説明

発泡中空成形体

【課題】 発泡倍率が高く、軽量で断熱性に優れ、かつ剛性、耐熱性、クリーン性に優れる発泡中空成形体を提供する。
【解決手段】 溶融張力、最大溶融延伸比がいずれも高く、溶融張力と溶融延伸性のバランスに優れ、密度が高い、エチレン系重合体を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密度が高く、溶融張力と最大溶融延伸比のバランスに優れるエチレン系重合体からなる発泡中空成形体に関するものである。さらに詳細には、従来から知られているエチレン系重合体製発泡中空成形体に比べて、密度が高く、溶融張力と最大溶融延伸比のバランスに優れ、発泡性、ブロー成形性に優れるエチレン系重合体からなり、発泡倍率が高く、軽量で、断熱性に優れ、かつ、剛性、耐熱性に優れる発泡中空成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種工業分野において、プラスチック製のパイプ、フィルム、及び中空成形体が盛んに用いられるようになった。特に安価・軽量であり、成形加工性、耐薬品性・リサイクル性に優れるなどの理由からポリエチレン系樹脂からなる中空成形体が様々な用途に用いられている。これら各種の中空成形における加工特性を改良する試みは、成形加工がポリエチレンを溶融状態にして実施されることから、溶融流動性(易押出性)、溶融延伸性、溶融張力などの各種の溶融特性の改良に重点が置かれて鋭意検討がなされてきている。
【0003】
また、軽量化、断熱性、遮音性等の観点から、ポリエチレン系樹脂と発泡剤を押出機にて溶融混練し、発泡状態の溶融樹脂膜(パリソン)をダイから押し出し、金型で挟み込むことにより成形する、発泡中空成形体が検討されている。このような発泡中空成形体においても、前述の溶融特性は重要であり、発泡倍率が高い発泡体を得るためには、溶融張力と溶融延伸性のいずれもが良好である、すなわち溶融張力と溶融延伸性のバランスに優れていることが必要である。
【0004】
溶融張力が高いエチレン重合体としては、高圧ラジカル法で製造される低密度ポリエチレン(LDPE)が知られている。LDPEは発泡性には優れているが、製造できる密度範囲が限定されるため、発泡中空成形品とした場合には、剛性、耐熱性が不足するため、その用途は限られている。
【0005】
一方、チーグラー触媒またはメタロセン触媒で得られるエチレン系重合体は、密度の高いエチレン系重合体が知られているが、溶融張力が低く、破泡するなどして、十分な発泡倍率が得られなかった。
【0006】
また、高密度で、溶融張力が高いエチレン系重合体として、Cr系触媒(フィリップス触媒)を用いて製造されたエチレン重合体が知られている。しかし、Cr系触媒を用いて製造されたエチレン系重合体は、溶融延伸性が十分ではなく、良好な発泡成形体が得られなかった。
【0007】
このように、剛性、耐熱性の高い、高密度のエチレン系重合体を用いて、高い発泡倍率の発泡中空成形体を得ることは難しかった。
【0008】
そこで、LDPEをブレンドする方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。しかし、特許文献1の方法では、発泡性を上げるためには、低密度ポリエチレンの比率を増やす必要があり、その結果、剛性、耐熱性の低下が避けられなかった。また、ブロー成形性が十分ではなく、成形条件の影響を受けやすく、コーナー部での薄肉化や穴開きが発生しやすかった。
【0009】
増粘剤を添加する方法(例えば、特許文献2参照。)等も提案されているが、高価な増粘剤を使うため、コスト面での課題があった。
【0010】
また、特定の性状を有するポリエチレン系樹脂からなる発泡状態が良好な未架橋ポリエチレン発泡成形体が、本発明者により提案されている(例えば、特許文献3参照。)。このポリエチレン系樹脂は、発泡性には優れるものの、発泡ブロー成形に用いるには、ブロー成形性の改良が必要だった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平2006−305793号公報
【特許文献2】特開平2007−160582号公報
【特許文献3】特開平2006−96910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような課題を解決し、溶融張力と最大溶融延伸比のバランスに優れ、密度が高いエチレン系重合体からなることから、発泡倍率が高く、軽量で、断熱性に優れ、かつ剛性、耐熱性に優れる発泡中空成形体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、上記の目的に対して鋭意検討した結果、溶融張力、最大溶融延伸比がいずれも高く、溶融張力と溶融延伸性のバランスに優れ、密度が高い、特定のエチレン系重合体を用いることにより、発泡中空成形体の発泡倍率が高く、軽量で、断熱性に優れ、かつ、剛性、耐熱性に優れるものとなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、エチレンから導かれる繰り返し単位、またはエチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなり、下記(A)〜(D)を満足するエチレン系重合体よりなることを特徴とする中空成形体に関するものである。
【0015】
(A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が940kg/m以上970kg/m以下である。
【0016】
(B)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上10g/10分以下
【0017】
(C)190℃で測定した溶融張力(MS(mN))とMFRの関係が、下記式(1)を満足する。
【0018】
MS>40−40×log(MFR) (1)
【0019】
(D)190℃における最大溶融延伸比(DR)と190℃2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)の関係が、下記式(2)を満足する。
【0020】
DR>120×(MFR)0.75 (2)
【0021】
以下、本発明のエチレン系重合体について説明する。本発明のエチレン系重合体は、(A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度940kg/m以上、970kg/m以下である。密度が940kg/m未満だと、剛性が低くなり、また、十分な耐熱性が得られない。また、密度が970kg/mを超えると、衝撃強度が弱くなる。
【0022】
該エチレン系重合体は、(B)190℃で、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(以下、MFRと記す)が0.1g/10分以上、10g/10分以下のものである。ここで、MFRが0.1g/10分未満であると、成型加工時に押出機の負荷が大きくなり、生産性が低下する。また、MFRが10g/10分を超える場合、溶融張力が小さくなり、成形時のドローダウンが大きくなる。
【0023】
該エチレン系重合体は、(C)190℃で測定した溶融張力(MS(mN))とMFRの関係が、下記式(1)を満足し、より好ましくは(3)式を満足するものである。
【0024】
MS>40−40×log(MFR) (1)
【0025】
MS>50−50×log(MFR) (3)
【0026】
MFRとMSが(1)式、より好ましくは(3)式を満たすような溶融張力の高い樹脂は、発泡ブロー成形時に、生成した気泡を溶融樹脂が保持することができ、高い発泡倍率の中空発泡成形体を製造することが可能である。
【0027】
該エチレン系重合体は、(D)190℃で測定した最大溶融延伸比(DR)とMFRの関係が、下記式(2)を満足し、より好ましくは(4)式を満足するものである。
【0028】
DR>120×(MFR)0.75 (2)
【0029】
DR>130×(MFR)0.85 (4)
【0030】
MFRとDRが(2)式、より好ましくは(4)式を満たすような溶融延伸性に優れる樹脂は、巨大気泡が発生しにくく、気泡径が均一になり、強度が高い発泡中空成形体を製造できる。
【0031】
本発明を構成するエチレン系重合体は、溶融張力(MS)と溶融延伸比(DR)がいずれも高いため、発泡倍率の高く、気泡径が均一な発泡中空成形体が得られる。
【0032】
本発明のエチレン系重合体は、(E)重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が、2以上8以下であることが好ましく、さらに好ましくは2.5以上5以下である。Mw/Mnが2以上であると成形時に押出機の負荷が小さく、また、成形体の肌が良く、また、Mw/Mnが8以下であると、溶融延伸比が高くなり、発泡倍率が良好である。なお、Mw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリエチレン換算値である重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定することにより算出することが可能である。
【0033】
本発明の発泡中空成形体を構成する(A)〜(D)、好ましくはさらに(E)を満足するエチレン系重合体としては、該エチレン系重合体の範疇に属するものであれば如何なるものでもよく、如何なる方法により得られたものであってもよく、例えば後述する本願実施例の製造条件そのもの、あるいは条件因子の微調整によって任意に作り分けることが可能である。
【0034】
より具体的なエチレン系重合体の製造方法としては、例えば、特開2004−346304号公報、特開2005−248013号公報、特開2006−321991号公報に記載されている、マクロモノマー存在下に、あるいはマクロモノマー合成と同時に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合する方法等の方法を例示することができる。例えば、2種類の遷移金属化合物(以下、成分(a)、(b)と記す。)を主成分とし、粘土鉱物、有機化合物で処理された粘土鉱物(以下、成分(c)と記す。)、アルミノオキサン、プロトン酸塩、ルイス酸塩、金属塩、およびアルキルアルミ(以下、成分(d)と記す。)から選ばれた成分からなる触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンを共重合する方法を例示することができる。
【0035】
マクロモノマーの製造方法に関して、特に限定はないが、例えば特開2005−281676号公報、特開2006−28326号公報、特開2006−315999号公報、特開2007−246433、特開2008−50278号公報に記載の方法等を例示することができる。
【0036】
上記記載のエチレン系重合体の製造方法およびマクロモノマーの製造方法を用いることで、式(1)もしくは(3)を満たすような溶融張力の高いエチレン系重合体を製造することが可能である。本発明を構成するエチレン系重合体は、さらに溶融延伸比が高いという特徴を有しており、このようなエチレン系重合体を製造するためには、上記記載の方法において、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が、2以上8以下の分子量分布が狭いエチレン系重合体を製造しうる製造方法を選択することが望ましい。
【0037】
本発明の中空成形体を構成するエチレン系重合体を製造する際には、重合温度−100〜120℃で行うことが好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃が好ましく、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。また、重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。重合に用いられる単量体としては、エチレン単独又はエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンであり、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンである場合、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3〜8のα−オレフィン(モル比)が、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、エチレン系共重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
【0038】
重合はスラリー状態、溶液状態または気相状態で実施することができ、特に、重合をスラリー状態で行う場合にはパウダー粒子形状の整ったエチレン系共重合体を効率よく、安定的に生産することができる。また、重合に用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒であればいずれでもよく、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0039】
次に、本発明の発泡中空成形体の製造方法について説明する。
【0040】
本発明の発泡中空成形体は、本発明のエチレン系重合体と発泡剤を押出機にて溶融混練し、発泡状態の溶融樹脂膜(パリソン)をダイから押し出し、金型で挟み込むことにより製造することができる。その際の成形機としては、アキューム型及びダイレクト型等、公知のブロー成形機、押出機の途中で発泡剤を注入できる装置を有する発泡ブロー成形機等を用いることができる。
【0041】
発泡剤としては、例えば二酸化炭素、窒素、アルゴン、空気等の無機ガス発泡剤;プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン等の揮発性発泡剤を例示することができる。また、常温で液体または固体であって、加熱により気体を発生するアゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、ビウレア、炭酸亜鉛、重曹(炭酸水素ナトリウム)等の化学発泡剤を挙げることができる。また、複数の発泡剤を併用することも可能である。該発泡剤の添加量としては、本発明のポリエチレン系樹脂組成物100重量部に対し1〜20重量部であることが好ましく、特に2〜8重量部の範囲であることが好ましい。
【0042】
これらの発泡体とエチレン系重合体を混合させる方法は、発泡中空成形体が得られる限りいかなる方法を用いてもよく、例えばエチレン系重合体と発泡剤を、予めヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー等に代表される混合機で混合した組成物を、ブロー成形機に投入して、発泡させる方法、ポリエチレン系重合体と発泡剤を別々に押出機の導入し、押出機内での溶融混合する方法等を例示することができる。
【0043】
このようにして製造される本発明の発泡中空成形体の発泡倍率は、1.5〜10倍、より好ましくは2倍〜8倍である。
【0044】
本発明の発泡中空成形体を構成するエチレン系重合体は、本発明の目的を逸脱しないことを限度に各種目的に応じて他の任意の配合成分を配合していてもよく、それらの付加的配合成分としては、通常のポリオレフィン用添加剤や配合材等として用いられるものでよく、例えば結晶化核剤、酸化防止剤、中和剤、耐候性改良剤、分散剤、帯電防止剤、滑剤、分子量調整剤(過酸化物等)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、難燃剤、導電性付与剤、架橋剤、架橋助剤、金属不活性化剤、防菌剤、蛍光増白剤等の各種助剤、他の各種樹脂及びエラストマー、フィラー、着色剤等を挙げることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の発泡中空成形体は、発泡倍率が高いため、軽量で、断熱性が高い成形体が得られる。また、密度が高いため、剛性、耐熱性に優れており、容器や各種部材等の広範な用途に用いることが可能である。
【実施例】
【0046】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、断りのない限り用いた試薬等は市販品を用いた。
【0047】
有機化合物で処理された粘土鉱物(c)の調製、エチレン系重合体製造用触媒の調製、エチレン系重合体の製造および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲気下で行った。有機化合物で処理された粘土鉱物(成分(c))の調製、エチレン系重合体製造用触媒の調製、エチレン系重合体の製造に用いた溶媒等は全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。成分(a)および成分(b)は公知の方法により合成、同定したものを用いた。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/l)は東ソーファインケム(株)製を用いた。
【0048】
さらに、実施例におけるエチレン系重合体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
【0049】
〜密度の測定〜
密度(d)は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
【0050】
〜分子量および分子量分布の測定〜
重量平均分子量(M)、数平均分子量(M)および重量平均分子量と数平均分子量の比(M/M)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MおよびMは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
【0051】
溶融張力(MS)および最大溶融延伸比(DR)の測定に用いたエチレン系重合体は、予め耐熱安定剤としてイルガノックス1010TM(チバ・ジャパン(株)製)1,500ppm、イルガフォス168TM(チバ・ジャパン(株)製)1,500ppmを添加したものを、20mmΦ単軸押出機((株)東洋精機製作所製、商品名:ラボプラストミル、スクリュー圧縮比 3)を用いて、窒素気流下、200℃、回転数30rpmで混練したものを用いた。
【0052】
〜溶融張力の測定〜
溶融張力は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計((株)東洋精機製作所製、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mmのダイスを流入角が90°になるように装着し測定した。温度を190℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)をMSとした。
【0053】
〜溶融延伸性指標値の測定〜
溶融延伸性指標値は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計((株)東洋精機製作所製、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mmのダイスを流入角が90°になるように装着し測定した。温度を190℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、引き取り速度 5m/分(延伸比 24)で引取を始め、引取速度を1分間で40m/分ずつ加速していき、破断時の引取速度から最大溶融延伸比を算出した。
【0054】
〜1000ml容器の発泡成形体とその評価〜
65mmφの押出スクリューを有する単層ブロー成形機((株)プラコー製)を用いて、吹き込み空気口に0.2μmのフィルターを装着して、シリンダ温度220℃、厚み1.5mm、容器容積1000mlの容器を成形し、発泡倍率、80℃での貯蔵弾性率(耐熱性の指標)を測定した。
【0055】
〜発泡倍率の測定〜
発泡成形体の見かけ密度を比重計(新光電子(株)製、商品名: DME−220H)で測定し、樹脂の密度との比から発泡倍率を求めた。
【0056】
〜80℃での貯蔵弾性率の測定〜
発泡成形体の80℃での貯蔵弾性率は、溶融粘弾性測定装置((株)ユービーエム製、商品名 DVE−V4)を用いて測定した。発泡成形体から幅3mm、長さ25mmの試験片を切り出し、引張方向に10Hzの正弦歪みを与え、開始温度 30℃から昇温速度 2゜C/分で昇温し、80℃での貯蔵弾性率を測定した。
【0057】
実施例1
[有機化合物で処理された粘土鉱物の調製]
水60mlにエタノール60mlと37%濃塩酸2.0mlを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチル−オクタデシルアミン6.6g(0.022mol)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト20gを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライト(成分(d))を得た。元素分析の結果、変性ヘクトライト1g当たりのイオン量は0.85mmolであった。
【0058】
[エチレン系重合体製造触媒の調製]
ジメチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)]ジルコニウムジクロライド(成分(a))62mg(160μmol)をヘキサン17.6mlに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウム(成分(c))のヘキサン溶液(0.714M)22.4mlを添加し、成分(a)と成分(c)の接触生成物を得た。この接触生成物に実施例1[有機化合物で処理された粘土鉱物{成分(d)}の調製]で調製した変性ヘクトライト(成分(d))4.0gを添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄した。さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して触媒スラリー(100g/L)とした。
【0059】
上記で調製した触媒スラリーに、ジメチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)]ジルコニウムジクロライドに対して3mol%のイソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(成分(b))2.7mg(4.8μmol)とヘキサン6.7mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)1.18mlからなる溶液を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
【0060】
[エチレン系重合体の製造]
50Lオートクレーブに、ヘキサン30Lとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)25.0mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー1.875ml、1−ブテン 50gを添加し、エチレン/水素混合ガス(水素:1000ppm含)を分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、2,250gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の密度、MFR、Mw、Mw/Mn、溶融張力、溶融延伸比を表1に示す。
【0061】
[発泡中空成形体の成形]
次に得られたエチレン系重合体と重曹系発泡剤マスターバッチ(永和化成製、商品名 EE−275F) 3重量部をドライブレンドし、単層ブロー成形機((株)プラコー製)を用いて、シリンダ温度220℃で、厚み1.5mm、容器容積1000mlの発泡容器を成形した。
この容器の発泡倍率、貯蔵弾性率(80℃)の測定を行った。その結果を表2に示すが、発泡性、耐熱性に優れていることが分かる。
【0062】
実施例2
[エチレン系重合体の製造]
50Lオートクレーブに、ヘキサン30Lとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)25.0mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー1.875mlを添加し、1−ブテン 50gを添加し、エチレン/水素混合ガス(水素:700ppm含)を分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、2.400gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の密度、MFR、Mw、Mw/Mn、溶融張力、溶融延伸比を表1に示す。
【0063】
[発泡中空成形体の成形]
次に得られたエチレン系重合体を実施例1と同様に成形し、厚み1.5mm、容器容積1000mlの発泡容器を成形した。この容器の発泡倍率、貯蔵弾性率(80℃)の測定を行った。その結果を表2に示すが、発泡性、耐熱性に優れていることが分かる。
【0064】
比較例1
[有機化合物で処理された粘土鉱物の調製]
水60mlにエタノール60mlと37%濃塩酸2.0mlを加えた後、得られた溶液にN−メチルジオレイルアミン 11.7g(0.022mol)を添加し、60℃に加熱することによって、N−メチルジオレイルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト20gを加えた。この懸濁液を60℃で3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。元素分析の結果、変性ヘクトライト1g当たりのイオン量は0.85mmolであった。
【0065】
[マクロモノマー製造用触媒の調製]
上記変性ヘクトライト8.0gをヘキサン29mlに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)46mlを添加し、室温で1時間攪拌することにより、変性ヘクトライトとトリイソブチルアルミニウムの接触生成物を得た。一方、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド14.0mg(40μmol)をトルエンに溶解させたものを添加し、室温で一晩攪拌することにより、触媒スラリー(100g/L)を得た。
【0066】
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)12mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー3mlを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始53分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返し、Mは10,950のマクロモノマーを製造した。
【0067】
[エチレン系重合体の製造方法]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)12mlとジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を60℃に昇温した。エチレン/水素混合ガス(水素28,500ppm)を分圧が0.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.3MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始173分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、865gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の得られたエチレン系重合体の密度、MFR、Mw、Mw/Mn、溶融張力、溶融延伸比を表1に示す。
[発泡中空成形体の成形]
得られたエチレン系重合体を実施例1と同様に成形し、容器容積1000mlの発泡容器を成形した。パリソンの発泡倍率は2.2倍であったが、コーナー部に穴が開き、容器を成形することができなかった。
【0068】
比較例2
【0069】
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)12mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー3mlを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始53分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返し、Mは10,950のマクロモノマーを製造した。
【0070】
[エチレン系重合体の製造方法]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)12mlとジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を60℃に昇温した。エチレン/水素混合ガス(水素20,200ppm)を分圧が0.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.3MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始210分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、1020gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の得られたエチレン系重合体の密度、MFR、Mw、Mw/Mn、溶融張力、溶融延伸比を表1に示す。
[発泡中空成形体の成形]
得られたエチレン系重合体を実施例1と同様に成形し、容器容積1000mlの発泡容器を成形した。パリソンの発泡倍率は2.0倍であったが、コーナー部に穴が開き、容器を成形することができなかった。
【0071】
比較例3
[発泡中空成形体の成形]
実施例1において、エチレン系重合体を市販の高密度ポリエチレン(東ソー社製、商品名 ニポロンハード 5700)に変更した以外、実施例1と同様に容器容積1000mlの発泡容器を成形した。発泡性が十分ではなく、また、コーナー部に穴が開き、容器を成形することができなかった。
【0072】
比較例4
[発泡中空成形体の成形]
実施例1において、エチレン系重合体を市販の低密度ポリエチレン(東ソー社製、商品名 ペトロセン 170)に変更した以外、実施例1と同様に容器容積1000mlの発泡容器を成形した。この容器の発泡倍率、貯蔵弾性率(80℃)の測定を行った。その結果を表2に示すが、80℃での貯蔵弾性率が低く、耐熱性が劣る。
【0073】
比較例5
[発泡中空成形体の成形]
市販の高密度ポリエチレン(東ソー社製、商品名 ニポロンハード 5700) 80重量部と低密度ポリエチレン(東ソー社製、商品名 ペトロセン 170) 20重量部と重曹系発泡剤マスターバッチ(永和化成製、商品名 EE−275F) 3重量部をドライブレンドし、実施例1と同様に、容器容積1000mlの発泡容器を成形した。実施例1とは異なり、容器のコーナー部に薄肉部があり、穴が開いていた。
【0074】
実施例3
[エチレン系重合体の製造]
50Lオートクレーブに、ヘキサン30Lとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)25.0mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、実施例1の[エチレン系重合体製造触媒の調製]に記載の触媒スラリー1.875ml、1−ブテン 120gを添加し、エチレン/水素混合ガス(水素:500ppm含)を分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、2,100gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の密度、MFR、Mw、Mw/Mn、溶融張力、溶融延伸比を表1に示す。
【0075】
[発泡中空成形体の成形]
次に得られたエチレン系重合体と重曹系発泡剤マスターバッチ(永和化成製、商品名 EE−275F) 3重量部をドライブレンドし、単層ブロー成形機((株)プラコー製)を用いて、シリンダ温度220℃で、厚み1.5mm、容器容積1000mlの発泡容器を成形した。この容器の、貯蔵弾性率(80℃)の測定を行った。その結果を表2に示すが、発泡性、耐熱性に優れていることが分かる。
【0076】
実施例4
[エチレン系重合体製造触媒の調製]
ジメチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)]ジルコニウムジクロライド(成分(a))68mg(160μmol)をヘキサン17.6mlに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウム(成分(c))のヘキサン溶液(0.714M)22.4mlを添加し、成分(a)と成分(c)の接触生成物を得た。この接触生成物に実施例1[有機化合物で処理された粘土鉱物{成分(d)}の調製]で調製した変性ヘクトライト(成分(d))4.0gを添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄した。さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して触媒スラリー(100g/L)とした。
【0077】
上記で調製した触媒スラリーに、ジメチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)]ジルコニウムジクロライドに対して5mol%のジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(成分(b))4.5mg(8.0μmol)とヘキサン6.7mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)1.18mlからなる溶液を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
【0078】
[エチレン系重合体の製造]
50Lオートクレーブに、ヘキサン30Lとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)25.0mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー1.875ml、エチレン/水素混合ガス(水素:1500ppm含)を分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、2,100gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の密度、MFR、Mw、Mw/Mn、溶融張力、溶融延伸比を表1に示す。
【0079】
[発泡中空成形体の成形]
次に得られたエチレン系重合体と重曹系発泡剤マスターバッチ(永和化成製、商品名 EE−275F) 3重量部をドライブレンドし、単層ブロー成形機((株)プラコー製)を用いて、シリンダ温度220℃で、厚み1.5mm、容器容積1000mlの発泡容器を成形した。この容器の発泡倍率、貯蔵弾性率(80℃)の測定を行った。その結果を表2に示すが、発泡性、耐熱性に優れていることが分かる。
【0080】
実施例5
【0081】
[エチレン系重合体の製造]
50Lオートクレーブに、ヘキサン30Lとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)25.0mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー1.875ml、エチレン/水素混合ガス(水素:1200ppm含)を分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、1,900gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の密度、MFR、Mw、Mw/Mn、溶融張力、溶融延伸比を表1に示す。
【0082】
[発泡中空成形体の成形]
次に得られたエチレン系重合体と重曹系発泡剤マスターバッチ(永和化成製、商品名 EE−275F) 3重量部をドライブレンドし、単層ブロー成形機((株)プラコー製)を用いて、シリンダ温度220℃で、厚み1.5mm、容器容積1000mlの発泡容器を成形した。この容器の発泡倍率、貯蔵弾性率(80℃)の測定を行った。その結果を表2に示すが、発泡性、耐熱性に優れていることが分かる。
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の発泡中空成形体は、例えば、容器、風呂釜、ダクト、自動車部材、電気製品部材、建築部材等として用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンから導かれる繰り返し単位、またはエチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなり、下記(A)〜(D)を満足するエチレン系重合体よりなり、発泡体の見かけ密度と樹脂の密度の比から求めた発泡倍率が1.5〜10倍であることを特徴とする発泡中空成形体。
(A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が940kg/m以上970kg/m以下である。
(B)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上10g/10分以下
(C)190℃で測定した溶融張力(MS(mN))とMFRの関係が、下記式(1)を満足する。
MS>40−40×log(MFR) (1)
(D)190℃における最大溶融延伸比(DR)と190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)の関係が、下記式(2)を満足する。
DR>120×(MFR)0.75 (2)
【請求項2】
請求項1に記載のエチレン系重合体が、下記(E)を満足するエチレン系重合体であることを特徴とする発泡中空成形体。
(E)重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が2以上8以下である。

【公開番号】特開2011−26458(P2011−26458A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173914(P2009−173914)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】