説明

発癌性細胞の転移を阻害するモリンダ・シトリフォリアに基づく製剤

本発明は植物ヤエヤマアオキ、特に、モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia )果汁から加工処理された成分であって、発癌性細胞の転移を阻害および防止するための、ならびに転移した細胞を破壊するための成分を特徴とする。少なくとも本発明の一部の実施は、加工処理したモリンダ・シトリフォリアを含有する食品または医薬製品または組成物を消費することからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発癌性細胞の転移の阻害に関する。特に、本発明は医薬品、ならびに健康と快適な暮らしのための食品、とりわけ、癌原発部位からの発癌性細胞の転移を阻害、遮断、および/または予防するために設計した医薬品または健康と快適な暮らしのための食品に関する。
【背景技術】
【0002】
転移とは癌細胞が癌原発部位から身体の別の領域に拡散または移動することである。より詳しくは、転移は悪性癌細胞がその最初の部位から離れた臓器に移動または拡散することである。このことは特定の白血球細胞以外、殆どの正常細胞がなし得ないことであり、癌の最も死につながる特性である。この領域に焦点を絞った膨大な研究にもかかわらず、転移癌の疾患をもつ患者が利用し得る薬物または治療処置は非常にわずかであり、この死に至る病いを征服するための新しい因子を探索することが、研究者および医師双方にとっての数十年来の緊急課題であった。癌患者の50%以上が転移により死亡している。
【0003】
転移に際して、腫瘍細胞は、組織が正常に互いに分離している繊維性境界部に侵入する。腫瘍はまた血管またはリンパ管の壁に浸透し、癌細胞を循環系に放出する。血中において、これらの腫瘍細胞は下流に搬送され、次の毛細血管床に居を構える。例えば、大腸癌から放出された腫瘍細胞は、循環系により肝臓に搬送され、そこで二次的腫瘍を立ち上げる。身体の他の領域からの腫瘍細胞は心臓を経由して血液により肺に搬送され、そこで腫瘍細胞は転移性肺腫瘍を発生させる。リンパ系に放出された腫瘍細胞は、しばしば最も近いリンパ節で腫瘍細胞を確立し、そこで成長した後に身体のさらに離れた部分に拡散する。原発性腫瘍から放出され生き残る細胞は10,000個の内、1個に満たないと考えられるが、これらは身体の他の場所で二次的腫瘍を引き起こすのに十分である。
【0004】
固形腫瘍をもつ新規患者の約30パーセントが検出可能な転移をもつ。残り患者の約半数はこの腫瘍のみを処置することで治癒するであろう。残りは検出不能の転移を有し、これは結局腫瘍に発展する。腫瘍の分類は、悪性度が原発性腫瘍の範囲を超えて広がったかどうかの判断基準を含む。これは患者の予後を判定する上での主要因子である。
【0005】
早期検出の目的は転移が起こる前に原発腫瘍を除去することである。残念なことに、一部の腫瘍は明らかにそれが発見されるために十分な大きさとなるまでに転移する。かかる微小転移の拡散は、その原発性腫瘍を早期に発見した後でさえ何故多くの女性が乳癌のため死に至るか、その理由を説明する。
【0006】
従って、癌の転移とはその当初の部位から悪性癌細胞が離れた臓器に移動または拡散することである。癌患者の50%以上が転移のために死に至る。この領域に焦点を絞った膨大な量の研究にもかかわらず、転移癌の疾患をもつ患者が利用し得る薬物または治療処置は非常にわずかであり、この死に至る病いを征服するための新しい因子を探索することが、研究者および医師双方にとっての数十年来の緊急課題であった。従って、転移を効果的に阻害することは技術上の改善となる。
【発明の開示】
【0007】
発明の要約
本発明は発癌性細胞の転移を阻害することに関する。特に、本発明は医薬品、ならびに健康と快適な暮らしに関わる食品、とりわけ、癌原発部位からの発癌性細胞の転移を阻害、遮断、および/または予防するために設計した医薬品または健康と快適な暮らしのための食品に関する。
【0008】
本発明の実施は、発癌性細胞の転移を処置するため、とりわけ、転移の阻害、遮断、および/または予防に使用するために、1種以上の形状の加工処理したモリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)を含有してなる製剤との関連で行う。少なくとも本発明の一部の実施態様は、転移処置用の天然医薬製剤を含み、この製剤は約0.01ないし100重量パーセントの量で存在する1種以上の加工処理したモリンダ・シトリフォリア製品を含有してなる。一部の実施態様において、モリンダ・シトリフォリア産物はモリンダ・シトリフォリアの果汁または果汁濃縮物を含有してなる。他の実施態様において、モリンダ・シトリフォリア製品はピューレ果汁またはピューレ濃縮物を含有してなる。また、これらを他の天然成分と組合わせるか、および/または混合することも企図される。
【0009】
本発明はさらに発癌性細胞の転移を阻害および予防する方法、ならびに初期段階の転移した発癌性細胞を破壊する方法を特徴とする。この方法は、加工処理したモリンダ・シトリフォリア製品をアルコール系溶液に添加し;溶液からモリンダ・シトリフォリアの有効成分を単離および抽出し;および抽出した有効成分を発癌性細胞に罹患している領域に導入し、それによって抽出有効成分が発癌性細胞のさらなる増殖を阻害および防止し、ならびに早期段階の転移発癌性細胞を破壊する、の各工程を含む。
【0010】
少なくとも一部の実施態様は、モリンダ・シトリフォリア果汁からのエタノール不溶性沈殿物の腫瘍転移阻害に関する。モリンダ・シトリフォリアL.(Morinda citrifolia L.“モリンダ・シトリフォリア−PPT”)からのエタノール不溶性沈殿物(多糖類)を用いて、メラノーマB16−FO細胞の同系間腫瘍転移モデルにおいて抗転移活性を与える。マウスでの研究の結果、モリンダ・シトリフォリア−PPTがマウス1匹あたり0.8mgで22%の阻害効果(p<0.005)を示した。
【0011】
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)分析は、モリンダ・シトリフォリア−PPTが、879、2045、14,461、および84,076ダルトンそれぞれに4種の異なる分子量の分子を含むことを示した。イオン交換クロマトグラフィーを用い、モリンダ・シトリフォリア−PPTを0.1N−NaClにより溶出することによりMW84,076のフラクションを誘導した。モリンダ・シトリフォリア−PPTおよびMW84,076のフラクションは、それぞれ10mg/mlおよび1mg/mlで、フィブロネクチン被覆ウエルへのNRK2細胞の接着に対し、36%および37%の阻害を示した。
【0012】
フィブロネクチン接着の阻害はモリンダ・シトリフォリア−PPTの抗転移作用のメカニズムの一つでありうるが、フィブロネクチン仲介接着実験における比較的弱い接着作用は、そこに関与する2つ以上のメカニズムが存在し得ることを示唆している。炭水化物含量分析は、UV分光計で定量して、モリンダ・シトリフォリア−PPTが70%のガラクツロン酸を含有することを示した。この知見はモリンダ・シトリフォリア−PPTが、肺内皮細胞表面分子にLu−ECAM−1−aガラクトシド結合タンパク質が結合することにより、肺組織に対するメラノーマB16−FOの接着を抑制することを示唆している。また、このことは、モリンダ・シトリフォリア−PPTが、多くの悪性細胞表面発現ガレクチン−ガラクトシド結合タンパク質に対し、細胞−細胞および細胞−基質結合の遮断を介して、抗転移作用を示すことをも示唆する。
【0013】
少なくとも一部の研究では、モリンダ・シトリフォリア−PPTは内皮細胞管の形成阻害作用を示さなかった。従って、モリンダ・シトリフォリア−PPTの抗転移作用は、腫瘍細胞塞栓の形成および腫瘍細胞−細胞相互作用を阻害する抗接着因子として作用している。
【0014】
本発明の諸々の特徴および利点は、以下の記載および添付の請求項に説明されており、またそこからより明らかなものとなろう。この特徴および利点は添付の請求項に特に指摘した装置類と組合わせることにより実現かつ取得可能である。さらに、本発明の特徴および利点は本発明の実施により知り得るものであり、また本明細書に説明するように、その記載から明らかとなろう。
【0015】
発明の詳細な説明
本発明は発癌性細胞の転移の阻害に関する。特に、本発明は医薬品、ならびに健康と快適な暮しのための食品、とりわけ、癌原発部位からの発癌性細胞の転移を阻害、遮断、および/または予防するために設計した医薬品または健康と快適な暮しのための食品に関する。
【0016】
本発明の以下の開示は2つの副標題、すなわち、“モリンダ・シトリフォリアの一般説明”および“転移の阻害”に分ける。副標題の利用は読者の便宜のためのみのものであり、いかなる意味でも制限と解釈されるべきではない。
【0017】
“モリンダ・シトリフォリアの一般説明”
本発明の態様は、発癌性細胞の転移の処置のため、特に、転移の阻害、遮断、および/または予防に使用するための1種以上の形状の加工処理したモリンダ・シトリフォリアを含有してなる製剤を含む。従って、モリンダ・シトリフォリアの一般説明には、以下のように、その起源、加工手法、および健康上の利益を含む。転移の治療に使用されるモリンダ・シトリフォリアに基づく製剤と組成物、および被験者にこれらを投与するために使用される方法につき、実験研究の例および得られる結果を含め、以下に提供する。
【0018】
ヤエヤマアオキまたはモリンダ・シトリフォリア植物(学名、モリンダ・シトリフォリアL.(Morinda citrifolia L.))(“モリンダ・シトリフォリア”)は、高さ10mまでの低木または小型の樹木である。葉は長楕円または卵形で対生に並ぶ。小型の白い花は肉質、球形の頭花様のクラスターに含まれている。果実は大きく、肉質で卵形である。成熟時、果実はクリームないし白色で食用とし得るが、不快な味と臭気を有する。この植物は東南アジア原産であり、早期にインドから東部ポリネシアの広い地域に広がった。これは野生種として何処にでも成長し、また農場や小さな個人の菜園で栽培されてもいる。モリンダ・シトリフォリアの花は小さく白色であり、3ないし5の浅裂を有し、管状、芳香性で、長さが約1.25cmである。花は複果実に発達し、卵形、長楕円形または球形の塊状体に融合した多くの小さな石果から構成され、ワックス状の白色または緑白色または黄色の半透明の表皮をもつ。果実はその表面に“芽”をもち、ジャガイモに似ている。果実は果汁に富み、苦味があり、にぶい黄色または黄色−白色であり、多数の赤褐色の硬い長方形−三角形の翼状の2細胞核を含み、それぞれの核は4個の種子を含む。
【0019】
果実は完熟すると腐ったチーズ様の明瞭な臭気を有する。この果実はいくつかの民族が食物として食しているが、モリンダ・シトリフォリア植物の最も一般的用法は赤色および黄色の色素源としてであった。最近、モリンダ・シトリフォリア植物の栄養的および健康的便益性に興味が持たれているので、以下にさらに考察する。
【0020】
モリンダ・シトリフォリア果実はすべての実用化目的にとって食用に適さないので、ヒトの消費に適した味とするために加工処理しなければならず、カンジダ症の処置に使用する食品に含有されている。加工処理したモリンダ・シトリフォリア果汁は、完熟したモリンダ・シトリフォリア果実の果汁と果肉から種子と皮を分離し;果汁から果肉を濾去し;果汁をパッケージに入れることにより調製し得る。別法として、果汁をパッケージに入れずに、むしろそのままを1成分として他の食品に含有させ、凍結または滅菌する。一部の態様において、果汁と果肉は他の成分と混合するために、均一な混合物にピューレとすることができる。他のプロセスは果実と果汁を凍結乾燥することである。果汁は最終的な果汁製品の生産に際し、再構築し得る。さらに他のプロセスでは果肉と果汁を空気乾燥した後にどろどろにする。
【0021】
本発明では、モリンダ・シトリフォリア植物から抽出される果汁と油を利用する。モリンダ・シトリフォリア果汁を製造するための現在好ましいプロセスでは、果実を手で摘み取るか、または機械装置により摘み取る。果実は直径が少なくとも1インチ(2〜3cm)から12インチ(24〜36cm)となったときに収穫し得る。果実は、好ましくは、その色が暗緑色から黄緑色ないし白色にまで及び、その間で徐々に変化する。果実は収穫後および何らかの加工を始める前に、完全に洗浄する。
【0022】
果実は0〜14日、成熟または熟成させるが、殆どの果実は2〜3日保存される。果実は地面に接触しないように装置上に置いて、成熟または熟成させる。このましくは熟成の間、布地または網状物で覆うが、覆いがなくても熟成させ得る。さらなる加工の準備が整ったとき、果実は淡緑色、淡黄色、白色または半透明などわずかに着色する。果実は損傷物について、または過度に緑色および堅く硬化したものについて検査する。損傷硬化した緑色果実は合格品から選別する。
【0023】
成熟および熟成した果実は、好ましくは、さらなる加工および移送のために、樹脂の内張りをした容器に入れる。熟成果実の容器は0〜30日間保存する。殆どの果実容器は加工前に7〜14日間保存する。選択肢として、容器はさらなる加工の前に、冷凍条件下に貯蔵する。果実を貯蔵容器から取り出し、手動または機械式セパレーターを経て加工処理する。種子と皮は果汁と果肉から分離する。
【0024】
果汁と果肉は貯蔵および移送用容器に詰めることができる。あるいは、果汁と果肉はそのまま果汁製品に加工処理することができる。容器は冷蔵、冷凍、または室温の条件で保存し得る。モリンダ・シトリフォリアの果汁とピューレは、好ましくは、均一な混合物として混合し、その後、他の成分、例えば、着香料、甘味剤、栄養成分、植物性薬品、および着色料などと混合し得る。果汁製品は、好ましくは、最低181F(83℃)の温度またはより高い212F(100℃)までの温度で加熱および滅菌する。
【0025】
製品は加工温度に耐えられるプラスチック、ガラス、または他の適当な材料の最終容器に詰め、封印する。容器は充填温度で維持するか、または急速に冷却し、次いで搬送容器に入れる。搬送用容器は、好ましくは、最終容器中の製品の温度を維持または制御する材料と様式で包装する。
【0026】
果汁と果肉はさらに濾過装置により果肉を果汁から分離することにより加工処理し得る。濾過装置は、限定されるものではないが、好ましくは、遠心分離デカンター、1ミクロンから2000ミクロンまでのサイズの、より好ましくは500ミクロン未満のサイズのスクリーンフィルター、フィルタープレス、逆浸透濾過、および他の標準的市販濾過装置からなる。操作濾過圧は、好ましくは、0.1psigないし約1000psigの範囲である。流速は、好ましくは、0.1g.p.m.ないし1000g.p.m.の範囲であり、より好ましくは5〜50g.p.m.である。含水果肉は少なくとも1回ないし10回まで洗浄濾過し、果肉から果汁を除く。含水果肉は一般にその繊維含量が10〜40重量パーセントである。含水果肉は、好ましくは、最低181F(83℃)の温度で滅菌し、次いでさらに加工処理するためのドラムに詰めるか、または高繊維製品とする。
【0027】
油の抽出と加工の方法は、1999年8月27日出願の同時継続出願番号09/384,785(本明細書の一部としてここに引用する)に記載されている。モリンダ・シトリフォリア油は一般に数種の異なる脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノレン酸などの脂肪酸およびその他の少量存在する脂肪酸のトリグリセリドとしての混合物である。加えて、油は好ましくは、油の劣化を阻止するための抗酸化剤を含む。常套の食品等級の抗酸化剤が好ましく使用される。
【0028】
モリンダ・シトリフォリア植物は天然の成分に富んでいる。発見されたそれらの成分は以下のとおりである:葉部から:アラニン、アントラキノン、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン酸、カルシウム、ベータ−カロテン、システイン、シスチン、グリシン、グルタミン酸、グリコシド、ヒスチジン、鉄、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、ナイアシン、フェニルアラニン、リン、プロリン、レジン、リボフラビン、セリン、ベータ−シトステロール、チアミン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、ウルソール酸、およびバリン;花部から:アカセチン−7−o−ベータ−d(+)−グルコピラノシド、7−ジメチルアピゲニン−4’−o−ベータ−d(+)−ガラクトピラノシド、および6,8−ジメトキシ−3−メチルアントラキノン−1−o−ベータ−ラムノシル−グルコピラノシド;果実から:酢酸、アスペルロシド、ブタン酸、安息香酸、ベンジルアルコール、1−ブタノール、カプリル酸、デカン酸、(E)−6−ドデセノ−ガンマ−ラクトン、(Z,Z,Z)−8,11,14−エイコサトリエン酸、エラジン酸、デカン酸エチル、へキサン酸エチル、オクタン酸エチル、パルミチン酸エチル、(Z)−6−(エチルチオメチル)ベンゼン、オイゲノール、グルコース、ヘプタン酸、2−ヘプタノン、ヘキサナール、へキサンアミド、ヘキサン二酸、ヘキサン酸(ヘキソイック酸)、1−ヘキサノール、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、ラウリン酸、リモネン、リノレン酸、2−メチルブタン酸、3−メチル−2−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、デカン酸メチル、エライジン酸メチル、ヘキサン酸メチル、3−メチルチオ−プロパン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、2−メチルプロパン酸、3−メチルチオプロパン酸、ミリスチン酸、ノナン酸、オクタン酸(オクトイック酸)、オレイン酸、パルミチン酸、カリウム、スコポレチン、ウンデカン酸、(Z,Z)−2,5−ウンデカジエン−1−オール、およびボミホール;根部から:アントラキノン、アスペルロシド(ルビクロン酸)、ダムナカンタール、グリコシド、モリンダジオール、モリンジン、モリンドン、粘液状物質、ノル−ダムナカンタール、ルビアジン、ルビアジン・モノメチルエーテル、レジン、ソランジジオール、ステロール、およびトリヒドロキシメチルアントラキノン−モノメチルエーテル;根部樹皮から:アリザリン、クロロルビン、グリコシド(ペントース、ヘキソース)、モリンダジオール、モリンダニグリン、モリンジン、モリンドン、樹脂状物、ルビアジン・モノメチルエーテル、およびソランジジオール;木部から:アントラガロール−2,3−ジメチルエーテル;組織培養物から:ダムナカンタール、ルシジン、ルシジン−3−プリメベロシド、およびモリンドン−6ベータ−プリメベロシド;植物から:アリザリン、アリザリン−アルファ−メチルエーテル、アントラキノン、アスペルロシド、ヘキサン酸、モリンダジオール、モリンドン、モリンドゲニン、オクタン酸、およびウルソール酸;などである。
【0029】
最近、多くの健康上の有益性がモリンダ・シトリフォリア含有製品の使用に由来することが発見された。モリンダ・シトリフォリアの一つの有益性は、ゼロニンを単離および産生するその能力に見出されたが、ゼロニンは身体内で生理的に活性な比較的小型のアルカロイドである。ゼロニンは植物、動物および微生物の実際上すべての健康な細胞に存在する。たとえ、モリンダ・シトリフォリアが有する遊離のゼロニンが無視し得る量であるとしても、評価し得る量のプロゼロニンと呼称されるゼロニンの前駆体を含んでいる。さらに、モリンダ・シトリフォリアはプロゼロニンからゼロニンを放出する不活性型の酵素プロキセロナーゼを含む。標題“モリンダ・シトリフォリアの薬理学的に活性な成分”とする報文(ハワイ大学、R.M. Heinicke)は、モリンダ・シトリフォリアがプロゼロニンとプロキセロナーゼの構築ブロックであるために、“ゼロニンの単離に使用する最良の原材料”であると述べている。これらの構築ブロックは体内のゼロニンの単離と産生の一助となる。
【0030】
本質的な栄養分ゼロニンの機能は4倍である。第一に、ゼロニンは小腸に見出される休眠酵素を活性化する役割を持つ。これらの酵素は、効率的な消化、静神経、および全体の物理的および情動的エネルギーに必須である。第二に、ゼロニンはタンパク質分子の形状と柔軟性を保護し、維持して、結果として細胞壁の通過が可能となり、健常組織の形成に使用され得る。これら栄養分の細胞内への侵入なくして、細胞はその役目を効率的に遂行し得ない。ゼロニンを産生するプロゼロニンがなければ、われわれの細胞、従って、身体は病気になる。第三に、ゼロニンは細胞の膜細孔を拡張する助けとなる。この拡張は巨大なペプチド鎖(アミノ酸またはタンパク質)の細胞への侵入を可能とする。もしこれらの鎖が使用されなければ、その鎖は廃棄物となる。第四に、プロゼロニンから作られるゼロニンは細孔を拡張して良好な栄養吸収を可能とする助けとなる。
【0031】
各組織はゼロニン吸収のための受容体部位をもつタンパク質を含む細胞を有する。これらタンパク質のあるものは、吸収されたゼロニンが活性となるために必要な酵素の不活性型である。従って、ゼロニンは身体のプロコラゲナーゼ系を特定のプロテアーゼに変換することにより、死んだ組織を皮膚から迅速に、かつ安全に除去する。他のタンパク質はゼロニンと反応した後、ホルモン用の潜在的な受容体となる。従って、人に幸せな感覚を与えるモリンダ・シトリフォリアの作用は、恐らくある種脳の受容体タンパク質を幸福ホルモンであるエンドルフィン吸収用活性部位に変換するゼロニンにより惹起されている。他のタンパク質は腸管、血管、その他の身体器官の膜を貫く細孔を形成する。これらのタンパク質上にゼロニンが吸収されると、細孔の形状が変化し、膜を通過する分子の通り道に影響を与える。
【0032】
多くの有益性の故に、モリンダ・シトリフォリアは、癌、関節炎、頭痛、消化不良、悪性腫瘍、骨折、高血圧、糖尿病、疼痛、感染症、喘息、歯痛、斑点、免疫系不全、等々をもつ個体の多くの事例効果を提供することが知られている。
【0033】
多くの健康上の有益性に加えて、モリンダ・シトリフォリアは皮膚に対しても有意な有益性を提供する。モリンダ・シトリフォリアは、太陽およびその他の変化する環境の状況と要素が原因となるフリーラジカルによる損傷と闘う助けとなる抗酸化剤に富む。健康を維持するために、皮膚はこれらの要素および状況に対抗し、同時に起こる損傷を修復しなければならない。皮膚はその表面の死んだ細胞をそぎ落とし、下層を補充するので、常時修復の状態にある。モリンダ・シトリフォリアはまたとりわけリノール酸に富む;リノール酸は皮膚の健康をはぐくむ特別の能力を有する必須の脂肪酸である。
【0034】
“転移阻害”
上記のように、本発明の態様は発癌性細胞の転移の阻害に関する。とりわけ、本発明の態様は医薬品、ならびに健康と快適な暮しのための食品、特に、癌原発部位からの発癌性細胞の転移を阻害、遮断、および/または予防するために設計した医薬品または健康と快適な暮しのための食品に関する。以下に、転移の治療に使用されるモリンダ・シトリフォリアに基づく製剤と組成物、および被験者にこれらを投与するために使用される方法につき、実験研究の例および得られる結果を含め、より詳細な説明を提供する。
【0035】
癌の転移とはその当初の部位から悪性癌細胞が離れた臓器に移動または拡散することである。癌患者の50%以上が転移のために死に至る。この領域に焦点を絞った膨大な量の研究にもかかわらず、転移癌の疾患をもつ患者が利用し得る薬物または治療処置は非常にわずかであり、この死に至る病いを征服するための新しい因子を探索することが、研究者および医師双方にとっての数十年来の緊急課題であった。
【0036】
本発明の少なくとも一部の態様は、モリンダ・シトリフォリア−PPTの転移作用を包含する。以下に考察するように、少なくとも一部態様における研究では、モリンダ・シトリフォリア−PPTが抗転移性であることを確認するために、C57BI/6JマウスメラノーマB16−FO細胞の同系間腫瘍転移モデルを使用する。本発明に関与している可能性のあるメカニズムを見出すために、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によりモリンダ・シトリフォリア−PPTについて、またUV分光計によりそのガラクツロン酸含量について検討を行った。2種類のインビトロ試験を実施し、モリンダ・シトリフォリアPPTの抗転移作用、フィブロネクチン接着の阻害および内皮細胞管形成の阻害などの可能な経路について検討した。実験データおよび他の研究に基づき、我々はモリンダ・シトリフォリア−PPTの抗転移作用について数種の可能と思われるメカニズムを示唆することができる。
【0037】
以下は抗転移作用を得るために使用される代表的な方法と材料に関する。当業者は以下のことが本発明の1種以上の態様の代表であることを認識するであろう。
【0038】
先ず、モリンダ・シトリフォリア−PPTを調製した。モリンダ・シトリフォリアの黄緑色果実を摘み取り、カバーで覆い、陽光下におおよそ1週間または収穫まで遮蔽テーブル上に置いた。収穫した果実は果実処理装置によりピューレに加工処理し、ここで、粗大残留物と種子を篩い分けた。得られたピューレを遠心分離し、澄明な果汁を得た。
【0039】
等容量のエタノール(純度99.9%、シグマ)を果汁に加え、内容物を混合した。混合物を遠心分離し、残渣を廃棄した。得られた液体にさらに等容量のエタノール(純度99.9%、シグマ)を加え、混合した。混合物を遠心分離し、沈殿残渣を空気乾燥した。乾燥残渣はモリンダ・シトリフォリア−PPTであった。
【0040】
インビボ転移試験を実施した;この研究では、免疫能を有する(6〜8週令)無菌(SPF)のC57BL/6オスマウスを使用し、6匹(陽性対照)、6匹(モリンダ・シトリフォリア−PPT試験群)、および9匹(ベヒクル対照)にグループ分けし、特定病原菌無菌(SPF)、23±1℃の条件下、動物アイソレーター(IVCラック)にて飼育した。生存B16−FOマウスメラノーマ細胞(ATCCCRL−6322、0.2mL中6×10)を実験マウスに尾部血管から静脈内接種した。マウスには飲料水中1%のモリンダ・シトリフォリア−PPTを、腫瘍細胞移植前1週間、およびその後3週間、適宜投与した。さらに、マウス1匹あたり0.8mgのモリンダ・シトリフォリア−PPTを、腫瘍細胞移植後21日間連続して腹腔内(IP)注射した。同時に、対照薬剤であるマイトマイシン1mg/kgを週あたり2回、腫瘍細胞移植後6回、IP投与した。
【0041】
ベヒクル対照群には、蒸留水10ml/kgを3週連続IP投与した。すべてのマウスについて、腫瘍細胞移植後、第1日、8日、15日、および22日目に体重を記録した。腫瘍移植後21日目に肺を摘出し、固定した。肺表面の転移結節を解剖顕微鏡で計数した。スチューデントt検定を用い、統計解析により、処置群とベヒクル対照群との統計的差を決定した。
【0042】
モリンダ・シトリフォリア−PPTのアニオン交換クロマトグラフィーを実施した;10gのモリンダ・シトリフォリア−PPTを蒸留水1Lに溶かし、0.4μM濾紙(フィッシャー・サイエンティフィック)で濾過した。調製したモリンダ・シトリフォリア−PPT溶液200μLをアニオン交換カラム(ハイ・ロード26/10QセファロースHP、アマシャム・ファルマシア・バイオテク)に、ペリスタポンプ(アマシャム・ファルマシア・バイオテク)を用いて、0.5ml/分で負荷した。モリンダ・シトリフォリア−PPT溶液を適用する前に、カラムにはカラム5本に相当する容量の1N−NaClおよび蒸留水を通過させた。カラム5本分の蒸留水と0.1N−NaClを連続的にカラムに通し、0.1N−NaClのフラクションを集めた。このフラクションをミリポア(Millipore)攪拌セル(フィッシャー・サイエンティフィック)中でPES−50限外濾過膜で、99.9%窒素ガス加圧下に濾過し、NaClを除去した。濾過物を蒸留水で3回洗浄し、凍結乾燥した。
【0043】
1つのアッセイではフィブロネクチン被覆ウエルに対するNRK2細胞(正常ラット腎臓細胞、ATCCCRL−6509)の接着を測定した。修飾MEM−HEPESバッファーpH7.4(ハイクロン(Hyclone))中、モリンダ・シトリフォリア−PPT、0.1N−NaClモリンダ・シトリフォリア−PPTフラクション、GRGDSPペプチド(シグマ)、および0.4%DMSO(シグマ、ベヒクル対照)を別個のウエルで30分間37℃でインキュベートした。反応はNRK2細胞(2×10/ml)の添加により開始し、30分間行った。次いで、各ウエルをダルベッコPBS(ハイクロン)で6回洗浄し、次いで、5μMカルセインAM(シグマ)を加え、さらに2時間インキュベーションした。カルセインAMと、フィブロネクチン被覆プレートに付着した細胞との相互作用から生じる蛍光強度の定量は、スペクトルフルオル・プラス・プレートリーダー(AGF)により、励起485nmおよび発光535で読み取った。
【0044】
1ミリグラムのモリンダ・シトリフォリア−PPTおよび0.1N−NaClモリンダ・シトリフォリア−PPTフラクションをGPC分析用DDI水に溶かした。分子量範囲5,200〜410,000のデキストラン(デキストラン標準キット、ウオーターズ)を用いて校正曲線を作成した。GPC条件:装置−ウオーターズ・アライアンス分離モジュール2690および2410屈折率検出計;カラム−ウルトラヒドロゲル500およびウルトラヒドロゲルリニア6〜13μM;7.8×300mm直列;カラム温度−40℃;移動相−0.1M硝酸ナトリウム;流速−0.6ml/分;インジェクション容積−50μL;屈折率検出計内部温度−50℃;標準曲線はウオーターズソフトウエア(エンパワー、バージョン1.0)によりフィットさせ、モリンダ・シトリフォリア−PPTと0.1N−NaClフラクションの分子量をこの曲線により分析した。
【0045】
炭水化物含量の分析では、顆粒化したモリンダ・シトリフォリア−PPT0.015gを秤量し、均一に拡散した。蒸留水10.0mlを加え、モリンダ・シトリフォリア−PPTが溶解するまで激しく振盪する。その1.0ml部分をチューブに量りこみ、冷却した濃硫酸3.5mlを加えた。この溶液を50℃に10分間加熱し、室温に冷却し、10.0mlメスフラスコに移し、洗浄して、蒸留水によりその容量まで希釈した。この溶液0.6mlを冷却した試験管に移し、冷却した0.0125M四ホウ酸ナトリウム(シグマ)試薬3.6mlを加え、よく混合した。試験管内容物を沸騰水浴中で10分間加熱し、次いで室温に冷却し、0.15%m−ヒドロキシビフェニル試薬60μLを加えた。内容物を素早く混合し、3分間放置した;吸光度をUV分光計(バリアン)により520nmで読み取った。標準曲線はそれぞれ0.05mg/ml、0.10mg/ml、0.15mg/ml、および0.2mg/ml濃度のガラクツロン酸(VWRサイエンティフィック)を用いて作成した。
【0046】
血管形成に関しては、HUVEC(1.0×10/ウエル、ATCC CRL−1730)を最初に調製した96穴マトリゲルに容れた。モリンダ・シトリフォリア−PPTを1000μg/ml、100μg/ml、10μg/ml、1μg/ml、および0.1μg/mlとして加えた。パクリタキセル(Paclitaxel)を陽性対照として使用し、それぞれ0.1μM、0.01μM、0.001μM、0.0001μM、および0.00001μMで加えた。次いで、このプレートを5%CO雰囲気下、37℃で18時間インキュベートした。内皮細胞管の形態は毛細血管網に似ており、光学顕微鏡にて評価した。各ウエルについて管の破壊を評点した。最小阻止濃度(MIC)を決定し、それを使用してモリンダ・シトリフォリア−PPTが血管形成を阻害したかどうかを評価し得た。各濃度は二重に試験した。
【0047】
以下の表と図表はモリンダ・シトリフォリア−PPTの抗転移作用を説明する:
【表1】

【0048】
上記表1に関して、生存B16−FOマウスメラノーマ細胞を、C57B1/63マウスに接種した。マウスには移植前の1週間および実験の全般で、1%モリンダ・シトリフォリア−PPTを随時投与した。蒸留水(ベヒクル対照)10ml/マウス、モリンダ・シトリフォリア−PPT0.8mg/マウスおよび4mg/マウスを、接種後21日間連続してマウスにIP投与した。マイトマイシンを陽性対照として用い、その1mg/kgを週に2回、合計6回注射した。肺を摘出し、実験終了時に固定した;肺表面の転移結節を解剖顕微鏡下で計数した。本試験を用いて処置群とベヒクル対照群間の有意差を決定した。(SEM=平均値の標準誤差;p<0.006;p<0.005)。
【0049】
【表2】

【0050】
表2に関して、マウスの体重は移植後に記録した。モリンダ・シトリフォリア−PPT処置群は、ベヒクル対照群に比較して体重増加があった(p<0.05;P<0.05)。
【0051】
【表3】

【0052】
表3に関して、NRK2細胞はフィブロネクチン被覆ウエルへの接着に使用した。カルセインAMと、フィブロネクチン被覆プレートに付着した細胞との相互作用から生じる蛍光強度量は、スペクトルフルオル・プラス・プレートリーダーにより読み取った。
【0053】
以下の図面はクロマトグラフィーに関するものであり、図1Aはモリンダ・シトリフォリア−PPTGPC分析のクロマトグラフィー(数値はそれぞれ対応するピークについて分子量をダルトンで表す)を説明し、図1Bは0.1M−NaClフラクションのGPC分析のクロマトグラフィーを説明する。
【0054】
図2は、モリンダ・シトリフォリア−PPT、ベヒクル、および陽性対照パクリタキセルについての管形成の写真を示す。図2に説明するように、モリンダ・シトリフォリア−PPT(PPTとして)は試験濃度で、内皮細胞管の連続する網を破壊しなかった。
【0055】
モリンダ・シトリフォリア−PPTは、C57B1/6JマウスにおけるメラノーマB16−F0細胞で同系腫瘍転移モデルを用いるインビボの転移試験において、転移阻害作用を示した。実験全体を通して自由摂取可能な飲料と組合わせ、0.8mg/マウスで、モリンダ・シトリフォリア−PPTは22%の阻害を示した(P<0.006)。体重の増加は観察されなかった(表1〜2参照)。化学療法剤マイトマイシンは陽性対照として使用され、1mg/kgの用量で55%の転移阻害を示した。同様に、陽性対照においても体重増加はなかった。
【0056】
フィブロネクチンの仲介する接着に関して、モリンダ・シトリフォリア−PPTは、10mg/mlで、フィブロネクチン被覆ウエルに対するNRK2細胞の接着を36%阻害した。モリンダ・シトリフォリア−PPTの0.1N−NaClフラクションは、1mg/mlで、フィブロネクチン仲介の接着について37%の阻害を示した(表3参照)。
【0057】
モリンダ・シトリフォリア−PPTの成分についてのGPC分析に関しては、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いることにより、4種の主要ピークが見出され、モリンダ・シトリフォリア−PPTが、MW862、MW2,045、MW14,461、およびMW84,076ダルトンのそれぞれ4種の異なる分子量の分子で構成されていることが明らかになった(図1A参照)。0.1N−NaClフラクションはGPCにより分析して、90,127ダルトンに分子量を有することが見出された(図1B参照)。これはモリンダ・シトリフォリア−PPTのMW84,058ダルトンのピークに相当するが、この分子量のずれは実験誤差によるものであった。面積を解析すると、MW84,058のピークは誘導された4つのピークの総面積の12.5%を占めることを示した。
【0058】
炭水化物の分析に関しては、UV分光計により定量し、モリンダ・シトリフォリア−PPTは70%のガラクツロン酸を含有することを示した。
【0059】
血管形成に関しては、インビトロの管形成アッセイによると、モリンダ・シトリフォリア−PPTについて試験した濃度すべてにおいて、管の破損は観察されなかった(図2参照)。
【0060】
上に考察した研究においては、モリンダ・シトリフォリア−PPTがC57B1/6Jマウスにおいて、メラノーマB16−FO細胞に対して抗転移性であることが示された。モリンダ・シトリフォリア−PPTの抗転移作用は、この試験においてモリンダ・シトリフォリア−PPTが10mg/mlで接着を36%阻害することにより示されるように、フィブロネクチンに対する腫瘍細胞接着の予防に関わっていた。フィブロネクチンは細胞外マトリックスと体液中に見出される大型の接着糖タンパク質である。フィブロネクチン特異インテグリンはαおよびβサブユニットからなり、殆どの細胞における主要なフィブロネクチン受容体である。このインテグリンはフィブロネクチンのRGD部位に結合し、接着、移動、細胞骨格の組織化、およびフィブロネクチン細胞外マトリックスの集合など、結合に対する細胞性応答を仲介する。研究では抗−βおよび抗−α抗体が、数種の癌細胞、例えば、HT−1080繊維肉腫、5637膀胱癌、およびMDA−231乳癌などについて、フィブロネクチン上の細胞移動を阻害することを示す。フィブロネクチンのRGD部位ではなくPHSRN部位が、ラットの前立腺転移性癌細胞MLLの侵入を誘発した。この知見は、PHSRN部位が、両部位が相対的配向に共存する場合にのみ細胞接着の実質的な活性が達成され得るという理由で、RGDの相乗作用部位であると規定した他の研究と矛盾がない。
【0061】
上記で考察した実験において、モリンダ・シトリフォリア−PPTは10mg/mlでフィブロネクチン仲介接着に対し、36%の阻害を示した。モリンダ・シトリフォリア−PPTの0.1N−NaClフラクション(MW84,076Da)は1mg/mlで37%の接着阻害活性を示した。このフラクションがモリンダ・シトリフォリア−PPT約12.5%であったことを考慮すると、これはその殆ど全部が総抗接着活性に寄与していた。しかし、モリンダ・シトリフォリア−PPTの比較的弱い活性はまた、他の関与する抗転移作用のメカニズムが存在することをも示唆する。
【0062】
ここで提供されるもう一つのメカニズムは、特定の細胞型が特定の標的臓器に転移することを好むという理論と、モリンダ・シトリフォリア−PPTが70%のガラクツロン酸から構成されるという観察に基づいている。転移の標的臓器の選択は癌細胞とその標的臓器の内皮細胞間の特別の相互作用により仲介されることを示す証拠がますます増えている。かかる相互作用には細胞表面分子が関わっており、この分子は1つ以上の臓器の血管に限定された分布を有する構成的に発現される膜糖タンパク質から構成される。内皮細胞表面分子、肺由来内皮細胞接着分子−1(Lu−ECAM−1)は単離され、メラノーマ細胞の肺転移を仲介し、阻止することが知られている。B16−F10細胞の静脈注射の1時間前に、抗−Lu−ECAM−1mAb6D3で免疫した同系マウスは、対照に比較して、肺コロニーの数が90%を超える低下を示した。Lu−ECAM−1構造を解析すると、それは糖含量3%の糖タンパク質であることを示した。一連の炭水化物について、Lu−ECAM−1に対するB16−F10の接着阻害を試験した。結果は、ラクト−N−フコペントースIが最も効果的にLu−ECAM−1に対するB16−F10の接着を遮断することを示した。この知見はLu−ECAM−1がガラクトシド結合タンパク質であることを暗示した。
【0063】
我々の糖分析において、我々はモリンダ・シトリフォリア−PPTが70%のガラクツロン酸を含んでいることを見出した。それ故、モリンダ・シトリフォリア−PPTがLu−ECAM−1分子に結合し、メラノーマB16−FO細胞がLu−ECAM−1に付着するのを遮断することによりその抗転移作用を発揮しているのかもしれない。Lu−ECAM−1と同じファミリーの類似のタンパク質、例えば、hCLCA3などが発見されている(Gruber et al., 1999)。hCLCA3は数種の組織、例えば、肺、気管、膵臓、胸腺、および乳腺などで発現され、これらの組織に対するモリンダ・シトリフォリア−PPTの抗転移作用の可能性を示している。
【0064】
モリンダ・シトリフォリア−PPTのガラクツロン酸含量は、その抗転移作用が細胞−細胞および細胞−基質の結合を阻害することに関わっていることを示唆している。多くの悪性細胞が外来性炭水化物含有リガンドに結合する能力を有する。ガレクチン−ガラクトシド結合タンパク質の発現は、ヒトのメラノーマ、結腸、胃、および乳頭甲状腺癌に見出されている。これら細胞表面のガレクチンは、細胞凝集および原質への細胞付着を誘発し、腫瘍細胞侵入において中心的な役割を演じる。細胞凝集と付着は、モノクローナル抗−ガレクチン抗体が細胞表面に結合することにより抑制されることが判明した。D−ガラクトースおよびアラビノガラクトースなどの単純糖は、L−1サルコーマ細胞の肝臓転移を阻害する。ガラクツロン酸に富む改良柑橘類ペクチンは、オスのコペンハーゲンラットにおいて、ラットのMAT−LyLu前立腺腫瘍細胞の肺転移を阻害することを示した。同じ研究において、ラットMAT−LyLu細胞におけるガラクチン−3の発現により、インビボの転移阻害とインビトロの接着阻害間に濃度相関性のあることが判明した。
【0065】
モリンダ・シトリフォリア−PPTはB16−FO腫瘍増殖(実験時、体重増加は観察されなかった)および血管内皮細胞増殖(結果参照)に対しては効果を有しないので、抗転移作用は抗接着剤として作用し、腫瘍細胞塞栓の形成と腫瘍細胞−細胞相互作用を阻害することによると思われる。
【0066】
従って、この研究から、またインビボとインビトロの試験から分かるように、モリンダ・シトリフォリア−PPTには阻害作用が存在し、この抗転移作用は血管と腫瘍転移の減少に至らしめる。
【0067】
上記のように、これまでの考察は本発明による一つ以上の代表的な態様に関するものであった。当業者は本発明が発癌性細胞の転移を阻害することに関係する他の態様をも包含することを認識しよう。従って、以下は本発明のさらなる態様に関する。
【0068】
製剤 1
成分 重量パーセント
モリンダ・シトリフォリア果汁 100%
製剤 2
成分 重量パーセント
モリンダ・シトリフォリア果汁 85〜99.99%
水 0.1〜15%
製剤 3
成分 重量パーセント
モリンダ・シトリフォリア果汁 85〜99.99%
他の果汁 0.1〜15%
製剤 4
成分 重量パーセント
モリンダ・シトリフォリア果汁 50〜90%
水 0.1〜50%
他の果汁 0.1〜30%
【0069】
一態様において、上記の転移に遭遇した人は、少なくとも1オンスの製剤1を朝の空腹時に、また少なくとも1オンスを夜、就寝直前の空腹時に服用する。一例において(いかなる意味でも制限を意味するものではない)、有益なモリンダ・シトリフォリアはユタ州オレムのモリンダ・インコーポレーションが製造するタヒチ・モリンダ・シトリフォリア(登録商標)果汁として加工処理されたものである。
【0070】
もう一つの態様において、転移を経験している人は、少なくとも1オンスの製剤2を過剰増殖が減少するまで1日2回服用する。
【0071】
以下の実施例は発癌性細胞の転移に対するモリンダ・シトリフォリアの効果を明らかにし、提示するものである。これらの実施例はいかなる意味でも制限することを意図するものではなく、ここで処理加工し、製造したモリンダ・シトリフォリアの有益な効果を説明するだけのものである。本発明の他の非制限的例示が以下に記載される。
【実施例1】
【0072】
本実施例においては、原発性もしくは初期癌の位置または部位からの発癌性細胞の転移を患者が経験している。転移に遭遇している個体は、非調剤薬局での製剤でその症状を処置することを要望する。その感染を処置するために、個体は処理加工したモリンダ・シトリフォリア果汁を含有する処方量の食品組成物を消費する。当人は転移が阻害され、遮断され、および/または防止されれるまで、または転移細胞が破壊され、また感染が削減または除去されるまで、処理加工したモリンダ・シトリフォリア果汁を含有する食品を断続的に消費する。
【実施例2】
【0073】
本実施例は発癌性細胞の転移に対するMDA−4またはPPTとコード化されたモリンダ・シトリフォリアの効果を提示する。具体的には、以下の実施例はC57BL/6JマウスにおけるマウスのメラノーマB16−FO細胞の同系間腫瘍モデルに対するモリンダ・シトリフォリア(MDA−4)の抗転移活性を提示する。
【0074】
C57BL/6JマウスにおけるマウスのメラノーマB16−FO細胞の同系間腫瘍転移モデルにおいて、MDA−4は、前処理1週間、腫瘍細胞移植後3週間、研究期間また実験期間中総計28回処置することで、飲用法により1%(10mg/ml)を投与した。さらに、用量0.8mg/マウスのMDA−4を、腫瘍細胞をマウスに移植後、総計連続21日間、毎日腹腔内(IP)投与した。
【0075】
転移指標としての腫瘍転移モジュールの測定において、MDA−4で処置した動物のベヒクル対照群に比較する肺結節のデータを表4に示す。
【0076】
【表4】

【0077】
本試験は処置した試験物質とベヒクル対照間の有意差を決定するために使用する(群;**P<0.01)。
【0078】
得られた結果にもとづき、用量0.8mg/マウスのMDA−4は腹腔内注射により、1%MDA−4の自由な飲用法と組合わせて、腫瘍転移のわずかな阻害を示した(表5参照)。研究の期間、体重もモニターしたが、ベヒクル対照群と比較してその変化に有意差は認めなかった(表6参照)。実験の期間中、動物は試験化合物の投与後、毒性による症候は示さないことが注目された。
【0079】
実験期間中、試験物質MDA−4はモリンダ・インクが提供し、インビボ抗転移の研究のために使用した。MDA−4は無菌蒸留水に溶解し、既述のように、1%(10mg/ml)飲用法により、前処置の1週間、および腫瘍細胞移植後の3週間、実験全般の研究期間中合計28回の処置のため投与した。さらに、既述のように、MDA−4は0.8mg/マウスの用量で、腫瘍細胞移植後、連続総計21日間毎日、腹腔内(IP)投与した。
【0080】
マウス・メラノーマ細胞株B16−FO(ATCC CRL−6322)は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから購入し、ウシ胎児細胞90%を含むダルベッコ修飾イーグル培地10%を培地として用いた。腫瘍細胞は5%CO含有雰囲気中、37℃で培養した。培地には1%アンチビオティック−アンチマイコティック(抗生−抗真菌剤)を加えた。
【0081】
特定病原菌フリーのオスC57BL/6Jマウス(6〜8週令、体重24〜28g)は国立台湾大学動物センターから提供された。動物は実験全般を通して、特定病原菌フリー(SPF)条件下で、個々に換気したケージラック(IVCラック、36ミニアイソレーターシステム)に収容した。
【0082】
各APEC(登録商標)はオートクレーブで滅菌し、3匹のマウスを容れ(長さ26.7cm×幅20.7cm×高さ14.0cm)、衛生環境にて、制御温度(22℃〜24℃)と湿度(60%〜80%)条件下、12時間の明暗サイクルで維持した。動物には無菌蒸留水に随時自由に接近するようにした。本作業のすべての側面、すなわち、動物の収容、実験および廃棄などは、一般的に、動物の関与する生物医学研究のための国際基準(CIOMS公開No.ISBN9290360194、1985)に従って実施した。
【0083】
使用した化学物質はアンチビオティック−アンチマイコティック(ギブコBRL、USA)、ウシ胎児血清(ハイクローン、USA)、ダルベッコ修飾イーグル培地(ハイクローン、USA)およびマイトマイシン(協和、日本)であった。
【0084】
使用した一部の装置は遠心分離機セントリフュージ5810R(エッペンドルフ、ドイツ)、COインキュベーター(フォーマ(Forma)サイエンティフィック・インク、USA)、ヘマサイトメーター(ホウサー・サイエンティフィック・ホーシャム(Hausser Scientific Horsham)、USA)、個々に換気したケージラック(IVCラック、36ミニアイソレーターシステム)(テクニプラスト(Techniplast)、イタリア)、倒立顕微鏡CK−40(オリンパス、日本)、システム顕微鏡E−400(ニコン、日本)および垂直層流(ツアオ−シン(Tsao-Hsin)、R.O.C.)であった。
【0085】
好適な評価方法に従い、特定病原菌フリー(SPF)条件下に23±1℃で動物アイソレーター(IVCラック)中で飼育した3匹または6匹のSPF−C57BL/6Jオスマウス(6〜8週令)の群を使用した。生存B16−FOマウスメラノーマ細胞(ATCCCRL−6322、6×10r、0.2ml中)を実験マウスに尾部血管から静脈内接種した。
【0086】
1%の試験化合物MDA−4を飲用法により動物に与え、腫瘍接種(0日として)1週間前に処置を開始し、腫瘍細胞移植後、連続合計21日間の21日目まで毎日投与し、連続処置した。同時に、対照薬剤マイトマイシンを週あたり2回、腫瘍細胞移植後6回、腹腔内投与した。腫瘍接種後21日目に肺を切除し、固定した。次いで、肺表面上の転移結節を解剖顕微鏡下に計数した。以下の結果を得た:
【0087】
【表5】

【0088】
本実施例または結果の表において、Rは転移腫瘍結節の直径を表し、以下のように評点する:a=(R<1mm)の結節の数;b=(1mm≦R<2mm)の結節の数;c=(R≧2mm)の結節の数。スチューデントt検定を用い、処置した試験物質とベヒクル対照群間の有意差を決定する。
【0089】
【表6】

【実施例3】
【0090】
本研究はモリンダ・シトリフォリア果汁からのエタノール不溶性沈殿物につき、腫瘍転移の阻害に焦点を当て、その可能なメカニズムについて提示または明らかにする。本研究では、フランス領ポリネシア、タヒチのモリンダ・シトリフォリア果実からのエタノール不溶性沈殿物(多糖類)、モリンダ・シトリフォリア−PPTが、C57B1/6Jマウスにおいて、メラノーマB16−FO細胞の同系間腫瘍転移モデルに抗転移活性を有することが見出された。モリンダ・シトリフォリア−PPTは0.8mg/マウスで22%の阻害活性(p<0.005)を示した。モリンダ・シトリフォリア−PPTの抗転移作用の可能なメカニズムを探求した。
【0091】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析は、モリンダ・シトリフォリア−PPTが、879、2045、14,461、および84,076ダルトンそれぞれに4種の異なる分子量の分子から構成されることを示した。アニオン交換クロマトグラフィーを用い、MW84,076のフラクションはモリンダ・シトリフォリア−PPTを0.1N−NaClにより溶出することにより誘導した。モリンダ・シトリフォリア−PPTおよびMW84,076のフラクションは、それぞれ10mg/mlおよび1mg/mlで、フィブロネクチン被覆ウエルへのNRK2細胞接着に対し、36%および37%の阻害を示した。フィブロネクチン接着阻害はモリンダ・シトリフォリア−PPTの抗転移作用についての可能なメカニズムの一つであり得るが、フィブロネクチン媒介接着実験における比較的弱い接着作用は、一つ以上の関与するメカニズムの存在し得ることを示唆した。炭水化物含量分析は、モリンダ・シトリフォリア−PPTが、UV分光計で定量して、70%のガラクツロン酸を含有することを示した。
【0092】
この知見はモリンダ・シトリフォリア−PPTが肺内皮細胞表面分子Lu−ECAM−1−aガラコシド結合タンパク質に結合することにより、肺組織にメラノーマB16−FOが接着するのを抑制し得ることを暗示する。これはまたモリンダ・シトリフォリア−PPTが多くの悪性細胞表面発現ガラクチン−ガラクトシド結合タンパク質に対し、細胞−細胞および細胞−基質結合を遮断することにより、抗転移作用を発揮し得ることを示唆した。モリンダ・シトリフォリア−PPTは内皮細胞管形成の阻害作用を全く示さなかった。従って、モリンダ・シトリフォリア−PPTの抗転移作用は抗接着剤として作用し、腫瘍細胞塞栓の形成と腫瘍細胞−細胞相互作用を阻害することによると思われるということであった。研究の詳細は本明細書にで明らかにする。
【0093】
従って、本明細書で考察するように、本発明の態様は発癌性細胞の転移阻害を包含する。特に、本発明は医薬品、ならびに健康と快適な暮らしのための食品、とりわけ、癌原発部位からの発癌性細胞の転移を阻害、遮断、および/または予防するために設計した医薬品または健康と快適な暮らしのための食品に関する。
【0094】
本発明はその精神または本質的な特性から外れることなく、他の特定の形状でも実施化し得る。記載された態様は、あらゆる観点で説明のみのものであって、限定するものではないと考えるべきである。従って、本発明の範囲は本文の記載によらず、添付の請求項により示される。請求項の意味および等価の範囲内に入る変更はすべて請求項の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、モリンダ・シトリフォリア−PPTおよび0.1M−NaClフラクションのGPC分析のクロマトグラフィーを示す。
【図2】図2は、モリンダ・シトリフォリア−PPT、ベヒクル、および陽性対照パシタキセルについての管形成を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発癌性細胞の転移を処置、阻害、および予防するための天然医薬製剤であって、約0.01ないし100重量パーセントの量で存在する加工処理したモリンダ・シトリフォリア製品を含有してなる製剤。
【請求項2】
加工処理したモリンダ・シトリフォリアが、加工処理したモリンダ・シトリフォリア果汁である請求項1記載の天然医薬製剤。
【請求項3】
さらに水を含有してなる請求項2記載の天然医薬製剤。
【請求項4】
モリンダ・シトリフォリア果汁が、約85重量%ないし99.99重量%の量で存在する請求項3記載の天然医薬製剤。
【請求項5】
モリンダ・シトリフォリア果汁が、約50重量%ないし90重量%の量で存在する請求項3記載の天然医薬製剤。
【請求項6】
さらにもう一種の果汁を含有してなる請求項2記載の天然医薬製剤。
【請求項7】
モリンダ・シトリフォリアがモリンダ・シトリフォリア−PPTである請求項1記載の天然医薬製剤。
【請求項8】
発癌性細胞の転移を阻害および予防し、ならびに早期段階の転移発癌性細胞を破壊する方法であって、
加工処理したモリンダ・シトリフォリア製品をアルコール系溶液に添加し;
前記溶液からモリンダ・シトリフォリアの有効成分を単離および抽出し;そして
前記抽出した有効成分を前記発癌性細胞に罹患している領域に導入し、それによって前記抽出した有効成分が前記発癌性細胞のさらなる増殖を阻害および予防し、ならびに早期段階の転移発癌性細胞を破壊する、
の各工程を含む方法。
【請求項9】
前記加工処理したモリンダ・シトリフォリア製品が、加工処理したモリンダ・シトリフォリアの果汁を含有してなる請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記加工処理したモリンダ・シトリフォリア製品が、加工処理したモリンダ・シトリフォリアのピューレを含有してなる請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記加工処理したモリンダ・シトリフォリア製品が、加工処理したモリンダ・シトリフォリア−PPTを含有してなる請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記アルコール系溶液が、実質的に、メタノール、エタノール、および酢酸エチル、およびその他のアルコール系誘導体からなる群より選択されるものである請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記有効成分がケルセチンである請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記有効成分が、前記ケルセチンと共に相乗的に作用して前記発癌性細胞の転移を阻害および予防するルチンである請求項13記載の方法。
【請求項15】
転移した癌細胞のさらなる増殖を阻害、予防、および破壊する方法であって、
加工処理したモリンダ・シトリフォリアの果汁を含有してなる天然医薬製剤の少なくとも1オンスを、朝の空腹時に経口投与し;そして
前記天然医薬製剤の少なくとも1オンスを、夜の就寝前に経口投与する、
の各工程を含む方法。
【請求項16】
モリンダ・シトリフォリアがモリンダ・シトリフォリア−PPTを含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記天然医薬製剤が、100重量パーセントまでの量で存在するモリンダ・シトリフォリア−PPTを含有してなる請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記天然医薬製剤が、
約85〜99.99重量パーセントの量で存在する加工処理したモリンダ・シトリフォリアの果汁;および
0.1〜15重量%の量で存在する水;
を含有してなる請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記天然医薬製剤が、
約85〜99.99重量パーセントの量で存在する加工処理したモリンダ・シトリフォリアの果汁;および
0.1〜15重量%の量で存在する他の果汁;
を含有してなる請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記天然医薬製剤が前記食品2オンスを毎日2回経口投与することにより消費される、請求項14記載の方法。



【図2】
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【公表番号】特表2007−526214(P2007−526214A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514203(P2006−514203)
【出願日】平成16年5月3日(2004.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/013558
【国際公開番号】WO2004/098514
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(504279337)タヒチアン ノニ インターナショナル インコーポレーテッド (24)
【Fターム(参考)】