説明

発光素子点灯回路及び該回路を有する照明装置

【課題】バースト調光を行う発光素子点灯回路において、発光素子からの可聴音の発生を抑えた発光素子点灯回路を提供する。
【解決手段】本発明の発光素子点灯回路は、調光レベルを設定するコントローラから入力される調光信号に応じたデューティ比のPWM調光信号によって発光素子を調光する発光素子点灯回路であって、基本周波数と該基本周波数の整数倍の周波数とを用いてそれぞれ表される交流波信号の総和演算によって前記PWM調光信号を生成するPWM調光信号生成部(24)を備え、前記PWM調光信号生成部は、前記発光素子入力される交流波信号の周波数と前記発光素子から発せられる音圧レベルとの相関スペクトルにおいて可聴域で音圧レベルが最大となる時の周波数以上の周波数を前記基本周波数として用いる。該構成を採用することで、発光素子から発生する可聴音圧レベルを低くできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL等用の発光素子点灯回路と、該回路を有する照明装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機EL等用の発光素子点灯回路であって、調光信号により特定される発光レベルに応じたデューティ比のPWM調光信号を生成し、調光制御を行う点灯回路が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、前記PWM調光信号のオフ期間に発光素子の発光を停止させる、いわゆるバースト調光を行う点灯回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−54425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、発光素子が有機ELの場合、バースト調光を行う信号の周波数が約1kHzの時、発光素子から可聴音(騒音)が生じることが問題となっている。有機EL発光素子は、例えば、LEDに比べて発光面積が広いため、前記可聴音が大きくなる傾向にある。
【0006】
可聴域は、一般に20Hz〜20kHzである。そこで、発光素子を、可聴域を超える例えば20kHz以上の周波数の信号を用いて動作させることが考えられる。しかし、高い周波数の信号を生成する回路は、安定動作させるのが難しく、高価である。
【0007】
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、バースト調光を行う発光素子点灯回路において、発光素子からの可聴音の発生を抑えた発光素子点灯回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、入力される調光信号に応じたデューティ比のPWM調光信号によって発光素子を調光する発光素子点灯回路であって、基本波と、該基本波の基本周波数の整数倍の互いに異なる周波数の高調波と、を含む複数の交流波信号を、総和演算して前記PWM調光信号を生成するPWM調光信号生成部を備え、前記基本周波数は、前記発光素子に入力される交流波信号の周波数と前記発光素子から発せられる音圧レベルとの相関スペクトルにおける可聴域内で音圧レベルが最大となる時の周波数以上の周波数である。
【0009】
前記基本周波数と、1以上の高調波の周波数と、が可聴域にあることが好ましい。
【0010】
前記PWM調光信号は、次式によって表されるものであることが好ましい。
【0011】
【数1】

【0012】
前記発光素子は、有機EL発光素子であることが好ましい。
【0013】
本発明の照明装置は、1以上の有機EL発光素子を有する照明パネルと、各発光素子を点灯するための請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の発光素子点灯回路と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の発光素子点灯回路又は照明装置によれば、使用する基本周波数が、可聴域で音圧レベルが最大となる時の周波数よりも高く、高調波の周波数で最大音圧レベルを超えることは、無い。このため、基本波と、該基本波の基本周波数を整数倍した互いに異なる周波数の高調波と、を含む複数の交流波信号を、総和演算して求める矩形波のPWM調光信号を使用する場合に発生する合計の音圧レベルは、低くなる。この結果、バースト調光を行う発光素子点灯回路又は照明装置は、可聴域を超えるような高い基本周波数を用いずとも、発光素子からの可聴音の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)は、本発明の発光素子点灯回路を有している第1実施例に係る照明装置の斜視図、(b)は、前記照明装置の断面図。
【図2】第1実施例に係る発光素子点灯回路の回路図。
【図3】PWM調光信号の一例を示す図。
【図4】発光素子に入力される交流波信号の周波数と発光素子から発せられる可聴音の音圧レベルとの関係を示すグラフ。
【図5】第2実施例に係る発光素子点灯回路の回路図。
【図6】発光素子に入力される交流波信号の周波数と発光素子から発せられる可聴音の音圧レベルとの相関スペクトルを示すグラフ。
【図7】(a)は各デューティ比に対して選択する周波数を示し、(b)は基本周波数の基本波、2倍波、3倍波と、音圧レベルとの関係を示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態に係る照明装置の発光素子点灯回路は、調光レベルを設定するコントローラから入力される調光信号に応じたデューティ比のPWM調光信号によって、有機EL等の発光素子をバースト調光する回路である。該発光素子点灯回路は、基本波と、該基本波の基本周波数を整数倍した互いに異なる周波数の高調波と、を含む複数の交流波信号を、総和演算(「Σ」で表される演算)して前記PWM調光信号を生成するPWM調光信号生成部を備える。前記PWM調光信号生成部は、発光素子から発生する音圧レベルの低い基本周波数を用いる。前記基本周波数は、発光素子に入力する交流波信号の周波数と前記発光素子から発せられる音圧レベルとの相関スペクトルに基づいて予め定められる可聴域内の周波数である。
【0017】
(第1実施例)
図1(a)(b)は、第1実施例に係る照明装置1を示す図である。図1(a)は、天井、壁、床、スタンド等に固定して用いる照明装置1の斜視図である。照明装置1は、図中上向きに発光面を有している3つの発光パネル2、3、4を有している。図1(b)は、照明装置1の断面図である。発光パネル2、3、4の構成は、同じである。以下、発光パネル2を例にとって説明する。発光パネル2は、有機EL発光素子21と、該発光素子をバースト調光する発光素子点灯回路22と、を備えている。発光素子点灯回路22は、50Hz又は60Hzの商用交流電源と、調光信号とが入力されるケーブルに接続されている。調光信号は、例えば、摺動又は回転式コントローラ(図示せず)の操作に応じて出力される、複数の階調の発光レベルを指定する信号である。
【0018】
発光素子点灯回路22は、調光信号により指定される発光レベルに応じたデューティ比のPWM変調信号を生成し、該信号のオン期間とオフ期間とに基づいて発光素子のバースト調光を行う。
【0019】
図2は、発光素子点灯回路22の回路図である。発光素子点灯回路22は、電力変換回路23と、PWM調光信号生成部24と、電圧検出部25と、電流検出部26と、有機ELの発光素子27と、を備える。
【0020】
電力変換回路23は、入力される商用交流電源を、発光素子27をバースト調光する直流の印加電圧へと変換して発光素子27に出力する。前記印加電圧は、特定のデューティ比で発光素子27をオンする期間とオフする期間とを有する矩形状の信号である。電圧変換回路23は、PWM調光信号処理部23aと、降圧チョッパ回路23bと、を含む。PWM調光信号処理部23aは、PWM調光信号生成部24から入力されるPWM調光信号のオン期間中に、降圧チョッパ回路23bをチョップする駆動信号を生成し、降圧チョッパ回路23bの駆動トランジスタ(図示せず)に出力する。
【0021】
PWM調光信号生成部24は、基本周波数発生回路24aと、信号生成部24bと、を備えている。基本周波数発生回路24aは、後述する基本周波数の基本波の信号を生成して信号生成部24bに出力する。信号生成部24bは、調光信号に応じたデューティ比のPWM調光信号を生成し、該信号を電力変換回路23に出力する。信号生成部24bは、まず、基本波と、該基本波の基本周波数の整数倍(2、3…)の互いに異なる周波数、及び前記整数倍の値で基本波の振幅を除算した振幅を有する高調波と、を含む交流波信号を総和演算する。信号生成部24bは、前記総和演算により求められる信号のLowレベルの時の電位を0vに設定したものを、PWM調光信号として出力する。電圧検出部25は、直列接続された抵抗R1、R2による分圧回路を介して発光素子27に印加されている電圧を検出する。電流検出部26は、発光素子27に流れている電流を検出する。PWM調光信号生成部24は、電圧検出部25と電流検出部26の検出値に基づいて、発光素子27への印加電圧が所望値となるようにフィードバック制御処理を行う。
【0022】
図3は、デューティ比50%の矩形波のPWM調光信号の一例を示す。PWM調光信号は、例えば、次式によって表される。
【0023】
【数1】

【0024】
「数1」の前項は、PWM調光信号のLowレベルの時の電位を0vに設定するための式である。
【0025】
図4は、発光素子27に入力する、高調波を伴わない交流波信号の周波数と、発光素子27から発せられる可聴音の音圧レベルとの相関スペクトル(音圧特性)を示すグラフである。ヒトの可聴域は、一般に20Hz〜20kHzである。発光素子27は、その構造等に起因する固有の振動特性を有している。このため、前記相関スペクトルは、実際に発光素子点灯回路22に組み込まれる発光素子27について調べるのが好ましい。しかし、発光素子27と同じ構成の複数の発光素子について調べた統計データを用いてもよい。音圧レベルの測定は、例えば、JIS C1502(普通騒音計)に定める指示騒音計の内、周波数補正回路A特性又はこれと同等以上の騒音計を用いて行う。図4のグラフから、音圧レベルは、周波数famaxにおいて最大となる。例えば、実験で用いた有機EL発光素子のfamaxは、1.5kHzであった。以下、この時の音圧レベルを最大音圧レベルという。PWM調光信号生成部22は、周波数famax以上の値の周波数fa1を、基本周波数として用いる。なお、一般に基本周波数は低い値の方が制御しやすく、回路コストも安い。このため、周波数fa1は、前記famax、又は、それ以上の近傍値であって、基本周波数の整数倍の高調波、例えば、3倍波、好ましくは5倍波、より好ましくは7倍波又はそれ以上の倍率の高調波の周波数が20kHz以下となる値のものを使用する。
【0026】
基本周波数fa1(基本波)の他に、基本周波数の2倍の周波数(fa2)、3倍の周波数(fa3)の高調波(2倍波、3倍波)を用いてPWM調光信号を生成する場合を考える。前記2倍波、3倍波によって、発光素子27で発生する音圧レベルは、その振幅が同じ場合であっても最大音圧レベルより低い値になる。更に、「数1」では、2倍波、3倍波の振幅は、基本周周波数の信号の1/2、1/3であり、結果、発光素子27で発生する可聴音の音圧レベルは、低く抑えられる。
【0027】
このように、実施例1に係る、バースト調光を行う発光素子点灯回路22及び該回路を有する照明装置1は、使用する基本周波数が、可聴域で音圧レベルが最大となる時の周波数よりも高い。このため、高調波の周波数では最大音圧レベルを超えることは、無い。基本波と、該基本波の基本周波数を整数倍した互いに異なる周波数の高調波と、を含む複数の交流波信号を総和演算して求める矩形波のPWM調光信号を使用する場合に発生する合計の音圧レベルは、低くなる。この結果、バースト調光を行う発光素子点灯回路22又は照明装置1は、可聴域を超えるような高い基本周波数を用いずとも、発光素子からの可聴音の発生を抑えることができる。
【0028】
(第2実施例)
第2実施例に係る発光素子点灯回路は、複数の基本周波数を切り換えて使用でき、入力される調光信号に応じて特定されるデューティ比毎に、可聴音の音圧レベルが最も低くなる基本周波数を選択してPWM調光信号を生成することを特徴とする。
【0029】
図5は、第2実施例に係る発光素子点灯回路22aの回路図である。第1実施例に係る発光素子点灯回路22と同じ構成要素には同じ参照番号を付して示し、ここでの重複した説明は省く。発光素子点灯回路22aは、電力変換回路23と、PWM調光信号生成部28と、電圧検出部25と、電流検出部26と、発光素子27と、を備える。
【0030】
PWM調光信号生成部28は、テーブル記憶部28aと、制御部28bと、基本周波数発生回路28cと、信号生成部28dと、を備える。制御部28bは、入力される調光信号に応じて定まるデューティ比に対応する基本周波数を、テーブル記憶部28aに記憶してあるルックアップテーブルから特定する。基本周波数発生回路28cは、制御部28bが特定した基本周波数の信号を生成して信号生成部28dに出力する。信号生成部28dは、基本波と、該基本波の基本周波数の整数倍(2、3…)の周波数、及び該整数倍の値で基本周波数の波形の振幅を除算した振幅の高調波と、を有する複数の交流波信号の総和演算を行う。信号生成部28dは、前記総和演算から、制御部28bにより定められたデューティ比のPWM調光信号を生成し、更にLowレベルの時の電位を0vに設定した後、電力変換回路23に出力する(「数1」を参照)。
【0031】
前記ルックアップテーブルは、各デューティ比に一対一に対応する基本周波数の値を特定するテーブルであり、次のステップ1〜3によって作成する。図6は、発光素子27に入力される、高調波を伴わない交流波信号の周波数と、発光素子から発せられる可聴音の音圧レベルとの相関スペクトル(音圧特性)を示すグラフである。図6は、第1乃至第3の基本周波数を特定する手法を説明するための図であり、以下、本図を参照しつつ、ルックアップテーブル作成の各ステップの説明を行う。
【0032】
まず、ステップ1として、図6のグラフにおいて、可聴音の音圧レベルが最大となる時の周波数fbmaxよりも低い値の周波数を第1の周波数fb1とする。
【0033】
次に、ステップ2として、第1の周波数fb1の時の音圧レベルAのm倍(mは2以上の整数)の音圧レベルを発する周波数の1/m倍の値を、第mの周波数として定める。前記mの値が2、3の場合、2倍の音圧レベル2Aを発する周波数をfb1’と表し、3倍の音圧レベル3Aを発する周波数をfb1”と表す。第2の周波数fb2は、fb1’/2に設定され、第3の周波数fb3は、fb1”/3に設定される(図6を参照)。以下、前記mの値が2、3の場合を説明する。
【0034】
ステップ3として、第1乃至第3の周波数(fb1、fb2、fb3)をそれぞれ基本周波数に用いた場合に、使用範囲内にある各デューティ比において音圧レベルの最も低くなる周波数を、デューティ比に一対一で定められる基本周波数とする。この処理は、第1乃至第mの周波数の基本波を用いた場合の最大音圧レベルが同一で、かつ、前記相関スペクトルにおいて、第mの周波数の(m+1)倍以上の倍波の音圧レベルを(m+1)で除算した値が、第1の周波数の1倍波の音圧レベルより小さいことを想定している。
【0035】
図7(a)(b)は、前記ステップ3において実行する処理を説明するための図である。図7(a)は、PWM調光信号の各デューティ比に対して一対一に特定される基本周波数の関係を示す。この図7(a)の対応関係がルックアップテーブルとしてテーブル記憶部28aに記憶されている。図7(b)は、PWM調光信号のデューティ比に対して、最大音圧レベルがAの基本波、2倍波、3倍波を考えたとき、発光素子27から発生する音圧レベルを点線で示し、その内、各デューティ比に対する音圧レベルの最も低い部分を実線で示すグラフである。上記手法を用いることで音圧レベルとデューティ比との関係において、それぞれ基本波、2倍波、3倍波成分の特性が支配的に現れる周波数fb1、fb2、fb3を選択することができる。図7(a)は、図7(b)において実線で示された個所の周波数が、基本波の場合、第1の周波数(fb1)を、2倍波の場合、第2の周波数(fb2)を、3倍波の場合、第3の周波数(fb3)を、それぞれ前記基本周波数とする図である。
【0036】
上記構成を採用することによって、発光素子点灯回路22aは、調光信号に応じて、発光素子27に発生する音圧レベルが最も低い周波数を基本周波数とする交流波信号を用いて、PWM調光信号の生成を行う。これにより、fbmaxよりも低い値の周波数を第1の周波数fb1とするにもかかわらず、動作時、発光素子27から発生する可聴音の音圧レベルを低くすることができる。
【0037】
なお、前記発光素子点灯回路22aについて、効果を奏するのに必要な事項のみを記載すれば、以下のようになる。即ち、前記発光素子点灯回路22aは、調光レベルを設定するコントローラから入力される調光信号に応じたデューティ比のPWM調光信号によって発光素子を調光する回路であって、基本波と、該基本波の基本周波数を整数倍した互いに異なる周波数の高調波と、を含む複数の交流波信号の総和演算によって前記PWM調光信号を生成するPWM調光信号生成部28を備える。PWM調光信号生成部28は、テーブル記憶部28aと、制御部28bと、基本周波数発生回路28cと、信号生成部28dと、を備える。前記テーブル記憶部28aに記憶されるルックアップテーブルは、(a)発光素子に入力する交流波信号の周波数と前記発光素子から発せられる音圧レベルとの相関スペクトルにおいて、可聴域で音圧レベルが最大となる時の周波数を特定し、(b)特定した周波数よりも低い値の周波数を第1の周波数とすると共に、第1の周波数の場合に比べてm倍(mは2以上の整数)の音圧レベルを発する周波数の1/m倍の値を第mの周波数として定め、(c)第1乃至第mの周波数をそれぞれ基本周波数に用いる場合に、デューティ比と、デューティ比毎に特定される音圧レベルの最も低くなる基本周波数の値と、の関係を定めたテーブルである。前記制御部28bは、(d)調光信号に応じて定まるデューティ比に対応する基本周波数を、前記ルックアップテーブルに基づいて定め、(e)定めた基本周波数の信号を前記基本周波数発生回路から信号生成部へと出力させる。前記信号生成部28dは、前記基本周波数の基本波と、該基本周波数の整数倍(2、3…)の周波数の高調波と、を含む交流波信号を総和演算したものからPWM調光信号を生成して出力する。なお、前記相関スペクトルは、図4に示すようにガウス関数に類する波形を有する。前記発光素子点灯回路は、前記相関スペクトルにおいて、第mの周波数の(m+1)倍以上の倍波の音圧レベルを(m+1)で除算した値が第1の周波数の1倍波の音圧レベルより小さい、という条件を満たす場合に特に有効に動作する。
【0038】
本発明は、上記第1、第2の実施例の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、第1、第2の実施例で、PWM調光信号生成部24、28でPWM調光信号を生成するのに用いる交流波の数は、基本周波数の3倍までのものを用いて説明した。しかし、前記相関スペクトルに関する条件を満たす限りにおいて、より高倍率の交流波を用いても有効な効果を奏することができる。また、第2実施例において、テーブル記憶部28aと、制御部28bと、基本周波数発生回路28cとは、同等の機能を有するハードウェア回路で実現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の発光素子点灯回路は、発光素子のバースト調光に伴って可聴音を発生するような種々の回路に用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 照明装置
2、3、4 発光パネル
22、22a 発光素子点灯回路
23 電力変換回路
24,28 PWM調光信号生成部
25 電圧検出部
26 電流検出部
27 有機EL発光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される調光信号に応じたデューティ比のPWM調光信号によって発光素子を調光する発光素子点灯回路であって、
基本波と、該基本波の基本周波数の整数倍の互いに異なる周波数の高調波と、を含む複数の交流波信号を、総和演算して前記PWM調光信号を生成するPWM調光信号生成部を備え、
前記基本周波数は、前記発光素子に入力される交流波信号の周波数と前記発光素子から発せられる音圧レベルとの相関スペクトルにおける可聴域内で音圧レベルが最大となる時の周波数以上の周波数である、ことを特徴とする発光素子点灯回路。
【請求項2】
前記基本周波数と、1以上の高調波の周波数と、が可聴域にある、ことを特徴とする発光素子点灯回路。
【請求項3】
前記PWM調光信号は、次式によって表されるものである、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子点灯回路。
【数1】

【請求項4】
前記発光素子が有機EL発光素子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の発光素子点灯回路。
【請求項5】
1以上の有機EL発光素子を有する照明パネルと、各発光素子を点灯するための請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の発光素子点灯回路と、を備えることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−109861(P2013−109861A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251968(P2011−251968)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】