説明

発光装置及び発光システム

【課題】十分な外光が無い場合や外光が強すぎる場合であっても多彩なデザインや情報を視認しやすく、低コストで簡便な発光装置及び発光システムを提供する。
【解決手段】全体として均一色に発光し且つ発光色が可変である面発光パネルを複数有し、前記面発光パネルを組み合わせて発光させることにより発光パターンの形成を制御する発光制御部を備える発光装置であって、前記面発光パネルが透光性構造を有することを特徴とする発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性構造を有する面発光パネルを複数有する発光システム及びこれに用いる発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窓あるいはインテリアとして、着色ガラスを組み合わせて比較的単純な図柄を形成することは広く行われている。例えば、ステンドガラスといったものが挙げられる。着色ガラスの場合、着色された透過光として図柄を見ることとなるので、視認者に不透明な壁やキャンバスに書かれた絵などとは異なる独特の印象を与えることができる。このため、近年においても、様々な着色ガラスを用いた窓やインテリアに関する技術開発がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、コンピュータを用いてステンドグラス用ガラスを切断する技術が開示されている。また、特許文献2には、ステンドグラスに光ファイバーからの光を通す技術が開示されている。特許文献3には、ガラスに発色性の透明装飾フィルムを貼る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−219726号公報
【特許文献2】特開平1−141100号公報
【特許文献3】特開2002−36450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、着色ガラスの場合、一旦作製した図柄やデザインは単一であり、変化させることはできない。また、十分な外光が無い場合、あるいは外光が強すぎる場合に図柄を視認し難いといった問題点もあった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、十分な外光が無い場合や外光が強すぎる場合であっても多彩なデザインや情報を視認しやすく、低コストで簡便な発光装置及び発光システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討を行なった。この結果、以下の発光装置及び発光システムにより上述の課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明の第1の要旨は、全体として均一色に発光し且つ発光色が可変である面発光パネルを複数有し、前記面発光パネルを組み合わせて発光させることにより発光パターンの形成を制御する発光制御部を備える発光装置であって、前記面発光パネルが透光性構造を有することを特徴とする発光装置に存する。
【0009】
本発明の第2の要旨は、前記面発光パネルが各々透明基板上に透明電極、発光層及び金属電極を有する発光素子を複数有し、隣接する前記発光素子が有する前記金属電極同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造であることを特徴とする第1の要旨に記載の発光装置に存する。
【0010】
本発明の第3の要旨は、前記発光パターンが、デザイン又は情報を示すことを特徴とする第1又は2の要旨に記載の発光装置に存する。
【0011】
本発明の第4の要旨は、更に、前記面発光パネルへの入射外光を検出する外光検出部を有し、前記発光制御部が前記入射外光に応じて前記発光パターンを変化させることを特徴とする第1乃至3の何れかの要旨に記載の発光装置に存する。
【0012】
本発明の第5の要旨は、前記隣接する複数の発光素子の発光層同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造であることを特徴とする第2乃至4の何れかの要旨に記載の発光装置に存する。
【0013】
本発明の第6の要旨は、前記面発光パネルに、前記発光素子を覆う封止構造が設けられていることを特徴とする第2乃至5の何れかの要旨に記載の発光装置に存する。
【0014】
本発明の第7の要旨は、前記発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする第1乃至6の何れかの要旨に記載の発光装置に存する。
【0015】
本発明の第8の要旨は、前記複数の発光素子の金属電極がストライプ状に並設されていることを特徴とする第7の要旨に記載の発光装置に存する。
【0016】
本発明の第9の要旨は、前記発光素子の透明基板側に光拡散層が形成されていることを特徴とする第7又は8の要旨に記載の発光装置に存する。
【0017】
そして、本発明の第10の要旨は、複数の全体として均一色に発光し且つ発光色が可変である面発光パネル及び前記面発光パネルを組み合わせて発光させることにより発光パターンの形成を制御することができる機能を有する発光制御部を有する発光システムであって、前記面発光パネルが透光性構造を有することを特徴とする発光システムに存する。
【0018】
本発明の第11の要旨は、前記面発光パネルが各々透明基板上に透明電極、発光層及び金属電極を有する発光素子を複数有し、隣接する前記発光素子が有する前記金属電極同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造であることを特徴とする第10の要旨に記載の発光システムに存する。
【0019】
本発明の第12の要旨は、更に、前記面発光パネルへの入射外光を検出する外光検出部を有し、前記発光制御部が前記入射外光に応じて前記発光パターンを変化させる機能を有することを特徴とする第10又は11の要旨に記載の発光システムに存する。
【0020】
本発明の第13の要旨は、前記隣接する複数の発光素子の発光層同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造であることを特徴とする第11又は12の要旨に記載の発光システムに存する。
【0021】
本発明の第14の要旨は、前記面発光パネルに、前記発光素子を覆う封止構造が設けられていることを特徴とする第11乃至13の何れかの要旨に記載の発光システムに存する。
【0022】
本発明の第15の要旨は、前記発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする第10乃至14の要旨に記載の発光システムに存する。
【0023】
本発明の第16の要旨は、前記複数の発光素子の金属電極がストライプ状に並設されていることを特徴とする第15の要旨に記載の発光システムに存する。
【0024】
本発明の第17の要旨は、前記発光素子の透明基板側に光拡散層が形成されていることを特徴とする第15又は16の要旨に記載の発光システムに存する。
【発明の効果】
【0025】
上述した構成とすることにより、本発明の発光装置及び発光システムは、低コストで簡便でありながら、十分な外光が無い場合や外光が強すぎる場合であっても多彩なデザインや情報を視認しやすく美しく表示することができる。
【0026】
本発明の発光装置及び発光システムに係る透光性構造とは、面発光パネルに入射する外光を透過する構造のことである。本発明の発光装置及び発光システムは、透光性構造の面発光パネルであることにより、外光の状態によらず、デザイン又は情報を視認し易く美しく表示することが可能になる。本発明に係る透光性構造としては、例えば、本発明に係る隣接する発光素子が有する金属電極同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造などが挙げられる。
【0027】
本発明の発光装置及び発光システムが外光検出部を有する場合、面発光パネルへの入射外光に応じて、本発明に係る発光制御部により発光パターンを変化させることにより、表示されるデザイン又は情報を視認させやすく美しくすることができる。
【0028】
また、本発明に係る隣接する発光素子の金属電極同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造である上に、更に、本発明に係る発光素子の発光層同士も空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造であると、面発光パネルへの入射外光量を増大させることができ、より面発光パネルへの入射外光に応じて、表示されるデザイン又は情報を視認させやすく美しくすることができる。
【0029】
本発明に係る面発光パネルにおいて、発光素子を覆う封止構造が設けられる場合、発光素子を構成する材料等の大気による酸化劣化等を防止することができる。
【0030】
本発明に係る面発光パネルにおいて、発光素子の透明基板側に光拡散層が形成されている場合、発光素子からの光を拡散することができ、発光素子からの光をより広げて外部に放射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の発光装置の概略の好ましい一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の発光装置に係る有機エレクトロルミネッセンス面発光パネルの好ましい一例の斜視図である。
【図3】本発明の発光装置に係る有機エレクトロルミネッセンス面発光パネルの好ましい一例の断面図である。
【図4】本発明の発光装置における電気回路図の好ましい一例である。
【図5】本発明の発光パネル群における表示の具体例を示す模式図である。
【図6】本発明の発光パネル群における表示の具体例を示す模式図である。
【図7】本発明の発光装置に係る面発光パネル第1変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。
【0033】
本発明の発光装置及び発光システムは、全体として均一色に発光し且つ発光色が可変である面発光パネルを複数有している。また、本発明の発光装置及び発光システムは、前記面発光パネルを組み合わせて発光させることにより発光パターンの形成を制御する発光制御部を備えている。ここで、前記面発光パネルが透光性構造を有することを特徴とする。
【0034】
本発明の発光装置及び発光システムを用いると、低コストかつ可変色な特徴を実現することができる。
【0035】
本発明に係る面発光パネルは、通常、各々、透明基板上に透明電極、発光層及び金属電極を有する発光素子を複数有する。ここで、本発明に係る透光性構造としては、例えば、本発明に係る隣接する発光素子が有する金属電極同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造が好ましい。ここで、前記空隙部の下に位置する発光層は、透明層としてもよいし、発光層同士を離間させてもよいが、発光層同士を離間させるのが好ましい。なお、更に、前記空隙部の下に位置する透明電極が離間していてもよい。
【0036】
本発明の発光装置及び発光システムにおいては、発光パターンにより、デザイン又は情報を示すのが好ましい。
【0037】
発光パターンを美しく、視認させ易くする点では、本発明の発光装置が外光検出部を有し、面発光パネルへの入射外光に応じて、本発明に係る発光制御部により発光パターンを変化させることが好ましい。また、同じ理由により、本発明の発光システムが同様の外光検出部を有し、面発光パネルへの入射外光に応じて、本発明に係る発光制御部により発光パターンを変化させることが好ましい。ここで、外光検出部は、外部から面発光パネルへの入射光を検出しても、面発光パネルの前記金属電極の空隙部を透過した透過光を検出してもよい。
【0038】
本発明の発光装置及び発光システムは、発光素子を構成する材料等の大気による酸化劣化等を防止しやすいことから、発光素子を覆う封止構造が設けられているのが好ましい。
【0039】
本発明に係る面発光パネルとしては、有機エレクトロルミネッセンスパネル(有機ELパネル)、無機ELパネルや無機LEDチップと導光板を組み合わせた面発光パネルなどが挙げられる。但し、調色を活かした発光パターンを形成できることなどから、本発明に係る発光素子としては、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)が好ましい。
【0040】
有機ELとは、有機物質からなる発光材料に電圧を印可してエネルギーを付与し、励起された当該発光材料が元の状態に戻る際に、光としてエネルギーを放出する現象のことをいう。従って、有機EL技術を用いた発光素子である有機EL素子には、有機物質からなる発光材料を含む発光層と、当該発光層を挟むように対向した2つの電極(陰極及び陽極)とを基板上に順次積層した構造が一般的に用いられている。
【0041】
本発明に係る発光素子が有機EL素子である場合、本発明に係る金属電極は、ストライプ状に並設されているのが好ましい。また、前記透明基板側には光拡散層が形成されているのが好ましい。
【0042】
以下、図面を参照し、実施例及び変形例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、各実施例の説明に用いる図面は、いずれも本発明による発光装置を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、各構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。更に、各実施例で用いる様々な数値は、いずれも一例を示すものであり、必要に応じて様々に変更することが可能である。
【0043】
(発光装置)
図1は、本実施例に係る発光装置の概略の好ましい一例を示すブロック図である。図1に示すように、発光装置1は、複数の面発光パネル2をマトリックス状に配列して形成された発光パネル群3、電力供給部4、発光制御部5、入力部6、メモリ部7、外光検出部8、及び透過光検出部9から構成されている。なお、本実施例に係る発光装置のうち、複数の面発光パネル2をマトリックス状に配列して形成された発光パネル群3及び発光制御部5以外の部材は、必ずしも必須ではない。
【0044】
本実施例に係る発光装置1においては、発光制御部5から供給される電力供給信号に基づき、電力供給部4が発光パネル群3を構成する各面発光パネル2に独立して電力を供給する。これにより、面発光パネル2を独立して発光させ、発光パネル群3全体として、発光パターンの表示を可能にする。すなわち、発光制御部5から供給される電力供給信号により、複数の面発光パネル2を組み合わせて発光させ、発光パネル群3全体によって所望の発光パターンが形成される。なお、面発光パネル2、電力供給部4、及び発光制御部5との具体的な接続関係は後述する。
【0045】
また、本実施例に係る発光装置1において、入力部6から入力信号が発光制御部5に供給されると、発光制御部5はメモリ部7にアクセスして当該入力信号に対応する発光パターンに関するデータを読み出し、当該読み出したデータに応じて電力供給信号を電力供給部4に供給する。すなわち、本実施例に係る発光装置1においては、発光装置1の外部から入力される信号に応じて、発光パネル群3によって形成される発光パターンを変化させることができる。なお、入力部6及び入力信号の具体例については後述する。
【0046】
更に、本実施例に係る発光装置1において、外光検出部8から外光検出信号(外光量を示す信号)が発光制御部5に供給されると、発光制御部5はメモリ部7にアクセスして当該外光検出信号に対応する電力量又は電力制御量を示すデータを読み出し、当該読み出したデータに応じて電力供給信号を電力供給部4に供給する。外光検出部8は、発光パネル群3の外部に取り付けられており、発光パネル群3に入射する太陽光及び他の照明光等の外光量を検出する。このため、本実施例に係る発光装置1においては、発光パネル群3に入射する外光量に応じ、発光パネル群3が形成する発光パターンを変化させることができる。なお、外光検出部8及び外光検出信号の具体例、並びに外光量に応じてどのように発光パターンを変化させるかについては後述する。
【0047】
そして、本実施例に係る発光装置1において、透過光検出部9から透過光検出信号(透過光量を示す信号)が発光制御部5に供給されると、発光制御部5はメモリ部7にアクセスして当該透過光検出信号に対応する電力量又は電力制御量を示すデータを読み出し、当該読み出したデータに応じて電力供給信号を電力供給部4に供給する。透過光検出部9は、発光パネル群3の外部に取り付けられており、発光パネル群3を透過する太陽光及び他の照明光等の透過光量を検出する。このため、本実施例に係る発光装置1においては、発光パネル群3を透過する外光量(すなわち、透過光量)に応じ、発光パネル群3が形成する発光パターンを変化させることができる。なお、透過光検出部9及び透過光検出信号の具体例、並びに透過光量に応じてどのように発光パターンを変化させるかについては後述する。
【0048】
上記において本実施例に係る発光装置1の概略を説明したが、以下において、発光装置1を構成する各部材の具体的な構造を説明するとともに、発光装置1において発光パターンをどのように変化させるかを、面発光パネルとして、有機EL面発光パネルを例に詳細に説明する。
【0049】
(有機EL面発光パネル)
図2は本実施例に係る1つの有機EL面発光パネル2の斜視図の一例であり、図3は本実施例に係る1つの有機EL面発光パネル2の断面図である。図2に示すように、有機EL面発光パネル2は、透明基板11、有機EL素子12、光拡散層13、及び封止部14から構成されている。この例では、有機EL素子12は、発光色が赤色である有機EL素子12R、発光色が緑色である有機EL素子12G、発光色が青色である有機EL素子12Bの3種類に分類されている。なお、封止部14が本発明の発光装置及び発光システムに係る封止構造に相当する。
【0050】
本実施例において、透明基板11は、ガラス製の基板である。なお、透明基板11は、
可視光を透過する特性を有する基板であればよく、例えば、セラミックス、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン等の樹脂などの各種材料から構成されてもよい。
【0051】
より具体的な有機EL面発光パネル2の構成として、透明基板11の第1の面11aには、複数の有機EL素子12R、複数の有機EL素子12G、及び複数の有機EL素子12Bが互いに離間してストライプ状に並設されている。これらの有機EL素子は、有機EL素子12R、12G、12Bの順序で繰り返して並置されている。このような構成により、有機EL素子12Rから放射される赤色の光、複数の有機EL素子12Gから放射される緑色の光、及び複数の有機EL素子12Bから放射される青色の光が合成され、1つの有機EL面発光パネル2から放射される光は全体的に均一色を呈することになる。なお、各色の光を放射する有機EL素子12R、12G、12Bの個数は各々1個ずつであってもよいが、発光面の拡大化及び有機EL面発光パネル2の高輝度化及び良好な光の混合を図る場合には、多くの有機EL素子12R、12G、12Bを並置することが好ましい。
【0052】
図3に示すように、発光色が赤色である有機EL素子12Rは、透明基板11の第1の面11a上に形成された陽極(透明電極)15R、陽極15R上に形成された発光層16R、及び陽極15Rと対をなして発光層16Rを挟む陰極(金属電極)17Rから構成されている。同様に、発光色が緑色である有機EL素子12Gは、透明基板11の第1の面11a上に形成された陽極(透明電極)15G、陽極15G上に形成された発光層16G、及び陽極15Gと対をなして発光層16Gを挟む陰極(金属電極)17Gから構成され、発光色が青色である有機EL素子12Bは、透明基板11の第1の面11a上に形成された陽極(透明電極)15B、陽極15B上に形成された発光層16B、及び陽極15Bと対をなして発光層16Bを挟む陰極(金属電極)17Bから構成されている。なお、陽極15R、15G、15Bのいずれかを特定しない場合には単に陽極15とも称し、発光層16R、16G、16Bのいずれかを特定しない場合には単に発光層16とも称し、陰極17R、17G、17Bのいずれかを特定しない場合には単に陰極17とも称する。すなわち、本実施例において、透明基板11の第1の面11a上には、各有機EL素子12を構成する陽極15、発光層16及び陰極17が順次積層されている。
【0053】
また、発光層16及び陰極17のそれぞれの厚さは相違しているものの、平面形状及びその大きさ(すなわち、面積)は同一である。
【0054】
本実施例においては、陽極15は、インジウム錫酸化物(ITO)から構成されている。このため、陽極15は、発光層16に正孔を注入する機能を有し、且つ発光層16における各色の発光に対して透光性を備えている。すなわち、陽極15は透明電極として機能する。陽極15の形成は、通常スパッタリング法や真空蒸着法等により行われる。陽極15を形成した後に陽極15に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させるために紫外線照射やオゾン処理をすることが好ましい。
【0055】
なお、陽極15は、インジウム錫酸化物(ITO)から構成されていることに限定されることなく、発光層16に正孔を注入する機能を有し、且つ発光層16における各色の発光に対して透光性を備えていれば、例えば、インジウム亜鉛酸化物等の金属酸化物、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール等の導電性高分子等から構成されてもいてもよい。また、陽極15は、有機EL素子12R、12B、12Gごとに異なる材料から構成されてもよい。
【0056】
図3において図示されていないが、有機EL素子は、陽極と陰極との間に、更に正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び/又は電子注入層を有していてもよい。その場合、陽極15側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層の順に積層された構造を有していることが好ましい。正孔注入層及び正孔輸送層は、正孔輸送性の材料から形成されることが好ましく、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボン等が挙げられる。また、電子輸送層は、電子輸送性の材料から形成されることが好ましく、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン、キノキサリン化合物、フェナントロリン誘導体、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。電子注入層は、仕事関数の低い金属からなることが好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属などが挙げられる。
【0057】
発光層16に用いられる発光材料としては、例えば、以下のものが挙げられる。赤色発光を与える発光材料としては、例えば、DCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。また、緑色発光を与える発光材料としては、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、Al(C96NO)3等のアルミニウム錯体等が挙げられる。更に、青色発光を与える発光材料としては、例えば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。なお、上述した発光材料は、いずれか1種類のみを用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0058】
本実施例においては、陰極17は、透光性を有する必要がないため、アルミニウムから構成されている。すなわち、陰極17は金属電極である。陰極17の形成は、スパッタリング法や真空蒸着法等により行われる。なお、陰極17は、アルミニウムに限定されること無く、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、銀等の金属又はそれらの合金等が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数の合金電極等が挙げられる。また、陰極17は、有機EL素子12R、12B、12Gごとに異なる材料から構成されてもよい。
【0059】
本実施例においては、図2及び図3に示すように、隣接する有機EL素子12が互いに離間して形成されている。すなわち、隣り合う有機EL素子12を構成する陽極15同士、発光層16同士、及び陰極17同士は、互いに空隙部18によって離間されている。空隙部18の幅(すなわち、有機EL素子12の配置間隔)は、数十μm〜数cmである。また、複数の有機EL素子12は、透明基板11の第1の面11aの面積の30〜90%を覆っている。空隙部18の幅は外光の透過量を上げる点では広いことが好ましいが、発光量の点では狭い方が好ましいので、外光の透過量と発光量との所望のバランスを得られるように調整することが好ましい。
【0060】
なお、発光層16をインクジェット法等のインクを塗り分ける方法で作製する場合には、空隙部18の位置に透明な樹脂でバンクを形成してインクを保持させることも可能である。
【0061】
このように隣接する有機EL素子12を互いに離間して並置することにより、有機EL面発光パネル2では、各有機EL素子12R、12G、12Bが発した赤、緑、青のそれぞれの光が合成され、有機EL素子12の装着面(第1の面11a)とは反対側となる透明基板11の発光面(第2の面11b)から合成光が放射される。例えば、赤色光、緑色光、青色光の発光量を調整することで、発光面から放射される光が白色光のように見える。なお、赤色光、緑色光、青色光の発光量を調整することで、白色光以外の色の光を合成光として放射することも可能であり、すなわち可変色のパネルを得ることができる。
【0062】
図2及び図3に示すように、封止部14は、各有機EL素子12を覆い、各有機EL素子12の発光材料等が大気中の酸素によって酸化劣化することを防止する機能等がある。また、封止部14は、空隙部18を充填し、透明基板11の第1の面11aが露出しないように形成されている。本実施例において、封止部14は、透光性を備えるエポキシ樹脂である。なお、封止部14は、シリコーン樹脂等の透光性を備える他の材質であってもよい。
【0063】
また、封止部14は、複数の有機EL素子12をプラスチック等の透光性部材で全体的に覆うような構造であってもよい。このような場合には、空隙部18は、封止部18によって充填されることがない。
【0064】
図2及び図3に示すように、光拡散層13は、透明基板11の第2の面11bの全面を覆うように形成されている。光拡散層13は、有機EL素子12から放射される各色の光を拡散させ、均一に混色させる効果がある。このような効果により、ガラス基板である透明基板11と光拡散層13とからなる部材は、全体が単一の光源として機能する。本実施例において、光拡散層13は透明樹脂に微粒子を分散したフィルムから構成されている。なお、光拡散層13は、このフィルムに限定されることなく、例えば、基板表面を粗面化することによっても形成できる。
【0065】
上述したように、透明基板11は各有機EL素子12から放射された各色の光を透過する特性を備えている。このため、図3に示すように、各有機EL素子12から放射された光は、透明基板11及び光拡散層13を透過して、有機EL面発光パネル2から外部へ放射される。
【0066】
また、上述したように封止部14も透光性を備えているため、有機EL面発光パネルに入射する外光(例えば、太陽光又は他の照明装置からの入射光等)は、封止部14を透過する。ここで、有機EL素子12を構成する陰極17は透光性を備えていないため、封止部14を透過して陰極17に到達した外光は、陰極17によって吸収又は反射され、有機EL面発光パネル2を透過することがない。しかしながら、本実施例に係る有機EL素子12は空隙部18によって陰極17が離間されていることから、外光を吸収又は反射する陰極17が存在しない領域があり、封止部14を透過した外光の一部は、空隙部18を経由して透明基板11に達する。当該透明基板11に達した外光は、透明基板11及び光拡散層13を透過して、有機EL面発光パネル2の放射面側から外部へ放射される。すなわち、本実施例に係る有機EL面発光パネル2は、外光の一部を透過することが可能である透光性構造を有し、半透明化が施されている。
【0067】
このように、本実施例に係る有機EL面発光パネル2は、入射する外光の一部を透光可能な構造(すなわち、透光性構造)を有しているため、発光層16から放射される各色の光のみならず、当該透光する外光(すなわち、透過光)を用いて、合成光を放射することができる。更には、発光層16において各色の光が生じない場合にも外光を透過することができるため、有機EL面発光パネル2は半透明ガラスとしても機能することができる。
【0068】
(発光装置の電気構成回路)
図4は、本実施例の発光装置1における1つの有機EL面発光パネル2、電力供給部4及び発光制御部5の接続関係を示す電気回路図の一例である。図4に示すように、有機EL面発光パネル2は、赤色光を発する複数の有機EL素子12Rから構成される赤色発光素子群21と、緑色光を発する複数の有機EL素子12Gから構成される緑色発光素子群22と、青色光を発する複数の有機EL素子12Bから構成される青色発光素子群23とから構成されている。なお、図4においては、回路構成を容易に示すために有機EL素子12R同士、有機EL素子12G同士、有機EL素子12B同士が並置されているが、実際には、図2及び図3に示されているように、有機EL素子12R、有機EL素子12G、有機EL素子12Bの順序で並置されている。
【0069】
図4に示すように、有機EL素子12のアノードである陽極15は、電力供給部4に接続され、有機EL素子12のカソードである陰極17は、接地されている(すなわち、グランド電位に接続されている)。この場合、陰極17の電位は共通であるため、パネル端部あるいはパネルに接続されたケーブルにおいて、陰極17のそれぞれが電気的に接続されていることが好ましい。また、有機EL素子12Rのアノード(陽極15)同士は、電気的に接続されている。すなわち、有機EL素子12R同士は、並列に接続されている。同様に、有機EL素子12Gのアノード(陽極15)同士は電気的に接続され、有機EL素子12G同士は並列に接続されている。また、有機EL素子12Bのアノード(陽極15)同士は、電気的に接続され、有機EL素子12B同士は、並列に接続されている。
【0070】
<電力供給部>
電力供給部4は、複数のnチャネルMOSトランジスタ24(以下、nMOS24と称する)から構成されている。1つの有機EL面発光パネル2に対して、3つのnMOS24が接続されている。具体的には、複数の有機EL素子12R(すなわち、赤色発光素子群21)に1つのnMOS24が接続され、複数の有機EL素子12G(すなわち、緑色発光素子群22)に1つのnMOS24が接続され、複数の有機EL素子12B(すなわち、青色発光素子群23)に1つのnMOS24が接続されている。以下において、有機EL素子12Rに接続されたnMOS24をnMOS24Rとも称し、有機EL素子12Gに接続されたnMOS24をnMOS24Gとも称し、有機EL素子12Bに接続されたnMOS24をnMOS24Bとも称する。なお、有機EL面発光パネル2は各々独立して発光させるため、各有機EL面発光パネル2は、同一のnMOS24には、接続されていない。従って、図4においては、3つのnMOS24を記載しているが、実際には本実施例に係る発光装置1の電力供給部4は、有機EL面発光パネル2の数量を3倍した数量のnMOSから構成されている。
【0071】
より具体的な接続関係として、nMOS24の各ゲートは、発光制御部5に接続され、nMOS24の各ソースは、有機EL素子12の各アノードに接続され、nMOS24のドレインは、外部電源電圧Vccに接続されている。
【0072】
<発光制御部>
発光制御部5は、一般的な半導体集積回路から構成され、発光パネル群3における発光パターンの形成を制御している。発光制御部5は、各nMOS24に独立して異なるゲート電圧を印可することが可能である。発光制御部5は、その内部に電圧源を有してもよく、外部電源電圧Vccから入力される電圧を所望の電圧に変換する機能を有してもよい。発光制御部5は、各nMOS24に独立して異なるゲート電圧を印可し、更には印可するゲート電圧をnMOS24毎に変更することができる。これにより、有機EL素子12R、12G、12Bごとに供給される電力を調整することができ、有機EL素子12R、12G、12Bごとに放射される光の量が異なることとなり、有機EL面発光パネル2から放射される合成光の色を自在に変化させることができる。すなわち、各nMOS24のゲートに印可されるゲート電圧を調整することにより、有機EL面発光パネル2から放射される合成光の色を白色光のみならず、可視波長領域の様々な色に調整することができる。
【0073】
更に、nMOS24Rのみにゲート電圧を印可する場合、赤色発光素子群21を構成する有機EL素子12Rのみに電力が供給され、有機EL面発光パネル2から放射される光は赤色となる。同様に、nMOS24Gのみにゲート電圧を印可する場合、緑色発光素子群22を構成する有機EL素子12Gのみに電力が供給され、有機EL面発光パネル2から放射される光は緑色となり、nMOS24Bのみにゲート電圧を印可する場合、青色発光素子群23を構成する有機EL素子12Bのみに電力が供給され、有機EL面発光パネル2から放射される光は青色となる。すなわち、有機EL面発光パネル2からは、合成光だけでなく、有機EL素子12R、12G、12Bのそれぞれの発光色の光を単独で放射することもできる。更に、上述した3つの発光素子群のうちから2つを選択して電力を供給することで、有機EL面発光パネル2から選択した2色の合成光を放射することも可能である。
【0074】
このような有機EL面発光パネル2、電力供給部4及び発光制御部5により、有機EL面発光パネル2が発光する光を様々な色に可変することができる。従って、複数の有機EL面発光パネル2を独立して発光させることにより、互い異なる色を有機EL面発光パネルから放射させることができ、当該異なる色を用いて、発光パネル群3において発光パターンを形成することが可能になる。
【0075】
(発光パネル群による表示)
次に、図1、図5及び図6を参照しつつ、発光装置1を構成する発光パネル群3、入力部6、メモリ7、外光検出部8、及び透過光検出部9を説明するとともに、発光パネル群3における表示方法及び具体的な表示例を説明する。図5及び図6は、発光パネル群3における表示の具体例を示す模式図である。なお、以下の説明では、本発明に係る面発光パネルとして、有機EL面発光パネルを用いた例を説明するが、本発明の発光装置に用いる面発光パネルはこれに限定されない。
【0076】
<発光パネル群>
本実施例に係る発光装置1は、発光パネル群3及び発光制御部5を有する。図5及び6の発光装置1では、発光パネル群3は、行方向に6枚、列方向に8枚、合計48枚の有機EL面発光パネル2から構成されている。例えば、各有機EL面発光パネル2同士は、隣り合う透明基板11の側面同士を接着剤により貼り合わされている。あるいは、パネル同士を互いに嵌合可能な構造とすることにより構成することも可能である。
【0077】
上述したように、各有機EL面発光パネル2は、全体的に均一色に発光し、発光する色が可変である。また、有機EL面発光パネル2は、互いに独立して電力供給部4から電力が供給されるため、それぞれが異なる色の光を放射することができる。このように、各有機EL面発光パネル2から放射される光の色を調整することにより、発光パネル群3全体として、例えば、図5及び図6に示すような樹木の形状を表わす発光パターンを形成することができる。
【0078】
<メモリ部>
メモリ部7は、例えば、DRAM、SRAM、EPROM、EEPROM又はフラッシュメモリ等の半導体メモリによって構成され、発光パネル群3にて表示させる発光パターンのデータが予め保存されている。例えば、メモリ部7には、図5及び図6に示すような、葉の色の緑及び赤の2種類の樹木の形状を表わすための発光パターンのデータが保存されている。ここで、発光パターンのデータとは、発光パターンに応じて、各有機EL面発光パネル2における各有機EL素子12に供給すべき電力量、又は当該電力量に対応した電力制御量等を示すデータである。
【0079】
<入力部>
入力部6は、例えば、キーボード及びテンキーからなる入力装置である。操作者は、当該キーボード及びテンキーを操作することにより、発光パネル群3によって形成させる発光パターンを入力することができる。なお、入力部6は、キーボード及びテンキーに限られることなく、無線通信又は有線通信によって送信されてきたデータを受信するような装置であってもよい。このような場合には、入力部6にて受信されるデータが、発光パネル群3によって形成させる発光パターンのデータを所有している。
【0080】
なお、入力部6は、スイッチであってもよい。この場合には、当該スイッチを入れることにより、発光パネル群3において形成される発光パターンを切り替えることができる。
入力部6は、タッチパネルであってもよい。また、入力部6は、携帯電話やコンピュータ等の他用途を備えた電子機器であっても良い。
【0081】
<外光検出部>
外光検出部8は、フォトダイオード等の光検出センサから構成されている。外光検出部8は、例えば、有機EL面発光パネル2における封止部14の形成面側に設けられてもよく、発光パネル群3から離間した位置に設けられてもよい。外光検出部8は、発光パネル群3に入射する外光量を検出し、当該検出した外光量を示す外光検出信号を発光制御部5に供給する。
【0082】
<透過光検出部>
透過光検出部9は、例えば、有機EL面発光パネル2における封止部14の形成面側に設けられたフォトダイオード等の光検出センサと、光拡散層13の形成面側に設けられたフォトダイオード等の光検出センサを備えている。また、透過光検出部9は、封止部14の形成面側における外光量と、光拡散層13の形成面の外光量とを検出し、当該2つの外光量の差分から透過光の透過光量を算出し、当該透過光量を示す透過光量データ信号を発光制御部5に供給する演算部を備えている。
【0083】
なお、透過光検出部9は、2つの光検出センサからの外光量の差分を算出することなく、発光制御部5に2つの外光量データを供給してもよい。この場合には、発光制御部5が当該2つの外光量データの差分から透過光量を算出する。また、透過光検出部9は、外光検出部8を構成する光検出センサを共用してもよい。更に、透過光検出部9は、有機EL面発光パネル2を透過する光を検出することができれば、2つの光検出センサを備えている必要はなく、1つの光検出センサから構成されていてもよい。また、外光量と透過光量がほぼ相関するような場合は、外光量を検出する光検出センサのみから構成されることも可能である。
【0084】
<発光パターン>
発光パネル群3によって図5に示すような「緑色の葉が茂った樹木を表わす形状」を表示させたい場合には、操作者は、例えば、入力部6から図5に示す「緑の樹木」を選択する入力を行う。発光制御部5には、図5に示す「緑の樹木」を選択する入力信号が入力部6から供給され、発光制御部5は、メモリ部7にアクセスし、図5に示す「緑の樹木」を表示する発光パターンに関するデータを読み出す。そして、発光制御部5は、当該読み出しデータに基づき、各有機EL面発光パネル2に供給する電力量に応じた電力供給信号を電力供給部4に供給する。具体的には、発光制御部5は、樹木の「葉」を表示する有機EL面発光パネル2(図5において斜めのハッチングが施されている部分)から緑色の光を放射させるために、当該緑色の光を放射する有機EL面発光パネル2の各有機EL素子12に供給すべき電力量を示す電力供給信号であるゲート電圧を供給する。また、発光制御部5は、樹木の「幹」を表示する有機EL面発光パネル2(図5においてドットが施されている部分)から茶色又は暗い赤色の光を放射させるために、当該茶色又は暗い赤色の光を放射する有機EL面発光パネル2の各有機EL素子12に供給すべき電力量を示す電力供給信号であるゲート電圧を供給する。このようにして、発光パネル群3を構成する各有機EL面発光パネル2に電力供給信号が供給されることによって、電力供給部4を介して各有機EL面発光パネル2に所望の電力が供給され、図5に示すような「緑色の葉が茂った樹木」を表わす形状が表示される。
【0085】
また、発光制御部5は、外光検出部8から供給される外光量信号に応じて、各有機EL面発光パネル2に供給する電力量を増減する。例えば、外光量が多いことによって発光パネル群3に表示される発光パターンが目視し難い状態において、各有機EL面発光パネル2に供給する電力量を全体的に増加することにより、各有機EL面発光パネル2から放射される光(すなわち、発光パターン)の輝度を増加し、発光パターンを目視し易くする。このような場合には、発光制御部5は、メモリ部7に保存された外光量に対応した電力量を示すデータを参照し、当該参照データに応じた電力量を各有機EL面発光パネル2に供給する。
【0086】
なお、発光制御部5は、上述した電力制御量を示すデータをメモリ部7から読み出し、当該読み出したデータを用い、外光量信号に応じて電力量を補正してもよい。このような場合には、メモリ部7に外光量信号ごとに対応したデータを保存しておく必要がなくなり、メモリ部7を有効的に使用することができる。
【0087】
また、発光制御部5は、透過光検出部9から供給される透過光量信号に応じて、各有機EL面発光パネル2に供給する電力量を増減する。例えば、透過光量が多いことによって発光パネル群3に表示される発光パターンが目視し難い状態において、各有機EL面発光パネル2に供給する電力量を全体的に増加することにより、各有機EL面発光パネル2から放射される光の輝度を増加し、発光パターンを目視し易くする。このような場合には、発光制御部5は、メモリ部7に保存された透過量に対応した電力量を示すデータを参照し、当該参照データに応じた電力量を各有機EL面発光パネル2に供給する。
【0088】
なお、発光制御部5は、上述した電力制御量を示すデータをメモリ部7から読み出し、当該読み出したデータを用い、透過光量信号に応じて電力量を補正してもよい。このような場合には、メモリ部7に透過光量信号ごとに対応したデータを保存しておく必要がなくなり、メモリ部7を有効的に使用することができる。
【0089】
なお、発光制御部5は、外光量又は透過光量に応じて発光パターンの輝度を増減させるだけなく、発光パターンの形状自体を変化させてもよい。すなわち、発光制御部5は、外光量又は透光量に応じて、樹木の発光パターンから他の形状を表わす発光パターンに自動的に変化させてもよい。また、発光制御部5は、外光量及び透過光量の両方に応じて発光パターンを変化させる場合に限らず、外光量又は透過光量のいずれか一方のみに応じて発光パターンを自動的に変化させてもよい。
【0090】
図5において、発光パターンの一例を示していたが、外光量、透過光量、発光装置1に関連する他の要因、更には発光装置1を取り扱う操作者に応じ、発光パターンを変化させる場合がある。以下に、図5とは異なる発光パターンに変化させる場合について、図6を参照しつつ説明する。
【0091】
発光パネル群3によって図6に示すような「紅葉している樹木を表わす形状」を表示させたい場合には、操作者は、例えば入力部6から図6に示す「紅葉した樹木」を選択する入力を行う。発光制御部5には図6に示す「紅葉した樹木」を選択する入力信号が入力部6から供給され、発光制御部5はメモリ部7にアクセスし、図6に示す「紅葉した樹木」を表わす形状を表示する発光パターンに関するデータを読み出す。そして、発光制御部5は、当該読み出しデータに基づき、各有機EL面発光パネル2に供給する電力量に応じた電力供給信号を電力供給部4に供給する。具体的には、発光制御部5は、樹木の「葉」を表示する有機EL面発光パネル2(図6において斜めのハッチングが施されている部分)から赤色の光を放射させるために、当該赤色の光を放射する有機EL面発光パネル2の各有機EL素子12に供給すべき電力量を示す電力供給信号であるゲート電圧を供給する。また、発光制御部5は、樹木の「幹」を表示する有機EL面発光パネル2(図5においてドットが施されている部分)から茶色又は暗い赤色の光を放射させるために、当該茶色又は暗い赤色の光を放射する有機EL面発光パネル2の各有機EL素子12に供給すべき電力量を示す電力供給信号であるゲート電圧を供給する。このようにして、発光パネル群3を構成する各有機EL面発光パネル2に電力供給信号が供給されることによって、電力供給部4を介して各有機EL面発光パネル2に所望の電力が供給され、図6に示すような「紅葉している樹木」を表わす形状が表示される。
【0092】
上記のように、操作者の指示に基づいて、「葉の色が異なる」樹木を表わす形状を自在に発光パネル群3において形成させることができるため、例えば、季節の変化に応じて形成させる「樹木」を表わす発光パターンを変化することができる。なお、入力部6が上述したような通信手段を有している場合には、操作者の入力部6における操作に関係なく、所定の入力信号に応じて発光パターンを変化させることが可能になる。
【0093】
上述した実施例においては、2種類の樹木の発光パターンを表示する場合を説明したが、メモリ部7に「多数の樹木」を表わす発光パターンのデータを保存させることで、多種の樹木を季節に合わせて表示させることできる。また、発光パネル群3において表示する発光パターンは、図形に限定されることなく、例えば、数字及び文字等を表示させてもよい。具体的には、例えば、発光パネル群3に時刻又は日付を表示させることができる。
【0094】
以上のように、本実施例に係る発光装置1を構成する各有機EL面発光パネル2においては、隣接する有機EL素子12が空隙部18を介して並置されているため、有機EL面発光パネル2に入射する外部の光を透過する経路が形成されている。また、各有機EL面発光パネル2は、発光制御部5による電力量の制御によって、独立し且つ互いに相違する色の光を放射することができる。これらのことから、複数の有機EL面発光パネル2から構成される発光パネル群3においては、外部の光を取り入れつつ模様等の比較的にシンプルなデザイン或いは単純な情報等の発光パターンを形成することが可能になる。
【0095】
本実施例に係る発光システム及び発光装置を構成する各有機EL面発光パネル2は、通常、複数の有機EL素子12を独立して駆動することなく、均一色の光を放射する有機EL素子12を一体的に駆動する。これにより、有機EL面発光パネル2の全面を利用して全体的に均一色、且つ可変することができる合成光を放射するため、ディスプレイのような画素単位での制御及び当該制御を実現するための複雑な制御回路が不要となり、コストの低減が容易になる。
【0096】
上述したような効果が得られる場合において、例えば、有機EL面発光パネル2を透過する光と、有機EL面発光パネル2自体が発する光とを適度に調和することが容易になる。
【0097】
本実施例に係る発光装置1を構成する発光パネル群3は、窓に利用することにより、当該窓に外部の光を取り入れつつ比較的にシンプルなデザイン或いは単純な情報等を表示する発光パターンを形成することができる。この場合、窓が半透明性を有していると、曇りガラスとして機能させることもできる。また、窓に比較的にシンプルなデザイン或いは単純な情報等を屋内に向けに形成することにより、発光パネル群3をインテリアとして利用することもできる。更には、窓に比較的にシンプルなデザイン或いは単純な情報等を屋外に向けに形成することにより、発光パネル群3をエクステリアとして利用することができる。このようなデザイン照明として用いる他に、例えば、時計、方向指示、番号表示などにも使用することができる。
【0098】
本実施例に係る発光装置1を構成する発光パネル群3は、上述したような窓に用いる他に、外部から採光しない環境でも利用することができる。上述の窓の場合と同様に、屋内用として利用する場合には、発光パネル群3をインテリアとして利用することができ、屋外用として利用する場合には、発光パネル群3をエクステリアとして利用することができる。
【0099】
上述した実施例において、有機EL面発光パネル2のそれぞれは、3種類の有機EL素子12(赤色を発光する有機EL素子12R、緑色を発光する有機EL素子12G、青色を発光する有機EL素子12B)を備えていたが、これに限定されることはない。例えば、上述した3種類の有機EL素子12R、12G、12Bの内から選択した2種類の有機EL素子12から有機EL面発光パネル2を構成してもよい。この場合においても、有機EL面発光パネル2から放射される光を可変することができるからである。
【0100】
また、上述した実施例に係る各有機EL面発光パネル2において、複数の有機EL素子12Rを1つの赤色発光素子群21、複数の有機EL素子12Gを1つの緑色発光素子群22、複数の有機EL素子12Bを1つの青色発光素子群23として制御していたが、このような制御に限定されることはない。例えば、複数の有機EL素子12Rを複数の発光素子群に分けてもよい。同様に、複数の有機EL素子12G、及び複数の有機EL素子12Bを複数の発光素子群に分けてもよい。但し、電流供給部4の構成が複雑簡便で良い点では、複数の有機EL素子12を多数の発光素子群に分けると、当該発光素子群ごとに制御する電流供給部4の構成が複雑になるため、当該発光素子群は少ない方が好ましい。
【0101】
更に、上述した実施例に係る各有機EL面発光パネル2において、陽極の電位を共通化し、陰極の電位を有機EL素子12R、12G、12Bで独立に制御することも可能である。この場合、電力供給部4には陰極が接続され、接地は陽極でなされる。
【0102】
また、上述した実施例に係る有機EL面発光パネル2のそれぞれにおいては、陰極(金属電極)を離間することにより、外光を透過する透光性構造を実現していたが、これに限定されることはない。例えば、陰極をITOから構成することにより、陰極自体にも透光性を備えさせることにより、有機EL面発光パネル2の透光性構造を実現してもよい。この場合、有機EL面発光パネル2は空隙部18を備えていなくもよい。
【0103】
また、上述した実施例において、発光制御部5は、nMOS24に供給するゲート電圧を変化させることにより有機EL面発光パネルから放射される光を調整していたが、これに限定されることはない。例えば、発光制御部5は、各nMOS24におけるオンオフのデューティ比を変更するようにnMOS24ごとに異なるゲート電圧を供給することにより、有機EL素子12R、12G、12Bの発光強度を調整してもよい。
【0104】
上述した実施例において、外光検出部8は外光量を検出し、透過光検出部9は透過光量を検出していたが、外光検出部8は外光の有無を検出し、透過光検出部9は透過光の有無を検出してもよい。このような場合に、発光制御部5は、外光の有無又は透過光の有無に応じて、発光パターンを制御してもよい。
【0105】
なお、発光装置1に外光又は透過光の色度を検出することができる色度検出センサを設けてもよい。このような場合、メモリ部7に色信号に応じて電力量を示すデータ又は、電力制御量を示すデータを保存することで、発光制御部5は、当該データを参照し、当該色度検出センサから供給される色度信号に応じて、発光パターンの色度を制御することができる。
【0106】
上述した実施例においては、発光パネル群3、電力供給部4、制御部5、入力部6、メモリ部7、外光検出部8、透過光検出部9が1つの機器である発光装置1として構成されている場合を説明したが、本発明はかかる発光装置1に限定されることはなく、例えば、発光パネル群3と他の構成部とが独立した機器として存在し、発光パネル群3と他の構成部とを組み合わせたようなシステム、すなわち発光システムとして構成されていてもよい。このような発光システムの場合においても、発光装置1とその構成部材は同一であり、その説明は上述した実施例の発光装置1を発光システムとして置き換えることで行うことができるため、その説明は省略する。
【0107】
(有機EL面発光パネルの第1変形例)
上述した実施例において、有機EL面発光パネル2を構成する各有機EL素子12において、発光層16及び陰極17の各々の厚さは相違しているものの、平面形状及びその大きさ(すなわち、面積)は同一であった。しかしながら、有機EL素子12の形状は、これに限定されることなく、図7に示すように構成してもよい。以下に、図7を参照しつつ、有機EL面発光パネル2の第1変形例について説明する。なお、上述した実施例と同一の構成部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0108】
図7は、有機EL面発光パネル2’の断面図である。図7に示すように、有機EL面発光パネル2’は、透明基板11、有機EL素子12’、光拡散層13、及び封止部14から構成されている。また、有機EL素子12’は、発光色が赤色である有機EL素子12’R、発光色が緑色である有機EL素子12’G、発光色が青色である有機EL素子12’Bの3種類に分類される。
【0109】
より具体的な有機EL面発光パネル2’の構成として、透明基板11の第1の面11aには、複数の有機EL素子12’R、複数の有機EL素子12’G、及び複数の有機EL素子12’Bが互いに離間してストライプ状に並設されている。これらの有機EL素子は、有機EL素子12’R、12’G、12’Bの順序で繰り返して並置されている。このような構成により、有機EL素子12’Rから放射される赤色の光、複数の有機EL素子12’Gから放射される緑色の光、及び複数の有機EL素子12’Bから放射される青色の光を合成し、1つの有機EL面発光パネル2から全体的に均一色の合成光を放射することになる。
【0110】
図7に示すように、発光色が赤色である有機EL素子12’Rは透明基板11の第1の面11a上に形成された陽極(透明電極)15R、陽極15R上に形成された発光層16R、及び陽極15Rと対をなして発光層16Rを挟む陰極(金属電極)17’Rから構成されている。同様に、発光色が緑色である有機EL素子12’Gは透明基板11の第1の面11a上に形成された陽極(透明電極)15G、陽極15G上に形成された発光層16G、及び陽極15Gと対をなして発光層16Gを挟む陰極(金属電極)17’Gから構成され、発光色が青色である有機EL素子12’Bは透明基板11の第1の面11a上に形成された陽極(透明電極)15B、陽極15B上に形成された発光層16B、及び陽極15Bと対をなして発光層16Bを挟む陰極(金属電極)17’Bから構成されている。なお、陰極17’R、17’G、17’Bのいずれかを特定しない場合には単に陰極17’とも称する。
【0111】
本変形例において、陽極15、発光層16及び陰極17’の各々の厚さは相違している。また、陰極17’は、陽極15及び発光層16とほぼ同じ長さでストライプ状に形成されているが、陰極17’の幅方向の寸法が発光層16の幅方向の寸法よりも小さい。すなわち、陰極17’は発光層16の表面の一部のみを覆っている。
【0112】
本変形例においては、隣り合う有機EL素子12を構成する陽極15同士、及び発光層16同士は、互いに空隙部18によって離間され、陰極同士は互いに空隙部18’によって離間されている。空隙部18’の幅(すなわち、陰極17’の間隔)は、数十μm〜数cmである。すなわち、本実施例においては、陰極17’の幅が発光層16よりも小さいため、上述した実施例と同一の発光量の場合でも有機EL面発光パネル2’を透光する外光量が増加することになり、パネルの透明性を向上できる。
【0113】
なお、本変形例において陰極17’が全発光素子で共通化されている場合には、陰極の延設方向が必ずしも発光層16の延設方向と平行である必要はなく、例えば直交していても良い。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明に係る発光装置及び発光システムは、建物の窓及びインテリア、乗り物の窓及びインテリア、更には建物のエクステリアの用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0115】
1 発光装置(発光システム)
2 (有機EL)面発光パネル
3 発光パネル群
4 電力供給部
5 発光制御部
6 入力部
7 メモリ部
8 外光検出部
9 透過光検出部
11 透明基板
12 有機EL素子
13 光拡散層
14 封止部
15 陽極(透明電極)
16 発光層
17 陰極(透明電極)
18 空隙部
21 赤色発光素子群
22 緑色発光素子群
23 青色発光素子群
24 nチャネルMOSトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体として均一色に発光し且つ発光色が可変である面発光パネルを複数有し、前記面発光パネルを組み合わせて発光させることにより発光パターンの形成を制御する発光制御部を備える発光装置であって、
前記面発光パネルが透光性構造を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記面発光パネルが各々透明基板上に透明電極、発光層及び金属電極を有する発光素子を複数有し、隣接する前記発光素子が有する前記金属電極同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記発光パターンが、デザイン又は情報を示すことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
更に、前記面発光パネルへの入射外光を検出する外光検出部を有し、前記発光制御部が前記入射外光に応じて前記発光パターンを変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記隣接する発光素子の発光層同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記面発光パネルに、前記発光素子を覆う封止構造が設けられていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記複数の発光素子の金属電極がストライプ状に並設されていることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記発光素子の透明基板側に光拡散層が形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の発光装置。
【請求項10】
複数の全体として均一色に発光し且つ発光色が可変である面発光パネル及び前記面発光パネルを組み合わせて発光させることにより発光パターンの形成を制御することができる機能を有する発光制御部を有する発光装置であって、
前記面発光パネルが透光性構造を有することを特徴とする発光システム。
【請求項11】
前記面発光パネルが各々透明基板上に透明電極、発光層及び金属電極を有する発光素子を複数有し、隣接する前記発光素子が有する前記金属電極同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造であることを特徴とする請求項10に記載の発光システム。
【請求項12】
更に、前記面発光パネルへの入射外光を検出する外光検出部を有し、前記発光制御部が前記入射外光に応じて前記発光パターンを変化させる機能を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の発光システム。
【請求項13】
前記隣接する複数の発光素子の発光層同士が空隙部の存在により少なくとも部分的に離間している構造であることを特徴とする請求項11又は12に記載の発光システム。
【請求項14】
前記面発光パネルに、前記発光素子を覆う封止構造が設けられていることを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の発光システム。
【請求項15】
前記発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項11乃至14の何れか1項に記載の発光システム。
【請求項16】
前記複数の発光素子の金属電極がストライプ状に並設されていることを特徴とする請求項15に記載の発光システム。
【請求項17】
前記発光素子の透明基板側に光拡散層が形成されていることを特徴とする請求項15又は16に記載の発光システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−101762(P2013−101762A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243571(P2011−243571)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】