説明

白熱ランプ及び白熱ランプユニット

【課題】発光管内で管軸方向に延びるフィラメントを備えた白熱ランプにおいて、発光管の強度を補強して、その薄肉化を実現して光の透過効率の向上を図った構造を提供することにある。
また、複数本の白熱ランプを備え、互いに発光部であるフィラメントの位置がずれて配置された白熱ランプユニットにおいて、各白熱ランプの強度を補強しつつ、発光部からの光を邪魔することのない構造を提供することにある。
【解決手段】前記発光管にその管軸方向に延びる補強リブを形成したことを特徴とする。
また、複数の白熱ランプのそれぞれの発光管の内部リードに対応した位置に補強リブを設けた構成としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、白熱ランプ及び白熱ランプユニットに関するものであり、特に、電子写真方式を利用した複写機、レーザーブリンタ、ファクシミリなどの画像成形装置における、熱ローラ定着方式の加熱装置を構成する加熱ローラ内に配置されて、当該加熱ローラの加熱源として用いられる白熱ランプ及び白熱ランプユニットに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱源として発光管内にフィラメントを具備する白熱ランプが多用されている。例えば、特許文献1(特開2001−126846号公報)には、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置用の定着装置にハロゲンヒータが用いられ、従来のガラス管(発光管)より薄肉化して光の透過率を向上させることが記載されている。
【0003】
また、一方で、記録紙のサイズに対応するように、複数本の白熱ランプを備えた白熱ランプユニットも公知である。特開2009−117147号公報はその一例であり、図5にその概略構造が開示されている。
同図において、図示されない加熱定着装置を構成する加熱ローラの内部に、複数本の棒状ヒータランプ31、32からなるランプユニット30が加熱源として配置されているものが記載されている。
この装置においては、一方の白熱ランプ31内の中央部には発光部であるフィラメント33が配置され、その両側に非発光部である内部リード34、35が配置されている。
他方の白熱ランプ32には、前記一方のランプ32のフィラメント33とずれた位置にフィラメント36、37が配置され、それらを内部リード38で接続している。
【0004】
上記ランプユニット30は、記録紙のサイズに応じて各ランプを点灯するものであって、例えば、A4タイプの記録紙の場合には、ランプ31のみを点灯し、A3タイプの場合には、両方のランプ31、32を点灯させるものである。
【0005】
しかして、上記白熱ランプにおいては、特許文献1に開示されたように、光の透過率の向上を図って発光管の肉厚を薄くする、例えば0.85mm以下にしようとすると、発光管の強度が低下し、破損しやすくなり、その取り扱いが煩雑化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−126846号公報
【特許文献2】特開2009−117147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、発光管内にフィラメントを具備した白熱ランプ及び複数本の白熱ランプを備えたランプユニットにおいて、発光管の強度を補強して該発光管の肉厚を薄くすることを可能とし、光の透過率の向上を実現させるようにした白熱ランプ及び白熱ランプユニットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明に係る白熱ランプは、内部にフィラメントを具備した発光管に、その管軸方向に沿って延びる補強リブが設けられたことを特徴とする。
更には、発光管内で管軸方向に延びるフィラメントを備えた白熱ランプが複数本具備され、前記各ランプには発光部であるフィラメントと非発光部である内部リードが設けられており、前記各ランプのフィラメントが管軸方向で互いにずれるように配置されてなる白熱ランプユニットにおいて、前記白熱ランプの発光管には、非発光部である内部リードに対応する個所に管軸方向に沿って延びる補強リブが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発光管に、その管軸方向に沿って延びる補強リブを設けた構成としたことにより、発光管の強度が補強され、当該発光管の薄肉化を実現して光の透過率の向上を図ることができる。
また、複数本の白熱ランプを備え、各ランプにおける発光部であるフィラメントの位置を互いにずらせて配置した白熱ランプユニットにおいて、各ランプの発光管に、内部リードに対応した位置に管軸方向に沿って延びる補強リブを設けた構成としたことにより、発光管の強度を補強しつつ、発光部からの光を邪魔することなく外部に透過できるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る白熱ランプの全体図。
【図2】第1の実施例の断面斜視図。
【図3】第2の実施例の全体図。
【図4】第3の実施例の全体図。
【図5】従来例の全体図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1はこの発明の白熱ランプを示し、図1(a)は全体図、図1(b)はそのA−A部の拡大横断面図である。
図において、白熱ランプ1は、両端に封止部を有する直管状の発光管2と、その内部に管軸方向に沿って配設されたフィラメント3とを備えている。該フィラメント3は内部リード4を介して外部リード5に接続されている。そして、発光管2内には、不活性ガス及びハロゲンガスが封入されている。
【0012】
上記発光管2の外周面には管軸方向に沿って延びる直線状の補強リブ6、6が設けられている。当該補強リブ6は、発光管2の直径や補強リブ6自体の大きさによってその本数が選択される。なお、この際、補強リブ6は発光管2の排気チップ7を避けた位置に形成することが望ましい。
【0013】
上記実施例では、発光管2の外周面に補強リブ7、7を形成する構成を示したが、これに限られず、その内周面に形成することもできる。図2にこの構成が示されていて、図において、直線状の補強リブ8、8は発光管2の内周面に管軸方向に延びるように形成されている。
【0014】
また、図3に別の実施例が示されており、この実施例では、補強リブ9は発光管2の外周面に螺旋状に形成されていて、その管軸方向に沿って延びている。
【0015】
図4には、このような白熱ランプを複数本具備した白熱ランプユニット10が示されていて、該白熱ランプユニット10は2本の白熱ランプ11、21からなる。
一方の白熱ランプ11は、発光管12内の中央部に発光部であるフィラメント13が配置され、その両端には非発光部である内部リード14、15が接続されている。
そして、前記発光管12の外周面には内部リード14、15に対応した位置に、それぞれ螺旋状の補強リブ16、17が形成されていて、フィラメント13に対応した外周面には補強リブは形成されていない。
【0016】
一方、他の放電ランプ21は、発光管22内の両端側にフィラメント23、24が配置され、これらは中央部に位置する内部リード25によって接続されている。これらフィラメント23、24は前記一方のランプ11の内部リード14、15に対応した位置に配設され、また、内部リード25は一方のランプ11のフィラメント13に対応した位置に配設されている。
そして、発光管22の外周面には中央部の内部リード25に対応した位置に螺旋状の補強リブ26が形成されていて、両端側のフィラメント23、24に対応した位置には補強リブは形成されていない。
【0017】
なお、図4においては、補強リブ16、17、26は螺旋状のものを示したが、図1のように、直線状のものであってもよい。
また、この実施例では白熱ランプが2本の例を示したが、本数はこれに限られず例えば、3本あるいはこれ以上であってもよい。3本以上であっても、各ランプでの発光部であるフィラメントの位置を管軸方向でそれぞれずらせた配置とし、補強リブは各ランプにおいて、非発光部である内部リードに対応する個所に形成すればよい。
【0018】
以上のように、本発明の白熱ランプでは、内部にフィラメントを具備した発光管に、その管軸方向に沿って延びる補強リブを設けたことにより、発光管の強度を補強することができ、該発光管の薄肉化を実現して光の透過率を向上させることができる。
また、複数の白熱ランプを備え、それぞれの白熱ランプの発光部であるフィラメントの位置を互いにずらした配置した白熱ランプユニットにおいて、各ランプの発光管において内部リードに対応した位置に補強リブを設けたことにより、発光管の強度が補強されるとともに、各フィラメントに対応した位置には補強リブがないために、該フィラメントからの光が補強リブによって邪魔されることなく外部に放射されるという効果を奏するものである。
【符号の説明】
【0019】
1 白熱ランプ
2 発光管
3 フィラメント
4 内部リード
6、8、9 補強リブ
10 白熱ランプユニット
12 発光管
11、21 白熱ランプ
13 フィラメント
14、15 内部リード
17、17 補強リブ
22 発光管
23、24 フィラメント
25 内部リード
26 補強リブ




【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に封止部が設けられた発光管と、該発光管内で管軸方向に延びるフィラメントと、を備えた白熱ランプにおいて、
前記発光管には、管軸方向に沿って延びる補強リブが設けられたことを特徴とする白熱ランプ。
【請求項2】
前記補強リブが、発光管の外周面に管軸方向に直線状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の白熱ランプ。
【請求項3】
前記補強リブが、発光管の外周面に螺旋状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の白熱ランプ。
【請求項4】
両端に封止部が設けられた発光管と、該発光管内で管軸方向に延びるフィラメントとを備えた白熱ランプが複数本具備され、前記各ランプには発光部であるフィラメントと非発光部である内部リードが設けられており、前記各ランプのフィラメントが管軸方向で互いにずれるように配置されてなる白熱ランプユニットにおいて、
前記白熱ランプの発光管には、非発光部である内部リードに対応する個所に管軸方向に沿って延びる補強リブが設けられていることを特徴とする白熱ランプユニット。
【請求項5】
前記白熱ランプが2本具備され、一方の白熱ランプにおいては発光部であるフィラメントが管軸方向の中央部に配置され、他方の白熱ランプにおいてはフィラメントが前記一方の白熱ランプのフィラメントの両側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の白熱ランプユニット




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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