説明

発光体および電源装置

【課題】
レンズホルダが所望に成形される発光体および照明装置を提供する。
【解決手段】
発光体1は、四角形状の下面6aの一端側2aに一対の電極8a,8bおよび他端側2bに放熱板9がそれぞれ露出するように設けられたLED素子2と、一対の電極8a,8bおよび放熱板9がそれぞれはんだ付けされ、LED素子2の下面6aの4角部側からLED素子2の外方にそれぞれ突出する突出部15が設けられたランド13を有する基板3と、LED素子2が挿通する四角形状の開口部23および開口部23の4角部側にそれぞれ連設されランド13の突出部15を露出する切り欠き部24を有する底板部21を備え、開口部23にLED素子2を挿入させて底板部21が基板3に取り付けられた筒状のレンズホルダ4と、レンズホルダ4内に取り付けられて、LED素子2の放射光を制御するレンズ5を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、LED素子から放射される光の配光を制御するレンズが設けられた発光体および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED素子を光源とする発光体には、LED素子の放射光の配光を制御するレンズが設けられ、そのレンズをレンズホルダで保持しているものがある。そして、レンズホルダは、LED素子を内包してLED素子が実装された基板に取り付けられている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
そして、LED素子には、実装面が四角形状に形成されたものがある。このLED素子が実装されたはんだ面(ランド)には、LED素子の実装面の4角部側から外方に突出するように設けられた突出部を有するものがある。この突出部は、実装面のはんだ逃げ部となっている。基板は、そのはんだ面および突出部を除いてレジストが塗布されている。そして、レンズホルダは、その底面側にLED素子の実装面を包囲する四角形状の開口部を有して形成され、その開口部にLED素子を挿入させて基板に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−15220号公報(第5頁、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レンズホルダの開口部の4角部側は、レジストが形成されていないはんだ面の突出部に位置しているので、突出部で盛り上がったはんだとの間で段差が生じて、レンズホルダおよびレンズからの応力が集中する。
【0006】
また、前記4角部側は、レンズホルダの成形時に歪みが発生しやすいので、残留応力が発生しやすく、LEDの発熱によって角欠けが発生しやすい。これにより、レンズホルダが幾分変形して、LED素子とレンズとの位置関係にずれが生じるなど、レンズホルダの成形に不具合が生じることがあった。
【0007】
本発明の実施形態は、レンズホルダが所望に成形される発光体および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の発光体は、LED素子、基板、レンズホルダおよびレンズを備える。
【0009】
LED素子は、四角形状の下面を有してなり、この下面の一端側に一対の電極および他端側に放熱板がそれぞれ露出するように設けられている。
【0010】
基板は、LED素子の一対の電極および放熱板がそれぞれはんだ付けされるランドを有する。このランドは、LED素子の下面の4角部側からLED素子の外方にそれぞれ突出する突出部が設けられている。
【0011】
レンズホルダは、基板に取り付けられる底板部を有する筒状に形成されている。底板部は、LED素子が挿通する四角形状の開口部および開口部の4角部側にそれぞれ連設されランドの突出部を露出する切り欠き部を有している。そして、底板部は、開口部にLED素子を挿入させて基板に取り付けられる。
【0012】
レンズは、レンズホルダ内に取り付けられ、LED素子の放射光を制御する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、レンズホルダの底板部は、開口部の近傍が基板に形成されたランドの突出部に位置しないので、底板部の開口部の近傍にレンズなどからの応力が集中することがなく、これにより、レンズホルダの変形などが防止されて、LED素子とレンズとが所定の位置関係となり、LED素子の放射光の配光を所望に得ることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す発光体の概略上面図である。
【図2】同じく、LED素子を示し、(a)は概略側面図、(b)は下面図である。
【図3】同じく、基板の概略上面図である。
【図4】同じく、LED素子の実装を示すランドの概略上面図である。
【図5】同じく、レンズホルダを示し、(a)は概略上面図、(b)は概略下面図である。
【図6】同じく、図1の基板の短辺側からの見た概略側面図である。
【図7】同じく、図1のA−A矢視方向の概略側断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す照明装置の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態の発光体1は、図1ないし図7に示すように構成される。図1において、発光体1は、LED素子2、基板3、レンズホルダ4およびレンズ5を有して形成されている。発光体1は、スポットライトや標識灯などの照明装置に配設され、LED素子2から放射された光が所望の配光となるようにレンズ5により制御されるものである。LED素子2は、基板3に複数個が設けられ、ここでは3個が設けられている。
【0017】
図2において、LED素子2は、合成樹脂などからなり直方体に形成された本体部6の内部に図示しないLEDベアチップが設けられている。そして、当該LEDベアチップを封止して、図2(a)に示すように、透光性の封止樹脂7が半球状に設けられている。封止樹脂7は、例えばシリコーン樹脂からなり、LED素子2から放射される光の光色に応じて、図示しない蛍光体が含有されているものもある。封止樹脂7は、LED素子2の発光面となっている。
【0018】
そして、本体部6は、図2(b)に示すように、四角形状(長方形状)の下面6aを有し、この下面6aの一端側2aに一対の電極8a,8bが露出するように設けられ、下面6aの他端側2bに放熱板9が露出するように設けられている。一対の電極8a,8bおよび放熱板9は、それぞれ金属板例えば銅(Cu)板からなり長方形に形成されている。一対の電極8a,8bは、本体部6内においてLEDベアチップに電気接続されている。放熱板9は、LEDベアチップに発生した熱を伝熱(放熱)させるものであり、本体部6の下面6aにおいて比較的大面積に形成されている。
【0019】
基板3は、高熱伝導率を有する金属板例えばアルミニウム(Al)板からなり、図3に示すように、長方形に形成されている。そして、基板3は、その一面3aの全域に図示しない絶縁層が形成されている。この絶縁層の膜厚は、例えば85μmである。そして、絶縁層上に、それぞれ例えば膜厚35μmの銅箔からなる配線パターン10a,10b,10c,10dおよび放熱パターン11が形成されている。配線パターン10a,10b,10c,10dおよび放熱パターン11は、それぞれの最小間隔においても最小限の絶縁距離を確保している。放熱パターン11は、可能な限り、大面積に形成されている。
【0020】
そして、図3中、斜線部および塗り潰した丸部を除き、絶縁層上に図示しない白色のレジストが塗布されている。このレジストの膜厚は、例えば60〜100μmである。これにより、配線パターン10a,10b,10c,10dおよび放熱パターン11に、一対の入力端子12a,12b、ランド13および試験用入力端子14a,14bが形成されている。
【0021】
入力端子12a,12bは、基板3の長手方向の一端側端部3bに並設するように設けられている。そして、正極側の入力端子12aは、配線パターン10aに設けられ、負極側の入力端子12bは、配線パターン10bに設けられている。入力端子12aの近傍には、正極側を示す表示12cが設けられている。入力端子12a,12bには、LED素子2に電力を供給する電源装置からのリード線(出力線)が接続される。入力端子12a,12b間には、複数個のLED素子2が配線パターン10a,10c,10d,10bにより直列接続される。
【0022】
そして、配線パターン10aおよび配線パターン10cと、配線パターン10cおよび配線パターン10dと、配線パターン10dおよび配線パターン10bとに、それぞれ並設するように一対のランド部13a,13bが設けられているとともに、ランド部13a,13bの近傍に試験用入力端子14a,14bが設けられている。ランド部13a,13bは、LED素子2の一対の電極8a,8bがそれぞれはんだ付けされるものであり、電極8a,8bと略同等の大きさに形成されている。試験用入力端子14a,14bは、小円に形成されており、LED素子2の点灯確認するときに、接続ピンが接触されて供給電源が印加されるものである。
【0023】
そして、放熱パターン11には、ランド部13a,13bに対するランド部13cが設けられている。ランド部13cは、LED素子2の放熱板9がはんだ付けされるものであり、放熱板9と略同等の大きさに形成されている。
【0024】
基板3は、図4に示すように、ランド13の一対のランド部13a,13bにLED素子2の一対の電極8a,8bがはんだ付けされ、ランド部13cにLED素子2の放熱板9がはんだ付けされることにより、LED素子2を実装している。そして、ランド13は、ランド部13a〜13cのそれぞれの角部13dに外方に突出する突出部15が設けられている。すなわち、ランド部13a〜13cは、ランド13にLED素子2が実装された状態において、それらの突出部15がLED素子2の下面6aの4角部側からLED素子2の外方に所定長突出するように設けられている。突出部15は、略長方形に形成されており、ランド13にLED素子2がはんだ付けされるときに、一部のはんだが流れる逃げ部となっている。
【0025】
図3において、ランド13は、基板3の短手方向中央部において、基板3の長手方向に沿って等間隔に3個のLED素子2が配設可能となっている。そして、基板3に例えば2個のLED素子2を実装するときには、LED素子2がはんだ付けされないランド13のランド13a,13b間が例えば金属板16により電気接続されるものである。
【0026】
そして、基板3の短手方向両端部には、基板3の長手方向に沿って複数個の取付け孔17が設けられている。この取付け孔17は、基板3を装置本体に取り付けるために用いられる。また、図1に示すように、取付け孔17を介して基板3にレンズホルダ4が取り付けられている。
【0027】
レンズホルダ4は、基板3に実装されたLED素子2に対応して設けられている。図5において、レンズホルダ4は、合成樹脂例えばポリカーボネート樹脂により、有底の筒状に形成されたホルダ部18および取付け部19が一体に形成されている。ホルダ部18は、図5(a)に示すように、上面視略長円形状に形成されており、筒部20および底板部21に形成されている。筒部20は、底板部21に立設し、底板部21から所定の高さを有している。そして、筒部20は、図6に示すように、外面側に凸部20aや上端側に切り欠き部22などを有している。
【0028】
そして、ホルダ部18の底板部21は、図5に示すように、下面21aからホルダ18内に貫通する開口部23および切り欠き部24を有するように形成されている。開口部23は、長円形状の底板部21の中央部に、LED素子2の本体部6が挿通可能な四角形状に形成されているとともに、その四角形状の長手方向が底板部21の短軸方向を向くように形成されている。また、開口部23は、LED素子2が挿入された状態において、LED素子2の本体部6が近接する大きさに形成されている。当該近接の程度は、例えば0.1〜1.0mmである。
【0029】
切り欠き部24は、四角形状の開口部23の4角部側にそれぞれ連設するように形成されており、ここでは円形状に形成されている。また、切り欠き部24は、基板3に形成されたランド13の突出部15を内包可能な大きさに形成され、開口部23にLED素子2が挿入しているときに突出部15が露出するように形成されている。
【0030】
底板部21には、さらに開口部23を挟むようにして、長円形状の長軸方向の両側に開口25,25が形成され、長円形状の短軸方向に開口26,27が形成されている。また、底板部21には、図5(b)に示すように、円弧状の長方形に形成された開口28,28が設けられている。
【0031】
そして、ホルダ部20の上端側内面には、内方に突出する突起部29が所定の周回に亘って形成されており、当該突起部29に嵌合凹部30が設けられている。この嵌合凹部30には、後述するレンズ5の嵌合凸部34が嵌合される。
【0032】
そして、レンズホルダ4の取付け部19は、底板部21に対して180°回転対称となるようにして底板部21から外方に突出形成されている。取付け部19の下面19aは、底板部21の下面21aと同一面状となっている。取付け部19には、レンズホルダ4を基板2に取り付けるための取付け穴31が設けられている。この取付け穴31が基板3の取付け孔17と重なるように取付け部19が形成されている。取付け穴31は、基板3の取付け孔17よりも若干径小に形成されている。
【0033】
取付け部19の取付け穴31は、底板部21の開口部23にLED素子2が挿入されて底板部21の下面21aが基板3の一面3a側に設置されると、図1に示すように、基板3の取付け孔17に位置する。この状態で、例えば基板3の一面3a側から図示しない頭部付きねじが取付け穴31および取付け孔17挿入される。そして、基板3の他面側においてねじにナットが螺着されて、ねじの頭部とナットとにより、基板3および取付け部19が共締めされる。これにより、底板部21が基板3の一面3a側のレジスト上に密接して取り付けられる。すなわち、レンズホルダ4は、LED素子2を内包するようにして基板3に取り付けられる。このレンズホルダ4の基板3への取り付けにより、LED素子2とレンズ5とが所定の位置関係となっている。
【0034】
図7において、レンズ5は、例えばアクリル(PMMA)樹脂により、略砲弾状に形成されている。そして、レンズ5は、一端側5aの端面5cが幾分凹んだ凹面32に形成され、略球面状の他端側5bの下部にLED素子2の封止樹脂7(発光部)を収納可能な凹部33が形成されている。
【0035】
また、レンズ5は、一端側5aの外面に外方に突出する嵌合凸部34,34が設けられている。この嵌合凸部34,34は、レンズ5の周回方向に180°回転対称に形成されていて、レンズホルダ4の筒部20の上端側に設けられた嵌合凹部30,30に嵌合するものである。嵌合凸部34,34は、レンズ5を筒部20内に挿入した後、レンズ5を周回方向に幾分回動させることにより、突起部29,29の嵌合凹部30,30に嵌合する。これにより、レンズ5は、レンズホルダ4内に取り付けられる。レンズ5は、レンズホルダ4を基板3に取り付ける前に、前もってレンズホルダ4内に取り付けられている。
【0036】
そして、レンズ5は、レンズホルダ4が基板3に取り付けられると、凹部33内にLED素子2の封止樹脂7(発光部)が挿入され、LED素子2との位置関係が所定の位置関係となる。LED素子2から放射された放射光は、レンズ5により屈折されて制御され、一端側5aの端面5c(凹面32)から出射される。レンズ5は、LED素子2の放射光を所望の配光に制御する。
【0037】
次に、第1の実施形態の作用について述べる。
【0038】
レンズホルダ4を基板3に取り付けると、レンズ6の凹部33にLED素子2の封止樹脂7(発光部)が収納されるようにしてLED素子2とレンズ5とが正対する。レンズホルダ4の底板部21の開口部23およびその周囲は、レンズ5の直下であるので、開口部23の周りの近傍にレンズ5を取り付けたレンズホルダ4からの応力が集中する。
【0039】
底板部21は、四角形状の開口部23の4角部側にそれぞれ切り欠き部24を有していて、この切り欠き部24が基板3のランド13の突出部15を露出させている。開口部23近傍の底板部21は、ランド13の突出部15に位置しないで、突出部15のはんだとの間に段差が生じることがなく、基板3のレジスト上に平坦に密接している。これにより、レンズホルダ4からの応力は、開口部23近傍において均一に加わり、レンズホルダ4が変形しにくくなる。
【0040】
また、LED素子2の一対の電極8a,8bに電流が流れてLED素子2が点灯し発熱しても、開口部23の4角部側に角欠けが起こりにくくなる。こうして、レンズホルダ4は、基板3の一面3a側に所定に成形される。
【0041】
そして、LED素子2とレンズ5とは、所定の位置関係となり、LED素子2から放射された放射光は、レンズ5により制御されて、レンズ5の一端側5aの端面5c(凹面32)から外方に出射される。この出射光により、所定の配光が形成される。
【0042】
本実施形態の発光体1によれば、レンズホルダ4の底板部21は、開口部23の近傍が基板3に形成されたランド13の突出部15に位置しないので、底板部21の開口部23の近傍にレンズ5およびレンズホルダ4からの応力が集中することがなく、これにより、レンズホルダ4の変形などが防止されて、LED素子2とレンズ5とを所定の位置関係とすることができて、LED素子2の放射光を所定の配光にすることができるという効果を有する。
【0043】
そして、レンズホルダ4の開口部23は、LED素子2の本体部6が近接するように形成されているので、開口部23にLED素子2を挿入してレンズホルダ4を基板3に取り付けることにより、LED素子2とレンズ5との位置関係を容易に所定の位置関係とすることができるという効果を有する。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0045】
本実施形態の照明装置は、空港の滑走路や誘導路などの地面(路面)に埋め込み設置される埋込形航空標識灯41であり、図8に示すように構成される。
【0046】
埋込形航空標識灯41は、図1に示す発光体1、装置本体としての灯体42および発光体1のLED素子2を点灯する電源装置43を有してなり、さらに灯体42を取り付けて地面(路面)44に埋め込まれて設置されている設置体45を備えている。
【0047】
設置体45は、有底で略円筒状の基台46、この基台46上に取り付けられた埋め込み深さ調整用の略円筒状の間座47およびこの間座47上に取り付けられた水平軸調整のための円環状の調整リング48を備えている。そして、設置体45は、調整リング48の上面48a周辺部が地面44と略同一高さとなるように埋め込み設置されている。
【0048】
灯体42は、略円盤状の上部灯体49および略皿状の下部灯体50による2つ割り構造に形成されている。そして、上部灯体49および下部灯体50は、Oリング51を介して覆合され、ビス52により固着されている。これにより、内部空間53が液密に形成されている。上部灯体49は、高強度金属例えばアルミニウム(Al)合金を鋳造して形成され、下部灯体50は、例えばアルミダイキャストにより形成されている。
【0049】
上部灯体49の上面49aは、平坦状の頂面54を有するように膨出されている。そして、頂面54の一端側が切り欠きされて、出射口としての光導出溝55が形成されている。光導出溝55は、内部空間53に連通し、平坦状の頂面54に対して斜め上方に向かうように形成されている。
【0050】
下部灯体50は、内部空間53に平面状の取付け板56を配設している。この取付け板56に、取付け部材57を介して発光体1が取り付けられている。発光体1は、必要に応じて設けられるスペーサ58を介して取付け部材57に取り付けられている。
【0051】
また、上部灯体49には、プリズム59を収容するプリズム収容部60が形成されている。このプリズム収容部60は、光導出溝55に連通されている。プリズム59は、例えば強化ガラスからなり、略台形状に形成され、プリズム収容部60に収納されている。そして、プリズム59には、例えばシリコーンゴム製の枠状をなすパッキング61が配設されている。プリズム59は、光導出溝55および内部空間53に液密に配設されている。
【0052】
プリズム59は、発光体1からの光が入射され、この光が光導出溝55から斜め上方に出射されるように光路規制を行うものである。そして、発光体1は、その放射光がプリズム59に入射するように、プリズム59の入射面に対向して内部空間53に配設されている。
【0053】
発光体1は、図示しないリード線により、取付け板56に配設された電源装置43に接続されている。電源装置43は、図示しないリード線により、下部灯体50の底面部62に設けられた受電端子63に接続されている。電源装置43は、受電端子63に外部電源が供給されると、発光体1のLED素子2に所定の電力(電流)を供給する既存の構成により形成されている。発光体1のLED素子2は、電源装置43からの電力の供給により、点灯して可視光を放射する。
【0054】
そして、灯体42は、調整リング48に設けられたスタットボルト64およびナット65により固定されて、調整リング48に収容されている。調整リング48は、アルミニウム(Al)合金により成型されている。そして、調整リング48は、間座47に固定されている。間座47は、例えばアルミニウム合金からなり、基台46に跨座しているとともに、基台46に固定されている。
【0055】
基台46は、例えばアルミニウム合金からなり、例えば鋳造により、上端側46aに開口部66、側面46bに接続部67および内部に内部空間68を有する有底の箱状(略円筒状)に形成されている。接続部67は、配管69が嵌入される貫通口であり、配管69が接続されている。この配管69を介して図示しないハンドホールから電源ケーブル70が引き込まれている。電源ケーブル70の先端には、レセプタクル71が取り付けられている。
【0056】
灯体42の下部灯体50の底面部62の下面62bには、受電端子63を配設している防水コネクタ72が設けられている。この防水コネクタ72に装着されるコネクタ73を有するプラグ付き電源線74,74が基台46内に収納されている。当該電源線74,74は、電源ケーブル70のレセプタクル71および防水コネクタ72(受電端子63)を電気接続している。そして、レセプタクル71、コネクタ73およびプラグ付き電源線74,74などは、防水性を有している。
【0057】
電源ケーブル70は、図示しない定電流電源装置(CCR)から出力された交流定電流を電源装置43に供給する。これにより、電源装置43から発光体1のLED素子2に所定の電力(電流)が供給されてLED素子2が点灯する。発光体1から放射された放射光は、プリズム59により光路制御されて光導出溝55から外方の所定方向に出射される。
【0058】
本実施形態の埋込形航空標識灯41によれば、放射光が所定の配光となる発光体1を具備するので、プリズム59を介して灯体42の光導出溝55から所望の方向に所望の配光で放射光を出射させることができ、これにより、航空機の操縦者が灯体42からの出射光に容易に視認できるという効果を有する。
【0059】
なお、本実施形態は、照明装置として埋込形航空標識灯41で説明したが、これに限らず、例えば店舗、スタジオや劇場などに使用されるスポットライト、所定エリアを照明するダウンライトなどの埋込灯や一般照明灯、看板や標識などを照明する標識灯や案内灯、あるいは周囲を照明するための設置灯や屋外灯などに適用してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…発光体、 2…LED素子、 3…基板、 4…レンズホルダ、 5…レンズ、 41…照明装置としての埋込形航空標識灯、 42…装置本体としての灯体、 43…電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形状の下面を有し、この下面の一端側に一対の電極および他端側に放熱板がそれぞれ露出するように設けられたLED素子と;
前記一対の電極および前記放熱板がそれぞれはんだ付けされ、前記LED素子の下面の4角部側から前記LED素子の外方にそれぞれ突出する突出部が設けられたランドを有する基板と;
前記LED素子が挿通する四角形状の開口部およびこの開口部の4角部側にそれぞれ連設され前記ランドの突出部を露出する切り欠き部を有する底板部を備え、前記開口部に前記LED素子を挿入させて前記底板部が前記基板に取り付けられた筒状のレンズホルダと;
このレンズホルダ内に取り付けられ、前記LED素子の放射光を制御するレンズと;
を具備していることを特徴とする発光体。
【請求項2】
請求項1記載の発光体と;
この発光体を配設している装置本体と;
前記発光体のLED素子に電力を供給する電源装置と;
を具備していることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−114977(P2013−114977A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261873(P2011−261873)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】