説明

発光管ユニット、蛍光ランプ装置及び照明装置

【課題】所期の反射効率が得られるとともに、発光管を発光管取付け面に簡単に取付けることができ、発光管が発光管取付け面から脱落するのを防止できる発光管ユニット、蛍光ランプ装置及び照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、発光管取付け面17cを有するホルダー17と、ホルダー17の発光管取付け面17cに沿って平面状に配置された管体によって構成された屈曲状発光管18と、透孔19aが形成され、ホルダー17と発光管18との間に介在された反射板19と、この反射板19の透孔19aを介して発光管18の管体及びホルダー17の発光管取付け面17cの両者に被着された接着剤26とを備えた発光管ユニットである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光管ユニット、この発光管ユニットを備えた蛍光ランプ装置及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屈曲された発光管を有する蛍光ランプと、この発光管を点灯させる点灯装置とを一体的に備えた蛍光ランプ装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような蛍光ランプ装置について、平面的な光源を得るため、扁平な円盤状の本体に点灯装置を収容し、本体の下面に沿って平面状に屈曲された発光管を取付け、これら本体の下面と発光管とをグローブで覆った扁平な円盤状の小形な蛍光ランプ装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−283139号公報
【非特許文献1】シルバニア 0025219 マイクロリンクス F 7W/840(SYLVANIA 0025219 Micro-Lynx F 7W/840)、[online]、2005年、シルバニア ライティング インターナショナル(Sylvania Lighting International)、[平成18年3月24日検索]、インタネット<http://www.sylvania-lamps.com/catalog/pdflib/lamps2pdf.php?id=2514>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この種の蛍光ランプ装置は、小形、薄型化するため、本体の発光管取付け面に対し、発光管が接近又は接触した状態で取付けられる。このため、発光管取付け面は、耐熱性、放熱のための熱伝導性が要求され、一般的には、アルミダイカスト等の金属材料が用いられる。
【0004】
ところで、発光管取付け面は、発光管からの光を反射する役目もなすが、所期の反射効率を達成するには、発光管取付け面の反射率を向上させるため、高精度の加工、仕上げを行わなければならない。
【0005】
これを回避して反射率を向上させる方法としては、発光管取付け面にアルミ蒸着膜を施して鏡面処理することが考えられる。しかし、この方法では、発光管の熱により蒸着膜の剥がれや劣化の問題が生じてしまう恐れがある。
【0006】
これらの問題点を解決するため、本体の平面部に反射率の良好な反射板を取付け、さらに、この反射板に発光管を取付けることが考えられる。
【0007】
しかしながら、この場合、本体の平面部へ反射板を取付け、さらに、反射板へ発光管を取付けるという複数の工程を踏むため、製造が煩雑になるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題点を解消するもので、簡単な構成により、所期の反射効率が得られるとともに、発光管を発光管取付け面に簡単に取付けることができ、発光管が発光管取付け面から脱落するのを防止できる発光管ユニット、蛍光ランプ装置及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発光管ユニットは、発光管取付け面を有するホルダーと、ホルダーの発光管取付け面に沿って平面状に配置された管体によって構成された屈曲状発光管と、透孔が形成され、ホルダーと発光管との間に介在された反射板と、この反射板の透孔を介して発光管の管体及びホルダーの発光管取付け面の両者に被着された接着剤とを具備することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発光管ユニットは、請求項1記載の発光管ユニットにおいて、反射板に形成された透孔は、発光管の管体に対向する位置に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発光管ユニットは、請求項1記載の発光管ユニットにおいて、反射板に形成された透孔は、発光管の隣り合う管体同士の間隙に対向する位置に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発光管ユニットは、請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の発光管ユニットにおいて、反射板の透孔と連通する貫通孔がホルダーの発光管取付け面に形成されており、この透孔と貫通孔を介して接着剤が注入されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の蛍光ランプ装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか一記載の発光管ユニットと、発光管に電力を供給する点灯装置とを具備することを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の照明装置は、電源から電力が給電される給電部と、給電部と接続される請求項5に記載の蛍光ランプ装置とを具備することを特徴とする。
【0015】
各発明において、反射板に形成した透孔とは、切欠きを含む概念である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、ホルダーと発光管との間に介在された反射板の透孔を介して接着剤が発光管の管体及びホルダーの発光管取付け面の両者に被着されるので、所期の反射効率が得られるとともに、簡単な構成により、発光管を発光管取付け面に確実に取付けることができ、発光管が発光管取付け面から脱落するのを防止できる発光管ユニット、蛍光ランプ装置及び照明装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の発光管ユニットを備えた照明装置の第1の実施形態を示す縦断面図であり、図2(a)は、同横断面図であり、(b)は、反射板を示す平面図である。図3は、蛍光ランプ装置を示す斜視図である。
【0019】
図1において、照明装置1は、例えば、設置部である天井面2に直付設置されるもので、天井面2に直付される扁平な給電部としての円環状のソケット装置10と、このソケット装置10に着脱可能に装着される扁平な円盤状の蛍光ランプ装置11とを備えている。
【0020】
ソケット装置10は、円筒状をなすケース体12を備え、このケース体12がねじなどにて天井面2に固定されている。また、このケース体12には、ソケット部を構成する図示しない一対の接続端子金具が収容され、これら接続端子金具にそれぞれ天井部に配線された商用交流電源線が接続されている。さらに、ケース体12の下面には、各接続端子金具と導通している図示しない給電端子に沿って、ソケット部を構成する給電孔13が形成されている。
【0021】
蛍光ランプ装置11は、図1及び図3に示すように、内部に点灯装置収容部14を構成する本体15と、この本体15に収納された点灯装置16と、本体15に組合されたホルダー17と、このホルダー17に取付けられた発光管18と、ホルダー17と発光管18との間に介在された反射板19と、発光管18からなる蛍光ランプとともに本体15の下面側を覆うグローブ20とを備えている。
【0022】
本体15は、絶縁性を有する樹脂で形成された略円盤状で、その外周部近傍には円筒状の係合受部21が形成されている。また、本体15には一体的にGX53形式の口金部22が設けられている。
【0023】
点灯装置16は、回路基板16aと、この回路基板16aの片面あるいは両面に実装された電気部品16bとを備えている。
【0024】
ホルダー17は、熱伝導性の良好な金属であるアルミニウムダイカストで形成された略円盤状をなし、基板部17aと、この基板部17aの外周部に連続する縁部17bとが一体に形成されている。基板部17a下面は円形平坦の発光管取付け面17cとなっている。また、縁部17bは、下面を開口した断面略V字状をなし、外周面は、上側に向かって径寸法が小さくなるように傾斜している。縁部17bの上側内縁方向には、ホルダー17の保持部17dが形成されており、この保持部17dは本体の係合受部21に係合し、これにより本体にとホルダー17とは、しっかりと固定される。また、この縁部17bの下側の開口は、グローブ20が接着により取付けられる。
【0025】
蛍光ランプは、発光管18を備え、この発光管18は、内面に例えば、3波長形の蛍光体が設けられ、内部にアルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、あるいはクリプトン(Kr)などの希ガスや水銀などを含む封入ガスが封入された単数又は複数の放電路を構成している。この実施形態では、発光管18は、3本のU字状に屈曲された管体18a、18b、18cを連通管23で順次接続し、1本の連続した放電路を形成している。
【0026】
そして、各管体18a、18b、18cは、ガラス製の断面略円筒状の管体が中間部で屈曲された屈曲部と、この屈曲部に連続する互いに平行な一対の直管部とを備えている。各管体18a、18b、18cは、各直管部が互いに平行で、かつ、同一平面上に位置するように配置されているとともに、中央の管体18bの直管部の長さが最も大きく、両側の管体18a、18cの外側の直管部の長さは最も小さく形成され、全体として略円板状に沿う平面状の発光管18を構成するように形成されている。
【0027】
また、放電路の両端に位置する両側の管体18a、18cの各一端部には、ステムシールあるいはピンチシールによって一対の電極24が封装されている。各電極24は、フィラメントコイルを有し、このフィラメントコイルが一対の線状のウエルズに支持されている。各ウエルズは、例えば、両側の管体18a、18cの各一端部に封装されたジュメット線を介して両側の管体18a、18cから外部に導出され、点灯装置16に接続される電極ワイヤ25に接続されている。
【0028】
反射板19は、厚さ約0.1mm〜1.0mmの反射率が良好なアルミニウム製の薄板から形成された薄型反射板19であり、ホルダー17の発光管取付け面17cと発光管18との間に介在され、その形状は、ホルダー17の発光管取付け面17cの形状に概略沿うようになっている。
【0029】
図に示すように、複数箇所に円形の透孔19a及び二箇所に扇形の切欠き19bが形成されている。
【0030】
円形の透孔19aは、発光管18の管体に対応して、その頂部近傍及び直管部の中間位置に対応して形成されている。すなわち、発光管18がホルダー17に置かれた状態では、発光管18の管体により円形の透孔19aは覆われるように管体に対向する位置関係となっている。二箇所に形成された扇形の切欠き19bは、発光管18からの電極ワイヤ25を点灯装置16に接続するための通過部としての機能をなすものである。
【0031】
次に、反射板19の透孔19aに対応して、シリコーン樹脂を主成分とする接着剤26が設けられている。接着剤26は反射板19の透孔19aに対応しているので、発光管18を直接的にホルダー17の発光管取付け面17cに取付けることとなると同時に、反射板19の透孔19aからはみ出た接着剤26により、反射板19も発光管取付け面17cに取付けられることとなる。
【0032】
すなわち、接着剤26によりホルダー17、発光管18及び反射板19が一体的に固定されることとなる。この場合、発光管18の管体により接着剤26は覆われるようになり、外部から接着剤26は視認し難い状態となる。また、透孔19aが形成される部分は直上に管体が位置していることから光反射作用による反射効率の向上に寄与しないので、透孔19aを設けても反射効率が低下することはない。
【0033】
グローブ20は、透光性を有し、すなわち、透明あるいは光拡散性を有するガラスや合成樹脂により、上側に開口部を設けた扁平な曲面形状に形成されている。そして、この開口部を囲む縁部は、上側に向かう取付部20aとなるとともに、この開口部すなわち取付部20aの下方に対向する正面部は、滑らかな曲面状に形成されている。
【0034】
さらに、これら取付部20aと正面部とを連設する外周部は、開口部よりも外周側に膨出する膨出部20bとなり、この膨出部20bの外面は、下方から上方に向かい径寸法が小さくなる傾斜面になっている。
【0035】
次に、発光管ユニットの組立て工程の概要を説明する。発光管ユニットは、ホルダー17と、発光管18と、反射板19と、接着剤26とから構成されている。
【0036】
まず、ホルダー17の発光管取付け面17cを上にした状態で、この発光管取付け面17cに反射板19を載置する。そして、反射板19の透孔19aを介して発光管取付け面17cに接着剤26をそれぞれ所定量添着する。続いて、発光管18を接着剤26に沿って密着載置する。その後、接着剤26が固化するまで所要時間放置し、組立てが完了する。
【0037】
ここで、発光管18を反射板19に密着載置すると、添着されて当初山形をなしていた接着剤26は、ある程度押し広げられて面積が大きくなる。しかし、接着剤26は押し広げられても発光管18の管体により覆われることになるので、外部からは接着剤26は見え難くなる。また仮に、多少接着剤26の一部がはみ出して外部から見えることとなったとしても、ほとんどの接着剤26部分は発光管18の管体により覆われることとなる。
【0038】
以上のように本実施形態によれば、反射板19により、所期の反射効率を得ることができ、かつ発光管18を確実にホルダー17の発光管取付け面17cに取付けることができる。また、接着剤26は、外部から視認し難い状態となり、意匠性に優れるとともに、結果的に接着剤26が蛍光ランプの光照射方向への障害となることがない。
【0039】
また、発光管18を確実に発光管取付け面17cに取付けることに加えて、発光管取付け面17cと発光管18との間に介在された反射板19は、発光管取付け面17cと発光管18とに挟持された状態で、しっかり固定されることとなる。つまり、発光管取付け面17c、発光管18、反射板19の三者が一体的に固定されるようになる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図4は、第2の実施形態を示し、図4(a)は照明装置の横断面図、(b)は反射板19を示す平面図である。まず、本実施形態が第1の実施形態と異なっている発光管18のホルダー17への取付け構成について説明する。
【0042】
反射板19には、中心部を挟んで互いに対向する二箇所に長方形状のスリット状切欠き19a及び二箇所に扇形の切欠き19bが形成されている。
【0043】
長方形状のスリット状切欠き19aは、第1の実施形態の透孔に対応するものであり、発光管18中央の管体の隣り合う管体同士の間隙に対向する位置に形成されている。すなわち、互いに平行な一対の直管部の間隙に対応している。
【0044】
そして、反射板19の切欠き19aに対応して、シリコーン樹脂を主成分とする接着剤26が設けられている。接着剤26は反射板19の切欠き19aに対応しているので、発光管18を直接的にホルダー17の発光管取付け面17cに取付けることとなると同時に、反射板19の切欠き19aからはみ出た接着剤26により、反射板19をも発光管取付け面17cに取付けることとなる。すなわち、接着剤26によりホルダー17、発光管18及び反射板19が一体的に固定されることとなる。
【0045】
この場合、接着剤26は、一対の直管部に跨って塗布されることとなるので、発光管取付け面17cへの発光管の取付けが一層強固になることが期待できる。また、接着剤26は、管体同士の間隙を埋めるように流動作用するので、例え、接着剤26が余剰に注入されたとしても発光管18表面への接着剤26の無用な広がりを防止でき、さらにまた、管体同士の間隙を通じて流動した接着剤26が反射板19面へ無用に広がるのを防止できる。
【0046】
二箇所に形成された扇形の切欠き19bは、発光管18からの電極ワイヤを点灯装置に接続するための通過部としての機能をなすものであるが、この切欠き19bを利用して、同様に一対の直管部に跨って接着剤26を設けている。
【0047】
この発光管ユニットの組立て工程の概要を説明する。まず、ホルダー17の発光管取付け面17cを上にした状態で、この発光管取付け面17cに反射板19を載置する。そして、発光管18をその上に載置し、次に、接着剤26を反射板19のスリット状切欠き19a及び扇形の切欠き19bの角部、すなわち、切欠き19bに対応する管体同士の間隙に向け注入する。その後、接着剤26が固化するまで所要時間放置し、組立てが完了する。
【0048】
以上のように本実施形態によれば、反射板19により、所期の反射効率を得ることができ、かつ発光管18を確実にホルダー17の発光管取付け面17cに取付けることができる。また、接着剤26の無用の広がりを防止することができる。さらに、発光管18を確実に発光管取付け面17cに取付けることに加えて、発光管取付け面17cと発光管18との間に介在された反射板19は、発光管取付け面17cと発光管18とに挟持された状態で、しっかり固定されることとなる。つまり、発光管取付け面17c、発光管18、反射板19の三者が一体的に固定されるようになる。
【0049】
本実施形態においては、発光管18を反射板19の上に載置した後に、接着剤26を注入する工程について説明したが、発光管取付け面17cに反射板19を載置した後に反射板19の切欠き19aに対応して接着剤を添着し、次に、発光管18をその上に密着載置する工程によって組立ててもよい。この場合、添着され当初山形をなしていた接着剤は、蛍光ランプにより押し広げられるが、管体同士の間隙を埋めるように入り込むので、例え、接着剤が余剰であっても、接着剤の無用な広がりを防止できる。
【0050】
次に、第3の実施形態を図5に示す。図5(a)は照明装置の横断面図、(b)は反射板19を示す平面図である。反射板19には、三箇所に長方形状のスリット状切欠き19a及び二箇所に扇形の切欠き19bが形成されている。二つの長方形状のスリット状切欠き19aは、発光管18の両側の管体と中央の管体との隣り合う管体同士の間隙に対応しており、他の一つの長方形状の切欠き19aは、発光管18中央の一対の管体の隣り合う管体同士の間隙に対応して形成されている。そして、反射板19の切欠き19aに対応して、シリコーン樹脂を主成分とする接着剤26が設けられている。
【0051】
本実施形態においても、上述の第2の実施形態と同様な効果を奏することができる。さらに、前述のように、発光管取付け面17cに反射板19を載置した後に、反射板19の切欠き19aに対応して接着剤26を添着し、次に、発光管18をその上に密着載置する工程によって組立ててもよい。
【0052】
次に、第4の実施形態を図6に示す。図6は、発光管ユニットの組立て工程を説明するための分解斜視図であり、略円盤状のホルダー17、反射板19及び発光管18が示されている。
【0053】
ホルダー17の外周近傍には、対向した位置に矩形状の貫通孔17eが形成されている。ホルダー17の発光管取付け面17cには、反射板19が取付けられるが、反射板19にはホルダー17の管通孔17eに対応する位置に矩形状の透孔19aが形成されている。この各透孔19aの長辺には、切起こし片19cが設けられている。
【0054】
組立てにあたっては、まず、ホルダー17の管通孔17eと反射板19の透孔19aを合致させ、ホルダー17に反射板19を取付ける。これは、ホルダー17の管通孔17eに反射板19の透孔19aの切起こし片19cを挿通させ、その後、切起こし片19cを外側に折曲することにより行われる。
【0055】
そして、ホルダー17と反射板19とを組合わせた状態で、発光管18の上に載置する。このとき、合致したホルダー17の管通孔17eと反射板19の透孔19aとは、連通し接着剤26注入部としての注入孔を形成しており、この注入孔を発光管18中央の管体の隣り合う管体同士の間隙に対応するように位置させて発光管18の上に載置する。続いて、接着剤注入ノズルから、接着剤を注入孔に向け注入する(図6破線矢印で示す。)。その後、接着剤が固化するまで所要時間放置し、組立てを終了する。
【0056】
本実施形態によれば、第2の実施形態と同様な効果に加え、接着剤をホルダー17と反射板19とが組合わさって形成する接着剤注入孔から注入するので、つまり、発光管18の裏側から注入するので、接着剤の量を必要最小限とすることが可能となる。したがって、接着剤が発光管18の表面側へはみ出し、広がるのを少なくすることが期待できる。
【0057】
第2の実施形態においては、接着剤26を発光管18の表側から注入するので、接着剤26が発光管18表面側に付着してしまい接着剤26の量が過剰になり易い傾向があるが、本実施形態よれば、この不都合を解消できる。
【0058】
なお、以上の各実施形態においては、反射板19の透孔19aからはみ出た接着剤26により、反射板19を発光管取付け面17cに取付ける場合について説明したが、ホルダー17の発光管取付け面17cに反射板19を取付けるに際し、第4の実施形態に示す切起こし片のように特別な取付手段を用いて取付けてもよいし、補強のため反射板19の裏面に接着剤を塗布し、この反射板19を発光管取付け面17cに貼付するようにしてよい。また、反射板19の透孔19aからはみ出た接着剤26と特別な取付手段の双方を適用してもよい。
【0059】
さらに、発光管取付け面17cと発光管との間に介在された反射板19は、発光管取付け面17cと発光管とに挟持されるので、反射板19の透孔19aからはみ出した接着剤26、特別な取付手段のいずれにもよらず、前記挟持のみによって反射板19を発光管取付け面17cに取付ける状態としてもよい。
【0060】
さらにまた、反射板19に形成される透孔19a、電極ワイヤ25の通過部としての切欠き19bは、種々の形状を採り得る。
【0061】
なお、蛍光ランプの発光管18は、ホルダー17の発光管取付け面17cから若干、例えば、1mm〜2mm程度離間していてもよい。この場合であっても、上述の各実施形態と同様な効果を奏することができるとともに、反射板19、ホルダー17への熱的影響を緩和できる。
【0062】
次に、発光管の形状、反射板の形状が異なる発光管ユニットの変形例について説明する。図7は、渦巻状に屈曲した発光管18を示すものである。図8は、波状に屈曲した発光管18を示すものである。図9は、図8と同様に波状に屈曲した発光管18を示すものであるが、反射板19を長方形に構成したものである。図10は、3本のU字状に屈曲した発光管18を連通管で接続したもので、反射板19は略正方形に構成したものである。
【0063】
以上のように、発光管及び反射板の形状は、種々の形状を採り得、また、各実施形態において、反射板19の形状はホルダーの発光管取付け面の形状に概略沿うものであり、反射板19に形成される透孔は、図示は省略するが、適宜個数、形状、大きさを採り得る。
【0064】
次に、本発明の照明装置の他の実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、電気スタンドを示す斜視図である。
【0065】
器具本体30は、基台部31と灯体部32、これら基台部31と灯体部32を接続するアーム部33とからなっている。そして灯体部32には、上述の発光管ユニットが配置されており、基台部31には発光管18に電力を供給する点灯装置が収容されている。また、基台部31には、電源からの電力を供給する給電部としての電源プラグ34が接続されている。
【0066】
なお、照明装置としては、フロアスタンド、天井埋め込み形の照明器具、天井吊下げ形の照明器具などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の発光管ユニットを備えた照明装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】同照明装置の一実施形態を示す説明図であり、(a)は横断面図、(b)は反射板の平面図である。
【図3】同照明装置の蛍光ランプ装置をソケット装置から取り外した状態の斜視図である。
【図4】同照明装置の第2の実施形態を示す説明図であり、(a)は横断面図、(b)は反射板の平面図である。
【図5】同照明装置の第3の実施形態を示す説明図であり、(a)は横断面図、(b)は反射板の平面図である。
【図6】同照明装置の第4の実施形態を示す発光管ユニットの分解斜視図である。
【図7】本発明の発光管ユニットにおける発光管の変形例を示す平面図である。
【図8】同変形例を示す平面図である。
【図9】本発明の発光管ユニットにおける発光管及び反射板の変形例を示す平面図である。
【図10】同変形例を示す平面図である。
【図11】本発明の照明装置として電気スタンドを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
1 照明装置
11 蛍光ランプ装置
17 ホルダー
17c 発光管取付け面
19 反射板
19a 透孔
26 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管取付け面を有するホルダーと;
ホルダーの発光管取付け面に沿って平面状に配置された管体によって構成された屈曲状発光管と;
透孔が形成され、ホルダーと発光管との間に介在された反射板と;
この反射板の透孔を介して発光管の管体及びホルダーの発光管取付け面の両者に被着された接着剤と;
を具備することを特徴とする発光管ユニット。
【請求項2】
反射板に形成された透孔は、発光管の管体に対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の発光管ユニット。
【請求項3】
反射板に形成された透孔は、発光管の隣り合う管体同士の間隙に対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の発光管ユニット。
【請求項4】
反射板の透孔と連通する貫通孔がホルダーの発光管取付け面に形成されており、この透孔と貫通孔を介して接着剤が注入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の発光管ユニット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一記載の発光管ユニットと;
発光管に電力を供給する点灯装置と;
を具備することを特徴とする蛍光ランプ装置。
【請求項6】
電源から電力が給電される給電部と;
給電部と接続される請求項5に記載の蛍光ランプ装置と;
を具備することを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−273262(P2007−273262A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97616(P2006−97616)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】