発電プラントの放水口サンプリング装置
【課題】水質変化のない配管付着防止効果の実現及び、物理的付着防止策を講じた配管を有するサンプリング装置を提供する。
【解決手段】サンプリング装置において、二重管構造の配管と、前記二重管の内管3が多孔質構造の内管3と、外管2を有し、外管2に海水1または空気4を流し、外管2から内管3の多孔質を通して内管3の管壁近傍に海水1または空気4の流れを生じさせることにより、海生生物およびスラッジの付着を防止する配管を有する。
【解決手段】サンプリング装置において、二重管構造の配管と、前記二重管の内管3が多孔質構造の内管3と、外管2を有し、外管2に海水1または空気4を流し、外管2から内管3の多孔質を通して内管3の管壁近傍に海水1または空気4の流れを生じさせることにより、海生生物およびスラッジの付着を防止する配管を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電所等の発電プラントにおける冷却用海水の放水口近傍の海水サンプリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
海水をプラント冷却水として用いる原子力発電所等の発電プラントでは、放射性物質等の系外放出監視のため、冷却水放水口における海水をサンプリングする放水口サンプリング装置が設置されている。放水口サンプリング装置は原子力発電所内で用いられた後、再び自然界に放出される海水を放水口からサンプルポンプにて汲み上げ、海水中の放射能レベルを測定して放射性物質の系外放出の有無を監視している。
【0003】
ところが、海水中に浮遊している貝の付着期幼生を含む海生生物が放水口サンプリング装置の配管内壁に付着して繁殖したり、海水中のスラッジが配管内に滞留したりすると配管の閉塞が起こり、海水のサンプリングができなくなる恐れがある。特に、サンプルポンプによって海水とともに配管内に吸い上げられた海生生物やスラッジは、配管管壁近傍における流速の減少や渦流の発生により配管管壁に付着しやすくなる。その結果、付着した海生生物の繁殖やスラッジの滞留が生じ、配管の閉塞が引き起こされる可能性がある。サンプリングした海水は原子力発電所からの放射性物質の系外放出の監視に使用しているため、配管の閉塞が起こると十分なサンプリング量を得ることができなくなり、原子力発電所の安全運転に対する信頼性を保証できなくなる。
【0004】
図12に示す従来例において、サンプルである海水1は、放水口101に存在するサンプルポイント102において、サンプルポンプ103により直径50mm程度の配管Pを通して常時250〜310(l/min)程度の流量で採取され、サンプル出口弁108を通過した後、再び取水箇所と異なる位置の放水口107に戻される。通常状態ではサンプル採取弁104は閉じており、海水1は全て放水口107に戻される。
【0005】
一方、放水口101の放射線量が増加すると、放水口101に設置されている放射線検出器保護管117内の放水口検出器116が放射線量の増加を検出し、放射線量が所定の設定値より高くなると、放水口放射線モニタ装置118から「放射線モニタ高」の警報を発報するとともに、放水口放射線モニタ装置118により自動的に放水口サンプル出口弁108が閉じサンプル採取弁104が開放され、サンプルトレイ106内のサンプル採取容器105にマニュアル分析用のサンプルが採取される。その後、担当者がマニュアル分析用のサンプルを詳細に分析して、プラントからの放射性物質の系外放出の有無およびその内容を確認する。図12に示す通り、放水口サンプリング装置の配管Pは常時放水口101からの海水1を通水していることから、海に直結している放水口101から侵入する海生生物の幼生やスラッジが配管内に侵入する可能性があり、流速の減少や渦流の発生によりこれらが配管管壁に付着する可能性がある。
【0006】
本技術分野の背景技術として、小口径海水管において少量の海水に塩素類を供給することにより環境への負担を少なくし、さらには陽極の破損がなく長寿命であり、かつ電解電流が均一に流れる海生生物付着防止電解装置および付着防止方法が公知である(例えば特許文献1参照)。
【0007】
また、スリット状の開口部を形成したCu―Ni合金の海生々物付着防止用内管を内接した二重管が公知である(例えば特許文献2参照)。
【0008】
さらに、原子力発電所の海水導水管路の内周面に多孔質層を設けて、過酸化水素水を浸出させ、海生生物の付着を防止することが公知である(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−90380号公報
【特許文献2】特開平1−126494号公報
【特許文献3】特開2004−167451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、放水口サンプリング装置は原子力発電所の放射性物質の系外放出を監視するため、原子力発電所の放水口から放出される海水をサンプルとして採取し、サンプルの水質監視を行っている。そのため、配管内の海水の水質を変化させる装置の導入はサンプルの成分に影響を与えるため、特許文献1のように電気分解や塩素類を供給するような水質の変化を伴う装置、或いは特許文献3にしめす過酸化水素水を供給する装置は、放水口サンプリング装置には適用できない。
【0011】
また、特許文献2で述べられているCu―Ni合金製の防汚金属による付着防止は管壁面付近の海水の流れの低下を防ぐことはできず、また、配管閉塞の要因となりうるスラッジは付着を防止できないことから、特許文献2による付着防止対策は、背景技術で記載した配管閉塞の要因を除去するのに不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、配管とサンプルポンプとサンプル採取弁とを有し、冷却水放水口のサンプルポイントから前記サンプルポンプによりサンプル用の海水を取水して再び冷却水放水口に戻すとともに、前記配管途中に設けた前記サンプル採取弁を介して放水口の海水サンプリングを行う発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記配管を外管と多孔質の内管からなる二重管から構成し、前記内管内にサンプル用の海水を流すと共に前記外管内に流体を導入して内管内の海水に流入させ、前記内管管壁への海生生物及びスラッジの付着を防止することを特徴とする。
【0013】
また、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記流体は空気からなることを特徴とする。
【0014】
また、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記空気を前記外管内に供給する空気供給源を前記配管の前記サンプル採取弁の流れ方向下流に設けたことを特徴とする。
【0015】
また、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記空気を前記外管内に供給する空気供給源を前記サンプルポイント近傍に設けたことを特徴とする。
【0016】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記流体は前記放水口から採取した海水からなることを特徴とする。
【0017】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記海水を前記外管に供給する海水供給ポンプを前記サンプルポンプ近傍に設けたことを特徴とする。
【0018】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記海水を前記外管に供給する海水供給ポンプを前記サンプルポイント近傍に設けたことを特徴とする。
【0019】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記サンプルポンプから配管を分岐し、各分岐にて外管導入用弁及び内管挿入用弁を設けて海水を分流させ、各々前記外管と前記内管に海水を供給することを特徴とする。
【0020】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記多孔質の内管の孔方向を、内管軸方向に対し内管内を流れる海水の流れ方向に傾斜させて設け内管の管壁近傍における流速を増加させることを特徴とする。
【0021】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記多孔質の内管の孔方向を、内管半径方向において内管中心に対し傾斜させて設け内管の管壁近傍における流速を増加させることを特徴とする。
【0022】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記外管入口に海水を濾過するフィルタを設けたことを特徴とする。
【0023】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記外管と前記内管の圧力差を検出する差圧検出器を設け、前記フィルタの目詰まりを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、冷却水放水口のサンプルポイントからサンプルポンプによりサンプル用の海水を取水して再び冷却水放水口に戻すとともに、配管途中に設けたサンプル採取弁を介して放水口の海水サンプリングを行う発電プラントの放水口サンプリング装置において、配管を外管と多孔質の内管からなる二重管から構成し、内管内にサンプル用の海水を流すと共に前記外管内に流体を導入して内管内の海水に流入させ、前記内管管壁への海生生物及びスラッジの付着を防止することにより、水質変化のない配管閉塞防止効果の実現及び、物理的付着防止策を講じた配管を有するサンプリング装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1によるサンプリング装置の系統図である。
【図2A】本発明の実施例1および2によるサンプリング装置の断面図である。
【図2B】図2AのAA断面図である。
【図3】本発明の実施例2によるサンプリング装置の系統図である。
【図4】本発明の実施例3によるサンプリング装置の系統図である。
【図5】本発明の実施例3によるサンプリング装置の断面図である。
【図6】本発明の実施例4によるサンプリング装置の系統図である。
【図7】本発明の実施例4によるサンプリング装置の断面図である。
【図8】本発明の実施例5によるサンプリング装置の系統図である。
【図9】本発明の実施例5によるサンプリング装置の断面図である。
【図10A】本発明の実施例6によるサンプリング装置の断面図である。
【図10B】図10AのBB断面図である。
【図11】本発明の実施例7によるサンプリング装置の系統図である。
【図12】従来のサンプリング装置の系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を各実施例と図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は本発明の実施例1によるサンプリング装置の系統図である。二重管からなる配管Pの外管に空気を導入するコンプレッサ109がサンプル採取弁104より配管下流側に設置されている。なお、空気を導入するための設備としてコンプレッサ109の代わりにガスボンベを用いてもよい。
【0028】
図2Aに実施例1におけるサンプリング装置の断面図、図2Bに図2AのAA断面図を示す。前述のように管壁近傍における流速の減少や渦流により、海生生物が配管内壁に付着したりスラッジが滞留したりするため、サンプルポンプl03の下流側の配管Pについて図2A、2Bに示す外管2および内管3で構成される二重管構造の配管を適用する。サンプルポンプ103と配管Pの間には空気導入用フランジ111が取り付けられており、コンプレッサ109で圧縮された空気4が空気導入用フランジ111の空気導入口111aを経由して二重管の外管2と内管3の間に流れる。さらに、内管3は多孔質となっており、二重管の外管2に導入された空気4が内管3へ流入する。
【0029】
外管2から内管3内へ流入した空気4が内管3の管壁近傍に空気の膜を生じることにより海生生物及びスラッジの管壁への接近を防ぎ、海生生物及びスラッジを水流の早い管中央へ誘導して管壁への付着を防止する。
【0030】
通常は空気による海水サンプルへの汚染は殆ど考慮しなくてもよいが、実施例1ではより完全を期するため、配管内に導入される空気4によりサンプルの水質に変化が生じ分析結果に影響を与えないよう、コンプレッサ109による空気4の導入位置をサンプル採取弁104の後段に設置している。
【0031】
なお、多孔質の孔の直径は、海生生物の代表例であるフジツボの幼生が通過できない500μm程度が好ましい。なお、孔の直径は前記直径には限定されない。
【実施例2】
【0032】
図3は、本発明の実施例2によるサンプリング装置の系統図である。実施例2では、二重管の外管2に、成分及び放射線量が既知のガスを導入するコンプレッサ109ないしガスボンベを配管のサンプル採取弁104より流れ方向上流側に設置している。成分及び放射線量が既知のガスを利用することにより、配管内で海水1中に混入するガスの成分及び放射線量を予想することが可能であるため、サンプルの成分分析を行う際に混入するガスの影響を排除して評価を行うことが可能であり、放射性物質の系外排出の有無を適切に判断することができる。また、実施例1よりも長い配管長に渡って対策を行うことが可能となり、広範囲に渡って海生生物及びスラッジの付着を防止することが可能となる。
【0033】
使用するガスは、空気の他、成分及び放射線量が既知の任意のガスを用いることができるが、海水と反応して海水成分に影響を与えることのないものを用いる。
【実施例3】
【0034】
図4は、実施例3によるサンプリング装置の系統図である。実施例3では海生生物およびスラッジの付着防止流体として、サンプル採取容器105に汲み上げる放水口101の海水1を用いる。外管2に前述の海水を導入するため、海水供給ポンプとして外管導入用サンプルポンプ110を設置する。海生生物およびスラッジの付着防止流体として放水口101の海水1を用いる理由は、付着防止流体がサンプルに混入することによりサンプルの水質が変化し、適切な放射能レベルの測定を阻害することを防ぐためである。
【0035】
図5に実施例3におけるサンプリング装置の断面図を示す。前述のように管壁近傍に生じた流速の減少や渦流によって海生生物が配管内壁に付着したり、スラッジが滞留したりするため、実施例3は外管導入用サンプルポンプ110の下流側の配管について図5に示す構造の配管を適用する。配管Pは二重管になっており、外管2および内管3で構成される。サンプルポンプ103と二重管の間には海水導入用フランジ112が取り付けられており、内管導入用のサンプルポンプ103と外管導入用サンプルポンプ110に接続されている。112aは海水導入口である。外管導入用サンプルポンプ110によって汲み上げられた海水1が、海水導入口112aと海水導入用フランジ112を経由して二重管の外管2内部に流れる構造となっている。内管3の管内圧力よりも外管2の管内圧力が大きくなるよう圧力を調節して、配管内の海水1が外管2から内管3に流入するようにする。外管2から内管3へ海水1が流入し流れを生じることにより、内管3の管壁近傍の海水1の流れの低下を防ぎ、海生生物及びスラッジを水流の早い管中央へ誘導して管壁への接近を防ぎ、管壁への付着を防止する。なお、海水1を用いることにより配管内での気泡溜りを防ぐことができる。
【実施例4】
【0036】
図6は、本発明の実施例4によるサンプリング装置の系統図である。実施例4では、別に設けた外管導入用サンプルポンプ110をサンプルポイント102近傍に接続して、サンプルポイント102以降の配管Pを全て二重管とする。外管導入用サンプルポンプ110は単独で用いてもよい。
【0037】
図7に実施例4におけるサンプリング装置の断面図を示す。配管Pは二重管になっており、外管2および内管3で構成される。サンプルポイント102近傍に接続された外管導入用サンプルポンプ110によって海水1が汲み上げられ、海水導入用フランジ112を経由して二重管の外管2内に流れる構造になっている。113は分流用フランジである。
【0038】
実施例3ではサンプルポンプ103より上流側の配管に対しては付着防止の対策を採ることができなかった。これに対し実施例4では、更に外管導入用のサンプルポンプ110を放水口101近傍に追加することにより、放水口サンプリング装置の全配管に渡って、図5に示す対策を施すことが可能となる。
【実施例5】
【0039】
図8は、本発明の実施例5によるサンプリング装置の系統図である。実施例5では、サンプルポンプ103にて汲み上げた海水1を外管2導入用と内管3導入用に分流し、それぞれ流量調整用の外管導入用弁114、内管導入用弁115を通して外管2および内管3に流入する。
【0040】
図9に実施例5におけるサンプリング装置の断面図を示す。配管は二重管になっており、外管2および内管3で構成される。前述のように、サンプルポンプ103にて汲み上げた海水1は分流用フランジ113を通して、内管3導入用および外管2導入用に分流される。分流された海水1はそれぞれ外管導入用弁114、内管導入用弁115を通して外管2および内管3に流入する。なお、外管2から内管3に海水1が流れるよう、内管3の圧力を下げるために二重管の内管3導入上流側にオリフィス5を設置する。
【0041】
実施例3、4においては、外管導入用サンプルポンプ110をサンプルポンプ103と別に複数台用意する必要があった。これに対し実施例5ではサンプルポンプ103を外管導入用と内管導入用に共用することによって、ポンプが1台で済み構成の簡略化が可能となる。
【実施例6】
【0042】
実施例6では内管3の管壁近傍における水流が大きくなるように多孔質の孔の向きを改良したサンプリング装置の例を説明する。
【0043】
実施例6では海生生物およびスラッジの付着防止流体として放水口101の海水1を用いる。
【0044】
図10Aに実施例6におけるサンプリング装置の断面図を示す。図10Bは図10AのBB断面図である。多孔質の孔の中心軸はサンプリングの流れ方向に対して外管2の上流側から内管3の下流側に対して流れこむよう傾斜している。従って内管3内の海水1の流速が他の実施例よりも増加する。
【0045】
また、多孔質の孔の中心軸は配管半径方向に対しては、外管2からの内管3への放出の方向が内管3の管壁近傍に向かって海水1が放出されるように傾斜している。このことにより、外管2から流れ込んだ海水1が内管3の管壁近傍の海水1を巻き込んで、配管中心を軸とした旋回流が生じる。
【0046】
実施例1〜5では、外管2に導入される空気4及び海水1が内管3中の海水1の流れに与える影響は内管3の孔の近傍に限られており、孔と孔の間の管壁に与える影響は限定されている。これに対し、実施例6では内管3の海水1が軸に対して回転するように下流に流れていくため、壁面全体の近傍における海水1の流速を増加させることが可能となり、より海生生物やスラッジの付着を防止する効果が期待できる。なお、内管3の多孔質の孔の方向は図10A及び図10Bに示す方向には限定されない。
【実施例7】
【0047】
図11は、本発明の実施例7によるサンプリング装置の系統図である。実施例7では二重管の外管2入口に、海水からの海生生物やスラッジ除去用のフィルタ119を設置する。また、内管3と外管2の差圧を測定する差圧測定器120を内管3と外管2の入口に接続して差圧を測定し、ある設定値より差圧が小さくなった場合に警報を発報する構造とする。
【0048】
実施例7では二重管の外管2入口にフィルタ119を設置して、外管2内での海洋生物やスラッジの付着防止を実現できる。
【0049】
外管2入口に設置したフィルタが目詰まりした場合には、外管2内の圧力が低下し外管2から内管3に海水1を流すことができなくなる可能性がある。そこで、差圧測定器120により内管3と外管2の圧力を測定し、差圧が小さくなった場合に警報を発報して運転員にフィルタ119の交換時期を知らせ、二重管による海生生物及びスラッジの付着防止効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0050】
1:海水
2:外管
3:内管
4:空気
5:オリフィス
101:放水口
102:サンプルポイント
103:サンプルポンプ
104:サンプル採取弁
107:放水口
108:サンプル出口弁
109:コンプレッサ
110:外管導入用サンプルポンプ
113:分流用フランジ
114:外管導入用弁
115:内管導入用弁
116:放射線検出器
119:フィルタ
120:差圧測定器
P:配管
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電所等の発電プラントにおける冷却用海水の放水口近傍の海水サンプリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
海水をプラント冷却水として用いる原子力発電所等の発電プラントでは、放射性物質等の系外放出監視のため、冷却水放水口における海水をサンプリングする放水口サンプリング装置が設置されている。放水口サンプリング装置は原子力発電所内で用いられた後、再び自然界に放出される海水を放水口からサンプルポンプにて汲み上げ、海水中の放射能レベルを測定して放射性物質の系外放出の有無を監視している。
【0003】
ところが、海水中に浮遊している貝の付着期幼生を含む海生生物が放水口サンプリング装置の配管内壁に付着して繁殖したり、海水中のスラッジが配管内に滞留したりすると配管の閉塞が起こり、海水のサンプリングができなくなる恐れがある。特に、サンプルポンプによって海水とともに配管内に吸い上げられた海生生物やスラッジは、配管管壁近傍における流速の減少や渦流の発生により配管管壁に付着しやすくなる。その結果、付着した海生生物の繁殖やスラッジの滞留が生じ、配管の閉塞が引き起こされる可能性がある。サンプリングした海水は原子力発電所からの放射性物質の系外放出の監視に使用しているため、配管の閉塞が起こると十分なサンプリング量を得ることができなくなり、原子力発電所の安全運転に対する信頼性を保証できなくなる。
【0004】
図12に示す従来例において、サンプルである海水1は、放水口101に存在するサンプルポイント102において、サンプルポンプ103により直径50mm程度の配管Pを通して常時250〜310(l/min)程度の流量で採取され、サンプル出口弁108を通過した後、再び取水箇所と異なる位置の放水口107に戻される。通常状態ではサンプル採取弁104は閉じており、海水1は全て放水口107に戻される。
【0005】
一方、放水口101の放射線量が増加すると、放水口101に設置されている放射線検出器保護管117内の放水口検出器116が放射線量の増加を検出し、放射線量が所定の設定値より高くなると、放水口放射線モニタ装置118から「放射線モニタ高」の警報を発報するとともに、放水口放射線モニタ装置118により自動的に放水口サンプル出口弁108が閉じサンプル採取弁104が開放され、サンプルトレイ106内のサンプル採取容器105にマニュアル分析用のサンプルが採取される。その後、担当者がマニュアル分析用のサンプルを詳細に分析して、プラントからの放射性物質の系外放出の有無およびその内容を確認する。図12に示す通り、放水口サンプリング装置の配管Pは常時放水口101からの海水1を通水していることから、海に直結している放水口101から侵入する海生生物の幼生やスラッジが配管内に侵入する可能性があり、流速の減少や渦流の発生によりこれらが配管管壁に付着する可能性がある。
【0006】
本技術分野の背景技術として、小口径海水管において少量の海水に塩素類を供給することにより環境への負担を少なくし、さらには陽極の破損がなく長寿命であり、かつ電解電流が均一に流れる海生生物付着防止電解装置および付着防止方法が公知である(例えば特許文献1参照)。
【0007】
また、スリット状の開口部を形成したCu―Ni合金の海生々物付着防止用内管を内接した二重管が公知である(例えば特許文献2参照)。
【0008】
さらに、原子力発電所の海水導水管路の内周面に多孔質層を設けて、過酸化水素水を浸出させ、海生生物の付着を防止することが公知である(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−90380号公報
【特許文献2】特開平1−126494号公報
【特許文献3】特開2004−167451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、放水口サンプリング装置は原子力発電所の放射性物質の系外放出を監視するため、原子力発電所の放水口から放出される海水をサンプルとして採取し、サンプルの水質監視を行っている。そのため、配管内の海水の水質を変化させる装置の導入はサンプルの成分に影響を与えるため、特許文献1のように電気分解や塩素類を供給するような水質の変化を伴う装置、或いは特許文献3にしめす過酸化水素水を供給する装置は、放水口サンプリング装置には適用できない。
【0011】
また、特許文献2で述べられているCu―Ni合金製の防汚金属による付着防止は管壁面付近の海水の流れの低下を防ぐことはできず、また、配管閉塞の要因となりうるスラッジは付着を防止できないことから、特許文献2による付着防止対策は、背景技術で記載した配管閉塞の要因を除去するのに不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、配管とサンプルポンプとサンプル採取弁とを有し、冷却水放水口のサンプルポイントから前記サンプルポンプによりサンプル用の海水を取水して再び冷却水放水口に戻すとともに、前記配管途中に設けた前記サンプル採取弁を介して放水口の海水サンプリングを行う発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記配管を外管と多孔質の内管からなる二重管から構成し、前記内管内にサンプル用の海水を流すと共に前記外管内に流体を導入して内管内の海水に流入させ、前記内管管壁への海生生物及びスラッジの付着を防止することを特徴とする。
【0013】
また、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記流体は空気からなることを特徴とする。
【0014】
また、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記空気を前記外管内に供給する空気供給源を前記配管の前記サンプル採取弁の流れ方向下流に設けたことを特徴とする。
【0015】
また、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記空気を前記外管内に供給する空気供給源を前記サンプルポイント近傍に設けたことを特徴とする。
【0016】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記流体は前記放水口から採取した海水からなることを特徴とする。
【0017】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記海水を前記外管に供給する海水供給ポンプを前記サンプルポンプ近傍に設けたことを特徴とする。
【0018】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記海水を前記外管に供給する海水供給ポンプを前記サンプルポイント近傍に設けたことを特徴とする。
【0019】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記サンプルポンプから配管を分岐し、各分岐にて外管導入用弁及び内管挿入用弁を設けて海水を分流させ、各々前記外管と前記内管に海水を供給することを特徴とする。
【0020】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記多孔質の内管の孔方向を、内管軸方向に対し内管内を流れる海水の流れ方向に傾斜させて設け内管の管壁近傍における流速を増加させることを特徴とする。
【0021】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記多孔質の内管の孔方向を、内管半径方向において内管中心に対し傾斜させて設け内管の管壁近傍における流速を増加させることを特徴とする。
【0022】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記外管入口に海水を濾過するフィルタを設けたことを特徴とする。
【0023】
さらに、発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記外管と前記内管の圧力差を検出する差圧検出器を設け、前記フィルタの目詰まりを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、冷却水放水口のサンプルポイントからサンプルポンプによりサンプル用の海水を取水して再び冷却水放水口に戻すとともに、配管途中に設けたサンプル採取弁を介して放水口の海水サンプリングを行う発電プラントの放水口サンプリング装置において、配管を外管と多孔質の内管からなる二重管から構成し、内管内にサンプル用の海水を流すと共に前記外管内に流体を導入して内管内の海水に流入させ、前記内管管壁への海生生物及びスラッジの付着を防止することにより、水質変化のない配管閉塞防止効果の実現及び、物理的付着防止策を講じた配管を有するサンプリング装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1によるサンプリング装置の系統図である。
【図2A】本発明の実施例1および2によるサンプリング装置の断面図である。
【図2B】図2AのAA断面図である。
【図3】本発明の実施例2によるサンプリング装置の系統図である。
【図4】本発明の実施例3によるサンプリング装置の系統図である。
【図5】本発明の実施例3によるサンプリング装置の断面図である。
【図6】本発明の実施例4によるサンプリング装置の系統図である。
【図7】本発明の実施例4によるサンプリング装置の断面図である。
【図8】本発明の実施例5によるサンプリング装置の系統図である。
【図9】本発明の実施例5によるサンプリング装置の断面図である。
【図10A】本発明の実施例6によるサンプリング装置の断面図である。
【図10B】図10AのBB断面図である。
【図11】本発明の実施例7によるサンプリング装置の系統図である。
【図12】従来のサンプリング装置の系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を各実施例と図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は本発明の実施例1によるサンプリング装置の系統図である。二重管からなる配管Pの外管に空気を導入するコンプレッサ109がサンプル採取弁104より配管下流側に設置されている。なお、空気を導入するための設備としてコンプレッサ109の代わりにガスボンベを用いてもよい。
【0028】
図2Aに実施例1におけるサンプリング装置の断面図、図2Bに図2AのAA断面図を示す。前述のように管壁近傍における流速の減少や渦流により、海生生物が配管内壁に付着したりスラッジが滞留したりするため、サンプルポンプl03の下流側の配管Pについて図2A、2Bに示す外管2および内管3で構成される二重管構造の配管を適用する。サンプルポンプ103と配管Pの間には空気導入用フランジ111が取り付けられており、コンプレッサ109で圧縮された空気4が空気導入用フランジ111の空気導入口111aを経由して二重管の外管2と内管3の間に流れる。さらに、内管3は多孔質となっており、二重管の外管2に導入された空気4が内管3へ流入する。
【0029】
外管2から内管3内へ流入した空気4が内管3の管壁近傍に空気の膜を生じることにより海生生物及びスラッジの管壁への接近を防ぎ、海生生物及びスラッジを水流の早い管中央へ誘導して管壁への付着を防止する。
【0030】
通常は空気による海水サンプルへの汚染は殆ど考慮しなくてもよいが、実施例1ではより完全を期するため、配管内に導入される空気4によりサンプルの水質に変化が生じ分析結果に影響を与えないよう、コンプレッサ109による空気4の導入位置をサンプル採取弁104の後段に設置している。
【0031】
なお、多孔質の孔の直径は、海生生物の代表例であるフジツボの幼生が通過できない500μm程度が好ましい。なお、孔の直径は前記直径には限定されない。
【実施例2】
【0032】
図3は、本発明の実施例2によるサンプリング装置の系統図である。実施例2では、二重管の外管2に、成分及び放射線量が既知のガスを導入するコンプレッサ109ないしガスボンベを配管のサンプル採取弁104より流れ方向上流側に設置している。成分及び放射線量が既知のガスを利用することにより、配管内で海水1中に混入するガスの成分及び放射線量を予想することが可能であるため、サンプルの成分分析を行う際に混入するガスの影響を排除して評価を行うことが可能であり、放射性物質の系外排出の有無を適切に判断することができる。また、実施例1よりも長い配管長に渡って対策を行うことが可能となり、広範囲に渡って海生生物及びスラッジの付着を防止することが可能となる。
【0033】
使用するガスは、空気の他、成分及び放射線量が既知の任意のガスを用いることができるが、海水と反応して海水成分に影響を与えることのないものを用いる。
【実施例3】
【0034】
図4は、実施例3によるサンプリング装置の系統図である。実施例3では海生生物およびスラッジの付着防止流体として、サンプル採取容器105に汲み上げる放水口101の海水1を用いる。外管2に前述の海水を導入するため、海水供給ポンプとして外管導入用サンプルポンプ110を設置する。海生生物およびスラッジの付着防止流体として放水口101の海水1を用いる理由は、付着防止流体がサンプルに混入することによりサンプルの水質が変化し、適切な放射能レベルの測定を阻害することを防ぐためである。
【0035】
図5に実施例3におけるサンプリング装置の断面図を示す。前述のように管壁近傍に生じた流速の減少や渦流によって海生生物が配管内壁に付着したり、スラッジが滞留したりするため、実施例3は外管導入用サンプルポンプ110の下流側の配管について図5に示す構造の配管を適用する。配管Pは二重管になっており、外管2および内管3で構成される。サンプルポンプ103と二重管の間には海水導入用フランジ112が取り付けられており、内管導入用のサンプルポンプ103と外管導入用サンプルポンプ110に接続されている。112aは海水導入口である。外管導入用サンプルポンプ110によって汲み上げられた海水1が、海水導入口112aと海水導入用フランジ112を経由して二重管の外管2内部に流れる構造となっている。内管3の管内圧力よりも外管2の管内圧力が大きくなるよう圧力を調節して、配管内の海水1が外管2から内管3に流入するようにする。外管2から内管3へ海水1が流入し流れを生じることにより、内管3の管壁近傍の海水1の流れの低下を防ぎ、海生生物及びスラッジを水流の早い管中央へ誘導して管壁への接近を防ぎ、管壁への付着を防止する。なお、海水1を用いることにより配管内での気泡溜りを防ぐことができる。
【実施例4】
【0036】
図6は、本発明の実施例4によるサンプリング装置の系統図である。実施例4では、別に設けた外管導入用サンプルポンプ110をサンプルポイント102近傍に接続して、サンプルポイント102以降の配管Pを全て二重管とする。外管導入用サンプルポンプ110は単独で用いてもよい。
【0037】
図7に実施例4におけるサンプリング装置の断面図を示す。配管Pは二重管になっており、外管2および内管3で構成される。サンプルポイント102近傍に接続された外管導入用サンプルポンプ110によって海水1が汲み上げられ、海水導入用フランジ112を経由して二重管の外管2内に流れる構造になっている。113は分流用フランジである。
【0038】
実施例3ではサンプルポンプ103より上流側の配管に対しては付着防止の対策を採ることができなかった。これに対し実施例4では、更に外管導入用のサンプルポンプ110を放水口101近傍に追加することにより、放水口サンプリング装置の全配管に渡って、図5に示す対策を施すことが可能となる。
【実施例5】
【0039】
図8は、本発明の実施例5によるサンプリング装置の系統図である。実施例5では、サンプルポンプ103にて汲み上げた海水1を外管2導入用と内管3導入用に分流し、それぞれ流量調整用の外管導入用弁114、内管導入用弁115を通して外管2および内管3に流入する。
【0040】
図9に実施例5におけるサンプリング装置の断面図を示す。配管は二重管になっており、外管2および内管3で構成される。前述のように、サンプルポンプ103にて汲み上げた海水1は分流用フランジ113を通して、内管3導入用および外管2導入用に分流される。分流された海水1はそれぞれ外管導入用弁114、内管導入用弁115を通して外管2および内管3に流入する。なお、外管2から内管3に海水1が流れるよう、内管3の圧力を下げるために二重管の内管3導入上流側にオリフィス5を設置する。
【0041】
実施例3、4においては、外管導入用サンプルポンプ110をサンプルポンプ103と別に複数台用意する必要があった。これに対し実施例5ではサンプルポンプ103を外管導入用と内管導入用に共用することによって、ポンプが1台で済み構成の簡略化が可能となる。
【実施例6】
【0042】
実施例6では内管3の管壁近傍における水流が大きくなるように多孔質の孔の向きを改良したサンプリング装置の例を説明する。
【0043】
実施例6では海生生物およびスラッジの付着防止流体として放水口101の海水1を用いる。
【0044】
図10Aに実施例6におけるサンプリング装置の断面図を示す。図10Bは図10AのBB断面図である。多孔質の孔の中心軸はサンプリングの流れ方向に対して外管2の上流側から内管3の下流側に対して流れこむよう傾斜している。従って内管3内の海水1の流速が他の実施例よりも増加する。
【0045】
また、多孔質の孔の中心軸は配管半径方向に対しては、外管2からの内管3への放出の方向が内管3の管壁近傍に向かって海水1が放出されるように傾斜している。このことにより、外管2から流れ込んだ海水1が内管3の管壁近傍の海水1を巻き込んで、配管中心を軸とした旋回流が生じる。
【0046】
実施例1〜5では、外管2に導入される空気4及び海水1が内管3中の海水1の流れに与える影響は内管3の孔の近傍に限られており、孔と孔の間の管壁に与える影響は限定されている。これに対し、実施例6では内管3の海水1が軸に対して回転するように下流に流れていくため、壁面全体の近傍における海水1の流速を増加させることが可能となり、より海生生物やスラッジの付着を防止する効果が期待できる。なお、内管3の多孔質の孔の方向は図10A及び図10Bに示す方向には限定されない。
【実施例7】
【0047】
図11は、本発明の実施例7によるサンプリング装置の系統図である。実施例7では二重管の外管2入口に、海水からの海生生物やスラッジ除去用のフィルタ119を設置する。また、内管3と外管2の差圧を測定する差圧測定器120を内管3と外管2の入口に接続して差圧を測定し、ある設定値より差圧が小さくなった場合に警報を発報する構造とする。
【0048】
実施例7では二重管の外管2入口にフィルタ119を設置して、外管2内での海洋生物やスラッジの付着防止を実現できる。
【0049】
外管2入口に設置したフィルタが目詰まりした場合には、外管2内の圧力が低下し外管2から内管3に海水1を流すことができなくなる可能性がある。そこで、差圧測定器120により内管3と外管2の圧力を測定し、差圧が小さくなった場合に警報を発報して運転員にフィルタ119の交換時期を知らせ、二重管による海生生物及びスラッジの付着防止効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0050】
1:海水
2:外管
3:内管
4:空気
5:オリフィス
101:放水口
102:サンプルポイント
103:サンプルポンプ
104:サンプル採取弁
107:放水口
108:サンプル出口弁
109:コンプレッサ
110:外管導入用サンプルポンプ
113:分流用フランジ
114:外管導入用弁
115:内管導入用弁
116:放射線検出器
119:フィルタ
120:差圧測定器
P:配管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管とサンプルポンプとサンプル採取弁とを有し、冷却水放水口のサンプルポイントから前記サンプルポンプによりサンプル用の海水を取水して再び冷却水放水口に戻すとともに、前記配管途中に設けた前記サンプル採取弁を介して放水口の海水サンプリングを行う発電プラントの放水口サンプリング装置において、
前記配管を外管と多孔質の内管からなる二重管から構成し、前記内管内にサンプル用の海水を流すと共に前記外管内に流体を導入して内管内の海水に流入させ、前記内管管壁への海生生物及びスラッジの付着を防止することを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記流体は空気からなることを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項3】
請求項2に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記空気を前記外管内に供給する空気供給源を前記配管の前記サンプル採取弁の流れ方向下流に設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項4】
請求項2に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記空気を前記外管内に供給する空気供給源を前記サンプルポイント近傍に設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項5】
請求項1に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記流体は前記放水口から採取した海水からなることを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項6】
請求項5に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記海水を前記外管に供給する海水供給ポンプを前記サンプルポンプ近傍に設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項7】
請求項5に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記海水を前記外管に供給する海水供給ポンプを前記サンプルポイント近傍に設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項8】
請求項5に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記サンプルポンプから配管を分岐し、各分岐にて外管導入用弁及び内管挿入用弁を設けて海水を分流させ、各々前記外管と前記内管に海水を供給することを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれかに記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記多孔質の内管の孔方向を、内管軸方向に対し内管内を流れる海水の流れ方向に傾斜させて設け内管の管壁近傍における流速を増加させることを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項10】
請求項5乃至8のいずれかに記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記多孔質の内管の孔方向を、内管半径方向において内管中心に対し傾斜させて設け内管の管壁近傍における流速を増加させることを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項11】
請求項5乃至10のいずれかに記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記外管入口に海水を濾過するフィルタを設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項12】
請求項11に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記外管と前記内管の圧力差を検出する差圧検出器を設け、前記フィルタの目詰まりを検出することを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項1】
配管とサンプルポンプとサンプル採取弁とを有し、冷却水放水口のサンプルポイントから前記サンプルポンプによりサンプル用の海水を取水して再び冷却水放水口に戻すとともに、前記配管途中に設けた前記サンプル採取弁を介して放水口の海水サンプリングを行う発電プラントの放水口サンプリング装置において、
前記配管を外管と多孔質の内管からなる二重管から構成し、前記内管内にサンプル用の海水を流すと共に前記外管内に流体を導入して内管内の海水に流入させ、前記内管管壁への海生生物及びスラッジの付着を防止することを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記流体は空気からなることを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項3】
請求項2に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記空気を前記外管内に供給する空気供給源を前記配管の前記サンプル採取弁の流れ方向下流に設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項4】
請求項2に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記空気を前記外管内に供給する空気供給源を前記サンプルポイント近傍に設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項5】
請求項1に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記流体は前記放水口から採取した海水からなることを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項6】
請求項5に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記海水を前記外管に供給する海水供給ポンプを前記サンプルポンプ近傍に設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項7】
請求項5に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記海水を前記外管に供給する海水供給ポンプを前記サンプルポイント近傍に設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項8】
請求項5に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記サンプルポンプから配管を分岐し、各分岐にて外管導入用弁及び内管挿入用弁を設けて海水を分流させ、各々前記外管と前記内管に海水を供給することを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれかに記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記多孔質の内管の孔方向を、内管軸方向に対し内管内を流れる海水の流れ方向に傾斜させて設け内管の管壁近傍における流速を増加させることを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項10】
請求項5乃至8のいずれかに記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記多孔質の内管の孔方向を、内管半径方向において内管中心に対し傾斜させて設け内管の管壁近傍における流速を増加させることを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項11】
請求項5乃至10のいずれかに記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記外管入口に海水を濾過するフィルタを設けたことを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【請求項12】
請求項11に記載された発電プラントの放水口サンプリング装置において、前記外管と前記内管の圧力差を検出する差圧検出器を設け、前記フィルタの目詰まりを検出することを特徴とする発電プラントの放水口サンプリング装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−177639(P2012−177639A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41235(P2011−41235)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
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