説明

発酵食品及び加工食品の製造方法

【課題】 魚介類を低塩で発酵させた発酵物(固形物を含んだ物やろ過し液体だけの物)の酵素等を失活させないで発酵調味料及び発酵食品用スターターとして利用する発酵食品の製造方法。また、魚介類を真空状態で発酵させ、アンチョビータイプの製品やそれを利用した発酵食品の製造方法。さらに毛ツブ(アヤボラ)の渋み、えぐみと臭いを除去した加工食品と発酵食品の製造方法。
【解決手段】 魚介類を40〜50℃で発酵させるか、真空包装して室温で発酵させた発酵物(固形物を含んだ物やろ過し液体だけの物)の酵素等を失活させないで発酵調味料及び発酵食品用スターターとして使用することによって旨味の多い発酵食品を製造できる。また、魚介類をラウンドで真空包装して発酵させることによって、塩分が少なく酸化の少ないアンチョビータイプの製品やこの発酵物を発酵食品のスターターとして使用することによって旨味の多い発酵食品ができる。さらに毛ツブをアルカリ剤で処理することにより、渋み。えぐみと臭いを除去した美味しい加工食品及び発酵食品を製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は魚介類を40〜50℃で発酵、または真空包装して発酵させて、その発酵物の酵素等を失活させないで、発酵調味料及び発酵食品用スターターとして使用することを特徴とする発酵食品の製造方法に関するものである。
【0002】
魚介類をラウンドのまま低温で真空包装し、室温で発酵させることによって、油の酸化の少ないアンチョビー製品や、この発酵物を発酵食品用スターターとして使用することを特徴とする発酵食品の製造方法に関するものである。
【0003】
及び加工食品に適さない毛ツブ(アヤボラ)の渋味、えぐみと臭いを除去した発酵食品や加工食品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0004】
【特許文献1】特開2006−149255号公報
【特許文献2】特開2006−254828号公報
【0005】
魚介類の発酵調味料は食塩や麹を加えて30℃以下で発酵させ、その後加熱して酵素を失活させて製造している。このような調味料を加工食品に使用する調味料や、それを用いた加工食品はあるが、魚介類の発酵調味料の酵素の活性を生かしたまま発酵調味料及び発酵食品のスターターとして使用した発酵食品はない。
【0006】
毛ツブは毛ツブ独特の渋味、えぐみと臭いがあるため加工食品としての価値が低い。毛ツブの独特の渋味、えぐみと臭いを除去できないため、毛ツブの発酵食品や加工食品としての利用は進まず、水産資源として活用されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。
【0008】
1. 従来の魚介類発酵物は30℃以下で3〜6ヶ月発酵させ、最終的に加熱した魚介類調味料であり、これを単独または他の調味料と混合して発酵食品に使用すると、魚介類の調味料の酵素が失活しているため、発酵食品にはないにくい。
【0009】
2. 従来の魚介類発酵物は30℃以下で3〜6ヶ月発酵させ、最終的に加熱した魚介類調味料であり、これを単独または他の調味料と混合して浅漬製品等の野菜に使用すると、熟成が少なくまた時間もかかる。
【0010】
3. 従来、毛ツブの臭い除去として水晒し当の処理を行うが、毛ツブの独特の臭いを除去できないため、加工食品としての価値が少ない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1. 魚介類に食塩と糀を混合したものや、魚介類をまるごとチョッパー等でミンチにし、食塩を混合して40〜50℃で発酵させるか、真空包装して室温で発酵させ、発酵物(固形物を含んだ物やろ過し液体だけのもの)の酵素等を失活させないで製造する。この発酵物を単独または他の調味料と混合して魚介類の発酵食品にスターターとして塩辛やアンチョビータイプ等の発酵食品に使用すると、発酵物の酵素が作用し、熟成が進み旨味の多い製品の製造が可能であるとの知見を得た。
【0012】
2. 魚介類と食塩と糀を混合したものや、魚介類をまるごとチョッパー等でミンチにし、食塩を混合して40〜50℃で発酵させるか、真空包装して室温で発酵させ、発酵物(固形物を含んだ物やろ過し液体だけのもの)の酵素等を失活させないで製造する。この発酵物を単独または他の調味料と混合して魚介類の味付けに使用し、その後乾燥して一夜干し製品を製造すると、魚介類を味付けしている間と、調味液から取り出して乾燥する間に、調味料の酵素が作用し、熟成が進み旨味の多い製品の製造が可能であるとの知見を得た。
【0013】
3. 魚介類に食塩と糀を混合したものや、魚介類をまるごとチョッパー等でミンチにし、食塩を混合して40〜50℃で発酵させるか、真空包装して室温で発酵させ、発酵物(固形物を含んだ物やろ過し液体だけのもの)の酵素等を失活させないで製造する。この発酵物を単独または他の調味料と混合して浅漬製品などの野菜を使用した漬物に使用すると、発酵物の酵素が作用し、熟成が進み旨味の多い、野菜の漬物の製造が可能であるとの知見を得た。
【0014】
4. 魚介類に食塩と糀を混合したものや、魚介類をまるごとチョッパー等でミンチにし、食塩を混合して40〜50℃で発酵させるか、真空包装して室温で発酵させ、発酵物(固形物を含んだ物やろ過し液体だけのもの)の酵素等を失活させないで製造する。この発酵物を単独または他の調味料と混合して焼肉用畜肉を味付けすると発酵物の酵素が作用し、熟成が進み旨味の多い製品の製造が可能であるとの知見を得た。
【0015】
5. 魚介類をラウンドのまま食塩を混合した後、真空包装して室温で発酵させることによって、塩分が少なく油の酸化の少ないアンチョビータイプの製品や、この発酵物を塩辛等のスターターとして使用することによって旨味の多い発酵食品の製造が可能であるとの知見を得た。
【0016】
6. 毛ツブをアルカリ剤(水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の食品添加物として認められているアルカリ剤であれば種類は問わない)で処理することにより、毛ツブのタンパク質をある程度溶解して除去することにより、価値の向上した発酵食品や加工食品の製造が可能であるとの知見を得た。
【発明効果】
【0017】
本発明は、上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。
【0018】
1、 魚肉を食塩と糀で発酵させ、タンパク質の分解したアミノ酸と糀のタンパク分解酵素を失活させることなく発酵食品のスターターとして使用して発酵調味料及び発酵食品を製造すると旨味の多い発酵食品が出来る。
【0019】
2、 魚介類をまるごと食塩と混合して発酵させ、タンパク質の分解したアミノ酸と魚介類の消化酵素を失活させることなく発酵調味料及び発酵食品のスターターとして使用して発酵食品の製造や発酵物をアンチョビータイプの加工食品を製造すると旨味の多い発酵食品ができる。
【0020】
3. 毛ツブをアルカリ剤で処理して、ある程度のタンパク質を溶解除去することによって、毛ツブの独特の渋味、えぐみと臭いを除去し、発酵食品や加工食品が製造でき、毛ツブの有効活用ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0021】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0022】
鮭のフイレーを魚肉採取機にかけて骨と皮を除去したミンチ状の魚肉とする。食塩をこの魚肉に対して12%、米麹を10%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、40〜50℃で7日発酵させる。
【0023】
鮭のフイレーを骨、皮を除去して細切し、食塩5%、上記鮭発酵物20%混合し5℃で7日間発酵させ、鮭の発酵食品を製造した。
【0024】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0025】
コマイのフイレーを魚肉採取機にかけて骨と皮を除去したミンチ状の魚肉とする。食塩をこの魚肉に対して10%、米麹を10%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、45℃で7日発酵させる。
【0026】
コマイのフイレーを骨、皮を除去して細切し、食塩5%、上記コマイ発酵物20%混合し5℃で7日間発酵させ、コマイの発酵食品を製造した。
【0027】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0028】
ホタテ貝柱をチョッパーにかけてミンチ状とする。食塩をこのミンチに対して12%、米麹を10%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、50℃で7日発酵させる。
【0029】
ホタテ貝柱を細切し、食塩5%、上記ホタテ貝柱発酵物20%混合し5℃で7日間発酵させ、ホタテ貝柱の発酵食品を製造した。
【0030】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0031】
鮭の白子をチョッパーでミンチ状の魚肉とする。食塩をこの魚肉に対して12%、米麹を10%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、50℃で7日発酵させる。
【0032】
鮭のフイレーを骨、皮を除去して細切し、食塩5%、上記鮭白子発酵物20%混合し5℃で7日間発酵させ、鮭の発酵食品を製造した。
【0033】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0034】
ハナサキガニボイルむき身をチョッパーにかけてミンチ状とする。食塩をこのミンチに対して12%、米麹を20%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、50℃で14日発酵させる。
【0035】
ハナサキガニボイルむき身に食塩3%、上記ハナサキガニ発酵物20%混合し5℃で7日間発酵させ、ハナサキガニの発酵食品を製造した。
【0036】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0037】
ホッカイエビの生むき身をチョッパーにかけてミンチ状とする。食塩をこのミンチに対して12%、米麹を20%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、50℃で14日発酵させる。
【0038】
ホッカイエビの生むき身に食塩5%、上記ホッカイエビ発酵物20%混合し5℃で7日間発酵させ、ハナサキガニの発酵食品を製造した。
【0039】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0040】
コマイのフイレーを魚肉採取機にかけて骨と皮を除去したミンチ状の魚肉とする。このミンチ上の魚肉を蒸器で30分加熱し、この魚肉に対して食塩を12%、米麹を10%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、45℃で21日発酵させる。
【0041】
コマイのフイレーを骨、皮を除去して細切し、食塩5%、上記コマイ発酵物20%混合し5℃で7日間発酵させ、コマイの発酵食品を製造した
【0042】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0043】
ホタテ貝柱をチョッパーにかけてミンチ状とする。食塩をこのミンチに対して12%、米麹を10%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、45℃で7日発酵させる。
【0044】
ホタテ貝柱をチョッパーにかけてミンチ状とし、食塩を6%混合し、上記ホタテ貝柱発酵物に20%混合し5℃で7日間発酵させ、ホタテ貝柱の発酵調味料を製造した。
【0045】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0046】
ホタテ貝柱をチョッパーにかけてミンチ状とする。食塩をこのミンチに対して12%、米麹を10%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、45℃で7日発酵させる。
【0047】
上記ホタテ貝柱発酵物をフライパンで加熱して水分を除去し、ペースト状のホタテ貝柱の発酵調味料を製造した。
【0048】
請求項2、請求項3、請求項4と請求項5の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0049】
サンマを丸ごとチョパーにかけミンチ状にし、食塩12%、糀2%混合又は食塩12%混合し真空包装後、50℃で28日間発酵させるか、室温で1年間発酵させる。その後加熱しないでろ過し、魚油を除去して液状の発酵物を得た。
【0050】
サンマを背開きし、上記サンマ液状発酵物を13%と水13%混合した液に1晩浸漬する。翌日除湿乾燥機で乾燥する(乾燥温度25℃、乾燥時間3時間)ことによって、サンマの一夜干しを製造した。
【0051】
請求項2、請求項3、請求項4と請求項5の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0052】
サンマを丸ごとチョパーにかけミンチ状にし、食塩12%、米糀2%混合又は食塩12%混合し真空包装後、40〜50℃で28日間発酵した。50℃で28日間発酵させるか、室温で1年間発酵させる。その後加熱しないでろ過し、魚油を除去して液状の発酵物を得た。
【0053】
サンマフイレーに、食塩8%、上記サンマ液状発酵物を10%混合して真空包装し、室温で6ヶ月発酵させアンチョビータイプの発酵食品を製造した。
【0054】
請求項2、請求項3、請求項4と請求項5の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0055】
コマイを丸ごとチョパーにかけミンチ状にし、食塩12%、米糀2%混合又は食塩12%混合し真空包装後、50℃で28日間発酵させるか、室温で1年間発酵させる。その後加熱しないでろ過し、液状の発酵物を得た。
【0056】
コマイのフイレーを魚肉採取機にかけて骨と皮を除去したミンチ状の魚肉とする。このミンチ魚肉をコマイ液状発酵物に10%混合して、5℃で7日間発酵させ発酵調味料を製造した。
【0057】
請求項2、請求項3、請求項4と請求項5の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0058】
コマイを丸ごとチョパーにかけミンチ状にし、食塩12%、米糀2%混合又は食塩12%混合し真空包装後、50℃で28日間発酵させるか、室温で1年間発酵させる。その後加熱しないでろ過し、液状の発酵物を得た。
【0059】
コマイのフイレーを魚肉採取機にかけて骨と皮を除去したミンチ状の魚肉とする。このミンチ魚肉に食塩5%混合し、上記コマイ液状発酵物を10%混合して、50℃で7日間発酵させ、フライパンで加熱して水分を除去し、ペースト状のコマイの発酵調味料を製造した。
【0060】
請求項2、請求項3、請求項4と請求項5の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0061】
コマイを丸ごとチョパーにかけミンチ状にし、食塩12%、米糀2%混合又は食塩12%混合し真空包装後、50℃で28日間発酵させるか、室温で1年間発酵させる。その後加熱しないでろ過し、液状の発酵物を得た。
【0062】
ハナサキガにボイルむき身にコマイ液状発酵調味料(上記コマイ液状発酵物100g、醤油50g、みりん180g)を33%混合し、5℃で7日間発酵させ、ハナサキガに発酵食品を製造した。
【0063】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0064】
コマイのフイレーを魚肉採取機にかけて骨と皮を除去したミンチ状の魚肉とする。食塩をこの魚肉に対して10%、米麹を5%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、45℃で7日発酵させ固形物を含んだコマイ発酵物を得た。
【0065】
細切した大根、胡瓜等に上記の各々の調味料100%にみりん75%、醸造酢15%混合した調味料を野菜と同量混合し、5℃で1晩以上漬けることによって野菜の浅漬けの製造ができた。
【0066】
請求項2、請求項3、請求項4と請求項5の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0067】
サンマを丸ごとチョパーにかけミンチ状にし、食塩12%、米糀2%混合又は食塩12%混合し真空包装後、50℃で28日間発酵させるか、室温で1年間発酵させる。その後加熱しないでろ過し、魚油を除去して液状の発酵物を得た。
【0068】
細切した大根、胡瓜等に上記の各々の調味料100%にみりん75%、醸造酢15%混合した調味料を野菜と同量混合し、5℃で1晩以上漬けることによって野菜の浅漬けの製造ができた。
【0069】
請求項1の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0070】
コマイのフイレーを魚肉採取機にかけて骨と皮を除去したミンチ状の魚肉とする。食塩をこの魚肉に対して10%米麹を5%混合し、ナイロンポリの袋に入れて真空包装するかプラスチック容器に入れ、45℃で7日発酵させ固形物を含んだコマイ発酵物を得た。
【0071】
焼肉用のマトン肉等にコマイ発酵調味料(上記コマイ発酵物130g、醤油370g、砂糖350g、みりん250gの混合物)を25%混合し、真空包装し5℃で2日間熟成後、凍結することによって畜肉の柔らかくなった味付け焼肉用製品ができた。
【0072】
請求項2、請求項3、請求項4と請求項5の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0073】
サンマを丸ごとチョパーにかけミンチ状にし、食塩12%、米糀2%混合又は食塩12%混合し真空包装後、50℃で28日間発酵させるか、室温で1年間発酵させる。その後加熱しないでろ過し、魚油を除去して液状の発酵物を得た。
【0074】
焼肉用のマトン肉等にサンマ液状発酵調味料(上記サンマ液状発酵物130g、醤油370g、砂糖350g、みりん250gの混合物)を25%混合し、真空包装し5℃で2日間熟成後、凍結することによって畜肉の柔らかくなった味付け焼肉用製品ができた。
【0075】
請求項6の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0076】
サンマラウンドに食塩10%混合し、真空包装後、室温で6ヶ月発酵させ、サンマを三枚におろしフイレーとしてアンチョビータイプの加工食品を製造した。
【0077】
請求項6の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0078】
サンマラウンドに食塩10%混合し、真空包装後、室温で6ヶ月発酵させ、サンマを三枚におろしフイレーとした後、フードプロセッサーでペーストとした。生鮮サンマをフイレーとし、細切したサンマに同量の発酵ペーストを混合し、5℃で7日間熟成し、サンマ発酵食品を製造した。
【0079】
請求項7の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0080】
毛ツブのボイルむき身の油といわれる唾液腺を除去する。その後、6mmにカッターでスライスする。毛ツブ原料100gに対して炭酸ナトリウム5g、食塩10gと水50g添加して5℃に1週間放置する。最低1日1回程度撹拌する。その後、水晒しを行い、脱塩する。脱塩後、水切した毛ツブに水を加え、醸造酢で中和し、pH4〜5とした。その後水切し、毛ツブ100gにタレ(請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のサンマ液状発酵物100g、醤油200g、みりん300gの混合物)を80g混合し、5℃で7日間発酵させ、毛ツブ発酵食品を製造した。
【0081】
請求項7の発酵食品の製造方法は下記のとおりである。
【0082】
毛ツブのボイルむき身の油といわれる唾液腺を除去する。毛ツブ原料100gに対して炭酸ナトリウム5g、食塩10gと水50g添加して5℃に1週間放置する。最低1日1回程度撹拌する。その後、水晒しを行い、脱塩する。脱塩後、水切した毛ツブに水を加え、醸造酢で中和し、pH4〜5とした。その後水切し、毛ツブ100gにタレ(請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のサンマ液状発酵物130g、醤油370g、砂糖350g、みりん250gの混合物)を25%混合し、真空包装後、蒸器にいれ100℃で30分加熱し、毛ツブ加工食品を製造した。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本願発明により魚介類の有効利用ができる。また。利用価値の低い毛ツブの価値が向上、水産資源の利用拡大が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚介類と食塩及び麹を混合した後、プラスチック容器に入れるか、真空包装して40〜50℃で発酵させる。この発酵物を発酵調味料及び発酵食品用スターターとして使用することを特徴とする発酵食品の製造方法。
【請求項2】
魚介類と食塩及び麹を混合した後、真空包装して40〜50℃で発酵させる。発酵後加熱をしないでろ過する。この発酵液を発酵調味料及び発酵食品用スターターとして使用することを特徴とする発酵食品の製造方法。
【請求項3】
魚介類と食塩を混合した後、真空包装して40〜50℃で発酵させる。発酵後加熱をしないでろ過する。この発酵液を発酵調味料及び発酵食品用スターターとして使用することを特徴とする発酵食品の製造方法。
【請求項4】
魚介類と食塩及び麹を混合した後、真空包装して室温で発酵させる。発酵後加熱をしないでろ過する。この発酵液を発酵調味料及び発酵食品用スターターとして使用することを特徴とする発酵食品の製造方法。
【請求項5】
魚介類と食塩を混合した後、真空包装して室温で発酵させる。発酵後加熱をしないで濾過する。この発酵液を発酵調味料及び発酵食品用スターターとして使用することを特徴とする発酵食品の製造方法。
【請求項6】
魚介類をラウンドのまま食塩を混合した後、真空包装して室温で発酵させる。その後フイレーとしてアンチョビータイプの発酵食品と、このフイレーを発酵食品用スターターとして使用することを特徴とする発酵食品の製造方法。
【請求項7】
毛ツブ(アヤボヤ)をアルカリ剤で処理した後、水洗いし、アルカリを酸で中和処理をすることを特徴とする毛ツブ発酵食品及び加工食品の製造方法。

【公開番号】特開2009−213453(P2009−213453A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98717(P2008−98717)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(501141633)
【Fターム(参考)】