説明

発光性アリール−ヘテロアリール化合物

本明細書には、式1[式中、R、Ar、X、Ar、Ar、およびHetは、本明細書に記載されている]によって表される化合物が開示されている。それに関係する組成物および発光素子も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年6月29日に出願された仮特許出願第61/221,472号の利益を主張し、この仮特許出願は参照によりその全てが本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、発光化合物および発光組成物、ならびに前記発光化合物または発光組成物を含む発光素子に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光素子は、フラットパネルディスプレイ用に広く開発されてきたが、現在は固体照明(SSL)への応用に向けて急速に進展している。有機発光ダイオード(OLED)は、カソード、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、およびアノードを含む。OLED素子から放出された光は、有機(発光)層内での正電荷(正孔)と負電荷(電子)の再結合の結果である。正孔と電子は単一分子内または小さな分子クラスター内で結合して、励起状態にある分子または励起状態にある互いに結合した有機分子群である励起子を生成する。有機分子が必要なエネルギーを放出してその安定状態に戻ると、光子が生成する。光子を放出する有機材料は、放射プロセスの性質に応じてエレクトロフルオレセント材料またはエレクトロホスフォレセント材料と呼ばれる。したがって、OLED発光性化合物は、一次放射線を吸収して所望する波長の放射線を放出するその能力で、選択することができる。例えば青色発光体の場合、440〜490nmの主発光バンド内での発光が望ましいだろう。
【0004】
SSLへの応用は、白色OLED素子が1,500lmを越える輝度、70を越える演色評価数(CRI)および100lm/wで100,000時間を越える動作時間を達成することを、必要としうる。OLEDから白色光を生成させるためのアプローチは数多くあるが、一般的な2つのアプローチは、3つの発光体の横方向パターニングまたは垂直スタッキングを使った赤色、青色および緑色光の直接的組合せと、黄色蛍リン光体と組み合わせた青色光の部分的下方変換である。これらの一般的アプローチはどちらも、高い効率ならびに化学安定性および光安定性を有する青色色素を使用すれば、より効果的になりうる。しかし青色発光体は他の色を発光する色素より不安定な場合がある。さらにまた、しかるべき効率で0.2より低いCIEy値を示す青色発光素子はまだ非常に少ない。したがって、電力消費量を効果的に低減し、さまざまな色を発光させるには、良好な安定性および高い発光効率を持つ深青色(deep blue)発光体の開発が望ましい。
【発明の概要】
【0005】
一部の実施形態は、深青色光を吸収または放出する化合物を使用する素子などの電子素子に役立つ化合物を提供する。一部の実施形態は、直接つながっていてもよいし1個または2個の酸素原子が間に入っていてもよい、連続する2、3、または4個のアリール環を含む化合物を提供する。
【0006】
一部の実施形態は、式1:
−Ar−X−Ar−Ar−Het(式1)
[式中、Rは酸素原子で結合しているC1−101−4エーテルまたは−R−NR(ここで、Rは、単結合、置換されていてもよいC6−10アリールオキシ、または置換されていてもよいC6−10アリールであり、RおよびRは、独立して、置換されていてもよいC6−10アリールであり、ここで、RおよびRは、場合によっては互いに連結されて、Nを含む第3の環を形成してもよい)であり;ArおよびArは、独立して、置換されていてもよいアリールであり;XはOまたは単結合であり;Arは置換されていてもよいアリールであるか;またはArは単結合であり;Hetは置換されていてもよいヘテロアリール(C6−10ヘテロアリールを含む)、例えば置換されていてもよいベンゾオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、または置換されていてもよいベンゾイミダゾリルなどである]
によって表される化合物を提供する。
【0007】
一部の実施形態は、式2:
【化1】

[式中、R、Ar、Ar、Ar、およびXは、式1について説明したものと同じであり;Zは、独立して、NR、O、またはSであり(ここで、Rは、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい−CH−フェニル、または置換されていてもよい(4−ハロフェニル)メチルである);R、R、R、およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、またはC1−10アルコキシである]
によって表される化合物を提供する。
【0008】
一部の実施形態は、式3:
【化2】

[式中、RおよびHetは、式1について説明したものと同じである]
によって表される化合物を提供する。
【0009】
これらの化合物は、光、例えば電磁スペクトルの深青色領域の光を放出しまたは吸収する素子において役立ちうる。例えば一部の実施形態は、本明細書に開示する化合物を含む発光素子を提供する。
【0010】
一部の実施形態は、電位差を光に変換する方法であって、本明細書に記載する化合物を含む組成物を電位差にばく露し、それによって光を生成させることを含む方法を提供する。一部の実施形態は、電位差を光に変換する素子に関係する。これらの素子は、本明細書に記載する化合物を含む組成物を電位差にばく露し、それによって光を生成させることにより、動作しうる。
【0011】
一部の実施形態は、光を電位差に変換する方法であって、本明細書に記載する化合物を含む組成物を光にばく露し、それによって電位差を生成させることを含む方法を提供する。一部の実施形態は、光を電位差に変換する素子に関係する。これらの素子は、本明細書に記載する化合物を含む組成物を光にばく露し、それによって電位差を生成させることにより、動作しうる。
【0012】
一部の実施形態は、本明細書に開示する化合物を含む発光層を含む発光素子を提供する。
【0013】
以下にこれらの実施形態および他の実施形態をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】式1の化合物を組み込んだ有機発光素子の一実施形態を表す。
【図2】図1の有機発光素子の実施形態のエレクトロルミネセンススペクトルとCIE座標を図示するグラフである。
【図3】図1の素子の実施形態の電流密度(mA/cm)および輝度(cd/m)を駆動電圧の関数として図示するグラフである。
【図4】図1の有機発光素子の実施形態の外部量子効率(EQE)を電流密度の関数として図示するグラフである。
【図5】図1の有機発光素子の実施形態の発光効率(Cd/A)および電力効率(lm/W)を電流密度(mA/cm)の関数として図示するグラフである。
【図6】式1の化合物を組み込んだ白色発光有機発光素子の一実施形態を表す。
【図7】図6の有機発光素子の実施形態のエレクトロルミネセンススペクトルおよびCIE座標を図示するグラフである。
【図8】図6の素子の実施形態の電流密度(mA/cm)および輝度(cd/m)を駆動電圧の関数として図示するグラフである。
【図9】図6の有機発光素子の実施形態の外部量子効率(EQE)を電流密度の関数として図示するグラフである。
【図10】図6の有機発光素子の実施形態の発光効率(Cd/A)および電力効率(lm/W)を電流密度(mA/cm)の関数として図示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
別段の表示がない限り、アルキルまたはアリールなどの化学構造的特徴を指して「置換されていてもよい」という場合、それは、その特徴が、置換基を持っていなくても(すなわち無置換でも)よいし、1つ以上の置換基を持っていてもよいことを意味する。「置換され」ている特徴は、1つ以上の置換基を持つ。用語「置換基」は当業者に知られる通常の意味を有する。一部の実施形態では、置換基がハロゲンであるか、1〜20個の炭素原子または1〜10個の炭素原子を有するか、約500未満、約300未満、または約200未満の分子量を有する。一部の実施形態では、置換基が少なくとも1個の炭素原子または少なくとも1個のヘテロ原子を有し、約0〜10個の炭素原子と、N、O、S、F、Cl、Br、I、およびそれらの組合せから独立して選択される約0〜5個のヘテロ原子とを有する。一部の実施形態では、各置換基が、約0〜20個の炭素原子、約0〜47個の水素原子、約0〜5個の酸素原子、約0〜2個の硫黄原子、約0〜3個の窒素原子、約0〜1個のケイ素原子、約0〜7個のフッ素原子、約0〜3個の塩素原子、約0〜3個の臭素原子、および約0〜3個のヨウ素原子からなる。例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルバゾリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ジアリールアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル(heteroalicyclyl)、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、保護C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシル、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、およびアミノ(一置換および二置換アミノ基を含む)、ならびにそれらの保護誘導体などが挙げられるが、これらに限るわけではない。
【0016】
用語「電子供与性置換基」は当業者に知られる通常の意味を有する。一部の実施形態では、電子供与性置換基がハロゲンであるか、約1〜20個の炭素原子または約1〜10個の炭素原子を有するか、約500未満、約300未満、または約200未満の分子量を有する。一部の実施形態では、電子供与性置換基が、少なくとも1個の炭素原子または少なくとも1個のヘテロ原子を有し、約0〜10個の炭素原子と、N、O、S、およびそれらの組合せから独立して選択される約0〜5個のヘテロ原子とを有する。一部の実施形態において、電子供与性置換基は、それが結合しているフェニル環に関して、電子供与体である。電子供与性置換基の例として、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、O−エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、N−アミド、O−カルボキシ、シリル、およびアミノなどを挙げることができるが、これらに限るわけではない。
【0017】
用語「電子吸引性置換基」は当業者に知られる通常の意味を有する。一部の実施形態では、電子吸引性置換基がハロゲンであるか、約1〜20個の炭素原子または約1〜10個の炭素原子を有するか、約500未満、約300未満、または約200未満の分子量を有する。一部の実施形態では、電子供与性置換基が少なくとも1個の炭素原子または少なくとも1個のヘテロ原子を有し、約0〜10個の炭素原子と、N、O、S、F、Cl、およびそれらの組合せから独立して選択される約0〜5個のヘテロ原子とを有する。一部の実施形態において、電子吸引性置換基は、それが結合しているフェニル環に関して、電子吸引性である。電子吸引性置換基の例として、アシル、C−エステル、シアノ、F、Cl、カルボニル、C−アミド、チオカルボニル、C−カルボキシ、保護C−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、スルフィニル、スルホニル、パーフルオロアルキル、トリハロメタンスルホニル、およびトリハロメタンスルホンアミドなどを挙げることができるが、これらに限るわけではない。
【0018】
本明細書において使用する用語「アリール」は、芳香環または芳香環系を指す。限定でない例示的アリール基は、フェニル、ナフチルなどである。「Cx−yアリール」は、環または環系がx〜y個の炭素原子を有するアリールを指す。環または環系に関して表示した炭素原子数は、環または環系に結合しているどの置換基中の炭素原子数も含まず、環または環系に結合しているどの置換基中の炭素原子数も限定しない。例には、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいアントラセニル、置換されていてもよいp−インターフェニレン、置換されていてもよい1,4−インターナフチレン、および置換されていてもよい9,10−インターアントラセニレンなどがあるが、これらに限るわけではない。これらを以下にその無置換型で示す。しかし、分子の残部に結合していない炭素はいずれも、随意に置換基を持ちうる。
【0019】
用語「ヘテロアリール」は、環または環系内に1つ以上のヘテロ原子を有する「アリール」を指す。「Cx−yヘテロアリール」は、環または環系がx〜y個の炭素原子を有するヘテロアリールを指す。環または環系に関して表示した炭素原子数は、環または環系に結合しているどの置換基中の炭素原子数も含まず、環または環系に結合しているどの置換基中の炭素原子数も限定しない。「ヘテロアリール」の例には、ピリジニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、インドリル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリルなどがあるが、これらに限るわけではない。
【0020】
本明細書において使用する用語「ジアリールアミノ」は、分子の残部(例えばAr)に結合している窒素原子を含む部分を指し、その窒素原子は、置換されていてもよい2つのアリール基(ここに用語アリールは上に説明したものである)にも直接結合している。本明細書にいう「Cx−yジアリールアミノ」は、x〜yの範囲内にある、2つのアリール環中の炭素原子の総数を指す。アリール環に関して表示した炭素原子の数は、環または環系に結合しているどの置換基中の炭素原子数も含まず、環または環系に結合しているどの置換基中の炭素原子数も限定しない。例には、ジフェニルアミン(無置換ジフェニルアミンまたは置換ジフェニルアミン、例えばフェニル(メチルフェニル)アミン、ジトリルアミンなど)などがあるが、これらに限るわけではない。
【0021】
本明細書において使用する用語「ジアリールアミノフェノキシ」は、フェニルが置換されていてもよいジアリールアミノ置換基を持つ、置換されていてもよいフェノキシ部分(すなわち置換されていてもよい−O−フェニル)を指す。本明細書にいう「Cx−yジアリールアミノフェノキシ」は、x〜yの範囲内にある、2つのアリール環およびフェニル環中の炭素原子の総数を指す。アリール環に関して表示した炭素原子の数は、環または環系に結合しているどの置換基中の炭素原子数も含まず、環または環系に結合しているどの置換基中の炭素原子数も限定しない。例には、p−カルバゾリルフェノキシ(例えば無置換p−カルバゾリルフェノキシ、または1、2、3、もしくは4個のメチル置換基で置換されたp−カルバゾリルフェノキシなど)、p−ジフェニルアミノフェノキシ(例えば無置換p−ジフェニルアミノフェノキシ、または1、2、3、もしくは4個のメチル置換基で置換されたp−ジフェニルアミノフェノキシなど)などがあるが、これらに限るわけではない。
【0022】
本明細書において使用されるいくつかの部分の名称を、対応する構造と共に、以下に示す。これらの部分の全てについて、分子の残部に結合していないどの炭素原子も、どのNH窒素も、随意に置換基を持ちうる。
【化3】


【0023】
本明細書において使用する用語「アルキル」は、炭素および水素を含み、二重結合も三重結合も含有しない部分を指す。アルキルは、直鎖状、分枝鎖状、環状、またはそれらの組合せであることができ、1〜35個の炭素原子を含有することができる。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、シクロブチル、ペンチル異性体、シクロペンタン、ヘキシル異性体、シクロヘキサンなどがあるが、これらに限るわけではない。本明細書において使用する用語「直鎖アルキル」は、−(CHCHを指し、ここで、qは0〜34である。本明細書において使用する用語「C1−10アルキル」は、メチル、エチル、プロピル異性体、ブチル異性体、シクロブチル異性体、ペンチル異性体、シクロペンチル異性体、ヘキシル異性体、シクロヘキシル異性体、ヘプチル異性体、シクロヘプチル異性体、オクチル異性体、シクロオクチル異性体、ノニル異性体、シクロノニル異性体、デシル異性体、シクロデシル異性体など、1〜10個の炭素原子を有するアルキルを指す。用語「アルキレン」は「アルキル」の小区分(subgenus)であり、二価のアルキル部分、例えば−CH−などを指す。
【0024】
本明細書において使用する用語「エーテル」は、炭素、水素、および単結合酸素(すなわち−O−)を含む部分(ただし−O−O−は存在しないものとする)を指す。「C1−101−4エーテル」という語句は、1〜10個の炭素原子と1〜4個の酸素原子とを有するエーテルを指す。「酸素原子で結合している」という語句は、構造の残余(例えばAr)に結合しているエーテル部分の原子が酸素原子である状況を指す。例には、アルコキシ、ポリアルキレンオキシドなどがある。本明細書において使用する用語「アルコキシ」は、式−O−アルキルのエーテルを指す。本明細書において使用する用語「C1−10アルコキシ」は、アルキルが上述のC1−10アルキルであるアルコキシを指す。用語「ポリアルキレンオキシド」は、繰り返し−(O−アルキレン)−単位を含むエーテル、例えば−(OCHCH−OHまたは−(OCHCH−OCH(ここでnは1〜4である)を指す。一部の実施形態では、酸素原子で結合しているエーテルを、−O−R、−O−R−O−R、−O−R−O−R−O−R、または−O−R−O−R−O−R−O−R(ここで、RはC1−10アルキルであり、RはC2−10アルキルであり、RはC2−8アルキルであり、RはC2−6アルキルであり、RはHまたはC2−8アルキルである)からなる群より選択することができる(ただし、エーテルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の炭素原子を有するものとする)。
【0025】
用語「仕事関数」は当業者に知られる通常の意味を有する。一部の実施形態において、金属の「仕事関数」とは、金属の表面から電子を取り出すのに必要な最小エネルギーの尺度を指す。
【0026】
用語「高仕事関数金属」は、当業者に知られる通常の意味を有する。一部の実施形態において、「高仕事関数金属」は、正孔を容易に注入し、典型的には4.5以上の仕事関数を有する、金属または合金である。
【0027】
用語「低仕事関数金属」は、当業者に知られる通常の意味を有する。一部の実施形態において、「低仕事関数金属」は、電子を容易に失い、典型的には4.3未満の仕事関数を有する、金属または合金である。
【0028】
「白色発光」という表現は、当業者に知られる通常の意味を有する。一部の実施形態において、ある材料は、それが白色光を放出するのであれば、白色発光性である。一部の実施形態において、白色光は、およそのCIE色座標(X=1/3,Y=1/3)を有する光である。CIE色座標(X=1/3,Y=1/3)は、無色点と定義することもできる。XおよびY色座標は、ある色に合致するようにCIE原色に適用される重みであるといえる。これらの用語のより詳細な説明は、CIE 1971,International Commission on Illumination,Colorimetry:Official Recommendations of the International Commission on Illumination,Publication CIE No.15(E−1.3.1)1971, Bureau Central de la CIE,パリ,1971と、F.W.Billmeyer,Jr.,M.Saltzman,Principles of Color Technology,第2版,John Wiley & Sons,Inc.,ニューヨーク,1981に見いだすことができ、これらはどちらも参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。演色評価数(CRI)とは、さまざまな色を再現(render)する能力を指し、0から100までの範囲の値を持つ(100が最もよい)。
【0029】
用語「深青色発光」は、当業者に知られる通常の意味を有する。一部の実施形態において、ある材料は、それが深青色光を放出するのであれば、「深青色発光」性である。深青色光は、およそのCIE色座標(X=[0.14],Y=[0.08],CIE 1931)を有する光である。
【0030】
一部の実施形態は、深青色発光体として役立つ化合物を提供する。式1および式2は、そのような化合物の例を表す。式1および式2に関して、XはOまたは単結合であることができる。したがって一部の実施形態は、式1a、1b、2a、および2bの一つによって表される化合物に関係する。
【化4】

【0031】
式1、式1a、式1b、式2、式2aおよび式2bに関して、Arは、置換されていてもよい1,4−インターアリーレンであるか、Arは単結合であることができる。したがって一部の実施形態は、式1cおよび2cによって表される化合物に関係する。
【化5】

【0032】
さらにまた、一部の実施形態は、式4によって表される化合物に関係する。
【化6】

【0033】
一部の実施形態は、式5、式6、式7、式8、または式9によって表される化合物を提供する。
【化7】

【0034】
上記の式のうち関連するどの式についても、Hetは、置換されていてもよいヘテロアリール、例えば置換されていてもよいC6−10ヘテロアリール(限定するわけではないが、置換されていてもよいベンゾオキサゾリル、置換されていてもよいベンゾチアゾリル、置換されていてもよいベンゾイミダゾリル、置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イル、置換されていてもよいベンゾチアゾール−2−イル、置換されていてもよいベンゾイミダゾール−2−イルなどを含む)であることができる。
【0035】
上記の式のうち関連するどの式についても、ArおよびArは、独立して、置換されていてもよいアリールであることができ、Arは置換されていてもよいアリールであるか、Arは単結合であることができる。Ar、Ar、Ar(存在する場合)、およびHetは、独立して、置換されていてもよい。例えば、一部の実施形態において、Arは無置換であるか、1、2、3、または4個の置換基を持つことができる。一部の実施形態において、Arは無置換であるか、1、2、3、または4個の置換基を持つことができる。一部の実施形態において、Arは無置換であるか、1、2、3、または4個の置換基を持つことができる。一部の実施形態において、Hetは無置換であるか、1、2、3、または4個の置換基を持つことができる。
【0036】
Ar、Ar、Ar(存在する場合)、およびHetのいずれについても、その置換基としては、C1−10アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル異性体(例えばn−プロピルおよびイソプロピル)、シクロプロピル、ブチル異性体、シクロブチル異性体(例えばシクロブチル、メチルシクロプロピルなど)、ペンチル異性体、シクロペンチル異性体、ヘキシル異性体、シクロヘキシル異性体、ヘプチル異性体、シクロヘプチル異性体など;アルコキシ、例えば−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−OC15など;ハロ、例えばF、Cl、Br、I、など;C1−10ハロアルキル、例えば、−CF、−C、−C、−Cなどを含むパーフルオロアルキル;C1−10アシル、例えばホルミル、アセチル、ベンゾイルなど;カルボニルまたは窒素原子で結合しているC1−10アミド、例えば−NCOCH、−CONHCHなど;カルボニルまたは酸素原子で結合しているC1−10エステル、例えば−OCOCH、−COCHなど;窒素原子または酸素原子で結合しているC1−10カルバメート;シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどを挙げることができるが、これらに限るわけではない。
【0037】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、一部の実施形態において、Hetは、少なくとも1つの電子吸引性置換基を含みうる。一部の実施形態では、電子吸引性置換基が、水素原子より良い電子吸引体である。例には、シアノ、シアネート、イソシアネート、ニトロ、F、Cl、パーフルオロアルキル、アシル、カルボニルで結合するエステル、またはカルボニルで結合するアミドなどがあるが、これらに限るわけではない。
【0038】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、一部の実施形態において、Arは少なくとも1つの電子供与性置換基を含みうる。一部の実施形態では、電子供与性置換基が、水素原子より良い電子供与体である。例には、アルキル、酸素原子で結合しているエーテル、例えばアルコキシ、アリールオキシまたはポリアルキレンオキシド、アミノ(例えば−NR’R”、ここで、R’およびR”は、独立して、Hまたはアルキルである)、ヒドロキシルなどがあるが、これらに限るわけではない。
【0039】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、Rは、酸素原子で結合しているC1−101−4エーテル、または−R−NRであり、ここでRは、単結合、置換されていてもよいC6−10アリールオキシ、または置換されていてもよいC6−10アリールであり、RおよびRは、独立して、置換されていてもよいC6−10アリールであり、ここで、RおよびRは、場合によっては互いに連結されて、Nを含む第3の環を形成してもよい。一部の実施形態では、R、R、R、およびRのそれぞれが、独立して、無置換であるか、1、2、3、4、または5個の置換基を持つことができる。一部の実施形態において、R、R、R、およびRの置換基は、F、Cl、−R’、−OR’、または−NR’R”であることができ、ここで、各R’およびR”は、独立して、H、置換されていてもよいフェニル、C1−12アルキル、またはC1−6アルキルである。
【0040】
一部の実施形態において、Rは、置換されていてもよいC12−30ジアリールアミノ、例えば置換されていてもよいジフェニルアミノ、置換されていてもよいフェニルナフチレンアミノ、置換されていてもよいフェニルアントラセンアミノなど;置換されていてもよいカルバゾリル;または酸素原子で結合しているC1−101−4エーテル、例えばアルコキシ(例えば−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13など)、またはポリアルキレンオキシド(例えば−OCHCHOH、−OCHCHOCH、−(OCHCHOH、−(OCHCHOCH、−(OCHCHOH、−(OCHCHOCH、−(OCHCHOH、−(OCHCHOCHなど)であることができる。一部の実施形態では、Rは、置換C12−30ジアリールアミノ、置換されていてもよいカルバゾリル、置換されていてもよいC18−36ジアリールアミノフェノキシ、置換されていてもよいカルバゾリルフェノキシ、または酸素原子で結合しているC1−101−4エーテルである。一部の実施形態において、Rは、置換されていてもよいカルバゾリル、置換されていてもよいジフェニルアミノ、置換されていてもよいカルバゾリルフェノキシ、置換されていてもよいp−カルバゾリルフェノキシ、置換されていてもよいジフェニルアミノフェノキシ、または置換されていてもよいp−ジフェニルアミノフェノキシ、またはC1−10アルコキシであることができる。一部の実施形態において、Rはメトキシ、
【化8】

であることができる。
【0041】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、R、R、R、およびRは、独立して、任意の置換基であることができる。一部の実施形態において、R、R、R、およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC6−30アリール、例えば置換されていてもよいフェニル、C1−10アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル異性体(例えばn−プロピルおよびイソプロピル)、シクロプロピル、ブチル異性体、シクロブチル異性体(例えばシクロブチル、メチルシクロプロピルなど)、ペンチル異性体、シクロペンチル異性体、ヘキシル異性体、シクロヘキシル異性体、ヘプチル異性体、シクロヘプチル異性体など、またはC1−10アルコキシ、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13、−OC15などのアルコキシなどであることができる。
【0042】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、およびRは、任意の置換基であることができる。一部の実施形態において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、およびRは、独立して、C1−10アルキルおよびハロから選択することができる。一部の実施形態において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、およびRは、独立して、C1−3アルキル、F、およびClから選択することができる。
【0043】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、一部の実施形態において、Ar、Ar、およびAr(存在する場合)の少なくとも1つは、置換されていてもよいp−インターフェニレンであることができる。一部の実施形態において、Ar、Ar、およびAr(存在する場合)のそれぞれは、独立して、置換されていてもよいp−インターフェニレンであることができる。一部の実施形態において、Ar、Ar、およびAr(存在する場合)は、C1−3アルキル、F、およびClから独立して選択される0、1、または2個の置換基を、独立して持つことができる。一部の実施形態において、Ar、Ar、およびAr(存在する場合)の少なくとも1つは、無置換p−インターフェニレンであることができる。一部の実施形態において、Ar、Ar、およびAr(存在する場合)のそれぞれは、無置換p−インターフェニレンであることができる。
【0044】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、一部の実施形態において、Zは、O、S、またはNR(ここでRは置換されていてもよいフェニルである)であることができる。一部の実施形態において、Zは、O、S、またはNR(ここでRは置換されていてもよいフェニルである)であることができ、かつRは、置換されていてもよいジフェニルアミン、置換されていてもよいカルバゾリル、置換されていてもよいp−カルバゾリルフェノキシ、または置換されていてもよいp−ジフェニルアミノフェノキシであることができる。
【0045】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、一部の実施形態において、Rは、置換されていてもよいジフェニルアミンまたは置換されていてもよいカルバゾリルである。
【0046】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、一部の実施形態では、Arが、C1−3アルキル、F、およびClから独立して選択される0、1、または2個の置換基を持つ1,4−インターアリーレンである。一部の実施形態では、Arが、C1−3アルキル、F、およびClから独立して選択される0、1、または2個の置換基を持つ1,4−インターアリーレンであり、かつRが、置換されていてもよいジフェニルアミン、または置換されていてもよいカルバゾリルである。
【0047】
また、上記の式のうち関連するどの式についても、一部の実施形態では、−Ar−X−Ar−Ar−が、
【化9】

ではない。
【0048】
一部の実施形態は、置換されていてもよい環系1〜9に関する。
【化10】



【0049】
これらの実施形態において、環系は、Ar、Ar、Ar、およびHetに関して説明したものを含む上述の任意の置換基を持つことができる。一部の実施形態において、環系1〜7は、0、1、2、3、4、5、または6個の置換基を持つことができる。一部の実施形態では、置換基が、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、F、Cl、Br、およびIから独立して選択される。
【0050】
一部の実施形態は、
【化11】



から選択される化合物に関する。
【0051】
本明細書に記載する化合物および組成物は、さまざまな方法で発光素子に組み込むことができる。例えば、ある実施形態は、アノード層(例えば高仕事関数金属を含むアノード層)と、カソード層(例えば低仕事関数金属を含むカソード層)と、アノード層とカソード層の間に配置された発光層とを含む、発光素子を提供する。一部の実施形態において、素子は、電子がカソードから発光層に輸送され、正孔がアノードから発光層に輸送されうるように構成される。発光層は本明細書に開示する化合物および/または組成物を含む。
【0052】
アノード層は、金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合金属酸化物などの従来の材料、または導電性ポリマーを含みうる。適切な金属の例には、第10族および第11族の金属、ならびに第12族遷移金属が含まれる。アノード層が光透過性であるべき場合は、第12族、第13族、および第14族金属またはその合金の混合金属酸化物、例えば酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム亜鉛(IZO)または酸化インジウムスズ(ITO)などを使用することができる。アノード層は、「Flexible light−emitting diodes made from soluble conducting polymer」Nature,vol.357,pp.477−479(11 June 1992)に記載されているように、ポリアニリンなどの有機材料を含むことができる。適切な高仕事関数金属の例には、Au、Pt、酸化インジウムスズ(ITO)、またはその合金などがあるが、これらに限るわけではない。一部の実施形態において、アノード層は、約1nm〜約1000nmの範囲の厚さを有することができる。
【0053】
カソード層は、アノード層より低い仕事関数を有する材料を含むことができる。適切なカソード層用材料の例には、第1族のアルカリ金属、第2族金属、第11族、第12族、および第13族金属、例えば希土類元素、ランタニドおよびアクチニド、アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウムおよびマグネシウムなどの材料、ならびにそれらの組合せから選択されるものが含まれる。動作電圧を下げるためにLi含有有機金属化合物、LiF、およびLiOを、有機層とカソード層の間に沈着することもできる。適切な低仕事関数金属には、Al、Ag、Mg、Ca、Cu、Mg/Ag、LiF/Al、CsF、CsF/Alまたはその合金などがあるが、これらに限るわけではない。一部の実施形態において、カソード層は約1nm〜約1000nmの範囲の厚さを持つことができる。
【0054】
発光組成物における本明細書に開示する化合物の量は、さまざまであることができる。一部の実施形態では、発光層が、本質的に、本明細書に開示する化合物からなる。別の実施形態では、発光層が、ホスト材料と、本明細書に開示する発光性化合物の少なくとも一つとを含む。ホスト材料が存在する場合、ホスト材料に対する発光性化合物の量は、十分な発光を生じるのに適した任意の量であることができる。一部の実施形態では、発光層における本明細書に開示する化合物の量が、発光層の約1重量%〜約100重量%の範囲にある。本明細書に開示する化合物がホストとして使用される実施形態では、化合物は発光層の約80重量%または約90重量%〜約99重量%であることができる。本明細書に開示する化合物が発光性化合物として使用される実施形態では、化合物は発光層の約1重量%〜約10重量%、あるいは約3重量%であることができる。
【0055】
発光層の厚さはさまざまであることができる。一部の実施形態では、発光層が約20nm〜約150nmまたは約20nm〜約200nmの範囲の厚さを持つ。
【0056】
発光層中のホストは、1つ以上の正孔輸送材料、1つ以上の電子輸送材料、および1つ以上の二極性材料(これは、正孔と電子の両方を輸送する能力を有すると当業者に理解されている材料である)の少なくとも一つであることができる。
【0057】
一部の実施形態において、正孔輸送材料は、芳香族置換アミン、カルバゾール、ポリビニルカルバゾール(PVK)、例えばポリ(9−ビニルカルバゾール);N,N’−ビス(3−メチルフェニル)N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD);ポリフルオレン;ポリフルオレンコポリマー;ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−alt−ベンゾチアジアゾール);ポリ(パラフェニレン);ポリ[2−(5−シアノ−5−メチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン];1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)シクロヘキサン;2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン;3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル[1,2,4]トリアゾール;3,4,5−トリフェニル−1,2,3−トリアゾール;4,4’,4”−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン;4,4’,4’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA);4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD);4,4’−ビス[N,N’−(3−トリル)アミノ]−3,3’−ジメチルビフェニル(HMTPD);4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP);1,3−N,N−ジカルバゾール−ベンゼン(mCP);ポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK);ベンジジン;フェニレンジアミン;フタロシアニン金属錯体;ポリアセチレン;ポリチオフェン;トリフェニルアミン;オキサジアゾール;銅フタロシアニン;N,N’N”−1,3,5−トリカルバゾロイルベンゼン(tCP);N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン;それらの混合物などの少なくとも一つを含む。
【0058】
一部の実施形態において、電子輸送材料は、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD);1,3−ビス(N,N−t−ブチル−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(OXD−7)、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン;3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ);2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP);アルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノレート)(Alq3);および1,3,5−トリス(2−N−フェニルベンゾイミダゾリル)ベンゼン;1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(BPY−OXD);3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP);および1,3,5−トリス[2−N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)の少なくとも一つを含む。一部の実施形態では、電子輸送層がアルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、またはその誘導体もしくは混合物である。
【0059】
一部の実施形態では、素子が電子輸送層または正孔輸送層を含まない。一部の実施形態では、素子が、本質的に、アノード層と、カソード層と、発光層とからなる。別の実施形態において、発光素子は、アノードと発光層の間に配された正孔輸送層を、さらに含みうる。正孔輸送層は、少なくとも一つの正孔輸送材料を含みうる。適切な正孔輸送材料には、上に列挙したものの他、当業者に知られている他の任意の材料が含まれる。一部の実施形態において、発光素子はカソードと発光層の間に配された電子輸送層を、さらに含みうる。電子輸送層は少なくとも一つの電子輸送材料を含みうる。適切な電子輸送材料には、上に列挙したものの他、当業者に知られている他の任意の材料が含まれる。
【0060】
所望であれば、追加の層を発光素子に含めてもよい。これら追加の層には、電子注入層(EIL)、正孔阻止層(HBL)、励起子阻止層(EBL)、および/または正孔注入層(HIL)が含まれうる。別々の層としてだけでなく、これらの材料のいくつかを組み合わせて単一の層にすることもできる。
【0061】
一部の実施形態において、発光素子は、カソード層と発光層の間に電子注入層を含むことができる。当業者には適切な電子注入材料がいくつか知られている。電子注入層に含めることができる適切な材料の例には、次に挙げるものから選択される、置換されていてもよい化合物などがあるが、これらに限るわけではない:アルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、トリアジン、8−ヒドロキシキノリンの金属キレート、例えばトリス(8−ヒドロキシキノリネート)アルミニウム、および金属チオキシノイド化合物、例えばビス(8−キノリンチオラト)亜鉛。一部の実施形態では、電子注入層がアルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、またはその誘導体もしくは組合せである。
【0062】
一部の実施形態において、素子は正孔阻止層を、例えばカソードと発光層の間に含むことができる。正孔阻止層に含めることができる種々の適切な正孔阻止材料が当業者に知られている。適切な正孔阻止材料には、次に挙げるものから選択される、置換されていてもよい化合物などがあるが、これらに限るわけではない:バトクプロイン(BCP)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル−[1,2,4]トリアゾール、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、および1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)−シクロヘキサン。
【0063】
一部の実施形態において、発光素子は励起子阻止層を、例えば発光層とアノードの間に含むことができる。ある実施形態では、励起子阻止層を含む材料のバンドギャップが、励起子の拡散を実質的に防止するのに足りるほど大きい。励起子阻止層に含めることができる適切な励起子阻止材料は、当業者にはいくつか知られている。励起子阻止層を構成することができる材料の例には、次に挙げるものから選択される、置換されていてもよい化合物などがある:アルミニウムキノレート(Alq)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、およびバトクプロイン(BCP)、および励起子の拡散を実質的に防止するのに足りる十分大きなバンドギャップを有する他の任意の材料。
【0064】
一部の実施形態において、発光素子は正孔注入層を、例えば発光層とアノードの間に含むことができる。正孔注入層に含めることができる種々の適切な正孔注入材料が当業者に知られている。例示的な正孔注入材料には、次に挙げるものから選択される、置換されていてもよい化合物などがある:ポリチオフェン誘導体、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ベンジジン誘導体、例えばN,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、ポリ(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)、トリフェニルアミンまたはフェニレンジアミン誘導体、例えばNN’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−1,4−フェニレンジアミン、4,4’,4”−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、オキサジアゾール誘導体、例えば1,3−ビス(5−(4−ジフェニルアミノ)フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン、ポリアセチレン誘導体、例えばポリ(1,2−ビス−ベンジルチオ−アセチレン)、およびフタロシアニン金属錯体誘導体、例えばフタロシアニン銅。正孔注入材料は、依然として正孔を輸送することはできるものの、従来の正孔輸送材料の正孔移動度よりも実質的に低い正孔移動度を有しうる。
【0065】
上述したさまざまな材料を素子の構成に応じていくつかの異なる層に組み込みうることは、当業者にはわかる。ある実施形態では、各層に使用される材料が、発光層における正孔と電子の再結合をもたらすように選択される。本明細書に記載するさまざまな層を組み込んだ素子構成の一例を、図1に模式的に図示する。発光素子には、当業者に知られる方法(例えば蒸着)を使って、電子注入層(EIL)、電子輸送層(ETL)、正孔阻止層(HBL)、励起子阻止層(EBL)、正孔輸送層(HTL)、および正孔注入層(HIL)を組み込むことができる。
【0066】
発光性組成物は、他の発光性組成物に関して当技術分野において知られる方法を適合させることによって製造することができる。例えば発光性組成物は、発光性化合物を溶媒に溶解または分散し、素子の適当な層上にその化合物を堆積することよって製造することができる。液体は単相であってもよいし、その液体内に分散した1つ以上のさらなる固相または液相を含んでもよい。次に溶媒を蒸発させるか、溶媒を加熱または減圧によって除去することで、発光性組成物を得ることができる。ホストが存在する場合は、それを、発光性素子と共に溶媒中に溶解または分散し、上で説明したように処理することができる。あるいは、溶融ホスト材料または液状ホスト材料に化合物を加え、次に固化させることで、粘性の高い液状のまたは固形の発光性組成物を得ることもできる。
【0067】
本明細書に開示する化合物を含む発光素子は、本明細書に記載する指針によってわかるように、当技術分野において知られる技法を使って製作することができる。例えば、ガラス基材を、アノードとして作用することができるITOなどの高仕事関数金属で被覆することができる。アノード層をパターニングした後、本明細書に開示する化合物を少なくとも一つは含む発光層を、アノード上に成膜することができる。次に、低仕事関数金属(例えばMg:Ag)を含むカソード層を、発光層の上に成膜(例えば蒸着)することができる。所望であれば、素子は、本明細書に記載する指針によってわかるように、当技術分野で知られる技法を使って素子に加えることができる電子輸送/注入層、正孔阻止層、正孔注入層、励起子阻止層および/または第2発光層も含むことができる。
【0068】
一部の実施形態では、発光素子(例えばOLED)が、湿式プロセスによって、例えば噴霧、スピンコーティング、ドロップキャスティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷などの少なくとも一つを含むプロセスによって、構成される。一部の実施形態は、基材上への成膜に適した液体である組成物を提供する。この液体は単相であってもよいし、その中に分散した1つ以上のさらなる固相または液相を含んでもよい。この液体は、典型的には、発光化合物、本明細書に開示するホスト材料、および溶媒を含む。
【実施例】
【0069】
実施例1:一般的な合成方法
【化12】

【0070】
実施例1.1.1
【化13】

【0071】
4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)−4−オール(10.0g、40.1mmol)、4−ヨードアニソール(18.72g、80.0mmol)、炭酸セシウム(26.1g、80.2mmol)、ヨウ化銅(760mg、4.0mmol)、ジメチルグリシン塩酸塩(1.68g、12.0mmol)、および無水1,4−ジオキサン(50mL)の混合物を、凍結−ポンプ−融解法でパージした。得られた混合物を110℃に終夜加熱した。冷却後、得られた混合物を酢酸エチル(300mL)に注ぎ込み、40℃で30分間撹拌し、その結果生じた固形物を濾去した。濾液を減圧下で乾燥することにより、象牙色固形物を得た。その象牙色固形物を酢酸エチルとメタノールの混合物で洗浄することにより、純粋な生成物(化合物1)を得た;6.5g、収率46%;HNMRで確認。
【0072】
実施例1.1.2
【化14】

【0073】
化合物1(2g、5.63mmol)を無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、得られた溶液を−78℃に冷却した。ブチルリチウム(3.43mLの1.6M溶液、5.5mmol)を滴下し、その溶液を−78℃で3時間撹拌した。ホウ酸トリメチル(0.572mL、5.5mmol)をゆっくり加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(45mL)(あるいは10%HCl溶液を使用)を加え、その混合物を室温で終夜撹拌した。所望の生成物を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。抽出によって得た有機層を減圧下で乾燥した。DCM/メタノールにおける沈殿により、白色固形物を得た。その白色固形物を濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を乾燥することで、比較的純粋な生成物(化合物2)を得た;1.2g、収率53%;HNMRで比較的純粋。
【0074】
実施例1.1.3
【化15】

【0075】
1,4−ジオキサン(5mL)中の化合物2(100mg、0.31mmol)、2−クロロベンゾオキサゾール(50mg、0.33mmol)、Pd(OAc)2(3.5mg、0.015mmol)、ジ−t−ブチル−ビフェニルホスフィン(9mg、0.03mmol)およびKF(54mg、0.93mmol)の混合物を脱気してから、アルゴン下で36時間、110℃で加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をジクロロメタン(100mL)に注ぎ込んだ。濾過した後、濾液をシリカゲルカラムにのせ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル10:1→5:1)で精製した。白色固形物を所望の化合物(化合物3)として得て(40mg、40%)、それをLCMS(C2620NO(M+H)として、計算値:394;実測値m/e=394)およびHNMRによって確認した。
【0076】
実施例1.2.
【化16】

【0077】
実施例1.2.1
【化17】

【0078】
ポリリン酸(10ml)中の4−ヒドロキシルビフェニル−1−カルボン酸(2.14g、10mmol)およびN−フェニル−1,2−ジアミノベンゼン(1.84g、10mmol)の混合物を減圧によって脱気した後、10torr、180℃で、終夜加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を水に注ぎ込んだ。濾過し、水で洗浄することにより、暗色固形物(6.8g、84%)を所望の生成物(化合物4)として得て、それをLCMS(C2518P(M−H)として、計算値:441、実測値m/e:441)で確認した。
【0079】
実施例1.2.2
【化18】

【0080】
化合物4(3.6g、8mmol)のDMSO(20mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中、1M、18mL)を加えた。その混合物を85℃で6時間加熱した。その加熱した溶液に水(50mL)を加え、次に5mLの濃HClを加えた。その混合物を5分間撹拌し、室温まで冷ました。濾過し、減圧下110℃で終夜乾燥することにより、黒色固形物(1.6g、55%)を所望の生成物(化合物5)として得て、それをLCMS(C251720(M−H)として、計算値:361;実測値m/e=361)で確認した。
【0081】
実施例1.2.3
【化19】

【0082】
カルバゾール(7.0g、42.2mmol)、4−ブロモ−ヨードベンゼン(17.9g、63.3mmol)、銅(13.6g、214mmol)、18−クラウン−6(4.36g、16.48mmol)、炭酸カリウム(29.5g、214mmol)、および無水N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)の混合物を30分間脱気した。その混合物をアルゴン下で150℃に終夜加熱した。冷却後、その混合物をDCM(400mL)に注ぎ込んだ後の混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、ヘキサンを加えて18−クラウン−6を析出させ、それを濾去した。濾液をシリカゲルにのせた。フラッシュカラム(シリカ、100%ヘキサン)と、DCM/ヘキサン類における再沈殿により、9.44gの比較的純粋な生成物(化合物6)(白色結晶)を、70%の収率で得た;HNMRで確認。
【0083】
実施例1.2.4
【化20】

【0084】
化合物6(1.09g、3.40mmol)、化合物5(1.24g、3.42mmol)、炭酸セシウム(2.23g、6.84mmol)、ヨウ化銅(65mg、.342mmol)、ジメチルグリシン塩酸塩(95mg、.684mmol)および無水1,4−ジオキサン(30mL)の混合物を30分間脱気した。その混合物を、アルゴン下で終夜、120℃に加熱した。冷却後、得られた混合物をDCM(250mL)に注ぎ込み、濾過した。得られた濾液をシリカゲルにのせた。その結果得られたフラッシュカラム(シリカ、5%→50%酢酸エチル/ヘキサン類勾配)からの溶出液は、橙色固形物を与えた。DCMとメタノールを使って、橙色の不純物を沈殿させた。不純物を濾去し、生成物を含有する濾液を減圧下で乾燥した。乾燥後に、270mgの生成物(化合物7)(淡橙色粉末、収率13%)が単離された;HNMRで純粋。
【0085】
実施例1.3
【化21】

【0086】
実施例1.3.1
【化22】

【0087】
4−ブロモ−N−(2−(フェニルアミノ)フェニル)ベンズアミド(8):4−ブロモ−ベンゾイルクロリド(11g、50mmol)の無水ジクロロメタン(DCM)(100ml)溶液に、N−フェニルベンゼン−1,2−ジアミン(10.2g、55mmol)を加え、次にトリエチルアミン(17ml、122mmol)をゆっくり加えた。次に、その混合物全体を室温(r.t.)で終夜撹拌した。次いで、濾過することにより、白色固形物(化合物8)(6.5g)を得た。濾液を水(300ml)で後処理した後、DCM(300ml)で3回抽出した。得られた有機層を集め、MgSOで乾燥し、濃縮し、DCM/ヘキサン類中で再結晶することにより、もう一つの白色固形物(化合物8)(10.6g)を得た。生成物(化合物8)の合計量は17.1g、収率は93%だった。
【0088】
実施例1.3.2
【化23】

【0089】
2−(4−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(9):無水1,4−ジオキサン(100mL)中のアミド1(9.6g、26mmol)の懸濁液に、オキシ塩化リン(POCl)(9.2mL、100mmol)をゆっくり加えた。次に、全体を100℃で終夜加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を氷(200g)中に撹拌しながら注いだ。濾過した後、DCM/ヘキサン類中で再結晶することにより、淡灰色固形物(化合物9)(8.2g、収率90%)を得た。
【0090】
実施例1.3.3
【化24】

【0091】
1−フェニル−2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(10):1,4−ジオキサン(20mL)中の化合物9(0.70g、2mmol)、ビス(ピナコレート)ジボラン(0.533g、2.1mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(Pd(dppf)Cl)(0.060g、0.08mmol)および無水酢酸カリウム(0.393g、4mmol)の混合物を、アルゴン下、80℃で、終夜加熱した。室温まで冷却した後、混合物全体を酢酸エチル(80mL)で希釈し、次に濾過した。その溶液をシリカゲルに吸収させてから、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル5:1→3:1))で精製することにより、白色固形物(化合物10)(0.64g、収率81%)を得た。
【0092】
実施例1.3.4
【化25】

【0093】
9−(4’−(1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ビフェニル−4−イル)−9H−カルバゾール(11):無水DMF(20mL)中の化合物10(1.41g、3.56mmol)、9−(4−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール(1.15g、3.56mmol)、Pd(dppf)Cl2(100mg、0.14mmol)およびKF(0.619g、10.7mmol)の混合物を、アルゴン下、120℃で、終夜加熱した。室温まで冷却した後、酢酸エチル(200mL)を加え、全体を15分間撹拌した。得られた混合物を濾過した。固形物を集め、DCM(200mL)に溶解し、それを濾過し、濃縮し、再結晶することにより、白色固形物(化合物11)(550mg)を得た。
【0094】
1回目の分離で得た濾液をシリカゲルに吸収させてから、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル7:1→3:1)で精製することにより、淡黄色固形物(化合物11)(300mg)を得た。これら2つの固形物がどちらも所望の生成物(化合物11)であることはNMRによって示され、合計量は850mg、収率47%だった。
【0095】
実施例1.4
【化26】

【0096】
実施例1.4.1
【化27】

【0097】
9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾール(化合物12):カルバゾール(10.0g、60.2mmol)、4−ヨードアニソール(21.1g、90.4mmol)、銅末(28.58g、450mmol)、18−クラウン−6(9.33g、35.3mmol)、および炭酸カリウム(62.1g、450mmol)の混合物をジメチルホルムアミド(無水、100mL)中で45分間脱気した。得られた混合物を、アルゴン下で終夜、150℃に加熱した。冷却後、その混合物をDCM(500mL)に注ぎ込んだ。次に、残っている銅および塩類を濾去した。得られた濾液を水(200mL×2)で洗浄した。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥した後、シリカゲルにのせた。フラッシュカラム(3〜5%酢酸エチル/ヘキサン類の勾配)とDCM/ヘキサン類からの再沈殿により、11.71g(収率71%)の生成物(化合物12)を得た;HNMRで純粋と確認。
【0098】
実施例1.4.2
【化28】

【0099】
4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェノール(化合物13):化合物12(11.63g、42.6mmol)をDCMに溶解し、その溶液を−77℃に冷却した。その冷溶液に三臭化ホウ素(45mLの1M溶液)を滴下した。その溶液を、室温までゆっくり温めながら、アルゴン下で終夜攪拌した。LCMSは、所望の質量(M=528)を持つ単一ピークを示した。反応混合物にメタノール(100mL)を加え、30分間撹拌した。全体をシリカゲルにのせた。フラッシュカラム(ヘキサン類中、10〜20%酢酸エチルの勾配)により、HNMRで純粋と確認された10.94gの生成物(化合物13)(収率99%)を得た。
【0100】
実施例1.4.3
【化29】

【0101】
9−(4−(4’−ブロモビフェニル−4−イルオキシ)フェニル)−9H−カルバゾール(化合物14):化合物13(10.0g、8.3mmol)、4,4’−ジブロモビフェニル(24.1g、77.2mmol)、炭酸セシウム(25.2g、77.2mmol)、ヨウ化銅(700mg、3.86mmol)、およびジメチルグリシン塩酸塩(1.62g、11.6mmol)の混合物を1,4−ジオキサン(無水、100mL)中で45分間脱気した。その混合物を、アルゴン下で終夜、120℃に加熱した。冷却後、その混合物をDCM(300mL)に注ぎ込み、その後の混合物を水およびブラインで洗浄した。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルにのせた。ベースライン不純物を除去するために、10%酢酸エチル/ヘキサン類を使用するプラグ(plug)を使った。続くフラッシュカラム(5%トルエン/ヘキサン類)と、DCM/メタノールからの沈殿とにより、HNMRで純粋と確認された11.17gの生成物(化合物14)(収率59%)を得た。
【0102】
実施例1.4.4
【化30】

【0103】
化合物14(1.85g、3.79mmol)、1−フェニル−2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(1.5g、3.79mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(139mg、.190mmol)、およびフッ化カリウム(661mg、11.4mmol)の混合物をジメチルホルムアミド(無水、30mL)中で30分間脱気した。その混合物を、アルゴン下で終夜、80℃に加熱した。冷却後、その混合物をDCM(200mL)に注ぎ込み、水およびブラインで洗浄した。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルにのせた。フラッシュカラム(20%酢酸エチル/ヘキサン類)とDCM/メタノールからの再結晶により、1.83g(収率71%)の生成物(化合物15)を得た;HNMRで純粋と確認。
【0104】
実施例1.5
【化31】

【0105】
実施例1.5.1
【化32】

【0106】
9−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−9H−カルバゾール:カルバゾール(300mg、1.81mmol)、4,4’−ジブロモビフェニル(846mg、2.71mmol)、銅(344mg、5.43mmol)、18−クラウン−6(187mg、.71mmol)、炭酸カリウム(750mg、5.43mmol)、および無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を30分間脱気した。その混合物を、アルゴン下で66時間、155℃に加熱した。冷却後、その混合物をDCM(400mL)に注ぎ込み、その後の混合物を濾過した。濾液をシリカゲルにのせた。フラッシュカラム(シリカ、10%DCM/ヘキサン)とDCM/ヘキサン類における再沈殿により、304mg(収率42%)の純粋な生成物を得た;HNMRで確認。
【0107】
実施例1.5.2
【化33】

【0108】
化合物16(250mg、.63mmol)、1−フェニル−2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(化合物10)(250mg、.63mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(23mg、.03mmol)、フッ化カリウム(110mg、1.89mmol)、およびジメチルホルムアミド(無水、15mL)の混合物を20分間脱気した。次にその混合物を、アルゴン下で終夜、80℃に加熱した。冷却後、その混合物をDCM(200mL)に注ぎ込み、固形物を濾去した。得られた濾液を水(100mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥してから、シリカゲルにのせた。フラッシュカラム(DCM中、3−10%酢酸エチルの勾配)とDCM/ヘキサン類を用いる再結晶により、170mg(収率46%)の材料(化合物17)を得た;HNMRで純粋と確認。
【0109】
実施例1.6
【化34】

【0110】
実施例1.6.1
【化35】

【0111】
4−メトキシ−N,N−ジ−p−トリルアニリン(化合物18):トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(60mg、触媒量)とトリ−tert−ブチルホスフィン(5mlの10%ヘキサン類溶液)の混合物をトルエン(無水、60mL)中で20分間脱気した。ジ−p−トリルアミン(4.0g、20.3mmol)、および4−ヨードアニソール(11.88g、50.8mmol)を加え、脱気を15分間続けた。ナトリウムtert−ブトキシド(2.4g、25mmol)を加え、その混合物をさらに10分間脱気した。混合物全体をアルゴン下、120℃で、終夜加熱した。冷却後、その混合物を酢酸エチルに注ぎ込み、水(200mL×2)で洗浄した。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥してから、シリカゲルにのせた。フラッシュカラム(ヘキサン類中、2−3%酢酸エチルの勾配)により、3.26gの物質(化合物18)(収率53%)を得た;HNMRで純粋と確認。
【0112】
実施例1.6.2
【化36】

【0113】
4−(ジ−p−トリルアミノ)フェノール(化合物19):化合物18(3.05g、10.1mmol)をDCM(無水、50mL)に溶解し、その溶液を−77℃に冷却した。その冷溶液に三臭化ホウ素(12mLの1M溶液)を滴下した。混合物全体を撹拌し、アルゴン下で終夜、室温までゆっくり温めた。LCMSは、288(M)という単一の所望する質量を示した。その混合物をメタノール(200mL)に注ぎ込み、45分間撹拌した。次にその混合物を減圧下で濃縮してから、DCM(100mL)を加えた。その溶液を水(200mL×2)で洗浄した。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン類を使った有機層の沈殿により、2.44gの物質(化合物19)(収率84%)を得た;HNMRで純粋と確認。
【0114】
実施例1.6.3
【化37】

【0115】
4−(4’−ブロモビフェニル−4−イルオキシ)−N,N−ジ−p−トリルアニリン(化合物20):化合物19(2.4g、8.3mmol)、4,4’−ジブロモビフェニル(1.25g、4.0mmol)、炭酸セシウム(5.41g、16.6mmol)、ヨウ化銅(158mg、0.83mmol)、およびジメチルグリシン塩酸塩(348mg、2.49mmol)の混合物を、1,4−ジオキサン(無水、40mL)中で45分間脱気した。その混合物を、アルゴン下で終夜、120℃に加熱した。冷却後、その混合物をDCM(300mL)に注ぎ、その後の混合物を水およびブラインで洗浄した。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルにのせた。フラッシュカラム(ヘキサン類中、5−20%DCMの勾配)と、DCM/ヘキサン類からの再沈殿により、HNMRで純粋と確認された760mgの生成物(化合物20)(収率37%)を得た。
【0116】
実施例1.6.4
【化38】

【0117】
化合物20(656mg、1.26mmol)、1−フェニル−2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(500mg、1.26mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(100mg、触媒量)、およびフッ化カリウム(220mg、3.8mmol)の混合物をジメチルホルムアミド(無水、8mL)中で30分間脱気した。混合物を、アルゴン下で終夜、80℃に加熱した。冷却後、その混合物を水(200mL)に注ぎ込んだ。生成物をDCM(150mL×2)で抽出した。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルにのせた。フラッシュカラム(ヘキサン類中、15−45%酢酸エチルの勾配)と、DCM/メタノールからの再沈殿により、400mg(収率45%)の生成物を得た;HNMRで純粋と確認。
【0118】
実施例1.7
【化39】

【0119】
実施例1.7.1
【化40】

【0120】
4’−ブロモ−N,N−ジ−p−トリルビフェニル−4−アミン(化合物22):トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(353mg、.385mmol)、およびトリ−tert−ブチルホスフィン(3.11gの10%ヘキサン類溶液)の混合物をトルエン(無水、50mL)中で20分間脱気した。ジ−p−トリルアミン(3.00g、15.2mmol)および4,4’−ジブロモビフェニル(4.80g、15.4mmol)を加え、その混合物をさらに15分間脱気した。ナトリウムtert−ブトキシド(2.4g、25mmol)を加え、その混合物をさらに10分間脱気した。全体をアルゴン下、120℃で、終夜加熱した。冷却後、混合物をDCMに注ぎ込み、固形物を濾去した。濾液を水およびブラインで洗浄した。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥してから、シリカゲルにのせた。フラッシュカラム(ヘキサン類中、2−20%酢酸エチルの勾配)により、190mgの物質(収率3%)を得た;HNMRで純粋と確認。
【0121】
実施例1.7.2
【化41】

【0122】
化合物22(170mg、.397mmol)、1−フェニル−2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(173mg、.436mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(15mg、.02mmol)、およびフッ化カリウム(70mg、1.2mmol)の混合物をジメチルホルムアミド(無水、15mL)中で30分間脱気した。混合物を、アルゴン下で終夜、90℃に加熱した。冷却後、その混合物を水に注ぎ込み、濾過した。固形物をDCM(50mL)に溶解し、その溶液を水およびブラインで洗浄した。1回目の濾過で得た濾液に関して、濾液をDCM(100mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルにのせた。フラッシュカラム(ヘキサン類中、10−20%酢酸エチルの勾配)と、DCM/メタノールにおける再沈殿により、146mg(収率59%)の生成物(化合物23)を得た;HNMRで確認。
【0123】
実施例1.8.1
【化42】

【0124】
化合物24:1,4−ジオキサン/HO(30mL/5mL)中の4−ブロモフェニル−ジトリルアミン(2.80g、8.0mmol)、化合物10(3.15g、8.0mmol)、Pd(PPh(0.90g、0.8mmol)およびKCO(2.76g、20mmol)の混合物を脱気し、得られた混合物を約100℃で終夜加熱した。室温まで冷却した後、得られた混合物を10%NaCl水溶液で後処理し、次に酢酸エチル(150mL×2)で抽出した。有機相を集め、NaSOで乾燥してから、シリカゲルに吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル6:1→4:1)で精製することにより、黄色固形物を得て、それをジクロロメタン/メタノール中で3回再結晶することにより、白色固形物(化合物24)(1.55g、収率36%)を得た。
【0125】
実施例1.9.1
【化43】

【0126】
(4−(ジフェニルアミノ)フェニル)ボロン酸(化合物25):4−ブロモ−N,N−ジフェニルアニリン(22g、68mmol)の無水THF(170mL)溶液に、n−BuLi溶液(2.5Mヘキサン類溶液、20mL、75mmol)を、−78℃でゆっくり加えた。次に、得られた混合物を−78℃で約5時間撹拌した後、蒸留したばかりのホウ酸トリメチル(8.8mL、80mmol)を加えた。得られた混合物を週末の間、室温で撹拌しておいた。その溶液に、5%HCl溶液(150mL)を加え、終夜撹拌してから、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。有機相を集め、NaSOで乾燥した。溶媒を除去した後、残った固形物をジクロロメタン/ヘキサン類中で再結晶することにより、白色固形物(11.0g)を得た。濾液をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン類/酢酸エチル、9:1→2:1)で精製することにより、追加の白色固形物(2.0g)を得た。生成物(化合物25)の合計量は13グラムで、66%の収率だった。
【0127】
化合物26:1,4−ジオキサン/HO(25mL/5mL)中の化合物25(4−(ジフェニルアミノ)フェニル)ボロン酸(900mg、3.1mmol)、化合物9(1.09g、3.1mmol)、Pd(PPh(180mg、0.16mmol)およびKCO(1.38g、10mmol)の混合物を脱気し、得られた混合物を、アルゴン雰囲気下、約100℃で、終夜加熱した。室温まで冷却した後、得られた混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過した。ヘキサン類(100mL)を加えたところ、約1時間後に黄色沈殿物が生成した。濾過によって黄色固形物(760mg)を得た。また、濾液をシリカゲルに吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、黄色固形物(200mg)を得た。生成物(化合物26)の合計量は960mgで、62%の収率だった。
【0128】
実施例1.10.1
【化44】

【0129】
2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(化合物27):無水1,4−ジオキサン(80mL)中の4−ブロモベンゾイルクロリド(4.84g、22mmol)、2−ブロモアニリン(3.8g、22mmol)、CuI(0.21g、1.1mmol)、CsCO(14.3g、44mmol)および1,10−フェナントロリン(0.398g、2.2mmol)の混合物を脱気し、得られた混合物を、アルゴン下、約125℃で、終夜加熱した。得られた混合物を冷却し、酢酸エチル(〜200mL)に注ぎ込み、濾過した。濾液をシリカゲルに吸収させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル4:1)で精製し、ヘキサン類で沈殿させることにより、白色固形物(化合物27)(5.2g、収率87%)を得た。
【化45】

【0130】
2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(化合物28):無水1,4−ジオキサン(80mL)中の10(4.45g、16mmol)、ビス(ピナコレート)ジボラン(4.09g、16.1mmol)、無水酢酸カリウム(3.14g、32mmol)およびPd(dppf)Cl(0.48g、0.66mmol)の混合物を脱気し、得られた混合物を、アルゴン下、約85℃で、約48時間加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を酢酸エチル(〜200mL)に注ぎ込み、濾過した。濾液をシリカゲルに吸収させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル、4:1)で精製することにより、白色固形物(化合物28)(4.15g、収率81%)を得た。
【化46】

【0131】
化合物29:THF/HO(10mL/6mL)中の化合物28(0.66g、2.05mmol)、化合物22(0.80g、1.87mmol)、NaCO(0.708g、6.68mmol)およびPd(PPh(0.065g、56.1mmol)の混合物を脱気し、得られた混合物をアルゴン雰囲気下、約80℃で終夜加熱した。冷却後、得られた混合物をジクロロメタン(100mL)に注ぎ込み、水(200mL×2)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機相を集め、NaSOで乾燥してから、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン類/酢酸エチル40:1→9:1)で精製することにより、固形物(化合物29)(0.936g、収率93%)を得た。
【0132】
実施例1.11.1
【化47】

【0133】
9−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−9H−カルバゾール(化合物30):カルバゾール(300mg、1.81mmol)、4,4’−ジブロモビフェニル(846mg、2.71mmol)、銅(344mg、5.43mmol)、18−クラウン−6(187mg、.71mmol)、炭酸カリウム(750mg、5.43mmol)、および無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を30分間脱気した。次に、得られた混合物を、アルゴン下で66時間、約155℃に加熱した。冷却後、得られた混合物を塩化メチレン(400mL)に注ぎ込み、その後の混合物を濾過した。濾液をシリカゲルにのせた。フラッシュカラム(シリカ、10%塩化メチレン/ヘキサン)と、塩化メチレン/ヘキサン類における再沈殿により、304mg(収率42%)の純粋な生成物を得た;HNMRで確認。
【化48】

【0134】
化合物31:THF/HO(24mL/14mL)中の9−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−9H−カルバゾール(化合物30)(1.6g、4.03mmol)、化合物28(1.42g、4.43mmol)、NaCO(1.53g、14.39mmol)およびPd(PPh(0.14g、0.121mmol)の混合物を脱気し、得られた混合物を、アルゴン雰囲気下で終夜、約85℃に加熱した。冷却後、得られた混合物をジクロロメタン(200mL)に注ぎ込み、水(150mL×2)およびブライン(150mL)で洗浄した。有機相を集め、NaSOで乾燥し、濃縮したところ、灰色沈殿物が生じた。濾過により濾液(A)と、固形物を得て、その固形物をクロロホルム(550mL)に再溶解し、懸濁粒子を濾去し、透明な濾液(B)を終夜−15℃に保ったところ、白色固形物(1.19g)が生じた。濾液(C)を濾液Aと合わせ、シリカゲルに吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン)で精製すると、さらに0.52gの固形物が得られる。両方の固形物を合わせ、熱酢酸エチルで洗浄し、濾過することにより、生成物(化合物31)(1.66g、収率81%)を得た。
【0135】
実施例1.12.1
【化49】

【0136】
2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[d]チオキサゾール(32):エタノール(50mL)中の2−アミノベンゼンチオール(2.0g、15.97mmol)、4−ブロモベンズアルデヒド(2.95g、15.97mmol)および50mgの10%Pd炭素の混合物に、空気を約20分間バブリングしてから、約6日間、加熱還流した。冷却後、その混合物をジクロロメタン(100mL)に注ぎ込み、触媒を濾去した。濾液を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄してから、NaSOで乾燥し、次にフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン類/酢酸エチル20:1)を行い、ジクロロメタン/メタノール中で再結晶することにより、白色固形物(化合物32)(2.90g、収率63%)を得た。
【化50】

【0137】
2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]チオキサゾール(化合物33):無水1,4−ジオキサン(40mL)中の32(2.32g、7.99mmol)、ビス(ピナコレート)ジボラン(2.25g、8.79mmol)、無水酢酸カリウム(2.35g、23.97mmol)およびPd(dppf)Cl(0.292g、0.399mmol)の混合物を脱気し、得られた混合物をアルゴン下、約85℃で、約20時間加熱した。冷却後、混合物をジクロロメタンに注ぎ込み、塩類を濾去した。濾液を減圧下で乾燥することでジオキサンを除去してから、ジクロロメタンに再溶解した。水で洗浄し、次にブラインで洗浄した後、得られた混合物をシリカゲルにのせ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類/ジクロロメタン2:1→1:1)で精製することにより、白色固形物(化合物33)(1.89g、収率90%)を得た。
【化51】

【0138】
化合物34:THF/水(24mL/14mL)中の33(1.48g、4.39mmol)、化合物22(1.71g、4.0mmol)、NaCO(1.51g、14.28mmol)およびPd(PPh(0.139g、0.12mmol)の混合物を45分間脱気してから、得られた混合物を、アルゴン雰囲気下で終夜、加熱還流した。冷却後、得られた混合物をクロロホルム(300mL)に注ぎ込み、生成物を加熱溶解した。その溶液を水(200mL×2)およびブライン(200mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、濃縮したところ固形物が析出し、それを濾過し、メタノールで洗浄することにより、固形物(化合物34)(1.24g、収率53%)を得た。
【0139】
実施例1.13.1
【化52】

【0140】
4’−ブロモ−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(35):THF/HO(28mL/17mL)中の(4−(ジフェニルアミノ)フェニル)ボロン酸(1.5g、5.19mmol)、4−ヨード−1−ブロモベンゼン(1.33g、4.71mmol)、NaCO(1.78g、16.8mmol)およびPd(PPh(0.163g、0.141mmol)の混合物を脱気し、得られた混合物を、アルゴン雰囲気下、還流温度で、終夜加熱した。冷却後、その混合物をジクロロメタン(150mL)に注ぎ込んでから、水(150mL×2)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン類/酢酸エチル50:1)で精製した後、ジクロロメタン/メタノール中で再結晶することにより、白色固形物(化合物35)(1.64g、収率87%)を得た。
【化53】

【0141】
化合物36:THF/HO(21mL/12.5mL)中の35(1.40g、3.5mmol)、化合物28(1.52g、3.85mmol)、NaCO(1.32g、12.5mmol)およびPd(PPh(121mg、0.105mmol)の混合物を脱気し、得られた混合物を、アルゴン雰囲気下、還流温度で、終夜加熱した。室温まで冷却した後、得られた混合物をジクロロメタン(150mL)に注ぎ込んでから、水(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、シリカゲルに吸収させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル5:1→2:1、次にジクロロメタン)で精製した。生成物を集め、アセトン/ヘキサン類から再結晶することにより、固形物(1.69g)を得た。それをジクロロメタン/酢酸エチル中で再び再結晶することにより、固形物(化合物36)(1.4g、収率68%)を得た。
【0142】
実施例2:OLED素子の構成と性能
実施例2.1
【0143】
発光素子の製作:ITO被覆ガラス基材を、超音波により、まずアセトン中で清浄化してから2−プロパノール中で清浄化し、110℃で3時間焼成した後、酸素プラズマで5分間処理した。PEDOT:PSS(H.C.Starckから購入したBaytron P)の層を、前もって清浄化しOプラズマ処理した(ITO)基材上に、3000rpmでスピンコーティングし、180℃で10分間アニールすることで、40nm前後の厚さを得た。圧力10−7torr(1torr=133.322Pa)のグローブボックス付き(glove−box hosted)真空蒸着システムにおいて、まず最初に4,4’4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)をPEDOT/PSS層の上に0.06nm/秒の成膜速度で成膜して、厚さ30nmの薄膜を得た。次に、深青色発光体化合物17をTCTAの上に成膜して厚さ30nmの薄膜を形成させてから、厚さ40nmの1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミジゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)の層を、いずれも0.06nm/秒前後の成膜速度で成膜した。次に、CsFおよびAlを、それぞれ0.005および0.2nm/秒の成膜速度で、連続的に成膜した。個々の素子は0.14cmの面積を有する。スペクトルはocean optics HR4000スペクトロメーターで測定し、I−V光出力測定はKeithley2400ソースメーターおよびNewport2832−C電力計および818UV検出器で行う。全ての素子動作は、窒素で満たされたグローブボックスの内部で行われる。
【0144】
実施例2.2
実施例2.1に従って、もう一つの素子(素子B)を構築した。ただし、ニート化合物17層をTCTAの上に成膜する代わりに、化合物17(99.35%)、トリス(2−フェニルピリジンアニオン)イリジウム(III)錯体(Ir(ppy)3)(0.5%)およびビス(2−フェニルキノリル−N,C2’)アセチルアセトネートイリジウム(III)(PQIr)(0.15%)の混合物を、TCTAの上に共成膜して、厚さ15nmの薄膜を形成させた。
【0145】
実施例2.3
素子Cは次のように製作した。ITO被覆ガラス基材を、超音波により、まずアセトン中で清浄化してから2−プロパノール中で清浄化し、110℃で3時間焼成した後、酸素プラズマで5分間処理した。PEDOT:PSS(H.C.Starckから購入したBaytron P)の層を、前もって清浄化しOプラズマ処理した(ITO)基材上に、3000rpmでスピンコーティングし、180℃で10分間アニールすることで、40nm前後の厚さを得た。圧力10−7torr(1torr=133.322Pa)のグローブボックス付き真空蒸着システムにおいて、まず最初に4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)をPEDOT/PSS層の上に0.06nm/秒の成膜速度で成膜して、厚さ30nmの薄膜を得た。次に、深青色発光体化合物23をα−NPDの上に成膜して厚さ30nmの薄膜を形成させてから、厚さ40nmの1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミジゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)層を、いずれも0.06nm/秒前後の成膜速度で成膜した。次に、CsFおよびAlを、それぞれ0.005および0.2nm/秒の成膜速度で、連続的に成膜した。個々の素子は0.14cmの面積を有する。スペクトルはocean optics HR4000スペクトロメーターで測定し、I−V光出力測定はKeithley2400ソースメーターおよびNewport2832−C電力計および818UV検出器で行う。全ての素子動作は、窒素で満たされたグローブボックスの内部で行われる。
【0146】
実施例2.4
実施例2.3に従って、もう一つの素子(比較用素子A)を構築した。ただし、ニート化合物23層をα−NPDの上に成膜する代わりに、ニートの
【化54】

をα−NPDの上に成膜して、厚さ30nmの薄膜を形成させた。
【0147】
実施例3:素子性能
実施例3.1
化合物21を含み、実施例1および2に従って製作された、青色発光素子である素子Aを試験して、(1)素子Aの発光強度(波長の関数としての素子の強度[a.u.])を調べ;(2)素子AのCIE座標を決定し;(3)素子Aの効率(素子に印加される電圧の関数としての電流密度および輝度;ならびに電流密度の関数としての外部量子効率、電力効率および輝度)を決定することにより、素子の発光品質を決定した。全てのスペクトルをOcean Optics HR4000スペクトロメーター(Ocean Optics、米国フロリダ州ダニーディン)で測定し、I−V−L特性はKeithley2400ソースメーター(Keithley Instruments,Inc.、米国オハイオ州クリーブランド)ならびにNewport2832−C電力計および818UV検出器(Newport,Corp.、米国カリフォルニア州アービン)で計測した。全ての素子動作は窒素で満たされたグローブボックスの内部で行った。この素子(素子A)の例示的構成を図1に示す(素子構造:PEDOT:PSS/TCTA(30nm)/化合物17(30nm)/TPBi(40nm)/CsF/Al)。図2に素子AのエレクトロルミネセンススペクトルとCIE座標を示す。このスペクトルは400〜500nmにおける著しい発光を示している。深青色放射の純度はCIE座標(X=0.16;Y=0.05)によって示される。また、図3、4および5に示すように、素子Aは従来の有機発光素子パラメーターにおいて効力を示す。このように化合物21は、有機発光素子における青色発光化合物としてのその有効性を示した。
【0148】
実施例3.2
化合物17、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、およびPQIrを含み、実施例1および2に従って製作された、白色発光素子である素子Bを試験して、(1)素子Bの発光強度(波長の関数としての素子の強度[a.u.])を調べ;(2)素子BのCIE座標を決定し;(3)素子Bの効率(素子に印加される電圧の関数としての電流密度および輝度;ならびに電流密度の関数としての外部量子効率、電力効率および輝度)を決定することにより、素子の発光品質を決定した。全てのスペクトルをOcean Optics HR4000スペクトロメーター(Ocean Optics、米国フロリダ州ダニーディン)で測定し、I−V−L特性はKeithley2400ソースメーター(Keithley Instruments,Inc.、米国オハイオ州クリーブランド)ならびにNewport2832−C電力計および818UV検出器(Newport,Corp.、米国カリフォルニア州アービン)で計測した。全ての素子動作は窒素で満たされたグローブボックスの内部で行った。この素子(素子B)の例示的構成を図6に示す(素子構造:PEDOT:PSS/TCTA(30nm)/化合物17:Ir(ppy)(0.5%):Ir(pq)acac(PQIr)(0.15%)(15nm)/TPBi(40nm)/CsF/Al)。図7に素子BのエレクトロルミネセンススペクトルとCIE座標およびCRI値を示す。このスペクトルは400〜450nm、500〜525nmおよび575〜625nmにおける著しい発光を示している。白色放射の純度はCIE座標(X=0.37;Y=0.37)および77という演色評価数によって示される。また、図8、9および10に示すように、素子Bは、従来の有機発光素子パラメーターにおいて効力を示す。このように化合物17は、白色発光有機発光素子における青色発光化合物としてのその有効性を示した。
【0149】
実施例3.3
それぞれ化合物23および比較用化合物Aを含み、実施例2.3および2.4に従って製作された、素子Cおよび比較用素子D(どちらも青色発光素子)を試験して少なくとも、(1)素子CおよびDの発光強度(波長の関数としての素子の強度[a.u.])を調べ;(2)素子CおよびDの効率(素子に印加される電圧の関数としての電流密度および輝度;ならびに電流密度の関数としての外部量子効率、電力効率および輝度)を決定することにより、素子の発光品質を決定した。全てのスペクトルをOcean Optics HR4000スペクトロメーター(Ocean Optics、米国フロリダ州ダニーディン)で測定し、I−V−L特性はKeithley2400ソースメーター(Keithley Instruments,Inc.、米国オハイオ州クリーブランド)ならびにNewport2832−C電力計および818UV検出器(Newport,Corp.、米国カリフォルニア州アービン)で計測した。全ての素子動作は窒素で満たされたグローブボックスの内部で行った。これらの素子(素子CおよびD)の例示的構成を図6に示す(素子C構造:PEDOT:PSS/α−NPD(30nm)/化合物23(30nm)/TPBi(40nm)/CsF/Al);素子D構造:PEDOT:PSS/α−NPD(30nm)/比較用化合物A(30nm)/TPBi(40nm)/CsF/Al)。結果を表1に記載する。
【0150】
【表1】

【0151】
表1に示すように、素子Cは、従来の有機発光素子パラメーターにおいて、ほぼ2倍の発光効率(9.28cd/A[素子C]、5.16cd/A[素子D])、ほぼ2倍の電力効率(7.75lm/W[素子C]、4.34lm/W[素子D])、およびほぼ2倍のEQE(6.80%[素子C]、3.68%[素子D])を示す。このように化合物23は、青色発光有機発光素子において、比較用例Aと比較して、青色発光化合物としてのその有効性を示した。
【0152】
本発明の要旨から逸脱することなく数多くのさまざまな変更を加えうることは、当業者には理解されるであろう。したがって、本発明の形態は例示にすぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではないことを、明確に理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、Rは酸素原子で結合しているC1−101−4エーテルまたは−R−NR
(ここで、Rは、単結合、置換されていてもよいC6−10アリールオキシ、または置換されていてもよいC6−10アリールであり、
およびRは、独立して、置換されていてもよいC6−10アリールであり、ここで、RおよびRは、場合によっては互いに連結されて、Nを含む第3の環を形成してもよい)
であり;
ArおよびArは、独立して、C1−3アルキルおよびFから独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を持つアリールであり;
XはOまたは単結合であり;
Arは、C1−3アルキルおよびFから独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を持つアリールであるか、またはArは単結合であり;
Zは、独立して、NR(ここで、Rは、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい−CH−フェニル、または置換されていてもよい(4−ハロフェニル)メチルである)であり;
、R、R、およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、またはC1−10アルコキシである;
ただし、−Ar−X−Ar−Ar−は
【化2】

ではないものとする]
で表される化合物。
【請求項2】
が、置換されていてもよいカルバゾリル、置換されていてもよいカルバゾリルフェノキシ、置換されていてもよいジフェニルアミン、置換されていてもよいジフェニルアミノフェノキシ、またはC1−10アルコキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がメトキシ、
【化3】

である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Ar、Ar、およびArが置換されていてもよいp−インターフェニレンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Ar、Ar、およびArの少なくとも一つが無置換p−インターフェニレンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
XがOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
ZがOである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
ZがNRであり、Rが置換されていてもよいフェニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
が置換されていてもよいジフェニルアミンである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が置換されていてもよいカルバゾリルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
が置換されていてもよいp−カルバゾリルフェノキシである、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
が置換されていてもよいp−ジフェニルアミノフェノキシである、請求項8に記載の化合物。
【請求項13】
Xが単結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Arが単結合である、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が置換されていてもよいジフェニルアミンである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が置換されていてもよいカルバゾリルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
Arが、C1−3アルキルおよびFから独立して選択される0、1、2、3または4個の置換基を持つアリールである、請求項13に記載の化合物。
【請求項18】
が置換されていてもよいジフェニルアミンである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
が置換されていてもよいカルバゾリルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項20】
【化4】


から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
式:
−Ar−X−Ar−Ar−Het
[式中、Rは、C1−10アルコキシ、置換カルバゾリル、置換ジフェニルアミノ、置換されていてもよいカルバゾリルフェノキシ、または置換されていてもよいジフェニルアミノフェノキシであり;
ArおよびArは、独立して、置換されていてもよいアリールであり;XはOまたは単結合であり;
Arは置換されていてもよいアリールであるか;またはArは単結合であり;
Hetは置換されていてもよいベンゾイミダゾリルである]
によって表される化合物。
【請求項22】
式:
【化5】

[式中、Rは、C1−10アルコキシ、置換カルバゾリル、置換ジフェニルアミノ、置換されていてもよいカルバゾリルフェノキシ、または置換されていてもよいジフェニルアミノフェノキシであり;
Hetは置換されていてもよいベンゾイミダゾリルである]
によって表される化合物。
【請求項23】
が、置換ジフェニルアミノまたは置換カルバゾリルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
【化6】

から選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
【化7】

および[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドを含む混合物を反応させて、
【化8】

を含む組成物を得ること、および
【化9】

およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)を含む混合物を反応させて、
【化10】

を含む組成物を得ること
を含むプロセスによって製造される、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
式:
【化11】

[式中、Rは、酸素原子で結合しているC1−101−4エーテル、または−R−NR
(ここで、Rは、単結合、置換されていてもよいC6−10アリールオキシ、または置換されていてもよいC6−10アリールであり;
およびRは、独立して、置換されていてもよいC6−10アリールであり、ここで、RおよびRは、場合によっては互いに連結されて、Nを含む第3の環を形成してもよい)
であり;
ArおよびArは、独立して、C1−3アルキルおよびFから独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を持つアリールであり;
XはOまたは単結合であり;
Arは、C1−3アルキルおよびFから独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を持つアリールであるか;またはArは単結合であり;
Zは、独立して、OまたはSであり;
、R、R、およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、またはC1−10アルコキシである]
によって表される化合物。
【請求項27】
【化12】

から選択される、請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物を含む発光層を含む、発光素子。
【請求項29】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物を電位差にばく露し、それによって光を生成させることを含む、電位差を光に変換する方法。
【請求項30】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物を光にばく露し、それによって電位差を生成させることを含む、光を電位差に変換する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−532135(P2012−532135A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518585(P2012−518585)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040467
【国際公開番号】WO2011/008560
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】