説明

発泡成形用エチレン系重合体組成物、架橋発泡体、及び架橋発泡体の製造方法

【課題】 従来のポリエチレン系架橋発泡体の優れた特性に加えて、均一な気泡構造、発泡体の可撓性、耐熱性等に優れたポリエチレン架橋発泡体を提供する。
【解決手段】 密度が925〜945kg/m、MFRが1〜20g/10分、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0〜10.0の範囲であり、連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線にピークが複数個存在し、分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有するエチレン系重合体100重量部に対して発泡剤2.0〜25重量部を含有する発泡成形用エチレン系重合体組成物を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発泡成形用エチレン系重合体組成物、架橋発泡体、及び架橋発泡体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレン系架橋発泡体は軽量性、断熱性、遮音性に優れていることで、スリットや打抜きなどで各種形状に加工されパッキンや風呂マット、鉄板と貼合わせて成形した建材用途の断熱折板屋根材、あるいは優れた加熱成形性から自動車内装用緩衝材などの分野で広く利用されている。また、建築あるいは家電製品などの配管の断熱用途などにも、ポリエチレン系架橋発泡体をテープ状、筒状などの形状に加工して使用されている。
【0003】
これらの発泡体は、従来使用されてきたガラス繊維、ロックウールなどの無機系の断熱材と比較して、軽量性、断熱性、衝撃吸収性などの特性に優れていることから多用されている。とりわけ、ポリエチレン系架橋発泡体は、他のプラスチック発泡体と比較して、耐熱性、耐水性や耐薬品性、機械的強度などに優れていることに加えて、熱成形性等の成形加工性に優れていることから、上記の断熱用途には最適の材料とされている。
【0004】
ポリエチレン系発泡体は、押出発泡成形などによる無架橋発泡体と電子線架橋、過酸化物架橋などによりポリエチレン成分に架橋構造を導入した架橋発泡体に大別される。その中でも耐熱性と強度が特に要求される用途には架橋発泡体が多く用いられる。このようなポリエチレン系架橋発泡体の製法としては、例えばポリエチレンに分解型発泡剤を混練りし、シート状に成形した後、電離性放射線を照射し架橋させ、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡する方法、又は発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化物、発泡剤が分解しない温度で混練りし、シート状に成形した後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、さらに加熱し発泡する方法が一般的に知られている。
【0005】
ところで、ポリエチレンは、直鎖状の分子構造を有する直鎖状低密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンと、樹岐状の分岐構造を有する高圧法低密度ポリエチレンに大別される。直鎖状ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンと比較して、引張強度などの機械的特性に優れるものの、過酸化物などによる架橋の進行をコントロールすることが極めて難しいため、高発泡倍率の発泡体を量産することが困難であった。一方、分岐構造を有する高圧法低密度ポリエチレンは、高発泡倍率の架橋発泡体を容易に量産し得るが、耐熱性、引張強度など機械的特性に改善の余地があった。
【0006】
これらの課題を解決するために、高圧法低密度ポリエチレンに直鎖状低密度ポリエチレンを混合して高発泡倍率を有する架橋発泡体とする(例えば、特許文献1、2参照)こと、高密度ポリエチレンを混合する(例えば、特許文献3参照)ことが提案されている。また、本発明者は、エチレンを重合して得られるマクロモノマーとエチレンを共重合して得られるエチレン系重合体を使用することを提案している(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭57−202826号公報
【特許文献2】特開昭57−202827号公報
【特許文献3】特開2001−098099号公報
【特許文献4】特開2006−096909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1〜2の方法においては、架橋発泡体の引張強度や加熱成形性に優れるものの、自動車内装用途などの用途によっては耐熱性が不足する場合がある。また、上記特許文献3の方法では、高圧法低密度ポリエチレンに高密度ポリエチレンを混合することにより、得られる架橋発泡体の耐熱性は満足するものの、本質的に発泡性が悪い高密度ポリエチレンを混合するために不均一な発泡が起こりやすく、生産性の低下を起こす原因となっている。
【0009】
そこで、本発明は、可撓性、耐熱性に優れるとともに、均一に発泡するポリエチレン系架橋発泡体を容易に製造し得る発泡成形用エチレン系重合体組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題について詳細に検討した結果、特定のエチレン系重合体を架橋発泡体とすることで、従来のポリエチレン系架橋発泡体の優れた性質に加え、均一な発泡性、高耐熱性に加えて、適度な可撓性を持ち、自動車内装材用途あるいは耐熱性が特に要求されるパイプカバー用途などに好適に使用できるポリエチレン系架橋発泡体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、密度が925〜945kg/m、MFRが1〜20g/10分、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0〜10.0の範囲であり、連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線にピークが複数個存在し、分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有するエチレン系重合体100重量部に対して発泡剤2.0〜25重量部を含有する発泡成形用エチレン系重合体組成物、架橋発泡体、及び架橋発泡体の製造方法に関するものである。
【0012】
本発明の架橋発泡体に用いられる発泡成形用エチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、JIS K7676を準拠し測定したその密度が925〜945kg/mの範囲であり、928〜942kg/mの範囲であることが好ましい。ここで、密度が945kg/mを超える場合、得られるポリエチレン系架橋発泡体は耐熱性には優れるものの可撓性が低下し、良好な圧縮性が求められる用途に応用できなくなる。密度が925kg/m未満の場合、得られるポリエチレン系架橋発泡体は耐熱性に劣り、125℃の条件下で使用した場合、発泡体が収縮してしまい使用上問題となる。
本発明の発泡成形用エチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレイトが1〜20g/10分であり、2〜15g/10分であることが好ましい。ここで、MFRが1g/10分未満である場合、発泡成形用エチレン系重合体組成物として成形する際の押出機の負荷が大きくなり、生産性が低下する。一方、20g/10分を超える場合、発泡性、機械強度に劣る架橋発泡体しか得られない。さらに、ポリエチレン系架橋発泡体を製造する際に、場合によっては必要となる過酸化物の量又は電離放射線の照射線量を低く抑えることが可能となることから、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーを用い、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として用い直鎖ポリエチレン換算値として求められる重量平均分子量が60,000以上であることが好ましい。
【0013】
本発明の発泡成形用エチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、GPCによる分子量測定において2つのピークを示す。ピークトップ分子量(Mp)はGPC測定によって得られた分子量分布曲線を後述の方法で2個のピークに分割し、高分子量側のピークと低分子量側のピークのトップ分子量を評価し、その差が100,000以上である場合を2つのMpを有するとした。100,000未満である場合は、実測された分子量分布曲線のトップ分子量を1つのMpとした。
【0014】
分子量分布曲線の分割方法は以下のとおりに行った。GPC測定によって得られた、分子量の対数であるLogMに対して重量割合がプロットされた分子量分布曲線のLogMに対して、標準偏差が0.30であり、任意の平均値(ピークトップ位置の分子量)を有する2つの対数分布曲線を任意の割合で足し合わせることによって、合成曲線を作成する。さらに、実測された分子量分布曲線と合成曲線との同一分子量(M)値に対する重量割合の偏差平方和が最小値になるように、平均値と割合を求める。偏差平方和の最小値は、各ピークの割合がすべて0の場合の偏差平方和に対して0.5%以下にした。偏差平方和の最小値を与える平均値と割合が得られた時に、2つの対数正規分布曲線に分割して得られるそれぞれの対数分布曲線のピークトップの分子量をMpとした。
【0015】
GPCによる分子量測定においてピークが1つのものは、過酸化物の添加で急速にゲル分率が上昇するため、発泡に最適なゲル分率に制御することが困難となり、好ましくない。
【0016】
本発明の発泡成形用エチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)とMnの比(Mw/Mn)は3.0〜10.0、好ましくは3.5〜9.0、さらに好ましくは4.0〜8.0である。Mw/Mnが3.0未満である場合、ゲル化が急速に進行し、ゲル分率が非常に高くなるため発泡倍率が低下する。また、Mw/Mnが10.0を超える場合、架橋発泡成形体の強度が低下する。Mw/Mnは、後述する有機変性粘土(B)合成時の有機化合物添加量の低減、重合時の温度低下、エチレン以外のオレフィン添加量の増加により増加することができる。
【0017】
GPCにより測定した数平均分子量(Mn)は15,000以上であることが好ましく、さらに好ましくは15,000〜100,000、特に15,000〜50,000が好ましい。Mnが15,000以上である場合、得られる架橋発泡成形体の強度が高くなる。Mnは、重合時の水素添加量の減少により増加する。また、Mnは後述する遷移金属化合物(A)の配位子の種類により制御が可能である。例えば一般式(5)のみの配位子を用いるよりも、一般式(6)、さらには一般式(8)の配位子を用いた方が、Mnは高くなる。
【0018】
本発明の発泡成形用エチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、連続昇温溶出分別法(以下、TREFと記す。)により求めた溶出温度−溶出量曲線においてピークが複数個存在するものである。TREFによる溶出ピークが1つものは、得られるポリエチレン系架橋発泡体の耐熱性と可撓性を両立することが困難となる。TREFによる溶出ピークを複数個存在させるためには、如何なる製造方法を用いることも可能であり、例えば重合触媒および/または重合条件を多段階で変更する多段重合法、複数の重合触媒を混合した触媒による重合法、同一または異なる重合触媒で調製した複数のエチレン系重合体をブレンドする方法等を挙げることができる。
【0019】
本発明の発泡成形用エチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体の分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数は主鎖1000炭素数あたり0.15個以上である。Mnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.15個未満である場合、気泡成長時に顕著な破泡が生じてしまい良好な形状の発泡体が得られなくなる。分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数は、有機変性粘土(B)合成時の有機化合物添加量の低減、重合時のエチレン以外のオレフィン添加量の増加により増加することができる。また、遷移金属化合物(A)の配位子の種類によっても制御が可能である。例えば一般式(5)のみの配位子を用いるよりも、一般式(6)、さらには一般式(8)の配位子を用いた方が、分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数は高くなる。また、分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの割合が、ポリマー全体の40%未満である。分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの割合が、ポリマー全体の40%以上である場合、発泡体の破断強度が低下する。分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの割合については、有機変性粘土(B)合成時の有機化合物添加量の低減、重合時の水素添加量の減少、重合時のエチレン以外のオレフィン添加量の増加により増加することができる。また、遷移金属化合物(A)の配位子の種類によっても制御が可能である。例えば一般式(5)のみの配位子を用いるよりも、一般式(6)、さらには一般式(8)の配位子を用いた方が、分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの割合は高くなる。
本発明の発泡成形用エチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、160℃で測定した溶融張力が15mN以上が好ましく、特に好ましくは20mN以上である。ここで、溶融張力が15mN以上の場合、発泡成形した際に、気泡が均一に成長し、良好な発泡体が得られる。なお、本発明における溶融張力は、長さが8mm,直径が2.095mmであるダイスを用い、流入角90°で、せん断速度10.8s−1、延伸比47、測定温度160℃の条件下で測定した値であり、最大延伸比が47未満の場合は、破断しない最高の延伸比で測定した値を溶融張力とした。
【0020】
以上、本発明の発泡成形用エチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、特定の構造を有し、発泡成形用エチレン系重合体組成物として架橋発泡成形することにより、可撓性および耐熱性に優れたポリエチレン系架橋発泡体となる。
【0021】
本発明の発泡成形用エチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、
下記一般式(1)
aQbQcQd (1)
(式中、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Q、Q、QおよびQは、シクロアルカジエニル基、置換シクロアルカジエニル基、キレート性の配位子、ルイス塩基、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、上記炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものであり、これらは互いに同一のものであってもよく、異なるものであってもよく、Q、Q、QおよびQは、他の原子または、原子団を介して結合していてもよく、a、b、c及びdはそれぞれ0〜4の整数を示す。)
で表される遷移金属化合物(A)、スメクタイト族ヘクトライトに属する粘土化合物を一般式(2)
【0022】
【化1】

(式中、R〜Rは各々独立して炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、上記炭素数1〜30の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜30の炭化水素基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜30の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したもの、であり、かつR〜Rのうち少なくともひとつが炭素数21以上であり、Mは周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。)
で表される有機化合物にて変性した有機変性粘土(B)及び有機アルミニウム化合物(C)からなるエチレン系重合体製造用触媒を用いて、重合触媒および/または重合条件を多段階で変更する多段重合法、複数の重合触媒を混合した触媒による重合法によりエチレン重合を行うことや、同一または異なる重合触媒で調製した複数のエチレン系重合体をブレンドする方法により製造することができる。
【0023】
遷移金属化合物(A)は、下記一般式(1)
aQbQcQd (1)
(式中、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Q、Q、QおよびQは、シクロアルカジエニル基、置換シクロアルカジエニル基、キレート性の配位子、ルイス塩基、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、上記炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものであり、これらは互いに同一のものであってもよく、異なるものであってもよく、Q、Q、QおよびQは、他の原子または、原子団を介して結合していてもよく、a、b、c及びdはそれぞれ0〜4の整数を示す。)
で表され、好ましくは下記一般式(3)、一般式(4)
【0024】
【化2】

【0025】
【化3】

[式中、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、上記炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものであり、R,Rは各々独立して一般式(5)、(6)、(7)または(8)
【0026】
【化4】

【0027】
【化5】

【0028】
【化6】

【0029】
【化7】

(式中、Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、上記炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものである。)
で表されるMに配位する配位子であり、RとRはMと一緒にサンドイッチ構造を形成し、Rは一般式(9)または(10)
【0030】
【化8】

【0031】
【化9】

(式中、Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、上記炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものであり、Mはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、RとRを架橋するように作用しており、nは1〜5の整数である。]
で表される化合物が用いられる。
【0032】
また、下記一般式(12)または一般式(13)
【0033】
【化10】

[式中、Mは、周期表第4〜5族の遷移金属原子を示し、mは、1〜2の整数を示し、R11〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、上記炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものであり、R11〜R16のうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。pは、Mの価数を満たす数であり、Yは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、上記炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものを示し、pが2以上の場合は、Yで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またYで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。]
【0034】
【化11】

[式中、R17は各々の場合に水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハロ、シアノおよびこれらの組み合わせから独立して選択され、かつ任意に2個のR17(ここでR17は水素、ハロまたはシアノではない)は一緒になってシクロペンタジエニル環の隣接位置に連結して結合環構造を形成するその2価誘導体を形成してもよく、Jは、MとΠ−錯体を形成する30個以下の非水素原子を有する中性のη−結合ジエン基であり、Qは−O−、−S−、−NR18−、−PR18−であり、Mは+2形式酸化状態のチタンまたはジルコニウムであり、ZはSiR18、CR18、SiR18SiR18、CR18CR18、CR18=CR18、CR18SiR18またはGeR18であり、ここでR18は各々の場合独立して水素あるいはヒドロカルビル、シリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリールおよびこれらの組み合わせから選択される一員であり、かつ任意にZからの2個のR18あるいはZからのR18およびQからのR18(ここでR18は水素ではない)が環系を形成してもよい]
で表される化合物を用いることもできる。
【0035】
、Q、QおよびQのシクロアルカジエニル基としては、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基等を例示することできる。置換シクロアルカジエニル基としては2−メチルシクロペンタジエニル基、2−エチルシクロペンタジエニル基、2,4−ジメチルシクロペンタジエニル基、2−フェニルインデニル基、2,4−ジエチルシクロペンタジエニル基、2−メトキシシクロペンタジエニル基、2−ジメチルアミノシクロペンタジエニル基、2−トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、7−メチルインデニル基、7−エチルインデニル基、7−フェニルインデニル基、2,7−ジメチルインデニル基、2−メトキシ−7−メチルインデニル基、2−ジメチルアミノ−7−メチルインデニル基、2−トリメチルシリル−7−メチルインデニル基、4,7−ジメチルインデニル基、4−メトキシ−7−メチルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、7−メチルテトラヒドロインデニル基、7−エチルテトラヒドロインデニル基、7−フェニルテトラヒドロインデニル基、2,7−ジメチルテトラヒドロインデニル基、2−ジメチルアミノ−7−メチルテトラヒドロインデニル基、2−トリメチルシリル−7−テトラヒドロインデニル基、4,5,6,7−テトラメチルテトラヒドロインデニル基等を例示することができる。キレート性の配位子としては、エチレンジアミン基、ビピリジン基、フェナントロリン基、アセチルアセトナート基等を例示することができる。ルイス塩基としては、N,N−ジメチルアニリン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルアミン,メチルジフェニルアミン,ピリジンなどのアミン類、トリエチルホスフィン,トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、安息香酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル,ベンゾニトリルなどのニトリル類等を例示することができる。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を例示することができる。炭素数1〜20の炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−エイコシル基、フェニル基、ベンジル基、o−トルイル基、m−トルイル基、p−トルイル基等を例示することができる。炭素数1〜20のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−オクトキシ基、n−エイコキシ基、n−フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−エチルフェノキシ基等を例示することができる。炭素数1〜20のアルキルアミノ基としてはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基等を例示することができる。炭素数1〜20のアルキルシリル基としてはメチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、n−プロピルシリル基、iso−プロピルシリル基、ジ(n−プロピルシリル基)、ジ(iso−プロピルシリル基)、トリ(n−プロピルシリル基)、トリ(iso−プロピルシリル基)、n−ブチルシリル基、iso−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ジ(n−ブチルシリル基)等を例示することができる。上記炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したものとしては、メトキシメチレン基、エトキシメチレン基等を例示することができる。上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換したものとしては、ジメチルアミノメチレン基、ジエチルアミノメチレン基等を例示することができる。上記炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものとしては、トリメチルシリルメチレン基、tert−ブチルジメチルシリルメチレン基等を例示することができる。
【0036】
一般式(3)〜(10)中のX、R〜Rとしては、前記Q、Q、QおよびQと同様のものが挙げられる。
【0037】
遷移金属化合物(A)の具体的な例として、次に挙げる化合物を例示することができる。遷移金属化合物(A)の具体例として、一般式(3)に該当するものとしてはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、一般式(4)に該当するものとしては、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、一般式(12)に該当するものとしては、ビス(2−tert−ブチル−5−フェニルイミノ)ジルコニウムジクロリド、一般式(13)に該当するものとしては、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランジルコニウムジクロリドなどのジルコニウム化合物、ジルコニウム原子をチタン原子、ハフニウム原子に変えた化合物や上記遷移金属化合物のジクロロ体をジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体に変えた化合物などを例示することができ、好ましい遷移金属化合物(A)としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドおよびイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド等を挙げることができるが、これらに限定するものではない。
【0038】
有機変性粘土(B)は、以下の一般式(2)
【0039】
【化12】

(式中、R〜Rは各々独立して炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、上記炭素数1〜30の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜30の炭化水素基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜30の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものであり、かつR〜Rのうち少なくともひとつが炭素数21以上であり、Mは周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。)
で表される有機化合物にて変性したものである。
【0040】
一般式(2)において、R、RおよびRの炭素数1〜30の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基等を例示することができる。
【0041】
炭素数1〜30のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、フェノキシ基等を例示することができる。
【0042】
炭素数1〜30のアルキルアミノ基は、前記炭素数1〜30の炭化水素基を置換基として有するアミノ基であり、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基等を例示することができる。
炭素数1〜30のアルキルシリル基は、前記炭素数1〜30の炭化水素基を置換基として有するシリル基であり、トリメチルシリル基、トリtert−ブチルシリル基、ジtert−ブチルメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等を例示することができる。
【0043】
上記炭素数1〜30の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したものとしては、メトキシメチレン基、エトキシメチレン基等を例示することができる。
【0044】
上記炭素数1〜30の炭化水素基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換したものとしては、ジメチルアミノメチレン基、ジエチルアミノメチレン基等を例示することができる。
【0045】
上記炭素数1〜30の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものとしては、トリメチルシリルメチレン基、tert−ブチルジメチルシリルメチレン基等を例示することができる。
【0046】
そして、R、RおよびRの少なくとも一つは、ベヘニル基で代表される炭素数21以上の炭化水素基である。
【0047】
は、周期律表第15族の原子であり窒素原子またはリン原子を例示することができる。Mが窒素原子である場合の一般式(2)で表される有機化合物の具体例としては、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
がリン原子であるものとしては、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
[A]はアニオンであり、例えばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロリン酸イオンを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
また、有機変性粘土(B)に用いる粘土化合物は、スメクタイト族ヘクトライトに属するものである。
【0051】
有機化合物にて変性された有機変性粘土は、粘土化合物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成する。
【0052】
有機化合物変性処理においては、粘土化合物の濃度は0.1〜30重量%、処理温度は0〜150℃の条件を選択して処理を行うことが好ましい。また、有機化合物は固体として調製して溶媒に溶解させて使用しても良いし、溶媒中での化学反応により有機化合物の溶液を調製してそのまま使用しても良い。粘土化合物と有機化合物の反応量比については、粘土化合物の交換可能なカチオンに対して当量以上の有機化合物を用いることが好ましい。処理溶媒としては、ペンタン、ヘキサンもしくはヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼンもしくはトルエン等の芳香族炭化水素類、エチルアルコールもしくはメチルアルコール等のアルコール類、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランまたは水等を用いることができるが、好ましくは、アルコール類または水を単独もしくは溶媒の一成分として用いることである。
【0053】
また、本発明に使用するエチレン系重合体の重合で用いる有機変性粘土(B)の粒径は特に制限されるものではないが、小さすぎると沈降しづらく触媒調製を効率よく行えなくなり、大きすぎると触媒をスラリーで移送する際に途中の配管に詰まったりするため、1〜100μmであることが好ましい。粒径を調節する方法も特に制限されず、大きな粒子を粉砕して適切な粒径にしても、小さな粒子を造粒して適切な粒径にしても良く、あるいは粉砕と造粒を組み合わせても良い。また、粒径の調節は未変性の粘土に行っても、変性後の有機変性粘土に行っても良い。
【0054】
粉砕や造粒の方法も特に制限されず、粉砕ならばインパクトミル、回転ミル、カスケードミル、カッターミル、ケージミル、衝撃式粉砕機、コニカルミル、コロイドミル、コンパウンドミル、ジェットミル、振動ミル、スタンプミル、チューブミル、ディスクミル、タワーミル、媒体攪拌ミル、ハンマーミル、ピンミル、フレットミル、ペブルミル、ボールミル、摩砕機、遊星ミル、
リングボールミル、リングロールミル、ロッドミル、ローラーミル、ロールクラッシャー等を、造粒としては転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒、破砕造粒、溶融造粒、噴霧造粒等いずれの方法を用いてもよい。
【0055】
有機アルミニウム化合物(C)は、本発明に使用されるエチレン系重合体の製造用触媒の構成成分であり、遷移金属化合物(A)、および有機変性粘土(B)と共に用いられる。
【0056】
有機アルミニウム化合物(C)は、下記一般式(11)
【0057】
【化13】

(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基であり、R10は各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基、水素原子または塩素原子である。)
で表され、遷移金属化合物をアルキル化することが可能な化合物が好ましく、具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。R,R10の炭素数1〜20の炭化水素基としては、前記Q、Q、QおよびQと同様のものが挙げられる。
【0058】
本発明に使用するエチレン系重合体の重合で用いる遷移金属化合物(A)((A)成分)と有機変性粘土(B)((B)成分)、および有機アルミニウム化合物(C)((C)成分)の比に制限はないが、次に示す比であることが望ましい。
【0059】
(A)成分と(C)成分の金属原子当たりのモル比は(A成分):(C成分)=100:1〜1:100000の範囲にあり、特に1:1〜1:10000の範囲であることが好ましく、(A)成分と(B)成分の重量比が(A成分):(B成分)=10:1〜1:10000にあり、特に3:1〜1:1000の範囲であることが好ましい。特に、1種類の(A)成分、(B)成分および(C)成分を組み合わせることにより、GPCによる分子量測定において2ピークが観測されるエチレン系重合体を製造することが可能であり、このエチレン系重合体を使用することにより、本発明の耐熱性、強度に優れた架橋発泡体が得られる。また、1種類の(A)成分、(B)成分および(C)成分を組み合わせることにより、GPCによる分子量測定において2ピークが観測され、特定範囲の数平均分子量および分子量分布を有し、分子量分別により得られたMnが10万以上の成分が特定の割合でありかつ分子量分別により得られたMnが10万以上の成分中に特定以上の長鎖分岐を有することにより、耐熱性、強度に優れたポリエチレン架橋発泡体が製造可能なエチレン系共重合体が得られる。
【0060】
本発明に使用するエチレン系重合体の重合で用いる(A)成分、(B)成分および(C)成分からなるエチレン系重合体製造用触媒を調製する方法に関して制限はなく、調製の方法として、各成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行うモノマーを溶媒として用い、混合する方法などを挙げることができる。また、これらの成分を反応させる順番に関しても制限はなく、この処理を行う温度、処理時間も制限はない。また、(B)成分、(C)成分を2種類以上用いてエチレン系重合体製造用触媒を調製することも可能である。
【0061】
本発明に使用するエチレン系重合体の重合で用いる触媒は、通常の重合プロセス、すなわちスラリー重合、気相重合、高圧重合、溶液重合、塊状重合のいずれのプロセスにも使用できる。
【0062】
本発明において重合とはエチレンの単独重合のみならず他のオレフィンとの共重合も意味し、これら重合により得られるエチレン系重合体は、単独重合体のみならず共重合体も含む意味で用いられる。
本発明に使用されるエチレン系重合体におけるエチレンの重合は、気相でも液相でも行うことができ、特に気相で重合を行う場合には、粒子形状の整ったエチレン系重合体を効率よく安定的に生産することができる。また、重合を液相で行う場合、用いる溶媒は、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセンなどのオレフィンを溶媒として用いることもできる。
【0063】
本発明に使用するエチレン系重合体の重合で用いるエチレン系重合体のエチレンとの共重合に用いる他のオレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン、スチレンおよびスチレン誘導体、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の共役および非共役ジエン、シクロブテン等の環状オレフィン等が挙げられる。さらに、エチレンとプロピレンとスチレン、エチレンと1−ヘキセンとスチレン、エチレンとプロピレンとエチリデンノルボルネンのように、3種以上の成分を混合して重合することもできる。
【0064】
本発明に使用されるエチレン系重合体を製造する上で、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件について特に制限はないが、重合温度は−100〜300℃、重合時間は10秒〜20時間、重合圧力は常圧〜3000kg/cmGの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて、2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られるエチレン系重合体は、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
【0065】
本発明の発泡成形用エチレン系重合体組成物は、上記エチレン系重合体100重量部に対して、発泡剤2.0〜25重量部、好ましくは4.0〜22重量部を含む。発泡剤が2.0重量部未満の場合、得られる架橋発泡体の発泡倍率が5倍以下であり、発泡体に要求される緩衝性、断熱性が劣るものとなり、25重量部を超えると、発泡剤を大量に使用することによるコストアップになるばかりでなく、架橋体がガスを十分保持できなくなり製品に割れが発生してしまう。
【0066】
本発明では、前記発泡成形用エチレン系重合体組成物100重量部に対して、過酸化物0.5〜2.0重量部、更に好ましくは0.7〜1.8重量部を含有していても良い。本過酸化物は、電離性放射線、一般的には電子線を照射することで架橋させる場合においては不要となる。
【0067】
分解型発泡剤としては、有機、無機系の各種分解型発泡剤があげられ、有機系としては、例えばアゾジカルボンアミド、N.N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p.p’−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジド等が挙げられ、無機系としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、カルシウムアジド等が挙げられる。 また、過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーベンゾエート、ジ−ターシャリーブチルパーオキサイド等の過酸化化合物を挙げることができる。過酸化物の使用量としては、本発明のポリエチレン系架橋発泡体が得られれば特に制限はなく、その中でも特に発泡倍率が高いポリエチレン系架橋発泡体となることから、発泡成形用エチレン系重合体組成物に対して0.2〜5重量部を用いることが好ましい。
【0068】
また、架橋助剤としては、架橋助剤として知られているものであれば如何なるものも用いることが可能であり、例えばジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアネート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリシクロデカンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどを挙げることができ、これらを2つ以上組み合わせて用いることもできる。
【0069】
また、本発明の架橋発泡体に用いられる発泡成形用エチレン系重合体組成物は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて他の樹脂成分を含むものであってもよく、そのような他の樹脂成分としては融点170℃以下の熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えばホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキルアクリレート共重合体あるいはこれらのエチレンとの共重合体に第三成分として無水マレイン酸を共重合した3元共重合体などのポリオレフィン;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−エチレンブロック共重合体、エチレン−ブタジエン−エチレンブロック共重合体やそれらの水添樹脂等が例示される。
【0070】
また、必要に応じて熱安定剤、耐候剤、難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、流動性改良剤、離型剤、充填剤など公知の添加剤を添加しても良い。
【0071】
本発明の架橋発泡体は、発泡成形用エチレン系重合体組成物を架橋発泡させることにより得られる。
【0072】
本発明の架橋発泡体は、より高倍率のポリエチレン系架橋発泡体の製造が可能となり、表面平滑性にも優れたポリエチレン系架橋発泡体となることから架橋度は15〜70%であることが好ましく、より好ましくは25〜70%である。また、機械的強度、伸び、成形性と緩衝性、断熱、耐熱性とのバランスに優れたポリエチレン系架橋発泡体となることから発泡倍率は3〜50倍であることが好ましく、特に7〜35倍であることが好ましい。
【0073】
本発明の架橋発泡体の製造方法としては、本発明の架橋発泡体の製造が可能であればいかなる方法をも用いることが可能であり、その方法としては、例えばエチレン系重合体に分解型発泡剤を混練りし、発泡成形用ポリエチレン系樹脂組成物を製造し、この組成物をシート状に成形した後、電離性放射線、一般的には電子線を照射し架橋せしめ、分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡する方法、あるいはエチレン系重合体に分解型発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化物、分解型発泡剤が分解しない温度で混練りし発泡成形用ポリエチレン系樹脂組成物を製造し、この組成物をシート状に成形した後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、加熱し発泡する方法、等が一般的である。そして、電子線照射による架橋、又は、過酸化物による架橋のいずれの場合によっても、必要に応じて架橋助剤を用いることができる。
【0074】
本発明の架橋発泡体は、可撓性に優れ、耐熱性にも優れることから、パイプカバー用途として好適に用いられる。
【発明の効果】
【0075】
本発明によれば、従来のポリエチレン系架橋発泡体の優れた特性に加えて、均一な気泡構造、発泡体の可撓性、耐熱性等に優れたポリエチレン架橋発泡体を得ることができる。
【実施例】
【0076】
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
【0077】
以下に、実施例および比較例で用いた測定方法を示す。
〜エチレン系重合体の製造と評価〜
以下に、製造例を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、断りのない限り、用いた試薬等は市販品、あるいは既知の方法に従って合成したものを用いた。
【0078】
有機変性粘土の粉砕にはジェットミル(セイシン企業社製(商品名)CO−JET SYSTEM α MARK III)を用い、粉砕後の粒径はマイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製(商品名)MT3000)を用いてエタノールを分散剤として測定した。
【0079】
エチレン系重合体製造用触媒の調製、エチレン系重合体の製造および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲気下で行った。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(20wt%)は東ソーファインケム(株)製を用いた。
【0080】
さらに、実施例におけるエチレン系重合体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)およびピークトップ分子量(Mp)は、GPCによって測定した。GPC装置(東ソー(株)製(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
【0081】
密度は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
【0082】
MFR(メルトフローレート)は、ASTM D1238条件Eに準ずる方法にて測定を行った。
【0083】
分子量分別は、カラムとしてガラスビーズ充填カラム(直径:21mm、長さ:60cm)を用い、カラム温度を130℃に設定して、サンプル1gをキシレン30mLに溶解させたものを注入する。次に、キシレン/2−エトキシエタノールの比率が5/5のものを展開溶媒として用い、留出物を除去する。その後、キシレンを展開溶媒として用い、カラム中に残った成分を留出させ、ポリマー溶液を得る。得られたポリマー溶液に5倍量のメタノールを添加しポリマー分を沈殿させ、ろ過および乾燥することにより、Mnが10万以上である成分を回収した。
【0084】
TREFによる溶出温度−溶出量曲線の測定では、ジクロロベンゼンに試料を濃度0.05重量%となるように135℃で加熱溶解する。この加熱溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注入した後、0.1℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムにジクロロベンゼンを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温し、各温度において溶液に溶解可能な試料を準備溶出させる。この際、溶剤中の試料濃度はメチレンの非対象伸縮振動の波数2925cm−1に対する吸収を赤外検出器で連続的に検出される。この濃度から、溶出温度−溶出量曲線を得ることができる。TREF分析は極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析できるため、分別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可能である。
【0085】
長鎖分岐数は、日本電子(株)製JNM−GSX400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによってヘキシル基以上の分岐数を測定した。溶媒はベンゼン−d6/オルトジクロロベンゼン(体積比30/70)である。主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として、α−炭素(34.6ppm)およびβ−炭素(27.3ppm)のピークの平均値から求めた。
【0086】
溶融張力の測定用試料は、サンプルに耐熱安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガノックス1010TM;1,500ppm、イルガフォス168TM;1,500ppm)を添加したものを、インターナルミキサー(東洋精機製作所製、商品名ラボプラストミル)を用いて、窒素気流下、190℃、回転数30rpmで30分間混練したものを用いた。
【0087】
溶融張力の測定は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mmのダイスを流入角が90°になるように装着し測定した。温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。
〜発泡倍率〜
得られたポリエチレン系架橋発泡体から、幅5cm×長さ5cm×厚さ1.5cmの発泡体を切り出し、重量Wgを測定し、JIS K 6767に準拠して、次式で見掛密度を算出した。
見掛密度(g/cm)=W/(5×5×1.5)
発泡倍率は、この見掛密度より、次式で求めた。
発泡倍率=1/見掛密度
〜発泡体の性状〜
得られたポリエチレン系架橋発泡体の外観、および断面における気泡の状態を目視にて評価した。
○:円滑な表面の発泡体形状、均一な気泡状態
×:凸凹の発泡体形状、不均一な気泡状態…×
〜発泡体の耐熱性〜
得られたポリエチレン系架橋発泡体の耐熱性の評価として、加熱寸法変化率(収縮率)の測定を行った。得られたポリエチレン系架橋発泡体から15×15cmの正方形サンプルを切り出し、その中心に各辺に平行となる各々長さ10cmの直交した標線を書き、このサンプルを100℃の熱風循環オーブンに入れ3時間加熱後、取出し、室温になるまで自然冷却する。この加熱処理サンプルの各標線長さを測定・平均した値をLa(cm)とし、下記の式に従って加熱収縮率を算出した。
加熱収縮率(%)=((10−La)/10)×100
○:120℃の加熱収縮率7%未満
×:120℃の加熱収縮率7%以上
〜発泡体の可撓性〜
得られたポリエチレン系架橋発泡体から、幅5cm×長さ5cm×厚さ1.5cmの発泡体を切り出し、引張り試験機(エー・アンド・デイ社製、商品名テンシロン)の圧縮サイクルモードにて、試験片の元厚の80%圧縮を10回繰り返し、戻り方向にて荷重が0(N)となる変位を残留変位とした。残留変位と元厚を用いて、次式で残留ひずみを算出した。
残留ひずみ(%)= 100× 残留変位(mm) /15(mm)
○:10回圧縮後の残留ひずみが20%未満
×:10回圧縮後の残留ひずみが20%以上
製造例1
(1)粘土の変性
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸17.5g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)49.4g(140mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより132gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.4wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を52mg(固形分6.4mg相当)加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:590ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで61.8gのポリマーを得た(活性:9,700g/g触媒)。このポリマーのMFRは1.6g/10分、密度は930kg/mであり、融点は118.3℃であった。また、数平均分子量は17,640、重量平均分子量は86,660であり、分子量30,500および155,300の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.14個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.27個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの20.1wt%であった。また、溶融張力は75mNであった。
【0088】
製造例2
(1)粘土の変性
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより122gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)触媒懸濁液の調製
製造例1と同様に行った(固形重量分:11.5wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を70mg(固形分8.4mg相当)加え、80℃に昇温後、1−ブテンを2.4g加え、分圧が0.90MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:750ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで63.0gのポリマーを得た(活性:7,500g/g触媒)。このポリマーのMFRは15.5g/10分、密度は954kg/mであり、融点は135.2℃であった。また、数平均分子量は15,500、重量平均分子量は52,700であり、分子量27,900および179,000の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.05個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.16個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの6.5wt%であった。また、溶融張力は35mNであった。
【0089】
製造例3
(1)粘土の変性
(2)触媒懸濁液の調製
製造例2と同様に行った。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を125mg(固形分15.0 mg相当)加え、65℃に昇温後、1−ブテンを17.5g加え、分圧が0.75MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:1,000ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで75.0gのポリマーを得た(活性:5,000g/g触媒)。このポリマーのMFRは1.0g/10分、密度は920kg/mであり、融点は107.9℃であった。また、数平均分子量は20,700、重量平均分子量は105,700であり、分子量32,430および250,290の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.19個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.34個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの24.6wt%であった。また、溶融張力は81mNであった。
【0090】
製造例4
(1)粘土の変性
(2)触媒懸濁液の調製
製造例2と同様に行った。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を70mg(固形分8.4mg相当)加え、80℃に昇温後、分圧が0.90MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:550ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで58.8gのポリマーを得た(活性:7,000g/g触媒)。このポリマーのMFRは5.9g/10分、密度は959kg/mであり、融点は136.7℃であった。また、数平均分子量は16,700、重量平均分子量は58,450であり、分子量30,060および176,620の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.04個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.15個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの5.7wt%であった。また、溶融張力は40mNであった。
【0091】
製造例5
(1)粘土の変性
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸18.8g及びメチルジオレイルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンM2O)53.1g(100mmol)を添加し、45℃に加熱して(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRD)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。
このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより138gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を12μmとした。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いでジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを0.4266g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.0wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を93mg(固形分11.2mg相当)加え、85℃に昇温後、1−ブテンを15.8g加え、分圧が1.20MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで67.0gのポリマーを得た(活性:6,000g/g触媒)。このポリマーのMFRは200g/10分以上であり、密度は955kg/mであり、融点は135.6℃であった。数平均分子量は8,930、重量平均分子量は17,950であり、分子量12,930の位置にのみピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.01個未満であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションは得られなかった。また、溶融張力は10mN未満であった。
【0092】
製造例6
(1)粘土の変性
(2)触媒懸濁液の調製
製造例2と同様に行った。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を58mg(固形分7.0mg相当)加え、80℃に昇温後、1−ブテンを8.3g加え、分圧が0.85MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:850ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで49.0gのポリマーを得た(活性:7,000g/g触媒)。このポリマーのMFRは3.7g/10分、密度は939kg/mであり、融点は125.4℃であった。また、数平均分子量は20,304、重量平均分子量は75,200であり、分子量40,730および216,240の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.06個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.17個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの14.3wt%であった。また、溶融張力は50mNであった。
【0093】
製造例7
(1)粘土の変性
(2)触媒懸濁液の調製
実施例2と同様に行った。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を64mg(固形分7.3mg相当)加え、70℃に昇温後、1−ブテンを17.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:570ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで61.7gのポリマーを得た(活性:8,500g/g触媒)。このポリマーのMFRは1.4g/10分、密度は929kg/mであり、融点は116.8℃であった。また、数平均分子量は19,500、重量平均分子量は92,680であり、分子量31,200および183,200の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.16個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.31個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの21.8wt%であった。また、溶融張力は78mNであった。
【0094】
製造例8
(1)粘土の変性
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸18.8g及びメチルジオレイルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンM2O)53.1g(100mmol)を添加し、45℃に加熱して(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRD)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。
このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより138gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を12μmとした。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gをヘキサン165mLに懸濁させ、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406gおよびトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(1.18M)85mLを添加して60℃で3時間撹拌した。静置して室温まで冷却後に上澄み液を抜き取り、1%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液200mLにて2回洗浄した。洗浄後の上澄み液を抜き出し、5%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液にて全体を250mLとした。次いで、別途ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.062gのヘキサン10mL懸濁液に20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.71M)5mlを加えることにより調製した溶液を添加して、室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、ヘキサン200mLにて2回洗浄後、ヘキサンを200mL加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.0wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を92mg(固形分11.0mg相当)加え、85℃に昇温後、1−ブテンを16.6g加え、分圧が0.80MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで59.7gのポリマーを得た(活性:5,430g/g触媒)。このポリマーのMFRは12.2g/10分であり、密度は 932kg/mであり、融点は119.8℃であった。数平均分子量は19,570、重量平均分子量は74,300であり、分子量35,500の位置にピークが観測された。また、ポリマー中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.04個であり、分子量分別した際のMn10万以上のフラクション中に含まれる長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.07個であった。また、分子量分別した際のMn10万以上のフラクションの割合は、全ポリマーの12.5wt%であった。また、溶融張力は15mNであった。
【0095】
実施例1
(1)発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造
製造例1で得られたエチレン系重合体のペレット90重量%、製造例2で得られたエチレン系重合体のペレット10重量%をドライブレンドした。このドライブレンド品100重量部に対し、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド16.0重量部を添加してプラコー社製50mm径単軸押出機にて溶融混合した。バレルの温度はC1;120℃、C2;130℃、C3;130℃、ダイヘッド;130℃とした。
(2)架橋発泡体の製造
(1)で得られた発泡成形用エチレン系重合体組成物100重量部に対し、ステアリン酸亜鉛0.2重量部、酸化亜鉛0.3重量部、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド0.8重量部を配合し、125℃に調整したミキシングロールにて混練して得られたシート状組成物を厚さ20mm×縦90mm×横90mmの加圧密閉金型中に充填し、200kgf/cmの外圧をかけて、165℃で20分間加熱した後、除圧して、一段発泡工程において均一で微細な気泡を有した発泡倍率10倍のポリエチレン系架橋発泡体を得た。さらに二段発泡工程として、この発泡体を165℃に設定されたオーブンに入れて、20分間常圧で加熱発泡させポリエチレン系架橋発泡体を得た。
【0096】
得られたポリエチレン系架橋発泡体は、表面の平滑性が高く均一な微細セルを有しており、発泡倍率が30倍で、120℃における加熱収縮率は2.7%と小さく、収縮率7%以下とした耐熱性の基準を満たすことが確認された。また、元厚の80%圧縮を10回繰り返した後の残留ひずみは10%と小さく、可撓性が良好であることが確認された。結果を表1に示す。
【0097】
実施例2
実施例1の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、製造例1で得られたエチレン系重合体のペレットと製造例2で得られたエチレン系重合体のペレットのドライブレンド比を70重量%対30重量%とした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0098】
実施例3
実施例1の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、製造例1で得られたエチレン系重合体のペレットと製造例2で得られたエチレン系重合体のペレットのドライブレンド比を50重量%対50重量%とした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0099】
実施例4
実施例1の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、製造例1で得られたエチレン系重合体のペレットを、製造例3で得られたエチレン系重合体のペレットに変更し、製造例2で得られたエチレン系重合体のペレットを、製造例4で得られたエチレン系重合体のペレットに変更した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0100】
実施例5
実施例4の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、製造例3で得られたエチレン系重合体のペレットと製造例4で得られたエチレン系重合体のペレットのドライブレンド比を50重量%対50重量%とした以外は、実施例4と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、アゾジカルボンアミドの添加量を8.0重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0101】
実施例7
実施例1の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、アゾジカルボンアミドの添加量を23.0重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0102】
比較例1
実施例4の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、製造例3で得られたエチレン系重合体のペレットと製造例4で得られたエチレン系重合体のペレットのドライブレンド比を95重量%対5重量%とした以外は、実施例4と同様に行った。得られた発泡体は、可撓性に優れるものの、耐熱性に劣った。結果を表2に示す。
【0103】
比較例2
実施例1の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、製造例1で得られたエチレン系重合体のペレットと製造例2で得られたエチレン系重合体のペレットのドライブレンド比を30重量%対70重量%とした以外は、実施例1と同様に行った。得られた発泡体は、耐熱性に優れるものの、可撓性に劣った。結果を表2に示す。
【0104】
比較例3
実施例4の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、製造例4で得られたエチレン系重合体のペレットを、製造例5で得られたエチレン系重合体に変更し、製造例3で得られたエチレン系重合体のペレットと製造例5で得られたエチレン系重合体のペレットのドライブレンド比を40重量%対60重量%とした以外は、実施例4と同様に行った。得られた発泡体は、気泡構造が不均一で平滑性に劣り、可撓性も劣った。結果を表2に示す。
【0105】
比較例4
実施例1の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、使用するエチレン系重合体を製造例6のエチレン系重合体のペレットのみとした以外は、実施例1と同様に行った。得られた発泡体は、可撓性に優れるものの、耐熱性に劣った。結果を表2に示す。
【0106】
比較例5
実施例1の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、使用するエチレン系重合体を製造例7のエチレン系重合体のペレットのみとした以外は、実施例1と同様に行った。得られた発泡体は、耐熱性に優れるものの、可撓性に劣った。結果を表2に示す。
【0107】
比較例6
実施例1の発泡成形用エチレン系重合体組成物の製造において、使用するエチレン系重合体を製造例8のエチレン系重合体のペレットのみとした以外は、実施例1と同様に行った。良好な形状の発泡体が得られなかった。結果を表2に示す。
【0108】
【表1】

【0109】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
密度が925〜945kg/m、MFRが1〜20g/10分、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0〜10.0の範囲であり、連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線にピークが複数個存在し、分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有するエチレン系重合体100重量部に対して発泡剤2.0〜25重量部を含有する発泡成形用エチレン系重合体組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の発泡成形用エチレン系重合体組成物100重量部に対して過酸化物0.5〜2.0重量部を含有する発泡成形用エチレン系重合体組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のエチレン系重合体のMw/Mnが4.0〜8.0の範囲であり、Mnが15,000以上であることを特徴とする請求項1又は2の発泡成形用エチレン系重合体組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成形用エチレン系重合体組成物を架橋発泡させてなることを特徴とする架橋発泡体。
【請求項5】
発泡倍率3〜50倍を有することを特徴とする請求項4に記載の架橋発泡体。
【請求項6】
請求項1に記載の発泡成形用エチレン系重合体組成物を分解型発泡剤の分解温度以下で成形した後に、電離性放射線を照射せしめ架橋を行い、分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡することを特徴とするポリエチレン系架橋発泡体の製造方法。
【請求項7】
請求項2に記載の発泡成形用エチレン系重合体組成物を分解型発泡剤及び過酸化物の分解温度以下で成形した後に、過酸化物の分解温度以上に加熱し架橋を行い、さらに加熱し発泡することを特徴とするポリエチレン系架橋発泡体の製造方法。

【公開番号】特開2013−28703(P2013−28703A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165280(P2011−165280)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】