説明

発光装置

【課題】実装性を向上可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1において、成形体11は、リード12の光出射面10A側に配置される矩形環状部113と、リード12の背面10B側に配置され、下面10Cの一部を形成する第1柱部111および第2柱部112とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドビュー型の発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶テレビ用バックライト、照明器具、或いは光通信用デバイスなどの光源として、発光素子(例えば、発光ダイオードやレーザーダイオード)を備える発光装置が広く用いられている。
【0003】
このような発光装置は、一般的に、発光素子の出射光が取り出される方向に応じてトップビュー型とサイドビュー型とに分類される。トップビュー型の発光装置において、発光素子の出射光は、実装面に対して垂直な方向に取り出される。サイドビュー型の発光装置において、発光素子の出射光は、実装面に対して平行な方向に取り出される。
【0004】
ここで、トップビュー型の発光装置に関して、板状のリードの第1主面及び側面を成形体で取り囲むとともに、板状のリードの第2主面を成形体から露出させたパッケージ構造が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−182770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のパッケージ構造をサイドビュー型の発光装置に適用すると、発光装置の実装性が低下するおそれがある。具体的には、板状のリードの主面を実装面に対して垂直に配置することでサイドビュー型とすると、発光装置の背面側に板状のリードが配置されることになるので、発光装置は実装状態において背面側に倒れやすくなるという問題がある。このような問題は、発光装置を実装するために発光装置の背面に半田フィレットを設ける場合に特に顕著に現れる。
【0007】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、実装性を向上可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る発光装置は、成形体と、成形体に埋設される板状のリードとによって構成されており、光出射面と、光出射面の反対に設けられる背面と、光出射面及び背面に連なる下面と、光出射面に形成される載置凹部と、背面に形成される背面凹部とを有するパッケージと、載置凹部に載置される発光素子と、を備える。リードは、下面及び背面凹部において成形体から露出する第1端子部を有する。成形体は、リードの光出射面側に配置される前部と、リードの背面側に配置され、下面の一部を形成する背部とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、実装性を向上可能な発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係る発光装置1の上面斜視図。
【図2】第1実施形態に係る発光装置1の底面斜視図。
【図3】第1実施形態に係る発光装置1の上面透視斜視図。
【図4】第1実施形態に係る発光装置1の底面透視斜視図。
【図5】第1実施形態に係る発光装置1の正面図。
【図6】第1実施形態に係る発光装置1の背面図。
【図7】第1実施形態に係る発光装置1の底面図。
【図8】第1実施形態に係る発光装置1の側面図。
【図9】図7のA−A線における切断面。
【図10】図7のB−B線における切断面。
【図11】第1実施形態に係る回路基板3の斜視図。
【図12】第1実施形態に係る発光装置1の製造方法を説明するための図。
【図13】第2実施形態に係る発光装置1aの底面斜視図。
【図14】第2実施形態に係る発光装置1aの上面斜視図。
【図15】第2実施形態に係る発光装置1aの背面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
なお、以下の実施形態では、サイドビュー型の発光装置について説明する。サイドビュー型の発光装置とは、発光素子の出射光が実装基板の実装面に平行な方向に取り出されるタイプの発光装置である。このようなサイドビュー型の発光装置は、一般的に奥行きが小さいため、いわゆるトップビュー型の発光装置に比べて前方または後方に倒れやすいという特徴を有する。
【0013】
また、以下の実施形態では、発光素子の出射光が取り出される方向を“第1方向”と称し、発光素子が実装基板に実装された場合に実装面に垂直な方向を“第2方向”と称し、第1方向及び第2方向に垂直な方向を“第3方向”と称する。
【0014】
[第1実施形態]
〈発光装置1の概略構成〉
第1実施形態に係る発光装置1の概略構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、発光装置1の上面斜視図である。図2は、発光装置1の底面斜視図である。
【0015】
発光装置1は、パッケージ10と、発光素子20と、封止樹脂30と、を備える。発光装置1は、略直方体形状に形成されており、第1方向における奥行きが約1.2mm、第2方向における高さが約1.0mm、第3方向における幅が約4.0mmであるが、これに限られるものではない。
【0016】
(1)パッケージ10
パッケージ10は、成形体11と、リード12と、によって構成される。成形体11は、略直方体形状に形成されており、パッケージ10の外形を成している。成形体11は、第1柱部111と、第2柱部112と、を含む。リード12は、板状に形成されており、成形体11に埋設されている。リード12は、第1リード部121と、第2リード部122と、によって構成される。成形体11およびリード12の構成については後述する。
【0017】
パッケージ10は、光出射面10Aと、背面10Bと、下面10Cと、上面10Dと、第1側面10E1(図1,2において不図示、図8参照)と、第2側面10E2と、載置凹部10Mと、背面凹部10Nと、を有している。
【0018】
光出射面10Aは、発光素子20の出射光が取り出される面である。光出射面10Aには、発光素子20を載置するための載置凹部10Mが形成されている。背面10Bは、光出射面10Aの反対に設けられる。背面10Bには、背面凹部10Nが形成されている。背面10Bは、背面凹部10Nを挟んで互いに離間している。載置凹部10Mは、光出射面10Aに形成される窪みである。背面凹部10Nは、背面10Bに形成される窪みである。背面凹部10Nは、光出射面10Aの反対に設けられる底面10Fを有する。底面10Fは、第1方向において、光出射面10Aと背面10Bとの間に位置する。
【0019】
(2)発光素子20
発光素子20は、載置凹部10Mの内部において第1リード部121上に載置される。発光素子20は、第1ワイヤ21を介して第1リード部121に接続されるとともに、第2ワイヤ22を介して第2リード部122に接続される。発光素子20の出射光は、光出射面10Aからパッケージ10の外部に向けて出射される。
【0020】
このような発光素子20としては、基板上にGaAlN、ZnS、SnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として有する発光ダイオードが好適に用いられる。
【0021】
(3)封止樹脂30
封止樹脂30は、載置凹部10Mの内部に充填されており、発光素子20を封止している。封止樹脂30としては、透光性を有する樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、メタクリル樹脂(PMMA等)、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリノルボルネン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、変性エポキシ樹脂等から選択される少なくとも1種の樹脂を用いることができる。また、このような材料には、例えば、WO2006/038502号や特開2006−229055号に記載の蛍光体、顔料、フィラー或いは拡散材等が含有されていてもよい。
【0022】
〈成形体11、リード12の構成〉
成形体11およびリード12(第1リード部121および第2リード部122)の構成について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図3は、リード12の構成を示す発光装置1の上面透視斜視図である。図4は、リード12の構成を示す発光装置1の底面透視斜視図である。図5は、発光装置1の正面図である。図6は、発光装置1の背面図である。図7は、発光装置1の底面図である。図8は、発光装置1の側面図である。図9は、図5のA−A線における切断面である。図10は、図5のB−B線における切断面である。
なお、図3および図4では、成形体11の外縁が破線にて示されている。
【0024】
(1)第1リード部121の構成
第1リード部121は、図3および図4に示すように、第1接続部121aと、第1端子部121bと、ヒートシンク部121cと、によって構成される。
【0025】
第1接続部121aは、板状に形成されている。第1接続部121aは、図5に示すように、載置凹部10M内において成形体11から露出している。また、第1接続部121aは、図7に示すように、下面10Cにおいても成形体11から露出している。第1接続部121aは、発光素子20を支持するとともに、第1ワイヤ21を介して発光素子20に接続されている。
【0026】
第1端子部121bは、第1接続部121aの背面側に連結されている。第1端子部121bは、図6に示すように、背面凹部10Nの底面10Fにおいて成形体11から露出している。また、第1端子部121bは、図7に示すように、下面10Cにおいても成形体11から露出している。第1端子部121bは、略直方体状に形成されており、長辺が第2方向に平行になるように配置されている。第1端子部121bは、背面凹部10Nの底面10Fと下面10Cに連なって開口する第1端子凹部L1を有する。後述するように発光装置1を実装する際、第1端子凹部L1内には半田フィレットが形成される。
【0027】
ヒートシンク部121cは、第1接続部121aの背面側に連結されている。ヒートシンク部121cは、図6に示すように、背面凹部10Nの底面10Fにおいて成形体11から露出している。ただし、ヒートシンク部121cは、第1端子部121bとは直接連結されていないので、背面凹部10Nの底面10Fにおいて第1端子部121bから離間している。この離間部には成形体11が配置されるため、第1リード部121と成形体11との接触面積を大きくすることができ、これらの密着力を向上させることができる。また、ヒートシンク部121cは、図7に示すように、下面10Cにおいても成形体11から露出している。ヒートシンク部121cは、略直方体状に形成されている。ヒートシンク部121cは、背面凹部10Nの底面10Fと下面10Cに連なって開口するヒートシンク凹部L2を有する。後述するように発光装置1を実装する際、ヒートシンク凹部L2内には半田フィレットが形成される。
【0028】
(2)第2リード部122の構成
第2リード部122は、図3および図4に示すように、第2接続部122aと、第2端子部122bと、によって構成される。
【0029】
第2接続部122aは、板状に形成されている。第2接続部122aは、図5に示すように、載置凹部10M内において成形体11から露出している。また、第2接続部122aは、図7に示すように、下面10Cにおいても成形体11から露出している。第2接続部122aは、第2ワイヤ22を介して発光素子20に接続されている。
【0030】
第2端子部122bは、第2接続部122aの背面側に連結されている。第2端子部122bは、図6に示すように、背面凹部10Nの底面10Fにおいて成形体11から露出している。また、第2端子部122bは、図7に示すように、下面10Cにおいても成形体11から露出している。第2端子部122bは、略直方体状に形成されており、長辺が第2方向に平行になるように配置されている。第2端子部122bは、背面凹部10Nの底面10Fと下面10Cに連なって開口する第2端子凹部L3を有する。後述するように発光装置1を実装する際、第2端子凹部L3内には半田フィレットが形成される。
【0031】
(3)リード12の材料
リード12(第1リード部121および第2リード部122)は、比較的大きな熱伝導率(例えば、200W/(m・K)程度以上)を有する材料によって構成されることが好ましい。これにより、発光素子20から発生する熱を効率的に伝達できる。このような材料としては、例えば、Ni、Au、Cu、Ag、Mo、W、アルミニウム、金、鉄等の金属又は鉄−ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅等の合金等の単層又は複数層を用いることができる。
また、リード12の表面は、AgまたはAuを含む金属膜によって被覆されていてもよい。
【0032】
(4)成形体11の構成
成形体11は、図6〜図10に示すように、第1柱部111と、第2柱部112と、矩形環状部113と、中間部114と、によって構成される。第1柱部111と第2柱部112と矩形環状部113と中間部114とは、一体形成されている。
【0033】
第1柱部111および第2柱部112のそれぞれは、第2方向に沿って柱状に形成されている。第1柱部111および第2柱部112のそれぞれは、下面10Cおよび上面10Dそれぞれの一部を形成している。また、第1柱部111および第2柱部112のそれぞれは、発光装置1の第3方向両端に配置されている。第1柱部111は第1側面10E1の一部を形成し、第2柱部112は第2側面10E2の一部を形成している。第1柱部111および第2柱部112は、図9に示すように、リード12の背面側に配置されるとともに、中間部114に連なっている。第3方向において、第1柱部111と第2柱部112との間には、背面凹部10Nが設けられている。
【0034】
ここで、図9に示すように、第1柱部111は、第3方向において第1端子部121bに隣接している。第1端子部121bは、発光装置1の第3方向における中心よりも第1柱部111側に配置されている。同様に、第2柱部112は、第3方向において第2端子部122bに隣接している。第2端子部122bは、発光装置1の第3方向における中心よりも第2柱部112側に配置されている。
【0035】
矩形環状部113は、図7〜図10に示すように、載置凹部10Mを取り囲むように矩形環状に形成される。矩形環状部113は、リード12の光出射面側に配置されるとともに、中間部114に連なっている。矩形環状部113は、光出射面10Aを形成する。
【0036】
中間部114は、図7〜図10に示すように、リード12の側方を取り囲んでいる。中間部114は、第1柱部111、第2柱部112および矩形環状部113に連なっている。
【0037】
(5)成形体11の材料
成形体11は、耐熱性と、適度な強度と、発光素子20の出射光や外光などを透過しにくい絶縁性とを有する材料によって構成される。このような材料としては、例えば、熱硬化性樹脂であるトリアジン誘導体エポキシ樹脂が好適である。この熱硬化性樹脂には、酸無水物、酸化防止剤、離型材、光反射部材、無機充填材、硬化触媒、光安定剤、滑剤が含有されていてもよい。
【0038】
また、光反射部材として、0.1〜90wt%、好ましくは10〜60wt%充填される二酸化チタンが用いられてもよい。ただし、成形体11の材料は、これに限られるものではなく、例えば、熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を用いることができる。特に、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂は、成形体11の材料として好適である。また、液晶ポリマー、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性樹脂を用いてもよい。
【0039】
(回路基板の構成)
次に、本実施形態に係る回路基板の構成について、図面を参照しながら説明する。図11は、本実施形態に係る回路基板3の斜視図である。
【0040】
図11に示すように、回路基板3は、上述の発光装置1と、実装基板2と、第1半田フィレット4と、第2半田フィレット5と、第3半田フィレット6と、を備える。
実装基板2は、実装面2A上に形成された第1ランドR1および第2ランドR2を有する。実装面2Aには、発光装置1が配置される。第1ランドR1は、第1端子部121bおよびヒートシンク部121cを接続するための金属部材である。第2ランドR2は、第2端子部122bを接続するための金属部材である。第1及び第2ランドR1,R2は、例えば銅箔などによって構成される。
【0041】
第1半田フィレット4は、第1端子凹部L1内に配置され、第1端子部121bと第1ランドR1とを機械的、電気的かつ熱的に接続する。第2半田フィレット5は、ヒートシンク凹部L2内に配置され、ヒートシンク凹部L2と第1ランドR1とを機械的、電気的かつ熱的に接続する。第3半田フィレット6は、第2端子凹部L3内に配置され、第2端子部122bと第2ランドR2とを機械的、電気的かつ熱的に接続する。
【0042】
〈発光装置1の製造方法〉
次に、第1実施形態に係る発光装置1の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図12は、発光装置1の製造方法を説明するための図である。
【0043】
まず、所定厚み(例えば0.5mm程度)の銅板(Agメッキ済み)を所望の形状に打ち抜き加工する。これによって、図12に示すように、所定方向に連なる複数のS字板状部材200によって構成される金属板2が形成される。
【0044】
次に、S字板状部材200の外縁と中央3箇所とにプレス加工する。これによって、図12に示すように、上述の所定厚みより小さい厚みを有するベース部210と、所定厚みを有する第1乃至第3矩形環状部211〜213と、所定厚みより小さい厚みを有し各矩形環状部の中央に形成される第1乃至第3凹部221〜223と、が形成される。
【0045】
次に、トランスファーモールド法により金属板2を樹脂材料(成形体11の材料)でモールドする。これによって、金属板2が樹脂材料に埋設されたパッケージアレイ220(図12に示す破線を参照)が形成される。このようなパッケージアレイ220において、第1乃至第3矩形環状部211〜213はパッケージアレイ220の第1主面に露出しており、ベース部210はパッケージアレイ220の第2主面に露出している。
【0046】
次に、図12に示すように、パッケージアレイ220をダイシングソーにより切断線P1、P2に沿って切断する。これによって、パッケージアレイ220から複数の発光装置1が切り出される。
【0047】
その後、ダイシングソーによる切断面にAgメッキを施すことによって、リードと成形体との隙間をAgで埋めるとともに、露出した銅をAgで覆う。
〈作用および効果〉
成形体11は、リード12の光出射面10A側に配置される矩形環状部113(「前部」の一例)と、リード12の背面10B側に配置され、下面10Cの一部を形成する第1柱部111および第2柱部112(「背部」の一例)とを有する。
【0048】
従って、矩形環状部113、第1柱部111および第2柱部112によって、縦置きされた板状のリード12を前後から支持することができるので、発光装置1の実装性を向上させることができる。
【0049】
[第2実施形態]
〈発光装置1aの構成〉
第2実施形態に係る発光装置1aの概略構成について、図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、上述の発光装置1との相違点について主に説明する。図13は、発光装置1aの底面斜視図である。図14は、発光装置1aの上面斜視図である。図15は、発光装置1aの背面図である。
【0050】
図13〜図15に示すように、発光装置1aにおいて、第1リード部121は、第1接続部121aと、第1端子部121bと、ヒートシンク部121dと、によって構成される。
【0051】
第1端子部121bは、略直方体状に形成されている。第1端子部121bは、背面凹部10Nの底面10Fと下面10Cに連なって開口する第1端子凹部L1を有する。
ヒートシンク部121dは、第1端子部121bの上方において、第1接続部121aに連結されている。第1ヒートシンク部121dは、背面凹部10Nの底面10Fにおいて成形体11から露出しており、下面10Cにおいては成形体11から露出していない。そのため、第1ヒートシンク部121dには、ヒートシンク凹部が形成されていない。
【0052】
また、図13〜図15に示すように、発光装置1aにおいて、第2リード部122は、第1接続部122aと、第2端子部122bと、第2ヒートシンク部122cと、によって構成される。
【0053】
第2端子部122bは、略直方体状に形成されている。第2端子部122bは、背面凹部10Nの底面10Fと下面10Cに連なって開口する第2端子凹部L3を有する。
第2ヒートシンク部122cは、第2端子部122bの上方において、第2接続部122aに連結されている。第2ヒートシンク部122cは、背面凹部10Nの底面10Fにおいて成形体11から露出しており、下面10Cにおいては成形体11から露出していない。
【0054】
[その他の実施形態]
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0055】
(A)上記実施形態では、「背部」の一例として、直方体形状の第1柱部111および第2柱部112について説明したが、これに限られるものではない。第1柱部111および第2柱部112は、上面視、側面視或いは背面視において階段状に形成されていてもよいし、上面視、側面視或いは背面視において台形状に形成されていてもよい。さらに、第1柱部111および第2柱部112は、側面視或いは背面視において上方に向かってテーパー状に形成されていてもよい。このように、第1柱部111および第2柱部112の形状を適宜設計することによって、発光装置1の実装性を向上させることができる。
【0056】
また、「背部」としては、一本の柱部のみが形成されていてもよい。この場合、柱部の第3方向における位置は適宜設定することができる。例えば、柱部を発光装置1の第3方向中央に配置すれば、発光装置1の実装性を向上させやすい。
【0057】
また、「背部」は柱状であることに限られない。例えば、「背部」は立方体状や半円球状などであってもよい。「背部」の外形は、発光装置1の実装性を考慮して任意に設計することができる。
【0058】
(B)上記実施形態では、「前部」の一例として、矩形環状部113について説明したが、これに限られるものではない。「前部」の外形は、コの字型などであってもよい。
【0059】
(C)上記実施形態では、第1リード部121は、第1端子部121bから離間するヒートシンク部(ヒートシンク部121cまたは第1ヒートシンク部121d)を有することとしたが、これに限られるものではない。第1リード部121は、ヒートシンク部を有していなくてもよい。また、ヒートシンク部は、第1端子部121bと連結されていてもよい。この場合、発光装置1の放熱効果をさらに向上させることができる。
【0060】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0061】
1…発光装置
2…実装基板
3…回路基板
4…第1半田フィレット
5…第2半田フィレット
6…第3半田フィレット
10…パッケージ
11…成形体
111…第1柱部
112…第2柱部
113…矩形環状部
114…中間部
12…リード
121…第1リード部
121a…第1接続部
121b…第1端子部
121c…ヒートシンク部
122…第2リード部
122a…第2接続部
122b…第2端子部
20…発光素子
30…封止樹脂
2…金属板
200…S字板状部材
210…ベース部
211〜213…第1乃至第3矩形環状部
221〜223…第1乃至第3凹部
220…パッケージアレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形体と、前記成形体に埋設される板状のリードとによって構成されており、光出射面と、前記光出射面の反対に設けられる背面と、前記光出射面及び前記背面に連なる下面と、前記光出射面に形成される載置凹部と、前記背面に形成される背面凹部とを有するパッケージと、
前記載置凹部に載置される発光素子と、
を備え、
前記リードは、前記下面及び前記背面凹部において前記成形体から露出する第1端子部を有し、
前記成形体は、前記リードの前記光出射面側に配置される前部と、前記リードの前記背面側に配置され、前記下面の一部を形成する背部とを有する、
発光装置。
【請求項2】
前記背部は、前記下面に対して垂直に形成される第1柱部および第2柱部によって構成されており、
前記背面凹部は、前記第1柱部と前記第2柱部の間に形成されている、
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1端子部は、前記第1柱部に隣接する、
請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記リードは、前記下面及び前記背面凹部において前記成形体から露出する第2端子部を有し、
前記第2端子部は、前記第2柱部に隣接する、
請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記パッケージは、前記光出射面、前記背面および前記下面に連なる第1側面および第2側面を有し、
前記第1柱部は、前記第1側面の一部を形成し、
前記第2柱部は、前記第2側面の一部を形成する、
請求項2乃至4のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1リードは、
前記第1端子部に連結され、前記載置凹部において前記成形体から露出する接続部と、
前記接続部に連結され、前記背面凹部において前記成形体から露出するヒートシンク部と、
を有する、
請求項1乃至5のいずれかに記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1端子部は、直方体状に形成されており、長辺が前記下面に垂直な方向に平行になるように配置されている、
請求項1乃至6のいずれかに記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1端子部は、AgまたはAuを含む金属膜によって被覆されている、
請求項1乃至7のいずれかに記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−253064(P2012−253064A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122182(P2011−122182)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】