説明

発現系

ジフテリア毒素またはCRM197を含む毒素のペリプラズム発現に関する組成物および方法が本明細書に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌毒素の発現の分野、特にジフテリア毒素(CRM197など、ジフテリア毒素の突然変異体形態を含む)に関するものであり、このような毒素のバルク培養物の発現および製造に好適なプロセスを含む。本発明は、本発明のプロセスの間に使用または製造されることのできる新規のポリヌクレオチドおよびポリペプチドも提供する。
【背景技術】
【0002】
ジフテリア毒素は、細菌ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)によって産生される外毒素タンパク質である。シグナル配列(毒素シグナル配列)を含む一本鎖ポリペプチドとして産生され、該シグナル配列は、該タンパク質の分泌の際に該細菌によって除去される。
【0003】
ジフテリア毒素は、残基190、192、または193における開裂の結果としてジスルフィド結合によって連結された2つのサブユニット断片Aおよび断片Bを形成するよう、容易にスプライスされる(Moskaug et al Biol. Chem. 264: 15709-15713, 1989)。断片Aは、触媒活性のある部分であり、タンパク質合成因子EF−2を特異的に標的にして、それによりEF−2を不活性化して細胞におけるタンパク質合成をシャットダウンするNAD依存性ADPリボシルトランスフェラーゼである。
【0004】
ジフテリア毒素などの細菌毒素に対する免疫は、感染の経過の間に自然に、または毒素の脱毒素化形態(トキソイド)の注射によって人工的に獲得され得る(Germanier, Bacterial Vaccines, Academic Press, Orlando, Fl., 1984)。トキソイドは、天然毒素の化学的修飾によって伝統的に作製され(Lingood et al Brit.J. Exp. Path. 44; 177, 1963)、該化学的修飾は、ワクチン接種された動物を、該天然毒素によるその後の負荷に対して保護する抗原性を保有しながら、該天然毒素を非毒性にする。あるいは、低下した毒性を有するいくつかの突然変異したジフテリア毒素が説明されている(US4709017、US4950740)。
【0005】
CRM197は、ジフテリア毒素の非毒性形態であるが、ジフテリア毒素とは免疫学的に識別することができない。CRM197は、毒素産生性のコリネファージ(carynephage)bのニトロソグアニジン突然変異誘発によってβ197毒素により作製される非毒素産生性位相によって感染したジフテリア菌によって産生される(Uchida et al Nature New Biology (1971) 233; 8-11)。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素と同じ分子量を有するが、構造遺伝子における単一の塩基変化によって、ジフテリア毒素とは異なる。このことは、断片AがNADを結合することができなくする位置52におけるグリシンからグルタミンへのアミノ酸の変化をもたらす(Pappenheimer 1977, Ann Rev, Biochem. 46; 69-94, Rappuoli Applied and Environmental Microbiology Sept 1983 p560-564)。
【0006】
ジフテリアトキソイド、および低下した毒性を有する突然変異体形態であるCRM197は、ジフテリア菌に対する免疫を提供する多くのワクチンにおける成分である。百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、ならびに任意にB型肝炎ウイルスおよび/またはb型インフルエンザ菌を予防することができるいくつかの組み合わせワクチンは、公知である(例えば、WO 93/24148およびWO 97/00697、WO 02/055105参照)。
【0007】
また、ジフテリア毒素、およびCRM197を含む突然変異体形態は、糖質のための安全かつ有効なT細胞依存性担体として、ワクチンにおいて使用される。CRM197は現に、b型インフルエンザ菌オリゴ糖CRM197抱合ワクチン(HibTitre(登録商標); Lederle Praxis Biologicals, Rochester, N.Y.)において用いられている。
【0008】
ジフテリアトキソイド(DT)を調製する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、DTは、ジフテリア菌の培養物からの毒素の精製後の化学的解毒によって製造され得、または該毒素の組換え体もしくは遺伝子的に解毒した類似体の精製によって製造され得る(例えば、CRM197、またはUS 4,709,017、US 5,843,711、US 5,601,827、およびUS 5,917,017において説明されるような他の突然変異体)。
【0009】
ワクチンにおける使用のためのCRM197などのジフテリア毒素の有意な量の製造は、低いタンパク質発生量により妨げられてきた。この問題は、大腸菌においてCRM197を発現させることによって既に対処されており(Bishai et al J Bacteriol. 169:5140-5151)、Bishaiらは、(毒素シグナル配列を含む)ジフテリア毒素を含む組換え融合タンパク質の発現を説明しており、このことは、分解されたタンパク質の製造をもたらした。
【0010】
毒素シグナル配列を含むジフテリア断片のクローン化および大腸菌におけるこれらの配列の発現は、ある困難を包含する。発現したタンパク質は、細胞周辺腔へと分泌され、この分泌は、宿主細胞の低下した生存率(O’Keefe et al Proc. Natl. Acad. Sci. 86:343-346)、および組換えタンパク質の亢進したタンパク質分解(Bishai et al J Bacteriol. 169: 5140-5151)と関係している。これらの理由について、発現がもはやペリプラズムではないような毒素シグナル配列の除去が示唆され、このことは、ジフテリアトキソイドの発現を亢進し得る(Bishai et al)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】US4709017
【特許文献2】US4950740
【特許文献3】WO 93/24148
【特許文献4】WO 97/00697
【特許文献5】WO 02/055105
【特許文献6】US 5,843,711
【特許文献7】US 5,601,827
【特許文献8】US 5,917,017
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Moskaug et al Biol. Chem. 264: 15709-15713, 1989
【非特許文献2】Germanier, Bacterial Vaccines, Academic Press, Orlando, Fl., 1984
【非特許文献3】Lingood et al Brit.J. Exp. Path. 44; 177, 1963
【非特許文献4】Uchida et al Nature New Biology (1971) 233; 8-11
【非特許文献5】Pappenheimer 1977, Ann Rev, Biochem. 46; 69-94
【非特許文献6】Rappuoli Applied and Environmental Microbiology Sept 1983 p560-564
【非特許文献7】Bishai et al J Bacteriol. 169:5140-5151
【非特許文献8】O’Keefe et al Proc. Natl. Acad. Sci. 86:343-346
【発明の概要】
【0013】
したがって、本出願は、a)特定のシグナル配列が細菌毒素の配列と連関する発現ベクターを含む細菌宿主細胞の培養物を増殖させる工程と、b)細菌毒素が細胞質周辺に発現するよう細菌毒素と連関した特定のシグナル配列を含むポリペプチドの発現を誘導する工程とを含んでなる、ペリプラズムでの発現によって細菌毒素を作製するための改良されたプロセスを提供する。本出願は、本発明のプロセスにおいて用いられるポリヌクレオチドも提供する。
【0014】
ペリプラズムにおける細菌毒素の製造は、細胞質での製造を上回る1つ以上の利点を有し得る。
【0015】
(1)該タンパク質は、シグナルペプチドの開裂後のその成熟形態で製造され、および/または;
(2)大腸菌のペリプラズムは、ジスルフィド結合の形成を可能にする酸化環境であり、このことは可溶性で正確に折りたたまれたタンパク質を製造するのを助け得、および/または;
(3)大腸菌のペリプラズムは、細胞質よりも少ないプロテアーゼを含み、このことは、発現したタンパク質のタンパク質分解性開裂を回避するのを助け得、および/または;
(4)ペリプラズムは、より少ないタンパク質も含み、このことは、より純粋な組換えタンパク質が得られるのを可能にする。
【0016】
本発明の第一の態様において、
(a)5’シグナル配列部分は、異種性タンパク質の細菌ペリプラズムへの輸送を配向させることのできるアミノ酸配列を有する異種性ポリペプチドをコードし、かつ
(b)3’毒素部分は、配列番号32あるいは少なくとも15のアミノ酸および/または少なくとも1つのBもしくはT細胞エピトープをコードするその断片と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、
該5’シグナル配列部分と該3’毒素部分とを含んでなる、ポリヌクレオチドが提供される。
【0017】
本発明の第二の態様において、
(a)5’シグナル配列部分は、異種性タンパク質の細菌ペリプラズムへの輸送を配向させることのできるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし、かつ、該5’シグナル配列部分はジフテリア菌由来ではなく、かつ
(b)3’毒素部分は、配列番号32あるいは少なくとも15のアミノ酸および/または少なくとも1つのBもしくはT細胞エピトープをコードするその断片と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、
該5’シグナル配列部分と該3’毒素部分とを含んでなるポリヌクレオチドが提供される。
【0018】
本発明の第三の態様において、5’シグナル部分配列は、
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、
(b)発現したタンパク質をペリプラズムに配向することのできる、1、2、もしくは3の点突然変異、挿入、もしくは欠失によって相応の配列から変動する配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のバリアント、または
(c)発現したタンパク質をペリプラズムに配向することのできる配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の少なくとも10のアミノ酸の断片
のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードし、かつ3’毒素部分は、細菌毒素またはその断片もしくはバリアントをコードする、該5’シグナル配列部分と3’毒素部分とを含んでなるポリヌクレオチドが提供される。
【0019】
本発明の第四の態様において、誘導性プロモーターに連結された本発明のポリヌクレオチドを含んでなるベクターが提供される。
【0020】
本発明の第五の態様において、本発明のポリヌクレオチドまたはベクターを含んでなる宿主細胞が提供される。
【0021】
本発明の第六の態様において、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが提供される。
【0022】
本発明の第七の態様において、a)本発明の細菌宿主細胞の培養物を増殖する工程と、b)細菌トキソイドがペリプラズムに発現するよう、前記ポリペプチドの発現を誘導する工程と
を含んでなる、細菌毒素を作製するためのプロセスが提供される。
【0023】
本発明の第八の態様において、a)本発明のプロセスを用いて細菌毒素を作製する工程と、b)工程a)の該細菌毒素を抗原に抱合させる工程とを含んでなる、抱合体を作製するためのプロセスが提供される。
【0024】
本発明の第九の態様において、a)本発明のプロセスを用いて細菌毒素または抱合体を作製する工程と、b)該細菌毒素またはその抱合体を医薬として許容し得る賦形剤と混合する工程とを含んでなる、ワクチンを製造するためのプロセスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】CRM197−シグナル配列コンストラクトを製造するためのクローン化プロセスの概略。CRM197のN末端に融合したシグナル配列をコードするDNAの切片が、NdelおよびSacI消化によってプラスミドAから切り出される。配列番号31のCRM197のC末端配列が、AatIIおよびXhoI消化によってプラスミドBから切り出される。これら2つの配列を、NdeI、SacI、AatIIおよびXhoIによるpET26bベクターの消化ならびにDNAリガーゼを用いた連結によって、pET26bベクターへとスプライスする。結果として生じるベクター(pRIT16668)を用いて、シグナル配列とpRIT16668ベクターを含むプラスミドを、AgeIおよびNdeIにより消化し、これらをDNAリガーゼを用いて互いにスプライスすることによって、他のシグナル配列−CRM197コンストラクトを製造した。
【図2】N末端シグナル配列を有さないCRM197配列を含むコンストラクト(pRIT16669)を製造するためのクローン化プロセスの概略。これを、NdeIおよびAatII消化に続く連結を用いて、CRM197をコードするPCR断片をpRIT16668に挿入することによって実施した。
【図3】FlgIシグナル配列を含むコンストラクトを製造するためのクローン化プロセスの概略。これを、NdeIおよびAatII消化に続く連結を用いて、CRM197およびFlgIシグナル配列をコードするPCR断片(配列番号23)をpRIT16669へと挿入することによって実施した。このことは、プラスミドpRIT16681を製造した。
【図4】3つの異なる株における30℃でのIPTGによる処理3時間後のDsbA−CRM197の誘導を示すゲル。Novex TGの10〜20%ゲルを用いた。パネルAのゲルは、抗DTPaおよび抗マウスNBT−BCIPを用いて染色したウェスタンブロットである。パネルBのゲルは、クーマシーブルーを用いて染色されている。レーン1は分子量マーカーを含み、レーン2は誘導されなかったBLR(DE3)株を含み、レーン3は誘導されたBLR(DE3)株を含み、レーン4は誘導されなかったB834(DE3)株を含み、レーン5は誘導されたB384(DE3)株を含み、レーン6は、誘導されたHMS174(DE3)を含む。
【図5】細菌細胞におけるおよび培地におけるCRM−197の発現を示すゲル。パネルBのゲルは、抗DTPaおよび抗マウスNBT−BCIPを用いて染色したウェスタンブロットを示す。パネルAは、クーマシーブルーを用いて染色されている。各レーンの内容物を下記の表において説明する:
【表1】

【図6】3つの異なる株における30℃で3時間のDsbA−CRM197の誘導を示すゲル。Novex TGの10〜20%ゲルを用いた。パネルAは、抗DTPaおよび抗マウスNBT−BCIPを用いて染色したウェスタンブロットである。パネルBは、クーマシーブルーを用いて染色されている。レーン1は分子量マーカーを含み、レーン2は誘導されなかったBLR(DE3)株を含み、レーン3は誘導されたBLR(DE3)株を含み、レーン4は誘導されたBLR(DE3)株由来の可溶性画分を含み、レーン5は誘導されたBLR(DE3)株由来の不溶性画分を含み、レーン6は誘導されなかったB834(DE3)を含み、レーン7はB834(DE3)により誘導された可溶性画分を含み、レーン7はB834(DE3)により誘導された不溶性画分を含む。
【図7】誘導相における100mMの濃度までの1Mリン酸カリウム緩衝液の添加を有するまたは有さない最適化されたFlgIコンストラクトの発現を比較するゲル。Novex TGの10〜20%ゲルを用いた。レーン1は分子量マーカーを含み、レーン2は誘導(30℃での誘導)から0分での細胞抽出物を含み、レーン3は誘導(30℃での誘導)から2時間での細胞抽出物を含み、レーン4は誘導(30℃での誘導)から4時間での細胞抽出物を含み、レーン5は30℃での一晩の誘導後の細胞抽出物を含み、レーン6は30℃での誘導4時間後の培地を含み、レーン7は30℃で一晩の誘導後の培地を含み、レーン8は誘導(23℃での誘導)から2時間での細胞抽出物を含み、レーン9は誘導(23℃での誘導)から4時間での細胞抽出物を含み、レーン10は一晩の誘導後の細胞抽出物を含み、レーン11は、誘導(23℃での誘導)から4時間での培地を含み、レーン12は一晩の誘導(23℃での誘導)後の培地を含む。
【図8】20リットル規模の流加回分発酵の間にモニターされたプロセスパラメータを用いた発酵特性の描写。線1は添加された基質の量(グラム)を示し、線2はpHを示し、線3は撹拌速度(rpm)を示し、線4はpO(%)を示し、線5は温度(℃)を示し、線6は添加した塩基の量(グラム)を示す。
【図9−1】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの配列リスト。
【図9−2】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの配列リスト。
【図9−3】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの配列リスト。
【図9−4】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの配列リスト。
【図9−5】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの配列リスト。
【図9−6】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの配列リスト。
【図9−7】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの配列リスト。
【図10】pH6.8において実施された増殖についての誘導中の供給速度およびpHの関数としてのペリプラズム画分および細胞会合画分におけるCRM197の製造の描写。左のパネルは、ペリプラズムCRM197の製造を示す。右のパネルは、細胞と会合したCRM197製造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
定義
用語「ポリヌクレオチド(複数可)」は一般的に、一本鎖および二本鎖領域/形態を含む修飾されていないRNAもしくはDNAまたは修飾されたRNAもしくはDNAであり得る任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを指す。
【0027】
用語ポリペプチドは、少なくとも10のアミノ酸を含んでなる任意のペプチドを指す。
【0028】
用語「ペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、本明細書で使用する場合、本発明のペプチドまたはポリペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチドを包含する。該用語は、コード配列および/または非コード配列も含み得る追加的な領域とともに、該ペプチドまたはポリペプチドをコードする単一の連続した領域または不連続な領域を含むポリヌクレオチド(例えば、組み込まれたファージ、組み込まれた挿入配列、組み込まれたベクター配列、組み込まれたトランスポゾン配列によって中断された、またはRNA編集もしくはゲノムDNA再編成による、ポリヌクレオチド)も包含する。
【0029】
ポリヌクレオチド「5’シグナル配列部分のバリアント」は、相応の野生型シグナル配列と比較して、1、2、3、4、または5のアミノ酸置換、アミノ酸付加、またはアミノ酸欠失突然変異を含むシグナル配列をコードするポリヌクレオチド配列である。
【0030】
「アミノ酸欠失」は、タンパク質のアミノ酸配列からの1つのアミノ酸の除去である。
【0031】
「アミノ酸付加」は、タンパク質のアミノ酸配列からの1つのアミノ酸の付加である。
【0032】
「アミノ酸置換」は、タンパク質の配列におけるあるアミノ酸の別のアミノ酸との置換である。
【0033】
ポリヌクレオチド「3’毒素部分のバリアント」は、毒素ポリペプチドと80%、85%、90%、95%、98%、または100%の同一性を有するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列である。同一性についての定義は、下記に与えられる。
【0034】
一般に、「バリアント」は任意に、保存的アミノ酸置換によって基準体から変動し、それにより1つの残基が類似の特徴を有する別のものによって置換されるポリペプチドである。典型的には、このような置換は、Ala、Val、Leu、およびIleの間に、SerおよびThrの間に、酸性残基AspおよびGluの間に、AsnおよびGlnの間に、ならびに塩基性残基LysおよびArgの間に、または芳香族残基PheおよびTyrにある。
【0035】
「5’シグナル配列部分の断片」は、シグナルペプチドの少なくとも10、15、または20のアミノ酸をコードする配列である。
【0036】
「3’毒素部分の断片」は、任意に免疫原性活性を有する毒素ポリペプチドの少なくとも5、10、15、20、30、40、50、100、または200のアミノ酸の連続した部分をコードする配列である。「免疫原性活性」を有するまたは「免疫原性」であるペプチドは、個々の毒素を認識する免疫応答を惹起させることができる(必要であれば、担体との共役時に)。好ましい断片は、B細胞またはT細胞エピトープをコードする該ポリヌクレオチド、および該ポリヌクレオチド断片を含んでなる組換えポリヌクレオチドである。任意に、これらの毒素の断片は、免疫原性である断片である。
【0037】
当該技術分野で公知の「同一性」は、2つ以上のポリペプチド配列または2つ以上のポリヌクレオチド配列を比較することによって決定され得る場合と同様に、該配列間の関連性である。当該技術分野において、「同一性」は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列のストリング間のマッチによって決定され得る場合と同様に、このような配列間の配列近縁性の程度も意味する。「同一性」は、(Computational Molecular Biology, Lesk, A.M.編, Oxford University Press, New York, 1988、Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W.編, Academic Press, New York, 1993、Computer Analysis of Sequence Data, 第I部, Griffin, A.M.およびGriffin, H.G.編, Humana Press, New Jersey, 1994、Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heine, G., Academic Press, 1987、ならびにSequence Analysis Primer, Gribskov, M.およびDevereux, J.編, M Stockton Press, New York, 1991、ならびにCarillo, H.およびLipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073 (1988)に説明されたものを含むがこれらに限定されない公知の方法によって容易に算出されることができる。同一性を決定する方法は、試験された配列間の最大のマッチを与えるよう設計される。その上、同一性を決定する方法は、公共的に入手可能なコンピュータプログラムにおいて成文化される。2つの配列間の同一性を決定するコンピュータプログラム方法には、GCGプログラムパッケージにおけるGAPプログラム(Devereux, J., et al., Nucleic Acids Research 12(1): 387 (1984))、BLASTP、BLASTN(Altschul, S.F. et al., J. Molec. Biol. 215: 403-410 (1990))、およびFASTA(Pearson and Lipman Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85; 2444-2448 (1988))が挙げられるが、これらに限定されない。プログラムのBLASTファミリーは、NCBIおよび他の源から公共的に入手可能である(BLAST Manual, Altschul, S., et al., NCBI NLM NIH Bethesda, MD 20894、Altschul, S., et al., J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990))。また、周知のSmith Watermanアルゴリズムを用いて、同一性を決定してもよい。
【0038】
ポリペプチド配列比較のパラメータには、以下が含まれる:
アルゴリズム:NeedlemanおよびWunsch, J. Mol Biol. 48: 443-453 (1970)
比較マトリックス:Henikoff由来のBLOSSUM62およびHenikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 89:10915-10919 (1992)
ギャップペナルティ:8
ギャップ長ペナルティ:2
これらのパラメータを用いた有用なプログラムは、Genetics Computer Group, Madison WI由来の「ギャップ」プログラムとして公共的に入手可能である。上記のパラメータは、(末端ギャップについてペナルティがないことに加えて)ペプチド比較のためのデフォルトパラメータである。
【0039】
ポリヌクレオチド比較についてのパラメータには、以下が含まれる:
アルゴリズム:NeedlemanおよびWunsch, J. Mol Biol. 48: 443-453 (1970)
比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0
ギャップペナルティ:50
ギャップ長ペナルティ:3
Genetics Computer Group, Madison WI製の「ギャップ」プログラムとして入手可能。これらは、核酸比較のためのデフォルトパラメータである。
【0040】
用語「シグナルペプチド」または「シグナルポリペプチド」は、発現したタンパク質をペリプラズムに配向することのできるペプチドを指す。
【0041】
用語「細菌毒素」は、毒素及びトキソイドの両方を包含する。
【0042】
用語「トキソイド」は、例えば、点突然変異、欠失、または挿入の導入によって部分的にまたは完全に失活した毒素を説明する。
【0043】
本明細書における用語「を含んでなる(comprising)」、「を含んでなる(comprise)」、および「を含んでなる(comprises)」は、本発明者らによって、いずれの場合においても用語「からなっている(consisting)」、「からなる(consist of)」、および「からなる(consists of)」とそれぞれ任意に置き換え可能であるよう意図される。
【0044】
用語「異種性タンパク質」は、タンパク質が発現する細胞種類に対して天然ではない該タンパク質を指す。同様に、用語「異種性ポリペプチド」は、ポリペプチドが発現する細胞種類に対して天然ではない該ポリペプチドを指す。
【0045】
用語「ジフテリア菌由来ではないポリペプチド」は、天然の(組換えではない)ジフテリア菌において見出されるポリペプチドに対して配列において異なるポリペプチドを指す。
【0046】
本発明のポリヌクレオチド
本発明の一態様は、ペリプラズムに発現する毒素をコードするポリヌクレオチドに関する。
【0047】
一般に、タンパク質におけるシグナル配列の存在は、ペリプラズムへの該タンパク質の輸送(原核生物宿主)またはタンパク質の分泌(真核生物宿主)を容易にする。原核生物宿主において、シグナル配列は、新生タンパク質を、内膜を横切って細胞周辺腔へと配向させた後、シグナル配列は切断される。シグナル配列は、グラム陰性細菌におけるポリペプチドの翻訳中に、それが関心対象のポリペプチドに結合すると、発現したタンパク質をペリプラズムへ配向させることができ、シグナル配列の不在下におけるよりも多くの該ポリペプチドが、グラム陰性細菌のペリプラズムにおいて見出される。一実施態様において、関心対象のポリペプチドの少なくとも50、60、70、80、90、または100%は、大腸菌などのグラム陰性細菌において発現する場合、ペリプラズムへと配向される。
【0048】
シグナル配列がペリプラズム発現を管理することができるかどうかを試験するアッセイは、リポータータンパク質を用いて実施されることができる。例えば、ペリプラズムシグナル配列は、緑色蛍光タンパク質についての遺伝子のスプライスされた上流であり得、このタンパク質は、本発明の宿主細胞において発現することができる。顕微鏡を用いて、細胞質及びペリプラズムにおける緑色蛍光タンパク質の比較レベルを判断することができる。
【0049】
輸送がかなりの量のポリペプチド鎖の合成の前に生じる場合、タンパク質またはペプチドは、同時翻訳的に輸送される。配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、または26は、発現したタンパク質を、同時翻訳輸送を通じてペリプラズムに配向することのできるペプチドをコードするのに対し、配列番号6および8は、発現したタンパク質を、翻訳後輸送を通じてペリプラズムに配向することのできるペプチドをコードする。
【0050】
一実施態様において、5’シグナル配列部分と3’毒素部分とを含んでなる(例えば、細菌細胞における毒素の発現のための)ポリヌクレオチドが提供され、この中で、
(a)5’シグナル配列部分は、異種性(毒素)タンパク質の細菌ペリプラズムへの輸送を配向することのできるアミノ酸配列を有する異種性(シグナル)ポリペプチドをコードし、かつ
(b)3’毒素部分は、配列番号32あるいは少なくとも15の(連続した)アミノ酸および/または少なくとも1つのBもしくはT細胞エピトープをコードする(免疫原性であり得る)その断片と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする。
【0051】
さらなる実施態様において、5’シグナル配列部分と3’毒素部分とを含んでなる(細菌細胞におけるポリペプチドの発現のための)ポリヌクレオチドが提供され、この中で、
(a)5’シグナル配列部分は、異種性タンパク質の細菌ペリプラズムへの輸送を配向することのできるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし、かつこの中で、5’シグナル配列部分は、ジフテリア菌由来ではなく、かつ
(b)3’毒素部分は、配列番号32あるいは少なくとも15のアミノ酸および/または少なくとも1つのBもしくはT細胞エピトープをコードするその断片と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする。
【0052】
一実施態様において、5’シグナル配列は、ジフテリア菌由来の毒素シグナル配列ではない。
【0053】
BおよびT細胞エピトープを同定することは当業者の能力内である。B細胞エピトープは、例えば、PSIPREDプログラム(David Jones, Brunel Bioinformatics Group, Dept. Biological Sciences, Brunel University, Uxbridge UB8 3PH, UK製)を用いて、2次元構造推定によって同定され得る(図4)。抗原指数は、Jameson and Wolf (CABIOS 4:181-186 [1988])によって説明された方法を基に算出される。このプログラムにおいて用いられるパラメータは、抗原指数および抗原性ペプチドについての最小長である。最小5の連続したアミノ酸についての0.9の抗原指数を、該プログラムにおける閾値として用いた。T細胞エピトープは、例えば、Sturniolo at al. (Nature Biotech. 17: 555-561 [1999])によって説明されるtエピトープ(tepitope)法によって同定され得る。
【0054】
明確性のために、句「異種性タンパク質の細菌ペリプラズムへの輸送を配向することのできるアミノ酸配列を有する」は、「細菌質への異種性タンパク質の輸送を配向することのできるアミノ酸配列を有する」と同じであることを意味する。
【0055】
さらなる実施態様において、このポリヌクレオチドは、異種性タンパク質の細菌ペリプラズムへの同時翻訳輸送を配向することのできるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし得る。
【0056】
任意に、3’毒素部分は配列番号32をコードする。任意に、3’毒素部分はDTをコードする。任意に、3’毒素部分は、配列番号31を含んでなる。
【0057】
任意に、5’シグナル配列部分は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の任意の1つ、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の任意の1つ、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、4、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、10、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、12、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、14、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、10、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、12、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、20、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、12、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、14、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、14、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、20、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、20、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号16、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号16、20、もしくは24の任意の1つ、または配列番号16、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号18、20、もしくは24の任意の1つ、または配列番号18、22、もしくは24の任意の1つをコードする。
【0058】
さらなる実施態様において、5’シグナル配列部分は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の任意の1つ、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の任意の1つ、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24、もしくは配列番号24の任意の1つ、または配列番号2、4、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、10、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、12、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、14、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、10もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、12、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、18もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、20もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、12、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、14、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、22もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、14、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、20、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、20もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号16、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号16、20もしくは24の任意の1つ、または配列番号16、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号18、20もしくは24の任意の1つ、または配列番号18、22、もしくは24の任意の1つの1、2、または3の点突然変異、挿入、の任意の1つ、または欠失(を含むバリアント)をコードする。
【0059】
さらなる実施態様において、5’シグナル配列部分は、タンパク質の細菌ペリプラズムへの輸送を配向することのできる配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の任意の1つ、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、の任意の1つ、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24、もしくは配列番号24の任意の1つ、または配列番号2、4、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、10、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、12、もしくは24の任意の1つ、または配列番号2、14、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、10もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、12、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、18もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、20もしくは24の任意の1つ、または配列番号4、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、12、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、14、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号10、22もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、14、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、20、もしくは24の任意の1つ、または配列番号12、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、16、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、20もしくは24の任意の1つ、または配列番号14、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号16、18、もしくは24の任意の1つ、または配列番号16、20もしくは24の任意の1つ、または配列番号16、22、もしくは24の任意の1つ、または配列番号18、20もしくは24の任意の1つ、または配列番号18、22、もしくは24の任意の1つの少なくとも10、12、15、18、または20のアミノ酸からなる断片をコードする。
【0060】
本発明のさらなる態様において、5’シグナル配列と3’毒素部分とを含んでなるポリヌクレオチドが提供され、この中で、5’シグナル部分配列は、以下のアミノ酸配列
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、または配列番号2、4、1012、14、16、18、20、22、24、もしくは26、または配列番号NO2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24、もしくは配列番号24、または配列番号2、4、もしくは24、または配列番号2、10、もしくは24、または配列番号2、12、もしくは24、または配列番号2、14、もしくは24、または配列番号4、10もしくは24、または配列番号4、12、もしくは24、または配列番号4、16、もしくは24、または配列番号4、18もしくは24、または配列番号4、20もしくは24、または配列番号4、22、もしくは24、または配列番号10、12、もしくは24、または配列番号10、14、もしくは24、または配列番号10、16、もしくは24、または配列番号10、18、もしくは24、または配列番号10、22もしくは24、または配列番号12、14、もしくは24、または配列番号12、16、もしくは24、または配列番号12、18、もしくは24、または配列番号12、20、もしくは24、または配列番号12、22、もしくは24、または配列番号14、16、もしくは24、または配列番号14、18、もしくは24、または配列番号14、20もしくは24、または配列番号14、22、もしくは24、または配列番号16、18、もしくは24、または配列番号16、20もしくは24、または配列番号16、22、もしくは24、または配列番号18、20もしくは24、または配列番号18、22、もしくは24の任意の1つ、
(b)発現したタンパク質をペリプラズムに配向することのできる1、2、または3の点突然変異、アミノ酸挿入、またはアミノ酸欠失によって相応の配列から変動する配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、または配列番号NO2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24、または配列番号24、もしくは配列番号2、4、もしくは24、または配列番号2、10、もしくは24、または配列番号2、12、もしくは24、または配列番号2、14、もしくは24、または配列番号4、10もしくは24、または配列番号4、12、もしくは24、または配列番号4、16、もしくは24、または配列番号4、18もしくは24、または配列番号4、20もしくは24、または配列番号4、22、もしくは24、または配列番号10、12、もしくは24、または配列番号10、14、もしくは24、または配列番号10、16、もしくは24、または配列番号10、18、もしくは24、または配列番号10、22もしくは24、または配列番号12、14、もしくは24、または配列番号12、16、もしくは24、または配列番号12、18、もしくは24、または配列番号12、20、もしくは24、または配列番号12、22、もしくは24、または配列番号14、16、もしくは24、または配列番号14、18、もしくは24、または配列番号14、20もしくは24、または配列番号14、22、もしくは24、または配列番号16、18、もしくは24、または配列番号16、20もしくは24、または配列番号16、22、もしくは24、または配列番号18、20もしくは24、配列番号18、22、もしくは24の任意の1つ(のバリアント)、あるいは
(c)発現したタンパク質をペリプラズムに配向することのできる配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24、または配列番号24、もしくは配列番号2、4、もしくは24、または配列番号2、10、もしくは24、または配列番号2、12、もしくは24、または配列番号2、14、もしくは24、または配列番号4、10、もしくは24、または配列番号4、12、もしくは24、または配列番号4、16、もしくは24、または配列番号4、18もしくは24、または配列番号4、20、もしくは24、または配列番号4、22、もしくは24、または配列番号10、12、もしくは24、または配列番号10、14、もしくは24、または配列番号10、16、もしくは24、または配列番号10、18、もしくは24、または配列番号10、22もしくは24、または配列番号12、14、もしくは24、または配列番号12、16、もしくは24、または配列番号12、18、もしくは24、または配列番号12、20、もしくは24、または配列番号12、22、もしくは24、または配列番号14、16、もしくは24、または配列番号14、18、もしくは24、または配列番号14、20、もしくは24、または配列番号14、22、もしくは24、または配列番号16、18、もしくは24、または配列番号16、20もしくは24、または配列番号16、22、もしくは24、または配列番号18、20、もしくは24、または配列番号18、22、もしくは24の任意の1つの少なくとも10のアミノ酸からなる断片
を有するシグナルペプチドをコードし、3’毒素部分は、細菌毒素またはその断片もしくはバリアントをコードする。
【0061】
5’シグナル配列部分と3’毒素部分とを含んでなるポリヌクレオチドがさらに提供され、この中で、5’シグナル部分配列は、
(d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、
(e)発現したタンパク質をペリプラズムに配向することのできる、1、2、もしくは3の点突然変異、アミノ酸挿入、もしくはアミノ酸欠失によって、相応の配列から変動する配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のバリアント、または
(f)発現したタンパク質をペリプラズムに配向することのできる配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の少なくとも10のアミノ酸からなる断片
のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードし、かつ3’毒素部分は、細菌毒素またはその断片もしくはバリアントをコードする。
【0062】
一実施態様において、本発明のポリヌクレオチドの5’シグナル配列部分は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、または26のうちの少なくとも1つをコードする。さらなる実施態様において、本発明のポリヌクレオチドの5’シグナル配列部分は、配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、または26のうちの少なくとも1つをコードする。一実施態様において、本発明のポリヌクレオチドの5’シグナル配列部分は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の少なくとも1つ、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、または配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24、または配列番号24、もしくは配列番号2、4、もしくは24、または配列番号2、10、もしくは24、または配列番号2、12、もしくは24、または配列番号2、14、もしくは24、または配列番号4、10、もしくは24、または配列番号4、12、もしくは24、または配列番号4、16、もしくは24、または配列番号4、18、もしくは24、または配列番号4、20、もしくは24、または配列番号4、22、もしくは24、または配列番号10、12、もしくは24、または配列番号10、14、もしくは24、または配列番号10、16、もしくは24、または配列番号10、18、もしくは24、または配列番号10、22、もしくは24、または配列番号12、14、もしくは24、または配列番号12、16、もしくは24、または配列番号12、18、もしくは24、または配列番号12、20、もしくは24、または配列番号12、22、もしくは24、または配列番号14、16、もしくは24、または配列番号14、18、もしくは24、または配列番号14、20、もしくは24、または配列番号14、22、もしくは24、または配列番号16、18、もしくは24、または配列番号16、20、もしくは24、または配列番号16、22、もしくは24、または配列番号18、20、もしくは24、または配列番号18、22、もしくは24の任意の1つをコードする。配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、または26によってコードされるヌクレオチド配列は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、または25の相応のポリヌクレオチド配列と同一であり得る。あるいは、該ヌクレオチド配列は、遺伝暗号の冗長性(縮重)の結果として、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、または26のポリペプチドもコードする任意の配列であり得る。あるいは、該ポリヌクレオチドは、配列番号33〜45をコードする部分を含んでなり得る。
【0063】
本発明のポリヌクレオチドは、タンパク質をペリプラズムに配向することのできる配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、または26のバリアントをコードする5’シグナル配列部分も含んでなり得る。
【0064】
本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、または26の断片を含んでなる5’シグナル配列部分も提供する。本発明の断片は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、または26由来の少なくとも10、15、または20のアミノ酸からなる連続した部分からなる。一実施態様において、該断片は、ペリプラズムに輸送される毒素をコードしたポリペプチドの少なくとも50、60、70、90、90、または100%をもたらす。さらなる実施態様において、該断片は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、または26由来の相応のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドと同じかまたは実質的に同じペリプラズム輸送特性を有する。さらなる実施態様において、該断片は、ポリペプチドのペリプラズムへの同時翻訳輸送を配向することができる。
【0065】
3’毒素部分は、任意の細菌毒素をコードする。一実施態様において、コードされた細菌毒素は、ジフテリア、破傷風、百日咳、またはニューモリシン毒素である。
【0066】
一実施態様において、3’毒素部分は、細菌トキソイド、例えばジフテリアトキソイドまたはCRM197をコードする。任意に、3’毒素部分は、配列番号32に示されるアミノ酸配列をコードする。さらなる実施態様において、3’毒素部分は、配列番号31のヌクレオチド配列を含んでなる。一実施態様において、該ポリペプチドは、配列番号33〜45をコードする。
【0067】
あるいは、3’部分は、先に説明された毒素またはトキソイドの80%、85%、90%、95%、98%、または99%の配列相同性を有する少なくとも10、15、25、35、50、100、150、のアミノ酸またはバリアントの任意の断片をコードし得る。
【0068】
任意に、5’シグナル配列部分は、3’毒素部分の直ちに5’である。あるいは、該配列部分は、少なくとも3、6、9、12、21、51、99、300、または1000のさらなるヌクレオチドによって分離される。例えば、これらのヌクレオチドは、少なくとも10、20、30、50、100、200、または500のアミノ酸からなる1つ以上のさらなるペプチド配列をコードし得る。
【0069】
本発明の各およびあらゆるポリヌクレオチドに加えて、該ポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドが提供される。これらの相補的なポリヌクレオチドが相補的である各ポリヌクレオチドに対して、該相補的なポリヌクレオチドが完全に相補的であることが好ましい。
【0070】
また、本発明は、前駆体または融合タンパク質などのより大きなタンパク質をコードする配列内の任意のポリヌクレオチドの発現を熟慮する。分泌配列もしくはリーダー配列、プロ配列、複数のヒスチジン残基など精製を助ける配列、または組換え製造の間の安定性のための追加的な配列を含む、任意のアミノ酸配列を含むことはしばしば有利である。さらに、最終的な分子の免疫原性能力を増大させる外来性ポリペプチドまたは脂質尾部またはポリヌクレオチド配列の付加も考慮される。
【0071】
一実施態様において、5’シグナル配列部分は、ジフテリア菌の毒素シグナル配列ではない。
【0072】
本発明のポリペプチド
本発明は、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドも提供する。加えて、これらのポリペプチドの断片およびバリアントが提供される。
【0073】
本発明は、本発明のポリヌクレオチドをコードするポリペプチドを包含する。
【0074】
これらのポリペプチドの断片も本発明によって包含される。該断片は、5’シグナル配列部分および3’毒素部分の両方に由来するセグメントを含む。さらなる実施態様において、これらの断片は、少なくとも10、15、または20のアミノ酸のシグナルペプチドを含んでなる。一実施態様において、これらの断片は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、または配列番号33〜45に由来する少なくとも10、15、または20のアミノ酸を含んでなる。
【0075】
一実施態様において、これらの断片は、大腸菌などのグラム陰性細菌において発現する場合、ペリプラズムに配向される少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または100%である。
【0076】
本発明は、本発明のポリペプチドまたはポリペプチド断片を含む融合タンパク質も包含する。
【0077】
本発明のポリペプチドまたは免疫原性断片は、前駆体または融合タンパク質などのより大きなタンパク質の一部であり得る。複数のヒスチジン残基など精製を助ける配列、または組換え製造の間の安定性のための追加的な配列を含む、追加的なアミノ酸配列を含むことはしばしば有利である。さらに、最終的な分子の免疫原性能力を増大させる外来性ポリペプチドまたは脂質尾部またはポリヌクレオチド配列の付加も考慮される。
【0078】
ベクターおよび宿主細胞
本発明は、本発明の1つのポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド(複数)を含んでなるベクター、本発明のベクターを用いて遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプチドの製造にも関する。本発明のDNAコンストラクトに由来するRNAを用いてこのようなタンパク質を製造するために、無細胞翻訳系を採用することもできる。
【0079】
本発明の組換えポリペプチドは、発現系を含んでなる遺伝子操作された宿主細胞から、当業者に周知のプロセスによって調製され得る。したがって、さらなる態様において、本発明は、本発明の1つのポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド(複数)を含んでなる発現系、このような発現系を用いて遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプチドの製造に関する。本発明のさらなる態様において、本発明は、プロモーターが誘導される場合にポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが発現するよう、誘導性プロモーターに連結された本発明のポリヌクレオチドに関する。本発明のさらなる態様は、該ベクターを含んでなり、この中で、誘導性プロモーターは、十分量のIPTGの添加によって活性化される。任意に、該添加は、0.1〜10mM、0.1〜5mM、0.1〜2.5mM、0.2〜10mM、0.2〜5mM、0.2〜2.5mM、0.4〜10mM、1〜10mM、1〜5mM、2.5〜10mM、2.5〜5mM、5〜10mMの間の濃度である。
【0080】
本発明のポリペプチドの組換え製造のために、宿主細胞は、遺伝子操作されて、本発明の発現系もしくはその部分またはポリヌクレオチドを組み込むことができる。宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン仲介性トランスフェクション、トランスベクション(tranvection)、微量注入法、陽イオン脂質仲介性トランスフェクション、電気穿孔法、抱合、形質導入、掻爬物負荷、衝撃導入(ballistic introduction)、および感染など、Davis, et al., BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, (1986)およびSambrook, et al., MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)などの多くの標準的な実験室マニュアルにおいて説明された方法によって果たされることができる。
【0081】
適切な宿主の代表例には、大腸菌アシネトバクターアクチノバチルスボルデテラブルセラカンピロバクター藍細菌エンテロバクターエルウィニアフランシセラ(Franciscella)ヘリコバクターヘモフィルスクレブシエラレジオネラモラクセラナイセリアパスツレラプロテウスシュードモナスサルモネラセラチアシゲラトレポネーマビブリオエルシニアの細胞などのグラム陰性細菌細胞が挙げられる。
【0082】
非常に種々の発現系を用いて、本発明のポリペプチドを製造することができる。一実施態様において、ベクターは、細菌プラスミドに由来する。一般的に、宿主においてポリヌクレオチドを維持、伝播、もしくは発現するのに、および/またはポリペプチドを発現するのに好適な任意の系またはベクターは、この点において発現に用いられ得る。適切なDNA配列は、例えば、Sambrook et al., MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL(上述)に示されるものなど、種々の周知のかつ所定の任意の技術によって発現系へと挿入され得る。
【0083】
発酵
本発明のさらなる態様において、a)本発明の細菌宿主細胞の培養物を増殖させる工程と、b)細菌トキソイドがペリプラズムに発現するよう、ポリペプチドの発現を誘導する工程と、を含んでなる、細菌毒素を作製するためのプロセスが提供される。
【0084】
本発明のさらなる実施態様において、
A.グラム陰性宿主細胞の培養物を増殖させること、および
B.タンパク質がペリプラズムに発現するよう、ポリペプチドの発現を誘導すること
による組換えポリペプチドのペリプラズム発現のためのプロセスが提供され、この中で、以下の工程の1つ以上が発現時に作用する:
i.工程a)のpHは、工程b)のpHよりも低く、
ii.工程a)の温度は、工程b)の温度よりも高く、または
iii.工程a)の基質供給速度は、工程b)の基質供給速度よりも高い。
【0085】
一実施態様において、工程工程i、工程ii、工程iii、工程iかつ工程ii、工程iかつ工程iii、工程iiかつ工程iii、または工程i、工程ii、かつ工程iiiが作用する。さらなる実施態様において、本発明のポリヌクレオチドが発現する。
【0086】
ポリペプチド発現は、増大した速度でポリペプチドの発現を生じるIPTGなどの誘導剤が宿主細胞の培養物に添加される場合に誘導される。
【0087】
一実施態様において、工程a)のpHは、工程b)のpHと同じであり、第二の実施態様において、工程a)のpHは、工程b)のpHよりも低く、すなわち、工程b)のpHは、工程a)のpHよりも高くされる。
【0088】
当業者は、工程a)と工程b)の間の変化をどのように果たすかを認識するであろう。工程a)と工程b)の間の条件(例えば、pH、温度、または基質供給速度)の変化は、工程a)または工程b)の間の一般的な平均的条件が報告されているとおりであり、例えば、他の介入がなかった場合、誘導の直前(例えば、5秒間、15秒間、30秒間、1分間、15分間、30分間、または1時間)に(工程a)、または誘導の直後(例えば、5秒間、15秒間、30秒間、1分間、15分間、30分間、または1時間)に(工程b)評価され得ることを意味する。明確に、本発明者らは、発酵条件を変化させる介入が同じ技術結果を達成するための誘導のわずかに前にまたはわずかに後に生じ得るが、このようなシナリオにおいて再度、工程a)または工程b)の間の一般的なまたは平均的な条件が、本明細書に開示されているとおり変化したことも把握する。
【0089】
さらなる実施態様において、工程a)のpHは、5.0〜7.0、5.0〜6.0、6.0〜7.0、または6.5〜7.0の範囲である。
【0090】
一実施態様において、工程b)のpHは維持される。一実施態様において、pHは、pH6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0よりも大きく、または6.5および10.0、6.5および9.5、6.5および9.0、6.5および8.5、6.5および7.5、6.5および7.0、7.0および10.0、7.0および9.5、7.0および9.0、7.0および8.5、7.0および8.0、7.0および7.5、7.5および10.0、7.5および9.5、7.5および9.0、7.5および8.5、7.5および8.0、8.0および10.0、8.0および9.5、8.0および9.0、8.0および8.5、8.5および10.0、8.5および9.5、8.0および9.0、8.0および8.5、8.5および10.0、8.5および9.5、8.5および9.0、9.0および10.0、9.0および9.5、もしくは9.5および10.0の間で維持される。さらなる実施態様において、pHは、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、およびヒスチジン緩衝液からなる群由来の緩衝液を用いて維持される。任意に、緩衝液は、10〜200mM、50〜100mM、100〜200mM、10〜50mM、または50〜150mMの濃度である。任意に、緩衝液は、80〜120mM、80〜100mM、または100mMのリン酸緩衝液である。
【0091】
一実施態様において、工程b)のpHは、工程a)のpHよりも少なくとも、実際に、またはおよそ2.0、1.5、1.0、0.5、0.3、0.2、または0.1pH単位ほど高い。
【0092】
一実施態様において、本発明のプロセスは、発酵槽において実施される。一実施態様において、pHは、工程b)のpHが工程a)のpHよりも高いように増大する。任意に、このpHの増大は、塩基、例えば、水酸化ナトリウムまたはアンモニアの添加によって達成される。
【0093】
さらなる実施態様において、工程(b)のpHは、工程b)の間に塩基、例えば、水酸化ナトリウムまたはアンモニアの添加によって、6.5および10.0、6.5および9.5、6.5および9.0、6.5および8.5、6.5および7.5、6.5および7.0、7.0および10.0、7.0および9.5、7.0および9.0、7.0および8.5、7.0および8.0、7.0および7.5、7.5および10.0、7.5および9.5、7.5および9.0、7.5および8.5、7.5および8.0、8.0および10.0、8.0および9.5、8.0および9.0、8.0および8.5、8.5および10.0、8.5および9.5、8.0および9.0、8.0および8.5、8.5および10.0、8.5および9.5、8.5および9.0、9.0および10.0、9.0および9.5、または9.5および10.0の間に維持される。
【0094】
一実施態様において、本発明のプロセスは、工程a)の第一の基質供給速度と、工程b)の第二の基質供給速度とを含んでなり、この中で、第二の基質供給速度は、第一の基質供給速度よりも低い。さらなる実施態様において、第二の基質供給速度は、工程a)の間に維持される基質供給速度の5%および90%、20%および80%、または20%および30%の間に維持される。
【0095】
基質供給速度(または基質提供速度)は、流加回分相および誘導相の間の基質添加速度であり(mL・分−10)、すなわち、発酵の任意の初期の非流加回分相期間を含まない。
【0096】
一実施態様において、細菌毒素は、ニューモリシン毒素、ジフテリア毒素、破傷風毒素、もしくは百日咳毒素、またはこれらの点突然変異したバリアントである。一実施態様において、毒素は、ジフテリアトキソイドである。さらなる実施態様において、毒素はCRM197であり、任意にこれは配列番号32によってコードされる。さらなる実施態様において、細菌毒素は、ニューモリシン、ジフテリア毒素、破傷風毒素、または百日咳毒素の断片または点突然変異したバリアントである。
【0097】
このプロセスの細菌宿主細胞は、ベクターおよび宿主細胞に関する節において定義された。一実施態様において、細菌宿主細胞は、大腸菌アシネトバクターアクチノバチルスボルデテラブルセラカンピロバクター藍細菌エンテロバクターエルウィニアフランシセラ(Franciscella)ヘリコバクターヘモフィルスクレブシエラレジオネラモラクセラナイセリアパスツレラプロテウスシュードモナスサルモネラセラチアシゲラトレポネーマビブリオ、およびエルシニアからなる群から選択される。
【0098】
一実施態様において、細菌宿主細胞は、大腸菌の株である。さらなる実施態様において、細菌宿主細胞は、大腸菌のK株またはB株である。さらなる実施態様において、細菌宿主細胞は、大腸菌のK12またはB834株である。
【0099】
一実施態様において、工程a)の温度は、工程b)の温度よりも高い。一実施態様において、本発明のプロセスの工程a)は、20〜40℃の温度で実施される。任意に、本発明のプロセスの工程b)は、20〜28℃、21〜27℃、22〜26℃、23〜24℃、21〜24℃、または22〜23℃の温度で実施される。
【0100】
さらなる実施態様において、発現は、工程b)において、十分量のIPTG(イソプロピル−ベータ−D−チオガラクトピラノシド)の添加によって誘導される。任意に、これは、0.1および10mM、0.1および5mM、0.1および2.5mM、0.2および10mM、0.2および5mM、0.2および2.5mM、0.4および10mM、1および10mM、1および5mM、2.5および10mM、2.5および5mM、5および10mMの間の濃度である。
【0101】
一実施態様において、細菌の光学密度OD650は、誘導時に0〜2.5の間、または0.4〜1.5の間である。用語「誘導時に」は、IPTGなどの誘導剤が添加されるプロセスにおける時点を指し、このことは、工程b)のまさに開始時に生じる。
【0102】
発酵槽は、細菌培養物の産業製造に好適な任意の装置である。しかしながら、この用語は、より小さな規模での細菌の増殖に典型的に用いられる培養フラスコを含まない。任意に、発酵槽は、20〜500、50〜500、100〜500、250〜500、400〜500、20〜400、50〜400、100〜400、250〜400、20〜250、100〜200、100〜250、250〜300、300〜500、10〜2000、500〜2000、1000〜2000、1500〜2000、もしくは1000〜1500、もしくは約150リットルの培養物を含む。
【0103】
任意に、発酵槽における培養物は撹拌される。撹拌は任意に、発酵槽中の培養物を撹拌することによるが、任意の他の好適な手段によって、例えば、撹拌、振動混合機、および/または気体発泡によってであってもよい。
【0104】
一実施態様において、発酵槽中の溶存酸素レベル(DO)は、5%、10%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、または30%よりも大きい(維持される)。さらなる実施態様において、発酵槽中のDOは、5%〜50%、10%〜40%、15%〜25%、または17%〜22%である。100%DOは、(培養物の不在下の)培地が、28℃および0.5バールの圧力で培地を通じて圧縮気体を発泡させた後に酸素で飽和している場合に存在する酸素の量である。
【0105】
発酵工程は、多量の気泡製造に供され得る。気泡形成を制御するために、消泡剤は任意に、発酵槽に添加される。任意に、気泡プローブまたは機械的気泡破壊装置が発酵槽の中で用いられ、これは、消泡剤と同様に用いられ得る。
【0106】
一実施態様において、細菌毒素を作製するためのプロセスは、成熟細菌毒素を得るための、細菌宿主細胞内の細菌毒素からのシグナルペプチドの除去を包含する。任意に、この除去は、宿主細胞機械によって実施される。一実施態様において、切断は、大腸菌シグナルペプチダーゼによって実施される。任意に、除去されたシグナル配列は、シグナルペプチドペプチダーゼによってさらに切断される。
【0107】
一実施態様において、本発明のプロセスは、培養物から細胞ペーストを収穫するさらなる工程c)を含んでなる。
【0108】
一実施態様において、遠心分離は、細胞を収穫するために用いられる。任意に、このことは、5,000〜8,000g、5,500〜7,500g、6,000〜7,000gにおいて生じる。任意に、このことは、4℃〜10℃、5℃〜9℃、6℃〜8℃、または7℃〜8℃の間で生じる。
【0109】
さらなる実施態様において、本発明のプロセスは、例えば成熟細菌毒素として細菌毒素を精製するさらなる工程を含んでなる。一実施態様において、この工程は、細胞破裂ならびにクロマトグラフィーおよび濾過技術を用いたさらなる精製を包含する。
【0110】
一実施態様において、細胞は、浸透圧ショック、機械的、または酵素的方法を用いては破裂させる。任意に、機械的方法は、機械的ホモジナイザー、ボルテックス処理、超音波処理を用いること、フレンチ押圧またはビーズ摩砕を用いることを含んでなる。任意に、酵素法は、リゾチーム、ザイモラーゼ(zymolase)、またはリソスタフィン消化を用いることを含んでなる。
【0111】
一実施態様において、クロマトグラフィー技術は、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、またはイオン交換クロマトグラフィーである。任意に、アフィニティークロマトグラフィーは、親和性タグ精製カラム、抗体精製カラム、レクチン親和性カラム、プロスタグランジン精製カラム、またはストレプトアビジンカラムを用いる。任意に、HPLCは、イオン交換カラム、逆相カラム、または分子ふるいカラムを用いる。任意に、イオン交換カラムは、陰イオン交換カラムまたは陽イオン交換カラムである。
【0112】
抱合
本発明は、i)本発明のプロセスを用いて細菌毒素を作製する工程と、b)工程ii)の細菌毒素を抗原に抱合させる工程とを含んでなる、抱合体を作製するためのプロセスも提供する。
【0113】
一実施態様において、抗原は、細菌糖質である。例えば、細菌糖質は、ストレプトコッカス・ニューモニアエインフルエンザ菌ナイセリア・メニンジティディス、B群のストレプトコッカス、A群のストレプトコッカス、サルモネラVi、エンテロコッカス、およびS.アウレウスからなる群から選択される細菌由来の莢膜糖質である。本明細書で定義される場合、「糖質」は、オリゴ糖または多糖のいずれかであり得る。
【0114】
本発明の免疫原性組成物に存在する糖質抱合体は、任意の公知のカップリング技術によって調製され得る。抱合法は、シアナートエステルを形成するために、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボラート(CDAP)による糖質の活性化に依存し得る。したがって、活性化された糖質は、直接的にまたはスペーサー(リンカー)基を介して、担体タンパク質上のアミノ基へと共役し得る。例えば、スペーサーは、(例えば、GMBSを用いた)マレイミド活性化型担体タンパク質または(例えば、ヨードアセトイミド[例えば、エチルヨードアセトイミドHCl]またはN−スクシンイミジルブロモアセタートまたはSIAB、またはSIA、またはSBAPを用いた)ハロアセチル化型担体タンパク質との反応後に得られたチオエーテル連結を介して担体に共役し得るチオール化型多糖を与えるためのシスタミンまたはシステアミンであり得る。好ましくは、シアナートエステル(任意にCDAP化学物質によって生成)は、ヘキサンジアミンまたはADHと共役し、アミノ誘導体化糖質は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学物質を用いて担体タンパク質に抱合する。このような抱合体は、PCTにより公表された出願WO 93/15760 Uniformed Services UniversityならびにWO 95/08348およびWO 96/29094において説明される。
【0115】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性化型エステル、ノルボラン、p−ニトロ安息香酸、N−ヒドロキシスクシンイミド、S−NHS、EDC、TSTUを用いる。多くは、WO 98/42721において説明される。抱合は、糖質の遊離ヒドロキシル基のCDIとの反応(Bethell et al J. Biol. Chem. 1979, 254; 2572-4、Hearn et al J. Chromatogr. 1981. 218; 509-18)に続くタンパク質との反応によって形成され、カルバマート連結を形成し得る、カルボニルリンカーを包含し得る。このことは、第一級ヒドロキシル基へのアノマー末端の還元、CDIカルバマート中間体を形成するための第一級ヒドロキシル基のCDIとの第一級ヒドロキシル基の第一級ヒドロキシル基反応の任意の保護/脱保護、およびCDIカルバマート中間体のタンパク質上のアミノ基とのカップリングを包含し得る。
【0116】
抱合体は、US 4365170(Jennings)およびUS 4673574(Anderson)に説明されるような直接的還元的アミノ化法によっても調製されることができる。他の方法は、EP-0-161-188、EP-208375、およびEP-0-477508に説明される。
【0117】
さらなる方法は、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)により誘導体化された、臭化シアノゲン(またはCDAP)により活性化された糖質の、タンパク質担体との、カルボジイミド縮合による(Chu C. et al Infect. Immunity, 1983 245 256)、例えばEDACを用いたカップリングを包含する。
【0118】
一実施態様において、糖質上のヒドロキシル基(好ましくは、活性化型カルボキシル基、例えば糖質上のシアナートエステルを[例えば、CDAPを用いて]生成するために活性化されたヒドロキシル基)は、タンパク質上のアミノ基またはカルボン酸基に直接的にまたは(リンカーを通じて)間接的にのいずれかで連結される。リンカーが存在する場合、糖質上のヒドロキシル基は好ましくは、リンカー上のアミノ基に、例えば、CDAP抱合を用いることによって連結される。リンカーにおけるさらなるアミノ基(例えばADH)は、タンパク質上のカルボン酸基に、例えば、カルボジイミド化学物質を用いることによって、例えばEDACを用いることによって抱合し得る。一実施態様において、肺炎球菌莢膜糖質(複数可)は、リンカーが担体タンパク質に抱合する前に、まずリンカーに抱合する。あるいは、リンカーは、糖質への抱合の前に担体に抱合し得る。
【0119】
一般に、タンパク質担体上の以下の種類の化学基をカップリング/抱合に用いることができる:
A)カルボキシル(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸を介する)。一実施態様において、この基は、糖質上のアミノ基に直接的に、またはリンカー上のアミノ基にカルボジイミド化学物質を用いて、例えばEDACを用いて連結される。
【0120】
B)アミノ基(例えば、リシンを介する)。一実施態様において、この基は、糖質上のカルボキシル基に直接的に、またはリンカー上のカルボキシル基にカルボジイミド化学物質を用いて、例えばEDACを用いて連結される。別の実施態様において、この基は、糖質上のCDAPもしくはCNBrを用いて活性化されたヒドロキシル基に直接的に、またはリンカー上のこのような基に、アルデヒド基を有する糖質もしくはリンカーに、スクシンイミドエステル基を有する糖質もしくはリンカーに連結される。
【0121】
C)スルフヒドリル(例えば、システインを介する)。一実施態様において、この基は、ブロモもしくはクロロによりアセチル化された糖質に、またはマレイミド化学物質を有するリンカーに連結される。一実施態様において、この基は、ビスジアゾベンジジンを用いて活性化/修飾される。
【0122】
D)ヒドロキシル基(例えば、チロシンを介する)。一実施態様において、この基はビスジアゾベンジジンを用いて活性化/修飾される。
【0123】
E)イミダゾリル基(例えば、ヒスチジンを介する)。一実施態様において、この基は、ビスジアゾベンジジンを用いて活性化/修飾される。
【0124】
F)グアニジル基(例えば、アルギニンを介する)。
【0125】
G)インドリル基(例えば、トリプトファンを介する)。
【0126】
糖質において、一般に以下の基をカップリングに用いることができる:OH、COOH、またはNH2。アルデヒド基は、ペリオダート、酸加水分解、過酸化水素など、当該技術分野で公知の異なる処理後に生じることができる。
【0127】
直接的なカップリングアプローチ:
糖質−OH + CNBrまたはCDAP −−−−−> シアナートエステル + NH2−保護基 −−−−> 抱合体
糖質−アルデヒド + NH2−保護基 −−−−> シッフ塩基 + NaCNBH3 −−−−> 抱合体
糖質−COOH + NH2−保護基 + EDAC −−−−> 抱合体
糖質−NH2 + COOH−保護基 + EDAC −−−−> 抱合体
スペーサー(リンカー)を介した間接的なカップリングアプローチ
糖質−OH + CNBrまたはCDAP −−−> シアナートエステル + NH2−−−−NH2 −−−−> 糖質−−−−NH2 + COOH−保護基 + EDAC −−−−−> 抱合体
糖質−OH + CNBrまたはCDAP −−−−> シアナートエステル + NH2−−−−−SH −−−−−> 糖質−−−−SH + SH−保護基(露出したシステインを有するかまたは例えばSPDPによるタンパク質のアミノ基の修飾後に得られる天然タンパク質) −−−−−> 糖質−S−S−保護基
糖質−OH + CNBrまたはCDAP −−−> シアナートエステル + NH2−−−−SH −−−−−−−> 糖質−−−−SH + マレイミド−保護基(アミノ基の修飾) −−−−> 抱合体
糖質−OH + CNBrまたはCDAP −−−> シアナートエステル + NH2−−−−−SH −−−> 糖質−SH + ハロアセチル化した保護基 −−−−> 抱合体
糖質−COOH + EDAC + NH2−−−−−NH2 −−−> 糖質−−−−−−NH2 + EDAC + COOH−保護基 −−−−> 抱合体
糖質−COOH + EDAC+ NH2−−−−SH −−−−−> 糖質−−−−SH + SH−保護基(露出したシステインを有するかまたは例えばSPDPによるタンパク質のアミノ基の修飾後に得られる天然タンパク質) −−−−−> 糖質−S−S−保護基
糖質−COOH + EDAC+ NH2−−−−SH −−−−−> 糖質−−−−SH + マレイミド−保護基(アミノ基の修飾) −−−−> 抱合体
糖質−COOH + EDAC + NH2−−−−SH −−−> 糖質−SH + ハロアセチル化保護基 −−−−> 抱合体
糖質−アルデヒド + NH2−−−−−NH2 −−−−> 糖質−−−NH2 + EDAC + COOH−保護基 −−−−> 抱合体
注記:先のEDACの替わりに、任意の好適なカルボジイミドを用いてもよい。
【0128】
要約して、糖質とのカップリングのために一般的に用いられ得るタンパク質担体化学基の種類は、アミノ基(例えば、リシン残基上)、COOH基(例えば、アスパラギン酸残基およびグルタミン酸残基上)、およびSH基(アクセス可能な場合)(例えば、システイン残基上)である。
【0129】
本発明のワクチンまたは免疫原性組成物
本発明はさらに、
A.本発明のプロセスを用いて細菌毒素または抱合体を作製する工程と、
B.該細菌毒素またはその抱合体を医薬として許容し得る賦形剤と混合する工程と、
を含んでなる、ワクチンまたは免疫原性組成物を映像するためのプロセスを提供する。
【0130】
このプロセスによって製造されるワクチンまたは免疫原性組成物は、さらなる細菌種由来の抗原を追加的に含んでなってもよい。一実施態様において、ワクチンまたは免疫原性組成物は、ストレプトコッカス・ニューモニアエインフルエンザ菌ナイセリア・メニンジティディス大腸菌ヒト下気道感染症原因菌(M. cattarhalis)、破傷風、ジフテリア、百日咳、スタフィロコッカス・エピデルミディス、エンテロコッカス、およびS.アウレウスから選択される抗原を含んでなってもよい。
【0131】
さらなる工程において、本発明のポリペプチドは、アジュバントと混合されてもよい。細菌毒素または本発明のプロセスを用いて作製される抱合体と混合されるのに好適なアジュバントの選択は、当業者の知識内である。好適なアジュバントには、水酸化アルミニウムゲルもしくはリン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩またはミョウバンが挙げられるが、カルシウム、マグネシウム、鉄、もしくは亜鉛の塩など、他の金属塩であり得、あるいはアシル化チロシンまたはアシル化糖、陽イオン的にもしくは陰イオン的に誘導体化された糖質、またはポリホスファゼンの不溶性懸濁液であり得る。
【0132】
易感染性の哺乳類を保護または治療するために、該ワクチンを全身性経路または粘膜経路を介して投与することによって、本発明の免疫原性組成物を含むワクチン調製物を用いてもよい。これらの投与には、筋肉内、腹腔内、皮内、もしくは皮下経路を介した注射、または口腔/食事性、呼吸器系、泌尿生殖器への粘膜投与を介するものが含まれ得る。肺炎または中耳炎の治療のためのワクチンの鼻内投与は好ましい(肺炎球菌の鼻咽頭輸送がより効果的に予防され、したがってその最初期において感染を減弱させることができるので)。本発明のワクチンは、単回用量として投与され得るが、その成分は、同時にまたは異なる時点で互いに同時投与されてもよい(例えば、肺炎球菌糖質抱合体は、ワクチンの任意の細菌タンパク質成分の投与と別個に、同時に、または1〜2週間後に、互いに関する免疫応答の最適な協調のために、投与され得る)。単一の投与経路に加えて、2つの異なる投与経路を用いてもよい。例えば、糖質または糖質抱合体は、筋肉内(または皮内)投与されてもよく、細菌タンパク質は、鼻内(IN)(または皮内)投与されてもよい。加えて、本発明のワクチンは、初回抗原刺激量のために筋肉内に、および追加抗原量のために鼻内に(IN)投与されてもよい。
【0133】
ワクチンにおける毒素の含有量は典型的には、1〜100μg、好ましくは5〜50μgの範囲、最も典型的には5〜25μgの範囲である。初回ワクチン接種後に、対象は、適切に間隔を空けられた1回または数回の追加免疫を受容してもよい。
【0134】
ワクチン調製物は一般的に、Vaccine Design (“The subunit and adjuvant approach” (Powell M.F.およびNewman M.J.編) (1995) Plenum Press New York)に説明される。リポソーム内の封入は、Fullerton,米国特許第4,235,877号によって説明される。
【実施例】
【0135】
実施例1 CRM197−シグナル配列コンストラクトの設計
CRM197トキソイドに融合したN末端シグナル配列をコードする配列を含むプラスミドを、標準的な分子生物学技術を用いて作製した。13の異なるシグナル配列を用い(表2)、これらをGenEMBLデータベースから選択した。
【表2】

【0136】

第一のコンストラクトを3つのプラスミドから作製した(図1参照)。Geneartによって作製されたプラスミドAは、CRM197のN末端断片をコードする配列(配列番号32のアミノ酸1〜206)に対して3’にDsbAシグナル配列(配列番号25)を含んでいた。このプラスミドを、NdelおよびSacI制限酵素に続く連結を用いた両プラスミドの消化によって、pET26b骨格プラスミド(Novagen)へとクローン化した。Geneartによって作製されたプラスミドBは、CRM197のC末端断片(配列番号32のアミノ酸206〜533)を含んだ。これを、AatIIおよびXhoI制限酵素による制限を用いてpET26骨格へとクローン化し、結果として生じるプラスミドをpRIT16668と命名した。このコンストラクトは、DsbAからシグナラーゼ結合部位までのシグナル配列、続いて、シグナラーゼ結合配列の後ろに見出されるDsbA由来の2つのアミノ酸、制限酵素結合部位由来のさらなる2つのアミノ酸、および最後に最初の2つのアミノ酸を欠くCRM197を含む。このことは、これらのコンストラクトが発現する場合に、ペリプラズム発現後に産生されるタンパク質およびシグナラーゼによるシグナル配列の除去が、最初の2つのアミノ酸を欠くがDsbAおよび制限部位由来の余剰の4つのアミノ酸を有するCRM197を含むことを意味する。
【0137】
pRIT16668プラスミドは、DsbAシグナル配列に隣接するNdeIおよびAgeI制限部位を含む。
【0138】
12の他のシグナル配列を含むプラスミドを、NdeIおよびAgeIによるプラスミドpRIT16668を消化してDsbAシグナル配列を除去することによって作製した。その他の12のシグナル配列の各々をコードするハイブリッド形成されたオリゴヌクレオチドは、これら2つの部位間で一度に1つ連結された。
【0139】
結果として生じるプラスミドを、Novavlue化学的コンピテント細胞(Novagenカタログ番号70181-3、製造元によって推奨されるように使用)へと形質転換した。精確なインサートの存在を、配列決定によって各プラスミドについて確認した。次に、プラスミドを個々に、化学的コンピテント細胞(Novagenカタログ番号69041-3HMS174 (DE3))、化学的コンピテント細胞、またはそれに代わるものとしてBLR(DE3)化学的コンピテント細胞(Novagenカタログ番号69053-3、製造元によって推奨されるように使用)へと発現のために形質転換した。
【0140】
実施例2 (ペリプラズムシグナル配列を欠失する)細胞質発現のためのCRM197コンストラクトの設計
本実験において、実施例1において作製されたものと同様だが、ペリプラズムシグナル配列を欠失するプラスミドを作製した。この設計プロセスを図2に要約する。まず、CRM197配列(配列番号31)をMDSCRM1(配列番号27)およびMDSCRM2(配列番号28)と命名された2つのプライマーをテンプレートとして用いて、標準的なPCR技術によって増幅した(使用した温度周期は、(94℃2分―55℃2分―72℃2分30秒)×25回―72℃10分―終止4℃であった)。
【0141】
この断片を、CRM197シグナル配列インサートの替わりにプラスミドpRIT16668へと挿入した。このことを、制限酵素NdeIおよびXhoIを用いたPCR産物およびpRIT16668の消化を通じて、標準的な分子生物学技術を用いて達成した。結果として生じるプラスミドは、成熟CRM197配列(配列番号31)を含むが、シグナル配列を含まず、pRIT16669と命名された。
【0142】
結果として生じるプラスミドを、Novablue化学的コンピテント細胞(Novagenカタログ番号70181−3、製造元によって推奨されるように使用)へと形質転換した。正確なインサートの存在を配列決定によって各プラスミドについて確認した。次に、プラスミドをB834(DE3)化学的コンピテント細胞(Novagenカタログ番号69041−3、製造元によって推奨されるように使用)へと発現のために形質転換した。
【0143】
実施例3 最適なシグナル配列−CRM197コンストラクトの設計
シグナル配列FlgIを、改良されたコンストラクトを作製するための使用のために選択した。以下のクローン化プロセスを図3に要約する。
【0144】
CRM197配列のN末端部分に融合したFlgIシグナル配列を含むDNAの一領域を、標準的なPCR技術を用いて増幅した。FlgI c−CRMopt3e(配列番号29)およびMDSCRM906NC(配列番号30)と命名された2つのプライマーを用い、テンプレートとしてpRIT16609を用い、周期(94℃2分 (94℃1分―60℃1分―72℃2分30秒)×3 (94℃1分―58℃1分―72℃2分30秒)×3 (94℃1分―56℃1分―72℃2分30秒)×3 (94℃1分―54℃1分―72℃2分30秒)×20 72℃10分―終止4℃)を伴った。
【0145】
この断片を、PCR産物およびプラスミドpRIT16669の制限酵素NdeIおよびAatIIによる消化を通じて、標準的な分子生物学技術を用いて、プラスミドpRIT16669へと挿入した。結果として生じるプラスミドは、CRM197の完全な成熟N末端(配列番号31)およびシグナラーゼ結合部位において終止するFlgIシグナル配列(配列番号23)を含み、pRIT16681と命名した。
【0146】
結果として生じるプラスミドをNovablue化学的コンピテント細胞(Novagenカタログ番号70181−3、製造元によって推奨されるように使用)へと形質転換した。正確なインサートの存在を配列決定によって各プラスミドについて確認した。プラスミドを次に、B834(DE3)化学的コンピテント細胞(Novagenカタログ番号69041−3)細胞へと発現のために形質転換した。
【0147】
実施例4 DsbAシグナル配列−CRM197コンストラクトの発現
本実験において、実施例1において作製したDsbAシグナル配列コンストラクトで形質転換した細胞を培養し、発現を誘導した。B834(DE3)、HMS174(DE3)、およびBLR(DE3)組換え株の前培養物(3mL)を、カナマイシン(50μg/mL)の存在下で1%グルコースを補充したLBT培地において37℃で一晩、攪拌の下で増殖した。翌日、培地の光学密度OD620が0.1に到達した後、この前培養物の試料を、50μg/mLのカナマイシンを有する20mLのLBT培地へと転化した。これらの細胞を撹拌の下で30℃で増殖しておいた。このプラスミドにおいて、CRM197発現は、lacオペレーターの制御下にあり、それゆえ、コードされたCRM197の発現は、イソプロピル−ベータ−Dチオガラクトピラノシド(IPTG)の添加の際に誘導されることができる。光学密度が0.6に到達すると、IPTG(1mMの終濃度になるまで添加)を用いた誘導を実施し、培養物をさらに30℃で3時間増殖させておいた。
【0148】
CRM197発現のレベルを、SDS−PAGEゲル(Novexトリス−グリシン10〜20%)上で全細菌細胞産物を泳動し、クーマシーブリリアントブルーを用いて染色することによって評価した。ウェスタンブロットを、NBT−BCIPによるマウス抗DTPaポリクローナル抗体染色を用いて実施した。
【0149】
図4は、本実験の結果を示す。クーマシーゲルは、誘導済み培養物と誘導されていない培養物の間の発現特性に差を示さない。ウェスタンブロットは、誘導済み培養物および誘導されていない培養物の両方におけるCRM197の欠失を示す。これらの条件下で発現するペリプラズムCRM197は全くないかまたはほとんどない。
【0150】
実施例5 pHおよび温度の最適化ならびにコンストラクトの発現分析
実施例4の工程を反復したが、この場合、100mMのKHPO/KHPO緩衝液を誘導前に培養物に添加し、それにより培地をpH7.5に緩衝した。発現を1mMのIPTGの添加によって誘導し、培養物を23℃または30℃のいずれかで一晩増殖させておいた。上清およびペレットにおいて発現したタンパク質のレベルを、実施例4において説明されるように、クーマシー染色およびウェスタンブロット技術を用いて評価した。
【0151】
翻訳後シグナル配列に関して、CRM197の発現レベルは、OmpAシグナル配列について非常に高かったが、該タンパク質は、約27kDaのタンパク質を形成するために切断される。この切りつめられた形態は、細胞と会合する(ペリプラズム放出画分においてまたは培地においてのいずれでも見出されていない)。NspAシグナル配列に関して、発現は陽性だが、低レベルの成熟CRM197が得られる。
【0152】
同時翻訳配列に関して、発現レベルは、FlgIおよびSipAシグナル配列によって高いが、産生されたCRM197は完全に成熟型ではない。NikAシグナル配列による発現は、成熟タンパク質の発現をもたらす。包括的な発現レベルは、FlgIおよびSipAシグナル配列によるよりも低いが、全抽出物においてクーマシー染色によってなおも検出可能である。
【0153】
実施例6 CRM197細胞質発現コンストラクトの発現分析
DE3細胞を実施例2において製造したプラスミドで形質転換し、培養し、CRM197の発現を実施例4において説明される通り誘導した。実施例4に説明される通り、CRM197発現レベルを、SDS−PAGEゲルにおおける全細菌細胞の産物を泳動し、クーマシーブルー染色およびウェスタンブロット技術を用いることによって評価した。細菌抽出を標準的なPBS緩衝液におけるワンショット技術(Constantの系)によって実施した。遠心分離後、得られた可溶性画分および不溶性画分をゲルに負荷した。
【0154】
本実験の結果を図6に表す。遺伝子は、タンパク質のかなりの部分が不溶性でありかつペレットに留まっているにもかかわらず、これらの株において十分に発現する。さらに、細胞質発現は、ゲルにおいて現れる見かけのより低分子量のタンパク質をもたらす。
【0155】
実施例7 最適化されたFlgIコンストラクトの発現分析
BLR(DE3)大腸菌細胞を実施例3において製造したコンストラクトで形質転換し、培養し、実施例5の最適化されたプロトコールにおいて説明された通り、発現を誘導した。加えて、いくつかの試料細胞を、100mMのKHPO/KHPO緩衝液の添加なしで増殖した。同様に、発現したタンパク質のレベルを、実施例4に説明される通り、クーマシー染色およびウェスタンブロット技術を用いて評価した。誘導時に、温度を23℃または30℃のいずれかで維持し、試料を誘導時、誘導2時間後、誘導4時間後、および一晩の誘導後に採取した。
【0156】
本実験の結果を図7に示す。ウェスタンブロットは、23℃における緩衝液によるCRM197の発現の容易に検出可能なレベルを示す。誘導相の間に緩衝されていない細胞におけるタンパク質発現のレベルは、より低いと観察された。
【0157】
実施例8―大腸菌B2355の前培養
前培養物を、大腸菌株B2355の凍結種培養を用いて調製した。この株は、大腸菌由来のFlgIのシグナルペプチドとCRM197の成熟部分の間の融合タンパク質をコードする配列を含むpET26b誘導体(これは、図3および実施例3において説明されたプラスミドpRIT16681である)を用いて形質転換されたB834(DE3)株である。シード培養能は、1mLあたりおよそ1×1010コロニー形成単位として決定された。
【0158】
種培養物を室温に融解し、400μLを用いて、400mLの前培養培地を含む2リットルのエルレンマイヤーフラスコに接種した(Zabriskie et al. (J. Ind. Microbiol. 2:87-95 (1987))から応用)。
【0159】
次に、接種したフラスコを37℃(±1℃)および200rpmでインキュベートした。650nmでの光学密度(OD650nm)が2.50に到達すると(約6時間のインキュベーション)、前培養を停止した。培養を停止するとすぐに、前培養物を用いて発酵槽中の培地に接種した(実施例9)。
【0160】
実施例9―20L規模の流加回分発酵
方法
20リットルの発酵槽(Biolafitte)を用いた。9リットルのバッチ相培地を発酵槽へと無菌的に転移させた(Zabriskie et al. (J. Ind. Microbiol. 2:87-95 (1987))から応用)。培地のpHを塩基の添加により、6.8に再調整した。次に、3mLの希釈していない照射済み消泡剤(SAG471)も発酵槽に添加した。温度(28℃)、頭部圧力(0.5バール)、曝気速度(1分間当たり20リットルの撒き散らした空気)、および初期撹拌速度(300rpm)を設定した後に接種した。これらの条件下の溶存酸素レベルは100%であった。頭部圧力および曝気速度を、発酵の間定常レベルで維持した。
【0161】
接種は、18mLの前培養物(実施例8に説明される通り調製)の添加によって達成された。
【0162】
バッチ相の間(0〜15時間)、温度を28℃に維持した。溶存酸素のレベルを20%に設定した。溶存酸素(DO)が20%未満に落ちた場合、撹拌を増大させることによって、DOのレベルを調節した。グルコース枯渇は結果的に、DOの増大および撹拌中の付随する低下を生じた。
【0163】
15時間の発酵後、追加的な基質を以下の供給添加特性に従って添加した:
【表3】


【0164】
流加回分相の間(15〜46時間)、pHを塩基の添加によって6.8に維持し、温度を28℃に調節し、DOレベルを撹拌速度の制御を通じて20%に維持した。
【0165】
46時間時に、IPTGを1mMの終濃度に添加し、細菌を誘導した。加えて、pHは、塩基の添加によって46時間後に漸増し、温度は23℃にまで低下した(これらの変化は、高レベルのペリプラズム発現に必要とされる)。pHおよび温度を全誘導相の間(46〜72時間)に維持した。DOレベルを、撹拌速度を制御することによって20%に維持した。
【0166】
誘導相の終了時に(72時間)、細胞ペーストを遠心分離(6,500×g、4℃1時間)によって回収し、−20℃で保存した。
【0167】
ペリプラズム抽出を、Chen et al. (Biochem. Eng. J. 19:211-215 (2004))から応用した手順を用いた浸透圧ショックによって実施した。ペリプラズム画分および細胞質画分におけるCRM197含有量をELISAによってアッセイした。
【0168】
図8は、20L規模の流加回分発酵の間にモニターされるプロセスのパラメータによる典型的な発酵特性を示す。
【0169】
発酵の終了時に、ペリプラズムCRM197の生産性をELISAによってアッセイした:
【表4】

【0170】

本技術は、未曾有の発現レベルおよび分泌効率を示した。
【0171】
実施例10―誘導相の間に用いられるべき最適な供給速度および温度の決定
本実験において、応答−表面方法論(J.ind. Microbiol. Biotechnol. 37:195-204 (2010))を用いて、組換えタンパク質のペリプラズム産生を最大化するために、3つのパラメータについての最適な値を決定した。研究した3つの発酵パラメータは、増殖相の間のpH、誘導中のpH、および誘導中の供給速度であった。これら3つのパラメータについての値を、Doehlertの均一なシェル設計(Doehlert (Applied Statistics 19:231-239 (1970)))に従って選択した。表5に示される値を用いて、15の発酵を実施した。
【0172】
株B2284を用いて発酵を実施し、該株は、大腸菌由来のFlgIのシグナルペプチドとCRM197の成熟部分の間の融合タンパク質をコードする配列を含むpET26b誘導体(これは、図3および実施例3において説明されたプラスミドpRIT16681である)で形質転換したBLR(DE3)細胞の株である。
【0173】
各発酵について、種培養物を室温に融解し、500μLを用いて、400mLの前培養培地を含む2リットルのエルレンマイヤーフラスコに接種した(Zabriskie et al. (J. Ind. Microbiol. 2:87-95 (1987))から応用)。
【0174】
次に、接種したフラスコを37℃(±1℃)および200rpmでインキュベートした。650nmにおける光学密度(OD650nm)が約2.5に到達すると(約6時間のインキュベーション)、前培養を停止した。培養が停止するとすぐに、前培養物を用いて発酵槽中の培地に接種した(Zabriskie et al. (J. Ind. Microbiol. 2:87-95 (1987)から応用)。
【0175】
20リットルの発酵槽(Biorafitte)を用いた。9リットルのバッチ相培地を発酵槽に無菌的に転移した。培地のpHを標的値(表5)に、塩基添加により再調整した。3mLの希釈していない照射済み消泡剤(SAG471)も発酵槽に添加した。次に、温度(28℃)、頭部圧力(0.5バール)、曝気速度(1分間当たり20リットルの撒き散らした空気)、および初期撹拌速度(300rpm)を設定した後に接種した。これらの条件下での溶存酸素(DO)のレベルは100%であった。頭部圧力および曝気速度を、発酵の間、定常レベルに維持した。
【0176】
接種は、15〜20mLの前培養物の添加によって達成された。
【0177】
バッチ相の間(0〜15時間)、温度を28℃に維持した。溶存酸素のレベルを20%に設定し、DOが20%未満に落ちると、撹拌を増大させることによって調節した。
【0178】
流加回分相の間(15〜46時間)、pHを、塩基の添加によって、表5に示された条件のうちの1つに従って維持した。温度を28℃に調節した。撹拌速度を定常セットポイント(最大800rpm)に維持し、DOが20%を上回って増大した場合、濃縮した供給溶液の自動添加によってDOレベルを20%に維持した(Zabriskie et al. (J. Ind. Microbiol. 2:87-95 (1987))から応用)。
【0179】
培養物が約90のOD650nmに到達すると、pHセットポイントを、塩基または酸の添加によって、表5に示される条件のうちの1つに従って修正し、温度を23まで低下した。一旦これらの条件に達すると、IPTGを1mMの終濃度に添加した。pHおよび温度を全誘導相の間(24時間)に維持した。定常基質供給速度を、表5に示される条件のうちの1つに従って、全誘導相の間に用いた。撹拌速度を制御することによって、DOレベルを20%に維持した。
【0180】
誘導相の終了時に、細胞ペーストを遠心分離(典型的には6,500×g、4℃1時間)によって回収し、−20℃で保存した。
【0181】
ペリプラズム抽出を、Chen et al. (Biochem. Eng. J. 19:211-215 (2004)から応用した手順を用いる浸透圧ショックによって実施した。
【表5】

【表6】

【0182】

15の発酵からの結果に基づいて、NEMROD−Wソフトウェア(LPRAI, Marseille, France)を用いて、ペリプラズム画分および細胞質画分におけるCRM197の産生をモデル化した。
【0183】
図10に示すように、ペリプラズムCRM197の産生は、誘導時の低い供給速度で最大である(図10のa)のに対し、細胞の内側のCRM197の蓄積は、より高い供給速度で最大である(図10のb)。、ペリプラズムのまたは細胞会合型のCRM197の産生に最適な供給速度の差は、ペリプラズムCRM197の産生を選択的に改良する条件を規定させる。誘導時のpHの上昇も、ペリプラズムCRM197の効率的な産生に必要とされる(図10のa)。
【0184】
下記の表7は、NEMROD−Wソフトウェアを用いて得られたように、増殖時の最適なpH、誘導時の最適なpH、および最適な供給速度を示す。
【表7】

【0185】

pHおよび供給速度の条件を最適化することは、CRM97のペリプラズムへの最適な分泌をもたらした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)5’シグナル配列部分は、異種性タンパク質の細菌ペリプラズムへの輸送を配向させることのできるアミノ酸配列を有する異種性ポリペプチドをコードし、かつ
(b)3’毒素部分は、配列番号32あるいは少なくとも15のアミノ酸および/または少なくとも1つのBもしくはT細胞エピトープをコードするその断片、と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、
該5’シグナル配列部分と該3’毒素部分とを含んでなる、ポリヌクレオチド。
【請求項2】
(a)5’シグナル配列部分は、異種性タンパク質の細菌ペリプラズムへの輸送を配向させることのできるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし、かつ、該5’シグナル配列部分はジフテリア菌由来ではなく、かつ
(b)3’毒素部分は、配列番号32あるいは少なくとも15のアミノ酸および/または少なくとも1つのBもしくはT細胞エピトープをコードするその断片、と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、
該5’シグナル配列部分と該3’毒素部分とを含んでなるポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記5’シグナル配列部分は、異種性タンパク質の上記細菌ペリプラズムへの同時翻訳輸送を配向することのできるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、請求項1または2に記載のポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記3’毒素部分は、配列番号32をコードする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記3’毒素部分は、配列番号31を含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記5’シグナル配列部分は、
a.配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のうちの任意の1つ、
b.1、2、もしくは3の点突然変異、挿入、もしくは欠失を含む配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のバリアント、または
c.配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の少なくとも10のアミノ酸の断片、
をコードする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記5’シグナル配列部分は、
a.配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のうちの任意の1つ、
b.1、2、もしくは3の点突然変異、挿入、もしくは欠失を含む、配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のバリアント、または
c.配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の少なくとも10のアミノ酸の断片、
をコードする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
前記5’シグナル配列部分は、
a.配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24のうちの任意の1つ、
b.1、2、もしくは3の点突然変異、挿入、もしくは欠失を含む、配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24のバリアント、または
c.配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24の少なくとも10のアミノ酸の断片、
をコードする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項9】
前記5’シグナル配列部分は、
a.配列番号24、
b.1、2、もしくは3の点突然変異、挿入、もしくは欠失を含む、配列番号24のバリアント、または
c.配列番号24の少なくとも10のアミノ酸の断片、
をコードする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項10】
5’シグナル部分配列は、
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、
(b)発現したタンパク質をペリプラズムに配向することのできる、1、2、もしくは3の点突然変異、アミノ酸挿入、もしくはアミノ酸欠失によって該相応する配列から変動する配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のバリアント、または
(c)発現したタンパク質を該ペリプラズムに配向することのできる配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の少なくとも10のアミノ酸の断片、
のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードし、かつ該3’毒素部分は、細菌毒素またはその断片もしくはバリアントをコードする、該5’シグナル配列部分と3’毒素部分とを含んでなるポリヌクレオチド。
【請求項11】
前記5’シグナル部分配列は、
(a)配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26、
(b)発現したタンパク質を前記ペリプラズムに配向することのできる、1、2、もしくは3の点突然変異、アミノ酸挿入、もしくはアミノ酸欠失によって前記相応する配列から変動する配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のバリアント、または
(c)発現したタンパク質の輸送を該ペリプラズムに配向することのできる配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26の少なくとも10のアミノ酸の断片、
のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードする、請求項10に記載のポリヌクレオチド。
【請求項12】
前記5’シグナル部分配列は、
(a)配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24、
(b)発現したタンパク質を前記ペリプラズムに配向することのできる、1、2、もしくは3の点突然変異、アミノ酸挿入、もしくはアミノ酸欠失によって前記相応する配列から変動する配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24のバリアント、または
(c)発現したタンパク質の輸送を該ペリプラズムに配向することのできる、配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24の少なくとも10のアミノ酸の断片、
のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードする、請求項10または11に記載のポリヌクレオチド。
【請求項13】
前記5’シグナル部分配列は、
(a)配列番号24、
(b)発現したタンパク質を前記ペリプラズムに配向することのできる、1、2、もしくは3の点突然変異、アミノ酸挿入、もしくはアミノ酸欠失によって前記相応する配列から変動する、配列番号24のバリアント、または
(c)発現したタンパク質の輸送を該ペリプラズムに配向することのできる、配列番号24の少なくとも10のアミノ酸の断片、
のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードする、請求項10〜12のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項14】
前記5’シグナル配列部分は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のうちの少なくとも1つをコードする、請求項10に記載のポリヌクレオチド。
【請求項15】
前記5’シグナル配列部分は、配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、24、もしくは26のうちの少なくとも1つをコードする、請求項10〜11のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項16】
前記5’シグナル配列部分は、配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24のうちの少なくとも1つをコードする、請求項10〜12のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項17】
前記5’シグナル配列部分は、配列番号24をコードする、請求項10〜13のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項18】
前記5’シグナル配列部分は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、もしくは25のうちの少なくとも1つを含んでなる、請求項10もしくは14に記載のポリヌクレオチド。
【請求項19】
前記5’シグナル配列部分は、配列番号1、3、9、11、13、15、17、19、21、23、もしくは25のうちの少なくとも1つを含んでなる、請求項11もしくは15に記載のポリヌクレオチド。
【請求項20】
前記5’シグナル配列部分は、配列番号1、3、0、11、13、15、17、19、21、もしくは23のうちの少なくとも1つを含んでなる、請求項12もしくは16に記載のポリヌクレオチド。
【請求項21】
前記5’シグナル配列部分は、配列番号23を含んでなる、請求項13または17に記載のポリヌクレオチド。
【請求項22】
前記細菌毒素は、ジフテリア毒素またはその断片もしくはバリアントである、請求項10〜21のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項23】
前記細菌毒素は、CRM197またはその断片もしくはバリアントである、請求項10〜22のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項24】
前記3’毒素部分は、配列番号32と少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする、請求項10〜23のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項25】
前記3’毒素部分は、配列番号32のアミノ酸配列もしくはその断片を有するポリペプチドをコードする、請求項10〜24のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項26】
前記3’毒素部分は、配列番号31を含んでなる、請求項10〜25のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項27】
配列番号33〜45を含んでなるポリペプチドをコードする、請求項1〜26のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項28】
前記細菌毒素は、破傷風毒素またはその断片もしくはバリアントである、請求項10〜21のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項29】
前記5’シグナル配列部分は、前記3’毒素部分の直ちに5’である、請求項1〜28のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項30】
誘導性プロモーターに連結された請求項1〜29のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含んでなるベクター。
【請求項31】
前記誘導性プロモーターは、十分な量のIPTGの添加によって活性化される、請求項30に記載のベクター。
【請求項32】
請求項30もしくは31に記載の発現ベクターをまたは請求項1〜29のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含んでなる宿主細胞。
【請求項33】
前記宿主細胞は、グラム陰性菌である、請求項32に記載の宿主細胞。
【請求項34】
前記宿主細胞は、大腸菌、アシネトバクター、アクチノバチルス、ボルデテラ、ブルセラ、カンピロバクター、藍細菌、エンテロバクター、エルウィニア、フランシセラ(Franciscella)、ヘリコバクター、ヘモフィルス、クレブシエラ、レジオネラ、モラクセラ、ナイセリア、パスツレラ、プロテウス、サルモネラ、セラチア、シゲラ、トレポネーマ、ビブリオ、およびエルシニアからなる群から選択される、請求項32または33に記載の宿主細胞。
【請求項35】
前記宿主細胞は、大腸菌細胞である、請求項32〜34のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項36】
請求項1〜29のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド。
【請求項37】
a)請求項32〜35のいずれか一項に記載の細菌宿主細胞の培養物を増殖する工程と、
b)細菌トキソイドがペリプラズムに発現するよう、前記ポリペプチドの発現を誘導する工程と
を含んでなる、細菌毒素を作製するための方法。
【請求項38】
A.グラム陰性宿主細胞の培養物を増殖すること、および
B.タンパク質がペリプラズムに発現するよう、ポリペプチドの発現を誘導すること
による、組換えポリペプチドのペリプラズム発現のための方法であって、この中で、以下の工程のうちの1つ以上は発現中に作用する:
i.工程a)のpHは、工程b)のpHよりも低く、
ii.工程a)の温度は、工程b)の温度よりも高く、または
iii.工程a)の基質供給速度は、工程b)の基質供給速度よりも高い。
【請求項39】
工程i、工程ii、工程iii、工程iかつ工程ii、工程かつ工程iii、工程iiかつ工程iii、または工程i、工程ii、かつ工程iiiは作用する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドが発現する、請求項38〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
工程a)のpHおよび工程b)のpHは同じである、請求項37〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
工程a)のpHは、工程b)のpHよりも低い、請求項37〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
工程a)において、pHは6.0〜7.0のまたは6.5〜7.0の範囲である、請求項37〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
工程b)において、pHは、6.5〜10.0、7.0〜8.0、6.5〜9.0、または7.0〜8.5の範囲である、請求項37〜43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
工程b)の間、pHは維持される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記pHは、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、およびヒスチジン緩衝液からなる群に由来する緩衝液を用いて維持される、請求項44または45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記緩衝液は、10〜200mM、50〜100mM、10〜50mM、100〜200mM、または50〜150mMの濃度である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記緩衝液は、80〜100mMのリン酸緩衝液である、請求項37〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記方法は、発酵槽において実施される、請求項37〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
工程b)のpHの上昇は、塩基、例えば水酸化ナトリウムまたはアンモニウムの添加によって達成される、請求項42〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記pHは、工程b)の間、水酸化ナトリウムまたはアンモニウムの添加によって、6.5〜10.0、7.0〜8.0、6.5〜9.0、または7.0〜8.5の間に維持される、請求項41〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
工程a)における第一の基質供給速度と、工程b)における第二の基質供給速度とを含んでなり、かつ、該第二の基質供給速度は、該第一の基質供給速度よりも低い、請求項37〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記第二の基質供給速度は、前記第一の基質供給速度の5%〜90%、20%〜80%、または20%〜30%の間に維持される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記細菌毒素は、ジフテリア毒素またはその点突然変異したバリアントである、請求項37〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記細菌毒素は、CRM197である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記細菌毒素は破傷風毒素である、請求項37〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
工程a)の温度は、工程b)の温度よりも高い、請求項37〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
工程a)は、20〜40℃の温度で実施される、請求項37〜57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
工程b)は、20〜28℃、21〜27℃、21〜24℃、または22〜23℃の温度で実施される、請求項37〜57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
発現は、十分な量のIPTGの添加によって、工程b)において誘導される、請求項37〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
IPTGは、0.1〜10mMの間の終濃度になるよう添加される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記宿主細胞は、誘導時に0〜2.5の間の、または0.4〜1.5の間の光学密度(OD650)を有する、請求項37〜61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記発酵槽は、10〜2000リットルの培養物を含む、請求項49〜62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記発酵槽は、100〜200Lの間のまたは約150Lの培養物を含む、請求項49〜63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
溶存酸素レベルは、5%超である、請求項49〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記溶存酸素は、15〜25%である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
シグナルペプチドは、前記細菌宿主細胞内の前記細菌毒素から除去されて、成熟した細菌毒素を得る、請求項37〜66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記細胞ペーストを前記培養物から収穫するさらなる工程c)を含んでなる、請求項37〜67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記細菌毒素を例えば、成熟した細菌毒素として精製するさらなる工程を含んでなる、請求項37〜68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
i)請求項37〜64のいずれか一項に記載の方法を用いて細菌毒素を作製する工程と、ii)工程a)の前記細菌毒素を抗原に抱合させる工程とを含んでなる、抱合体を作製するための方法。
【請求項71】
前記抗原は、細菌糖質である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記細菌糖質は、ストレプトコッカス・ニューモニアエ、インフルエンザ菌、ナイセリア・メニンジティディス、またはS.アウレウスに由来する莢膜糖質である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
A.請求項37〜72に記載の方法を用いて細菌毒素または抱合体を作製する工程と、
B.該細菌毒素またはその抱合体を医薬として許容し得る賦形剤と混合する工程と、
を含んでなる、ワクチンを製造するための方法。
【請求項74】
前記細菌毒素は、工程b)においてさらなる抗原と混合される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記細菌毒素は、工程b)においてアジュバントと混合される、請求項73〜74のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9−1】
image rotate

【図9−2】
image rotate

【図9−3】
image rotate

【図9−4】
image rotate

【図9−5】
image rotate

【図9−6】
image rotate

【図9−7】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2013−507113(P2013−507113A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532600(P2012−532600)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065047
【国際公開番号】WO2011/042516
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(305060279)グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム (169)
【Fターム(参考)】