発光装置、照明装置およびプロジェクター
【課題】高出力化および小型化を図ることができる発光装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る発光装置1000では、第1屈曲部212および第3屈曲部232は、第1出射面162aから第1屈曲部212までの第1出射光L1の光路長D1と、第3出射面162bから第3屈曲部232までの第3出射光L3の光路長D3とが、等しくなる位置に配置され、第2屈曲部222および第4屈曲部242は、第2出射面164aから第2屈曲部222までの第2出射光L2の光路長D2と、第4出射面164bから第4屈曲部242までの第4出射光L4の光路長D4とが、等しくなる位置に配置され、第1屈曲部212で反射された第1出射光L1の進行方向、第2屈曲部222で反射された第2出射光L2の進行方向、第3屈曲部232で反射された第3出射光L3の進行方向、および第4屈曲部242で反射された第4出射光L4の進行方向は、同じである。
【解決手段】本発明に係る発光装置1000では、第1屈曲部212および第3屈曲部232は、第1出射面162aから第1屈曲部212までの第1出射光L1の光路長D1と、第3出射面162bから第3屈曲部232までの第3出射光L3の光路長D3とが、等しくなる位置に配置され、第2屈曲部222および第4屈曲部242は、第2出射面164aから第2屈曲部222までの第2出射光L2の光路長D2と、第4出射面164bから第4屈曲部242までの第4出射光L4の光路長D4とが、等しくなる位置に配置され、第1屈曲部212で反射された第1出射光L1の進行方向、第2屈曲部222で反射された第2出射光L2の進行方向、第3屈曲部232で反射された第3出射光L3の進行方向、および第4屈曲部242で反射された第4出射光L4の進行方向は、同じである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、照明装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクターやディスプレイなどの表示装置の光源用の発光装置として、高輝度で色再現性に優れたレーザー素子を有する発光装置が期待されている。このような光源用の発光装置では、明るい画像を表示するために、高出力化が望まれている。高出力化を図る方法として、半導体レーザーアレイからなる発光素子をスタック状に積層した発光装置が提案されている。この発光装置では、スタック状に積層された発光素子から出射された出射光を、各光反射面が階段状にずれた状態となるように形成された反射部材によって反射させて、集光レンズに入射させている。
一方、チップの両端面から光を出射する発光素子を有する発光装置の場合、例えば、両端面からの光を同じ方向に向けるためにミラーを用いる場合がある。このような光の進行方向を変えるミラーを用いた発光装置の例として、例えば特許文献1には、両端面から水平方向に光を出射する発光素子の支持部材に、水平方向に対して45度傾斜した2つの反射面を設けて、両端面からの光を同じ方向に向ける構成が開示されている。すなわち、特許文献1の例では、支持部材に設けられた2つの反射面が光の進行方向を変えるミラーとして機能している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−246407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発光装置の高出力化を図るために、チップの両端面の各々に複数の出射面を設けることがある。両端面に複数の出射面を有する発光素子について、各出射面から出射された光を同じ方向に向けるために、特許文献1に記載の45度傾斜した反射面を用いた場合、発光素子と光学素子の位置あわせずれにより光の強度がばらつき、被照明領域における光強度が不均一になってしまうという問題があった。
【0005】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、高出力化および小型化を図ることができる発光装置を提供することにある。また本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記発光装置を有する照明装置およびプロジェクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る発光装置は、第1出射光を出射する第1出射面と、前記第1出射光とは反対方向に向かって進行する第2出射光を出射する第2出射面と、を有する第1発光素子と、前記第1出射光と同じ方向に向かって進行する第3出射光を出射する第3出射面と、前記第3出射光とは反対方向に向かって進行する第4出射光を出射する第4出射面と、を有する第2発光素子と、前記第1出射光が入射する第1入射面と、前記第1出射光の伝播方向を変える第1屈曲部と、前記第1出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第1混合光出射面と、を有する第1ロッドインテグレーターと、前記第2出射光が入射する第2入射面と、前記第2出射光の伝播方向を変える第2屈曲部と、前記第2出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第2混合光出射面と、を有する第2ロッドインテグレーターと、前記第3出射光が入射する第3入射面と、前記第3出射光の伝播方向を変える第3屈曲部と、前記第3出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第3混合光出射面と、を有する第3ロッドインテグレーターと、前記第4出射光が入射する第4入射面と、前記第4出射光の伝播方向を変える第4屈曲部と、前記第4出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第4混合光出射面と、を有する第4ロッドインテグレーターと、を備え、前記第1発光素子は前記第1ロッドインテグレーターと前記第2ロッドインテグレーターとの間に配置され、前記第2発光素子は前記第3ロッドインテグレーターと前記第4ロッドインテグレーターとの間に配置され、前記第1発光素子と前記第2発光素子は、第1方向に積層され、前記第1出射面と前記第3出射面は、第1平面内にあり、前記第2出射面と前記第4出射面は、第2平面内にあり、前記第1出射面と前記第3出射面とは、前記第1平面において、前記第1方向に並ばないように配置され、前記第2出射面と前記第4出射面とは、前記第2平面において、前記第1方向に並ばないように配置され、第1反射面および第3反射面は、前記第1出射面から前記第1反射面までの前記第1出射光の光路長と、前記第3出射面から前記第3反射面までの前記第3出射光の光路長とが、等しくなる位置に配置され、第2反射面および第4反射面は、前記第2出射面から前記第2反射面までの前記第2出射光の光路長と、前記第4出射面から前記第4反射面までの前記第4出射光の光路長とが、等しくなる位置に配置され、前記第1反射面で反射された前記第1出射光の進行方向、前記第2反射面で反射された前記第2出射光の進行方向、前記第3反射面で反射された前記第3出射光の進行方向、および前記第4反射面で反射された前記第4出射光の進行方向は、同じである、ことを特徴とする。
【0008】
このような発光装置によれば、第1出射面から第1ロッドインテグレーターの第1屈曲部までの光路長と、第3出射面から第3ロッドインテグレーターの第3屈曲部での光路長とが、等しくなる位置に配置することができる。さらに、第2出射面から前記第2ロッドインテグレーターの第2屈曲部までの光路長と、第4出射面から第4ロッドインテグレーターの第4屈曲部での光路長とが、等しくなる位置に配置することができる。そのため、発光装置の前記第1から第4出射光の進行方向のサイズが大きくなることを抑制しつつ、高出力化を図ることができる。
さらに、ロッドインテグレーターを用いているため、被照明領域における光強度を均一化するための他の光学系を用いた場合と比べて、高精度な調芯が不要となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に係る発光装置において、前記第1出射光の光路上に設けられた、前記第1出射光を集光する第1集光レンズと、前記第2出射光の光路上に設けられた、前記第2出射光を集光する第2集光レンズと、前記第3出射光の光路上に設けられた、前記第3出射光を集光する第3集光レンズと、前記第4出射光の光路上に設けられた、前記第4出射光を集光する第4集光レンズと、を含むことが望ましい。
【0010】
このような発光装置によれば、第1ロッドインテグレーターに入射する光の放射角を狭めることができるため、第1ロッドインテグレーターから出射される光の放射角を狭めることができる。同様に、第2ロッドインテグレーターに入射する光の放射角を狭めることができるため、第2ロッドインテグレーターから出射される光の放射角を狭めることができる。同様に、第3ロッドインテグレーターに入射する光の放射角を狭めることができるため、第3ロッドインテグレーターから出射される光の放射角を狭めることができる。同様に、第4ロッドインテグレーターに入射する光の放射角を狭めることができるため、第4ロッドインテグレーターから出射される光の放射角を狭めることができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に係る発光装置において、前記第1混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第1集光レンズと、前記第2混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第2集光レンズと前記第3混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第3集光レンズと、前記第4混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第4集光レンズと、を含むことが望ましい。
【0012】
このような発光装置によれば、第1ロッドインテグレーターから出射される光の放射角と、第2ロッドインテグレーターから出射される光の放射角と、第3ロッドインテグレーターから出射される光の放射角と、第4ロッドインテグレーターから出射される光の放射角とを狭めることができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に係る発光装置において、前記第1出射面は、等間隔に複数配置され、前記第2出射面は、等間隔に複数配置され、前記第3出射面は、等間隔に複数配置され、前記第4出射面は、等間隔に複数配置されていることが望ましい。
【0014】
このような発光装置によれば、発光により生じる熱が発光素子の一部に集中することを防ぐことができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に係る発光装置において、前記第1混合光出射面から出射された光を第1偏光光に変換し、前記第3混合光出射面から出射された光を第3偏光光に変換する第1偏光変換素子と、前記第2混合光出射面から出射された光を第2偏光光に変換し、前記第4混合光出射面から出射された光を第4偏光光に変換する第2偏光変換素子と、をさらに含み、前記第1偏光光の偏光方向と前記第2偏光光の偏光方向と前記第3偏光光の偏光方向と前記第4偏光光の偏光方向とは、同じ方向であることが望ましい。
【0016】
このような発光装置によれば、被照明領域に偏光光を照射することができる。
【0017】
[適用例6]上記適用例に係る発光装置において、前記第1発光素子および前記第2発光素子は、スーパールミネッセントダイオードであることが望ましい。
【0018】
このような発光装置によれば、端面反射による共振器の形成を抑えることにより、レーザー発振を防止することができるため、スペックルノイズを低減させることができる。
【0019】
[適用例7]上記適用例に係る発光装置において、前記第1混合光出射面と前記第2混合光出射面と前記第3混合光出射面と前記第4混合光出射面とは、同じ方向に向いて配置されている、ことが望ましい。
【0020】
このような発光装置によれば、第1ロッドインテグレーターから出射される光と第2ロッドインテグレーターから出射される光と第3ロッドインテグレーターから出射される光と第4ロッドインテグレーターから出射される光とを、同じ方向に進行させることができる。
【0021】
[適用例8]本適用例に係る照明装置は、上記発光装置の前記第1ロッドインテグレーターの前記第1混合光出射面から出射された光を発散させる第1レンズと、前記発光装置の前記第2ロッドインテグレーターの前記第2混合光出射面から出射された光を発散させる第2レンズと、前記発光装置の前記第3ロッドインテグレーターの前記第3混合光出射面から出射された光を発散させる第3レンズと、前記発光装置の前記第4ロッドインテグレーターの前記第4混合光出射面から出射された光を発散させる第4レンズと、前記第1レンズから出射された光と前記第2レンズから出射された光と前記第3レンズから出射された光と前記第4レンズから出射された光とを重畳させる第5レンズと、前記第5レンズによって重畳された光を集光する第6レンズと、を含むことを特徴とする。
【0022】
このような照明装置によれば、本発明に係る発光装置を有しているため、被照明領域における光強度の均一化を図ることができる。さらに、第5レンズによって、2つの出射面から出射された光を重畳させることができるため、より被照明領域における光強度の均一化を図ることができる。
【0023】
[適用例9]本適用例に係るプロジェクターは、上記照明装置と、前記照明装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、を含むことを特徴とする。
【0024】
このようなプロジェクターによれば、本発明に係る照明装置を有しているため、照度むらの少ない画像を投射することができ、かつ高出力化および小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図2】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図3】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図4】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図5】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図6】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図7】本実施形態の第1変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図8】本実施形態の第2変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図9】本実施形態の第3変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図10】本実施形態の第4変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図11】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【図12】本実施形態に係る均一化光学系(照明装置)を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(1.発光装置)
まず、本実施形態に係る発光装置1000について、図面を参照しながら説明する。図1は、発光装置1000を模式的に示す平面図である。図2は、発光装置1000を模式的に示す図1のII−II線断面図である。図3は、発光装置1000を模式的に示す図1のIII−III線断面図である。図4は、発光装置1000を模式的に示す図1のIV−IV線断面図である。なお、図2および図3では、便宜上、第1発光素子100a、第2発光素子100bを簡略化して図示している。
【0027】
発光装置1000は、図1〜図4に示すように、第1発光素子100aと、第2発光素子100bと、第1屈曲部212を有する第1ロッドインテグレーター210と、第2屈曲部222を有する第2ロッドインテグレーター220と、第3屈曲部232を有する第3ロッドインテグレーター230と、第4屈曲部242を有する第4ロッドインテグレーター240と、を含む。発光装置1000は、さらにベース250と、第1サブマウント260aと、第2サブマウント260bと、第3サブマウント260cと、を含むことができる。なお、ここでは、第1発光素子100a、第2発光素子100bがInGaAlP系(赤色)のスーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode、以下「SLD」ともいう)である場合について説明する。SLDは、半導体レーザーと異なり、端面反射による共振器の形成を抑えることにより、レーザー発振を防止することができる。そのため、スペックルノイズを低減させることができる。
【0028】
第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、図2〜図4に示すように、Z方向(第1方向)に積層されている。つまり、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bからの光が出射する方向と交差する方向に積層されている。
図示の例では、ベース250の上方に、第1サブマウント260a、第1発光素子100a、第2サブマウント260b、第2発光素子100b、第3サブマウント260cの順で積層されている。第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、サブマウント260a,260b,260cを介して、ベース250に実装されている。例えば、ベース250とリード270に異なる電位を与えることにより、導電性のサブマウント260a,260b,260cを介して、発光素子100a,100bに電圧を印加することができる。図示はしないが、例えば、サブマウント260a,260b,260cに貫通電極を設けることで、ベース250および第1発光素子100a、第2発光素子100bを電気的に接続してもよい。図示の例では、発光装置1000は、発光素子を2つ(第1発光素子100aおよび第2発光素子100b)有しているが、その数は限定されない。発光装置1000は、複数(2つ)の発光素子を有することにより、高出力化を図ることができる。発光装置1000は、例えば、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bに加えて、他の発光素子を単数または複数有してもよい。これにより、発光装置1000をより高出力化することができる。第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、図4に示すように、第1クラッド層104と、活性層106と、第2クラッド層108と、を有する。第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、さらに、例えば、基板102と、コンタクト層110と、第1電極112と、第2電極114と、絶縁部116と、を有することができる。
基板102としては、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaAs基板などを用いることができる。
【0029】
第1クラッド層104は、基板102上に形成されている。第1クラッド層104としては、例えば、n型のAlGaInP層などを用いることができる。なお、図示はしないが、基板102と第1クラッド層104との間に、バッファー層が形成されていてもよい。バッファー層としては、例えば、n型のGaAs層、InGaP層などを用いることができる。
【0030】
活性層106は、第1クラッド層104上に形成されている。活性層106は、第1クラッド層104と第2クラッド層108とに挟まれている。活性層106は、例えば、InGaPウェル層とInGaAlPバリア層とから構成される量子井戸構造を3つ重ねた多重量子井戸(MQW)構造を有する。
活性層106の形状は、例えば直方体(立方体である場合を含む)などである。活性層106は第1側面105および第2側面107を有する(図1参照)。第1側面105と第2側面107とは、互いに対向しており、例えば平行である。第1クラッド層104と第2クラッド層108とで挟まれた活性層106は、例えば、積層構造体を構成している。第1側面105および第2側面107は、活性層106の面のうち第1クラッド層104または第2クラッド層108に接していない面であり、積層構造体において、露出している面ともいえる。積層構造体は、さらに、基板102と、コンタクト層110と、を有していてもよい。
【0031】
活性層106の一部の領域は、活性層106の電流経路となる利得領域160を構成している。利得領域160には、光を生じさせることができ、この光は、利得領域160内で利得を受けることができる。利得領域160の平面形状は、例えば、平行四辺形である。利得領域160は、図1に示すように、活性層106の積層方向から平面視して(Z方向から見て)、第1側面105から第2側面107まで、第1側面105の垂線Pに対して傾いた方向に向かって設けられている。これにより、利得領域160に生じる光のレーザー発振を抑制または防止することができる。なお、利得領域160が、ある方向に向かって設けられている場合とは、当該方向が、平面的に見て、利得領域160の第1側面105側の第1端面162の中心と、第2側面107側の第2端面164の中心とを結ぶ方向に一致する場合をいう。図示の例では、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bの各々は、利得領域160を3つ有しているが、その数は限定されない。第1発光素子100a、第2発光素子100bは、複数の利得領域160を有することで、高出力化を図ることができる。
なお、図示はしないが、利得領域160は、第1側面105側の第1端面162から第2側面107側の第2端面164まで、直線状に、第1側面105の垂線Pと平行となる方向に向かって設けられていてもよい。この場合には、共振器が構成され、レーザー光を発することができる。すなわち、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、例えば、半導体レーザーであってもよい。
【0032】
第2クラッド層108は、図4に示すように、活性層106上に形成されている。第2クラッド層108としては、例えば、第2導電型(例えばp型)のAlGaInP層などを用いることができる。
例えば、p型の第2クラッド層108、不純物がドーピングされていない活性層106、およびn型の第1クラッド層104により、pinダイオードが構成される。第1クラッド層104および第2クラッド層108の各々は、活性層106よりも禁制帯幅が大きく、屈折率が小さい層である。活性層106は、光を増幅する機能を有する。第1クラッド層104および第2クラッド層108は、活性層106を挟んで、注入キャリア(電子および正孔)並びに光を閉じ込める機能を有する。
【0033】
コンタクト層110は、第2クラッド層108上に形成されている。コンタクト層110としては、第2電極114とオーミックコンタクトする層を用いることができる。コンタクト層110は、例えば第2導電型の半導体からなる。コンタクト層110としては、例えばp型GaAs層などを用いることができる。
【0034】
絶縁部116は、利得領域160の上方以外のコンタクト層110上に形成されている。すなわち、絶縁部116は利得領域160の上方に開口を有し、該開口ではコンタクト層110の表面が露出している。絶縁部116としては、例えば、SiN層、SiO2層、ポリイミド層などを用いることができる。
【0035】
第1電極112は、基板102の下の全面に形成されている。第1電極112は、該第1電極112とオーミックコンタクトする層(図示の例では基板102)と接していることができる。第1電極112は、基板102を介して、第1クラッド層104と電気的に接続されている。第1電極112は、第1発光素子100a、第2発光素子100bを駆動するための一方の電極である。第1電極112としては、例えば、基板102側からCr層、AuGe層、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。なお、第1クラッド層104と基板102との間に、第2コンタクト層(図示せず)を設け、ドライエッチングなどにより該第2コンタクト層の第1クラッド層104側を露出させ、第1電極112を第2コンタクト層上に設けることもできる。これにより、片面電極構造を得ることができる。第2コンタクト層としては、例えばn型GaAs層などを用いることができる。
【0036】
第2電極114は、露出しているコンタクト層110上および絶縁部116上に形成されている。第2電極114は、コンタクト層110を介して、第2クラッド層108と電気的に接続されている。第2電極114は、第1発光素子100a、第2発光素子100bを駆動するための一方の電極である。第2電極114としては、例えば、コンタクト層110側からCr層、AuZn層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。第2電極114とコンタクト層110との接触面は、例えば、利得領域160と同じ平面形状を有している。図示の例では、第2電極114とコンタクト層110との接触面の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域160の平面形状が決定されることができる。
【0037】
第1発光素子100a、第2発光素子100bでは、第1電極112と第2電極114との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、活性層106の利得領域160において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。この生じた光を起点として、連鎖的に誘導放出が起こり、利得領域160内を光が進行し、その間に光強度が増幅され、第1端面162から出射光L1,L3として出射され、第2端面164から出射光L2,L4として出射されることができる(図1参照)。すなわち、第1発光素子100aは、第1端面162(第1出射面162a)から第1出射光L1を出射し、第2端面164(第2出射面164a)から第2出射光L2を出射することができる。また、第2発光素子100bは、第1端面162(第3出射面162b)から第3出射光L3を出射し、第2端面164(第4出射面164b)から第4出射光L4を出射することができる。出射光L1,L2,L3,L4は、例えば、光の屈折により、第1側面105の垂線Pに対する利得領域160の傾きよりも、さらに傾いた方向に出射されることができる。第1出射光L1および第2出射光L2は、例えば、活性層106の上面と平行な方向に進行することができる。第1出射光L1の進行方向と第2出射光L2の進行方向とは、互いに反対方向である。同様に、第3出射光L3および第4出射光L4は、例えば、活性層106の上面と平行な方向に進行することができる。第3出射光L3の進行方向と第4出射光L4の進行方向とは、互いに反対方向である。なお、第1出射光L1の進行方向と第3出射光L3の進行方向は、例えば、同じである。また、第2出射光L2の進行方向と、第4出射光L4の進行方向は、例えば、同じである。
【0038】
第1発光素子100aの第1出射面162aと第2発光素子100bの第3出射面162bは、図1〜図3に示すように、同一平面(第1平面、図示の例ではX−Z平面)内に位置している。同様に、第1発光素子100aの第2出射面164aと第2発光素子100bの第4出射面164bとは、同一平面(第2平面、図示の例ではX−Z平面)内に位置している。第1平面と第2平面とは、例えば、互いに対向する面であり、図示の例では、平行である。第1出射面162aと第3出射面162bとは、図3に示すように、第1平面において、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向(Z方向)に並ばないように配置されている。すなわち、第1出射面162aの中心と第3出射面162bの中心とは、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向に延びる同一直線上に位置していない。ここで、第1出射面162aの中心とは、例えば、第1出射面162aにおいて光強度の最も強い箇所をいうことができる。なお、他の出射面についても同様である。第1出射面162aと第3出射面162bとは、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向から見て、重ならないように配置されていてもよい。同様に、第2出射面164aと第4出射面164bとは、第2平面において、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向(Z方向)に並ばないように配置されている。すなわち、第2出射面164aの中心と第4出射面164bの中心とは、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向に延びる同一直線上に位置していない。第2出射面164aと第4出射面164bとは、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向から見て、重ならないように配置されていてもよい。
【0039】
第1出射面162aは、第1発光素子100aの活性層106の第1側面105に等間隔に複数配置されていることができる。第2出射面164aは、第1発光素子100aの活性層106の第2側面107に等間隔に複数配置されていることができる。すなわち、利得領域160は、活性層106に等間隔に配置されていることができる。これにより、発光により生じる熱が第1発光素子100aの一部に集中することを防ぐことができる。第3出射面162bは、第2発光素子100bの活性層106の第1側面105に等間隔に複数配置されていることができる。第4出射面164bは、第2発光素子100bの活性層106の第2側面107に等間隔に複数配置されていることができる。すなわち、利得領域160は、活性層106に等間隔に配置されていることができる。これにより、発光により生じる熱が第2発光素子100bの一部に集中することを防ぐことができる。
【0040】
第1ロッドインテグレーター210は、支持基板244に支持されている。第1ロッドインテグレーター210は、図2に示すように、第1入射面211と、第1屈曲部212と、第1混合光出射面213と、を有している。第1ロッドインテグレーター210は、例えば、断面が矩形をした、ガラス製の角柱状のプリズムである。また、第1ロッドインテグレーター210は、反射コーティングが施されたガラス板を、その反射面が内側となるように矩形状に組み合わせた中空ロッドであってもよい。
【0041】
第1ロッドインテグレーター210の第1入射面211には、少なくとも第1出射面162aから出射された第1出射光L1が入射する。第1入射面211に入射した第1出射光L1は、第1ロッドインテグレーター210の内面で全反射を繰り返すことによって混合されて光強度が均一化され、第1混合光出射面213から出射される。
【0042】
第1ロッドインテグレーター210は、図2に示すように、第1屈曲部212を有している。これにより、第1ロッドインテグレーター210内を伝播する光の伝播方向を変えることができる。図示の例では、第1屈曲部212は、90度屈曲している。そのため、第1入射面211の向く方向(第1入射面211の垂線方向)と、第1混合光出射面213の向く方向(第1混合光出射面213の垂線方向)とがなす角度は、90度である。したがって、第1発光素子100aの第1出射面162aから出射されて水平方向に進行する第1出射光L1は、第1ロッドインテグレーター210によって進行方向が変えられて、鉛直方向(ベース250の上面251の垂線方向)に進行する混合光M1として出射される。
【0043】
第2ロッドインテグレーター220は、支持基板244に支持されている。第2ロッドインテグレーター220は、図2に示すように、第2入射面221と、第2屈曲部222と、第2混合光出射面223と、を有している。第2ロッドインテグレーター220は、例えば、断面が矩形をした、ガラス製の角柱状のプリズムである。また、第2ロッドインテグレーター220は、反射コーティングが施されたガラス板を、その反射面が内側となるように矩形状に組み合わせた中空ロッドであってもよい。
【0044】
第2ロッドインテグレーター220の第2入射面221には、少なくとも第2出射面164aから出射された第2出射光L2が入射する。第2入射面221に入射した第2出射光L2は、第2ロッドインテグレーター220の内面で全反射を繰り返すことによって混合されて光強度が均一化され、第2混合光出射面223から出射される。
【0045】
第2ロッドインテグレーター220は、図2に示すように、第2屈曲部222を有している。これにより、第2ロッドインテグレーター220内を伝播する光の伝播方向を変えることができる。図示の例では、第2屈曲部222は、90度屈曲している。そのため、第2入射面221の向く方向(第2入射面221の垂線方向)と、第2混合光出射面223の向く方向(第2混合光出射面223の垂線方向)とがなす角度は、90度である。したがって、第1発光素子100aの第2出射面164aから出射されて水平方向に進行する第2出射光L2は、第2ロッドインテグレーター220によって進行方向が変えられて、鉛直方向(ベース250の上面251の垂線方向)に進行する混合光M2として出射される。
【0046】
第3ロッドインテグレーター230は、支持基板244に支持されている。第3ロッドインテグレーター230は、図2に示すように、第3入射面231と、第3屈曲部232と、第3混合光出射面233と、を有している。第3ロッドインテグレーター230は、例えば、断面が矩形をした、ガラス製の角柱状のプリズムである。また、第3ロッドインテグレーター230は、反射コーティングが施されたガラス板を、その反射面が内側となるように矩形状に組み合わせた中空ロッドであってもよい。
【0047】
第3ロッドインテグレーター230の第3入射面231には、少なくとも第3出射面162bから出射された第3出射光L3が入射する。第3入射面231に入射した第3出射光L3は、第3ロッドインテグレーター230の内面で全反射を繰り返すことによって混合されて光強度が均一化され、第3混合光出射面233から出射される。
【0048】
第3ロッドインテグレーター230は、図2に示すように、第3屈曲部232を有している。これにより、第3ロッドインテグレーター230内を伝播する光の伝播方向を変えることができる。図示の例では、第3屈曲部232は、90度屈曲している。そのため、第3入射面231の向く方向(第3入射面231の垂線方向)と、第3混合光出射面233の向く方向(第3混合光出射面233の垂線方向)とがなす角度は、90度である。したがって、第2発光素子100bの第3出射面162bから出射されて水平方向に進行する第3出射光L3は、第3ロッドインテグレーター230によって進行方向が変えられて、鉛直方向(ベース250の上面251の垂線方向)に進行する混合光M3として出射される。
【0049】
第4ロッドインテグレーター240は、支持基板244に支持されている。第4ロッドインテグレーター240は、図2に示すように、第4入射面241と、第4屈曲部242と、第4混合光出射面243と、を有している。第4ロッドインテグレーター240は、例えば、断面が矩形をした、ガラス製の角柱状のプリズムである。また、第4ロッドインテグレーター240は、反射コーティングが施されたガラス板を、その反射面が内側となるように矩形状に組み合わせた中空ロッドであってもよい。
【0050】
第4ロッドインテグレーター240の第4入射面241には、少なくとも第4出射面164bから出射された第4出射光L4が入射する。第4入射面241に入射した第4出射光L4は、第4ロッドインテグレーター240の内面で全反射を繰り返すことによって混合されて光強度が均一化され、第4混合光出射面243から出射される。
【0051】
第4ロッドインテグレーター240は、図2に示すように、第4屈曲部242を有している。これにより、第4ロッドインテグレーター240内を伝播する光の伝播方向を変えることができる。図示の例では、第4屈曲部242は、90度屈曲している。そのため、第4入射面241の向く方向(第4入射面241の垂線方向)と、第4混合光出射面243の向く方向(第4混合光出射面243の垂線方向)とがなす角度は、90度である。したがって、第2発光素子100bの第4出射面164bから出射されて水平方向に進行する第4出射光L4は、第4ロッドインテグレーター240によって進行方向が変えられて、鉛直方向(ベース250の上面251の垂線方向)に進行する混合光M4として出射される。
【0052】
発光装置1000では、第1出射面162aと第3出射面162bとは、図3に示すように、第1平面において、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向(Z方向)に並ばないように配置されている。したがって、図1に示すように、第1屈曲部212および第3屈曲部232を、第1出射面162aから第1屈曲部212までの第1出射光L1の光路長D1と、第3出射面162bから第3屈曲部232までの第3出射光L3の光路長D3とが等しくなるように配置することができる。同様に、第2出射面164aと第4出射面164bとは、第2平面において、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向(Z方向)に並ばないように配置されている。したがって、第2屈曲部222および第4屈曲部242を、第2出射面164aから第2屈曲部222までの第2出射光L2の光路長D2と、第4出射面164bから第4屈曲部242までの第4出射光L4の光路長D4とが、等しくなる位置に配置することができる。図示の例では、第1出射光L1の光路長D1、第2出射光L2の光路長D2、第3出射光L3の光路長D3、第4出射光L4の光路長D4は、等しい。
【0053】
支持基板244は、第1ロッドインテグレーター210,第2ロッドインテグレーター220,第3ロッドインテグレーター230,第4ロッドインテグレーター240を支持するための部材である。支持基板244は、図示の例では、2つ設けられており、一方は、第1ロッドインテグレーター210および第3ロッドインテグレーター230を支持し、他方は、第2ロッドインテグレーター220と、第4ロッドインテグレーター240を支持している。支持基板244の形状は、第1ロッドインテグレーター210,第2ロッドインテグレーター220,第3ロッドインテグレーター230,第4ロッドインテグレーター240を支持することができれば、特に限定されない。支持基板244の材質としては、ガラス、セラミックス、金属などが挙げられる。
【0054】
ベース250は、第1サブマウント260aおよび第2サブマウント260bを介して、間接的に第1発光素子100a、第2発光素子100bを支持することができる。ベース250としては、例えば、板状(直方体形状)の部材を用いることができる。ベース250には、例えば、柱部252が形成されている。柱部252は、例えば、サブマウント260a,260b,260cと接しており、サブマウント260a,260b,260cの熱を逃がすことができる。ベース250は、例えば、Cu、Al、Mo、W、Si、C、Be、Auや、これらの化合物(例えば、AlN、BeOなど)や合金(例えばCuMoなど)などからなることができる。また、これらの例示を組み合わせたもの、例えば銅(Cu)層とモリブデン(Mo)層の多層構造などから、ベース250を構成することもできる。
【0055】
第1サブマウント260aは、第1発光素子100aを支持することができる。第2サブマウント260bは、第2発光素子100bを支持することができる。第3サブマウント260cは、第2発光素子100b上に形成され、リード270を支持することができる。サブマウント260a,260b,260cは、例えば、AlN、CuW、SiC、BeO、CuMo、銅(Cu)層とモリブデン(Mo)層の多層構造(CMC)などからなることができる。
【0056】
ベース250の熱伝導率は、サブマウント260a,260b,260cの熱伝導率よりも高く、サブマウント260a,260b,260cの熱伝導率は、第1発光素子100a、第2発光素子100bの熱伝導率よりも高い。ベース250およびサブマウント260a,260b,260cの各々の熱伝導率は、例えば、140W/mK以上である。サブマウント260a,260b,260cの熱膨張率は、第1発光素子100a、第2発光素子100bの熱膨張率に近いことが望ましい。例えば、図示はしないが、サブマウント260a,260b,260cを用いず、第1発光素子100a、第2発光素子100bを直接、ベース250に実装すると、ベース250と第1発光素子100a、第2発光素子100bとの熱膨張率の差により、実装時の加熱や駆動時の発熱により反りが発生し第1発光素子100a、第2発光素子100bに応力が加わって、信頼性が低下する場合がある。このような問題に対し、本実施形態では、サブマウント260a,260b,260cを用いることにより、ベース250と第1発光素子100a、第2発光素子100bとの熱膨張率の差によって生じる応力を緩和し、信頼性を向上させることができる。また、サブマウント260a,260b,260cの各々と、柱部252を接触させることで、より放熱性を高めることができる。すなわち、柱部252は、各サブマウント260a,260b,260cを放熱させる放熱部として機能することができる。このような場合、例えば、少なくともサブマウント260a,260b,260cと接触する柱部252の表面を絶縁性の材質とすることで、電気的に短絡させないことができる。
【0057】
リード270は、第3サブマウント260c上に形成されている。リード270は、端子272と第3サブマウント260cとを電気的に接続している。発光装置1000では、例えば、ベース250がカソード端子として機能し、端子272がアノード端子として機能することができる。端子272は、図3に示すように、ベース250上に形成された端子支持部274によって支持されている。
【0058】
発光装置1000の一例として、第1発光素子100a、第2発光素子100bがInGaAlP系の場合について説明したが、第1発光素子100a、第2発光素子100bは、発光利得領域が形成可能なあらゆる材料系を用いることができる。半導体材料であれば、例えば、AlGaN系、InGaN系、GaAs系、InGaAs系、GaInNAs系、ZnCdSe系などの半導体材料を用いることができる。
【0059】
発光装置1000は、例えば、以下の特徴を有する。
発光装置1000によれば、第1屈曲部212および第3屈曲部232を、第1出射面162aから第1屈曲部212までの第1出射光L1の光路長D1と、第3出射面162bから第3屈曲部232までの第3出射光L3の光路長D3とが等しくなるように配置することができる。同様に、第2屈曲部222および第4屈曲部242を、第2出射面164aから第2屈曲部222までの第2出射光L2の光路長D2と、第4出射面164bから第4屈曲部242までの第4出射光L4の光路長D4とが、等しくなる位置に配置することができる。そのため、発光装置1000の出射光L1,L2,L3,L4の進行方向のサイズが大きくなることを抑制しつつ、高出力化を図ることができる。例えば、出射面を発光素子が積層された方向に並べて配置した発光装置1000では、各屈曲部を出射光の進行方向に対して階段状にずれた状態で配置しなければならないため、装置が出射光の進行方向に大きくなってしまう。本実施例では、このような問題を回避することができる。したがって、高出力化および小型化を図ることができる。
【0060】
第1ロッドインテグレーター210の第1混合光出射面213および第2ロッドインテグレーター220の第2混合光出射面223および第3ロッドインテグレーター230の第3混合光出射面233および第4ロッドインテグレーター240の第4混合光出射面243は、所定の領域(被照明領域)に向けて混合光M1,M2,M3,M4を出射する。ここで、出射面が光を所定の領域に向けて出射する場合とは、出射面が光を直接所定の領域に向けて進行させる場合、出射面が光学系(図示しない)を介して光を所定の領域に向けて進行させる場合と、を含むものとする。また、被照明領域は、発光装置1000をプロジェクターの光源として用いた場合、例えば、ライトバルブの入射面であることができる。第1ロッドインテグレーター210の第1混合光出射面213と第2ロッドインテグレーター220の第2混合光出射面223と第3ロッドインテグレーター230の第3混合光出射面233と第4ロッドインテグレーター240の第4混合光出射面243とは、図示の例では、同じ方向(上面251の垂直上向き)を向いている。すなわち、第1混合光出射面213から出射される混合光M1と、第2混合光出射面223から出射される混合光M2と第3混合光出射面233から出射される混合光M3と、第4混合光出射面243から出射される混合光M4とは、同じ方向に向かって進行する。なお、混合光出射面213,223,233,243の向く方向は、被照明領域に向けて出射できれば、特に限定されない。例えば、第1混合光出射面213と第2混合光出射面223と第3混合光出射面233と第4混合光出射面243とは、異なる方向を向いていてもよい。
【0061】
発光装置1000によれば、第1発光素子100a、第2発光素子100bは、SLDであることができる。そのため、利得領域160に生じる光のレーザー発振を抑制または防止することができる。したがって、スペックルノイズを低減させることができる。
【0062】
(2.発光装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る発光装置1000の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5および図6は、発光装置1000の製造工程を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、基板102上に、第1クラッド層104、活性層106、第2クラッド層108、およびコンタクト層110を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いることができる。
【0063】
図6に示すように、コンタクト層110上に、開口部を有する絶縁部116を形成する。絶縁部116は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成される。開口部は、例えば、絶縁部をフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングし、コンタクト層110が露出するように形成される。
【0064】
次に、露出したコンタクト層110および絶縁部116上に第2電極114を形成する。次に、基板102の下面下に第1電極112を形成する。第1電極112および第2電極114は、例えば、真空蒸着法により形成される。なお、第1電極112および第2電極114の形成順序は、特に限定されない。以上の工程により、第1発光素子100aを得ることができる。
【0065】
次に、図2に示すように、まず、第1サブマウント260a、第1発光素子100a、第2サブマウント260b、第2発光素子100b、第3サブマウント260cの順で、ベース250に実装する。
そして、図1および図3に示すように、端子272を形成する。端子272は、ベース250上に形成された端子支持部274上に形成される。次に、端子272と、第3サブマウント260cをリード270によって接続する。
【0066】
次に、第1ロッドインテグレーター210,第2ロッドインテグレーター220,第3ロッドインテグレーター230,第4ロッドインテグレーター240をベース250上に配置する。第1ロッドインテグレーター210,第2ロッドインテグレーター220,第3ロッドインテグレーター230,第4ロッドインテグレーター240は、出射光L1,L2,L3,L4に対する光軸調整を行いながら配置される。
以上の工程により、発光装置1000を製造することができる。
【0067】
(3.発光装置の変形例)
次に、本実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。以下、本実施形態の変形例に係る発光装置において、本実施形態に係る発光装置1000の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0068】
(1)まず、本実施形態の第1変形例に係る発光装置2000について、説明する。図7は、発光装置2000を模式的に示す断面図である。なお、図7では、便宜上、第1発光素子100a、第2発光素子100bを簡略化して示している。
【0069】
発光装置2000は、図7に示すように、第1集光レンズ200と、第2集光レンズ202と、第3集光レンズ204と、第4集光レンズ206とを含む。第1集光レンズ200は、第1出射光L1の光路上であって、第1発光素子100aと第1ロッドインテグレーター210との間に配置されている。第2集光レンズ202は、第2出射光L2の光路上であって、第1発光素子100aと第2ロッドインテグレーター220との間に配置されている。第3集光レンズ204は、第3出射光L3の光路上であって、第2発光素子100bと第3ロッドインテグレーター230との間に配置されている。第4集光レンズ206は、第4出射光L4の光路上であって、第2発光素子100bと第4ロッドインテグレーター240との間に配置されている。図示の例では、集光レンズ200,202,204,206は、ロッドインテグレーター210,220,230,240の入射面211,221,231,241に接するように配置されている。
【0070】
一般的に、SLDや半導体レーザー等の発光素子から出射される出射光は、放射角が大きい。特に、SLDや半導体レーザー等の発光素子から出射される出射光は、活性層の厚さ方向の放射角が、出射光の活性層の面内方向の放射角と比べて、大きい。図示の例では、活性層106の厚さ方向は、ベース250の上面251の垂線方向であり、活性層106の面内方向は、ベース250の上面251の面内方向である。発光装置2000では、第1出射光L1の光路上に配置された第1集光レンズ200と、第2出射光L2の光路上に配置された第2集光レンズ202と、第3出射光L3の光路上に配置された第3集光レンズ204と、第4出射光L4の光路上に配置された第4集光レンズ206とを有する。これにより、出射光の放射角を狭めることができる。したがって、ロッドインテグレーター210,220,230,240から出射される混合光M1,M2,M3,M4の放射角を狭めることができる。
【0071】
(2)次に、本実施形態の第2変形例に係る発光装置3000について、説明する。図8は、発光装置3000を模式的に示す断面図である。なお、図8では、便宜上、第1発光素子100a、第2発光素子100bを簡略化して示している。以下、第2変形例に係る発光装置において、発光装置2000の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
発光装置3000は、図8に示すように、第1集光レンズ200と、第2集光レンズ202と、第3集光レンズ204と、第4集光レンズ206と、を含む。第1集光レンズ200は、第1ロッドインテグレーター210の第1混合光出射面213から出射された混合光M1の光路上に配置されている。第2集光レンズ202は、第2ロッドインテグレーター220の第2混合光出射面223から出射された混合光M2の光路上に配置されている。第3集光レンズ204は、第3ロッドインテグレーター230の第3混合光出射面233から出射された混合光M3の光路上に配置されている。第4集光レンズ206は、第4ロッドインテグレーター240の第4混合光出射面243から出射された混合光M4の光路上に配置されている。図示の例では、集光レンズ200,202,204,206は、ロッドインテグレーター210,220,230,240の混合光出射面213,223,233,243に接するように配置されている。
【0073】
発光装置3000では、混合光M1の光路上に配置された第1集光レンズ200と、混合光M2の光路上に配置された第2集光レンズ202と、混合光M3の光路上に配置された第3集光レンズ204と、混合光M4の光路上に配置された第4集光レンズ206を有する。これにより、ロッドインテグレーター210,220,230,240から出射される混合光M1,M2,M3,M4の放射角を狭めることができる。さらに、発光装置3000では、ロッドインテグレーター210,220,230,240を通過した光を、集光レンズ200,202,204,206に入射させるため、ロッドインテグレーター210,220,230,240に入射する光の入射角を狭めることなく、混合光M1,M2,M3,M4の放射角を狭めることができる。したがって、発光装置3000では、発光装置2000の例と比べて、ロッドインテグレーター210,220,230,240において、より効率よく光強度の均一化を図ることができる。
【0074】
(3)次に、本実施形態の第3変形例に係る発光装置4000について、説明する。図9は、発光装置4000を模式的に示す断面図である。なお、図9では、便宜上、第1発光素子100a、第2発光素子100bを簡略化して示している。
【0075】
発光装置4000は、図9に示すように、第1偏光変換素子410と、第2偏光変換素子420と、第3偏光変換素子430と、第4偏光変換素子440と、を含む。第1偏光変換素子410は、第1ロッドインテグレーター210の第1混合光出射面213から出射された混合光M1の光路上に配置されている。第1偏光変換素子410には、混合光M1が入射する。第2偏光変換素子420は、第2ロッドインテグレーター220の第2混合光出射面223から出射された混合光M2の光路上に配置されている。第2偏光変換素子420には、混合光M2が入射する。第3偏光変換素子430は、第3ロッドインテグレーター230の第3混合光出射面233から出射された混合光M3の光路上に配置されている。第3偏光変換素子430には、混合光M3が入射する。第4偏光変換素子440は、第4ロッドインテグレーター240の第4混合光出射面243から出射された混合光M4の光路上に配置されている。第4偏光変換素子440には、混合光M4が入射する。図示の例では、偏光変換素子410,420,430,440には、ロッドインテグレーター210,220,230,240の混合光出射面213,223,233,243に接するように配置されている。
【0076】
第1偏光変換素子410は、第1偏光ビームスプリッター412と、第1ミラー414と、第1半波長板416と、を有している。第1偏光ビームスプリッター412は、混合光M1のP偏光成分を透過させ、混合光M1のS偏光成分を反射させることができる。第1ミラー414は、第1偏光ビームスプリッター412で反射された混合光M1のS偏光成分を再度反射させて、第1半波長板416に入射させることができる。第1半波長板416は、混合光M1のS偏光成分をP偏光成分に変換することができる。第1偏光変換素子410は、第1偏光ビームスプリッター412、第1ミラー414、および第1半波長板416を有するため、混合光M1のS偏光成分をP偏光成分に変換することができ、例えば、混合光M1をP偏光成分のみとすることができる。このように、第1偏光変換素子410は、混合光M1を偏光光P1に変換することができる。
【0077】
第2偏光変換素子420は、第2偏光ビームスプリッター422と、第2ミラー424と、第2半波長板426と、を有している。第2偏光ビームスプリッター422は、混合光M2のP偏光成分を透過させ、混合光M2のS偏光成分を反射させることができる。第2ミラー424は、第2偏光ビームスプリッター422で反射された混合光M2のS偏光成分を再度反射させて、第2半波長板426に入射させることができる。第2半波長板426は、混合光M2のS偏光成分をP偏光成分に変換することができる。第2偏光変換素子420は、第2偏光ビームスプリッター422、第2ミラー424、および第2半波長板426を有するため、混合光M2のS偏光成分をP偏光成分に変換することができ、例えば、混合光M2をP偏光成分のみとすることができる。このように、第2偏光変換素子420は、混合光M2を偏光光P2に変換することができる。
【0078】
第3偏光変換素子430は、第3偏光ビームスプリッター432と、第3ミラー434と、第3半波長板436と、を有している。第3偏光ビームスプリッター432は、混合光M3のP偏光成分を透過させ、混合光M3のS偏光成分を反射させることができる。第3ミラー434は、第3偏光ビームスプリッター432で反射された混合光M3のS偏光成分を再度反射させて、第3半波長板436に入射させることができる。第3半波長板436は、混合光M3のS偏光成分をP偏光成分に変換することができる。第3偏光変換素子430は、第3偏光ビームスプリッター432、第3ミラー434、および第3半波長板436を有するため、混合光M3のS偏光成分をP偏光成分に変換することができ、例えば、混合光M3をP偏光成分のみとすることができる。このように、第3偏光変換素子430は、混合光M3を偏光光P3に変換することができる。
【0079】
第4偏光変換素子440は、第4偏光ビームスプリッター442と、第4ミラー444と、第4半波長板446と、を有している。第4偏光ビームスプリッター442は、混合光M4のP偏光成分を透過させ、混合光M4のS偏光成分を反射させることができる。第4ミラー444は、第4偏光ビームスプリッター442で反射された混合光M4のS偏光成分を再度反射させて、第4半波長板446に入射させることができる。第4半波長板446は、混合光M4のS偏光成分をP偏光成分に変換することができる。第4偏光変換素子440は、第4偏光ビームスプリッター442、第4ミラー444、および第4半波長板446を有するため、混合光M4のS偏光成分をP偏光成分に変換することができ、例えば、混合光M4をP偏光成分のみとすることができる。このように、第4偏光変換素子440は、混合光M4を偏光光P4に変換することができる。
【0080】
発光装置4000では、第1偏光変換素子410によって混合光M1を偏光光P1に変換し、第2偏光変換素子420によって混合光M2を偏光光P2に変換し、第3偏光変換素子430によって混合光M3を偏光光P3に変換し、第4偏光変換素子440によって混合光M4を偏光光P4に変換することができる。さらに、偏光変換素子410,420,430,440によって、偏光光P1の偏光方向と偏光光P2の偏光方向と偏光光P3の偏光方向と偏光光P4の偏光方向とを、同じ偏光方向とすることができる。したがって、発光装置4000では、被照明領域に偏光光を照射することができる。
【0081】
なお、ここでは、偏光変換素子410,420,430,440が混合光M1,M2,M3,M4のS偏光成分をP偏光成分に変換する場合について説明したが、偏光変換素子410,420,430,440は、混合光M1,M2,M3,M4のP偏光成分をS偏光成分に変換してもよい。
【0082】
(4)次に、本実施形態の第4変形例に係る発光装置5000について、図面を参照しながら説明する。図10は、発光装置5000を模式的に示す断面図であり、図4に対応している。
【0083】
発光装置1000の例では、いわゆる利得導波型について説明した。これに対し、発光装置5000は、いわゆる屈折率導波型である。
すなわち、発光装置5000では、図10に示すように、コンタクト層110と、第2クラッド層108の一部とは、柱状部111を構成することができる。柱状部111の平面形状は、利得領域160と同じである。例えば、柱状部111の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域160の平面形状が決定される。なお、図示はしないが、柱状部111は、例えば、コンタクト層110、第2クラッド層108、および活性層106から構成されていてもよいし、さらに、第1クラッド層104をも含んで構成されていてもよい。また、柱状部111の側面を傾斜させることもできる。
【0084】
柱状部111の側方には、絶縁部116が設けられている。絶縁部116は、柱状部111の側面に接していることができる。電極112,114間の電流は、絶縁部116を避けて、該絶縁部116に挟まれた柱状部111を流れることができる。絶縁部116は、活性層106の屈折率よりも小さい屈折率を有することができる。これにより、平面方向(活性層106の上面と平行な方向)において、利得領域160内に効率良く光を閉じ込めることができる。
【0085】
(4.プロジェクター)
次に、本実施形態に係るプロジェクター6000について、図面を参照しながら説明する。図11は、プロジェクター6000を模式的に示す図である。なお、図11では、便宜上、プロジェクター6000を構成する筐体は省略している。図12は均一化光学系を模式的に示す図である。
【0086】
プロジェクター6000において、赤色光、緑色光、青色光を出射する赤色光源(発光装置)1000R、緑色光源(発光装置)1000G、青色光源(発光装置)1000Bは、本発明に係る発光装置である。
プロジェクター6000は、光源1000R,1000G,1000Bから出射された光をそれぞれ画像情報に応じて変調する透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)604R,604G,604Bと、液晶ライトバルブ604R,604G,604Bによって形成された像を拡大してスクリーン(表示面)610に投射する投射レンズ(投射装置)608と、を備えている。また、プロジェクター6000は、液晶ライトバルブ604R,604G,604Bから出射された光を合成して投射レンズ608に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)606を備えていることができる。
【0087】
さらに、プロジェクター6000は、光源1000R,1000G,1000Bから出射された光の照度分布を均一化させるため、各光源1000R,1000G,1000Bよりも光路下流側に、均一化光学系602R,602G,602Bを設けており、これらによって照度分布が均一化された光によって、液晶ライトバルブ604R,604G,604Bを照明している。均一化光学系602R,602G,602Bは、例えば、ホログラム602aおよびフィールドレンズ602bによって構成される。
または図12に示す様な均一光学系(照明装置)でも構成可能である。均一化光学系6100は、光源1000の第1ロッドインテグレーター210から出射する混合光は集光レンズ(第1レンズ)611によって重畳レンズ(第5レンズ)650上で集光され、重畳レンズ650通過後は発散される。第2ロッドインテグレーター220から出射する混合光は集光レンズ(第2レンズ)621によって重畳レンズ650上で集光され、重畳レンズ650通過後は発散される。第3ロッドインテグレーター230から出射する混合光は集光レンズ(第3レンズ)631によって重畳レンズ650上で集光され重畳レンズ650を通過後は発散される。第4ロッドインテグレーター240から出射する混合光は集光レンズ(第4レンズ)641によって重畳レンズ650上で集光され重畳レンズ650通過後は発散される。重畳レンズ650を通過したそれぞれの混合光は、フィールドレンズ(第6レンズ)660に集められ、液晶ライトバルブ604を照射する。
【0088】
各液晶ライトバルブ604R,604G,604Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム606に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は投射光学系である投射レンズ608によりスクリーン610上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0089】
プロジェクター6000によれば、上述のように、高出力かつ小型化された発光装置1000を光源として用いることができる。そのため、プロジェクター6000は、高出力化および小型化を図ることができる。
なお、上述の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0090】
また、発光装置1000を、発光装置1000からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクター)の光源装置にも適用することが可能である。
なお、上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0091】
100a…第1発光素子、100b…第2発光素子、102…基板、104…第1クラッド層、105…第1側面、106…活性層、107…第2側面、108…第2クラッド層、110…コンタクト層、111…柱状部、112…第1電極、114…第2電極、160…利得領域、162…第1端面、162a…第1出射面、162b…第3出射面、164…第2端面、164a…第2出射面、164b…第4出射面、200…第1集光レンズ、202…第2集光レンズ、204…第3集光レンズ、206…第4集光レンズ、210…第1ロッドインテグレーター、211…第1入射面、212…第1屈曲部、213…第1混合光出射面、220…第2ロッドインテグレーター、221…第2入射面、222…第2屈曲部、223…第2混合光出射面、230…第3ロッドインテグレーター、231…第3入射面、232…第3屈曲部、233…第3混合光出射面、240…第4ロッドインテグレーター、241…第4入射面、242…第4屈曲部、243…第4混合光出射面、244…支持基板、250…ベース、251…上面、252…柱部、260a…第1サブマウント、260b…第2サブマウント、260c…第3サブマウント、270…リード、272…端子、274…端子支持部、410…第1偏光変換素子、412…第1偏光ビームスプリッター、414…第1ミラー、416…第1半波長板、420…第2偏光変換素子、422…第2偏光ビームスプリッター、424…第2ミラー、426…第2半波長板、602…均一化光学系、602a…ホログラム、602b…フィールドレンズ、604…液晶ライトバルブ、606…クロスダイクロイックプリズム、608…投射レンズ、610…スクリーン、1000,2000,3000,4000,5000…発光装置、6000…プロジェクター、6100…均一化光学系(照明装置)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、照明装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクターやディスプレイなどの表示装置の光源用の発光装置として、高輝度で色再現性に優れたレーザー素子を有する発光装置が期待されている。このような光源用の発光装置では、明るい画像を表示するために、高出力化が望まれている。高出力化を図る方法として、半導体レーザーアレイからなる発光素子をスタック状に積層した発光装置が提案されている。この発光装置では、スタック状に積層された発光素子から出射された出射光を、各光反射面が階段状にずれた状態となるように形成された反射部材によって反射させて、集光レンズに入射させている。
一方、チップの両端面から光を出射する発光素子を有する発光装置の場合、例えば、両端面からの光を同じ方向に向けるためにミラーを用いる場合がある。このような光の進行方向を変えるミラーを用いた発光装置の例として、例えば特許文献1には、両端面から水平方向に光を出射する発光素子の支持部材に、水平方向に対して45度傾斜した2つの反射面を設けて、両端面からの光を同じ方向に向ける構成が開示されている。すなわち、特許文献1の例では、支持部材に設けられた2つの反射面が光の進行方向を変えるミラーとして機能している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−246407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発光装置の高出力化を図るために、チップの両端面の各々に複数の出射面を設けることがある。両端面に複数の出射面を有する発光素子について、各出射面から出射された光を同じ方向に向けるために、特許文献1に記載の45度傾斜した反射面を用いた場合、発光素子と光学素子の位置あわせずれにより光の強度がばらつき、被照明領域における光強度が不均一になってしまうという問題があった。
【0005】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、高出力化および小型化を図ることができる発光装置を提供することにある。また本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記発光装置を有する照明装置およびプロジェクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る発光装置は、第1出射光を出射する第1出射面と、前記第1出射光とは反対方向に向かって進行する第2出射光を出射する第2出射面と、を有する第1発光素子と、前記第1出射光と同じ方向に向かって進行する第3出射光を出射する第3出射面と、前記第3出射光とは反対方向に向かって進行する第4出射光を出射する第4出射面と、を有する第2発光素子と、前記第1出射光が入射する第1入射面と、前記第1出射光の伝播方向を変える第1屈曲部と、前記第1出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第1混合光出射面と、を有する第1ロッドインテグレーターと、前記第2出射光が入射する第2入射面と、前記第2出射光の伝播方向を変える第2屈曲部と、前記第2出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第2混合光出射面と、を有する第2ロッドインテグレーターと、前記第3出射光が入射する第3入射面と、前記第3出射光の伝播方向を変える第3屈曲部と、前記第3出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第3混合光出射面と、を有する第3ロッドインテグレーターと、前記第4出射光が入射する第4入射面と、前記第4出射光の伝播方向を変える第4屈曲部と、前記第4出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第4混合光出射面と、を有する第4ロッドインテグレーターと、を備え、前記第1発光素子は前記第1ロッドインテグレーターと前記第2ロッドインテグレーターとの間に配置され、前記第2発光素子は前記第3ロッドインテグレーターと前記第4ロッドインテグレーターとの間に配置され、前記第1発光素子と前記第2発光素子は、第1方向に積層され、前記第1出射面と前記第3出射面は、第1平面内にあり、前記第2出射面と前記第4出射面は、第2平面内にあり、前記第1出射面と前記第3出射面とは、前記第1平面において、前記第1方向に並ばないように配置され、前記第2出射面と前記第4出射面とは、前記第2平面において、前記第1方向に並ばないように配置され、第1反射面および第3反射面は、前記第1出射面から前記第1反射面までの前記第1出射光の光路長と、前記第3出射面から前記第3反射面までの前記第3出射光の光路長とが、等しくなる位置に配置され、第2反射面および第4反射面は、前記第2出射面から前記第2反射面までの前記第2出射光の光路長と、前記第4出射面から前記第4反射面までの前記第4出射光の光路長とが、等しくなる位置に配置され、前記第1反射面で反射された前記第1出射光の進行方向、前記第2反射面で反射された前記第2出射光の進行方向、前記第3反射面で反射された前記第3出射光の進行方向、および前記第4反射面で反射された前記第4出射光の進行方向は、同じである、ことを特徴とする。
【0008】
このような発光装置によれば、第1出射面から第1ロッドインテグレーターの第1屈曲部までの光路長と、第3出射面から第3ロッドインテグレーターの第3屈曲部での光路長とが、等しくなる位置に配置することができる。さらに、第2出射面から前記第2ロッドインテグレーターの第2屈曲部までの光路長と、第4出射面から第4ロッドインテグレーターの第4屈曲部での光路長とが、等しくなる位置に配置することができる。そのため、発光装置の前記第1から第4出射光の進行方向のサイズが大きくなることを抑制しつつ、高出力化を図ることができる。
さらに、ロッドインテグレーターを用いているため、被照明領域における光強度を均一化するための他の光学系を用いた場合と比べて、高精度な調芯が不要となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に係る発光装置において、前記第1出射光の光路上に設けられた、前記第1出射光を集光する第1集光レンズと、前記第2出射光の光路上に設けられた、前記第2出射光を集光する第2集光レンズと、前記第3出射光の光路上に設けられた、前記第3出射光を集光する第3集光レンズと、前記第4出射光の光路上に設けられた、前記第4出射光を集光する第4集光レンズと、を含むことが望ましい。
【0010】
このような発光装置によれば、第1ロッドインテグレーターに入射する光の放射角を狭めることができるため、第1ロッドインテグレーターから出射される光の放射角を狭めることができる。同様に、第2ロッドインテグレーターに入射する光の放射角を狭めることができるため、第2ロッドインテグレーターから出射される光の放射角を狭めることができる。同様に、第3ロッドインテグレーターに入射する光の放射角を狭めることができるため、第3ロッドインテグレーターから出射される光の放射角を狭めることができる。同様に、第4ロッドインテグレーターに入射する光の放射角を狭めることができるため、第4ロッドインテグレーターから出射される光の放射角を狭めることができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に係る発光装置において、前記第1混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第1集光レンズと、前記第2混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第2集光レンズと前記第3混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第3集光レンズと、前記第4混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第4集光レンズと、を含むことが望ましい。
【0012】
このような発光装置によれば、第1ロッドインテグレーターから出射される光の放射角と、第2ロッドインテグレーターから出射される光の放射角と、第3ロッドインテグレーターから出射される光の放射角と、第4ロッドインテグレーターから出射される光の放射角とを狭めることができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に係る発光装置において、前記第1出射面は、等間隔に複数配置され、前記第2出射面は、等間隔に複数配置され、前記第3出射面は、等間隔に複数配置され、前記第4出射面は、等間隔に複数配置されていることが望ましい。
【0014】
このような発光装置によれば、発光により生じる熱が発光素子の一部に集中することを防ぐことができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に係る発光装置において、前記第1混合光出射面から出射された光を第1偏光光に変換し、前記第3混合光出射面から出射された光を第3偏光光に変換する第1偏光変換素子と、前記第2混合光出射面から出射された光を第2偏光光に変換し、前記第4混合光出射面から出射された光を第4偏光光に変換する第2偏光変換素子と、をさらに含み、前記第1偏光光の偏光方向と前記第2偏光光の偏光方向と前記第3偏光光の偏光方向と前記第4偏光光の偏光方向とは、同じ方向であることが望ましい。
【0016】
このような発光装置によれば、被照明領域に偏光光を照射することができる。
【0017】
[適用例6]上記適用例に係る発光装置において、前記第1発光素子および前記第2発光素子は、スーパールミネッセントダイオードであることが望ましい。
【0018】
このような発光装置によれば、端面反射による共振器の形成を抑えることにより、レーザー発振を防止することができるため、スペックルノイズを低減させることができる。
【0019】
[適用例7]上記適用例に係る発光装置において、前記第1混合光出射面と前記第2混合光出射面と前記第3混合光出射面と前記第4混合光出射面とは、同じ方向に向いて配置されている、ことが望ましい。
【0020】
このような発光装置によれば、第1ロッドインテグレーターから出射される光と第2ロッドインテグレーターから出射される光と第3ロッドインテグレーターから出射される光と第4ロッドインテグレーターから出射される光とを、同じ方向に進行させることができる。
【0021】
[適用例8]本適用例に係る照明装置は、上記発光装置の前記第1ロッドインテグレーターの前記第1混合光出射面から出射された光を発散させる第1レンズと、前記発光装置の前記第2ロッドインテグレーターの前記第2混合光出射面から出射された光を発散させる第2レンズと、前記発光装置の前記第3ロッドインテグレーターの前記第3混合光出射面から出射された光を発散させる第3レンズと、前記発光装置の前記第4ロッドインテグレーターの前記第4混合光出射面から出射された光を発散させる第4レンズと、前記第1レンズから出射された光と前記第2レンズから出射された光と前記第3レンズから出射された光と前記第4レンズから出射された光とを重畳させる第5レンズと、前記第5レンズによって重畳された光を集光する第6レンズと、を含むことを特徴とする。
【0022】
このような照明装置によれば、本発明に係る発光装置を有しているため、被照明領域における光強度の均一化を図ることができる。さらに、第5レンズによって、2つの出射面から出射された光を重畳させることができるため、より被照明領域における光強度の均一化を図ることができる。
【0023】
[適用例9]本適用例に係るプロジェクターは、上記照明装置と、前記照明装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、を含むことを特徴とする。
【0024】
このようなプロジェクターによれば、本発明に係る照明装置を有しているため、照度むらの少ない画像を投射することができ、かつ高出力化および小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図2】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図3】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図4】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図5】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図6】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図7】本実施形態の第1変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図8】本実施形態の第2変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図9】本実施形態の第3変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図10】本実施形態の第4変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図11】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【図12】本実施形態に係る均一化光学系(照明装置)を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(1.発光装置)
まず、本実施形態に係る発光装置1000について、図面を参照しながら説明する。図1は、発光装置1000を模式的に示す平面図である。図2は、発光装置1000を模式的に示す図1のII−II線断面図である。図3は、発光装置1000を模式的に示す図1のIII−III線断面図である。図4は、発光装置1000を模式的に示す図1のIV−IV線断面図である。なお、図2および図3では、便宜上、第1発光素子100a、第2発光素子100bを簡略化して図示している。
【0027】
発光装置1000は、図1〜図4に示すように、第1発光素子100aと、第2発光素子100bと、第1屈曲部212を有する第1ロッドインテグレーター210と、第2屈曲部222を有する第2ロッドインテグレーター220と、第3屈曲部232を有する第3ロッドインテグレーター230と、第4屈曲部242を有する第4ロッドインテグレーター240と、を含む。発光装置1000は、さらにベース250と、第1サブマウント260aと、第2サブマウント260bと、第3サブマウント260cと、を含むことができる。なお、ここでは、第1発光素子100a、第2発光素子100bがInGaAlP系(赤色)のスーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode、以下「SLD」ともいう)である場合について説明する。SLDは、半導体レーザーと異なり、端面反射による共振器の形成を抑えることにより、レーザー発振を防止することができる。そのため、スペックルノイズを低減させることができる。
【0028】
第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、図2〜図4に示すように、Z方向(第1方向)に積層されている。つまり、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bからの光が出射する方向と交差する方向に積層されている。
図示の例では、ベース250の上方に、第1サブマウント260a、第1発光素子100a、第2サブマウント260b、第2発光素子100b、第3サブマウント260cの順で積層されている。第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、サブマウント260a,260b,260cを介して、ベース250に実装されている。例えば、ベース250とリード270に異なる電位を与えることにより、導電性のサブマウント260a,260b,260cを介して、発光素子100a,100bに電圧を印加することができる。図示はしないが、例えば、サブマウント260a,260b,260cに貫通電極を設けることで、ベース250および第1発光素子100a、第2発光素子100bを電気的に接続してもよい。図示の例では、発光装置1000は、発光素子を2つ(第1発光素子100aおよび第2発光素子100b)有しているが、その数は限定されない。発光装置1000は、複数(2つ)の発光素子を有することにより、高出力化を図ることができる。発光装置1000は、例えば、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bに加えて、他の発光素子を単数または複数有してもよい。これにより、発光装置1000をより高出力化することができる。第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、図4に示すように、第1クラッド層104と、活性層106と、第2クラッド層108と、を有する。第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、さらに、例えば、基板102と、コンタクト層110と、第1電極112と、第2電極114と、絶縁部116と、を有することができる。
基板102としては、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaAs基板などを用いることができる。
【0029】
第1クラッド層104は、基板102上に形成されている。第1クラッド層104としては、例えば、n型のAlGaInP層などを用いることができる。なお、図示はしないが、基板102と第1クラッド層104との間に、バッファー層が形成されていてもよい。バッファー層としては、例えば、n型のGaAs層、InGaP層などを用いることができる。
【0030】
活性層106は、第1クラッド層104上に形成されている。活性層106は、第1クラッド層104と第2クラッド層108とに挟まれている。活性層106は、例えば、InGaPウェル層とInGaAlPバリア層とから構成される量子井戸構造を3つ重ねた多重量子井戸(MQW)構造を有する。
活性層106の形状は、例えば直方体(立方体である場合を含む)などである。活性層106は第1側面105および第2側面107を有する(図1参照)。第1側面105と第2側面107とは、互いに対向しており、例えば平行である。第1クラッド層104と第2クラッド層108とで挟まれた活性層106は、例えば、積層構造体を構成している。第1側面105および第2側面107は、活性層106の面のうち第1クラッド層104または第2クラッド層108に接していない面であり、積層構造体において、露出している面ともいえる。積層構造体は、さらに、基板102と、コンタクト層110と、を有していてもよい。
【0031】
活性層106の一部の領域は、活性層106の電流経路となる利得領域160を構成している。利得領域160には、光を生じさせることができ、この光は、利得領域160内で利得を受けることができる。利得領域160の平面形状は、例えば、平行四辺形である。利得領域160は、図1に示すように、活性層106の積層方向から平面視して(Z方向から見て)、第1側面105から第2側面107まで、第1側面105の垂線Pに対して傾いた方向に向かって設けられている。これにより、利得領域160に生じる光のレーザー発振を抑制または防止することができる。なお、利得領域160が、ある方向に向かって設けられている場合とは、当該方向が、平面的に見て、利得領域160の第1側面105側の第1端面162の中心と、第2側面107側の第2端面164の中心とを結ぶ方向に一致する場合をいう。図示の例では、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bの各々は、利得領域160を3つ有しているが、その数は限定されない。第1発光素子100a、第2発光素子100bは、複数の利得領域160を有することで、高出力化を図ることができる。
なお、図示はしないが、利得領域160は、第1側面105側の第1端面162から第2側面107側の第2端面164まで、直線状に、第1側面105の垂線Pと平行となる方向に向かって設けられていてもよい。この場合には、共振器が構成され、レーザー光を発することができる。すなわち、第1発光素子100aおよび第2発光素子100bは、例えば、半導体レーザーであってもよい。
【0032】
第2クラッド層108は、図4に示すように、活性層106上に形成されている。第2クラッド層108としては、例えば、第2導電型(例えばp型)のAlGaInP層などを用いることができる。
例えば、p型の第2クラッド層108、不純物がドーピングされていない活性層106、およびn型の第1クラッド層104により、pinダイオードが構成される。第1クラッド層104および第2クラッド層108の各々は、活性層106よりも禁制帯幅が大きく、屈折率が小さい層である。活性層106は、光を増幅する機能を有する。第1クラッド層104および第2クラッド層108は、活性層106を挟んで、注入キャリア(電子および正孔)並びに光を閉じ込める機能を有する。
【0033】
コンタクト層110は、第2クラッド層108上に形成されている。コンタクト層110としては、第2電極114とオーミックコンタクトする層を用いることができる。コンタクト層110は、例えば第2導電型の半導体からなる。コンタクト層110としては、例えばp型GaAs層などを用いることができる。
【0034】
絶縁部116は、利得領域160の上方以外のコンタクト層110上に形成されている。すなわち、絶縁部116は利得領域160の上方に開口を有し、該開口ではコンタクト層110の表面が露出している。絶縁部116としては、例えば、SiN層、SiO2層、ポリイミド層などを用いることができる。
【0035】
第1電極112は、基板102の下の全面に形成されている。第1電極112は、該第1電極112とオーミックコンタクトする層(図示の例では基板102)と接していることができる。第1電極112は、基板102を介して、第1クラッド層104と電気的に接続されている。第1電極112は、第1発光素子100a、第2発光素子100bを駆動するための一方の電極である。第1電極112としては、例えば、基板102側からCr層、AuGe層、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。なお、第1クラッド層104と基板102との間に、第2コンタクト層(図示せず)を設け、ドライエッチングなどにより該第2コンタクト層の第1クラッド層104側を露出させ、第1電極112を第2コンタクト層上に設けることもできる。これにより、片面電極構造を得ることができる。第2コンタクト層としては、例えばn型GaAs層などを用いることができる。
【0036】
第2電極114は、露出しているコンタクト層110上および絶縁部116上に形成されている。第2電極114は、コンタクト層110を介して、第2クラッド層108と電気的に接続されている。第2電極114は、第1発光素子100a、第2発光素子100bを駆動するための一方の電極である。第2電極114としては、例えば、コンタクト層110側からCr層、AuZn層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。第2電極114とコンタクト層110との接触面は、例えば、利得領域160と同じ平面形状を有している。図示の例では、第2電極114とコンタクト層110との接触面の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域160の平面形状が決定されることができる。
【0037】
第1発光素子100a、第2発光素子100bでは、第1電極112と第2電極114との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、活性層106の利得領域160において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。この生じた光を起点として、連鎖的に誘導放出が起こり、利得領域160内を光が進行し、その間に光強度が増幅され、第1端面162から出射光L1,L3として出射され、第2端面164から出射光L2,L4として出射されることができる(図1参照)。すなわち、第1発光素子100aは、第1端面162(第1出射面162a)から第1出射光L1を出射し、第2端面164(第2出射面164a)から第2出射光L2を出射することができる。また、第2発光素子100bは、第1端面162(第3出射面162b)から第3出射光L3を出射し、第2端面164(第4出射面164b)から第4出射光L4を出射することができる。出射光L1,L2,L3,L4は、例えば、光の屈折により、第1側面105の垂線Pに対する利得領域160の傾きよりも、さらに傾いた方向に出射されることができる。第1出射光L1および第2出射光L2は、例えば、活性層106の上面と平行な方向に進行することができる。第1出射光L1の進行方向と第2出射光L2の進行方向とは、互いに反対方向である。同様に、第3出射光L3および第4出射光L4は、例えば、活性層106の上面と平行な方向に進行することができる。第3出射光L3の進行方向と第4出射光L4の進行方向とは、互いに反対方向である。なお、第1出射光L1の進行方向と第3出射光L3の進行方向は、例えば、同じである。また、第2出射光L2の進行方向と、第4出射光L4の進行方向は、例えば、同じである。
【0038】
第1発光素子100aの第1出射面162aと第2発光素子100bの第3出射面162bは、図1〜図3に示すように、同一平面(第1平面、図示の例ではX−Z平面)内に位置している。同様に、第1発光素子100aの第2出射面164aと第2発光素子100bの第4出射面164bとは、同一平面(第2平面、図示の例ではX−Z平面)内に位置している。第1平面と第2平面とは、例えば、互いに対向する面であり、図示の例では、平行である。第1出射面162aと第3出射面162bとは、図3に示すように、第1平面において、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向(Z方向)に並ばないように配置されている。すなわち、第1出射面162aの中心と第3出射面162bの中心とは、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向に延びる同一直線上に位置していない。ここで、第1出射面162aの中心とは、例えば、第1出射面162aにおいて光強度の最も強い箇所をいうことができる。なお、他の出射面についても同様である。第1出射面162aと第3出射面162bとは、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向から見て、重ならないように配置されていてもよい。同様に、第2出射面164aと第4出射面164bとは、第2平面において、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向(Z方向)に並ばないように配置されている。すなわち、第2出射面164aの中心と第4出射面164bの中心とは、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向に延びる同一直線上に位置していない。第2出射面164aと第4出射面164bとは、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向から見て、重ならないように配置されていてもよい。
【0039】
第1出射面162aは、第1発光素子100aの活性層106の第1側面105に等間隔に複数配置されていることができる。第2出射面164aは、第1発光素子100aの活性層106の第2側面107に等間隔に複数配置されていることができる。すなわち、利得領域160は、活性層106に等間隔に配置されていることができる。これにより、発光により生じる熱が第1発光素子100aの一部に集中することを防ぐことができる。第3出射面162bは、第2発光素子100bの活性層106の第1側面105に等間隔に複数配置されていることができる。第4出射面164bは、第2発光素子100bの活性層106の第2側面107に等間隔に複数配置されていることができる。すなわち、利得領域160は、活性層106に等間隔に配置されていることができる。これにより、発光により生じる熱が第2発光素子100bの一部に集中することを防ぐことができる。
【0040】
第1ロッドインテグレーター210は、支持基板244に支持されている。第1ロッドインテグレーター210は、図2に示すように、第1入射面211と、第1屈曲部212と、第1混合光出射面213と、を有している。第1ロッドインテグレーター210は、例えば、断面が矩形をした、ガラス製の角柱状のプリズムである。また、第1ロッドインテグレーター210は、反射コーティングが施されたガラス板を、その反射面が内側となるように矩形状に組み合わせた中空ロッドであってもよい。
【0041】
第1ロッドインテグレーター210の第1入射面211には、少なくとも第1出射面162aから出射された第1出射光L1が入射する。第1入射面211に入射した第1出射光L1は、第1ロッドインテグレーター210の内面で全反射を繰り返すことによって混合されて光強度が均一化され、第1混合光出射面213から出射される。
【0042】
第1ロッドインテグレーター210は、図2に示すように、第1屈曲部212を有している。これにより、第1ロッドインテグレーター210内を伝播する光の伝播方向を変えることができる。図示の例では、第1屈曲部212は、90度屈曲している。そのため、第1入射面211の向く方向(第1入射面211の垂線方向)と、第1混合光出射面213の向く方向(第1混合光出射面213の垂線方向)とがなす角度は、90度である。したがって、第1発光素子100aの第1出射面162aから出射されて水平方向に進行する第1出射光L1は、第1ロッドインテグレーター210によって進行方向が変えられて、鉛直方向(ベース250の上面251の垂線方向)に進行する混合光M1として出射される。
【0043】
第2ロッドインテグレーター220は、支持基板244に支持されている。第2ロッドインテグレーター220は、図2に示すように、第2入射面221と、第2屈曲部222と、第2混合光出射面223と、を有している。第2ロッドインテグレーター220は、例えば、断面が矩形をした、ガラス製の角柱状のプリズムである。また、第2ロッドインテグレーター220は、反射コーティングが施されたガラス板を、その反射面が内側となるように矩形状に組み合わせた中空ロッドであってもよい。
【0044】
第2ロッドインテグレーター220の第2入射面221には、少なくとも第2出射面164aから出射された第2出射光L2が入射する。第2入射面221に入射した第2出射光L2は、第2ロッドインテグレーター220の内面で全反射を繰り返すことによって混合されて光強度が均一化され、第2混合光出射面223から出射される。
【0045】
第2ロッドインテグレーター220は、図2に示すように、第2屈曲部222を有している。これにより、第2ロッドインテグレーター220内を伝播する光の伝播方向を変えることができる。図示の例では、第2屈曲部222は、90度屈曲している。そのため、第2入射面221の向く方向(第2入射面221の垂線方向)と、第2混合光出射面223の向く方向(第2混合光出射面223の垂線方向)とがなす角度は、90度である。したがって、第1発光素子100aの第2出射面164aから出射されて水平方向に進行する第2出射光L2は、第2ロッドインテグレーター220によって進行方向が変えられて、鉛直方向(ベース250の上面251の垂線方向)に進行する混合光M2として出射される。
【0046】
第3ロッドインテグレーター230は、支持基板244に支持されている。第3ロッドインテグレーター230は、図2に示すように、第3入射面231と、第3屈曲部232と、第3混合光出射面233と、を有している。第3ロッドインテグレーター230は、例えば、断面が矩形をした、ガラス製の角柱状のプリズムである。また、第3ロッドインテグレーター230は、反射コーティングが施されたガラス板を、その反射面が内側となるように矩形状に組み合わせた中空ロッドであってもよい。
【0047】
第3ロッドインテグレーター230の第3入射面231には、少なくとも第3出射面162bから出射された第3出射光L3が入射する。第3入射面231に入射した第3出射光L3は、第3ロッドインテグレーター230の内面で全反射を繰り返すことによって混合されて光強度が均一化され、第3混合光出射面233から出射される。
【0048】
第3ロッドインテグレーター230は、図2に示すように、第3屈曲部232を有している。これにより、第3ロッドインテグレーター230内を伝播する光の伝播方向を変えることができる。図示の例では、第3屈曲部232は、90度屈曲している。そのため、第3入射面231の向く方向(第3入射面231の垂線方向)と、第3混合光出射面233の向く方向(第3混合光出射面233の垂線方向)とがなす角度は、90度である。したがって、第2発光素子100bの第3出射面162bから出射されて水平方向に進行する第3出射光L3は、第3ロッドインテグレーター230によって進行方向が変えられて、鉛直方向(ベース250の上面251の垂線方向)に進行する混合光M3として出射される。
【0049】
第4ロッドインテグレーター240は、支持基板244に支持されている。第4ロッドインテグレーター240は、図2に示すように、第4入射面241と、第4屈曲部242と、第4混合光出射面243と、を有している。第4ロッドインテグレーター240は、例えば、断面が矩形をした、ガラス製の角柱状のプリズムである。また、第4ロッドインテグレーター240は、反射コーティングが施されたガラス板を、その反射面が内側となるように矩形状に組み合わせた中空ロッドであってもよい。
【0050】
第4ロッドインテグレーター240の第4入射面241には、少なくとも第4出射面164bから出射された第4出射光L4が入射する。第4入射面241に入射した第4出射光L4は、第4ロッドインテグレーター240の内面で全反射を繰り返すことによって混合されて光強度が均一化され、第4混合光出射面243から出射される。
【0051】
第4ロッドインテグレーター240は、図2に示すように、第4屈曲部242を有している。これにより、第4ロッドインテグレーター240内を伝播する光の伝播方向を変えることができる。図示の例では、第4屈曲部242は、90度屈曲している。そのため、第4入射面241の向く方向(第4入射面241の垂線方向)と、第4混合光出射面243の向く方向(第4混合光出射面243の垂線方向)とがなす角度は、90度である。したがって、第2発光素子100bの第4出射面164bから出射されて水平方向に進行する第4出射光L4は、第4ロッドインテグレーター240によって進行方向が変えられて、鉛直方向(ベース250の上面251の垂線方向)に進行する混合光M4として出射される。
【0052】
発光装置1000では、第1出射面162aと第3出射面162bとは、図3に示すように、第1平面において、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向(Z方向)に並ばないように配置されている。したがって、図1に示すように、第1屈曲部212および第3屈曲部232を、第1出射面162aから第1屈曲部212までの第1出射光L1の光路長D1と、第3出射面162bから第3屈曲部232までの第3出射光L3の光路長D3とが等しくなるように配置することができる。同様に、第2出射面164aと第4出射面164bとは、第2平面において、第1発光素子100a、第2発光素子100bが積層された方向(Z方向)に並ばないように配置されている。したがって、第2屈曲部222および第4屈曲部242を、第2出射面164aから第2屈曲部222までの第2出射光L2の光路長D2と、第4出射面164bから第4屈曲部242までの第4出射光L4の光路長D4とが、等しくなる位置に配置することができる。図示の例では、第1出射光L1の光路長D1、第2出射光L2の光路長D2、第3出射光L3の光路長D3、第4出射光L4の光路長D4は、等しい。
【0053】
支持基板244は、第1ロッドインテグレーター210,第2ロッドインテグレーター220,第3ロッドインテグレーター230,第4ロッドインテグレーター240を支持するための部材である。支持基板244は、図示の例では、2つ設けられており、一方は、第1ロッドインテグレーター210および第3ロッドインテグレーター230を支持し、他方は、第2ロッドインテグレーター220と、第4ロッドインテグレーター240を支持している。支持基板244の形状は、第1ロッドインテグレーター210,第2ロッドインテグレーター220,第3ロッドインテグレーター230,第4ロッドインテグレーター240を支持することができれば、特に限定されない。支持基板244の材質としては、ガラス、セラミックス、金属などが挙げられる。
【0054】
ベース250は、第1サブマウント260aおよび第2サブマウント260bを介して、間接的に第1発光素子100a、第2発光素子100bを支持することができる。ベース250としては、例えば、板状(直方体形状)の部材を用いることができる。ベース250には、例えば、柱部252が形成されている。柱部252は、例えば、サブマウント260a,260b,260cと接しており、サブマウント260a,260b,260cの熱を逃がすことができる。ベース250は、例えば、Cu、Al、Mo、W、Si、C、Be、Auや、これらの化合物(例えば、AlN、BeOなど)や合金(例えばCuMoなど)などからなることができる。また、これらの例示を組み合わせたもの、例えば銅(Cu)層とモリブデン(Mo)層の多層構造などから、ベース250を構成することもできる。
【0055】
第1サブマウント260aは、第1発光素子100aを支持することができる。第2サブマウント260bは、第2発光素子100bを支持することができる。第3サブマウント260cは、第2発光素子100b上に形成され、リード270を支持することができる。サブマウント260a,260b,260cは、例えば、AlN、CuW、SiC、BeO、CuMo、銅(Cu)層とモリブデン(Mo)層の多層構造(CMC)などからなることができる。
【0056】
ベース250の熱伝導率は、サブマウント260a,260b,260cの熱伝導率よりも高く、サブマウント260a,260b,260cの熱伝導率は、第1発光素子100a、第2発光素子100bの熱伝導率よりも高い。ベース250およびサブマウント260a,260b,260cの各々の熱伝導率は、例えば、140W/mK以上である。サブマウント260a,260b,260cの熱膨張率は、第1発光素子100a、第2発光素子100bの熱膨張率に近いことが望ましい。例えば、図示はしないが、サブマウント260a,260b,260cを用いず、第1発光素子100a、第2発光素子100bを直接、ベース250に実装すると、ベース250と第1発光素子100a、第2発光素子100bとの熱膨張率の差により、実装時の加熱や駆動時の発熱により反りが発生し第1発光素子100a、第2発光素子100bに応力が加わって、信頼性が低下する場合がある。このような問題に対し、本実施形態では、サブマウント260a,260b,260cを用いることにより、ベース250と第1発光素子100a、第2発光素子100bとの熱膨張率の差によって生じる応力を緩和し、信頼性を向上させることができる。また、サブマウント260a,260b,260cの各々と、柱部252を接触させることで、より放熱性を高めることができる。すなわち、柱部252は、各サブマウント260a,260b,260cを放熱させる放熱部として機能することができる。このような場合、例えば、少なくともサブマウント260a,260b,260cと接触する柱部252の表面を絶縁性の材質とすることで、電気的に短絡させないことができる。
【0057】
リード270は、第3サブマウント260c上に形成されている。リード270は、端子272と第3サブマウント260cとを電気的に接続している。発光装置1000では、例えば、ベース250がカソード端子として機能し、端子272がアノード端子として機能することができる。端子272は、図3に示すように、ベース250上に形成された端子支持部274によって支持されている。
【0058】
発光装置1000の一例として、第1発光素子100a、第2発光素子100bがInGaAlP系の場合について説明したが、第1発光素子100a、第2発光素子100bは、発光利得領域が形成可能なあらゆる材料系を用いることができる。半導体材料であれば、例えば、AlGaN系、InGaN系、GaAs系、InGaAs系、GaInNAs系、ZnCdSe系などの半導体材料を用いることができる。
【0059】
発光装置1000は、例えば、以下の特徴を有する。
発光装置1000によれば、第1屈曲部212および第3屈曲部232を、第1出射面162aから第1屈曲部212までの第1出射光L1の光路長D1と、第3出射面162bから第3屈曲部232までの第3出射光L3の光路長D3とが等しくなるように配置することができる。同様に、第2屈曲部222および第4屈曲部242を、第2出射面164aから第2屈曲部222までの第2出射光L2の光路長D2と、第4出射面164bから第4屈曲部242までの第4出射光L4の光路長D4とが、等しくなる位置に配置することができる。そのため、発光装置1000の出射光L1,L2,L3,L4の進行方向のサイズが大きくなることを抑制しつつ、高出力化を図ることができる。例えば、出射面を発光素子が積層された方向に並べて配置した発光装置1000では、各屈曲部を出射光の進行方向に対して階段状にずれた状態で配置しなければならないため、装置が出射光の進行方向に大きくなってしまう。本実施例では、このような問題を回避することができる。したがって、高出力化および小型化を図ることができる。
【0060】
第1ロッドインテグレーター210の第1混合光出射面213および第2ロッドインテグレーター220の第2混合光出射面223および第3ロッドインテグレーター230の第3混合光出射面233および第4ロッドインテグレーター240の第4混合光出射面243は、所定の領域(被照明領域)に向けて混合光M1,M2,M3,M4を出射する。ここで、出射面が光を所定の領域に向けて出射する場合とは、出射面が光を直接所定の領域に向けて進行させる場合、出射面が光学系(図示しない)を介して光を所定の領域に向けて進行させる場合と、を含むものとする。また、被照明領域は、発光装置1000をプロジェクターの光源として用いた場合、例えば、ライトバルブの入射面であることができる。第1ロッドインテグレーター210の第1混合光出射面213と第2ロッドインテグレーター220の第2混合光出射面223と第3ロッドインテグレーター230の第3混合光出射面233と第4ロッドインテグレーター240の第4混合光出射面243とは、図示の例では、同じ方向(上面251の垂直上向き)を向いている。すなわち、第1混合光出射面213から出射される混合光M1と、第2混合光出射面223から出射される混合光M2と第3混合光出射面233から出射される混合光M3と、第4混合光出射面243から出射される混合光M4とは、同じ方向に向かって進行する。なお、混合光出射面213,223,233,243の向く方向は、被照明領域に向けて出射できれば、特に限定されない。例えば、第1混合光出射面213と第2混合光出射面223と第3混合光出射面233と第4混合光出射面243とは、異なる方向を向いていてもよい。
【0061】
発光装置1000によれば、第1発光素子100a、第2発光素子100bは、SLDであることができる。そのため、利得領域160に生じる光のレーザー発振を抑制または防止することができる。したがって、スペックルノイズを低減させることができる。
【0062】
(2.発光装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る発光装置1000の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5および図6は、発光装置1000の製造工程を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、基板102上に、第1クラッド層104、活性層106、第2クラッド層108、およびコンタクト層110を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いることができる。
【0063】
図6に示すように、コンタクト層110上に、開口部を有する絶縁部116を形成する。絶縁部116は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成される。開口部は、例えば、絶縁部をフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングし、コンタクト層110が露出するように形成される。
【0064】
次に、露出したコンタクト層110および絶縁部116上に第2電極114を形成する。次に、基板102の下面下に第1電極112を形成する。第1電極112および第2電極114は、例えば、真空蒸着法により形成される。なお、第1電極112および第2電極114の形成順序は、特に限定されない。以上の工程により、第1発光素子100aを得ることができる。
【0065】
次に、図2に示すように、まず、第1サブマウント260a、第1発光素子100a、第2サブマウント260b、第2発光素子100b、第3サブマウント260cの順で、ベース250に実装する。
そして、図1および図3に示すように、端子272を形成する。端子272は、ベース250上に形成された端子支持部274上に形成される。次に、端子272と、第3サブマウント260cをリード270によって接続する。
【0066】
次に、第1ロッドインテグレーター210,第2ロッドインテグレーター220,第3ロッドインテグレーター230,第4ロッドインテグレーター240をベース250上に配置する。第1ロッドインテグレーター210,第2ロッドインテグレーター220,第3ロッドインテグレーター230,第4ロッドインテグレーター240は、出射光L1,L2,L3,L4に対する光軸調整を行いながら配置される。
以上の工程により、発光装置1000を製造することができる。
【0067】
(3.発光装置の変形例)
次に、本実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。以下、本実施形態の変形例に係る発光装置において、本実施形態に係る発光装置1000の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0068】
(1)まず、本実施形態の第1変形例に係る発光装置2000について、説明する。図7は、発光装置2000を模式的に示す断面図である。なお、図7では、便宜上、第1発光素子100a、第2発光素子100bを簡略化して示している。
【0069】
発光装置2000は、図7に示すように、第1集光レンズ200と、第2集光レンズ202と、第3集光レンズ204と、第4集光レンズ206とを含む。第1集光レンズ200は、第1出射光L1の光路上であって、第1発光素子100aと第1ロッドインテグレーター210との間に配置されている。第2集光レンズ202は、第2出射光L2の光路上であって、第1発光素子100aと第2ロッドインテグレーター220との間に配置されている。第3集光レンズ204は、第3出射光L3の光路上であって、第2発光素子100bと第3ロッドインテグレーター230との間に配置されている。第4集光レンズ206は、第4出射光L4の光路上であって、第2発光素子100bと第4ロッドインテグレーター240との間に配置されている。図示の例では、集光レンズ200,202,204,206は、ロッドインテグレーター210,220,230,240の入射面211,221,231,241に接するように配置されている。
【0070】
一般的に、SLDや半導体レーザー等の発光素子から出射される出射光は、放射角が大きい。特に、SLDや半導体レーザー等の発光素子から出射される出射光は、活性層の厚さ方向の放射角が、出射光の活性層の面内方向の放射角と比べて、大きい。図示の例では、活性層106の厚さ方向は、ベース250の上面251の垂線方向であり、活性層106の面内方向は、ベース250の上面251の面内方向である。発光装置2000では、第1出射光L1の光路上に配置された第1集光レンズ200と、第2出射光L2の光路上に配置された第2集光レンズ202と、第3出射光L3の光路上に配置された第3集光レンズ204と、第4出射光L4の光路上に配置された第4集光レンズ206とを有する。これにより、出射光の放射角を狭めることができる。したがって、ロッドインテグレーター210,220,230,240から出射される混合光M1,M2,M3,M4の放射角を狭めることができる。
【0071】
(2)次に、本実施形態の第2変形例に係る発光装置3000について、説明する。図8は、発光装置3000を模式的に示す断面図である。なお、図8では、便宜上、第1発光素子100a、第2発光素子100bを簡略化して示している。以下、第2変形例に係る発光装置において、発光装置2000の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
発光装置3000は、図8に示すように、第1集光レンズ200と、第2集光レンズ202と、第3集光レンズ204と、第4集光レンズ206と、を含む。第1集光レンズ200は、第1ロッドインテグレーター210の第1混合光出射面213から出射された混合光M1の光路上に配置されている。第2集光レンズ202は、第2ロッドインテグレーター220の第2混合光出射面223から出射された混合光M2の光路上に配置されている。第3集光レンズ204は、第3ロッドインテグレーター230の第3混合光出射面233から出射された混合光M3の光路上に配置されている。第4集光レンズ206は、第4ロッドインテグレーター240の第4混合光出射面243から出射された混合光M4の光路上に配置されている。図示の例では、集光レンズ200,202,204,206は、ロッドインテグレーター210,220,230,240の混合光出射面213,223,233,243に接するように配置されている。
【0073】
発光装置3000では、混合光M1の光路上に配置された第1集光レンズ200と、混合光M2の光路上に配置された第2集光レンズ202と、混合光M3の光路上に配置された第3集光レンズ204と、混合光M4の光路上に配置された第4集光レンズ206を有する。これにより、ロッドインテグレーター210,220,230,240から出射される混合光M1,M2,M3,M4の放射角を狭めることができる。さらに、発光装置3000では、ロッドインテグレーター210,220,230,240を通過した光を、集光レンズ200,202,204,206に入射させるため、ロッドインテグレーター210,220,230,240に入射する光の入射角を狭めることなく、混合光M1,M2,M3,M4の放射角を狭めることができる。したがって、発光装置3000では、発光装置2000の例と比べて、ロッドインテグレーター210,220,230,240において、より効率よく光強度の均一化を図ることができる。
【0074】
(3)次に、本実施形態の第3変形例に係る発光装置4000について、説明する。図9は、発光装置4000を模式的に示す断面図である。なお、図9では、便宜上、第1発光素子100a、第2発光素子100bを簡略化して示している。
【0075】
発光装置4000は、図9に示すように、第1偏光変換素子410と、第2偏光変換素子420と、第3偏光変換素子430と、第4偏光変換素子440と、を含む。第1偏光変換素子410は、第1ロッドインテグレーター210の第1混合光出射面213から出射された混合光M1の光路上に配置されている。第1偏光変換素子410には、混合光M1が入射する。第2偏光変換素子420は、第2ロッドインテグレーター220の第2混合光出射面223から出射された混合光M2の光路上に配置されている。第2偏光変換素子420には、混合光M2が入射する。第3偏光変換素子430は、第3ロッドインテグレーター230の第3混合光出射面233から出射された混合光M3の光路上に配置されている。第3偏光変換素子430には、混合光M3が入射する。第4偏光変換素子440は、第4ロッドインテグレーター240の第4混合光出射面243から出射された混合光M4の光路上に配置されている。第4偏光変換素子440には、混合光M4が入射する。図示の例では、偏光変換素子410,420,430,440には、ロッドインテグレーター210,220,230,240の混合光出射面213,223,233,243に接するように配置されている。
【0076】
第1偏光変換素子410は、第1偏光ビームスプリッター412と、第1ミラー414と、第1半波長板416と、を有している。第1偏光ビームスプリッター412は、混合光M1のP偏光成分を透過させ、混合光M1のS偏光成分を反射させることができる。第1ミラー414は、第1偏光ビームスプリッター412で反射された混合光M1のS偏光成分を再度反射させて、第1半波長板416に入射させることができる。第1半波長板416は、混合光M1のS偏光成分をP偏光成分に変換することができる。第1偏光変換素子410は、第1偏光ビームスプリッター412、第1ミラー414、および第1半波長板416を有するため、混合光M1のS偏光成分をP偏光成分に変換することができ、例えば、混合光M1をP偏光成分のみとすることができる。このように、第1偏光変換素子410は、混合光M1を偏光光P1に変換することができる。
【0077】
第2偏光変換素子420は、第2偏光ビームスプリッター422と、第2ミラー424と、第2半波長板426と、を有している。第2偏光ビームスプリッター422は、混合光M2のP偏光成分を透過させ、混合光M2のS偏光成分を反射させることができる。第2ミラー424は、第2偏光ビームスプリッター422で反射された混合光M2のS偏光成分を再度反射させて、第2半波長板426に入射させることができる。第2半波長板426は、混合光M2のS偏光成分をP偏光成分に変換することができる。第2偏光変換素子420は、第2偏光ビームスプリッター422、第2ミラー424、および第2半波長板426を有するため、混合光M2のS偏光成分をP偏光成分に変換することができ、例えば、混合光M2をP偏光成分のみとすることができる。このように、第2偏光変換素子420は、混合光M2を偏光光P2に変換することができる。
【0078】
第3偏光変換素子430は、第3偏光ビームスプリッター432と、第3ミラー434と、第3半波長板436と、を有している。第3偏光ビームスプリッター432は、混合光M3のP偏光成分を透過させ、混合光M3のS偏光成分を反射させることができる。第3ミラー434は、第3偏光ビームスプリッター432で反射された混合光M3のS偏光成分を再度反射させて、第3半波長板436に入射させることができる。第3半波長板436は、混合光M3のS偏光成分をP偏光成分に変換することができる。第3偏光変換素子430は、第3偏光ビームスプリッター432、第3ミラー434、および第3半波長板436を有するため、混合光M3のS偏光成分をP偏光成分に変換することができ、例えば、混合光M3をP偏光成分のみとすることができる。このように、第3偏光変換素子430は、混合光M3を偏光光P3に変換することができる。
【0079】
第4偏光変換素子440は、第4偏光ビームスプリッター442と、第4ミラー444と、第4半波長板446と、を有している。第4偏光ビームスプリッター442は、混合光M4のP偏光成分を透過させ、混合光M4のS偏光成分を反射させることができる。第4ミラー444は、第4偏光ビームスプリッター442で反射された混合光M4のS偏光成分を再度反射させて、第4半波長板446に入射させることができる。第4半波長板446は、混合光M4のS偏光成分をP偏光成分に変換することができる。第4偏光変換素子440は、第4偏光ビームスプリッター442、第4ミラー444、および第4半波長板446を有するため、混合光M4のS偏光成分をP偏光成分に変換することができ、例えば、混合光M4をP偏光成分のみとすることができる。このように、第4偏光変換素子440は、混合光M4を偏光光P4に変換することができる。
【0080】
発光装置4000では、第1偏光変換素子410によって混合光M1を偏光光P1に変換し、第2偏光変換素子420によって混合光M2を偏光光P2に変換し、第3偏光変換素子430によって混合光M3を偏光光P3に変換し、第4偏光変換素子440によって混合光M4を偏光光P4に変換することができる。さらに、偏光変換素子410,420,430,440によって、偏光光P1の偏光方向と偏光光P2の偏光方向と偏光光P3の偏光方向と偏光光P4の偏光方向とを、同じ偏光方向とすることができる。したがって、発光装置4000では、被照明領域に偏光光を照射することができる。
【0081】
なお、ここでは、偏光変換素子410,420,430,440が混合光M1,M2,M3,M4のS偏光成分をP偏光成分に変換する場合について説明したが、偏光変換素子410,420,430,440は、混合光M1,M2,M3,M4のP偏光成分をS偏光成分に変換してもよい。
【0082】
(4)次に、本実施形態の第4変形例に係る発光装置5000について、図面を参照しながら説明する。図10は、発光装置5000を模式的に示す断面図であり、図4に対応している。
【0083】
発光装置1000の例では、いわゆる利得導波型について説明した。これに対し、発光装置5000は、いわゆる屈折率導波型である。
すなわち、発光装置5000では、図10に示すように、コンタクト層110と、第2クラッド層108の一部とは、柱状部111を構成することができる。柱状部111の平面形状は、利得領域160と同じである。例えば、柱状部111の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域160の平面形状が決定される。なお、図示はしないが、柱状部111は、例えば、コンタクト層110、第2クラッド層108、および活性層106から構成されていてもよいし、さらに、第1クラッド層104をも含んで構成されていてもよい。また、柱状部111の側面を傾斜させることもできる。
【0084】
柱状部111の側方には、絶縁部116が設けられている。絶縁部116は、柱状部111の側面に接していることができる。電極112,114間の電流は、絶縁部116を避けて、該絶縁部116に挟まれた柱状部111を流れることができる。絶縁部116は、活性層106の屈折率よりも小さい屈折率を有することができる。これにより、平面方向(活性層106の上面と平行な方向)において、利得領域160内に効率良く光を閉じ込めることができる。
【0085】
(4.プロジェクター)
次に、本実施形態に係るプロジェクター6000について、図面を参照しながら説明する。図11は、プロジェクター6000を模式的に示す図である。なお、図11では、便宜上、プロジェクター6000を構成する筐体は省略している。図12は均一化光学系を模式的に示す図である。
【0086】
プロジェクター6000において、赤色光、緑色光、青色光を出射する赤色光源(発光装置)1000R、緑色光源(発光装置)1000G、青色光源(発光装置)1000Bは、本発明に係る発光装置である。
プロジェクター6000は、光源1000R,1000G,1000Bから出射された光をそれぞれ画像情報に応じて変調する透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)604R,604G,604Bと、液晶ライトバルブ604R,604G,604Bによって形成された像を拡大してスクリーン(表示面)610に投射する投射レンズ(投射装置)608と、を備えている。また、プロジェクター6000は、液晶ライトバルブ604R,604G,604Bから出射された光を合成して投射レンズ608に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)606を備えていることができる。
【0087】
さらに、プロジェクター6000は、光源1000R,1000G,1000Bから出射された光の照度分布を均一化させるため、各光源1000R,1000G,1000Bよりも光路下流側に、均一化光学系602R,602G,602Bを設けており、これらによって照度分布が均一化された光によって、液晶ライトバルブ604R,604G,604Bを照明している。均一化光学系602R,602G,602Bは、例えば、ホログラム602aおよびフィールドレンズ602bによって構成される。
または図12に示す様な均一光学系(照明装置)でも構成可能である。均一化光学系6100は、光源1000の第1ロッドインテグレーター210から出射する混合光は集光レンズ(第1レンズ)611によって重畳レンズ(第5レンズ)650上で集光され、重畳レンズ650通過後は発散される。第2ロッドインテグレーター220から出射する混合光は集光レンズ(第2レンズ)621によって重畳レンズ650上で集光され、重畳レンズ650通過後は発散される。第3ロッドインテグレーター230から出射する混合光は集光レンズ(第3レンズ)631によって重畳レンズ650上で集光され重畳レンズ650を通過後は発散される。第4ロッドインテグレーター240から出射する混合光は集光レンズ(第4レンズ)641によって重畳レンズ650上で集光され重畳レンズ650通過後は発散される。重畳レンズ650を通過したそれぞれの混合光は、フィールドレンズ(第6レンズ)660に集められ、液晶ライトバルブ604を照射する。
【0088】
各液晶ライトバルブ604R,604G,604Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム606に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は投射光学系である投射レンズ608によりスクリーン610上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0089】
プロジェクター6000によれば、上述のように、高出力かつ小型化された発光装置1000を光源として用いることができる。そのため、プロジェクター6000は、高出力化および小型化を図ることができる。
なお、上述の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0090】
また、発光装置1000を、発光装置1000からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクター)の光源装置にも適用することが可能である。
なお、上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0091】
100a…第1発光素子、100b…第2発光素子、102…基板、104…第1クラッド層、105…第1側面、106…活性層、107…第2側面、108…第2クラッド層、110…コンタクト層、111…柱状部、112…第1電極、114…第2電極、160…利得領域、162…第1端面、162a…第1出射面、162b…第3出射面、164…第2端面、164a…第2出射面、164b…第4出射面、200…第1集光レンズ、202…第2集光レンズ、204…第3集光レンズ、206…第4集光レンズ、210…第1ロッドインテグレーター、211…第1入射面、212…第1屈曲部、213…第1混合光出射面、220…第2ロッドインテグレーター、221…第2入射面、222…第2屈曲部、223…第2混合光出射面、230…第3ロッドインテグレーター、231…第3入射面、232…第3屈曲部、233…第3混合光出射面、240…第4ロッドインテグレーター、241…第4入射面、242…第4屈曲部、243…第4混合光出射面、244…支持基板、250…ベース、251…上面、252…柱部、260a…第1サブマウント、260b…第2サブマウント、260c…第3サブマウント、270…リード、272…端子、274…端子支持部、410…第1偏光変換素子、412…第1偏光ビームスプリッター、414…第1ミラー、416…第1半波長板、420…第2偏光変換素子、422…第2偏光ビームスプリッター、424…第2ミラー、426…第2半波長板、602…均一化光学系、602a…ホログラム、602b…フィールドレンズ、604…液晶ライトバルブ、606…クロスダイクロイックプリズム、608…投射レンズ、610…スクリーン、1000,2000,3000,4000,5000…発光装置、6000…プロジェクター、6100…均一化光学系(照明装置)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1出射光を出射する第1出射面と、前記第1出射光とは反対方向に向かって進行する第2出射光を出射する第2出射面と、を有する第1発光素子と、
前記第1出射光と同じ方向に向かって進行する第3出射光を出射する第3出射面と、前記第3出射光とは反対方向に向かって進行する第4出射光を出射する第4出射面と、を有する第2発光素子と、
前記第1出射光が入射する第1入射面と、前記第1出射光の伝播方向を変える第1屈曲部と、前記第1出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第1混合光出射面と、を有する第1ロッドインテグレーターと、
前記第2出射光が入射する第2入射面と、前記第2出射光の伝播方向を変える第2屈曲部と、前記第2出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第2混合光出射面と、を有する第2ロッドインテグレーターと、
前記第3出射光が入射する第3入射面と、前記第3出射光の伝播方向を変える第3屈曲部と、前記第3出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第3混合光出射面と、を有する第3ロッドインテグレーターと、
前記第4出射光が入射する第4入射面と、前記第4出射光の伝播方向を変える第4屈曲部と、前記第4出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第4混合光出射面と、を有する第4ロッドインテグレーターと、を備え、
前記第1発光素子は前記第1ロッドインテグレーターと前記第2ロッドインテグレーターとの間に配置され、
前記第2発光素子は前記第3ロッドインテグレーターと前記第4ロッドインテグレーターとの間に配置され、
前記第1発光素子と前記第2発光素子は、第1方向に積層され、
前記第1出射面と前記第3出射面は、第1平面内にあり、
前記第2出射面と前記第4出射面は、第2平面内にあり、
前記第1出射面と前記第3出射面とは、前記第1平面において、前記第1方向に並ばないように配置され、
前記第2出射面と前記第4出射面とは、前記第2平面において、前記第1方向に並ばないように配置され、
第1反射面および第3反射面は、前記第1出射面から前記第1反射面までの前記第1出射光の光路長と、前記第3出射面から前記第3反射面までの前記第3出射光の光路長とが、等しくなる位置に配置され、
第2反射面および第4反射面は、前記第2出射面から前記第2反射面までの前記第2出射光の光路長と、前記第4出射面から前記第4反射面までの前記第4出射光の光路長とが、等しくなる位置に配置され、
前記第1反射面で反射された前記第1出射光の進行方向、前記第2反射面で反射された前記第2出射光の進行方向、前記第3反射面で反射された前記第3出射光の進行方向、および前記第4反射面で反射された前記第4出射光の進行方向は、同じである、ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置において、
前記第1出射光の光路上に設けられた、前記第1出射光を集光する第1集光レンズと、
前記第2出射光の光路上に設けられた、前記第2出射光を集光する第2集光レンズと、
前記第3出射光の光路上に設けられた、前記第3出射光を集光する第3集光レンズと、
前記第4出射光の光路上に設けられた、前記第4出射光を集光する第4集光レンズと、
を含む、ことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1に記載の発光装置において、
前記第1混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第1集光レンズと、
前記第2混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第2集光レンズと、
前記第3混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第3集光レンズと、
前記第4混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第4集光レンズと、
を含む、ことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記第1出射面は、等間隔に複数配置され、
前記第2出射面は、等間隔に複数配置され、
前記第3出射面は、等間隔に複数配置され、
前記第4出射面は、等間隔に複数配置されている、ことを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記第1混合光出射面から出射された光を第1偏光光に変換し、前記第3混合光出射面から出射された光を第3偏光光に変換する第1偏光変換素子と、
前記第2混合光出射面から出射された光を第2偏光光に変換し、前記第4混合光出射面から出射された光を第4偏光光に変換する第2偏光変換素子と、
をさらに含み、
前記第1偏光光の偏光方向と前記第2偏光光の偏光方向と前記第3偏光光の偏光方向と前記第4偏光光の偏光方向とは、同じ方向である、ことを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記第1発光素子および前記第2発光素子は、スーパールミネッセントダイオードである、ことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記第1混合光出射面と前記第2混合光出射面と前記第3混合光出射面と前記第4混合光出射面とは、同じ方向に向いて配置されている、ことを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項1ないしの7のいずれか1項に記載の発光装置と、
前記発光装置の前記第1ロッドインテグレーターの前記第1混合光出射面から出射された光を発散させる第1レンズと、
前記発光装置の前記第2ロッドインテグレーターの前記第2混合光出射面から出射された光を発散させる第2レンズと、
前記発光装置の前記第3ロッドインテグレーターの前記第3混合光出射面から出射された光を発散させる第3レンズと、
前記発光装置の前記第4ロッドインテグレーターの前記第4混合光出射面から出射された光を発散させる第4レンズと、
前記第1レンズから出射された光と前記第2レンズから出射された光と前記第3レンズから出射された光と前記第4レンズから出射された光とを重畳させる第5レンズと、
前記第5レンズによって重畳された光を集光する第6レンズと、
を含む、ことを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項8に記載の照明装置と、
前記照明装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
を含むことを特徴とするプロジェクター。
【請求項1】
第1出射光を出射する第1出射面と、前記第1出射光とは反対方向に向かって進行する第2出射光を出射する第2出射面と、を有する第1発光素子と、
前記第1出射光と同じ方向に向かって進行する第3出射光を出射する第3出射面と、前記第3出射光とは反対方向に向かって進行する第4出射光を出射する第4出射面と、を有する第2発光素子と、
前記第1出射光が入射する第1入射面と、前記第1出射光の伝播方向を変える第1屈曲部と、前記第1出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第1混合光出射面と、を有する第1ロッドインテグレーターと、
前記第2出射光が入射する第2入射面と、前記第2出射光の伝播方向を変える第2屈曲部と、前記第2出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第2混合光出射面と、を有する第2ロッドインテグレーターと、
前記第3出射光が入射する第3入射面と、前記第3出射光の伝播方向を変える第3屈曲部と、前記第3出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第3混合光出射面と、を有する第3ロッドインテグレーターと、
前記第4出射光が入射する第4入射面と、前記第4出射光の伝播方向を変える第4屈曲部と、前記第4出射光が混合された光を所定の領域に向けて出射する第4混合光出射面と、を有する第4ロッドインテグレーターと、を備え、
前記第1発光素子は前記第1ロッドインテグレーターと前記第2ロッドインテグレーターとの間に配置され、
前記第2発光素子は前記第3ロッドインテグレーターと前記第4ロッドインテグレーターとの間に配置され、
前記第1発光素子と前記第2発光素子は、第1方向に積層され、
前記第1出射面と前記第3出射面は、第1平面内にあり、
前記第2出射面と前記第4出射面は、第2平面内にあり、
前記第1出射面と前記第3出射面とは、前記第1平面において、前記第1方向に並ばないように配置され、
前記第2出射面と前記第4出射面とは、前記第2平面において、前記第1方向に並ばないように配置され、
第1反射面および第3反射面は、前記第1出射面から前記第1反射面までの前記第1出射光の光路長と、前記第3出射面から前記第3反射面までの前記第3出射光の光路長とが、等しくなる位置に配置され、
第2反射面および第4反射面は、前記第2出射面から前記第2反射面までの前記第2出射光の光路長と、前記第4出射面から前記第4反射面までの前記第4出射光の光路長とが、等しくなる位置に配置され、
前記第1反射面で反射された前記第1出射光の進行方向、前記第2反射面で反射された前記第2出射光の進行方向、前記第3反射面で反射された前記第3出射光の進行方向、および前記第4反射面で反射された前記第4出射光の進行方向は、同じである、ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置において、
前記第1出射光の光路上に設けられた、前記第1出射光を集光する第1集光レンズと、
前記第2出射光の光路上に設けられた、前記第2出射光を集光する第2集光レンズと、
前記第3出射光の光路上に設けられた、前記第3出射光を集光する第3集光レンズと、
前記第4出射光の光路上に設けられた、前記第4出射光を集光する第4集光レンズと、
を含む、ことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1に記載の発光装置において、
前記第1混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第1集光レンズと、
前記第2混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第2集光レンズと、
前記第3混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第3集光レンズと、
前記第4混合光出射面から出射された光の光路上に設けられた第4集光レンズと、
を含む、ことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記第1出射面は、等間隔に複数配置され、
前記第2出射面は、等間隔に複数配置され、
前記第3出射面は、等間隔に複数配置され、
前記第4出射面は、等間隔に複数配置されている、ことを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記第1混合光出射面から出射された光を第1偏光光に変換し、前記第3混合光出射面から出射された光を第3偏光光に変換する第1偏光変換素子と、
前記第2混合光出射面から出射された光を第2偏光光に変換し、前記第4混合光出射面から出射された光を第4偏光光に変換する第2偏光変換素子と、
をさらに含み、
前記第1偏光光の偏光方向と前記第2偏光光の偏光方向と前記第3偏光光の偏光方向と前記第4偏光光の偏光方向とは、同じ方向である、ことを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記第1発光素子および前記第2発光素子は、スーパールミネッセントダイオードである、ことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置において、
前記第1混合光出射面と前記第2混合光出射面と前記第3混合光出射面と前記第4混合光出射面とは、同じ方向に向いて配置されている、ことを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項1ないしの7のいずれか1項に記載の発光装置と、
前記発光装置の前記第1ロッドインテグレーターの前記第1混合光出射面から出射された光を発散させる第1レンズと、
前記発光装置の前記第2ロッドインテグレーターの前記第2混合光出射面から出射された光を発散させる第2レンズと、
前記発光装置の前記第3ロッドインテグレーターの前記第3混合光出射面から出射された光を発散させる第3レンズと、
前記発光装置の前記第4ロッドインテグレーターの前記第4混合光出射面から出射された光を発散させる第4レンズと、
前記第1レンズから出射された光と前記第2レンズから出射された光と前記第3レンズから出射された光と前記第4レンズから出射された光とを重畳させる第5レンズと、
前記第5レンズによって重畳された光を集光する第6レンズと、
を含む、ことを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項8に記載の照明装置と、
前記照明装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
を含むことを特徴とするプロジェクター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−55180(P2013−55180A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191463(P2011−191463)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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