説明

発光装置

【課題】生産性を低下させず、小型の発光装置でも、実装の安定性の高い発光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光出射面11a、光出射面11aに連なる下面11c及び光出射面11aと反対側の背面を有する成形体11と、その一部が成形体11に埋設され、下面11cから突出し、光出射面11a又は背面のいずれか一方側に屈曲する端部12a、13aを有する一対のリード12、13とによって構成されたパッケージならびに一対のリード12、13の一方のリード12上に配置された発光素子を備えた発光装置であって、成形体11は、下面11cのリード12、13間において、光出射面11c側で突出する前突出部14aと、背面側で突出する後突出部14bとを有する発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の側面実装型の発光装置を密に回路基板に実装するために、発光装置の発光部(キャビティ)の直下から端子を引き出すことで発光装置の幅に対して発光部の幅を出来るだけ広くした発光装置がある。
しかし、このような発光装置は、パッケージの高さが高くなり、重心が高いために実装が不安定となる。
そこで、例えば、前方に折り曲げた端子と、後方に折り曲げた端子とを設けて、発光装置の前後で半田の表面張力を釣り合わせることにより、実装の安定性を向上させる方法が提案されている(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−77317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した発光装置のように、端子を前後に折り曲げる場合、折り曲げ工程を煩雑にし、生産性が低下するという課題がある。
また、端子を前後に折り曲げるために、その双方の端子の奥行き配置分の発光装置の厚みが必要となり、発光装置の小型化を図れないという課題もある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、生産性を低下させず、小型の発光装置でも、実装の安定性の高い発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の発光装置は、
光出射面、該光出射面に連なる下面及び前記光出射面と反対側の背面を有する成形体と、その一部が前記成形体に埋設され、前記下面から突出し、前記光出射面又は背面のいずれか一方側に屈曲する端部を有する一対のリードとによって構成されたパッケージならびに
前記一対のリードの一方のリード上に配置された発光素子を備えた発光装置であって、
前記成形体は、下面のリード間において、光出射面側で突出する前突出部と、背面側で突出する後突出部とを有することを特徴とする。
このような発光装置は、以下の1以上を備えることが好ましい。
前記前突出部と後突出部とが交互に配置されている。
さらに、前記パッケージの下面から、前記一対のリード間に突出し、かつ、前記一対のリードと同じ方向に屈曲した第3のリード端部を備える。
前記成形体は、前記光出射面、下面及び背面に連なる側面を有し、
前記リードの端部が、さらに成形体の側面に屈曲した先端部を有する。
前記前突出部及び後突出部は、屈曲した端部と略同一平面を構成する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、生産性を低下させず、小型の発光装置でも、実装の安定性の高い発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明の実施形態1の発光装置を示す上面斜視図である。
【図1B】図1Aの発光装置の上面(光出射面)図である。
【図1C】図1Aの発光装置の側面図である。
【図1D】図1Aの発光装置の下面図である。
【図1E】図1Aの発光装置のA−A’線断面図である。
【図2A】本発明の実施形態2の発光装置を示す上面斜視図である。
【図2B】図2Aの発光装置の上面(光出射面)図である。
【図2C】図2Aの発光装置の下面図である。
【図3A】本発明の実施形態3の発光装置を示す上面斜視図である。
【図3B】図3Aの発光装置の上面(光出射面)図である。
【図3C】図3Aの発光装置の下面図である。
【図4A】本発明の実施形態4の発光装置を示す上面斜視図である。
【図4B】図4Aの発光装置の上面(光出射面)図である。
【図4C】図4Aの発光装置の下面図である。
【図5】本発明の実施形態5の発光装置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は実寸法と異なっている場合がある。
【0009】
実施形態1
この実施形態の発光装置は、図1A〜1Eに示したように、主に、パッケージと発光素子20とを備える。
この発光装置は、いわゆる、サイドビュー型と称されるものであり、サイドビュー型の発光装置とは、発光素子の出射光が実装基板の実装面に平行な方向に取り出されるタイプの発光装置である。このようなサイドビュー型の発光装置は、一般に奥行きが小さいため、いわゆるトップビュー型の発光装置に比べて前方または後方に倒れやすいという性質がある。
【0010】
[パッケージ]
パッケージは、樹脂からなる成形体11と、この成形体11に一部が埋設された一対のリード12、13とを有する。
(成形体11)
成形体11は、通常、略直方体形状に形成されており、パッケージの外形を規定している。成形体11の形状は、直方体形状に限定されず、多角形柱、多角形錐台等の形状を有していてもよい。このようなパッケージは、通常、光出射面11aと、この光出射面11bに連なる下面11cと、光出射面11aと反対側の背面11bとを有する。また、これら光出射面11a、下面11c及び背面11bに連なる側面11dを有することが好ましい。
光出射面11aは、発光素子20の出射光が取り出される面であり、発光素子20を搭載するための凹部11eを有する。
【0011】
成形体11は、耐熱性と、適度な強度と、発光素子20の出射光及び外光などを透過しにくい遮光性と、絶縁性とを有する材料によって構成されることが好ましい。このような材料としては、液晶ポリマー、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート等、従来から知られているあらゆる熱可塑性樹脂を用いることができる。特にポリフタルアミド樹脂のように高融点結晶が含有されてなる半結晶性ポリマー樹脂を用いると、表面エネルギーが大きく、開口内部に設けることができる封止部材や後付することができる導光板等との密着性が良好なパッケージが得られる。また、該分野で用いられる公知の熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂なども用いることもできる。また、発光素子からの光を効率よく反射させるために、成形体の材料中に酸化チタンなどの白色顔料などを混合させることができる。
【0012】
(リード12、13)
1つの発光装置のパッケージでは、少なくとも一対(2つ)のリード12、13を有しており、その一部は成形体11中に埋設されている。リード12、13は、部分的に湾曲又は屈曲等の変形加工が施されており、一方のリード12は、発光素子を載置するとともに、一方の端子として機能し、他方のリード13は、他方の端子として機能する。
一対のリード12、13は、成形体11の凹部11e内において、成形体11から露出しており、その露出面を、発光素子を載置する載置面及び発光素子の接続面としている。リード12、13は、これら載置面又は接続面から延長し、かつ成形体11の下面11bから突出している。突出したリード12、13は、成形体11の下面11bに沿って、光出射面11c側又は背面11b側のいずれかに屈曲する端部12a、13aを有する。また、端部12a、13aは、さらに成形体11の側面11dに沿って屈曲した先端部12b、13bを有することが好ましい。このように、発光装置の側面に配置する先端部12b、13bを有することにより、発光装置の下面と側面とで実装基板への半田接合が可能となり、密着強度を増大させることができる。
なお、図1A〜1Eにおいては、成形体11の下面11bから突出している端部12a、13aは、光出射面11a側に屈曲している。
【0013】
また、一対のリード12、13のうち、発光素子が載置されるリード12は、図1Eに示したように、発光素子の載置面を取り囲むように、壁部12cが屈曲して設けられていることが好ましい。この壁部12cが成形体11から露出する場合には、発光素子から出射される光に対するリフレクターとして機能させることができ、光の取り出し効率の向上及び発光素子周辺の成形体の光劣化の防止を図ることができる。
【0014】
リード12、13は、通常、比較的大きな熱伝導率(例えば、200W/(m・K)程度以上)を有する材料によって構成されることが好ましい。これにより、発光素子から発生する熱を効率的に伝達することができる。このような材料としては、例えば、Ni、Au、Cu、Ag、Mo、W、アルミニウム、金、鉄等の金属又は鉄−ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅等の合金等の単層又は複数層を用いることができる。
【0015】
(パッケージの形態)
上述したようなリード12、13を備える発光装置は、サイドビュー型に実装した場合に、リード12、13の端部12a、13aが屈曲した側に、発光装置(特に、リード)における重みの中心を偏在させることなどにより、端部12a、13aが屈曲した側に倒れやすくなる傾向がある。
従って、このような重みの中心の偏在等に起因する、発光素子の不安定な状態を、防止するために、成形体11は、下面11cのリード12、13間において、光出射面11a側で突出する前突出部14aと、背面11b側で突出する後突出部14bとを備えている。
【0016】
前突出部14a及び後突出部14bは、1つの成形体11において、それぞれ1つ以上形成されていればよい。いずれか又は双方が複数形成されている場合には、前突出部14a及び後突出部14bは、発光装置の幅方向(例えば、図1Aでは、W方向)において、交互に配置されていることが好ましい。
【0017】
前突出部14a及び後突出部14bが、上述したリード端部12a、13aに隣接する位置(近傍)に配置される場合には、少なくともその隣接する前突出部14a及び後突出部14bは、リード端部が屈曲した側とは異なる側に配置されていることが好ましい。つまり、図1Aでは、リード端部12aは、光出射面11a側に配置されているため、背面側で突出する後突出部14が、それのリード端部12aに隣接して配置されていることが好ましい。
【0018】
図1A及び図1Bに示したように、前突出部14a及び後突出部14bは、それぞれ、下面において、光出射面11a側又は背面11b側に偏在していればよく、必ずしも、成形体11の端部又は縁部と、前突出部14a及び後突出部14bの端部又は縁部とは一致していなくてもよい。
【0019】
前突出部14a及び後突出部14bは、成形体11の奥行き方向(図1Aにおいて矢印D方向)の長さ、幅方向(図1Aにおいて矢印W方向)の長さについて特に限定されず、発光装置の大きさによって適宜調整することができる。前突出部14a及び後突出部14bは、D方向長さ及びW方向長さが、それぞれ、異なっていても、同一でもよい。特に、前突出部14a及び後突出部14bの成形体11の奥行き方向の長さDは、リード12、13の下面11cから突出した位置から光出射面11a又は背面11bまでの縁部に相当する長さとすることが好ましい。幅方向の長さWは、例えば、成形体11の幅の1/20〜1/5程度が挙げられ、好ましくは1/10〜1/5程度が挙げられる。
【0020】
前突出部14a及び後突出部14bは、成形体11の高さ方向(図1Aの矢印H方向)の長さHは、リード12及び13の実装が実現できる程度であれば特に限定されないが、屈曲したリード12、13の端部12a、13a(つまり、端部12a、13aにおける下面に相当する面)と略同一平面を構成するように設定されていることが好ましい。なお、略同一平面とは、両者の高低差が、前突出部14a及び後突出部14bの高さの±10%程度以内となる程度を意味する。
【0021】
このような、前突出部14a及び後突出部14bを有することにより、発光装置の実装安定性を向上させることができる。特に、それらが交互に配置している場合には、より安定した実装を実現することができる。さらに、前突出部14a及び後突出部14bの高さが屈曲したリード12、13の端部12a、13aと同一平面を構成する場合には、より一層安定した実装が実現できる。
また、リード間にこれらの前突出部14a及び後突出部14bが存在することにより、正負それぞれのリード12、13に接続される半田が広がって半田同士が接合する恐れを防止することができる。
【0022】
[発光素子20]
発光素子20は、成形体の凹部の底面に配置されている。底面には、上述したように、リード12、13が露出されているために、特に、リード12の表面上に、発光素子20の一方の電極が電気的に接続されて、載置されている。発光素子20の他方の電極は、リード12と対をなして配置された他方のリード13と電気的に接続されている。発光素子の出射光は、光出射面11aからパッケージの外部に向けて出射される。
このような発光素子20としては、基板上にGaAlN、ZnS、SnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として有する発光ダイオードが好適に用いられる。
【0023】
[封止樹脂30]
本発明の発光装置では、通常、成形体11の凹部内に封止樹脂30が充填されており、発光素子20を封止している。封止樹脂30としては、透光性を有する樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、メタクリル樹脂(PMMA等)、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリノルボルネン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、変性エポキシ樹脂等を用いることが好ましい。このような材料には、例えば、WO2006/038502号、特開2006−229055号等に記載の公知の蛍光体、顔料、フィラー又は拡散材等が含有されていてもよい。
【0024】
この実施形態の発光装置は、例えば、所定厚み(0.1〜1.0mm程度、例えば0.5mm程度)の銅板(Agメッキ済み)を準備し、所望の形状に打ち抜き加工する。これによって、図2Aに示すような、所望の一単位の形状が所定方向に連なる複数の金属板が形成される。
【0025】
その後、トランスファーモールド法等により金属板を樹脂材料(成形体11の材料)でモールドする。この際のモールド上下金型のそれぞれに、前突出部又は後突出部に対応する凹部を設けておく。これによって、リード12が樹脂材料に埋設されたパッケージアレイが形成される。このようなパッケージアレイにおいては、一単位のリード12の一部が、成形体11の光出射面11bに形成された凹部の底部において露出しているとともに、成形体11の下面に対応する位置に、前突出部14a及び後突出部14bが形成される。
次に、パッケージアレイをダイシングソーにより一単位ごとに切断する。これによって、パッケージアレイから複数の発光装置が切り出される。
なお、上記モールド金型のそれぞれの壁面は、一般に、モールドした後に成形体を取り出しやすい形状(テーパー状、凹凸形状など)を有しているなど、良好な成形性を確保していることが好ましく、それに伴って、成形体の表面形状にテーパー形状及び/又は凹凸形状が転写されたものであってもよい。
【0026】
実施形態2
この実施形態の発光装置は、図2A〜2Cに示したように、実施形態1の発光装置と同様に、樹脂からなる成形体21と、この成形体21に一部が埋設された一対のリード12、13とを有するパッケージ及び発光素子(図示せず)を備える。
リード12、13は、成形体21の下面21bから突出しており、突出したリード12、13は、成形体21の下面に沿って、光出射面21a側に屈曲する端部12a、13aを有する。また、端部12a、13aは、さらに成形体21の側面21dに沿って屈曲した先端部12b、13bを有している。
【0027】
成形体21は、下面21cのリード12、13間において、光出射面21a側で突出する前突出部24aと、背面21b側で突出する後突出部14bとを1つずつ、各リード12及び13の近傍に備えている。
【0028】
この実施形態の発光装置は、前突出部24a及び後突出部24bの数及びその位置が異なる以外、実質的に実施形態1の発光装置と基本的な構成は同じである。従って、この実施形態2では、実施形態1と同様に、前突出部24a及び後突出部24bを有することにより、発光装置の実装安定性を向上させることができる。また、正負それぞれのリード12、13に接続される半田が広がって半田同士が接合する恐れを防止することができる。
【0029】
実施形態3
この実施形態の発光装置は、図3A〜3Cに示したように、実施形態1の発光装置と同様に、樹脂からなる成形体31と、この成形体31に一部が埋設された一対のリード32、33とを有するパッケージ及び発光素子(図示せず)を備える。
【0030】
リード32、33は、成形体31の下面31bから突出しており、突出したリード32、33は、成形体31の下面に沿って、光出射面31a側に屈曲する端部32a、33aを有する。端部32a、33aは、さらに成形体31の側面31dに沿って屈曲した先端部32b、33bを有している。
【0031】
リード32は、成形体31内において、発光素子を載置する載置面を配置し、その載置面の一方向から延長して、成形体31の下面31bから突出して、端部32a及び先端部32bを形成しているとともに、さらに、載置面の他方向、例えば、一方向に対向する部位からも延長して、成形体31の下面31bであって、リード32、33の間から突出して、第3のリード端部32dを構成している。
第3のリード端部32dは、一対のリード32、33の端部32a、33aの屈曲した方向と同じ方向に屈曲していることが好ましい。
【0032】
なお、第3のリード端部32dは、上述したように、成形体31内において、一対のリード32、33のうち、発光素子が配置されるリードから分岐する形態で、成形体31内から突出していることが、外部への放熱路の確保という点で有利であるが、一対のリード32、33とは別個独立して配置され、成形体31内から突出していてもよい。また、第3のリード端部32dは、成形体31内外で比較的大きな面積を有することが放熱性の向上という点で有利であることから、発光装置の大きさの増大を招かない範囲で、その表面積を最大限に確保することが好ましい。そのために、例えば、成形体31内であって、少なくとも下面31cの近傍において幅広に形成され、その幅広を維持したまま、下面31cから突出することが好ましい。この場合の第3のリード端子32dの幅方向(図1Aの矢印W参照)の長さは、成形体11の幅の1/10〜1/1.5程度が挙げられ、好ましくは1/5〜1/2程度が挙げられる。
【0033】
この実施形態では、成形体31は、下面31cのリード32、33間であって、かつ、第3のリード端子32dと端部33aとの間において、実質的に、実施形態2と同様に、光出射面31a側で突出する前突出部34aと、背面31b側で突出する後突出部34bとを1つずつ、各リード32及び33の近傍に備えている。
【0034】
この実施形態の発光装置は、上述した第3のリード端部32dをさらに備える以外、実質的に実施形態2の発光装置と基本的な構成は同じである。従って、この実施形態3では、実施形態1及び2と同様に、前突出部34a及び後突出部34bを有することにより、発光装置の実装安定性を向上させることができる。また、正負それぞれのリード12、13に接続される半田が広がって半田同士が接合する恐れを防止することができる。
【0035】
実施形態4
この実施形態の発光装置は、図4A〜4Cに示したように、実施形態1の発光装置と同様に、樹脂からなる成形体41と、この成形体41に一部が埋設された一対のリード42、43とを有するパッケージ及び発光素子(図示せず)を備える。
【0036】
リード42、43は、成形体41の下面41bから突出しており、突出したリード42、43は、成形体41の下面に沿って、光出射面41a側に屈曲する端部42a、43aを有する。端部42a、43aは、さらに成形体41の側面41dに沿って屈曲した先端部42b、43bを有している。
【0037】
リード42は、成形体41内において、発光素子を載置する載置面を配置し、その載置面の一方向から延長して、成形体41の下面41bから突出して、端部42a及び先端部42bを形成しているとともに、さらに、載置面の他方向、例えば、一方向に対向する部位からも延長して、成形体41の下面41bであって、リード42、43の間から突出して、第3のリード端部42dを構成している。ここでの第3のリード端部42dは、成形体41内で分岐し、下面41cにおいて2つに分岐して成形体41から突出している。
第3のリード端子42dの幅方向(図1Aの矢印W参照)の長さは、成形体11の幅の1/20〜1/3程度が挙げられ、好ましくは1/10〜1/4程度が挙げられる。
第3のリード端部42dは、一対のリード42、43の端部42a、43aの屈曲した方向と同じ方向に屈曲していることが好ましい。
【0038】
この第3のリード端部32dも、上述したように、成形体31内において、発光素子が配置されるリードから分岐したものであってもよいし、一対のリード42、43とは別個独立したものであってもよい。
【0039】
この実施形態では、成形体41は、下面41cのリード42、43間であって、かつ、一方の第3のリード端子42dと端部33aとの間、一方の第3のリード端子42dと端部32aとの間、2つの第3のリード端子42dの間において、実質的に、実施形態1と同様に、光出射面41a側で突出する前突出部44aと、背面41b側で突出する後突出部44bとを1つずつ備えている。
【0040】
この実施形態の発光装置は、上述した第3のリード端部42dをさらに備える以外、実質的に実施形態1及び3の発光装置と基本的な構成は同じである。従って、この実施形態4では、実施形態1及び3と同様に、前突出部44a及び後突出部44bを有することにより、発光装置の実装安定性を向上させることができる。また、正負それぞれのリード42、43に接続される半田が広がって半田同士が接合する恐れを防止することができる。
【0041】
実施形態5
この実施形態の発光装置は、図5に示したように、主に、パッケージと発光素子20とを備える、サイドビュー型の発光装置である。
パッケージを構成する成形体51自体は、実質的に実施形態1等と同様である。
パッケージを構成する一対のリードのうち、発光素子を載置するリード52は、発光素子の載置面の周辺部位が、凹部形状に加工されており、凹部の底が載置面に相当し、その周りを取り囲むように壁部52cが配置されている。この壁部52cによって、実施形態1と同様に、光の取り出し効率の向上及び発光素子周辺の成形体の光劣化の防止を図ることができる。
【0042】
このリード52は、載置面から延長し、かつ成形体51の下面51bから突出している。突出したリード52は、成形体51の下面51bに沿って、背面51b側に屈曲する端部52aを有する。
また、端部52aは、さらに成形体51の側面51dに沿って屈曲した先端部52bを有することが好ましい。
なお、他方のリード53は、接続面から延長し、リード52と同様に、成形体51の下面51bから突出し、背面51b側に屈曲する端部53a及び先端部53bを有する。
【0043】
この成形体51は、下面51cのリード52、53間において、光出射面51a側で突出する前突出部(図示せず)と、背面51b側で突出する後突出部(図示せず)とを備えている。
前突出部はリード端部52a、53aそれぞれの近傍に2つ配置されており、それら前突出部間の中央付近に、後突出部1つが配置されている。つまり、前突出部及び後突出部は、それぞれ、少なくともそれに隣接するリード端部が屈曲した側とは異なる側に配置されている。
【0044】
この実施形態の発光装置は、リード52の発光素子載置面の形態及びリード端部の屈曲方向が異なり、それに伴って、前突出部及び後突出部の位置が移動した以外、実質的に実施形態1の発光装置と基本的な構成は同じである。従って、この実施形態5では、実施形態1と同様に、前突出部及び後突出部を有することにより、発光装置の実装安定性を向上させることができる。また、正負それぞれのリードに接続される半田が広がって半田同士が接合する恐れを防止することができる。
【符号の説明】
【0045】
11、21、31、41、51 成形体
11a、21a、31a、41a、51a 光出射面
11b、21b、31b、41b、51b 背面
11c、21c、31c、41c、51c 下面
11d、21d、31d、41d、51d 側面
11e、21e、31e、41e、51e 凹部
12、22、32、42、52、13、23、33、43、53 リード
12a、22a、32a、42a、52a、13a、23a、33a、43a、53a 端部
12b、22b、32b、42b、13b、23b、33b、43b 先端部
12c、52c 壁部
32d、42d 第3のリード端部
14a、24a、34a、44a 前突出部
14b、24b、34b、44b 後突出部
15 発光素子
30 封止樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光出射面、該光出射面に連なる下面及び前記光出射面と反対側の背面を有する成形体と、その一部が前記成形体に埋設され、前記下面から突出し、前記光出射面又は背面のいずれか一方側に屈曲する端部を有する一対のリードとによって構成されたパッケージならびに
前記一対のリードの一方のリード上に配置された発光素子を備えた発光装置であって、
前記成形体は、下面のリード間において、光出射面側で突出する前突出部と、背面側で突出する後突出部とを有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記前突出部と後突出部とが交互に配置されている請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
さらに、前記パッケージの下面から、前記一対のリード間に突出し、かつ、前記一対のリードと同じ方向に屈曲した第3のリード端部を備える請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記成形体は、前記光出射面、下面及び背面に連なる側面を有し、
前記リードの端部が、さらに成形体の側面に屈曲した先端部を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記前突出部及び後突出部は、屈曲した端部と略同一平面を構成する請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−30711(P2013−30711A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167663(P2011−167663)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】