説明

発光装置、その駆動方法および画像形成装置

【課題】 発光輝度を均一したラインヘッドを提供する。
【解決手段】 ブロックB1〜B39は89個の画素回路P1〜P89を備え、ブロックB40は73個の画素回路P1〜P73を備える。供給端子Ta及びTbからの距離が長くなると、電源インピーダンスが増加する。供給端子Ta及びTbから最も遠いブロックB40に含まれる画素回路P1〜P73の数を少なくなるように設定したので、負荷を軽くすることができる。この結果、電源線La及びLbの電源変動を抑圧することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオード素子のように電流の量に応じた大きさの光を発光する発光素子を用いた発光装置、その駆動方法および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶素子に代わる次世代の発光デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子や発光ポリマー素子などと呼ばれる有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、以下適宜「OLED素子」と略称する)素子が注目されている。このOLED素子を1ラインに多数設けたラインヘッドを露光手段として用いる画像形成装置が開発されている。このようなラインヘッドでは、OLED素子の他、これを駆動するためのトランジスタを含む画素回路が複数配置される。例えば、特許文献1には1ラインのOLED素子からなるラインヘッドが開示されている。
ここで、複数の画素回路は一方向に配列され、各画素回路に電源線を介して電力が供給される。これらの画素回路を複数のブロックに分割して、ブロック単位で画素回路を駆動することがある。ラインヘッドの画素回路の総数は、解像度と用紙の幅に応じて定まる。一方、ブロック数は、設計の仕様に応じて適宜設定される。このため、全てのブロックに含まれる画素回路の数が等しい分けではなく、端数が生じる場合があり得る。
【特許文献1】特開平4−363264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ブロック単位で画素回路を駆動すると、駆動対象となるブロックが切り替わるタイミングで負荷が変動する。仮に、電源ラインのインピーダンスが理想的に零であれば、負荷が変動しても電源電圧は変動しない。
しかしながら、実際の装置において、電源線には配線抵抗が存在する。しかも、ラインヘッドのように用紙の幅に併せて長さが定まる装置においては、電源線の長さが長くなり、配線抵抗が大きくなる。従って、ブロックの切り替わりに同期して、電源電圧が変動する。上述したように各ブロックに含まれる画素回路の数が一定でない場合、端数をどのように扱うか、電源電圧の変動との関係で問題となる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電源電圧の変動を低減することが可能な発光装置、その制御方法これを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するため、本発明に係る発光装置は、各々が発光素子を備え、一方向に配列された複数の画素回路と、前記複数の画素回路の各々と接続され、その一端から電力が供給される電源線と、前記複数の画素回路を複数のブロックに分割し、前記ブロック毎に前記画素回路を駆動する駆動手段とを備え、隣接する前記ブロックにおいて、前記電源線の一端に近い側のブロックに含まれる前記画素回路の数が、前記電源線の一端から遠い側のブロックに含まれる前記画素回路の数と等しいか又は大きくなるように設定した、ことを特徴とする。
【0005】
この発明によれば、ブロック単位で画素回路が駆動されるため、各ブロックに含まれる画素回路の数に応じて負荷の大きさが定まる。一方、電源線におけるインピーダンスは電力が供給される一端からの距離が長くなる程、大きくなる。そして、隣接するブロックにおいて、前記電源線の一端に近い側のブロックに含まれる前記画素回路の数が、電源線の一端から遠い側のブロックに含まれる画素回路の数と等しいか又は大きくなるように設定されるので、電源インピーダンスが大きくなる箇所では、負荷を軽くすることができる。このため、電源変動を抑圧して、発光素子の発光輝度が均一になるように近づけることができる。
【0006】
ここで、前記電源線の一端から最も遠いブロックに含まれる前記画素回路の数をKとし、その他のブロックに含まれる前記画素回路の数を全てJとし、J>Kとなるように設定することが好ましい。この場合、電源インピーダンスの最も高い箇所の負荷を軽くして、電源変動を抑圧し、発光素子の発光輝度が均一になるように近づけることができる。
また、前記電源線の一端に最も近いブロックに含まれる前記画素回路の数をLとし、その他のブロックに含まれる前記画素回路の数を全てMとし、M<Lとなるように設定することが好ましい。この場合、電源インピーダンスの最も低い箇所の負荷を重くして、電源変動を抑圧し、発光素子の発光輝度が均一になるように近づけることができる。
【0007】
また、前記発光素子は、駆動電流の量に応じた大きさの光を発光し、前記複数の画素回路の各々は、前記電源線から供給される電力によって動作する論理回路と、前記論理回路の演算結果に従って前記駆動電流を生成する電流供給手段を備える、ことが好ましい。この場合、電源電圧の変動を抑圧することにより、論理回路の誤動作を防止することができる。
【0008】
また、本発明に係る画像形成装置は、光線の照射によって画像が形成される感光体と、前記感光体に光線を照射して前記画像を形成するヘッド部とを備え、上述した発光装置を前記ヘッド部に用いたことを特徴とする。上述したように発光装置は各発光素子の発光輝度を均一に近づけることができるので、印刷品質を向上させることができる。
【0009】
また、本発明に係る発光装置の駆動方法は、各々が発光素子を備え、一方向に配列された複数の画素回路と、前記複数の画素回路の各々と接続され、その一端から電力が供給される電源線とを備えた発光装置を駆動する方法であって、前記複数の画素回路を複数のブロックに分割し、隣接する前記ブロックにおいて、前記電源線の一端に近い側のブロックに含まれる前記画素回路の数が、前記電源線の一端から遠い側のブロックに含まれる前記画素回路の数と等しいか又は大きくなるように設定し、前記ブロック毎に前記画素回路を駆動することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<発光装置>
図1は、本発明の実施形態に係る発光装置の構成を示すブロック図である。この発光装置は、画像形成装置としてのプリンタのヘッド部10とその周辺回路から構成される。発光装置は、ヘッド部10の周辺回路として、制御回路20、画像処理回路30、及び電源回路40を備える。制御回路20は、開始パルス信号SPとクロック信号CLKを生成する。開始パルス信号SPは主走査期間の開始でアクティブとなる信号である。クロック信号CLKは、主走査の基準となる時間を与える。画像処理回路30は、パラレル形式のデータ信号D1〜D89を出力する。この例のデータ信号D1〜D89はOLED素子の点灯・消灯を指示する2値の信号である。電源回路40は、論理回路用の電源信号VHH及びVSSの他に高電位側電源信号VHHEL及び低電位側電源信号VSSELを生成する。
【0011】
ヘッド部10はライン型の光ヘッドであり、89本のデータ線L1〜L89、信号線Ls1〜Ls40、シフトレジスタ50、画素ブロックB1〜B40、並びに電源線La及びLbを備える。画素ブロックB1〜B40はX方向に配列されている。また、データ線L1〜L89、並びに電源線La及びLbは、X方向と平行に配設されている。
シフトレジスタ50は、複数の単位シフト回路(図示せず)を縦続接続して構成され、開始パルス信号SPをクロック信号CLKに従って順次シフトして、シフト信号SR1、SR2、…SR41を生成する。図2に示すように各シフト信号SR1〜SR41は、クロック信号CLKの一周期の期間だけアクティブとなる信号である。また、隣接するシフト信号のアクティブ期間はクロック信号CLKの1/2周期だけ重複する。
【0012】
シフト信号SR1〜SR41は、信号線Ls1〜Ls41を介して画素ブロックB1〜B40に供給される。画素ブロックB1〜B39の各々は89個の画素回路P1〜P89を含み、画素ブロックB40は73個の画素回路P1〜P73を含む。なお、画素回路P1〜P89は同一の構成である。以下の説明において、個々の画素回路を問題としない場合には、それらを単に画素回路Pと総称する。
電源線Laの供給端子Taには高電位側電源信号VHHELが供給される一方、電源線Lbの供給端子Tbには低電位側電源信号VSSELが供給される。各画素回路Pは電源線La及びLbに接続されており、それらを介して高電位側電源信号VHHEL及び低電位側電源信号VSSELの給電を受ける。供給端子Ta及びTbに最も近い画素ブロックはB1であり、最も遠い画素ブロックはB40である。
【0013】
図2に画素回路Pの詳細な構成を示し、図3にそのタイミングチャートを示す。なお、この画素回路Pは、1番目のブロックB1に属し、データ線L1に接続されているものとする。NOR回路60は、シフト信号SR1及びシフト信号SR2が共にローレベル(アクティブ)となる時刻t2から時刻t3までの期間においてハイレベルとなるサンプリング信号SAM1を生成して、ラッチ回路70に供給する。
ラッチ回路70は、トランスファーゲート71、インバータ72〜74、及びクロックドインバータ75を備える。時刻t1から時刻t2までの期間においては、シフト信号SR1がローレベルであるので、クロックドインバータ75は、ハイインピーダンス状態となる。また、サンプリング信号SAM1はローレベルであるため、トランスファーゲートはオフ状態となる。この結果、ラッチ回路70の等価回路は、図4(A)に示すものとなる。
【0014】
次に、時刻t2から時刻t3では、シフト信号SR1はローレベルを維持するが、サンプリング信号SAM1はハイレベルとなる。このとき、クロックドインバータ75はハイインピーダンス状態を維持する一方、トランスファーゲートはオン状態となる。この結果、ラッチ回路70の等価回路は、図4(B)に示すものとなり、データ信号D1の論理レベルが取り込まれる。
次に、時刻t4以降において、シフト信号SR1がハイレベルとなり、クロックドインバータ75は、インバータとして動作する。また、サンプリング信号SAM1はローレベルであるため、トランスファーゲートはオフ状態となる。この結果、データラッチ回路70の等価回路は、図4(C)に示すものとなる。即ち、データ信号D1の取り込みが終了して、次の書き込みがあるまでデータ信号D1の論理レベルがラッチ回路70に記憶される。
【0015】
ラッチ回路70の出力信号はインバータ82を介してノードQに供給される。ノードQには、駆動トランジスタ83のゲート及び制御トランジスタ84のゲートが接続されている。駆動トランジスタ83はPチャネル型のTFTで構成され、制御トランジスタはNチャネル型のTFTによって構成される。駆動トランジスタ83のドレインには高電位側電源信号VDDELが供給され、そのソースにはOLED素子85の陽極が接続される。OLED素子85の陰極には低電位側電源信号VSSELが供給される。制御トランジスタ84はオン状態において、OLED素子85を短絡する。
【0016】
ここで、ノードQの論理レベルがローレベルの場合、駆動トランジスタ83はオン状態となり、制御トランジスタ84はオフ状態となる。このとき、駆動電流がOLED素子85に供給され、OLED素子85が点灯する。一方、ノードQの論理レベルがハイレベルの場合、駆動トランジスタ83はオフ状態となり、制御トランジスタ84はオン状態となる。このとき、OLED素子85には駆動電流が供給されず、OLED素子85は消灯する。
【0017】
また、トランスファーゲート80がノードQとインバータ74の入力端子との間に設けられている。制御信号READBはローレベルでアクティブとなる。この信号のアクティブ期間においてトランスファーゲート80はオン状態となる。このとき、ノードQとインバータ74の入力端子が接続され、インバータ74とインバータ82によってラッチ回路が形成される。
【0018】
上述した画素回路Pにおいて、ノードQの論理レベルは、サンプル信号SAM1がアクティブになると変化することが許容される。そして、サンプル信号SAM1はブロックB1に属する他の画素回路Pにおいても同様に生成される。従って、ブロックB1に属する画素回路P1〜P89は、同時に書き込み動作を実行する。このことは、他のブロックB2〜B40についても同様である。従って、ブロック単位で、OLED素子85の点灯・消灯が行われることになる。
このようにブロック単位で画素回路Pを駆動すると、サンプル信号SAM1、SAM2、…SAM40の信号波形が立ち上がるタイミングに同期して、高電位電源信号VHHELと低電位電源信号VSSELの電位が変化する。これは、電源線La及びLbに配線抵抗が存在するからである。
【0019】
図5に電源線La及びLbの等価回路と電源インピーダンスの関係を模式的に示す。この図に示すように電源線La及びLbには配線抵抗Rが分布しているので、電源インピーダンスは、供給端子Ta及びTbの距離が大きくなる程、大きくなる。電源線La及びLbの電圧変動は、負荷と電源インピーダンスの両者によって定まる。電圧変動を小さくするには、電源インピーダンスが大きくなる程、負荷を軽くすればよい。この例において、負荷の大きさは各ブロックB1〜B40に含まれる画素回路Pの数に応じて定まり、電源インピーダンスは供給端子Ta及びTbからの距離に応じて定まる。従って、電圧変動を小さくするには、供給端子Ta及びTbからの距離が長くなる程、各ブロックに含まれる画素回路Pの数が増加しないように設定すればよい。より具体的には、隣接するブロックBk(kは1から39までの自然数)及びBk+1において、供給端子Ta及びTbに近い側のブロックBkに含まれる画素回路Pの数が、供給端子Ta及びTbから遠い側のブロックBk+1に含まれる画素回路Pの数と等しいか又は大きくなるように設定することが好ましい。
【0020】
この例では、ブロックB1〜B39に含まれる画素回路Pの数を「89」とし、供給端子Ta及びTbから最も遠いブロックB40に含まれる画素回路Pの数を「73」にしたので、電源インピーダンスが大きくなる箇所の負荷を軽くすることができ、高電位側電源信号VDDELと低電位側電源信号VSSELとの間の電圧変動を抑圧することができる。OLED素子85の輝度は駆動電流の大きさに応じて変動し、駆動電流の大きさは高電位側電源信号VDDELと低電位側電源信号VSSELとの間の電圧に応じて変動する。従って、電圧変動を抑圧することによって、各ブロックB1〜B40におけるOLED素子85の発光輝度を均一に近づけることが可能となる。
【0021】
各ブロックB1〜B40に含まれる画素回路Pの数をN1〜N40としたとき、以下のように設定してもよい。
(1)N1>N2、N2=N3=…=N40
例えば、N1=112、N2=N3=…=N40=88としてもよい。この場合には、供給端子Ta及びTbに最も近いブロックB1に含まれる画素回路Pの数N1を他のブロックB2〜B40に含まれる画素回路の数N2よりも大きくなる。このため、電源インピーダンスの低い箇所で重い負荷を駆動することになる。この結果、高電位側電源信号VDDELと低電位側電源信号VSSELとの間の電圧変動を抑圧することができ、各ブロックB1〜B40におけるOLED素子85の発光輝度を均一に近づけることが可能となる。しかも、ブロックB2〜B40に含まれる画素回路Pの数を同一にして、端数をブロックB1にまとめることができる。
【0022】
(2)N1>N2>N3…>N40
この場合は、供給端子Ta及びTbからの距離が長くなる程、各ブロックB1〜B30に含まれる画素回路Pの数を減少させている。従って、電源インピーダンスが増加するにつれ負荷が軽くなるので、各ブロックB1〜B40におけるOLED素子85の発光輝度をより一層、均一に近づけることが可能となる。
(3)N1=N2>N3=N4…=N40
例えば、N1=N2=100、N3=N4…=N40=88としてもよい。
(4)N1=N2…=N38>N39=N40
例えば、N1=N2…=N38=89、N39=N40=81としてもよい。
【0023】
<画像形成装置>
図6は、上述したヘッド部10を用いた画像形成装置の一例を示す縦断側面図である。この画像形成装置は、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッド10K、10C、10M、10Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K、110C、110M、110Yの露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。有機ELアレイ露光ヘッド10K、10C、10M、10Yは上述したヘッド部10によって構成されている。
【0024】
図6に示すように、この画像形成装置は、駆動ローラ121と従動ローラ122が設けられており、図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト120を備えている。この中間転写ベルト120に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体110K、110C、110M、110Yが配置される。前記符号の後に付加されたK、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示す。他の部材についても同様である。感光体110K、110C、110M、110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0025】
各感光体110(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体110(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)111(K、C、M、Y)と、この帯電手段111(K、C、M、Y)により一様に帯電させられた外周面を感光体110(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する本発明の上記のような有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)が設けられている。
また、この有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置114(K、C、M、Y)を有している。
【0026】
ここで、各有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)は、有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)のアレイ方向が感光体ドラム110(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置される。そして、各有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)の発光エナルギーピーク波長と、感光体110(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とは略一致するように設定されている。
【0027】
現像装置114(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラヘ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体110(K、C、M、Y)に接触あるいは押厚させることにより、感光体110(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。
【0028】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写され、中間転写ベルト120上で順次重ね合わされてフルカラーとなる。ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送された記録媒体102は、二次転写ローラ126に送られる。中間転写ベルト120上のトナー像は、二次転写ローラ126において用紙等の記録媒体102に二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることで記録媒体102上に定着される。この後、記録媒体102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙トレイ上へ排出される。
このように、図9の画像形成装置は、書き込み手段として有機ELアレイを用いているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。
【0029】
次に、本発明に係る画像形成装置に係る他の実施の形態について説明する。
図7は、画像形成装置の縦断側面図である。図7において、画像形成装置には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機ELアレイが設けられている露光ヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。露光ヘッド167は上述したヘッド部10によって構成されている。
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として反時計回り方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。現像ローラ162a〜162dおよびトナー供給ローラ163a〜163は、前記4色の各像形成ユニットに各々配置されている。また、規制フレード164a〜164dによってトナーは所定の厚さに規制される。
【0030】
感光体ドラム165は、帯電器168によって帯電され、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向に駆動される。中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向に回動される。
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0031】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢印G方向に進行する。用紙は、給紙トレイ178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出されるようになっている。
用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータは、例えば低速のブラシレスモークが用いられる。また、中間転写ベルト169は色ずれ補正などが必要となるのでステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略している制御手段からの信号により制御される。
【0032】
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ128aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが90度回転する。
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0033】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の発光装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同装置の画素回路の回路図である。
【図3】同回路のタイミングチャートである。
【図4】同回路に用いるラッチ回路70の等価回路図である。
【図5】電源線La及びLbの等価回路と電源インピーダンスの関係を模式的に示す概念図である。
【図6】画像形成装置の一例を示す縦断側面図である。
【図7】画像形成装置の他の例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0035】
10…発光装置(ヘッド部)、Ta,Tb…供給端子、La,Lb…電源線、B1〜B40…ブロック、P1〜P89…画素回路、60…NOR回路、70…ラッチ回路、85…OLED素子(発光素子)、110Y,110M,110C,110K…感光体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が発光素子を備え、一方向に配列された複数の画素回路と、
前記複数の画素回路の各々と接続され、その一端から電力が供給される電源線と、
前記複数の画素回路を複数のブロックに分割し、前記ブロック毎に前記画素回路を駆動する駆動手段とを備え、
隣接する前記ブロックにおいて、前記電源線の一端に近い側のブロックに含まれる前記画素回路の数が、前記電源線の一端から遠い側のブロックに含まれる前記画素回路の数と等しいか又は大きくなるように設定した、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記電源線の一端から最も遠いブロックに含まれる前記画素回路の数をKとし、その他のブロックに含まれる前記画素回路の数を全てJとし、J>Kとなるように設定したことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記電源線の一端に最も近いブロックに含まれる前記画素回路の数をLとし、その他のブロックに含まれる前記画素回路の数を全てMとし、M<Lとなるように設定したことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記発光素子は、駆動電流の量に応じた大きさの光を発光し、
前記複数の画素回路の各々は、前記電源線から供給される電力によって動作する論理回路と、前記論理回路の演算結果に従って前記駆動電流を生成する電流供給手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
光線の照射によって画像が形成される感光体と、
前記感光体に光線を照射して前記画像を形成するヘッド部とを備え、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の発光装置を前記ヘッド部に用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
各々が発光素子を備え、一方向に配列された複数の画素回路と、前記複数の画素回路の各々と接続され、その一端から電力が供給される電源線とを備えた発光装置の駆動方法であって、
前記複数の画素回路を複数のブロックに分割し、
隣接する前記ブロックにおいて、前記電源線の一端に近い側のブロックに含まれる前記画素回路の数が、前記電源線の一端から遠い側のブロックに含まれる前記画素回路の数と等しいか又は大きくなるように設定し、
前記ブロック毎に前記画素回路を駆動することを特徴とする発光装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−76226(P2006−76226A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264929(P2004−264929)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】