説明

発光パネル、表示装置および電子機器

【課題】高精細化に伴う消費電力の増加や焼き付きの悪化を低減することの可能な発光パネル、ならびにそれを備えた表示装置および電子機器を提供する。
【解決手段】発光パネルは、発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセルを含む複数の画素を備えている。複数の画素のうちの1つである注目画素と、その注目画素に隣接して配置された画素である隣接画素とに着目したときに、注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、第1サブピクセルに隣接する、隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、例えば有機EL(electro luminescence)素子などの自発光素子を備えた発光パネルならびにそれを備えた表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、画素の発光素子として、流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の光学素子、例えば有機EL素子を用いた表示装置が開発され、商品化が進められている(例えば、特許文献1参照)。有機EL素子は、液晶素子などと異なり自発光素子である。そのため、有機EL素子を用いた表示装置(有機EL表示装置)では、光源(バックライト)が必要ないので、光源を必要とする液晶表示装置と比べて画像の視認性が高く、消費電力が低く、かつ素子の応答速度が速い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−23240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有機EL表示装置において、各サブピクセルの有機EL素子は、マスクを介して有機材料を蒸着することにより形成される。図18は、有機層を蒸着する手順の一例を表したものである。例えば、図18(A)に示したように、赤色用のサブピクセルを形成する位置に対応して開口Hrを有するマスクMrを用意する。次に、マスクMrを介して、赤色用の有機材料を蒸着する。これにより、赤色用のサブピクセルを形成する位置に対応して有機層Erが形成される(図18(B))。
【0005】
このとき、赤色用の有機材料が、他の色のサブピクセルを形成する位置にまで蒸着されるのを防ぐために、開口Hrに対して、開口Hrの精度や、マスクMrの位置合わせ精度などを考慮したマージンが取られている。そのため、サブピクセルの開口は、例えば、図中の破線で示したように、マスクの開口Hrよりも小さくならざるを得ない。その結果、高精細パネルでは、サブピクセルの開口が非常に小さくなってしまうので、電流密度が上り、消費電力が増加し、焼き付きが悪化してしまうという問題があった。
【0006】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高精細化に伴う消費電力の増加や焼き付きの悪化を低減することの可能な発光パネル、ならびにそれを備えた表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術による発光パネルは、発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセルを含む複数の画素を備えている。複数の画素のうちの1つである注目画素と、その注目画素に隣接して配置された画素である隣接画素とに着目したときに、注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、第1サブピクセルに隣接する、隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている。
【0008】
本技術による表示装置は、上述の発光パネルを表示パネルとして備えており、さらに、その表示パネルを駆動する駆動回路も備えている。本技術による電子機器は、上記の表示装置を備えている。
【0009】
本技術による発光パネル、表示装置および電子機器では、注目画素内の第1サブピクセルの発光色と、第1サブピクセルに隣接する、隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている。これにより、これら2つのサブピクセルの一部を共通化することが可能となる。例えば、これら2つのサブピクセルが、有機層を含んで構成されている場合に、これら2つのサブピクセルの有機層を共通の有機層で構成することが可能である。このようにした場合には、これら2つのサブピクセルの有機層を、マスク内の1つの開口を介した蒸着により形成することができる。マスクの開口を共用することにより、これら2つのサブピクセルに対してマージンを設ける必要がなくなるので、その分だけ、それぞれのサブピクセルに対して、大きな開口を割り当てることができる。
【発明の効果】
【0010】
本技術による発光パネル、表示装置および電子機器によれば、それぞれのサブピクセルに対して、大きな開口を割り当てることができるようにしたので、高精細化に伴う消費電力の増加や焼き付きの悪化を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本技術による一実施の形態に係る表示装置の構成の一例を表す図である。
【図2】図1のサブピクセルの回路構成の一例を表す図である。
【図3】図1のサブピクセルのレイアウトの一例を表す図である。
【図4】図3のレイアウトの拡大図である。
【図5】図3のA−A矢視方向の断面構成の一例を表す図である。
【図6】隣接画素間において共用された有機層のレイアウトの一例を表す図である。
【図7】図6の有機層を形成する際に用いるマスクの開口のレイアウトの一例を表す図である。
【図8】図1のサブピクセルのレイアウトの他の例を表す図である。
【図9】図1の表示装置の構成の他の例を表す図である。
【図10】図9のサブピクセルのレイアウトの一例を表す図である。
【図11】図10のサブピクセルのレイアウトの一変形例を表す図である。
【図12】上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図13】上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図14】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図15】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図16】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図17】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【図18】従来のサブピクセルの製造方法について説明するための図である。
【図19】従来のサブピクセルのレイアウトの一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態
2.変形例
3.モジュールおよび適用例
【0013】
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、一実施の形態に係る表示装置1の全体構成の一例を表したものである。この表示装置1は、表示パネル10と、表示パネル10を駆動する駆動回路20とを備えている。
【0014】
表示パネル10は、複数の表示画素14が2次元配置された表示領域10Aを有している。表示パネル10は、外部から入力された映像信号20Aに基づく画像を、各表示画素14をアクティブマトリクス駆動することにより表示するものである。各表示画素14は、発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセルを含んでいる。具体的には、各表示画素14は、赤色用のサブピクセル13Rと、緑色用のサブピクセル13Gと、青色用のサブピクセル13Bとを含んでいる。なお、以下では、サブピクセル13R,13G,13Bの総称としてサブピクセル13を用いるものとする。
【0015】
図2は、サブピクセル13の回路構成の一例を表したものである。サブピクセル13は、図2に示したように、有機EL素子11と、有機EL素子11を駆動する画素回路12とを有している。なお、サブピクセル13Rには、有機EL素子11として、赤色のEL光を発する有機EL素子11Rが設けられている。同様に、サブピクセル13Gには、有機EL素子11として、緑色のEL光を発する有機EL素子11Gが設けられている。サブピクセル13Bには、有機EL素子11として、青色のEL光を発する有機EL素子11Bが設けられている。
【0016】
画素回路12は、例えば、書込トランジスタTwsと、駆動トランジスタTdrと、保持容量Csとを含んで構成されたものであり、2Tr1Cの回路構成となっている。なお、画素回路12は、2Tr1Cの回路構成に限られるものではなく、互いに直列接続された2つの書込トランジスタTwsを有していてもよいし、上記以外のトランジスタや、容量を有していてもよい。
【0017】
書込トランジスタTwsは、映像信号20Aに対応する電圧を保持容量Csに書き込むトランジスタである。駆動トランジスタTdrは、書込トランジスタTwsによって書き込まれた保持容量Csの電圧に基づいて有機EL素子11を駆動するトランジスタである。書込トランジスタTwsおよび駆動トランジスタTdrは、例えば、nチャネルMOS型の薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により構成されている。なお、書込トランジスタTwsおよび駆動トランジスタTdrは、pチャネルMOS型のTFTにより構成されていてもよい。
【0018】
駆動回路20は、タイミング生成回路21、映像信号処理回路22、データ線駆動回路23、ゲート線駆動回路24およびドレイン線駆動回路25を有している。駆動回路20は、また、データ線駆動回路23の出力に接続されたデータ線DTLと、ゲート線駆動回路24の出力に接続されたゲート線WSLと、ドレイン線駆動回路25の出力に接続されたドレイン線DSLとを有している。駆動回路20は、さらに、有機EL素子11のカソードに接続されたグラウンド線GND(図2参照)を有している。なお、グラウンド線GNDは、グラウンドに接続されるものであり、グラウンドに接続されたときにグラウンド電圧となる。
【0019】
タイミング生成回路21は、例えば、データ線駆動回路23、ゲート線駆動回路24およびドレイン線駆動回路25が連動して動作するように制御するものである。タイミング生成回路21は、例えば、外部から入力された同期信号20Bに応じて(同期して)、これらの回路に対して制御信号21Aを出力するようになっている。
【0020】
映像信号処理回路22は、例えば、外部から入力されたデジタルの映像信号20Aを補正すると共に、補正した後の映像信号をアナログに変換して信号電圧22Bをデータ線駆動回路23に出力するものである。
【0021】
データ線駆動回路23は、制御信号21Aの入力に応じて(同期して)、映像信号処理回路22から入力されたアナログの信号電圧22Bを、各データ線DTLを介して、選択対象の表示画素14(またはサブピクセル13)に書き込むものである。データ線駆動回路23は、例えば、信号電圧22Bと、映像信号とは無関係の一定電圧とを出力することが可能となっている。
【0022】
ゲート線駆動回路24は、制御信号21Aの入力に応じて(同期して)、複数のゲート線WSLに選択パルスを順次印加して、複数の表示画素14(またはサブピクセル13)をゲート線WSL単位で順次選択するものである。ゲート線駆動回路24は、例えば、書込トランジスタTwsをオンさせるときに印加する電圧と、書込トランジスタTwsをオフさせるときに印加する電圧とを出力することが可能となっている。
【0023】
ドレイン線駆動回路25は、制御信号21Aの入力に応じて(同期して)、所定の電圧を、各ドレイン線DSLを介して、各画素回路12の駆動トランジスタTdrのドレインに出力するようになっている。ドレイン線駆動回路25は、例えば、有機EL素子11を発光させるときに印加する電圧と、有機EL素子11を消光させるときに印加する電圧とを出力することが可能となっている。
【0024】
次に、図2を参照して、各構成要素の接続関係および配置について説明する。ゲート線WSLは、行方向に延在して形成されており、書込トランジスタTwsのゲートに接続されている。ドレイン線DSLも行方向に延在して形成されており、駆動トランジスタTdrのドレインに接続されている。データ線DTLは列方向に延在して形成されており、書込トランジスタTwsのドレインに接続されている。
【0025】
書込トランジスタTwsのソースは、駆動トランジスタTdrのゲートと、保持容量Csの一端とに接続されている。駆動トランジスタTdrのソースと保持容量Csの他端(書込トランジスタTwsに未接続の端子)とが、有機EL素子11のアノードに接続されている。有機EL素子11のカソードは、グラウンド線GNDに接続されている。カソードは、例えば、表示領域10A全面に渡って形成されている。
【0026】
次に、図3を参照して、サブピクセル13および表示画素14のレイアウトについて説明する。図3は、サブピクセル13および表示画素14のレイアウトの一例を表したものである。
【0027】
表示画素14は、例えば、互いに直交する行方向および列方向に2次元配置されている。各表示画素14は、発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセル13を含んで構成されており、例えば、3種類のサブピクセル13R,13G,13Bを含んで構成されている。図3では、サブピクセル13Rと、サブピクセル13Gとがともに、表示画素14の4隅の1つに配置されており、サブピクセル13Bは、表示画素14の4隅の2つにまたがって配置されている。サブピクセル13Rと、サブピクセル13Gとは、行方向に延在する帯状の形状となっており、一方のサブピクセル13Bは、列方向に延在する帯状の形状となっている。
【0028】
以下、図3中で、3種類のサブピクセル13R,13G,13Bが太線で表された表示画素14を注目画素と称し、その注目画素に隣接して配置された8つの表示画素14を隣接画素と称するものとする。
【0029】
これら注目画素および8つの隣接画素に着目したときに、注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、そのサブピクセルに隣接する、3つの隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている。例えば、注目画素内のサブピクセル13Rの発光色と、注目画素内のサブピクセル13Rに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Rの発光色とが、互いに等しくなっている。同様に、例えば、注目画素内のサブピクセル13Gの発光色と、注目画素内のサブピクセル13Gに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Gの発光色とが、互いに等しくなっている。さらに、例えば、注目画素内のサブピクセル13Bの発光色と、注目画素内のサブピクセル13Bに隣接する、5つの隣接画素内の各サブピクセル13Bの発光色とが、互いに等しくなっている。
【0030】
図4は、1つの表示画素14を拡大して表したものである。表示画素14の1辺の長さをd4とし、サブピクセル13Bとサブピクセル13Gとの間の距離をd1とし、サブピクセル13Gとサブピクセル13Rとの間の距離をd2とし、行方向に互いに隣接するサブピクセル13B同士の間の距離をd3とする。ここで、d3は、d1,d2よりも狭くなっており、例えば、d1,d2の1/5倍程度の大きさとなっている。
【0031】
サブピクセル13Rの開口面積は、2(d4−d1−2d3)(d4−d2−2d3)/3で表される。同様に、サブピクセル13Gの開口面積は、2(d4−d1−2d3)(d4−d2−2d3)/3で表される。また、サブピクセル13Bの開口面積は、(d4−d1−2d3)(d4−d2)/3で表される。一方、図19に示したようなストライプ配列のときの各サブピクセルの開口面積は、(d7−3d5)(d7−2d6)/3で表される。なお、d5は、赤色用のサブピクセルと緑色用のサブピクセルとの間の距離である。d6は、列方向に互いに隣接する赤色用のサブピクセル同士の間の距離である。d7は、表示画素の1辺の長さである。ここで、d1=d2=d5=d6=25μm、d3=5μmとすると、本実施の形態におけるサブピクセル13R,13G,13Bの開口率は、図19に示したようなストライプ配列のときの各サブピクセルの開口率よりも格段に大きくなっている。
【0032】
次に、図5を参照して、表示パネル10の表示領域10Aにおける断面構成について説明する。なお、図5は、表示パネル10の断面構成の一例を表したものである。
【0033】
表示パネル10は、例えば、図5に示したように、表示領域10Aにおいて、画素回路12の形成された回路基板31上に有機EL素子11(11R,11G,11B)を有している。有機EL素子11は、有機層34を反射電極32および透明電極35で挟み込んだ構造となっている。反射電極32は、回路基板31側に形成されており、例えば、有機EL素子11のアノード電極として機能する。反射電極32は、サブピクセル13ごとに独立に設けられたものである。反射電極32は、金属材料で構成されており、反射ミラーとしても機能する。一方、透明電極35は、回路基板31とは反対側に形成されており、例えば、有機EL素子11のカソード電極として機能する。透明電極35は、各サブピクセル13を覆うように形成されており、各サブピクセル13において共通の電極として機能する。透明電極35は、可視光に対して透明な導電性材料によって構成されている。有機層34は、例えば、反射電極32側から順に、正孔注入効率を高める正孔注入層と、発光層への正孔輸送効率を高める正孔輸送層と、電子と正孔との再結合による発光を生じさせる発光層と、発光層への電子輸送効率を高める電子輸送層とを有している。これにより、サブピクセル13は、有機EL素子11の有機層34から発せられた光が、透明電極35を介して外部に出力されるか、または、反射電極32で反射された後、有機層34および透明電極35を介して外部に出力されるように構成されている。
【0034】
図6は、有機層34の面内レイアウトの一例を表したものである。注目画素内のサブピクセル13Rと、注目画素内のサブピクセル13Rに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Rとは、互いに共通の有機層34(赤色用の有機層34R)を有している。つまり、有機層34Rは、互いに隣接する4つのサブピクセル13Rにおいて共用されている。同様に、注目画素内のサブピクセル13Gと、注目画素内のサブピクセル13Gに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Gとは、互いに共通の有機層34(緑色用の有機層34G)を有している。つまり、有機層34Gは、互いに隣接する4つのサブピクセル13Gにおいて共用されている。また、注目画素内のサブピクセル13Bと、注目画素内のサブピクセル13Bに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Bとは、互いに共通の有機層34(青色用の有機層34B)を有している。つまり、有機層34Bは、互いに隣接する4つのサブピクセル13Bにおいて共用されている。
【0035】
有機層34Rは、例えば、図7に示したように、互いに隣接する4つのサブピクセル13Rの形成される位置に開口Hrを有する赤色用のマスクの1つの開口Hrを介した蒸着により形成されている。同様に、有機層34Gは、例えば、図7に示したように、互いに隣接する4つのサブピクセル13Gの形成される位置に開口Hgを有する緑色用のマスクの1つの開口Hgを介した蒸着により形成されている。また、有機層34Bは、例えば、図7に示したように、互いに隣接する4つ以上のサブピクセル13Bの形成される位置に開口Hbを有する青色用のマスクの1つの開口Hbを介した蒸着により形成されている。このように、有機層34R,34G,34Bは、互いに隣接する複数のサブピクセル13ごとに、1つの開口Hr,Hg,Hbで一括して形成されている。そのため、互いに隣接するサブピクセル13Rに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Rに対して、大きな開口が割り当てられている。同様に、互いに隣接するサブピクセル13Gに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Gに対して、大きな開口が割り当てられている。また、互いに隣接するサブピクセル13Bに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Bに対して、大きな開口が割り当てられている。
【0036】
[動作]
次に、本実施の形態の表示装置1の動作の一例について説明する。
【0037】
この表示装置1では、映像信号20Aに対応する信号電圧22Bがデータ線駆動回路23によって各データ線DTLに印加されると共に、制御信号21Aに応じた選択パルスがゲート線駆動回路24およびドレイン線駆動回路25によって複数のゲート線WSLおよびドレイン線DSLに順次印加される。これにより、各サブピクセル13において画素回路12がオンオフ制御され、各サブピクセル13の有機EL素子11に駆動電流が注入されることにより、正孔と電子とが再結合して発光が起こり、その光が外部に取り出される。その結果、表示パネル10の表示領域10Aにおいて画像が表示される。
【0038】
[効果]
次に、本実施の形態の表示装置1の効果について説明する。
【0039】
従来から、有機EL表示装置において、各サブピクセルの有機EL素子は、マスクを介して有機材料を蒸着することにより形成されている。図18は、有機層を蒸着する手順の一例を表したものである。例えば、図18(A)に示したように、赤色用のサブピクセルを形成する位置に対応して開口Hrを有するマスクMrを用意する。次に、マスクMrを介して、赤色用の有機材料を蒸着する。これにより、赤色用のサブピクセルを形成する位置に対応して有機層Erが形成される(図18(B))。
【0040】
このとき、赤色用の有機材料が、他の色のサブピクセルを形成する位置にまで蒸着されるのを防ぐために、開口Hrに対して、開口Hrの精度や、マスクMrの位置合わせ精度などを考慮したマージンが取られている。そのため、サブピクセルの開口は、例えば、図中の破線で示したように、マスクの開口Hrよりも小さくならざるを得ない。その結果、高精細パネルでは、サブピクセルの開口が非常に小さくなってしまうので、電流密度が上り、消費電力が増加し、焼き付きが悪化してしまうという問題があった。
【0041】
一方、本実施の形態では、注目画素内の第1サブピクセルの発光色と、第1サブピクセルに隣接する、隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている。これにより、これら2つのサブピクセルの一部を共通化することが可能となる。例えば、図6に示したように、注目画素内のサブピクセル13Rと、注目画素内のサブピクセル13Rに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Rとにおいて、有機層34(赤色用の有機層34R)が共通化されている。同様に、注目画素内のサブピクセル13Gと、注目画素内のサブピクセル13Gに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Gとにおいて、有機層34(緑色用の有機層34G)が共通化されている。さらに、注目画素内のサブピクセル13Bと、注目画素内のサブピクセル13Bに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Bとにおいて、有機層34(青色用の有機層34B)が共通化されている。
【0042】
従って、有機層34R、有機層34Gおよび有機層34Bをそれぞれ、マスク内の1つの開口を介した蒸着により形成することができる。マスクの開口を共用することにより、これら2つのサブピクセルに対してマージンを設ける必要がなくなるので、その分だけ、それぞれのサブピクセルに対して、大きな開口を割り当てることができる。その結果、高精細化に伴う消費電力の増加や焼き付きの悪化を低減することができる。
【0043】
<2.変形例>
[変形例1]
サブピクセル13R,13G,13Bのレイアウトは、上記実施の形態の記載に限定されるものではない。例えば、図8に示したように、サブピクセル13R,13G,13Bのレイアウトがストライプ配列となっていてもよい。ただし、この場合にも、上記実施の形態と同様、有機層34が複数のサブピクセル13同士の間で共通化されている。
【0044】
図8は、サブピクセル13および表示画素14のレイアウトの一変形例を表したものである。表示画素14は、例えば、図8に示したように、互いに直交する行方向および列方向に2次元配置されている。各表示画素14は、発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセル13を含んで構成されており、例えば、図8に示したように、3種類のサブピクセル13R,13G,13Bを含んで構成されている。図8では、サブピクセル13Bと、サブピクセル13Rとがともに、表示画素14の4隅の2つにまたがって配置されており、サブピクセル13Gは、サブピクセル13Bと、サブピクセル13Rとの間に配置されている。サブピクセル13R,13G,13Bはともに、列方向に延在する帯状の形状となっている。図8中で、3種類のサブピクセル13R,13G,13Bが太線で表された表示画素14を注目画素と称し、その注目画素に隣接して配置された8つの表示画素14を隣接画素と称するものとする。
【0045】
これら注目画素および8つの隣接画素に着目したときに、注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、そのサブピクセルに隣接する、3つの隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている。例えば、注目画素内のサブピクセル13Rの発光色が、注目画素内のサブピクセル13Rに隣接する、5つの隣接画素内の各サブピクセル13Rの発光色とが、互いに等しくなっている。同様に、例えば、注目画素内のサブピクセル13Bの発光色が、注目画素内のサブピクセル13Bに隣接する、5つの隣接画素内の各サブピクセル13Bの発光色とが、互いに等しくなっている。さらに、例えば、注目画素内のサブピクセル13Gの発光色が、注目画素内のサブピクセル13Gに隣接する、2つの隣接画素内の各サブピクセル13Gの発光色とが、互いに等しくなっている。
【0046】
本変形例におけるサブピクセル13R,13G,13Bの開口率は、上記実施の形態と同様、図19に示したようなストライプ配列のときの各サブピクセルの開口率よりも格段に大きくなっている。
【0047】
注目画素内のサブピクセル13Rと、注目画素内のサブピクセル13Rに隣接する、5つの隣接画素内の各サブピクセル13Rとは、互いに共通の有機層34(赤色用の有機層34R)を有している。つまり、有機層34Rは、互いに隣接する6つのサブピクセル13Rにおいて共用されている。同様に、注目画素内のサブピクセル13Bと、注目画素内のサブピクセル13Bに隣接する、5つの隣接画素内の各サブピクセル13Bとは、互いに共通の有機層34(青色用の有機層34B)を有している。つまり、有機層34Bは、互いに隣接する6つのサブピクセル13Bにおいて共用されている。また、注目画素内のサブピクセル13Gと、注目画素内のサブピクセル13Gに隣接する、2つの隣接画素内の各サブピクセル13Gとは、互いに共通の有機層34(緑色用の有機層34G)を有している。つまり、有機層34Gは、互いに隣接する3つのサブピクセル13Gにおいて共用されている。
【0048】
本変形例においても、有機層34Rは、例えば、図示しないが、互いに隣接する6つ以上のサブピクセル13Rの形成される位置に開口Hrを有する赤色用のマスクの1つの開口Hrを介した蒸着により形成されている。同様に、有機層34Bは、例えば、図示しないが、互いに隣接する6つ以上のサブピクセル13Bの形成される位置に開口Hbを有する青色用のマスクの1つの開口Hbを介した蒸着により形成されている。また、有機層34Gは、例えば、図示しないが、互いに隣接する3つ以上のサブピクセル13Gの形成される位置に開口Hgを有する緑色用のマスクの1つの開口Hgを介した蒸着により形成されている。このように、有機層34R,34G,34Bは、互いに隣接する複数のサブピクセル13ごとに、1つの開口Hr,Hg,Hbで一括して形成されている。そのため、互いに隣接するサブピクセル13Rに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Rに対して、大きな開口が割り当てられている。同様に、互いに隣接するサブピクセル13Gに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Gに対して、大きな開口が割り当てられている。また、互いに隣接するサブピクセル13Bに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Bに対して、大きな開口が割り当てられている。従って、本変形例においても、高精細化に伴う消費電力の増加や焼き付きの悪化を低減することができる。
【0049】
[変形例2]
【0050】
なお、上記実施の形態および変形例1では、表示パネル10は、RGB3原色のサブピクセル13R,13G,13Bを有していたが、例えば、図9に示したように、RGBW4原色のサブピクセル13R,13G,13B,13Wを有していてもよい。
【0051】
この場合に、サブピクセル13R,13G,13B,13Wは、例えば、図10に示したように、四角形に配置されたレイアウトとなっていてもよい。ただし、この場合にも、上記実施の形態と同様、有機層34が複数のサブピクセル13同士の間で共通化されている。
【0052】
表示画素14は、例えば、図10に示したように、互いに直交する行方向および列方向に2次元配置されている。各表示画素14は、発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセル13を含んで構成されており、例えば、図10に示したように、4種類のサブピクセル13R,13G,13B,13Wを含んで構成されている。図10では、各サブピクセル13R,13G,13B,13Wが、表示画素14の4隅に1つずつ配置されている。サブピクセル13R,13G,13B,13Wはともに、方形状となっている。図10中で、4種類のサブピクセル13R,13G,13B,13Wが太線で表された表示画素14を注目画素と称し、その注目画素に隣接して配置された8つの表示画素14を隣接画素と称するものとする。
【0053】
これら注目画素および8つの隣接画素に着目したときに、注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、そのサブピクセルに隣接する、3つの隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている。例えば、注目画素内のサブピクセル13Rの発光色が、注目画素内のサブピクセル13Rに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Rの発光色とが、互いに等しくなっている。同様に、例えば、注目画素内のサブピクセル13Gの発光色が、注目画素内のサブピクセル13Gに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Gの発光色とが、互いに等しくなっている。また、例えば、注目画素内のサブピクセル13Bの発光色が、注目画素内のサブピクセル13Bに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Bの発光色とが、互いに等しくなっている。さらに、例えば、注目画素内のサブピクセル13Wの発光色が、注目画素内のサブピクセル13Wに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Wの発光色とが、互いに等しくなっている。
【0054】
本変形例におけるサブピクセル13R,13G,13B,13Wの開口率は、上記実施の形態と同様、図19に示したようなストライプ配列のときの各サブピクセルの開口率よりも格段に大きくなっている。
【0055】
注目画素内のサブピクセル13Rと、注目画素内のサブピクセル13Rに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Rとは、互いに共通の有機層34(赤色用の有機層34R)を有している。つまり、有機層34Rは、互いに隣接する4つのサブピクセル13Rにおいて共用されている。同様に、注目画素内のサブピクセル13Gと、注目画素内のサブピクセル13Gに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Gとは、互いに共通の有機層34(緑色用の有機層34G)を有している。つまり、有機層34Gは、互いに隣接する4つのサブピクセル13Gにおいて共用されている。また、注目画素内のサブピクセル13Bと、注目画素内のサブピクセル13Bに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Bとは、互いに共通の有機層34(青色用の有機層34B)を有している。つまり、有機層34Bは、互いに隣接する4つのサブピクセル13Bにおいて共用されている。さらに、注目画素内のサブピクセル13Wと、注目画素内のサブピクセル13Wに隣接する、3つの隣接画素内の各サブピクセル13Wとは、互いに共通の有機層34(白色用の有機層34W)を有している。つまり、有機層34Wは、互いに隣接する4つのサブピクセル13Wにおいて共用されている。
【0056】
本変形例においても、有機層34Rは、例えば、図示しないが、互いに隣接する4つのサブピクセル13Rの形成される位置に開口Hrを有する赤色用のマスクの1つの開口Hrを介した蒸着により形成されている。同様に、有機層34Gは、例えば、図示しないが、互いに隣接する4つのサブピクセル13Gの形成される位置に開口Hgを有する緑色用のマスクの1つの開口Hgを介した蒸着により形成されている。また、有機層34Bは、例えば、図示しないが、互いに隣接する4つのサブピクセル13Bの形成される位置に開口Hbを有する青色用のマスクの1つの開口Hbを介した蒸着により形成されている。さらに、有機層34Wは、例えば、図示しないが、互いに隣接する4つのサブピクセル13Wの形成される位置に開口Hwを有する白色用のマスクの1つの開口Hwを介した蒸着により形成されている。
【0057】
このように、有機層34R,34G,34B,13Wは、互いに隣接する複数のサブピクセル13ごとに、1つの開口Hr,Hg,Hb,Hwで一括して形成されている。そのため、互いに隣接するサブピクセル13Rに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Rに対して、大きな開口が割り当てられている。同様に、互いに隣接するサブピクセル13Gに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Gに対して、大きな開口が割り当てられている。また、互いに隣接するサブピクセル13Bに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Bに対して、大きな開口が割り当てられている。さらに、互いに隣接するサブピクセル13Wに対してマージンを設ける必要がないので、その分だけ、それぞれのサブピクセル13Wに対して、大きな開口が割り当てられている。従って、本変形例においても、高精細化に伴う消費電力の増加や焼き付きの悪化を低減することができる。
【0058】
[変形例4]
【0059】
なお、上記変形例2では、表示パネル10は、RGBW4原色のサブピクセル13R,13G,13B,13Wを有していたが、例えば、図11に示したように、Wの代わりにY(黄色)のサブピクセル13Yを含んでいてもよい。この場合にも、上記変形例2と同様に、高精細化に伴う消費電力の増加や焼き付きの悪化を低減することができる。
【0060】
<3.モジュールおよび適用例>
以下、上記実施の形態およびその変形例で説明した表示装置1の適用例について説明する。表示装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0061】
[モジュール]
表示装置1は、例えば、図12に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板3の一辺に、表示パネル10を封止する部材(図示せず)から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、タイミング生成回路21、映像信号処理回路22、データ線駆動回路23、ゲート線駆動回路24およびドレイン線駆動回路25の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
【0062】
[適用例1]
図13は、表示装置1が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、表示装置1により構成されている。
【0063】
[適用例2]
図14は、表示装置1が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、表示装置1により構成されている。
【0064】
[適用例3]
図15は、表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、表示装置1により構成されている。
【0065】
[適用例4]
図16は、表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、表示装置1により構成されている。
【0066】
[適用例5]
図17は、表示装置1が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、表示装置1により構成されている。
【0067】
以上、上記各実施の形態および適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はそれらに限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0068】
例えば、上記実施の形態等では、本技術を表示装置に適用した場合について説明したが、それ以外のデバイス、例えば、照明装置などに適用することも可能である。照明装置の場合には、上記の表示パネルは、発光パネルとなる。
【0069】
また、上記実施の形態等では、表示装置がアクティブマトリクス型である場合について説明したが、アクティブマトリクス駆動のための画素回路12の構成は上記実施の形態等で説明したものに限られない。従って、必要に応じて容量素子やトランジスタを画素回路12に追加することが可能である。その場合、画素回路12の変更に応じて、上述したタイミング生成回路21、映像信号処理回路22、データ線駆動回路23、ゲート線駆動回路24およびドレイン線駆動回路25のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
【0070】
また、上記実施の形態等では、データ線駆動回路23、ゲート線駆動回路24およびドレイン線駆動回路25の駆動をタイミング生成回路21および映像信号処理回路22が制御していたが、他の回路がこれらの駆動を制御するようにしてもよい。また、データ線駆動回路23、ゲート線駆動回路24およびドレイン線駆動回路25の制御は、ハードウェア(回路)で行われていてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われていてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態等では、書込トランジスタTwsのソースおよびドレインや、駆動トランジスタTdrのソースおよびドレインが固定されたものとして説明されていたが、いうまでもなく、電流の流れる向きによっては、ソースとドレインの対向関係が上記の説明とは逆になることがある。
【0072】
また、上記実施の形態等では、書込トランジスタTwsおよび駆動トランジスタTdrがnチャネルMOS型のTFTにより形成されているものとして説明されていたが、書込トランジスタTwsおよび駆動トランジスタTdrの少なくとも一方がpチャネルMOS型のTFTにより形成されていてもよい。なお、駆動トランジスタTdrがpチャネルMOS型のTFTにより形成されている場合には、上記実施の形態等において、有機EL素子11の反射電極32がカソードとなり、有機EL素子11の透明電極35がアノードとなる。また、上記実施の形態等において、書込トランジスタTwsおよび駆動トランジスタTdrは、常に、アモルファスシリコン型のTFTやマイクロシリコン型のTFTである必要はなく、例えば、低温ポリシリコン型のTFTであってもよい。
【0073】
また、例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)
発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセルを含む複数の画素を備え、
前記複数の画素のうちの1つである注目画素と、その注目画素に隣接して配置された画素である隣接画素とに着目したときに、前記注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、前記第1サブピクセルに隣接する、前記隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている
発光パネル。
(2)
前記第1サブピクセルおよび前記第2サブピクセルは、共通の有機層を有するとともに、サブピクセルごとに独立に設けられたアノード電極を有する
(1)に記載の発光パネル。
(3)
前記第1サブピクセルと前記第2サブピクセルとの間の距離は、前記第1サブピクセルと、前記注目画素内の他のサブピクセルとの間の距離よりも狭くなっている
(1)または(2)に記載の発光パネル。
(4)
表示パネルと、前記表示パネルを駆動する駆動回路とを備え、
前記表示パネルは、
発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセルを含む複数の画素を有し、
前記複数の画素のうちの1つである注目画素と、その注目画素に隣接して配置された画素である隣接画素とに着目したときに、前記注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、前記第1サブピクセルに隣接する、前記隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている
表示装置。
(5)
表示装置を備え、
前記表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを駆動する駆動回路とを有し、
前記表示パネルは、
発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセルを含む複数の画素を有し、
前記複数の画素のうちの1つである注目画素と、その注目画素に隣接して配置された画素である隣接画素とに着目したときに、前記注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、前記第1サブピクセルに隣接する、前記隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている
電子機器。
【符号の説明】
【0074】
1…表示装置、10…表示パネル、10A…表示領域、11,11R,11G,11B…有機EL素子、12…画素回路、13,13R,13G,13B…サブピクセル、14…表示画素、20…駆動回路、21…タイミング生成回路、21A…制御信号、22…映像信号処理回路、23…データ線駆動回路、24…ゲート線駆動回路、25…ドレイン線駆動回路、31…回路基板、32…反射電極、33…樹脂層、33A…開口、34…有機層、35…透明電極、300…映像表示画面部、310…フロントパネル、320…フィルターガラス、410…発光部、420,530,640…表示部、430…メニュースイッチ、440…シャッターボタン、510…本体、520…キーボード、610…本体部、620…レンズ、630…スタート/ストップスイッチ、710…上側筐体、720…下側筐体、730…連結部、740…ディスプレイ、750…サブディスプレイ、760…ピクチャーライト、770…カメラ、Cs…保持容量、DSL…ドレイン線、DTL…データ線、Tdr…駆動トランジスタ、Tws…書込トランジスタ、WSL…ゲート線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセルを含む複数の画素を備え、
前記複数の画素のうちの1つである注目画素と、その注目画素に隣接して配置された画素である隣接画素とに着目したときに、前記注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、前記第1サブピクセルに隣接する、前記隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている
発光パネル。
【請求項2】
前記第1サブピクセルおよび前記第2サブピクセルは、共通の有機層を有するとともに、サブピクセルごとに独立に設けられたアノード電極を有する
請求項1に記載の発光パネル。
【請求項3】
前記第1サブピクセルと前記第2サブピクセルとの間の距離は、前記第1サブピクセルと、前記注目画素内の他のサブピクセルとの間の距離よりも狭くなっている
請求項2に記載の発光パネル。
【請求項4】
表示パネルと、前記表示パネルを駆動する駆動回路とを備え、
前記表示パネルは、
発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセルを含む複数の画素を有し、
前記複数の画素のうちの1つである注目画素と、その注目画素に隣接して配置された画素である隣接画素とに着目したときに、前記注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、前記第1サブピクセルに隣接する、前記隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている
表示装置。
【請求項5】
表示装置を備え、
前記表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを駆動する駆動回路とを有し、
前記表示パネルは、
発光色の互いに異なる複数種類のサブピクセルを含む複数の画素を有し、
前記複数の画素のうちの1つである注目画素と、その注目画素に隣接して配置された画素である隣接画素とに着目したときに、前記注目画素内の1つのサブピクセルである第1サブピクセルの発光色と、前記第1サブピクセルに隣接する、前記隣接画素内の1つのサブピクセルである第2サブピクセルの発光色とが、互いに等しくなっている
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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