説明

発泡性アンダーフィル封入剤

本発明は、電子部品の基板への適用に使用される、熱可塑性または熱硬化性のB‐ステージになり得る又は予備成形されたフィルム状のアンダーフィル封入剤組成物に関する。組成物は、熱可塑性または熱硬化性樹脂、膨張性微小球、溶剤、任意に触媒を含む。所望により、定着剤、流動添加剤、レオロジー改質剤のような他の添加剤も添加され得る。アンダーフィル封入剤を乾燥又はB‐ステージ化して、基板又は部品上に平滑で不粘着性のコーティングを提供し得る。他の態様では、膨張性充填剤が高温適用により膨張して、アセンブリーの所望の部分に独立気泡フォーム構造を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1種以上の膨張性充填剤を含有するアンダーフィル封入剤、およびそれを電子デバイスに適用する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、1種以上の膨張性充填剤を含有するアンダーフィル封入剤配合物に関する。その封入剤は、マイクロエレクトロ二クスデバイスにおける電子部品と基板の間の相互連結を保護および強化するために使用される。マイクロエレクトロ二クスデバイスは、マルチタイプの電気回路部品、主として集積回路(IC)チップにおいて一緒に組立てられるトランジスター、並びに抵抗、コンデンサーおよび他の部品をも含む。それらの電子部品は、相互連結されて回路を形成し、最終的にはプリント配線板のようなキャリアまたは基板に接続され、そしてその上に支持される。集積回路部品は、シングルベアチップ(single bare chip)、シングル封入チップ、あるいは多連(multiple)チップの封入パッケージを含み得る。シングルベアチップは、リードフレームに結合されることができて、その結果としてプリント配線板に封入および結合されるか、またはプリント配線板に直接結合されることが可能である。それらのチップは、当初は多連チップを含む半導体ウエハーとして形成される。その半導体ウエハーは、所望により個々のチップに、またはチップパッケージにダイシングされる。
【0003】
その部品が、リードフレームに接続されたベアチップであろうと、あるいはプリント配線板または他の基板に接続されたパッケージであろうと、電子部品の電気端子と基板上の対応する電気端子の間に、それらの接続が形成される。それらの接続を形成する一つの方法では、部品または基板の端子にバンプ状に適用されるポリマー材料または金属材料が使用される。それらの端子は並べられて相互に接触し、そして得られるアセンブリーが加熱されて、その金属材料またはポリマー材料をリフローさせ、その接続を固化する。
【0004】
通常の寿命の間、電子アセンブリーは、温度の上昇および降下のサイクルに曝される。電子部品、相互連結材料および基板についての熱膨張係数における違いによって、この熱サイクルでそのアセンブリーの部品に応力が掛かり、故障を生じ得る。その故障を防ぐために、部品と基板の間の隙間がポリマー性封入剤(以降アンダーフィルまたはアンダーフィル封入剤と言う)で充填されて、相互連結材料が強化され、熱サイクルの応力のいくらかが吸収される。アンダーフィル技術についての二つの重要な用途は、チップパッケージが基板に結合されるチップスケールパッケージ(CSP)として産業界で知られているパッケージの強化、並びに種々の相互連結によってチップが基板に結合されるフリップ‐チップパッケージの強化のためのものである。そのアンダーフィルのもう一つの機能は、衝撃または振動のような機械的ショックに対する部品の強化である。これは、使用時に偶発的に落下され、または他の応力が掛けられると予想され得る携帯電話等の携帯型電子デバイスにおける耐久性について特に重要である。
【0005】
通常の毛管流れのアンダーフィルの適用において、金属またはポリマーの相互連結材料のリフロー後に、アンダーフィルの分配と硬化が生じる。この手順において、フラックスが最初に基材上の金属パッドに塗布される。次に、はんだ付け部位の上部において、そのチップが基板のフラックス塗布された領域に配置される。次いでそのアセンブリーが加熱されて、はんだ接合部のリフローを可能にする。この時点で、適量のアンダーフィル封入剤材料が電子アセンブリーの一つ以上の周囲側面に沿って分配されて、部品‐基材の隙間内での毛管作用がその材料を内側の方に引き寄せる。その隙間が充填された後、応力集中を減少させ、その組立てられた構造の疲れ寿命を長引かせるのを助長するために、追加のアンダーフィル封入剤がそのアセンブリーの周囲全体に沿って分配されても良い。結果的にアンダーフィル封入剤が硬化されて、その最適化された最終特性に至る。毛管アンダーフィルの欠点は、その適用がいくつかの特別な工程を必要とし、従って大容量の製造に対して経済的ではないことである。
【0006】
最近、ノーフローアンダーフィルを使用し、その部位に部品を配置する前にアセンブリー部位に直接そのノーフローアンダーフィルをコートすることによって、その加工を能率的にして、効率を高めるための試みがなされて来ている。部品を配置した後、そのアセンブリー全体をリフロー炉に通過させることによって、基板上の金属接続にその部品がはんだ付けされる。その加工に間、アンダーフィルがはんだと金属パッドを溶かして、その相互連結部、基板およびアンダーフィルの間で相互連結結合を形成する。ノーフローアンダーフィルプロセスにおける一つの制限は、他の接続への短絡を最後に生じ得る半田はみ出しに至るようなアンダーフィル内の過剰な気孔発生を避けるために、その基板と部品が予備乾燥されねばならないことである。従って、組み立て前に基板が乾燥されて、次いで乾燥貯蔵所中に保管されねばならない。このプロセスは、大容量の製造者にとって扱いにくいものである。
【0007】
予備適用されるアンダーフィル封入剤として有用であるためには、そのアンダーフィルがいくつかの重要な特性を備えなければならない。第1に、アセンブリー全体がばらつきの無いコーティングを有するように、その材料は均一に適用することが容易でなければならない。アンダーフィル封入剤は、残留溶剤が最小の平滑で不粘着性のコーティングを提供するためにCSP部品上への配置後にアンダーフィルが凝固されねばならないことを意味するB‐ステージになり得るか、あるいはフィルムに成形可能であるかのいずれかでなければならない。さらに、従来のアンダーフィル材料を均一に適用する際に製造中の大きな困難性がしばしば存在する。
【0008】
B‐ステージプロセスは通常、アンダーフィル封入剤を尚早に硬化することなく、約150℃より低い温度で生じる。そのアンダーフィル封入剤の最終的硬化は、はんだの溶融(はんだが相互連結材料である状態において)、および錫/鉛共融混合物はんだの場合に183℃の温度で生じる相互連結の後まで、遅らされねばならない。そのアンダーフィルの最終硬化は、はんだバンプ流れと相互連結の後にすぐに生じるべきである。丸み形成を可能にし、チップまたはチップパッシベーション層(chip passivation layer)、基板、またははんだマスクとはんだ接合部との間での良好な接着性を提供するために、個々のチップの基板へのこの最終結合の間に、アンダーフィル封入剤が流れなければならない。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、基板への電子部品の適用、最も一般的にはチップスケールパッケージ(CSP)の適用において使用される、B‐ステージになり得るまたは予備成形されたアンダーフィル封入剤組成物に関するものである。その組成物には、フェノキシ樹脂、膨張性ポリマー球のような膨張性充填剤材料、溶剤、任意に高めの分子量のエポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂、任意にイミダゾール‐無水物触媒または同等の潜在的触媒、そして任意にフラックス剤および/または湿潤剤を含む熱可塑性樹脂系が含まれる。定着剤、流動添加剤およびレオロジー改質剤のような他の種々の添加剤も、所望により添加され得る。そのアンダーフィル封入剤は、基板または部品上に平滑で不粘着性であるコーティングを提供するために、B‐ステージになり得ても良い。もう一つの態様において、アンダーフィル封入剤は予備成形されたフィルムである。両方の態様において、膨張性充填剤材料は、高めの温度の適用で膨張して、アセンブリーの所望の部分に独立気泡フォーム構造を形成する。そのアンダーフィルは、CSPの部分、例えばその周囲に、はんだバンプ間の離散した点のように、あるいははんだバンプの列の間のグリッドパターンに、選択的に適用され得る。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明のアンダーフィル封入剤組成物において使用される樹脂は、熱可塑性樹脂または硬化し得る化合物であり得る。その後者は、それらが重合し得ることを意味する。本明細書において使用されるように、硬化(cure)するとは、架橋を伴って重合することを意味する。当分野において理解されているように、架橋は元素、分子基または化合物の橋による二つのポリマー鎖の結合であって、一般的には加熱によって生じるものである。
【0011】
膨張性充填剤を含有する熱可塑性または熱硬化性樹脂の系は、配合され、そして表面実装部品のような電子部品、並びにCSPまたはBGA(Ball Grid Array)のようなエリアアレイ(area array)デバイス上に、B‐ステージになり得る液状物質あるいはラミネートフィルムのいずれかとして予備適用され得る。本発明の樹脂系は、ウエハー、パネルまたは部品のレベルについても利用され得る。それらの状況において、封入剤の部品への最初の適用の後には、その膨張性充填剤が未膨張のままである。その封入剤を含有する部品は次いで、はんだペーストおよび/またはフラックスを使用するプリント回路基板上に配置され、そしてその部品がリフロー炉を通過され、そこでその部品が回路に電気的に接続される。そのリフロープロセスの間に、未膨張のポリマー球が膨張して、所望の領域を、しばしばはんだ接合部間の領域を独立気泡フォーム構造で充填する。
【0012】
本発明のアンダーフィル封入剤組成物の成分には、1種以上のフェノキシ樹脂、高められた温度で膨張し得る熱可塑性または熱硬化性のポリマー、熱硬化性ポリマーの場合にイミダゾール‐無水物付加物のような触媒、および1種以上の溶剤のブレンドが含まれる。任意に、フラックス剤、脱泡剤、流動添加剤、定着剤、レオロジー改質剤、界面活性剤、無機充填剤および他の配合剤が含まれても良い。それらの成分は、特定の樹脂の使用に対して特性に関する所望のバランスが得られるように、厳密に選択される。その樹脂を溶解して、CSPパネル上でのスピンコーティング、スクリーン印刷またはステンシル印刷による液状での適用のための好適な粘度を有するペースト状にその組成物を形成するように、溶剤が選択される。そのアンダーフィル系は、中実の予備形成されたラミネートフィルムとして適用されても良い。
【0013】
好ましい態様において、その組成物は、熱可塑性ポリマーおよび溶剤を含み、B‐ステージになり得るもの、即ちその組成物が、基板に結合されるべき電子部品上に平滑で不粘着性のコーティングを形成する最初の凝固が可能であるものである。好ましくは、B‐ステージ凝固が約60℃〜約150℃の範囲の温度で生じる。この温度において、膨張性充填剤は膨張しない。そのB‐ステージプロセスの後に、平滑で不粘着性の中実コーティングがCSPパネル上に得られて、そのCSPパネルの個々のCSPへのきれいなダイシングが確保される。はんだリフローの温度プロフィルに曝される間に、最終的な凝固が生じる。膨張性充填剤は、標準的なはんだリフロー条件で膨張する。錫/鉛共融混合物はんだの場合には、そのはんだの融点、即ち183℃より高い温度で、相互連結の形成が生じる。もう一つの好ましい態様において、その組成物は予備形成されたラミネートフィルムである。そのフィルムはフェノキシ樹脂であるが、膨張性球と配合された熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィンなども利用されることが期待され得る。
【0014】
本発明のアンダーフィル組成物中への使用に適したフェノキシ樹脂の例示には、高分子量の固体が含まれる。その例として、PKHC、PKHH、HCおよびHHの商品名でInchem社から入手可能な樹脂、またはそれらの液状エポキシ樹脂とのブレンドが挙げられる。
【0015】
アンダーフィル中に用いられる膨張性充填剤は、所望の領域を満たす独立気泡フォームを生成するのに十分なものでなければならない。しばしばその所望の領域が、はんだ接合部を取り囲む表面領域全体、あるいはアセンブリーの周囲を取り巻く線のいずれかである。好ましい膨張性充填剤の材料は、089DUX120、091DU、092DUおよび095DUとしてAkzo Nobel社(スエーデン)から商業的に入手可能なもののような、膨張性の熱可塑性微小バルーンである。それらの微小球はイソオクタンと共に充填されており、低めの温度で安定である。その微小バルーンは、アンダーフィルのB‐ステージ化が生じる温度である160℃よりも低い温度で膨張しない。その微小球は160℃よりも高い温度で膨張して、一般に共融混合物のはんだ付けプロセスにおける硬化のための最も高いピーク温度であるおよそ220℃で、その最大の膨張に至る。その膨張で、微小球がアンダーフィルマトリックス内に独立気泡構造を生成する。化学発泡剤が含まれる他の材料がそのフォーム構造を提供することが期待され得る。
【0016】
その組成物の粘度を変化させるために、溶剤が利用される。好ましくは、約150℃よりも低い温度で生じるB‐ステージプロセスの間、またはフィルム形成の間に、その溶剤が蒸発する。エポキシ樹脂およびフェノール性樹脂を容易に溶解する通常の溶剤が使用され得る。利用可能な溶剤の例には、安定であってその組成物中でエポキシ樹脂およびフェノール性樹脂を溶解する、エステル、アルコール、エーテルおよび他の一般的な溶剤が含まれる。好ましい溶剤には、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)が含まれる。その膨張性微小球のいかなる部分であってもそれを溶解する溶剤は避けられるべきである。
【0017】
本発明のアンダーフィル封入剤の好ましい態様は、少なくとも1種のフェノキシ樹脂、少なくとも1種の膨張性充填剤、溶剤、および所望により他の配合物を含むものである。そのアンダーフィルの樹脂成分は、B‐ステージになり得る組成物の約10〜約60重量%、好ましくは約20〜約40重量%の範囲を構成する。アンダーフィルの膨張性充填剤は、B‐ステージになり得る組成物の約0.02〜約10重量%、好ましくは約0.1〜約5重量%の範囲を構成する。最後に、界面活性剤、脱泡剤、流動添加剤、レオロジー改質剤、化学発泡剤および定着剤のような任意の成分が、B‐ステージになり得る組成物の約0.01重量%〜約5重量%の範囲でその組成物に添加されても良い。
【0018】
B‐ステージになり得る液体として膨張性充填剤を含有する組成物を利用するために、スクリーン印刷、スピンコーティング、ステンシル印刷またははんだバンプの列の間にニードルによる分配によって、その組成物がチップのパネルアレイまたは個々のチップに直接適用される。そのチップ、またはコーティングを有するチップが、最初のB‐ステージの温度に加熱され、そしてその組成物がB‐ステージ凝固される。好ましくは、その加熱が平滑で不粘着性のコーティングをもたらし、微小球の膨張を生じさせない。そのコーティングの厚みは、好ましくははんだバンプの直径のおよそ15〜30%である。そのB‐ステージ加熱に続いて、装着機中で部品の認識を容易にするために、はんだバンプがプラズマエッチングされまたは溶剤で拭取られても良い。そのB‐ステージ組成物を有するチップは、金属パッド接続部上の位置されたはんだバンプを備えた基板上に置かれる。溶融およびはんだ接合部の形成を容易にするためと共に、部品の正しい配列を維持するために、はんだペーストまたは標準のフラックスの使用が必要とされる。アセンブリー全体がおよそ183℃の温度に加熱される(錫/鉛はんだが用いられる場合)。この第2の加熱は、基板とチップの間の相互連結を生じさせ、そして微小球の膨張を引き起こして部品と基板の間の隙間を満たすようにさせる。
【0019】
本発明のアンダーフィル封入剤をラミネートフィルムとして利用するために、そのフィルムはキャリアーフィルム上にプリキャストされ、次いで膨張性充填剤の膨張開始温度より低い温度で乾燥される。次に、そのフィルムが、フィルムの軟化温度で部品の全面に減圧ラミネートされる。最後に、プラズマエッチングまたは溶剤での拭取りによってはんだがきれいにされ、そして部品が配置される用意が整えられる。一方、そのフィルムは、レザー融蝕またはダイカッティングのような種々の方法によって、グリッド、メッシュ、薄いストリップまたは四角ボックスのパターンのような色々な形態に予備成形され、そして部品上に配置されてラミネートされ得る。この方法では、はんだバンプとアンダーフィルの間の接触が避けられることが出来て、プラズマエッチングが必要ではなくなる。配置の後、その部品がリフローにかけられて、膨張性充填剤の膨張を生じさせて独立気泡構造にされる。B‐ステージになり得る適用およびラミネートフィルムの適用の両方が、部品が配置される前でのはんだペーストのステンシル印刷を必要とする。
【0020】
図1は、リフォー後の膨張性充填剤の膨張を示している。電気部品1に、B‐ステージ化されたまたはフィルム状のアンダーフィル2、およびはんだバンプ3が最初に備えられる。リフォー後に、その電気部品と基板4のアセンブリーが、独立気泡構造5を含有する膨張されたアンダーフィル2Aを有する。図1において、そのアンダーフィルが、その結果としてその部品と基板の間のはんだバンプの中および周囲の全ての領域を満たすことになる。図2は、部品1の周囲にアンダーフィル2が適用されている、もう一つのアンダーフィルの適用を示している。膨張したアンダーフィル2Aが、リフロー後の部品の周囲を取り巻く独立気泡構造と共に示されている。
【実施例】
【0021】
本発明は、以下の実施例を参照することによってより良く理解され得る。
実施例1
熱可塑性アンダーフィル組成物を以下のように製造した(全ての成分の量は重量%で示されている)。溶剤と樹脂の混合物を、プロペラ攪拌機付きの混合容器に投入する。次いで、膨張性充填剤を添加して、均質になるまで5〜10分間混合する。次に、気泡の減圧除去を容易にするために、界面活性剤を添加する。その混合物を減圧容器中で28インチ(711mm)Hgより低い圧力で5分間脱泡する。結果として得られる熱可塑性アンダーフィルの配合物が表1に示される。
【0022】
【表1】

【0023】
強化されたBGAアセンブリーの耐落下特性を含めた、B‐ステージ後の種々の特性について、配合物Aを試験した。それらの試験の結果が表2に示されている。
【0024】
【表2】

【0025】
表2に示されるように、部品の性能が、アンダーフィルを有さない部品の性能以上に劇的に改善されている。
【0026】
当業者にとって明らかなように、本発明の精神および範囲から離れることなく、本発明についての多くの変更および修正がなされ得る。ここに開示した特定の態様は例としてのみ提供されるものであって、本発明は、付随する請求の範囲が付与される十分な均等の範囲と共に、請求の範囲の語句によってのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】リフロー前および後の、発泡性アンダーフィルを有するアセンブリーのダイアグラムである。
【図2】リフロー前および後の、周囲を取り巻く発泡性アンダーフィルを有するアセンブリーのダイアグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)熱可塑性ポリマー樹脂または熱硬化性樹脂、および少なくとも1種の触媒、並びに任意に少なくとも1種のフェノキシ含有化合物を含む樹脂系、
b)1種以上の膨張性充填剤、および
c)少なくとも1種の溶剤
を含む、膨張性で熱可塑性または熱硬化性のアンダーフィル封入剤。
【請求項2】
前記1種以上の膨張性充填剤が、微小球、膨張性バルーン、およびそれらの混合物を含む群から選択されるものである、請求項1に記載の封入剤。
【請求項3】
前記1種以上の膨張性充填剤が、前記封入剤の約0.02重量%〜約10重量%の範囲を構成する、請求項2に記載の封入剤。
【請求項4】
前記1種以上の膨張性充填剤が、前記封入剤の約0.1重量%〜約5重量%の範囲を構成する、請求項3に記載の封入剤。
【請求項5】
前記1種以上の膨張性充填剤が、約150℃よりも高い温度に曝されて膨張するものである、請求項2に記載の封入剤。
【請求項6】
B‐ステージになり得るものである、請求項2に記載の封入剤。
【請求項7】
電子部品または基板上への予備適用が可能であるフィルムの形状である、請求項4に記載の封入剤。
【請求項8】
前記フィルムが、スクリーン印刷、スピンコーティング、ステンシル印刷またはニードルによる分配によって電子部品上に適用可能なものである、請求項7に記載の封入剤。
【請求項9】
前記樹脂系が、3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4‐エポキシ‐6‐メチルシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、ポリ(フェニルグリシジルエーテル)‐コ‐ホルムアルデヒド、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン‐フェノールエポキシ樹脂、ナフタレンエポキシ樹脂、エポキシ官能性ブタジエンアクリロニトリルコポリマー、エポキシ官能性ポリジメチルシロキサン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項2に記載の封入剤。
【請求項10】
前記フェノキシ含有化合物が鎖延長されたエポキシ樹脂である、請求項1に記載の封入剤。
【請求項11】
前記樹脂系が、前記封入剤の約20重量%〜約40重量%の範囲を構成する、請求項1に記載の封入剤。
【請求項12】
前記少なくとも1種の溶剤が、安定で、且つその組成物中の前記エポキシ樹脂および/またはフェノキシ樹脂を溶解する溶剤を含む群から選択されるものである、請求項4に記載の封入剤。
【請求項13】
前記少なくとも1種の溶剤が、エステル、アルコール、エーテルおよびプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)並びにそれらの混合物を含む群から選択されるものである、請求項12に記載の封入剤。
【請求項14】
前記少なくとも1種の溶剤が、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)およびその混合物を含むものである、請求項13に記載の封入剤。
【請求項15】
前記溶剤が前記封入剤の約70重量%までを構成する、請求項13に記載の封入剤。
【請求項16】
界面活性剤、カップリング剤、反応性希釈剤、脱泡剤、流動添加剤、定着剤、無機充填剤およびそれらの混合物からなる群の1種以上をさらに含む、請求項2に記載の封入剤。
【請求項17】
前記界面活性剤が、有機アクリルポリマー、シリコーン、エポキシシリコーン、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、エチレンジアミン系ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオール系ポリオキシアルキレン、脂肪族アルコール系ポリオキシアルキレン、脂肪族アルコールポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項16に記載の封入剤。
【請求項18】
請求項1に記載の膨張性アンダーフィル組成物を有する電子部品。
【請求項19】
a)熱可塑性ポリマー樹脂または熱硬化性樹脂、および少なくとも1種の触媒、並びに任意に少なくとも1種のフェノキシ含有化合物を含む樹脂系、および
b)1種以上の膨張性充填剤
を含む、膨張性で熱可塑性または熱硬化性のアンダーフィル封入剤。
【請求項20】
前記1種以上の膨張性充填剤が、微小球、膨張性バルーン、およびそれらの混合物を含む群から選択されるものである、請求項19に記載の封入剤。
【請求項21】
前記1種以上の膨張性充填剤が、前記封入剤の約0.1重量%〜約10重量%の範囲を構成する、請求項20に記載の封入剤。
【請求項22】
前記1種以上の膨張性充填剤が、約150℃よりも高い温度に曝されて膨張するものである、請求項21に記載の封入剤。
【請求項23】
電子部品または基板上への予備適用が可能であるフィルムの形状である、請求項22に記載の封入剤。
【請求項24】
前記フィルムが、スクリーン印刷、スピンコーティング、ステンシル印刷またはニードルによる分配によって電子部品上に適用可能なものである、請求項23に記載の封入剤。
【請求項25】
前記樹脂系が、3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4‐エポキシ‐6‐メチルシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、ポリ(フェニルグリシジルエーテル)‐コ‐ホルムアルデヒド、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン‐フェノールエポキシ樹脂、ナフタレンエポキシ樹脂、エポキシ官能性ブタジエンアクリロニトリルコポリマー、エポキシ官能性ポリジメチルシロキサン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項22に記載の封入剤。
【請求項26】
前記フェノキシ含有化合物が鎖延長されたエポキシ樹脂である、請求項19に記載の封入剤。
【請求項27】
前記樹脂系が、前記封入剤の約80重量%〜約99.9重量%の範囲を構成する、請求項19に記載の封入剤。
【請求項28】
界面活性剤、カップリング剤、反応性希釈剤、脱泡剤、流動添加剤、定着剤およびそれらの混合物からなる群の1種以上をさらに含む、請求項19に記載の封入剤。
【請求項29】
前記界面活性剤が、有機アクリルポリマー、シリコーン、エポキシシリコーン、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、エチレンジアミン系ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオール系ポリオキシアルキレン、脂肪族アルコール系ポリオキシアルキレン、脂肪族アルコールポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項28に記載の封入剤。
【請求項30】
請求項19に記載の膨張性アンダーフィル組成物を有する電子部品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−523967(P2007−523967A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533157(P2006−533157)
【出願日】平成16年5月18日(2004.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/015455
【国際公開番号】WO2004/106454
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(502154670)ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレーション (18)
【Fターム(参考)】