発光ダイオード駆動装置
【課題】波高率と利用効率とを両立させた発光ダイオード駆動装置を提供する。
【解決手段】充放電コンデンサ3を充電するコンデンサ充電電流を定電流に制御するためのコンデンサ充電用定電流回路5と、充放電コンデンサ3及び第一LED部11のアノード側と接続され、コンデンサ充電電流を規制するための充電用ダイオード6と、充放電コンデンサ3及び第一LED部11のカソード側と接続され、コンデンサ放電電流を規制するための放電用ダイオード7と、を備えており、充放電コンデンサ3と充電用ダイオード6とコンデンサ充電用定電流回路5とを経路上に配置した充電経路と、充放電コンデンサ3と放電用ダイオード7とコンデンサ放電用定電流回路4とを経路上に配置した放電経路と、充放電コンデンサ3を含まない、第一LED部11とコンデンサ充電用定電流回路5とコンデンサ放電用定電流回路4とを経路上に配置した過渡経路とを構成する。
【解決手段】充放電コンデンサ3を充電するコンデンサ充電電流を定電流に制御するためのコンデンサ充電用定電流回路5と、充放電コンデンサ3及び第一LED部11のアノード側と接続され、コンデンサ充電電流を規制するための充電用ダイオード6と、充放電コンデンサ3及び第一LED部11のカソード側と接続され、コンデンサ放電電流を規制するための放電用ダイオード7と、を備えており、充放電コンデンサ3と充電用ダイオード6とコンデンサ充電用定電流回路5とを経路上に配置した充電経路と、充放電コンデンサ3と放電用ダイオード7とコンデンサ放電用定電流回路4とを経路上に配置した放電経路と、充放電コンデンサ3を含まない、第一LED部11とコンデンサ充電用定電流回路5とコンデンサ放電用定電流回路4とを経路上に配置した過渡経路とを構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを点灯駆動させる駆動回路に関し、特に交流電源を用いて駆動させる発光ダイオード駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明用の光源として、白熱電球や蛍光灯に比べ低消費電力で駆動可能な発光ダイオード(以下「LED」ともいう。)が注目されている。LEDは小型で耐衝撃性にも強く、球切れの心配がないといった利点がある。このような照明機器用の電源としては、家庭用電源等交流を電源として用いることが望まれる。一方、LEDは直流駆動素子であり、順方向の電流でのみ発光する。また、照明用途として現在多用されているLEDの順方向電圧Vfは3.5V程度である。LEDはVfに達しなければ発光せず、逆にVfを超えると過度の電流が流れてしまう特性を有する。したがってLEDに対しては直流による駆動が適しているといえる。
【0003】
交流電源を用いてLEDを点灯させるには、スイッチング電源を用いて直流に変換しLEDに供給するのが一般的である。ただ、この場合はコイル、コンデンサ等の回路素子が必要となり、電源が大型で高価になる。そこで、スイッチング電源を用いることなく、交流電源をダイオードブリッジで整流した脈流のままLEDを駆動させるべく、様々な駆動装置が考案されている。
【0004】
例えば本発明者が考案した2個のトランジスタを用いた定電流LED駆動回路を図19の回路図に示す。この定電流LED駆動回路は、商用電源APと、ダイオードブリッジで構成された整流回路92と、LED部91と、2つのトランジスタ93、94及び抵抗器95、96で構成された定電流回路とを備える。LED部91は、複数のLED素子を直列接続している。この定電流LED駆動回路では、複数のLED素子の合計Vfが低いと、脈流のピーク電圧(国内では141V)との電圧差による定電流回路での損失が大きくなり、電源効率が悪いという問題があった。逆に、合計Vfを高くとると、LED部の駆動可能電圧範囲が狭くなり、一周期におけるLED点灯期間が短くなってしまう。また、合計Vfを高くとるためには、直列に接続するLED素子の数を増やす必要があり、コストアップと共にLED利用効率、すなわち(LED実効消費電力)÷(直流定格電流駆動時のLED消費電力)が悪化する。これらの関係を図20のグラフに示す。この図において、横軸は定電流駆動させるLED素子のVfの合計値、縦軸は左側が電源効率及び利用効率、右側が波高率を、それぞれ示している。この図に示すように、Vfを上げるほど電源効率が悪くなる一方で、Vfを下げると利用効率が悪くなる。このため、これらを両立させることが困難となる。
【0005】
さらに、電源周波数に同期して光出力の消灯期間が存在するため、照明の品質が低下するという望ましくない結果をもたらす。この客観的評価としては、周知のように波高率(=最大値/実効値)が用いられ、この場合は光出力を測定して波高率を得る。上記の図19に示した定電流駆動回路では、Vf=120Vの時波高率=1.7程度であり、白熱電球の1.05、蛍光灯の1.36、インバータ蛍光灯の1.1程度と比較して悪い。このことは、人によってはちらつきを感じたり、また回転体の照明において同期した場合、回転しているのに停止しているように見える等の現象(ストロボ現象)となって発現する。これを解決するためには、大容量コンデンサを使用し、脈流を平滑することで達成できるが、コンデンサへの急速充電電流による力率の悪化と、電源投入時の突入電流が懸念される。
【0006】
このように、交流電源を使用し、整流後の脈流のままLEDを駆動しようとした場合、電源効率、力率、LED利用効率、光出力波高率のバランスを図ることは容易でない。特に図20から明らかな通り、電源効率とLED利用効率は、LEDのVfに対して相反する関係にあるため、現状ではほどほどのバランスを取った妥協点を見出すほかなかった。また、光出力波高率を改善しようとすれば、コンデンサの放電により点灯期間が延びてLED利用効率が改善できるものの、コンデンサの充電電流により力率が悪化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−147933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、波高率と利用効率とを両立させた発光ダイオード駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
以上の目的を達成するために、第1の側面に係る発光ダイオード駆動装置によれば、交流電源APに接続可能で、該交流電源APの交流電圧を整流した整流電圧を得るための整流回路2と、前記整流回路2の出力側と接続される、少なくとも一のLED素子を有する第一LED部11と、を備える発光ダイオード駆動装置であって、さらに、前記第一LED部11と直列に接続された充放電コンデンサ3と、前記充放電コンデンサ3を充電するコンデンサ充電電流を定電流に制御するためのコンデンサ充電用定電流回路5と、前記充放電コンデンサ3及び第一LED部11のアノード側と接続され、コンデンサ充電電流を規制するための充電用ダイオード6と、前記充放電コンデンサ3を放電するコンデンサ放電電流を定電流に制御するためのコンデンサ放電用定電流回路4と、前記充放電コンデンサ3及び第一LED部11のカソード側と接続され、コンデンサ放電電流を規制するための放電用ダイオード7と、を備えており、前記充放電コンデンサ3を充電するための経路であって、前記充放電コンデンサ3と、充電用ダイオード6と、コンデンサ充電用定電流回路5とを経路上に配置した充電経路CPと、前記充放電コンデンサ3を放電するための経路であって、前記充放電コンデンサ3と、放電用ダイオード7と、コンデンサ放電用定電流回路4とを経路上に配置した放電経路DPと、前記充放電コンデンサ3を含まない、前記第一LED部11とコンデンサ充電用定電流回路5とコンデンサ放電用定電流回路4とを経路上に配置した過渡経路TPとを構成できる。これにより、放電期間に限らず、充電期間においても充電経路に第一LED部を配置しているため、これを点灯させることができ、第一LED部の点灯時間を長くして利用効率を高めることができる。
【0010】
また、第2の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、前記充電用ダイオード6と放電用ダイオード7とが、それぞれ前記第一LED部11の両端に接続されると共に、前記充電用ダイオード6と放電用ダイオード7とが並列に接続することができる。これにより、充電経路と放電経路を区別しつつ、いずれの経路においても第一LED部が配置されているため、充電期間と放電期間のいずれでも第一LED部を発光できる利点が得られる。
【0011】
さらに、第3の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、さらに前記充電経路CPに、第二LED部12を配置することができる。これにより、充電期間に点灯されるLED部の数を増やすことができる。
【0012】
さらにまた、第4の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、さらに前記放電経路DPに、第三LED部13を配置することができる。これにより、放電期間に点灯されるLED部の数を増やすことができる。
【0013】
さらにまた、第5の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、充電経路CPと放電経路DPにそれぞれ第二LED部12、第三LED部13を追加することができる。これにより、電源効率改善とLED電圧Vfの設定の自由度を向上させることができる。
【0014】
さらにまた、第6の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、整流電圧のピーク時に発光するLED素子の数よりも、過渡期間に発光するLED素子の数の方を大きくすることができる。これにより、入力電圧の高い、本来的に最も明るく発光する時期であるピーク時の発光量を抑制し、入力電圧の低い過渡期間の発光量を高めることで、光量の均一化を図り、波高率を改善できる。
【0015】
さらにまた、第7の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、整流電圧のピーク時にLED素子に通電される電流量を、過渡期間にLED素子に通電される電流量よりも大きくすることができる。これにより、ピーク時に発光するLED素子の数が小さくても、各LED素子の発光量は高い電流量によって維持され、ピーク時に暗くなることはない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1に係る発光ダイオード駆動装置を示すブロック図である。
【図2】図1においてコンデンサの充電期間の電流経路を示すブロック図である。
【図3】図1においてコンデンサの放電期間の電流経路を示すブロック図である。
【図4】図1においてコンデンサの過渡期間の電流経路を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2に係る脈流電源電圧と電源電流波形を示すグラフである。
【図6】実施の形態2に係る発光ダイオード駆動装置を示すブロック図である。
【図7】図6においてコンデンサの充電期間の電流経路を示すブロック図である。
【図8】図6においてコンデンサの放電期間の電流経路を示すブロック図である。
【図9】図6においてコンデンサの過渡期間の電流経路を示すブロック図である。
【図10】LED部が一つのときのLED利用効率を示すグラフである。
【図11】LED部が二つのときのLED利用効率を示すグラフである。
【図12】LED部が三つのときのLED利用効率を示すグラフである。
【図13】実施例1に係る発光ダイオード駆動装置の回路例を示す回路図である。
【図14】実施例2に係る発光ダイオード駆動装置の回路例を示す回路図である。
【図15】図14の発光ダイオード駆動装置における充電期間の等価回路図である。
【図16】図14の発光ダイオード駆動装置における過渡期間の等価回路図である。
【図17】図14の発光ダイオード駆動装置における放電期間の等価回路図である。
【図18】図14の発光ダイオード駆動装置の光出力波形を示すグラフである。
【図19】定電流LED駆動回路を示す回路図である。
【図20】図19の回路において、定電流駆動させるLEDの合計Vfを変化させた場合の各効率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光ダイオード駆動装置を例示するものであって、本発明は発光ダイオード駆動装置を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
【0018】
本発明の実施の形態1に係る発光ダイオード駆動装置100のブロック図を図1に示す。この発光ダイオード駆動装置100は、整流回路2と、第一LED部11と、コンデンサ充電用定電流回路5と、コンデンサ放電用定電流回路4と、充電用ダイオード6と、放電用ダイオード7と、充放電コンデンサ3とを備える。この発光ダイオード駆動装置100は、交流電源APに接続されて、整流回路2で交流電圧を整流した整流電圧(脈流電圧)を得る。また交流電源APと整流回路2との間には、過電流阻止のためのヒューズ81やサージ防護回路を設けることもできる。
【0019】
LED部は、一又は複数のLED素子を直列及び/又は並列に接続したブロックである。LED素子は、表面実装型(SMD)や砲弾型のLEDが適宜利用できる。またSMDタイプのLED素子のパッケージは、用途に応じて外形を選択でき、平面視が矩形状のタイプ等が利用できる。さらに、複数のLED素子をパッケージ内で直列及び/又は並列に接続したLEDをLED部として使用することも可能であることは言うまでもない。
【0020】
各LED部に含まれるLED素子の順方向電圧の加算値である小計順方向電圧は、直列接続されたLED素子の個数によって決まる。例えば順方向電圧3.6VのLED素子を6個使用する場合の小計順方向電圧は、3.6×6=21.6Vとなる。
【0021】
この発光ダイオード駆動装置100では、充放電コンデンサ3に対して充放電を行うための充電経路CPと放電経路DPを備えている。ここで図1の回路例について、充放電コンデンサ3を充電する充電期間の電流経路(充電経路CP)を図2に、放電期間の電流経路(放電経路DP)を図3に、過渡期間の電流経路(過渡経路TP)を図4に、それぞれ示すと共に、図1の回路の動作を説明する。
(充電経路CP)
【0022】
まず充放電コンデンサ3への充電は、交流電源APの電源電圧が高い期間に行われる。充電電流は図2において矢印で示すように流れて、充放電コンデンサ3に対し充電され、充電電流は充電用定電流回路5により定電流に制御される。このとき、第一LED部11と充放電コンデンサ3は直列に接続され、第一LED部11のVfが低く電源電圧との電圧差が大きくても、充放電コンデンサ3の充電電圧によって充電用定電流回路5の損失は緩和される。また、充放電コンデンサ3の充電電圧は充電終了時の電源電圧Vcheから第一LED部11のVfを差し引いた電圧Vc+となる。この充電電圧Vc+とVfとの電圧差を利用して放電電流が流れる。充電が終了する(充電終了条件は実施例に後述)と、充電用定電流回路5を流れる電流が急激に少なくなり、これを検出した信号により放電用定電流回路4の動作を開始させる。
(放電経路DP)
【0023】
次に、充放電コンデンサ3からの放電は、交流電源APの電源電圧が低い期間に行われる。放電電流は、図3において矢印で示すように流れて充放電コンデンサ3から放電され、放電電流は放電用定電流回路4により定電流に制御される。コンデンサ充電電圧Vc+とVfとの差を数十Vに設定すれば、放電電流を定電流に制御している放電用定電流回路4の損失も適切に抑えながら、消灯期間を解消することができる。このとき、コンデンサ放電終了電圧Vc-=Vf+数V(放電用定電流回路4でロスする電圧分)となる。
(過渡経路TP)
【0024】
ただし、充電から放電に移行するまでにコンデンサ充電電圧Vc+より電源電圧の高い期間があり、この期間内は図4の矢印に沿って電流が流れる。放電から充電に移行する間も同様の期間が存在する(この期間を「過渡期間」と呼ぶ。)。この過渡期間にLEDに流れる電流は、放電用定電流回路4と充電用定電流回路5で設定された電流のどちらか低い方の電流に定電流制御される。本実施の形態では放電用定電流回路4をより低くしている。ここで、脈流電源電圧と電源電流波形とを図5に示す。このように、放電用定電流回路4を低く設定することで、電流波形を正弦波に近付けることができ、力率が改善される。本発明者らの行った試験によれば、従来技術に比較して5%程度の改善が見込める。このようにして、コンデンサ充電期間はコンデンサ充電電圧によって、回路の損失を抑えながら、電源電圧の低い期間もLEDを点灯することができる。
【0025】
このように本実施の形態によれば、家庭用電源等の交流電源を用い、全波整流した後の周期的に変化する脈流電圧でLED部を直接駆動するLED駆動装置において、脈流電源電圧が高い期間においては、LED部と充放電コンデンサ3を直列に接続してLEDの点灯と充放電コンデンサ3の充電を同時に行い、脈流電源電圧が低い期間においては充放電コンデンサ3を放電させることによってLEDを点灯させることができる。また、コンデンサ充電期間、コンデンサ放電期間および上記二つの期間の間にある過渡期間のそれぞれの期間において点灯するLEDの組み合わせを異ならせることもできる。
(実施の形態2)
【0026】
具体的には、図1の例ではLED部を1つ用いた例を説明したが、複数のLED部を用いることも可能である。複数のLED部を直列接続すると共に、充電経路CPにLED部を追加したり、放電経路DPにLEDを追加したり、あるいは充電経路CPと放電経路DPにそれぞれLED部を追加することもできる。ここで実施の形態2として、充電経路CPと放電経路DPにそれぞれ第二LED部12、第三LED部13を追加した回路例を図6に示す。このように、コンデンサ充電期間、コンデンサ放電期間およびこれらの期間の間にある過渡期間のそれぞれの期間において点灯するLED部の組み合わせ(LED部の発光する数)を変化させることができる。これによって、さらに電源効率改善とLED電圧Vfの設定の自由度を向上させることが可能となる。
【0027】
上述の通り、Vc+=Vche−Vf、Vc+>VfよりVche>2Vfとなり、Vcheは最大でも電源電圧のピークである141Vであるため、70V>Vfという制約が生じる。また、図4の過渡期間における電流経路を見ると、放電用定電流回路4か充電用定電流回路5のいずれか小さい方の電流設定をされた定電流回路によるLEDの定電流駆動であるため、従来技術の課題であった回路損失の大きいままの期間である。そこで実施の形態2では、充電期間、放電期間、過渡期間それぞれにおいて点灯するLEDの組み合わせを変えることにより、特に過渡期間における損失を軽減する。この結果充放電期間にあっては、70V>Vfの制約を受容できるLED駆動装置を実現できる。これによりVfの設定を広げることができ、様々な照明器具やLEDの仕様に対応できると同時に、電源効率の高い照明器具等のLED駆動装置を提供することができる。
【0028】
図1と同様、図6の発光ダイオード駆動装置200においても、充電期間、放電期間、過渡期間それぞれにおける電流経路を、図7、図8、図9にそれぞれ矢印で示す。図7に示すように充電期間では、第一LED部11と第二LED部12が点灯し、図8に示すように放電期間では、第三LED部13と第一LED部11が点灯し、過渡期間では3つの第一LED部11、第二LED部12、第三LED部13すべてが直列に接続されて点灯する。これにより、過渡期間でのVfが最大となり、上記70V>Vfの制約を受けずに設定可能となって、定電流回路の損失を減少させると同時に、LED部への電力供給が増加し、電源効率が改善される。また、第一LED部11と第二LED部12の合計Vf12と、第一LED部11と第三LED部13の合計Vf13を、それぞれ70V以下とすることで、コンデンサ充放電を可能としている。
【0029】
LED部は、好ましくは充電経路CPと放電経路DPにそれぞれ追加して、計3個とする。ここで、LED部を1つ又は2つとした場合との比較を、図10〜図12に示す。これらの図において、図10はLED部が一つのとき、図11はLED部が二つのとき、図12はLED部が三つのときのLED利用効率をそれぞれ示している。これらの図に基づいて、LED利用効率に着目してLED部の数を3個とした理由を説明する。ここでは簡単のため、3つの期間(充電期間、放電期間、過渡期間)の時間が全て等しく、3つの期間におけるLEDへの電流設定も全て等しくLED定格電流であると仮定する。まずLED1つの場合の図1の構成では、全LEDが常時点灯するため、LED利用効率は100%となる(図10)。2つの場合、合計Vfを80Vとし、それぞれのLED部40Vずつに2等分するとLED利用効率66%となる(図11)。3つの場合、合計Vf=80V、Vf12=60V、Vf23=60Vに分けると、Vf1=20V、Vf2=40V、Vf3=20Vとなり、このとき、LED利用効率は83%となる(図12)。このように、LED利用効率は3個の場合が最も良好なことから、実施の形態2においては3つのLED部としている。
【0030】
またLED部を3つにすることで、過渡期間にLED部の直列数が多くなり、LED部に印加される電圧が大きくなるので、充電用定電流回路5に印加される電圧を小さくできる。すなわち、過渡期間における充電用定電流回路5の損失を抑制でき、LED部を効率よく発光させることができる。
【実施例1】
【0031】
次に、図1の実施の形態1に係る発光ダイオード駆動装置100を構成する回路の具体例を図13の発光ダイオード駆動装置100’に、同じく図6の実施の形態2に係る発光ダイオード駆動装置200を構成する回路の具体例を図14の発光ダイオード駆動装置200’に、それぞれ示す。各回路例100’、200’において、基本動作の説明は上述の通りである。ここでは、実施例2に係る発光ダイオード駆動装置200’の動作を主に説明する。なお実施例1の発光ダイオード駆動装置100’の動作と実施例2の発光ダイオード駆動装置200’の動作はほぼ同様であり、第一LED部11、第二LED部12、第三LED部13を第一LED部11に、Vf12、Vf23、Vf123をVfにそれぞれ読み替えればよいので、実施例1については動作説明を省略する。また図14の発光ダイオード駆動装置200’における充電期間の等価回路を図15に、過渡期間の等価回路を図16に、放電期間の等価回路を図17に、それぞれ示す。
【0032】
まず充放電コンデンサ3の放電は、図14、図17に示すように、充放電コンデンサ3から放電電流検出抵抗44、放電電流制御FET46、第三LED部13、第一LED部11、放電用ダイオード7を通って充放電コンデンサ3に戻る経路である。電源電圧が上昇し、第一LED部11から第三LED部13までの全LEDの合計端子電圧=Vf123を超えると、過渡期間に入り(図16)、放電電流制御FET46により制御された電流ですべてのLED部が駆動される。
【0033】
さらに電源電圧が上昇し、充放電コンデンサ3の端子電圧Vc-と第一LED部11と第二LED部12の合計端子電圧Vf12との合計電圧=Vc-+Vf12を超えると、充電を開始する。充電が開始されると同時に充電期間検出トランジスタ59がONして、放電用定電流回路4はOFFとなる。この際、図15に示すように充電電流により、この2つのLED部が駆動される。このときの充電電流は、充電電流検出抵抗55により検出され、充電電流検出制御トランジスタ52のベース抵抗54とベース電圧分圧抵抗53により分圧され、放電電流より大きい電流に設定される。これによって上述の通り力率が良好が保たれる。また、充電電流の上限としては、充電期間を十分長くとり、電源電圧のピーク電圧時に充電が継続するよう設定される。これにより回路損失の大きい高い電圧のときに、コンデンサ端子電圧による緩和を受けることができ、電源効率向上に貢献する。
【0034】
電源電圧がピークを過ぎて、上昇するコンデンサ端子電圧(Vc+まで上昇)とVf12との合計電圧にまで下降すると充電が終了し、充電電流が急速に減少すると、再度過渡期間に入る。過渡期間に入ると同時に充電期間検出トランジスタ59がOFFして、放電用定電流回路4はONとなる。さらに電源電圧が下降し、Vf123を下回ると充電電流検出抵抗55を流れる電流は0となり、放電電流検出抵抗44で設定された放電電流で放電が開始される。以上が、動作の1サイクルである。
【0035】
ここで実施例2による光出力を図18に示す。これによれば、ピーク時に対する暗いときの割合は約60%、波高率1.15と蛍光灯を上回り、照明品質が大きく向上したことが確認できる。充放電コンデンサ3を搭載しているにもかかわらず、コンデンサ充電電流を定電流回路で制御しているので、突入電流がない。特に大容量コンデンサを使用するほどこの効果が大きい。また充放電コンデンサ3とLED部が直列に接続されて充電されることで、充電電圧が低く抑えられ、脈流電源ラインとGND間に直接接続される構成に比べて定格電圧の低いコンデンサを使用できる利点も得られる。コンデンサ充放電電流が定電流回路で制御されるので、急速充電と比較してコンデンサリップル電流が非常に小さい。このため、LEDの寿命に比較して短寿命とされるアルミ電解コンデンサを使用したとしても長寿命を確保でき、製品の品質を向上できる。LED数を大幅に削減することが可能となり、コストメリットを生み出すと共に、LED利用効率を向上させることができる。LED利用効率と電源効率という相反する課題に対し、共に向上させることができる。従来技術による図20のグラフによれば、Vf=75Vとした場合、電源効率、LED利用効率とも65%程度、波高率1.25程度となるが、本発明請求項2の実験ではいずれも80%以上、波高率1.15を達成し、消灯期間も解消できた。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上の発光ダイオード駆動装置は、LED素子を備えているため、LED素子とその駆動回路を同一の配線基板に配置することで、家庭用交流電源を投入して点灯可能な照明装置や照明器具として利用できる。
【符号の説明】
【0037】
100、200、100’、200’…発光ダイオード駆動装置
2…整流回路
3…充放電コンデンサ
4…コンデンサ放電用定電流回路
5…コンデンサ充電用定電流回路
6…充電用ダイオード
7…放電用ダイオード
11…第一LED部
12…第二LED部
13…第三LED部
43…放電電流検出制御トランジスタ
44…放電電流検出抵抗
46…放電電流制御FET
52…充電電流検出制御トランジスタ
53…ベース電圧分圧抵抗
54…ベース抵抗
55…充電電流検出抵抗
59…充電期間検出トランジスタ
81…ヒューズ
91…LED部
92…整流回路
93、94…トランジスタ
95、96…抵抗器
AP…交流電源;CP…充電経路;DP…放電経路;TP…過渡経路
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを点灯駆動させる駆動回路に関し、特に交流電源を用いて駆動させる発光ダイオード駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明用の光源として、白熱電球や蛍光灯に比べ低消費電力で駆動可能な発光ダイオード(以下「LED」ともいう。)が注目されている。LEDは小型で耐衝撃性にも強く、球切れの心配がないといった利点がある。このような照明機器用の電源としては、家庭用電源等交流を電源として用いることが望まれる。一方、LEDは直流駆動素子であり、順方向の電流でのみ発光する。また、照明用途として現在多用されているLEDの順方向電圧Vfは3.5V程度である。LEDはVfに達しなければ発光せず、逆にVfを超えると過度の電流が流れてしまう特性を有する。したがってLEDに対しては直流による駆動が適しているといえる。
【0003】
交流電源を用いてLEDを点灯させるには、スイッチング電源を用いて直流に変換しLEDに供給するのが一般的である。ただ、この場合はコイル、コンデンサ等の回路素子が必要となり、電源が大型で高価になる。そこで、スイッチング電源を用いることなく、交流電源をダイオードブリッジで整流した脈流のままLEDを駆動させるべく、様々な駆動装置が考案されている。
【0004】
例えば本発明者が考案した2個のトランジスタを用いた定電流LED駆動回路を図19の回路図に示す。この定電流LED駆動回路は、商用電源APと、ダイオードブリッジで構成された整流回路92と、LED部91と、2つのトランジスタ93、94及び抵抗器95、96で構成された定電流回路とを備える。LED部91は、複数のLED素子を直列接続している。この定電流LED駆動回路では、複数のLED素子の合計Vfが低いと、脈流のピーク電圧(国内では141V)との電圧差による定電流回路での損失が大きくなり、電源効率が悪いという問題があった。逆に、合計Vfを高くとると、LED部の駆動可能電圧範囲が狭くなり、一周期におけるLED点灯期間が短くなってしまう。また、合計Vfを高くとるためには、直列に接続するLED素子の数を増やす必要があり、コストアップと共にLED利用効率、すなわち(LED実効消費電力)÷(直流定格電流駆動時のLED消費電力)が悪化する。これらの関係を図20のグラフに示す。この図において、横軸は定電流駆動させるLED素子のVfの合計値、縦軸は左側が電源効率及び利用効率、右側が波高率を、それぞれ示している。この図に示すように、Vfを上げるほど電源効率が悪くなる一方で、Vfを下げると利用効率が悪くなる。このため、これらを両立させることが困難となる。
【0005】
さらに、電源周波数に同期して光出力の消灯期間が存在するため、照明の品質が低下するという望ましくない結果をもたらす。この客観的評価としては、周知のように波高率(=最大値/実効値)が用いられ、この場合は光出力を測定して波高率を得る。上記の図19に示した定電流駆動回路では、Vf=120Vの時波高率=1.7程度であり、白熱電球の1.05、蛍光灯の1.36、インバータ蛍光灯の1.1程度と比較して悪い。このことは、人によってはちらつきを感じたり、また回転体の照明において同期した場合、回転しているのに停止しているように見える等の現象(ストロボ現象)となって発現する。これを解決するためには、大容量コンデンサを使用し、脈流を平滑することで達成できるが、コンデンサへの急速充電電流による力率の悪化と、電源投入時の突入電流が懸念される。
【0006】
このように、交流電源を使用し、整流後の脈流のままLEDを駆動しようとした場合、電源効率、力率、LED利用効率、光出力波高率のバランスを図ることは容易でない。特に図20から明らかな通り、電源効率とLED利用効率は、LEDのVfに対して相反する関係にあるため、現状ではほどほどのバランスを取った妥協点を見出すほかなかった。また、光出力波高率を改善しようとすれば、コンデンサの放電により点灯期間が延びてLED利用効率が改善できるものの、コンデンサの充電電流により力率が悪化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−147933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、波高率と利用効率とを両立させた発光ダイオード駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
以上の目的を達成するために、第1の側面に係る発光ダイオード駆動装置によれば、交流電源APに接続可能で、該交流電源APの交流電圧を整流した整流電圧を得るための整流回路2と、前記整流回路2の出力側と接続される、少なくとも一のLED素子を有する第一LED部11と、を備える発光ダイオード駆動装置であって、さらに、前記第一LED部11と直列に接続された充放電コンデンサ3と、前記充放電コンデンサ3を充電するコンデンサ充電電流を定電流に制御するためのコンデンサ充電用定電流回路5と、前記充放電コンデンサ3及び第一LED部11のアノード側と接続され、コンデンサ充電電流を規制するための充電用ダイオード6と、前記充放電コンデンサ3を放電するコンデンサ放電電流を定電流に制御するためのコンデンサ放電用定電流回路4と、前記充放電コンデンサ3及び第一LED部11のカソード側と接続され、コンデンサ放電電流を規制するための放電用ダイオード7と、を備えており、前記充放電コンデンサ3を充電するための経路であって、前記充放電コンデンサ3と、充電用ダイオード6と、コンデンサ充電用定電流回路5とを経路上に配置した充電経路CPと、前記充放電コンデンサ3を放電するための経路であって、前記充放電コンデンサ3と、放電用ダイオード7と、コンデンサ放電用定電流回路4とを経路上に配置した放電経路DPと、前記充放電コンデンサ3を含まない、前記第一LED部11とコンデンサ充電用定電流回路5とコンデンサ放電用定電流回路4とを経路上に配置した過渡経路TPとを構成できる。これにより、放電期間に限らず、充電期間においても充電経路に第一LED部を配置しているため、これを点灯させることができ、第一LED部の点灯時間を長くして利用効率を高めることができる。
【0010】
また、第2の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、前記充電用ダイオード6と放電用ダイオード7とが、それぞれ前記第一LED部11の両端に接続されると共に、前記充電用ダイオード6と放電用ダイオード7とが並列に接続することができる。これにより、充電経路と放電経路を区別しつつ、いずれの経路においても第一LED部が配置されているため、充電期間と放電期間のいずれでも第一LED部を発光できる利点が得られる。
【0011】
さらに、第3の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、さらに前記充電経路CPに、第二LED部12を配置することができる。これにより、充電期間に点灯されるLED部の数を増やすことができる。
【0012】
さらにまた、第4の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、さらに前記放電経路DPに、第三LED部13を配置することができる。これにより、放電期間に点灯されるLED部の数を増やすことができる。
【0013】
さらにまた、第5の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、充電経路CPと放電経路DPにそれぞれ第二LED部12、第三LED部13を追加することができる。これにより、電源効率改善とLED電圧Vfの設定の自由度を向上させることができる。
【0014】
さらにまた、第6の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、整流電圧のピーク時に発光するLED素子の数よりも、過渡期間に発光するLED素子の数の方を大きくすることができる。これにより、入力電圧の高い、本来的に最も明るく発光する時期であるピーク時の発光量を抑制し、入力電圧の低い過渡期間の発光量を高めることで、光量の均一化を図り、波高率を改善できる。
【0015】
さらにまた、第7の側面に係る発光ダイオード駆動装置は、整流電圧のピーク時にLED素子に通電される電流量を、過渡期間にLED素子に通電される電流量よりも大きくすることができる。これにより、ピーク時に発光するLED素子の数が小さくても、各LED素子の発光量は高い電流量によって維持され、ピーク時に暗くなることはない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1に係る発光ダイオード駆動装置を示すブロック図である。
【図2】図1においてコンデンサの充電期間の電流経路を示すブロック図である。
【図3】図1においてコンデンサの放電期間の電流経路を示すブロック図である。
【図4】図1においてコンデンサの過渡期間の電流経路を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2に係る脈流電源電圧と電源電流波形を示すグラフである。
【図6】実施の形態2に係る発光ダイオード駆動装置を示すブロック図である。
【図7】図6においてコンデンサの充電期間の電流経路を示すブロック図である。
【図8】図6においてコンデンサの放電期間の電流経路を示すブロック図である。
【図9】図6においてコンデンサの過渡期間の電流経路を示すブロック図である。
【図10】LED部が一つのときのLED利用効率を示すグラフである。
【図11】LED部が二つのときのLED利用効率を示すグラフである。
【図12】LED部が三つのときのLED利用効率を示すグラフである。
【図13】実施例1に係る発光ダイオード駆動装置の回路例を示す回路図である。
【図14】実施例2に係る発光ダイオード駆動装置の回路例を示す回路図である。
【図15】図14の発光ダイオード駆動装置における充電期間の等価回路図である。
【図16】図14の発光ダイオード駆動装置における過渡期間の等価回路図である。
【図17】図14の発光ダイオード駆動装置における放電期間の等価回路図である。
【図18】図14の発光ダイオード駆動装置の光出力波形を示すグラフである。
【図19】定電流LED駆動回路を示す回路図である。
【図20】図19の回路において、定電流駆動させるLEDの合計Vfを変化させた場合の各効率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光ダイオード駆動装置を例示するものであって、本発明は発光ダイオード駆動装置を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
【0018】
本発明の実施の形態1に係る発光ダイオード駆動装置100のブロック図を図1に示す。この発光ダイオード駆動装置100は、整流回路2と、第一LED部11と、コンデンサ充電用定電流回路5と、コンデンサ放電用定電流回路4と、充電用ダイオード6と、放電用ダイオード7と、充放電コンデンサ3とを備える。この発光ダイオード駆動装置100は、交流電源APに接続されて、整流回路2で交流電圧を整流した整流電圧(脈流電圧)を得る。また交流電源APと整流回路2との間には、過電流阻止のためのヒューズ81やサージ防護回路を設けることもできる。
【0019】
LED部は、一又は複数のLED素子を直列及び/又は並列に接続したブロックである。LED素子は、表面実装型(SMD)や砲弾型のLEDが適宜利用できる。またSMDタイプのLED素子のパッケージは、用途に応じて外形を選択でき、平面視が矩形状のタイプ等が利用できる。さらに、複数のLED素子をパッケージ内で直列及び/又は並列に接続したLEDをLED部として使用することも可能であることは言うまでもない。
【0020】
各LED部に含まれるLED素子の順方向電圧の加算値である小計順方向電圧は、直列接続されたLED素子の個数によって決まる。例えば順方向電圧3.6VのLED素子を6個使用する場合の小計順方向電圧は、3.6×6=21.6Vとなる。
【0021】
この発光ダイオード駆動装置100では、充放電コンデンサ3に対して充放電を行うための充電経路CPと放電経路DPを備えている。ここで図1の回路例について、充放電コンデンサ3を充電する充電期間の電流経路(充電経路CP)を図2に、放電期間の電流経路(放電経路DP)を図3に、過渡期間の電流経路(過渡経路TP)を図4に、それぞれ示すと共に、図1の回路の動作を説明する。
(充電経路CP)
【0022】
まず充放電コンデンサ3への充電は、交流電源APの電源電圧が高い期間に行われる。充電電流は図2において矢印で示すように流れて、充放電コンデンサ3に対し充電され、充電電流は充電用定電流回路5により定電流に制御される。このとき、第一LED部11と充放電コンデンサ3は直列に接続され、第一LED部11のVfが低く電源電圧との電圧差が大きくても、充放電コンデンサ3の充電電圧によって充電用定電流回路5の損失は緩和される。また、充放電コンデンサ3の充電電圧は充電終了時の電源電圧Vcheから第一LED部11のVfを差し引いた電圧Vc+となる。この充電電圧Vc+とVfとの電圧差を利用して放電電流が流れる。充電が終了する(充電終了条件は実施例に後述)と、充電用定電流回路5を流れる電流が急激に少なくなり、これを検出した信号により放電用定電流回路4の動作を開始させる。
(放電経路DP)
【0023】
次に、充放電コンデンサ3からの放電は、交流電源APの電源電圧が低い期間に行われる。放電電流は、図3において矢印で示すように流れて充放電コンデンサ3から放電され、放電電流は放電用定電流回路4により定電流に制御される。コンデンサ充電電圧Vc+とVfとの差を数十Vに設定すれば、放電電流を定電流に制御している放電用定電流回路4の損失も適切に抑えながら、消灯期間を解消することができる。このとき、コンデンサ放電終了電圧Vc-=Vf+数V(放電用定電流回路4でロスする電圧分)となる。
(過渡経路TP)
【0024】
ただし、充電から放電に移行するまでにコンデンサ充電電圧Vc+より電源電圧の高い期間があり、この期間内は図4の矢印に沿って電流が流れる。放電から充電に移行する間も同様の期間が存在する(この期間を「過渡期間」と呼ぶ。)。この過渡期間にLEDに流れる電流は、放電用定電流回路4と充電用定電流回路5で設定された電流のどちらか低い方の電流に定電流制御される。本実施の形態では放電用定電流回路4をより低くしている。ここで、脈流電源電圧と電源電流波形とを図5に示す。このように、放電用定電流回路4を低く設定することで、電流波形を正弦波に近付けることができ、力率が改善される。本発明者らの行った試験によれば、従来技術に比較して5%程度の改善が見込める。このようにして、コンデンサ充電期間はコンデンサ充電電圧によって、回路の損失を抑えながら、電源電圧の低い期間もLEDを点灯することができる。
【0025】
このように本実施の形態によれば、家庭用電源等の交流電源を用い、全波整流した後の周期的に変化する脈流電圧でLED部を直接駆動するLED駆動装置において、脈流電源電圧が高い期間においては、LED部と充放電コンデンサ3を直列に接続してLEDの点灯と充放電コンデンサ3の充電を同時に行い、脈流電源電圧が低い期間においては充放電コンデンサ3を放電させることによってLEDを点灯させることができる。また、コンデンサ充電期間、コンデンサ放電期間および上記二つの期間の間にある過渡期間のそれぞれの期間において点灯するLEDの組み合わせを異ならせることもできる。
(実施の形態2)
【0026】
具体的には、図1の例ではLED部を1つ用いた例を説明したが、複数のLED部を用いることも可能である。複数のLED部を直列接続すると共に、充電経路CPにLED部を追加したり、放電経路DPにLEDを追加したり、あるいは充電経路CPと放電経路DPにそれぞれLED部を追加することもできる。ここで実施の形態2として、充電経路CPと放電経路DPにそれぞれ第二LED部12、第三LED部13を追加した回路例を図6に示す。このように、コンデンサ充電期間、コンデンサ放電期間およびこれらの期間の間にある過渡期間のそれぞれの期間において点灯するLED部の組み合わせ(LED部の発光する数)を変化させることができる。これによって、さらに電源効率改善とLED電圧Vfの設定の自由度を向上させることが可能となる。
【0027】
上述の通り、Vc+=Vche−Vf、Vc+>VfよりVche>2Vfとなり、Vcheは最大でも電源電圧のピークである141Vであるため、70V>Vfという制約が生じる。また、図4の過渡期間における電流経路を見ると、放電用定電流回路4か充電用定電流回路5のいずれか小さい方の電流設定をされた定電流回路によるLEDの定電流駆動であるため、従来技術の課題であった回路損失の大きいままの期間である。そこで実施の形態2では、充電期間、放電期間、過渡期間それぞれにおいて点灯するLEDの組み合わせを変えることにより、特に過渡期間における損失を軽減する。この結果充放電期間にあっては、70V>Vfの制約を受容できるLED駆動装置を実現できる。これによりVfの設定を広げることができ、様々な照明器具やLEDの仕様に対応できると同時に、電源効率の高い照明器具等のLED駆動装置を提供することができる。
【0028】
図1と同様、図6の発光ダイオード駆動装置200においても、充電期間、放電期間、過渡期間それぞれにおける電流経路を、図7、図8、図9にそれぞれ矢印で示す。図7に示すように充電期間では、第一LED部11と第二LED部12が点灯し、図8に示すように放電期間では、第三LED部13と第一LED部11が点灯し、過渡期間では3つの第一LED部11、第二LED部12、第三LED部13すべてが直列に接続されて点灯する。これにより、過渡期間でのVfが最大となり、上記70V>Vfの制約を受けずに設定可能となって、定電流回路の損失を減少させると同時に、LED部への電力供給が増加し、電源効率が改善される。また、第一LED部11と第二LED部12の合計Vf12と、第一LED部11と第三LED部13の合計Vf13を、それぞれ70V以下とすることで、コンデンサ充放電を可能としている。
【0029】
LED部は、好ましくは充電経路CPと放電経路DPにそれぞれ追加して、計3個とする。ここで、LED部を1つ又は2つとした場合との比較を、図10〜図12に示す。これらの図において、図10はLED部が一つのとき、図11はLED部が二つのとき、図12はLED部が三つのときのLED利用効率をそれぞれ示している。これらの図に基づいて、LED利用効率に着目してLED部の数を3個とした理由を説明する。ここでは簡単のため、3つの期間(充電期間、放電期間、過渡期間)の時間が全て等しく、3つの期間におけるLEDへの電流設定も全て等しくLED定格電流であると仮定する。まずLED1つの場合の図1の構成では、全LEDが常時点灯するため、LED利用効率は100%となる(図10)。2つの場合、合計Vfを80Vとし、それぞれのLED部40Vずつに2等分するとLED利用効率66%となる(図11)。3つの場合、合計Vf=80V、Vf12=60V、Vf23=60Vに分けると、Vf1=20V、Vf2=40V、Vf3=20Vとなり、このとき、LED利用効率は83%となる(図12)。このように、LED利用効率は3個の場合が最も良好なことから、実施の形態2においては3つのLED部としている。
【0030】
またLED部を3つにすることで、過渡期間にLED部の直列数が多くなり、LED部に印加される電圧が大きくなるので、充電用定電流回路5に印加される電圧を小さくできる。すなわち、過渡期間における充電用定電流回路5の損失を抑制でき、LED部を効率よく発光させることができる。
【実施例1】
【0031】
次に、図1の実施の形態1に係る発光ダイオード駆動装置100を構成する回路の具体例を図13の発光ダイオード駆動装置100’に、同じく図6の実施の形態2に係る発光ダイオード駆動装置200を構成する回路の具体例を図14の発光ダイオード駆動装置200’に、それぞれ示す。各回路例100’、200’において、基本動作の説明は上述の通りである。ここでは、実施例2に係る発光ダイオード駆動装置200’の動作を主に説明する。なお実施例1の発光ダイオード駆動装置100’の動作と実施例2の発光ダイオード駆動装置200’の動作はほぼ同様であり、第一LED部11、第二LED部12、第三LED部13を第一LED部11に、Vf12、Vf23、Vf123をVfにそれぞれ読み替えればよいので、実施例1については動作説明を省略する。また図14の発光ダイオード駆動装置200’における充電期間の等価回路を図15に、過渡期間の等価回路を図16に、放電期間の等価回路を図17に、それぞれ示す。
【0032】
まず充放電コンデンサ3の放電は、図14、図17に示すように、充放電コンデンサ3から放電電流検出抵抗44、放電電流制御FET46、第三LED部13、第一LED部11、放電用ダイオード7を通って充放電コンデンサ3に戻る経路である。電源電圧が上昇し、第一LED部11から第三LED部13までの全LEDの合計端子電圧=Vf123を超えると、過渡期間に入り(図16)、放電電流制御FET46により制御された電流ですべてのLED部が駆動される。
【0033】
さらに電源電圧が上昇し、充放電コンデンサ3の端子電圧Vc-と第一LED部11と第二LED部12の合計端子電圧Vf12との合計電圧=Vc-+Vf12を超えると、充電を開始する。充電が開始されると同時に充電期間検出トランジスタ59がONして、放電用定電流回路4はOFFとなる。この際、図15に示すように充電電流により、この2つのLED部が駆動される。このときの充電電流は、充電電流検出抵抗55により検出され、充電電流検出制御トランジスタ52のベース抵抗54とベース電圧分圧抵抗53により分圧され、放電電流より大きい電流に設定される。これによって上述の通り力率が良好が保たれる。また、充電電流の上限としては、充電期間を十分長くとり、電源電圧のピーク電圧時に充電が継続するよう設定される。これにより回路損失の大きい高い電圧のときに、コンデンサ端子電圧による緩和を受けることができ、電源効率向上に貢献する。
【0034】
電源電圧がピークを過ぎて、上昇するコンデンサ端子電圧(Vc+まで上昇)とVf12との合計電圧にまで下降すると充電が終了し、充電電流が急速に減少すると、再度過渡期間に入る。過渡期間に入ると同時に充電期間検出トランジスタ59がOFFして、放電用定電流回路4はONとなる。さらに電源電圧が下降し、Vf123を下回ると充電電流検出抵抗55を流れる電流は0となり、放電電流検出抵抗44で設定された放電電流で放電が開始される。以上が、動作の1サイクルである。
【0035】
ここで実施例2による光出力を図18に示す。これによれば、ピーク時に対する暗いときの割合は約60%、波高率1.15と蛍光灯を上回り、照明品質が大きく向上したことが確認できる。充放電コンデンサ3を搭載しているにもかかわらず、コンデンサ充電電流を定電流回路で制御しているので、突入電流がない。特に大容量コンデンサを使用するほどこの効果が大きい。また充放電コンデンサ3とLED部が直列に接続されて充電されることで、充電電圧が低く抑えられ、脈流電源ラインとGND間に直接接続される構成に比べて定格電圧の低いコンデンサを使用できる利点も得られる。コンデンサ充放電電流が定電流回路で制御されるので、急速充電と比較してコンデンサリップル電流が非常に小さい。このため、LEDの寿命に比較して短寿命とされるアルミ電解コンデンサを使用したとしても長寿命を確保でき、製品の品質を向上できる。LED数を大幅に削減することが可能となり、コストメリットを生み出すと共に、LED利用効率を向上させることができる。LED利用効率と電源効率という相反する課題に対し、共に向上させることができる。従来技術による図20のグラフによれば、Vf=75Vとした場合、電源効率、LED利用効率とも65%程度、波高率1.25程度となるが、本発明請求項2の実験ではいずれも80%以上、波高率1.15を達成し、消灯期間も解消できた。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上の発光ダイオード駆動装置は、LED素子を備えているため、LED素子とその駆動回路を同一の配線基板に配置することで、家庭用交流電源を投入して点灯可能な照明装置や照明器具として利用できる。
【符号の説明】
【0037】
100、200、100’、200’…発光ダイオード駆動装置
2…整流回路
3…充放電コンデンサ
4…コンデンサ放電用定電流回路
5…コンデンサ充電用定電流回路
6…充電用ダイオード
7…放電用ダイオード
11…第一LED部
12…第二LED部
13…第三LED部
43…放電電流検出制御トランジスタ
44…放電電流検出抵抗
46…放電電流制御FET
52…充電電流検出制御トランジスタ
53…ベース電圧分圧抵抗
54…ベース抵抗
55…充電電流検出抵抗
59…充電期間検出トランジスタ
81…ヒューズ
91…LED部
92…整流回路
93、94…トランジスタ
95、96…抵抗器
AP…交流電源;CP…充電経路;DP…放電経路;TP…過渡経路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源(AP)に接続可能で、該交流電源(AP)の交流電圧を整流した整流電圧を得るための整流回路(2)と、
前記整流回路(2)の出力側と接続される、少なくとも一のLED素子を有する第一LED部(11)と、
を備える発光ダイオード駆動装置であって、さらに、
前記第一LED部(11)と直列に接続された充放電コンデンサ(3)と、
前記充放電コンデンサ(3)を充電するコンデンサ充電電流を定電流に制御するためのコンデンサ充電用定電流回路(5)と、
前記充放電コンデンサ(3)及び第一LED部(11)のアノード側と接続され、コンデンサ充電電流を規制するための充電用ダイオード(6)と、
前記充放電コンデンサ(3)を放電するコンデンサ放電電流を定電流に制御するためのコンデンサ放電用定電流回路(4)と、
前記充放電コンデンサ(3)及び第一LED部(11)のカソード側と接続され、コンデンサ放電電流を規制するための放電用ダイオード(7)と、
を備えており、
前記充放電コンデンサ(3)を充電するための経路であって、前記充放電コンデンサ(3)と、充電用ダイオード(6)と、コンデンサ充電用定電流回路(5)とを経路上に配置した充電経路(CP)と、
前記充放電コンデンサ(3)を放電するための経路であって、前記充放電コンデンサ(3)と、放電用ダイオード(7)と、コンデンサ放電用定電流回路(4)とを経路上に配置した放電経路(DP)と、
前記充放電コンデンサ(3)を含まない、前記第一LED部(11)とコンデンサ充電用定電流回路(5)とコンデンサ放電用定電流回路(4)とを経路上に配置した過渡経路(TP)と、
を構成してなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光ダイオード駆動装置であって、
前記充電用ダイオード(6)と放電用ダイオード(7)とが、それぞれ前記第一LED部(11)の両端に接続されると共に、前記充電用ダイオード(6)と放電用ダイオード(7)とが並列に接続されてなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の発光ダイオード駆動装置であって、さらに、
前記充電経路(CP)に、第二LED部(12)を配置してなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載の発光ダイオード駆動装置であって、さらに、
前記放電経路(DP)に、第三LED部(13)を配置してなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の発光ダイオード駆動装置であって、
充電経路(CP)と放電経路(DP)にそれぞれ第二LED部(12)、第三LED部(13)を追加してなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一に記載の発光ダイオード駆動装置であって、
前記整流回路(2)で整流された整流電圧のピーク時に発光するLED素子の数よりも、過渡経路(TP)上に配置されて過渡期間に発光するLED素子の数の方が大きいことを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の発光ダイオード駆動装置であって、
前記整流回路(2)で整流された整流電圧のピーク時にLED素子に通電される電流量が、過渡経路(TP)上に配置され過渡期間にLED素子に通電される電流量が小さいことを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項1】
交流電源(AP)に接続可能で、該交流電源(AP)の交流電圧を整流した整流電圧を得るための整流回路(2)と、
前記整流回路(2)の出力側と接続される、少なくとも一のLED素子を有する第一LED部(11)と、
を備える発光ダイオード駆動装置であって、さらに、
前記第一LED部(11)と直列に接続された充放電コンデンサ(3)と、
前記充放電コンデンサ(3)を充電するコンデンサ充電電流を定電流に制御するためのコンデンサ充電用定電流回路(5)と、
前記充放電コンデンサ(3)及び第一LED部(11)のアノード側と接続され、コンデンサ充電電流を規制するための充電用ダイオード(6)と、
前記充放電コンデンサ(3)を放電するコンデンサ放電電流を定電流に制御するためのコンデンサ放電用定電流回路(4)と、
前記充放電コンデンサ(3)及び第一LED部(11)のカソード側と接続され、コンデンサ放電電流を規制するための放電用ダイオード(7)と、
を備えており、
前記充放電コンデンサ(3)を充電するための経路であって、前記充放電コンデンサ(3)と、充電用ダイオード(6)と、コンデンサ充電用定電流回路(5)とを経路上に配置した充電経路(CP)と、
前記充放電コンデンサ(3)を放電するための経路であって、前記充放電コンデンサ(3)と、放電用ダイオード(7)と、コンデンサ放電用定電流回路(4)とを経路上に配置した放電経路(DP)と、
前記充放電コンデンサ(3)を含まない、前記第一LED部(11)とコンデンサ充電用定電流回路(5)とコンデンサ放電用定電流回路(4)とを経路上に配置した過渡経路(TP)と、
を構成してなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光ダイオード駆動装置であって、
前記充電用ダイオード(6)と放電用ダイオード(7)とが、それぞれ前記第一LED部(11)の両端に接続されると共に、前記充電用ダイオード(6)と放電用ダイオード(7)とが並列に接続されてなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の発光ダイオード駆動装置であって、さらに、
前記充電経路(CP)に、第二LED部(12)を配置してなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載の発光ダイオード駆動装置であって、さらに、
前記放電経路(DP)に、第三LED部(13)を配置してなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の発光ダイオード駆動装置であって、
充電経路(CP)と放電経路(DP)にそれぞれ第二LED部(12)、第三LED部(13)を追加してなることを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一に記載の発光ダイオード駆動装置であって、
前記整流回路(2)で整流された整流電圧のピーク時に発光するLED素子の数よりも、過渡経路(TP)上に配置されて過渡期間に発光するLED素子の数の方が大きいことを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の発光ダイオード駆動装置であって、
前記整流回路(2)で整流された整流電圧のピーク時にLED素子に通電される電流量が、過渡経路(TP)上に配置され過渡期間にLED素子に通電される電流量が小さいことを特徴とする発光ダイオード駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−244137(P2012−244137A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116389(P2011−116389)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】
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