説明

発光体堆積のための硫化水素注入方法

本発明は、硫黄含有の多元素の薄膜組成物を基板上に真空蒸着する方法である。前記方法は、1又は2以上の材料を蒸着する間に前記薄膜組成物の少なくとも一部を構成する1又は2以上の原料物質でガス又は蒸気の硫黄種の供給源を対象とする処理を有する。前記ガス又は蒸気の硫黄種が1又は2以上の原料物質に到達したときに硫黄種が高温で加熱され、前記薄膜組成物の堆積の間に前記1又は2以上の原料物質からの蒸発物と前記ガス又は蒸気の硫黄種との化学相互作用が生じる。前記方法は、高誘電率を有する厚膜フィルムの誘電層を用いるフルカラーの交流エレクトロルミネセントディスプレイ用の発光体の堆積に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫黄を含有する多元素の薄膜発光体組成物を堆積させるための方法に関するものである。より詳細には、本発明は、堆積した発光体フィルムを形成する少なくとも一つ以上の堆積源の材料に対して、硫化水素が注入される硫黄含有の発光体材料を堆積させるための方法である。この方法は、高誘電率を有する厚膜の誘電層を用いるフルカラーの交流エレクトロルミネセントディスプレイのための、発光体の堆積に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,432,015号明細書(その全体が参照として本出願に組み入れられる)で示されたような厚膜フィルムの誘電エレクトロルミネセント装置は、典型的にセラミックまたはガラス基板で製造され、ガラス基板上に製造された薄膜エレクトロルミネセント(TFEL)ディスプレイに比して動作電圧を低減した場合と同様に、絶縁破壊に対する優れた耐性を提供する。これらの装置の厚膜フィルム誘電層は、高誘電率を有し、赤色、緑色、そして青色発光体層の可視光放射における信頼できる高電場励起を可能にするピンホールフリーの均一な絶縁層を提供する。
【0003】
前記明細書の出願人は、厚膜フィルム誘電エレクトロルミネセント装置で用いられる発光体を堆積させるための様々な方法を構築している。例えば、国際公開第01/01823号パンフレット(カナダ)には、その成分が異なる供給源にある三元、四元または類似の発光体の組成物を堆積させるために、電子ビーム蒸着に好ましく用いられる方法が開示されている。特に、組成物は、元素周期表のIIA族及びIIB族の元素の、これらの異なる供給源から形成される、ソアルミネイト(thoaluminates)、チオガレイト(thiogallates)、チオインデイト(thioindates)を備える。国際公開第01/01823号パンフレット(カナダ)には、2つの供給源(dual source)の電子ビーム堆積を用いる2つの供給源の発光体の堆積方法が開示されている。第1および第2の供給源の様々な化合物は、発光体に要求される組成物に必要とされる比率で提供される。堆積した発光体は、青色放射のユーロピウム活性バリウムチオアルミネート(europium activated barium thioaluminate)であることが好ましい。
【0004】
チオアルミネート、チオガレイト、または、チオインデイトを備える発光体フィルムの堆積は、複雑な工程である。堆積した発光体フィルムの特性は、フィルム性能に悪影響を及ぼす虞のある堆積雰囲気中に存在する硫黄及び酸素の種類のバックグラウンド濃度に敏感である。現状では、安定した動作特性で高い輝度の発光体を効果的かつ再現可能に提供するために、十分に高い濃度及び十分に高い反応温度及びエネルギーで発光体堆積のために硫化水素を硫黄供給源として導入するための信頼できる方法は存在していない。いくつかの従来の電子ビーム蒸着方法において、硫化水素は、自身をチャンバ内に均一に分配するためにフィードチューブを介して堆積チャンバ内にランダムに導入される。他の従来の堆積方法において、基板は、発光体の堆積中に、硫化水素に衝突される。しかしながら、硫化水素を導入するこれらの方法では、動作中に堆積する発光体が不安定になる傾向を十分に克服できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、従来技術の方法に関する問題を除去する方法で、硫黄供給源を導入するエレクトロルミネセントディスプレイ中に発光体フィルムを堆積させるための方法を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、発光体の真空堆積の間に用いられる1または2以上の原料物質上に誘導される(ターゲットにされる)、硫黄種の注入によって、ガスまたは蒸気のような硫黄含有の発光体フィルムを堆積するための発光体堆積方法である。
【0007】
特に、前記方法は、硫化水素ガス又は硫化水素蒸気が、原料物質の蒸発及び発光体の堆積の間に、硫化水素ガス又は蒸気の分解を発生させる目的で、高濃度、好適な流量、高温及びエネルギーで供給されるような、対象(ターゲット)となる硫化水素ガス又は硫化水素蒸気の注入処理を含む。フィルム堆積の間に供給源の近傍の硫化水素ガス又は蒸気の分圧が堆積チャンバ内における全圧の少なくとも2倍以上となるように、硫化水素ガス又は蒸気は、原料物質の近傍に向けて送られる。対象となる硫化水素ガス又は硫化水素蒸気の注入は、熱い原料物質の表面を横断するガスを向けて分散させる1または2以上の注入管を用いて行われる。
【0008】
前記方法は、元素周期表のIIA及びIIB群からチオアルミネート、チオガレイト、又は、チオインデイトの元素を備える発光体組成物の堆積に特に好適である。前記原料物質は、堆積発光体フィルムを備える少なくともいくつかの元素を含む硫黄を含有している。本発明を用いて製造された発光体は、従来技術の方法によって作られた発光体に比して、安定性の増大及び寿命の延びを示している。
【0009】
前記方法において用いられた1または2以上の対象に向けられた硫化水素の注入により、対象となる硫化水素を注入しない方法における発光体フィルム組成物の粒子に比して、より大きい発光体フィルム組成物の堆積という結果が生じる。複数の側面において、前記粒子は、ほぼ同軸に存在して約9から0.5μmの堆積フィルムの厚さを実質的に横断するように引き延ばされ得る一方、対象となる硫化水素の注入無しには、前記組成物はより不安定な発光体へ導かれてより不均一になる形跡とともに前記粒子は実質的により小さくなる。
【0010】
本発明の方法は、高誘電率を有する厚膜の誘電層を用いるフルカラーの交流エレクトロルミネセントディスプレイのための、発光体の堆積のために特に有用である。
【0011】
本発明の一側面によれば、硫黄含有の多元素の薄膜組成物を基板上に真空蒸着する方法である。前記方法は、堆積チャンバ内で、1又は2以上の原料物質を蒸発する間に前記薄膜組成物の少なくとも一部を構成する前記1又は2以上の原料物質を対象としたガス又は蒸気の硫黄種の供給源を供給する処理を備え、前記ガス又は蒸気の硫黄種が1又は2以上の原料物質に到達したときに前記硫黄種が高温で加熱され、前記薄膜組成物の堆積の間に前記1又は2以上の原料物質からの蒸発物と前記ガス又は蒸気の硫黄種との化学相互作用が生じる。
【0012】
本発明の一側面によれば、硫黄含有の多元素の薄膜発光体組成物を堆積する方法である。前記方法は、1又は2以上の原料物質の蒸発の間に、発光体組成物の一部を構成するために用いられる1又は2以上の原料物質に硫化水素の流れを向ける処理を有する。前記硫化水素は1又は2以上の原料物質が存在する高温に加熱されて、前記硫化水素ガスは実質的な高圧及び好適な流量で供給される。
【0013】
本発明の他の側面によれば、基板上に薄膜の所定の組成物を堆積する方法であって、前記薄膜は、周期表のIIA及びIIB群から少なくとも一つの元素における、チオアルミネート、チオガレイト、及びチオインデイトからなる群から選択される、三元、四元、又はより高い元の硫化化合物を有し、前記方法は:
a)硫黄含有の多元素の薄膜組成物を基板上に形成するための前記所定の組成物を形成する硫黄を有する少なくとも一つの原料物質を蒸発させる処理と、
b)処理a)の間に前記ガス又は蒸気の硫黄種を前記少なくとも一つの原料物質で注入する処理と、を有する。
【0014】
本発明の他の側面によれば、基板上に薄膜発光体フィルムの所定の組成物を堆積する方法が提供されている。前記組成物は、元素周期表のIIA及びIIB群から少なくとも一つの元素における、チオアルミネート、チオガレイト、及びチオインデイトからなる群から選択される、三元、四元、又はより高い元の硫化化合物を有する。前記方法は、基板上に前記所定の組成物を形成する硫黄を有する少なくとも一つの原料を電子ビームによって蒸発させる処理を有する。実質的に全ての前記硫化水素ガス又は硫化水素蒸気が少なくとも一つの原料の周囲を、必要量の硫黄が薄膜発光体フィルム中に堆積するように硫化水素ガス又は硫化水素蒸気の堆積を引き起こすのに十分な温度まで加熱されるように、前記蒸発処理の間に、前記硫化水素ガス又は硫化水素蒸気が前記少なくとも一つの原料で注入され及び対象とされる。
【0015】
本発明の実施の形態において、前記方法は、ユーロピウム活性バリウムチオアルミネートの発光体フィルムを堆積させるために用いられ、そのようなものとして、硫化アルミニウム及び/又は硫化バリウムが蒸着源の少なくとも一つとして用いられる。
【0016】
さらに好ましい実施の形態において、硫化水素ガス又は硫化水素蒸気が、ここで原料物質として参照される1又は2以上の蒸着原料を対象にして、蒸着原料物質に対して向けられた1又は2以上の注入管を通して供給される。
【0017】
本発明における他の特徴や利益は、下記の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明及び実施例は、本発明の実施の形態を表しているが、説明の目的でのみ与えられることを理解されるべきである。何故なら、この詳細な説明によって、本発明の精神や視野の範囲における様々な変形や修正が当業者に対して明らかになるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、この明細書で与えられた詳細な説明及び添付した図面から、さらに十分に理解されるようになるであろう。この詳細な説明および図面は、説明の目的でのみ与えられ、本発明における意図された視野を制限するものではない。
【0019】
本発明は、硫黄含有の多元素の薄膜組成物を堆積する方法である。前記方法において、硫黄種の導入は、薄膜発光体組成物を堆積する間における原料物質を対象としており、前記組成物は、元素周期表のIIA及びIIB群から少なくとも一つのチオアルミネート、チオガレイト、又は、チオインデイトよりなる群から選択され得る。
【0020】
薄膜発光体を堆積するための方法には、堆積チャンバ内に供給された1又は2以上の原料物質に誘導される硫黄種(すなわち、硫黄含有のガス又は蒸気)の注入を含んだ真空蒸着する方法がある。供給された1又は2以上の原料物質は、堆積された発光体組成物の少なくとも一部を構成するために用いられる。そのようなものとして、前記方法は、単一の、一対の、及び複数の発光体組成物のいずれの堆積にも適用できる。より好ましい堆積方法は、電子ビーム蒸着である。
【0021】
本発明の方法は、原料物質に硫化水素ガス又は蒸気の注入を組み込んだ本発明の改良された真空蒸着方法を使用せず堆積されていない発光体を組み込んだ装置と比較すると、エレクトロルミネセント装置における増大した安定性及び長寿命を有するユーロピウム活性バリウムチオアルミネート発光体の堆積に対して特に有用である。発光体の堆積は、厚膜フィルム誘電体を備えるエレクトロルミネセント装置において、特に望まれている。
【0022】
本発明の方法において使用する硫黄含有ガスとして現される好適な硫黄種には、硫化水素、硫黄元素の蒸気(S、S、S、S、S、S、S、S)、二硫化炭素、及び、堆積処理に有害な元素や種類を含まないジメチル・スルホキシドのような、様々な酸化硫黄含有の蒸気が含まれるが、これらに限定されるものではない。好ましい一面において、前記ガスは硫化水素である。
【0023】
本発明は、堆積チャンバの全体に高濃度の硫化水素を有することなく用いられた原料物質付近の硫化水素ガスを高圧にできる手段を供することで、従来技術における固有の制限を克服している。従来技術によれば、硫化水素の圧力は、堆積チャンバ全体で均一であるか、またはランダムに変化している。本発明は、堆積原料への硫化水素の流量を制御するための導入手段を提供する。堆積チャンバ全体で硫化水素が高圧力となることを避けることによって、前記チャンバに注入する能力が向上して、前記処理からのオフガスを洗浄する必要が低減されるので、堆積に供給するために(有害ガスに)必要な硫化水素の量が減少する。
【0024】
本発明の方法において、原料物質に向けられた硫化水素の流量が制御される。この流量は、堆積中での堆積チャンバ内における全体の圧力に比して増大している局所的な分圧に関連する。硫化水素の流量は、堆積に用いられる原料物質の表面を横断する硫化水素を分散される単数又は複数の注入管を用いることにより、もたらされる。原料物質上を対象とする硫化水素ガスはまた、加熱された原料物質に到達したときに、非常に高温で加熱される。水素ガスは予備加熱されず、むしろ後続の注入で高温の原料物質への接近により加熱される。それ故、硫化水素ガスは、加熱された原料物質の温度に近似的に到達する。水素ガスの温度は、直接制御する必要はない。
【0025】
硫化水素ガスの好適な流量は、5sccmを超えるものであり、そしてより好適には、20sccmから60sccmの間の任意の範囲を含む約20sccmから60sccmの範囲である。最適な流量は、当業者によって理解されるように、原料物質のサイズ及び蒸着率及び真空堆積システムの注入容量に依存する。
【0026】
原料物質に向かう硫化水素の流量は、圧縮され又は液化された硫化水素原料に起因するガス管線から排出される水素ガスを測定するガス流量コントローラを用いて制御される。高圧真空ポンプは、チャンバ内におけるバックグラウンド圧力でのガスの流量を調整するために用いられる。高圧真空ポンプにおける注入率は、チャンバ圧力を所望の値に調整するための高圧真空ポンプの開口部におけるオリフィスのサイズを変化させるスロットルバルブで制御してもよい。任意の望ましくない又は過多の硫黄含有種が堆積基板上に衝突して堆積した発光体組成物中に組み込まれる前に、これらの硫黄含有種をチャンバから除去する目的で、ゲッタリング又は凝縮原料が、実質的に原料物質に隣接するように提供され得る。当業者によって理解されるように、この堆積は、堆積基板からの凝縮した硫黄含有種の再蒸着を防止する十分な低温で堆積基板に行われる。
【0027】
前記ガス又は蒸気が向かう堆積原料物質の近くで、発光体を堆積する間、堆積チャンバ内の圧力に比較して、硫化水素ガスの注入地点で最大の分圧となり、最大の分圧が継続される。使用される電子ビーム又はプラズマのいずれかの高熱により、前記ガス又は蒸気がこの領域において高温で加熱される。前記ガス又は蒸気の温度は、約数千摂氏度の範囲に達し得る。
【0028】
前記方法により、堆積基板上ではなく、発光体組成物を構成するのに用いられる原料物質に硫化水素ガスを向ける。前記ガスの注入は、高温の原料に直接向けられたガス輸送チューブを用いることによってなされる。ガス輸送チューブが前記原料からの蒸発物の流れを遮断しないように、ガス輸送チューブの端部は原料から約3cm離れており、傾斜角からの硫化水素の流れに向けられている。当業者によって理解されるように、ガス輸送チューブの端部と原料物質との間の距離は、実質的に全ての硫化水素が原料上に直接衝突するようにするべきであり、それ故、可変である。
【0029】
ガス輸送チューブと分散装置とは、必要に応じてそれぞれの離れた原料物質に亘って局所的な硫化水素ガスの密集したブランケットを提供するために、十分なサイズと適切な形態を有しているべきであることが当業者に理解される。原料を十分に覆うためにより多くのガス輸送が必要とされる場合には、単一の原料が1つより多いチューブを有し得るようにさらなるチューブを各原料に配置することができる。ガス輸送チューブは、ステンレス鋼、ステンレス鋼の合金、又は硫化水素や関連する種が輸送チューブと反応しないようなモネル、のような、好適な非反応性原料から作製してもよい。しかしながら、原料物質に近接するガス輸送チューブの端部は、高温の原料物質に接近による高温に耐えられるように、アルミナのような耐熱性の物質から作製しなければならない。
【0030】
前記方法において、1又は2以上の原料物質を硫化水素ガスの注入の対象とするために、任意の数のガス注入チューブを使用してもよいことが当業者に理解される。注入した硫化水素ガスは、原料物質中に汚染物質として又は堆積雰囲気中の成分として存在する虞のある任意の酸素を部分的に除去してもよい。注入された硫化水素ガスは、任意の酸素と結合して、硫黄含有有機物、又はゲッターを使用することによって堆積チャンバから凝縮し得る水、又は出願人の同時継続中の仮出願である2003年1月30日に提出の米国特許出願公開第60/443、540号明細書(その全体が本明細書に参照として組み込まれる)に記載されているようなコールド・トラップを生成する。
【0031】
実質的に堆積チャンバに入る硫化水素ガスの全てが、使用される原料物質から放射されるプラズマを通過するように向けられている。電子ビームに付随する磁場は、堆積基板上に衝突させる目的で原料付近から発散させるための中性の種を離しながら原料物質のもとへのガス注入の結果生じた任意のイオンを偏向させる傾向がある。この方法は、硫化水素ガス又は上記の流れが反応部位、すなわち原料物質で適切なものであるので、処理制御のための迅速な反応速度を達成できる。また、この方法は、堆積基板での硫化水素の分解をも抑えるので、それ故、硫化水素ガス又は蒸気からの水素原子の拡散、及び、堆積した発光体及び/又は基板との反応が最小限になる。
【0032】
硫化水素の原子種への分解とそれに続く堆積チャンバ中に存在する他の原子種との反応とは、原料物質付近の原料電子ビームによって発生したプラズマによって行うことができる。これらの反応の性質は、原料に印加される電子ビーム出力を変化させることにより、原料物質に亘って電子ビームのラスタ構造及びラスタ率を制御することにより、堆積チャンバ中へのポンプ流量を制御することにより、そして、前記原料に亘って硫化水素ガス又は蒸気の流量及び分散を制御することにより、制御することができる。原料物質付近の様々な化学種は、上に列挙したプロセス変量を変えることによって制御し得る特性温度での平衡近傍の種の集団を形成するように反応し得る。これらの種の集団は、堆積した発光体フィルムの性質に順に影響を与え、それ故、前記フィルムは上に列挙したプロセス変量を調整することで、最適化及び制御することができる。
【0033】
本発明の方法は、基板上に所定の組成物を形成する選択された単一の原料物質又は複数の原料物質が電子ビーム蒸着のような真空方法を用いて蒸着させさえすれば、単一の原料物質又は複数の原料物質からもたらされ得る。この方法は、電子ビーム堆積であることが好ましい。堆積した発光体組成物を形成するために用いた原料物質から基板上への成分堆積の時間的変化は、出願人による同時継続中の国際公開第01/01823号パンフレット(カナダ)(その全体が本明細書に参照として組み込まれる)に教示されているように、原料物質からの瞬間的な蒸着をもたらすために、監視されて制御される。
【0034】
本発明は、Al原料物質2及びBaS:Eu原料物質3に連続している硫化水素注入チューブ1を示す図1Aに示された実施の形態によってさらに説明される。図1Bには、BaS:Eu熱面5、及び、供給源の表面に硫化水素を直接吹き付けるインジェクター6上のアルミナエンドチューブを現す、BaS:Eu含有るつぼ4の詳細が示されている。るつぼの上端部は、電子ビームの蒸着炉内に着座するるつぼとして現れる。電子ビーム蒸着の間、強力な電子ビームによって、るつぼの中身が上面部で走査される。電子ビームによって、前記中身が高温で加熱されて原料物質の蒸発が開始される。インジェクターからのガスは蒸発の間この熱面に衝突し、前記電子ビームは噴射された硫化水素の流れを走査する。これにより、前記ガスが加熱され、るつぼに含まれるBaS:Eu及びAlの上方に位置する堆積基板に向けて移動させるために中性原子種及び中性分子種を残しつつ、供給源に向かう電子ビームに関連する磁場により向けられたイオンでイオン化される。
【0035】
図1Cには、好ましい実施の形態における、高温のAl表面に向けられたインジェクタースプレーを有するAl含有るつぼ7が示されている。BaS:Euと同様に、Alの熱面8には、被覆する基板に向けてるつぼの表面から発散してインジェクターからの硫化水素を通り、ガス混合物の熱化を引き起こし得る蒸発物とともに、インジェクターエンドチューブ9からの硫化水素ガスが浴びせられる。電子ビーム自体もまた、インジェクターから硫化水素を介して、ガスを加熱及びイオン化しながら、走査する。電子ビームに関連する磁場により、供給源に含まれるBaS:Eu及びAlの上方に位置する堆積基板に向けて移動させるために中性原子種及び中性分子種を残しつつ、供給源に対して向かうようにイオンが発生する。
【0036】
本発明は、図2の断面図で示す、厚膜フィルム誘電エレクトロルミネセント装置における硫黄含有の発光体組成物を堆積させるために有用である。前記装置は、10で全体的に指し示されるが、列電極14が上に位置するベース基板12を有している。厚膜フィルム誘電体16は、その上に薄膜誘電体18を有している。薄膜誘電体18は、その上に位置して、20、22、24で参照される3つの画素列とともに示される。前記画素列は、三原色、すなわち赤色、緑色、及び青色を提供するための硫黄含有発光体を含む。画素列20は、薄膜誘電体18に隣接する位置に赤色発光体26を有する。他の薄膜誘電体28は、赤色発光体26上に位置し、列電極30は薄膜誘電体28上に位置する。同様に、画素列22は薄膜誘電体28上に緑色発光体32を有する。同様に、画素列22は、発光体フィルム誘電体34及び列電極36をその上に備える、緑色発光体32を薄膜誘電体18上に有する。画素列24は、発光体フィルム誘電体40及び列電極42をその上に備える、ユーロピウム活性バリウムチオアルミネート38を備える青色発光体を有する。
【0037】
この構造を備えて、図3において例として示されるフィルムスタックを交流電圧が横断して印加されるときに、光は放射される。前記ディスプレイは、その側面の列電極から見ると、印加された電圧がスレショルド電圧を一旦超えるとディスプレイは光を放射する。ディスプレイは、電圧が増加するにつれて、より明るくなる。電圧が一定に維持されていたとしても、時間とともに、ディスプレイの輝度は減少し得る。この輝度の減少によりディスプレイの寿命が規定され、輝度が半分になるとディスプレイの寿命は通常半分で規定される。本発明の重要な結果は、電圧が一定で印加される間の操作時間に伴う減少率を減らすことで、ディスプレイの寿命を延ばすことである。
【0038】
堆積した発光体組成物の化学量論は、出願人の同時係属の国際公開第01/01823号パンフレット(カナダ)(その全体が参照としてここに組み入れられる)で示されるように、制御しても良い。堆積期間における化学量論の制御は、互いに独立した供給源の堆積率を測定する原料物質用の堆積率測定システムと、前記測定された比率に相応の相対堆積率を制御するフィードバックシステムとを伴って、2または3以上の堆積源を異なる化学成分とともに用いることで反映される。
【0039】
要約すれば、本発明は、活性希土類のチオアルミネート、または、高エネルギー効率及び高輝度を得られる関連する相を備える薄膜発光体の堆積方法を提供する。この方法は、最適な発光体の性能を得るとともに発光体材料が1つの結晶相より多く形成される可能性を減少するための精密許容差が制御される3または4、または5以上の構成要素の比率を保持して三元又は四元化合物の形態で発光体の堆積に用いることができる。さらに、前記方法は、酸素のような不純物の濃度を最小に保つことを保証するためのものである。
【0040】
上述の開示により、本発明が全体的に記述される。より完全な理解は、下記の特別な実施例を参照することで得ることができる。これらの実施例は、単に例示の目的でのみ記述され、本発明の範囲を制限する意図のものではない。環境により利便性が提案されまたは提供されるときに形態の変更や均等物への代用が考慮され得る。特定の用語がここで使用されているが、このような用語は記述的な意味で用いられ、限定する目的のためのものではない。
【0041】
[実施例]
実施例1
厚膜フィルム誘電体エレクトロルミネセント装置は、ユーロピウム活性バリウムチオアルミネートの薄膜発光体層を組み込んで構築された。厚膜フィルム基板は、約2mmの厚さを有する5cm×cmのガラス基板である。出願人における2002年12月19日に提出された同時係属の仮出願である第10/326,777号明細書(その開示内容は全体としてこの出願で参照として組み込まれる)において典型的に例示された方法に従って厚膜フィルム高誘電体定数の誘電体層に続いて、前記基板上には金電極を堆積した。100nmから200nmのチタン酸塩バリウムよりなる薄膜誘電体層を厚膜フィルム誘電体層の頂部上に、出願人における2001年1月17日に提出された同時係属の仮出願である第09/761,971号明細書(その開示内容は全体としてこの出願で参照として組み込まれる)において記述されたゾルゲル技術を用いて堆積した。
【0042】
バリウムに対して約3原子百分率で膜厚600nmのユーロピウム活性バリウムチオアルミネート発光体フィルムをバリウムチタン酸塩層上に、出願人における同時係属の国際特許出願01/1823号パンフレット(カナダ)(その開示内容は全体としてこの出願で参照として組み込まれる)の方法に基づいて、電子ビーム堆積した。
【0043】
過多の硫黄、酸素、又は他の揮発性不純物を凝縮するために、出願人における2003年1月30日に提出された同時係属の仮出願である第60/443,540号明細書(その開示内容は全体としてこの出願で参照として組み込まれる)において典型的に例示された方法に従って記述されたコールド・トラップをバリウム硫化物及びアルミニウム硫化物の供給源に隣接して配置した。堆積処理に続いて、前記堆積した発光体は、約1分間で700℃から750℃のピーク温度でベルト炉内における窒素雰囲気中でアニールされた。50nmの厚い窒化アルミニウム層は、出願人における同時係属の国際特許出願00/00561号パンフレット(カナダ)(その開示内容は全体としてこの出願で参照として組み込まれる)の方法に基づいて、導電層上部のインジウムスズ酸化物の堆積に続いて発光体層上にスパッタ堆積された。完成した装置は、インジウムスズ酸化物の堆積に続き、試験に先立って、空気雰囲気中において約550℃でアニールされて、そして、窒素雰囲気中において約550℃でアニールされた。
【0044】
前記装置は、ほぼ光閾値電圧である60ボルトの振幅と30ナノ秒のパルス幅とを有する方形波電圧を240Hzで極性変動させて印加することで、試験された。図3は、典型的な輝度を装置に印加された電圧の関数として示している。データからわかるように、閾値電圧である190ボルトよりも60ボルト上方の輝度は、単位平方メートル当たり約475カンデラである。図4は、輝度と操作時間とで表される装置の典型的な寿命を示している。“HS注入無し”で示される曲線は、供給源にHSを注入せずに作られた発光体の寿命を示し、明るさが10時間未満で半分の強度に下落していることが描かれている。
【0045】
発光体フィルムは、その中の元素の各種の濃度を決定するためにエネルギー分散X線分析によって分析された。その結果は、酸素を約8.3元素百分率で含むとともに硫黄を約43元素百分率で含むフィルムにおいて、アルミニウムとバリウムの比率を3対3で、示している。
【0046】
実施例2
実施例1と同様であるが、図1に示したような本発明における硫化水素の注入物を組み込んで装置が構築された。前記注入物は、溶融した硫黄供給源の表面上に電子ビーム環境下で20から約60sccmの比率で制御された硫化水素の密集した供給源を供するように用いられた。図4は輝度と操作時間とで表される装置の典型的な寿命を示している。“HS注入済み”で示される曲線は、実施例1に従って作成された装置の寿命と比較して、500時間を超える寿命の増大を示している。
【0047】
発光体フィルムは、その中の元素の各種の濃度を決定するためにエネルギー分散X線分析によって分析された。前記フィルムは、酸素を約9.9元素百分率で含むとともに硫黄を約41元素百分率で含むフィルムにおいて、アルミニウムとバリウムの比率を3対7で、示している。硫化水素注入物の使用により、前記フィルムの硫黄含有量が実質的に変わらずに堆積した発光体の操作寿命が増大した。
【0048】
実施例3
実施例1と同様であるが、発光体の堆積に続いて直ぐに窒素雰囲気で装置をアニールする代わりに、空気雰囲気でアニールして装置が構築された。図5は、輝度と操作時間とで表される装置の典型的な操作寿命を示している。“HS注入無し”で示される曲線は、明るさが半分になる時間が約10時間で規定されることが描かれている。
【0049】
実施例4
実施例3と同様であるが、図1に示したような本発明における硫化水素の注入物を組み込んで装置が構築された。図5は輝度と操作時間とで表される装置の操作寿命を示している。“HS注入済み”で示される曲線は、当初の明るさは実施例1及び実施例2の装置よりも低いが、操作寿命は劇的に増大していることを示している。
【0050】
実施例1、2、3及び4は、発光体の堆積に続いて発光体が空気雰囲気または窒素雰囲気のいずれでアニールされたかに関わらず、本発明における硫化水素注入方法を用いることで操作寿命の劇的な増大が達成されることを示している。この結果は、堆積した発光体フィルムにおける硫黄含有量のいかなる増加もなく本発明の利益が理解されることをも示している。
【0051】
本発明における好ましい実施の形態がここで詳細に記述されてきたが、本発明の精神及び添付された特許請求の範囲の範囲から離れることなく変形がされ得ることが当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1A】電子ビーム原料物質の周りの硫化水素インジェクターを示す写真である。硫化水素インジェクターは、原料物質の表面に対して硫化水素を注入するために用いられる。
【図1B】電子ビーム原料物質の周りの硫化水素インジェクターを示す写真である。
【図1C】電子ビーム原料物質の周りの硫化水素インジェクターを示す写真である。
【図2】本発明における方法によって堆積した、ユーロピウム活性バリウムチオアルミネート発光体を有する厚膜フィルム誘電エレクトロルミネセント装置の断面図を示す。
【図3】本発明における方法によって堆積した、ユーロピウム活性バリウムチオアルミネート発光体を有する厚膜フィルム誘電エレクトロルミネセント装置への印加電圧と、輝度とを示すグラフ図である。
【図4】二つの装置に対する作動時間と、輝度とを示すグラフ図である。第1の装置は、本発明の方法によって堆積されて窒素雰囲気下でアニールされたユーロピウム活性バリウムチオアルミネート発光体を有する厚膜フィルムの誘電エレクトロルミネセント装置である。第2の装置は、堆積原料に硫化水素の注入を用いない堆積方法で作製されることを除き、第1の装置と同様の構成である。
【図5】二つの装置に対する作動時間と、輝度とを示すグラフ図である。第1の装置は、本発明の方法によって堆積されて窒素雰囲気下でアニールされたユーロピウム活性バリウムチオアルミネート発光体を有する厚膜フィルムの誘電エレクトロルミネセント装置である。第2の装置は、堆積原料に硫化水素の注入を用いない堆積方法で作製されることを除き、第1の装置と同様の構成である。
【符号の説明】
【0053】
1 硫化水素注入チューブ
2 Al原料物質
3 BaS:Eu原料物質
4 BaS:Eu含有るつぼ
5 BaS:Eu熱面
6 インジェクター
7 Al含有るつぼ
8 Al
9 インジェクターエンドチューブ
10 装置
12 ベース基板
14 列電極
16 厚膜フィルム誘電体
18 薄膜誘電体
20、22、24 画素列
26 赤色発光体
28 薄膜誘電体
30 列電極
32 緑色発光体
34 発光体フィルム誘電体
36 列電極
38 ユーロピウム活性バリウムチオアルミネート
40 発光体フィルム誘電体
42 列電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫黄含有の多元素の薄膜組成物を基板上に真空蒸着する方法であって;
堆積チャンバ内で、1又は2以上の原料物質を蒸着する間に前記薄膜組成物の少なくとも一部を構成する、前記1又は2以上の原料物質に誘導されるガス又は蒸気の硫黄種の供給源を供給する処理を備え、
前記ガス又は蒸気の硫黄種が1又は2以上の原料物質に到達したときに前記硫黄種が高温で加熱され、前記薄膜組成物の堆積の間に前記1又は2以上の原料物質からの蒸発物と前記ガス又は蒸気の硫黄種との化学相互作用が生じる、方法。
【請求項2】
前記ガス又は蒸気の硫黄種が、硫化水素、硫黄元素の蒸気、二硫化炭素、硫黄含有有機物の蒸気、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硫黄元素の蒸気は、S、S、S、S、S、S、S、Sからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記蒸気の硫黄含有有機物は、ジメチル・スルホキシドである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、硫化水素である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、約5sccmから約60sccmの流量で供給される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記流量は、約20sccmから約60sccmである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、ガス流量コントローラを用いて制御されている、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、前記1又は2以上の原料物質に向けられたガス輸送チューブを用いて誘導される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記ガス輸送チューブは、前記1又は2以上の原料物質から約3cm離れている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、前記堆積チャンバの分圧より高い分圧で供給される、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記ガス又は蒸気の硫黄種における前記高温は、前記原料物質の温度に実質的に等しい、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、前記原料物質から蒸発する蒸気種と化学的に相互作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、電子ビーム蒸着方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記硫黄含有の多元素の薄膜組成物は、元素周期表のIIA及びIIB群から少なくとも一つの元素のチオアルミネート、チオガレイト、又は、チオインデイトである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記硫黄含有の多元素の薄膜組成物は、ユーロピウム活性バリウムチオアルミネートである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1又は2以上の原料物質は、硫化アルミニウム及び/又は硫化バリウムから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1又は2以上の原料物質は、硫化アルミニウムである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
堆積チャンバ内の基板上に薄膜の所定の組成物を堆積する方法であって、前記薄膜は、周期表のIIA及びIIB群から少なくとも一つの元素における、チオアルミネート、チオガレイト、及びチオインデイトからなる群から選択される、三元、四元、又はより高い元の硫化化合物を有し、前記方法は:
a)硫黄含有の多元素の薄膜組成物を基板上に形成するための前記所定の組成物を形成する硫黄を有する少なくとも一つの原料物質を蒸発させる処理と、
b)処理a)の間に前記ガス又は蒸気の硫黄種を前記少なくとも一つの原料物質で注入する処理と、
を有する、方法。
【請求項20】
前記ガス又は蒸気の硫黄種が、硫化水素、硫黄元素の蒸気、二硫化炭素、硫黄含有有機物の蒸気、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記硫黄元素の蒸気は、S、S、S、S、S、S、S、Sからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記硫黄含有有機物の蒸気は、ジメチル・スルホキシドである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、硫化水素である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、約5sccmから約60sccmの流量で供給される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記流量は、約20sccmから約60sccmである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、ガス流量コントローラを用いて制御されている、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、前記1又は2以上の原料物質に向けられたガス輸送チューブを用いて注入される、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記ガス輸送チューブは、前記1又は2以上の原料物質から約3cm離れている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、前記堆積チャンバの分圧より高い分圧で供給される、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記ガス又は蒸気の硫黄種における前記高温は、前記原料物質の温度に実質的に等しい、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記ガス又は蒸気の硫黄種は、前記原料物質から蒸発する蒸気種と化学的に相互作用する、請求項20に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、電子ビーム蒸着方法である、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
前記硫黄含有の多元素の薄膜組成物は、ユーロピウム活性バリウムチオアルミネートである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つ以上の原料物質は、硫化アルミニウム及び硫化バリウムから選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つ以上の原料物質は、硫化アルミニウムである、請求項34に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−527950(P2007−527950A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517915(P2006−517915)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000902
【国際公開番号】WO2005/003402
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(505089913)アイファイアー・テクノロジー・コープ (18)
【Fターム(参考)】