説明

発酵茶抽出物を含有する血液循環改善用組成物、発酵茶抽出物を含む薬剤学的組成物及び健康食品組成物

本発明は、酵母を発酵菌株として緑茶に接種し、一定時間発酵させた後に得られた後発酵茶抽出物を有効成分として含有する組成物に関し、優れた嗜好性を有しながらも、血清及び肝のコレステロール及び中性脂肪を減少させ、血管収縮を抑制し、優れた血管弛緩能を有し、血液循環改善に有用であり、このような血液循環改善機能を通じて脳卒中、心筋梗塞症、高血圧、高脂血症、糖尿または肥満のような疾患に効果的な健康食品、医薬
品などで使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵茶抽出物を含有する血液循環改善用組成物、発酵茶抽出物を含む薬剤学的組成物及び健康食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
緑茶に含有された成分としては、ビタミンをはじめとしてカフェイン、タンニン、フラボノイド及び精油などがある(リヨンジュなど、生薬学、東明社、189−190、1981)。緑茶は、伝統的に糖尿、肥満、抗酸化、抗高血圧、抗菌、コレステロール降下及び抗潰瘍作用などを示すものと知られていて、商用茶として日常的に飲用されている。
【0003】
このような緑茶は、大きく非発酵茶と発酵茶とに分けられ、発酵茶は、発酵程度によってて弱発酵茶、半発酵茶、後発酵茶などに区別されることができる。
【0004】
後発酵茶の代表的な例として、中国の普▲ジ▼県から由来したプーアル茶を挙げることができる。プーアル茶は、大葉種の茶木から得られた後発酵茶であって、緑茶葉の酵素を破壊させた後、緑茶葉を堆積し、空気中にある微生物の繁殖を誘導し、さらに発酵が起きるようにした茶を言う。
【0005】
このようなプーアル茶は、血圧を下げ、脂肪を減少させ、動脈硬化を予防すると知られている。しかし、プーアル茶は、大きな塊から葉を分離しなければならないという不便があり、摂取が容易でなく、空気中の落下菌により発酵されるので、かびにおいまたは雑菌においがし、また、病原性微生物が含まれている場合が疑心されることもある。また、初味は、渋い味が強く、苦味もあり、嗜好度が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これより、本発明の目的は、摂取が容易であり、嗜好度に優れていて、血液循環を円滑にする発酵茶抽出物を含む血液循環改善用組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上記発酵茶抽出物を含有する薬剤学的組成物を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、上記発酵茶抽出物を含有する健康食品組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、緑茶に酵母を発酵菌株として接種して得た発酵茶抽出物を有効成分として含有する血液循環改善用組成物を提供する。
【0010】
また、本発明は、上記発酵茶抽出物を有効成分として含む薬剤学的組成物を提供する。
【0011】
また、本発明は、上記発酵茶抽出物を有効成分として含む健康食品組成物を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明による発酵茶抽出物を含む血液循環改善用組成物、発酵茶抽出物を含む薬剤学的組成物及び健康食品組成物は、酵母を発酵菌株として利用して優れた嗜好性を有しながらも、血清及び肝のコレステロール及び中性脂肪を減少させ、血管収縮を抑制し、優れた血管弛緩能を有し、血液循環改善に有用であり、このような血液循環改善機能を通じて、脳卒中、心筋梗塞症、高血圧、高脂血症、糖尿または肥満のような疾患に効果的な健康食品、医薬品などとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】緑茶、プーアル茶、後発酵茶及びビタミンCを処理した場合、実験試料が含まれていない対照群に対する相対的自由ラジカル含量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施例による組成物は、酵母(yeast)を緑茶に接種し、一定時間発酵させた後に得られた発酵茶抽出物を含有する。このような酵母の種類としては、サッカロミセス カールスベルゲンシス(Saccharomyces Carsbergensis)、サッカロミセス サケ(Saccharomyces Sake)、サッカロミセス エリプソイデウス(Saccharomyces Ellipsoideus)、サッカロミセス コレアヌス(Saccharomyces Coreanus)、及びサッカロミセス セルビシエ(Saccharomyces Cerevisiae)などがあり、本発明の一実施例による組成物では、前述したように例示した酵母のうち少なくとも1つを発酵菌株として使用した発酵茶抽出物を含有することができる。このような発酵茶は、例えば、後発酵であることができる。
【0015】
酵母を発酵菌株として利用した発酵は、15〜30℃の温度で24時間〜28日間行う。その後、上記の方法で発酵させた緑茶から70%エタノールを利用して12時間逆流抽出する方法で発酵茶抽出物を得る。
【0016】
本発明の組成物は、前述した方法で得た発酵茶抽出物を組成物の全体重量に対して0.1〜50重量%の量で含有する。発酵茶抽出物の含量が0.1重量%未満の場合には、血液循環改善の効果を示しにくいし、50重量%を超過する場合は、含有量増加による顕著な効果の増加が現われないからである。
【0017】
前述したような発酵茶抽出物は、優れた血液循環改善効能を有し、このような発酵茶抽出物を含む組成物は、血液循環改善を通じて脳卒中、心筋梗塞症、高血圧、高脂血症、糖尿または肥満の予防及び治療のための薬剤学的組成物として使用されることができる。この際、上記組成物は、丸剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、ドリンク剤などに剤形化して使用することができる。剤形化時に一般的に使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調剤することができる。この際、賦形剤として澱粉、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトースまたはゼラチンなどを使用することができ、単純な賦形剤以外に、マグネシウムステアレート、タルクなどの潤滑剤をも使用することができる。
【0018】
上記薬剤学的組成物の投薬単位は、例えば、個別投薬量の1、2、3もしくは4倍で、または、1/2、1/3もしくは1/4倍で含有することができる。個別投薬量は、有効薬物が1回に投与される量を含有し、これは、通常1日投与量の全部、1/2、1/3または1/4倍に該当するが、これに限定されない。
【0019】
上記発酵茶抽出物の人体投与量は、体内での活性成分の吸収度、不活性化率及び排泄速度、患者の年齢、性別、状態、疾病の程度などによって適切に選択され、大人の場合、10〜300mg/kgであり、好ましくは、20〜100mg/kgであり、一日1〜6回に分けて投与されることができるが、これに限定されない。
【0020】
また、本発明の一実施例による組成物は、脳卒中、心筋梗塞症、高血圧、高脂血症、糖尿または肥満の予防及び改善の用途として、丸剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、ドリンク剤などに剤形化し、健康食品組成物として使用することができる。
【0021】
上記発酵茶抽出物は、健康食品に添加されることができ、食品添加物として使用する場合、これをそのまま添加するか、または他の食品または食品成分とともに使用することができ、通常的な方法によって適切に使用することができ、有効成分の混合量は、使用目的(予防、健康または治療的処置)によって適切に決定されることができる。一般的に、食品または飲み物の製造時に、原料に対して上記発酵茶抽出物を0.1〜50重量%の量で含有することが好ましいが、健康及び予防を目的にするか、または健康調節を目的にして長期間摂取する場合には、発酵茶抽出物の量が上記範囲以下であることができ、上記範囲以上の量で使用しても、安定性の面では問題がない。
【0022】
上記健康食品組成物の種類は、特に制限されない。上記物質を添加することができる食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンデー類、スナック類、お菓子類、麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲み物、お茶、ドリンク剤、アルコール飲み物及びビタミン複合剤などがあり、通常的な意味での健康食品をすべて含み、これらに限定されない。
【0023】
本発明の一実施例による組成物は、上記発酵茶抽出物を有効成分として含有し、血液と肝の脂質を減少させ、血管の収縮を抑制し、血管弛緩を誘導することによって、上記組成物は、血液循環改善効果を提供する。
【0024】
以下、下記実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
[実施例1]後発酵茶の製造
振動培養器を利用して20〜40℃で72時間培養された菌株であるサッカロミセス セルビシエ(Saccharomyces Cerevisiae)を回収し、1次に遠心分離器で菌株と活性培地を分離した。0.8〜1.0%の生理食塩水を利用して菌株を2〜4回洗浄した後、適切な微生物の代謝のために緑茶以外に水分とエネルギー供給源の混合物である発酵液を供給した。上記発酵液は、発酵液の全体重量に対して砂糖0.05〜10.0重量%、果糖0.005〜10.0重量%を混合して製造し、27psi(pounds per square inch)の圧力で120℃で15分間高温加圧滅菌させ、滅菌が完了した後、常温で25℃まで冷却させた後、大豆粉末パウダー0.005〜1.0重量%を混合して製造した。
【0025】
また、上記洗浄過程で損傷された菌株の円滑な発酵代謝のために大豆粉末パウダーを入れる前の発酵液100〜500mLに食塩水で2〜4回洗浄した菌株を混合し、培養器で24時間培養しながら安定化させて、発酵液に菌株を安定化させる過程を行った。
【0026】
大豆粉末パウダーが除外された発酵液に安定化させた菌株と大豆粉末タンパク質が混合された発酵液を混合し、発酵菌液を製造した。滅菌された反応タンク、小形包装単位別に用意した緑茶主基質に細菌、発酵液混合菌液を混合するが、混合発酵菌液中に発酵菌株の数が103〜108CFU/mLとなるように製造した。緑茶乾葉重量に対して、発酵液の比率は、30〜60重量%となるように混合し、急速な温度増加に起因して菌株が損傷を受けないように発酵菌液を混合した後にも茶葉を続いて撹拌させて、茶の内部温度が急速に上がらないようにした。5〜30分後、反応が完了し、温度が下がった緑茶発酵菌液混合物は、入口を閉鎖し、外気の流入を防ぎ、温度20〜70℃の恒温発酵槽で発酵工程を行った。発酵温度が40℃を超えるようになれば、バチルス属(Bacillus spp)を除いた他の菌株の生長が難しくなるため、熟成期間中の他の雑菌の増殖抑制効果を期待することができる。発酵時間は、最小24時間から最長28日間行い、80〜120℃で5時間熱風乾燥した。
【0027】
上記の方法で製造された後発酵茶は、最終製品内の総菌数(Total microbial account)が102〜108CFU/g以下の規格範囲の製品を得ることができ、病原性微生物は、検出されなかった。
【0028】
[実施例2]後発酵茶抽出物の製造
上記実施例1で製造した後発酵茶1kgを70%エタノール溶液5Lに浸漬し、80℃で3時間還流(reflux)した後、常温で12時間抽出した。抽出液は、濾過し、減圧濃縮し、凍結乾燥し、粉末試料を製造した。収率は、15〜20%であり、調剤された粉末は、使用前まで低温で保管した。
【0029】
[試験例1]後発酵茶の官能評価
緑茶とプーアル茶、後発酵茶それぞれを2gずつ75℃(±1℃)の温水100mLに2分間浸した後、10名の専門パネルが官能検査を行った。水色(色度、濁度)、香り(草におい、風味のある香、古臭い)、香味(焦げ臭、渋い味、苦味、よい後味)を含む全体的な嗜好度を9点尺度で表記し、結果は、下記表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
上記表1から確認することができるように、味(香味)、香臭(香り)において緑茶やプーアル茶より顕著に高い点数を受け、全体的な嗜好度もやはり緑茶より1.6点、プーアル茶より2.8点高く現われた。したがって、本発明の一実施例による後発酵茶は、味と香臭面において既存の緑茶より優秀に改善され、現在、後発酵茶として商用されているプーアル茶より優れていることが分かる。
【0032】
[試験例2]後発酵茶の自由ラジカル消去能測定
自体的にラジカル形態を帯びている100M濃度のDPPH(Diphenyl Picryl Hydrazile)を99%エタノールに溶かし、ラジカル溶液を準備した。上記実施例2で製造した実験物質である発酵茶を濃度別に蒸留水に溶かし、ラジカル溶液と実験物質を入れた反応液を作った。この際、実験試料が含まれていない反応液を対照群として同一の過程を行った。37℃で30分間充分に反応させた後、ラジカルの消失を測定するために、515nmで吸光度を測定した。比較群としては、緑茶抽出物及びプーアル茶抽出物を、陽性対照群としてはビタミンCを使用し、その結果は、対照群を100にして比較したものを図1に示す。
【0033】
図1に示すように、本発明の後発酵茶抽出物は、濃度依存的に自由ラジカルを消去したが、陽性対照群であるビタミンCと類似な程度の効果であり、比較群である緑茶抽出物より約10%程度優れた効能を示し、プーアル茶より20〜40%優れた効能を示した。これは、本発明の一実施例による後発酵茶抽出物が優れた抗酸化効果を示すことを意味する。
【0034】
[試験例3]血管リングを利用した血管収縮抑制効能観察
体重250〜300gの実験用雄性白色ねずみ(Sprague−Dawley rat)を大韓バイオリンク(Seoul、Korea)から供給されて、飼育室温度22±2℃、湿度45〜55%を維持し、午前7時と午後7時を基準にして夜と昼の周期がそれぞれ12時間となるようにした。飼料(ピュリナコリア、Seoul、Korea)と水は、制限なく供給し、1週間環境に適応させた後、実験に使用した。
【0035】
白色ねずみを失血致死させた後、開胸し、迅速に胸部大動脈(thoracic aorta)を摘出した後、直ちに95%O2/5%CO2の混合ガスで飽和されたKR緩衝液(組成(mM):NaCl 115.5、KCl 4.6、KH2PO4 1.2、MgSO4 1.2、CaCl2 2.5、NaHCO3 25.0、ジソジウムCa2+EDTA 0.026mM、グルコース 11.1、pH7.4)に移した。血管内の血液と周辺の脂肪及び結合組職などを除去し、長さ3〜4mmの血管リングを作った。血管リングは、初期30分間漸進的に張力を付与し、平衡状態に到逹するようにした後、フェニレフリン(phenylephrine)10-6Mで収縮させた後、アセチルコリン(acetylcholine)10-6Mを加えて弛緩させた時、弛緩率が80%以上のものを使用した。95%O2/5%CO2の混合ガスで飽和させた90mM KClを含むKR(Krebs Ringer)緩衝液に水槽(bath)内の緩衝液を交換し、血管の収縮を誘導し、これを最大収縮にした。血管に実験物質を30分間前処理した後、水槽上で収縮誘発フェニレフリンを漸次的に高い濃度で加えて、これに対する容量−収縮反応曲線を観察した。血管収縮力は、90mM KClによって誘発された血管収縮を100%にした時、比較値とし、これは、下記表2に示す。
【0036】
【表2】

【0037】
上記表2から分かるように、収縮誘発剤であるフェニレフリンの処理濃度が高くなるほど、血管収縮率が増加することが分かり、後発酵茶抽出物の場合、対照群である緑茶抽出物よりフェニレフリン濃度によって1.5倍〜20倍以上さらに高い血管収縮抑制効能を示した。したがって、本発明の一実施例による後発酵茶抽出物は、非常に優れた血管収縮抑制効能があることを観察することができた。
【0038】
[試験例4]動物モデルでの血清及び肝脂質数値低下
体重250〜300gの8週齢の雌性ねずみを檻当たり8匹ずつ、22±2℃の恒温及び55±15%の相対湿度が維持され、12時間の明暗周期が提供されるポリカーボネート檻に収容し、正常食餌及び高コレステロール食餌を供給し、食水を自由に飲用するようにした。高脂血症を誘発させる高コレステロール食餌の組成は、下記表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
実験は、正常群、対照群、陽性対照群及び投与群4個グループに分けて行った。正常群は、一般飼料のみを提供し、対照群は、正常食餌に1%コレステロール及び0.5%コリン酸を添加して高脂血症を誘発するようにし、陽性対照群には、高脂血症治療剤として使用されるフェノフィブリン酸(200mg/kg)を使用し、フェノフィブリン酸は、1%メチルセルロース(MC)に懸濁し、経口投与した。また、投与群は、高脂血症誘発食餌と共に毎日後発酵茶抽出物及び緑茶抽出物を経口投与させ、発酵茶及び緑茶抽出物(200mg/kg)は、1日1回経口投与によって4週間提供した。各グループのねずみは、12時間切食させた後、眼窩靜脈から血液サンプルを取り、これは、10000rcfで10分間遠心分離し、このように得られた血清を使用して血中総コレステロール及びLDLコレステロール、HDL−コレステロールの水準を評価し、ねずみの肝を採集し、肝コレステロール及び中性脂肪数値を評価した。上記の分析は、血液自動分析機とロシュ診断キットを使用して行い、得られた結果を下記の表4(血清脂質)及び表5(肝脂質)に示す。
【0041】
【表4】

【0042】
上記表4から分かるように、4週間高コレステロール飼料を摂取したねずみにおいて、血清総コレステロール数値は、正常群より対照群が約2倍、LDL−コレステロール数値は、約4.4倍増加したが、HDL−コレステロール数値は減少し、この結果から、高脂血症誘発食餌による高脂血症誘発が良好に行われたことを確認することができる。後発酵茶を高脂血症誘発食餌と同時投与した投与群を見れば、総コレステロール数値は、136.25mg/dlであって、対照群より約38%減少効果を得ることができ、LDL−コレステロール数値は、約36%減少効果を得ることができるが、HDL−コレステロール数値は、大きく増加させるないことが分かる。一方、緑茶抽出物の総コレステロール及びLDL−コレステロール減少数値は、それぞれ39%、41%であって、後発酵茶抽出物と比べて若干高いコレステロール減少効果を提供するが、プーアル茶抽出物の場合は、総コレステロール及びLDL−コレステロール減少数値がそれぞれ36%、35%であって、試験物質のうち最も低い減少効能を示した。
【0043】
【表5】

【0044】
上記表5を見れば、対照群においてねずみの肝の総コレステロール及び中性脂肪数値が正常群より顕著に高いので、高脂血症誘発食餌により脂肪肝形態に誘導されたことを確認することができる。緑茶抽出物処理群の場合には、総コレステロール及び中性脂肪の数値がそれぞれ27%及び17%減少し、プーアル茶抽出物処理群の場合には、総コレステロール及び中性脂肪の数値がそれぞれ22%及び19%減少し、後発酵茶抽出物処理群の場合には、それぞれ33%及び22%減少し、肝脂質改善の場合には、後発酵茶抽出物を処理した場合に、最も優れた結果を得ることができることを確認することができる。
【0045】
本発明による後発酵茶抽出物含有組成物は、下記のように様々な剤形に応用可能であるが、これに限定されるものではない。
【0046】
[製造例1]軟質カプセル剤
後発酵茶抽出物100mg、大豆抽出物50mg、大豆油180mg、紅参抽出物50mg、パム油2mg、パム硬化油8mg、黄鉛4mg及びレシチン6mgを混合し、通常の方法により1カプセル当たり400mgずつ充填し、軟質カプセルを製造した。
【0047】
[製造例2]錠剤
後発酵茶抽出物100mg、大豆抽出物50mg、葡萄糖100mg、紅参抽出物50mg、澱粉96mg及びマグネシウムステアレート4mgを混合し、30%エタノールを40mg添加し、顆粒を形成した後、60℃で乾燥し、打錠器を利用して錠剤として打錠した。
【0048】
[製造例3]顆粒剤
後発酵茶抽出物100mg、大豆抽出物50mg、葡萄糖100mg、紅参抽出物50mg及び澱粉600mgを混合し、30%エタノールを100mg添加し、顆粒を形成した後、60℃で乾燥し、顆粒を形成した後、袋に充填した。内容物の最終重量は、1gにした。
【0049】
[製造例4]ドリンク剤
後発酵茶抽出物100mg、大豆抽出物50mg、葡萄糖10g、紅参抽出物50mg、枸椽酸2g及び精製数187.8gを混合し、瓶に充填した。内容物の最終容量は、200mLにした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶葉に発酵菌株として酵母を接種し、発酵させて得た発酵茶抽出物を有効成分として含有する血液循環改善用組成物。
【請求項2】
上記発酵菌株は、サッカロミセス カールスベルゲンシス、サッカロミセス サケ、サッカロミセス エリプソイデウス、サッカロミセス コレアヌス、及びサッカロミセス セルビシエよりなる群から選択される1種以上である請求項1に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項3】
上記発酵菌株は、サッカロミセス セルビシエである請求項1に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項4】
上記発酵茶抽出物は、組成物の全体重量に対して0.1〜50重量%の量で含有される請求項1〜3のいずれか1項に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項5】
茶葉に発酵菌株として酵母を接種し、発酵させて得た発酵茶抽出物を有効成分として含有する、脳卒中、心筋梗塞症、高血圧、高脂血症、糖尿または肥満の予防及び治療する薬剤学的組成物。
【請求項6】
上記発酵菌株は、サッカロミセス カールスベルゲンシス、サッカロミセス サケ、サッカロミセス エリプソイデウス、サッカロミセス コレアヌス、及びサッカロミセス セルビシエよりなる群から選択される1種以上である請求項5に記載の薬剤学的組成物。
【請求項7】
上記発酵菌株は、サッカロミセス セルビシエである請求項5に記載の薬剤学的組成物。
【請求項8】
上記発酵茶抽出物は、組成物の全体重量に対して0.1〜50重量%の量で含有される請求項5〜7のいずれか1項に記載の薬剤学的組成物。
【請求項9】
茶葉に発酵菌株として酵母を接種し、発酵させて得た発酵茶抽出物を有効成分として含有する、脳卒中、心筋梗塞症、高血圧、高脂血症、糖尿または肥満の予防及び改善する健康食品組成物。
【請求項10】
上記発酵菌株は、サッカロミセス カールスベルゲンシス、サッカロミセス サケ、サッカロミセス エリプソイデウス、サッカロミセス コレアヌス、及びサッカロミセス セルビシエよりなる群から選択される1種以上である請求項9に記載の健康食品組成物。
【請求項11】
上記発酵菌株は、サッカロミセス セルビシエである請求項9に記載の健康食品組成物。
【請求項12】
上記発酵茶抽出物は、組成物の全体重量に対して0.1〜50重量%の量で含有される請求項9〜11のいずれか1項に記載の健康食品組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2012−526801(P2012−526801A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510748(P2012−510748)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003018
【国際公開番号】WO2010/131910
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(503327691)株式會社アモーレパシフィック (73)
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】181,Hangang−ro 2ga,Yongsan−gu,Seoul 140−777,Republic of Korea
【Fターム(参考)】