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発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法
説明

発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法

【課題】優れた物性と高耐久性、特に防振・緩衝機能に優れている発泡ポリウレタンエラストマーを製造する。
【解決手段】ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1)とジフェニルメタンジイソシアネート(A2)とを反応させて得られ、かつ、イソシアネート含量が5〜20質量%のイソシアネート基末端プレポリマー(A)、数平均分子量が500〜5,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)、平均官能基数が3〜8である数平均分子量が500〜5,000のポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)、分子量が200以下の低分子ジオール(B3)および水からなるポリオール(B)を含有するウレタン形成性組成物を、不活性気体を巻き込みながら撹拌して発泡・硬化させること、かつ、ウレタン形成性組成物中に対して水が0.15〜0.75質量%であることを特徴とする発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、イソシアネート基末端プレポリマーおよびポリオール類からなるウレタン形成性組成物をメカニカルフロス法により発泡させてポリウレタンエラストマーを製造する技術に関するものである。本発明により製造された発泡ポリウレタンエラストマーは、優れた物性と高耐久性を有するものであり、防振・緩衝機能に優れている。
【背景技術】
【0002】
従来、軟質ポリウレタンフォームを製造するには、メカニカルフロス法がよく使用されている。メカニカルフロス法は、化学的発泡(水発泡)法よりも成形操作が簡便であり、また、ウレア基による物性低下のない発泡体が得られるなどの点で有利である。メカニカルフロス法においては、ポリオールおよび触媒を含有するポリオール混合物とイソシアネート成分と不活性ガス(空気)とを撹拌混合機(ミキシングヘッド)内に供給し、不活性ガスの雰囲気下に撹拌ロータにより機械的撹拌して「ポリオール混合物とイソシアネート成分との混合」および「不活性ガスの分散」を同時に進行させてフロス状原料を調製し、これを撹拌混合機から吐出させ、金型などに注入して硬化させることによってポリウレタン発泡体を得る。ここで、ポリウレタン発泡体には、微細で均一なセル(不活性ガスによる気泡)が形成されていることが必要である。メカニカルフロス 法によって得られた軟質ポリウレタンフォームは、(1)発泡剤として水を用いていないため、ウレア結合が基本的に生成せず、強靱で反発弾性などが高い、(2)セルのきめが細かく、またサイズがそろっている 等の特徴を有する。このため、複写機などの各種ロール、各種パッド、靴底、化粧用パフ、カーペット、パッキン、シール材等に適している。
【0003】
メカニカルフロス法による軟質ポリウレタンフォームの製造方法には様々な方法が提案され、例えば、特許文献1および特許文献2などが知られている。特許文献1に記載された方法では、整泡剤を用いていないため、得られるポリウレタンフォームにはブリードの問題が少ない利点を有する。また、特許文献2に記載された方法では、アルコール変性シリコーンオイルを用い、かつ遠心成形しているため、ピンフォールが少ないポリウレタンフォームが得られる利点を有する。
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法では、得られるポリウレタンフォームのセルのセルサイズが不揃いであり、部位によって硬度が異なるため、このポリウレタンフォームを紙送りロールに用いた場合には正確に給紙することができないといった問題があった。また、上記特許文献2に記載された方法では、遠心成形ゆえに成形物が薄物となり、ブロック状や厚物の成形には不向きであるといった問題があった。
【0004】
一般に、ポリエーテル系ポリウレタンは、ポリエステル系ポリウレタンと比較して、耐加水分解性、低温特性、反発弾性などに優れるが、耐摩耗性や常温屈曲性などの機械的特性に劣っている。そこで、ポリエーテル系ポリウレタンの機械的特性を向上させるために、ポリオール成分としてのポリプロピレングリコール(PPG)系ポリオールの全部または一部を、ポリオキシテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)系ポリオールに代替することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、PTMG系ポリオールは、メカニカルフロス法による製造において、反応混合液での気泡保持が困難であり、得られる軟質ポリウレタンフォームは、密度が非常に高いものとなる。このように密度が非常に高くなると、硬度が高くなりすぎ、柔軟性を要求される分野での使用に耐え得るものを得ることは困難であった。したがって、PTMG系ポリオールの特徴である、優れた機械的強度、反発性、低温特性等を有する軟質ポリウレタンフォームを製造することができる方法の開発が望まれている。
【0005】
最近、鉄道用パッドに用いられる材料として、ポリイソシアネートと、ポリオールと、鎖延長剤と、発泡剤とを含む組成物を発泡・硬化させて得られるポリウレタン発泡体が紹介されている(特許文献4〜6参照)。鉄道の軌道(レール)において、車輛の走行時に発生する振動や騒音を軽減するための防振材として使用されている鉄道用パッドには、レールと枕木との間に挿入される軌道パッド、枕木の下に敷設される枕木用パッド、スラブ軌道のスラブの下に敷設される軌道スラブ用防振材などが知られている。係る鉄道用パッドの構成材料には、良好な防振性能および緩衝性能を発現させるために、使用条件に適合する比較的低いバネ常数が要求されるとともに、良好な圧縮特性(特に、小さい圧縮永久歪)、高い機械的強度、十分な耐久性などが要求される。鉄道用パッドを構成するポリウレタン発泡体は、密度の調整などによるバネ常数の制御が比較的容易であり、無発泡ゴムからなるものよりも耐久性などに優れている点で注目されているが、発泡剤としては、水などの反応型発泡剤、フロンなどの非反応型発泡剤が使用されている。
【0006】
しかしながら、鉄道用パッドに用いられる上記のポリウレタン発泡体には、下記のような問題がある。
(ア)反応型発泡剤を用いて形成されるポリウレタン発泡体は、鉄道用パッドに適合する低いバネ常数、良好な圧縮特性、高い機械的強度のすべてをバランスよく満足するものではない。特に、反応型発泡剤として水を用いる場合には、形成される発泡体に含有されるウレア結合の割合が高くなり、この結果、得られる発泡体のバネ常数が高くなり過ぎて(硬くなり過ぎて)所期の防振性能および緩衝性能を十分に発現させることができない。また、当該発泡体は圧縮特性にも劣る。
(イ)発泡剤を用いて形成されるポリウレタン発泡体は、同一のパッド内の部位によるセル径のバラツキも大きい。このため、各性能(特にバネ常数)の部位によるバラツキが大きくなり、当該発泡体からなる鉄道用パッドは、荷重の均一分散性を具備するものではない。
(ウ)ポリウレタン発泡体を形成するときに、発泡圧に耐え得る強固な成形型が必要となる。すなわち、鉄道用パッドに要求される寸法精度を確保するためには、発泡圧によって変形しない材質・強度の成形型および閉め具が必要となる。
(エ)ポリウレタン発泡体は、液状またはクリーム状の組成物が成形型内で膨張することにより成形されるものであるため、得られる発泡体の上面にエア溜まりが発生し、鉄道用パッドの製造効率や歩留りの低下を招く。
(オ)発泡剤として、フロンやハロゲン化炭化水素などを用いることは、環境衛生面からも好ましくない。
【0007】
そこで、メカニカルフロス法によるポリウレタン発泡体からなる鉄道用パッドの製造方法が提案されている(特許文献7)。
この提案は、防振・緩衝性能を発現させるのに適した低いバネ常数、良好な圧縮特性、高い機械的強度、耐久性のすべてをバランスよく満足し、部位による大きさのバラツキの少ないセル構造を有するポリウレタン発泡体からなる鉄道用パッドを提供することを目的とするものであり、(A)MDI系のNCO基末端プレポリマー、(B1)平均官能基数が2.0〜4.0、数平均分子量が1,000〜6,000のポリオール、(B2)官能基数が2〜4、分子量が600以下の鎖延長剤を含有し、〔NCO〕/〔OH〕が0.80〜1.20である組成物を、不活性ガスの雰囲気下に機械的撹拌することにより、当該組成物中に不活性ガスを分散させてフロス状の原料を調製し、この原料を成形型に注入して硬化させることにより、鉄道用パッド用のポリウレタン発泡体を形成する。しかしながら、本製造方法では低密度化に限りがあり,さらなる低ばね定数パッドを得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−89547号公報
【特許文献2】特開平10−258437号公報
【特許文献3】特開平7−268052号公報
【特許文献4】特開平8−27241号公報
【特許文献5】特開平8−198927号公報
【特許文献6】特開2000−281745号公報
【特許文献7】特開2005−325146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)系ポリオール類を原料としたメカニカルフロス法による発泡ポリウレタンエラストマーの製造においては、反応混合液での気泡保持が困難となり、得られた軟質ポリウレタンフォームは密度が非常に高いものとなることがあった。このように密度が非常に高くなると、硬度が高くなりすぎ、柔軟性を要求される分野での使用に耐えるものを得ることは困難であるという問題を解決することが望まれていた。
本発明は、PTMG系ポリオールの特徴である、優れた機械的強度、反発性、低温特性などを有する軟質ポリウレタンフォームをメカニカルフロス法により製造することができる新規な製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、従来のポリプロピレングリコール(PPG)系のポリオールを原料として水発泡により製造された発泡ポリウレタンエラストマーよりも、高物性、高耐久性の発泡ポリウレタンエラストマーを提供することを目的とする。
また、本発明は、従来のメカニカルフロス発泡による発泡ポリウレタンシステムよりも効率的な発泡倍率であって、ウレアによる物性低下を最小限に抑えた発泡エラストマーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法は以下に記載の技術的手段によりにより構成されるものである。
(1)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1)とジフェニルメタンジイソシアネート(A2)とを反応させて得られ、かつ、イソシアネート含量が5〜20質量%のイソシアネート基末端プレポリマー(A)、
数平均分子量が500〜5,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)、平均官能基数が3〜8である数平均分子量が500〜5,000のポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)、分子量が200以下の低分子ジオール(B3)および水からなるポリオール(B)を含有するウレタン形成性組成物を、不活性気体を巻き込みながら撹拌して発泡・硬化させること、かつ、ウレタン形成性組成物中に対して水が0.15〜0.75質量%であることを特徴とする発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。
(2)ポリオール(B)が、
(B1)/〔(B1)+(B2)+(B3)〕=0.5〜0.9(質量比)、
(B2)/〔(B1)+(B2)+(B3)〕=0.05〜0.15(質量比)
であることを特徴とする上記(1)に記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。
(3)反応開始時のウレタン形成性組成物と水のイソシアネートインデックスが80〜120であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。
(4)イソシアネート基末端プレポリマー(A)の平均官能基数が2.0〜3.5であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載の発泡ウレタンエラストマーの製造方法。
(5)ポリテトラメチレングリコール(B1)の平均官能基数が2〜9であり、ポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)の平均官能基数が3〜8であることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。
【0011】
また、本発明の上記方法には以下に記載の発泡剤の存在下に撹拌して発泡・硬化せる方法で発泡ポリウレタンエラストマーを製造するための組成物が使用され、以下の発泡ウレタンエラストマーが得られる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の製造方法で使用される、不活性気体を巻き込みながら撹拌して発泡・硬化させる方法で発泡ポリウレタンエラストマーを製造するための組成物であって、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1)とジフェニルメタンジイソシアネート(A2)とを反応させて得られ、かつ、イソシアネート含量が5〜20質量%のイソシアネート基末端プレポリマー(A)、および
数平均分子量が500〜5,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)、平均官能基数が3〜8である数平均分子量が500〜5,000のポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)、分子量が200以下の低分子ジオール(B3)およびからなるポリオール(B)を含有するウレタン形成性組成物を、不活性気体を巻き込みながら撹拌して発泡・硬化させること、かつ、ウレタン形成性組成物中に対して水を0.15〜0.75質量%を含有することを特徴とする発泡ポリウレタンエラストマー製造用組成物。
(7)上記(1)から(5)のいずれかに記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法により製造されたことを特徴とする発泡ポリウレタンエラストマー。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以下の効果を奏するものである。
(1)従来のメカニカルフロス発泡またはPPG系水発泡のエラストマーよりも高物性、高耐久性の発泡エラストマーを得ることができる。
(2)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1)およびジフェニルメタンジイソシアネート(A2)とポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)の導入により泡持ち効果のよいウレタン形成性組成物提供することができる。
(3)メカニカルフロス発泡と水発泡を併用する発泡システムの採用と、泡持ちのよい処方としたウレタン形成性組成物との相互作用効果により少量の水添加量で効果的な発泡倍率を得ることができる。
(4)水添加量が少なくできるため、ウレアによる圧縮永久歪み等の物性低下を最小限に抑えることができる。
(5)耐加水分解性、低温特性、反発弾性および耐摩耗性や常温屈曲性などの機械的特性に優れた発泡ポリウレタンエラストマーを製造し提供できる。
(6)成形体の部位による物性のばらつきが少ない成形体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0014】
[ウレタン形成性組成物]
本発明の製造方法に使用するウレタン形成性組成物は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1)とジフェニルメタンジイソシアネート(A2)とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー(A)、および、数平均分子量が500〜5,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)、官能基数が3〜8であり数平均分子量が500〜5,000のポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)、および分子量が200以下の低分子ジオール(B3)からなるポリオール(B)を含有するものである。
【0015】
本発明の発泡ポリウレタンエラストマーの製造は、例えば、該ウレタン形成性組成物に不活性気体を巻き込みながら撹拌して発泡・硬化せることによるが、水の存在下で、不活性気体を巻き込みながら撹拌・混合して、発泡・硬化させることにより実施される。
【0016】
[イソシアネート基末端プレポリマー(A)]
ウレタン形成性組成物を構成するイソシアネート基末端プレポリマー(A)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1、以下、「PTMG」ということがある)とジフェニルメタンジイソシアネート(A2、以下、「MDI」ということがある)とを反応させて得られ、かつ、イソシアネート含量が5〜20質量%、より好ましくは8〜15質量%のイソシアネート基末端プレポリマーである。
【0017】
イソシアネート基末端プレポリマー(A)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1)と、ジフェニルメタンジイソシアネート(A2)とを混合し、この混合物を加熱してウレタン化反応させることにより調製することができる。なお、この混合物中には、本発明の効果を損なわない範囲内において、他の種類のポリイソシアネートや鎖延長剤が含有されていてもよい。
【0018】
ここに、「他の種類のポリイソシアネート」としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)などの芳香族イソシアネート類、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加TDI、水素添加MDIなどの脂環族ジイソシアネートなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、混合物中に含有される「鎖延長剤」としては、ポリオール類を挙げることができる。
【0019】
イソシアネート基末端プレポリマー(A)のイソシアネート基含量としては、5〜20質量%であることが好ましく、イソシアネート含量が5質量%未満である場合には、当該プレポリマーの粘度が高くなり過ぎて、ポリオール(B)との混合性に劣るものとなり製造効率の低下を招く。一方、イソシアネート基含量が20質量%を超える場合には、当該プレポリマーの貯蔵安定性の悪化が懸念される。
【0020】
また、イソシアネート基末端プレポリマー(A)の平均官能基数としては2.0〜3.5であることが好ましく、さらに好ましくは2.0〜2.5とされる。平均官能基数が2.0未満である場合には、得られる発泡ポリウレタンエラストマーが、良好な圧縮特性や高い機械的強度を有するものとならない。一方、平均官能基数が3.5を超える場合には、ゲル化を起こしやすく、安定性に劣る。
【0021】
[ポリオール(B)成分]
本発明の発泡ポリウレタンエラストマーの製造に際して、ポリオール成分として、数平均分子量が500〜5,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)、平均官能基数が3〜8であり数平均分子量が500〜5,000のポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)および分子量が200以下の低分子ジオール(B3)からなるポリオール(B)が使用される。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)はテトラヒドロフランの開環重合により得られる。ポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)としては、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオールが例示され、それらは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの分子量200以下の低分子グリコールにプロピレンオキサイドを付加重合して、またはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを付加重合して得られる。さらには、低分子グリコールにプロピレンオキサイドを付加重合した後、末端にエチレンオキサイドを付加させて得られる。
【0022】
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)としては、数平均分子量が500〜5,000、特に600〜3,000の範囲内のものが好適に使用され、ポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)としては、数平均分子量が500〜5,000、特に600〜3,000の範囲内のものが好適に使用される。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)の好ましい平均官能基数は、(B1)では2〜9、さらに好ましくは2〜5である。平均官能基数が3〜8であるポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)のより好ましい平均官能基数は3〜5である。なお、官能基数は反応開始時の官能基数である。
【0023】
また、低分子ジオール(B3)としては分子量が200以下のもの、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物などが好適に使用される。低分子ジオールを併用することにより、得られる発泡ポリウレタンエラストマーに高い機械的強度付与することができる。
【0024】
使用するポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)およびポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)の数平均分子量が500より小さいと、得られるポリウレタンエラストマーの伸びおよび引張強度が低下し、他方、5,000を越えると、得られるポリウレタンエラストマーの圧縮永久歪が悪化しやすい。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)およびポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)と低分子ジオール(B3)の使用割合は厳密に制限されるものではなく、得られるポリウレタンエラストマーに要求される物性等に応じて変えることができるが、次に記載の範囲にあることが好適である。
(B1)/〔(B1)+(B2)+(B3)〕は、好ましくは0.5〜0.9(質量比)であり、より好ましくは0.7〜0.9(質量比)である。
(B2)/〔(B1)+(B2)+(B3)〕は、好ましくは0.05〜0.15(質量比)であり、より好ましくは0.07〜0.13(質量比)である。
【0025】
[イソシアネート成分]
本発明においてはポリウレタンエラストマーの製造のためのイソシアネート成分として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1、PTMG)とジフェニルメタンジイソシアネート(A2、MDI)とのプレポリマーを使用する。
該プレポリマーの製造に使用されるPTMGは一般に500〜4,000、好ましくは1,000〜3,000の範囲内の数平均分子量をもつことが望ましい。また、このPTMGと反応せしめられるMDIは精製されたものを用いることが望ましい。
PTMGとMDIとの反応は、生成するプレポリマーのイソシアネート含有量が5〜20質量%の範囲内となるような割合で行なうのが有利である。生成するプレポリマーのイソシアネートが5質量%より少ないと、液粘度が高くなり、イソシアネート成分とポリオール成分の配合比の隔たりが大きくなる。また、20質量%より多いと、製造されるポリウレタンエラストマーの強度が低下し、圧縮永久歪の悪化を招く傾向がみられる。
PTMGとMDIからのプレポリマーの形成はそれ自体既知の方法により容易に行なうことができる。
【0026】
[発泡剤としての水]
本発明では発泡剤として水が使用される。水の使用量は、ウレタン形成性組成物中に対して水が0.15〜0.75質量%の範囲内になるように選ばれる。
発泡剤としての水の使用は、泡持ちのよい処方としたウレタン形成性組成物の撹拌中の良好な泡持ちと相俟って少量の水添加量で効果的な発泡倍率を得ることができる。生成するポリウレタンエラストマーのウレア結合濃度は、該ポリウレタンエラストマーの強度低下に影響するため、ウレタン形成性組成物中に対して水が、好ましくは0.2〜0.7質量%の範囲から選ばれる。これにより、ウレアによる物性低下を最小限に抑えることができ、また、圧縮永久歪みを5%以下にすることができる。
【0027】
[整泡剤]
本発明において、整泡剤としては、ポリウレタンフォーム製造に用いられるポリエーテルポリシロキサンなどの整泡剤が必要に応じて適宜使用され、例えば、東レ・ダウコーニング製のL−5340、L−5420、L−5421、L−5740、L−580、SZ−1142、SZ−1642、SZ−1605、SZ−1649、SZ−1919、SH−190、SH−192、SH−193、SF−2945F、SF−2940F、SF−2936F、SF−2938F、SRX−294A、信越化学工業製のF−305、F−341、F−343、F−374、F−345、F−348、ゴールドシュミット製のB−8404、B−8407、B−8465、B−8444、B−8467、B−8433、B−8466、B−8870、B−8450、B−8460などのシリコーン系界面活性剤が挙げることができる。
【0028】
[触媒]
本発明において用いられる触媒は特に限定されないが、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、トリエチレンジアミン(TEDA)、テトラメチルヘキサメチレンジアミン(TMHMDA)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、ビスジメチルアミノエチルエーテル(BDMAEA)、N−メチルイミダゾール、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレートなどのスズ化合物、アセチルアセトン金属塩などの金属錯化合物、反応型アミン触媒〔例えば、ジメチルエタノールアミン(DMEA)、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール〕などを挙げることができる。
【0029】
[他の添加剤]
本発明のポリウレタンエラストマーは、必要に応じて、フイラー、例えば鉄粉などの金属粉、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機微粉末等;カーボンブラックなどの着色剤;紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤を加えることができる。
【0030】
[ウレタン形成性組成物の水を含めた原料中の(〔NCO〕/〔OH〕)モル比]
本発明の製造方法において、良好な硬化性を確保する観点から、反応開始時のイソシアネートインデックスを80〜120の範囲とするのが好ましい。ここでいう、イソシアネートインデックスとは、イソシアネート基のモル数をイソシアネート反応性活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値である。ここで、活性水素基とは、イソシアネート反応性基を意味し、水酸基やアミノ基、カルボン酸基などであり、更には、水も活性水素基を有する化合物である。イソシアネートインデックス値が低すぎると、フォームの機械的強度が低下する場合があり、また圧縮残留歪が大きくなる場合がある。
【0031】
[発泡ポリウレタンエラストマーの形成]
本発明の発泡システムは、メカニカルフロス方式であり上記のウレタン形成組成物を、不活性気体を巻き込みながら機械的攪拌・混合することにより発泡・硬化させて発泡ポリウレタンエラストマーを製造する。また、好ましくは、メカニカルフロス/水併用方式とすることができる。例えば、上記のウレタン形成性組成物を水、整泡剤や、触媒の存在下で、不活性気体を巻き込みながら機械的攪拌・混合することにより、当該ウレタン形成性組成物を水発泡させ、泡の中に不活性ガスを分散させてフロス状の原料を調製し、この原料を硬化させることによって、発泡ポリウレタンエラストマーを製造する。
【0032】
本発明は、上記ウレタン形成組成物がメカニカルフロス発泡に適しているとの知見に基づくものである。また、メカニカルフロス発泡による発泡ポリウレタンシステムと水発泡の併用によって発泡ポリウレタンの製造が可能であるとの知見に基づくものである。
本発明では、メカニカルフロス発泡法を採用することにより、微細(平均セル径=1〜200μm)で、しかも、同一パッド内において部位による大きさのバラツキが少ないセル構造を有し、荷重の均一分散性に優れた発泡ポリウレタンエラストマーを製造することができる。このような微細でかつ均一なセル構造は、従来の発泡剤を使用する製造方法によっては形成することができなかった。更に、本発明では、メカニカルフロス/水併用の発泡システムと、泡持ちのよい処方としたウレタン形成性組成物との採用による相乗効果により、少量の水添加量で効果的な発泡倍率を得ることができる。このとき、水添加量を少なくできるため、ウレアによる物性低下を最小限に抑えることができる。
【0033】
次に、本発明の詳細を実施例と比較例を対比することにより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、以下において、比率は質量基準である。原料および製品の機械強度などの測定について次にまとめて説明する。
【0034】
[原料および符号の説明]
(ポリオール)
1.PTG−2000SN:ポリテトラメチレンエーテルグリコール、保土谷化学工業(株)製、数平均分子量=2,000、開始剤:1,4−ブタンジオール、平均官能基数:2.0。
2.GL−3000:ポリオキシプロピレンポリオール、商品名:サンニックスGL−3000、三洋化成工業(株)製、開始剤:グリセリン、数平均分子量=3000、末端エチレンオキサイドキャップ品エチレンオキサイド含有量=20%、1級OH率=77質量%、平均官能基数:3.0。
3.PL−2100:ポリオキシプロピレングリコール,商品名:サンニックスPL−2100,三洋化成工業(株)製,数平均分子量=2000,末端エチレンオキサイドキャップ品、平均官能基数:2.0。
4.1,4−BG:1,4−ブタンジオール。
5.EG:エチレングリコール
(イソシアネート)
6.MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4‘−体含有量=99%
7.MT:ピュアMDIのこと。製品名:ミリオネートMT,日本ポリウレタン工業(株)製,ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4‘−体含有量=99%。
(その他の成分など)
8.TINUVIN B75:紫外線吸収剤,光安定剤,酸化防止剤等の効果を示す添加剤,チバ・ジャパン製。
9.SZ−1649:シリコーン整泡剤、東レ・ダウコーニング製
10.DOTDL:ジオクチル錫ジラウレート
OHv:水酸基価
【0035】
[密度、高度、機械的強度などの測定]
12.パッド密度(g/cm3):金型から取り出した発泡ポリウレタンエラストマーの密度をASTM・D795試験法により測定した。
13.硬度(度):
(1)JIS−Aに準拠し測定した。
(2)アスカーC(ASKER C) に準拠し測定した。
(3)アスカーC(ASKER CS) に準拠し測定した。
14.機械強度:
(1)100%モジュラス(好ましい数値範囲:0.5〜1.0MPa)
(4)破断時強度(TB)(好ましい数値範囲:1MPa以上)
(5)断裂時伸び(EB)(好ましい数値範囲:100%以上)
(6)引裂強度(TR)(好ましい数値範囲:5kN/m以上)
15.反発弾性率(リュプケ)(%)
16.圧縮永久歪み(CS)(%):50%圧縮,70℃×22h(好ましい数値範囲:5%以下)
【0036】
実施例1〜9および比較例1〜8における、イソシアネート基末端プレポリマー(A)の配合およびポリオール(B)成分の配合比は表1〜4に記載したとおりである。また、ウレタン形成性組成物としての上記(A)および(B)の配合比についても同表に記載したとおりである。
次に、イソシアネート基末端プレポリマー(A)とポリオール(B)成分の処方および発泡ポリウレタンエラストマーの製造について実施例1を例として説明するが、他の実施例および比較例においてもこれらの処方および製造方法に準じて行なった。
【0037】
[実施例1のポリオール(B)成分の配合]
表1の実施例1に示す処方に従って、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量2000)[商品名PTG−2000SN(保土谷化学工業(株)製)]85部、ポリオキシプロピレンポリオール(分子量3000)[商品名GL−3000(三洋化成工業(株)製)]10部、1,4−ブタンジオール[1,4−BG]5部、水0.31部、シリコーン整泡剤[商品名SZ−1649(東レ・ダウコーニング製)]1部、紫外線吸収剤(TINUVIN B75)0.8部、ジオクチル錫ジラウレート(DOTDL)0.005を45℃で混合して、ポリオール(B)成分を得た。
【0038】
[実施例1のイソシアネート基末端プレポリマー(A)の合成]
表1の実施例1に示す処方に従って、ジフェニルメタンジイソシアネート(分子量250,4,4´−体含有量99%)[商品名ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業製)40.0質量部と、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量2000)[商品名PTG−2000SN(保土谷化学工業(株)製)]66.1質量部とを、80℃で4時間ウレタン化反応させることにより、NCO含量が10.0質量%のイソシアネート基末端プレポリマー(A)を得た。
【0039】
[実施例1の発泡ポリウレタンエラストマーの製造]
メカニカルフロス発泡機のミキシングヘッド内において、45℃に加温した上記イソシアネート基末端プレポリマー(A)103.8重量部と、45℃に加温した上記ポリオール(B)成分100重量部とを混合することにより、前者のイソシアネート基のモル数を後者の水を含めたイソシアネート反応性活性水素基の合計モル数で割った値(〔NCO〕/〔OH〕)に100を掛けた値であるイソシアネートインデックスが105となしたウレタン形成性組成物とした。このウレタン形成性組成物60容量部に対して40容量部の割合で供給した乾燥空気の雰囲気下(ミキシングヘッド内の圧力=0.2〜0.3MPa)、90〜120秒間にわたり機械的攪拌することにより、当該ウレタン形成性組成物中に乾燥空気を微分散させてフロス状の原料を調製し、この原料を、常圧下、金型(260mm×220mm×30mm)に注入し、密閉後、当該金型を90℃のオーブン内に30分間放置することにより、注入されたフロス状の原料を硬化させて、発泡ポリウレタンエラストマーを形成し、これを金型から取り出した。なお、設定密度は0.400g/cm3とした。その後、90℃、12時間オーブン中で更に硬化したものについて物性を決定した。
45℃に加温した上記イソシアネート基末端プレポリマー(A)103.8重量部と、45℃に加温した上記ポリオール(B)成分100重量部とを混合することにより、前者のイソシアネート基のモル数を後者の水を含めたイソシアネート反応性活性水素基の合計モル数で割った値(〔NCO〕/〔OH〕)に100を掛けた値であるイソシアネートインデックスが105となしたウレタン形成性組成物とした。このウレタン形成性組成物を攪拌機にて90〜120秒間機械的攪拌することにより、当該ウレタン形成性組成物中に空気を取り込ませ微分散させたフロス状の原料を調製した。この原料を、常圧下、金型(250mm×180mm×20mm)に注入した。密閉後、当該金型を120℃のオーブン内に30分間放置することにより、注入されたフロス状の原料を硬化させ発泡ポリウレタンエラストマーを形成させた。これを金型から取り出し,発泡ポリウレタンエラストマーを得た。なお、設定密度は0.400g/cm3とした。その後、80℃、12時間オーブン中で更に硬化したものについて物性を測定した。
【0040】
実施例1〜9および比較例1〜8において製造した発泡ポリウレタンエラストマーについて密度、硬度、機械的強度、CS、反発弾性率などの項目について測定・評価した結果について表1〜4に示す。
【0041】
[ウレタン形成性組成物中における水の量]
ウレタン形成性組成物中における水の量を検討した。実施例1〜9、比較例1〜8の原料配合比および発泡ポリウレタンエラストマー試験結果を示す。発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法および機械強度などの測定は上記の実施例1と同様に行った。
原料物質の種類およびその配合割合ならびに製造した発泡ポリウレタンエラストマーの密度、硬度および機械的強度について表1に示す。
これらの試験結果について実施例1〜4と比較例1〜5を対比することにより、圧縮永久歪み(CS)値が5.0%以下を示す良好な範囲となるには、ウレタン形成性組成物中における水の量が0.15〜0.75質量%が好ましいことが判明した。
【0042】
【表1】

【0043】
[ウレタン形成性組成物中におけるジオール成分]
ウレタン形成性組成物中におけるジオール成分が発泡ポリウレタンエラストマーに与える影響を検討した。発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法および機械強度などの測定は上記の実施例と同様に行った。原料物質の種類およびその配合割合ならびに製造した発泡ポリウレタンエラストマーの密度、硬度および機械的強度について表2に示す。
表2の実施例4、6および比較例6を対比することにより、ジオール成分が含まれない発泡ポリウレタンエラストマーの機械強度は著しく低下するため、ウレタン形成性組成物中におけるジオール成分の存在が好ましいことが判明した。
【0044】
【表2】

【0045】
[ウレタン形成性組成物中における3官能ポリオール成分]
ウレタン形成性組成物中における3官能成分が発泡ポリウレタンエラストマーに与える影響を検討した。発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法および機械強度などの測定は上記の実施例と同様に行った。原料物質の種類およびその配合割合ならびに製造した発泡ポリウレタンエラストマーの密度、硬度および機械的強度などについて表3に示す。
表3の実施例4、7〜9と、比較例7を対比することにより、3官能ポリオール成分が存在しないとCSが悪化することから、ウレタン形成性組成物中における3官能ポリオール成分の存在が好ましいことが判明した。
【0046】
[ポリウレタン形成組成物中における3官能ポリオール成分の割合]
ウレタン形成性組成物中における3官能ポリマー成分の割合が発泡ポリウレタンエラストマーに与える影響を検討した。発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法および機械強度などの測定は上記の実施例と同様に行った。原料物質の種類および配合割合ならびに製造した発泡ポリウレタンエラストマーの密度、硬度および機械的強度について表3に示す。
表3に示した実施例4、7〜9の試験結果より、3官能ポリオール成分が増加するとTBは低い値を示すが,CSについて良好な値を示すことが判明した。
【0047】
【表3】

【0048】
[ポリウレタン形成組成物中における3官能ポリオール成分の2官能ポリオールへの変換]
ポリウレタン形成組成物中における3官能ポリオール成分を2官能ポリオールへ変換した。発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法および機械強度などの測定は上記の実施例と同様に行った。原料物質の種類および配合割合ならびに製造した発泡ポリウレタンエラストマーの密度、硬度および機械的強度については表4に示す。
表4の実施例4と比較例8を対比することにより、3官能ポリオール成分が存在しないとCSが悪化することが判明した。
【0049】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、イソシアネート基末端プレポリマーとポリールを含有するウレタン形成性組成物に不活性ガスを巻き込みながら撹拌混合して発泡硬化体とするウレタンエラストマーの製造技術に関するものであり、発泡剤として水を用いることにより発泡特性を改善することができた。本発明により製造されたポリウレタンエラストマーは、機械的強度、反発弾性、硬度、永久歪において優れたバランスの良い物性を示すものであり、長期に渡る繰り返し荷重によく耐える防振材、特に、鉄道用パッドとして好適に使用することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1)とジフェニルメタンジイソシアネート(A2)とを反応させて得られ、かつ、イソシアネート含量が5〜20質量%のイソシアネート基末端プレポリマー(A)、
数平均分子量が500〜5,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)、平均官能基数が3〜8である数平均分子量が500〜5,000のポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)、分子量が200以下の低分子ジオール(B3)および水からなるポリオール(B)を含有するウレタン形成性組成物を、不活性気体を巻き込みながら撹拌して発泡・硬化させること、かつ、ウレタン形成性組成物中に対して水が0.15〜0.75質量%であることを特徴とする発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。
【請求項2】
ポリオール(B)が、
(B1)/〔(B1)+(B2)+(B3)〕=0.5〜0.9(質量比)、
(B2)/〔(B1)+(B2)+(B3)〕=0.05〜0.15(質量比)
であることを特徴とする請求項1に記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。
【請求項3】
反応開始時のウレタン形成性組成物と水のイソシアネートインデックスが80〜120であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。
【請求項4】
イソシアネート基末端プレポリマー(A)の平均官能基数が2.0〜3.5であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発泡ウレタンエラストマーの製造方法。
【請求項5】
ポリテトラメチレングリコール(B1)の平均官能基数が2〜9であり、ポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)の平均官能基数が3〜8であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の製造方法で使用される、不活性気体を巻き込みながら撹拌して発泡・硬化させる方法で発泡ポリウレタンエラストマーを製造するための組成物であって、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(A1)とジフェニルメタンジイソシアネート(A2)とを反応させて得られ、かつ、イソシアネート含量が5〜20質量%のイソシアネート基末端プレポリマー(A)、および
数平均分子量が500〜5,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(B1)、平均官能基数が3〜8である数平均分子量が500〜5,000のポリオキシプロピレン系ポリオール(B2)、分子量が200以下の低分子ジオール(B3)およびからなるポリオール(B)を含有するウレタン形成性組成物を、不活性気体を巻き込みながら撹拌して発泡・硬化させること、かつ、ウレタン形成性組成物中に対して水を0.15〜0.75質量%を含有することを特徴とする発泡ポリウレタンエラストマー製造用組成物。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法により製造されたことを特徴とする発泡ポリウレタンエラストマー。

【公開番号】特開2011−38005(P2011−38005A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187345(P2009−187345)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(000230135)日本ポリウレタン工業株式会社 (222)
【Fターム(参考)】