説明

発光素子およびその製造方法

【課題】発光強度の高い半導体発光素子を提供する。
【解決手段】 発光層を挟んで第1導電型層、第2導電型層が設けられた積層構造を有し、前記第2導電層が、前記第1導電型層の露出部を形成する溝構造により、大小2部分に分断されており、当該分断された大きい方の第2導電型層上に第2導電型の電極パッドを有し、当該分断された小さい方の第2導電型層上に第1導電型の電極パッドを有し、当該第1導電型の電極パッドは、当該第1導電型の電極パッドを起点とし、前記露出した第1導電型へ互いに独立してコンタクトする2本以上の導電配線により、前記第1導電型層の露出部に設けられた互いに独立した2箇所以上と、それぞれ電気的にコンタクトしている発光素子を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LED等として用いられる発光素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LEDを始めとする半導体発光素子の進歩は著しい。具体的には、発光強度の上昇を初めとする試みが進められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、発光強度の上昇に伴うリーク電流の減少を目的として、活性層へのダメージを減らして活性層の成膜時のクラックを防止し、ウエハ全体の反りを極力少なくすることで、より均一な特性の窒化ガリウム系半導体発光素子を得る為、ボンディング電極下方のPN接合と、発光部のPN接合とを分離することが提案されている。
特許文献2には、発光面全体に渡って均一な電流を流す為、基板上にn型層、活性層及びp型層が積層されてなる積層体を備え、その積層体はn側の電極をライン状に形成するためにn型層表面が露出された互いに平行なn電極形成領域を設けられ、そのn電極形成領域にそれぞれnライン電極が形成され、p型層のほぼ全面に透光性電極を形成され、nライン電極は互いに分離して等間隔に配置され、かつ、各nライン電極の一端にはそれぞれnパッド電極が形成され、透光性電極上にはnライン電極と交互に配置されかつ隣接するnライン電極から等距離になるようにライン状の電流拡散導体が形成され、その電流拡散導体の一端にそれぞれpパッド電極が形成された、櫛形形状の電極が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−308380号公報
【特許文献2】特開2005−328080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら本発明者らは、当該発光強度上昇の試みに伴い素子に流れる電流量が増大することが、これが半導体素子の発光特性や寿命へ悪影響を与えることに想到した。
そこで当該悪影響を回避する為、本発明者等は、発光層を形成する半導体に均一な電流を流すことが好ましいことに想到した。そして当該観点から、特許文献1、2を検討した。
【0006】
当該観点から特許文献1を検討すると、当該文献は、あくまでもボンディング時のボンディング電極下の発光部ダメージ回避が目的であり、電流を分散させる方法については、n電極を中央としてp電極の補助電極を周回させるのみであった。
【0007】
また、特許文献2では、電流拡散導体の一端にそれぞれパッド電極が形成する櫛形形状の電極を提案している。しかし当該構成を採ると、発光層を形成する半導体に均一な電流を流す為には多数のパッド電極が必要となり、実用的でないと考えられた。
【0008】
本発明は、上述の状況の下でなされたものであり、その解決しようとする課題は、パッド電極の数を増やしたりすることなく、発光層を形成する半導体に分散して電流を流すことのできる発光素子およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここで本発明者らはさらに研究を進めた。そして、n型パッド電極および補助電極が全てn型層上に形成されている場合、電流が広がるように補助電極を延伸させても、nコンタクト部とn型層との間のコンタクト抵抗が低くなるにつれ、結局n型パッド電極に近い部分とp電極との距離の短いところに電流が集中して流れ易くなることを知見した。この結果、電流が所望のようには拡散しないこと、および、その電流が拡散しない原因が、n型層とのコンタクト部がn電極全体におよんでいる為であることに想到した。
【0010】
当該知見に基づき、本発明者らは、パット電極の数を増やすのではなく、2以上の第1導電型電極のコンタクト部を効果的に非連続に分散して配置し、それぞれの第1導電型電極のコンタクト部へ、導体配線を用いて独立に電流を供給すれば、発光層を形成する半導体に分散して電流を流すことが出来ることに想到し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、上述の課題を解決するための第1の発明は、
発光層を挟んで第1導電型層、第2導電型層が設けられた積層構造を有し、
前記第2導電型層と発光層を大小2部分に分断する溝構造を有し、
当該分断された大きい方の第2導電型層上に第2導電型層と電気的に接続する第2導電型の電極パッドを有し、
当該分断された小さい方の第2導電型層上に第1導電型の電極パッドを有し、
当該第1導電型の電極パッドを起点として前記第1導電型層へ延伸する導電配線により、前記第1導電型層と接続し互いに独立した2箇所以上の電気的コンタクトを有する発光素子である。
【0012】
第2の発明は、
発光層を挟んで第1導電型層、第2導電型層が設けられた積層構造を有し、
前記第2導電型層が、前記第1導電型層の露出部を形成する溝構造により、大小2部分に分断されており、
当該分断された大きい方の第2導電型層上に第2導電型層と電気的に接続する第2導電型の電極パッドを有し、
当該分断された小さい方の第2導電型層上に第1導電型の電極パッドを有し、
前記分断された小さい方の第2導電型層上および分断部側面に、前記第1導電型の電極パッドを起点とし、前記第1導電型層の露出部に設けられた互いに独立した2箇所以上の電気的コンタクトへ向けて延伸する導電配線を有する発光素子である。
【0013】
第3の発明は、
発光層を挟んで第1導電型層、第2導電型層が設けられた積層構造を有し、
前記第2導電型層が、前記第1導電型層の露出部を形成する溝構造により、大小2部分に分断されており、
当該分断された大きい方の第2導電型層上に第2導電型層と電気的に接続する第2導電型の電極パッドを有し、
当該分断された小さい方の第2導電型層上に第1導電型の電極パッドを有し、
当該第1導電型の電極パッドを起点として前記露出した第1導電型層へ延伸する導電配線により、前記第1導電型層の露出部に設けられた互いに独立した2箇所以上の電気的コンタクトを有する発光素子である。
【0014】
第4の発明は、
前記第1導電型層の底面から前記第2導電型の電極パッド上面迄の高さと、前記第1導電型層の底面から前記第1導電型の電極パッド上面迄の高さとが等しい第1から第3の発明のいずれかに記載の発光素子である。
【0015】
第5の発明は、
前記第1導電型の電極パッドの個数Xと、前記第2導電型の電極パッドの個数Yとが、X<YかつX+Y≧3である第1から第4の発明のいずれかに記載の発光素子である。
【0016】
第6の発明は、
基板上に、当該基板側から順に、第1導電型層、発光層、第2導電型層を有する積層構造を形成する工程と、
前記第2導電型層側からエッチングにより第1導電型層を露出させて、前記第2導電型層を大小2部分に分断する溝構造を形成する工程と、
前記分断された大きい方の第2導電型層上に、第2導電型の電極パッドを形成する工程と、
前記分断された小さい方の第2導電型層上から、前記第1導電型層の露出部へ延伸する導電配線を形成する工程と、
前記分断された小さい方の第2導電型層上に、第1導電型の電極パッドを形成する工程を有し、
前記導電配線は、第1導電型層の露出部の一部に対し延伸しない部分を有し、
前記第1導電型の電極パッドを起点として、前記第1導電型層の露出部に対して互いに独立した2箇所以上の電気的コンタクトを形成する、発光素子の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、発光層を形成する半導体層中を、電流が分散して流れるので、電流集中による特性劣化や、寿命短縮が少なく、さらに実装不良も少ない発光素子を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る発光素子チップの加工例における工程毎の模式的な平面図である。(a)は加工前の平面図である。(b)はフォトリソグラフィーによるドライエッチングにてパターンを形成した後の平面図ある。(c)は第2電極を成膜した後の平面図ある。(d)は第1電極を成膜した後の平面図ある。(e)は電極パッドを成膜した後の平面図である。
【図2】図1(e)のI−I断面図である。
【図3】図1(e)のII−II断面図である。
【図4】図1(e)のIII−III断面図である。
【図5】実施例1に係る発光素子の発光状態を示す約48.5倍の外観写真である。
【図6】実施例1に係る発光素子における発光波長と電流との関係を示すグラフである。
【図7】比較例1に係る発光素子の発光状態を示す約48.5倍の外観写真である。
【図8】実施例1、比較例1、2に係る発光素子における発光波長と電流との関係を示すグラフである。
【図9】比較例1に係る発光素子チップの加工例における工程毎の模式的な平面図であり、(a)〜(e)の各図の説明は図1と同様である。
【図10】比較例2に係る発光素子チップの加工例における工程毎の模式的な平面図であり、(a)〜(e)の各図の説明は図1と同様である。
【図11】比較例3に係る発光素子チップの加工例における工程毎の模式的な平面図であり、(a)〜(e)の各図の説明は図1と同様である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る発光体素子およびその製造方法について説明する。尚、当該発光体素子およびその製造方法は代表的な例を示したものであって、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1の(a)〜(e)は、本発明に係る発光素子チップの加工例における工程毎の模式的な平面図である。
図1(a)は加工前の平面図であり、(b)はドライエッチングにてパターンを形成した後の平面図であり、(c)は第2電極を成膜した後の平面図であり、(d)は第1電極を成膜した後の平面図であり、(e)は電極パッドを成膜した後の平面図である。
図2は、図1(e)のI−I断面図であり、図3は、図1(e)のII−II断面図であり、図4(e)のIII−III断面図である。
【0020】
図1(a)は、本発明に係る発光素子チップ100の加工前の平面図であり、第2導電型層111が見えている。そして、当該第2導電型層111の下層には後述する発光層112(図示していない。)、さらにその下層には第1導電型層113が成膜されている。これらの層は、サファイア基板等の成長基板(図示していない。)上に成膜された半導体層である。
本実施の形態では、第1導電型層がn型のAlGaN、第2導電型層がp型のAlGaN、発光層がAlInGaNのIII−V族半導体であるが、nとpとは逆転していても良く、半導体としてもAlGaN以外の、GaN、InGaN等であっても良い。
【0021】
図1(b)は、本発明に係る発光素子チップ100に、フォトリソグラフィーによるマスクパターン形成後のドライエッチング(本発明において、「RIE」と記載する場合がある。)にて溝パターンを形成した後の平面図である。
発光素子チップ100の第2導電型層111へCVDによりSiOマスクを形成し、フォトリソグラフィーによりマスクパターンを形成する。その後、RIEにて、当該マスクが設けられていない箇所の第2導電型層111および発光層112および第1導電型層113の途中までをエッチング除去し、第1導電型層の露出部115を形成し、第1導電型層113を露出させた。
また、図示しないが、隣り合う発光素子チップ100の間を、後に分離させるに十分な幅をもって、同様にして第1導電型層113を露出させて分離溝を形成した。
以上、第1導電型層113の途中までをエッチング除去し、第1導電型層の露出部115を形成し、第1導電型層113を露出させる場合を例示した。尤も、当該第1導電型層113の途中までをエッチング除去に限られず、第1導電型層が露出した時点でエッチングを止めても良いし、第1導電型層を完全に除去しても良い。そして、第1導電型層を完全に除去した場合は、露出した第1導電型層の側面へのコンタクトをとるか、または、第1導電型層を導電性の基板等で支持する構成を採れば良い。
【0022】
当該溝パターンは、個々の発光素子チップ100間および発光素子チップ100のn電極とp電極とを分離し、n電極を第2導電型層111に形成させる為のもので、上述したように、電流が第1導電型層を均一に拡散して流れる効果をねらったものである。当該溝パターンにより第2導電型層111は、相対的に小さい第2導電型層111aと相対的に大きい第2導電型層111bとに分断される。
RIE終了後、SiOマスクをエッチング除去するが、第2導電型層111a上のSiOマスクは後述する絶縁膜として使用出来る為、残しても良い。
【0023】
図1(c)は、本発明に係る発光素子チップ100へ、第2電極121を成膜した後の平面図である。
第2電極121は、例えば(Ni/Au)層を第2導電型層111b上に成膜したものである。電極は既知の金属構成から選択できる。なお図面では、第2電極121が、第2導電型層111b上の全面に形成されており、全面電極であることが好ましい。全面電極とは、第2導電型層111bとのコンタクトを形成すると共にパッド電極からの電流を拡散し、さらに発光層の発光を透過または反射する機能を有するものである。
【0024】
図1(d)は、本発明に係る発光素子チップ100へ、第1電極131を成膜した後の平面図である。
第1電極131は、例えば(Ti/Al/Ti)層を、第2導電型層111aから第1導電型層の露出部115へかけて成膜するものである。電極は既知の金属構成から選択できる。当該第1導電型層の露出部115へかけての第1電極131の成膜の詳細は後述するが、第2導電型層111aであって凸部上の第1電極131の成膜である131aは、当該凸部から第1導電型層の露出部115へかけて成膜される。この結果、当該凸部の周辺に第1電極131の成膜である131aと第1導電型層113との接触部135が形成された。
また、第2導電型層111a上であって凸部でない部分における第1電極の成膜131bは、第1導電型層の露出部115と接触しない。つまり、第1電極の成膜131は第1導電型層の露出部の一部に対し延伸しない部分を有する。そして第2導電型層111aの凸部の両端から左右方向に向けて、第1電極131の成膜は第1導電型層の露出部115へかけて成膜され、第1導電型層の露出部115と接触する第1電極の成膜131cとなる。この結果、凸部の両端から左右方向に向けて第1電極131の成膜である131cと第1導電型層113との接触部136が形成された。
【0025】
図1(e)は、本発明に係る発光素子チップ100へ電極パッドを成膜した後の平面図の一例である。
電極パッドは、第2導電型層111aの凸部上へ第1導電体側電極パッド141として例えば(Ti/Au)層を成膜したものであり、第2電極121上の2箇所以上へ第2導電体側電極パッド142として例えば(Ti/Au)層を成膜したものである。パッド電極も既知の金属構成から選択できる。
【0026】
ここで、例えば、第2導電体側電極パッド142が2つに対し、第1導電体側電極パッド141が1つのように、第1導電型の電極パッドの個数Xと、第2導電型の電極パッドの個数Yとが、X<YかつX+Y≧3とすることが好ましい。また、これら電極パッドは非直線的に配置することが好ましい。当該構成を採ることで、発光体素子チップ100をフィリップ接合した場合においても、当該発光体素子チップが傾くことなく実装することができるからである。1個の発光体素子チップ100において傾きを防止する為には、最低限で3箇所の電極パッド数があれば良い。
第1導電体側電極パッド141および第2導電体側電極パッド142の成膜後に、発光素子チップ100上に例えばSiOや樹脂などの絶縁性の保護膜を形成した後、第1および第2導電体側電極パッド141、142上の保護膜を除去する。
【0027】
ここで、図1(e)について、図2のI−I断面図、図3のII−II断面図、図1(e)あり、図4(e)のIII−III断面図を参照しながらさらに説明する。
図2〜4において、サファイア基板等の成長基板(図示していない)上に成膜された半導体層は、下方から第1導電型層113、発光層112および第2導電型層111が成膜されている。
【0028】
当該半導体層には溝パターンが掘られ、第1導電型層の露出部115が形成され、第1導電型層113が露出している。さらに当該溝パターンは、第2導電型層111を第2導電型層111aと第2導電型層111bとに分断する。第2導電型層111b上には第2電極121が成膜されている。一方、第2導電型層111a上には第1電極131が成膜されているが、当該第1電極131は、第2導電型層111a上のみでなく溝パターンの壁に沿っても成膜され、露出している第1導電型層113と接触して接触部135、136を形成し、電気的コンタクトを確保している。
この際、当該第1電極131と第2導電型層111aの上面および第2導電型層111aの側面および発光層112の側面にも電気的接触が形成され得る。しかし、電流は第1導電体側電極パッド141から第1電極131を経由して第1導電型層のみへ流れるので、第2導電型層111aや発光層112への電気的接触は無視出来る。そこで本発明において、これらの電気的接触を電気的コンタクトであるとは考えないこととした。
【0029】
この結果、第1導電体側電極パッド141は、当該第1導電型の電極パッドを起点とし、前記露出した第1導電型層115へ互いに独立してコンタクトする3本の導電配線である第2導電型層の凸部上の第1電極の成膜131a、第2導電型層であって凸部でない部分における第1電極の成膜131b、第1導電体の露出部接触する第1電極の成膜131cにより、前記第1導電型層の露出部115に設けられ互いに独立した、第1電極の成膜と第1導電型層との接触部135、左右2箇所の第2導電型層の凸部の両端から左右方向に向けた第1電極の成膜と第1導電型層との接触部136の3箇所と、それぞれ電気的にコンタクトする。
ここで、所望により、第1電極の構造を変えることで露出した第1導電型層へ互いに独立してコンタクトする導電配線を4本またはそれ以上とし、併せて、第1電極の成膜と第1導電型層との接触部、第2導電型層の凸部から各方向に向けた第1電極の成膜と第1導電型層との、互いに独立した接触部を4箇所以上設けることも好ましい構成である。
尚、島状の第2導電型層111aを用いて、1つの第1導電体側電極パッド141に対して、2箇所以上の互いに独立した第1導電型層113との接触部を形成し、複数の電気的コンタクトを形成することが出来るものであれば、例示した形状に限られるものではない。
ここで、第1電極131は、第2導電型層111aや発光層112とは電気的に絶縁されていることが好ましい。当該絶縁により、半導体表面に電流が漏れ流れてしまうのを防ぐことが出来るためである。
【0030】
そして、第1電極131上には第1導電体側電極パッド141が成膜されている。さらに、図4に示すように第2電極121上には第2導電体側電極パッド142が成膜されている。パッド電極は第1導電体側と第2導電体側とを同時に形成することも、別の工程で厚さを変えて形成することも可能であり、第1電極131と、第2電極121との膜厚の差に合わせて、容易且つ正確に、第1導電型層113から第1および第2導電体側電極パッド141、142の上面までの寸法を等しく(本発明においては、寸法差200nm以下)にすることが出来る。従来のように露出した第1導電型層上に直接第1導電体側電極パッド141を形成する場合には、第1導電型層113から第2導電体側電極パッド142の上面までの寸法差は例えば1.3um以上となることから、第1導電体側電極パッド141の厚さを非常に厚くする以外にパッド電極の高さを合わせることは困難である。当該高さを合わせた厚さを有する第1導電体側電極パッドを形成する場合、蒸着法では生産コスト高となる為メッキ法の適用が考えられるものの、メッキ法では数nmでの厚さ制御は困難である。
従って、当該構成により、相対的に小さい第2導電型層111aをエッチング除去しないことで、発光体素子チップ100のワイヤボンディング工程やフリップチップ実装工程において、ボンディング位置(高さ)をpn毎に変える必要が無く、ボンディングが容易になるとともに、接続不良やチップが傾くなどの不良を抑えることを、低コスト且つ精度よく達成することができた。
【0031】
本発明に係る発光素子チップ100に電流を流したところ、発光効率の高い発光素子であることが判明した。これは、第1導電型層113に均一に拡散した電流が流れ、発光層112において均一且つ高効率な発光が行われた為と考えられる。
当該電流の流れについて、上述したように、第1導電型層113がn型のAlGaN、第2導電型層がp型のAlGaN、発光層がAlInGaNのIII−V族半導体である場合を例として説明する。
第1導電体側電極パッド141に流れ込む電子は、金属伝導性を有する第1電極131を容易に通過して、接触部135、136から第1導電型層113へ流れ込む。本実施の形態において、接触部135、136は第1導電型層113上に分散し且つ広範囲に設けられているので、電子は広範囲な第1導電型層113中へ、均一に流れ込む。第1導電型層113中へ流れ込んだ電子は、広い範囲で均一に発光層112を通過し、発光層112において均一且つ高効率な発光が行われる。その後、第2導電型層111から金属伝導性を有する第2電極121へ流れ込み、さらに第2導電体側電極パッド142から流れ出て行く。ここで、第2導電体側電極パッド142が複数箇所分散して設けられていることも、第1導電型層113中へ流れ込んだ電子が、広い範囲で均一に発光層112を通過することを担保している。つまり、(0026)段落の説明と同様に、X<YかつX+Y≧3とすることが好ましく、非直線的に配置することが好ましい。
【0032】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、1つのパッド電極に対して複数に分散された接触部を配置することが出来る。その結果、第1導電型層、発光層および第2導電型層へ均一に電流を拡散させることが出来、電流集中による特性劣化や、寿命短縮の少ない発光素子を得ることができた。
さらに、本発明では第1および第2導電体側電極パッドの高さを容易に等しく出来る。この結果、ワイヤボンディングやフリップチップ実装の際、ボンディング位置を、第1および第2導電体側電極パッド毎に変える必要が無く、ボンディングが容易になるとともに、接続不良やチップが傾くなどの不良を抑えることができる。
なお、相対的に小さい第2導電型層111aを残し、その上面および側面を利用して、互いに独立して分散した第1導電型層へのコンタクト部へ分岐する電極配線を形成する構成をとれば、チップサイズや第2電極パッド142の形状に合わせて、第1電極131の形状を櫛型や放射状等とすることもできる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
成長基板(図示していない。)としてサファイア基板にAlNバッファを有するAlNテンプレートを準備し、当該成長基板上に、厚さ745nmの超格子バッファ層(図示していない。)、第1導電型層113として厚さ1722nmのn−AlGaN層、発光層112として厚さ184nmのMQW活性層、第2導電型層111として厚さ282nmのp−AlGaN層、コンタクト層(図示していない。)として、厚さ22nmのp−GaNを有する発光波長465nmの発光構造サンプルを作製した。
【0034】
当該発光構造サンプルに対し、適宜な表面洗浄およびアニールの後、p−GaNコンタクト層上にフォトリソ法を用いてRIE用のSiOマスクを形成した。そして、当該SiOマスクから露出した部分を、RIEを用いてp−GaNコンタクト層からn−AlGaN層まで、n−AlGaN層の一部が露出するように、深さ約1.3μmのエッチングを行った。当該エッチングにより、実施例1に係る素子を個々に分割する第1導電型層の露出部115である分離溝が形成され、当該分割溝によって分割された個々の実施例1に係る発光素子チップ100において、さらに、当該分割溝により発光体となる相対的に大きい第2導電型層111bと、n電極パッド形成部となる相対的に小さい第2導電型層111aとを分割した。その後、SiOマスクを除去した。
【0035】
まず、相対的に大きい第2導電型層111bであるp−AlGaN層上においては、p−GaNコンタクト層上へ、スパッタ法により第2電極121である厚さ5nmのNi層、および、厚さ20nmのAu層を製膜してp電極を形成し、当該p電極以外の部分はエッチング除去した。
一方、相対的に小さい第2導電型層111aであるp−AlGaN層上においては、p−GaNコンタクト層から露出したn−AlGaN層上の一部(独立して分散した各々のコンタクト部)までを露出するようにフォトリソ法を用いてレジストマスクを形成する。ここで、コンタクト部が独立して分散するような電気配線形状となるように、第2導電型層111a上の一部にもレジストマスクを形成する。そしてスパッタ法により第1電極131として、厚さ18nmのTi層、厚さ300nmのAl層、厚さ5nmのTi層を製膜後、リフトオフして、第2導電型層の凸部より一回り大きく第1導電型層へ延伸する形状の第1電極の成膜131a、第2導電型層であって凸部でない部分において第2導電型層上のみに形成される第1電極の成膜131b、成膜131bの電気配線を経由して第1導電体の露出部に接触する第1電極の成膜131cを有するn電極を一体的に形成した。この際、n電極は、相対的に小さい方の第2導電型層111a上から露出したn−AlGaN層上の一部(分散した各々のコンタクト部)まで、分割部の側面を含めて延伸した電気配線となる。
【0036】
ここで、550℃のアニールにより、相対的に大きい第2導電型層111bにおいてはp電極とpコンタクト層との電気的コンタクトが形成され、相対的に小さい第2導電型層111a周辺の露出した第1導電型層113とn電極との接触部135および左右の接触部136において電気的コンタクト(オーミック接続)が形成された。
この結果、第1導電側電極パッド141は、当該第1導電型の電極パッドを起点とし、前記露出した第1導電型層へ延伸する導電配線である第2導電型層の凸部上の第1電極の成膜131a、第2導電型層であって凸部でない部分における第1電極の成膜131b、第1導電体の露出部接触する第1電極の成膜131cにより、前記第1導電型層の露出部115に設けられ互いに独立した、第1電極の成膜と第1導電型層との接触部135、左右2箇所の第2導電型層の凸部の両端から左右方向に向けた第1電極の成膜と第1導電型層との接触部136の3箇所とで、それぞれ電気的にコンタクトした。
【0037】
その後、p電極上へ、当該p電極の皮膜(図示していない。)として厚さ50nmのPt層、厚さ100nmのAu層、厚さ5nmのTi層を形成した。
次に、p電極上およびn電極上の一部が露出するようにレジストマスクを設け、n電極パッドおよびp電極パッドとして厚さ5nmのTi層、厚さ500nmのAu層、厚さ10nmのTi層を製膜後、リフトオフによりパッド電極を形成する。次に、保護膜としてSiO層を全面に形成し、p電極パッドおよびn電極パッド上の一部が露出するようにレジストでマスク後、パッド上のSiO層およびTi層をRIEにて除去し、第1導電体側電極パッド141および第2導電体側電極パッド142となるAuパッド電極を形成する。
その後、レジストマスクを除去し、洗浄後、基板の研削・研磨を経て発光素子チップ100の周囲に設けられた分離溝をスクライブすることにより、個々に分離された発光素子チップ100を得た。
【0038】
製造した実施例1に係る発光素子の発光状態を示す、約48.5倍の光学顕微鏡による外観写真を図5に示す。当該発光素子の発光面積は、1.04×10−7であった。そして、当該発光素子に20mAの電流を流したときの順方向電圧(Vf)は3.11V、積分球による光出力(Po)は3.22mWであった。
さらに、当該発光素子に1〜70mAの電流を流したときの発光波長を測定した。当該測定結果を図6に示す。図6は、横軸に測定電流の値をとり、縦軸に発光波長をとり、実施例1に係る発光素子試料5個の測定結果をプロットしたグラフである。
【0039】
(比較例1)
「発明の詳細な説明」で説明した、第1導電型層の露出部115、第2導電型層であって凸部でない部分における第1電極の成膜131bおよび第1導電体の露出部接触する第1電極の成膜131cを設けなかった以外は、実施例1と同様の工程を行って、比較例1に係る発光素子を製造した。
【0040】
図9(a)〜(e)は、比較例1に係る発光体素子およびその製造方法に係る平面図である。
【0041】
図9(b)に示すように、比較例1においても実施例1と同様に、第1導電型層の露出部115を形成し、第1導電型層113を露出させた。但し、実施例1に係る発光素子と異なり、第1電極131と第1導電型層113との接触部は、第1導電体側電極パッド141の周囲(即ち、連続する1箇所)のみとし、第1導電型層の露出部115、第2導電型層111とも左右に展開していない。
【0042】
図9(d)に示すように、比較例1では実施例1と異なり、第1導電型層の露出部115が左右に展開していないので、第2導電型層111aであって凸部上の第1電極131の成膜である131aは、当該凸部から第1導電型層の露出部115へかけて成膜される。この結果、当該凸部の周辺に第1電極131の成膜である131aと第1導電型層113との接触部135が形成された。
【0043】
図9(e)に示すように、上記工程により比較例1に係る発光素子として、発光波長465nmの青色LEDが製造された。
【0044】
製造した比較例1に係る発光素子の発光状態を示す、約48.5倍の外観写真を図7に示す。当該発光素子の発光面積は、1.42×10−7であった。
そして、当該発光素子に20mAの電流を流したときのVfは3.03V、Poは3.45mWであった。
さらに、比較例1の発光素子に1〜70mAの電流を流したときの発光波長を測定した。測定結果を図8に示す。図8は、横軸に測定電流の値をとり、縦軸に発光波長をとり、比較例1に係る発光素子試料3個の測定結果を平均して−□−にてプロットしたグラフである。尚、参考のため、図8には、実施例1に係る発光素子試料から選択した1個の測定結果も−◇−にてプロットした。
【0045】
(比較例2)
相対的に小さい第2導電型層の形状を、比較例1と同様の形状にした以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例2に係る発光素子を製造した。 図10(a)〜(e)は、比較例2に係る発光体素子およびその製造方法に係る平面図である。
【0046】
図10(b)に示すように、比較例2においては相対的に小さい第2導電型層111aの形状を、比較例1と同様に第1導電体側電極パッド141の周囲のみとし、左右の展開のない形状に形成した。
【0047】
図10(d)に示すように、比較例2においては実施例1と異なり、第2導電型層111aが左右に展開していないが、第1電極131の成膜である131aは、当該凸部から第1導電型層の露出部115へかけて成膜される。
この結果、比較例2に係る発光素子においては、実施例1に係る発光素子と異なり、第2導電型層111aの上面および側面を利用するものの、互いに独立して分散した第1導電型層のための電極配線を形成しておらず、第1電極131と第1導電型層113との接触部(電気的コンタクト)が互いに独立していない。この為、第1導電体側電極パッド141の周囲と、左右に延伸する配線部の全てが連続した構造を有している。
【0048】
図10(e)に示すように、上記工程により比較例2に係る発光素子として、発光波長465nmの青色LEDが製造された。
【0049】
比較例2に係る発光素子の発光面積は、1.04×10−7であった。そして、当該発光素子に20mAの電流を流したときの、Vfは3.01V、Poは3.52mWであった。
比較例2に係る発光素子試料測定結果も、図8に−△−にてプロットした。
【0050】
(比較例3)
相対的に小さい第2導電型層を形成せず、比較例2の相対的に小さい第2導電型層の箇所の第1導電型層を露出させた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例3に係る発光素子を製造した。
【0051】
図11(a)〜(e)は、比較例2に係る発光体素子およびその製造方法に係る平面図である。
【0052】
図11(b)に示すように、比較例3においては実施例1と異なり、相対的に小さい第2導電型層となる部分にSiOマスクを形成せず、RIEにより露出部形成時に他と共にエッチング除去し、相対的に小さい第2導電型層111aを形成しなかった。
【0053】
図11(d)に示すように、比較例3においては実施例1と異なり、第2導電型層111aが形成されていないが、第1電極131の成膜である131aは、当該凸部から第1導電型層の露出部115へかけて成膜される。
この結果、実施例1と同様の形状の第1電極131の形成が、第1導電型層113上に直接行なわれた構造を有している。そして、第1電極131と第1導電型層115との接触部(電気的コンタクト)が互いに独立しておらず、第1導電体側電極パッド141の周囲と、左右に延伸する配線部の全てが連続した構造である点は、比較例2と同様である。
【0054】
図11(e)に示すように、上記工程により比較例3に係る発光素子として、発光波長465nmの青色LEDが製造された。
【0055】
(まとめ)
実施例1に係る発光素子と比較例1に係る発光素子とでは、第1導電型層の形状が異なる。当該形状の違いにより第2電極の形状と発光面積が異なり、比較例1に係る発光素子の方が発光面積は広い。発光面積が広いため、比較例1に係る発光素子の方が、わずかにVfが低くPoも高い。しかしながら比較例1に係る発光素子は、図8に示すように当該発光素子に流す電流量の変化による発光波長のシフト量が多い。これは、比較例1に係る発光素子においては、電流が発光層の一部に集中して流れる為、当該集中部に発熱が起こり、当該発熱により発光波長が変化するのであると考えられる。
【0056】
また、実施例1に係る発光素子と比較例2に係る発光素子とを比較すると、両者とも発光面積は同じである。しかし、実施例1に係る発光素子では電気的コンタクトが互いに独立するのに対し、比較例2に係る発光素子では当該電気的コンタクトが連続するとの差異がある。当該電気的コンタクトの差異の為、20mA通電時において比較例2に係る発光素子は、実施例1に係る発光素子に比べ、わずかにVfが低くPoも高い。しかし、比較例2に係る発光素子は、図8に示すように上述した比較例1に係る発光素子と同様に、発光素子に流す電流量の変化による発光波長のシフト量が多い。なお、比較例3に係る発光素子は、比較例2に係る発光素子と同様の傾向を示した(図8には図示していない。)。
これは、比較例2に係る発光素子においても、上述した比較例1に係る発光素子と同様にパッド電極周辺からの電流の流れが優先され、電流が発光層の一部に集中して流れる結果、当該電流集中部に発熱が起こり、当該発熱により発光波長が変化したものであると考えられる。当該状況は、比較例3に係る発光素子においても同様であると考えられる。
さらに、当該発熱による発光効率の低下により、電流量が50mAを超えると、実施例1に係る発光素子および比較例2に係る発光素子のPoは同水準となる。
室温下における電流量40mAでの通電寿命試験で、実施例1に係る発光素子は1000時間において初期出力の92%の出力が維持されたが、比較例2に係る発光素子は1000時間において初期出力の88%の出力となった。
以上のことから、実施例1に係る発光素子は、比較例1、2および3に係る発光素子に比べ、電流集中による特性劣化がなく、寿命の長い優れた発光素子であることが判明した。
【0057】
一方、比較例3に係る発光素子においては、第1電極と第2電極との間の寸法差は1.3μmとなった。この結果、後工程であるフリップチップ実装工程において、第1導電体側電極パッドと第2導電体側電極パッド上に約100μmサイズの金バンプを接着後、熱圧着でチップを接着したところ、比較例3に係る発光素子には接続不良が5%発生した。
これに対し、実施例1および比較例1、2に係る発光素子においては、上述した比較例3と同じ実装方法を実施した場合においても、接続不良は発生しなかった。
以上のことから、実施例1に係る発光素子は、比較例3に係る発光素子に比べ、フリップチップ実装工程での接続不良が発生しないという、生産性に優れた発光素子であることが判明した。
以上のことから、本発明に係る発光素子は、電流集中による特性劣化や、寿命短縮が少なく、さらに実装不良も少ないという、信頼性に優れた発光素子であることが分かる。
【符号の説明】
【0058】
100 発光素子チップ
111 第2導電型層
111a 第2導電型層
111b 第2導電型層
112 発光層
113 第1導電型層
115 第1導電型層の露出部
121 第2電極
131 第1電極
131a 第2導電型層の凸部上の第1電極の成膜
131b 第2導電型層であって凸部でない部分における第1電極の成膜
131c 第1導電体の露出部接触する第1電極の成膜
135 第1電極の成膜と第1導電型層との接触部
136 第2導電型層の凸部の両端から左右方向に向けた第1電極の成膜と第1導電
体層との接触部
141 第1導電体側電極パッド
142 第2導電体側電極パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光層を挟んで第1導電型層、第2導電型層が設けられた積層構造を有し、
前記第2導電型層と発光層を大小2部分に分断する溝構造を有し、
当該分断された大きい方の第2導電型層上に第2導電型層と電気的に接続する第2導電型の電極パッドを有し、
当該分断された小さい方の第2導電型層上に第1導電型の電極パッドを有し、
当該第1導電型の電極パッドを起点として前記第1導電型層へ延伸する導電配線により、前記第1導電型層と接続し互いに独立した2箇所以上の電気的コンタクトを有する発光素子。
【請求項2】
発光層を挟んで第1導電型層、第2導電型層が設けられた積層構造を有し、
前記第2導電型層が、前記第1導電型層の露出部を形成する溝構造により、大小2部分に分断されており、
当該分断された大きい方の第2導電型層上に第2導電型層と電気的に接続する第2導電型の電極パッドを有し、
当該分断された小さい方の第2導電型層上に第1導電型の電極パッドを有し、
前記分断された小さい方の第2導電型層上および分断部側面に、前記第1導電型の電極パッドを起点とし、前記第1導電型層の露出部に設けられた互いに独立した2箇所以上の電気的コンタクトへ向けて延伸する導電配線を有する発光素子。
【請求項3】
発光層を挟んで第1導電型層、第2導電型層が設けられた積層構造を有し、
前記第2導電型層が、前記第1導電型層の露出部を形成する溝構造により、大小2部分に分断されており、
当該分断された大きい方の第2導電型層上に第2導電型層と電気的に接続する第2導電型の電極パッドを有し、
当該分断された小さい方の第2導電型層上に第1導電型の電極パッドを有し、
当該第1導電型の電極パッドを起点として前記露出した第1導電型層へ延伸する導電配線により、前記第1導電型層の露出部に設けられた互いに独立した2箇所以上の電気的コンタクトを有する発光素子。
【請求項4】
前記第1導電型層の底面から前記第2導電型の電極パッド上面迄の高さと、前記第1導電型層の底面から前記第1導電型の電極パッド上面迄の高さとが等しい請求項1から3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記第1導電型の電極パッドの個数Xと、前記第2導電型の電極パッドの個数Yとが、X<YかつX+Y≧3である請求項1から4のいずれかに記載の発光素子。
【請求項6】
基板上に、当該基板側から順に、第1導電型層、発光層、第2導電型層を有する積層構造を形成する工程と、
前記第2導電型層側からエッチングにより第1導電型層を露出させて、前記第2導電型層を大小2部分に分断する溝構造を形成する工程と、
前記分断された大きい方の第2導電型層上に、第2導電型の電極パッドを形成する工程と、
前記分断された小さい方の第2導電型層上から、前記第1導電型層の露出部へ延伸する導電配線を形成する工程と、
前記分断された小さい方の第2導電型層上に、第1導電型の電極パッドを形成する工程を有し、
前記導電配線は、第1導電型層の露出部の一部に対し延伸しない部分を有し、
前記第1導電型の電極パッドを起点として、前記第1導電型層の露出部に対して互いに独立した2箇所以上の電気的コンタクトを形成する、発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図5】
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【図7】
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