説明

発光装置及びこれを用いた自動販売機

【課題】LEDを光源として用いた場合でも、LEDの光を広範囲に亘って均一に出射することのできる発光装置及びこれを用いた自動販売機を提供する。
【解決手段】パネル本体部41内に、互いにパネル本体部41の厚さ方向に間隔をおいて対向する第1及び第2の反射面47,48を設けるとともに、第1の反射面47上にLED43を発光面43aが第2の反射面48に臨むように配置したので、LED43の光を第1及び第2の反射面47,48間で繰り返し反射させながら入射端面42aの幅方向に分散させた後、第1及び第2の反射面47,48間から入射端面42aに向かって出射することができ、延出部42の出射端面42bを延出部42の周縁部に沿って均一に発光させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば紙パック、缶、ビン、ペットボトル入りの商品を販売する自動販売機に用いられる発光装置及びこれを用いた自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の自動販売機としては、前面を開口した自動販売機本体と、自動販売機本体の前面を開閉する外扉とを備え、外扉の前面には、商品サンプル室、商品選択スイッチ、硬貨投入口、紙幣投入口、硬貨返却口、硬貨返却レバー、商品取出口等が設けられている。また、この自動販売機では、商品サンプル室内を照明することにより、周囲が暗い場所でも商品サンプルを利用者に見やすく表示し、販売促進効果を高めるようにしている。
【0003】
ところで、近年では、地球温暖化対策として、電力消費量を減らして二酸化炭素排出量を削減する取り組みが行われているが、自動販売機においても節電機能を備えたものが提案されている。例えば、利用者を検知する人感センサを設け、人感センサによって利用者を検知していないときは商品サンプル室を消灯したり、或いは商品サンプル室用の照明スイッチを利用者が操作したとき以外は照明灯を消灯するなど、商品サンプル室の消灯によって節電するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1または2参照)。
【0004】
しかしながら、自動販売機が利用されていないときに商品サンプル室を消灯すると、周囲が暗い場所では、利用者が自動販売機の存在に気づかなかったり、或いは自動販売機が稼働状態でないと誤認するなど、商品サンプル室の消灯によって販売機会を逸する場合もある。
【0005】
そこで、商品サンプル室を消灯している間でも、消費電力の少ないLEDを用いて、硬貨投入口の周囲を光らせたり(例えば、特許文献3参照)、或いは金額表示器に任意の文字や図形等を発光させることにより(例えば、特許文献4参照)、自動販売機が稼働状態であることを表示するようにしているが、必ずしも十分とはいえず、自動販売機が稼働状態でないと誤認される場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−182223号公報
【特許文献2】特開2010−146080号公報
【特許文献3】実開昭61−16673号公報
【特許文献4】特開平3−40090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前述のようにLEDを用いた照明装置では、透明アクリル板からなる導光部材の端面にLEDの発光面を向けて光を入射し、他の端面から出射するようにしているが、LEDは点光源であるため散光しずらく、広範囲に亘る出射端面を均一に発光させることが困難である。このため、発光範囲が狭くなり、稼働状態の表示効果を低下させるという問題点があった。また、出射端面を広範囲に亘って形成すると、発光ムラが生じて見栄えを損なうという問題点があった。
【0008】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、LEDを光源として用いた場合でも、LEDの光を広範囲に亘って均一に出射することのできる発光装置及びこれを用いた自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発光装置は、前記目的を達成するために、互いに所定間隔をおいて対向する第1及び第2の反射面と、発光面が第1の反射面もしくは第2の反射面の何れか一方に臨むように配置されたLEDとを備えている。
【0010】
これにより、LEDの光が第1の反射面もしくは第2の反射面に向かって照射されるとともに、第1の反射面と第2の反射面との間で繰り返し反射しながら分散した後、第1及び第2の反射面間から外部に向かって出射される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、LEDの光を第1の反射面と第2の反射面との間で分散させることができるので、LEDを光源として用いた場合でも、LEDの光を広範囲に亘って均一に出射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動販売機の全体斜視図
【図2】自動販売機の側面断面図
【図3】化粧パネルの正面図
【図4】底面断面図
【図5】化粧パネルのA−A線矢視方向部分断面図
【図6】基板の正面図
【図7】LEDの側面図
【図8】LEDの正面図
【図9】光の照射状態を示す化粧パネルのA−A線矢視方向部分断面図
【図10】光の照射状態を示す化粧パネルの正面図
【図11】発光状態を示す化粧パネルの正面図
【図12】試験結果を示す表
【図13】出射端面の変形例を示す部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図12は本発明の一実施形態を示すものである。同図に示す自動販売機は、前面を開口した自動販売機本体10と、自動販売機本体10の前面を開閉する外扉20と、自動販売機本体内に設けられた断熱性の商品収納庫30とを備え、外扉20の前面には本発明の照明装置を用いた化粧パネル40が設けられている。
【0014】
自動販売機本体10は、商品収納庫30の下方に配置された機械室11を有し、機械室11内には商品収納庫30内を冷却するための冷凍機器等が収容されている。
【0015】
外扉20は、幅方向一端側を自動販売機本体10に回動自在に支持され、その前面には商品サンプル室21、複数の商品選択スイッチ22、紙幣投入口23、硬貨投入口24、硬貨返却口25、返却レバー26、商品取出口27、広告パネル28及び表示器29が設けられている。商品サンプル室21内には、複数の商品サンプル21aと、商品サンプル室21内を照明する照明灯21bが設けられ、照明灯21bは、例えば人感センサ(図示せず)によって利用者を検知していないときや、利用者の少ない所定の時間帯に消灯するようになっている。表示器29は、例えば「販売中」等の文字やその他の文字からなる販売情報を切り換えて表示する周知の機器からなり、その表面に文字等の情報を発光させて表示するようになっている。
【0016】
商品収納庫30は、前面を開口した断熱箱30aによって形成され、その内部には冷却器及び送風機からなる冷却ユニット31及びヒータ32が設けられている。即ち、冷たい商品を販売する場合は冷却ユニット31によって商品収納庫30内が冷却され、温かい商品を販売する場合はヒータ32によって商品収納庫30内が加熱されるようになっている。この場合、図示していないが、商品収納庫30内は幅方向複数の収納室に仕切られており、各収納室ごとに冷却または加熱されるようになっている。また、商品収納庫30内には、搬出商品を前方に案内するシュート板33が設けられている。商品収納庫30の前面は内扉34によって開閉するようになっており、内扉34の下部には複数の商品搬出口34aが設けられている。商品収納庫30内には、サーペンタイン式の複数の商品収納コラム35が設けられ、各商品収納コラム35は商品収納庫30内の前後方向及び幅方向に配列されている。商品収納コラム35は、上部の商品投入口35aから投入された商品を蛇行状の商品通路35bに収納し、商品通路の下端に設けられた商品搬出装置36により、商品通路35b内の商品を一つずつ下方に落下させて搬出するようになっている。各商品搬出装置36は、商品通路35bの下方から2番目の商品をロックレバー36aで保持した状態で、ゲートレバー36bを開放して最下位の商品を商品通路35bから落下させる周知の構造からなり、ロックレバー36a及びゲートレバー36bは図示しないソレノイドで駆動されるようになっている。
【0017】
化粧パネル40は、硬貨投入口24、返却レバー26及び表示器29が配置されるパネル本体部41と、パネル本体部41から外扉20の表面に沿って外側に板状に延出する導光部材としての延出部42と、パネル本体部41内に設けられた複数のLED43と、各LED43が取り付けられた基板44とからなり、パネル本体部41及び延出部42はアクリル、ポリカーボネート等の合成樹脂によって一体に形成されている。
【0018】
パネル本体部41は、延出部42と一体をなす透明な合成樹脂の一部からなり、その表面は光反射性の表面層41aによって非透明に形成されている。表面層41aは、光反射性の色(例えば銀色)を有し、例えばパネル本体部41の表面に塗料を蒸着させることによって形成されている。これにより、パネル本体部41は、内面側から外面側には光透過性を有するが、外面側から内面側へは光を透過せずに反射するようになっている。パネル本体部41には、硬貨投入口24が配置される第1の凹部41bと、返却レバー26が配置される第2の凹部41cと、表示器29が配置される孔41dが設けられている。第1の凹部41b、第2の凹部41c及び孔41dはそれぞれ円形に形成され、パネル本体部41に横方向に配列されている。各凹部41b,41cの内周面41b−1,41c−1はテーパ状をなすように形成され、これによりテーパ状に傾斜した内周面41b−1,41c−1が各凹部41b,41cの正面から見えるようになっている。第1の凹部41bの底面には硬貨投入口24を有する円形の金属板24aが取り付けられ、硬貨投入口24から投入された硬貨は硬貨処理装置(図示せず)に収納されるようになっている。第2の凹部41cの底面には硬貨返却レバー26が回動自在に設けられ、硬貨返却レバー26の回動軸26aは第2の凹部41cの底面を貫通して硬貨処理装置(図示せず)に連結されている。
【0019】
延出部42は、パネル本体部41と一体をなす合成樹脂の透明部分からなり、パネル本体部41の一側方と下方に向かって延出している。この場合、一側方に延出する部分と下方に延出する部分とは互いに連続するようにエプロン状に形成され、その間の角部周縁は曲線状に湾曲している。また、延出部42は、下方に延出する部分がパネル本体部41の幅方向一端側を除いて形成されており、パネル本体部41の幅方向一端側の下方には、紙幣投入口23が延出部42の下方延出部分と隣り合うように配置されている。
【0020】
各LED43は、図7及び図8に示すように発光面43aと垂直な方向の高さ寸法Hが、高さ寸法Hと直交する幅寸法W及び奥行き寸法Dよりも小さいチップ型LEDからなり、例えば青色に発光するようになっている。
【0021】
基板44は、一方の面に各LED43が実装されたプリント基板からなり、パネル本体部41の内面に対向するように配置されている。この場合、基板44は、表示器29が配置されるパネル本体部41の幅方向一端側と、各凹部41b,41cに対応する円形部分を除くように形成されている。基板44上の各LED43は、延出部42に沿ったパネル本体部41の縁部の複数箇所に互いに間隔をおいて配列されるとともに、第1の凹部41bと第2の凹部41cとの間の複数箇所にも配置されている。また、基板44とパネル本体部41との間には、延出部42に沿って延びるスペーサ45が設けられている。この場合、スペーサ45の周端は基板44の周端よりも内側に位置しており、基板44の周端とスペーサ45との間に延出部42用のLED43が配置されている。
【0022】
パネル本体部41と延出部42は、図5に示すように厚さ寸法Y1 を有する板状に形成されており、延出部42の内面がパネル本体部41の内面よりも外扉20の前面に対して低くなるように延出部42の厚さ分だけ段差をなしている。この段差によるパネル本体部41内の空間には基板44が配置され、スペーサ45によってパネル本体部41の内面と基板44の一方の面との間に隙間が設けられている。この場合、スペーサ45の端面は基板44の一方の面に対して所定角度(例えば45゜)をなすように傾斜しており、スペーサ45の端面とパネル本体部41の内面はそれぞれ反射板46(例えば、アルミ箔)によって覆われている。また、基板44の一方の面は光反射性の色(例えば白色)に形成されている。これにより、基板44の一方の面によって第1の反射面47が形成され、パネル本体部41の内面側の反射板46により、第1の反射面47に対向する第2の反射面48が形成されている。第1の反射面47上にはLED43が実装され、LED43は発光面43aを第2の反射面48に向けて配置されている。この場合、LED43の発光面43aから第2の反射面48までの延出部42の厚さ方向の距離Y2 は、延出部42の延出部42の厚さ寸法Y1 の1/3倍以上1倍以下が好ましい。また、スペーサ45の端面側の反射板46により、第1の反射面47と傾斜をなす第3の反射面49が形成されている。
【0023】
また、パネル本体部41と延出部42との段差により、延出部42の端面は、第1及び第2の反射面47,48の端部に臨む入射端面42aを形成しており、図9に示すように各反射面47,48,49で反射したLED43の光が入射端面42aに入射するようになっている。この場合、LED43は発光面43aを第2の反射面48に向けて配置されているので、LED43の光が第1の反射面47と第2の反射面48との間で繰り返し反射した後、入射端面42aに入射する。また、入射端面42aの反対側に照射された光は、第3の反射面49によって入射端面42a側に反射する。尚、LED43の発光面43aの中心から入射端面42aまでの延出部42の延出方向の距離X2 は、LED43の発光面43aから第2の反射面48までの延出部42の厚さ方向の距離Y2 の2倍以上3倍以下が好ましい。
【0024】
更に、延出部42の周縁部には、延出部42の表面に対して所定角度(例えば45゜)をなすように傾斜した出射端面42bが形成されており、図9に示すように入射端面42aに入射された光が延出部42に案内されて出射端面42bから外部に出射されるようになっている。この場合、出射端面42bはシボ、梨地、ヘアライン等の粗面に加工され、光が乱反射されることによって出射端面42bが光るようになっている。また、延出部42の周縁部には、延出部42の内面側に向かって屈曲する屈曲部42cが設けられ、屈曲部42cの厚さ寸法X1 は、延出部42の厚さ寸法Y1 よりも小さくなっている。
【0025】
以上のように構成された自動販売機においては、通常の販売動作時には表示器29に「販売中」の文字が点灯し、利用者に対して販売可能であることが表示される。ここで、利用者が硬貨投入口24に硬貨を投入し、任意の商品選択スイッチ22が押されると、対応する商品を収納した商品収納コラム35の商品搬出装置36が作動し、商品収納コラム35の商品が商品取出口27に搬出される。また、商品選択スイッチ22が押される前に返却レバー26が操作されると、投入硬貨が硬貨返却口25に返却される。尚、紙幣投入口23に紙幣が投入されていた場合は、返却レバー26が操作されると、紙幣投入口23に紙幣が返却される。
【0026】
また、前記自動販売機においては、例えば人感センサ(図示せず)によって利用者を検知していないときや、利用者の少ない所定の時間帯に、商品サンプル室21の照明灯21bが消灯する。その際、化粧パネル40においては、図11に示すように、表示器29による「販売中」の文字の点灯のみならず、各LED43の点灯により、延出部42の周縁部と硬貨投入口24及び硬貨返却レバー26の周囲がそれぞれ発光する(図11の黒塗り部分が発光部を示す)。
【0027】
即ち、延出部42においては、図9に示すように入射端面42aに入射された光が延出部42に案内されて出射端面42bから外部に出射されるが、延出部42の入射端面42aと出射端面42bとの間は発光せず、延出部42の周縁部(出射端面42b)のみがライン状に発光する。この場合、LED43の光が第2の反射面48に向かって照射されるとともに、第1の反射面47と第2の反射面48との間で繰り返し反射しながら入射端面42aの幅方向に分散した後、第1及び第2の反射面47,48間から延出部42の入射端面42aに向かって出射されることから、出射端面42bが延出部42の周縁に沿って均一に発光する。
【0028】
一方、第1の凹部41b及び第2の凹部41cの近傍に配置されたLED43の光は、各凹部41b,41cの内周面41b−1,41c−1を透過して各凹部41b,41c内に出射されるが、各凹部41b,41c内の光は表面層41aによって内周面41b−1,41c−1で反射する。その際、各内周面41b−1,41c−1は円周面をなすため、図10に示すように各内周面41b−1,41c−1で光が繰り返し反射し、各内周面41b−1,41c−1の全体がリング状に発光するように照明される。
【0029】
また、延出部42の周縁部(出射端面42b)の発光均一性について、本発明の実施例1〜4及び比較例の試験を行ったところ、図12の結果が得られた。ここで、LED43の発光面43aの方向は、実施例1〜4が前記実施形態のように第1及び第2の反射面47,48に垂直な方向、比較例が第1及び第2の反射面47,48に平行な方向(入射端面42aに対して垂直)とした。第1の反射面47と第2の反射面48との間の距離Y3 は、比較例及び実施例1〜4の何れも3.5mmとした。LED43の基板44に垂直な方向の高さHは、比較例及び実施例1が0.4mm、実施例2〜4が1mmとした。LED43の発光面43aから第2の反射面48までの距離Y2 (=Y3 −H)は、比較例及び実施例1が3.1mm、実施例2〜4が2.5mmとした。LED43の発光面43aの中心から基板44の端部までの距離Lは、比較例及び実施例1〜2が7mm、実施例3が3mm、実施例4が1mmとした。基板44の端部から入射端面42aまでの距離は何れも0.5mmとし、LED43の発光面43aの中心から入射端面42aまでの距離X2 (=L+0.5)は、比較例及び実施例1〜2が7.5mm、実施例3が3.5mm、実施例4が1.5mmとした。
【0030】
この試験では、周囲が暗い場所でLED43を点灯し、比較例及び実施例1〜4における延出部42の出射端面42bが周縁部に沿って均一に発光しているか否かを目視により観察するとともに、発光均一性について比較例を100とする指数で評価した。この場合、指数の数値が高いほど優位性があるとした。
【0031】
試験の結果、比較例は、延出部42の周縁部に沿って部分的に明暗の差が生ずる発光ムラを生じたが、実施例1は発光ムラがなく発光均一性が最も良好であるという結果が得られた。また、実施例2〜3はやや発光ムラが確認されたが、実施例4は発光ムラが殆どないという結果が得られた。
【0032】
また、LED43の発光面43aの中心から入射端面42aまでの距離X2 と、LED43の発光面43aから第2の反射面48までの距離Y2 との比は、実施例1が2.4:1、実施例2が3:1、実施例3が1.4:1、実施例4が0.6:1であるから、前記試験結果より、X2 :Y2 は実施例1の2.4:1が最適であり、好ましくは、X2 がY2 の2倍以上3倍以下であればよい。
【0033】
更に、LED43の発光面43aから第2の反射面48までの延出部42の厚さ方向の距離Y2 が、延出部42の入射端面42aと出射端面42bとの間における延出部42の厚さ寸法Y1 の1/3よりも小さいと入射端面42aに入射される光量が不十分となり、1倍よりも大きいとLED43の光が入射端面42a以外に漏れるため、Y2 はY1 の1/3倍以上1倍以下が好ましい。
【0034】
このように、本実施形態の自動販売機用化粧パネル40によれば、表面を非透明に形成されたパネル本体部41と、パネル本体部41から外扉20の表面に沿って外側に延出する透明な延出部42と、パネル本体部41内に設けられたLED43とを備え、パネル本体部41内に、互いにパネル本体部41の厚さ方向に間隔をおいて対向する第1及び第2の反射面47,48を設けるとともに、第1の反射面47上にLED43を発光面43aが第2の反射面48に臨むように配置し、LED43の光を第1及び第2の反射面47,48で繰り返し反射させて第1及び第2の反射面47,48の端部から延出部42に入射し、延出部42の周縁部から外部に出射するようにしたので、LED43の光を第1及び第2の反射面47,48間で繰り返し反射させながら入射端面42aの幅方向に分散させた後、第1及び第2の反射面47,48間から入射端面42aに向かって出射することができ、延出部42の出射端面42bを延出部42の周縁部に沿って均一に発光させることができる。これにより、延出部42の周縁部を発光ムラを生ずることなく広範囲に亘って発光させることができ、延出部42の発光による自動販売機の稼働状態の表示を暗い場所でも容易に確認することができる。従って、利用者への販売機会を逸することがなく、販売促進効果を高めることができる。
【0035】
この場合、LED43として、発光面43aと垂直な方向の高さ寸法Hが高さ寸法と直交する方向の寸法W,Dよりも小さいものを用いたので、第1及び第2の反射面47,48の間隔Y3 を小さくすることができ、パネル本体部41の薄型化に極めて有利である。
【0036】
また、LED43の近傍に第1及び第2の反射面47,48に対して傾斜をなす第3の反射面49を設けたので、LED43を発光面43aが第2の反射面48に臨むように配置しても、入射端面42aの反対側に照射された光を第3の反射面49によって入射端面42a側(第1及び第2の反射面47,48)に反射させることができ、延出部42側への光量を低下させることがないという利点がある。
【0037】
更に、LED43の発光面43aの中心から延出部42の入射端面42aまでの延出部42の延出方向の距離X2 を、LED43の発光面43aから第2の反射面48までの延出部42の厚さ方向の距離Y2 の2倍以上3倍以下とすることにより、延出部42の出射端面42bを周縁部に沿って均一に発光させる上で最適な構成とすることができる。
【0038】
また、LED43の発光面43aから第2の反射面48までの延出部42の厚さ方向の距離Y2 を、延出部42の入射端面42aと出射端面42bとの間における延出部42の厚さ寸法Y1 の1/3倍以上1倍以下とすることにより、LED43の光を効率良く延出部42の入射させる上で最適な構成とすることができる。
【0039】
更に、パネル本体部41に、硬貨投入口24が配置される第1の凹部41bと、返却レバー26が配置される第2の凹部41cとを設け、各凹部41b,41cの内周面41b−1,41c−1を、パネル本体部41の内側から外側に光を透過するとともに、外側からの光を反射するように形成し、パネル本体部41内のLED43の光を各凹部41b,41cの内周面41b−1,41c−1の周方向所定箇所から他の箇所に向かって出射するようにしたので、各内周面41b−1,41c−1で光を繰り返し反射させて各内周面41b−1,41c−1の全体がリング状に発光するように照明することができ、延出部42の周縁部の発光と共に、自動販売機の稼働状態の表示効果を高めることができる。また、周囲が暗く、商品サンプル室21が消灯している場合でも、各凹部41b,41cの照明により、硬貨投入口24及び返却レバー26の位置を容易に確認することができるので、硬貨の投入や返却操作を確実に行うことができる。
【0040】
尚、前記実施形態では、パネル本体部41に、硬貨投入口24、硬貨返却レバー26及び表示器29を配置したものを示したが、硬貨投入口24及び硬貨返却レバー26の何れか一方のみを配置したり、或いはパネル本体部41に紙幣投入口23や広告表示部等を配置するようにしてもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、互いに間隔をおいて対向する第1及び第2の反射面47,48と、発光面43aが第2の反射面48に臨むように第1の反射面47上に配置されたLED43とを備え、LED43の光を第1及び第2の反射面47,48で繰り返し反射させて第1及び第2の反射面47,48の端部から外部に出射するようにした照明装置を自動販売機の化粧パネル40に用いたものを示したが、本発明の照明装置は、例えば自動販売機以外の機器や、インテリア、家具等、各種の照明装置として用いることができる。
【0042】
更に、前記実施形態では、延出部42の出射端面42bをシボ、梨地等の粗面に加工するようにしたものを示したが、例えば図13(a) に示すように出射端面42bの表面に角錐状または円錐状の多数の突起42b−1を設けるようにしたり、或いは図13(b) に示すように角柱状または円柱状の多数の突起42b−2を設けたりするようにしてもよい。また、図13(c) に示すように出射端面42bの表面に階段状の凹凸部42b−3を設けるようにしてもよい。
【0043】
また、前記実施形態では、パネル本体部41の表面に塗料を蒸着させることにより表面層41aを形成するようにしたものを示したが、パネル本体部41の裏面に塗料を蒸着させるようにすれば、パネル本体部41の表面のキズや汚れによって蒸着面が損なわれることがないという利点がある。
【0044】
更に、前記実施形態では、第1の反射面47と第2の反射面48とを互いに平行に対向させるようにしたものを示したが、第1及び第2の反射面47,48の間隔が入射端面42a側に向かって徐々に広くなるように、第1及び第2の反射面47,48を略平行に対向させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
20…外扉、21…商品サンプル室、21b…照明灯、24…硬貨投入口、26…硬貨返却レバー、40…化粧パネル、41…パネル本体部、41b…第1の凹部、41c…第2の凹部、42…延出部、42a…入射端面、42b…出射端面、43…LED、43a…発光面、47…第1の反射面、48…第2の反射面、49…第3の反射面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに所定間隔をおいて対向する第1の反射面及び第2の反射面と、
発光面が、第1の反射面もしくは第2の反射面の何れか一方に臨むように配置されたLEDとを備えた
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記LEDは、第1の反射面もしくは第2の反射面の何れか一方の面上に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1の反射面と第2の反射面との間に設けられ、前記LEDから照射される光を所定の方向へ進行させる第3の反射面を設けた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記LEDから照射される光を第1の反射面と第2の反射面を介して一端面から入射するとともに他端面から外部に出射する導光部材の入射側の端面を第1の反射面と第2の反射面との間に臨むように配置した
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記導光部材の入射側の端面と対向するとともに、前記LEDが前記導光部材との間に位置するように第3の反射面を設けた
ことを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記LEDの発光面の中心から導光部材の入射側の端面までの距離が、LEDの発光面から第1の反射面もしくは第2の反射面までの距離の2倍以上である
ことを特徴とする請求項4または5に記載の発光装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の発光装置を備えた
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項8】
自動販売機の外扉の前面に設けられ、請求項1乃至6の何れか一項に記載の発光装置を有する化粧パネルを備え、
化粧パネルに硬貨投入口または硬貨返却レバーの少なくとも一方が配置される凹部を設け、
凹部の内周面を、化粧パネルの内側から外側に光を透過するとともに、外側からの光を反射するように形成し、
化粧パネル内のLEDを凹部の内周面の周方向所定箇所から他の箇所に向かって光を出射するように構成した
ことを特徴とする請求項7に記載の自動販売機。
【請求項9】
前記外扉の前面に設けられた商品サンプル室と、
商品サンプル室内を照明する照明灯とを備え、
少なくとも照明灯が消灯しているときに前記化粧パネルのLEDを点灯するように構成した
ことを特徴とする請求項8に記載の自動販売機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−212205(P2012−212205A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76236(P2011−76236)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【出願人】(510054670)株式会社 三景 (3)
【Fターム(参考)】