発光装置
【課題】簡単な構成で広い配光特性を有する発光装置を提供する。
【解決手段】LEDチップ120と第1のリード端子100の第1インナー部と第2のリード端子110の第2インナー部が収納されると共に、第1のリード端子100の第1インナー部の第1凹部140を含む部分および第2のリード端子の第2インナー部の部分が底部に露出するように形成された第2凹部150を有する樹脂パッケージ130と、第1のリード端子100の第1凹部140内および樹脂パッケージ130の第2凹部150内に充填された蛍光体170を含む樹脂部172とを備える。上記蛍光体170を含む樹脂部172のうちのLEDチップ120に対向する領域に光反射性フィラー175を含有する。
【解決手段】LEDチップ120と第1のリード端子100の第1インナー部と第2のリード端子110の第2インナー部が収納されると共に、第1のリード端子100の第1インナー部の第1凹部140を含む部分および第2のリード端子の第2インナー部の部分が底部に露出するように形成された第2凹部150を有する樹脂パッケージ130と、第1のリード端子100の第1凹部140内および樹脂パッケージ130の第2凹部150内に充填された蛍光体170を含む樹脂部172とを備える。上記蛍光体170を含む樹脂部172のうちのLEDチップ120に対向する領域に光反射性フィラー175を含有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体発光素子を備えた発光装置に関し、特に導光板を用いた液晶表示装置や面状照明装置に好適な発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の第1の発光装置としては、図10に示すように、発光素子810を透光性樹脂820により封止したものがある(例えば、特開2007−227791号公報(特許文献1)参照)。この発光装置の製造方法では、樹脂封止に際して、透光性樹脂に発光素子からの光を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光物質830および拡散剤840を予め含ませておき、液状の透光性樹脂をポッティング法により発光素子の周辺に供給した後、透光性樹脂内において発光素子に近い部分に偏在するように蛍光物質を沈降させ、この蛍光物質の沈降部分よりも発光素子から離れた部分に拡散剤を分散させた状態で透光性樹脂を硬化させる。
【0003】
また、従来の第2の発光装置としては、図11に示すように、シリコーン樹脂やフッ素系樹脂などの透光性部材910より屈折率の小さい部材920が内部に充填されたものがある(例えば、特開2006−269487号公報(特許文献2)参照)。この発光装置では、部材920で穴部を充填することにより、発光素子930の作動時に生じた熱で透光性部材910が歪もうとしても部材920が歪みを有効に抑制する。さらに、上記発光装置では、透光性部材910よりも屈折率の小さい部材920を用いることで、透光性部材910から穴部へ光が出射するとき、穴部の内面での光の屈折を大きくして、光を上側の広範囲に広げ、発光素子930直上に位置する透光性部材910の上面の発光強度が周囲に比べて強くなることを抑制し、発光強度にむらが生じるのを防止する。
【0004】
上記従来の第1の発光装置では、パッケージ全体(内部)に均一に拡散剤を分散させているために、配光制御を行って広い指向角を得ることは困難である。さらに、上記従来の第1の発光装置では、LEDチップ上はどうしても明るいという問題は改善されない。
【0005】
また、上記従来の第2の発光装置では、穴部を設ける必要があるが、穴部の寸法制御が困難である。また、上記従来の第2の発光装置では、微小なパッケージ内の樹脂表面に穴などを開けることは製造方法が困難であると共に、穴部を設けるときに樹脂層にクラックなどが入り易いなどの問題が発生する。上記従来の第2の発光装置は製造方法が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−227791号公報
【特許文献2】特開2006−269487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明の課題は、簡単な構成で広い配光特性を有する発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明の発光装置は、
半導体発光素子と、
上記半導体発光素子を載置するための第1凹部が形成されたリード端子と、
上記半導体発光素子と上記リード端子の上記第1凹部を含む部分が収納されると共に、上記リード端子の上記第1凹部を含む部分が底部に露出するように形成された第2凹部を有する樹脂パッケージと、
上記リード端子の上記第1凹部内および上記樹脂パッケージの上記第2凹部内に充填された蛍光体を含む樹脂部と
を備え、
上記蛍光体を含む樹脂部のうちの少なくとも上記半導体発光素子に対向する領域に光反射性フィラーを含有することを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、半導体発光素子からの出射光の光軸がリード端子の第1凹部の開口面に略垂直外向になるように、半導体発光素子を第1凹部に載置すると、半導体発光素子から外方(光軸方向)に向かって出射した光の一部は、樹脂パッケージの第2凹部内に充填された蛍光体を含む樹脂部を透過すると共に、半導体発光素子から出射した光の他の一部は、蛍光体を含む樹脂部のうちの少なくとも半導体発光素子に対向する領域に含まれる光反射性フィラーによって反射された後、樹脂パッケージの第2凹部の底側に向かって進み、樹脂部の蛍光体を含む領域に入射する。この樹脂部の蛍光体を含む領域に入射する光の一部が蛍光体で波長変換されて、外方に放射されることになる。また、半導体発光素子の側面からリード端子の第1凹部の底側に向かって斜めに出射した光の一部も、樹脂部の蛍光体を含む領域に入射して波長変換され、外方に向かって出射する。したがって、広い指向角の配光特性および全体として均一な色の発光特性が得られる。
【0010】
例えば、側面から入射させた光の反射を利用して上面(光射出面)から光を取り出す導光板に対して、広い配光特性を有する上記発光装置を用いて導光板の側面から光を入射することによって、導光板の光射出面から射出される光の輝度ムラを防止でき、導光板を用いた液晶表示装置の表示画面に表示ムラや輝度ムラを生じさせることがない。また、この発明の発光装置は、導光板を用いた面状照明装置などにも好適に利用することができる。
【0011】
また、一実施形態の発光装置は、
上記リード端子は、上記半導体発光素子の第1電極が接続された第1インナー部と上記第1インナー部に連なる第1アウター部とを有し、上記第1インナー部に上記第1凹部が形成された第1のリード端子と、上記半導体発光素子の第2電極が接続された第2インナー部と上記第2インナー部に連なる第2アウター部とを有する第2のリード端子であり、
上記樹脂パッケージは、上記半導体発光素子と上記第1のリード端子の上記第1インナー部と上記第2のリード端子の上記第2インナー部を収納すると共に、上記第1のリード端子の上記第1インナー部の上記第1凹部を含む部分および上記第2のリード端子の上記第2インナー部の一部が底部に露出するように上記第2凹部が形成されている。
【0012】
上記実施形態によれば、半導体発光素子から出射した光の一部は、蛍光体を含む樹脂部のうちの少なくとも半導体発光素子に対向する領域に含まれる光反射性フィラーによって反射された後、樹脂パッケージの第2凹部の底側に向かって進んだ光は、蛍光体で波長変換されるだけでなく、樹脂部の第2凹部の底部に露出する第1のリード端子の第1インナー部の第1凹部を含む部分および第2のリード端子の第2インナー部の一部によって外方に向かって反射される。したがって、より広い配光特性が得られる。
【0013】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部のうち、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって上記半導体発光素子が投影される領域に、上記光反射性フィラーを含有する。
【0014】
上記実施形態によれば、蛍光体を含む樹脂部のうち、樹脂パッケージの第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって半導体発光素子が投影される領域に含有する光反射性フィラーによって、半導体発光素子から上方(光軸方向)に向かって樹脂パッケージの第2凹部の底面に対してほぼ垂直に出射した光の多くが反射され、この発光装置の配光特性における半導体発光素子の出射光の光軸近傍の領域の光度を効果的に低減できる。
【0015】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって突出する凸レンズ部を有する。
【0016】
上記実施形態によれば、第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって半導体発光素子から出射した光の一部は、樹脂パッケージの第2凹部内の樹脂部を透過しても、樹脂部の凸レンズ部により光が広がり、半導体発光素子の出射光の光軸近傍の領域の光度をより効果的に低減できる。
【0017】
また、一実施形態の発光装置では、
上記半導体発光素子は、上記リード端子の上記第1凹部の底面に搭載されている。
【0018】
上記実施形態によれば、半導体発光素子がリード端子の第1凹部の底面に搭載されているので、半導体発光素子を取り囲む第1凹部の側壁面によって半導体発光素子からの出射光を効果的に反射できる。
【0019】
また、一実施形態の発光装置では、
上記リード端子の上記第1凹部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側に位置している。
【0020】
上記実施形態によれば、リード端子の第1凹部が樹脂パッケージの第2凹部の底側に位置しているので、半導体発光素子から出射方向に向かって広がるように樹脂部を形成でき、広い配光特性を得ることができる。
【0021】
また、一実施形態の発光装置では、
上記リード端子の上記第1凹部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側の略中心に位置する。
【0022】
上記実施形態によれば、リード端子の第1凹部が樹脂パッケージの第2凹部の底側の略中心に位置することによって、半導体発光素子から出射方向に向かって広がるように樹脂部を形成でき、偏りのない広い配光特性を得ることができる。
【0023】
また、一実施形態の発光装置では、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部は、開口の形状が長方形であって、
上記リード端子の上記第1凹部の壁面は、上記リード端子の上記第1凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面であり、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の壁面は、上記樹脂パッケージの第2凹部が底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面であって、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の長辺方向に沿って、上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面、上記リード端子の平面、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の傾斜面が順に並んで、上記蛍光体を含む樹脂部の上記光反射性フィラーと上記蛍光体からの光を反射する。
【0024】
上記実施形態によれば、樹脂パッケージの第2凹部の長辺方向に沿って、リード端子の第1凹部の底面,緩斜面、リード端子の平面、樹脂パッケージの第2凹部の傾斜面を利用して、樹脂部の光反射性フィラーと蛍光体からの光を効率よく反射することができる。
【0025】
また、一実施形態の発光装置では、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部は、開口の形状が長方形であって、
上記リード端子の上記第1凹部の壁面は、上記リード端子の上記第1凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面であり、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の壁面は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面であって、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の短辺方向に沿って、上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面、上記リード端子の平面、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の傾斜面が順に並んで、上記蛍光体を含む樹脂部の上記光反射性フィラーと上記蛍光体からの光を反射する。
【0026】
上記実施形態によれば、樹脂パッケージの第2凹部の短辺方向に沿って、リード端子の第1凹部の底面,緩斜面、リード端子の平面、樹脂パッケージの第2凹部の傾斜面を利用して、樹脂部の光反射性フィラーと蛍光体からの光を効率よく反射することができる。
【0027】
また、一実施形態の発光装置では、
上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面を有する部分は、金属または金属を含む層からなる。
【0028】
上記実施形態によれば、リード端子の第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面を有する部分が金属(または金属を含む層)からなるので、光沢のある反射面を形成でき、樹脂部の光反射性フィラーと蛍光体からの光を効率よく反射できる。
【0029】
また、一実施形態の発光装置では、
上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面は、同じ材質で連続して形成されている。
【0030】
上記実施形態によれば、リード端子の第1凹部の底面,緩斜面およびリード端子の平面が同じ材質で連続して形成されていることによって、樹脂部の光反射性フィラーと蛍光体からの光を無駄なく反射できる。
【0031】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつ上記リード端子の上記第1凹部に対向する領域に、上記光反射性フィラーを含有する。
【0032】
上記実施形態によれば、蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつリード端子の第1凹部に対向する領域に光反射性フィラーを含有することによって、半導体発光素子から上方(光軸方向)に向かって樹脂パッケージの第2凹部の底面に対してほぼ垂直に出射した光の多くが光反射性フィラーで反射され、この発光装置の配光特性における半導体発光素子の出射光の光軸近傍の領域の光度を効果的に低減できる。
【0033】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記蛍光体が上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側に分布しており、上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍に上記光反射性フィラーを含有する。
【0034】
上記実施形態によれば、樹脂部の表面近傍に含有する光反射性フィラーで反射された光を、樹脂パッケージの第2凹部の底側に分布する蛍光体を含む樹脂部の領域に効率よく導くことができる。
【0035】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記蛍光体が全体に分散して分布しており、
上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつ上記リード端子の上記第1凹部に対向する領域に、上記光反射性フィラーを含有する。
【0036】
上記実施形態によれば、樹脂部の表面近傍かつリード端子の第1凹部に対向する領域に含有する光反射性フィラーで反射された光を、樹脂部の全体に分散して分布する蛍光体により効率よく波長変換できる。
【発明の効果】
【0037】
以上より明らかなように、この発明の発光装置によれば、簡単な構成で広い配光特性を有する発光装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態の発光装置の斜視図である。
【図2】図2は上記発光装置の平面図である。
【図3】図3は図2のA−A線から見た断面図である。
【図4】図4は図2のB−B線から見た断面図である。
【図5】図5は上記発光装置の裏面図である。
【図6】図6は図2のA−A線から見た断面図である。
【図7】図7は上記発光装置の変形例の断面図である。
【図8】図8は上記発光装置の配光特性を示す図である。
【図9】図9はこの発明の第2実施形態の発光装置の断面図である。
【図10】図10は従来の第1の発光装置の断面図である。
【図11】図11は従来の第2の発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、この発明の発光装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0040】
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の発光装置10の斜視図を示している。また、図2は上記発光装置10の平面図である。また、図3は上記発光装置10の図2のA−A線から見た断面図を示し、図4は上記発光装置10の図2のB−B線から見た断面図を示している。さらに、図5は上記発光装置10の裏面図を示している。なお、図1〜図5では、発光装置10の樹脂パッケージ130内部および第1,第2のリード端子100,110の構成を分かり易くするためにワイヤや樹脂などを図示していない。
【0041】
この第1実施形態の発光装置10は、図1,図2に示すように、PPA(ポリフタルアミド)からなる長方形状の樹脂パッケージ130と、1対の第1,第2のリード端子100,110を有する。
【0042】
上記第1のリード端子100は、樹脂パッケージ130に収納された第1インナー部と、その第1インナー部に連なりかつ樹脂パッケージ130の外部に位置する第1アウター部とを有する。第1のリード端子100の第1インナー部に、半導体発光素子の一例としての長方形状のLEDチップ120(図2に示す)を載置するための第1凹部140をしぼり加工により形成している。
【0043】
上記第1のリード端子100の第1凹部140は、長方形状の底部100bと、その底部100bの周りを囲む側壁部100cとを有する。この第1凹部140の側壁部100cの壁面は、第1のリード端子100の第1凹部140の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面である。
【0044】
上記第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bに、樹脂パッケージ130の長辺方向と同じ方向に長辺方向が向くように、平面視が長方形状のLEDチップ120を実装している。ここで、図2に示すように、樹脂パッケージ130の長辺方向は、LEDチップ120の長辺に沿った方向となり、樹脂パッケージ130の短辺方向は、LEDチップ120の短辺に沿った方向となる。
【0045】
一方、上記第2のリード端子110は、樹脂パッケージ130に収納された第2インナー部と、その第2インナー部に連なりかつ樹脂パッケージ130の外部に位置する第2アウター部とを有する。この第2のリード端子110は、第1のリード端子100から離隔して配置されている。
【0046】
上記第1,第2のリード端子100,110の第1,第2アウター部は、ガルウィン状の段差を有する端部102,112を有する。
【0047】
また、図3〜図5に示すように、第1のリード端子100の底部100bの裏面(100e)は、樹脂パッケージ130から露出している。
【0048】
ここで、LEDチップ120の短辺に対応する反射面すなわちLEDチップ120の長辺方向に対応する反射面は、LEDチップ120側から順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、(平面部110aの平面)、樹脂パッケージ130の側壁部130bの急斜面からなる。なお、第2のリード端子110側の場合、LEDチップ120の短辺に対応する反射面すなわちLEDチップ120の長辺方向に対応する反射面は、LEDチップ120側から順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、第2のリード端子110の平面部110aの平面、樹脂パッケージ130の側壁部130bの急斜面からなる。
【0049】
また、LEDチップ120の長辺に対応する反射面すなわちLEDチップ120の短辺方向に対応する反射面は、LEDチップ120側から順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、樹脂パッケージ130の側壁部130bの急斜面からなる。
【0050】
上記発光装置では、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100b,側壁部100c,平面部100aは、金属(または金属を含む層)からなり、同じ材質(銅合金)で連続して形成されている。また、樹脂パッケージ130の側壁部130bは樹脂からなる。
【0051】
第1,第2のリード端子100,110は、材質が銅合金で厚さ0.2mmの金属板を加工して作製されたリードフレームで形成されている。特に、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bおよび側壁部100cは、リードフレームの一部をしぼり加工により形成されている。ここで、第1のリード端子100の第1凹部140の側壁部100cには、短辺方向外側に延びる鍔部185が形成されている。
【0052】
上記第1,第2のリード端子100,110は、反射率を向上させるために材質を銀とし、厚さを5μmとしている。なお、第1,第2のリード端子100,110は、Cu、Ni、Au、Al合金、Mg合金、またはAlとMgの合金等がメッキされてもよい。
【0053】
第1,第2のリード端子100,110は、樹脂パッケージ130により支持される。樹脂パッケージ130は、第1,第2のリード端子100,110をインサート成形して形成される。
【0054】
第1のリード端子100で形成された長細い形状のキャビティを第1凹部140とし、樹脂パッケージ130の樹脂で作製される長細い形状のキャビティを第2凹部150としている。この第2凹部150の周りを側壁部130bで囲んでいる。上記樹脂パッケージ130の第2凹部150の側壁部130bの壁面は、第2凹部150の底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面である。
【0055】
また、この実施の形態では、第1凹部140は、短辺0.4mm、長辺1mm、深さ0.2mmとし、第2凹部150は、短辺0.6mm、長辺2.4mm、深さ0.3mmとしている。
【0056】
第1,第2のリード端子100,110は、第2凹部150内において互いに離隔して配置されている。また、第1,第2のリード端子100,110の第1,第2アウター部のそれぞれは、外部電源に電気的に接続するために、樹脂パッケージ130の短辺側の側壁を貫通して外部にガルウィン状に折曲して形成されている。外部に延長された第1,第2のリード端子100,110の第1,第2アウター部の端部102,112には、表面実装のための端子底面102a,110aが形成されている。
【0057】
上記第1,第2のリード端子100,110の端部102,112の端子底面102a,110aがランド(図示せず)に電気的に接続される。第1,第2のリード端子100,110の端子底面102a,110aは、表面実装時に電極ランド(図示せず)にはんだ接続される。
【0058】
また、LEDチップ120(幅0.3mm、長さ0.6mm)は、第1のリード端子100の第1凹部140内の底部100bの搭載領域にシリコーン樹脂を用いて実装されている。このLEDチップ120の第1電極(図示せず)を第1のリード端子100(第1インナー部)の平面部100aにボンディングワイヤ160(図6に示す)を介して電気的に接続し、LEDチップ120の第2電極(図示せず)を第2のリード端子110(第2インナー部)の平面部110aにボンディングワイヤ160(図6に示す)を介して電気的に接続している。したがって、LEDチップ120から側方に放射された光は、樹脂パッケージ130の第1凹部140の内壁面すなわち側壁部100cの緩斜面で反射される。
【0059】
上記第1のリード端子100は、反射率が高い金属で(材質:銀、厚さ5μm)メッキされているので、PPAのようなプラスチックで形成された樹脂パッケージ130に比べて反射率が高い。したがって、LEDチップ120から放射された光の一部が、高い反射率を有する側壁部100cで反射される。これにより、樹脂パッケージ130の側壁部130bに直接入射する光量を減少させることができ、樹脂パッケージ130の第2凹部150の側壁部130bが変色することを緩和することができ、その結果、輝度劣化を低減することができる。
【0060】
図6はボンディングワイヤ160や樹脂部172を図示した図2のA−A線から見た断面図である。
【0061】
上記発光装置の製造方法を以下に簡単に説明する。
【0062】
まず、第1のリード端子100の第1凹部140内と樹脂パッケージ130の第2凹部150内に蛍光体170を含有するシリコーン樹脂を充填する。
【0063】
次に、LEDチップ120上に光反射性フィラー175を含有するシリコーン樹脂を充填する。
【0064】
次に、硬化時間を5時間、温度を150℃とした条件でシリコーン樹脂を硬化させて、樹脂部172を形成する。この樹脂部172の光出射面180が樹脂パッケージ130の側壁部130bの上端130aとほぼ一致するようにしている。
【0065】
ここで、蛍光体170(波長変換材)は、LEDチップ120からの出射光を緑色に波長変換する緑蛍光体170aとして(Si・Al)6(O・N)8:Euと、LEDチップ120からの出射光を赤色に波長変換する赤蛍光体170bとしてGaAlSiN3:Euを用いている。また、光反射性フィラー175としてSiO2を用いている。なお、蛍光体は、これに限らず、青色に波長変換する蛍光体などでもよく、LEDチップの発光波長などに応じて適宜組み合わせてもよい。
【0066】
なお、図7に示す変形例のように、LEDチップ120上において、光反射性フィラー175を含む樹脂部172に上方に突出した凸レンズ部172aを有するようにしてもよい。
【0067】
この図7に示す発光装置では、LEDチップ120から上方に放射された光は、光反射性フィラー175にて反射され、LEDチップ120の方向および第1凹部140内の蛍光体170側あるいは第2凹部150の底側の蛍光体170に再入射し、蛍光体170で変換された光が樹脂パッケージ130外に出射される。LEDチップ120から直接外部に放射される光はほとんどない。
【0068】
ここで、Hは光出射面180から凸部172aの頂点までの距離、すなわち凸部172aの高さである。この距離Hは1mm以下であることが好ましい。なぜならば、この実施の形態の図7に示す発光装置を液晶バックライト用光源として使用するときに、導光板の側面から入光させるので、距離Hは1mm以下であるのが最適である。この距離Hが1mmより大きい場合、導光板の側面と発光装置が接触する恐れがある。
【0069】
次に、この第1実施形態の発光装置の配光特性を、図8を参照して説明する。図8において、LEDチップ120から直上に向かう光は、光反射性フィラー175で反射されてLEDチップ120の出射光の光軸から離れる方向で外部に出射される。
【0070】
また、LEDチップ120から直上に向かう光は、光反射性フィラー175に至り、光反射性フィラー175で反射されてLEDチップ120が搭載された第2凹部150の底側に向かう。第2凹部150の底側の表面は高反射率を有する金属素材からなるので、光反射性フィラー175で反射されて第2凹部150の底側に至った光は、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、第2のリード端子110の平面部110aの平面で反射されて光出射面180に向かい、LEDチップ120の出射光の光軸から離れる方向で外部に出射される。
【0071】
図8に示す配光特性は、LEDチップ120の出射光の光軸に対して35°〜45°開いた方向において光度が最高となり、光軸(0°)近傍で光度が低くなっている。
【0072】
LEDチップ120の出射光の光軸近傍の領域の光度が低いのは、LEDチップ120から光軸(0°)に沿って出射された光は、樹脂部172に含まれる光反射性フィラー175によって反射され、それによって出射光の光度が低減された部分が形成されるためである。
【0073】
一方、光反射性フィラー175によって反射された光は、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、第2のリード端子110の平面部110aの平面によって再度反射されて、光反射性フィラー175の周辺の樹脂部172の光出射面180から外部に出射され、光軸から一定の角度で開いた位置の光度が高くなる。
【0074】
なお、光反射性フィラー175で反射された光を効率よく蛍光体170(170a,170b)に入射させるためには、蛍光体170(170a,170b)は樹脂部172の底側に沈降させた方がよい。すなわち、光反射性フィラーと蛍光体との比重差により、樹脂部172の表面に光反射性フィラーが局在するようにする。
【0075】
ここで、光反射性フィラー175は、第1凹部140上と平面部100aの一部上に分散されていることが好ましい。光反射性フィラー175により反射された光は、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100b、第1凹部140の側壁部100c、第1のリード端子100の平面部100a、第2のリード端子110の平面部110a上の蛍光体170を励起することができる。
【0076】
上記第1実施形態では、光反射性フィラー175の材料としてSiO2を用いたが、例えば、TiO2、Al2O3などの透明な無機材料を光反射性フィラーに用いればよい。
【0077】
ここで、光反射性フィラー175としてのSiO2の濃度は、0.1〜8.0wt%が好ましく、粒径Dは、0.2〜0.4μmであることが特に望ましい。また、SiO2の形状は、球状、針状、フレーク状などを用いることができる。
【0078】
また、光反射性フィラー175の比重は2〜3[g/cm3]、蛍光体170(170a,170b)の比重は4〜5[g/cm3]とすることによって、第1のリード端子100の第1凹部140近傍上(LEDチップ120上)のシリコーン樹脂中に光反射性フィラー175を分散させることが可能である。
【0079】
また、光反射性フィラー175の材料がTiO2の場合の形状は、球状、針状、フレーク状などを用いることができる。また、光反射性フィラー175の材料がAl2O3の場合の形状は、球状、針状、フレーク状などを用いることができる。
【0080】
上記第1実施形態の発光装置では、第1,第2のリード端子100,110が複数対あるリードフレームにおいて、樹脂パッケージ130の成形、LEDチップ120の実装、ワイヤボンディングおよび樹脂部の充填の後、発光装置毎にリードフレームをカットして、各発光装置の個片を得る。
【0081】
上記第1実施形態の発光装置において、LEDチップ120からの出射光の光軸が第1のリード端子100の第1凹部140の開口面に略垂直外向になるように、LEDチップ120を第1凹部140に載置している。このため、LEDチップ120から外方(光軸方向)に向かって出射した光の一部は、樹脂パッケージ130の第2凹部150内に充填された蛍光体170を含む樹脂部172を透過すると共に、LEDチップ120から出射した光の他の一部は、蛍光体170を含む樹脂部172のうちのLEDチップ120に対向する領域に含まれる光反射性フィラー175によって反射された後、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側に向かって進み、樹脂部172の蛍光体170を含む領域に入射する。この樹脂部172の蛍光体170を含む領域に入射する光の一部が蛍光体170で波長変換されて、外方に放射されることになる。また、LEDチップ120の側面から第1のリード端子100の第1凹部140の底側に向かって斜めに出射した光の一部も、樹脂部172の蛍光体170を含む領域に入射して波長変換され、外方に向かって出射する。したがって、広い指向角の配光特性全体として均一な色の発光特性が得られる。
【0082】
上記発光装置によれば、良好な配光特性を持った白色光を導光板に入射することができる。例えば、側面から入射させた光の反射を利用して上面(光射出面)から光を取り出す導光板に対して、広い配光特性を有する上記発光装置を用いて導光板の側面から光を入射することによって、導光板の光射出面から射出される光の輝度ムラを防止でき、導光板を用いた液晶表示装置の表示画面に表示ムラや輝度ムラを生じさせることがない。また、この発明の発光装置は、導光板を用いた面状照明装置などにも好適に利用することができる。
【0083】
また、上記LEDチップ120から出射した光の一部は、蛍光体170を含む樹脂部172のうちのLEDチップ120に対向する領域に含まれる光反射性フィラー175によって反射された後、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側に向かって進んだ光は、蛍光体170で波長変換されるだけでなく、樹脂部172の第2凹部150の底部に露出する第1のリード端子100の第1凹部140を含む部分および第2のリード端子110の一部によって外方に向かって反射される。したがって、より広い配光特性が得られる。
【0084】
また、上記蛍光体170を含む樹脂部172のうち、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底面に対して略垂直方向に向かってLEDチップ120が投影される領域に含有する光反射性フィラー175によって、LEDチップ120から上方(光軸方向)に向かって樹脂パッケージ130の第2凹部150の底面に対してほぼ垂直に出射した光の多くが反射され、この発光装置の配光特性におけるLEDチップ120の出射光の光軸近傍の領域の光度を効果的に低減できる。
【0085】
また、上記樹脂部172は、図7に示すように、光反射性フィラー175を含む領域に、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底面に対して略垂直方向に向かって突出するレンズ面が球面の凸レンズ部172aを設けている。これにより、LEDチップ120から外方(光軸方向)に向かって出射した光の一部は、樹脂パッケージ130の第2凹部150内の樹脂部172を透過しても、樹脂部172の凸レンズ部172aにより光が広がり、LEDチップ120の出射光の光軸近傍の領域の光度をより効果的に低減できる。なお、樹脂部の凸レンズ部は、光反射性フィラーを含む領域に限らず、さらに大きな凸レンズ部を形成してもよいし、球面レンズに限らず、非球面レンズなどの他の形状の凸レンズであってもよい。
【0086】
また、上記LEDチップ120が第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bに搭載されているので、LEDチップ120を取り囲む第1凹部140の側壁部100cによってLEDチップ120からの出射光を効果的に反射することができる。
【0087】
また、上記第1のリード端子100の第1凹部140が樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側に位置しているので、LEDチップ120から出射方向に向かって広がるように樹脂部172を形成でき、広い配光特性を得ることができる。
【0088】
また、上記第1のリード端子100の第1凹部140が樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側の略中心に位置することによって、LEDチップ120から出射方向に向かって広がるように樹脂部172を形成でき、偏りのない広い配光特性を得ることができる。
【0089】
また、上記樹脂パッケージ130の第2凹部150の長辺方向に沿って順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの底面,側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、(第2のリード端子110側の場合は平面部110aの平面)、樹脂パッケージ130の第2凹部150の側壁部130bの傾斜面を利用して、樹脂部172の光反射性フィラー175と蛍光体170からの光を効率よく反射することができる。
【0090】
また、上記樹脂パッケージ130の第2凹部150の短辺方向に沿って順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの底面,側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、樹脂パッケージ130の第2凹部150の側壁部130bの傾斜面を利用して、樹脂部172の光反射性フィラー175と蛍光体170からの光を効率よく反射することができる。
【0091】
また、上記第1のリード端子100の第1凹部140の底部100b,側壁部100cおよび第1のリード端子100の平面部100aが金属(または金属を含む層)からなることによって、光沢のある反射面を形成でき、樹脂部172の光反射性フィラー175と蛍光体170からの光を効率よく反射できる。
【0092】
また、上記第1のリード端子100の第1凹部140の底部100b,側壁部100cおよび第1のリード端子100の平面部100aが同じ材質で連続して形成されていることによって、樹脂部172の光反射性フィラー175と蛍光体170からの光を無駄なく反射できる。
【0093】
また、上記蛍光体170を含む樹脂部172の表面近傍かつ第1のリード端子100の第1凹部140に対向する領域に光反射性フィラー175を含有することによって、LEDチップ120から上方(光軸方向)に向かって樹脂パッケージ130の第2凹部150の底面に対してほぼ垂直に出射した光の多くが光反射性フィラー175で反射され、この発光装置の配光特性におけるLEDチップ120の出射光の光軸近傍の領域の光度を効果的に低減することができる。
【0094】
また、上記樹脂部172の表面近傍に含有する光反射性フィラー175で反射された光を、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側に分布する蛍光体170を含む樹脂部172の領域に効率よく導くことができる。
【0095】
また、上記樹脂部172の表面近傍かつ第1のリード端子100の第1凹部140に対向する領域に含有する光反射性フィラー175で反射された光を、樹脂部172の全体に分散して分布する蛍光体170により均一にかつ効率よく波長変換できる。
【0096】
〔第2実施形態〕
図9はこの発明の第2実施形態の発光装置の断面図を示している。この第2実施形態の発光装置は、樹脂部の蛍光体と光反射性フィラーの分布状態を除いて第1実施形態の発光装置と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
【0097】
初めに、第1凹部140と第2凹部150内に蛍光体170(170a,170b)を含有するシリコーン樹脂172bを充填する。硬化時間を1時間、温度を80℃とした条件で硬化を行った。
【0098】
その後、第2凹部150内に光反射性フィラー175を含有するシリコーン樹脂172cを第2凹部150内に充填している(硬化時間5時間、温度150℃の条件)。このシリコーン樹脂172b,172cで樹脂部172を構成している。なお、図7に示すように、LEDチップ120上に光反射性フィラー175を含むシリコーン樹脂172c上に凸レンズ部を設けてもよい。
(蛍光体)
ここで、蛍光体170(波長変換材)は、緑蛍光体170aとして(Si・Al)6(O・N)8:Euと、赤蛍光体170bとしてGaAlSiN3:Euを用いた。
【0099】
LEDチップ120から上方に放射された光は、光反射性フィラー175にて反射され、LEDチップ120の方向および第1凹部140内の蛍光体170側あるいは第2凹部150底側の蛍光体170(170a,170b)に再入射し、蛍光体170(170a,170b)で変換された光が樹脂パッケージ130外に出射される。LEDチップ120上から放射される光はほとんどない。
【0100】
上記第2実施形態の発光装置では、第1,第2のリード端子100,110が複数対あるリードフレームにおいて、樹脂パッケージ130の成形、LEDチップ120の実装、ワイヤボンディングおよび樹脂部の充填の後、発光装置毎にリードフレームをカットして、各発光装置の個片を得る。
【0101】
上記第2実施形態の発光装置は、第1実施形態の発光装置と同様の効果を有する。
【0102】
上記第1,第2実施形態では、樹脂部172のうちの導体発光素子に対向する領域に光反射性フィラー175を含有する発光装置について説明したが、蛍光体を含む樹脂部のうちの半導体発光素子に対向する領域以外の領域に光反射性フィラーを含有してもよい。
【0103】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【0104】
この発明の発光装置は、側面から入射させた光の反射を利用して上面から光を取り出す導光板に対して、広い配光特性で光を入射することにより、導光板の光射出面から射出される光の輝度ムラを防止することが可能となり、導光板を用いた大型の面状照明装置や液晶表示装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
10…発光装置
100…第1のリード端子
100a,110a…平面部
100b…底部
100c…側壁部
100e…裏面
102,112…端部
110…第2のリード端子
120…LEDチップ
130…樹脂パッケージ
130a…上端
130b…側壁部
140…第1凹部
150…第2凹部
160…ボンディングワイヤ
170…蛍光体
170a…緑蛍光体
170b…赤蛍光体
172…樹脂部
175…光反射性フィラー
185…鍔部
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体発光素子を備えた発光装置に関し、特に導光板を用いた液晶表示装置や面状照明装置に好適な発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の第1の発光装置としては、図10に示すように、発光素子810を透光性樹脂820により封止したものがある(例えば、特開2007−227791号公報(特許文献1)参照)。この発光装置の製造方法では、樹脂封止に際して、透光性樹脂に発光素子からの光を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光物質830および拡散剤840を予め含ませておき、液状の透光性樹脂をポッティング法により発光素子の周辺に供給した後、透光性樹脂内において発光素子に近い部分に偏在するように蛍光物質を沈降させ、この蛍光物質の沈降部分よりも発光素子から離れた部分に拡散剤を分散させた状態で透光性樹脂を硬化させる。
【0003】
また、従来の第2の発光装置としては、図11に示すように、シリコーン樹脂やフッ素系樹脂などの透光性部材910より屈折率の小さい部材920が内部に充填されたものがある(例えば、特開2006−269487号公報(特許文献2)参照)。この発光装置では、部材920で穴部を充填することにより、発光素子930の作動時に生じた熱で透光性部材910が歪もうとしても部材920が歪みを有効に抑制する。さらに、上記発光装置では、透光性部材910よりも屈折率の小さい部材920を用いることで、透光性部材910から穴部へ光が出射するとき、穴部の内面での光の屈折を大きくして、光を上側の広範囲に広げ、発光素子930直上に位置する透光性部材910の上面の発光強度が周囲に比べて強くなることを抑制し、発光強度にむらが生じるのを防止する。
【0004】
上記従来の第1の発光装置では、パッケージ全体(内部)に均一に拡散剤を分散させているために、配光制御を行って広い指向角を得ることは困難である。さらに、上記従来の第1の発光装置では、LEDチップ上はどうしても明るいという問題は改善されない。
【0005】
また、上記従来の第2の発光装置では、穴部を設ける必要があるが、穴部の寸法制御が困難である。また、上記従来の第2の発光装置では、微小なパッケージ内の樹脂表面に穴などを開けることは製造方法が困難であると共に、穴部を設けるときに樹脂層にクラックなどが入り易いなどの問題が発生する。上記従来の第2の発光装置は製造方法が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−227791号公報
【特許文献2】特開2006−269487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明の課題は、簡単な構成で広い配光特性を有する発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明の発光装置は、
半導体発光素子と、
上記半導体発光素子を載置するための第1凹部が形成されたリード端子と、
上記半導体発光素子と上記リード端子の上記第1凹部を含む部分が収納されると共に、上記リード端子の上記第1凹部を含む部分が底部に露出するように形成された第2凹部を有する樹脂パッケージと、
上記リード端子の上記第1凹部内および上記樹脂パッケージの上記第2凹部内に充填された蛍光体を含む樹脂部と
を備え、
上記蛍光体を含む樹脂部のうちの少なくとも上記半導体発光素子に対向する領域に光反射性フィラーを含有することを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、半導体発光素子からの出射光の光軸がリード端子の第1凹部の開口面に略垂直外向になるように、半導体発光素子を第1凹部に載置すると、半導体発光素子から外方(光軸方向)に向かって出射した光の一部は、樹脂パッケージの第2凹部内に充填された蛍光体を含む樹脂部を透過すると共に、半導体発光素子から出射した光の他の一部は、蛍光体を含む樹脂部のうちの少なくとも半導体発光素子に対向する領域に含まれる光反射性フィラーによって反射された後、樹脂パッケージの第2凹部の底側に向かって進み、樹脂部の蛍光体を含む領域に入射する。この樹脂部の蛍光体を含む領域に入射する光の一部が蛍光体で波長変換されて、外方に放射されることになる。また、半導体発光素子の側面からリード端子の第1凹部の底側に向かって斜めに出射した光の一部も、樹脂部の蛍光体を含む領域に入射して波長変換され、外方に向かって出射する。したがって、広い指向角の配光特性および全体として均一な色の発光特性が得られる。
【0010】
例えば、側面から入射させた光の反射を利用して上面(光射出面)から光を取り出す導光板に対して、広い配光特性を有する上記発光装置を用いて導光板の側面から光を入射することによって、導光板の光射出面から射出される光の輝度ムラを防止でき、導光板を用いた液晶表示装置の表示画面に表示ムラや輝度ムラを生じさせることがない。また、この発明の発光装置は、導光板を用いた面状照明装置などにも好適に利用することができる。
【0011】
また、一実施形態の発光装置は、
上記リード端子は、上記半導体発光素子の第1電極が接続された第1インナー部と上記第1インナー部に連なる第1アウター部とを有し、上記第1インナー部に上記第1凹部が形成された第1のリード端子と、上記半導体発光素子の第2電極が接続された第2インナー部と上記第2インナー部に連なる第2アウター部とを有する第2のリード端子であり、
上記樹脂パッケージは、上記半導体発光素子と上記第1のリード端子の上記第1インナー部と上記第2のリード端子の上記第2インナー部を収納すると共に、上記第1のリード端子の上記第1インナー部の上記第1凹部を含む部分および上記第2のリード端子の上記第2インナー部の一部が底部に露出するように上記第2凹部が形成されている。
【0012】
上記実施形態によれば、半導体発光素子から出射した光の一部は、蛍光体を含む樹脂部のうちの少なくとも半導体発光素子に対向する領域に含まれる光反射性フィラーによって反射された後、樹脂パッケージの第2凹部の底側に向かって進んだ光は、蛍光体で波長変換されるだけでなく、樹脂部の第2凹部の底部に露出する第1のリード端子の第1インナー部の第1凹部を含む部分および第2のリード端子の第2インナー部の一部によって外方に向かって反射される。したがって、より広い配光特性が得られる。
【0013】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部のうち、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって上記半導体発光素子が投影される領域に、上記光反射性フィラーを含有する。
【0014】
上記実施形態によれば、蛍光体を含む樹脂部のうち、樹脂パッケージの第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって半導体発光素子が投影される領域に含有する光反射性フィラーによって、半導体発光素子から上方(光軸方向)に向かって樹脂パッケージの第2凹部の底面に対してほぼ垂直に出射した光の多くが反射され、この発光装置の配光特性における半導体発光素子の出射光の光軸近傍の領域の光度を効果的に低減できる。
【0015】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって突出する凸レンズ部を有する。
【0016】
上記実施形態によれば、第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって半導体発光素子から出射した光の一部は、樹脂パッケージの第2凹部内の樹脂部を透過しても、樹脂部の凸レンズ部により光が広がり、半導体発光素子の出射光の光軸近傍の領域の光度をより効果的に低減できる。
【0017】
また、一実施形態の発光装置では、
上記半導体発光素子は、上記リード端子の上記第1凹部の底面に搭載されている。
【0018】
上記実施形態によれば、半導体発光素子がリード端子の第1凹部の底面に搭載されているので、半導体発光素子を取り囲む第1凹部の側壁面によって半導体発光素子からの出射光を効果的に反射できる。
【0019】
また、一実施形態の発光装置では、
上記リード端子の上記第1凹部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側に位置している。
【0020】
上記実施形態によれば、リード端子の第1凹部が樹脂パッケージの第2凹部の底側に位置しているので、半導体発光素子から出射方向に向かって広がるように樹脂部を形成でき、広い配光特性を得ることができる。
【0021】
また、一実施形態の発光装置では、
上記リード端子の上記第1凹部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側の略中心に位置する。
【0022】
上記実施形態によれば、リード端子の第1凹部が樹脂パッケージの第2凹部の底側の略中心に位置することによって、半導体発光素子から出射方向に向かって広がるように樹脂部を形成でき、偏りのない広い配光特性を得ることができる。
【0023】
また、一実施形態の発光装置では、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部は、開口の形状が長方形であって、
上記リード端子の上記第1凹部の壁面は、上記リード端子の上記第1凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面であり、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の壁面は、上記樹脂パッケージの第2凹部が底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面であって、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の長辺方向に沿って、上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面、上記リード端子の平面、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の傾斜面が順に並んで、上記蛍光体を含む樹脂部の上記光反射性フィラーと上記蛍光体からの光を反射する。
【0024】
上記実施形態によれば、樹脂パッケージの第2凹部の長辺方向に沿って、リード端子の第1凹部の底面,緩斜面、リード端子の平面、樹脂パッケージの第2凹部の傾斜面を利用して、樹脂部の光反射性フィラーと蛍光体からの光を効率よく反射することができる。
【0025】
また、一実施形態の発光装置では、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部は、開口の形状が長方形であって、
上記リード端子の上記第1凹部の壁面は、上記リード端子の上記第1凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面であり、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の壁面は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面であって、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の短辺方向に沿って、上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面、上記リード端子の平面、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の傾斜面が順に並んで、上記蛍光体を含む樹脂部の上記光反射性フィラーと上記蛍光体からの光を反射する。
【0026】
上記実施形態によれば、樹脂パッケージの第2凹部の短辺方向に沿って、リード端子の第1凹部の底面,緩斜面、リード端子の平面、樹脂パッケージの第2凹部の傾斜面を利用して、樹脂部の光反射性フィラーと蛍光体からの光を効率よく反射することができる。
【0027】
また、一実施形態の発光装置では、
上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面を有する部分は、金属または金属を含む層からなる。
【0028】
上記実施形態によれば、リード端子の第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面を有する部分が金属(または金属を含む層)からなるので、光沢のある反射面を形成でき、樹脂部の光反射性フィラーと蛍光体からの光を効率よく反射できる。
【0029】
また、一実施形態の発光装置では、
上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面は、同じ材質で連続して形成されている。
【0030】
上記実施形態によれば、リード端子の第1凹部の底面,緩斜面およびリード端子の平面が同じ材質で連続して形成されていることによって、樹脂部の光反射性フィラーと蛍光体からの光を無駄なく反射できる。
【0031】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつ上記リード端子の上記第1凹部に対向する領域に、上記光反射性フィラーを含有する。
【0032】
上記実施形態によれば、蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつリード端子の第1凹部に対向する領域に光反射性フィラーを含有することによって、半導体発光素子から上方(光軸方向)に向かって樹脂パッケージの第2凹部の底面に対してほぼ垂直に出射した光の多くが光反射性フィラーで反射され、この発光装置の配光特性における半導体発光素子の出射光の光軸近傍の領域の光度を効果的に低減できる。
【0033】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記蛍光体が上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側に分布しており、上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍に上記光反射性フィラーを含有する。
【0034】
上記実施形態によれば、樹脂部の表面近傍に含有する光反射性フィラーで反射された光を、樹脂パッケージの第2凹部の底側に分布する蛍光体を含む樹脂部の領域に効率よく導くことができる。
【0035】
また、一実施形態の発光装置では、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記蛍光体が全体に分散して分布しており、
上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつ上記リード端子の上記第1凹部に対向する領域に、上記光反射性フィラーを含有する。
【0036】
上記実施形態によれば、樹脂部の表面近傍かつリード端子の第1凹部に対向する領域に含有する光反射性フィラーで反射された光を、樹脂部の全体に分散して分布する蛍光体により効率よく波長変換できる。
【発明の効果】
【0037】
以上より明らかなように、この発明の発光装置によれば、簡単な構成で広い配光特性を有する発光装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態の発光装置の斜視図である。
【図2】図2は上記発光装置の平面図である。
【図3】図3は図2のA−A線から見た断面図である。
【図4】図4は図2のB−B線から見た断面図である。
【図5】図5は上記発光装置の裏面図である。
【図6】図6は図2のA−A線から見た断面図である。
【図7】図7は上記発光装置の変形例の断面図である。
【図8】図8は上記発光装置の配光特性を示す図である。
【図9】図9はこの発明の第2実施形態の発光装置の断面図である。
【図10】図10は従来の第1の発光装置の断面図である。
【図11】図11は従来の第2の発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、この発明の発光装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0040】
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の発光装置10の斜視図を示している。また、図2は上記発光装置10の平面図である。また、図3は上記発光装置10の図2のA−A線から見た断面図を示し、図4は上記発光装置10の図2のB−B線から見た断面図を示している。さらに、図5は上記発光装置10の裏面図を示している。なお、図1〜図5では、発光装置10の樹脂パッケージ130内部および第1,第2のリード端子100,110の構成を分かり易くするためにワイヤや樹脂などを図示していない。
【0041】
この第1実施形態の発光装置10は、図1,図2に示すように、PPA(ポリフタルアミド)からなる長方形状の樹脂パッケージ130と、1対の第1,第2のリード端子100,110を有する。
【0042】
上記第1のリード端子100は、樹脂パッケージ130に収納された第1インナー部と、その第1インナー部に連なりかつ樹脂パッケージ130の外部に位置する第1アウター部とを有する。第1のリード端子100の第1インナー部に、半導体発光素子の一例としての長方形状のLEDチップ120(図2に示す)を載置するための第1凹部140をしぼり加工により形成している。
【0043】
上記第1のリード端子100の第1凹部140は、長方形状の底部100bと、その底部100bの周りを囲む側壁部100cとを有する。この第1凹部140の側壁部100cの壁面は、第1のリード端子100の第1凹部140の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面である。
【0044】
上記第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bに、樹脂パッケージ130の長辺方向と同じ方向に長辺方向が向くように、平面視が長方形状のLEDチップ120を実装している。ここで、図2に示すように、樹脂パッケージ130の長辺方向は、LEDチップ120の長辺に沿った方向となり、樹脂パッケージ130の短辺方向は、LEDチップ120の短辺に沿った方向となる。
【0045】
一方、上記第2のリード端子110は、樹脂パッケージ130に収納された第2インナー部と、その第2インナー部に連なりかつ樹脂パッケージ130の外部に位置する第2アウター部とを有する。この第2のリード端子110は、第1のリード端子100から離隔して配置されている。
【0046】
上記第1,第2のリード端子100,110の第1,第2アウター部は、ガルウィン状の段差を有する端部102,112を有する。
【0047】
また、図3〜図5に示すように、第1のリード端子100の底部100bの裏面(100e)は、樹脂パッケージ130から露出している。
【0048】
ここで、LEDチップ120の短辺に対応する反射面すなわちLEDチップ120の長辺方向に対応する反射面は、LEDチップ120側から順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、(平面部110aの平面)、樹脂パッケージ130の側壁部130bの急斜面からなる。なお、第2のリード端子110側の場合、LEDチップ120の短辺に対応する反射面すなわちLEDチップ120の長辺方向に対応する反射面は、LEDチップ120側から順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、第2のリード端子110の平面部110aの平面、樹脂パッケージ130の側壁部130bの急斜面からなる。
【0049】
また、LEDチップ120の長辺に対応する反射面すなわちLEDチップ120の短辺方向に対応する反射面は、LEDチップ120側から順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、樹脂パッケージ130の側壁部130bの急斜面からなる。
【0050】
上記発光装置では、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100b,側壁部100c,平面部100aは、金属(または金属を含む層)からなり、同じ材質(銅合金)で連続して形成されている。また、樹脂パッケージ130の側壁部130bは樹脂からなる。
【0051】
第1,第2のリード端子100,110は、材質が銅合金で厚さ0.2mmの金属板を加工して作製されたリードフレームで形成されている。特に、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bおよび側壁部100cは、リードフレームの一部をしぼり加工により形成されている。ここで、第1のリード端子100の第1凹部140の側壁部100cには、短辺方向外側に延びる鍔部185が形成されている。
【0052】
上記第1,第2のリード端子100,110は、反射率を向上させるために材質を銀とし、厚さを5μmとしている。なお、第1,第2のリード端子100,110は、Cu、Ni、Au、Al合金、Mg合金、またはAlとMgの合金等がメッキされてもよい。
【0053】
第1,第2のリード端子100,110は、樹脂パッケージ130により支持される。樹脂パッケージ130は、第1,第2のリード端子100,110をインサート成形して形成される。
【0054】
第1のリード端子100で形成された長細い形状のキャビティを第1凹部140とし、樹脂パッケージ130の樹脂で作製される長細い形状のキャビティを第2凹部150としている。この第2凹部150の周りを側壁部130bで囲んでいる。上記樹脂パッケージ130の第2凹部150の側壁部130bの壁面は、第2凹部150の底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面である。
【0055】
また、この実施の形態では、第1凹部140は、短辺0.4mm、長辺1mm、深さ0.2mmとし、第2凹部150は、短辺0.6mm、長辺2.4mm、深さ0.3mmとしている。
【0056】
第1,第2のリード端子100,110は、第2凹部150内において互いに離隔して配置されている。また、第1,第2のリード端子100,110の第1,第2アウター部のそれぞれは、外部電源に電気的に接続するために、樹脂パッケージ130の短辺側の側壁を貫通して外部にガルウィン状に折曲して形成されている。外部に延長された第1,第2のリード端子100,110の第1,第2アウター部の端部102,112には、表面実装のための端子底面102a,110aが形成されている。
【0057】
上記第1,第2のリード端子100,110の端部102,112の端子底面102a,110aがランド(図示せず)に電気的に接続される。第1,第2のリード端子100,110の端子底面102a,110aは、表面実装時に電極ランド(図示せず)にはんだ接続される。
【0058】
また、LEDチップ120(幅0.3mm、長さ0.6mm)は、第1のリード端子100の第1凹部140内の底部100bの搭載領域にシリコーン樹脂を用いて実装されている。このLEDチップ120の第1電極(図示せず)を第1のリード端子100(第1インナー部)の平面部100aにボンディングワイヤ160(図6に示す)を介して電気的に接続し、LEDチップ120の第2電極(図示せず)を第2のリード端子110(第2インナー部)の平面部110aにボンディングワイヤ160(図6に示す)を介して電気的に接続している。したがって、LEDチップ120から側方に放射された光は、樹脂パッケージ130の第1凹部140の内壁面すなわち側壁部100cの緩斜面で反射される。
【0059】
上記第1のリード端子100は、反射率が高い金属で(材質:銀、厚さ5μm)メッキされているので、PPAのようなプラスチックで形成された樹脂パッケージ130に比べて反射率が高い。したがって、LEDチップ120から放射された光の一部が、高い反射率を有する側壁部100cで反射される。これにより、樹脂パッケージ130の側壁部130bに直接入射する光量を減少させることができ、樹脂パッケージ130の第2凹部150の側壁部130bが変色することを緩和することができ、その結果、輝度劣化を低減することができる。
【0060】
図6はボンディングワイヤ160や樹脂部172を図示した図2のA−A線から見た断面図である。
【0061】
上記発光装置の製造方法を以下に簡単に説明する。
【0062】
まず、第1のリード端子100の第1凹部140内と樹脂パッケージ130の第2凹部150内に蛍光体170を含有するシリコーン樹脂を充填する。
【0063】
次に、LEDチップ120上に光反射性フィラー175を含有するシリコーン樹脂を充填する。
【0064】
次に、硬化時間を5時間、温度を150℃とした条件でシリコーン樹脂を硬化させて、樹脂部172を形成する。この樹脂部172の光出射面180が樹脂パッケージ130の側壁部130bの上端130aとほぼ一致するようにしている。
【0065】
ここで、蛍光体170(波長変換材)は、LEDチップ120からの出射光を緑色に波長変換する緑蛍光体170aとして(Si・Al)6(O・N)8:Euと、LEDチップ120からの出射光を赤色に波長変換する赤蛍光体170bとしてGaAlSiN3:Euを用いている。また、光反射性フィラー175としてSiO2を用いている。なお、蛍光体は、これに限らず、青色に波長変換する蛍光体などでもよく、LEDチップの発光波長などに応じて適宜組み合わせてもよい。
【0066】
なお、図7に示す変形例のように、LEDチップ120上において、光反射性フィラー175を含む樹脂部172に上方に突出した凸レンズ部172aを有するようにしてもよい。
【0067】
この図7に示す発光装置では、LEDチップ120から上方に放射された光は、光反射性フィラー175にて反射され、LEDチップ120の方向および第1凹部140内の蛍光体170側あるいは第2凹部150の底側の蛍光体170に再入射し、蛍光体170で変換された光が樹脂パッケージ130外に出射される。LEDチップ120から直接外部に放射される光はほとんどない。
【0068】
ここで、Hは光出射面180から凸部172aの頂点までの距離、すなわち凸部172aの高さである。この距離Hは1mm以下であることが好ましい。なぜならば、この実施の形態の図7に示す発光装置を液晶バックライト用光源として使用するときに、導光板の側面から入光させるので、距離Hは1mm以下であるのが最適である。この距離Hが1mmより大きい場合、導光板の側面と発光装置が接触する恐れがある。
【0069】
次に、この第1実施形態の発光装置の配光特性を、図8を参照して説明する。図8において、LEDチップ120から直上に向かう光は、光反射性フィラー175で反射されてLEDチップ120の出射光の光軸から離れる方向で外部に出射される。
【0070】
また、LEDチップ120から直上に向かう光は、光反射性フィラー175に至り、光反射性フィラー175で反射されてLEDチップ120が搭載された第2凹部150の底側に向かう。第2凹部150の底側の表面は高反射率を有する金属素材からなるので、光反射性フィラー175で反射されて第2凹部150の底側に至った光は、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、第2のリード端子110の平面部110aの平面で反射されて光出射面180に向かい、LEDチップ120の出射光の光軸から離れる方向で外部に出射される。
【0071】
図8に示す配光特性は、LEDチップ120の出射光の光軸に対して35°〜45°開いた方向において光度が最高となり、光軸(0°)近傍で光度が低くなっている。
【0072】
LEDチップ120の出射光の光軸近傍の領域の光度が低いのは、LEDチップ120から光軸(0°)に沿って出射された光は、樹脂部172に含まれる光反射性フィラー175によって反射され、それによって出射光の光度が低減された部分が形成されるためである。
【0073】
一方、光反射性フィラー175によって反射された光は、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの平面、第1凹部140の側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、第2のリード端子110の平面部110aの平面によって再度反射されて、光反射性フィラー175の周辺の樹脂部172の光出射面180から外部に出射され、光軸から一定の角度で開いた位置の光度が高くなる。
【0074】
なお、光反射性フィラー175で反射された光を効率よく蛍光体170(170a,170b)に入射させるためには、蛍光体170(170a,170b)は樹脂部172の底側に沈降させた方がよい。すなわち、光反射性フィラーと蛍光体との比重差により、樹脂部172の表面に光反射性フィラーが局在するようにする。
【0075】
ここで、光反射性フィラー175は、第1凹部140上と平面部100aの一部上に分散されていることが好ましい。光反射性フィラー175により反射された光は、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100b、第1凹部140の側壁部100c、第1のリード端子100の平面部100a、第2のリード端子110の平面部110a上の蛍光体170を励起することができる。
【0076】
上記第1実施形態では、光反射性フィラー175の材料としてSiO2を用いたが、例えば、TiO2、Al2O3などの透明な無機材料を光反射性フィラーに用いればよい。
【0077】
ここで、光反射性フィラー175としてのSiO2の濃度は、0.1〜8.0wt%が好ましく、粒径Dは、0.2〜0.4μmであることが特に望ましい。また、SiO2の形状は、球状、針状、フレーク状などを用いることができる。
【0078】
また、光反射性フィラー175の比重は2〜3[g/cm3]、蛍光体170(170a,170b)の比重は4〜5[g/cm3]とすることによって、第1のリード端子100の第1凹部140近傍上(LEDチップ120上)のシリコーン樹脂中に光反射性フィラー175を分散させることが可能である。
【0079】
また、光反射性フィラー175の材料がTiO2の場合の形状は、球状、針状、フレーク状などを用いることができる。また、光反射性フィラー175の材料がAl2O3の場合の形状は、球状、針状、フレーク状などを用いることができる。
【0080】
上記第1実施形態の発光装置では、第1,第2のリード端子100,110が複数対あるリードフレームにおいて、樹脂パッケージ130の成形、LEDチップ120の実装、ワイヤボンディングおよび樹脂部の充填の後、発光装置毎にリードフレームをカットして、各発光装置の個片を得る。
【0081】
上記第1実施形態の発光装置において、LEDチップ120からの出射光の光軸が第1のリード端子100の第1凹部140の開口面に略垂直外向になるように、LEDチップ120を第1凹部140に載置している。このため、LEDチップ120から外方(光軸方向)に向かって出射した光の一部は、樹脂パッケージ130の第2凹部150内に充填された蛍光体170を含む樹脂部172を透過すると共に、LEDチップ120から出射した光の他の一部は、蛍光体170を含む樹脂部172のうちのLEDチップ120に対向する領域に含まれる光反射性フィラー175によって反射された後、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側に向かって進み、樹脂部172の蛍光体170を含む領域に入射する。この樹脂部172の蛍光体170を含む領域に入射する光の一部が蛍光体170で波長変換されて、外方に放射されることになる。また、LEDチップ120の側面から第1のリード端子100の第1凹部140の底側に向かって斜めに出射した光の一部も、樹脂部172の蛍光体170を含む領域に入射して波長変換され、外方に向かって出射する。したがって、広い指向角の配光特性全体として均一な色の発光特性が得られる。
【0082】
上記発光装置によれば、良好な配光特性を持った白色光を導光板に入射することができる。例えば、側面から入射させた光の反射を利用して上面(光射出面)から光を取り出す導光板に対して、広い配光特性を有する上記発光装置を用いて導光板の側面から光を入射することによって、導光板の光射出面から射出される光の輝度ムラを防止でき、導光板を用いた液晶表示装置の表示画面に表示ムラや輝度ムラを生じさせることがない。また、この発明の発光装置は、導光板を用いた面状照明装置などにも好適に利用することができる。
【0083】
また、上記LEDチップ120から出射した光の一部は、蛍光体170を含む樹脂部172のうちのLEDチップ120に対向する領域に含まれる光反射性フィラー175によって反射された後、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側に向かって進んだ光は、蛍光体170で波長変換されるだけでなく、樹脂部172の第2凹部150の底部に露出する第1のリード端子100の第1凹部140を含む部分および第2のリード端子110の一部によって外方に向かって反射される。したがって、より広い配光特性が得られる。
【0084】
また、上記蛍光体170を含む樹脂部172のうち、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底面に対して略垂直方向に向かってLEDチップ120が投影される領域に含有する光反射性フィラー175によって、LEDチップ120から上方(光軸方向)に向かって樹脂パッケージ130の第2凹部150の底面に対してほぼ垂直に出射した光の多くが反射され、この発光装置の配光特性におけるLEDチップ120の出射光の光軸近傍の領域の光度を効果的に低減できる。
【0085】
また、上記樹脂部172は、図7に示すように、光反射性フィラー175を含む領域に、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底面に対して略垂直方向に向かって突出するレンズ面が球面の凸レンズ部172aを設けている。これにより、LEDチップ120から外方(光軸方向)に向かって出射した光の一部は、樹脂パッケージ130の第2凹部150内の樹脂部172を透過しても、樹脂部172の凸レンズ部172aにより光が広がり、LEDチップ120の出射光の光軸近傍の領域の光度をより効果的に低減できる。なお、樹脂部の凸レンズ部は、光反射性フィラーを含む領域に限らず、さらに大きな凸レンズ部を形成してもよいし、球面レンズに限らず、非球面レンズなどの他の形状の凸レンズであってもよい。
【0086】
また、上記LEDチップ120が第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bに搭載されているので、LEDチップ120を取り囲む第1凹部140の側壁部100cによってLEDチップ120からの出射光を効果的に反射することができる。
【0087】
また、上記第1のリード端子100の第1凹部140が樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側に位置しているので、LEDチップ120から出射方向に向かって広がるように樹脂部172を形成でき、広い配光特性を得ることができる。
【0088】
また、上記第1のリード端子100の第1凹部140が樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側の略中心に位置することによって、LEDチップ120から出射方向に向かって広がるように樹脂部172を形成でき、偏りのない広い配光特性を得ることができる。
【0089】
また、上記樹脂パッケージ130の第2凹部150の長辺方向に沿って順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの底面,側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、(第2のリード端子110側の場合は平面部110aの平面)、樹脂パッケージ130の第2凹部150の側壁部130bの傾斜面を利用して、樹脂部172の光反射性フィラー175と蛍光体170からの光を効率よく反射することができる。
【0090】
また、上記樹脂パッケージ130の第2凹部150の短辺方向に沿って順に並んだ、第1のリード端子100の第1凹部140の底部100bの底面,側壁部100cの緩斜面、第1のリード端子100の平面部100aの平面、樹脂パッケージ130の第2凹部150の側壁部130bの傾斜面を利用して、樹脂部172の光反射性フィラー175と蛍光体170からの光を効率よく反射することができる。
【0091】
また、上記第1のリード端子100の第1凹部140の底部100b,側壁部100cおよび第1のリード端子100の平面部100aが金属(または金属を含む層)からなることによって、光沢のある反射面を形成でき、樹脂部172の光反射性フィラー175と蛍光体170からの光を効率よく反射できる。
【0092】
また、上記第1のリード端子100の第1凹部140の底部100b,側壁部100cおよび第1のリード端子100の平面部100aが同じ材質で連続して形成されていることによって、樹脂部172の光反射性フィラー175と蛍光体170からの光を無駄なく反射できる。
【0093】
また、上記蛍光体170を含む樹脂部172の表面近傍かつ第1のリード端子100の第1凹部140に対向する領域に光反射性フィラー175を含有することによって、LEDチップ120から上方(光軸方向)に向かって樹脂パッケージ130の第2凹部150の底面に対してほぼ垂直に出射した光の多くが光反射性フィラー175で反射され、この発光装置の配光特性におけるLEDチップ120の出射光の光軸近傍の領域の光度を効果的に低減することができる。
【0094】
また、上記樹脂部172の表面近傍に含有する光反射性フィラー175で反射された光を、樹脂パッケージ130の第2凹部150の底側に分布する蛍光体170を含む樹脂部172の領域に効率よく導くことができる。
【0095】
また、上記樹脂部172の表面近傍かつ第1のリード端子100の第1凹部140に対向する領域に含有する光反射性フィラー175で反射された光を、樹脂部172の全体に分散して分布する蛍光体170により均一にかつ効率よく波長変換できる。
【0096】
〔第2実施形態〕
図9はこの発明の第2実施形態の発光装置の断面図を示している。この第2実施形態の発光装置は、樹脂部の蛍光体と光反射性フィラーの分布状態を除いて第1実施形態の発光装置と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
【0097】
初めに、第1凹部140と第2凹部150内に蛍光体170(170a,170b)を含有するシリコーン樹脂172bを充填する。硬化時間を1時間、温度を80℃とした条件で硬化を行った。
【0098】
その後、第2凹部150内に光反射性フィラー175を含有するシリコーン樹脂172cを第2凹部150内に充填している(硬化時間5時間、温度150℃の条件)。このシリコーン樹脂172b,172cで樹脂部172を構成している。なお、図7に示すように、LEDチップ120上に光反射性フィラー175を含むシリコーン樹脂172c上に凸レンズ部を設けてもよい。
(蛍光体)
ここで、蛍光体170(波長変換材)は、緑蛍光体170aとして(Si・Al)6(O・N)8:Euと、赤蛍光体170bとしてGaAlSiN3:Euを用いた。
【0099】
LEDチップ120から上方に放射された光は、光反射性フィラー175にて反射され、LEDチップ120の方向および第1凹部140内の蛍光体170側あるいは第2凹部150底側の蛍光体170(170a,170b)に再入射し、蛍光体170(170a,170b)で変換された光が樹脂パッケージ130外に出射される。LEDチップ120上から放射される光はほとんどない。
【0100】
上記第2実施形態の発光装置では、第1,第2のリード端子100,110が複数対あるリードフレームにおいて、樹脂パッケージ130の成形、LEDチップ120の実装、ワイヤボンディングおよび樹脂部の充填の後、発光装置毎にリードフレームをカットして、各発光装置の個片を得る。
【0101】
上記第2実施形態の発光装置は、第1実施形態の発光装置と同様の効果を有する。
【0102】
上記第1,第2実施形態では、樹脂部172のうちの導体発光素子に対向する領域に光反射性フィラー175を含有する発光装置について説明したが、蛍光体を含む樹脂部のうちの半導体発光素子に対向する領域以外の領域に光反射性フィラーを含有してもよい。
【0103】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【0104】
この発明の発光装置は、側面から入射させた光の反射を利用して上面から光を取り出す導光板に対して、広い配光特性で光を入射することにより、導光板の光射出面から射出される光の輝度ムラを防止することが可能となり、導光板を用いた大型の面状照明装置や液晶表示装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
10…発光装置
100…第1のリード端子
100a,110a…平面部
100b…底部
100c…側壁部
100e…裏面
102,112…端部
110…第2のリード端子
120…LEDチップ
130…樹脂パッケージ
130a…上端
130b…側壁部
140…第1凹部
150…第2凹部
160…ボンディングワイヤ
170…蛍光体
170a…緑蛍光体
170b…赤蛍光体
172…樹脂部
175…光反射性フィラー
185…鍔部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子と、
上記半導体発光素子を載置するための第1凹部が形成されたリード端子と、
上記半導体発光素子と上記リード端子の上記第1凹部を含む部分が収納されると共に、上記リード端子の上記第1凹部を含む部分が底部に露出するように形成された第2凹部を有する樹脂パッケージと、
上記リード端子の上記第1凹部内および上記樹脂パッケージの上記第2凹部内に充填された蛍光体を含む樹脂部と
を備え、
上記蛍光体を含む樹脂部のうちの少なくとも上記半導体発光素子に対向する領域に光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置において、
上記リード端子は、上記半導体発光素子の第1電極が接続された第1インナー部と上記第1インナー部に連なる第1アウター部とを有し、上記第1インナー部に上記第1凹部が形成された第1のリード端子と、上記半導体発光素子の第2電極が接続された第2インナー部と上記第2インナー部に連なる第2アウター部とを有する第2のリード端子であり、
上記樹脂パッケージは、上記半導体発光素子と上記第1のリード端子の上記第1インナー部と上記第2のリード端子の上記第2インナー部を収納すると共に、上記第1のリード端子の上記第1インナー部の上記第1凹部を含む部分および上記第2のリード端子の上記第2インナー部の一部が底部に露出するように上記第2凹部が形成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部のうち、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって上記半導体発光素子が投影される領域に、上記光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって突出する凸レンズ部を有することを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記半導体発光素子は、上記リード端子の上記第1凹部の底面に搭載されていることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記リード端子の上記第1凹部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側に位置していることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項6に記載の発光装置において、
上記リード端子の上記第1凹部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側の略中心に位置することを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部は、開口の形状が長方形であって、
上記リード端子の上記第1凹部の壁面は、上記リード端子の上記第1凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面であり、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の壁面は、上記樹脂パッケージの第2凹部が底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面であって、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の長辺方向に沿って、上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面、上記リード端子の平面、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の傾斜面が順に並んで、上記蛍光体を含む樹脂部の上記光反射性フィラーと上記蛍光体からの光を反射することを特徴とする発光装置。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部は、開口の形状が長方形であって、
上記リード端子の上記第1凹部の壁面は、上記リード端子の上記第1凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面であり、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の壁面は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面であって、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の短辺方向に沿って、上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面、上記リード端子の平面、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の傾斜面が順に並んで、上記蛍光体を含む樹脂部の上記光反射性フィラーと上記蛍光体からの光を反射することを特徴とする発光装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の発光装置において、
上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面を有する部分は、金属または金属を含む層からなることを特徴とする発光装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面は、同じ材質で連続して形成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつ上記リード端子の上記第1凹部に対向する領域に、上記光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【請求項13】
請求項1から11までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記蛍光体が上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側に分布しており、上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍に上記光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【請求項14】
請求項1から11までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記蛍光体が全体に分散して分布しており、
上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつ上記リード端子の上記第1凹部に対向する領域に、上記光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【請求項1】
半導体発光素子と、
上記半導体発光素子を載置するための第1凹部が形成されたリード端子と、
上記半導体発光素子と上記リード端子の上記第1凹部を含む部分が収納されると共に、上記リード端子の上記第1凹部を含む部分が底部に露出するように形成された第2凹部を有する樹脂パッケージと、
上記リード端子の上記第1凹部内および上記樹脂パッケージの上記第2凹部内に充填された蛍光体を含む樹脂部と
を備え、
上記蛍光体を含む樹脂部のうちの少なくとも上記半導体発光素子に対向する領域に光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置において、
上記リード端子は、上記半導体発光素子の第1電極が接続された第1インナー部と上記第1インナー部に連なる第1アウター部とを有し、上記第1インナー部に上記第1凹部が形成された第1のリード端子と、上記半導体発光素子の第2電極が接続された第2インナー部と上記第2インナー部に連なる第2アウター部とを有する第2のリード端子であり、
上記樹脂パッケージは、上記半導体発光素子と上記第1のリード端子の上記第1インナー部と上記第2のリード端子の上記第2インナー部を収納すると共に、上記第1のリード端子の上記第1インナー部の上記第1凹部を含む部分および上記第2のリード端子の上記第2インナー部の一部が底部に露出するように上記第2凹部が形成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部のうち、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって上記半導体発光素子が投影される領域に、上記光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面に対して略垂直方向に向かって突出する凸レンズ部を有することを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記半導体発光素子は、上記リード端子の上記第1凹部の底面に搭載されていることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記リード端子の上記第1凹部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側に位置していることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項6に記載の発光装置において、
上記リード端子の上記第1凹部は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側の略中心に位置することを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部は、開口の形状が長方形であって、
上記リード端子の上記第1凹部の壁面は、上記リード端子の上記第1凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面であり、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の壁面は、上記樹脂パッケージの第2凹部が底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面であって、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の長辺方向に沿って、上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面、上記リード端子の平面、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の傾斜面が順に並んで、上記蛍光体を含む樹脂部の上記光反射性フィラーと上記蛍光体からの光を反射することを特徴とする発光装置。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部は、開口の形状が長方形であって、
上記リード端子の上記第1凹部の壁面は、上記リード端子の上記第1凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように緩やかに傾斜する緩斜面であり、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の壁面は、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底面側から開口に向かって徐々に広がるように傾斜する傾斜面であって、
上記樹脂パッケージの上記第2凹部の短辺方向に沿って、上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面、上記リード端子の平面、上記樹脂パッケージの上記第2凹部の傾斜面が順に並んで、上記蛍光体を含む樹脂部の上記光反射性フィラーと上記蛍光体からの光を反射することを特徴とする発光装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の発光装置において、
上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面を有する部分は、金属または金属を含む層からなることを特徴とする発光装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記リード端子の上記第1凹部の底面,緩斜面および上記リード端子の平面は、同じ材質で連続して形成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつ上記リード端子の上記第1凹部に対向する領域に、上記光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【請求項13】
請求項1から11までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記蛍光体が上記樹脂パッケージの上記第2凹部の底側に分布しており、上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍に上記光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【請求項14】
請求項1から11までのいずれか1つに記載の発光装置において、
上記蛍光体を含む樹脂部は、上記蛍光体が全体に分散して分布しており、
上記蛍光体を含む樹脂部の表面近傍かつ上記リード端子の上記第1凹部に対向する領域に、上記光反射性フィラーを含有することを特徴とする発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−62393(P2013−62393A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200250(P2011−200250)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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