発券装置
【課題】この発明は、幅寄せガイド部によりガイドされているロール紙の張り状態や弛み状態を正確に検知することにより、ロール紙の搬送速度を適切に制御することを可能にし、ロール紙の張り状態及び弛み状態を確実に抑制して、ロール紙の張りに起因するロール紙の搬送負荷の増大と、ロール紙の弛みに起因するロール紙のしわの発生とを防止し、かつ券紙の券長の安定化を実現できる発券装置を提供することを目的とする。
【解決手段】搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながら該ロール紙を幅寄せする幅寄せガイド部を備えた発券装置であって、前記幅寄せガイド部の途中で前記ロール紙の張り状態及び弛み状態を検知するロール紙状態検知手段を備えるとともに、該ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記搬送経路上におけるロール紙の搬送速度を変更する搬送速度制御手段を備えた。
【解決手段】搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながら該ロール紙を幅寄せする幅寄せガイド部を備えた発券装置であって、前記幅寄せガイド部の途中で前記ロール紙の張り状態及び弛み状態を検知するロール紙状態検知手段を備えるとともに、該ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記搬送経路上におけるロール紙の搬送速度を変更する搬送速度制御手段を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながらこれを幅寄せする幅寄せガイド部を備えた発券装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発券装置においては、券紙の材料となるロール紙を2つ並列に格納し、一方のロール紙を使い切ると、他方のロール紙を送り出すようにして、ロール紙の供給サイクルを長くすることが行われている。
【0003】
また、このような発券装置に関し、下記特許文献1では、2つのロール紙のうちいずれか一方のロール紙を搬送するにあたり、搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながらこれを他方のロール紙の搬送経路に向けて幅寄せする幅寄せガイド部を備えたものが開示されている。
【0004】
この場合、上述した幅寄せガイド部により、各ロール紙の搬送経路をその搬送方向下流側で合流させて共通化することができ、その結果、1組の印字手段及び磁気エンコード手段を共用することができるという利点がある。
【0005】
しかしながら、上述した幅寄せガイド部を備えた発券装置においては、例えば、幅寄せガイド部のロール紙搬送方向上流側におけるロール紙の搬送速度が、ロール紙搬送方向下流側における搬送速度よりも低速である場合、ロール紙のループ形状は、幅寄せガイドを締め付けるように変形してしまう。
【0006】
そして、この場合、幅寄せガイド部によりガイドされているロール紙には、張りが生じる。このため、幅寄せガイド部を通過した後のロール紙を所定の券長に切断するカッタにおいては、ロール紙の張りに起因する搬送負荷によって所定長さよりも短いロール紙が供給されることになり、その結果、カッタによりロール紙が切断された後生成される券紙の券長が所定よりも短くなるという問題が生じていた。
【0007】
また、幅寄せガイド部の前記上流側におけるロール紙の搬送速度が、前記下流側における搬送速度よりも高速である場合、幅寄せガイド部によりガイドされているロール紙には、弛みが生じる。
【0008】
この場合、ロール紙の弛みは、幅寄せガイド部によって規制されることとなるが、その一方で、前記下流側に送り出されるロール紙の量よりも上流側から送込まれる量のほうが多いために、幅寄せガイド部では、ロール紙が上流側から送込まれる新たなロール紙により押される状態となる。このため、幅寄せガイド部においては、ロール紙の弛みの増大に伴い、該ロール紙にしわが形成されるという問題が生じていた。
【0009】
そして、カッタにおいては、上述したようにロール紙が上流側から押される状態となることによって、所定長さよりも長いロール紙が供給されることになり、その結果、カッタによりロール紙が切断された後生成される券紙の券長が所定よりも長くなるという問題が生じていた。
【0010】
ところで、従来においては、例えば、下記特許文献2に開示されているように、ロール紙の搬送経路上にロール紙の張り状態を検知する検知手段を配設し、該検知手段により張り状態を検知すると、ロール紙の送り出し速度を通常運転時よりも高速になるように変更制御して弛みを生じさせるものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−293713号公報
【特許文献2】特開昭61−78678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記特許文献2に開示されているものは、単にロール紙の搬送経路上における張り状態を検知するに過ぎず、上述したように幅寄せガイド部によりループ形状をなすロール紙の部位(ループ部)の張り状態や弛み状態を正確に検知できるものではない。
【0013】
この発明は、幅寄せガイド部によりガイドされているロール紙の張り状態や弛み状態を正確に検知することにより、ロール紙の搬送速度を適切に制御することを可能にし、ロール紙の張り状態及び弛み状態を確実に抑制して、ロール紙の張りに起因するロール紙の搬送負荷の増大と、ロール紙の弛みに起因するロール紙のしわの発生とを防止し、かつ券紙の券長の安定化を実現できる発券装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながら該ロール紙を幅寄せする幅寄せガイド部を備えた発券装置であって、前記幅寄せガイド部の途中で前記ロール紙の張り状態及び弛み状態を検知するロール紙状態検知手段を備えるとともに、該ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記搬送経路上におけるロール紙の搬送速度を変更する搬送速度制御手段を備えた発券装置であることを特徴とする。
【0015】
前記発券装置は、交通機関の普通乗車券や回数乗車券等を発券する自動券売機や、精算後に精算項目を表示するレシートを発券するレシート発行機、または駐車場発券機等、ロール紙を所定の券長に切断して券紙を発券する装置で構成することができる。
【0016】
搬送速度制御手段は、ロール紙を連続的に搬送するものにおいて、搬送速度を通常運転時に比べて高速または低速に変更する制御手段、あるいは、ロール紙を間欠的に搬送する制御により搬送速度を変更する制御手段により構成することができる。
【0017】
この発明により、幅寄せガイド部にてロール紙がループ形状をなすループ部で発生した張り状態及び弛み状態を確実に検知することができる。そして、この検知結果に基づき、ロール紙の搬送速度を変更することで、ロール紙の張りや弛みを確実に抑制でき、その結果、ロール紙の張りに起因する搬送負荷の増大や、ロール紙の弛みに起因するしわの発生を防止し、さらにはロール紙の切断後に生成される券紙の券長を安定化させることができる。
【0018】
この発明の態様として、前記ロール紙状態検知手段を、前記ロール紙の張り状態を検知する第1検知部材と、前記ロール紙の弛み状態を検知する第2検知部材とにより構成し、前記幅寄せガイド部において前記ロール紙がループ形状をなすループ部の頂部よりも、前記第1検知部材を前記下流側に配設する一方、前記第2検知部材を前記頂部よりも前記上流側に配設した構成とすることができる。
これにより、ループ部に張りが発生した時、頂部よりロール紙搬送方向上流側の部位に比べて変化が大きい前記下流側の部位にて、第1の検知部材がループ部の張り状態を検知でき、その結果、ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
そして、ループ部に弛みが発生した時、頂部よりロール紙搬送方向下流側の部位に比べて変化が大きい前記上流側の部位にて、第2の検知部材がループ部の弛み状態を検知でき、その結果、ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0019】
この発明の態様として、前記ループ部において前記ロール紙が最も前記上流側に突出する部位の張り状態を検知する位置に前記第1検知部材を配設する一方、前記ループ部において前記ロール紙が最も前記下流側に突出する部位の弛み状態を検知する位置に前記第2検知部材を配設した構成とすることができる。
これにより、ループ部に張り及び弛みが発生した時、該ループ部において変化が最大となる部位にて、第1、第2の検知部材がループ部の張り状態及び弛み状態を検知でき、その結果、ループ部の張り状態及び弛み状態をより確実に検知することができる。
【0020】
この発明の態様として、前記第1検知部材を、前記ループ部のループ内面側に配設する一方、前記第2検知部材を、前記ループ部のループ外面側に配設した構成とすることができる。
これにより、ループ部に張りが発生した時、ループ部の径方向内側に向かってロール紙が変位する状態を第1の検知部材により確実に検知でき、その結果ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
そして、ループ部に弛みが発生した時、ループ部の径方向外側に向かってロール紙が変位する状態を第2の検知部材により確実に検知でき、その結果ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0021】
この発明の態様として、前記ループ部の幅方向外側端部の張り状態及び弛み状態を検知する位置に、前記第1、第2検知部材を配設した構成とすることができる。
これにより、ロール紙の幅方向において変化が最大となるループ部の外側端部にて、第1、第2の検知部材がループ部の張り状態及び弛み状態を検知でき、その結果、ループ部の張り状態及び弛み状態をより確実に検知することができる。
【0022】
この発明の態様として、前記幅寄せガイド部の前記上流側及び前記下流側には、それぞれ前記ロール紙の搬送にあたりこれを前記下流側に送り出す第1、第2の送り出し手段を備えるとともに、該第2の送り出し手段の前記下流側には、前記第1、第2の送り出し手段により送り出された前記ロール紙に対し印字処理を施す印字手段を備え、前記搬送速度制御手段は、前記ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記第1の送り出し手段の送り出し速度を変更し、前記幅寄せガイド部の前記上流側におけるロール紙の搬送速度を変更する制御を実行する一方、前記第2の送り出し手段の送り出し速度を保持し、前記幅寄せガイド部の前記下流側におけるロール紙の搬送速度を保持する制御を実行する構成とすることができる。
これにより、第2の送り出し手段の送り出し速度が変更されることに起因して、ロール紙の先端部が印字手段における印字処理に悪影響を及ぼすといった不都合を防止しつつ、ループ部の張り及び弛みを抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明により、幅寄せガイド部によりガイドされているロール紙の張り状態や弛み状態を正確に検知することにより、ロール紙の搬送速度を適切に制御することを可能にし、ロール紙の張り状態及び弛み状態を確実に抑制して、ロール紙の張りに起因するロール紙の搬送負荷の増大と、ロール紙の弛みに起因するロール紙のしわの発生とを防止し、かつ券紙の券長の安定化を実現できる発券装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の実施形態に係る発券装置を示す概略側面図。
【図2】幅寄せガイド部を示す要部拡大側面図。
【図3】レバー部材及びセンサの配置を説明するための側面図。
【図4】レバー部材及びセンサの配置を説明するための平面図。
【図5】幅寄せガイド部においてロール紙に張りが発生した状態を示す側面図。
【図6】幅寄せガイド部においてロール紙に張りが発生した状態を示す平面図。
【図7】幅寄せガイド部においてロール紙に弛みが発生した状態を示す側面図。
【図8】幅寄せガイド部においてロール紙に弛みが発生した状態を示す平面図。
【図9】発券装置のブロック図。
【図10】発券装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る発券装置1を示す概略側面図である。発券装置1は、主に該発券装置1を構成するフレーム2の内部に、所定長さ巻回してなるロール紙A、Bを左右(図1の前後)に並列に保持する2組の保持部3、4と、該保持部3、4から送り出されるロール紙A、Bを所定の搬送経路に沿ってそれぞれガイドするロール紙搬送ガイド部材5(以下、ガイド部材5と略記する。)と、該ガイド部材5によりガイドされたロール紙A、Bに共通の共通搬送路6と、ロール紙AまたはBを所定の券長に切断することにより生成された券紙に券データとしての磁気データを書込み、且つその磁気データを読取るいわゆるエンコード処理を施してから放出口7に券紙を放出するエンコード処理部8とを備えている。
【0026】
上述の各保持部3、4には、ロール紙A、Bが送り出し可能にそれぞれ保持されている。そのうち、ロール紙Aは、一対の送りローラ9、タッチローラ10の間を通され、これら送りローラ9及びタッチローラ10の回転により、保持部3からロール紙搬送方向下流側(以下、下流側と略記する。)のガイド部材5に送り出される。
【0027】
ここで、送りローラ9は、モータ11により無端ベルト12を介して回転駆動力が付与されている。この送りローラ9及びこれに対向するタッチローラ10を回転させると、両ローラ9、10間のロール紙Aがガイド部材5に送り出される。
【0028】
また、ロール紙Bは、一対の送りローラ13、タッチローラ14の間を通され、これら送りローラ13及びタッチローラ14の回転により、保持部4から前記下流側のガイド部材5に送り出される。
【0029】
ここで、送りローラ13は、モータ15により無端ベルト16を介して回転駆動力が付与されている。この送りローラ13及びこれに対向するタッチローラ14を回転させると、両ローラ13、14間のロール紙Bがガイド部材5に送り出される。
【0030】
ガイド部材5は、ロール紙Aの位置をその両面で規制すべく、所定隙間を隔てて互いに平行に延びるガイド面51a、51bを有した第1ガイド部51と、ロール紙Bの位置をその両面で規制すべく、所定隙間を隔てて互いに平行に延びるガイド面52a、52bを有した第2ガイド部52とから構成されている。
【0031】
ロール紙Aは、第1ガイド部51のガイド面51a、51bの間の隙間を通過することにより、この隙間に形成される所定の搬送経路に沿ってガイドされる。ロール紙Bは、ガイド面52a、52bの間の隙間を通過することにより、この隙間に形成される所定の搬送経路に沿ってガイドされる。
【0032】
また、ロール紙Bに対応する第2ガイド部52は、幅方向において、共通搬送路6に対し同一ライン上の位置に設定される。ロール紙Aに対応する第1ガイド部51は、共通搬送路6に向けてロール紙Aを幅寄せガイドするように構成されている。
【0033】
具体的には、第1ガイド部51では、図1〜図4に示すように、その長手方向の途中に、ガイド面51a、51bの一部がループ形状をなす幅寄せガイド部53が形成されている。
【0034】
そして、幅寄せガイド部53より保持部3、4(図1参照)側、即ちロール紙搬送方向上流側(以下、上流側と略記する。)では、第1、第2ガイド部51、52が幅方向において並列に配置される。幅寄せガイド部53より共通搬送路6(図1参照)側、即ち前記下流側では、幅寄せガイド部53のループ形状により、第1ガイド部51が第2ガイド部52側に幅寄せされ、互いが上下方向に重なるように配置されている。
【0035】
このため、第2ガイド部52に沿ってガイドされたロール紙Bは、前記下流側に略真っ直ぐ搬送される。第1ガイド部51に沿ってガイドされたロール紙Aは、幅寄せガイド部53により形成された搬送経路上にてループ形状をなすようにガイドされながら幅寄せされ、第2ガイド部52の上方位置にて前記下流側に搬送されるようになっている。
【0036】
また、ガイド部材5には、図1に示すように、幅寄せガイド部53の前記下流側において、第1、第2ガイド部51、52の前記下流側端部が合流する合流部54が形成されている。第1、第2ガイド部51、52によりガイドされたロール紙A、Bは、いずれも合流部54を通り、ガイド部22を通って後述する共通のカッタ17に搬送される。
【0037】
また、ガイド部材5の合流部54の直ぐ下流側には、合流部54から排出されるロール紙AまたはBを前記下流側のカッタ17に送り出すための一対の定寸送りローラ18及びタッチローラ19が配設されている。
【0038】
定寸送りローラ18は、モータ20により無端ベルト21を介して回転駆動力が付与されている。この定寸送りローラ18とこれに対向するタッチローラ19との間にロール紙AまたはBを通した状態で、両ローラ18、19を所定角度回転させると、ロール紙AまたはBが所定の寸法だけカッタ17に送り出される。
【0039】
定寸送りローラ18及びタッチローラ19により送り出されたロール紙AまたはBは、ガイド部22上を搬送される。カッタ17は、ロール紙AまたはBを所定の券長に切断する。そして、定寸送りローラ18及びタッチローラ19の前記下流側であって、且つカッタ17の下流側には、サーマルヘッド23が配設されている。
【0040】
ここで、送りローラ9とタッチローラ10との対、及び定寸送りローラ18とタッチローラ19との対により前記下流側に送り出された後にカッタ17で切断されたロール紙Aの紙片(券紙)や、送りローラ13とタッチローラ14との対、及び定寸送りローラ18とタッチローラ19との対により前記下流側に送り出された後にカッタ17で切断されたロール紙Bの紙片(券紙)に対し、サーマルヘッド23は、所定の券データを印字する。
【0041】
また、サーマルヘッド23に対向する位置には、プラテンローラ24が配設されている。プラテンローラ24は、モータ25により無端ベルト26を介して回転駆動力が付与されており、このプラテンローラ24が、券紙をサーマルヘッド23側に押圧しながら回転駆動することにより、券紙は、印字処理と同時に共通搬送路6に送り出されるようになっている。
【0042】
共通搬送路6には、エンコード処理部8を構成する書込みヘッド81及び読取りヘッド82が配設されており、これらは磁気ヘッドで構成されている。また、これら書込みヘッド81、読取りヘッド82に対応してそれぞれ対向する位置にパッドローラ83、84が配設されている。
【0043】
エンコード処理部8では、いわゆる磁気エンコード処理が実行される。この磁気エンコード処理では、書込みヘッド81が、券紙の磁気面に所定の券データを書込み、且つ、その下流側に配設した読取りヘッド82が、前段で書込まれた券データを読取り、書込み内容に誤りがないか否かを確認するいわゆるベリファイチェックを実行する。そして、書込み内容に誤りがないと確認した正常な券紙を共通搬送路6により放出口7に搬送させる。
【0044】
共通搬送路6は、一対の無端搬送ベルト61、62により構成されている。一方の無端搬送ベルト61は、モータ27により無端ベルト28を介して回転駆動力が付与された駆動プーリ29により作動するようになっている。そして、無端搬送ベルト61と、この無端搬送ベルト61に対して圧接された他方の無端搬送ベルト62との協働により、券紙を、エンコード処理部8等所定の部位を経由しながら放出口7まで搬送する。
【0045】
ところで、発券装置1においては、図1に示すように、ロール紙AまたはBの搬送経路に沿って複数のセンサSE1〜SE5が配設されている。このうち、センサSE1は、送りローラ9及びタッチローラ10の前記上流側に配設された紙装填検知センサであり、保持部3からロール紙Aが送り出し可能な状態であることを検知するものである。
【0046】
また、センサSE2は、送りローラ13及びタッチローラ14の前記上流側に配設された紙装填検知センサであり、保持部4からロール紙Bが送り出し可能な状態であることを検知するものである。
【0047】
また、センサSE3は、合流部54の近傍に配設されたロール紙先端検知センサであり、合流部54においてロール紙AまたはBの先端が到達したことを検知するものである。
【0048】
また、センサSE4は、エンコード処理部8を構成する書込みヘッド81の前記上流側に配設された磁気書込みタイミングセンサであり、印字処理が施された後の券紙が書込みヘッド81の近傍まで搬送されたことを検知するものである。
【0049】
また、センサSE5は、放出口7の近傍に配設された放出口センサであり、放出口7にて放出された券紙の有無に基づいて、利用者が券紙を放出口7から抜き取ったか否かを検知するものである。
【0050】
また、本実施形態では、図1〜図4に示すように、幅寄せガイド部53の途中において、2つのレバー部材30、31と、2つのセンサSE6、SE7とが配設されている。
【0051】
レバー部材30、31は、図2〜図4に示すように、それぞれレバー本体30a、31aと、該レバー本体30a、31aの一端側に取付けられた検知ローラ30b、31bとから構成され、回動軸32、33により回動可能に支持されている。
【0052】
レバー部材30は、図2に示すように幅寄せガイド部53においてロール紙Aがループ形状をなすループ部の上流側端部P1及び下流側端部P2と対向する頂部P3よりも下流側に配設されている。そして、このレバー部材30は、前記ループ部のループ内面側に配設され、検知ローラ30bが、幅寄せガイド部53のループ内側のガイド面53a(ガイド面51aの一部)に設けられた穴(不図示)より突出してガイド面53bの内周面に当接している。
【0053】
また、検知ローラ30bは、特に図3に示すように、前記ループ部においてその中心部P0から見てロール紙Aが最も上流側に突出する部位P4に対応する位置に配設されている。
【0054】
また、レバー部材31の検知ローラ31bは、前記頂部P3よりも前記上流側に配設されている。そして、このレバー部材31は、前記ループ部のループ外面側に配設され、検知ローラ31bが、幅寄せガイド部53のループ外側のガイド面53b(ガイド面51bの一部)に設けられた穴(不図示)より突出してガイド面53aの外周面に当接している。
【0055】
また、検知ローラ31bは、特に図3に示すように、前記ループ部においてその中心部P0から見てロール紙Aが最も下流側に突出する部位P5に対応する位置に配設されている。
【0056】
また、検知ローラ30b、31bは、特に図4に示すように、ロール紙Aの幅方向において、前記ループ部の外側端部に対応する位置に配設されている。
【0057】
また、レバー本体30a、31aの他端側には、図2、図3に示すように、扇形をなす遮光部30c、31cが形成されており、それぞれレバー部材30、31の回動に伴って、センサSE6、SE7に対し進退可能に配置されている。
【0058】
ここで、センサSE6、SE7は、図4に示すように、投光部SE6a、SE7a及び受光部SE6b、SE7bを備えた光学式のセンサとされている。遮光部30cは、投光部SE6aと受光部SE6bとの間の隙間に対し進退可能とされ、遮光部31cは、投光部SE7aと受光部SE7bとの間の隙間に対し進退可能とされている。
【0059】
ところで、本実施形態では、例えば、送りローラ9及びタッチローラ10(図1参照)の送り出しによるロール紙Aの搬送速度(以下、搬送速度V1と定義する)が、定寸送りローラ18及びタッチローラ19(図1参照)の送り出しによるロール紙Aの搬送速度(以下、搬送速度V2と定義する)よりも低速となった時、ロール紙Aは、幅寄せガイド部53において定寸送りローラ18及びタッチローラ19が配設された前記下流側に引張られる状態となり、ロール紙Aの前記ループ部には張りが発生する。そして、ロール紙Aのループ形状は、図5、図6に示すように、ガイド面53aを締め付けるように変形する。
【0060】
この時、前記ループ部の部位P4では、図示のように、ロール紙Aがガイド面53a側、即ちループの径方向内側に変位する。ここで、検知ローラ30bは、ロール紙Aに対し積極的に押圧力を付与しない程度に当接しており、それ故に、レバー部材30では、ロール紙Aの部位P4の前記変位に伴い、検知ローラ30bもループの径方向内側に押圧される。その結果、検知ローラ30bは、ガイド面53aに設けられた前記穴を通ってループの径方向内側に変位し、これにより、レバー部材30は、図5において二点鎖線で示す通常状態から反時計方向に回動して、実線で示す状態になる。
【0061】
このように、レバー部材30が回動すると、遮光板30cが、センサSE6の投光部SE6aと受光部SE6bとの間の隙間に進出する。この時、センサSE6では、投光部6aからの光が遮光板30cにより遮光されるため、これに基づいてレバー部材30の回動を検知できる。本実施形態では、レバー部材30の回動をセンサSE6にて検知することにより、ロール紙Aの変形を検知でき、その結果、前記ループ部の張り状態を検知できるようになっている。
【0062】
また、例えば、ロール紙Aの前記搬送速度V1が、前記搬送速度V2よりも高速となった時、幅寄せガイド部53では、送りローラ9及びタッチローラ10が配設された前記上流側からロール紙Aが過剰に供給される状態となり、ロール紙Aの前記ループ部には弛みが発生する。
【0063】
この時、前記ループ部の部位P5では、図示のように、ロール紙Aがガイド面53b側、即ちループの径方向外側に変位する。ここで、検知ローラ31bは、ロール紙Aに対し積極的に押圧力を付与しない程度に当接しており、それ故に、レバー部材31では、ロール紙Aの部位P5の前記変位に伴い、検知ローラ31bもループの径方向外側に押圧される。その結果、検知ローラ31bは、ガイド面53bに設けられた前記穴を通ってループの径方向外側に変位し、これにより、レバー部材31は、図7において二点鎖線で示す通常状態から反時計方向に回動して、実線で示す状態になる。
【0064】
このように、レバー部材31が回動すると、遮光板31cが、センサSE7の投光部SE7aと受光部SE7bとの間の隙間に進出する。この時、センサSE7では、投光部7aからの光が遮光板31cにより遮光されるため、これに基づいてレバー部材31の回動を検知できる。本実施形態では、レバー部材31の回動をセンサSE7にて検知することにより、ロール紙Aの変形を検知でき、その結果、前記ループ部の弛み状態を検知できるようになっている。
【0065】
図9は、発券装置のブロック図である。CPU100には、図示のように、メモリ101が接続される他、第1のインターフェース102を介して、モータ11、15、20、25、27、センサSE1〜SE7、及びカッタ17が接続され、第2のインターフェース103を介してサーマルヘッド23及び、エンコード処理部8(具体的には、書込みヘッド81と読取りヘッド82)が接続されている。
【0066】
CPU100は、メモリ101に記憶されたプログラムに従って、モータ11、15、20、25、27、カッタ17、サーマルヘッド23、及びエンコード処理部8の制御動作を実行する。また、メモリ101は、券データ等のデータを読出し可能に記憶している。
【0067】
また、CPU100は、センサSE1によりロール紙Aが検知された時、保持部3(図1参照)からロール紙Aが送り出し可能な状態であると判定し、発券装置1にて利用者により発券を要求する所定の操作がなされた時には、モータ11の駆動制御を実行して、送りローラ9及びタッチローラ10によるロール紙Aの送り出し動作を実行させる。
【0068】
また、CPU100は、センサSE2によりロール紙Bが検知された時、保持部4(図1参照)からロール紙Bが送り出し可能な状態であると判定し、発券装置1にて利用者により前記所定の操作がなされた時には、モータ15の駆動制御を実行して、送りローラ13及びタッチローラ14によるロール紙Bの送り出し動作を実行させる。
【0069】
また、CPU100は、センサSE3によりロール紙AまたはBの先端が検知された時、定寸送りローラ18の駆動開始タイミング、カッタ17の作動タイミング、サーマルヘッド23における印字処理の開始タイミング、及び共通搬送路6の無端搬送ベルト61、62による券紙の搬送開始タイミングを判定し、この判定結果に基づき、モータ20、カッタ17、サーマルヘッド23、プラテンローラ24駆動用のモータ25、及び無端搬送ベルト61、62駆動用のモータ27の駆動制御を実行する。
【0070】
また、CPU100は、センサSE4により券紙が検知された時、書込みヘッド81における磁気データの書込みタイミングを判定し、この判定結果に基づいてエンコード処理部8の駆動制御を実行する。
【0071】
また、CPU100は、センサSE5により券紙を検知した状態から券紙を検知しない状態に切り替わった時、利用者によって券紙が適切に抜き取られたと判定するようになっている。
【0072】
また、本実施形態では、センサSE6によりレバー部材30の遮光部30c(図2等参照)の進出が検知された時、CPU100は、センサSE6の前記検知結果に基づき幅寄せガイド部53(図1等参照)においてロール紙Aの前記ループ部に張りが発生したものと判定する。そして、モータ11の回転速度、つまりは送りローラ9及びタッチローラ10によるロール紙Aの送り出し速度を、通常運転時よりも高速になるように変更制御し、幅寄せガイド部53の前記上流側におけるロール紙Aの搬送速度が通常運転時よりも高速になるように変更する。
【0073】
そして、CPU100は、送りローラ9及びタッチローラ10の送り出し速度を高速に変更制御する一方で、モータ20の回転速度、つまりは定寸送りローラ18及びタッチローラ19の送り出し速度を保持するように制御することで、幅寄せガイド部53の前記上流側と前記下流側との間におけるロール紙Aの搬送速度差を低減し、ロール紙Aの張りを抑制するようにしている。
【0074】
また、センサSE7によりレバー部材31の遮光部31c(図2等参照)の進出が検知された時、CPU100は、センサSE7の前記検知結果に基づき幅寄せガイド部53においてロール紙Aの前記ループ部に弛みが発生したものと判定する。そして、モータ11の回転速度、つまりは送りローラ9及びタッチローラ10によるロール紙Aの送り出し速度を、通常運転時よりも低速になるように変更制御し、幅寄せガイド部53の前記上流側におけるロール紙Aの搬送速度が通常運転時よりも低速になるように変更する。
【0075】
そして、CPU100は、送りローラ9及びタッチローラ10の送り出し速度を低速に変更制御する一方で、モータ20の回転速度、つまりは定寸送りローラ18及びタッチローラ19の送り出し速度を保持するように制御することで、幅寄せガイド部53の前記上流側と前記下流側との間におけるロール紙Aの搬送速度差を低減し、ロール紙Aの弛みを抑制するようにしている。
【0076】
次に、図10に示すフローチャートとともに、本実施形態に係る発券装置1の動作について説明する。
CPU100は、利用者により発券を要求する所定の操作がなされたか否かを監視している(ステップS1)。CPU100は、前記所定の操作がなされたと判定すると(ステップS1:YES)、センサSE1の検知結果に基づき、保持部3からロール紙Aが送り出し可能な状態であるか否かを判定し(ステップS2)、前記所定の操作がなされていないと判定した場合には(ステップS1:NO)、ステップS1の処理を継続する。
【0077】
ステップS2において、CPU100は、ロール紙Aが送り出し可能な状態であると判定すると(ステップS2:YES)、モータ11、20を予め設定された所定の回転速度に駆動制御して通常運転を開始させ、ロール紙Aの送り出しを開始させる(ステップS3)。
【0078】
次に、モータ11、20が通常運転を開始すると、CPU100は、幅寄せガイド部53のセンサSE6がONしたか否か、即ちレバー部材30の遮光板30cがセンサSE6へ進出したことを検知したか否かを判定する(ステップS4)。
【0079】
ここで、センサSE6がONの状態、即ち遮光板30cのセンサSE6への進出を検知した時(ステップS4:YES)、CPU100は、幅寄せガイド部53において前記ループ部に張りが発生したと判定し、モータ11の回転速度を通常運転時よりも高速になるように変更制御する(ステップS5)。また、ステップS5では、CPU100が、モータ20の回転速度を、前記通常運転時の所定の回転速度のまま保持するように制御する。
【0080】
そして、CPU100は、カッタ17にてロール紙Aの切断処理が施された後に生成される券紙の寸法が所定の長さになる程度までロール紙Aが搬送されたか否か、即ちロール紙Aの定寸送りが終了したか否かを判定している(ステップS6)。
【0081】
この時、定寸送りが終了していなければ(ステップS6:NO)、CPU100は、引き続きセンサSE6の検知結果に基づいて前記ループ部における張りの発生の有無を判定する(ステップS7)。
【0082】
ここで、センサSE6のON状態が解消された時、即ち、遮光板30cがセンサSE6から退避したことを検知した時(ステップS7:NO)、CPU100は、前記ループ部の張り状態が解消されたものと判定する。そして、この時、モータ11の回転速度が前記所定の回転速度になるように制御し、通常運転の状態に戻す(ステップS8)。一方、センサSE6のON状態が継続していた時には(ステップS7:YES)、CPU100は、前記ループ部の張り状態が解消されていないものと判定してステップS5に戻り、モータ11の回転速度を高速のまま保持する。そして、ステップS7にてセンサSE6のON状態が解消されるか、またはステップS6において定寸送り終了を判定するまで(ステップS6:YES)、ステップS5〜S7の処理を繰り返す。
【0083】
また、ステップS6において、定寸送り終了を判定するか(ステップS6:YES)、またはステップS8においてモータ11が通常運転状態とされた後、CPU100が定寸送り終了を判定すると(ステップS9:YES)、CPU100は、モータ11、20を停止制御する(ステップS10)。
【0084】
一方、ステップS9において、定寸送りが終了していないと判定した時には(ステップS9:NO)、CPU100は、ステップS4に戻り、ステップS6、またはステップS9において、定寸送り終了を判定するまでステップS4〜ステップS9の処理を繰り返す。
【0085】
ステップS10において、モータ11、20を停止制御すると、CPU100は、カッタ17を作動させ、定寸送り終了後ガイド部22上に搬送されたロール紙Aを切断処理させる(ステップS11)。そして、サーマルヘッド23及びモータ25を制御して、切断後に生成された券紙に対する印字処理を実行させる(ステップS12)。
【0086】
次に、CPU100は、センサSE4における券紙の検知結果に基づいてエンコード処理部8を制御し、印字処理が施された券紙に対して磁気エンコード処理を実行させる(ステップS13)。そして、印字処理及びエンコード処理が施された券紙を放出口7にて放出させ(ステップS14)、発券装置1における一連の処理を終了する。
【0087】
ところで、上述したステップS4において、センサSE6がONの状態ではなく、即ち遮光板30cのセンサSE6への進出を検知しなかった時には(ステップS4:NO)、CPU100は、幅寄せガイド部53において前記ループ部には張りが発生していないと判定する。そして、幅寄せガイド部53のセンサSE7がONしたか否か、即ちレバー部材31の遮光板31cがセンサSE7へ進出したことを検知したか否かを判定する(ステップS15)。
【0088】
ここで、センサSE7がONの状態、即ちレバー部材31の遮光板31cのセンサSE7への進出を検知した時(ステップS15:YES)、CPU100は、幅寄せガイド部53において前記ループ部に弛みが発生したと判定し、モータ11の回転速度を通常運転時よりも低速になるように変更制御する(ステップS16)。また、ステップS16では、CPU100が、モータ20の回転速度を、前記通常運転時の所定の回転速度のまま保持するように制御する。
【0089】
そして、CPU100は、ロール紙Aの定寸送りが終了したか否かを判定し(ステップS17)、この時、定寸送りが終了していなければ(ステップS17:NO)、CPU100は、引き続きセンサSE7の検知結果に基づいて前記ループ部における弛みの発生の有無を判定する(ステップS18)。
【0090】
ここで、センサSE7のON状態が解消された時、即ち、遮光板31cがセンサSE7から退避したことを検知した時(ステップS18:NO)、CPU100は、前記ループ部の弛み状態が解消されたものと判定する。そして、この時、モータ11の回転速度が前記所定の回転速度になるように制御し、通常運転の状態に戻した上で(ステップS8)、上述したステップS9以降の処理を実行する。一方、センサSE7のON状態が継続していた時には(ステップS18:YES)、CPU100は、前記ループ部の弛み状態が解消されていないものと判定してステップS16に戻り、モータ11の回転速度を低速のまま保持する。
【0091】
そして、ステップS18にてセンサSE7のON状態が解消されるか、またはステップS17において定寸送り終了を判定するまで(ステップS17:YES)、ステップS16〜S18の処理を繰り返す。
【0092】
ここで、ステップS17において、CPU100が定寸送り終了を判定するか(ステップS17:YES)、またはステップS8においてモータ11が通常運転状態とされた後、CPU100が定寸送り終了を判定すると(ステップS9:YES)、CPU100は、モータ11、20を停止制御し(ステップS10)、その後、ステップS11以降の処理を実行する。
【0093】
なお、上述したステップS15において、センサSE7がON状態ではない時、即ち遮光板31cのセンサSE7への進出を検知しなかった時には(ステップS15:NO)、CPU100は、幅寄せガイド部53において前記ループ部には弛みが発生していないと判定する。そして、ステップS8に移行し、CPU100は、モータ11の回転速度を通常運転時のまま保持されるように制御する。
【0094】
また、CPU100は、上述したステップS2において、ロール紙Aが送り出し可能な状態でないと判定すると(ステップS2:NO)、モータ15、20を予め設定された前記所定の回転速度に制御して通常運転を開始させ、ロール紙Bの送り出しを開始させる(ステップS19)。
【0095】
そして、CPU100は、ロール紙Bの定寸送りが終了したか否かを判定する(ステップS20)。この時、定寸送り終了を判定しなければ(ステップS20:NO)、CPU100は、ステップS19に戻り、モータ15、20の通常運転状態を保持する一方、定寸送り終了を判定すると(ステップS20:YES)、モータ15、20を停止制御し(ステップS21)、その後ステップS11以降の処理を実行する。
【0096】
ところで、前記特許文献2では、ロール紙の搬送経路上における張り状態の検知に基づき、ロール紙に弛みを発生させるものが開示されているが、本実施形態のように、ループ形状をなすようにロール紙Aをガイドする場合、単にロール紙Aに弛みを発生させるだけでは、ロール紙Aにしわが形成されたり、券紙の券長が所定よりも長くなったりする虞がある。
【0097】
さらに、前記特許文献2に開示された技術では、ロール紙の弛み状態を検知する手段、及び弛み状態の検知に基づいてロール紙の搬送速度を変更する手段が備えられていない。このため、上述したようにロール紙Aにしわが形成されたり、券紙の券長が所定よりも長くなったりするといった不都合を防止できない。
【0098】
本実施形態では、幅寄せガイド部53の途中で、ロール紙Aの前記ループ部における張り状態を検知するレバー部材30及びセンサSE6、前記ループ部における弛み状態を検知する検知レバー31及びセンサSE7を配設したことにより、前記ループ部にて発生した張り状態及び弛み状態を確実に検知することができる。
【0099】
そして、この検知結果に基づき、モータ11の回転速度、つまりは送りローラ9及びタッチローラ10の送り出し速度を変更して、幅寄せガイド部53の前記上流側におけるロール紙Aの搬送速度V1を変更することで、ロール紙Aの張りや弛みを確実に抑制でき、その結果、ロール紙Aの張りに起因する搬送負荷の増大や、ロール紙Aの弛みに起因するしわの発生を防止し、さらにはロール紙Aの切断後に生成される券紙の券長を安定化させることができる。
【0100】
また、本実施形態において、ロール紙Aの前記ループ部に張りが発生した時には、搬送速度V2が相対的に高速な前記下流側にロール紙Aが引張られた状態になっているために、前記ループ部では、図5、図6に示すように、前記頂部P3より前記下流側の部位のほうが、前記上流側の部位に比べて変化(変形に伴う変位量)が大きい。
【0101】
従って、本実施形態のように、レバー部材30及びセンサSE6を、上記頂部P3よりも前記下流側に配設したことにより、張りが発生した時のロール紙Aの変形をより確実に検知でき、結果として前記ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
【0102】
また、前記ループ部に張りが発生した時には、前記下流側端部P2と前記頂部P3との間において、ロール紙Aが最も上流側に突出する前記部位P4の変位量d1(図5参照)が、例えば、前記頂部P3における変位量d2(図5参照)に比べて大きく、前記ループ部において変位量は最大となる。このため、前記部位P4に対応する位置に検知ローラ30bを配設し、部位P4における張りを検知可能としたことにより、前記ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
【0103】
また、前記ループ部に張りが発生した時には、ロール紙Aが図示のように前記ループ部の径方向内側に向かって変位するため、レバー部材30の検知ローラ30bを、前記ループ部のループ内面側に配設したことにより、前記ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
【0104】
また、前記ループ部に弛みが発生した時には、搬送速度V2が相対的に高速な前記上流側からロール紙Aが過剰に供給される状態となっているために、前記ループ部では、図7、図8に示すように、前記頂部P3より前記上流側の部位のほうが、前記下流側の部位に比べて変化(変形に伴う変位量)が大きい。
【0105】
従って、本実施形態のように、レバー部材31及びセンサSE7を、前記頂部P3よりも前記上流側に配設したことにより、弛みが発生した時のロール紙Aの変形をより確実に検知でき、結果として前記ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0106】
また、前記ループ部に弛みが発生した時には、前記上流側端部P1と前記頂部P3との間において、ロール紙Aが最も下流側に突出する前記部位P5の変位量d3(図7参照)が、例えば、前記頂部P3における変位量d4(図7参照)に比べて大きく、前記ループ部において変位量は最大となる。このため、部位P5に対応する位置に検知ローラ31bを配設し、部位P5における張りを検知可能としたことにより、前記ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0107】
また、前記ループ部に弛みが発生した時には、ロール紙Aが図示のように前記ループ部の径方向外側に向かって変位するため、レバー部材31の検知ローラ31bを、前記ループ部のループ外面側に配設したことにより、前記ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0108】
また、前記ループ部に張りや弛みが発生した時、ロール紙Aの幅方向においては、特に図6、図8に示すように、前記ループ部の外側端部の変位量が最大となる。このため、本実施形態のように、前記ループ部の幅方向外側端部に対応する位置に検知ローラ30b及び31bを配設し、前記幅方向外側端部における張り状態及び弛み状態を検知可能としたことにより、前記ループ部の張り状態や弛み状態をより確実に検知することができる。
【0109】
ところで、本発明では、例えば、図10のステップS16において、モータ11の回転速度が通常運転時よりも低速になるように制御する代わりに、モータ20の回転速度が通常運転時よりも高速になるように制御することで、前記ループ部における弛みを抑制することも可能である。
【0110】
しかしながら、本実施形態に係る発券装置1では、券紙を連続的に発券する際、発券処理の効率化を図るべく、サーマルヘッド23による券紙への印字処理と同時に、次に発券する券紙用のロール紙A(またはB)を送り出すようにモータ11(モータ15)を駆動制御する場合があり、この場合、上述したようにモータ20の回転速度を高速制御可能に構成すると、以下に述べるような問題がある。
【0111】
例えば、幅寄せガイド部53において前記ループ部に弛みが発生した時に、モータ20の回転速度が高速になるように制御すると、券紙の印字処理と同時にロール紙Aを送り出している状態では、定寸送りローラ18及びタッチローラ19による送り出しのペースが所定よりも速まることによって、新たに送り出されたロール紙Aの先端部が、印字処理中の券紙(カッタ17に切断されたロール紙Aの紙片)の端部に衝突し、干渉する虞がある。
【0112】
本実施形態では、CPU100が、ガイド部材5の前記上流側、つまりは幅寄せガイド部53の前記上流側の送りローラ9及びタッチローラ10の送り出し速度のみを変更するように制御し、ガイド部材5の前記下流側、つまりは幅寄せガイド部53の前記下流側の定寸送りローラ18及びタッチローラ19に対しては、その送り出し速度を保持するように制御することで、ロール紙Aの先端部がサーマルヘッド23における印字処理に悪影響を及ぼすといった不都合を防止しつつ、前記ループ部の張り及び弛みを抑制することができる。
【0113】
なお、本実施形態に係る発券装置1は、例えば、交通機関の普通乗車券や回数乗車券等を発券する自動券売機や、精算後に精算項目を表示するレシートを発券するレシート発行機、または駐車場発券機等に適用することができる。
【0114】
また、上述した実施形態では、2つのロール紙A、Bを並列に配設した発券装置1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、予め所定の券長に成形された板状の媒体に所定の印字処理及びエンコード処理が施される定期乗車券等の発券と、ロール紙による発券とを併用する発券装置に本発明を適用してもよい。
【0115】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、ロール紙状態検知手段は、レバー部材30、31、及びセンサSE6、SE7に対応し、
以下同様に、
搬送速度制御手段は、ステップS5、S16を実行するCPU100に対応し、
第1検知部材は、レバー部材30及びセンサSE6に対応し、
第2検知部材は、レバー部材31及びセンサSE7に対応し、
第1の送り出し手段は、送りローラ9、タッチローラ10、及びモータ11に対応し、
第2の送り出し手段は、定寸送りローラ18、タッチローラ19、及びモータ20に対応し、
印字手段は、サーマルヘッド23に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0116】
1…発券装置
9…送りローラ
10、19…タッチローラ
11、20…モータ
18…定寸送りローラ
23…サーマルヘッド
30、31…レバー部材
53…幅寄せガイド部
100…CPU
A、B…ロール紙
SE6、SE7…センサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながらこれを幅寄せする幅寄せガイド部を備えた発券装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発券装置においては、券紙の材料となるロール紙を2つ並列に格納し、一方のロール紙を使い切ると、他方のロール紙を送り出すようにして、ロール紙の供給サイクルを長くすることが行われている。
【0003】
また、このような発券装置に関し、下記特許文献1では、2つのロール紙のうちいずれか一方のロール紙を搬送するにあたり、搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながらこれを他方のロール紙の搬送経路に向けて幅寄せする幅寄せガイド部を備えたものが開示されている。
【0004】
この場合、上述した幅寄せガイド部により、各ロール紙の搬送経路をその搬送方向下流側で合流させて共通化することができ、その結果、1組の印字手段及び磁気エンコード手段を共用することができるという利点がある。
【0005】
しかしながら、上述した幅寄せガイド部を備えた発券装置においては、例えば、幅寄せガイド部のロール紙搬送方向上流側におけるロール紙の搬送速度が、ロール紙搬送方向下流側における搬送速度よりも低速である場合、ロール紙のループ形状は、幅寄せガイドを締め付けるように変形してしまう。
【0006】
そして、この場合、幅寄せガイド部によりガイドされているロール紙には、張りが生じる。このため、幅寄せガイド部を通過した後のロール紙を所定の券長に切断するカッタにおいては、ロール紙の張りに起因する搬送負荷によって所定長さよりも短いロール紙が供給されることになり、その結果、カッタによりロール紙が切断された後生成される券紙の券長が所定よりも短くなるという問題が生じていた。
【0007】
また、幅寄せガイド部の前記上流側におけるロール紙の搬送速度が、前記下流側における搬送速度よりも高速である場合、幅寄せガイド部によりガイドされているロール紙には、弛みが生じる。
【0008】
この場合、ロール紙の弛みは、幅寄せガイド部によって規制されることとなるが、その一方で、前記下流側に送り出されるロール紙の量よりも上流側から送込まれる量のほうが多いために、幅寄せガイド部では、ロール紙が上流側から送込まれる新たなロール紙により押される状態となる。このため、幅寄せガイド部においては、ロール紙の弛みの増大に伴い、該ロール紙にしわが形成されるという問題が生じていた。
【0009】
そして、カッタにおいては、上述したようにロール紙が上流側から押される状態となることによって、所定長さよりも長いロール紙が供給されることになり、その結果、カッタによりロール紙が切断された後生成される券紙の券長が所定よりも長くなるという問題が生じていた。
【0010】
ところで、従来においては、例えば、下記特許文献2に開示されているように、ロール紙の搬送経路上にロール紙の張り状態を検知する検知手段を配設し、該検知手段により張り状態を検知すると、ロール紙の送り出し速度を通常運転時よりも高速になるように変更制御して弛みを生じさせるものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−293713号公報
【特許文献2】特開昭61−78678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記特許文献2に開示されているものは、単にロール紙の搬送経路上における張り状態を検知するに過ぎず、上述したように幅寄せガイド部によりループ形状をなすロール紙の部位(ループ部)の張り状態や弛み状態を正確に検知できるものではない。
【0013】
この発明は、幅寄せガイド部によりガイドされているロール紙の張り状態や弛み状態を正確に検知することにより、ロール紙の搬送速度を適切に制御することを可能にし、ロール紙の張り状態及び弛み状態を確実に抑制して、ロール紙の張りに起因するロール紙の搬送負荷の増大と、ロール紙の弛みに起因するロール紙のしわの発生とを防止し、かつ券紙の券長の安定化を実現できる発券装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながら該ロール紙を幅寄せする幅寄せガイド部を備えた発券装置であって、前記幅寄せガイド部の途中で前記ロール紙の張り状態及び弛み状態を検知するロール紙状態検知手段を備えるとともに、該ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記搬送経路上におけるロール紙の搬送速度を変更する搬送速度制御手段を備えた発券装置であることを特徴とする。
【0015】
前記発券装置は、交通機関の普通乗車券や回数乗車券等を発券する自動券売機や、精算後に精算項目を表示するレシートを発券するレシート発行機、または駐車場発券機等、ロール紙を所定の券長に切断して券紙を発券する装置で構成することができる。
【0016】
搬送速度制御手段は、ロール紙を連続的に搬送するものにおいて、搬送速度を通常運転時に比べて高速または低速に変更する制御手段、あるいは、ロール紙を間欠的に搬送する制御により搬送速度を変更する制御手段により構成することができる。
【0017】
この発明により、幅寄せガイド部にてロール紙がループ形状をなすループ部で発生した張り状態及び弛み状態を確実に検知することができる。そして、この検知結果に基づき、ロール紙の搬送速度を変更することで、ロール紙の張りや弛みを確実に抑制でき、その結果、ロール紙の張りに起因する搬送負荷の増大や、ロール紙の弛みに起因するしわの発生を防止し、さらにはロール紙の切断後に生成される券紙の券長を安定化させることができる。
【0018】
この発明の態様として、前記ロール紙状態検知手段を、前記ロール紙の張り状態を検知する第1検知部材と、前記ロール紙の弛み状態を検知する第2検知部材とにより構成し、前記幅寄せガイド部において前記ロール紙がループ形状をなすループ部の頂部よりも、前記第1検知部材を前記下流側に配設する一方、前記第2検知部材を前記頂部よりも前記上流側に配設した構成とすることができる。
これにより、ループ部に張りが発生した時、頂部よりロール紙搬送方向上流側の部位に比べて変化が大きい前記下流側の部位にて、第1の検知部材がループ部の張り状態を検知でき、その結果、ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
そして、ループ部に弛みが発生した時、頂部よりロール紙搬送方向下流側の部位に比べて変化が大きい前記上流側の部位にて、第2の検知部材がループ部の弛み状態を検知でき、その結果、ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0019】
この発明の態様として、前記ループ部において前記ロール紙が最も前記上流側に突出する部位の張り状態を検知する位置に前記第1検知部材を配設する一方、前記ループ部において前記ロール紙が最も前記下流側に突出する部位の弛み状態を検知する位置に前記第2検知部材を配設した構成とすることができる。
これにより、ループ部に張り及び弛みが発生した時、該ループ部において変化が最大となる部位にて、第1、第2の検知部材がループ部の張り状態及び弛み状態を検知でき、その結果、ループ部の張り状態及び弛み状態をより確実に検知することができる。
【0020】
この発明の態様として、前記第1検知部材を、前記ループ部のループ内面側に配設する一方、前記第2検知部材を、前記ループ部のループ外面側に配設した構成とすることができる。
これにより、ループ部に張りが発生した時、ループ部の径方向内側に向かってロール紙が変位する状態を第1の検知部材により確実に検知でき、その結果ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
そして、ループ部に弛みが発生した時、ループ部の径方向外側に向かってロール紙が変位する状態を第2の検知部材により確実に検知でき、その結果ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0021】
この発明の態様として、前記ループ部の幅方向外側端部の張り状態及び弛み状態を検知する位置に、前記第1、第2検知部材を配設した構成とすることができる。
これにより、ロール紙の幅方向において変化が最大となるループ部の外側端部にて、第1、第2の検知部材がループ部の張り状態及び弛み状態を検知でき、その結果、ループ部の張り状態及び弛み状態をより確実に検知することができる。
【0022】
この発明の態様として、前記幅寄せガイド部の前記上流側及び前記下流側には、それぞれ前記ロール紙の搬送にあたりこれを前記下流側に送り出す第1、第2の送り出し手段を備えるとともに、該第2の送り出し手段の前記下流側には、前記第1、第2の送り出し手段により送り出された前記ロール紙に対し印字処理を施す印字手段を備え、前記搬送速度制御手段は、前記ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記第1の送り出し手段の送り出し速度を変更し、前記幅寄せガイド部の前記上流側におけるロール紙の搬送速度を変更する制御を実行する一方、前記第2の送り出し手段の送り出し速度を保持し、前記幅寄せガイド部の前記下流側におけるロール紙の搬送速度を保持する制御を実行する構成とすることができる。
これにより、第2の送り出し手段の送り出し速度が変更されることに起因して、ロール紙の先端部が印字手段における印字処理に悪影響を及ぼすといった不都合を防止しつつ、ループ部の張り及び弛みを抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明により、幅寄せガイド部によりガイドされているロール紙の張り状態や弛み状態を正確に検知することにより、ロール紙の搬送速度を適切に制御することを可能にし、ロール紙の張り状態及び弛み状態を確実に抑制して、ロール紙の張りに起因するロール紙の搬送負荷の増大と、ロール紙の弛みに起因するロール紙のしわの発生とを防止し、かつ券紙の券長の安定化を実現できる発券装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の実施形態に係る発券装置を示す概略側面図。
【図2】幅寄せガイド部を示す要部拡大側面図。
【図3】レバー部材及びセンサの配置を説明するための側面図。
【図4】レバー部材及びセンサの配置を説明するための平面図。
【図5】幅寄せガイド部においてロール紙に張りが発生した状態を示す側面図。
【図6】幅寄せガイド部においてロール紙に張りが発生した状態を示す平面図。
【図7】幅寄せガイド部においてロール紙に弛みが発生した状態を示す側面図。
【図8】幅寄せガイド部においてロール紙に弛みが発生した状態を示す平面図。
【図9】発券装置のブロック図。
【図10】発券装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る発券装置1を示す概略側面図である。発券装置1は、主に該発券装置1を構成するフレーム2の内部に、所定長さ巻回してなるロール紙A、Bを左右(図1の前後)に並列に保持する2組の保持部3、4と、該保持部3、4から送り出されるロール紙A、Bを所定の搬送経路に沿ってそれぞれガイドするロール紙搬送ガイド部材5(以下、ガイド部材5と略記する。)と、該ガイド部材5によりガイドされたロール紙A、Bに共通の共通搬送路6と、ロール紙AまたはBを所定の券長に切断することにより生成された券紙に券データとしての磁気データを書込み、且つその磁気データを読取るいわゆるエンコード処理を施してから放出口7に券紙を放出するエンコード処理部8とを備えている。
【0026】
上述の各保持部3、4には、ロール紙A、Bが送り出し可能にそれぞれ保持されている。そのうち、ロール紙Aは、一対の送りローラ9、タッチローラ10の間を通され、これら送りローラ9及びタッチローラ10の回転により、保持部3からロール紙搬送方向下流側(以下、下流側と略記する。)のガイド部材5に送り出される。
【0027】
ここで、送りローラ9は、モータ11により無端ベルト12を介して回転駆動力が付与されている。この送りローラ9及びこれに対向するタッチローラ10を回転させると、両ローラ9、10間のロール紙Aがガイド部材5に送り出される。
【0028】
また、ロール紙Bは、一対の送りローラ13、タッチローラ14の間を通され、これら送りローラ13及びタッチローラ14の回転により、保持部4から前記下流側のガイド部材5に送り出される。
【0029】
ここで、送りローラ13は、モータ15により無端ベルト16を介して回転駆動力が付与されている。この送りローラ13及びこれに対向するタッチローラ14を回転させると、両ローラ13、14間のロール紙Bがガイド部材5に送り出される。
【0030】
ガイド部材5は、ロール紙Aの位置をその両面で規制すべく、所定隙間を隔てて互いに平行に延びるガイド面51a、51bを有した第1ガイド部51と、ロール紙Bの位置をその両面で規制すべく、所定隙間を隔てて互いに平行に延びるガイド面52a、52bを有した第2ガイド部52とから構成されている。
【0031】
ロール紙Aは、第1ガイド部51のガイド面51a、51bの間の隙間を通過することにより、この隙間に形成される所定の搬送経路に沿ってガイドされる。ロール紙Bは、ガイド面52a、52bの間の隙間を通過することにより、この隙間に形成される所定の搬送経路に沿ってガイドされる。
【0032】
また、ロール紙Bに対応する第2ガイド部52は、幅方向において、共通搬送路6に対し同一ライン上の位置に設定される。ロール紙Aに対応する第1ガイド部51は、共通搬送路6に向けてロール紙Aを幅寄せガイドするように構成されている。
【0033】
具体的には、第1ガイド部51では、図1〜図4に示すように、その長手方向の途中に、ガイド面51a、51bの一部がループ形状をなす幅寄せガイド部53が形成されている。
【0034】
そして、幅寄せガイド部53より保持部3、4(図1参照)側、即ちロール紙搬送方向上流側(以下、上流側と略記する。)では、第1、第2ガイド部51、52が幅方向において並列に配置される。幅寄せガイド部53より共通搬送路6(図1参照)側、即ち前記下流側では、幅寄せガイド部53のループ形状により、第1ガイド部51が第2ガイド部52側に幅寄せされ、互いが上下方向に重なるように配置されている。
【0035】
このため、第2ガイド部52に沿ってガイドされたロール紙Bは、前記下流側に略真っ直ぐ搬送される。第1ガイド部51に沿ってガイドされたロール紙Aは、幅寄せガイド部53により形成された搬送経路上にてループ形状をなすようにガイドされながら幅寄せされ、第2ガイド部52の上方位置にて前記下流側に搬送されるようになっている。
【0036】
また、ガイド部材5には、図1に示すように、幅寄せガイド部53の前記下流側において、第1、第2ガイド部51、52の前記下流側端部が合流する合流部54が形成されている。第1、第2ガイド部51、52によりガイドされたロール紙A、Bは、いずれも合流部54を通り、ガイド部22を通って後述する共通のカッタ17に搬送される。
【0037】
また、ガイド部材5の合流部54の直ぐ下流側には、合流部54から排出されるロール紙AまたはBを前記下流側のカッタ17に送り出すための一対の定寸送りローラ18及びタッチローラ19が配設されている。
【0038】
定寸送りローラ18は、モータ20により無端ベルト21を介して回転駆動力が付与されている。この定寸送りローラ18とこれに対向するタッチローラ19との間にロール紙AまたはBを通した状態で、両ローラ18、19を所定角度回転させると、ロール紙AまたはBが所定の寸法だけカッタ17に送り出される。
【0039】
定寸送りローラ18及びタッチローラ19により送り出されたロール紙AまたはBは、ガイド部22上を搬送される。カッタ17は、ロール紙AまたはBを所定の券長に切断する。そして、定寸送りローラ18及びタッチローラ19の前記下流側であって、且つカッタ17の下流側には、サーマルヘッド23が配設されている。
【0040】
ここで、送りローラ9とタッチローラ10との対、及び定寸送りローラ18とタッチローラ19との対により前記下流側に送り出された後にカッタ17で切断されたロール紙Aの紙片(券紙)や、送りローラ13とタッチローラ14との対、及び定寸送りローラ18とタッチローラ19との対により前記下流側に送り出された後にカッタ17で切断されたロール紙Bの紙片(券紙)に対し、サーマルヘッド23は、所定の券データを印字する。
【0041】
また、サーマルヘッド23に対向する位置には、プラテンローラ24が配設されている。プラテンローラ24は、モータ25により無端ベルト26を介して回転駆動力が付与されており、このプラテンローラ24が、券紙をサーマルヘッド23側に押圧しながら回転駆動することにより、券紙は、印字処理と同時に共通搬送路6に送り出されるようになっている。
【0042】
共通搬送路6には、エンコード処理部8を構成する書込みヘッド81及び読取りヘッド82が配設されており、これらは磁気ヘッドで構成されている。また、これら書込みヘッド81、読取りヘッド82に対応してそれぞれ対向する位置にパッドローラ83、84が配設されている。
【0043】
エンコード処理部8では、いわゆる磁気エンコード処理が実行される。この磁気エンコード処理では、書込みヘッド81が、券紙の磁気面に所定の券データを書込み、且つ、その下流側に配設した読取りヘッド82が、前段で書込まれた券データを読取り、書込み内容に誤りがないか否かを確認するいわゆるベリファイチェックを実行する。そして、書込み内容に誤りがないと確認した正常な券紙を共通搬送路6により放出口7に搬送させる。
【0044】
共通搬送路6は、一対の無端搬送ベルト61、62により構成されている。一方の無端搬送ベルト61は、モータ27により無端ベルト28を介して回転駆動力が付与された駆動プーリ29により作動するようになっている。そして、無端搬送ベルト61と、この無端搬送ベルト61に対して圧接された他方の無端搬送ベルト62との協働により、券紙を、エンコード処理部8等所定の部位を経由しながら放出口7まで搬送する。
【0045】
ところで、発券装置1においては、図1に示すように、ロール紙AまたはBの搬送経路に沿って複数のセンサSE1〜SE5が配設されている。このうち、センサSE1は、送りローラ9及びタッチローラ10の前記上流側に配設された紙装填検知センサであり、保持部3からロール紙Aが送り出し可能な状態であることを検知するものである。
【0046】
また、センサSE2は、送りローラ13及びタッチローラ14の前記上流側に配設された紙装填検知センサであり、保持部4からロール紙Bが送り出し可能な状態であることを検知するものである。
【0047】
また、センサSE3は、合流部54の近傍に配設されたロール紙先端検知センサであり、合流部54においてロール紙AまたはBの先端が到達したことを検知するものである。
【0048】
また、センサSE4は、エンコード処理部8を構成する書込みヘッド81の前記上流側に配設された磁気書込みタイミングセンサであり、印字処理が施された後の券紙が書込みヘッド81の近傍まで搬送されたことを検知するものである。
【0049】
また、センサSE5は、放出口7の近傍に配設された放出口センサであり、放出口7にて放出された券紙の有無に基づいて、利用者が券紙を放出口7から抜き取ったか否かを検知するものである。
【0050】
また、本実施形態では、図1〜図4に示すように、幅寄せガイド部53の途中において、2つのレバー部材30、31と、2つのセンサSE6、SE7とが配設されている。
【0051】
レバー部材30、31は、図2〜図4に示すように、それぞれレバー本体30a、31aと、該レバー本体30a、31aの一端側に取付けられた検知ローラ30b、31bとから構成され、回動軸32、33により回動可能に支持されている。
【0052】
レバー部材30は、図2に示すように幅寄せガイド部53においてロール紙Aがループ形状をなすループ部の上流側端部P1及び下流側端部P2と対向する頂部P3よりも下流側に配設されている。そして、このレバー部材30は、前記ループ部のループ内面側に配設され、検知ローラ30bが、幅寄せガイド部53のループ内側のガイド面53a(ガイド面51aの一部)に設けられた穴(不図示)より突出してガイド面53bの内周面に当接している。
【0053】
また、検知ローラ30bは、特に図3に示すように、前記ループ部においてその中心部P0から見てロール紙Aが最も上流側に突出する部位P4に対応する位置に配設されている。
【0054】
また、レバー部材31の検知ローラ31bは、前記頂部P3よりも前記上流側に配設されている。そして、このレバー部材31は、前記ループ部のループ外面側に配設され、検知ローラ31bが、幅寄せガイド部53のループ外側のガイド面53b(ガイド面51bの一部)に設けられた穴(不図示)より突出してガイド面53aの外周面に当接している。
【0055】
また、検知ローラ31bは、特に図3に示すように、前記ループ部においてその中心部P0から見てロール紙Aが最も下流側に突出する部位P5に対応する位置に配設されている。
【0056】
また、検知ローラ30b、31bは、特に図4に示すように、ロール紙Aの幅方向において、前記ループ部の外側端部に対応する位置に配設されている。
【0057】
また、レバー本体30a、31aの他端側には、図2、図3に示すように、扇形をなす遮光部30c、31cが形成されており、それぞれレバー部材30、31の回動に伴って、センサSE6、SE7に対し進退可能に配置されている。
【0058】
ここで、センサSE6、SE7は、図4に示すように、投光部SE6a、SE7a及び受光部SE6b、SE7bを備えた光学式のセンサとされている。遮光部30cは、投光部SE6aと受光部SE6bとの間の隙間に対し進退可能とされ、遮光部31cは、投光部SE7aと受光部SE7bとの間の隙間に対し進退可能とされている。
【0059】
ところで、本実施形態では、例えば、送りローラ9及びタッチローラ10(図1参照)の送り出しによるロール紙Aの搬送速度(以下、搬送速度V1と定義する)が、定寸送りローラ18及びタッチローラ19(図1参照)の送り出しによるロール紙Aの搬送速度(以下、搬送速度V2と定義する)よりも低速となった時、ロール紙Aは、幅寄せガイド部53において定寸送りローラ18及びタッチローラ19が配設された前記下流側に引張られる状態となり、ロール紙Aの前記ループ部には張りが発生する。そして、ロール紙Aのループ形状は、図5、図6に示すように、ガイド面53aを締め付けるように変形する。
【0060】
この時、前記ループ部の部位P4では、図示のように、ロール紙Aがガイド面53a側、即ちループの径方向内側に変位する。ここで、検知ローラ30bは、ロール紙Aに対し積極的に押圧力を付与しない程度に当接しており、それ故に、レバー部材30では、ロール紙Aの部位P4の前記変位に伴い、検知ローラ30bもループの径方向内側に押圧される。その結果、検知ローラ30bは、ガイド面53aに設けられた前記穴を通ってループの径方向内側に変位し、これにより、レバー部材30は、図5において二点鎖線で示す通常状態から反時計方向に回動して、実線で示す状態になる。
【0061】
このように、レバー部材30が回動すると、遮光板30cが、センサSE6の投光部SE6aと受光部SE6bとの間の隙間に進出する。この時、センサSE6では、投光部6aからの光が遮光板30cにより遮光されるため、これに基づいてレバー部材30の回動を検知できる。本実施形態では、レバー部材30の回動をセンサSE6にて検知することにより、ロール紙Aの変形を検知でき、その結果、前記ループ部の張り状態を検知できるようになっている。
【0062】
また、例えば、ロール紙Aの前記搬送速度V1が、前記搬送速度V2よりも高速となった時、幅寄せガイド部53では、送りローラ9及びタッチローラ10が配設された前記上流側からロール紙Aが過剰に供給される状態となり、ロール紙Aの前記ループ部には弛みが発生する。
【0063】
この時、前記ループ部の部位P5では、図示のように、ロール紙Aがガイド面53b側、即ちループの径方向外側に変位する。ここで、検知ローラ31bは、ロール紙Aに対し積極的に押圧力を付与しない程度に当接しており、それ故に、レバー部材31では、ロール紙Aの部位P5の前記変位に伴い、検知ローラ31bもループの径方向外側に押圧される。その結果、検知ローラ31bは、ガイド面53bに設けられた前記穴を通ってループの径方向外側に変位し、これにより、レバー部材31は、図7において二点鎖線で示す通常状態から反時計方向に回動して、実線で示す状態になる。
【0064】
このように、レバー部材31が回動すると、遮光板31cが、センサSE7の投光部SE7aと受光部SE7bとの間の隙間に進出する。この時、センサSE7では、投光部7aからの光が遮光板31cにより遮光されるため、これに基づいてレバー部材31の回動を検知できる。本実施形態では、レバー部材31の回動をセンサSE7にて検知することにより、ロール紙Aの変形を検知でき、その結果、前記ループ部の弛み状態を検知できるようになっている。
【0065】
図9は、発券装置のブロック図である。CPU100には、図示のように、メモリ101が接続される他、第1のインターフェース102を介して、モータ11、15、20、25、27、センサSE1〜SE7、及びカッタ17が接続され、第2のインターフェース103を介してサーマルヘッド23及び、エンコード処理部8(具体的には、書込みヘッド81と読取りヘッド82)が接続されている。
【0066】
CPU100は、メモリ101に記憶されたプログラムに従って、モータ11、15、20、25、27、カッタ17、サーマルヘッド23、及びエンコード処理部8の制御動作を実行する。また、メモリ101は、券データ等のデータを読出し可能に記憶している。
【0067】
また、CPU100は、センサSE1によりロール紙Aが検知された時、保持部3(図1参照)からロール紙Aが送り出し可能な状態であると判定し、発券装置1にて利用者により発券を要求する所定の操作がなされた時には、モータ11の駆動制御を実行して、送りローラ9及びタッチローラ10によるロール紙Aの送り出し動作を実行させる。
【0068】
また、CPU100は、センサSE2によりロール紙Bが検知された時、保持部4(図1参照)からロール紙Bが送り出し可能な状態であると判定し、発券装置1にて利用者により前記所定の操作がなされた時には、モータ15の駆動制御を実行して、送りローラ13及びタッチローラ14によるロール紙Bの送り出し動作を実行させる。
【0069】
また、CPU100は、センサSE3によりロール紙AまたはBの先端が検知された時、定寸送りローラ18の駆動開始タイミング、カッタ17の作動タイミング、サーマルヘッド23における印字処理の開始タイミング、及び共通搬送路6の無端搬送ベルト61、62による券紙の搬送開始タイミングを判定し、この判定結果に基づき、モータ20、カッタ17、サーマルヘッド23、プラテンローラ24駆動用のモータ25、及び無端搬送ベルト61、62駆動用のモータ27の駆動制御を実行する。
【0070】
また、CPU100は、センサSE4により券紙が検知された時、書込みヘッド81における磁気データの書込みタイミングを判定し、この判定結果に基づいてエンコード処理部8の駆動制御を実行する。
【0071】
また、CPU100は、センサSE5により券紙を検知した状態から券紙を検知しない状態に切り替わった時、利用者によって券紙が適切に抜き取られたと判定するようになっている。
【0072】
また、本実施形態では、センサSE6によりレバー部材30の遮光部30c(図2等参照)の進出が検知された時、CPU100は、センサSE6の前記検知結果に基づき幅寄せガイド部53(図1等参照)においてロール紙Aの前記ループ部に張りが発生したものと判定する。そして、モータ11の回転速度、つまりは送りローラ9及びタッチローラ10によるロール紙Aの送り出し速度を、通常運転時よりも高速になるように変更制御し、幅寄せガイド部53の前記上流側におけるロール紙Aの搬送速度が通常運転時よりも高速になるように変更する。
【0073】
そして、CPU100は、送りローラ9及びタッチローラ10の送り出し速度を高速に変更制御する一方で、モータ20の回転速度、つまりは定寸送りローラ18及びタッチローラ19の送り出し速度を保持するように制御することで、幅寄せガイド部53の前記上流側と前記下流側との間におけるロール紙Aの搬送速度差を低減し、ロール紙Aの張りを抑制するようにしている。
【0074】
また、センサSE7によりレバー部材31の遮光部31c(図2等参照)の進出が検知された時、CPU100は、センサSE7の前記検知結果に基づき幅寄せガイド部53においてロール紙Aの前記ループ部に弛みが発生したものと判定する。そして、モータ11の回転速度、つまりは送りローラ9及びタッチローラ10によるロール紙Aの送り出し速度を、通常運転時よりも低速になるように変更制御し、幅寄せガイド部53の前記上流側におけるロール紙Aの搬送速度が通常運転時よりも低速になるように変更する。
【0075】
そして、CPU100は、送りローラ9及びタッチローラ10の送り出し速度を低速に変更制御する一方で、モータ20の回転速度、つまりは定寸送りローラ18及びタッチローラ19の送り出し速度を保持するように制御することで、幅寄せガイド部53の前記上流側と前記下流側との間におけるロール紙Aの搬送速度差を低減し、ロール紙Aの弛みを抑制するようにしている。
【0076】
次に、図10に示すフローチャートとともに、本実施形態に係る発券装置1の動作について説明する。
CPU100は、利用者により発券を要求する所定の操作がなされたか否かを監視している(ステップS1)。CPU100は、前記所定の操作がなされたと判定すると(ステップS1:YES)、センサSE1の検知結果に基づき、保持部3からロール紙Aが送り出し可能な状態であるか否かを判定し(ステップS2)、前記所定の操作がなされていないと判定した場合には(ステップS1:NO)、ステップS1の処理を継続する。
【0077】
ステップS2において、CPU100は、ロール紙Aが送り出し可能な状態であると判定すると(ステップS2:YES)、モータ11、20を予め設定された所定の回転速度に駆動制御して通常運転を開始させ、ロール紙Aの送り出しを開始させる(ステップS3)。
【0078】
次に、モータ11、20が通常運転を開始すると、CPU100は、幅寄せガイド部53のセンサSE6がONしたか否か、即ちレバー部材30の遮光板30cがセンサSE6へ進出したことを検知したか否かを判定する(ステップS4)。
【0079】
ここで、センサSE6がONの状態、即ち遮光板30cのセンサSE6への進出を検知した時(ステップS4:YES)、CPU100は、幅寄せガイド部53において前記ループ部に張りが発生したと判定し、モータ11の回転速度を通常運転時よりも高速になるように変更制御する(ステップS5)。また、ステップS5では、CPU100が、モータ20の回転速度を、前記通常運転時の所定の回転速度のまま保持するように制御する。
【0080】
そして、CPU100は、カッタ17にてロール紙Aの切断処理が施された後に生成される券紙の寸法が所定の長さになる程度までロール紙Aが搬送されたか否か、即ちロール紙Aの定寸送りが終了したか否かを判定している(ステップS6)。
【0081】
この時、定寸送りが終了していなければ(ステップS6:NO)、CPU100は、引き続きセンサSE6の検知結果に基づいて前記ループ部における張りの発生の有無を判定する(ステップS7)。
【0082】
ここで、センサSE6のON状態が解消された時、即ち、遮光板30cがセンサSE6から退避したことを検知した時(ステップS7:NO)、CPU100は、前記ループ部の張り状態が解消されたものと判定する。そして、この時、モータ11の回転速度が前記所定の回転速度になるように制御し、通常運転の状態に戻す(ステップS8)。一方、センサSE6のON状態が継続していた時には(ステップS7:YES)、CPU100は、前記ループ部の張り状態が解消されていないものと判定してステップS5に戻り、モータ11の回転速度を高速のまま保持する。そして、ステップS7にてセンサSE6のON状態が解消されるか、またはステップS6において定寸送り終了を判定するまで(ステップS6:YES)、ステップS5〜S7の処理を繰り返す。
【0083】
また、ステップS6において、定寸送り終了を判定するか(ステップS6:YES)、またはステップS8においてモータ11が通常運転状態とされた後、CPU100が定寸送り終了を判定すると(ステップS9:YES)、CPU100は、モータ11、20を停止制御する(ステップS10)。
【0084】
一方、ステップS9において、定寸送りが終了していないと判定した時には(ステップS9:NO)、CPU100は、ステップS4に戻り、ステップS6、またはステップS9において、定寸送り終了を判定するまでステップS4〜ステップS9の処理を繰り返す。
【0085】
ステップS10において、モータ11、20を停止制御すると、CPU100は、カッタ17を作動させ、定寸送り終了後ガイド部22上に搬送されたロール紙Aを切断処理させる(ステップS11)。そして、サーマルヘッド23及びモータ25を制御して、切断後に生成された券紙に対する印字処理を実行させる(ステップS12)。
【0086】
次に、CPU100は、センサSE4における券紙の検知結果に基づいてエンコード処理部8を制御し、印字処理が施された券紙に対して磁気エンコード処理を実行させる(ステップS13)。そして、印字処理及びエンコード処理が施された券紙を放出口7にて放出させ(ステップS14)、発券装置1における一連の処理を終了する。
【0087】
ところで、上述したステップS4において、センサSE6がONの状態ではなく、即ち遮光板30cのセンサSE6への進出を検知しなかった時には(ステップS4:NO)、CPU100は、幅寄せガイド部53において前記ループ部には張りが発生していないと判定する。そして、幅寄せガイド部53のセンサSE7がONしたか否か、即ちレバー部材31の遮光板31cがセンサSE7へ進出したことを検知したか否かを判定する(ステップS15)。
【0088】
ここで、センサSE7がONの状態、即ちレバー部材31の遮光板31cのセンサSE7への進出を検知した時(ステップS15:YES)、CPU100は、幅寄せガイド部53において前記ループ部に弛みが発生したと判定し、モータ11の回転速度を通常運転時よりも低速になるように変更制御する(ステップS16)。また、ステップS16では、CPU100が、モータ20の回転速度を、前記通常運転時の所定の回転速度のまま保持するように制御する。
【0089】
そして、CPU100は、ロール紙Aの定寸送りが終了したか否かを判定し(ステップS17)、この時、定寸送りが終了していなければ(ステップS17:NO)、CPU100は、引き続きセンサSE7の検知結果に基づいて前記ループ部における弛みの発生の有無を判定する(ステップS18)。
【0090】
ここで、センサSE7のON状態が解消された時、即ち、遮光板31cがセンサSE7から退避したことを検知した時(ステップS18:NO)、CPU100は、前記ループ部の弛み状態が解消されたものと判定する。そして、この時、モータ11の回転速度が前記所定の回転速度になるように制御し、通常運転の状態に戻した上で(ステップS8)、上述したステップS9以降の処理を実行する。一方、センサSE7のON状態が継続していた時には(ステップS18:YES)、CPU100は、前記ループ部の弛み状態が解消されていないものと判定してステップS16に戻り、モータ11の回転速度を低速のまま保持する。
【0091】
そして、ステップS18にてセンサSE7のON状態が解消されるか、またはステップS17において定寸送り終了を判定するまで(ステップS17:YES)、ステップS16〜S18の処理を繰り返す。
【0092】
ここで、ステップS17において、CPU100が定寸送り終了を判定するか(ステップS17:YES)、またはステップS8においてモータ11が通常運転状態とされた後、CPU100が定寸送り終了を判定すると(ステップS9:YES)、CPU100は、モータ11、20を停止制御し(ステップS10)、その後、ステップS11以降の処理を実行する。
【0093】
なお、上述したステップS15において、センサSE7がON状態ではない時、即ち遮光板31cのセンサSE7への進出を検知しなかった時には(ステップS15:NO)、CPU100は、幅寄せガイド部53において前記ループ部には弛みが発生していないと判定する。そして、ステップS8に移行し、CPU100は、モータ11の回転速度を通常運転時のまま保持されるように制御する。
【0094】
また、CPU100は、上述したステップS2において、ロール紙Aが送り出し可能な状態でないと判定すると(ステップS2:NO)、モータ15、20を予め設定された前記所定の回転速度に制御して通常運転を開始させ、ロール紙Bの送り出しを開始させる(ステップS19)。
【0095】
そして、CPU100は、ロール紙Bの定寸送りが終了したか否かを判定する(ステップS20)。この時、定寸送り終了を判定しなければ(ステップS20:NO)、CPU100は、ステップS19に戻り、モータ15、20の通常運転状態を保持する一方、定寸送り終了を判定すると(ステップS20:YES)、モータ15、20を停止制御し(ステップS21)、その後ステップS11以降の処理を実行する。
【0096】
ところで、前記特許文献2では、ロール紙の搬送経路上における張り状態の検知に基づき、ロール紙に弛みを発生させるものが開示されているが、本実施形態のように、ループ形状をなすようにロール紙Aをガイドする場合、単にロール紙Aに弛みを発生させるだけでは、ロール紙Aにしわが形成されたり、券紙の券長が所定よりも長くなったりする虞がある。
【0097】
さらに、前記特許文献2に開示された技術では、ロール紙の弛み状態を検知する手段、及び弛み状態の検知に基づいてロール紙の搬送速度を変更する手段が備えられていない。このため、上述したようにロール紙Aにしわが形成されたり、券紙の券長が所定よりも長くなったりするといった不都合を防止できない。
【0098】
本実施形態では、幅寄せガイド部53の途中で、ロール紙Aの前記ループ部における張り状態を検知するレバー部材30及びセンサSE6、前記ループ部における弛み状態を検知する検知レバー31及びセンサSE7を配設したことにより、前記ループ部にて発生した張り状態及び弛み状態を確実に検知することができる。
【0099】
そして、この検知結果に基づき、モータ11の回転速度、つまりは送りローラ9及びタッチローラ10の送り出し速度を変更して、幅寄せガイド部53の前記上流側におけるロール紙Aの搬送速度V1を変更することで、ロール紙Aの張りや弛みを確実に抑制でき、その結果、ロール紙Aの張りに起因する搬送負荷の増大や、ロール紙Aの弛みに起因するしわの発生を防止し、さらにはロール紙Aの切断後に生成される券紙の券長を安定化させることができる。
【0100】
また、本実施形態において、ロール紙Aの前記ループ部に張りが発生した時には、搬送速度V2が相対的に高速な前記下流側にロール紙Aが引張られた状態になっているために、前記ループ部では、図5、図6に示すように、前記頂部P3より前記下流側の部位のほうが、前記上流側の部位に比べて変化(変形に伴う変位量)が大きい。
【0101】
従って、本実施形態のように、レバー部材30及びセンサSE6を、上記頂部P3よりも前記下流側に配設したことにより、張りが発生した時のロール紙Aの変形をより確実に検知でき、結果として前記ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
【0102】
また、前記ループ部に張りが発生した時には、前記下流側端部P2と前記頂部P3との間において、ロール紙Aが最も上流側に突出する前記部位P4の変位量d1(図5参照)が、例えば、前記頂部P3における変位量d2(図5参照)に比べて大きく、前記ループ部において変位量は最大となる。このため、前記部位P4に対応する位置に検知ローラ30bを配設し、部位P4における張りを検知可能としたことにより、前記ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
【0103】
また、前記ループ部に張りが発生した時には、ロール紙Aが図示のように前記ループ部の径方向内側に向かって変位するため、レバー部材30の検知ローラ30bを、前記ループ部のループ内面側に配設したことにより、前記ループ部の張り状態をより確実に検知することができる。
【0104】
また、前記ループ部に弛みが発生した時には、搬送速度V2が相対的に高速な前記上流側からロール紙Aが過剰に供給される状態となっているために、前記ループ部では、図7、図8に示すように、前記頂部P3より前記上流側の部位のほうが、前記下流側の部位に比べて変化(変形に伴う変位量)が大きい。
【0105】
従って、本実施形態のように、レバー部材31及びセンサSE7を、前記頂部P3よりも前記上流側に配設したことにより、弛みが発生した時のロール紙Aの変形をより確実に検知でき、結果として前記ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0106】
また、前記ループ部に弛みが発生した時には、前記上流側端部P1と前記頂部P3との間において、ロール紙Aが最も下流側に突出する前記部位P5の変位量d3(図7参照)が、例えば、前記頂部P3における変位量d4(図7参照)に比べて大きく、前記ループ部において変位量は最大となる。このため、部位P5に対応する位置に検知ローラ31bを配設し、部位P5における張りを検知可能としたことにより、前記ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0107】
また、前記ループ部に弛みが発生した時には、ロール紙Aが図示のように前記ループ部の径方向外側に向かって変位するため、レバー部材31の検知ローラ31bを、前記ループ部のループ外面側に配設したことにより、前記ループ部の弛み状態をより確実に検知することができる。
【0108】
また、前記ループ部に張りや弛みが発生した時、ロール紙Aの幅方向においては、特に図6、図8に示すように、前記ループ部の外側端部の変位量が最大となる。このため、本実施形態のように、前記ループ部の幅方向外側端部に対応する位置に検知ローラ30b及び31bを配設し、前記幅方向外側端部における張り状態及び弛み状態を検知可能としたことにより、前記ループ部の張り状態や弛み状態をより確実に検知することができる。
【0109】
ところで、本発明では、例えば、図10のステップS16において、モータ11の回転速度が通常運転時よりも低速になるように制御する代わりに、モータ20の回転速度が通常運転時よりも高速になるように制御することで、前記ループ部における弛みを抑制することも可能である。
【0110】
しかしながら、本実施形態に係る発券装置1では、券紙を連続的に発券する際、発券処理の効率化を図るべく、サーマルヘッド23による券紙への印字処理と同時に、次に発券する券紙用のロール紙A(またはB)を送り出すようにモータ11(モータ15)を駆動制御する場合があり、この場合、上述したようにモータ20の回転速度を高速制御可能に構成すると、以下に述べるような問題がある。
【0111】
例えば、幅寄せガイド部53において前記ループ部に弛みが発生した時に、モータ20の回転速度が高速になるように制御すると、券紙の印字処理と同時にロール紙Aを送り出している状態では、定寸送りローラ18及びタッチローラ19による送り出しのペースが所定よりも速まることによって、新たに送り出されたロール紙Aの先端部が、印字処理中の券紙(カッタ17に切断されたロール紙Aの紙片)の端部に衝突し、干渉する虞がある。
【0112】
本実施形態では、CPU100が、ガイド部材5の前記上流側、つまりは幅寄せガイド部53の前記上流側の送りローラ9及びタッチローラ10の送り出し速度のみを変更するように制御し、ガイド部材5の前記下流側、つまりは幅寄せガイド部53の前記下流側の定寸送りローラ18及びタッチローラ19に対しては、その送り出し速度を保持するように制御することで、ロール紙Aの先端部がサーマルヘッド23における印字処理に悪影響を及ぼすといった不都合を防止しつつ、前記ループ部の張り及び弛みを抑制することができる。
【0113】
なお、本実施形態に係る発券装置1は、例えば、交通機関の普通乗車券や回数乗車券等を発券する自動券売機や、精算後に精算項目を表示するレシートを発券するレシート発行機、または駐車場発券機等に適用することができる。
【0114】
また、上述した実施形態では、2つのロール紙A、Bを並列に配設した発券装置1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、予め所定の券長に成形された板状の媒体に所定の印字処理及びエンコード処理が施される定期乗車券等の発券と、ロール紙による発券とを併用する発券装置に本発明を適用してもよい。
【0115】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、ロール紙状態検知手段は、レバー部材30、31、及びセンサSE6、SE7に対応し、
以下同様に、
搬送速度制御手段は、ステップS5、S16を実行するCPU100に対応し、
第1検知部材は、レバー部材30及びセンサSE6に対応し、
第2検知部材は、レバー部材31及びセンサSE7に対応し、
第1の送り出し手段は、送りローラ9、タッチローラ10、及びモータ11に対応し、
第2の送り出し手段は、定寸送りローラ18、タッチローラ19、及びモータ20に対応し、
印字手段は、サーマルヘッド23に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0116】
1…発券装置
9…送りローラ
10、19…タッチローラ
11、20…モータ
18…定寸送りローラ
23…サーマルヘッド
30、31…レバー部材
53…幅寄せガイド部
100…CPU
A、B…ロール紙
SE6、SE7…センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながら該ロール紙を幅寄せする幅寄せガイド部を備えた発券装置であって、
前記幅寄せガイド部の途中で前記ロール紙の張り状態及び弛み状態を検知するロール紙状態検知手段を備えるとともに、
該ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記搬送経路上におけるロール紙の搬送速度を変更する搬送速度制御手段を備えた
発券装置。
【請求項2】
前記ロール紙状態検知手段を、前記ロール紙の張り状態を検知する第1検知部材と、
前記ロール紙の弛み状態を検知する第2検知部材とにより構成し、
前記幅寄せガイド部において前記ロール紙がループ形状をなすループ部の頂部よりも、前記第1検知部材を前記下流側に配設する一方、
前記第2検知部材を前記頂部よりも前記上流側に配設した
請求項1記載の発券装置。
【請求項3】
前記ループ部において前記ロール紙が最も前記上流側に突出する部位の張り状態を検知する位置に前記第1検知部材を配設する一方、
前記ループ部において前記ロール紙が最も前記下流側に突出する部位の弛み状態を検知する位置に前記第2検知部材を配設した
請求項2記載の発券装置。
【請求項4】
前記第1検知部材を、前記ループ部のループ内面側に配設する一方、
前記第2検知部材を、前記ループ部のループ外面側に配設した
請求項2または3記載の発券装置。
【請求項5】
前記ループ部の幅方向外側端部の張り状態及び弛み状態を検知する位置に、前記第1、第2検知部材を配設した
請求項2から4のいずれか1つに記載の発券装置。
【請求項6】
前記幅寄せガイド部の前記上流側及び前記下流側には、それぞれ前記ロール紙の搬送にあたりこれを前記下流側に送り出す第1、第2の送り出し手段を備えるとともに、
該第2の送り出し手段の前記下流側には、前記第1、第2の送り出し手段により送り出された前記ロール紙に対し印字処理を施す印字手段を備え、
前記搬送速度制御手段は、前記ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記第1の送り出し手段の送り出し速度を変更し、前記幅寄せガイド部の前記上流側におけるロール紙の搬送速度を変更する制御を実行する一方、
前記第2の送り出し手段の送り出し速度を保持し、前記幅寄せガイド部の前記下流側におけるロール紙の搬送速度を保持する制御を実行する
請求項1から5のいずれか1つに記載の発券装置。
【請求項1】
搬送経路上にてループ形状をなすようにロール紙をガイドしながら該ロール紙を幅寄せする幅寄せガイド部を備えた発券装置であって、
前記幅寄せガイド部の途中で前記ロール紙の張り状態及び弛み状態を検知するロール紙状態検知手段を備えるとともに、
該ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記搬送経路上におけるロール紙の搬送速度を変更する搬送速度制御手段を備えた
発券装置。
【請求項2】
前記ロール紙状態検知手段を、前記ロール紙の張り状態を検知する第1検知部材と、
前記ロール紙の弛み状態を検知する第2検知部材とにより構成し、
前記幅寄せガイド部において前記ロール紙がループ形状をなすループ部の頂部よりも、前記第1検知部材を前記下流側に配設する一方、
前記第2検知部材を前記頂部よりも前記上流側に配設した
請求項1記載の発券装置。
【請求項3】
前記ループ部において前記ロール紙が最も前記上流側に突出する部位の張り状態を検知する位置に前記第1検知部材を配設する一方、
前記ループ部において前記ロール紙が最も前記下流側に突出する部位の弛み状態を検知する位置に前記第2検知部材を配設した
請求項2記載の発券装置。
【請求項4】
前記第1検知部材を、前記ループ部のループ内面側に配設する一方、
前記第2検知部材を、前記ループ部のループ外面側に配設した
請求項2または3記載の発券装置。
【請求項5】
前記ループ部の幅方向外側端部の張り状態及び弛み状態を検知する位置に、前記第1、第2検知部材を配設した
請求項2から4のいずれか1つに記載の発券装置。
【請求項6】
前記幅寄せガイド部の前記上流側及び前記下流側には、それぞれ前記ロール紙の搬送にあたりこれを前記下流側に送り出す第1、第2の送り出し手段を備えるとともに、
該第2の送り出し手段の前記下流側には、前記第1、第2の送り出し手段により送り出された前記ロール紙に対し印字処理を施す印字手段を備え、
前記搬送速度制御手段は、前記ロール紙状態検知手段の検知結果に基づいて、前記第1の送り出し手段の送り出し速度を変更し、前記幅寄せガイド部の前記上流側におけるロール紙の搬送速度を変更する制御を実行する一方、
前記第2の送り出し手段の送り出し速度を保持し、前記幅寄せガイド部の前記下流側におけるロール紙の搬送速度を保持する制御を実行する
請求項1から5のいずれか1つに記載の発券装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−191733(P2010−191733A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36026(P2009−36026)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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