説明

発泡性ポリ乳酸含有顆粒の製造法

本発明は、工程:a)成分i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸50〜99.9質量%、ii)成分i〜iiiの全質量に対して1つ以上の他のポリマー0〜49.9質量%、iii)成分i〜iiiの全質量に対してジエポキシドまたはポリエポキシド0.1〜2質量%およびiv)1つ以上の添加剤0〜10質量%を溶融および混入し、b)v)成分i〜ivの全質量に対して有機発泡剤3〜7質量%を静的または動的混合装置を用いて少なくとも140℃の温度で前記ポリマー溶融液中に混入し、c)直径がダイ出口で最大1.5mmである孔を備えたダイプレートを通じて吐出し、d)前記発泡剤含有溶融液をダイプレートの直ぐ下流で水の下で1〜20バールの範囲内の圧力で造粒することを含む、発泡性ポリ乳酸含有顆粒の製造法に関する。更に、本発明は、前記方法により得られる発泡性ポリ乳酸含有顆粒ならびに有機発泡剤、特にn−ペンタン、殊に有利にイソペンタン3〜7質量%の割合を有する特殊な発泡性ポリ乳酸含有顆粒に関する。更に、本発明は、僅かな嵩密度を有する、発泡剤含有の発泡性ポリ乳酸含有顆粒を製造するための好ましい方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程:
a)成分i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸50〜99.9質量%、ii)成分i〜iiiの全質量に対して1つ以上の他のポリマー0〜49.9質量%、iii)成分i〜iiiの全質量に対してジエポキシドまたはポリエポキシド0.1〜2質量%およびiv)成分i〜iiiの全質量に対して1つ以上の添加剤0〜10質量%を溶融および混入し、
b)v)成分i〜ivの全質量に対して有機発泡剤3〜7質量%を静的または動的混合装置を用いて少なくとも140℃の温度で前記ポリマー溶融液中に混入し、
c)直径がダイ出口で最大1.5mmである孔を備えたダイプレートを通じて吐出し、
d)前記発泡剤含有溶融液をダイプレートの直ぐ下流で水の下で1〜20バールの範囲内の圧力で造粒することを含む、発泡性ポリ乳酸含有顆粒の製造法に関する。
【0002】
更に、本発明は、前記方法により得られる発泡性ポリ乳酸含有顆粒に関し、ならびに有機発泡剤、特にn−ペンタン、またはn−ペンタンとイソペンタンとの混合物(この混合物は、s−ペンタンとも呼称される)、殊に有利にイソペンタン3〜7質量%の割合を有する、特殊な発泡性ポリ乳酸含有顆粒に関する。更に、本発明は、僅かな嵩密度を有する、発泡剤含有の発泡性ポリ乳酸含有顆粒を製造するための好ましい方法に関する。
【0003】
発泡性ポリ乳酸含有顆粒(ポリ乳酸含有成形用気泡体)を製造するための方法は、WO 01/012706に一般的な用語で記載されており、この場合には、特殊な乳酸混合物(工程a)の成分i)〜iv)参照)も加圧水中での造粒を介する好ましい操作モード(本発明による工程c)〜e)参照)も指摘されていない。この方法には、成形用気泡体を再現し得ない幅広い範囲が存在し、この方法は、殊に発泡性顆粒の早期の発泡を阻止する。
【0004】
WO 08/130226には、ポリ乳酸粒子を被覆し、次に二酸化炭素で後含浸するか、またはこの粒子を二酸化炭素で後含浸し、次に被覆する、発泡性ポリ乳酸含有顆粒を製造するための複雑な多工程の方法が記載されている。更に、二酸化炭素での後含浸は、予め発泡された粒子を生じ、この粒子は、成形用気泡体の後加工のための技術を完全に変える。
【0005】
本発明の課題は、小さい顆粒寸法および単一の顆粒粒度分布を有する発泡性ポリ乳酸含有顆粒を製造するための良好な結果を生じうる簡単な方法を提供することであった。
【0006】
それに応じて、冒頭に記載された方法が見い出された。
【0007】
次に、本発明による方法は、詳細に記載される。
【0008】
工程a)で製造されるポリ乳酸含有ポリマーは、一般に:
i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸50〜98.9質量%、
ii)成分i〜iiiの全質量に対して、脂肪族および/または芳香族のジカルボン酸および脂肪族ジヒドロキシ化合物をベースとする少なくとも1つのポリエステル1〜49.9質量%、
iii)成分i〜iiiの全質量に対してスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをベースとするエポキシ基含有コポリマー0.1〜2質量%、および
iv)成分i〜iiiの全質量に対して1つ以上の添加剤0〜10質量%からなる混合物である。
【0009】
特に、ポリ乳酸含有ポリマーは、次のもの:
i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸55〜98.9質量%、殊に有利に70〜94.9質量%、
ii)成分i〜iiiの全質量に対して、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジヒドロキシ化合物をベースとするか、またはポリアルキレンスクシネート−コ−テレフタレートからなる少なくとも1つのポリエステル1〜44.9質量%、殊に有利に5〜29.9質量%、
iii)成分i〜iiiの全質量に対してスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをベースとするエポキシ基含有コポリマー0.1〜2質量%、殊に有利に0.1〜1質量%、および
iv)成分i〜iiiの全質量に対して核剤0.1〜2質量%を含有する混合物から成る。
【0010】
殊に有利に、ポリ乳酸含有ポリマーPM’は、次のもの:
i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸60〜98.9質量%、殊に有利に65〜79.9質量%、
ii)成分i〜iiiの全質量に対して、次のもの:
a)成分i〜iiに対してコハク酸90〜99.5モル%、
b)成分i〜iiに対して、特にテレフタル酸、アゼライン酸、セバシン酸および/またはブラシル酸から選択される、1つ以上のC8〜C20ジカルボン酸0.5〜10モル%、
c)成分i〜iiに対して1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオール98〜102モル%をベースとする少なくとも1つのポリエステル1〜39.9質量%、殊に有利に20〜34.9質量%、
iii)成分i〜iiiの全質量に対してスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをベースとするエポキシ基含有コポリマー0.1〜2質量%、殊に有利に0.1〜1質量%、および
iv)成分i〜iiiの全質量に対して核剤0〜1質量%、特に0.1〜1質量%を含有する混合物から成る。
【0011】
実施例14に示されているように、最後に記載されたポリ乳酸含有ポリマーPM’から発泡性顆粒、およびこれから、改善された熱成形安定性、改善された機械的性質および僅かな密度を有する発泡体を製造することができる。従って、ポリ乳酸含有ポリマーPM’およびこれから製造された発泡体は、同様に好ましい。
【0012】
成分i)として、次の特性プロフィールを有するポリ乳酸は、有利に使用される:
ボリュームフローレート(0.5〜15、有利に1〜9、特に有利に2〜8ml/10分のISO 1133による190℃および2.16kgでのMVR);
180℃未満の融点;
40℃を上廻るガラス転移温度(Tg);
1000ppm未満の含水量;
0.3%未満のモノマー残留含量(ラクチド);
50000ダルトンを上廻る分子量。
【0013】
好ましいポリ乳酸の例は、例えばNatureWorks(登録商標)からのものである:Ingeo(登録商標)2002 D、4032 D、4042 Dおよび4043 D、8251 D、3251 D、殊に8051 Dならびに8052 D。NatureWorks 8051 Dおよび8052 Dは、次の製品特性を有する、NatureWorks社のポリ乳酸である:Tg:65.3℃、Tm:153.9℃、MVR:6.9[ml/10分]、Mw:186000、Mn:107000。更に、前記製品は、若干高い酸価を有する。
【0014】
本発明による発泡性顆粒を製造するために、殊に5〜8ml/10分のISO1133[190℃/2.16kg]によるMVRを有するポリ乳酸は、有利であることが証明された。
【0015】
上記のMVR範囲を有し、および/または20K/分の加熱速度でDSC(differential scanning calorimetry 示差走査熱分析)により測定した、80℃〜125℃、有利に90℃〜115℃、殊に有利に85℃〜105℃の範囲内の低温結晶化開始温度を有する(測定範囲−60℃〜220℃;TC 15/TA Controllerを備えたMettler DSC 30、Mettler−Toledo AG社)。
【0016】
多くの場合に市場で入手可能なポリ乳酸タイプは、前記条件下で80℃未満の低温結晶化開始温度を有することが見い出された。ポリ乳酸(PLA)タイプのNatureWorks(登録商標)8051 D、8052 Dおよび4042 Dの比較は、これらから製造される顆粒の異なる結晶化挙動を明らかに示す(表、参照)。前記表は、それぞれタルク0.3質量%で核生成されかつ発泡剤としてのn−ペンタン5.7質量%が装入された、2つのPLAタイプの発泡性顆粒のDSC測定を示す。
【0017】
【表1】

【0018】
発泡性顆粒は、製造後に一般に数パーセントだけの結晶含量を有し、すなわちこの発泡性顆粒は、主に非晶質である。80℃〜125℃の範囲内、有利に90℃〜115℃、殊に有利に95℃〜105℃での結晶化において高められた開始温度は、水蒸気での発泡に有利である。PLAsのタイプ、例えばNatureWorks(登録商標)8051 Dおよび8052 Dは、発泡性顆粒の結晶化傾向と発泡挙動との間に理想的な釣り合いを提供する。
【0019】
成分iiは、脂肪族または部分芳香族(脂肪族芳香族)ポリエステルである。
【0020】
上述したように、成分ii)として純粋な脂肪族ポリエステルが適している。脂肪族ポリエステルは、脂肪族C2〜C12アルカンジオールと脂肪族C4〜C36アルカンジカルボン酸とからなるポリエステル、例えばポリブチレンスクシネート(PBS)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリブチレンスクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンスクシネートセバケート(PBSSe)、ポリブチレンセバケートアジペート(PBSeA)、ポリブチレンセバケート(PBSe)または相応するポリエステルアミドである。脂肪族ポリエステルは、Showa Highpolymers社によってBionolleの名称で市場に出され、およびMitsubishiによってGSPIaの名称で市場に出されている。新たなる開発は、欧州特許出願第08165370.1号中に記載されている。
【0021】
脂肪族ポリエステルは、一般に150〜320cm3/g、特に150〜250cm3/gのDIN 53728による粘度数を有する。
【0022】
EN ISO 1133によるMVR(ボリュームフローレートSchmelzvolumenrate)(190℃、2.16kgの質量)は、一般に0.1〜70cm3/10分、有利に0.8〜70cm3/10分、殊に1〜60cm3/10分である。
【0023】
DIN EN 12634による酸価は、一般に0.01〜1.2mg KOH/g、特に0.01〜1.0mg KOH/g、殊に有利に0.01〜0.7mg KOH/gである。
【0024】
同様に成分ii)として適している、部分芳香族ポリエステルは、脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸ならびに芳香族ジカルボン酸からなる。この好適な部分芳香族ポリエステルには、直鎖状の鎖延長されていないポリエステル(WO92/09654)が含まれる。混合物中の特に好ましい成分は、ブタンジオール、テレフタル酸および脂肪族C4〜C18ジカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸およびブラシル酸に由来する脂肪族/芳香族ポリエステルである(例えば、WO 2006/097353〜56の記載と同様)。好ましくは、鎖長延長された、および/または分枝化された部分芳香族ポリエステルが成分iiとして使用される。この最後に分枝化された部分芳香族ポリエステルは、冒頭に記載された文献WO96/15173〜15176、21689〜21692、25446、25448またはWO98/12242から公知であり、当該文献は、参照のために本明細書に援用される。種々の部分芳香族ポリエステルの混合物も同様にこれに該当する。
【0025】
成形用気泡体を製造するための本発明による方法には、殊に次のもの:
a)成分a〜bに対して、次のもの:コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸およびブラシル酸からなる群から選択された1つ以上のジカルボン酸誘導体またはジカルボン酸40〜70モル%;
b)成分a〜bに対してテレフタル酸誘導体60〜30モル%;
c)成分a〜bに対してC2〜C8アルキレンジオールまたはC2〜C6オキシアルキレンジオール98〜102モル%;
d)成分a〜cに対して、次のもの:二官能性または多官能性イソシアネート、イソシアヌレート、オキサゾリン、エポキシド、過酸化物、カルボン酸無水物および/または少なくとも三官能性のアルコールまたは少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される鎖長延長剤および/または架橋剤0.00〜2質量%
を含有する生分解性の脂肪族芳香族ポリエステルiiが適している。
【0026】
有利に使用される脂肪族芳香族ポリエステルiiは、次のものを含有する:
a)成分i〜iiに対して、コハク酸、アゼライン酸、ブラシル酸および特にアジピン酸、殊に有利にセバシン酸からなる群から選択される、1つ以上のジカルボン酸誘導体またはジカルボン酸50〜65モル%、殊に58モル%;
b)成分i〜iiに対してテレフタル酸誘導体50〜35モル%、殊に42モル%;
c)成分i〜iiに対して1,4−ブタンジオール98〜102モル%および
d)成分i〜iiiに対して、次のもの:多官能性イソシアネート、イソシアヌレート、オキサゾリン、カルボン酸無水物、例えば無水マレイン酸、エポキシド(殊に、エポキシド含有ポリ(メタ)アクリレート)および/または少なくとも三官能性のアルコールまたは少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される鎖長延長剤および/または架橋剤0〜2質量%、特に0.01〜2質量%。
【0027】
脂肪族ジカルボン酸として、特にコハク酸、アジピン酸および殊に有利にセバシン酸が好適である。コハク酸含有ポリエステルおよびセバシン酸含有ポリエステルは、これらが再生可能な原料として利用可能であるという利点を有する。
【0028】
有利に使用されるポリエステルiiは、次のもの:
a)成分i〜iiに対してコハク酸90〜99.5モル%、
b)成分i〜iiに対して1つ以上のC8〜C20ジカルボン酸0.5〜10モル%、
c)成分i〜iiに対して1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオール98〜102モル%
を含有する。
【0029】
殊に有利に使用されるポリエステルiiは、次のもの:
a)成分i〜iiに対してコハク酸90〜99.5モル%、
b)成分i〜iiに対してテレフタル酸、アゼライン酸、セバシン酸および/またはブラシル酸0.5〜10モル%、
c)成分i〜iiに対して1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオール98〜102モル%および
d)成分i〜iiiに対して、次のもの:多官能性イソシアネート、イソシアヌレート、オキサゾリン、エポキシド(殊に、エポキシド含有ポリ(メタ)アクリレート)、少なくとも三官能性のアルコールまたは少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される鎖長延長剤および/または架橋剤0.01〜5質量%
を含有する。
【0030】
記載されたポリエステルiiは、WO−A 92/09654、WO−A 96/15173または特にWO−A 09/127555およびWO−A 09/127556に記載の方法により、特に2段階の反応カスケード中で合成される。最初に、ジカルボン酸誘導体は、ジオールと一緒にエステル交換触媒の存在下でプレポリマーエステルに変換される。このプレポリマーは、一般に50〜100ml/g、特に60〜80ml/gの粘度数(VZ)を有する。触媒として、通常、亜鉛触媒、アルミニウム触媒および殊にチタン触媒が使用される。チタン触媒、例えばテトラ(イソプロピル)オルトチタネートおよび殊にテトラブチルオルトチタネート(TBOT)は、刊行物中でしばしば使用される錫触媒、アンチモン触媒、コバルト触媒および鉛触媒、例えば錫ジオクタネートと比較して、生成物中に残留する、触媒の残量または触媒の最終生成物が殆んど毒性でないという利点を有する。この状況は、生分解性ポリエステルの場合に特に重要である。それというのも、この生分解性ポリエステルは、堆肥化を介して直接に環境中に到達するからである。
【0031】
引続き、ポリエステルiiは、第2の工程でWO−A 96/15173および欧州特許出願公開第488617号明細書に記載の方法により製造される。プレポリエステルは、鎖長延長剤vib)、例えばジイソシアネートまたはエポキシド含有ポリメタクリレートと一緒に、鎖長延長反応において、50〜450ml/g、特に80〜250ml/gのVZを有するポリエステルに変換される。
【0032】
一般に、成分i〜iiiの全質量に対して0.01〜2質量%、特に0.1〜1.0質量%、殊に有利に0.1〜0.3質量%の次のもの:多官能性イソシアネート、イソシアヌレート、オキサゾリン、エポキシド、過酸化物、カルボン酸無水物、少なくとも三官能性のアルコールまたは少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される架橋剤(d’)および/または鎖長延長剤(d)が使用される。鎖長延長剤dとして、多官能性、殊に二官能性のイソシアネート、イソシアヌレート、オキサゾリン、カルボン酸無水物またはエポキシドがこれに該当する。
【0033】
鎖長延長剤ならびに少なくとも3個の官能基を有するアルコールまたはカルボン酸誘導体は、架橋剤d’としても理解することができる。特に好ましい化合物は、3〜6個の官能基を有する。例示的に次のものが挙げられる:酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリット、ポリエーテルトリオールおよびグリセリン、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸およびピロメリット酸二無水物。好ましいのは、ポリオール、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリトリットおよび殊にグリセリンである。成分dおよびd’により、構造粘性を有する生分解性ポリエステルを形成させることができる。溶融液のレオロジー挙動は、改善され;生分解性ポリエステルは、簡単に加工することができる。化合物dは、剪断下で粘度を減少させる作用を有し、即ち比較的高い剪断速度での粘度は、減少される。
【0034】
ポリエステルiiは、一般に5000〜100000g/molの範囲内、殊に10000〜75000g/molの範囲内、有利に15000〜38000g/molの範囲内の数平均分子量(Mn)、30000〜300000、特に60000〜200000g/molの質量平均分子量(Mw)および1〜6、特に2〜4のMw/Mn比を有する。粘度数は、50〜450g/ml、特に80〜250g/mlの間にある(o−ジクロロベンゼン/フェノール(質量比50/50)中で測定した)。融点は、85〜150℃の範囲内、有利に95〜140℃の範囲内にある。
【0035】
挙げられたポリエステルは、ヒドロキシ−および/またはカルボキシ末端基をそれぞれ任意の比で有していてよい。挙げられた部分芳香族ポリエステルは、末端基変性されていてもよい。従って、例えばOH末端基をフタル酸、フタル酸無水物、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸またはピロメリット酸無水物との反応によって酸変性することができる。1.5mg KOH/g未満の酸価を有するポリエステルは、好ましい。
【0036】
生分解性ポリエステルiiは、当業者に公知ではあるが、本発明にとっては本質的ではない他の内容物質を含有することができる。例えば、プラスチック技術において通常の添加剤、例えば安定剤、核剤、滑剤および離型剤、例えばステアリン酸塩(殊に、ステアリン酸カルシウム);可塑剤、例えばクエン酸エステル(殊に、アセチルトリブチルシトレート)、グリセリン酸エステル、例えばトリアセチルグリセリンまたはエチレングリコール誘導体、界面活性剤、例えばポリソルベート、パルミテートまたはラウレート;ワックス、例えば密蝋または密蝋エステル;帯電防止剤、UV吸収剤;UV安定性;かぶり防止剤または染料。添加剤は、本発明によるポリエステルに対して0〜5質量%、殊に0.1〜2質量%の濃度で使用される。可塑剤は、0.1〜10質量%で本発明によるポリエステル中に含有されていてよい。
【0037】
成分iii)は、以下、詳細に記載される。
【0038】
エポキシドは、殊にスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをベースとする末端基含有コポリマーである。エポキシド基を有する単位は、特にグリシジル(メタ)アクリレートである。コポリマーに対して20質量%を上廻る、特に有利に30質量%を上廻る、殊に有利に50質量%を上廻るグリシジルメタクリレート含量を有するコポリマーは、好ましいことが証明された。前記ポリマー中のエポキシ当量(EEW)は、特に150〜3000g/当量、殊に有利に200〜500g/当量である。前記ポリマーの平均分子量(質量平均)は、特に2000〜25000、殊に3000〜8000である。前記ポリマーの平均分子量(数平均)Mnは、特に400〜6000、殊に1000〜4000である。多分散性(Q)は、一般に1.5〜5である。上記タイプのエポキシ基含有コポリマーは、例えばBASF Resin B.V.社からJoncry(登録商標)ADRの商品名で販売されている。Joncryl(登録商標)ADR 4368は、鎖長延長剤として特に好適である。
【0039】
成分ivは、殊に1つ以上の次の添加剤である:安定剤、核剤、滑剤および離型剤、界面活性剤、ワックス、帯電防止剤、かぶり防止剤、染料、顔料、UV吸収剤または他のプラスチック添加剤。既に既述したように、成分iおよびiiに対して核剤0.5〜1質量%の使用は、殊に有利である。
【0040】
核剤は、殊にタルク、白亜、カーボンブラック、グラファイト、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、ポリ−D−乳酸、N,N’−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアラミドまたはポリグリコール酸である。タルクは、核剤として特に好ましい。
【0041】
核剤は、他の成分vとして理解することができる。
【0042】
発泡剤含有ポリマー溶融液は、一般に1つ以上の発泡剤を均一な分布で、発泡剤含有ポリマー溶融液に対して全部で2〜10質量%、有利に3〜7質量%の割合で含有する。通常、EPS中に使用される物理的発泡剤、例えば2〜7個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素、アルコール、ケトン、エーテル、アミドまたはハロゲン化炭化水素は、発泡剤として適している。好ましくは、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタンおよび殊にイソペンタンが使用される。更に、n−ペンタンとイソペンタンとからなる混合物は、好ましい。
【0043】
添加された発泡剤量は、発泡性顆粒が500〜800kg/m3、特に580〜750kg/m3の予めの発泡前の嵩密度として、および最大で125kg/m3、有利に8〜100kg/m3の予めの発泡後の嵩密度として定義した発泡能aを有するように選択される。
【0044】
充填剤を使用する場合、充填剤の種類および量に依存して590〜1200kg/m3の範囲内の嵩密度が生じうる。
【0045】
更に、ポリマー溶融液には、添加剤、核剤、充填剤、可塑剤、難燃剤、可溶性および不溶性の無機および/または有機の染料および顔料、例えばIR吸収剤、例えばカーボンブラック、グラファイトまたはアルミニウム粉末を、一緒に、または空間的に別々に、例えば混合装置または補助押出機により添加することができる。一般に染料および顔料は、0.01〜10質量%の範囲内、有利に1〜5質量%の範囲内の量で添加される。顔料をポリマー中に均一にミクロ分散的に分布させるために、殊に極性顔料の場合には、分散助剤、例えばオルガノシラン、エポキシ含有ポリマーまたは無水マレイン酸によりグラフトされたポリマーを使用することが有利である。好ましい可塑剤は、鉱油またはフタレートであり、これらの使用される量は、ポリマーに対して0.05〜10質量%であることができる。
【0046】
本発明による発泡性顆粒を製造するために、発泡剤は、ポリマー溶融液中に混入される。この方法は、次の工程A)溶融液の製造、B)混合、C)搬送およびD)造粒を含む。前記工程の全ては、プラスチック加工において公知の装置または装置組合せ物によって実施されてよい。混入のために、静的混合装置または動的混合装置、例えば押出機が適している。ポリマー溶融液は、ポリマー顆粒を直接に溶融することによって製造することができる。必要な場合には、溶融温度は、冷却器を介して低下させることができる。造粒のために、例えば加圧水中での造粒、回転ナイフを使用する造粒および温度制御液体のスプレーミストによる冷却がこれに該当する。本方法を実施するのに適した装置の配列は、例えば次の通りである:
i)押出機−静的混合装置−冷却器−造粒機
ii)押出機−造粒機。
【0047】
更に、この配置は、添加剤、例えば固体または感熱添加剤を導入するための補助押出機を有することができる。
【0048】
発泡剤含有ポリマー溶融液は、一般に140〜300℃の範囲内、有利に160〜240℃の範囲内の温度でダイプレートを通じて搬送される。
【0049】
このダイプレートは、少なくとも発泡剤含有ポリマー溶融液の温度に加熱される。好ましくは、ダイプレートの温度は、発泡剤含有ポリマー溶融液の温度を20〜100℃上廻る範囲内にある。それによって、ダイ中でのポリマーの堆積は、阻止され、支障のない造粒が保証される。
【0050】
市場性の高い顆粒寸法を得るために、ダイ出口でのダイ孔の直径(D)は、0.1〜2mmの範囲内、有利に0.1〜1.2mmの範囲内、特に有利に0.1〜0.8mmの範囲内にある。それによって、ダイスウェルの後であっても、2mm未満、殊に0.2〜1.4mmの範囲内の顆粒寸法を意図的に生じることができる。
【0051】
このダイスウェルは、分子量分布によって影響を及ぼされうるだけでなく、ダイの幾何学的形状によっても影響を及ぼされうる。このダイプレートは、有利に少なくとも2の比L/Dを有する孔を有し、この場合長さ(L)は、直径が最大でダイ出口での直径(D)であるダイの領域に相当する。好ましくは、比L/Dは、3〜20の範囲内にある。
【0052】
一般にダイプレートのダイ出口での孔の直径(E)は、ダイ出口での直径(D)の少なくとも2倍の大きさであるべきである。
【0053】
ダイプレートの1つの実施形式は、円錐形の入口および180°未満、有利に30〜120°の範囲内の入口角度αを有する孔を有する。もう1つの実施形式において、ダイプレートは、円錐形の出口および90°未満、有利に15〜45°の範囲内の出口角度βを有する孔を有する。意図的にポリマーの顆粒粒度分布を形成させるために、ダイプレートには、異なる出口直径(D)の孔を装備することができる。ダイの幾何学的形状の種々の実施形式は、互いに組み合わされてもよい。
【0054】
発泡性ポリ乳酸含有顆粒を製造するための好ましい方法は、次の工程
a)成分i)ポリ乳酸50〜99.9質量%、ii)1つ以上の他のポリマー0〜50質量%、iii)ジエポキシドまたはポリエポキシド0.1〜2質量%およびiv)1つ以上の添加剤0〜3質量%を溶融および混入し、
b)有機発泡剤を場合により静的または動的混合装置を用いて少なくとも140℃、有利に180〜260℃の温度で前記ポリマー溶融液中に混入し、場合により発泡剤含有ポリマー溶融液を出口の前方で中間接続された冷却装置を用いて120〜160℃の温度に冷却し、
c)直径がダイ出口で最大1.5mmである孔を備えたダイプレートを通じて吐出し、
d)前記発泡剤含有溶融液をダイプレートの直ぐ下流で水の下で1〜20バールの範囲内の圧力で造粒することを含む。
【0055】
更に、前記の水中での造粒における5〜20℃への温度の低下は、0.1〜50μmの範囲内の平均直径を有する定義された空隙を有する発泡性ポリ乳酸含有顆粒を生じることが見い出された。一般に、顆粒は、0.1〜2mmの範囲内の平均直径および横断面積1mm2当たり50〜300個の空隙を有する。前記の水中での造粒における温度の低下によって、嵩密度は、580〜750kg/m3、特に580〜720kg/m3の範囲に減少されうる。更に、こうして製造された発泡性ポリ乳酸含有顆粒は、高められた貯蔵安定性を有する。この発泡性ポリ乳酸含有顆粒は、なお数週間後に問題なしに発泡されうる。
【0056】
発泡性ポリ乳酸含有顆粒の嵩密度の減少および貯蔵安定性の上昇は、次の好ましい手段で達成させることもできる:
a)成分i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸50〜99.9質量%、ii)成分i〜iiiの全質量に対して1つ以上の他のポリマー0〜49.9質量%、iii)成分i〜iiiの全質量に対してジエポキシドまたはポリエポキシド0.1〜2質量%およびiv)成分i〜iiiの全質量に対して核剤0.1〜5質量%を溶融および混入し、
b)v)成分i〜ivの全質量に対して有機発泡剤1〜7質量%およびiv)窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウムまたはその混合物の群から選択される共発泡剤0.01〜5質量%を、場合により静的または動的混合装置を用いて少なくとも140℃の温度で前記ポリマー溶融液中に混入し、
c)直径がダイ出口で最大1.5mmである孔を備えたダイプレートを通じて吐出し、
d)前記発泡剤含有溶融液をダイプレートの直ぐ下流で水の下で1〜20バールの範囲内の圧力で造粒する。
【0057】
空隙を形成する揮発性の液状/ガス状共発泡剤を使用することによって、発泡性顆粒中に、その後の発泡工程を改善しかつセル寸法を制御することができるセル状構造を形成させることが可能である。
【0058】
前記剤は、核剤iv)および発泡剤v)として適している。
【0059】
前記の空隙形態を形成させる方法は、先駆核形成とも呼称され、この場合空隙は、本質的に共発泡剤vi)によって形成される。
【0060】
空隙を形成する共発泡剤vi)は、固有の発泡剤vと、そのポリマー中の溶解度の点で区別される。製造の際に、最初に発泡剤v)および共発泡剤vi)は、十分に高い圧力でポリマー中に完全に溶解される。引続き、圧力は、特に短時間で減少され、それによって共発泡剤vi)の溶解度も減少される。それによって、相分離がポリマーマトリックス中で生じ、先駆核形成された構造が生じる。固有の発泡剤v)は、その比較的高い溶解度および/またはその僅かな拡散速度のために主にポリマー中に溶解したままである。この系の強すぎる核形成を阻止しかつ固有の発泡剤v)の拡散を減少させるために、圧力減少と同時に温度減少を実施することは、好ましい。これは、最適な造粒条件との関連で共発泡剤vi)によって達成される。
【0061】
共発泡剤F)の少なくとも80質量%が24時間で、25℃、常圧および50%の相対湿度での貯蔵の際に熱可塑性の発泡性粒子から逃出することは、好ましい。熱可塑性の発泡性粒子中での共発泡剤F)の溶解度は、有利に0.1質量%未満である。
【0062】
全ての場合に、使用される共発泡剤F)の添加量は、先駆核形成において現在の処理条件で最大の溶解度を上廻るべきであった。従って、好ましくは、ポリマー中で僅かではあるが、十分な溶解度を有する共発泡剤vi)が使用される。これらの中で、殊にガス、例えば窒素、二酸化炭素、空気または希ガス、特に有利に窒素が挙げられ、その溶解度は、数多くのポリマー中で低い温度および圧力で減少する。しかし、別の液状添加剤を使用することも可能である。
【0063】
特に有利には、不活性ガス、例えば窒素および二酸化炭素が使用される。双方のガスは、適した物理的性質と共に、僅かな費用、良好な利用可能性、簡単な取り扱いおよび非反応性または不活性の挙動を示す。例えば、双方のガスの存在下で殆ど全ての場合に、ポリマーの崩壊を示さない。ガスはそれら自体大気から取得されるので、これらのガスの環境に対する効果は、中性である。
【0064】
この場合、共発泡剤vi)の使用される量は、次の通りに:(a)所定の溶融温度および溶融圧力で溶融液含浸において造粒するまで溶解するために、十分に少なくあるべきであり;(b)造粒水圧および造粒温度においてポリマーから脱混合するために、十分に多くあるべきであった。好ましい実施態様において、少なくとも1つの使用される発泡剤は、室温で常圧下でガス状である。
【0065】
特に有利には、タルクは、核剤iv)として共発泡剤vi)としての窒素との組合せで使用される。
【0066】
発泡性顆粒の搬送および貯蔵のためには、特に、金属ドラムおよびばら物容器(octabin)が使用される。ドラムを使用する場合には、共発泡剤vi)の遊離によって、場合によりドラム中に圧力が形成されうることに注目すべきである。従って、包装手段として、特に、開いた容器、例えばばら物容器が使用されるか、またはドラムからのガスの透過によって減圧を可能にする金属ドラムが使用される。この場合、拡散による共発泡剤vi)の逃出を可能にし、かつ拡散による固有の発泡剤v)の逃出を最小化するかまたは阻止するドラムは、特に好ましい。これは、例えば発泡剤または共発泡剤vi)に適合するシーリング材料を選択することによって可能である。特に、共発泡剤vi)のためのシーリング材料の透過性は、発泡剤v)のためのシーリング材料の透過性よりも少なくとも20倍高い。
【0067】
例えば、微少量の窒素および二酸化炭素の添加による先駆核形成法は、発泡剤含有の発泡性顆粒中でセル状の形態を生じうる。この場合、粒子の中心部での平均セル寸法は、縁部領域における平均セル寸法よりも大きく、粒子の縁部領域における密度は、よりいっそう高くてよい。それによって、発泡剤の損失は、可能な限り最少化される。
【0068】
先駆核形成法は、顕著に良好なセル寸法分布および予めの発泡後のセル寸法の減少を達成することができる。その上、最小の嵩密度の達成のために発泡剤の必要量は、よりいっそう僅かになり、材料の貯蔵安定性は、改善される。溶融液中への添加における微少量の窒素または二酸化炭素は、一定の発泡剤含量の際に予めの発泡の時間の明らかな短縮を生じうるか、または一定の発泡時間および最小の発泡密度の際に発泡剤量の顕著な減少を生じうる。その上、先駆核形成法によって製品の均質性およびプロセス安定性が改善される。
【0069】
更に、発泡剤での本発明によるポリマー顆粒の再度の含浸は、同一の組成およびコンパクトな、すなわち非セル状の構造を有する顆粒の場合よりも顕著に急速に可能である。第1に、拡散時間は、僅かになり、第2に、直接に含浸された系と同様に発泡に必要とされる発泡剤量は、僅かになる。
【0070】
最後に、先駆核形成法は、一定の密度の達成に必要とされる発泡剤含量を減少させることができ、ひいては成形品またはスラブの製造中の離型時間を減少させることができる。それによって、後加工の費用を減少させることができ、製品品質を改善させることができる。
【0071】
先駆核形成法の原理は、懸濁液の技術ならびに発泡性粒子を製造するための溶融液含浸技術に利用されうる。発泡剤が負荷された溶融液の吐出後に、共発泡剤vi)の添加物が加圧水中での造粒によって造粒される溶融液押出法での使用は、好ましい。造粒パラメーターおよび共発泡剤vi)の選択によって、顆粒のミクロ構造は、上記の記載のように制御することができる。
【0072】
例えば、発泡剤含有ポリマー溶融液に対して1〜10質量%の範囲内の共発泡剤vi)の比較的高い量の場合、溶融温度または溶融粘度の減少、ひいては顕著な処理量の増加が可能である。それによって、熱的に不安定な添加剤、例えば難燃剤をポリマー溶融液に簡単に混入することも可能である。それによって、熱可塑性の発泡性粒子の組成は、変わるものではない。それというのも、共発泡剤は、溶融押出において本質的に逃出するからである。この効果を利用するために、有利にCO2が使用される。N2の場合、粘度に対する効果は、僅かである。従って、窒素は、望ましいセル構造の調節のために使用される。
【0073】
熱可塑性の発泡性ポリマー粒子を造粒するための液体充填されたチャンバーは、有利に20〜80℃の範囲内、特に有利に30〜60℃の範囲内の温度で運転される。
【0074】
更に、ポリ乳酸の熱分解をできるだけ僅かになるように維持するために、導入される機械的および熱的なエネルギーを全ての処理工程でできるだけ僅かになるように維持することは、好ましい。スクリューチャンネル内の平均剪断速度は、僅かであるべきであり、好ましくは、250/秒未満、有利に100/秒未満、および260℃未満の温度ならびに2〜10分間の範囲内の短い滞留時間が工程c)およびd)で維持される。滞留時間は、冷却工程なしで一般に1.5〜4分であり、冷却工程が設けられている場合には、一般に5〜10分である。ポリマー溶融液は、加圧ポンプ、例えば歯車ポンプによって搬送および吐出されることができる。
【0075】
加工性を改善するために、完成した発泡性顆粒は、グリセリンエステル、帯電防止剤または固化防止剤によって被覆されることができる。
【0076】
本発明による発泡性顆粒は、低分子量の可塑剤を含有する顆粒と比較して僅かな凝結性を有し、および貯蔵中に僅かなペンタン損失を示す。
【0077】
本発明による発泡性顆粒は、第1の工程で熱風または水蒸気により予め発泡され、8〜100kg/m3の範囲内の密度を有する発泡体粒子に変わり、第2の工程で閉鎖された金型内で融合され、粒子からなる成形品に変わる。
【0078】
意外なことに、発泡体粒子は、発泡性顆粒と比較して顕著に高い結晶度を有する。この結晶度は、示差熱分析(DSC)により測定されることができる。発泡性顆粒は、製造後に一般に数パーセントだけの結晶含量を有し、すなわち主に非晶質であり、他方、発泡された粒子は、8〜40%の顕著に高い結晶度、ひいては顕著に高い熱成形安定性を有する。意外なことに、この効果は、脂肪族または部分芳香族ポリエステル1〜49.9質量%、特に1〜29.9質量%を含有するポリ乳酸含有ポリマー(成分ii)を使用する場合に、成分iiを有しないポリ乳酸含有ポリマーよりも明らかに顕著である。成分ii)は、ポリ乳酸含有ポリマーに対する核形成効果を発揮すると思われる。興味深いことに、発泡法において、発泡体粒子の高い結晶度は、発泡性顆粒の発泡挙動を損なうことなしに達成される。
【0079】
本発明の方法により製造される顆粒は、高い生分解性を良好な発泡特性と共に有する。
【0080】
1つの物質または物質混合物に対する"生分解可能"の特徴は、本発明の範囲内で、この物質または物質混合物がDIN EN 13432に相応して少なくとも90%の百分率での生分解度を有する場合に満たされる。
【0081】
一般に、生分解性は、顆粒またはそれから製造される発泡体が、測定されかつ検出可能な時間中に分解することをもたらす。この分解は、酵素的、加水分解的、酸化的に行なわれ、および/または電磁線、例えばUV光線の作用によって行なわれ、かつ大抵は大部分が微生物、例えば細菌類、酵母類、真菌類および藻類の作用によって影響を及ぼされる。この生分解性は、例えばポリエステルと堆肥を混合し、そして所定時間にわたって貯蔵することによって定量化することができる。例えば、DIN EN 13432によれば、CO2不含の空気は、堆肥化の間に熟成された堆肥を貫流することができる。この堆肥は、定義された温度プログラムに掛けられる。その際、生分解性については、試料の正味のCO2放出量(試料を有しない堆肥によるCO2−放出量を引き算した後)と試料の最大CO2−放出量(試料の炭素含有率から算出した)との比を介して、百分率での生分解度で規定される。生分解性顆粒は、一般に既に堆肥化の数日後に、顕著な分解現象、例えば真菌類の生長、亀裂および孔の形成を示す。
【0082】
生分解性を測定するための別の方法は、例えばASTM D 5338およびASTM D 6400−4に記載されている。
【実施例】
【0083】
使用される材料:
成分i:
i−1:脂肪族ポリエステル、NatureWorks社のPolyactid Natureworks(登録商標)8051 D
【0084】
成分ii:
ii−1:ポリエステルii−1の製造のために、ジメチルテレフタレート87.3kg、アジピン酸80.3kg、1,4−ブタンジオール117kgおよびグリセリン0.2kgを一緒に、オルトチタン酸テトラブチル0.028kg(TBOT)と混合し、その際、アルコール成分と酸成分とのモル比は1.30であった。この反応混合物を180℃の温度に加熱し、この温度で6時間に亘って反応させた。引続き、この温度を240℃に高め、過剰のジヒドロキシ化合物を真空下で3時間の時間に亘って留去した。引続き、240℃でヘキサメチレンジイソシアネート0.9kgを1時間以内で徐々に計量供給した。
【0085】
こうして得られたポリエステルii−1は、119℃の溶融温度および23000g/molの分子量(Mn)を有していた(BASF SE社によって製造されたEcoflex(登録商標)FBX 7011に相当する)。
【0086】
ii−2:ポリエステルii−2の製造のために、450リットルの重縮合タンク中で、セバシン酸14.89kg、コハク酸165.18kg、1,4−ブタンジオール172.5kgおよびグリセリン0.66kgを一緒に、オルトチタン酸テトラブチル0.031kg(TBOT)と混合し、その際、アルコール成分と酸成分とのモル比は1.30であった。反応混合物を水の留去下に200℃の内部温度に加熱し、この温度で1時間に亘って維持した。引続き、この温度を約250〜260℃の内部温度に高め、同時に過剰の1,4−ブタンジオールを、真空に引きながら(最終真空約3〜20ミリバール)留去した。重縮合を望ましい最終粘度の達成後に約180〜200℃に冷却することによって終結させ、プレポリエステルをヘキサメチレンジイソシアネート1.5kgで240℃で1時間鎖長延長し、および造粒した。
【0087】
こうして得られたポリエステルii−2は、3700g/molの分子量(Mn)を有していた。
【0088】
成分iii:
iii−1:BASF SE社のJoncryl(登録商標)ADR 4368 CS。
【0089】
成分iv:
iv−1:Luzenac社のChinatalk HP 325。
【0090】
成分v:
発泡剤:イソペンタン
発泡剤:n−ペンタン。
【0091】
成分vi:
vi−1:共発泡剤:窒素(N2)。
vi−2:共発泡剤:二酸化炭素(CO2)。
【0092】
割合は、質量%に対応し、およびポリマー100質量%に関連する(成分i〜iii)。
【0093】
実施例1
イソペンタン5.7部(成分v−1)を押出機(Leistritz社 18mm)中でi−1 79.6部、成分ii−1 20部、成分iii−1 0.4部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。部で記載された量は、成分i−1、ii−1およびiii−1の全体量に関連する。
【0094】
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒(水温40℃)により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。含浸された顆粒(粗製粒子)の密度は、742kg/m3であった。
【0095】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、32kg/m3の密度を有している。顆粒の粒子は、16週間後にもはや発泡不可能であった。
【0096】
実施例2
イソペンタン5.7部(成分v−1)を成分i−1 99.6部、成分iii−1 0.4部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。
【0097】
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。
【0098】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、99kg/m3の密度を有している。
【0099】
比較例3
イソペンタン5.7部を成分i−1 100部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。
【0100】
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。
【0101】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、117kg/m3の密度を有している。
【0102】
【表2】

【0103】
本発明による実施例1および2の混合物は、成分iiiの混和によって比較例3の混合物と区別される。
【0104】
本発明による実施例1および比較例3を評価するために、発泡時間および成形品密度を測定した。更に、発泡体スラブを生じるための発泡体粒子を融合する相応する可能性を、定性的に評価した。
【0105】
【表3】

【0106】
略語表:++極めて良好
+良好
−劣悪
−−極めて劣悪。
【0107】
この試験を実施例1と同様に実施したが、しかし、Leistritz 27mm 押出機中で実施した。
【0108】
実施例4
イソペンタン5.7部(成分v−1)を成分i−1 79.6部、成分ii−1 20部、成分iii−1 0.4部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。部で記載された量は、成分i−1、ii−1およびiii−1の全体量に関連する。前記溶融液を、10.0kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.8mm)を通じて搬送した。加圧(9バール)水中での造粒により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒(平均粒径1.4mm)を製造した。
【0109】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、54kg/m3の最小嵩密度を有している。
【0110】
実施例5
成分v−1と成分v−2とからなる50/50混合物5.7部を、i−1 79.6部、ii−1 20部、iii−1 0.4部およびiv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。部で記載された量は、成分i−1、ii−1およびiii−1の全体量に関連する。前記溶融液を、10.0kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.8mm)を通じて搬送した。加圧(9バール)水中での造粒により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒(平均粒径1.4mm)を製造した。
【0111】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、74kg/m3の最小嵩密度を有している。
【0112】
実施例6
n−ペンタン5.7部(成分v−2)をi−1 79.6部、ii−1 20部、iii−1 0.4部およびiv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。部で記載された量は、成分i−1、ii−1およびiii−1の全体量に関連する。
前記溶融液を、10.0kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.8mm)を通じて搬送した。加圧(9バール)水中での造粒により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒(平均粒径1.4mm)を製造した。
【0113】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、94kg/m3の最小嵩密度を有している。
【0114】
【表4】

【0115】
発泡剤および成分i〜ivの濃度は、本発明による実施例4〜6と同じである。意外なことに、実施例4は、実施例5および6と比較して良好な発泡挙動を示し、これは、完全発泡された粒子の低い最小嵩密度によって測定される。これは、この系中でのn−ペンタンの使用と比較した、発泡剤としてのイソペンタンの使用による明らかな利点を表す。
【0116】
実施例7
イソペンタン5.7部(成分v−1)および二酸化炭素0.5部(vi−2)を成分i−1 79.6部、成分ii−1 20部、成分iii−1 0.4部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。部で記載された量は、成分i−1、ii−1およびiii−1の全体量に関連する。
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒(水温40℃)により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。含浸された顆粒(粗製粒子)の密度は、664kg/m3であった。
【0117】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、30kg/m3の密度を有している。顆粒の発泡された粒子の最小嵩密度は、16週間後になお41kg/m3であった。
【0118】
実施例8
イソペンタン5.7部(成分v−1)および窒素0.1部(vi−1)を押出機(Leistritz社 18mm)中でi−1 79.6部、成分ii−1 20部、成分iii−1 0.4部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。部で記載された量は、成分i−1、ii−1およびiii−1の全体量に関連する。前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒(水温40℃)により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。含浸された顆粒(粗製粒子)の密度は、650kg/m3であった。
【0119】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、36kg/m3の密度を有している。顆粒の発泡された粒子の最小嵩密度は、16週間後になお38kg/m3であった。
【0120】
実施例9
イソペンタン5.7部(成分v−1)を押出機(Leistritz社 18mm)中でi−1 79.6部、成分ii−1 20部、成分iii−1 0.4部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。部で記載された量は、成分i−1、ii−1およびiii−1の全体量に関連する。
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒(水温20℃)により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。含浸された顆粒(粗製粒子)の密度は、700kg/m3であった。
【0121】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、52kg/m3の密度を有している。顆粒の発泡された粒子の最小嵩密度は、16週間後になお126kg/m3であった。
【0122】
【表5】

【0123】
実施例10
イソペンタン5.7部(成分v−1)を押出機(Leistritz社 18mm)中でi−1 79.6部、成分ii−1 20部、成分iii−1 0.4部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。部で記載された量は、成分i−1、ii−1およびiii−1の全体量に関連する。
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒(水温10℃)により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。含浸された顆粒(粗製粒子)の密度は、680kg/m3であった。
【0124】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、34kg/m3の密度を有している。
顆粒の発泡された粒子の最小嵩密度は、16週間後になお77kg/m3であった。
【0125】
実施例11
イソペンタン5.7部(成分v−1)を押出機(Leistritz社 18mm)中でi−1 69.6部、成分ii−1 30部、成分iii−1 0.4部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。部で記載された量は、成分i−1、ii−1およびiii−1の全体量に関連する。
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。
【0126】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、43kg/m3の密度を有している。
【0127】
実施例12
イソペンタン5.7部(成分v−1)および窒素0.05部(vi−1)を成分i−1 69.6部、成分ii−2 30部、成分iii−1 0.3部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。
【0128】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、64kg/m3の密度を有している。
【0129】
実施例13
イソペンタン5.7部(成分v−1)および窒素0.1部(vi−1)を成分i−1 69.7部、成分ii−2 30部、成分iii−1 0.3部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。
【0130】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、38kg/m3の密度を有している。
【0131】
実施例14
イソペンタン5.7部(成分v−1)および二酸化炭素0.5部(vi−2)を成分i−1 69.7部、成分ii−2 30部、成分iii−1 0.4部および成分iv−1 0.3部からなる溶融液中に200℃〜220℃の溶融温度で混入した。
前記溶融液を、3.5kg/hの処理量で孔を備えたダイプレート(ダイの直径0.65mm)を通じて搬送した。加圧(12バール)水中での造粒により、狭い粒度分布を有するコンパクトな顆粒を製造した。平均粒径は、1.4mmであった。
【0132】
顆粒を水蒸気流の作用によって予め発泡させた。顆粒の発泡された粒子は、39kg/m3の密度を有している。
【0133】
ポリ乳酸含有ポリマーPM’の好ましい組成は、本質的に成分iiによって区別される実施例1および14の比較によって示すことができる。
【0134】
【表6】

【0135】
実施例1および実施例14からの粗製粒子は、予め発泡され、および融合され、50g/lの比較可能な成形密度を有する試験体を生じた。
【0136】
実施例14からの試験体は、実施例1における2%を上廻る寸法安定性と比較して、1%未満の寸法安定性の形の良好な熱変形安定性を示す。
【0137】
更に、実施例14からの試験体は、実施例1からの試験体と比較して良好な機械的安定性を示し、このことは、比較的高い圧縮強さおよび比較的高い曲げエネルギーの点で明らかである。
【0138】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程:
a)成分i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸50〜99.9質量%、ii)成分i〜iiiの全質量に対して1つ以上の他のポリマー0〜49.9質量%、iii)成分i〜iiiの全質量に対してジエポキシドまたはポリエポキシド0.1〜2質量%およびiv)成分i〜iiiの全質量に対して1つ以上の添加剤0〜10質量%を溶融および混入し、
b)v)成分i〜ivの全質量に対して有機発泡剤3〜7質量%を静的または動的混合装置を用いて少なくとも140℃の温度で前記ポリマー溶融液中に混入し、
c)直径がダイ出口で最大1.5mmである孔を備えたダイプレートを通じて吐出し、
d)前記発泡剤含有溶融液をダイプレートの直ぐ下流で水の下で1〜20バールの範囲内の圧力で造粒することを含む、発泡性ポリ乳酸含有顆粒の製造法。
【請求項2】
工程a)でポリ乳酸含有ポリマーとして、
i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸50〜98.9質量%、
ii)成分i〜iiの全質量に対して、脂肪族および/または芳香族のジカルボン酸および脂肪族ジヒドロキシ化合物をベースとする少なくとも1つのポリエステル1〜49.9質量%、
iii)成分i〜iiの全質量に対してスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをベースとするエポキシ基含有コポリマー0.1〜2質量%、および
iv)成分i〜iiの全質量に対して1つ以上の添加剤0〜10質量%
からなる混合物を製造する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程a)で成分i)として、5〜8ml/10分のISO1133[190℃/2.16kg]によるMVRを有するポリ乳酸を使用する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
工程a)で成分i)として、20K/分の加熱速度でDSCにより測定した、80℃〜125℃の範囲内の低温結晶化開始温度を有するポリ乳酸を使用する、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
工程b)で有機発泡剤としてイソペンタンを使用する、請求項1または2記載の方法。
【請求項6】
水中での造粒を5〜20℃の温度で実施する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
工程:
a)成分i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸50〜99.9質量%、ii)成分i〜iiiの全質量に対して1つ以上の他のポリマー0〜49.9質量%、iii)成分i〜iiiの全質量に対してジエポキシドまたはポリエポキシド0.1〜2質量%およびiv)成分i〜iiiの全質量に対して核剤0.1〜5質量%を溶融および混入し、
b)v)成分i〜ivの全質量に対して有機発泡剤1〜7質量%およびiv)窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウムまたはその混合物の群から選択される共発泡剤0.01〜5質量%を、静的または動的混合装置を用いて少なくとも140℃の温度で前記ポリマー溶融液中に混入し、
c)直径がダイ出口で最大1.5mmである孔を備えたダイプレートを通じて吐出し、
d)前記発泡剤含有溶融液をダイプレートの直ぐ下流で水の下で1〜20バールの範囲内の圧力で造粒することを含む、発泡性ポリ乳酸含有顆粒の製造法。
【請求項8】
水中での造粒を20〜80℃で実施する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
請求項6から8までのいずれか1項に記載の方法により得られる、0.1〜50μmの範囲内の平均直径を有する空隙を有する発泡性ポリ乳酸含有顆粒。
【請求項10】
前記発泡性ポリ乳酸含有顆粒が0.1〜2mmの範囲内の平均直径および横断面積1mm2当たり50〜300個の空隙を有する、請求項9記載の発泡性ポリ乳酸含有顆粒。
【請求項11】
前記発泡性ポリ乳酸含有顆粒が580〜720kg/m3の範囲内の嵩密度を有する、請求項9または10に記載の発泡性ポリ乳酸含有顆粒。
【請求項12】
次のもの:
i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸50〜98.9質量%、
ii)成分i〜iiiの全質量に対して、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジヒドロキシ化合物をベースとする少なくとも1つのポリエステル1〜49.9質量%、
iii)成分i〜iiiの全質量に対してスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをベースとするエポキシ基含有コポリマー0.1〜2質量%、および
iv)成分i〜iiiの全質量に対して1つ以上の添加剤0〜10質量%を含有し;
およびv)有機発泡剤3〜7質量%の割合を含む、93〜97質量%の固体含量を有する発泡性ポリ乳酸含有顆粒。
【請求項13】
粒子からなる発泡体成形品の製造方法において、請求項9から12までのいずれか1項に記載の発泡性ポリ乳酸含有顆粒を、第1の工程で熱風または水蒸気により予め発泡し、8〜100kg/m3の範囲内の密度を有する発泡体粒子に変え、第2の工程で閉鎖された金型内で融合することを特徴とする、粒子からなる発泡体成形品の製造方法。
【請求項14】
肉皿、ソーセージ皿およびスープ皿、コップ、食品用包装品、電気製品を製造するため、または建設工業における絶縁のため、または緩衝作用および消音のための、請求項9から12までのいずれか1項に記載の発泡性ポリ乳酸含有顆粒の使用。
【請求項15】
次のもの:
i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸60〜98.9質量%、
ii)成分i〜iiiの全質量に対して、次のもの:
a)成分i〜iiに対してコハク酸90〜99.5モル%、
b)成分i〜iiに対して1つ以上のC8〜C20ジカルボン酸0.5〜10モル%、
c)成分i〜iiに対して1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオール98〜102モル%
をベースとする少なくとも1つのポリエステル1〜39.9質量%、;
iii)成分i〜iiiの全質量に対してスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをベースとするエポキシ基含有コポリマー0.1〜2質量%、および
iv)成分i〜iiiの全質量に対して核剤0〜1質量%を含有するポリ乳酸含有ポリマー混合物PM’。
【請求項16】
次のもの:
i)成分i〜iiiの全質量に対してポリ乳酸65〜79.9質量%、
ii)成分i〜iiiの全質量に対して、次のもの:
a)成分i〜iiに対してコハク酸90〜99.5モル%、
b)成分i〜iiに対してテレフタル酸、アゼライン酸、セバシン酸および/またはブラシル酸0.5〜10モル%、
c)成分i〜iiに対して1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオール98〜102モル%
をベースとする少なくとも1つのポリエステル20〜34.9質量%;
iii)成分i〜iiiの全質量に対してスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをベースとするエポキシ基含有コポリマー0.1〜1質量%、および
iv)成分i〜iiiの全質量に対して核剤0.1〜1質量%を含有する、請求項15記載のポリ乳酸含有ポリマー混合物。
【請求項17】
請求項15または16記載のポリ乳酸含有ポリマー混合物PM’を含有する発泡性ポリ乳酸含有顆粒。
【請求項18】
請求項15または16記載のポリ乳酸含有ポリマー混合物PM’を含有する発泡体。

【公表番号】特表2013−517340(P2013−517340A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548390(P2012−548390)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050129
【国際公開番号】WO2011/086030
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】