説明

発光装置及びラインヘッドの輝度補正方法

【課題】 複雑な回路等を設けることなく発光素子の輝度ばらつきを補正し、均一な光量分布を得られるようにする発光装置の輝度補正方法、及びラインヘッドの輝度補正方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る輝度補正方法は、複数の発光素子を平面的に配列してなる発光装置の輝度補正方法であって、前記発光素子を点灯して当該発光装置の光量分布を測定する工程と、得られた前記光量分布((a)図)に基づいて、前記各発光素子のエージング時の発光輝度であるエージング輝度((b)図)を決定する工程と、前記エージング輝度にて前記各発光素子を点灯してエージングを行う工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びラインヘッドの輝度補正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用したプリンタとして、ラインプリンタ(画像形成装置)が知られている。このラインプリンタは、被露光部となる感光体ドラムの周面上に、帯電器、ライン状のプリンタヘッド(ラインヘッド)、現像器、転写器などの装置を近接配置したものである。すなわち、帯電器によって帯電された感光体ドラムの周面上に、ラインヘッドに設けられた発光素子の選択的な発光動作で露光を行なうことにより、静電潜像を形成し、この潜像を現像器から供給されるトナーで現像して、そのトナー像を転写器で用紙に転写するようにしたものである。
【0003】
ところで、前記のようなラインヘッドの発光素子としては、一般に発光ダイオードなどが用いられている。しかし、これは数千個の発光点を精度良く配列することが極めて困難であるという課題がある。そこで、近年では、発光点を精度良く作り込める有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子)を発光素子とする発光素子アレイを、露光手段として備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、前述したような電子写真方式のラインプリンタでは、通常、ラインヘッドからの放射光を、セルフォック(登録商標)レンズアレイ(日本板硝子社の商品名;以下、セルフォック(登録商標)レンズをSL、セルフォック(登録商標)レンズアレイをSLアレイと記す)を通過させることで感光体ドラム上に結像し、露光する方式が採られている。SLアレイは、正立等倍像する円柱状のSL素子を多数配列した構成により、広範囲の画像の結像を可能にしたものである。
【0005】
ところで、SLアレイの作る像は、1本1本のSL素子の作る像(正立等倍結像)が重なりあってできており、SL素子は、フットボールを半分にしたような光量分布を有している。したがって、SLアレイでは、各SL素子の配列ピッチに伴ない、周期的な光量ムラが生じるという問題があり、このような周期的な光量ムラがあると、前記のラインヘッドとSLアレイとを組合わせた場合に、SLアレイの光量ムラに起因して主走査方向の光強度の均一性が悪化し、露光精度が低下して、得られるプリントの品質が損なわれることになる。
【0006】
そこで、SLアレイの結像原理に起因する周期的な光量ムラを取り除く技術として、発光素子の駆動制御によって光量周期ムラを補正することが提案されている(例えば特許文献2参照)。この方法では、予め測定したラインヘッドの光量ムラに基づき導出した補正データをメモリに保持し、発光素子の駆動データをその補正データで補正するようになっている。
【特許文献1】特開平11−198433号公報
【特許文献2】特開平9−314897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このように発光素子の駆動制御により補正を行う方法では、駆動回路及び制御系の構成が複雑になり、コストを要するという問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、複雑な回路等を設けることなく発光素子の輝度ばらつきを補正し、均一な光量分布を得られるようにする発光装置の輝度補正方法、及びラインヘッドの輝度補正方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、複数の発光素子を平面的に配列してなる発光装置の輝度補正方法であって、前記発光素子を点灯し、出力光の光量分布を測定する工程と、得られた前記光量分布に基づいて、前記各発光素子のエージング時の発光輝度であるエージング輝度を決定する工程と、前記エージング輝度にて前記各発光素子を点灯してエージングを行う工程とを含むことを特徴とする発光装置の輝度補正方法を提供する。
この輝度補正方法では、発光装置の組立後に実行されるエージング処理において、輝度補正を行うようになっている。すなわち、発光素子の連続点灯による輝度低下を積極的に利用して発光装置全体での光量のばらつきを低減し、均一な光量分布の発光装置を得られるようにするものである。このような輝度補正方法によれば、発光素子を駆動するための駆動回路や制御系に輝度補正のための回路や演算処理を設ける必要がないため、構成の簡素化による低コスト化を図ることができる。
【0009】
本発明の発光装置では、前記エージング輝度を、前記光量分布における光量の大きい前記発光素子ほど、大きい輝度に設定することが好ましい。すなわち、発光輝度の高い発光素子の輝度低下幅を相対的に大きくし、発光輝度の低い発光素子の輝度低下を抑えるようにすることで、全体としての光量を維持しつつ光量分布の均一化を図ることができる。
【0010】
本発明の発光装置では、前記エージング輝度を、前記発光素子の通常動作時の発光輝度より大きくすることもできる。この輝度補正方法によれば、エージング処理時の輝度低下速度を速めることができるので、短時間でエージング処理を終了することができ、効率的に発光装置の製造及び輝度調整を行えるようになる。なお、「通常使用時の発光輝度」とは、当該発光装置の実際の使用環境における動作に用いられる範囲の発光輝度であり、例えば当該発光装置を画像表示装置に用いた場合であれば、通常の画像表示動作において用いられる範囲の発光輝度である。
【0011】
次に、本発明のラインヘッドの輝度補正方法は、平面的に配列された複数の発光素子を備えたラインヘッドと、前記ラインヘッドから出力される光をレンズ素子を介して被露光部に結像するレンズアレイとを具備したラインヘッドモジュールに適用できるラインヘッドの輝度補正方法であって、前記発光素子を点灯し、前記レンズアレイを介して出力される光の光量分布を測定する工程と、得られた前記光量分布に基づいて、前記各発光素子のエージング時の発光輝度であるエージング輝度を決定する工程と、前記エージング輝度にて前記各発光素子を点灯してエージングを行う工程とを含むことを特徴とする。
この輝度補正方法によれば、画像形成装置等に用いられるラインヘッドにおいて、発光素子の配列方向で均一な光量分布を得ることができ、画像形成装置等の解像度の向上、画質の向上を実現することができる。
【0012】
本発明のラインヘッドの輝度補正方法では、前記エージング輝度を、前記光量分布における光量の大きい位置の前記発光素子ほど、高輝度に設定することが好ましい。すなわち、レンズアレイを介した出力光の光量が大きくなる位置に配された発光素子では、その輝度低下幅を相対的に大きくし、光量の小さくなる位置に配された発光素子の輝度低下は相対的に抑えるようにすることで、全体としての光量を維持しつつ光量分布の均一化を図ることができる。この輝度補正方法によれば、レンズアレイを介した出力光の光量分布に基づき輝度を補正するので、レンズアレイによって生じる光量のばらつきも補正することができ、ラインヘッドモジュールの構造や組立精度等によらず光量分布の均一化を実現できる。
【0013】
本発明のラインヘッドの輝度補正方法では、前記エージング輝度を、前記発光素子の通常動作時の発光輝度より大きくすることが好ましい。この輝度補正方法によれば、ラインヘッドのエージングを短時間のうちに行うことができる。
【0014】
本発明は、先に記載の発光装置の輝度補正方法により輝度を補正された発光装置を具備した画像表示装置を提供する。この構成によれば、光量分布を均一化された発光装置を主体としてなる均一な明るさの表示部を具備した画像表示装置が提供される。
本発明は、先に記載のラインヘッドの輝度補正方法により輝度を補正されたラインヘッドを具備した画像形成装置を提供する。この構成によれば、光量分布を均一化された前記ラインヘッドにより、かすれ等のない高画質かつ高解像度の画像を形成できる画像形成装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で参照する各図面においては、図面を見易くするために、各構成要素の寸法等を適宜変更して表示している。
【0016】
(ラインヘッドモジュール)
まず、本発明に係る輝度補正方法を適用できるラインヘッドを具備したラインヘッドモジュールについて説明する。このラインヘッドモジュールは、画像形成装置の露光手段として用いられるものである。
図1は、実施形態に係るラインヘッドモジュールの側断面図である。本実施形態のラインヘッドモジュール101は、複数の有機EL素子を整列配置したラインヘッド1と、ラインヘッド1からの光を正立等倍結像させるレンズ素子31aを整列配置したSLアレイ(レンズアレイ)31とを、ヘッドケース52によって所定間隔に支持した構成を備えている。ラインヘッド1とSLアレイアレイ31とは、互いにアライメントされた状態でヘッドケース52に保持されており、これによってSLアレイ31は、ラインヘッド1からの光を後述する感光体ドラムに正立等倍結像させるようになっている。
【0017】
(ラインヘッド)
図2は、ラインヘッドを模式的に示した図である。このラインヘッド1は、長細い矩形の素子基板2上に、複数の有機EL(エレクトロルミネセンス)素子3を配列してなる発光素子列(発光部ライン)3Aと、有機EL素子3を駆動させる駆動素子4からなる駆動素子群と、これら駆動素子4(駆動素子群)の駆動を制御する制御回路群5とを一体形成したものである。図2では発光素子列3Aを1列の有機EL素子3で示しているが、例えば有機EL素子3を2列にしてこれらを千鳥状に配してもよい(図4参照)。その場合には、ラインヘッド1の素子配列方向における有機EL素子3のピッチを小さくすることができ、後述する画像形成装置の解像度を向上させることができる。
【0018】
有機EL素子3は、一対の電極間に少なくとも有機発光層を挟持した構成を備えており、その一対の電極から有機発光層に電流を供給することにより発光するようになっている。有機EL素子3における一方の電極には電源線8が接続され、他方の電極には駆動素子4を介して電源線7が接続されている。この駆動素子4は、薄膜トランジスタ(TFT)や薄膜ダイオード(TFD)等のスイッチング素子で構成されている。駆動素子4にTFTを採用した場合には、そのソースに電源線8が接続され、ゲートに制御回路群5が接続される。そして、制御回路群5から入力される制御信号に基づく駆動素子4のスイッチング動作により、有機EL素子3への通電が制御されるようになっている。また、駆動素子4及び制御回路群5を基板上に一体形成せずにドライバICを外付けする方法によっても構成できる。ドライバICは素子基板2上に直接実装する構成、例えば素子基板がガラスの場合COG(Chip On Glass)実装、フレキシブル基板上にドライバICを実装後、素子基板とフレキシブル基板を接続する方法等がある。
なお、有機EL素子3および駆動素子4の詳細な構造および製造方法については後述する。また、このラインヘッド1では、EL素子として、有機EL素子3を用いているが、これに代えて無機EL素子を用いてもよいのは勿論である。
【0019】
(SLアレイ)
図3は、SLアレイの斜視図である。このSLアレイ31は、収束性ロッドレンズ(例えば、日本板硝子株式会社製のセルフォック(登録商標)レンズ)と同様の構成からなるSL素子31aを、千鳥状に2列配列(配置)したものである。平面視千鳥状に配置された各SL素子31aは隙間に充填された黒色のシリコーン樹脂32により固定され、それらを一体に取り囲むフレーム34により支持されている。
【0020】
前記SL素子31aは、その中心から周辺にかけて放物線上の屈折率分布を有している。そのため、SL素子31aに入射した光は、その内部を一定周期で蛇行しながら進む。よって、このSL素子31aの長さを調整すれば、画像を正立等倍結像させることができる。そして、このように正立等倍結像するSL素子31aにあっては、隣接するSL素子31aどうしが作る像を重ね合わせることが可能になり、広範囲の画像を得ることができる。したがって、図3に示したSLアレイ31は、ラインヘッド1全体からの光を精度よく被露光面に結像させることができるようになっている。
【0021】
(ラインヘッドの輝度補正方法)
次に、上記構成を具備したラインヘッドの輝度補正方法について、図4から図6を参照して説明する。図4及び図5は、ラインヘッド1とSLアレイ31との位置関係による透過光量の状態を示す説明図であり、図6は、本実施形態の輝度補正方法の説明図である。
【0022】
先に記載のように、ラインヘッドモジュール101を具備した画像形成装置における露光精度を向上させるには、ラインヘッドモジュール101から射出される光量の均一化が重要であり、例えばラインヘッド1からSL素子31aを介して出力される光量のばらつきを3%以内に抑えることが求められる。しかし、前記構成を具備したラインヘッドモジュール101においては、ラインヘッド1とSLアレイ31との配置形態によっても光量の分布が大きく変化する。以下、図4及び図5を参照して説明する。
【0023】
図4(a)は、ラインヘッド1をSLアレイ31の中心線31sに位置合わせして配置した状態を示す平面構成図であり、(b)は(a)に示す配置におけるヘッド長手方向(図示左右方向)の光量分布を模式的に示す図である。一方、図5(a)は、ラインヘッド1を、SLアレイ31の中心線31sから同SLアレイの幅方向(図示下方向)にずらして配置した状態を示す平面構成図であり、(b)は(a)に示す配置におけるヘッド長手方向の光量分布を模式的に示す図である。
図4(b)と図5(b)との比較から明らかなように、ラインヘッド1とSLアレイ31との配置形態によって、光量のばらつきのみならず、その周期も変化する。すなわち、図5(b)に示す光量分布は、図4(b)に示す分布に比して2倍程度の周期で光量が変化しており、光量の変位幅d2(光量の最大値と最小値との差)も図4(b)に示す変位幅d1に比して大きくなっている。
【0024】
このように、ラインヘッド1自体の光量ばらつきを補正して均一な光をSLアレイ31に入射させたとしても、ラインヘッドモジュール101から射出される光は図4及び図5に示すような周期的な分布を有したものとなり、さらにラインヘッド1とSLアレイ31との位置合わせ精度にも大きく影響される。本実施形態に係る輝度補正方法は、このようなSLアレイ31の構造に起因する光量ばらつき、及びラインヘッド1との位置合わせに起因する光量ばらつきを、回路や制御系を複雑化させることなく補正するものである。
【0025】
図6は、本実施形態の輝度補正方法における各工程を説明するための図である。本実施形態の輝度補正方法では、まず、組立後のラインヘッドモジュール101のラインヘッド1に設けられた発光素子列3Aを同一電流、ないし同一電圧にて動作させ、SLアレイ31から射出される光の強度を測定する。図6(a)は係る光量測定により得られたラインヘッドモジュール101の長手方向における光量分布を示す模式図である。同図に示すように、輝度補正を施していない組立後のラインヘッドモジュール101では、発光素子列3Aの光量分布とSLアレイ31に起因する周期的な透過率分布とが重畳された光量分布が観測される。
【0026】
次に、上記工程で得られた光量分布に基づき、ラインヘッド1を構成する各有機EL素子3に対応するエージング輝度を決定する。このエージング輝度は、後段のラインヘッドモジュール101のエージング工程における有機EL素子3の発光輝度である。このようにして決定されたエージング輝度は、ラインヘッド1(発光素子列3A)全体では、図6(b)に示すように、(a)に示す光量分布と同様の傾向(分布)を示すものであるが、先の工程で測定されたラインヘッドモジュール101の光量分布において、相対的に光強度が大きくなっている位置に対応する有機EL素子3のエージング輝度はより高く設定され、逆に光強度が小さくなっている位置に対応する有機EL素子3のエージング輝度は相対的に低く設定される。
【0027】
次に、上記工程で決定されたエージング輝度にて各有機EL素子3を発光させ、所定時間のエージングを行う。その際、最初に測定した光量分布において相対的に光強度が大きくなっていた位置に対応する有機EL素子3(説明の便宜上、高輝度素子と称する。)のエージング処理時の輝度と、相対的に低い光強度の位置に対応する有機EL素子3(説明の便宜上、低輝度素子と称する。)のエージング処理時の輝度との差が、最初の測定時よりも大きくなるように設定されているので、エージング処理によって選択的に高輝度素子の輝度を低下させることができる。したがってこのようなエージング処理を施した後に、ラインヘッド1の発光素子列3Aを一定電流ないし一定電圧で駆動すると、その発光輝度分布は、図6(c)に示すようになり、図6(a)に示したのとは図示上下方向でほぼ反転した形状となる。そして、このような発光輝度分布を有する発光素子列3Aから出力される光をSLアレイ31を介して射出すると、図6(d)に示すように、発光素子列3Aの配列方向でほぼ平坦な光量分布を得ることができる。
【0028】
このように、本実施形態のラインヘッドの輝度補正方法によれば、ラインヘッドモジュール101組立後に行われるエージング工程においてラインヘッドモジュール101の光量分布を補正することができ、均一な光量分布を得ることができるので、駆動回路や制御系による各有機EL素子3の発光輝度補正のように駆動回路や制御系を複雑化させることがなく、安価に製造可能なラインヘッドモジュール101を提供することができる。
【0029】
本実施形態の輝度補正方法はラインヘッド1の駆動形態によらず用いることができるが、有機EL素子3に供給する電流/電圧により発光輝度を変化させて階調制御を行う形態のラインヘッドに適用する場合に比して、各有機EL素子3を一定輝度で駆動し、パルス幅(発光時間)によって階調制御を行う形態のラインヘッドに適用する場合に特に大きい効果が得られる。すなわち、本発明の輝度補正方法では、所定の電流/電圧値に対する発光輝度を調整するものであるから、使用時の発光輝度が固定されていれば、より正確に当該発光輝度を合わせ込むことができ、光量の均一性を高めることができる。
【0030】
ただし、本実施形態の補正方法を、電流/電圧値による輝度変化によって階調制御を行う形態のラインヘッドに用いてもよいのは勿論であり、駆動回路や制御系に有機EL素子3の輝度を補正する手段を備えたラインヘッドに適用してもよい。この種のラインヘッドに用いた場合にも、ラインヘッド1の光量ばらつきと、SLアレイ31の透過率分布とが補償された均一な光量分布を得られるため、駆動回路や制御系による補正幅を小さくでき、回路規模を縮小でき、低コスト化を図れる。
【0031】
なお、エージング処理における処理時間や各有機EL素子3の駆動電流、駆動電圧等は、有機EL素子3の電流/電圧特性や素子劣化特性に合わせて適宜設定することが好ましいが、エージング処理時の各有機EL素子3の発光輝度を通常使用時の発光輝度よりも大きくすれば、有機EL素子3の輝度変化が大きくなり、エージング処理時間を短縮することができる。
【0032】
また本実施形態では、本発明に係るラインヘッドの輝度補正方法を用いて、画像形成装置用のラインヘッドモジュール101の光量分布を均一化する場合について説明したが、本発明の技術範囲は係るラインヘッドに限定されるものではなく、発光素子を平面的に配列してなる発光装置全般に適用できるものであって、例えば画像表示装置の表示体を構成する発光装置について適用してもよいのは勿論である。
【0033】
(ラインヘッドの詳細構成)
以下、上記実施形態で用いたラインヘッドにおける有機EL素子や駆動素子等の詳細な構成について、図7(a)、(b)を参照して説明する。図7(a)はラインヘッド1の部分断面構成図であり、(b)は、有機EL素子3及び駆動素子4を示す平面構成図である。
【0034】
発光層60で発光した光を画素電極23側から出射する、いわゆるボトムエミッション型である場合には、素子基板2側から発光光を取り出す構成であるので、素子基板2としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。
【0035】
また、発光層60で発光した光を陰極(対向電極)50側から出射する、いわゆるトップエミッション型である場合には、この素子基板2の対向側である封止基板側から発光光を取り出す構成となるので、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
本実施形態では、ボトムエミッション型が採用され、したがって素子基板2には透明なガラスが用いられるものとする。
【0036】
素子基板2上には、画素電極23に接続する駆動用TFT123(駆動素子4)などを含む回路部11が形成されており、その上に有機EL素子3が設けられている。有機EL素子3は、陽極として機能する画素電極23と、この画素電極23からの正孔を注入/輸送する正孔輸送層70と、有機EL物質からなる発光層60と、陰極50とが順に形成されたことによって構成されている。
【0037】
ここで、有機EL素子3および駆動用TFT123(駆動素子4)を図2に対応した模式図で示したものが図7(b)である。この(b)図において、電源線7は駆動素子4のソース/ドレイン電極に接続し、電源線8は有機EL素子3の陰極50に接続している。そして、このような構成のもとに有機EL素子3は、図7(a)に示すように、正孔輸送層70から注入された正孔と陰極50からの電子とが発光層60で結合することにより、発光をなすようになっている。
【0038】
また、本実施形態においては、画素電極23上にSiO等の親液性の絶縁材料からなる無機隔壁25が形成されており、この無機隔壁25には開口25aが形成されている。無機隔壁25は絶縁材料を用いて形成されているので、後述するように前記開口25a内に臨むようにして設けられた機能層においては、この無機隔壁25で覆われた箇所には電流が流れず、したがって発光する領域、すなわち発光面積は、この無機隔壁25の開口25aによって決定されるようになっている。
【0039】
陽極として機能する画素電極23は、特にボトムエミッション型である場合、透明導電材料によって形成され、具体的にはITOが好適に用いられる。
正孔輸送層70の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
なお、正孔輸送層70の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
【0040】
発光層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。なお、本実施形態では、例えば発光波長帯域が赤色に対応した発光層が採用されるが、勿論、発光波長帯域が緑色や青色に対応した発光層を採用するようにしてもよい。
【0041】
発光層60の形成材料として具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
【0042】
陰極50は、前記発光層60を覆って形成されたもので、例えばCaを厚さ20nm程度に形成し、その上にAlを厚さ200nm程度に形成して積層構造の電極とし、Alを反射層としても機能させたものである。また図示は省略したが、実際には陰極50上に接着層を介して封止基板が貼着されている。
【0043】
また、有機EL素子3の下方には、前述したように回路部11が設けられている。この回路部11は素子基板2上に形成されたものである。すなわち、素子基板2の表面にはSiOを主体とする下地保護層281が下地として形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO及び/又はSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。
【0044】
また、前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiOを主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
【0045】
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain)構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、電源線(図示せず)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
【0046】
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層には、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする平坦化膜284が形成されている。この平坦化膜284は、アクリル系やポリイミド系等の、耐熱性絶縁性樹脂などによって形成されたもので、駆動用TFT123(駆動素子4)やソース電極243、ドレイン電極244などによる表面の凹凸をなくすために形成された公知のものである。
【0047】
そして、ITO等からなる画素電極23が、この平坦化膜284の表面上に形成されるとともに、該平坦化膜284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
【0048】
画素電極23が形成された平坦化膜284の表面には、画素電極23と、前述した無機隔壁25とが形成されており、さらに無機隔壁25上には、有機隔壁221が形成されている。そして、画素電極23上には、無機隔壁25に形成された前記開口25aと、有機隔壁221に形成された開口221aとの内部、すなわち画素領域に、前記の正孔輸送層70と発光層60とが画素電極23側からこの順で積層され、これによって機能層が形成されている。
【0049】
(ラインヘッドモジュールの使用形態)
次に、本実施形態のラインヘッドモジュールの使用形態について説明する。
本実施形態のラインヘッドモジュールは、画像形成装置における露光装置として使用される。その場合、ラインヘッドモジュールは感光体ドラムに対向配置され、ラインヘッドからの光をSLアレイにより感光体ドラム上に正立等倍結像させて使用する。
【0050】
(タンデム方式の画像形成装置)
まず、タンデム方式の画像形成装置について説明する。
図8は、タンデム方式の画像形成装置の概略構成図であり、図8中符号80は画像形成装置である。この画像形成装置80は、先の実施形態のラインヘッドモジュール101K、101C、101M、101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)41K、41C、41M、41Yの露光装置にそれぞれ配置したもので、タンデム方式のものとして構成されたものである。
【0051】
この画像形成装置80は、駆動ローラ91と従動ローラ92とテンションローラ93とを備え、これら各ローラに中間転写ベルト90を、図8中矢印方向(反時計方向)に循環駆動するよう張架したものである。この中間転写ベルト90に対して、感光体ドラム41K、41C、41M、41Yが所定間隔で配置されている。これら感光体ドラム41K、41C、41M、41Yは、その外周面が像担持体としての感光層となっている。
【0052】
ここで、前記符号中のK、C、M、Yは、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示している。
なお、これら符号(K、C、M、Y)の意味は、他の部材についても同様である。感光体ドラム41K、41C、41M、41Yは、中間転写ベルト90の駆動と同期して、図8中矢印方向(時計方向)に回転駆動するようになっている。
【0053】
各感光体ドラム41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体ドラム41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)によって一様に帯電させられた外周面を感光体ドラム41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する本発明のラインヘッドモジュール101(K、C、M、Y)とが設けられている。
【0054】
また、このラインヘッドモジュール101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、この現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト90に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ45(K、C、M、Y)と、転写された後に感光体ドラム41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)とが設けられている。
【0055】
ここで、各ラインヘッドモジュール101(K、C、M、Y)は、有機EL素子の配列方向が感光体ドラム41(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置されている。そして、各ラインヘッドモジュール101(K、C、M、Y)の発光エネルギーピーク波長と、感光体ドラム41(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とが略一致するように設定されている。
【0056】
現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体ドラム41(K、C、M、Y)に接触させあるいは押圧せしめることにより、感光体ドラム41(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させ、トナー像として現像するものである。
【0057】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト90上に順次一次転写される。そして、中間転写ベルト90上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、さらに定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着され、その後、排紙ローラ対62によって装置上部に形成された排紙トレイ68上に排出される。
【0058】
なお、図8中の符号63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト90との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、67は二次転写後に中間転写ベルト90の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0059】
(4サイクル方式の画像形成装置)
次に、4サイクル方式の画像形成装置について説明する。
図9は、4サイクル方式の画像形成装置画の概略構成図である。図9において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、像書込手段(露光手段)として機能する先の実施形態のラインヘッドモジュール167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
【0060】
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢印A方向に回転するよう構成されたものである。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢印B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢印C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
【0061】
図9中符号165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器である。また、167は像書込手段(露光手段)として機能する本実施形態のラインヘッドモジュールである。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより、現像ローラ162aとは逆の方向となる矢印D方向に回転駆動されるようになっている。
【0062】
中間転写ベルト169は、駆動ローラ170aと従動ローラ170bとの間に張架されたものである。駆動ローラ170aは、前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されたもので、中間転写ベルト169に動力を伝達するようになっている。すなわち、該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆の方向となる矢印E方向に回動するようになっている。
【0063】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙が搬送されるようになっている。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写されるようになっている。二次転写ローラ171は、クラッチによって中間転写ベルト169に離当接されるようになっており、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接され、用紙に画像が転写されるようになっている。
【0064】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータHを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。
定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢印G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
【0065】
用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータとしては、例えば低速のブラシレスモータが用いられている。また、中間転写ベルト169については、色ずれ補正などが必要となるためステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略した制御手段からの信号によって制御されるようになっている。
【0066】
図9に示した状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ162aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢印A方向に90度回転する。
【0067】
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次に、シアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0068】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後さらに回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレイ178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
なお、本発明のラインヘッドモジュールを備えた画像形成装置は上記に限定されることなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】ラインヘッドモジュールの側断面構成を示す斜視図。
【図2】ラインヘッドの平面構成図。
【図3】SLアレイの斜視構成図。
【図4】ラインヘッド及びSLアレイの配置と光量分布との関係を示す図。
【図5】ラインヘッド及びSLアレイの配置と光量分布との関係を示す図。
【図6】実施形態に係る輝度補正方法の説明図。
【図7】ラインヘッドの詳細構成を示す図。
【図8】画像形成装置の一例を示す図。
【図9】画像形成装置の他の例を示す図。
【符号の説明】
【0070】
1…ラインヘッド、2…素子基板(基板)、3…有機EL素子(発光素子)、3A…発光素子列、4…駆動素子、31…SLアレイ(レンズアレイ)、31a…SL素子(レンズ素子)、52…ヘッドケース、60…発光層、70…正孔輸送層、80、160…画像形成装置、101…ラインヘッドモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を平面的に配列してなる発光装置の輝度補正方法であって、
前記発光素子を点灯し、出力光の光量分布を測定する工程と、
得られた前記光量分布に基づいて、前記各発光素子のエージング時の発光輝度であるエージング輝度を決定する工程と、
前記エージング輝度にて前記各発光素子を点灯してエージングを行う工程と
を含むことを特徴とする発光装置の輝度補正方法。
【請求項2】
前記エージング輝度を、前記光量分布における光量の大きい前記発光素子ほど、高輝度に設定することを特徴とする請求項1に記載の発光装置の輝度補正方法。
【請求項3】
前記エージング輝度を、前記発光素子の通常動作時の発光輝度より大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置の輝度補正方法。
【請求項4】
平面的に配列された複数の発光素子を備えたラインヘッドと、前記ラインヘッドから出力される光をレンズ素子を介して被露光部に結像するレンズアレイとを具備したラインヘッドモジュールに適用できるラインヘッドの輝度補正方法であって、
前記発光素子を点灯し、前記レンズアレイを介して出力される光の光量分布を測定する工程と、
得られた前記光量分布に基づいて、前記各発光素子のエージング時の発光輝度であるエージング輝度を決定する工程と、
前記エージング輝度にて前記各発光素子を点灯してエージングを行う工程と
を含むことを特徴とするラインヘッドの輝度補正方法。
【請求項5】
前記エージング輝度を、前記光量分布における光量の大きい位置の前記発光素子ほど、高輝度に設定することを特徴と請求項4に記載のラインヘッドの輝度補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−116768(P2006−116768A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305522(P2004−305522)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】