説明

発光素子

【課題】第1画素とこの第1画素と異なる領域に形成された第2画素とを有する発光素子において、下部電極のレイアウトを簡単にすることができると共に、第1、第2画素の見栄えが互いに異なることを抑制することができる発光素子を提供する。
【解決手段】第1画素Aの第1下部電極20aと第2画素Bの第2上部電極22bとを電気的に接続し、第1画素Aの第1上部電極22aと第2画素Bの第2下部電極20bとを電気的に接続する。これによれば、外部回路と接続される下部電極を1つにすることができ、下部電極のレイアウトが複雑になることを抑制することができる。また、第1画素Aの第1下部電極20aと第2画素Bの第2下部電極20bとを立体交差させる必要もなく、第1、第2画素A、Bの見栄えが互いに異なることを抑制することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部電極、発光層、上部電極が順に積層されてなる第1、第2画素を有する発光素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガラス等で構成される基板上に下部電極、発光層、上部電極が順に積層されてなる画素を有する発光素子が知られており、例えば、C字形状の第1画素とこの第1画素の内側に位置する第2画素とを有する発光素子が知られている。具体的には、C字形状の第1画素は、下部電極に切り欠き部分が形成されており、下部電極上に発光層がC字形状となるように配置されている。
【0003】
このような発光素子では、一般的に第1、第2画素の上部電極は共通接続されている。また、第1画素を構成する下部電極は、基板の端部まで延設されて外部回路との接続端子としての機能を果すように構成され、第2画素を構成する下部電極は第1画素における下部電極の切り欠き部分を介して第1画素を構成する下部電極と同じ側の端部まで延設されて外部回路との接続端子としての機能を果すように構成されている。つまり、上記発光素子では、外部回路と接続される端子は、第1、第2画素の各下部電極および第1、第2画素の上部電極の3つとされている。
【0004】
また、例えば、特許文献1には、O字形状の第1画素とこの第1画素の内側に位置する第2画素とを有する発光素子が提案されている。言い換えると、第2画素が完全に第1画素で囲まれた発光素子が提案されている。この発光素子では、第1画素を構成する下部電極と第2画素を構成する下部電極とが立体構成され、第2画素を構成する下部電極が基板の端部まで延設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−75661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような発光素子では、第1、第2画素を構成する各下部電極がそれぞれ外部回路と接続されることになり、意匠の制約等によって各下部電極のレイアウトが複雑になることがあるという問題がある。
【0007】
また、上記特許文献1のような発光素子の場合には、第1画素の下部電極と第2画素の下部電極とを立体交差させる必要があるため、製造工程が複雑になるという問題もある。
【0008】
さらに、上記特許文献1のような発光素子では、第1画素の下部電極と第2画素の下部電極とが立体交差されており、第1画素中における各下部電極が立体交差する部分では2つの下部電極が積層されることになる。また、各下部電極が立体交差する部分では、各下部電極を絶縁するための絶縁膜も配置されている。このため、第1画素中における各下部電極が立体交差する部分は、第2画素や第1画素における下部電極が1つしか配置されていない部分と比較して、多重反射等によって見栄えが異なるという問題がある。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、第1画素とこの第1画素と異なる領域に形成された第2画素とを有する発光素子において、下部電極のレイアウトを簡単にすることができると共に、第1、第2画素の見栄えが互いに異なることを抑制することができる発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板(10)の一面上に、第1下部電極(20a)、発光層を有する第1中間層(21a)、第1上部電極(22a)が順に積層されてなる第1画素(A)と、第1画素(A)と異なる領域に第2下部電極(20b)、発光層を有する第2中間層(21b)、第2上部電極(22b)が順に積層されてなる第2画素(B)とを有する発光素子であって、第1画素(A)の第1下部電極(20a)と第2画素(B)の第2上部電極(22b)とが電気的に接続され、第1画素(A)の第1上部電極(22a)と第2画素(B)の第2下部電極(20b)とが電気的に接続されていることを特徴としている。
【0011】
このような発光素子では、第1画素(A)の第1下部電極(20a)および第1上部電極(22a)が外部回路と電気的に接続されることにより、第2画素(B)の第1下部電極(20b)および第2上部電極(22b)が外部回路と電気的に接続される。すなわち、外部回路と接続される下部電極を1つにすることができ、下部電極のレイアウトが複雑になることを抑制することができる。
【0012】
また、従来のように、第1画素(A)の第1下部電極(20a)と第2画素(B)の第2下部電極(20b)とを立体交差させる必要もなく、第1、第2画素(A、B)の見栄えが互いに異なることを抑制することもできる。
【0013】
例えば、請求項2に記載の発明のように、第2画素(B)は、第1画素(A)によって取り囲まれていると共に当該第1画素(A)と分離されているものとすることができる。すなわち、例えば、第1画素(A)がO字形状であり、第2画素(B)が第1画素(A)の内側に位置するような発光素子に本発明を適用することができる。
【0014】
この場合、請求項3に記載の発明のように、基板(10)を一面側から視たとき、第1画素(A)と第2画素(B)との間に第2画素(B)を取り囲む隔壁(26)を備えるものとすることができる。
【0015】
これによれば、第1、第2上部電極(22a、22b)を蒸着によって形成する際に隔壁(26)によって第1、第2上部電極(22a、22b)が絶縁分離されるため、第1、第2上部電極(22a、22b)を同時に形成することができ、製造工程を簡略化することができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明のように、第1画素(A)と第2画素(B)との面積比を第1画素(A)と接続される配線部の抵抗と第2画素(B)に接続される配線部の抵抗との抵抗比の逆数とすることができる。
【0017】
これによれば、第1、第2画素(A、B)に同じ電流密度の電流を流すことができ、第1画素(A)の輝度と第2画素(B)の輝度とが異なることを抑制することができる。
【0018】
さらに、請求項5に記載の発明のように、第1画素(A)の第1下部電極(20a)と第2画素(B)の第2上部電極(22b)とを第1接続電極(25a)を介して電気的に接続し、第1画素(A)の第1上部電極(22a)と第2画素(B)の第2下部電極(20b)とを第2接続電極(25b)を介して電気的に接続することができる。そして、第1、第2下部電極(20a、20b)をInを含む透明酸化物で構成し、第1、第2接続電極(25a、25b)をInを含む透明酸化物との標準電位差が1.0V以下である金属で構成することができる。
【0019】
これによれば、Inを含む透明酸化物が酸化還元反応することを抑制することができ、第1、第2接続電極(25a、25b)が腐食することを抑制することができる。
【0020】
例えば、請求項6に記載の発明のように、第1、第2接続電極(25a、25b)をCr、Mo、Mo合金、NiまたはNi合金のいずれかで構成することができる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明のように、第1、第2中間層(21a、21b)を有機層で構成することができる。これによれば、第1、第2画素(A、B)がダイオード特性を有するようにすることができる。
【0022】
さらに、請求項8に記載の発明のように、第1画素(A)および第2画素(B)は、時分割で駆動されるものとすることができる。これによれば、積分効果により、見た目の明るさを容易に調整することができる。
【0023】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態における発光素子の断面構成を示す図である。
【図2】第1、第2画素の平面レイアウトである。
【図3】図1に示す発光素子の等価回路図である。
【図4】本発明の他の実施形態における第1、第2画素の平面レイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態における発光素子の断面構成を示す図であり、図2は第1、第2画素の平面レイアウトである。なお、本実施形態の発光素子は、例えば、文字、数字、記号、7セグメント等を表示するものとして適用されると好適である。
【0026】
図1に示されるように、発光素子は、基板10上に、第1陽極20a、第1中間層21a、第1陰極22aが順に積層されて構成される第1画素Aと、第1画素Aと異なる領域に第2陽極20b、第2中間層21b、第2陰極22bが順に積層されて構成される第2画素Bとを有する構成とされている。本実施形態では、図2に示されるように、第1画素AはO字形状とされており、第2画素Bは第1画素Aの内側に位置し、かつ円形状とされている。
【0027】
基板10は、例えば、ソーダガラス、バリウムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス等のガラス、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリ レート、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック、石英、陶器等のセラミック等で構成されている。
【0028】
第1、第2陽極20a、20bは、本実施形態では、エッチングにより微細パターンを形成しやすいInを主成分とするITO(酸化インジウムスズ)やIZO(インジウム亜鉛酸化物)等の透明酸化物で構成されており、所定パターンに対応した形状とされている。具体的には、第1陽極20aは第2陽極20bを取り囲む形状とされており、絶縁膜23にて区画、分離されている。なお、絶縁膜23は、例えば、フォトレジスト等で構成されている。
【0029】
また、第1陽極20aは、基板10の端部まで形成されており、基板10の端部において一部が絶縁膜23から露出させられることで外部回路との接続端子24として機能するようになっている。なお、本実施形態では、第1、第2陽極20a、20bが本発明の第1、第2下部電極に相当している。
【0030】
第1、第2中間層21a、21bは、それぞれホール輸送層、発光層、電子輸送層等の有機層が順に積層されることにより構成されている。具体的には、第1中間層21aは第1陽極20a上にO字形状となるように構成され、第2中間層21bは第1中間層21aの内側に位置するように第2陽極20b上に構成されており、絶縁膜23にて区画、分離されている。そして、各陽極20a、20bから正孔がホール輸送層を介して発光層に注入されると共に、各陰極22a、22bから電子が電子輸送層を介して発光層に注入され、発光層にてこれらが結合することで発光する。
【0031】
第1、第2陰極22bは、Al、Ag、Al合金、またはAg合金のいずれかで構成され、所定パターンに対応した形状とされている。具体的には、第1陰極22aは第2陰極22bを取り囲む形状とされており、絶縁膜23にて区画、分離されている。なお、本実施形態では、第1、第2陰極22a、22bが本発明の第1、第2上部電極に相当している。
【0032】
そして、第1陽極20aと第2陰極22bとが第1接続電極25aを介して電気的に接続されており、第1陰極22aと第2陽極20bとが第2接続電極25bを介して電気的に接続されている。具体的には、第1接続電極25aは、第1陽極20a上に第1、第2中間層21a、21bと同じ厚さとなるように形成され、第2接続電極25bは、第2陽極20b上に第1、第2中間層21a、21bと同じ厚さとなるように形成されている。そして、第1接続電極25aの一部が第2陰極22bと接触することによって第1陽極20aと第2陰極22bとが電気的に接続されており、第2接続電極25bの一部が第1陰極22aと接触することによって第1陰極22aと第2陽極20bとが電気的に接続されている。
【0033】
なお、第1、第2接続電極25a、25bは、絶縁膜23にて区画、分離されている。また、本実施形態では、第1、第2接続電極25a、25bは、第1、第2陽極20a、20bを構成する材料との標準電位差が1.0V以下である金属で構成されている。より好ましくは、0.5V以下となる材料で構成されるのが良く、具体的には、第1、第2陽極20a、20bがITOやIZOで構成されている場合には、第1、第2接続電極25a、25bはCr、MoまたはMo合金のいずれかで構成されている。
【0034】
また、第1画素Aは、第1陽極20a、第1中間層21a、第1陰極22aが順に積層されている部分で構成され、第2画素Bは、第2陽極20b、第2中間層21b、第2陰極22bが順に積層されている部分で構成されている。
【0035】
すなわち、第1陽極20aのうち第1中間層21aの直下に位置しない部分、第1陰極22aのうち第1中間層21aの直上に位置しない部分、第2陽極20bのうち第2中間層21bの直下に位置しない部分、第2陰極22bのうち第2中間層21bの直上に位置しない部分は、第1、第2画素A、Bに電流(電圧)を印加するための配線部として機能する。つまり、本実施形態ではこれらの部分が本発明の配線部に相当している。
【0036】
そして、本実施形態では、第1画素Aと第2画素Bとの面積比は、第1画素Aと接続される配線部の抵抗と第2画素Bに接続される配線部の抵抗との抵抗比の逆数とされている。なお、配線部とは、上記のように、第1、第2陽極20a、20bおよび第1、第2陰極22a、22bのうち第1、第2画素A、Bを構成しない部分と、第1、第2接続電極25a、25bとにより構成されるものであり、これらの厚さや長さ等によって配線部の抵抗が決定される。
【0037】
このため、本実施形態では、配線部の厚さや長さ等を適宜考慮して第1画素Aと第2画素Bとの面積比を第1画素Aと接続される配線部の抵抗と第2画素Bに接続される配線部の抵抗との抵抗比の逆数とされている。
【0038】
このような発光素子の回路構成は図3に示すようになる。すなわち、本実施形態の発光素子は、第1画素Aと第2画素Bとが時分割で駆動されることによって交互に発光するものである。特に限定されるものではないが、駆動周波数は、第1画素Aと第2画素Bとのちらつきを抑制するために70Hz以上とされることが好ましい。
【0039】
また、基板10を第1、第2画素A、Bが形成されている側から視たとき、第1画素Aと第2画素Bとの間には第2画素Bを取り囲む環状の隔壁26が形成されている。
【0040】
次に、上記発光素子の製造方法について簡単に説明する。
【0041】
まず、基板10上にITOやIZOを蒸着により形成し、エッチング等によりパターニングして所定形状の第1、第2陽極20a、20bを形成する。具体的には、第2陽極20bを取り囲むように第1陽極20aを形成する。
【0042】
次に、第1、第2陽極20a、20bを覆うように絶縁膜23を形成して当該絶縁膜23をフォトリソグラフィー等によりパターニングし、第1、2陽極20a、20bのうち第1、第2中間層21a、21bが形成される領域および第1陽極20aのうち外部電極と接続される接続端子24として機能する部位を露出させる。
【0043】
続いて、第1、第2中間層21a、21bおよび第1、第2接続電極25a、25bを形成した後、これらを覆う絶縁膜23を形成すると共に絶縁膜23上に隔壁26を形成する。そして、絶縁膜23および隔壁26をフォトリソグラフィー等によりパターニングし、第1、第2陰極22a、22bが形成される領域を露出させる。その後、AlやAg等を蒸着する。このとき、隔壁26により、隔壁26の内側の領域と外側の領域とが絶縁分離されて第1、第2陰極22a、22bが形成される。つまり、一度の蒸着で第1、第2陰極22a、22bを同時に形成することができる。なお、図1では、特に図示していないが、隔壁26上にはAlやAg等の第1、第2陰極22a、22bを構成する材料が付着している。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の発光素子は、第1画素Aを構成する第1陽極20aと第2画素Bを構成する第2陰極22bとが第1接続電極25aを介して電気的に接続され、第1画素Aを構成する第2陰極22bと第2画素Bを構成する第1陽極20bとが第2接続電極25bを介して電気的に接続されている。すなわち、外部回路と接続される陽極を1つにすることができ、陽極のレイアウトが複雑になることを抑制することができる。
【0045】
また、従来のように、第1、第2画素A、Bにおける第1、第2陽極20a、20bを立体交差させる必要もなく、第1、第2画素A、Bの見栄えが互いに異なることを抑制することができる。
【0046】
さらに、第1画素Aと第2画素Bとの面積比は、第1画素Aと接続される配線部の抵抗と第2画素Bに接続される配線部の抵抗との抵抗比の逆数とされている。このため、第1、第2画素A、Bには同じ電流密度の電流が流れることになり、第1画素Aの輝度と第2画素Bの輝度とが異なることを抑制することができる。
【0047】
また、第1、第2接続電極25a、25bを第1、第2陽極20a、20bを構成する材料との間の標準電位差が1.0V以下である材料を用いて構成している。このため、第1、第2陽極20a、20bが酸化還元反応することを抑制することができ、第1、第2接続電極25a、25bが腐食することを抑制することができる。
【0048】
そして、本実施形態では、隔壁26を形成した後にAlやAg等を蒸着して第1、第2陰極22a、22bを同時に形成している。このため、第1陰極22aと第2陰極22bとを形成する際に別々の成膜工程を行う必要がなく、製造工程を簡略化することができる。また、第1、第2陰極22a、22bを別々の成膜工程で行う必要がないため、成膜時に塗り分けマスクを用いる必要もなく、塗り分けマスクと発光画素との接触懸念を無くすことができる。さらに、第1、第2陰極22a、22bを同じ成膜工程で形成しており、成膜工程の回数を減らすことができるため、成膜工程中に異物が付着する確率を低減することができる。そして、成膜工程の回数を減らすことができるため、コストの低下を図ることができる。
【0049】
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、第1画素Aは第2画素Bを取り囲むO字形状とされたものを説明したが、第1画素Aの形状はこれに限定されるものではない。図4は、他の実施形態における第1、第2画素A、Bの平面レイアウトである。図4に示されるように、第1画素AをO字形状の一部が切り落とされたいわゆるC字形状としてもよい。
【0050】
また、上記第1実施形態において、第1、第2陽極20a、20bをAl、Ag、Al合金、またはAg合金のいずれかで構成し、第1、第2陰極22a、22bをITO等で構成してもよい。すなわち、第1、第2陽極20a、20bと第1、第2陰極22a、22bとは、少なくともいずれか一方が透明電極とされていればよい。なお、第1、第2陰極22a、22bをITO等の透明電極とした場合には、第1、第2陰極22a、22b側から発光することになる。
【符号の説明】
【0051】
10 基板
20a、20b 第1、第2陽極
21a、21b 第1、第2中間層
22a、22b 第1、第2陰極
23 絶縁膜
25a、25b 第1、第2接続電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(10)の一面上に、第1下部電極(20a)、発光層を有する第1中間層(21a)、第1上部電極(22a)が順に積層されてなる第1画素(A)と、前記第1画素(A)と異なる領域に第2下部電極(20b)、発光層を有する第2中間層(21b)、第2上部電極(22b)が順に積層されてなる第2画素(B)とを有する発光素子であって、
前記第1画素(A)の前記第1下部電極(20a)と前記第2画素(B)の前記第2上部電極(22b)とが電気的に接続され、前記第1画素(A)の前記第1上部電極(22a)と前記第2画素(B)の前記第2下部電極(20b)とが電気的に接続されていることを特徴とする発光素子。
【請求項2】
前記第2画素(B)は、前記第1画素(A)によって取り囲まれていると共に当該第1画素(A)と分離されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記基板(10)を前記一面側から視たとき、前記第1画素(A)と前記第2画素(B)との間に前記第2画素(B)を取り囲む環状の隔壁(26)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1画素(A)と前記第2画素(B)との面積比は、前記第1画素(A)と接続される配線部の抵抗と前記第2画素(B)に接続される配線部の抵抗との抵抗比の逆数とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項5】
前記第1画素(A)の前記第1下部電極(20a)と前記第2画素(B)の前記第2上部電極(22b)とは第1接続電極(25a)を介して電気的に接続され、前記第1画素(A)の前記第1上部電極(22a)と前記第2画素(B)の前記第2下部電極(20b)とは第2接続電極(25b)を介して電気的に接続されており、
前記第1、第2下部電極(20a、20b)がInを含む透明酸化物で構成され、前記第1、第2接続電極(25a、25b)が前記Inを含む透明酸化物との標準電位差が1.0V以下である金属で構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項6】
前記第1、第2接続電極(25a、25b)は、Cr、Mo、Mo合金、NiまたはNi合金のいずれかで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第1、第2中間層(21a、21b)は、有機層で構成されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項8】
前記第1画素(A)および前記第2画素(B)は、時分割で駆動されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の発光素子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−97984(P2013−97984A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239109(P2011−239109)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】