説明

発光素子、発光素子の製造方法および発光装置

【課題】高い歩留まりで、特性のばらつきが小さい混色光を放射する発光素子を提供する。
【解決手段】Y3Al512単結晶相21とAl23単結晶相22からなるMGC2上にGaN系の発光層3を形成し、Y3Al512単結晶相21にCe3+イオンをドーピングする。これにより、発光層3で放射した青色光は、Al23単結晶相22を透過するとともに、Y3Al512単結晶相21を通過し、Ce3+イオンを励起して黄色光を放射する。青色光と黄色光が混色することにより白色光を得ることができる。また、この発光素子の特性はMGC2の厚みを調節することで制御できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2色の光を混色して白色光を放射する発光素子の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオードが照明として用いられている。照明には白色光が最適であることから、白色発光ダイオードの研究開発が盛んに行われている。照明に用いられる発光ダイオードとして特許文献1や特許文献2に記載のものが知られている。
【0003】
従来の白色発光ダイオードは、図7(a)に示すように、青色光を放射する発光素子71を蛍光体を含有させた樹脂72で囲んだ構造をしている。発光素子71から放射された青色光によって蛍光体が励起されて黄色光を発光する。その結果、青色光と黄色光が混色して白色光を発光する白色発光ダイオードが得られる。なお、発光素子71の発光色と樹脂72に含有された蛍光体の発光色を変えれば、各種の発光色の発光ダイオードを作製することができる。また、図7(b)に示すように、発光素子71を蛍光体を含有させた樹脂72で囲い、さらに、透明な樹脂モールド73で覆っているものも知られている。
【0004】
一方、高温構造材料の分野で、曲げ強さや、熱安定性、耐クリープ性に優れた材料として、MGC(Melt Growth Composite:融液成長複合材料)が知られている(特許文献3、非特許文献1、非特許文献2参照)。MGCは、例えば、Al23の単結晶とY3Al512の単結晶が単結晶を維持したまま、連続的かつ3次元的に相互に絡み合って形成された境界部分にアモルファス層のないセラミックス複合材料である。
【0005】
MGCのY3Al512の単結晶内にCe3+イオンをドーピングすれば光変換素子として利用できる。例えば、図8に示すように、板状に加工したMGC80に青色発光ダイオード83の青色光を照射すると、MGC80のAl23単結晶82内では青色光84はそのまま透過するが、MGC80のY3Al512単結晶81内を通過した光はCe3+イオンを励起して黄色光85を放射する。また、それぞれの結晶の屈折率は、Al23が1.76、Y3Al512が1.82であってわずかに異なっており、各結晶は連続的かつ3次元的につながっているためMGC80内で青色光84と黄色光85が混色しながら散乱、拡散されるので、より均一で効率のよい白色光86が得られる。なお、光変換素子としてMGCを用いた発光ダイオードとして特許文献4に記載のものが知られている。
【特許文献1】特許第3724490号公報
【特許文献2】特許第3724498号公報
【特許文献3】特許第3216683号公報
【特許文献4】特開2006−49410号公報
【非特許文献1】Nature、Vol. 389、No. 6646、p.49-52
【非特許文献2】Journal of the Europian Ceramic Society、25(2005)、p.1441-1445
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図7のように蛍光体を含有させた樹脂72を発光素子71の周囲に被覆した従来の構造では、蛍光体の濃度が高くなる、あるいは、樹脂72の厚みが厚くなることにより、蛍光体による吸収が増えて青色透過光が減少するために混色された色は黄色が強くなってしまう。このため、発光ダイオードの発光強度と色度、空間分布が発光体の濃度や樹脂ポッティングの状態に敏感に影響を受けて変化するので、製品特性の広いばらつきや低い歩留まりの原因となる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高い歩留まりで、発光強度と色度、空間分布などの特性のばらつきが少なく、混色光を放射する発光素子を低コストで提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明に係る発光素子は、1種類以上の単一金属酸化物の単結晶と1種類以上の複合金属酸化物の単結晶が連続的かつ立体的に相互に絡み合って形成され、各金属酸化物の少なくとも1種類以上に発光体がドーピングされているセラミック複合体と、セラミック複合体上に形成された発光層と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、1種類以上の単一金属酸化物と1種類以上の複合金属酸化物が連続的かつ立体的に相互に絡み合って形成されたセラミック複合体上に発光層を備え、金属酸化物に発光体をドーピングすることによって、発光層において放射した光が発光体をドーピングした金属酸化物を通過する際に発光体を励起して別の波長の光を放射するので、発光層において放射した光と発光体を励起して放射した光が混色された混色光を得ることができる。また、樹脂に発光体を含有させた場合に比べて、金属酸化物にドーピングした発光体の濃度は全領域でより均一であるので、セラミック複合体の厚みを調節するだけで、発光強度、色度、空間分布を制御することができる。
【0010】
ここで、単一金属酸化物はAl23であり、複合金属酸化物はY3Al512であることが、発光素子の基板としてセラミック複合体を使用するうえで望ましい。
【0011】
また、Al23の単結晶が<1−100>方向に並び、発光層を形成する前記セラミック複合体表面のAl23の結晶面が{0001}であることが、発光層を良好に成長させるうえで望ましい。
【0012】
上記発光素子において、発光層はGaN系の発光層であって、発光体はCe3+であることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、GaN系の発光層において放射された青色光が、金属酸化物にドーピングされたCe3+を励起して黄色光を放射することにより、青色光と黄色光が混色されて白色光を得ることができる。
【0014】
また、金属酸化物の単結晶が周期的に現れる距離の平均が1〜200μmであることが、発光層を平らに成長させるうえで望ましい。
【0015】
上記発光素子において、セラミック複合体の発光層を形成する面は、1種類以上の金属酸化物が凸形状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、発光層を形成するセラミック複合体の表面をエッチングして金属酸化物を凸形状にすることにより、凸形状の金属酸化物から発光層がラテラル成長するので、平らな発光層を形成することができる。
【0017】
また、凸形状に形成される金属酸化物は、Al23であることが、結晶性の良い発光層をラテラル成長させるうえで望ましい。
【0018】
さらに、凸形状の高さが1μmより高く10μm以内であることが、発光層を平らに形成するうえで望ましい。
【0019】
第2の本発明に係る発光素子の製造方法は、1種類以上の単一金属酸化物と1種類以上の複合金属酸化物が連続的かつ立体的に相互に絡み合って形成され、各金属酸化物の少なくとも1種類以上に発光体がドーピングされているセラミック複合体から切り出されたウェハー上に発光層をエピタキシャル成長させる工程と、発光層を形成した当該ウェハーから発光素子を切り出す工程と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、セラミック複合体のウェハ−上に直接発光層を成長させることにより、従来の発光素子の製造方法と同様なプロセスで混色光を放射する発光素子を製造することができる。
【0021】
上記発光素子の製造方法において、セラミック複合体から切り出されたウェハーの一方の表面をエッチングすることにより1種類以上の金属酸化物を凸形状に形成する工程をさらに有し、発光層を成長させる工程は、当該凸形状が形成された表面に発光層を成長させることを特徴とする。
【0022】
第3の本発明に係る発光装置は、第1の本発明に係る発光素子を透明樹脂あるいはガラスで封じたことを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、発光素子を透明樹脂あるいはガラスで封じることにより、透明樹脂・ガラス内で十分混色されるので、より均一な混色光を得ることができる。
【0024】
上記発光装置において、第1の本発明に係る発光素子を発光層を下向きにしてフリップチップ実装したことを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、発光素子をフリップチップ実装することにより、発光層で放射した光が上部のセラミック複合体を通過して放射されるので、より均一な混色光を得ることができる。
【0026】
また、透明樹脂およびガラスの屈折率は1.4〜1.8であることが、光を十分混色して高い光取り出し効率を得るうえで望ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、高い歩留まりで、発光強度と色度、空間分布などの特性のばらつきが少なく、混色光を放射する発光素子を低コストで提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態における発光素子の構造を示す断面図である。同図に示すように、発光素子1は、Y3Al512単結晶相21とAl23単結晶相22からなるMGC2とMGC2上に形成されたGaN系の発光層3により構成される。発光層3は、電流を流すことにより波長が400〜500nmの青色光を放射する。また、Y3Al512単結晶相21には発光体としてCe3+イオンがドーピングされている。
【0029】
発光層3から放射した青色の可視光はMGC2に入射する。Al23単結晶相22の透過率が高いためMGC2内の平均的透過率は30%以上もあり、入射した青色の可視光の30%以上はそのまま透過する。Y3Al512単結晶相21を通過する光はCe3+イオンを励起して黄色の可視光を放射する。この青色と黄色の可視光が混色することにより白色光を得ることができる。
【0030】
図2に示すように、MGC2は、Al23単結晶相22とY3Al512単結晶相21が均質に連続かつ3次元的に相互に絡み合った形状をしている。これら各相の大きさは凝固方法によって制御できるが、MGC2上に発光層3をエピタキシャル成長するうえで、Al23単結晶相22とY3Al512単結晶相21が周期的に現れる距離の平均(平均周期距離)は、1〜200μm、特に1〜50μmが望ましい。
【0031】
また、発光層3を形成するMGC2の表面のAl23単結晶相22の結晶面はミラー指数{0001}であり、Al23単結晶相22が並んでいる方向は<1−100>方向となっている。これにより、MGC2上に発光層3を成長させて形成する際に、Al23単結晶相22上に成長した発光層3の<11−20>方向へのラテラル成長の速度が速くなり、Y3Al512単結晶相21上を短時間で覆うので、良好に発光層3を形成することができる。
【0032】
なお、Al23単結晶相22とY3Al512単結晶相21との平均周期距離4が長くなると、Y3Al512単結晶相21上への発光層3の成長がAl23単結晶相22上への成長よりも遅いことから、図3に示すように、MGC2上に形成された発光層3の表面に凹凸ができ、鏡面が得られない。十分時間をかければ平均周期距離4が100μm以上であっても発光層3の表面は平らになるが、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)によって10時間以内の比較的短時間で発光層3を形成するためには、平均周期距離4は50μm以下であるのが現実的である。
【0033】
図4は、Y3Al512単結晶相21をエッチングしたMGC2の構造を示す断面図である。同図に示すMGC2は、りん硫酸系エッチング液を用いて、選択的にY3Al512単結晶相21をエッチングし、Al23単結晶相22を凸形状に残したものである。エッチング処理を施した面にGaN系の発光層3をエピタキシャル成長することによってAl23単結晶相22から発光層3がラテラル成長するので、図5に示すように平らな表面を有する発光層3を得ることができる。
【0034】
なお、Y3Al512単結晶相21のエッチングの深さ(凸形状の高さ)は1μmより深く10μm以内とする。MGC2の平均周期距離4にもよるが、エッチングの深さが1μm以内であると凹部底面のY3Al512単結晶相21に成長したGaN結晶層5がAl23単結晶相22からラテラル成長した発光層3に結合する恐れがある。平均周期距離4が50μmの場合、エッチング深さが10μmあれば、Y3Al512単結晶相21に成長したGaN結晶層5が発光層3に結合することはない。また、発光層3の転位密度は通常より1桁程度減少する。
【0035】
したがって、本実施の形態によれば、Ce3+イオンをドーピングしたY3Al512単結晶相21とAl23単結晶相22からなるMGC2の上にGaN系の発光層3を形成することにより、発光層3において発光した青色光は、Al23単結晶相22を透過するとともに、Y3Al512単結晶相21においてCe3+を励起して黄色光を放射し、青色光と黄色光が混色することにより白色光を得ることができる。また、Ce3+イオンの濃度は全領域でほぼ均一であることから、MGC2の厚みを調節することで発光強度と色度、空間分布を制御することができる。
【0036】
本実施の形態によれば、Al23単結晶相22とY3Al512単結晶相21との平均周期距離4を調整することにより、平らに形成された発光層3を有する発光素子を得ることができる。
【0037】
本実施の形態によれば、Y3Al512単結晶相21をエッチングし、Al23単結晶相22を凸形状に残した面に発光層3をエピタキシャル成長することにより、平らに形成された発光層3を有する発光素子を得ることができる。
【0038】
なお、MGCに2種類以上の単一金属酸化物や、2種類以上の複合金属酸化物が含まれていてもよい。MGCを構成する単一金属酸化物および複合金属酸化物の他の例は、特許文献4に記載されている。
【0039】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、Al23単結晶とY3Al512単結晶からなるMGC上に青色発光層が形成された発光素子を製造するための製造方法について説明する。
【0040】
凝固方向が<1−100>方向でAl23単結晶相とY3Al512単結晶相からなり、平均周期距離が10μmのMGCからAl23単結晶相が<1−100>方向に並び、面方位が{0001}である基板を切り出し、鏡面研磨を行って、直径2インチ(約5cm)、厚さ0.35mmのMGCウェハーを作製する。
【0041】
続いて、このMGCウェハーをMOCVD装置のサセプターに設置し、キャリアガスに水素を、原料ガスにTMG(トリメチルガリウム)とアンモニアを用い、2段階成長の低温バッファ層を500℃で20nm成長させる。
【0042】
その後、TMGを止め、1080℃まで上昇させてから再度TMGを流してノンドープGaN層を20μm成長させ、最後に所定の構造の発光ピーク波長470nmの青色発光層をMGCウェハー上に形成する。青色発光層を形成したMGCウェハーは通常のプロセスにてチップに加工する。
【0043】
このように、青色発光層の基板としてMGCウェハーを利用することにより、通常の青色発光素子を作製するのと同様のプロセスで白色発光素子を作製することができる。
【0044】
なお、格子定数や結晶系が異なる異種結晶間のエピタキシャル成長では、歪エネルギーと表面エネルギーが安定化するように結晶が成長するので、MGC上で発光層3をエピタキシャル成長させる場合には、結晶型が同じで格子定数差の小さいAl23単結晶上がより安定であるために、Y3Al512単結晶上よりも優先的に成長する。したがって、MOCVDを行う場合には、結晶成長時の圧力とV/III比を下げて、表面マイグレーションを増進させ、主にAl23単結晶上に青色発光層を成長させると、青色発光層がラテラル成長し、平らな青色発光層を得ることができる。
【0045】
また、青色発光層をエピタキシャル成長させる前に、MGCウェハーをりん硫酸系エッチング液にてY3Al512単結晶相を5μmエッチングする工程を行ってもよい。これにより、Al23単結晶相から青色発光層がラテラル成長し、鏡面を有する平らな青色発光層を得ることができる。
【0046】
したがって、本実施の形態によれば、MGCウェハー上に直接青色発光層をエピタキシャル成長させることで、通常の青色発光素子を作製するのと同様のプロセスで白色発光素子を作製することができる。
【0047】
本実施の形態によれば、青色発光層を形成する前に、MGCウェハーのY3Al512単結晶相をエッチングすることにより、Al23単結晶相から青色発光層がラテラル成長するので、鏡面を有する平らな青色発光層を得ることができる。
【0048】
なお、本発明の実施の形態では、MGCを一方向凝固法により作製する。凝固方向に従ってAl23単結晶相とY3Al512単結晶相の結晶方位を制御することができる。結晶方位は凝固方向に沿ってAl23単結晶相は<1120>、Y3Al512単結晶相は<110>、または、Al23単結晶相は<0110>、Y3Al512単結晶相は<110>である。また、それらの方向に垂直にAl23単結晶相には<0001>、Y3Al512単結晶相には<112>の結晶方位が存在する。
【0049】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、MGC上に発光層を形成した発光素子をパッケージに実装した発光装置について説明する。図6(a)、(b)は、MGC上に発光層を形成した発光素子を実装した発光装置の断面の一部を示す断面図である。図6(a)に示す発光装置は、発光素子を配置するための凹部を有し、凹部の底面に設置されたダイアタッチ材9上に発光層3を上にして発光素子を配置し、発光層3に設けられた電極とリードフレーム(図示せず)とをワイヤ8で接続し、屈折率1.4〜1.8の透明樹脂7で発光素子を封じたものである。透明樹脂7で発光素子を封じることにより、発光素子上部にある発光層3から放射される青色光と発光素子下部のMGC2を通過して放射される黄色光が透明樹脂7内で十分に混色され白色光となり放射される。
【0050】
図6(b)に示す発光装置は、発光素子を配置するための凹部を有し、凹部の底面に設けられた金バンプ10に発光層3を下にして発光素子をフリップチップ実装したものである。これにより、発光層3から放射される光はMGC2を通過し、上部方向から白色光が出射される。同図に示す発光装置は、図6(a)に示すように上面に電極を備えたものに比べて、6500K程度の均一な色温度の配向特性が得られる。さらに、透明樹脂7で発光素子を封じることにより十分混色されたより均一な白色光が得られる。なお、どちらの実施の形態においても、透明樹脂7に換えてガラスで発光素子を封じてもよい。
【0051】
したがって、本実施の形態によれば、MGC2上に発光層3を形成した発光素子を発光装置の上部に設けられた凹部の底面に配置し、凹部を透明樹脂7で封じることにより、発光素子上部にある発光層3から放射される青色光と発光素子下部のMGC2を通過して放射される黄色光が透明樹脂7内で十分に混色されるので、より均一な白色光を得ることができる。
【0052】
本実施の形態によれば、MGC2上に発光層3を形成した発光素子を発光装置の上部に設けられた凹部の底面に発光層3を下にしてフリップチップ実装することにより、発光層3から放射される光はMGC2を通過し、MGC2内で青色光と黄色光が混色され上部方向から白色光を得ることができる。また、凹部を透明樹脂7で封じることにより、透明樹脂7内で十分に混色されるので、より均一な白色光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施の形態における発光素子の構成を示す断面図である。
【図2】図1の発光素子に用いられるMGCの構成を示す斜視図である。
【図3】MGCの平均周期距離が大きい場合の発光層の成長の様子を示す断面図である。
【図4】MGCのY3Al512単結晶相をエッチングした様子を示す断面図である。
【図5】図4のMGC上に発光層を形成した様子を示す断面図である。
【図6】第1の実施の形態における発光素子を実装した発光装置の構成を示す断面図であり、(a)は発光層を上にして実装し、(b)は発光層を下にしてフリップチップ実装した様子を示す。
【図7】従来の白色発光ダイオードの構成を示す断面図である。
【図8】MGCを光変換素子として利用して従来の青色発光ダイオードの放射光を白色に変換する様子を示す模式図である。
【符号の説明】
【0054】
1…発光素子
2…MGC
21…Y3Al512単結晶相
22…Al23単結晶相
3…発光層
4…平均周期距離
5…GaN結晶層
7…透明樹脂
8…ワイヤ
9…ダイアタッチ材
10…金バンプ
71…発光素子
72…樹脂
73…樹脂モールド
80…MGC
81…Y3Al512単結晶相
82…Al23単結晶相
83…青色発光ダイオード
84…青色光
85…黄色光
86…白色光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種類以上の単一金属酸化物の単結晶と1種類以上の複合金属酸化物の単結晶が連続的かつ立体的に相互に絡み合って形成され、前記各金属酸化物の少なくとも1種類以上に発光体がドーピングされているセラミック複合体と、
前記セラミック複合体上に形成された発光層と、
を有することを特徴とする発光素子。
【請求項2】
前記単一金属酸化物はAl23であり、前記複合金属酸化物はY3Al512であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
Al23の単結晶が<1−100>方向に並び、前記発光層を形成する前記セラミック複合体表面のAl23の結晶面が{0001}であることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記発光層はGaN系の発光層であって、前記発光体はCe3+であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記金属酸化物の単結晶が周期的に現れる距離の平均が1〜200μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発光素子。
【請求項6】
前記セラミック複合体の前記発光層を形成する面は、1種類以上の前記金属酸化物が凸形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の発光素子。
【請求項7】
前記凸形状に形成される前記金属酸化物は、Al23であることを特徴とする請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
前記凸形状の高さが1μmより高く10μm以内であることを特徴とする請求項6又は7に記載の発光素子。
【請求項9】
1種類以上の単一金属酸化物と1種類以上の複合金属酸化物が連続的かつ立体的に相互に絡み合って形成され、前記各金属酸化物の少なくとも1種類以上に発光体がドーピングされているセラミック複合体から切り出されたウェハー上に発光層をエピタキシャル成長させる工程と、
前記発光層を形成した当該ウェハーから発光素子を切り出す工程と、
を有することを特徴とする発光素子の製造方法。
【請求項10】
前記セラミック複合体から切り出されたウェハーの一方の表面をエッチングすることにより1種類以上の前記金属酸化物を凸形状に形成する工程をさらに有し、
前記発光層を成長させる工程は、当該凸形状が形成された表面に発光層を成長させることを特徴とする請求項9に記載の発光素子の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれかに記載の発光素子を透明樹脂あるいはガラスで封じたことを特徴とする発光装置。
【請求項12】
請求項1乃至8のいずれかに記載の発光素子を前記発光層を下向きにしてフリップチップ実装したことを特徴とする発光装置。
【請求項13】
前記発光素子を透明樹脂あるいはガラスで封じたことを特徴とする請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記透明樹脂および前記ガラスの屈折率は1.4〜1.8であることを特徴とする請求項11又は13に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−329172(P2007−329172A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157360(P2006−157360)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】