説明

発光装置及びその製造方法

【課題】素子搭載基板からのケース及び封止部材の剥離発生を抑制することができる発光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】発光装置1は、光取出側に開口するケース20、及びケース20内に充填された封止部材21を有する樹脂パッケージ2と、樹脂パッケージ2の封止部材21によって封止された発光素子4と、発光素子4を搭載するとともに、樹脂パッケージ2を素子搭載面3a側に形成する素子搭載基板3とを備え、素子搭載基板3は、ケース20及び封止部材21との間に互いに密着する凹凸部A〜Dを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子搭載部に発光素子が搭載される発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高出力型の発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)素子の開発が進められてきており、消費電力が数ワット単位の高出力タイプのものも既に製品化されている。LED素子は発熱の少ないことが特徴であるが、高出力型のLED素子は大電流が流れるため、無視できないレベルの発熱が生じる。
【0003】
このため、発光装置においては、例えばLED素子を搭載するリードフレームの裏面を外部に露出させ、この外部露出部からLED素子による発熱を効果的に放散してその信頼性を確保することが行われる。
【0004】
従来、この種の発光装置には、素子搭載部及びワイヤ接続部を有するリードフレームと、リードフレームの素子搭載部に搭載してワイヤ接続部にワイヤで接続するLED素子と、LED素子を収容する樹脂ケースと、樹脂ケース内に充填されてLED素子及びワイヤを封止する封止部材とを備えたものが知られている(例えば特許文献1)。
【0005】
このような発光装置は、リードフレームに樹脂ケースを形成し、次いで樹脂ケース内でリードフレームの素子搭載部にLED素子を搭載し、しかる後リードフレームのワイヤ接続部にLED素子をワイヤで接続してから、樹脂ケース内に封止部材の樹脂材料を注入してLED素子及びワイヤを封止することにより製造される。
【0006】
ところで、上記した発光装置においては、リードフレームに対する樹脂ケースの剥離を防止する観点から、リードフレームと樹脂ケースとの間に凹凸部が形成される。この場合、凹凸部の形成は、リードフレームの片面(表面)であって樹脂ケースを形成する部位にエッチング処理を施して凹部を設け、この凹部に樹脂ケースの樹脂材料を入り込ませて樹脂ケースに凸部を設けることにより行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−66144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示す発光装置によると、リードフレームからの樹脂ケースの剥離発生を抑制する効果を期待することができるものの、リードフレームから封止部材の剥離発生を抑制することができないという問題があった。
【0009】
従って、本発明の目的は、素子搭載基板からのケース及び封止部材の剥離発生を抑制することができる発光装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、(1)〜(6)の発光装置及びその製造方法を提供する。
【0011】
(1)光取出側に開口するケース、及び前記ケース内に充填された封止部材を有する樹脂パッケージと、前記樹脂パッケージの前記封止部材によって封止された発光素子と、前記発光素子を搭載するとともに、前記樹脂パッケージを素子搭載面側に形成する素子搭載基板とを備え、前記素子搭載基板は、前記ケース及び前記封止部材との間に互いに密着する凹凸部を有する発光装置。
【0012】
(2)上記(1)に記載の発光装置において、前記素子搭載基板は、前記凹凸部が前記ケースとの間で表面及び側面に、また前記封止部材との間で表面にそれぞれ配置されている。
【0013】
(3)上記(2)に記載の発光装置において、前記素子搭載基板は、その表裏両面にエッチング処理を施すことにより、前記凹凸部のうち凸部が前記側面に形成されている。
【0014】
(4)上記(2)に記載の発光装置において、前記素子搭載基板は、その裏面にエッチング処理を施すことにより、前記凹凸部のうち凹部が前記側面に切り欠きとして形成されている。
【0015】
(5)光取出側に開口するケース、及び前記ケース内に充填される封止部材を有する樹脂パッケージとの間に凹凸部を介在させる素子搭載基板を形成する第1の工程と、前記素子搭載基板の素子搭載面側に前記ケースを形成する第2の工程と、前記ケース内に発光素子を収容して前記素子搭載基板に搭載する第3の工程と、前記封止部材となる液状樹脂を前記ケース内に注入して前記発光素子を封止し、前記樹脂パッケージを形成する第4の工程とを備えた発光装置の製造方法。
【0016】
(6)上記(5)に記載の発光装置の製造方法において、前記第1の工程は、前記素子搭載基板の形成が前記第2の工程における前記ケースの形成と同時に行われる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、素子搭載基板からのケース及び封止部材の剥離発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図。
【図2】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の素子搭載基板を示す平面図と断面図。(a)は平面図を、また(b)は断面図をそれぞれ示す。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置のLED素子を示す断面図。
【図4】(a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の製造方法を説明するために示す断面図。(a)はケースの形成工程を、(b)はめっき処理工程を、(c)はLED素子の搭載工程を、(d)はワイヤボンディング工程を、また(e)は封止工程をそれぞれ示す。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示す断面図。
【図6】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置における素子搭載基板の基板用素材とその変形例を示す断面図。(a)は第2の実施の形態を、また(b)は変形例をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置及びその製造方法につき、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(発光装置の全体構成)
図1は発光装置を示す。図2(a)及び(b)はケース及び素子搭載基板を示す。図1及び図2(a),(b)に示すように、発光装置1は、樹脂パッケージ2と、樹脂パッケージ2を素子搭載面(表面)3a側に形成する素子搭載基板3と、素子搭載基板3に搭載されたLED素子4とから大略構成されている。
【0021】
(樹脂パッケージ2の構成)
樹脂パッケージ2は、ケース20及び封止部材21を有し、素子搭載基板3の表面3a及び側面3bに跨って配置されている。樹脂パッケージ2の材料としては、光を遮蔽する例えばポリアミド等の熱可塑性樹脂,エポキシやシリコーン等の熱硬化性樹脂あるいはアルミナ等のセラミックスが用いられる。本実施の形態ではシリコーン樹脂が用いられる。
【0022】
ケース20は、光取出側に開口し、素子搭載基板3の表面3a(端縁)及び側面3bに配置され、全体が略平面正方形状の輪郭をもつ枠部材によって形成されている。ケース20の素子側開口部は素子搭載基板3によって閉塞されている。また、ケース20は、素子搭載基板3の表面3aに密着する部位に平面略U字状の凸部20aが、また素子搭載基板3の側面3bに密着する部位に平面略U字状の凹部20bがそれぞれ形成されている。
【0023】
ケース20には、LED素子4を収容する截頭略四角錐形状の収容空間20cが形成されている。収容空間20cは、その開口面積が素子搭載基板3の素子搭載面3a側からケース開口部20dに向かって漸次大きくなる開口面積に設定されている。これにより、発光装置1の製造(LED素子4の封止)時に収容空間20cに発生する気泡は、素子搭載基板3の素子搭載面3a側からケース開口部20dに向かってケース20の内面を移動し易くなり、その後にケース20外に放出される。
【0024】
封止部材21は、素子搭載基板3の表面3aに密着され、かつケース20内に充填されている。そして、封止部材21は、素子搭載基板3上でLED素子4及びワイヤ42を封止するように構成されている。また、封止部材21は、素子搭載基板3の表面3aに密着する部位に平面略U字状の凸部21a,21bが形成されている。封止部材21の材料としては、シリコーン系の光透過性樹脂が用いられ、この他に例えばアクリル系の光透過性樹脂を用いてもよい。
【0025】
(素子搭載基板3の構成)
素子搭載基板3は、第1の絶縁部材30及び第2の絶縁部材31によって互いに絶縁された一対の導体パッド32,33を有し、全体が平面矩形状の板部材によって形成されている。素子搭載基板3の厚さは約1.0mm程度の寸法に設定されている。素子搭載基板3には、ケース20との間に互いに密着する凹凸部A,Bが、また封止部材21との間に互いに密着する凹凸部C,Dがそれぞれ配置されている。
【0026】
本実施の形態においては、素子搭載基板3の表面3a(導体パッド32,33の表面)にケース20の凸部20aに密着する平面略U字状の凹部33aを形成することにより、素子搭載基板3とケース20との間に凹凸部Aが配置されている。素子搭載基板3の側面3b(導体パッド32,33の側面)にケース20の凹部20bに密着する平面略U字状の凸部33bを形成することにより、素子搭載基板3とケース20との間に凹凸部Bが配置されている。また、素子搭載基板3の表面3a(導体パッド32の表面)に封止部材21の凸部21aに密着する平面略U字状の凹部32aを形成することにより、素子搭載基板3と封止部材21との間に凹凸部Cが配置されている。素子搭載基板3の表面3a(導体パッド33の表面)に封止部材21の凸部21bに密着する平面略U字状の凹部33cを形成することにより、素子搭載基板3と封止部材21との間に凹凸部Dが配置されている。凹部33a,33c,32aの形成は素子搭載基板3の表面3aに、また凸部33bの形成は素子搭載基板3の表面3a及び裏面3cにそれぞれエッチング処理を施すことにより行われる。
【0027】
第1の絶縁部材30は素子搭載基板3の一方側(素子搭載側)に、また第2の絶縁部材31は素子搭載基板2の他方側(素子非搭載側)にそれぞれ配置されている。第1の絶縁部材30及び第2の絶縁部材31の材料としては、樹脂パッケージ2と同一の材料(シリコーン樹脂)が用いられる。
【0028】
一対の導体パッド32,33は、第1の絶縁部材30及び第2の絶縁部材31を介して互いに隣接し、素子搭載基板3の面方向に互いに並列して配置されている。一方の導体パッド32は素子搭載・ワイヤ接続用のパッドによって、また他方の導体パッド33はワイヤ接続用のパッドによってそれぞれ形成されている。
【0029】
一方の導体パッド32の表裏面には、例えば銀(Ag)等のめっき処理を施すことによりめっき処理部34,35が設けられている。他方の導体パッド33の表裏面には、一方の導体パッド32と同様に、例えばAg等のめっき処理を施すことによりめっき処理部36,37が設けられている。一方の導体パッド32の表面にはめっき処理部34を介してLED素子4のn側電極41(後述)が、また他方の導体パッド33の表面にはめっき処理部36を介してLED素子4のp側パッド電極40a(後述)がそれぞれ接続される。一方の導体パッド32の裏面にはめっき処理部35を介して、また他方の導体パッド33の裏面にはめっき処理部37を介してそれぞれLED素子4に電源電圧が供給される。一対の導体パッド32,33の材料としては例えば銅合金や鉄合金からなる金属が用いられる。
【0030】
素子搭載基板3の形成は、凹部32a,33a,33c及び凸部33bが予め形成された基板用素材(図示せず)としての金属板(銅合金や鉄合金)にその表面側からエッチング処理を施して第1の凹部を形成し、この第1の凹部にスクリーン印刷によって第1の絶縁部材30を充填した後、金属板にその裏面側からエッチング処理を施して第2の凹部を形成し、この第2の凹部にスクリーン印刷によって第2の絶縁部材31を充填することにより行われる。この場合、第1の凹部及び第2の凹部は、基板用素材の厚さ方向に隣接し、かつ異なる2つの開口幅をもつ断面略T字状の凹孔によって形成されている。
【0031】
(LED素子4の構成)
図3はLED素子を示す。図3に示すように、LED素子4は、p側電極40及びn側電極41を有し、p側電極40(p側パッド電極40a)をめっき処理部36(図1に示す)に、またn側電極41をめっき処理部34(図1に示す)にそれぞれワイヤ42(図1に示す)で接続して素子搭載基板3(図1に示す)における素子搭載面3aの略中央部に搭載されている。LED素子4としては例えば平面略正方形状の青色LED素子が用いられる。
【0032】
そして、LED素子4は、サファイア(Al)からなる基板43の表面にIII族窒化物系半導体を例えば700℃の温度でエピタキシャル成長させることにより、バッファ層44,n型半導体層45,発光層としてのMQW(Multiple Quantum Well:重量子井戸)層46,及びp型半導体層47が順次形成され、発光面48からピーク発光波長が例えば460nm〜463nmである青色光を発するように構成されている。
【0033】
p側電極40は、p側パッド電極40aを有し、p型半導体層47の表面に設けられている。n側電極41は、p型半導体層47からMQW層46及びn型半導体層45にわたってその一部にエッチング処理を施すことにより露出した部位(n型半導体層45)に設けられている。p側電極40の材料としては例えばITO(Indium Tin Oxide)等の酸化物からなる透明導電性材が、またp側パッド電極40a及びn側電極41の材料としては例えばNi/Au,Al等の金属がそれぞれ用いられる。
【0034】
(発光装置1の製造方法)
次に、本実施の形態に示す発光装置1の製造方法につき、図4(a)〜(e)を参照して説明する。図4(a)〜(e)は発光装置の製造手順を示す。
【0035】
本実施の形態に示す発光装置の製造方法は、「ケースの形成」,「めっき処理」,「LED素子の搭載」,「ワイヤボンディング」及び「LED素子の封止」の各工程が順次実施されるため、これら各工程を順次説明する。
【0036】
「ケースの形成」
図4(a)に示すように、予め素子搭載基板3が配置された金型(図示せず)内にケース20となる液状樹脂を注入して硬化させることにより、素子搭載基板3の表面3a及び側面3bにケース20を形成する。なお、ケース20の形成後において、その素子側開口部と素子搭載基板3の表面3aとの間に付着する樹脂ばりは、アルカリ液で溶かすか、あるいはシリカ(SiO)で飛ばすかして除去する。
【0037】
本実施の形態においては、ケース20が素子搭載基板3に形成されると、素子搭載基板3の凹部33aとケース20の凸部20aとが、また素子搭載基板3の凸部33bとケース20の凹部20bとがそれぞれ密着するため、素子搭載基板3とケース20との間において所謂アンカー効果が得られる。特に、素子搭載基板3の凸部33bとケース20の凹部20bとの密着は、素子搭載基板3がその厚さ方向にケース20を係止する機能を伴うため、強固に行われる。
【0038】
ケース20の形成は、凹部32a・33a,凸部33b及び第1の絶縁部材30を充填するための第1の凹部,第2の絶縁材31を充填するための第2の凹部が予め形成された基板用素材を専用の金型内に配置し、金型内に液状樹脂を注入することにより、素子搭載基板3の形成と同時に行うこともできる。
【0039】
「めっき処理」
図4(b)に示すように、素子搭載基板3における導体パッド32の表裏面にめっき処理を施すことによりめっき処理部34,35を設ける。同様に、素子搭載基板3における導体パッド33の表裏面にめっき処理を施すことによりめっき処理部36,37を設ける。
【0040】
「LED素子の搭載」
図4(c)に示すように、例えばエポキシ樹脂等の絶縁性接着剤(図示せず)を用い、素子搭載基板3の導体パッド32上にめっき処理部34を介してLED素子4を接着する。この際、LED素子4の接着は、その光取出側をp側パッド電極40a及びn側電極41(共に図3に示す)が指向するようにして行われる。これにより、素子搭載基板3にはLED素子4が搭載される(所謂、フェイスアップ搭載)。
【0041】
「ワイヤボンディング」
図4(d)に示すように、例えば銀粉含有の導電性接着剤を用い、LED素子4を導体パッド32上のめっき処理部34及び導体パッド33上のめっき処理部36にワイヤ42によって接続する。この場合、p側パッド電極40aがめっき処理部36に、またn側電極41がめっき処理部34にそれぞれワイヤ42を介して接続される。
【0042】
「LED素子の封止」
図4(e)に示すように、例えばディスペンサ(図示せず)を用いて封止部材21となるシリコーン系の液状樹脂をケース20内に注入して硬化させる。これにより、素子搭載基板3上のLED素子4がワイヤ42と共に封止部材21によって封止される。この場合、LED素子4が封止されると、素子搭載基板3の表面3a側に樹脂パッケージ2が形成される。そして、素子搭載基板3の凹部32aと封止部材21の凸部21aとが、また素子搭載基板3の凹部33cと封止部材21の凸部21bとがそれぞれ密着するため、素子搭載基板3と封止部材21との間において所謂アンカー効果が得られる。
【0043】
なお、上記実施の形態においては、単数の発光装置1を製造する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の素子搭載部を有する素子集合搭載基板を用いて複数の発光装置を製造することもできる。この場合、「LED素子の封止」工程後にケース及び素子集合搭載基板を切断することにより複数の発光装置に分割する「ダイシング」工程が追加される。
【0044】
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0045】
素子搭載基板3からのケース20及び封止部材21の剥離発生を抑制することができる。
【0046】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態に係る素子集合搭載基板につき、図5及び図6を用いて説明する。図5は発光装置を示す。図6(a)及び(b)は基板用素材を示す。図5において、図1〜図3と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0047】
図5に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置6は、素子搭載基板3の側面3b(導体パッド32,33の側面)にケース20の凸部20eに密着する凹部33dを形成することにより、素子搭載基板3とケース20との間に凹凸部Eが配置されている点に特徴がある。
【0048】
このため、素子搭載基板3の裏面3cにエッチング処理を施すことにより、側面3bに凹部33dが切り欠きとして形成されている。
【0049】
本実施の形態においては、ケース20が素子搭載基板3に形成されると、素子搭載基板3の凹部33dとケース20の凸部20eとが互いに密着するため、素子搭載基板3とケース20との間において所謂アンカー効果が得られる。この密着は、素子搭載基板3がその厚さ方向(光取出側)にケース20を係止する機能を伴うため、強固に行われる。
【0050】
なお、本実施の形態においては、図6(a)に示すように、基板用素材3Aに予め形成される第1の凹部30A及び第2の凹部31Aが基板用素材3Aの厚さ方向に隣接し、かつ異なる2つの開口幅をもつ断面略T字状の凹孔によって形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、図6(b)に示すように基板用素材3Bの面方向及び厚さ方向に隣接し、かつ均一な開口幅をもつ断面矩形状の凹孔によって第1の凹部30B及び第2の凹部31Bを形成してもよい。
【0051】
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態に示す効果と同様の効果が得られる。
【0052】
以上、本発明の発光装置及びその製造方法を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
【0053】
(1)上記実施の形態では、LED素子4が所謂フェイスアップ搭載され、かつワイヤ42によって導体パッド32,33に接続されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、LED素子3を所謂フェイスダウン搭載し、かつ金属バンプ等によって導体パッド32,33に接続してもよい。
【0054】
(2)上記実施の形態では、単数のLED素子4を有する発光装置1を対象とする場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数のLED素子を有する発光装置を対象としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…発光装置、2…樹脂パッケージ、20…ケース、20a…凸部、20b…凹部、20c…収容空間、20d…ケース開口部、20e…凸部、21…封止部材、21a,21b…凸部、3…素子搭載基板、3a…素子搭載面(表面)、3b…側面、3c…裏面、30…第1の絶縁部材、31…第2の絶縁部材、32,33…導体パッド、32a…凹部、33a…凹部、33b…凸部、33c,33d…凹部、34〜37…めっき処理部、3A…基板用素材、30A…第1の凹部、31A…第2の凹部、3B…基板用素材、30B…第1の凹部、31B…第2の凹部、4…LED素子、40…p側電極、40a…p側パッド電極、41…n側電極、42…ワイヤ、43…基板、44…バッファ層、45…n型半導体層、46…MQW層、47…p型半導体層、48…発光面、6…発光装置、A〜E…凹凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光取出側に開口するケース、及び前記ケース内に充填された封止部材を有する樹脂パッケージと、
前記樹脂パッケージの前記封止部材によって封止された発光素子と、
前記発光素子を搭載するとともに、前記樹脂パッケージを素子搭載面側に形成する素子搭載基板とを備え、
前記素子搭載基板は、前記ケース及び前記封止部材との間に互いに密着する凹凸部を有する
発光装置。
【請求項2】
前記素子搭載基板は、前記凹凸部が前記ケースとの間で表面及び側面に、また前記封止部材との間で表面にそれぞれ配置されている請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記素子搭載基板は、その表裏両面にエッチング処理を施すことにより、前記凹凸部のうち凸部が前記側面に形成されている請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記素子搭載基板は、その裏面にエッチング処理を施すことにより、前記凹凸部のうち凹部が前記側面に切り欠きとして形成されている請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
光取出側に開口するケース、及び前記ケース内に充填される封止部材を有する樹脂パッケージとの間に凹凸部を介在させる素子搭載基板を形成する第1の工程と、
前記素子搭載基板の素子搭載面側に前記ケースを形成する第2の工程と、
前記ケース内に発光素子を収容して前記素子搭載基板に搭載する第3の工程と、
前記封止部材となる液状樹脂を前記ケース内に注入して前記発光素子を封止し、前記樹脂パッケージを形成する第4の工程と
を備えた発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1の工程は、前記素子搭載基板の形成が前記第2の工程における前記ケースの形成と同時に行われる請求項5に記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−45888(P2013−45888A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182612(P2011−182612)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】