説明

発光装置

【課題】導光方向に沿って均一かつ効率よく発光可能な発光装置を提供する。
【解決手段】実施形態の発光装置は、第1の光源と、導光体と、発光層と、第1の反射層と、を有する。前記導光体は、前記第1の光源からの出力光が入射する第1の端面と、入射した前記出力光の導光方向に設けられた第2の端面と、を有する。前記発光層では、前記出力光を吸収し波長変換光を放出可能な蛍光体粒子あるいは前記出力光を拡散させる光拡散剤が前記導光方向に沿って配置される。前記第1の反射層は、前記第2の端面に設けられ、前記導光体内を導かれた前記出力光の一部を反射可能である。また、前記発光層からの拡散光を、前記導光体の外部に放出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外光〜可視光波長範囲の出力光と、この出力光を吸収した蛍光体粒子が放出する波長変換光と、を混合すると、例えば、白色光、擬似白色光、電球色などを得ることができる。
【0003】
青色LEDのチップを黄色蛍光体層で覆うと、点光源として擬似白色光を得ることができる。他方、導光体の導光方向に沿って黄色蛍光体層を延在させ、導光体内部を導かれた青色光を照射することにより、線状光源として擬似白色光を得ることができる。
【0004】
この場合、励起光(光源の出力光)は光源に近い蛍光体層領域に多く吸収される。しかし、光源から離れるに従って励起光の強度が低下し、蛍光体層での吸収が低減される。このため、擬似白色光の強度は、光源側で高く光源から離れるに従い低下する問題がある。また、光源から離れると、青色光が経るため色度も黄色側にシフトする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−124720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、導光方向に沿って均一かつ効率よく発光可能な発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の発光装置は、第1の光源と、導光体と、発光層と、第1の反射層と、を有する。前記導光体は、前記第1の光源からの出力光が入射する第1の端面と、入射した前記出力光の導光方向に設けられた第2の端面と、を有する。前記発光層では、前記出力光を吸収し波長変換光を放出可能な蛍光体粒子あるいは前記出力光を拡散させる光拡散剤が前記導光方向に沿って発光層として配置される。前記第1の反射層は、前記第2の端面に設けられ、前記導光体内を導かれた前記出力光の一部を反射可能である。また、前記発光層から拡散光を、前記導光体の外部に放出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、導光方向に沿って発光層を設けた所望の領域で、光が十分に混合して均一な色度で効率よく発光可能な発光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)は第1の実施形態にかかる発光装置の模式断面図、図1(b)は蛍光体粒子による発光を示す模式図、図1(c)は光拡散剤による出力光を示す模式図、である。
【図2】図2(a)はレーザビームの光強度分布を表すグラフ図、図2(b)は入射領域が大きな場合の入射面を示す模式側面図、図2(c)は入射領域が小さな場合の入射面を示す模式側面図、である。
【図3】図3(a)は第1の実施形態に変形例の模式断面図、図3(b)は蛍光体粒子による発光を示す模式図、図3(c)は光拡散剤による出力光を示す模式図、である。
【図4】図4(a)は第2の実施形態にかかる発光装置の模式断面図、図4(b)は第1変形例にかかる発光装置の模式断面図、図4(c)は第2変形例の模式断面図、である。
【図5】第3の実施形態にかかる発光装置の模式断面図である。
【図6】図6(a)は第4の実施形態にかかる発光装置の模式断面図、図(b)はその第1変形例の模式断面図、である。
【図7】図7(a)〜図7(e)は、反射層の形状の変形例を表す模式断面図である。
【図8】図8(a)は第5の実施形態にかかる発光装置の模式断面図、図8(b)および図8(c)は光源側からみた模式側面図、図8(d)は模式斜視図、図8(e)は変形例の模式断面図、である。
【図9】図9(a)は第6の実施形態にかかる発光装置の模式斜視図、図6(b)〜(e)は点灯領域を表す模式図、である。
【図10】図10(a)は第7の実施形態にかかる発光装置の模式斜視図、図10(b)はその模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)は第1の実施形態にかかる発光装置の模式断面図、図1(b)は出力光が蛍光体粒子により波長変換された拡散発光を示す模式図、図1(c)は出力光が光拡散剤による拡散発光を示す模式図、である。
図1(a)において、発光装置は、光源10と、光源10から離間して設けられた導光体30と、蛍光体粒子を含む発光層40と、導光体30の第2の端面30bに設けられた第1の反射層50と、を有する。導光体30は、第1の端面30a、第2の端面30b、側面30c、30fを有している。第1の端面30aは、光源10からの出力光10aの入射面となる。第2の端面30bには、金属や誘電体多層膜からなる第1の反射層50が設けられる。
【0011】
光源10として、例えば、紫外光〜可視光波長範囲の出力光を放出可能な窒化物系半導体材料からなるLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)を用いることができる。LDの場合、発光点のサイズは10μm以下、出力光10aの垂直方向半値全角は30度、水平方向半値全角は10度などと狭くでき、導光体30へ確実に入射することが容易となる。
【0012】
なお、本明細書において、出力光が導かれる方向を、導光方向(ブロック矢印)36と定義する。導光体30は、透光性を有し、透明樹脂やガラスなどの透明材料、または空気層などとすることができる。また、例えば、導光体30の幅は1.5mm、高さは1.5mm、とすることができる。また、導光体30の長さは、例えば60mmとすることができる。
【0013】
発光層40は、蛍光体粒子41、または光拡散剤42を含み、導光体30の側面30c、30fを囲むように設けられる。例えば、図1(b)のように、ガラスや透明樹脂に蛍光体粒子41が混合され導光方向36に沿って分散して配置される。また、図1(c)のように、ガラスや透明樹脂に光拡散剤42が混合され導光方向36に配置される。
【0014】
出力光10aは、導光体30の第1の端面30aへ入射する。入射した出力光10aは、発散しながら発光層40へ入射する。導光体30の屈折率を発光層40の屈折率以下とすると、出力光10aが効果的に発光層40へ入射できるので好ましい。この場合、発光層40の厚さ、蛍光体粒子濃度、光拡散剤濃度を選ぶことにより、入射光G1、G2を発光層40の外縁40aと空気との界面で全反射させ、第1の反射層50に入射させることができる。
【0015】
もし、蛍光体粒子が導光体の全領域内に混合されていると、入射した出力光(励起光)は光源側の蛍光体粒子に多く吸収され、波長変換光の強度が高くなる。この場合、光源側では発熱による温度上昇が大きい。他方、光源から離れるに従い出力光の強度が低下し波長変換光の強度も低下する。すなわち、導光方向に沿って光強度が次第に低下する。
【0016】
これに対して本実施形態では、出力光10aは、導光方向36に沿って、導光体30から発光層40へ連続的に入射できる。また、第2の端面30bに入射した出力光10aは第1の反射層50により反射されるので、外部に不要に輻射することがない。第1の反射層50により反射された光は、再び発光層40へ入射可能である。このようにして、発光層40の導光方向36に沿って、均一に出力光を再入射させることが容易である。
【0017】
また、第1の端面30aにおいて、出力光10aが入射しない領域に第2の反射層52を設けてもよい。このようにすると、第1の端面30aの側においても、不要輻射を抑制できる。さらに、第1の光源10からの出力光10aの波長と、実質的に同一の波長を有する出力光を放出する第2の光源を設けても良い。この場合、第1の反射層50は、第2の光源からの出力光の入射領域以外の領域に設ければよい。
【0018】
図1(b)のように、発光層40が蛍光体粒子41を含んでいる場合、蛍光体粒子41は入射光G3を吸収し波長変換光を放出する。この場合、波長変換光は、蛍光体粒子41を発光源として発散しつつ拡散放出される。発光層40が薄いか、または蛍光体粒子の濃度が高すぎない場合、導光体30側に向かう光gy1と外側に向かう光gy2とを生じる。蛍光体粒子41に吸収されなかった出力光の一部は、蛍光体粒子41により散乱されるか、蛍光体粒子41を透過するなどにより、導光体30側に向かう光gb1と外側に向かう光gb2とを生じる。
【0019】
この結果、出力光と、波長変換光と、が混合された出射光80が導光体30の外部に放出される。導光体30が細長い円柱状であれば、出射光80は、断面内で等方的に放出可能である。また、出力光10aが青色レーザ光であり、蛍光体粒子41が珪酸塩などを含む黄色蛍光体からなるものとすると、出射光80を擬似白色光とすることができる。
【0020】
図1(c)は、発光層40が光拡散剤42を含んでいる場合である。入射光G3が光拡散剤42により、散乱される。もし、光拡散剤42を含む発光層が適正な拡散透過率を有する場合、導光体30側へ向かう光gb1と、外側に向かう光gb2が放出される。この結果、導光方向36と直交する方向に出射光80が出射される。例えば、出力光10aが赤色レーザ光であるものとすると、導光方向36と直交する方向に赤色光からなる出射光80が放出される。なお、光拡散剤42としては、ポリメタクリル酸メチルや炭酸カルシウムなど、拡散透過率の高い粒子を用いることができる。
【0021】
第1の反射層50が設けられた第2の端面30bから導光体30の外部に出力光や波長変換光を放出することはないので、光取り出し効率を高めると共に、レーザ光などの不要輻射を低減し、安全を確保できる。このようにして、導光方向に沿って発光層40を設けた所望の領域で、光が十分に混合して均一な色度でかつ効率よく線状に発光可能な発光装置を提供することができる。
【0022】
図2(a)はレーザビームの光強度分布を表すグラフ図、図2(b)は入射領域が大きな場合の入射面を示す模式側面図、図2(c)は入射領域が小さな場合の入射面を示す模式側面図、である。
出力光は、LEDからの光を凸レンズで絞ってもよい。しかし、LDを用いると、ビーム断面における光強度分布は、図2(a)のようなGaussianとなり、光強度がピーク値の1/eとなる断面内に95%以上のエネルギーを集中させることができるので、光損失を低減しつつ導光できる。また、LDの場合、発光点のサイズは10μm以下、出力光10aの垂直方向半値全角は30度、水平方向半値全角は10度などと狭くでき、高いエネルギーのビームとすることができる。従ってエネルギーを導光体30に効率によい結合が可能となる。
【0023】
図2(b)において、導光体30は、側面30c、30e、30f、30g、を有している。ドット線であらわす楕円断面の出力光(ビーム)10aが第1の端面30aに入射する。または、図2(c)のように、入射面の一部となる狭い入射領域30dから入射することもできる。この場合、入射領域30d以外に、第2の反射層52を設けることができる。第2の反射層52は、金属または誘電体多層膜とすることができる。なお、図2(b)および図2(c)では、矩形断面としたが断面形状はこれに限定されず、円や楕円などであってもよい。
【0024】
図3(a)は第1の実施形態に変形例の模式断面図、図3(b)は蛍光体粒子による発光を示す模式図、図3(c)は光拡散剤による放射を示す模式図、である。
導光体30の側面30cには、発光層が設けられない。すなわち、側面30cを光出射面とする。この場合、側面30cにおいて、出力光10aが全反射して第1の反射層50へ向かって導光される。例えば、入射光G1は側面30cで全反射されたのち、発光層40へ入射し、入射光G4は側面30cで全反射されたのち、第1の反射層50で反射され、発光層40へ入射する。このようにして、導光方向36に沿って、光を均一に発光層40へ入射できる。
【0025】
図3(b)のように、蛍光体粒子41を含む発光層40を十分に厚くするか、または蛍光体粒子41の濃度を高めると、波長変換光gy1および出力光gb1の多くの部分を導光体30側に放出できる。また、図3(c)のように、光拡散剤42の拡散透過率を低くすると、出力光gb1の多くの部分を導光体30側に放出できる。この結果、図3(a)のように、光出射面30cの側に出射光80を放出できる。この場合、第1の端面30aから第2の端面30bまでの間の領域で、導光体30は発光層40を設けた所望の領域で、光が十分に混合して均一色度の線状光源として作用する。
【0026】
図4(a)は第2の実施形態にかかる発光装置の模式断面図、図4(b)はその第1変形例にかかる発光装置の模式断面図、図4(c)は第2変形例にかかる模式断面図、である。
図4(a)の第2の実施形態では、導光体30が屈曲部30zを有している。また、図4(b)の第1変形例では、導光体30は、屈曲部30zから第2の端面30bの反対側に向かって延在した分岐部30hを有している。分岐部30hには、第2の端面30b側に設けられた第1の反射層50による反射光が導かれる。分岐部30hは第3の端面30jを有している。第3の端面30jには、第3の反射層54が設けられ、第1の反射層50による反射光をさらに反射できる。第3の反射層54は、金属または誘電体多層膜とすることができる。このように、屈曲部30zを設けても、入射された出力光を導光方向36に確実に導くことができる。図4(c)の第2変形例では、導光体30は屈曲部30zから延在した領域をさらに有し、第2の光源10からその出力光10aが入射される。また、発光層40は導光方向36のうち、一部の領域に設けられ、高輝度発光可能な照明装置とすることができる。
【0027】
図5は、第3の実施形態にかかる発光装置の模式断面図である。
樹脂やガラスに蛍光体粒子が分散して配置された透明な発光層40の外縁40aに蛍光体粒子が混合されずクラッド層として作用する導光体32が設けられる。なお、発光層40の屈折率は、導光体32の屈折率よりも、例えば0.1程度高くなるようにすると、出力光は導光体32と発光層40との界面において、全反射を生じることなく発光層40へ確実に入射可能となる。
【0028】
発光層40および導光体32は、中心が共通である円形、楕円形、矩形、などの断面とすることができる。この場合、実質的に同一の波長を有する光源の数を点対称となるように配置すると効率を高めることができる。出力光は、入射面となる導光体の第1の端面32aから入射する。導光体32の第2の端面32bには、第1の反射層50が設けられる。また、第1の光源10および第2の光源11側の発光層40の第1の端面40aには、第2の反射層53が設けられる。発光層40は、例えば、長さを10mm、直径を1.5mmなどとできる。
【0029】
屈折率が高い発光層40に入射した出力光G3は、導光体32と発光層40との界面から、蛍光体粒子が配置された発光層40内に徐々に内部に浸透する。この場合、入射光G1、G4は、導光体32と空気層との界面で全反射をしつつ、徐々に発光層40に浸透していく。浸透した光は、一部は蛍光体粒子に吸収され波長変換される。残りは散乱と透過により、光出射面32cから放出される。また、第2の反射層53を設けるので、発光層40の第1の端面40aからの不要な輻射が低減できる。
【0030】
図6(a)は第4の実施形態にかかる発光装置の模式断面図、図6(b)はその変形例の模式断面図、である。
図6(a)において、発光層40は、導光体32の第2の端面30bに近い位置に、フィラメント電球の発光部の様に線状の短い領域として偏在している。線状の短い領域の発光層40の長さは、例えば3〜5mmとすることができる。このようにすると、第1の反射層50の近傍に設けられた発光層40に出力光G1を効率よく入射することが容易となる。また、図6(b)のように、発光層40は導光方向のうちの一部の領域に設けてもよい。このようにすると、高輝度発光装置とすることができる。
【0031】
図7(a)〜図7(e)は、反射層の形状の変形例を表す模式断面図である。
図7(a)では、平面状の第1の反射層50が導光方向に対して傾斜した導光体30の端面に設けられている。これにより、例えば、反射光を発光層40へ、より多く入射させることができる。
【0032】
図7(b)では、外に向かって凸となる第1の反射層50が設けられている。図7(c)では、外に向かって凹となる第1の反射層50が設けられている。図7(d)では、凸部を複数有する第1の反射層50が設けられている。このように、形状を変化させることにより、反射方向を制御することができる。
【0033】
また、図7(e)では、第1の反射層50の外周部を導光体30aの内側に向かって折り曲げる。このようにすると、第1の端面30aの近傍において、発光層40への入射を強めることができる。
【0034】
図8(a)は第5の実施形態にかかる発光装置の模式断面図、図8(b)および図8(c)は光源側からみた模式側面図、図8(d)は模式斜視図、図8(e)は変形例の模式断面図、である。
図8(a)のように、導光体30は、先端部30lと、先端部30lから分岐した分岐部30kと、を有する。分岐部30kは、少なくとも2つの光源の側に第1の端面30aを有する。また、先端部30lは、第1の反射層50の側に第2の端面30bを有する。図8において、分岐部30kが屈折しているが、導光方向36と平行に延長されていてもよい。もし図8のように外側に広げると、少なくとも2つの光源間の距離を保ち、その配置が容易となりかつ熱の放散を高めることができる。なお、分岐部30k側の発光層40の第1の端面40aに第2の反射層53を設けると、不要輻射を低減できる。
【0035】
分岐部30kの円環状の第1の端面30aからLDからなる4つの光源10、11、12、13のそれぞれの4つの出力光10a、11a、12a、13aを入射させる場合、ビームの偏光方向を選択できる。すなわち、ビームは楕円状の断面を有していることが多い。このため、図8(b)では、ビームの垂直方向が導光体30の中心に向かうように配置されている。また、図8(c)では、ビームの垂直方向が円周方向と平行になるように配置されている。なお、4つの光源10、11、12、13からの出力光は、実質的に同一の波長を有するものとする。
【0036】
図8(d)は発光装置の模式斜視図である。導光体30の先端部30lはフィラメントとして作用する。すなわち、出力光が青色レーザ光であり、発光層40が黄色蛍光体粒子を含んでいると、擬似白色光などの出射光80を放出可能である。また、出力光が赤色レーザ光であり、発光層40が光拡散剤を含んでいると、赤色光である出射光80を放出可能である。図8(e)の変形例では、発光層40が先端部30l内の導光方向36のうち一部の領域に設けられる。この場合、第2の反射層53は、発光層40とは離間していてもよい。
【0037】
このような発光装置は、高い発光効率と長寿命を有し、可視光、白色光、擬似白色光などを放出可能である照明用途に広く用いることができる。出射光80は、先端部30lから3次元的に放出される。なお、分岐部30kの形状は円環に限定されない。例えば、先端部30lから4つの分岐部が分岐したものであってもよい。光源10〜13は、分岐部30kの端部に配置できるので、放熱が容易となる。
【0038】
図9(a)は第6の実施形態にかかる発光装置の模式斜視図、図6(b)〜(e)は点灯領域を表す模式図、である。
導光体30の1つの側面に沿って、分岐部91、92、93が設けられている。分岐部91〜93は、導光体30に光学的に緩やかに結合されている。このようにすると、光結合に方向性を持たせることができる。それぞれの分岐部91〜93の端面側にも、第1の光源10の出力光の波長と実質的に同一の波長を有する3つの出力光を放出可能な光源11、12、13が設けられている。このため、それぞれの出力光は、第2の端面30bに向けて導光される。また、導光体30の第2の端面30bには第1の反射層50が設けられている。
【0039】
例えば、第1の光源10、光源11、12、13をこの順に点灯していくと、発光領域51が発光領域54までこの順に移動し、発光領域が動いて見える光源とすることができる。なお、点灯の順序は、駆動回路により制御することが可能である。また、導光体30の側面に蛍光体含有層46を設けると、白色などの混合色が動く光源が可能となる。
【0040】
図10(a)は第7の実施形態にかかる発光装置の模式斜視図、図10(b)はその模式断面図である。
発光装置は、第1の光源10と、第2の光源11と、第1の端面30aと、第2の端面30bと、蛍光体含有層46と、を有する。第1の光源10からの出力光の波長と、第2の光源からの出力光の波長と、は実質的に同一とする。第1の端面30aの中心O1と前記第2の端面30bの中心O2とを結ぶ直線と直交する方向において、導光体30の中央部の幅W3は、第1の端面30aの幅W1および第2の端面30bの幅W2よりもそれぞれ広い。
【0041】
このため、一方の端面から入射し、次第に広がった光が他方の端面に近づくに従って狭められた蛍光体含有層41に吸収される。このために、直線O1−O2に沿って発光強度を均一に保ちつつ、直線O1−O2に直交する方向に光を放出できる。また、出力光の損失を低減することができ、かつ第1の端面30aおよび第2の端面30bから外部への不要輻射を低減することができる。第7の実施形態にかかる発光装置は、エッジライト式バックライト光源や車載用ヘッド/フォッグランプ光源、一般照明などに用いることができる。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
10 第1の光源、11 (第2の)光源、12、13 光源、30 導光体、30a 第1の端面、30b 第2の端面、30h、30k 分岐部、30j 第3の端面、30l 先端部、30z 屈曲部、32 導光体、36 導光方向、40 発光層、40a 外縁、41 蛍光体粒子、42 光拡散剤、46 蛍光体含有層、50 第1の反射層、52、53 第2の反射層、54 第3の反射層、91、92、93 分岐部、gy1、gy2 波長変換光、gb1、gb2 拡散された出力光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源と、
前記第1の光源からの出力光が入射する第1の端面と、入射した前記出力光の導光方向に対向して設けられた第2の端面と、を有する導光体と、
前記出力光を吸収し波長変換光を放出可能な蛍光体粒子あるいは前記出力光を拡散させる光拡散剤が前記導光方向に沿って配置された発光層と、
前記第2の端面に設けられ、前記導光体内を導かれた前記出力光の一部を反射可能な第1の反射層と、
を備え、
前記発光層からの拡散光を前記導光体の外部に放出することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第1の端面のうち、前記出力光が入射しない領域に設けられた第2の反射層をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1の反射層からの反射光を反射可能な第3の反射層をさらに備え、
前記導光体は、屈曲部と、前記第2の端面の反対側に向かって前記屈曲部から延在した分岐部と、を有し、
前記第3の反射層は、前記分岐部の端面に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1の端面の側、または前記第2の端面の側に設けられ、前記第1の光源からの前記出力光の波長と実質的に同一の波長を有する出力光を放出する第2の光源をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項5】
第2の光源をさらに備え、
前記導光体は、前記第2の光源からの前記出力光を前記第2の端面に向けて導光可能な分岐部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項6】
前記導光体は、前記発光層の外縁を取り囲むように設けられた先端部を含み、
前記導光体の屈折率は、前記発光層の屈折率以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1の光源からの前記出力光の波長と実質的に同一の波長を有する出力光を前記第1の端面へ入射可能な第2の光源をさらに備え、
前記導光体は、前記先端部から分岐した分岐部をさらに有し、
前記第1の端面は、前記分岐部の側に設けられ、
前記第2の端面は、前記先端部の側に設けられたことを特徴とする請求項6記載の発光装置。
【請求項8】
第1の光源と、
前記第1の光源からの出力光の波長と実質的に同一の波長を有する出力光を放出する第2の光源と、
前記第1の光源からの前記出力光が入射される第1の端面と、前記第1の端面の反対側に設けられ前記第2の光源からの前記出力光が入射される第2の端面と、を有する導光体と、
前記第1の端面と前記第2の端面との間に延在し、前記第1の光源からの前記出力光および前記第2の光源からの前記出力光を吸収し波長変換光をそれぞれ放出可能な蛍光体粒子、あるいは前記第1の光源からの前記出力光および前記第2の光源からの前記出力光をそれぞれ拡散させる光拡散剤が前記導光方向に沿って配置された発光層と、
を備え、
前記導光体の中央部の幅は、前記第1の端面の中心と前記第2の端面の中心とを結ぶ直線と直交する方向において、前記第1の端面の幅および前記第2の端面の幅よりもそれぞれ広く、
前記第1の光源からの前記出力光および前記第2の光源からの前記出力光を拡散光に変換し前記導光体の外部に放出することを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−174551(P2012−174551A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36434(P2011−36434)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)