説明

発光風船及びその製造方法

【課題】本発明は、風船外部の任意の位置に発光体を配置することが可能で、かつ、加工が容易であり、装飾品としても有益な発光風船を実現し提供するものである。
【解決手段】本発明の発光風船1は、光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部に透明部13を設けた下部合成樹脂材11と、樹脂フィルム材からなり光反射性及び光透過性を有する上部合成樹脂材12との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着し、内部にガスが注入されて立体的に膨らむ風船本体10と、この風船本体10の底部に対して、透明部13に臨ませるLED21を保持する状態で取り付けた略筒状の発光源保持体20と、前記発光源保持体により保持されるLED21に電力供給を行う電池32を搭載した電源部35とを有し、前記LED21から前記風船本体10の透明部13を経て風船本体10内に光を照射して乱反射光と透過光とにより風船本体10を発光状態とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風船外部の任意の位置に発光体を配置することが可能で、かつ、加工が容易であり、装飾品としても有益な発光風船及びその製造方法に関し、詳しくは、風船の外部に発光源を配置して風船内部で反射させて外方に向けて光を射出するようにし、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船及び該発光風船の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
夜店やテーマパーク等で販売したり、あるいは赤色、黄色等、各種の色の光を外方に向けた射出する風船本体を集めてイベント会場等に飾り付けることにより、装飾品として高い装飾効果を得ることを目的とした発光風船は従来においても種々存在している。
【0003】
このような発光風船として、例えば特許文献1には風船本体と、その内側に配置した袋体との二重構造を有し、風船本体と袋体との間にガスを注入し、袋体の内部に複数の発光ダイオードを配置して、風船全体を明るく発光させるように構成した発光風船が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、2枚の合成樹脂フィルムを重ね合わせて周縁を熱溶着又は接着し、内部にガスが注入されて膨らむ本体部と、本体部の内部に取り付けられた発光体保持袋と、発光体保持袋の内部に装入された発光ダイオードとを備え、風船内部の任意の位置に発光体を配置し得るように構成した発光風船が提案されている。
【0005】
しかし、上記特許文献1、2に開示発光風船は、いずれも発光体(発光ダイオード)を風船本体内に配置する構成を採用するものであり、そのために、発光体を風船本体内の中央部分で光らせることはできるが、発光体を外側から風船本体内に挿入しなければならず、風船本体に対して気密的に取り付ける必要があり、加工が難しいという問題を包含している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−025080号公報
【特許文献2】特開2008−125718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした風船外部の任意の位置に発光体を配置することが可能で、かつ、加工が容易な発光風船及びその製造方法を実現し提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発光風船は、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船で、下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部に透明部を設けた下部合成樹脂材と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなり光反射性及び光透過性を有する上部合成樹脂材との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着し、内部にガスが注入されて立体的に膨らむ風船本体と、この風船本体の底部に対して、前記下部合成樹脂材の透明部の外側位置に臨ませる単数又は複数の発光源を保持する状態で取り付けた略筒状の発光源保持体と、前記発光源保持体により保持される発光源に一端を接続した電源ケーブルの他端側に配置した前記発光源を点灯させる電力供給を行う電池を搭載した電源部と、を有し、前記発光源から前記風船本体の透明部を経て上部合成樹脂材に光を照射してその乱反射光と透過光とにより風船本体を発光状態とすることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至7記載の発明によれば、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船で、風船本体外部の任意の位置に発光体を配置する構成の基に発光風船全体を発光させることができ、イベント会場等において装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる発光風船を実現し提供できる。
【0010】
この場合、下部合成樹脂材及び上部合成樹脂材を、半透明材、乳白色材、無彩色材、有彩色材の中から選定したり、発光源保持体の透明部側の内面を光反射面とすることで発光風船全体を一層効果的に発光させることができる。
【0011】
また、電源部に点滅制御回路を採用したり、切り換え発光制御回路を採用することにより、発光風船全体を発光態様を多様化でき、一層優れた装飾効果を発揮させることができる発光風船を実現し提供できる。
【0012】
請求項8記載の発明によれば、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船で、風船本体の外部の任意の位置に発光体を配置することが可能で、風船本体内に発光体を気密的に取り付けることが不要となり、製造工程の簡略化を実現でき、しかも、上述したような装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる発光風船を得ることが可能な発光風船の製造方法を実現し提供できる。
【0013】
請求項9乃至16記載の発明によれば、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船で、電源部に設けた発光体の光を風船本体外部の任意の位置に臨ませた光導光材を経て風船本体内に入射する構成の基に発光風船全体を発光させることができ、イベント会場等において装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる発光風船を実現し提供できる。
【0014】
この場合に、下部合成樹脂材及び上部合成樹脂材を、半透明材、乳白色材、無彩色材、有彩色材の中から選定したり、発光源保持体の透明部側の内面を光反射面とすることで発光風船全体を一層効果的に発光させることができる。
【0015】
また、電源部に点滅制御回路を採用したり、切り換え発光制御回路を採用することにより、発光風船全体を発光態様を多様化でき、一層優れた装飾効果を発揮させることができる発光風船を実現し提供できる。
【0016】
請求項17記載の発明によれば、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船で、風船本体の外部の任意の位置に発光体を配置し、光導光材を介して風船本体の近傍に光を導き、風船本体内に入射することが可能で、風船本体内に発光体を気密的に取り付けることが不要となり、製造工程の簡略化を実現でき、しかも、上述したような装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる発光風船を得ることが可能な発光風船の製造方法を実現し提供できる。
【0017】
請求項18乃至20記載の発明によれば、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船で、電源部に設けた発光体の光を風船本体外部の任意の位置に臨ませた光導光材を経て風船本体に導きその外周の透明発光材に入射することで、風船本体の外周を発光させることができ、請求項7記載の発明の場合と同様に、イベント会場等において装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる発光風船を提起用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る発光風船を概念的に示す概略斜視図である。
【図2】図2は、本実施例1に係る発光風船の一部を断面として示す全体構成図である。
【図3】図3は、本実施例1に係る発光風船の電源部の他例を示す概略ブロック図である。
【図4】図4は、本実施例2に係る発光風船を概念的に示す概略斜視図である。
【図5】図5は、本実施例2に係る発光風船の一部を断面として示す全体構成図である。
【図6】図6は、本実施例2に係る発光風船の電源部の他例を示す概略ブロック図である。
【図7】図7は、本実施例2に係る発光風船の電源部の他例を示す概略ブロック図である。
【図8】図8は、本実施例2に係る発光風船の変形例を概念的に示す概略斜視図である。
【図9】図9は、本実施例2に係る発光風船の他の変形例を概念的に示す概略斜視図である。
【図10】図10は、本実施例2に係る発光風船の他の変形例を概念的に示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、風船外部の任意の位置に発光体を配置することが可能で、かつ、加工が容易であり、装飾品としても有益な発光風船を実現し提供するという目的を、下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部に透明部を設けた下部合成樹脂材と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなり光反射性及び光透過性を有する上部合成樹脂材との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着し、内部にガスが注入されて立体的に膨らむ風船本体と、この風船本体の底部に対して、前記下部合成樹脂材の透明部の外側位置に臨ませる単数又は複数のLEDを保持する状態で取り付けた略筒状の発光源保持体と、前記発光源保持体により保持されるLEDに一端を接続した電源ケーブルの他端側に配置した前記LEDを点灯させる電力供給を行う電池を搭載した電源部とを有し、前記発光源から前記風船本体の透明部を経て上部合成樹脂材に光を照射してその乱反射光と透過光とにより風船本体を発光状態とする構成により実現した。
【実施例1】
【0020】
以下に、本発明の実施例1に係る発光風船1について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
本実施例1に係る発光風船1は、図1、図2に示すように、略球状又は略楕円球状の風船本体10と、この風船本体10の底部に取り付けた略筒状の発光源保持体20と、この発光源保持体20と電源ケーブル31を介して接続される電源部30と、を有している。
【0022】
前記風船本体10は、下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部である中央底部に透明部13を設けた膨出状態で略半球状又は略半楕円球状を呈する下部合成樹脂材11と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなり、膨出状態で略半球状又は略半楕円球状を呈する上部合成樹脂材12と、前記風船本体10に取り付けたガス注入及びガス封止用のガス栓14とを具備している。
【0023】
そして、前記下部合成樹脂材11、上部合成樹脂材12の周縁を互いに重ね合わせて熱溶着又は接着し周縁を封止するとともに、ガス栓14から内部にガスを注入しガス栓を閉めることで立体的に膨らみ、全体として略球状又は略楕円球状を呈するように構成している。
【0024】
前記下部合成樹脂材11の一部である中央底部には、透明樹脂フィルム材からなる透明部13を下部合成樹脂材11と一体的に設けている。
【0025】
また、前記下部合成樹脂材11及び上部合成樹脂材12の素材は、半透明材、乳白色材、灰色のような無彩色材、赤色、青色、黄色等の有彩色を呈する有彩色材の中から選定されるようになっている。
【0026】
更に、前記上部合成樹脂材12の内面12aは、光反射性及び光透過性の双方を有する構造としている。
【0027】
前記発光源保持体20は、図1、図2に示すように、前記風船本体10の底部側が大径で下端側が小径の全体として略筒状に形成され、前記風船本体10の底部に対して、前記下部合成樹脂材11の透明部13の外側位置に臨ませる単数又は複数(図1では3個)の発光源であるLED(発光ダイオード)21を内部に保持する状態で接着等により取り付けている。
【0028】
また、前記発光源保持体20の透明部13側の内面20aも、光反射面として形成している。
【0029】
前記電源部30は、図2に示すように、電源部筺体35に、取り替え可能な電池(乾電池又は蓄電池)32と、電源スイッチ33と、前記単数又は複数のLED21を点滅発光させる又は連続発光させる点滅制御回路34とを搭載し、この点滅制御回路34と前記発光源保持体20内のLED21とを電源ケーブル31により接続している。この場合、LED21と点滅制御回路34に関しては、点滅制御回路34をLED21に内蔵して構成しても良い。
【0030】
次に、本実施例1に係る発光風船1の作用、効果について説明する。
【0031】
この発光風船1によれば、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船でありながら、電源スイッチ33をオンにし、点滅制御回路34を動作させて、前記各LED21を点滅発光させることによって、各LED21からの光は前記風船本体10の透明部13を経て上部合成樹脂材12に点滅状態で照射される。
【0032】
上部合成樹脂材12の内面12aからの乱反射光は、光透過樹脂フィルム材からなる下部合成樹脂材11から外部に点滅状態で射出する。
【0033】
このとき、前記発光源保持体20の透明部13側の内面20aをも光反射面としているので、下部合成樹脂材11から外部に射出する光の光量を増大させて一層明るくすることができる。また、前記上部合成樹脂材12を透過した光はその外部に点滅状態で射出する。
【0034】
これにより、発光風船1全体が点滅状態で発光することになって、例えば、イベント会場等において装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる。
【0035】
なお、点滅制御回路34の設定を変更し、点滅無しで連続発光させる構成とすることももちろん可能である。
【0036】
また、上述した構成に換えて、前記発光源保持体20に異なる色で発光する複数のLED21を配置し、前記電源部30において、図3に示すように、点滅制御回路34に換えて前記各LED21を経時的に切り換え発光させる切り換え発光制御回路36を設け、更に、前記下部合成樹脂材11及び上部合成樹脂材12を、半透明色材、乳白色材、無彩色材の中から選定される構造とすることもできる。
【0037】
この場合には、発光風船1全体が経時的に異なる色で発光することになって、やはりイベント会場等において装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる。
【0038】
上述した本実施例1に係る発光風船1を製造する方法は、以下通りである。
【0039】
すなわち、まず、下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部に透明部13を設けた下部合成樹脂材11と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなり光反射性及び光透過性を有する上部合成樹脂材12との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着する。
【0040】
次に、前記ガス栓14から前記下部合成樹脂材11、上部合成樹脂材12内にガスを注入しガス栓14を閉めることで立体的に膨らませ、風船本体10を作成する。
【0041】
次に、風船本体10の底部に対して、前記下部合成樹脂材11の透明部13の外側位置に臨ませる単数又は複数のLED21を保持する状態で発光源保持体20を取り付ける。
【0042】
そして、前記LED21を点灯させる電力供給を行う電源部30と、前記発光源保持体により保持されるLED21とを電源ケーブル31により接続する。
【0043】
本実施例1に係る発光風船1の製造方法によれば、風船本体10の外部の任意の位置にLED21を配置することが可能で、風船本体10内にLED21を気密的に取り付けることが不要となり、これにより、製造工程の簡略化を実現でき、しかも、上述したような装飾品として一層高い装飾効果を発揮させることができる発光風船1を得ることが可能となる。
【0044】
上述した実施例1において、ガス栓14の一端(風船本体内部側)を袋状とし、その中にLED21を入れた構成とすることもできる。この場合、ガス栓14とは別にLED21を風船本体10の中に入れる袋状のものを設けることになる。
【実施例2】
【0045】
次に、本発明の実施例2に係る発光風船1Aについて、図4乃至図8を参照して説明する。
【0046】
なお、本実施例2に係る発光風船1Aにおいて、実施例1に係る発光風船1と同一要素には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0047】
本実施例2に係る発光風船1Aは、基本的には実施例1に係る発光風船1と同様な構成であるが、図4、図5に示すように、前記発光源保持体20に換えて、前記下部合成樹脂材11の透明部13の外側位置に臨ませる単数又は複数の光導光材である例えば光ファイバー41の光出射端側を保持する状態で取り付けた略筒状の光導光材保持体40を採用したこと、及び、前記光導光材保持体40から外部に引き出される単数又は複数の光ファイバー41の光入射端側を列設保持する保持部42と、前記光ファイバー41の光入射端側に光を入射する発光源であるLED43と、前記LED43を点灯させる電力供給を行う取り替え可能な電池44と、電源スイッチ45と、を電源部筺体49に搭載した電源部46を採用したこと、が特徴である。
【0048】
前記光導光材としては、前記光ファイバー41の他に、例えば、アクリル材からなる透明棒状体又は半透明棒状体等を採用することができる。更に、前記光導光材としては、ポリカーボネイト(PC)やペット(PET)のような透明材又は半透明材が作れるような材料を採用することもできる。
【0049】
前記下部合成樹脂材11及び上部合成樹脂材12は、半透明材、乳白色材、無彩色材や有彩色材の中から選定されることは、実施例1の場合同様である。
【0050】
また、光導光材保持体40の透明部13側の内面40aは光反射面として形成している。
【0051】
本実施例2に係る発光風船1Aによれば、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船でありながら、電源スイッチ44をオンすることで、LED43が点灯し、前記光ファイバー41の光入射端、光出射端を経て、前記風船本体10の透明部13から上部合成樹脂材12に照射される。
【0052】
上部合成樹脂材12の内面12aからの乱反射光は、光透過樹脂フィルム材からなる下部合成樹脂材11から外部に射出する。
【0053】
このとき、前記光導光材保持体40の透明部13側の内面40aをも光反射面としているので、下部合成樹脂材11から外部に射出する光の光量を増大させて一層明るくすることができる。また、前記上部合成樹脂材12を透過した光はその外部に射出する。
【0054】
これにより、発光風船1全体が発光することになって、例えば、イベント会場等において装飾品として一層高い装飾効果を発揮させることができる。
【0055】
図6は、前記電源部46の変形例である点滅駆動型の電源部46Aを示すもので、前記電源部46の構成に、点滅制御回路47を付加し、発光風船1A全体が点滅状態で発光させるようにしたものである。この場合も、例えば、イベント会場等において装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる。
【0056】
また、図7は、前記電源部46の変形例である点滅駆動型の電源部46Bを示すものであり、前記電源部46の構成に換えて、異なる色で発光する複数(赤色LED、青色LED、黄色LED等)のLED43a乃至43eを設けるとともに、切り換え発光制御回路48を付加し継時的に発光を切り換える構成としたものである。
【0057】
この場合に、前記下部合成樹脂材11及び前記上部合成樹脂材12を、半透明色材、乳白色材、無彩色材の中から選定する構成とすることにより、前記発光風船1A全体が経時的に異なる色で発光することになって、やはりイベント会場等において装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる。
【0058】
上述した本実施例2に係る発光風船1Aを製造する方法は、以下通りである。
【0059】
すなわち、まず、下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部に透明部13を設けた下部合成樹脂材11と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなり光反射性及び光透過性を有する上部合成樹脂材12との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着する。
【0060】
次に、前記ガス栓14から前記下部合成樹脂材11、上部合成樹脂材12内にガスを注入しガス栓14を閉めることで立体的に膨らませ、風船本体10を作成する。
【0061】
次に、この風船本体の底部に対して、下部合成樹脂材11の透明部13の外側位置に臨ませる単数又は複数のLED43の光出射端側を保持する状態で略筒状の光導光材保持体40を取り付ける。
【0062】
次に、前記光ファイバー41の光入射端側を列設保持する保持部42と、前記前記光ファイバー41の光入射端側に光を入射するLED43と、前記LED43を点灯させる電力供給を行う電池44と、電源スイッチ45とを搭載した電源部46を、前記単数又は複数の光ファイバー41を介して接続する。
【0063】
本実施例2に係る発光風船1Aの製造方法によれば、風船本体10の外部の任意の位置にLED43を配置し、光ファイバー41を介して風船本体10の近傍に光を導き、風船本体10内に入射することが可能で、風船本体10内にLED43を気密的に取り付けることが不要となり、これにより、製造工程の簡略化を実現でき、しかも、上述したような装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる発光風船1Aを得ることが可能となる。
【0064】
図8は、本実施例2に係る発光風船1Aの変形例である発光風船1Bを示すもので、この発光風船1Bは、基本的には前記発光風船1Aと略同様な構成であるが、風船本体10の外周部に、例えばアクリル材等からなる柔軟性を有する透明発光材(又は半透明発光材)51を単数又は複数添着配置したことが特徴である。
【0065】
そして、前記光導光材保持体40が保持する光ファイバー41の光出射端側から、各透明発光材51に光を入射し、これらを風船本体10の外周部において発光させるように構成したものである。
【0066】
かかる構成の発光風船1Bによれば、風船本体10の外周が発光することになって、例えば、イベント会場等において既述した場合と同様に装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる。
【0067】
なお、上述した各実施例において、LED21、43の配置個数や、光ファイバー41の設置個数は特に限定されるものではない。
【0068】
図9、図10は、実施例2に示す図4、図5、図8の実施例の変形例を示すもので、図9は、前記発光源である光導光材を複数本の光ファイバー41から構成し、当該光ファイバー41を予め風船本体10の外周囲に這わせるように配置して構成した実施例を示す発光風船1Cであり、図10は、前記発光源である光導光材を複数本の光ファイバーから構成し、当該光ファイバー41を予め風船本体10の周囲にモニュメント形態41に形成して配置、構成した実施例を示す発光風船1Dである。なお、図9、図10の実施例は、発光源である光導光材を複数本の光ファイバー41から構成し、当該光ファイバー41と風船本体10への配置構成以外の部分は、前記各実施例と同様の各部を具備する。
図9、図10の実施例に係る発光風船1C、発光風船1Dによれば、ガスを注入して空気中又は空間に浮遊するようにした発光風船で、風船本体10の周囲に配置した複数本の光ファイバー41を基に発光風船全体を発光させることができ、イベント会場等において装飾品として高い装飾効果を発揮させることができる発光風船を実現し提供できる。
【0069】
また、上述した実施例において電源部筺体35の電池収容部を電池カバー及びパイプ等への取着部から構成したり、電池カバー内の電池32を取り替え得る構造としたり又は固定式のものとすることができる。
【0070】
つまり、くり返し使用するタイプとするのか、使い捨てタイプとするのかは、目的や用途によって適宜定めることができる。
【0071】
また、前記電源スイッチ33は、電線と電線、電線と電池、電池と電池を接触又は非接触させる等多くの種類があり構造は特に限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の発光風船は、夜店やテーマパーク、都市部や田舎の祭会場、遊園地、店舗のオープニング場所、その他多くの人が集合する場所に設置する装飾品として極めて広範に適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 発光風船
1A 発光風船
1B 発光風船
10 風船本体
11 下部合成樹脂材
12 上部合成樹脂材
12a 内面
13 透明部
14 ガス栓
20 発光源保持体
20a 内面
21 LED
30 電源部
31 電源ケーブル
32 電池
33 電源スイッチ
34 点滅制御回路
35 電源部筺体
36 切り換え発光制御回路
40 光導光材保持体
40a 内面
41 光ファイバー
42 保持部
43 LED
43a LED
44 電池
45 電源スイッチ
46 電源部
46A 電源部
46B 電源部
47 点滅制御回路
48 切り換え発光制御回路
49 電源部筺体
51 透明発光材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部に透明部を設けた下部合成樹脂材と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなり光反射性及び光透過性を有する上部合成樹脂材との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着し、内部にガスが注入されて立体的に膨らむ風船本体と、
この風船本体の底部に対して、前記下部合成樹脂材の透明部の外側位置に臨ませる単数又は複数の発光源を保持する状態で取り付けた略筒状の発光源保持体と、
前記発光源保持体により保持される発光源に一端を接続した電源ケーブルの他端側に配置した前記発光源を点灯させる電力供給を行う電池を搭載した電源部と、
を有し、
前記発光源から前記風船本体の透明部を経て上部合成樹脂材に光を照射してその乱反射光と透過光とにより風船本体を発光状態とすることを特徴とする発光風船。
【請求項2】
前記下部合成樹脂材及び上部合成樹脂材は、半透明材、乳白色材、無彩色材、有彩色材の中から選定されることを特徴とする請求項1記載の発光風船。
【請求項3】
前記発光源保持体の透明部側の内面は、光反射面であることを特徴とする請求項1又は2記載の発光風船。
【請求項4】
前記発光源は、単数又は複数のLEDからなり、前記電源部は、取り替え可能な電池と、電源スイッチと、前記単数又は複数LEDを点滅発光させる点滅制御回路とを具備する請求項1乃至3のいずれかに記載の発光風船。
【請求項5】
前記発光源は、異なる色で発光する複数のLEDからなり、前記電源部は、取り替え可能な電池と、電源スイッチと、前記各LEDを経時的に切り換え発光させる切り換え発光制御回路とを具備し、前記下部合成樹脂材及び上部合成樹脂材は、半透明色材、乳白色材、無彩色材の中から選定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発光風船。
【請求項6】
前記発光源は、複数本の光ファイバーから構成されて、当該光ファイバーを予め風船本体の外周囲に這わせるように配置して構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発光風船。
【請求項7】
前記発光源は、複数本の光ファイバーから構成されて、当該光ファイバーを予め風船本体の周囲にモニュメント形態で配置して構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発光風船。
【請求項8】
下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部に透明部を設けた下部合成樹脂材と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなり光反射性及び光透過性を有する上部合成樹脂材との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着する工程と、
前記下部合成樹脂材、上部合成樹脂材内にガスを注入し、立体的に膨らませて風船本体を得る工程と、
この風船本体の底部に対して、前記下部合成樹脂材の透明部の外側位置に臨ませる単数又は複数の発光源を保持する状態で略筒状の発光源保持体を取り付ける工程と、
前記発光源を点灯させる電力供給を行う電源部と前記発光源保持体により保持される発光源とを電源ケーブルにより接続する工程と、
を含むことを特徴とする発光風船の製造方法。
【請求項9】
下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部に透明部を設けた下部合成樹脂材と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなり光反射性及び光透過性を有する上部合成樹脂材との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着し、内部にガスが注入されて立体的に膨らむ風船本体と、
この風船本体の底部に対して、前記下部合成樹脂材の透明部の外側位置に臨ませる単数又は複数の光導光材の光出射端側を保持する状態で取り付けた略筒状の光導光材保持体と、
前記光導光材保持体から外部に引き出される単数又は複数の光導光材の光入射端側を列設保持する保持部と、前記単数又は複数の光導光材の光入射端側に光を入射する発光源と、前記発光源を点灯させる電力供給を行う電池を搭載した電源部と、
を有し、
前記発光源から前記単数又は複数の光導光材、前記風船本体の透明部を経て、上部合成樹脂材に光を照射してその乱反射光と透過光とにより風船本体を発光状態とすることを特徴とする発光風船。
【請求項10】
前記下部合成樹脂材及び上部合成樹脂材は、半透明材、乳白色材、無彩色材、有彩色材の中から選定されることを特徴とする請求項9記載の発光風船。
【請求項11】
前記光導光材保持体の透明部側の内面は、光反射面であることを特徴とする請求項9又は10記載の発光風船。
【請求項12】
前記光導光材は、光ファイバー、透明棒状体、半透明棒状体から選定されることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の発光風船。
【請求項13】
前記発光源は、LEDからなり、前記電源部は、取り替え可能な電池と、電源スイッチと、前記LEDを点滅発光させる点滅制御回路とを具備することを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の発光風船。
【請求項14】
前記発光源は、異なる色で発光する複数のLEDからなり、前記光導光材は、光ファイバー、透明棒状体、半透明棒状体から選定され、かつ、前記発光源の個数に対応する本数からなり、前記電源部は、取り替え可能な電池と、電源スイッチと、前記各LEDを経時的に切り換え発光させる切り換え発光制御回路とを具備し、前記下部合成樹脂材及び上部合成樹脂材は半透明色材、乳白色材、無彩色材の中から選定されることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の発光風船。
【請求項15】
前記発光源は、複数本の光ファイバーから構成されて、当該光ファイバーを予め風船本体の外周囲に這わせるように配置して構成したことを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の発光風船。
【請求項16】
前記発光源は、複数本の光ファイバーから構成されて、当該光ファイバーを予め風船本体の周囲にモニュメント形態で配置して構成したことを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の発光風船。
【請求項17】
下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなり底部側の一部に透明部を設けた下部合成樹脂材と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなり光反射性及び光透過性を有する上部合成樹脂材との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着する工程と、
前記下部合成樹脂材、上部合成樹脂材内にガスを注入し、立体的に膨らませて風船本体を得る工程と、
この風船本体の底部に対して、前記下部合成樹脂材の透明部の外側位置に臨ませる単数又は複数の光導光材の光出射端側を保持する状態で略筒状の光導光材保持体を取り付ける工程と、
前記光導光材の光入射端側を列設保持する保持部と、前記単数又は複数の光導光材の光入射端側に光を入射する発光源と、前記発光源を点灯させる電力供給を行う電池を搭載した電源部を、単数又は複数の光導光材を介して接続する工程と、
を含むことを特徴とする発光風船の製造方法。
【請求項18】
下部側に位置する光透過樹脂フィルム材からなる下部合成樹脂材と、上部側に位置する樹脂フィルム材からなる上部合成樹脂材との周縁を重ね合わせて熱溶着又は接着し、内部にガスが注入されて立体的に膨らむ風船本体と、
この風船本体の外周部に添着配置した単数又は複数の透明発光材又は半透明発光材と、
前記風船本体の底部に取り付けられるとともに、前記透明発光材又は半透明発光材の一端に光出射端側を臨ませた単数又は複数の光導光材を保持する略筒状の光導光材保持体と、
前記光導光材保持体から外部に引き出される単数又は複数の光導光材の光入射端側を列設保持する保持部と、前記単数又は複数の光導光材の光入射端側に光を入射する発光源と、前記発光源を点灯させる電力供給を行う電池を搭載した電源部と、
を有し、
前記発光源から前記単数又は複数の光導光材を介して風船本体の外周部に添着配置した単数又は複数の透明発光材又は半透明発光材に光を入射し、これらを風船本体の外周部において発光させることを特徴とする発光風船。
【請求項19】
前記発光源は、複数本の光ファイバーから構成されて、当該光ファイバーを予め風船本体の外周囲に這わせるように配置して構成したことを特徴とする請求項18記載の発光風船。
【請求項20】
前記発光源は、複数本の光ファイバーから構成されて、当該光ファイバーを予め風船本体の周囲にモニュメント形態で配置して構成したことを特徴とする請求項18記載の発光風船。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−24949(P2011−24949A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176513(P2009−176513)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(505286213)株式会社RMKコーポレーション (1)
【出願人】(509214528)スターアソシエイツ株式会社 (1)
【出願人】(509214539)
【Fターム(参考)】