縁性の樹脂からなる封止体と、
を有することを特徴とする発光ダイオード装置。
【請求項2】
前記配線基板の前記第2の面に設けられる金属からなる放熱体を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード装置。
【請求項3】
前記配線基板の前記第1の面と前記発光ダイオードチップの前記第1の面との間に設けられるとともに前記封止体の下に設けられる絶縁性の樹脂からなるアンダーフィル樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード装置。
【請求項4】
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、かつ前記第1の面に製品形成部をマトリックス状に複数配置した配線基板であり、前記製品形成部は、前記第1の面に第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極並びに前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成されかつ前記第1及び第2の電極を囲むように設けられる枠体素地層が設けられ、前記第2の面に前記第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子が設けられてなる配線基板を準備する工程、
(b)前記枠体素地層上に所定厚さの重ね層を形成して前記枠体素地層と前記重ね層とによって枠体を形成する工程、
(c)第1の面に第1の接続用電極及び第2の接続用電極を有し、前記第1の面の反対面となる第2の面が発光面となる発光ダイオードチップを、前記第1の接続用電極を前記配線基板の前記第1の電極に重ねて接続し、前記第2の接続用電極を前記配線基板の前記第2の電極に重ねて接続して前記配線基板に固定する工程、
(d)前記枠体の内側に絶縁性の樹脂を注入して発光ダイオードチップの少なくとも外周部分から前記枠体の内側面に至る部分を前記樹脂で封止して封止体を形成する工程と、
(e)前記各製品形成部が分離されるように前記配線基板を縦横に切断する工程、
を有することを特徴とする発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項5】
前記工程(c)で発光ダイオードチップを固定した後、(f)前記配線基板の第1の面と前記発光ダイオードチップの前記第1の面の間の隙間に流動性の絶縁性の樹脂を所定量注入して前記隙間を塞ぐアンダーフィル樹脂層を形成する工程、を行い、その後前記工程(e)を行うことを特徴とする請求項4に記載の発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項1】
第1の面に第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極並びに前記第1及び第2の電極を囲み下部が前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成される枠体を有し、前記第1の面の反対面となる第2の面には前記第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子を有する配線基板と、
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第2の面が発光面となり、前記第1の面に第1の接続用電極及び第2の接続用電極を有し、前記第1の接続用電極が前記配線基板の前記第1の電極に重ねて接続され、前記第2の接続用電極が前記配線基板の前記第2の電極に重ねて接続されてなる発光ダイオードチップと、
前記配線基板の前記枠体の内側となる前記第1の面に形成され、少なくとも前記半導体チップの周面から前記枠体に至る部分に設けられる絶縁性の樹脂からなる封止体と、
を有することを特徴とする発光ダイオード装置。
【請求項2】
前記配線基板の前記第2の面に設けられる金属からなる放熱体を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード装置。
【請求項3】
前記配線基板の前記第1の面と前記発光ダイオードチップの前記第1の面との間に設けられるとともに前記封止体の下に設けられる絶縁性の樹脂からなるアンダーフィル樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード装置。
【請求項4】
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、かつ前記第1の面に製品形成部をマトリックス状に複数配置した配線基板であり、前記製品形成部は、前記第1の面に第1の極性となる第1の電極及び第2の極性となる第2の電極並びに前記第1及び第2の電極の形成と同時処理によって形成されかつ前記第1及び第2の電極を囲むように設けられる枠体素地層が設けられ、前記第2の面に前記第1の電極に電気的に接続される第1の外部電極端子及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の外部電極端子が設けられてなる配線基板を準備する工程、
(b)前記枠体素地層上に所定厚さの重ね層を形成して前記枠体素地層と前記重ね層とによって枠体を形成する工程、
(c)第1の面に第1の接続用電極及び第2の接続用電極を有し、前記第1の面の反対面となる第2の面が発光面となる発光ダイオードチップを、前記第1の接続用電極を前記配線基板の前記第1の電極に重ねて接続し、前記第2の接続用電極を前記配線基板の前記第2の電極に重ねて接続して前記配線基板に固定する工程、
(d)前記枠体の内側に絶縁性の樹脂を注入して発光ダイオードチップの少なくとも外周部分から前記枠体の内側面に至る部分を前記樹脂で封止して封止体を形成する工程と、
(e)前記各製品形成部が分離されるように前記配線基板を縦横に切断する工程、
を有することを特徴とする発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項5】
前記工程(c)で発光ダイオードチップを固定した後、(f)前記配線基板の第1の面と前記発光ダイオードチップの前記第1の面の間の隙間に流動性の絶縁性の樹脂を所定量注入して前記隙間を塞ぐアンダーフィル樹脂層を形成する工程、を行い、その後前記工程(e)を行うことを特徴とする請求項4に記載の発光ダイオード装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−124088(P2008−124088A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−303449(P2006−303449)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(000100997)株式会社アキタ電子システムズ (41)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(000100997)株式会社アキタ電子システムズ (41)
【Fターム(参考)】
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