説明

発酵微生物資材(KS‐23菌)による凍結融解システム

【課題】発酵微生物資材(KS−23菌)をベースとして菌をマイクロカプセル化し、さらにその周囲を鉱物資材[遠赤外線照射などの効果を有する鉱物をドロマイト及びドロマイトから合成したCMAを基材として混ぜマイクロカプセルしたもの]で二重のマイクロカプセルとして包摂し、道路等の凍結融解をスピ‐デ‐に解決する止材、或いは、アスファルト道路舗装のアスファルト乳剤等の材料に発酵微生物資材をセラミックス混入し、凍結融解とアスファルトの耐久性を向上させる資材を提供する。
【解決手段】光合成独立栄養細菌などの菌から発熱作用を促進するように[KS−23菌]を、基質及びマイクロカプセル皮膜を、岩盤浴などに使用される鉱物のうちで遠赤外線照射効果と輻射熱など熱に関係する鉱物としてドロマイトを選択した。また、ドロマイトから融雪剤として知られるCMAを合成し、ドロマイト基材の代わりに使用しより早い凍結融解を促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、道路等における凍結現場に凍結融解及び雪の融雪をシステム的に除去する方法に係るものある。
【0002】
背景技術
寒冷地においては道路の凍結は交通事故の要因にもなりえることから非常に大きな問題であるが、その対策として道路にロードヒータを埋設するなどで、イニシヤルコスト及びランニングコストに大きな投資も必要になる。また、雪の融雪剤の代表的な物質である塩化カルシウム剤を散布することにより、塩化物イオンがナトリウムと反応を起こして塩化ナトリウムに変化することにより鉄筋コンクリート構造物に数々の影響を及ぼすことが知られている。また、塩害を発生しにくい酢酸カルシウムマグネシウムも最近は多用されるが、根本的な凍結融解処理には対応が不可である。新しい凍結融解を抑制する素材と凍結融解を行い環境にも負荷のかかりにくい開発技術が待たれる。
【0003】
発明が解決する課題
本発明は上記に記載した実状に鑑みてなされるもので、乳酸菌、光合成独立栄養細菌、各種嫌気/好気性細菌を発酵培養させた発酵微生物培養液(KS‐23菌)をより効果的に構成することを目的として詳細な検討を行い、特殊加工し、さらにマイクロカプセルに加工処理したものと、鉱物資源のうち、SGE鉱石(別名称:天降石,ミロク石)、トルマリン(別名称:電気石)、ブラックシリカ(別名称:神天石)、原陽石。光窯石等の遠赤外線と共鳴振動・熱伝導率・抗菌性を併せ持ち、高い安全性を有するこれらの鉱物粉体加工品をベースとなるドロマイト(焼成ドロマイト化し、さらに微細加工したもの)に混練し無極性油に分散させマイクロカプセル化してものを包摂した二重のマイクロカプセルを凍結融解に実施する場所に散布または、液体である発酵微生物培養液に懸濁させることにより好気性菌による70℃以上の熱を長時間得られることを実証した。さらに、機能性鉱物資材からも熱とそれらの熱の伝導性の向上及び遠赤外線照射効果により増幅することが実証されたが、課題として岩盤浴のような効果をえられる素材の開発を詳細に検討した。また、鉱物の基材(母材)であるドロマイトからは、酢酸の二−ダ混合反応にて酢酸カルシウムマグネシウム塩(CMA)を合成し、、新に、このCMAを鉱物の基材(母材)に転用することにより雪の融雪効果における対策に使用することが可能であるが、より長期的に凍結融解が継続することの実証を詳細に検討した。他方道路であるアスファルト舗道の創設に鑑みては、アスファルト乳剤に発酵微生物資材及び鉱物資材を合理的に配合して粘土に混練しさらに発酵熟成後に還元焼成を行いセラミツクスを合成後、平均粒計を1μ以内に微細加工したセラミツクスを土壌/砂/石/によるアスファルト合材に添加し圧延を行ない道路舗装後に最終工程の水での洗浄に発酵微生物資材を鉱物資材(希釈水は鉱物資材にて浸漬した水)にて行うことにより凍結融解を抑制する道路を得ることが、可能である。この場合には、小型発酵微生物培養装置を現場に設置し必要な量の微生物希釈液をえることが可能であるが温度及び構成する菌のより詳細な検討を行った。凍結融解を現場及び道路舗装の2面から鑑みて本発明はいかなる場所における凍結融解問題に対処できることが可能であることを実証する試験を詳細に検討した。
【0004】
発酵微生物を構成する光合成独立栄養細菌の種類
光合成菌グループ

及びPhodopseudonas palustris ATCC 17001,Rhodobacter sphaeroides ATCC 17023;を選択した。
【0005】
課題を解決するための手段
本発明に係る凍結融解を促進する微生物として発酵微生物資材(KS‐23菌)である培養液を基本技術として使用しているが、微生物としては、堆肥等は嫌気性菌による嫌気発酵で分解される。そこで空気を遮断するため、穴を掘るとかして、そこに魚かす、刈った雑草などを詰め込む。ここに土着菌を植え付け、さらに空気を遮断するため、その上から水を注ぎ、水気を含ませるその後、上部を空気から遮断するため、ビニールシートを被せ数日間放置する。するとだんだん嫌気発酵が始まり、発熱して数日間、高熱が続く。高熱が続く事で、骨などの固いものもバラバラに分解される。本発酵微生物資材(KS23‐菌)ではこのような嫌気性微生物を脱酸素処理し、マイクロカプセル加工したものであり有機物質と接触することにより発熱を長期的に得る事が可能である。また、土壌微生物として、光合成細菌には特に重要な菌として選択をした。通常、光合成細菌は湖沼、海洋、下水、河川などの微生物として、水中の嫌気層に分布し、酸素非発生型の光合成を行って生育している。生育に硫黄が必要なものや紅色、緑色のものなどがあり、紅色非硫黄細菌、紅色硫黄細菌、緑色硫黄細菌、糸状緑色硫黄細菌の4科に分類される。光合成細菌は土壌などが受ける光と熱をエネルギ‐とし、CO2を炭素源、H2Sや各種有機物を水素供与体として光合成を行う。光合成細菌は土壌改良に利用される他、嫌気的環境では家畜糞尿処理、各種食品工場の廃水処理に用いられている。本研究では、微生物の起電力を分子レベルの系において効果的に効果をしめす研究報告が、特開2000−133327(微生物を利用した発電方法および装置)等に記載されている。また、微生物を使用した発電についての論文も多く存在している。起電力は凍結融解を促進する特殊鉱物のエネルギ−としての効果を期待するものである。
【0006】
本発明に係る発熱物質として岩盤浴のような効果をえられる素材の開発を詳細に検討した。自然界のすべての物体は、成長エネルギ‐ともいうべき微弱な放射線を放出しており、その約9割はウラン系、トリウム系の放射線といわれる。 これに対して、SGEストーンは、カリウム系の放射性同位体である「40K」が、生体に良いとされるエネルギ‐を放射しており、その値は8.1×10−1q/gと一般に知られている石と比較してかなり高い部類に属しているのが大きな特長である。 さらに、もうひとつの大きな特長としては、高遠赤外線放射体である点があげられる。4.0〜24μm波長域の遠赤外線放射率は平均で95%と極めて高い放射率を持っている。
また、トルマリンはトルマリンを含んだ寝具などを使ってみると、ほんのりと温かく感じられることが知られている。これはトルマリンから(遠)赤外線が放出されているためと推察される。トルマリンのこうした性質は、冬場に雪の多い地方での融雪システムにも利用されている。しかし、凍結融解を解決することは不可能であった。その他の鉱物としてブラックシリカ及び原陽石については、遠赤外線の照射が高い性質を保持することから、SEGストーン及びトルマリン等と混合することにより、暑たかい温度の発性と照射効果を維持することが可能になり、凍結融解に効果を期待できる素材として使用可能になった。さらに光窯石も上記と同様な遠赤外線の照射効果も期待されるが、熱伝導性も高く岩盤浴などにも使用されている。上記に記載した、各種鉱物は比較的に体温での温度の発生を期待されるが、混合することにより高い温度を得る事が期待できるものである。また、基材[母材]としてドロマイトを使用するがその理由は1:特殊鉱物を広範囲に散布して使用することから、基材としてアスファルト材と混合しても問題を生じないこと。2:特開2001−98256及び特開平11−5969や特開平8−269438など多くの融雪剤としての出発物質としてのドロマイトが存在する。本発明ではドロマイトから酢酸カリウムマグネシウム(CMA)を合成してより凍結融解の性質を寄与した基材(母材)に数々の機能性を保持した鉱物質粉体をこの基材に分散することにより効果的な凍結融解を期待できることが明らかされた。基本的合成ルートは上記に記載した特開平11−5969及び同8−269438の内容と同様であるが、あくまでも、発酵微生物(嫌気性微生物発熱対応マイクロカプセル)を包摂する特殊鉱物(遠赤外線照射、熱伝導性向上)マイクロカプセルの基材であり、焼成ドロマイト粉体を基材にして素材の開発を行なうことが可能である。
【0007】
上記の鉱石は粉砕加工されているので、焼成したドロマイト(母材)に適量加えて熱発生及び熱伝導を促進させることができる。しかし、ドロマイトから簡単な合成により融雪剤の開発が可能であり、研究では以下の合成も行ないそれ自体が融雪または凍結融解促進物質である性質を保持した母材に加工を行なう。従来融雪剤としては食塩,塩化カルシウム,尿素等があるが、食塩,塩化カルシウムは錆を発生させたり、植物の生育阻害を起こしたりする。尿素はその様な欠点はないが、窒素が有るので富栄養化をもたらす。ドロマイトより製造する融雪剤は上記の欠点はないが、製造が困難であった。このため天然の軽焼ドロマイトMg(OH)より製造する酢酸カルシウムマグネシウム塩(CMA)よりなる融雪剤は本研究の中心ではないが行なう。軽焼ドロマイトの微粉末と酢酸とのニーダー混合反応で得られる酢酸カルシウムマグネシウム塩(CMA)を造粒機で造粒した遅効性の融雪剤は遅効性がある。従ってこの融雪剤に水酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウム(MA)より製造した速効性のある融雪剤を5%乃至40%配合した融雪剤、遅効性と速効性の両方を兼備え、効果的である。これは、恐らく従来から存在する方法とも思われるが、凍結融解におけるシステムの構成部位となりえるものと推察した。以下にドロマイトから合成したCMAの化学式を示した。
(MgNa(CHCOO)):CMA
【0008】
本発明に係る凍結融解の分解物質は、嫌気性微生物群、通性嫌気性微生物群、光合成独立栄養細菌にて構成された(KS‐23菌)(発酵微生物)をベースに有機基質として糖類、タンパク質、ビタミングループ、複合栄養基質[糖質、アミノ酸、ポリペプチド、複合ビタミン、脂質]を配合して製造した
マイクロカプセルである。このマイクロカプセルは、上記の微生物+各種基質の混合物を凍結融解し可能な限り、脱酸素化またはNガスにより置換を行い可能な限り酸素量を低減させたものをマイクロカプセルに加工したものである。無極性の油に溶解させモノマ−等の樹脂をいれ高速回転下にてマイクロカプセルに加工をすることは可能である。本特許では、可能な数々のマイクロカプセルを検討したが、以下の方法も微生物資材を含むマイクロカプセルには最適な方法と示唆している。すなわち、1.6−ヘキサメチレソジアミン1.329,炭酸水素ナトリウム0,329,炭酸ナトリウム1.329を含む水溶液20mlに少最の活性炭を加えて自然口過し,この水溶液2.5mlに根粒菌と滅菌水を加えて3.0ml(菌濃度1,・8×1012〜v18個/ml)とした。これを氷冷下に保存し1液とした。シクロヘキサソ20.0mlとクロロホルム「0.57mlを混含し,氷冷下に保存し,重合直前にセバシン酸クロライド0.1ml加え,これを1液とした。ゆっくり撹絆しながら皿液に工液を滴下し,10分間放置して根粒菌包含ナイロン6・10マイクロカプセルを得た。その後,過剰の有機溶媒を除去しTween 20の50%水溶液を加えて2分間撹絆し,さらに滅菌水を50ml加えて2分間才畳搾した。過剰の溶液を除虫し数回滅菌水で洗浄して有機溶媒を除いた。さらに有機溶剤は飛ばしてスラリ状のマイクロカプセルを試作した。試験】:マイクロカプセル中の細菌は対応する培地すなわち、普通寒天培地、ツアペツクドック培地、光合成独立栄養細菌培地(集積培養と分離培養)を行い、不明な場合には16sRNA分析を行ない光合成独立栄養細菌を明確にする。また、菌数についてはOD法(分光光度計)や希釈法を使用する。
【0009】
本発明に係る凍結融解を促進する発酵培養液は本システムにおける基本的な物質であるが、以下に製造方法を述べる。
本発明における発酵微生物液(KS−23菌)は乳酸菌や光合成独立栄養細菌などを主体として培養した発酵微生物である。乳酸菌グループとしてLeuconostoc、mesenteroides Pediococcus、damnosus Streptococcus、thermophilus Streptococcus pyogenes 絶対的ホモ発酵型グループの代表的なものはLactobacillus delbruekii subsp.delbruekii、Lactobacillus delbruekii subsp.bulgaricus、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus acidophilusなどを選択。条件的ヘテロ発酵型グループの代表的なものはLactobacillus plantarum、Lactobacillus casei group、Lactobacillus curvatusを選択する。
また、光合成菌[光合成独立栄養細菌]として以下の菌種を選択した。

及びPhodopseudonas palustris ATCC 17001,Rhodobacter sphaeroides ATCC 17023;を選択している。また、光合成独立栄養細菌の培養にはビタミングループ、アミノ酸等の基質を要求する菌種が多く培養に関する基質の選択を十分に検討した。
また、糸状菌の選択は糸状菌に属するものとして、Aspergillus oryzae、Mucorhiemlis IFO 8567などを選択をした。酵母については、Sacchromyces cerevisiae 及びSacchromyces elipsoideusを選択し使用する。また、放線菌に突いてはstreptomycesalbusATCC3004,Streptomyces griseus IFO 0619などの菌種を選択した。その他として、Bacillus属に該当する菌種とpseudomonas属の選択を行なった。発酵に必要な菌として麹を2種類の選択をした。
【0010】
本発明に係る発酵微生物資材(KS‐23菌)は、次のように製造する。
(1) 培養液として精製水またはミネラルウオータ‐(いずれも除菌処理)に糖蜜(奄美産)に50wt/%にて希釈する。なお、希釈する水は、基本的にドロマイト岩石[北海道産]並びにトルマリン、等粉砕した岩石に2日浸漬し各種ミネラルを溶出させ水質を改善した。(2)米鞘(または米鞘を焼成した燻炭)は10kgを容器に投入し、テゴ−51等の殺菌剤にて殺菌処理を施す。(3)凍結乾燥処理をされた各種菌を規定に従い戻し培養ビンやパスツールフラスコ等により既定培養を行なう。(4)光合成独立栄養細菌は、光合成培養用液体培地にて1000lux〜2000luxの照射条件にて培養を行なう。最終的な発酵培養では、上記の鉱物質ミナラルを含む糖蜜液にて以下の条件にて培養を行う。
【0011】
本発明に係る発酵微生物資材(KS‐23菌)は、上記(1)に記載した基本的培養液に各種培養した細菌を10〜10の濃度になるように滴下し培養を行なう。培養する際には好気/嫌気培養を繰返し培養することにより菌の生育条件に的確に培養を行なう。この培養は最終的にはP3.5にて停止する。この段階では、多くの菌はリステング状態になり製品としては安定をする。
【0012】
光合成独立栄養細菌の培養では[0011]に投入する前には、星野培地(旧東京都立大学名誉教授)などにて、培養を行いPhodopseudonas palustris ATCC 17001,Rhodobacter sphaeroides ATCC 17023等の基本的な菌種のカロテン及びバクテリオクロロフイルの存在が明確になるように、1000〜2000luxの光線照射下にて培養を行う。また、嫌気性を好む性質の光合成独立栄養細菌では、デシケータ内にドライアイスを入れ酸素を炭酸ガスに置換して的温にて培養を行い可能な限り菌の増殖を促進する。なお、この種の菌は、糖蜜を主体とされる培養系では、増殖を停止すると示唆される。そこで、ゼラチン質及び、生分解性樹脂系物質にて包摂を行い、スクラッチタイプマイクロカプセル加工(接触により皮膜が破壊されるマイクロカプセル)を行い、光合成独立栄養細菌を保護する配慮を施す。ちなみに、光合成独立栄養細菌では、水質浄化などにて多くの製品が存在するが、菌の存在は継体培養を繰り返し行なう集積培養によりその存在を確認することが可能であった。
【0013】
本特許に係る凍結融解システムでは、アスファルト骨材(細骨材、租骨材)及びコンクリート骨材及びセメント等の材料との整合性を鑑みてSi(シリカ質)を発酵微生物資材(KS‐23菌)により米籾殻より抽出し、各種材料の強化を促進するものである。すなわち、米籾殻を発酵微生物培養液にて培養を行い、有機質を分解し無機質が存在することを利用してものである。コンクリートのポゾラン反応や粉体効果では、米鞘の燻炭の灰をコンクリートに適量配合することにより強度が増加することは数々の研究報告[加圧流動床灰のポゾラン反応とコンクリート強度に関する研究−中下 明文 田中 雅章 野田 翼 他 ダムコンクリートにおけるフライアッシュのポゾラン反応率の考察−小早川 真 大森 啓至 佐藤 道生 他 配合,養生温度がフライアッシュのポゾラン反応率に及ぼす影響−小早川 真 小津 博 羽原 俊祐 他]により明らかでああるが、開発途上国以外では、あくまでも研究として促進が進んでいるが、現実的には使用されていないのが現状である。本特許ではこのような素材を使用して凍結融解によりコンクリートの強度の増加発現とクラック低減およびアスファルトの耐久性の向上にも使用が可能である発酵微生物を使用した凍結融解システムである。
【0014】
米籾殻を洗浄し、テゴ51など抗菌スペクトルの広範囲な殺菌剤等にて処理後、メノウ研磨などにて詳細に粉砕した米籾殻を発酵微生物資材(KS−23菌)にて培養するが、希釈倍率10倍にて発酵資材を調整し、粉体加工された、米籾殻をコロイド膜などに入れおよそ10日培養し、適切なフイルタ−により精製したものを凍結融解に使用する。また、米籾殻の薫炭の灰を同様に処理することにより、阻害物質が除去され高性能なSi含有された発酵微生物培養液をえることが可能である。
【0015】
本特許に係る凍結融解除去システムでは、この起電力や鉱物質素材からの遠赤外線照射、電子伝達、電子供与等の作用と培養菌体との相乗効果が期待される。また、CMAは、融雪剤/凍結融解剤としての機能性のある物質をコアとした鉱物質マイクロカプセルと発酵微生物資材を包摂したマクロカプセルでは、雪の融解もより早く作用することが示唆される。また、広義での凍結融解であるコンクリート構造物にもいても試験を行うことを想定している。道路にも一部コンクリートが使用されていることから大いに期待できると思われる。
【0016】
本特許では、微生物利用技術だけではなく、鉱物や合成化学を総合的に駆使したシステム的に構築をした凍結融解システムである。ただし、微生物が関連する凍結融解の技術論文が見当たらないので参考論文を以下に示した。
参考論文:道路における凍結融解材料、平成14年、第18回寒地技術
シンポジウム(社)北海道開発センタ VOL18P629−636:佐藤信幸他
【0017】
本特許に係る特結融解除去システムでは、アスファルト舗装道路の造成においては、発酵微生物混入セラミックスを使用するが、発酵微生物液(KS‐23菌)を粘土に混合させ、およそ30日程度の長期発酵にてセラミックスにマトリックス状に膜が形成されるが、この膜は素材の耐久性や強度の向上に影響をする。還元焼成にて焼成後、メノウにて研磨し、平均粒度を1μに加工を行なう。このような粒度のセラミックスをアスファルト乳剤に添加することにより、粉体効果もあり強度は向上することが確認される。また、北海道の道路舗装会社にてアスファルト試験道路を造成し凍結融解における実証試験を行い、明らかにコントロールとの比較において凍結融解が促進することを目視にて確認した。
【0018】
また、本発明に係る凍結融解システムを構成する発酵微生物資材(KS‐23‐菌)含有セラミックスは、酸化カルシウム(CaO)や酸化アルミニウム(Al)などのカルシウムアルミネート系化合物が50%以上含まれた粘土に、5%の発酵微生物(KS‐23菌)を加えて混練し、必要に応じて、0.2%の発酵微生物資材(KS‐23‐菌)、0.1%の糖蜜(滅菌処理済み)を加え、800−1300℃の高温で焼成したものである。なお、粘土の種類は特に選択の基準は、ないが、鉄分が多い粘土は不適である。粘土に、は尚、上記粘土は天然あるいは合成粘土のいずれでもよく、天然粘土を使用する場合は、カルシウムアルミネート系化合物を多く含む特定の粘土により、あるいは個々の成分を含む複数の種類の粘土を反応させて化合物を多く含有させるよう処理した粘土を使用すればよい。また、ドロマイトを使用することによりコンクリート及びアスファルト合材の性質を改善が期待できる。
【0019】
本発明に係わる凍結融解システムを構成するドロマイトから融雪剤における合成では特開平11−5969号公報には、遅効性(持続性)と速効性の両方を兼ね備えた融雪剤として、酢酸カルシウムマグネシウムに酢酸マグネシウム(以下、MAと称する場合がある)を5〜40%配合した組成物が開示されている。しかし、この文献では、軽焼ドロマイトを焼成して微粉末とし、この微粉末と酢酸とをニーダで混合反応し、造粒することによりCMAを製造し、一方、水酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウムを焼成して微粉末とし、この微粉末と酢酸とをニーダーで混合反応し、造粒することによりMAを製造しており、このようにして得られたCMAとMAとを配合することにより融雪剤を得ている。また、酸化カルシウムや酸化マグネシウムを軽焼ドロマイトと酢酸との反応に添加できることが記載されているが、マグネシウムは反応が遅い。さらに、実際に道路に凍結防止剤を散布する場合には、その地域性、気象条件、散布時期(凍結前の散布、凍結後の散布など)に合わせて、速攻性と持続性とのバランスを調整する必要がある。また、ドロマイトから融雪剤の開発についての論文は以下に示した。
文献(1)Ice Melter with CMA againist Chloride Ice Melters.
http//www.actiontree.com/ice_melter.html
文献(2)Production of Calcium Magnesium Acetate from Dilute Aqueous Solutions of Acetic Acid
http://www.iwr.uni−heidelberg.de/〜Daniel.Leineweber/mscthesis.html
文献(2)Calcined calcium magnesium acetate as a superior SO2 sorbent.
http://www3.interscience.wiley.com/cgi−bin/abstract/108066001/ABSTRACT
【0020】
すなわち、本発明の凍結防止剤は、温度−5℃で、氷60gを凍結防止剤2gで融氷するとき、融氷量(y(g))が融解時間x=0〜60分の範囲で、下記式(I)を充足している。
(−0.0007x+0.13x+0.07)≦y≦(−0.0025x+0.28x+0.62)(I)
【0021】
本発明の凍結防止剤は、温度−5℃で、氷60gを凍結防止剤2gで融氷するとき、初期融氷量(融解時間x=0〜60分の間の融氷量)(y(g))が、下記式(I)を充足している。
(−0.0007x+0.13x+0.07)≦y≦(−0.0025x+0.28x+0.62)(I)
【0022】
記凍結防止剤は、アルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物と、ドロマイトとの混合物に、酢酸を反応させることによって得ることができる。また、第1の塩成分、式(I)の特性を有するような材料をえることができる。
【0023】
本発明に係る凍結融解システムにおける調査
試験道路を創設して積雪の状況及凍結状況を鑑みて発酵微生物資材(KS‐23菌)使用の各種資材を使用して凍結融解の状況を詳細に調査した。
【0024】
培養液はマイクロカプセル化の加工を行いスラリ‐状にすることにより、北海道の様な極寒地においても嫌気的発酵を促進して、高温を出すので、雪の融解を促進することができる。また、水に含有した各種鉱物質にはそれぞれが触媒的作用あり凍結融解を促進する。必要に応じて、微生物培養液(又は、さらに長期培養した発酵微生物資材)自体をマイクロカプセルに加工してその周りを無機素材(鉱物パウダ‐抽出液または焼成粉体抽出液)のマイクロカプセルにて包摂して現場にて早期に好気性発酵させた微生物が接触する前に鉱物質を含むカプセルが破壊され遠赤外線の照射、熱伝導性の改善が促進され、その後好気微生物カプセルが破壊され、好気培養された微生物が酸素を含む空気と触れることにより高熱が発生し雪を融解する。また、必要に応じて、ドロマイトをリード化合物として合成した凍結融解/融雪剤:CMCを併用または単独にて使用することができる。実際の現場にては、ドロマイトをリード化合物として合成した融雪剤を発酵微生物溶液1000倍溶液(基準)に5%WCを添加しても安価で、スピ‐デ‐な凍結融解を期待することが可能であるが、凍結状況が大変に悪いケースではマイクロカプセル凍結融解剤を使用することにより凍結融解が促進する。また、大規模凍結融解現場ではスラリ‐状のマイクロカプセル凍結融解剤を散布し、培養液の発酵微生物を市販の小型全自動培養装置にて1000倍にて希釈し散布を自動的に行なうことが可能である。なお、最終的には数々の組み合わせにより各種現場における仕様を検討する。
【0025】
本発酵微生物資材(KS‐23菌)に係る凍結融解では塩害促進を抑制する。海水(海水(塩素イオン濃度:1.8%)に発酵微生物資材を添加した溶液中における鉄の重量変化を示した物である。海水中の試料は、錆によって重量減少が大きく、劣化が激しい事を示している。一方、同資材を添加した場合には、見た目での赤錆等の発生もほとんど無く、重量の変化においても発酵微生物資材(KS‐23菌)のみは変化が少ない事が分った。これらの結果は発酵微生物資材のミネラル等の成分や有機金属錯体による物と考えられる。水溶液に30目間浸漬した鉄片の鉱物顕微鏡で観察したものである。この試験方法は目本防錆協会で定められた手法で行った。(a)は食塩水の場合であり、錆により表面が腐食し削り取られたため、凹凸が多く見られる。(b)は、発酵微生物資材の場合であり、表面には錆はなく、僅かにミネラルの成分がある。同様に、5年以上浸漬した鉄片の表面にも錆は生成しないことを確認している。鉱物顕微鏡では、錆が大きな山を形成するような画像であるが、資材にて処理をしたものは錆を見ることがなく表面は平滑な状態である。(鉄の塩化物イオン下による防錆効果)
【0026】
本発酵微生物資材(KS‐23菌)に係る金属面の観察の結果である。発酵微生物資材の混入した塩化物イオン(C1一:NaC1)含有中性化促進コンクリート内の、鉄板であるが鎖の形成は認められない。コントロール区では、腐食が相当に進行しているが、まだ鉄は存在している。赤色のアカネサイトを中心とした錆である。このように、凍結融解においても塩化ナトリウムによる錆の発生を抑制する。
【0027】
光合成独立栄養細菌には他の微生物(細菌、真菌)とは異なるのは植物が光合成に使用するクロロフィルに近いバクテリオクロロフィル(a.b,C)を持つことである。太陽光のUVB波長、UBA波長などにより分子の基底状態から励起状態に変化させることによりエネルギ−生産回路に必要な電子を供与する作用がある。クロロフィルの機能は光エネルギーによる分子エネルギ−の励起が起源であるとされている。また、クロロフィルは主にスペクトルの可視部の吸収帯を持つことが知られている。バクテリアクロロフィルaなどは反応中心クロロフィルに励起エネルギ−を送り込む集光色素として機能していると考えられている。Rhodosprillum属光合成菌にはチトクロームP450と酸化型ユビキノン、還元型ユビキノンとの間にて電子の供与または電子伝達に関連する作用が明確になっている。すなわち、チトクロームP450をエレクトリックドナ―と考えた場合、ユビキノンとの電子の供与、授与に発生する電子の流れの場合に生じる電力を起電力とする。
微生物系による有機塩素系農薬の分解に関する研究では、酵素を主とした研究が中心となっているが、酵素系を除去した場合にも有機塩素系農薬等が分解されていることが確認された。その結果、本作用は代謝ではなく菌体内に含有されているチトクロームP450が注目されている。以上のことから、光合成菌の起電力による難分解物質である有機塩素系物質の塩素の解離は十分にありえることであると考えられる。
【0028】
本発酵微生物資材(KS‐23菌)に係る光合成菌が光エネルギ‐に変わって環境中のフリーラジカルをエネルギ‐源にするため、強烈な酸化エネルギ‐をもつ有機塩素系物質を分解し資化することも示唆された。また、微生物相が多様化し、シュ‐ドモナスや好気性胞子形成細菌が増加することも確認された。
これらの中には低塩素化の化学物質を分解する種が存在することが報告されており発酵微生物の分解菌が増加する可能性が示唆された本研究では分解実験に際し、これまで明らかとなっている結果と比較すると決して高い分解率ではない。しかし、本資材である発酵微生物資材(KS23‐菌)及びその複合物質を用いることで20〜25%も分解が促進されることは明らかとなった。
【0029】
本発酵微生物資材(KS‐23菌)ではラジカル(不対電子)を捕捉して安定化する抗酸化物質は2番目の防御ラインとして作用する。生体内で生成したり外から取込まれたラジカル標的分子を攻撃する前に捕捉して連鎖反応を抑制する、及び脂肪などの連鎖反応を続けているペルオキシラジカルを捕捉して連鎖成長反応を絶つことが、抗酸化の役割である。その活性は抗酸化物質の化学構造相関により決定するとされている。ラジカルに対する化学的反応、ラジカルを捕捉したときに抗酸化物質から生成するラジカルの安定性と挙動などにより作用の強弱の違いが発生する。
【0030】
本発酵微生物資材(KS‐23菌)10倍希釈液並びに超純水及び源液による発酵微生物資材〔KS‐23菌〕のNMRスペクトラルデータの計測を行った。その結果、それぞれの試料に対するスペクトル半値幅は発酵微生物資材71.8Hz、πウオータでは95.8Hz、超純水では69Hzという値が得られた。このことから、構成水のクラスタ‐構造は小さいと考察される。〔菌体を除去した抽出液〕
【0031】
本特許である発酵微生物による凍結融解システムに係る素材であるCMAを鉱物資材の基材(母材)として選択したドロマイトから酢酸のニ‐ダ混合合成反応によりCMAを合成し、鉱物質の基材として選択したドロマイトに代わり使用する。また、ドロマイト自体も基材として使用も行う。
CMAの製造は、Ca(OH)およびMg(OH)を酢酸水溶液に加える中和反応を利用して行なわれる。
原料としては、軽焼ドロマイトや、これを消化して反応性をコントロールしたものが安価であるが、多くのドロマイトはCa/Mgの比が上記3/7よりもCaリッチであるから、別のマグネシウム源からのMgOまたはMg(OH)を補充したものが使用されている。
【0032】
一方、酢酸カリウム(以下、「PA」と略す)も凍結防止剤として使用されている。単位重量あたりの融解熱はアルカリ金属酢酸塩の方がアルカリ土類金属酢酸塩より高いから、PAはより高性能の凍結防止剤ということができるが、価格も高いため、特殊な施設その他の限られた分野でしか使用されていない。
【0033】
本発明の凍結防止剤粒子の製造方法は、軽焼ドロマイトを消化して得たCa(OH)とMg(OH)の混合物に、CHCOOKおよび上記水酸化物にほぼ当量のCHCOOHを溶解した水溶液を加え、撹拌して反応させることにより三元複塩を生成させ(CA−MA−PA三元複塩は、式CaMg(CHCOO)17であらわされる): この三元複塩を含むペースト状物を乾燥固化し、固化物を得る事ができる。
【0034】
凍結防止剤としてCMAとPAを比較したとき、CMAは氷点降下が大きく遅効性であるから狭義の凍結防止に有効であるのに対し、PAは融解熱が大きく速効性であって、融氷効果が高いという違いがある。
【0035】
本発明により、CA・MA・PA三元系複塩及び近辺の組成を有する塩混合物が提供された。それらの組成物は凍結防止剤として従来のCMAより効果に持続性がある。本発明の凍結防止剤は、炭素鋼およびアルミニウムに対して実質上腐食性を示さないから、道路や橋梁に散布した場合、走行する自動車の部品や付近の諸施設に対して腐食を起す心配がほとんどない。
【0036】
本資材の発明ではリード化合物をドロマイトから行いCMAのような融雪剤を合成しさらに上記の物質も得られる。基本的には、生成量からドロマイトに変わる基材はCMAのする。
【0037】
本発明の凍結防止剤の製造方法は、常用の反応装置で実施することができ、用途に応じて球状の粒でもその他の形状でも提供することができる。カルシウムおよびマグネシウム源として廉価な原料であるドロマイトを使用し、マグネシウムを別の資源から補充する必要がないから、コストが安い。
【0038】
実施例1
アスファルト乳剤1kgに5%の本発酵微生物資材(KS−23菌)を混練し、合材に圧延した材料[10Cm×10cm板状]を−15度の凍結装置に入れ凍結を行い、無添加区の基準供試体と比較を行い材料の凍結融解の時間と目視による観察を行い、本発酵微生物資材を混練した材料は凍結融解する時間がおよそ47分早く凍結解除された。
【0039】
実施例2
凍結融解塩権の実証試験としてアスファルト舗道(試験用道路)を10m造り、雪が積もる状況を観察を行い評価を行う。舗装には盛土の際に本発酵微生物資材(KS23−菌)の1000倍希釈液を散布させた。
また、アスファルト乳剤には、本発酵微生物資材混練セラミツクスパウダ−(7μ平均粒度)を5%wt/%添加した。
土壌を圧延し、砂を散布し圧延後に、アスファルト乳剤を散布し、上面からアスファルト合材を圧延転着して舗装を行なった。できた、アスファルト舗装道路に積雪が開始され1日経過における周囲の雪の状況と試験舗装道路との比較を検討した。曇り状態から晴れた状態における雪の状況は大幅に改善をされた。すなわち、日光が照射されると凍結融解の速度が非常に速まり周囲の雪の状況と比較するとほとんど積雪がない状況まで促進した。また、曇り状態においては、凍結融解のスピードは遅くなる傾向が確認されるが、凍結融解は促進され積雪から2時間の調査においては初期の30分で雪が積雪される傾向にあるが、40後には雪の量は低下する傾向が確認された。また、舗道の温度の連続計測では周囲との温度差はおよそ3℃〜7℃と幅があることも確認された。また、舗装終了後に発酵微生物資材を1000倍希釈液を散布すると融解速度が速まる傾向も確認された。
【0040】
実施例3
フラス脆化点の計測を行い、本発酵資材セラミックスを添加した資材の方がより耐久性が改善された。
これは、粉体を添加した際の粉体効果も期待されるが、それ以外の効果も期待されている。
【0041】
実試例4
本発酵微生物資材(KS‐23菌)と本発酵微生物資材添加セラミックスを使用することにより、セラミックスのもつ遠赤外線作用以外に比熱作用によっても燃焼効果を向上させることができる。また、セラミックスの原料
にいれた各種鉱物である、トルマリン等にも遠赤外線照射効果が期待できる。熱容量とは、1℃温度を上げた時のその物質のエネルギ‐増加分に該当し、比熱は1gあたりの熱容量(cal/g・℃)であるから、セラミックス素材の比熱が小さいほど同じ熱量で早く温度を上げることができる。例えば、Auは0〜100℃で0.0311cal/g・℃であるが、粘土では0.224cal/g・℃である。熱的性質の基礎となるものは、固体を構成している原子、イオンそして電子の熱運動である。すなわち、固体の有する内部エネルギ‐は、原子が平均の格子位置のまわりで振動するエネルギ‐と自由電子の運動エネルギ‐に大別される。そして、固体が加熱され熱を吸収すると、温度の上昇とともに、上記の振動エネルギ‐と運動エネルギ‐のいずれかの内部エネルギ‐が増大し、特徴ある熱的性質を示す。本発酵微生物資材による凍結融解システムでは、菌の発酵熱以外に上記セラミックスも発熱効果が期待される。これらの使用エネルギ‐は他のエネルギ‐と異なりイニシヤルコストはほとんど0である。
【0042】
実試例5
本発明に係る発酵微生物資材(KS−23菌)では嫌気性発熱菌群及び微好気性細菌グループを使用することができる。本発明の発酵微生物(KS−23菌)における細菌は、土壌中10℃以下の温度でも増殖し、一定量以上の発酵熱を発生する細菌であれば特に制限はないが、pseudomonas属に属する細菌が好ましく、又はその同属種が特に好ましいと思われる。このような細菌を用いると、水分含量が多く、内部に酸素濃度が低い有機性廃棄物に対しても、より優れた発酵促進効果を発揮するからである。
【0043】
実施例6
以下の実施例において、凍結防止剤の性能は以下のように試験した。
(凝固点)試料を1%,5%,10%,15%または20%の濃度で溶解した溶液を用意し、各10mlを試験管に入れてドライアイスで冷却することにより完全に凍らせる。室温に放置し、融解が始まったならば温度計で撹拌しながら観察し、氷が完全に溶けたときの温度をもって凝固点とする。その結果、本発明の発酵微生物[KS23−菌]マイクロカプセルを包摂した鉱物資材マイクロカプセルの方が凍結融解に対する効果が期待できる。以下発酵微生物(KS−23菌)マイクロカプセル加工資材とする。
【0044】
実施例7
(融氷能力)500mlのガラス製ビーカーに水500mlを入れ、−5℃または−10℃に冷却して凍結させた後、試料の10gを氷上に散布し、−5℃の雰囲気中に放置して、10分,20分,30分,60分,120分および180分後の融氷量を測定する。本発明の発酵微生物(KS‐23菌)マイクロカプセル加工資材による凍凍結防止剤はCMAにくらべて長時間経過後の融氷量が増大し、効果が持続的であることがわかる。
【0045】
実施例8
(凍結防止能力)試料は15gを水100gに溶解し、溶液20gをシャーレに入れて低温の恒温槽中に置き、−5℃,−10℃または−15℃に放置して、10分、30分、1時間および3時間後に、凍結状況の観察を行った結果、本微生物(KS−23菌)マイクロカプセル加工資材の凍結防止効果が最大であった。
【0046】
産業上の利用可能性
凍結融解については雪や残雪による凍結などにより多くの問題が存在する。しかし、数々の対策もあるが、ランニングコストを含めて高額な費用と労力を必要としている。また、路面凍結などで根本的な対策方法はいまだなく新技術の開発を待たれていた。本開発はアスファルト舗道を含めた道路における凍結融解を促進させることはもとより、アスファルト道路舗装の際にも使用でき長期的な凍結融解を維持できるシステムである。
【0047】
産業上の利用可能性
本特許では、コンクリートの凍結融解にも使用することが可能である。また、コンクリートの耐久性の基本である強度の発現に寄与することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光合成独立栄養細菌を含め好気性細菌、嫌気性微生物を既定の培養を施し、さらに糖蜜(奄美特定)にて複合培養を行った発酵微生物資材[KS−23菌]である。培養に使用する培養水はドロマイト岩石、ブラツクシリカ、トルマリン等の数種類の鉱物を溶出させたものを使用したものである。基質としてアミノ酸ビタミングループを添加して代謝を促進させる。これらの菌を液体又は、特殊な基質と凍結乾燥など固体としてマイクロカプセル加工を行なう。一般的に好気性菌及び嫌気性菌、光合成独立栄養細菌などの性質の異なる菌の混合培養は難しいが、菌固有の培養を施し、安定増殖後に培養するために菌の一部はリステングを行ない個体を維持することが可能である。
【請求項2】
ドロマイト、ブラツクシリカ、トルマリン、SGE鉱石(別名称:天降石,ミロク石)原陽石天寿石、光窯石など遠赤外線照射及び熱伝導率向上機能を有する特殊鉱物の微粉末又は粉砕したものを基材[母材]として選択したドロマイト(焼成ドロマイト)に配合してマイクロカプセルとして加工を行って別に加工した発酵微生物資材(KS‐23菌)を包摂した素材は、凍結融解を持続的に安定した高温を提供し凍結融解を促進することからなる。
【請求項3】
鉱物質基材(母材)として選択をした軽焼ドロマイトの微粉末と酢酸との二‐ダ混合反応で得られる酢酸カルシウムマグネシウム塩(CMA)のみを合成し、本システムに係るドロマイトに変わる基材(母材)とする。
【請求項4】
発酵微生物資材(KS‐23菌)を1%添加したセラミックスはアスファルト道路の舗装の際に凍結融解を促進させる重要な素材であるが、セラミックスの材料として粘土にドロマイト10%、トルマリン5%その他の鉱物は各2%を添加しておよそ30日発酵させたものを800℃〜1300℃にて焼成を行なったものである。この、セラミックスをアスファルト乳剤に5%添加して舗道を造成する。アスファルト合材を転圧した後に発酵微生物資材(KS‐23菌)の1000倍希釈液を散布を行うことにより凍結融解を促進し、舗装道路の耐久性が維持できる。
【請求項5】
現位置における凍結融解処理では、マイクロカプセルに加工した発酵微生物資材(KS‐23菌)をマイクロカセルに加工した鉱物資材で包摂した資材を凍結解除したい場所に散布し、発酵微生物資材(KS23‐菌)をスプレイャ‐等にて散布を行なう。また、現位置の積雪が多い場合には、ドロマイトから合成したCMAを通常の処理前に散布し融雪を促進させた後に通常の処理を行うと効果が相乗的に向上する。
【請求項6】
本特許では、起電力や鉱物質素材からの遠赤外線照射、電子伝達、電子供与等の作用と培養菌体との相乗効果が期待される。また、CMAは、融雪剤/凍結融解剤としての機能性のある物質をコアとした鉱物質マイクロカプセルと発酵微生物資材を包摂したマクロカプセルでは、雪の融解もより早く作用することが示唆される。また、広義でのコンクリート構造物にもいても凍害に応用が可能である。また、コンクリートにドロマイトを基材とした鉱物資材を混練することが可能でありコンクリートのクラツクの低減、コンクリートの凍害抑制効果に期待ができる。また、アスファルトにおける耐久性の向上も期待される。

【公開番号】特開2012−183052(P2012−183052A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63171(P2011−63171)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(391032325)
【出願人】(511072264)
【Fターム(参考)】