説明

発光ダイオード装飾灯

【課題】光出力の損失を抑えて明るさを確保しつつ、眩光のない図案表示機能を持つ発光ダイオード(LED)装飾灯を実現する。
【解決手段】配光中心部から離れた周縁部の光を制限する遮光筒3を備えたLED1の組品を集積配置した投光基板部2と、その前面に投影マット面4aをもつ投影板4を配置して一体の装飾灯とする。多数のLEDの配光中心軸近傍の光を有効に利用し明るさを確保すると共に、投影面に映るLED光は眩光がなく、かつ各LEDの光束の輪郭が明瞭になり、図案の表現性が豊かになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)を光源とし、表面に図案を投影表示する装飾灯に関する。
【背景技術】
【0002】
装飾灯にあっては、その使用目的や設置条件に合わせて各種光源が選択利用されているが、近年LED光源の利用が、その高い電力効率、安全性及び、高輝度で多様な発光色の製品の出現により期待され、各種の実施形態が提案されている。
【0003】
【特許文献1】 特開2005−47145号公報
【特許文献2】 実登 3039592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
白熱電球や放電灯光源においては、消費電力効率、形状、稼動電圧、事故発生時の安全性等の条件により、装飾灯の設置場所が制限される。
【0005】
一方、LED光源においては、前者に比して制限条件は緩和されるものの、光量の不足、指向特性及び高輝度点光源である事に起因する眩光等の制約の他、狭指向性のものであっても光束を投影した場合、光軸から離れた周縁部の光(周縁光)の影響によりドットとしての輪郭が不明瞭となり、図案表示効果を阻害する為、明るくかつ鑑賞者に好印象を与える装飾灯を実現する事が難しかった。
【課題を解決する手段】
【0006】
本発明は、LEDを集積配置した基台組品を投光部とし、この前面に投影マット面を有した透明板を配置して眩光を緩和し、かつ各LEDに対応して、その周縁光を制限する遮光筒または遮光板またはLEDを挿入する孔を設けたブロックを配置し、投影面に映る各LED光束の輪郭を明瞭にし或いは故意にぼかし、投影面の図案の表現自由度を向上させ、かつ明るさを確保した装飾灯を実現する。
【本発明の効果】
【0007】
本発明の装飾灯は、LEDの周縁光のみを制限し、配光中心軸近傍の光は有効利用するので、発光エネルギーの損失即ち明るさの低下を最小限に抑える投影が可能である。
【0008】
又、白熱電球や放電灯を光源としたものに比較して、低消費電力で、形状の自由度が増し、堅固に構成できるので安全性が高く、一般家庭での利用の他、特に演出効果を嘱望される劇場や催事場等の装飾照明灯や誘導灯にも適する。
【本発明を実施する為の最良の形態】
【0009】
図1は、本発明の構成要素を示す斜視図で、プリント配線基板2を基台とし、これに希望するLED群配置のパターンを設け、LED1及び符号を省略したその他のLEDを取り付ける。併せて本発明要素対象外の電流制限用抵抗、電源供給線取り付け部も設け、これらを相互に接続配線する。
【0010】
意図する図案に見合う端面を施した遮光筒3及び符合を省略したその他の遮光筒群を各々のLEDに嵌め、固着する。通常、この丸筒の端面はLED先頭より多少前面に配置され、周縁光を遮光制限する。端面を円とすればそのLED光の投影図案は円となり、斜めに切断すれば図案は長円となり、端面に凹凸を施せば図案の輪郭に放射状のぼかしが生ずるし、図案の意図する処により一部LEDの取付高さや遮光筒長さを変えたり、省略しても良い。
【0011】
この発光基板組品の前面に、LEDの指向角等から決定される適宜な距離を置いて、投影マット面4aを施した透明板4を配置し、ここに図案を表示すると共に透過光による照明効果を得る。
【0012】
更に、前記遮光筒群に代えて、遮光板または遮光ブロックを用いても同様の周縁光制限効果を得る事は明白である。図4において、5は各々のLED光軸に合わせて穴群6等を設けた遮光板であり、LED先頭より多少前面に配置する。又、各穴は、表示する図案の意図する処により輪郭を変えて周縁光を制限する。一方、図5の7は各々のLEDを収納する口径の孔群8等を設けたブロックであり、LED先頭が孔の端面より多少奥になるよう収納固着して孔口による周縁光制限作用をもたせ、投光基台部と遮光部とを一体と成す。これら3種の遮光法の内、丸筒の形状は概ね少量の生産に適し、板およびブロックの形状は概ね同一種多量生産に適する。
【実施例】
【0013】
図2は本発明の実施例で、花柄図案を表現する円筒状の装飾灯の中心断面図である。中心に赤色LED1が、同心円状に6個の符号を省略した白色LED群が、それぞれプリント配線基板2に取り付けられ、各LEDはプラスチック製の遮光筒3ほか符号を省略した6個の遮光筒が嵌合接着されている。これらの組品は本発明要素対象外の、収納円筒9、上蓋10、吊紐を兼ねる電源供給線11、接着補助環12等と接着一体化されている。更に、収納円筒9の投光側端面には、投影用マット面4aを持つ円形透明アクリル板4を接着し、投影板兼外部への投光窓とする。
【0014】
この一体化した装飾灯を点灯すると、投影板4には図3に示す、花芯が赤、花弁が白の擬似花柄図案が表示される。更に、かかる装飾灯を多数集合配置してシャンデリア型装飾灯などを実現する。この表示図案例において本発明要素である遮光筒3を除くと各LED光の輪郭線3a等が明示出来ず、鑑賞者にとっての図案認識性が著しく低下する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の構成要素を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例の装飾灯断面図である。
【図3】実施例によって投影表示される図案例である。
【図4】本構成要素の一部の、変形例を示す斜視図である。
【図5】本構成要素の一部の、更なる変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 発光ダイオード(LED)
2 プリント配線基板
3 遮光筒
4 投影板
4a 投影マット処理面
5 遮光板
7 LED収納ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光ダイオードを集積配置した投光基板部と、その投光前面に投影マットを施した投影板を配置し、投影表示する図案に応じて各発光ダイオードにその周縁光を制限する遮光筒を嵌合した装飾灯。
【請求項2】
遮光筒の代替として、各発光ダイオードの光軸に対応した穴を設けた遮光板を、投光基板部と投影板の間に配置した請求項1の装飾灯。
【請求項3】
複数の発光ダイオードを収納する口径の孔を設けたブロックに発光ダイオードを収納して投光部とし、その投光前面に投影マットを施した投影板を配置し、孔の端面によって周縁光が制限された発光ダイオード光で図案を投影表示する装飾灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−98127(P2008−98127A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−303338(P2006−303338)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(506375244)
【Fターム(参考)】