説明

発電装置

【課題】構成が複雑化することを回避しつつ、作動媒体を循環させるポンプでのキャビテーションの発生を抑制し得る発電装置を提供する。
【解決手段】発電装置は、循環流路6における凝縮器3とポンプ4との間の流路に設けられ、当該ポンプ4の入り口側の作動媒体の圧力を検出する圧力センサ11と、循環流路6における凝縮器3とポンプ4との間の流路に設けられ、当該ポンプ4の入り口側の作動媒体の温度を検出する温度センサ12と、温度センサ12の検出値からポンプ4の入り口側における作動媒体の飽和蒸気圧力を導出する導出手段21と、導出手段21によって導出された飽和蒸気圧力と圧力センサ11によって検出された作動媒体の圧力との差圧に応じて、作動媒体の循環量を調整する調整制御手段23と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーの観点から、工場等の各種の設備からのいわゆる「排熱」を回収し、その回収された「排熱」のエネルギーを利用して発電を行なう発電装置へのニーズが高まっている。
【0003】
そのような発電装置として、例えば特許文献1に開示されているような排熱発電装置が知られている。この特許文献1に開示された排熱発電装置は、作動流体の蒸発器と、作動流体蒸気に膨張仕事をさせるためのタービンと、作動流体蒸気を凝縮させるための凝縮器と、作動流体を循環させるための循環ポンプとが直列に接続された閉ループ状の循環流路を備えている。この循環流路では、作動流体が循環するときに熱サイクルが行われる一方、上記タービンで発電機を駆動する。なお、特にその排熱発電装置のなかでも、低沸点の作動媒体によってタービンや膨張機(エキスパンダ)を駆動するランキンサイクルを利用したバイナリー発電システムが知られている。
【0004】
特許文献1に開示された排熱発電装置は、排熱を回収して作動媒体の高圧作動媒体蒸気を生成する蒸気発生器と、該高圧作動媒体蒸気を膨張させるタービンと、該タービンからの低圧蒸気を凝縮させる凝縮器と、作動媒体を循環させる作動媒体循環ポンプとを備えている。これら機器は作動媒体循環路によって接続されており、蒸気発生器とタービンとの間には気液分離器が配置されている。この気液分離器において作動媒体液から分離された作動媒体蒸気がタービンに導入される。
【0005】
なお、上述した排熱発電装置においては、作動媒体を循環流路内で循環させるべく循環ポンプを配設することが必要であり、この循環ポンプには、当該循環ポンプよりも上流側に位置する凝縮器によって凝縮されて液化した作動媒体が吸入される。循環ポンプは液化された作動媒体を下流に位置する蒸気発生器に送出する役割を担う。
【0006】
循環ポンプには、キャビテーションの発生を未然に防止するための方策が必要となる。キャビテーションは、流体機械において、その流体機械の内部を流れる媒体(液)の圧力が局部的に飽和蒸気圧に達することで、媒体が沸騰して小さな気泡が発生する現象である。この気泡が潰れる際には、その衝撃圧により流体機械の構成品に、いわゆるエロージョン(壊食)が発生する。例えば流体機械がターボ型流体機械であれば、その主要部品であるインペラ(羽根車)に損傷が生じる。循環ポンプにキャビテーションが生じた場合には、循環ポンプのメンテナンスのために、発電装置のシステム全体の運転を停止することが余儀なくされる。従って、循環ポンプのキャビテーションの発生を未然に防止するための方策が重要となる。
【0007】
特許文献1に開示された排熱発電装置には、上述した構成に加え、凝縮器から蒸気発生器に作動媒体を循環させる循環量を制御する循環量制御手段と、気液分離器内の分離液面を検出する液面検出器とが設けられている。気液分離器で分離された分離液(作動媒体)は流量制御手段を介して凝縮器に導かれ、また液面検出器によって検出される気液分離器内の分離液面が所定のレベルとなるように、循環量制御手段が作動媒体の循環量を制御している。
【0008】
また、この排熱発電装置には、熱回収器が設けられている。熱回収器は、気液分離器から凝縮器に分離液を導く経路に設けられており、分離液と凝縮器から蒸気発生器に送られた作動媒体とで熱交換を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4557793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に開示された排熱発電装置においては、循環ポンプのキャビテーションの発生を未然に防止するための方策が取られていないため、循環ポンプにおいてキャビテーションが発生する虞がある。しかも、この排熱発電装置は、蒸気発生器とタービンの間に気液分離器が配置されており、また気液分離器内の分離液面を検出する液面検出器が設けられているため、排熱発電装置としての構成が複雑である。
【0011】
そこで、本発明は、前記従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構成が複雑化することを回避しつつ、作動媒体を循環させるポンプでのキャビテーションの発生を抑制し得る発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明は、作動媒体液を蒸発させる蒸気発生手段と、作動媒体蒸気を膨張させる膨張機と、作動媒体蒸気を凝縮させる凝縮手段と、作動媒体を循環させるポンプと、が直列に接続された閉ループ状の循環流路を備え、前記膨張機で発電機を駆動する発電装置であって、前記循環流路における前記凝縮手段と前記ポンプとの間の流路に設けられ、当該ポンプの入り口側の作動媒体の圧力を検出する作動媒体圧力検出手段と、前記循環流路における前記凝縮手段と前記ポンプとの間の流路に設けられ、当該ポンプの入り口側の作動媒体の温度を検出する作動媒体温度検出手段と、前記作動媒体温度検出手段の検出値から前記ポンプの入り口側における作動媒体の飽和蒸気圧力を導出する導出手段と、前記導出手段によって導出された飽和蒸気圧力と前記作動媒体圧力検出手段によって検出された作動媒体の圧力との差圧に応じて、前記作動媒体の循環量又は前記凝縮手段に供給される冷却媒体の供給量を調整する調整制御手段と、を有する発電装置である。
【0013】
本発明では、ポンプ入り口側での作動媒体の温度から導出された飽和蒸気圧力と、作動媒体圧力検出手段によって検出されたポンプ入り口側での作動媒体の圧力との差圧に応じて、作動媒体の循環量又は凝縮手段に供給される冷却媒体の供給量を調整するので、ポンプ入り口側での作動媒体の圧力を飽和蒸気圧力よりも高い状態に維持することができ、仮にその状態から外れることがあるとしても、短時間でその状態に復帰することが可能となる。このため、ポンプでのキャビテーションの発生を未然に防止し、あるいはキャビテーションの発生を抑制することが可能となる。しかも、気液分離器内の液面を検出する必要がないため、気液分離器及び液面検出器が不要となり、構成が複雑化することを回避することができる。
【0014】
ここで、前記調整制御手段は、前記ポンプによる作動媒体の送出流量を調整することによって前記作動媒体の循環量を調整してもよい。
【0015】
一方、前記循環流路には、前記ポンプを迂回するように還流流路が接続され、前記還流流路には、還流調整弁が配設されていてもよく、この場合には、前記調整制御手段は、前記還流調整弁を制御することによって前記作動媒体の循環量を調整してもよい。
【0016】
また、前記調整制御手段は、前記冷却媒体の通じる冷却流路に配設された流量調整弁を制御することによって前記凝縮手段に供給される冷却媒体の供給量を調整してもよい。
【0017】
また、前記循環流路における前記ポンプの下流側の位置に設けられ、当該ポンプから前記蒸気発生手段へ送出される作動媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段を有する場合には、前記調整制御手段は、前記吐出圧力検出手段によって検知された前記作動媒体の圧力に応じて、又は前記導出手段によって導出された飽和蒸気圧力と前記作動媒体圧力検出手段によって検出された作動媒体の圧力との差圧に応じて、前記作動媒体の循環量を調整してもよい。
【0018】
本発明は、作動媒体液を蒸発させる蒸気発生手段と、作動媒体蒸気を膨張させる膨張機と、作動媒体蒸気を凝縮させる凝縮手段と、作動媒体を循環させるポンプと、が直列に接続された閉ループ状の循環流路を備え、前記膨張機で発電機を駆動する発電装置であって、前記循環流路における前記ポンプの下流側の位置に設けられ、当該ポンプから前記蒸気発生手段へ送出される作動媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段と、前記吐出圧力検出手段によって検知された前記作動媒体の圧力に応じて、前記作動媒体の循環量を調整する調整制御手段と、を有する発電装置である。
【0019】
本発明では、吐出圧力検出手段によってポンプから蒸気発生手段へ送出される作動媒体の圧力が検出され、この検出された圧力に応じて、調整制御手段が作動媒体の循環量を調整する。このため、キャビテーションが発生したとしても、その状態から早期に脱することができる。このため、ポンプでのキャビテーションの発生を抑制することが可能となる。しかも、気液分離器内の液面を検出する必要がないため、気液分離器及び液面検出器が不要となり、構成が複雑化することを回避することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、構成が複雑化することを回避しつつ、作動媒体を循環させるポンプでのキャビテーションの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発電装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】前記発電装置においてポンプの出力を調整するときの制御動作を説明するためのフロー図である。
【図3】前記発電装置の変形例においてポンプの出力を調整するときの制御動作を説明するためのフロー図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る発電装置の構成を概略的に示す図である。
【図5】第2実施形態に係る発電装置においてポンプの出力を調整するときの制御動作を説明するためのフロー図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る発電装置の構成を概略的に示す図である。
【図7】第3実施形態に係る発電装置においてポンプの出力を調整するときの制御動作を説明するためのフロー図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る発電装置の構成を概略的に示す図である。
【図9】第4実施形態に係る発電装置においてポンプの出力を調整するときの制御動作を説明するためのフロー図である。
【図10】ポンプの吐出圧力の変動状態を説明するための図である。
【図11】第5実施形態に係る発電装置においてポンプの出力を調整するときの制御動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る発電装置100の構成を示している。この発電装置100は、1つの発電サイクル50から構成されている。発電サイクル50は、膨張機1と、凝縮器(凝縮手段)3と、ポンプ4と、蒸発器(蒸気発生器、蒸気発生手段)5とが設けられた閉ループ状の循環流路6を備えている。この循環流路6には、作動媒体としてフロン系の熱媒体(例えばR245fa)が封入されている。作動媒体として水よりも沸点の低い熱媒体が使用されており、本実施形態に係る発電装置100は、バイナリー発電装置として構成されている。
【0024】
膨張機1は、循環流路6における蒸発器5の下流側に配置されており、蒸発器5で蒸発した作動媒体(蒸気)を膨張させることによって作動媒体から運動エネルギーを取り出す。膨張機1は、例えばスクリュ膨張機によって構成されている。スクリュ膨張機は、膨張機ケーシング内に形成されたロータ室(図示せず)に雌雄一対のスクリュロータ(図示せず)が収容された構成であり、循環流路6を通じて吸気口1sから供給される作動媒体の膨張力によってスクリュロータを回転させる。そして、ロータ室内で膨張して圧力が低下した作動媒体は、吐出口1dから循環流路6へ排気される。
【0025】
膨張機1には、発電機2が接続されており、発電機2は膨張機1によって駆動される。発電機2は、発電機ケーシングの内部空間(図示せず)に固定子(図示せず)および回転子(図示せず)が収容された構成となっている。回転子は、膨張機1のスクリュロータと軸が一体であり、スクリュロータの回転に伴って回転し、固定子の巻線に電力を発生させる。膨張機1とこの発電機2によって発電手段が構成されている。
【0026】
凝縮器3は、循環流路6における膨張機1の下流側に配置されており、膨張機1の吐出口1dから循環流路6に排出された作動媒体は、凝縮器3に導入される。凝縮器3では、作動媒体は、循環流路6とは別系統の回路(冷却媒体流路8)を流れる冷却水(冷却媒体)との熱交換によって凝縮して液体になる。すなわち、凝縮器3は、冷却媒体が流れる通路と作動媒体が流れる通路とを有し、冷却媒体と作動媒体との間で熱交換させる。
【0027】
液体になった作動媒体は、ポンプ4によって所定の圧力まで加圧され、蒸発器5に送出される。蒸発器5は、循環流路6を流れる作動媒体(液)を蒸発させて蒸気を発生するためのものであり、例えば、循環流路6とは別系統の熱媒体流路7を流れる熱媒体(例えば低圧蒸気)によって作動媒体を加熱する。すなわち、蒸発器5は、作動媒体が流れる通路と外部の熱源から供給される熱媒体が流れる通路とを有し、この熱媒体と作動媒体との間で熱交換させる。蒸発器5において熱媒体と熱交換して気化した作動媒体は、飽和蒸気(あるいは過熱蒸気)となって、膨張機1に再供給される。
【0028】
熱媒体流路7を介して蒸発器5に供給される熱媒体(加熱媒体)には、坑井(蒸気井)から採取された蒸気、工場等から排出された余剰の蒸気などのほか、太陽熱を熱源とする集光器、バイオマスや化石燃料を熱源とするボイラー、その他の設備などから生成された蒸気などが想定される。一方、冷却媒体流路8を介して凝縮器3に供給される冷却媒体には、クーリングタワーで製造される冷却水などが想定される。
【0029】
ポンプ4は、循環流路6内で作動媒体を循環させるために設けられるものであり、循環流路6における凝縮器3の下流側に配置されている。すなわち、ポンプ4は、循環流路6のうち凝縮器3と蒸発器5とを接続する配管に設けられていて、凝縮器3側の作動媒体(液)を吸入して蒸発器5側に吐出する。ポンプ4としては、インペラをロータとして備える遠心ポンプ、ロータが一対のギアからなるギアポンプ等が好ましく用いられる。
【0030】
発電装置100は、制御装置10を有している。この制御装置10はタッチパネル等の入力・表示手段(図示せず)を備えている。
【0031】
凝縮器3とポンプ4との間の循環流路6には、ポンプ4の入り口側の作動媒体の圧力Psを検出する作動媒体圧力検出手段の一例としての圧力センサ11と、ポンプ4の入り口側の作動媒体の温度Tsを検出する作動媒体温度検出手段の一例としての温度センサ12とが設けられている。検出された作動媒体の圧力Ps、温度Tsに相当する信号は制御装置10に入力される。
【0032】
制御装置10は、ROM、RAM、CPU等を備えていて、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより所定の機能を発揮する。制御装置10の機能には、導出手段21、調整制御手段23等が含まれている。
【0033】
導出手段21は、温度センサ12の検出値からポンプ4入り口における作動媒体の飽和蒸気圧力を導出する。すなわち、制御装置10には、作動媒体の温度と飽和蒸気圧力とを関連づける情報テーブルや後述する関数式が記憶されていて、導出手段21は、このテーブルや関数式を利用して作動媒体の飽和蒸気圧力を導出する。
【0034】
調整制御手段23は、導出手段21によって導出された飽和蒸気圧力と圧力センサ11によって検出された作動媒体の圧力とから両者の差(差圧)を演算し、この導出された差圧に応じて、ポンプ4の出力を調整する。ポンプ4は、制御装置10からの制御信号を受けて、ポンプ4のロータの回転数を変更し、ポンプ4より送出される作動媒体の送出流量を調整する。
【0035】
ここで、ポンプ4の出力(回転数)を調整するときの発電装置100の制御動作を、図2を参照しつつ説明する。なお、発電装置100の主たる発電サイクル動作については、別の制御フローによって、初期状態すなわちステップST1で既に制御されており、ポンプ4のロータの回転数もその別の制御フローにて目標となる回転数に調整されているものとする。
【0036】
ステップST1において、制御装置10で保持する変数iを初期値0に、また回転数の調整量Δrを初期値のΔr0に設定する。
【0037】
そして、圧力センサ11によってポンプ4の入り口側の作動媒体の圧力Psを検出し、温度センサ12によってポンプ4の入り口側の作動媒体の温度Tsを検出する(ステップST2)。
【0038】
次いで、ステップST3において、制御装置10は、温度センサ12によって検出された温度Tsから飽和蒸気圧Pth(Ts)を導出する。制御装置10には予め関数式が記録されていて、制御装置10は、その関数式と検出された温度Tsとから飽和蒸気圧Pth(Ts)を導出する。なお、一般に、飽和蒸気圧は作動媒体ごとに特定される飽和蒸気圧曲線と温度に基づいて一義的に決定されるが、ここではその飽和蒸気圧を温度Tsに対する関数式により導出されるものとする。飽和蒸気圧Pth(Ts)を導出する関数式は例えば以下のとおりである。
Pth(Ts)= 6.21×10―7Ts
+ 3.13×10−5Ts
+ 2.73×10−3Ts
+ 1.54×10−1
【0039】
次いで、ステップST4において、Ps−Pth>αかどうかの判断がなされる。すなわち、未然にキャビテーションを防止するという観点から、ポンプ4の特性である「NPSH」(NetPositive Suction Head)、すなわち、「NPSH−A」(有効吸い込みヘッド、NetPositive Suction Head Available)と、「NPSH−R」(必要有効吸込みヘッド、Net Positive Suction Head Required)との差分「NPSH−A」−「NPSH−R」に基づき、予め0(ゼロ)以上の所定の値αが設定されていて、ステップST4において、圧力センサ11による検出圧力Psが、導出された飽和蒸気圧Pth+所定値αよりも大きいか否かが判断される。
【0040】
このステップST4での判断がYESであれば、ステップST5に移行して、改めて制御装置10で保持する変数iを初期値0に、また回転数の調整量Δrを初期値のΔr0に設定し、その上でステップST2に戻る。
【0041】
他方、ステップST4での判断がNOであれば、ステップST6に移行する。ステップST6では、現在のポンプ4の回転数rから所定の回転数Δrを減じた値が0より大であるかどうかが判断される。すなわち、次に所定の回転数Δrだけポンプ4の回転数を下げたとしても、ポンプ4は回転し続けられるか否かが判断される。
【0042】
ステップST6でYESの判断の場合には、ステップST7に移行して、変数iが初期値0であるかどうかが判断される。そして、ステップST7での判断がYESである場合には、ステップST8に移行する。ステップST8では、ポンプ4の回転数rが現状値から所定の回転数Δrだけ下げられる。すなわち、圧力センサ11で検知された圧力Psと導出された飽和蒸気圧Pth(Ts)との差圧が所定値α以下であれば、ポンプ4の回転数を所定回転数だけ下げる制御が実行される。これにより、ポンプ出力が低減し、ポンプ4から送出される作動媒体の循環量が低減される。作動媒体の循環量が減少すると、通常、ポンプ4の入り口側の作動媒体の圧力Psが現状よりも低くなる一方、凝縮器3において作動媒体から熱が奪われる割合が増えるので、ポンプ4入り口側での作動媒体の温度Tsも現状より低くなる。それに伴って、導出される飽和蒸気圧Pth(Ts)も低くなる。なお、通常、作動媒体の圧力Psの減少の度合いよりも、飽和蒸気圧Pth(Ts)の減少の度合いの方が大きい。このため、ステップST8の実行により、Ps−Pth>αの状態に復帰(ステップST4での判断がNOからYESに変更)されることが期待される。なお、ステップST8の実行のあと、ステップST9にて変数iをインクリメント(iを1つ増加)したうえで、ステップST2に戻る。
【0043】
なお、ステップST8にて、ポンプ4により送出される作動媒体の循環量を減少させても、それによる効果が発揮されるにはある程度の時間が必要となる。したがって、一旦ステップST8を実行した後、すぐに再びステップST8を実行することがないよう、上述のステップST7及びステップST9、更には後述のステップST10、ステップST11が設けられている。
【0044】
すなわち、ステップST7でNOの判断がなされた場合(つまり、その前にステップST9を実行して、iが1以上となっていること、ひいては一旦ステップST8を実行したことを意味する)、ステップST10に移行し、変数iと定数nとの比較がなされ、i<nであるか否かの判断がなされる。ステップST10での判断がYES(i<n)であれば、改めてステップST9にて変数iをインクリメント(iを1つ増加)したうえで、ステップST2に戻る。
【0045】
ステップST10での判断がNO(すなわちi≧n)であれば、ステップST11に移行し、iを初期値0に設定したうえで、ステップST2に戻る。この状態から、ステップST4でNO(すなわちPs−Pth≦α)、ステップST6でYES(すなわちポンプ回転数r−Δr>最低回転数)であれば、iは初期値0のままであるため、ステップST7でYESとの判断となり、ステップST8に移行し、再びポンプ4の回転数rが現状値から所定の回転数分Δrだけ下げられることになる。
【0046】
なお、ステップST6でNOと判断された場合には、次に所定の回転数Δrだけポンプ4の回転数を下げるとポンプ4が回転し続けられない状態となる。そのため、ステップST6でNOと判断された場合には、ステップST13に移行し、制御装置10に備えられたタッチパネル等の入力・表示手段(図示せず)にて、その旨を表す警報を発信し、もしくはこの発電装置100自体の運転を停止する。
【0047】
上述した構成の発電装置100では、ポンプ入り口側での作動媒体の圧力Psがポンプ入り口側での作動媒体の飽和蒸気圧力Pthよりも所定値α以上高い状態から外れることがあったとしても、短時間でその状態に復帰することが可能となる。これにより、Ps−Pth>αの状態に復帰(ステップST4での判断がNOからYESに変更)される可能性を高めること、ひいては、ポンプ4でのキャビテーションの発生を未然に防止し、あるいはキャビテーションの発生を抑制する効果を高めることができる。言い換えると、Ps−Pth>αの状態に保ち易くすることができて、キャビテーションの発生を抑制することができる。しかも、気液分離器内の液面を検出する必要がないため、気液分離器及び液面検出器が不要となり、構成が複雑化することを回避することができる。
【0048】
ここで、第1実施形態に係る発電装置100の変形例の制御フローを図3に示す。なお、この図3に示した制御フローは、図2に示した制御フローと共通する部分がほとんどであるため、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0049】
図3に示した制御フローでは、ステップST11の後にステップST13が追加されている。ステップST13では、ステップST8にてポンプ回転数rを減少される際のその減少分のΔr自体をΔr1だけ増加させている。これにより、ポンプ4の回転数の減少度合いを徐々に大きくすることが可能となる。これにより、更にPs−Pth>αの状態に復帰(ステップST4での判断がNOからYESに変更)される可能性をさらに高めることができる。したがって、ポンプ4でのキャビテーションの発生を未然に防止、あるいはキャビテーションの発生を抑制する効果をさらに高めることができる。
【0050】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る発電装置101の構成を示している。この図4に示した第2実施形態の発電装置101は、図1に示した本発明の第1の実施形態の発電装置100の構成とほぼ同じ構成であるので、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0051】
第2実施形態に係る発電装置100は、図1に示した発電装置100の構成に加え、還流流路13と、この還流流路13に配置された還流調整弁14とが設けられている。
【0052】
還流流路13は、ポンプ4の上流側の循環流路6とポンプ4の下流側の循環流路6とを接続している。すなわち、還流流路13は、ポンプ4を迂回するように循環流路6に接続されている。
【0053】
還流調整弁14はその開度を任意に調整可能な調整弁であり、制御装置10から出力された制御信号によって開度を調整する。
【0054】
調整制御手段23は、導出手段21によって導出された飽和蒸気圧力と圧力センサ11によって検出された作動媒体の圧力とから両者の差(差圧)を演算し、この導出された差圧に応じて、制御装置10は前記制御信号を出力する。
【0055】
図5は、第2実施形態に係る発電装置101の制御フローのうち、ポンプ入り口側での作動媒体圧力の調整に関する制御を示している。この図5に示した制御フローは、図2に示した制御フローとほぼ同じであるので、以下、図2の制御フローと異なる部分についてのみ説明する。
【0056】
図5に示した制御フローでは、図2に示した制御フローにおけるステップST1、ステップST5、ステップST6及びステップST8が相違しており、これらステップに代えて、ステップST1a、ステップST5a、ステップST6a及びステップST8aを備える。
【0057】
ステップST1aでは、制御装置10で保持する変数iを初期値0に、また還流調整弁14の開度gの調整量Δgを初期値Δg0に設定するとともに、開度gを初期値g0とする。なお、ここでは開度gの初期値g0は0(ゼロ)であるとし、ステップST1aにおいて、還流調整弁14は閉じられているものとする。ステップST5aでもステップST1aと同様である。
【0058】
ステップST6aでは、現在の還流調整弁14の開度gから所定の開度調整量Δgだけ増やした値が、還流調整弁14の仕様上の最大開度より小であるかどうかが判断される。すなわち、ステップST6aでは、次に所定の開度Δgだけ還流調整弁14の開度を増すことが可能か否かを判断している。
【0059】
ステップST8aでは、還流調整弁14の開度gが現状値から所定の開度Δgだけ増加される。これにより、ポンプ4の吐出側から送出される作動媒体の一部がそのポンプ4の吸込み側に還流され、結果として、循環流路6の作動媒体の循環量が減少する。この制御によっても、やはりPs−Pth>αの状態に復帰(ステップST4での判断がNOからYESに変更)されることが期待される。
【0060】
なお、図5に点線で示したとおり、ステップST11の後にステップST13aを追加しても良い。ステップST13aでは、ステップST8aにて還流調整弁14の開度gが増加される際のその増加分の開度調整量Δg自体をΔg1だけ増加させている。これにより、徐々に還流調整弁14の開度gの増加の度合いを大きくすることが可能となる。
【0061】
したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、ポンプ入り口側での作動媒体の圧力Psがポンプ入り口側での作動媒体の飽和蒸気圧力Pthよりも所定値α以上高い状態から外れることがあったとしても、短時間でその状態に復帰することが可能となる。これにより、Ps−Pth>αの状態に復帰(ステップST4での判断がNOからYESに変更)される可能性を高めること、ひいては、ポンプ4でのキャビテーションの発生を未然に防止し、あるいはキャビテーションの発生を抑制する効果を高めることができる。
【0062】
なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが前記第1実施形態と同様である。
【0063】
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係る発電装置102を示している。第3実施形態に係る発電装置102は、図1に示した第1の実施形態の発電装置100の構成とほぼ同じ構成を有しているので、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0064】
第3実施形態の発電装置102は、図1に示した第1実施形態に係る発電装置100の構成に加え、冷却媒体流量調整弁15が追加されている。冷却媒体流量調整弁15は、凝縮器3に供給される冷却媒体の流量を調整するためのものであり、冷却媒体流路8における凝縮器3よりも上流側に配置されている。冷却媒体流量調整弁15は、制御装置10から出力された制御信号によって開度を調整可能な調整弁である。
【0065】
調整制御手段23は、導出手段21によって導出された飽和蒸気圧力と圧力センサ11によって検出された作動媒体の圧力とから両者の差(差圧)を演算し、制御装置10は、この導出された差圧に応じて、前記制御信号を出力する。
【0066】
図7は、第3実施形態に係る発電装置102の制御フローのうち、ポンプ入り口側での作動媒体圧力の調整に関する制御を示している。この図7に示した制御フローは、図2に示した制御フロー或いは図5に示した制御フローとほぼ同じであるので、以下、図2の制御フローと異なる部分についてのみ説明する。
【0067】
図7に示した制御フローは、図2に示した制御フローにおけるステップST1、ステップST5、ステップST6及びステップST8が相違しており、これらステップに代えて、ステップST1b、ステップST5b、ステップST6b及びステップST8bを備える。
【0068】
ステップST1bでは、制御装置10で保持する変数iを初期値0に、また冷却媒体流量調整弁15の開度hの調整量Δhを初期値Δh0に設定するとともに、冷却媒体流量調整弁15の開度hを初期値h0とする。ステップST5bでもステップST1bと同様である。
【0069】
ステップST6bでは、現在の冷却媒体流量調整弁15の開度hから所定の開度Δhを増やした値が、冷却媒体流量調整弁15の仕様上の最大開度より小であるかどうかが判断される。すなわち、ステップST6bでは、次に所定の開度Δhだけ冷却媒体流量調整弁15の開度hを増すことが可能か否かを判断している。
【0070】
ステップST8bでは、冷却媒体流量調整弁15の開度hが現状値から所定の開度Δhだけ増加される。これにより、冷却媒体流路8を通して凝縮器3に供給される冷却媒体の流量が増加し、凝縮器3での作動媒体と冷却媒体との熱交換が促進される。したがって、凝縮器3の出口側、つまりポンプ4の吸込み側の作動媒体の温度Tsが低下する。結果として、ポンプ4の吸込み側の作動媒体の飽和蒸気圧Pth(Ts)も低下する。このため、この制御によっても、やはりPs−Pth>αの状態に復帰(ステップST4での判断がNOからYESに変更)されることが期待される。
【0071】
なお、図7に点線で示したとおり、ステップST11の後にステップST13bを追加しても良い。ステップST13bでは、ステップST8bにて冷却媒体流量調整弁15の開度hが増加される際のその増加分の開度調整量Δh自体をΔh1だけ増加させている。これにより、徐々に冷却媒体流量調整弁15の開度hの増加の度合いを大きくすることが可能となる。
【0072】
したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、ポンプ入り口側での作動媒体の圧力Psがポンプ入り口側での作動媒体の飽和蒸気圧力Pthよりも所定値α以上高い状態から外れることがあったとしても、短時間でその状態に復帰することが可能となる。これにより、Ps−Pth>αの状態に復帰(ステップST4での判断がNOからYESに変更)される可能性を高めること、ひいては、ポンプ4でのキャビテーションの発生を未然に防止し、あるいはキャビテーションの発生を抑制する効果を高めることができる。
【0073】
なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが前記第1実施形態と同様である。
【0074】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係る発電装置103の構成を示す。第4実施形態に係る発電装置103は、図1に示した第1の実施形態に係る発電装置100とほぼ同じ構成を有しているので、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0075】
第4の実施形態の発電装置103は、図1に示した第1の実施形態に係る発電装置100の構成に吐出圧力検知手段16が追加された構成となっている。吐出圧力検知手段16は、冷却媒体流路8におけるポンプ4よりも下流側、即ちポンプ4の吐出側に配設されている。吐出圧力検知手段16は、ポンプ4から蒸発器5へ送出される作動媒体の圧力(ポンプ4の吐出圧力Pd)を検知する。
【0076】
調整制御手段23は、導出手段21によって導出された飽和蒸気圧力と圧力センサ11によって検出された作動媒体の圧力とから両者の差(差圧)を演算し、制御装置10は、この導出された差圧に応じて制御信号を出力する。また、調整制御手段23は、吐出圧力検知手段16による検知圧力の変動幅に応じて(変動幅が閾値未満であるか否かに応じて)、制御信号を出力する。ポンプ4は、制御装置10からの制御信号を受けて、ポンプ4のロータの回転数を変更し、ポンプ4より送出される作動媒体の送出流量を調整する。
【0077】
図9に示した制御フローは、図2に示した制御フローにおけるステップST2の前にステップST14及びステップST15が追加されている。これらステップ14,ST15は、吐出圧力検知手段16にて検知したポンプ4の吐出圧力Pdを利用して、ポンプ入り口側での作動媒体圧力の調整を行うためのステップである。ステップST14において、吐出圧力検知手段16によりポンプ4の吐出圧力Pdを検知し、ステップST15において、予め設定された時間内におけるポンプ4の変動幅ΔPdが、予め定めた閾値ΔPdth未満であるか否かが判断される。そして、ステップST15における判断がNOの場合(変動幅ΔPdが閾値ΔPdth以上の場合)にステップST6に移る。
【0078】
図10に示すように、キャビテーションが発生すると、ポンプ4の吐出圧力Pdの変動幅が大きくなる。このときの変動幅は正常時の変動幅の2倍以上である。制御装置10は、この圧力の変動が予め定めた閾値ΔPdth以上であることを判断したら、キャビテーションが現に発生しているとみなして、その状態から脱すべく、ステップST8において、ポンプ4の回転数rを現状値から所定の回転数Δrだけ下げる制御を実行する。すなわち、予め設定された閾値以上の圧力変動が検出された場合に、ポンプ4の出力を低減させて循環流路6を循環する作動媒体の循環量を低減させることにより、ポンプ4入り口側での圧力Ps及び温度Tsを低く抑え、これによりキャビテーションの発生を抑えることができる。
【0079】
また、この第4実施形態では、Ps−Pth>αかどうかを判断するステップST4も含まれているため、吐出圧力Pdの変動幅が閾値ΔPdth以上の場合、又はポンプ4の入り口側での圧力Psが飽和蒸気圧Pth+α以下の場合に、ポンプ4の回転数rを下げる制御が実行され得る。したがって、キャビテーションの発生を抑制する効果を更に高めることができる。
【0080】
なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが前記第1実施形態と同様である。
【0081】
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5の実施形態に係る発電装置の制御フローを示している。ここでは、図9に示した制御フローと相違する点についてのみ説明する。図11に示した制御フローでは、図9に示した制御フローのステップST2からステップST4が省略されている。したがって、第5実施形態では、第4実施形態と異なり、ポンプ4の吐出圧力Pdの変動幅に基づいてのみ、ポンプ4の回転数rを下げる制御を実行する。なお、第5実施形態では、圧力センサ11及び温度センサ12を省略可能である。
【0082】
なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが前記第4実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0083】
1 膨張機
1d 吐出口
1s 吸気口
2 発電機
3 凝縮器
4 ポンプ
5 蒸発器
6 循環流路
7 熱媒体流路
8 冷却媒体流路
10 制御装置
11 圧力センサ
12 温度センサ
13 還流流路
14 還流調整弁
15 冷却媒体流量調整弁
16 吐出圧力検知手段
21 導出手段
23 調整制御手段
50 発電サイクル
100 発電装置
101 発電装置
102 発電装置
103 発電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動媒体液を蒸発させる蒸気発生手段と、作動媒体蒸気を膨張させる膨張機と、作動媒体蒸気を凝縮させる凝縮手段と、作動媒体を循環させるポンプと、が直列に接続された閉ループ状の循環流路を備え、前記膨張機で発電機を駆動する発電装置であって、
前記循環流路における前記凝縮手段と前記ポンプとの間の流路に設けられ、当該ポンプの入り口側の作動媒体の圧力を検出する作動媒体圧力検出手段と、
前記循環流路における前記凝縮手段と前記ポンプとの間の流路に設けられ、当該ポンプの入り口側の作動媒体の温度を検出する作動媒体温度検出手段と、
前記作動媒体温度検出手段の検出値から前記ポンプの入り口側における作動媒体の飽和蒸気圧力を導出する導出手段と、
前記導出手段によって導出された飽和蒸気圧力と前記作動媒体圧力検出手段によって検出された作動媒体の圧力との差圧に応じて、前記作動媒体の循環量又は前記凝縮手段に供給される冷却媒体の供給量を調整する調整制御手段と、を有する発電装置。
【請求項2】
前記調整制御手段は、前記ポンプによる作動媒体の送出流量を調整することによって前記作動媒体の循環量を調整する請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記循環流路には、前記ポンプを迂回するように還流流路が接続され、
前記還流流路には、還流調整弁が配設されており、
前記調整制御手段は、前記還流調整弁を制御することによって前記作動媒体の循環量を調整する請求項1に記載の発電装置。
【請求項4】
前記調整制御手段は、前記冷却媒体の通じる冷却流路に配設された流量調整弁を制御することによって前記凝縮手段に供給される冷却媒体の供給量を調整する請求項1に記載の発電装置。
【請求項5】
前記循環流路における前記ポンプの下流側の位置に設けられ、当該ポンプから前記蒸気発生手段へ送出される作動媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段を有し、
前記調整制御手段は、前記吐出圧力検出手段によって検知された前記作動媒体の圧力に応じて、又は前記導出手段によって導出された飽和蒸気圧力と前記作動媒体圧力検出手段によって検出された作動媒体の圧力との差圧に応じて、前記作動媒体の循環量を調整する請求項1から4の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項6】
作動媒体液を蒸発させる蒸気発生手段と、作動媒体蒸気を膨張させる膨張機と、作動媒体蒸気を凝縮させる凝縮手段と、作動媒体を循環させるポンプと、が直列に接続された閉ループ状の循環流路を備え、前記膨張機で発電機を駆動する発電装置であって、
前記循環流路における前記ポンプの下流側の位置に設けられ、当該ポンプから前記蒸気発生手段へ送出される作動媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段と、
前記吐出圧力検出手段によって検知された前記作動媒体の圧力に応じて、前記作動媒体の循環量を調整する調整制御手段と、を有する発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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