説明

発着呼規制装置及び方法

【課題】 電池の消耗を抑えつつ、所定空間内で、移動機の発呼及び着呼を規制できる発着呼規制装置を提供する。
【解決手段】 アンテナ1は、無線基地局から送信される2GHz帯域の信号と800MHz帯域の信号とを受信する。周波数変換部2は、2GHz帯域の信号を800MHz帯域の信号に変換し、800MHz帯域の信号を2GHz帯域の信号に変換する。アンテナ5は、周波数変換部2によって帯域が入れ替えられた信号を所定空間内に送信する。レベル調整部2は、所定空間内で、移動機がアンテナ5から受信する信号によって待受け状態となるように、アンテナ5から送信する信号の電力を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発着呼規制装置及び方法に関し、更に詳しくは、複数の帯域で通信を行う移動端末の発呼及び発着を規制する発着呼規制装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、広く普及し、利用者は、任意の場所で通話が可能となった。しかし、その一方では、マナー等の関係で、例えば会議室、コンサートホールのような特定の空間において、携帯電話機の使用を制限したい場面が非常に多くなっている。従来、携帯電話機の使用を制限する手法としては、携帯電話機に対して妨害電波を送信し、携帯電話機を圏外にする手法がある。しかしながら、携帯電話機は、圏外になるとシステムサーチを行うため、余分な電力消費を招き、電池の消耗を早めるという問題があった。
【0003】
携帯電話機を圏内に保ったまま、通話を規制する技術としは、特許文献1に記載された技術がある。この技術では、周囲が壁等で囲まれており、無線基地局からの電波が、屋外に比して減衰されて到達する所定の空間に向けて、屋外で無線基地局から受信する電波の強度と同じ強度の電波を送信する発着呼規制装置を設置する。これにより、所定の空間内では、携帯電話機は、発着呼規制装置が送信する電波により待受け状態となる。
【0004】
所定空間内にある携帯電話機は、実際に無線基地局から受信する電波よりも強い電波で待受け状態となることから、無線基地局に向けて、本来無線地局に送信すべき信号レベルよりも低い信号レベルで信号を送信する。このため、無線基地局は、その携帯電話機からの信号を正しく受信できない。従って、所定空間内では、発呼及び着呼が不可能となって、携帯電話機を用いた通話が規制される。
【特許文献1】特開2001−119756号公報(図4、段落0034〜0046)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現在、WCDMA方式では2GHz帯域の周波数を用いてサービスが行われているが、近い将来、周波数不足が見込まれている。このため、今後、2GHz帯域に800MHz帯域も加えた、2GHzと800MHzの2つの周波数帯域にてサービスが行われることが予想されている。しかしながら、このような、2つの周波数帯域を用いたデュアルバンドにおいて、移動機を圏外とすることなく、通話の規制を行う技術は知られていなかった。
【0006】
本発明は、複数の帯域を用いてサービスが行われる移動体通信システムにおいて、電池の消耗を抑えつつ、所定空間内で、移動機の発呼及び着呼を規制できる発着呼規制装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の発着呼規制装置は、複数の帯域の信号の何れかで待受けを行う移動機による所定空間内での発着呼を規制する発着呼規制装置であって、所定空間外に配置され、無線基地局から送信される複数の帯域の信号を受信する第1のアンテナと、前記第1のアンテナで受信した複数の帯域の信号のそれぞれを、前記複数の帯域の何れかであって当該帯域とは異なる帯域の信号に変換する周波数変換部と、所定空間内に配置され、前記周波数変換部で帯域が変換された複数の帯域の信号を送信する第2のアンテナと、前記所定空間内において、前記第2のアンテナから送信された信号が前記移動機で受信される際の信号電力が、前記無線基地局から送信された信号が前記移動機で受信される際の信号電力よりも大きくなるように、前記第2のアンテナが送信する複数の帯域の信号の信号レベルを調整するレベル調整部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の発着呼規制方法は、複数の帯域の信号の何れかで待受けを行う移動機による所定空間内での発着呼を規制する発着呼規制方法であって、無線基地局から送信される複数の帯域の信号を所定空間外に設置される第1のアンテナによって受信し、前記受信された複数の帯域の信号のそれぞれを、前記複数の帯域の何れかであって当該帯域とは異なる帯域の信号に変換し、前記変換された信号を第2のアンテナから送信し、該送信する信号の信号レベルを、前記所定空間内において、前記第2のアンテナから送信する信号が前記移動機で受信される際の信号電力が、前記無線基地局から送信された信号が前記移動機で受信される際の信号電力よりも大きくなるように設定することを特徴とする。
【0009】
本発明の発着呼規制装置及び方法では、所定空間内では、第2のアンテナから送信する信号が移動機で受信される際の信号電力が、無線基地局から送信された信号が移動機で受信される際の信号電力よりも大きいため、所定空間内の移動機は、第2のアンテナから送信される、帯域が入れ替えられた信号によって、待受け状態となる。このため、所定空間内では、移動機は、基地局から所定帯域で送信された信号を、その帯域とは異なる帯域で受信することになり、発呼及び着呼が規制される。
【0010】
本発明の発着呼規制装置では、前記周波数変換部が、前記アンテナが受信した複数の帯域の信号を帯域ごとに分離する第1のデュプレクサと、前記分離された複数の帯域の信号を、当該帯域とは異なる帯域の信号に変換する信号変換部と、前記信号変換部で変換された帯域の信号を合成する第2のデュプレクサとを備える構成を採用できる。
【0011】
本発明の発着呼規制装置では、前記レベル調整部は、前記第1のアンテナが受信した無線基地局からの信号の受信電力と、前記第2のアンテナが送信する信号の送信電力とが実質的に同じレベルになるように、前記第2のアンテナが送信する信号の送信電力を制御する構成を採用できる。例えば建物の室内等では、所定空間内で無線基地局から送信された信号を移動機が受信する際の受信電力は、建物外で無線基地局から送信された信号を移動機が受信する際の受信電力よりも弱い。このよう場合、第1のアンテナを屋外に設置し、第2のアンテナを屋内に設置するときには、レベル調整部によって、第1のアンテナから第2のアンテナまでの間のトータルの利得を0dBにすることで、屋内にある移動機を、第2のアンテナから送信された、帯域が入れ替えられた信号によって待受け状態として、移動機の発着呼を規制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の発着呼規制装置及び方法では、所定空間内では、移動機は、第2のアンテナから送信された、帯域が入れ替えられた信号によって待受け状態となり、移動機は、所定空間内では、発呼及び着呼を認識できない。このため、移動機を圏外にして発着呼を規制する場合に比して、移動機の電池の消耗を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、発着呼規制装置の構成を示している。発着呼規制装置100は、アンテナ1、周波数変換部2、分配器3、レベル調整部4、及び、アンテナ5を備える。発着呼規制装置100は、2GHz帯域と800MHz帯域の2つの周波数帯域にてWCDMA方式の移動通信システムが構築されているサービスエリア内で、ある特定の領域内、或いは、屋内等の特定の空間内にある移動機の着呼及び発呼を規制する。
【0014】
アンテナ1は、例えば屋外に設置され、アンテナ5は、発着呼規制を行いたい特定の空間内に設置される。例えば、建物内の複数の部屋において発着呼規制を行いたいときには、アンテナ1は、建物の屋根の上に設置され、アンテナ5は、規制を行いたい各部屋に設置される。アンテナ1は、図示しない無線基地局から送信された2GHz帯域の信号と800MHz帯域の信号とを受信する。
【0015】
周波数変換部2は、アンテナ1が受信した無線信号を入力し、周波数変換を行って、入力した無線信号の帯域を入れ替える。具体的には、2GHz帯域で送信された信号を800MHz帯域の信号に変換し、800MHz帯域で送信された信号を2GHz帯域の信号に変換する。図2は、周波数変換部2の具体的な構成を示している。周波数変換部2は、デュプレクサ6a、6bと、ローカル信号源7a、7bと、ミキサ8a、8bと、アンプ11a、11bとを備える。
【0016】
第1のデュプレクサ6aは、アンテナ1で受信された信号から、2GHz帯域で受信した信号と、800MHz帯域で受信した信号とを分離する。第1のデュプレクサ6aは、2GHz帯域で受信した信号を第1のミキサ8aに入力する。また、800MHz帯域で受信した信号を第2のミキサ8bに入力する。第1のミキサ8aは、第1のローカル信号源7aから入力されるローカル信号を用いて、2GHz帯域で受信した信号を、800MHz帯域の信号に変換する。第2のミキサ8bは、第2のローカル信号源7bから入力されるローカル信号を用いて、800MHz帯域で受信した信号を、2GHz帯域の信号に変換する。
【0017】
第1のミキサ8aが出力する800MHz帯域の信号は、アンプ11aにより所定の利得だけ増幅され、第2のデュプレクサ6bに入力される。また、第2のミキサ8bが出力する2GHz帯域の信号は、アンプ11bにより所定の利得だけ増幅され、第2のデュプレクサ6bに入力される。第2のデュプレクサ6bは、入力する2GHz帯域の信号と、800MHz帯域の信号とを合成して、帯域が入れ替えられた信号を出力する。
【0018】
分配器3は、周波数変換部2で周波数変換された信号を、互いに同じレベルの複数の信号に分配する。分配器3としては、例えば、ウィルキンソンのハイブリッドを用いることができる。アンテナ5は、周波数変換部2による周波数変換により、2GHz帯域で送信された信号が800MHz帯域の信号に変換され、かつ、800MHz帯域で送信された信号が2GHz帯域の信号に変換された信号を送信する。
【0019】
レベル調整部4は、周波数変換部2によって帯域が入れ替えられた信号を、所定の減衰量で減衰し、これをアンテナ5に出力して、アンテナ5が出力する信号のレベルを調整する。レベル調整部4は、アンテナ5が設置された空間内で、そのアンテナ5から送信された電波が移動機によって受信される際の電力が、無線基地局から送信された電波が移動機によって受信される際の電力よりも大きくなるように、アンテナ5が出力する信号のレベルを調整する。
【0020】
図3は、レベル調整部4の具体的構成を示している。レベル調整部4は、可変抵抗12、オペアンプ13、及び、電圧制御可変アッテネータ14を有する。可変抵抗12は、抵抗値を調整することにより、基準電圧とGNDとの間の電位差を分圧して出力する。オペアンプ13は、可変抵抗12によって分圧された電圧を入力し、入力電圧に応じた制御電圧信号を出力する。電圧制御可変アッテネータ14は、分配器3によって分配された信号を入力し、その信号を、制御電圧信号に応じた減衰量で減衰してアンテナ5に出力する。
【0021】
ここで、2GHz帯域と800MHz帯域の2つの周波数帯域にてWCDMA方式の移動通信システムが構築されている場合について、無線基地局と移動機との間の通信について説明する。そのようなシステムでは、移動機は、2GHz帯域と800MHz帯域との双方の帯域をサポートする構成を有している。
【0022】
移動機は、電源投入後に、無線基地局からの信号により、2GHz帯域で待受け状態となるか、或いは、800MHz帯域で待受け状態となるかが指示される。例えば、移動機の番号が偶数番号であれば、その移動機は2GHz帯域で待受け状態となるように指示され、奇数番号であれば800MHz帯域で待受け状態となるように指示される。このように、待受けに用いる周波数帯域を分散させることにより、移動機は、2GHz帯域と800MHz帯域のどちらか一方に偏って分布することなく、待受けの周波数帯域が振り分けられる。
【0023】
図4は、発着呼規制装置100を用いた発着呼規制の様子を示している。同図では、分配器3によって分配された信号ラインのうちの1つを図示し、その他を省略している。アンテナ5は、発着呼を規制したい部屋16内に設置されており、部屋16内に電波を送信する。また、アンテナ1は、部屋16よりも電波環境がよい建物15の屋根に設置されている。
【0024】
以下では、説明のために、具体的な数値を用いて説明する。無線基地局は、+30dBmの電力で電波を送信する。無線基地局と、建物15との間の大気による電波の減衰量は、100dBである。また、建物15の壁を通過する際の減衰量は、20dBである。なお、部屋16内の伝播ロスについては無視する。
【0025】
周波数変換部2の利得は、例えば20dBとする。分配器3の損失については、ウィルキンソンのハイブリッドを用いる場合には、分配数nは2のべき乗になり、その損失(理論値)は、
損失=10×log(n) (dB)
で与えられる。例えば分配数nを4とすると、分配器3の損失は6dBとなる。レベル調整部4の減衰量は、例えば14dBとする。この場合には、アンテナ1からアンテナ5までのトータルの利得は、(+20dB−6dB−14dB)=0dBとなる。
【0026】
アンテナ1は、無線基地局が送信する電波20を、+30dBm−100dB=−70dBmの電力で受信する。アンテナ5は、アンテナ1からアンテナ5までのトータルの利得が0dBであるため、−70dBmの電波22を出力し、部屋16内の移動機10は、電波22を、−70dBmで受信する。建物15の外壁で受信される無線基地局からの電波の受信電力が−70dBmであるとすると、移動機10は、無線基地局からの電波21を、建物15の壁による減衰分(−20dB)を加えた、(−70dBm−20dB)=−90dBmの電力で受信する。
【0027】
上記のように、移動機10が無線基地局から直接に受信する信号の電力と、アンテナ5から受信する信号の電力とを比較すると、アンテナ5から受信する信号の電力は、無線基地局から受信する信号の電力に比して、十分に大きく設定されている。このため、部屋16内にある移動機10は、無線基地局からの電波21ではなく、アンテナ5から送信される電波22によって、待受け状態となる。
【0028】
いま、移動機10が、2GHz帯域で待受け状態となっているとする。この場合、利用者が、移動機10を用いて発呼を行うと、移動機10は、その旨を、2GHz帯域で無線基地局に送信する。無線基地局は、移動機10からの信号を受信し、それに対する応答を、2GHz帯域で、移動機10に返信する。発着呼規制装置100は、無線基地局から2GHz帯域で返信された信号を、800MHz帯域の信号に変換してアンテナ5から送信する。
【0029】
移動機10は、無線基地局から返信された信号を、2GHz帯域で受信しようとする。ところが、移動機10がアンテナ5から受信する信号の電力は、無線基地局から直接に受信する信号の電力よりも十分に大きい。このため、移動機10は、アンテナ5から、無線基地局から2GHz帯域で送信された信号を、800MHz帯域で受信する。従って、移動機10は、発呼に対応する無線基地局からの返信を認識することができず、発呼を行うことができない。
【0030】
また、無線基地局が、移動機10を呼び出す旨の信号を2GHz帯域で送信した場合について考える。この場合、移動機10は、上記と同様に、本来2GHz帯域で受信すべき呼び出し信号を、発着呼規制装置100を介して、800MHz帯域で受信する。このため、移動機10は、発呼の場合と同様に、呼び出し信号を認識することができず、着信できない。従って、部屋16内の空間では、移動機10は、発呼も着呼も行うことができず、利用者による通話が規制される。
【0031】
一方、建物15付近にあり、部屋16の外にある移動機9は、アンテナ1と同様に、無線基地局が送信する電波20を、−70dBmの電力で受信する。このため、移動機9は、アンテナ5から送信される電波22による影響を受けることなく、無線基地局が送信する電波20によって待受け状態となる。従って、移動機9は、発着呼規制装置100によって、発呼及び着呼が規制されることはない。
【0032】
本実施形態では、部屋16内では、移動機10は、無線基地局からの電波20を、屋外にある移動機9よりも弱い電力で受信する。また、発着呼規制装置100によって、2GHz帯域の信号と、800MHz帯域の信号とが入れ替えられた電波22を、屋外にある移動機9が無線基地局から受信する電波20の電力と同じレベルで受信する。これにより、移動機10は、発着呼規制装置100が送信する電波22によって待受け状態となって、本来、待受けで使用される周波数帯域の信号を、それとは異なる周波数帯域で受信することとなる。このため、移動機10は、発呼及び着呼を認識できず、発呼及び着呼が規制される。このとき、移動機10は、通話が規制されるものの圏内にあるため、妨害電波を送信して通話を規制する場合と比較して、電池の消耗を抑えることができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、移動機は、2GHz帯域と、800MHz帯域とを用いて通信を行う例について示したが、それ以外の帯域を用いることもできる。また、移動体通信システムは、WCDMA方式で通信を行うものには限定されない。移動体通信システムが、3以上の帯域を用いて通信を行うシステムとして構成される場合でも、上記実施形態は適用可能である。その場合には、周波数変換部2が、3以上の帯域の信号のそれぞれを、元の帯域とは異なる帯域に変換すればよい。
【0034】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の発着呼規制装置及び方法は、上記実施形態例にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】発着呼規制装置の構成を示すブロック図。
【図2】周波数変換部2の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】レベル調整部4の具体的構成を示すブロック。
【図4】発着呼規制装置100を用いた発着呼規制の様子を示す模式図。
【符号の説明】
【0036】
1、5:アンテナ
2:周波数変換部
3:分配器
4:レベル調整部
6:デュプレクサ(Duplexer)
7:ローカル信号源
8:ミキサ(Mixer)
9、10:移動機(MS)
11:アンプ(AMP)
12:可変抵抗
13:オペアンプ
14:電圧制御可変アッテネータ
15:建物
16:部屋(規制空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の帯域の信号の何れかで待受けを行う移動機による所定空間内での発着呼を規制する発着呼規制装置であって、
所定空間外に配置され、無線基地局から送信される複数の帯域の信号を受信する第1のアンテナと、
前記第1のアンテナで受信した複数の帯域の信号のそれぞれを、前記複数の帯域の何れかであって当該帯域とは異なる帯域の信号に変換する周波数変換部と、
所定空間内に配置され、前記周波数変換部で帯域が変換された複数の帯域の信号を送信する第2のアンテナと、
前記所定空間内において、前記第2のアンテナから送信された信号が前記移動機で受信される際の信号電力が、前記無線基地局から送信された信号が前記移動機で受信される際の信号電力よりも大きくなるように、前記第2のアンテナが送信する複数の帯域の信号の信号レベルを調整するレベル調整部とを備えることを特徴とする発着呼規制装置。
【請求項2】
前記周波数変換部は、
前記アンテナが受信した複数の帯域の信号を帯域ごとに分離する第1のデュプレクサと、
前記分離された複数の帯域の信号を、当該帯域とは異なる帯域の信号に変換する信号変換部と、
前記信号変換部で変換された帯域の信号を合成する第2のデュプレクサとを備える、請求項1に記載の発着呼規制装置。
【請求項3】
前記レベル調整部は、前記第1のアンテナが受信した無線基地局からの信号の受信電力と、前記第2のアンテナが送信する信号の送信電力とが実質的に同じレベルになるように、前記第2のアンテナが送信する信号の送信電力を制御する、請求項1又は2に記載の発着呼規制装置。
【請求項4】
複数の帯域の信号の何れかで待受けを行う移動機による所定空間内での発着呼を規制する発着呼規制方法であって、
無線基地局から送信される複数の帯域の信号を所定空間外に設置される第1のアンテナによって受信し、
前記受信された複数の帯域の信号のそれぞれを、前記複数の帯域の何れかであって当該帯域とは異なる帯域の信号に変換し、
前記変換された信号を第2のアンテナから送信し、該送信する信号の信号レベルを、前記所定空間内において、前記第2のアンテナから送信する信号が前記移動機で受信される際の信号電力が、前記無線基地局から送信された信号が前記移動機で受信される際の信号電力よりも大きくなるように設定する
ことを特徴とする発着呼規制方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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