説明

発光装置の製造方法

【課題】エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層の製造条件を変えても同等の素子特性を得ることのできる発光装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】発光装置100の有機エレクトロルミネッセンス素子110において、正孔輸送層113aを液滴吐出法で形成する際、ドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸、および導電性高分子材料としての3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを、非環式エーテル系、環式エーテル系、ラクトン系などのC−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒と水との混合溶媒に分散させた正孔輸送層形成液を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネッセンス素子を備えた発光装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光装置に用いられている有機エレクトロルミネッセンス(EL/Electroluminescence)素子は、少なくとも、陽極層、正孔輸送層、発光層および陰極層がこの順に積層されている。これらの各層のうち、正孔輸送層および発光層を形成する方法として、基板上に、高分子材料からなる有機機能材料を溶媒に溶解あるいは分散した液状物の液滴をノズル開口からドット状に吐出した後、液体から溶媒を乾燥させることにより基板上に定着させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような製造方法において、正孔輸送層がドーパントとしてポリスチレンスルホン酸(PSS)を含有する3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)からなる場合、ポリスチレンスルホン酸およびポリエチレンジオキシチオフェンのいずれもが水に分散可能であるため、ポリスチレンスルホン酸および3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを水単独に分散させた液状物の液滴をノズル開口からドット状に吐出して正孔輸送層を形成するのが一般的である。
【特許文献1】特開2003−123988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液状物の液滴をノズル開口からドット状に吐出する液滴吐出法を用いて正孔輸送層を好適に形成するには、液状物の粘度、沸点、蒸発速度などを調整する必要があり、それには、ポリスチレンスルホン酸および3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させる溶媒として、水にエチレングリコールやグリセロールなどの有機溶剤を配合した混合溶媒を用いればよい。しかしながら、原因については未だ十分に解明されていないが、溶媒として水を用いた場合と、上記の有機溶剤と水との混合溶媒を用いた場合とでは、正孔輸送層の抵抗値、表面粗さ、仕事関数などが変化してしまうという問題点がある。このため、正孔輸送層から発光層への正孔注入量が変化し、発光層でのキャリアバランスが崩れる結果、発光効率が低下するという問題点がある。特に上記の特性のうち、正孔輸送層の抵抗値が低くなると、エレクトロルミネッセンス素子全体としての抵抗が低くなる結果、エレクトロルミネッセンス素子の寿命が低下する。
【0005】
このような問題は、液滴吐出法に限らず、スピンコート法などを採用した場合にも同様に発生する。すなわち、湿式法を採用する限り、避けられない問題点である。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層の製造条件を変えても同等の素子特性を得ることのできる発光装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本願発明者が種々検討した結果、水にエチレングリコールやグリセロールなどの有機溶剤を配合した混合溶媒を用いた場合、有機溶剤中のC−OH結合が正孔輸送層での伝導機構に影響を及ぼしていると考え、混合溶媒としたときの水との相溶性、正孔輸送層を構成する材料に対する溶解性や分散性を保持しつつ、C−OH結合を有しない有機溶剤を用いることにより達成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明では、少なくとも、陽極層、正孔輸送層、発光層および陰極層がこの順に積層されたエレクトロルミネッセンス素子を備えた発光装置の製造方法において、前記正孔輸送層の形成にあたっては、当該正孔輸送層を形成するための材料を溶媒に溶解あるいは分散させた液状物を媒体上に塗布する塗布工程と、当該媒体上に吐出した前記液状物を乾燥させる乾燥工程とを行い、前記液状物では、前記溶媒として、C−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒と水とを含む混合溶媒を用いることを特徴とする。
【0009】
本発明では、正孔輸送層をスピンコート法や液滴吐出法で形成する際、正孔輸送層を形成するための液状物として、C−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒と水との混合溶媒を用いる。ここで用いた有機溶媒は、極性溶媒であるため、正孔輸送層を構成する材料に対する溶解性や分散性に優れている。また、かかる有機溶媒は、非プロトン性であり、C−OH結合を有していない。このため、スピンコート法や液滴吐出法を利用して正孔輸送層を好適に形成するために、水と有機溶剤との混合溶媒を用いた場合でも、溶媒として水単独を用いた場合と比較して、正孔輸送層の抵抗、表面粗さ、仕事関数などに大きな変化がない。特に上記の特性のうち、正孔輸送層の抵抗値に大きな変化がないので、発光特性および信頼性の優れたエレクトロルミネッセンス素子を備えた発光装置を製造することができる。
【0010】
本発明において、前記溶剤では、前記非プロトン性極性溶媒として、例えば、非環式エーテル系溶媒が1種あるいは2種以上が配合されている構成を採用することができる。
【0011】
本発明において、前記溶剤では、前記非プロトン性極性溶媒として、例えば、環式エーテル系溶媒が1種あるいは2種以上が配合されている構成を採用することができる。
【0012】
本発明において、前記溶剤では、前記非プロトン性極性溶媒として、例えば、ラクトン系溶媒が1種あるいは2種以上が配合されている構成を採用することができる。
【0013】
本発明において、前記非プロトン性極性溶媒の配合比は、例えば、溶媒全体に対して10〜80wt%であることが好ましい。
【0014】
本発明において、前記正孔輸送層は、例えば、ポリスチレンスルホン酸をドーパントとして含有する3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンからなる。
【0015】
本発明において、前記塗布工程では、前記液状物の液滴をノズル開口から媒体上に吐出する液滴吐出工程を行うことが好ましい。このように構成すると、スピンコート法と比較して、媒体上の所定位置に液状物を選択的に塗布でき、生産効率が高いとともに材料が無駄にならないという利点がある。
【0016】
本発明を適用した発光装置は、携帯電話機、テレビ、車載パネル、パーソナルコンピュータやPDAなどの電子機器においてフルカラー表示装置として用いられる。また、本発明を適用した発光装置は、文字情報表示パネルや車載パネルのエリアカラー表示装置として用いることができる。さらに、本発明を適用した発光装置は、各種光源や、デジタル複写機やプリンタなどの画像形成装置における露光用ヘッドとして用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明に用いた各図では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を相違させてある。
【0018】
(発光装置の全体構成)
図1は、発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた発光装置のうち、エレクトロルミネッセンス表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示す発光装置100は、駆動電流が流れることによって発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を薄膜トランジスタで駆動制御するエレクトロルミネッセンス装置であり、このタイプの発光装置100では、有機エレクトロルミネッセンス素子が自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。本形態の発光装置100では、複数の走査線163と、この走査線163の延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線164と、これらのデータ線164に並列する複数の共通給電線165と、データ線164と走査線163との交差点に対応する画素115とが構成され、画素115は、画像表示領域にマトリクス状に配置されている。データ線164に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路151が構成されている。走査線163に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路154が構成されている。また、複数の画素115の各々には、走査線163を介して走査信号がゲート電極に供給される画素スイッチング用の薄膜トランジスタ106と、この薄膜トランジスタ106を介してデータ線164から供給される画像信号を保持する保持容量133と、この保持容量133によって保持された画像信号がゲート電極に供給される電流制御用の薄膜トランジスタ107と、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165に電気的に接続したときに共通給電線165から駆動電流が流れ込む有機エレクトロルミネッセンス素子113とが構成されている。
【0020】
(発光装置の画素構成)
図2(A)、(B)は各々、本発明を適用した発光装置の1画素分の平面図および断面図である。図3は、本発明を適用した発光装置の各色に対応する3つの画素(1ドット分)の断面図である。
【0021】
本形態の発光装置100を構成するにあたって、より具体的には、図2(A)、(B)に示すように、素子基板を構成するガラス基板などからなる基板120上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)が形成され、この下地保護膜上に、薄膜トランジスタ107などを構成するためのポリシリコン膜からなる半導体膜109aが島状に形成されている。半導体膜109aには不純物の導入によってソース・ドレイン領域109b、109cが形成され、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域109dとなっている。下地保護膜および半導体膜109aの上層側にはゲート絶縁膜121が形成され、ゲート絶縁膜121上にはアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)などからなる走査線163およびゲート電極143が形成されている。走査線163、ゲート電極143およびゲート絶縁膜121の上層側には、第1層間絶縁膜122と第2層間絶縁膜123とがこの順に積層されている。ここで、第1層間絶縁膜122および第2層間絶縁膜123は、シリコン酸化物(SiO2)、チタン酸化物(TiO2)などの無機絶縁膜から構成されている。
【0022】
第1層間絶縁膜122の上層には、第1層間絶縁膜122およびゲート絶縁膜121のコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域109b、109cにそれぞれ接続するソース・ドレイン電極126および共通給電線165が形成されている。また、第1層間絶縁膜122の上層にはデータ線164も形成されている。
【0023】
第2層間絶縁膜122上には、ITO(酸化インジウム−スズ/Indium Tin Oxide)層からなる光透過性の画素電極111が形成され、この画素電極111は、第2層間絶縁膜122のコンタクトホールを介してソース・ドレイン電極126に電気的に接続している。従って、画素電極111は、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165に電気的に接続したとき、共通給電線165から駆動電流が流れ込む。
【0024】
各画素115には、陽極としてのITO膜からなる画素電極111と、有機機能層113と、陰極としての対向電極112がこの順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子110が形成されている。有機機能層113は、画素電極111上に積層された正孔輸送層113aと、この正孔輸送層113aの上層側に形成された発光層113bとを備えている。発光層113bは、正孔輸送層113aの側から注入される正孔と、対向電極112の側から注入される電子とが結合して発光する領域としての機能を担っており、各画素115が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれの色に対応するかは、発光層113bを構成する有機材料の種類によって規定されている。発光層113bの膜厚は約80〜150nmである。
【0025】
本形態では、正孔輸送層113aが、正孔を発光層113bに注入する正孔注入層としての機能も担っている。正孔輸送層113aは、ドーパントを導電性高分子材料中に含有する導電性高分子層からなり、正孔輸送層113aの膜厚は、例えば約10〜100nmである。このような正孔輸送層113aは、例えば、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を含有する3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンなどから構成することができる。
【0026】
本形態の発光装置100は、基板側に向けて表示光を出射するボトムエミッション型であり、対向電極112は、薄いカルシウム層やアルミニウム膜などといった光反射性の導電膜により構成されている。なお、発光装置100が、基板とは反対側に向けて表示光を出射するトップエミッション型である場合、対向電極112は、例えば、薄いカルシウム層と、ITO層などからなる光透過性陰極層とから構成され、画素電極111の下層側には、画素電極111の略全体と重なるようにアルミニウム膜などからなる光反射層が形成される。
【0027】
本形態では、隣接する画素115の境界領域には、画素電極111の周縁部を取り囲むように、感光性樹脂からなる隔壁105がバンクとして形成されている。隔壁105は、有機機能層113を形成するのにインクジェット法(液体吐出法)を用いるとき、塗布される液状物の塗布領域を規定するものであり、その表面張力によって、液状物が均一な厚さで形成される。インクジェット式の液滴吐出装置としては、後述するように、圧電体素子の体積変化により流動体を吐出させるピエゾジェットの液滴吐出装置や、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた液滴吐出装置などが採用される。なお、液滴吐出装置としてはディスペンサー装置でもよい。ここで、液状物は、水性であると油性であるとを問わない。また、液状物については、流動性を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。また、液体材料に含まれる固体物質は融点以上に加熱されて溶解されたものでも、溶媒中に微粒子として分散させたものでもよく、溶媒の他に染料や顔料その他の機能性材料を添加したものであってもよい。
【0028】
なお、基板120の素子形成面側には、水や酸素の侵入を防ぐことによって、陰極層あるいは機能層の酸化を防止する封止樹脂(図示せず)が形成され、さらに封止基板(図示せず)が貼られることがある。
【0029】
(発光装置100の動作)
このように構成した発光装置100において、走査線163が駆動されて薄膜トランジスタ106がオン状態になると、そのときの信号線164の電位が保持容量133に保持され、この保持容量133の状態に応じて薄膜トランジスタ107の導通状態が制御される。また、薄膜トランジスタ107がオン状態になったとき、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165から画素電極111に電流が流れ、有機エレクトロルミネッセンス素子110では、有機機能層113を通じて対向電極112に電流が流れる。そして、このときの電流量に応じて発光層113bが発光する。そして、ボトムエミンション型の場合、発光層113bから発した光は、画素電極111および基板120を透過して出射される。これに対して、トップエミッション型の場合、対向電極112を透過して、観測者側に出射される一方、発光層113bから基板120に向けて出射された光は、画素電極111の下層に形成された光反射層によって反射され、対向電極112を透過して観測者側に出射される。
【0030】
ここで、発光装置100でカラー表示を行う場合には、図3に示すように、各画素115を赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応させることになる。この場合も、各色の画素115において、有機エレクトロルミネッセンス素子110の基本的な構成は共通である。なお、発光装置100でカラー表示を行うにあたっては、有機エレクトロルミネッセンス素子110から白色光を出射させ、この白色光をカラーフィルタで着色する構成を採用することもある。
【0031】
(液滴吐出ヘッドの構成)
図4(A)、(B)、(C)はそれぞれ、本形態の発光装置100を製造する際に使用される液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図、撓み振動モードの圧力発生素子の説明図、および縦振動モードの圧力発生素子の説明図である。
【0032】
本形態の発光装置100を製造するにあたって、液滴吐出法を用いて正孔輸送層113aおよび発光層113bを形成するにあたっては、図4(A)、(B)、(C)を参照して説明する液滴吐出ヘッドが用いられる。図4(A)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、液滴として吐出する液状物Mを貯留しておくタンク状、カートリッジ状などの液状物貯留部37に接続されている。また、液滴吐出ヘッド22は、多数のノズル開口27を列状に並べることによって形成されたノズル列を備えている。ノズル開口27の数は、例えば180個であり、ノズル開口27の穴径は例えば28μmであり、ノズル開口27間のノズルピッチは例えば141μmである。このような液滴吐出ヘッド22において、そのノズル列が主走査方向と交差する副走査方向へ延びており、液滴吐出ヘッド22が主走査方向に移動する間に、液状物Mを複数のノズル開口27から選択的に吐出することにより、図2(B)に示す基板120(媒体)上の所定位置に液滴M0を着弾させる。また、液滴吐出ヘッド22は副走査方向へ所定距離だけ平行移動することにより、液滴吐出ヘッド22による主走査位置を所定の間隔でずらせることができる。
【0033】
図4(A)、(B)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、例えば、ステンレス製のノズルプレート29と、それに対向する弾性板31と、それらを互いに接合する複数の仕切部材32とを有している。ノズルプレート29と弾性板31との間には、仕切部材32によって複数の圧力発生室33、および液溜り34が形成され、複数の圧力発生室33と液溜り34とは液状物流入口38を介して互いに連通している。弾性板31の適所には液状物供給穴36が形成され、この液状物供給穴36に液状物貯留部37が接続される。従って、液状物貯留部37は吐出されることとなる液状物Mを液状物供給穴36へ供給する。供給された液状物Mは液溜り34に充満し、さらに液状物流入口38を通って圧力発生室33に充満する。このようにして、液状物貯留部37と各圧力発生室33とが連通している。
【0034】
ノズルプレート29には、圧力発生室33から液状物Mを液滴M0として噴射するためのノズル開口27が設けられており、そのノズル開口27が開口しているノズル形成面は平坦面とされている。このようにしてノズル開口27は、圧力発生室33で開口している。弾性板31の圧力発生室33を形成する面の裏面には、この圧力発生室33に対応させて圧力発生素子39が取り付けられている。この圧力発生素子39は、例えば、図4(B)に示すように、圧電素子41、およびこの圧電素子41を挟持する一対の電極42a、42bを備えたたわみ振動モードの圧電素子である。その振動方向を矢印Cで示す。なお、図4(C)に示すように、圧力発生素子39としては、縦振動モードの圧電素子を用いてもよい。この縦振動モードの圧電素子(圧力発生素子39)では、伸長方向に平行に圧電材料と導電材料を交互に積層して構成されており、その先端は弾性板31に固定され、他端は基台20に固定されている。このような圧力発生素子39では、充電状態では導電層の積層方向と直角な方向に収縮し、また充電状態が解かれると、導電層と直角な方向に伸長する。
【0035】
いずれの圧電素子を用いた場合も、電極間に印加される駆動信号によって変形し、圧力発生室33を膨張、収縮させる。なお、ノズル開口27の周辺部には、液滴M0の飛行曲がりやノズル開口27の穴詰まりなどを防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥液層43が設けられる。
【0036】
(発光装置の製造方法)
図5〜図7は、上記液滴吐出装置を用いて発光装置100を製造する方法を示す工程断面図である。
【0037】
本形態の発光装置100を製造するには、まず、図5(A)に示すように、基板120を用意する。ここで、発光装置100がボトムエミッション型である場合、基板120としてはガラスや石英、樹脂などの透明ないし半透明なものが用いられるが、特にガラスが好適に用いられる。また、基板120に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。これに対して、発光装置100がトップエミッション型である場合、基板120は不透明であってもよく、その場合、アルミナなどのセラミックス、ステンレスなどの金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0038】
次に、基板120に対して、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成する。
【0039】
次に、基板120の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜109を形成する。次に、半導体膜109に対してレーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜109をポリシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm2とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
【0040】
次に、図5(B)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)109をパターニングして島状の半導体膜109aとし、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜121を形成する。なお、半導体膜109aは、図2に示す薄膜トランジスタ107のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においては薄膜トランジスタ106のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。すなわち、発光装置100では、二種類のトランジスタ106、107が同一の層間、あるいは異なる層間に形成されるが、概ね同一の手順で形成されるため、以下の説明では、薄膜トランジスタ107についてのみ説明し、薄膜トランジスタ106についてはその説明を省略する。
【0041】
次に、図5(C)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングし、ゲート電極143などを形成する。次に、この状態でリンなどの不純物を打ち込み、半導体膜109aに、ゲート電極143に対して自己整合的にソース・ドレイン領域109b、109cを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域109dとなる。
【0042】
次に、図5(D)に示すように、第1層間絶縁膜122を形成した後、コンタクトホールを形成し、これらのコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域109b、109cに電気的に接続するソース・ドレイン電極126および共通給電線165を形成する。その際、データ線164なども形成する。
【0043】
次に、図5(E)に示すように、各配線の上面を覆うように、SiO2、TiO2などの無機絶縁膜からなる第2層間絶縁膜123を形成した後、第2層間絶縁膜123に対してソース・ドレイン電極126に対応する位置にコンタクトホールを形成する。
【0044】
次に、画素電極形成工程において、第2層間絶縁膜23の上層にITO膜を形成した後、ITO膜をパターニングして、データ線164、走査線163および共通給電線165に囲まれた所定位置に画素電極111を形成する。
【0045】
次に、必要に応じて、大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行い、画素電極111あるいは、第2層間絶縁膜123のうち、画素電極111から露出している部分に親液性を付与する。
【0046】
次に、図5(F)に示す隔壁形成工程において、図2に示す有機機能層113の形成場所を囲むように隔壁105を形成する。その結果、隔壁105の内側には凹部151が形成される。隔壁105は、仕切り部材として機能するものであり、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの絶縁性有機材料で形成する。隔壁5の膜厚については、例えば1〜2μmの高さとなるように形成する。なお、隔壁5は、ポリシラザンなどの絶縁性無機材料で形成してもよい。
【0047】
次に、必要に応じて、隔壁105に対して撥液化処理を行い、隔壁105に対して、有機機能層113を形成するための液状物に対する撥液性を付与する。このような撥液性を付与するためには、例えば、隔壁105の表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法が採用される。フッ素化合物としては、例えばCF4、SF5、CHF3などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。
【0048】
次に、正孔輸送層113を形成する。それには、図6(A)に示す液滴吐出工程(塗布工程)において、基板120の上面を上に向けた状態で、図5を参照して説明した液滴吐出ヘッドより、液状の正孔輸送層形成液(液状物)の液滴Maを、隔壁105に囲まれた凹部151内に選択的に充填する。その際、正孔輸送層形成液は、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁105が形成されているので、正孔輸送層形成液は隔壁105を越えてその外側に広がることがない。
【0049】
ここで、正孔輸送層形成液としては、例えば、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(導電性高分子材料)と、ポリスチレンスルホン酸(ドーパント)とを溶媒に分散させた溶液を用いる。
【0050】
このような正孔輸送層形成液としては、溶媒として水単独を用い、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸を水に分散させたものを用いることができるが、正孔輸送層形成液の液滴Maをノズル開口から安定した状態に吐出するには、正孔輸送層形成液の粘度や沸点などを最適化する必要がある。また、液滴Maを吐出した後の乾燥により、正孔輸送層113aを好適に定着させるには、正孔輸送層形成液の乾燥速度(蒸発速度)などを最適化する必要がある。
【0051】
そこで、本形態では、ポリスチレンスルホン酸および3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させる溶媒として、水に有機溶剤を配合した混合溶媒を用い、有機溶剤により正孔輸送層形成液の性質を最適化する。このような混合溶媒に使用可能な有機溶剤としては、アルコール類、エーテル類、ラクトン類、オキサゾリジノン類、カーボネート類、ニトリル類、アミド類、スルホン類などが挙げられるが、本形態では、混合溶媒としたときの水との相溶性、正孔輸送層を構成する材料(ポリスチレンスルホン酸および3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン)に対する分散性、C−OH結合の有無を考慮して、正孔輸送層形成液の溶媒(分散媒)として、非環式エーテル系溶媒、環式エーテル系溶媒、ラクトン系溶媒などのC−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒と、水との混合溶媒を用いる。ここで、溶媒における非プロトン性極性溶媒の配合比は、例えば、溶媒全体に対して10〜80wt%であり、残部が水であることが好ましい。また、正孔輸送層形成液の溶媒において、水と混合する非プロトン性極性溶媒については、1種あるいは2種以上を用いてもよい。さらに、正孔輸送層形成液の溶媒において、水およびC−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒に加えて第3の溶媒を併せて配合してもよい。
【0052】
本形態において、C−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒として使用可能な非環式エーテル系溶媒としては、メチラール、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどが挙げられる。
【0053】
本形態において、C−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒として使用可能な環式エーテル系溶媒としては、2,5−ジメトキシテトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0054】
本形態において、C−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒として使用可能なラクトン系溶媒としては、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなどが挙げられる。
【0055】
このようなC−O−C結合を備えた非プロトン性極性のうち、正孔輸送層形成液の粘度調整に加えて、沸点を高めたい場合には、上記の有機溶剤のうち、水よりも沸点の溶媒を用いることが好ましい。また、溶媒におけるC−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒の配合比を溶媒全体に対して10wt%以上とする場合、水との相溶性が高い有機溶剤を選択して用いればよい。
【0056】
このようにして正孔輸送層形成液を液滴吐出ヘッドから吐出して所定位置に配置した後、液状の正孔輸送層形成液に対して乾燥処理を行い、正孔輸送層形成材料中の溶媒を蒸発させ、正孔輸送層形成材料を固化させる(乾燥工程)。ここで、乾燥処理の方法としては、40〜200℃程度で加熱して前記正孔輸送層形成材料中の溶媒を蒸発させる方法と、大気圧以下、例えば10-4〜10-6パスカル(Pa)程度の減圧雰囲気中に放置して、正孔輸送層形成材料中の溶媒を蒸発させる方法などがある。このような乾燥工程により、図6(B)に示すように、画素電極111上に、正孔輸送層113aの下層を構成する導電性高分子層113aが約10〜60nmの膜厚で形成される。
【0057】
次に、発光層113bを形成する。それには、図7(A)に示す液滴吐出工程において、基板120の上面を上に向けた状態で、図5を参照して説明したような液滴吐出ヘッドより、発光層形成液の液滴Mbを、隔壁105に囲まれた凹部151内に選択的に充填する。発光材料としては、例えば分子量が1000以上の高分子材料が用いられる。具体的には、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドンなどをドープしたものが用いられる。なお、このような高分子材料としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、例えば特開平11−40358号公報に示される有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物、すなわち共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物も、発光層形成材料として使用可能である。
【0058】
このような発光材料を溶解あるいは分散する有機溶媒としては、非極性溶媒が好適とされ、特に発光層113bが正孔輸送層113aの上に形成されることから、この正孔輸送層113aに対して不溶なものが用いられることが好ましい。具体的には、キシレン、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼンなどが好適に用いられる。なお、発光層形成液の吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それぞれ対応する画素に吐出し塗布することによって行う。また、各色に対応する画素は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
【0059】
このようにして各色の発光層形成液を吐出した後、液状の発光層形成液に対して乾燥処理を行い、発光層形成材料中の溶媒を蒸発させ、発光層形成材料を固化させる(固化工程)。その結果、図7(B)に示すように、正孔輸送層113a上に固形の発光層113bが形成される。これにより、正孔輸送層113aおよび発光層113bからなる有機機能層113が形成される。ここでの乾燥処理の方法としても、40〜200℃程度で加熱して発光層形成材料中の溶媒を蒸発させる方法と、大気圧以下、例えば10-4〜10-6パスカル(Pa)程度の減圧雰囲気中に放置して発光層形成材料中の溶媒を蒸発させる方法などがある。
【0060】
なお、発光層形成材料の乾燥処理については、発光層形成材料のガラス転移点未満の温度、例えば100℃未満の温度で加熱することにより、乾燥するのが好ましい。このような温度で乾燥することにより、発光層形成材料中の溶剤の蒸発速度を比較的低く抑えることができるとともに、発光層形成材料の液状化による流動も抑えることができ、その結果、得られる発光層113bについても十分に平坦化することができる。また、発光層形成の際の乾燥処理によって生じる熱的ダメージが、発光層発光層113bだけでなく、正孔輸送層113aに対しても小さくなり、初期輝度の低下などによる表示性能の低下が抑制される。
【0061】
次に、図3(A)に示すように、基板120の表面全体に、あるいはストライプ状に、LiF/Al(LiFとAlとの積層膜)やMgAg、あるいはLiF/Ca/Al(LiFとCaとAlとの積層膜)を蒸着法などによって成膜し、対向電極112を形成する。その後、封止を行った後、さらに配線などの各種要素を形成することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子110を各画素115に備えた発光装置100を製造することができる。
【0062】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、正孔輸送層113aを液滴吐出法で形成する際、正孔輸送層113aを形成するための液状物として、C−O−C結合を備えた非プロトン性極性溶媒と水との混合溶媒を用いる。ここで用いた有機溶媒は、極性溶媒であり、水との相溶性、正孔輸送層を構成する材料に対する溶解性や分散性に優れている。また、かかる有機溶媒は、非プロトン性であり、C−OH結合を有していない。このため、スピンコート法や液滴吐出法を利用して正孔輸送層113aを好適に形成するために、水と有機溶剤との混合溶媒を用いた場合でも、溶媒として水単独を用いた場合と比較して、正孔輸送層113aの抵抗、表面粗さ、仕事関数などに大きな変化がない。特に上記の特性のうち、正孔輸送層113aの抵抗値に大きな変化がないので、発光特性および信頼性の優れたエレクトロルミネッセンス素子110を備えた発光装置100を製造することができる。
【0063】
[その他の実施の形態]
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などは一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0064】
例えば、上記形態では、液状物の液滴をノズル開口から媒体上に吐出する液滴吐出法を採用したが、液状物を媒体上にスピンコート法により塗布する塗布工程を採用した場合に本発明を適用してもよい。
【0065】
また、上記形態では、正孔輸送層113aとして、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを用いたが、その他のポリアルキルチオフェン誘導体や、ポリピロール誘導体を用いてもよい。また、正孔輸送層113aとしては、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサンなどを高分子前駆体として形成した層を用いた場合に本発明を適用してもよい。
【0066】
また、有機エレクトロルミネッセンス素子110の有機機能層113において、正孔輸送層113aと発光層113bとの層間に、高分子材料からなる中間層が形成されている場合にも、正孔輸送層113aの形成に本発明を適用してもよい。このような中間層としては、例えば、発光層113bから正孔輸送層113aへの電子の移動を妨げる電子ブロック層などがある。また、中間層として、SbCl5、AlCl3、FeCl3、AsCl3、BFなどのハロゲン化金属などのドーパントを含有する芳香属族アミン誘導体層などを形成すれば、正孔輸送層113aから発光層113bに不純物イオンが拡散することを防止する不純物イオンブロック層などとして機能する。
【0067】
また、本発明を適用した発光装置は、デジタル複写機やプリンタなどの画像形成装置における露光用ヘッドとして用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた発光装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】(A)、(B)は、本発明を適用した発光装置の1画素分の平面図および断面図である。
【図3】本発明を適用した発光装置の各色に対応する3つの画素(1ドット分)の断面図である。
【図4】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図、撓み振動モードの圧力発生素子の説明図、および縦振動モードの圧力発生素子の説明図である。
【図5】本発明に係る発光装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図6】本発明に係る発光装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図7】本発明に係る発光装置の製造方法を示す工程断面図である。
【符号の説明】
【0069】
100・・発光装置、113・・有機機能層、113a・・正孔輸送層、113e・・発光層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、陽極層、正孔輸送層、発光層および陰極層がこの順に積層されたエレクトロルミネッセンス素子を備えた発光装置の製造方法において、
前記正孔輸送層の形成にあたっては、当該正孔輸送層を形成するための材料を溶媒に溶解あるいは分散させた液状物を媒体上に塗布する塗布工程と、当該媒体上に吐出した前記液状物を乾燥させる乾燥工程とを行い、
前記液状物では、前記溶媒として、C−O−C結合を備えた非プロトン系極性溶媒と水とを含む混合溶媒を用いることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記溶剤では、前記非プロトン性極性溶媒として、非環式エーテル系溶媒が1種あるいは2種以上が配合されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記溶剤では、前記非プロトン性極性溶媒として、環式エーテル系溶媒が1種あるいは2種以上が配合されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記溶剤では、前記非プロトン性極性溶媒として、ラクトン系溶媒が1種あるいは2種以上が配合されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記溶媒における前記非プロトン性極性溶媒の配合比が溶媒全体に対して10〜80wt%であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記正孔輸送層は、ポリスチレンスルホン酸をドーパントとして含有する3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンからなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記塗布工程では、前記液状物の液滴をノズル開口から媒体上に吐出する液滴吐出工程を行うことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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