説明

発泡体内部のガス試料捕集装置及びこれを利用した分析方法

本発明は、発泡体内部のガス試料捕集装置及びこれを利用した分析方法に関し、より詳細には、発泡体を粉砕することにより発泡体内部のガス試料を効果的に捕集することができ、ガス試料捕集の前後の圧力を測定することができるため、ガス分析の正確度を高めることにより、発泡体特性をより正確に評価することができる発泡体内部のガス試料捕集装置及びこれを利用した分析方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡体内部のガス試料捕集装置及びこれを利用した分析方法に関し、より詳細には、発泡体を粉砕することにより発泡体内部のガス試料を効果的に捕集することができ、ガス試料捕集の前後の圧力を測定することができるため、ガス分析の正確度を高めることにより、発泡体特性をより正確に評価することができる発泡体内部のガス試料捕集装置及びこれを利用した分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡体(Foam)は、内部にガスが含まれたり、真空状態に維持されるセルが複数形成された形態を意味するものであり、産業全般に亘って多様な材質が利用されて形成される。
【0003】
前記発泡体は、発泡体の形成材料と発砲ガスの反応を利用して内部にセルを形成するが、内部セルのサイズ、内部セルに含まれたガスの種類及び量によってその特性が大きく変化するため、発泡体内部のガスを捕集して定量及び定性を分析することは非常に重要である。
【0004】
従来の発泡体内部のガス試料を捕集する方法として、13年前にSvantromとRamnasによって、密閉されたモジュールで発泡体を刃で切断し、シリンダにガスを採取して分析する方法が提案されたことがある。
【0005】
上述の方法は、発泡体の特定部分を切削し、切削されたセル内部のガスを捕集する。しかし、発泡体の複数個の試料切削部分が同一の形態を有しても、前記発泡体内部のセルの不規則性によって採取されるガスの量には差が存在する。また、切削回数を増加させるとしても、有機発泡体が有している反発弾性(resilience)によって発泡体を完全に破壊することは不可能である。従って、発泡体内部のセルガスを完璧に捕集することは困難である。
【0006】
即ち、同一の発泡体試料で繰り返して試験する場合にも、前記方法によって捕集されたガスの結果値に誤差が発生し、試験の信頼性が低下する。
【0007】
一方、発泡体のうち断熱材として幅広く利用されているウレタンフォームの場合を説明すると、前記ウレタンフォームは時間の経過につれて熱伝導度が増加し、断熱性能が低下するが、これは、発泡体内部のセルに含まれるガス中に存在する発砲ガス及び残留ガス(酸素、窒素、二酸化炭素など)によって決められる。
【0008】
さらに詳細には、前記ウレタンフォームは、発泡体セル内部の二酸化炭素を含むガスは形成初期に急激に拡散してウレタンフォームの外部に流出され、前記ウレタンフォームが長期的に大気中に露出される場合には、空気中の窒素、及び酸素のようなガスがフォームの内部に拡散して、フォーム内部の断熱性能が低下するようになる。
【0009】
従って、発泡体内部のガス試料を採取して分析することは、ウレタンフォームの性能を決定する主要要素である。特に、断熱材が建築材として利用される場合、時間の経過につれて断熱性能が低下すると、1次的には適切な断熱を遂行できないことによるエネルギーの浪費をもたらすようになり、2次的にはこれを取り替えるために内壁を壊して再施工するなど、複雑な取り替え工程によって高いコストと長時間がかかるため、追加的なエネルギーの浪費をもたらすという問題点がある。
【0010】
さらに、断熱は建物のエネルギー消費の低減のためのもっとも基本的な方法であり、最近、エネルギー使用量の増加及び原油価格の上昇により、環境とエネルギーについての関心が増加するにつれて、建築、冷凍装置、及び自動車などの産業全般に亘ってエネルギーを効率的に管理することに対する必要性が台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述したような問題点を解決するために導き出されたものであり、内部に複数個のセルが不規則的に含まれた発泡体を粉砕することにより、発泡体内部のガス試料を容易に捕集することができ、誤差を減らして試験の信頼性をさらに高めることができる発泡体内部のガス試料捕集装置及びこれを利用した分析方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、ガス試料捕集の前後の圧力を測定することができるため、発泡体特性をより正確に評価することができる発泡体内部のガス試料捕集装置及びこれを利用した分析方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の発泡体F内部のガス試料捕集装置1000は、内部に発泡体Fが収容されるように発泡体収容部121が形成された本体100と、前記本体100内部の発泡体Fの一側と接触するように備えられ、前記発泡体Fを粉砕する粉砕部200と、前記本体100内部の発泡体Fの他側と接触するように備えられ、前記発泡体Fを粉砕部200側に加圧する加圧部300と、前記本体100の一側に形成されて本体100内部に浄化ガスを注入し、第1弁430が形成された浄化ガス注入部400と、前記本体100の一側に形成されて本体100内部のガスを外部に排出し、第2弁510が形成されたガス排出部500と、前記本体100内部の圧力を測定する圧力計600と、を含んでいることを特徴とする。
【0014】
また、前記本体100は、前記粉砕部200が備えられた第1本体110と、前記発泡体収容部121が形成された第2本体120と、前記加圧部300が備えられた第3本体130と、の結合によって形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、前記第2本体120と第3本体130との締結を解除した後、発泡体F試料を取り出すことによって内部に発泡体Fを含む発泡体試料取出部140が前記第2本体120の発泡体収容部121に挿入されることを特徴とする。
【0016】
尚、前記発泡体試料取出部140の一側端部には外側に突出した突出部141が形成され、前記第2本体120には、前記突出部141を係止させて前記発泡体試料取出部140の挿入深さを制限するための段差部122が形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、前記粉砕部200は、粉砕板210と、前記粉砕板210を支持する粉砕板支持部220と、前記粉砕板支持部220と連結され、前記粉砕板210を回転させる粉砕板駆動部230と、を含んでいることを特徴とする。
【0018】
また、前記第2本体120は、前記発泡体収容部121が前記粉砕板210に対して偏心すように位置していることを特徴とする。
【0019】
尚、前記加圧部300は、加圧軸310と、前記第1本体110が固定されたレール330と、前記レール330に連結され、前記加圧軸310を固定する加圧軸固定部320と、前記加圧軸310及び加圧軸固定部320をレール330に沿って移動させる加圧軸駆動部(不図示)と、を含んでいることを特徴とする。
【0020】
また、前記浄化ガス注入部400は前記第2本体120に形成され、前記ガス排出部500は第3本体130に形成されていることを特徴とする。
【0021】
尚、前記浄化ガス注入部400は、浄化ガス貯蔵部410と、流量調節部420と、をさらに含んでいることを特徴とする。
【0022】
また、前記ガス排出部500は、分析装備700と直接連結されていることを特徴とする。
【0023】
一方、上述したような特徴を有する発泡体F内部のガス試料捕集装置1000を利用した発泡体F内部のガス試料分析方法は、前記浄化ガス注入部400の第1弁430及びガス排出部500の第2弁510を開放し、浄化ガスが本体100の内部を浄化(Purge)する浄化段階(Sa)と、前記第2本体120と第3本体130の締結を解除した後、前記発泡体F試料を取り出した発泡体試料取出部140を前記第2本体120の発泡体収容部121に挿入する発泡体F試料の挿入段階(Sb)と、前記第2本体120と第3本体130を締結した後、本体内部の圧力を大気圧状態に調節する圧力調節段階(Sc)と、前記加圧部300及び粉砕部200を作動させて前記発泡体Fを粉砕する粉砕段階(Sd)と、前記加圧部300の位置を初期状態に調節して本体100内部の空間を粉砕前と同一にした後、圧力計600を利用して圧力を測定する圧力測定段階(Se)と、前記ガス排出部500に分析装備700を連結した後、前記第2弁510を開放して発泡体内部のガス試料を分析する分析段階(Sf)と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
これにより、本発明の発泡体内部のガス試料捕集装置及びこれを利用した分析方法は、内部に複数個のセルが不規則的に含まれた発泡体を粉砕することにいより、発泡体内部のガス試料を容易に捕集することができ、誤差を減らして試験の信頼性をさらに高めることができるという長所がある。
【0025】
また、本発明の発泡体内部のガス試料捕集装置及びこれを利用した分析方法は、ガス試料捕集の前後の圧力を測定することができるため、発泡体特性をより正確に評価することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による発泡体内部のガス試料捕集装置の斜視図である。
【図2】本発明による発泡体内部のガス試料捕集装置の分解斜視図である。
【図3】本発明による発泡体内部のガス試料捕集装置の断面図である。
【図4】本発明による発泡体内部のガス試料捕集装置の発泡体試料取出部の発泡体試料取出の例を示した図面である。
【図5】本発明による発泡体内部のガス試料捕集装置の作動を示した図面である。
【図6】本発明による発泡体内部のガス試料捕集装置の作動を示した図面である。
【図7】本発明による発泡体内部のガス試料捕集装置の作動を示した図面である。
【図8】本発明による発泡体内部のガス試料の分析方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、上述したような特徴を有する本発明の発泡体F内部のガス試料捕集装置1000及びこれを利用した分析方法を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1から図3は本発明による発泡体F内部のガス試料捕集装置1000の斜視図、分解斜視図、及び断面図であり、図4は本発明による発泡体F内部のガス試料捕集装置1000の発泡体試料取出部140の発泡体F試料取出の例を示した図面であり、図5から図7は本発明による発泡体F内部のガス試料捕集装置1000の作動を示した図面であり、図8は本発明による発泡体F内部のガス試料分析方法のフローチャートである。
【0029】
本発明の発泡体F内部のガス試料捕集装置1000は、基本になる本体100と、粉砕部200と、加圧部300と、浄化ガス注入部400と、ガス排出部500と、圧力計600と、を含んで形成されている。
【0030】
前記本体100は、内部に発泡体Fが収容されることができるように一定領域が中空された発泡体収容部121が形成され、内部に粉砕部200及び加圧部300の一部構成が含まれている。
【0031】
前記本体100は生産及び組立が容易であり、前記発泡体Fの挿入が容易であるように、前記粉砕部200が備えられた第1本体110と、前記発泡体収容部121が形成された第2本体120と、前記加圧部300が備えられた第3本体130と、の構成が夫々製作された後、組み立てられることにより形成されることが好ましい。
【0032】
前記本体100は装置が組み立てられた後、内部のガスが外部に排出されたり、外部のガスが流入されることがないように気密が維持されなければならない。
【0033】
前記発泡体Fは、試験のために一定サイズに切断する場合、切断された面に位置されたセルが破壊されながらそのガスが外部に排出されるため、本発明の発泡体F内部のガス試料捕集装置1000は、図4に図示されたように、前記発泡体F上にフレームを形成し、別の発泡体試料取出部140を挿入して試料を取り出すことができる。
【0034】
また、前記発泡体Fの外面には一定領域が中空となった中空ホール142が形成され、浄化ガス注入部400を介して注入された浄化ガスが円滑に流動されるようにすることができる。また、発泡体の試料取出時、別途部材が前記中空ホール142に挿入される固定部材と連結され、掴むことができる領域を確張することにより、取出工程がさらに容易に行われることができる。
【0035】
勿論、前記別途部材及び固定部材は、前記発泡体試料取出部140の試料取出時にのみ連結され、取出後にはこれが解除される。
【0036】
尚、前記発泡体Fの試料が取り出された発泡体試料取出部140は、そのまま前記第2本体120の発泡体収容部121に挿入されることにより、発泡体Fの試料取出工程を簡素化し、発泡体Fの内部のガス排出を最小化することが好ましい。(図6参照)
【0037】
発泡体F内部のガス試料を捕集する方法を含む全体の分析方法は後述する。
【0038】
また、前記発泡体試料取出部140には端部が外側に部分的に突出した突出部141が形成され、前記第2本体120の発泡体収容部121には、前記突出部141を係止させて前記発泡体試料取出部140の挿入深さを制限するための段差部122が形成される。
【0039】
前記粉砕部200は、前記第1本体110に備えられ、前記第2本体120の内部に備えられる発泡体Fの一側と接触するように形成される。
【0040】
前記粉砕部200は、前記発泡体Fを粉砕することができる多様な手段を含むことができるが、好ましくは、粉砕板210と、前記粉砕板210を支持する粉砕板支持部220と、前記粉砕板支持部220と連結され、前記粉砕板210を回転させる粉砕板駆動部230と、を含むことができる。
【0041】
前記粉砕板210は、実質的に前記発泡体Fと接して粉砕を担当する構成であり、サンドペーパー、ダイヤモンドグラインディングシートなどを含む多様な材料が利用されることができ、この際、前記粉砕板210は前記発泡体Fの硬度に応じて適宜選択して用いる。
【0042】
この際、前記発泡体Fは、粉砕が効果的になされるように粉砕板210の一側に対して偏心するように(前記発泡体Fの中心軸が前記粉砕板210の中心軸を外れるように)前記第2本体120の発泡体収容部121の位置が調節されていることが好ましい。
【0043】
前記加圧部300は、前記発泡体Fを粉砕部200側に加圧し、前記発泡体Fの粉砕が効率的になされるようにする構成であり、前記加圧部300は前記発泡体Fを適切に加圧することができる手段が多様に利用されることができる。
【0044】
本発明による発泡体F内部のガス試料捕集装置1000において、前記加圧部300は、図1から図3に示したように、加圧軸310と、前記第1本体110を固定するレール330と、前記レール330に連結され、前記加圧軸310を固定する加圧軸固定部320と、前記加圧軸310及び加圧軸固定部320をレール330に沿って移動させる加圧軸駆動部(不図示)と、を含んでいることができる。
【0045】
この際、上述したように、前記発泡体収容部121に段差部122が形成され、前記発泡体試料取出部140に突出部141が形成されていることにより、前記加圧部300の加圧軸310が移動するとき、前記発泡体試料取出部140の内部の発泡体F試料のみが移動する。
【0046】
前記加圧軸310の一側端部は、前記発泡体試料取出部140の内部の発泡体F試料が粉砕板210側に移動することができるように前記発泡体F試料の端部と接触するように形成され、前記本体100の外側方向への最大移動時(図面で右側方向)には、前記第3本体130によって支持されるようにする。
【0047】
前記本体100の内部の圧力は前記加圧軸310の移動によって急激に変化する可能性があるため、全体圧力の変化を測定しようとする場合には、前記加圧軸310の位置を変化させずに圧力を測定しなければならない。
【0048】
添付図面に示された例の他にも、前記加圧軸310が添付図面で左/右方向に移動するようにすることにより前記発泡体Fを適切に加圧して粉砕するようにする多様な構成が用いられることができる。
【0049】
前記浄化ガス注入部400は、前記本体100の内部に浄化ガスを注入して内部を浄化(Purge)するための構成であり、前記第2本体120に形成されていることが好ましい。
【0050】
より詳細には、前記浄化ガス注入部400は、浄化ガスが貯蔵される浄化ガス貯蔵部410と、前記浄化ガスの供給流量を調節する流量調節部420と、第1弁430と、を含んで形成されることができる。
【0051】
この際、前記浄化ガスは発泡体F内部に含まれていないガスであり、大気または発泡体F内部のガスと反応しないガスが利用されなければならず、代表的には、ヘリウム(He)ガスが利用されることができる。
【0052】
前記ガス排出部500は、前記浄化ガス注入部400を介して注入された浄化ガスまたは発泡体F内部のガスを排出させるための構成であり、前記第3本体130に形成されることが好ましい。
【0053】
前記ガス排出部500はガスの排出を調節する第2弁510と連結され、以後、分析作業を行う分析装備700と直接連結されることができる。この際、前記分析装備700は精密ガス質量分析機(precision gas mass spectrometer;Gas/MS)が利用されることができる。
【0054】
前記浄化ガス注入部400による浄化ガスの注入時には、前記図6に図示したように、前記第1弁430及び第2弁510を全て開放して浄化ガスが本体100の内部に流入され、前記浄化ガスは本体100の内部の残留ガスなどとともに前記ガス排出部500を介して排出される。
【0055】
前記浄化ガス注入部400による浄化作業は、粉砕作業の前に行われ、分析方法の信頼性をさらに高めるようにする。
【0056】
前記圧力計600は本体100の内部の圧力を測定する構成であり、図面では圧力計が前記浄化ガス注入部400に連結された例を図示している。
【0057】
一方、本発明の発泡体F内部のガス試料の分析方法は、浄化段階(Sa)と、発泡体Fの試料挿入段階(Sb)と、圧力調節段階(Sc)と、粉砕段階(Sd)と、圧力測定段階(Se)と、分析段階(Sf)と、を含むことを特徴とする。
【0058】
前記浄化段階(Sa)は、本体100の内部に残存するガスを排出させるための段階である。この段階で、前記浄化ガス注入部400の第1弁430とガス排出部500の第2弁510が開放され、図5に図示されたように浄化ガスが流動されながら、本体100の内部を浄化する。
【0059】
前記浄化段階(Sa)は5〜15分程度行われることができ、本体100のサイズなどに応じてその遂行時間は変化されることができる。
【0060】
前記浄化段階(Sa)時、前記加圧軸310は図面で最右側に位置され、浄化ガスによる浄化が円滑に行われるようにすることが好ましい。
【0061】
前記発泡体Fの試料挿入段階(Sb)は、図4に図示したように発泡体F試料を取り出し、図6に図示されたように前記取り出された発泡体F試料を内部に含む発泡体試料取出部140を前記第2本体120の発泡体収容部121に挿入する段階である。
【0062】
この際、前記第1弁430は開放されて連続的に浄化ガスが本体100の内部に流入されて排出されるようにすることにより、これと反対方向に外部ガスが本体100の内部に流入されることを防止する。
【0063】
前記圧力調節段階(Sc)は、前記第2本体120と第3本体130とを締結した後、本体内部の圧力を大気圧状態に調節する段階である。この段階で、前記圧力計600を用いて本体100の内部の圧力を確認しながら前記浄化ガス注入部400の第1弁430と前記ガス排出部500の第2弁510が閉鎖されることにより、本体100の内部の圧力を大気圧状態に調節する。
【0064】
前記圧力調節段階(Sc)は、発泡体F試料の粉砕の前に内部圧力を大気圧の基準圧力状態に調節するための段階であり、前記第1弁430と第2弁510の閉鎖時点を調節することにより行うことができる。
【0065】
前記粉砕段階(Sd)は、前記加圧部300及び粉砕部200を作動させて前記発泡体Fを粉砕する段階であり、前記粉砕段階(Sd)によって発泡体F内部のセルを殆ど破壊することにより、セル内部に存在するガスが本体100内部に存在するようになる。
【0066】
前記圧力測定段階(Se)は、粉砕が完了した後、発泡体Fによる圧力を測定する段階であり、この際、前記加圧部300の位置を加圧部300が作動する前の初期状態に調節し、本体100内部の空間を粉砕の前と同一にした後、圧力を測定する。
【0067】
前記圧力測定段階(Se)で測定された圧力の変化は、発泡体F内部にガスが存在しない真空状態で存在するセルの程度を把握できる基本資料として活用されることができる。以後、前記圧力測定段階(Se)で測定された圧力が分析装備700を利用して測定した圧力と比較されることにより、本分析方法の信頼度を評価できる資料として利用することができる。
【0068】
前記分析段階(Sf)は、前記ガス排出部500に分析装備700を連結した後、前記第2弁510を開放して発泡体内部のガス試料を分析する段階であり、本発明による発泡体F内部のガス試料捕集装置1000を利用した分析方法は、前記ガス試料捕集装置1000のガス排出部500に分析装備700を直接連結して分析を行うことにより、さらに高い信頼性を得ることができる。
【0069】
前記図7に図示されたように、前記第1弁430が閉鎖されるため、本体100の内部のガスは矢印のように移動し、前記分析装備700によって分析される。
【0070】
上述したように、本発明の分析方法は、発泡体Fを粉砕することにより内部セルを殆ど破壊してガス試料を効果的に捕集することができ、本体100の内部の汚染ガスを外部に放出し、粉砕前後の圧力を測定することにより分析の信頼性をさらに高めることができるという長所がある。
【0071】
特に、本発明の発泡体F内部のガス試料捕集装置1000及び分析方法は、前記発泡体Fがウレタンフォームである場合、内部のガス試料を分析してウレタンフォームの断熱特性を正確に予測することができるという長所がある。
【0072】
本発明は上述した実施例に限定されず、適用範囲が多様であることは勿論、請求範囲で請求する本発明の旨を外れることなく、多様な変形実施が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
1000 発泡体内部のガス試料捕集装置
F 発泡体
100 本体
110 第1本体
120 第2本体
121 発泡体収容部
122 段差部
130 第3本体
140 発泡体試料取出部
141 突出部
200 粉砕部
210 粉砕板
220 粉砕板支持部
230 粉砕板駆動部
300 加圧部
310 加圧軸
320 加圧軸固定部
330 レール
400 浄化ガス注入部
410 浄化ガス貯蔵部
420 流量調節部
430 第1弁
500 ガス排出部
510 第2弁
600 圧力計
700 分析装備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に発泡体Fが収容されるように発泡体収容部121が形成された本体100と、
前記本体100内部の発泡体Fの一側と接触するように備えられ、前記発泡体Fを粉砕する粉砕部200と、
前記本体100内部の発泡体Fの他側と接触するように備えられ、前記発泡体Fを粉砕部200側に加圧する加圧部300と、
前記本体100の一側に形成されて本体100内部に浄化ガスを注入し、第1弁430が形成された浄化ガス注入部400と、
前記本体100の一側に形成されて本体100内部のガスを外部に排出し、第2弁510が形成されたガス排出部500と、
前記本体100内部の圧力を測定する圧力計600と、
を含んでいることを特徴とする発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項2】
前記本体100は、前記粉砕部200が備えられた第1本体110と、前記発泡体収容部121が形成された第2本体120と、前記加圧部300が備えられた第3本体130と、の結合によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項3】
前記第2本体120と前記第3本体130との締結を解除した後、発泡体F試料を取り出すことによって内部に発泡体Fを含む発泡体試料取出部140が前記第2本体120の発泡体収容部121に挿入されることを特徴とする請求項2に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項4】
前記発泡体試料取出部140の一側端部には外側に突出した突出部141が形成され、前記第2本体120には、前記突出部141を係止させて前記発泡体試料取出部140の挿入深さを制限する段差部122が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項5】
前記粉砕部200は、粉砕板210と、前記粉砕板210を支持する粉砕板支持部220と、前記粉砕板支持部220と連結され、前記粉砕板210を回転させる粉砕板駆動部230と、を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項6】
前記第2本体120は、前記発泡体収容部121が前記粉砕板210に対して偏心するように位置していることを特徴とする請求項5に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項7】
前記加圧部300は、加圧軸310と、前記第1本体110が固定されたレール330と、前記レール330に連結され、前記加圧軸310を固定する加圧軸固定部320と、前記加圧軸310及び加圧軸固定部320をレール330に沿って移動させる加圧軸駆動部(不図示)と、を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項8】
前記浄化ガス注入部400が前記第2本体120に形成され、前記ガス排出部500が第3本体130に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項9】
前記浄化ガス注入部400は、
浄化ガス貯蔵部410と、流量調節部420と、をさらに含んでいることを特徴とする請求項8に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項10】
前記浄化ガスはヘリウム(He)であることを特徴とする請求項8に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項11】
前記ガス排出部500は、分析装備700と直接連結されていることを特徴とする請求項2に記載の発泡体内部のガス試料捕集装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一項に記載のガス試料捕集装置1000を利用した発泡体F内部のガス試料分析方法は、
前記浄化ガス注入部400の第1弁430及びガス排出部500の第2弁510を開放し、浄化ガスが本体100の内部を浄化(Purge)する浄化段階(Sa)と、
前記第2本体120と第3本体130の締結を解除した後、前記発泡体F試料を取り出した発泡体試料取出部140を前記第2本体120の発泡体収容部121に挿入する発泡体F試料の挿入段階(Sb)と、
前記第2本体120と第3本体130を締結した後、本体内部の圧力を大気圧状態に調節する圧力調節段階(Sc)と、
前記加圧部300及び前記粉砕部200を作動させて前記発泡体Fを粉砕する粉砕段階(Sd)と、
前記加圧部300の位置を初期状態に調節して本体100内部の空間を粉砕前と同一にした後、圧力計600を利用して圧力を測定する圧力測定段階(Se)と、
前記ガス排出部500に分析装備700を連結した後、前記第2弁510を開放して発泡体内部のガス試料を分析する分析段階(Sf)と、
を含むことを特徴とする発泡体内部のガス試料分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−512393(P2012−512393A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540614(P2011−540614)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007509
【国際公開番号】WO2010/071348
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(595027240)コリア リサーチ インスティチュート オブ スタンダーズ アンド サイエンス (19)
【Fターム(参考)】