白癬菌要因の皮膚病治療材並びにその治療具
【課題】白癬菌に対して優れた抗菌(殺菌)効果を有する抗白癬菌有効成分を表層から皮膚内部に存在する全ての白癬菌に対して作用し、原因菌である白癬菌をもとから断つことができ、白癬菌要因の皮膚病を確実に完治させることができる画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材並びにその治療具を提供することを目的とする。
【解決手段】白癬菌に対して抗菌,殺菌作用を施す抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する、若しくは前記抗白癬菌有効成分を気体状にして放出し得る抗白癬菌有効成分発生剤1を有する抗白癬菌有効成分発生部2を備え、この抗白癬菌有効成分発生部2から気体状の抗白癬菌有効成分を放出し、この放出した気体状の抗白癬菌有効成分を患部に着接浸透し得るように構成した白癬菌要因の皮膚病治療材。
【解決手段】白癬菌に対して抗菌,殺菌作用を施す抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する、若しくは前記抗白癬菌有効成分を気体状にして放出し得る抗白癬菌有効成分発生剤1を有する抗白癬菌有効成分発生部2を備え、この抗白癬菌有効成分発生部2から気体状の抗白癬菌有効成分を放出し、この放出した気体状の抗白癬菌有効成分を患部に着接浸透し得るように構成した白癬菌要因の皮膚病治療材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水虫、たむしなどの原因菌である白癬菌(糸状真菌とも言う)に対して抗菌(殺菌)効果を有する抗白癬菌有効成分を有した白癬菌要因の皮膚病の治療に用いる白癬菌要因の皮膚病治療材並びにその治療具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、日本人の約15%、即ち、6人に1人の割合で白癬菌要因の皮膚病(いわゆる水虫。に悩んでいる人がいると言われている。
【0003】
人の皮膚の表皮には、図17に示すように、皮溝(凹部)と皮丘(凸部)とがあり、水虫の原因菌である白癬菌(糸状真菌ともいい、カビの一種である)は主として凹部である皮溝に発症する。
【0004】
人の皮膚の表皮、即ち角質層は、表皮の乾燥を防ぐ為にクチクラが分泌される仕組みとなっており、このクチクラの成分はタンパク質を含むケラチンなどであるが、この分泌されたクチクラが皮溝内に堆積し、汗腺より排出された老廃排泄物と混じり合って、湿気によって腐敗することでカビが発芽する。この皮溝内で発生するカビが白癬菌であり、この白癬菌は皮溝内でケラチンを栄養源とし成長増殖してゆくことで、患部、即ち白癬菌要因の皮膚病の症状が拡大してゆく。
【0005】
また、この白癬菌は分枝増殖してゆくものであり、角質層の深層部に栄養源であるケラチンを求め皮膚細胞内(角質構造細胞内)に潜り込み、分枝から分離し新しく増殖する特異性を持ち、また、真核細胞に固有する細胞小器官であるミトコンドリアを有し、多様面で非常な特性を保持する菌であり、このような特性を有する白癬菌を抗菌(殺菌)すること、即ち、この白癬菌要因の皮膚病を完治させることは非常に難しいことであった。
【0006】
このように完治が困難であり、患者数が年々増加する現状に対応するように、水虫治療薬は国内だけで約70種類近くが製薬メーカーなどによって提供されている。しかしながら、従来の水虫治療薬は、治療直後はかゆみなどを抑えあたかも効果があるように思わせて、実は水虫治療薬としての効果が殆どなかったり、また、完治したかのようにみえて治療をやめると直ぐに再発してしまったり、また、人によっては症状を悪化させたりするなど多くの問題を抱えており、水虫(白癬菌要因の皮膚病)に悩む患者を満足させる水虫治療薬は殆ど無いと言ってもよい状況にある。
【0007】
更に、この従来の水虫治療薬の問題点を具体的に説明すると、従来の一般的に市販されている水虫治療薬は、その大半が水溶性、軟膏(クリーム状)若しくは粉末霧状スプレー式であり、これらを直接、人の皮膚に塗布して皮膚表面または皮膚内の原因菌である白癬菌に対して水虫治療薬が有する抗菌(殺菌)効果を作用させるものである。
【0008】
しかしながら、この軟膏(クリーム状)や液体状では、抗白癬菌有効成分を含む治療薬の粒径が大きく皮膚細胞内部に浸透し難い状態にある。
【0009】
これに加えて、従来の水虫治療薬は、軟膏状のものは患部に強くすり込むように塗布したり、液体状のものは皮膚が冷たいと感じる温度の低いものを塗布したりすることで皮膚に強い刺激を与えることになるが、人の皮膚細胞は、外部から強い力や温度、光などによる環境刺激を受けると敏感に反応し、外部からの異物の侵入を阻止しようとする防衛作用が働くことで皮膚呼吸孔が収縮する性質を有するので、この塗布時の刺激によって皮膚細胞内部への入口である皮膚呼吸孔が収縮してしまうので、粒子形状が大きい治療薬が、より一層皮膚細胞内部に浸透し難い状態となってしまい、これによって、患部に塗布した水虫治療薬の抗白癬菌有効成分を含んだ粒子が皮膚細胞内部に浸透してゆくことが阻止され、皮膚細胞内部(具体的には角質層の深層部)に存在する白癬菌に抗白癬菌有効成分が到達しないため、結果的に患部の表皮、(角質層の表層)のみの治療となってしまうために、完治したかのようにみえて治療をやめると直ぐに再発し、よって、いつまでも完治しない状態が継続する患者が多かった。
【0010】
また、一般的に、白癬菌要因の皮膚病、即ち水虫が発症する部位は足の指間が多く、この足の指間は環境的、形状的に通気性が悪く、汗などによって湿気が溜まり易いため、白癬菌の増殖を促進する状況にある。
【0011】
更に、現状市販されている水虫治療薬は、軟膏、若しくは液体状のものを直接患部に塗布するものが大半であり、この水虫治療薬に含有する水分や通気性を低下させる物質によって、より一層患部の湿度が上昇し、白癬菌の増殖を一層促進していることが水虫治療の完治を妨げる要因の一つにもなっていた。
【0012】
即ち、水虫治療薬の残留成分が患部の皮膚に付着したままの状態にすることで、皮膚内から排泄される老廃物の排出を阻害し、患部の表面にこの老廃物の膜を作り皮膚呼吸までも阻害し、皮膚から放出される熱と湿気を外部に発散することが妨げられ、患部に存在する白癬菌の増殖を促進する環境を作り出してしまうため、より一層症状を悪化させてしまうこととなっていた。
【0013】
ところで、この白癬菌要因の皮膚病(水虫やたむしなど)を完治させるためのポイントには3つのポイントあり、1つ目のポイントは患部の通気性を常に良好にすること、2つ目のポイントは普通の生活を送りながら治療を長時間継続すること、3つ目のポイントは他人に治療行為を気付かれず治療できることである。
【0014】
そのためには、水虫治療は治療材(治療薬)ばかりでなく、この治療材(治療薬)を固定する固定具にも重点を置く必要があり、即ち、治療材(治療薬)と固定具とを同一視しなければ白癬菌要因の皮膚病を完治させることは難しいことであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明は、白癬菌に対して優れた抗菌(殺菌)効果を有する抗白癬菌有効成分を表層から皮膚内部に存在する全ての白癬菌に対して作用し、原因菌である白癬菌をもとから断つことができ、更に、前述した白癬菌要因の皮膚病を完治させるポイントを容易に実行でき、白癬菌による皮膚病を患っている人が使用して満足することができ、白癬菌要因の皮膚病を確実に完治させることができる画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材並びにその治療具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
水虫やたむしの原因菌である白癬菌に対して抗菌,殺菌作用を施す抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する若しくは前記抗白癬菌有効成分を気体状にして放出し得る抗白癬菌有効成分発生剤1を有する抗白癬菌有効成分発生部2を備え、この抗白癬菌有効成分発生部2から気体状の前記抗白癬菌有効成分を放出し、この放出した気体状の抗白癬菌有効成分を患部に着接浸透し得るように構成したことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0017】
また、前記抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する抗白癬菌有効成分発生部2は、繊維からなることを特徴とする請求項1記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0018】
また、前記抗白癬菌有効成分発生剤1を有する抗白癬菌有効成分発生部2は、前記抗白癬菌有効成分発生剤1から発生する気体状の前記抗白癬菌有効成分を通気自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0019】
また、前記抗白癬菌有効成分発生剤1を粒状に形成し、この粒状の抗白癬菌有効成分発生剤1を有する前記抗白癬菌有効成分発生部2は、前記粒状の抗白癬菌有効成分発生剤1を移動自在に収納する構成とすると共に、この移動自在に収納した抗白癬菌有効成分発生剤1から発生する気体状の前記抗白癬菌有効成分を、この抗白癬菌有効成分発生部2の外方に放出する通気口3を設けたことを特徴とする請求項1,3のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0020】
また、前記抗白癬菌有効成分は、ピリジンアルカロイドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0021】
また、前記ピリジンアルカロイドは、トリゴネン、ピペリン、ロベリン、プソイドペレチエリン、コニイン、カルパイン、エキセチン、ノルニコチン、ニコチン、α−ニコチリン、β−ニコチリン、ニコチン酸、ニコチノニトリル、アレカイジン、アレコリン、アナバシン、リシニン、リチニンから選択されることを特徴とする請求項5記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0022】
また、炭素,水素及び窒素で構成され分子式がCxHyN2で表されるアルカロイド系化合物を抗白癬菌有効成分とし、この抗白癬菌有効成分である前記アルカロイド系化合物を気体状態にし、この気体状のアルカロイド系化合物を含有した抗白癬菌有効成分発生部2を患部に着接し得るように構成したことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0023】
また、前記抗白癬菌有効成分であるアルカロイド系化合物は、ニコチン、ニコチノニトリル、α−ニコチリン、β−ニコチリンから選択されることを特徴とする請求項7記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0024】
また、前記抗白癬菌有効成分発生部2は、前記アルカロイド系化合物の含有量を0.8mg〜1.2mgとしたことを特徴とする請求項7,8のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0025】
また、前記抗白癬菌有効成分発生部2は、水分含有率が20%以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0026】
また、前記抗白癬菌有効成分発生部2は繊維からなり、この繊維からなる前記抗白癬菌有効成分発生部2をロール状に形成してロール状シートに構成し、前記抗白癬菌有効成分発生部2を指間に着接し得る構成としたことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0027】
また、前記請求項1〜11のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材と、患部である足の指間に着接した前記白癬菌要因の皮膚病治療材を押さえつける治療材押止具4とからなる白癬菌要因の皮膚病治療具であって、前記治療材押止具4は、通気性を有する素材で形成し、一端側に足の各指を夫々挿入する指挿入部5を設け、他端側に踵若しくは足首に押圧状態に係止する係止部6を設け、前記指挿入部5の間に前記白癬菌要因の皮膚病治療材を押さえつける押圧部を設けた構成としたことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療具に係るものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上述のように構成したから、気体状の抗白癬菌有効成分が患部の皮膚細胞内部、即ち、角質層の深層部にまで浸透してゆき、原因菌である白癬菌をもとから断つ(死滅させる)ことができ、長期に渡って治療が必要であった白癬菌要因の皮膚病治療を短期で確実に完治させることができる、従来にない画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0029】
即ち、従来の白癬菌要因の皮膚病治療材(いわゆる水虫治療薬)は、その大半が水溶液、軟膏(クリーム状)若しくは粉末霧状スプレー式であり、これらは抗白癬菌有効成分を含んだ治療薬が比較的粒径が大きい状態で存在するので皮膚細胞内に浸透し難く、結果的に皮膚表面に存在する白癬菌にしか抗菌(殺菌)作用が及ばず、皮膚細胞内部、即ち、角質層の深層部に存在する白癬菌は滅菌されず存在し続けるので、皮膚表皮の白癬菌の死滅によって一時的に症状が治まるだけで、角質層の深層部に存在する白癬菌が分枝増殖を繰り返し、再び皮膚表面にも広がってくるので、痒み、痛みなどの症状が再発し、いつまでも完治することなく水虫に悩まされることとなっていたが、本発明は、抗白癬菌有効成分を気体という非常に小さな微粒子状態としたことで、容易に皮膚細胞内部、即ち、角質層の深層部に浸透してゆくことができ、皮膚表面に存在する白癬菌のみならず、角質層の深層部に存在する白癬菌に対しても抗菌(殺菌)効果が作用し、白癬菌をもとから完全に死滅させることができる。
【0030】
しかも、軟膏のように患部に強くすり込むように塗布したり、液体状治療薬のように冷たいと感じる温度の低いものを塗布したりすることもなく、皮膚に刺激を与えることなく治療するので、皮膚呼吸孔が収縮して抗白癬菌有効成分の皮膚細胞内部に浸透するための入口が狭くなってしまうこともなく、常に皮膚細胞内部に浸透し易い状態を保つことができ、確実に角質層の深層部に存在する白癬菌にまで抗白癬菌有効成分を到達させることができる優れた治療効果を発揮する画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0031】
また、請求項2〜4記載の発明においては、一層容易に気体状の抗白癬菌有効成分を放出することができる白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0032】
また、請求項5〜8記載の発明においては、より治療効果が高く実用性に優れた画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0033】
また、請求項9記載の発明においては、人体への悪影響が全くなく、治療効果があり、且つ安全性にも問題ない白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0034】
また、請求項10記載の発明においては、白癬菌の嫌気生存環境の湿気に保つことができ、より治療薬の効果を高めることができる白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0035】
また、請求項11記載の発明においては、より患部との接触面積を多くすることができ、例えば、足の指間など立体的な患部(付け根及びその両側の指の内側)にも、確実に治療薬を着接でき、白癬菌を死滅させることができる画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0036】
また、請求項12記載の発明においては、白癬菌要因の皮膚病治療材を患部に着接した際に、この白癬菌要因の皮膚病治療材を確実に患部に押さえつけ着接状態を保持することができ、この白癬菌要因の皮膚病治療材が患部からずれたり外れたりしないので、継続的に抗白癬菌有効成分が患部に着接浸透し優れた治療効果を発揮することができる画期的な白癬菌要因の皮膚病治療具となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例1の水虫治療材を示す一部を切り欠いた説明斜視図である。
【図2】実施例1の抗白癬菌有効成分発生部から放出された抗白癬菌有効成分が包囲材を通り皮膚細胞内へ浸透してゆく様子を示す説明図である。
【図3】実施例1の水虫治療材を足の指間に着接した状態を示す平面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】実施例1の抗白癬菌有効成分発生部をカプセル状収納体に構成した場合の水虫治療材を示す平面図である。
【図6】実施例1の抗白癬菌有効成分発生部をカプセル状収納体に構成した場合の水虫治療材を示す説明斜視図である。
【図7】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部をロール状シートに構成し接着シートに設けて絆創膏タイプに構成した場合の水虫治療材を示す説明分解斜視図である。
【図8】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部をロール状シートに構成し接着シートに設けて絆創膏タイプに構成した場合の水虫治療材を示す解斜視図である。
【図9】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部をロール状シートに構成し接着シートに設けて絆創膏タイプに構成した場合の水虫治療材を示す説明斜視図である。
【図10】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部をロール状シートに構成し接着シートに設けて絆創膏タイプに構成した場合の水虫治療材を示す側面図である。
【図11】実施例1及び実施例2の水虫治療材の使用状態を示す説明図である。
【図12】実施例1及び実施例2の水虫治療材の使用状態を示す説明側面図である。
【図13】実施例1及び実施例2の治療材押止具を示す斜視図である。
【図14】実施例1及び実施例2の治療材押止具の使用状態を示す説明側面図である。
【図15】実施例1及び実施例2の治療材押止具の使用状態を示す説明斜視図である。
【図16】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部に含有させた気体状の抗白癬菌有効成分が角質層の深層部に到達する様子を示す説明図である。
【図17】人の表皮の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0039】
気体状の抗白癬菌有効成分を含有した抗白癬菌有効成分発生部2、若しくは気体状の抗白癬菌有効成分を放出する抗白癬菌有効成分発生剤1を有する抗白癬菌有効成分発生部2から気体状の抗白癬菌有効成分、例えばピリジンアルカロイドが放出され、この放出された抗白癬菌有効成分が白癬菌要因の皮膚病を発症している患部(皮膚表面)に引き寄せられ着接し、この皮膚表面に着接した抗白癬菌有効成分の抗菌(殺菌)作用により、皮膚表面に存在する白癬菌を滅菌する。
【0040】
また、皮膚表面に着接した抗白癬菌有効成分が更に皮膚呼吸によって皮膚呼吸孔から皮膚細胞内、即ち、角質層の深層部へと浸透してゆき、この浸透していった抗白癬菌有効成分が角質層の深層部に存在する白癬菌に対しても作用をし、滅菌する。
【0041】
具体的に説明すると、本発明の白癬菌要因の皮膚病治療材は、抗白癬菌有効成分を気体状態という極めて微小な微粒子状態(粒径:0.1μm〜0.5μm程度)で存在させている。一般的に気体状の物質は非常に軽く且つ微小な粒径であり、質量の大きな水分子に引き寄せられる性質があり、この水分は、人の皮膚表面にも存在する。
【0042】
即ち、本発明は前記した気体状物質の性質を利用し、抗白癬菌有効成分発生部2から放出される気体状の抗白癬菌有効成分を容易に人の皮膚表面へと引き寄せ着接させることができる。
【0043】
この皮膚表面に着接した抗白癬菌有効成分は、皮膚表面に存在する白癬菌は勿論のこと、従来、軟膏(クリーム状)や粉末霧状スプレー式の水虫治療薬では治療剤の粒子径が大きいため到達し得なかった角質層の深層部に存在する白癬菌に対しても、皮膚細胞に形成される微細な皮膚呼吸孔から皮膚呼吸作用によって容易に皮膚細胞内に浸透してゆき角質層の深層部まで到達することができるので、分枝増殖する白癬菌のもとを断つことができるので、従来のように一時的に症状が治まるだけで直ぐに再発し、これを繰返すことで長期に渡る白癬菌要因の皮膚病(水虫)治療とは違って、短期間で白癬菌要因の皮膚病を完治することができる極めて治療効果の高い画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0044】
また、例えば、抗白癬菌有効成分としてピリジンアルカロイド(例えば、エキセチンやニコチン)を用いた場合、このピリジンアルカロイドは強い吸湿性と抗菌(殺菌)効果を有する物質であり、この強い吸湿性の作用で患部を乾燥させることで、白癬菌の生存条件の一つである湿気をなくし、白癬菌にとって嫌気生存環境にし、更に、抗菌(殺菌)効果によって、確実に白癬菌を死滅分解することができる。
【0045】
また更に、従来の軟膏(クリーム状)や粉末霧状スプレー式の水虫治療薬に比して刺激性が殆どなく、前述した皮膚の刺激に対する防衛作用も働かず、よって、皮膚細胞が収縮し抗白癬菌有効成分の皮膚細胞内部への入口となる皮膚呼吸孔が狭くなることもないので、抗白癬菌有効成分発生部2から放出される気体状の抗白癬菌有効成分が皮膚呼吸によって継続的に皮膚細胞層内部に浸透してゆき角質層の深層部に存在する白癬菌まで到達し、上述した強い吸湿力と殺菌力によってこの白癬菌を確実に死滅させることで、白癬菌要因の皮膚病をもとから断つことができるので、従来、なかなか完治することができなかったこの白癬菌要因の皮膚病(水虫やたむしなど)を確実に治療し、完治させることができる画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【実施例1】
【0046】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0047】
本実施例は、白癬菌要因の皮膚病治療材、具体的には、足の指間に発症した水虫を治療するための水虫治療材7と、この水虫治療材7を患部である足の指間に着接した際に、この水虫治療材7が患部からずれたり外れたりしないように外方からこの水虫治療材7を押さえつける治療材押止具4とからなる白癬菌要因の皮膚病治療具である。
【0048】
本実施例の水虫治療材7は、具体的には、気体状の抗白癬菌有効成分を含有させた抗白癬菌有効成分発生部2と、この抗白癬菌有効成分発生部2の覆う包囲材8とで構成しており、より具体的には、抗白癬菌有効成分発生部2は円柱状(ロール状)に形成した繊維であり、この円柱状繊維からなる抗白癬菌有効成分発生部2に気体状の抗白癬菌有効成分を含有させ、更に、この抗白癬菌有効成分発生部2の周面を繊維からなる包囲材8で被覆した構成としている。
【0049】
また、この抗白癬菌有効成分発生部2に含有させる気体状の抗白癬菌有効成分は、ピリジンアルカロイドを採用し、本実施例では、このピリジンアルカロイドのひとつであるエキセチンを抗白癬菌有効成分発生部2に含有させた構成としている。
【0050】
このピリジンアルカロイドであるエキセチンは、自然界においては、容易に入手可能であるトクサ科のスギナに多く含まれる成分であり、本実施例では、この植物のスギナから抽出(生成)したエキセチンを用いた構成としている。
【0051】
本実施例は、このスギナから気体状のエキセチンを抽出(生成)する方法として、先ず、採取したスギナを天日で乾燥し、この乾燥したスギナを破砕し、この乾燥・破砕したスギナに熱風を当てて脱水乾燥し、この脱水乾燥したスギナを更に細かく破砕し、この細かく破砕したスギナを燃焼(具体的には、蒸し焼き)することでエキセチン含有煙、即ち、気体状のエキセチンを生成する方法を採用している。
【0052】
このようにして生成した気体状のエキセチンを円柱状繊維で構成した抗白癬菌有効成分発生部2に含有させ、この気体状のエキセチンを含有した抗白癬菌有効成分発生部2を乾燥させて、この気体状のエキセチンを含有させた抗白癬菌有効成分発生部2を更に乾燥させて、この抗白癬菌有効成分発生部2の水分含有率を所定値以下、具体的には、20wt%以下、好ましくは10wt%〜16wt%に調整し、この水分含有率を所定値以下に調整した円柱状(ロール状)の抗白癬菌有効成分発生部2の周面を繊維からなる包囲材8で被覆した構成とし、この包囲材8は、網目状の薄いシート状繊維を複数層に重ねて形成して構成としている。
【0053】
尚、本実施例では、気体状のエキセチンを自然界のトクサ科の植物であるスギナから得た構成としているが、このエキセチンは、化学的に生成することも可能であり、気体状のエキセチンを得る方法は本実施例に示す方法に限らず適宜採用するものとする。
【0054】
また、上述したように、本実施例の水虫治療材7は、エキセチンを含有した抗白癬菌有効成分発生部2を円柱状繊維で形成した構成としているが、例えば、この円柱状繊維の代わりに、図5,図6に示すように、カプセル状の収納体を用いた構成としても良く、また、図7,図8に示すようなロール状シートに構成したものとしても良い。
【0055】
具体的には、抗白癬菌有効成分発生部2をカプセル状収納体を用いた構成とした場合は、抗白癬菌有効成分発生部2をカプセル状の収納体に形成し、このカプセル状収納体の壁面に通気口3を形成し、このカプセル状収納体に構成した抗白癬菌有効成分発生部2の内部と外部とを通気自在に構成し、この通気自在に構成した抗白癬菌有効成分発生部2内に抗白癬菌有効成分を気体状にして放出し得る抗白癬菌有効成分発生剤1を収納し、この抗白癬菌有効成分発生剤1が発生する抗白癬菌有効成分を抗白癬菌有効成分発生部2の外部に放出する構成としている。
【0056】
より具体的には、抗白癬菌有効成分発生部2に収納する抗白癬菌有効成分発生剤1を粒状に形成し、このカプセル状に形成した抗白癬菌有効成分発生部2内を移動自在に収納した構成とし、この抗白癬菌有効成分発生部2内を移動することで、抗白癬菌有効成分発生剤1同士がぶつかり合ってより多くの抗白癬菌有効成分を放出する構成としている。
【0057】
また、抗白癬菌有効成分発生部2をロール状シートに構成した場合は、シート状に形成した繊維に気体状の抗白癬菌有効成分を含有させ、この抗白癬菌有効成分を含有した繊維シートをロール状に形成して抗白癬菌有効成分発生部2をロール状シートに構成し、これを更に乾燥させて、上記同様にこの抗白癬菌有効成分発生部2の水分含有率を所定値以下
となるように調整し、この水分含有率を調整したロール状シートの両端部を下方内側に向って傾斜状態に形成して側面視逆台形状に構成し、これを接着シート9の中央部に設けて絆創膏タイプに構成している。
【0058】
上述したように構成した水虫治療材7を患部に着接した際に、この水虫治療材7が患部からずれたり外れたりしないように、外方からこの水虫治療材7を押さえつける治療材押止具4を用いた構成としている。
【0059】
この治療材押止具4は、通気性を有する素材で形成し、一端側に足の各指を夫々挿入する指挿入部5を設け、他端側に踵若しくは足首に係止する係止部6を設け、指挿入部5の間に水虫治療材7を押さえつける押圧部を設けた構成としている。
【0060】
具体的には、指挿入部5の先端側に開口部を設けて足の指先が露出するように指挿入部5を構成し、更に、この指挿入部5の間、即ち、指間に着接した水虫治療材7を押さえつける押圧部からも水虫治療材7に対して外部からの通気性を良好にするために治療材押止具4全体をメッシュ素材で構成している。
【0061】
また、このメッシュ素材は、靴下のように伸縮性も有するものを採用しており、この治療材押止具4を装着する際に、指挿入部5に指を通し、踵に係止部6を係止して装着する構成とし、足の甲及び裏を被覆する被覆面を設けていない構成としている。
【0062】
従って、メッシュ素材を用いて、体温が患部に籠もりにくい構成、即ち、通気性が良好な素材で形成し、尚且つ、足表面との接触面積を必要最小限に構成することで、極力足、特に指間が体温で温められて湿気が籠もらないようにしている。
【0063】
また、本実施例の治療材押止具4は、皮膚に対して刺激を与えるような強い力で押圧するのではなく、皮膚が刺激による防衛作用を起こすことなく気体状の抗白癬菌有効成分を皮膚細胞内部に容易に浸透可能な状態に保持できる程度の押圧力で押圧係止するので、環境刺激による皮膚の防衛作用も生じず患部に着接した抗白癬菌有効成分が皮膚細胞内に容易に浸透して行き角質層の深層部に存在する白癬菌に対しても抗菌(殺菌)作用を施すことができ、更に、足全体が圧迫されることなく、装着しても圧迫感を感じず、治療材押止具4を着用した際に、着用者が不快感を感じないことで、長時間装着することができ、高い治療効果を奏することができる優れた白癬菌要因の皮膚病治療具となる。
【0064】
尚、治療材押止具4の構成は上記に限らず、通気性が良く、患部を圧迫し過ぎないもので、足の指間に着接した水虫治療材7を押圧係止し得る構成のものであれば適宜採用するものである。
【0065】
以上のように構成した水虫治療材7と治療材押止具4とからなる白癬菌要因の皮膚病治療具、若しくは、水虫治療材7を用いて、白癬菌要因の皮膚病(具体的には、水虫)を治療した治療例の一部を以下に紹介する。
【0066】
尚、水虫治療材7のみを用いた場合は、この水虫治療材7を患部に固定保持する治療材押止具4以外の固定具(例えば、絆創膏)を用いており、また、いずれの治療例も市販の水虫治療薬では完治することが無かった状況下で、本実施例の白癬菌要因の皮膚病治療具を使用し、その効果を確認したものである。
【0067】
<治療例1>
・小水疱型水虫 女性 62歳 病歴 2〜3年
症状:両手の指の間に水疱が発病し、痒みが強いため、かきむしり赤くただれていた。
【0068】
治療結果:患部の指間に水虫治療材7をあて、絆創膏で固定し入浴時毎に水虫治療材7を取り替える治療を行ったところ、7日間で全ての指間の水虫が完治した。
【0069】
<治療例2>
・趾間型水虫 男性 43歳 病歴 10年以上
症状:両足の指間に水虫が発病し、皮膚は白くふやけ痒みが非常に強い。春から夏は痒みが特に激しく、市販薬を使用するが一切効果はなかった。
【0070】
治療結果:患部の指間に水虫治療材7を挟み込み、この水虫治療材7が患部からずれたり外れたりしないように治療材押止具4を装着し、この治療材押止具4を装着した状態で靴下を履いて通常通りの仕事を行い、入浴時毎に水虫治療材7を取り替える治療を行ったところ、12日間で全ての患部が完治した。
【0071】
<治療例3>
・趾間型水虫 男性 40歳 病歴 10年以上
症状:両足の指間全てに水虫が発病し、皮膚は白くふやけ、一部は皮下脂肪から出血も見られた。また、非常に強い痒みを伴った。
【0072】
治療結果:患部の指間に水虫治療材7を挟み込み、この水虫治療材7が患部からずれたり外れたりしないように治療材押止具4を装着し、この治療材押止具4を装着した状態で靴下を履いて通常通りの仕事を行い、入浴時毎に水虫治療材7を取り替える治療を行ったところ、16日間で全ての患部が完治した。
【0073】
このように、従来の市販の水虫治療薬では長い年月を掛けても完治することがなかった白癬菌要因の皮膚病(水虫)が、本実施例の白癬菌要因の皮膚病治療材(水虫治療材7)を使用したことで、どの症例も僅か2週間前後で完治し、再発することも無いという極めて高い治療効果を有することが確認された。
【0074】
尚、本実施例では、抗白癬菌有効成分に気体状のエキセチンを用いた白癬菌要因の皮膚病皮膚病治療材(水虫治療材7)としているが、この気体状のエキセチン以外に、例えば、トリゴネン、ピペリン、ロベリン、プソイドペレチエリン、コニイン、カルパイン、ノルニコチン、ニコチン、α−ニコチリン、β−ニコチリン、ニコチン酸、ニコチノニトリル、アレカイジン、アレコリン、アナバシン、リシニン、リチニンなどのピリジンアルカロイドを抗白癬菌有効成分として用いても良く、これらを用いた場合もエキセチンと同様に白癬気に対して優れた抗菌(殺菌)効果を発揮することができる白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【実施例2】
【0075】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0076】
本実施例は、炭素,水素及び窒素で構成され分子式がCxHyN2で表されるアルカロイド系化合物を抗白癬菌有効成分とし、この抗白癬菌有効成分であるアルカロイド系化合物を気体状態にし、この気体状のアルカロイド系化合物を含有した抗白癬菌有効成分発生部2を患部に着接し得るように構成した白癬菌要因の皮膚病治療材である。
【0077】
具体的には、抗白癬菌有効成分発生部2を実施例1で説明したロール状シートに構成し、このロール状シートを接着シート9に設けた絆創膏タイプに構成し、また、この水虫治療材7の抗白癬菌有効成分発生部2に含有する抗白癬菌有効成分としてニコチンを採用した白癬菌要因の皮膚病治療材である。
【0078】
本実施例に用いるニコチンは、ナス科の植栽物の葉に含まれるアルカロイドから生成したのもで、具体的には、例えば、タバコの葉を天日で乾燥させ、これを破砕し、更に熱風を当てて脱水し、この脱水したものを更に細かく破砕し、これを燃焼(蒸し焼き)して生成したニコチン含有煙、即ち気体状態にしたニコチンである。
【0079】
即ち、本実施例に示す抗白癬菌有効成分であるニコチンは、煙という微粒子である気体状態にして繊維で構成したロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2に含有させて、このロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2を患部に着接することで、皮膚呼吸作用によって原因菌である白癬菌が存在する皮膚細胞内部、具体的には角質層の深層部へと浸透してゆく構成としている。
【0080】
また、このロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2に含有させるニコチン成分は、0.8mg〜1.2mgが適正であり、本実施例ではニコチン成分含有量を1.0mgに設定している。また更に、このロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2に含まれる水分含有率は、20%以下が適正であり、本実施例では水分含有率を10%〜16%に設定している。
【0081】
また、ロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2を設けた接着シート9は、
中央部に抗白癬菌有効成分発生部2を付設する幅広付設部10を有する帯状に形成し、全面に通気孔11を形成した構成としている。
【0082】
尚、本実施例では、気体状のニコチンを自然界のナス科の植物であるタバコの葉から得た構成としているが、このニコチンは、化学的に生成することも可能であり、気体状のニコチンを得る方法は本実施例に示す方法に限らず適宜採用するものとする。
【0083】
本実施例は上述のように構成したので、以下に示す作用効果を奏する。
【0084】
本実施例の水虫治療材7は、抗白癬菌有効成分を含有した抗白癬菌有効成分発生部2をロール状シートに形成し、このロール状シートの両端部を傾斜状に形成して逆台形状に構成したことで、より患部への接触面積を多くすることができ、更に、足の指間など立体的な患部(付け根及びその両側の指の内側)に着接する際にも、このロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2を折曲しても確実に抗白癬菌有効成分発生部2を着接することができる。
【0085】
しかも、抗白癬菌有効成分発生部2を患部に着接するための接着シート9に、多数の通気孔11を設けたことで、患部への通気性が良好となり、抗白癬菌有効成分発生部2に含有させた抗白癬菌有効成分を確実に患部に着接浸透させることができ、治療効果の高い優れた白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0086】
また更に、気体状のニコチンを有効成分とする抗白癬菌剤の含有量を1.0mgとすることで、人体への悪影響は全くなく、更に、抗白癬菌有効成分発生部2の水分含有率を10%〜16%まで抑えたことで白癬菌の生存条件である湿気をなくして、白癬菌を確実に死滅させ、この白癬菌要因の皮膚病、例えば、水虫やたむしなどを確実に完治させることができる極めて治療効果の高い画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0087】
尚、本実施例では、抗白癬菌有効成分として気体状のニコチンを用いているが、炭素,水素及び窒素で構成され分子式がCxHyN2で表されるアルカロイド系化合物、例えば、4−シアノピリジン、1−エチル−1,4−ジヒドロニコチノニトリル、1−ブチル−1,4−ジヒドロニコチノニトリル、1,4−ジヒドロ−1−プロピルニコチノニトリル、3−シアノピリジン、1,4−ジヒドロ−2−イソプロピル−6−フェニルニコチノニトリル、2−(フェニルエチニル)−5−フェニルニコチノニトリル、アバナシン、ノルニコチン、イソニコチン、1−メチル−2−(4−ピリジニル)ピロリジン、メタニコチン、α−ニコチン、(R)−ノリニコチン、N−エチルノルニコチン、4−イソノルニコチン、2−イソノルニコチン、2−イソニコチン、4−イソニコチン、6−エチルニコチン、N’−ベンジルノルニコチン、(+)−ニコチン、(±)−ニコチン、N−メチルニコチン、(±)−ノルニコチン、trans−メタニコチン、N−プロピルノルニコチン、N−ブチルノルニコチン、ニコチリン(β−ニコチリン)、2−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)ピリジン(α−ニコチリン)、3−(2−ピロリル)ピリジン、ジヒドロニコチリンを用いた構成としても良く、これらを用いた場合もニコチンと同様に水虫治療材7として優れた効果を発揮することができる。
【0088】
次に、本実施例に用いた気体状のニコチンの白癬菌に対する抗菌性試験を行った結果を以下に示す。
【0089】
抗白癬菌有効成分として気体状にしたニコチンの抗菌力を確認するために、JIS L 1902:2008「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」9 定性試験(ハロー法)を参考にして、抗菌力試験を行った。但し、試験菌である白癬菌は1菌株で行い、この白癬菌の前培地はポテトデキストロース寒天培地を、菌液調製溶液は0.005%スルホこはく酸ジオクチルナトリウム溶液を、平板培地はサブロー寒天培地を用い、培養は25℃,7日間で行った。
【0090】
今回の抗菌性試験では、検体として気体状のニコチンを含有したシート状繊維を3つ用意し、このうちの2つの検体は、本実施例と同様に、気体状のニコチンをシート状繊維に1.0mg含有させ、更に、水分含有率を10%〜16%に調整した状態のもので、残りの1つの検体は、気体状のニコチンの含有率は前述した2つの検体と同様に1.0mg含有させているが、水分含有率を70%〜80%に増やした状態のものとした。
【0091】
試験結果、即ち、試験菌である白癬菌に対するハロー(増殖阻止帯)形成の有無に関しては、気体状のニコチンを1.0mg含有させ、更に、水分含有率を10%〜16%に調整した2つの検体でハロー(増殖阻止帯)を認める(増殖阻止帯の形成が確認できた)結果が得られ、このハロー(増殖阻止帯)の幅は21.5mmであった。
【0092】
また、水分含有率を70%〜80%に増やした検体には、ハロー(増殖阻止帯)が認められない結果となった。
【0093】
以上より、本実施例に示す水虫治療材7同様に構成した検体での白癬菌に対する抗菌効果の優位性を確認することができた。
【0094】
このように白癬菌に対して抗菌効果が確認できた本実施例に示す水虫治療材7を用いて、実際に本発明者が被験者となって使用し、その治療効果を確認したので、その結果を以下に説明する。
【0095】
被験者の患部、即ち、水虫発症部は、両足の指の間であり、患部の状態は指間が割れ、血が滲んでいる状態であり、痒みも伴っていた。このように、比較的重度の水虫に本実施例の皮膚病治療材2を着接して、その治療効果を確認した。
【0096】
具体的には、抗白癬菌有効成分として気体状のニコチンをロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2を設けた水虫治療材7を患部に着接し、この水虫治療材7を患部に着接させた状態からずれたり外れたりしないように治療材押止具4を装着し、この治療材押止具4を装着した状態で靴下を履き、この状態で靴若しくはゴム長靴を履いて通常通りの仕事を行いながら治療を行い、その治療効果を確認した。
【0097】
尚、本実施例で用いた治療材押止具4は、実施例1に示した治療材押止具4と同様のものを採用している。
【0098】
また、治療条件として、水虫治療材7は毎日取り替え、治療材押止具4は継続して使用し、また、履物は新品ではなく、従来使用していたものをそのまま洗わずに継続して使用し、また更に、室内にいるときは、常に治療材押止具4を装着し、そのうえに靴下を履いた状態で過ごし、就寝時は、水虫治療材7と治療材押止具4のみを装着した状態とした。
【0099】
このようにして、治療効果を確認したところ、7日間で両足の指間に発症していた水虫(患部は全部で8箇所)が全て完治した。
【0100】
このように、本実施例は、一般的に市販されている多くの水虫治療薬がスプレータイプや軟膏タイプであることに対して、抗白癬菌有効成分であるニコチンを煙などの気体状の微粒子状態にして抗白癬菌有効成分発生部2に含有させ、皮膚呼吸の作用によって皮膚細胞内部、具体的には角質層の深層部に抗白癬菌有効成分である気体状のニコチンを到達させることが容易にできることで、皮膚に刺激を与えることもなく、よって、皮膚の防衛作用を引き起こすことなく、抗白癬菌有効成分発生部2に含有させた抗白癬菌有効成分を継続的に長時間に渡って患部に着接浸透させることができ、従来の水虫治療薬のように、1日に何度も治療を施す必要が無いので、他人に気付かれることなく治療を続けることができ、前述した水虫を完治させるための3つのポイント、即ち、患部の通気性を常に良好にすること、普通の生活を送りながら治療を長時間継続すること、他人に治療行為を気付かれず治療できることを全て満たすことができ、患者が使用して満足でき、極めて治療効果も高い従来にない画期的な白癬菌要因の皮膚病治療具となる。
【0101】
尚、本発明は、実施例1,実施例2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0102】
1 抗白癬菌有効成分発生剤
2 抗白癬菌有効成分発生部
3 通気口
4 治療材押止部
5 指挿入部
6 係止部
【技術分野】
【0001】
本発明は、水虫、たむしなどの原因菌である白癬菌(糸状真菌とも言う)に対して抗菌(殺菌)効果を有する抗白癬菌有効成分を有した白癬菌要因の皮膚病の治療に用いる白癬菌要因の皮膚病治療材並びにその治療具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、日本人の約15%、即ち、6人に1人の割合で白癬菌要因の皮膚病(いわゆる水虫。に悩んでいる人がいると言われている。
【0003】
人の皮膚の表皮には、図17に示すように、皮溝(凹部)と皮丘(凸部)とがあり、水虫の原因菌である白癬菌(糸状真菌ともいい、カビの一種である)は主として凹部である皮溝に発症する。
【0004】
人の皮膚の表皮、即ち角質層は、表皮の乾燥を防ぐ為にクチクラが分泌される仕組みとなっており、このクチクラの成分はタンパク質を含むケラチンなどであるが、この分泌されたクチクラが皮溝内に堆積し、汗腺より排出された老廃排泄物と混じり合って、湿気によって腐敗することでカビが発芽する。この皮溝内で発生するカビが白癬菌であり、この白癬菌は皮溝内でケラチンを栄養源とし成長増殖してゆくことで、患部、即ち白癬菌要因の皮膚病の症状が拡大してゆく。
【0005】
また、この白癬菌は分枝増殖してゆくものであり、角質層の深層部に栄養源であるケラチンを求め皮膚細胞内(角質構造細胞内)に潜り込み、分枝から分離し新しく増殖する特異性を持ち、また、真核細胞に固有する細胞小器官であるミトコンドリアを有し、多様面で非常な特性を保持する菌であり、このような特性を有する白癬菌を抗菌(殺菌)すること、即ち、この白癬菌要因の皮膚病を完治させることは非常に難しいことであった。
【0006】
このように完治が困難であり、患者数が年々増加する現状に対応するように、水虫治療薬は国内だけで約70種類近くが製薬メーカーなどによって提供されている。しかしながら、従来の水虫治療薬は、治療直後はかゆみなどを抑えあたかも効果があるように思わせて、実は水虫治療薬としての効果が殆どなかったり、また、完治したかのようにみえて治療をやめると直ぐに再発してしまったり、また、人によっては症状を悪化させたりするなど多くの問題を抱えており、水虫(白癬菌要因の皮膚病)に悩む患者を満足させる水虫治療薬は殆ど無いと言ってもよい状況にある。
【0007】
更に、この従来の水虫治療薬の問題点を具体的に説明すると、従来の一般的に市販されている水虫治療薬は、その大半が水溶性、軟膏(クリーム状)若しくは粉末霧状スプレー式であり、これらを直接、人の皮膚に塗布して皮膚表面または皮膚内の原因菌である白癬菌に対して水虫治療薬が有する抗菌(殺菌)効果を作用させるものである。
【0008】
しかしながら、この軟膏(クリーム状)や液体状では、抗白癬菌有効成分を含む治療薬の粒径が大きく皮膚細胞内部に浸透し難い状態にある。
【0009】
これに加えて、従来の水虫治療薬は、軟膏状のものは患部に強くすり込むように塗布したり、液体状のものは皮膚が冷たいと感じる温度の低いものを塗布したりすることで皮膚に強い刺激を与えることになるが、人の皮膚細胞は、外部から強い力や温度、光などによる環境刺激を受けると敏感に反応し、外部からの異物の侵入を阻止しようとする防衛作用が働くことで皮膚呼吸孔が収縮する性質を有するので、この塗布時の刺激によって皮膚細胞内部への入口である皮膚呼吸孔が収縮してしまうので、粒子形状が大きい治療薬が、より一層皮膚細胞内部に浸透し難い状態となってしまい、これによって、患部に塗布した水虫治療薬の抗白癬菌有効成分を含んだ粒子が皮膚細胞内部に浸透してゆくことが阻止され、皮膚細胞内部(具体的には角質層の深層部)に存在する白癬菌に抗白癬菌有効成分が到達しないため、結果的に患部の表皮、(角質層の表層)のみの治療となってしまうために、完治したかのようにみえて治療をやめると直ぐに再発し、よって、いつまでも完治しない状態が継続する患者が多かった。
【0010】
また、一般的に、白癬菌要因の皮膚病、即ち水虫が発症する部位は足の指間が多く、この足の指間は環境的、形状的に通気性が悪く、汗などによって湿気が溜まり易いため、白癬菌の増殖を促進する状況にある。
【0011】
更に、現状市販されている水虫治療薬は、軟膏、若しくは液体状のものを直接患部に塗布するものが大半であり、この水虫治療薬に含有する水分や通気性を低下させる物質によって、より一層患部の湿度が上昇し、白癬菌の増殖を一層促進していることが水虫治療の完治を妨げる要因の一つにもなっていた。
【0012】
即ち、水虫治療薬の残留成分が患部の皮膚に付着したままの状態にすることで、皮膚内から排泄される老廃物の排出を阻害し、患部の表面にこの老廃物の膜を作り皮膚呼吸までも阻害し、皮膚から放出される熱と湿気を外部に発散することが妨げられ、患部に存在する白癬菌の増殖を促進する環境を作り出してしまうため、より一層症状を悪化させてしまうこととなっていた。
【0013】
ところで、この白癬菌要因の皮膚病(水虫やたむしなど)を完治させるためのポイントには3つのポイントあり、1つ目のポイントは患部の通気性を常に良好にすること、2つ目のポイントは普通の生活を送りながら治療を長時間継続すること、3つ目のポイントは他人に治療行為を気付かれず治療できることである。
【0014】
そのためには、水虫治療は治療材(治療薬)ばかりでなく、この治療材(治療薬)を固定する固定具にも重点を置く必要があり、即ち、治療材(治療薬)と固定具とを同一視しなければ白癬菌要因の皮膚病を完治させることは難しいことであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明は、白癬菌に対して優れた抗菌(殺菌)効果を有する抗白癬菌有効成分を表層から皮膚内部に存在する全ての白癬菌に対して作用し、原因菌である白癬菌をもとから断つことができ、更に、前述した白癬菌要因の皮膚病を完治させるポイントを容易に実行でき、白癬菌による皮膚病を患っている人が使用して満足することができ、白癬菌要因の皮膚病を確実に完治させることができる画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材並びにその治療具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
水虫やたむしの原因菌である白癬菌に対して抗菌,殺菌作用を施す抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する若しくは前記抗白癬菌有効成分を気体状にして放出し得る抗白癬菌有効成分発生剤1を有する抗白癬菌有効成分発生部2を備え、この抗白癬菌有効成分発生部2から気体状の前記抗白癬菌有効成分を放出し、この放出した気体状の抗白癬菌有効成分を患部に着接浸透し得るように構成したことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0017】
また、前記抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する抗白癬菌有効成分発生部2は、繊維からなることを特徴とする請求項1記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0018】
また、前記抗白癬菌有効成分発生剤1を有する抗白癬菌有効成分発生部2は、前記抗白癬菌有効成分発生剤1から発生する気体状の前記抗白癬菌有効成分を通気自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0019】
また、前記抗白癬菌有効成分発生剤1を粒状に形成し、この粒状の抗白癬菌有効成分発生剤1を有する前記抗白癬菌有効成分発生部2は、前記粒状の抗白癬菌有効成分発生剤1を移動自在に収納する構成とすると共に、この移動自在に収納した抗白癬菌有効成分発生剤1から発生する気体状の前記抗白癬菌有効成分を、この抗白癬菌有効成分発生部2の外方に放出する通気口3を設けたことを特徴とする請求項1,3のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0020】
また、前記抗白癬菌有効成分は、ピリジンアルカロイドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0021】
また、前記ピリジンアルカロイドは、トリゴネン、ピペリン、ロベリン、プソイドペレチエリン、コニイン、カルパイン、エキセチン、ノルニコチン、ニコチン、α−ニコチリン、β−ニコチリン、ニコチン酸、ニコチノニトリル、アレカイジン、アレコリン、アナバシン、リシニン、リチニンから選択されることを特徴とする請求項5記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0022】
また、炭素,水素及び窒素で構成され分子式がCxHyN2で表されるアルカロイド系化合物を抗白癬菌有効成分とし、この抗白癬菌有効成分である前記アルカロイド系化合物を気体状態にし、この気体状のアルカロイド系化合物を含有した抗白癬菌有効成分発生部2を患部に着接し得るように構成したことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0023】
また、前記抗白癬菌有効成分であるアルカロイド系化合物は、ニコチン、ニコチノニトリル、α−ニコチリン、β−ニコチリンから選択されることを特徴とする請求項7記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0024】
また、前記抗白癬菌有効成分発生部2は、前記アルカロイド系化合物の含有量を0.8mg〜1.2mgとしたことを特徴とする請求項7,8のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0025】
また、前記抗白癬菌有効成分発生部2は、水分含有率が20%以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0026】
また、前記抗白癬菌有効成分発生部2は繊維からなり、この繊維からなる前記抗白癬菌有効成分発生部2をロール状に形成してロール状シートに構成し、前記抗白癬菌有効成分発生部2を指間に着接し得る構成としたことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材に係るものである。
【0027】
また、前記請求項1〜11のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材と、患部である足の指間に着接した前記白癬菌要因の皮膚病治療材を押さえつける治療材押止具4とからなる白癬菌要因の皮膚病治療具であって、前記治療材押止具4は、通気性を有する素材で形成し、一端側に足の各指を夫々挿入する指挿入部5を設け、他端側に踵若しくは足首に押圧状態に係止する係止部6を設け、前記指挿入部5の間に前記白癬菌要因の皮膚病治療材を押さえつける押圧部を設けた構成としたことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療具に係るものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上述のように構成したから、気体状の抗白癬菌有効成分が患部の皮膚細胞内部、即ち、角質層の深層部にまで浸透してゆき、原因菌である白癬菌をもとから断つ(死滅させる)ことができ、長期に渡って治療が必要であった白癬菌要因の皮膚病治療を短期で確実に完治させることができる、従来にない画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0029】
即ち、従来の白癬菌要因の皮膚病治療材(いわゆる水虫治療薬)は、その大半が水溶液、軟膏(クリーム状)若しくは粉末霧状スプレー式であり、これらは抗白癬菌有効成分を含んだ治療薬が比較的粒径が大きい状態で存在するので皮膚細胞内に浸透し難く、結果的に皮膚表面に存在する白癬菌にしか抗菌(殺菌)作用が及ばず、皮膚細胞内部、即ち、角質層の深層部に存在する白癬菌は滅菌されず存在し続けるので、皮膚表皮の白癬菌の死滅によって一時的に症状が治まるだけで、角質層の深層部に存在する白癬菌が分枝増殖を繰り返し、再び皮膚表面にも広がってくるので、痒み、痛みなどの症状が再発し、いつまでも完治することなく水虫に悩まされることとなっていたが、本発明は、抗白癬菌有効成分を気体という非常に小さな微粒子状態としたことで、容易に皮膚細胞内部、即ち、角質層の深層部に浸透してゆくことができ、皮膚表面に存在する白癬菌のみならず、角質層の深層部に存在する白癬菌に対しても抗菌(殺菌)効果が作用し、白癬菌をもとから完全に死滅させることができる。
【0030】
しかも、軟膏のように患部に強くすり込むように塗布したり、液体状治療薬のように冷たいと感じる温度の低いものを塗布したりすることもなく、皮膚に刺激を与えることなく治療するので、皮膚呼吸孔が収縮して抗白癬菌有効成分の皮膚細胞内部に浸透するための入口が狭くなってしまうこともなく、常に皮膚細胞内部に浸透し易い状態を保つことができ、確実に角質層の深層部に存在する白癬菌にまで抗白癬菌有効成分を到達させることができる優れた治療効果を発揮する画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0031】
また、請求項2〜4記載の発明においては、一層容易に気体状の抗白癬菌有効成分を放出することができる白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0032】
また、請求項5〜8記載の発明においては、より治療効果が高く実用性に優れた画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0033】
また、請求項9記載の発明においては、人体への悪影響が全くなく、治療効果があり、且つ安全性にも問題ない白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0034】
また、請求項10記載の発明においては、白癬菌の嫌気生存環境の湿気に保つことができ、より治療薬の効果を高めることができる白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0035】
また、請求項11記載の発明においては、より患部との接触面積を多くすることができ、例えば、足の指間など立体的な患部(付け根及びその両側の指の内側)にも、確実に治療薬を着接でき、白癬菌を死滅させることができる画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0036】
また、請求項12記載の発明においては、白癬菌要因の皮膚病治療材を患部に着接した際に、この白癬菌要因の皮膚病治療材を確実に患部に押さえつけ着接状態を保持することができ、この白癬菌要因の皮膚病治療材が患部からずれたり外れたりしないので、継続的に抗白癬菌有効成分が患部に着接浸透し優れた治療効果を発揮することができる画期的な白癬菌要因の皮膚病治療具となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例1の水虫治療材を示す一部を切り欠いた説明斜視図である。
【図2】実施例1の抗白癬菌有効成分発生部から放出された抗白癬菌有効成分が包囲材を通り皮膚細胞内へ浸透してゆく様子を示す説明図である。
【図3】実施例1の水虫治療材を足の指間に着接した状態を示す平面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】実施例1の抗白癬菌有効成分発生部をカプセル状収納体に構成した場合の水虫治療材を示す平面図である。
【図6】実施例1の抗白癬菌有効成分発生部をカプセル状収納体に構成した場合の水虫治療材を示す説明斜視図である。
【図7】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部をロール状シートに構成し接着シートに設けて絆創膏タイプに構成した場合の水虫治療材を示す説明分解斜視図である。
【図8】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部をロール状シートに構成し接着シートに設けて絆創膏タイプに構成した場合の水虫治療材を示す解斜視図である。
【図9】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部をロール状シートに構成し接着シートに設けて絆創膏タイプに構成した場合の水虫治療材を示す説明斜視図である。
【図10】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部をロール状シートに構成し接着シートに設けて絆創膏タイプに構成した場合の水虫治療材を示す側面図である。
【図11】実施例1及び実施例2の水虫治療材の使用状態を示す説明図である。
【図12】実施例1及び実施例2の水虫治療材の使用状態を示す説明側面図である。
【図13】実施例1及び実施例2の治療材押止具を示す斜視図である。
【図14】実施例1及び実施例2の治療材押止具の使用状態を示す説明側面図である。
【図15】実施例1及び実施例2の治療材押止具の使用状態を示す説明斜視図である。
【図16】実施例1及び実施例2の抗白癬菌有効成分発生部に含有させた気体状の抗白癬菌有効成分が角質層の深層部に到達する様子を示す説明図である。
【図17】人の表皮の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0039】
気体状の抗白癬菌有効成分を含有した抗白癬菌有効成分発生部2、若しくは気体状の抗白癬菌有効成分を放出する抗白癬菌有効成分発生剤1を有する抗白癬菌有効成分発生部2から気体状の抗白癬菌有効成分、例えばピリジンアルカロイドが放出され、この放出された抗白癬菌有効成分が白癬菌要因の皮膚病を発症している患部(皮膚表面)に引き寄せられ着接し、この皮膚表面に着接した抗白癬菌有効成分の抗菌(殺菌)作用により、皮膚表面に存在する白癬菌を滅菌する。
【0040】
また、皮膚表面に着接した抗白癬菌有効成分が更に皮膚呼吸によって皮膚呼吸孔から皮膚細胞内、即ち、角質層の深層部へと浸透してゆき、この浸透していった抗白癬菌有効成分が角質層の深層部に存在する白癬菌に対しても作用をし、滅菌する。
【0041】
具体的に説明すると、本発明の白癬菌要因の皮膚病治療材は、抗白癬菌有効成分を気体状態という極めて微小な微粒子状態(粒径:0.1μm〜0.5μm程度)で存在させている。一般的に気体状の物質は非常に軽く且つ微小な粒径であり、質量の大きな水分子に引き寄せられる性質があり、この水分は、人の皮膚表面にも存在する。
【0042】
即ち、本発明は前記した気体状物質の性質を利用し、抗白癬菌有効成分発生部2から放出される気体状の抗白癬菌有効成分を容易に人の皮膚表面へと引き寄せ着接させることができる。
【0043】
この皮膚表面に着接した抗白癬菌有効成分は、皮膚表面に存在する白癬菌は勿論のこと、従来、軟膏(クリーム状)や粉末霧状スプレー式の水虫治療薬では治療剤の粒子径が大きいため到達し得なかった角質層の深層部に存在する白癬菌に対しても、皮膚細胞に形成される微細な皮膚呼吸孔から皮膚呼吸作用によって容易に皮膚細胞内に浸透してゆき角質層の深層部まで到達することができるので、分枝増殖する白癬菌のもとを断つことができるので、従来のように一時的に症状が治まるだけで直ぐに再発し、これを繰返すことで長期に渡る白癬菌要因の皮膚病(水虫)治療とは違って、短期間で白癬菌要因の皮膚病を完治することができる極めて治療効果の高い画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0044】
また、例えば、抗白癬菌有効成分としてピリジンアルカロイド(例えば、エキセチンやニコチン)を用いた場合、このピリジンアルカロイドは強い吸湿性と抗菌(殺菌)効果を有する物質であり、この強い吸湿性の作用で患部を乾燥させることで、白癬菌の生存条件の一つである湿気をなくし、白癬菌にとって嫌気生存環境にし、更に、抗菌(殺菌)効果によって、確実に白癬菌を死滅分解することができる。
【0045】
また更に、従来の軟膏(クリーム状)や粉末霧状スプレー式の水虫治療薬に比して刺激性が殆どなく、前述した皮膚の刺激に対する防衛作用も働かず、よって、皮膚細胞が収縮し抗白癬菌有効成分の皮膚細胞内部への入口となる皮膚呼吸孔が狭くなることもないので、抗白癬菌有効成分発生部2から放出される気体状の抗白癬菌有効成分が皮膚呼吸によって継続的に皮膚細胞層内部に浸透してゆき角質層の深層部に存在する白癬菌まで到達し、上述した強い吸湿力と殺菌力によってこの白癬菌を確実に死滅させることで、白癬菌要因の皮膚病をもとから断つことができるので、従来、なかなか完治することができなかったこの白癬菌要因の皮膚病(水虫やたむしなど)を確実に治療し、完治させることができる画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【実施例1】
【0046】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0047】
本実施例は、白癬菌要因の皮膚病治療材、具体的には、足の指間に発症した水虫を治療するための水虫治療材7と、この水虫治療材7を患部である足の指間に着接した際に、この水虫治療材7が患部からずれたり外れたりしないように外方からこの水虫治療材7を押さえつける治療材押止具4とからなる白癬菌要因の皮膚病治療具である。
【0048】
本実施例の水虫治療材7は、具体的には、気体状の抗白癬菌有効成分を含有させた抗白癬菌有効成分発生部2と、この抗白癬菌有効成分発生部2の覆う包囲材8とで構成しており、より具体的には、抗白癬菌有効成分発生部2は円柱状(ロール状)に形成した繊維であり、この円柱状繊維からなる抗白癬菌有効成分発生部2に気体状の抗白癬菌有効成分を含有させ、更に、この抗白癬菌有効成分発生部2の周面を繊維からなる包囲材8で被覆した構成としている。
【0049】
また、この抗白癬菌有効成分発生部2に含有させる気体状の抗白癬菌有効成分は、ピリジンアルカロイドを採用し、本実施例では、このピリジンアルカロイドのひとつであるエキセチンを抗白癬菌有効成分発生部2に含有させた構成としている。
【0050】
このピリジンアルカロイドであるエキセチンは、自然界においては、容易に入手可能であるトクサ科のスギナに多く含まれる成分であり、本実施例では、この植物のスギナから抽出(生成)したエキセチンを用いた構成としている。
【0051】
本実施例は、このスギナから気体状のエキセチンを抽出(生成)する方法として、先ず、採取したスギナを天日で乾燥し、この乾燥したスギナを破砕し、この乾燥・破砕したスギナに熱風を当てて脱水乾燥し、この脱水乾燥したスギナを更に細かく破砕し、この細かく破砕したスギナを燃焼(具体的には、蒸し焼き)することでエキセチン含有煙、即ち、気体状のエキセチンを生成する方法を採用している。
【0052】
このようにして生成した気体状のエキセチンを円柱状繊維で構成した抗白癬菌有効成分発生部2に含有させ、この気体状のエキセチンを含有した抗白癬菌有効成分発生部2を乾燥させて、この気体状のエキセチンを含有させた抗白癬菌有効成分発生部2を更に乾燥させて、この抗白癬菌有効成分発生部2の水分含有率を所定値以下、具体的には、20wt%以下、好ましくは10wt%〜16wt%に調整し、この水分含有率を所定値以下に調整した円柱状(ロール状)の抗白癬菌有効成分発生部2の周面を繊維からなる包囲材8で被覆した構成とし、この包囲材8は、網目状の薄いシート状繊維を複数層に重ねて形成して構成としている。
【0053】
尚、本実施例では、気体状のエキセチンを自然界のトクサ科の植物であるスギナから得た構成としているが、このエキセチンは、化学的に生成することも可能であり、気体状のエキセチンを得る方法は本実施例に示す方法に限らず適宜採用するものとする。
【0054】
また、上述したように、本実施例の水虫治療材7は、エキセチンを含有した抗白癬菌有効成分発生部2を円柱状繊維で形成した構成としているが、例えば、この円柱状繊維の代わりに、図5,図6に示すように、カプセル状の収納体を用いた構成としても良く、また、図7,図8に示すようなロール状シートに構成したものとしても良い。
【0055】
具体的には、抗白癬菌有効成分発生部2をカプセル状収納体を用いた構成とした場合は、抗白癬菌有効成分発生部2をカプセル状の収納体に形成し、このカプセル状収納体の壁面に通気口3を形成し、このカプセル状収納体に構成した抗白癬菌有効成分発生部2の内部と外部とを通気自在に構成し、この通気自在に構成した抗白癬菌有効成分発生部2内に抗白癬菌有効成分を気体状にして放出し得る抗白癬菌有効成分発生剤1を収納し、この抗白癬菌有効成分発生剤1が発生する抗白癬菌有効成分を抗白癬菌有効成分発生部2の外部に放出する構成としている。
【0056】
より具体的には、抗白癬菌有効成分発生部2に収納する抗白癬菌有効成分発生剤1を粒状に形成し、このカプセル状に形成した抗白癬菌有効成分発生部2内を移動自在に収納した構成とし、この抗白癬菌有効成分発生部2内を移動することで、抗白癬菌有効成分発生剤1同士がぶつかり合ってより多くの抗白癬菌有効成分を放出する構成としている。
【0057】
また、抗白癬菌有効成分発生部2をロール状シートに構成した場合は、シート状に形成した繊維に気体状の抗白癬菌有効成分を含有させ、この抗白癬菌有効成分を含有した繊維シートをロール状に形成して抗白癬菌有効成分発生部2をロール状シートに構成し、これを更に乾燥させて、上記同様にこの抗白癬菌有効成分発生部2の水分含有率を所定値以下
となるように調整し、この水分含有率を調整したロール状シートの両端部を下方内側に向って傾斜状態に形成して側面視逆台形状に構成し、これを接着シート9の中央部に設けて絆創膏タイプに構成している。
【0058】
上述したように構成した水虫治療材7を患部に着接した際に、この水虫治療材7が患部からずれたり外れたりしないように、外方からこの水虫治療材7を押さえつける治療材押止具4を用いた構成としている。
【0059】
この治療材押止具4は、通気性を有する素材で形成し、一端側に足の各指を夫々挿入する指挿入部5を設け、他端側に踵若しくは足首に係止する係止部6を設け、指挿入部5の間に水虫治療材7を押さえつける押圧部を設けた構成としている。
【0060】
具体的には、指挿入部5の先端側に開口部を設けて足の指先が露出するように指挿入部5を構成し、更に、この指挿入部5の間、即ち、指間に着接した水虫治療材7を押さえつける押圧部からも水虫治療材7に対して外部からの通気性を良好にするために治療材押止具4全体をメッシュ素材で構成している。
【0061】
また、このメッシュ素材は、靴下のように伸縮性も有するものを採用しており、この治療材押止具4を装着する際に、指挿入部5に指を通し、踵に係止部6を係止して装着する構成とし、足の甲及び裏を被覆する被覆面を設けていない構成としている。
【0062】
従って、メッシュ素材を用いて、体温が患部に籠もりにくい構成、即ち、通気性が良好な素材で形成し、尚且つ、足表面との接触面積を必要最小限に構成することで、極力足、特に指間が体温で温められて湿気が籠もらないようにしている。
【0063】
また、本実施例の治療材押止具4は、皮膚に対して刺激を与えるような強い力で押圧するのではなく、皮膚が刺激による防衛作用を起こすことなく気体状の抗白癬菌有効成分を皮膚細胞内部に容易に浸透可能な状態に保持できる程度の押圧力で押圧係止するので、環境刺激による皮膚の防衛作用も生じず患部に着接した抗白癬菌有効成分が皮膚細胞内に容易に浸透して行き角質層の深層部に存在する白癬菌に対しても抗菌(殺菌)作用を施すことができ、更に、足全体が圧迫されることなく、装着しても圧迫感を感じず、治療材押止具4を着用した際に、着用者が不快感を感じないことで、長時間装着することができ、高い治療効果を奏することができる優れた白癬菌要因の皮膚病治療具となる。
【0064】
尚、治療材押止具4の構成は上記に限らず、通気性が良く、患部を圧迫し過ぎないもので、足の指間に着接した水虫治療材7を押圧係止し得る構成のものであれば適宜採用するものである。
【0065】
以上のように構成した水虫治療材7と治療材押止具4とからなる白癬菌要因の皮膚病治療具、若しくは、水虫治療材7を用いて、白癬菌要因の皮膚病(具体的には、水虫)を治療した治療例の一部を以下に紹介する。
【0066】
尚、水虫治療材7のみを用いた場合は、この水虫治療材7を患部に固定保持する治療材押止具4以外の固定具(例えば、絆創膏)を用いており、また、いずれの治療例も市販の水虫治療薬では完治することが無かった状況下で、本実施例の白癬菌要因の皮膚病治療具を使用し、その効果を確認したものである。
【0067】
<治療例1>
・小水疱型水虫 女性 62歳 病歴 2〜3年
症状:両手の指の間に水疱が発病し、痒みが強いため、かきむしり赤くただれていた。
【0068】
治療結果:患部の指間に水虫治療材7をあて、絆創膏で固定し入浴時毎に水虫治療材7を取り替える治療を行ったところ、7日間で全ての指間の水虫が完治した。
【0069】
<治療例2>
・趾間型水虫 男性 43歳 病歴 10年以上
症状:両足の指間に水虫が発病し、皮膚は白くふやけ痒みが非常に強い。春から夏は痒みが特に激しく、市販薬を使用するが一切効果はなかった。
【0070】
治療結果:患部の指間に水虫治療材7を挟み込み、この水虫治療材7が患部からずれたり外れたりしないように治療材押止具4を装着し、この治療材押止具4を装着した状態で靴下を履いて通常通りの仕事を行い、入浴時毎に水虫治療材7を取り替える治療を行ったところ、12日間で全ての患部が完治した。
【0071】
<治療例3>
・趾間型水虫 男性 40歳 病歴 10年以上
症状:両足の指間全てに水虫が発病し、皮膚は白くふやけ、一部は皮下脂肪から出血も見られた。また、非常に強い痒みを伴った。
【0072】
治療結果:患部の指間に水虫治療材7を挟み込み、この水虫治療材7が患部からずれたり外れたりしないように治療材押止具4を装着し、この治療材押止具4を装着した状態で靴下を履いて通常通りの仕事を行い、入浴時毎に水虫治療材7を取り替える治療を行ったところ、16日間で全ての患部が完治した。
【0073】
このように、従来の市販の水虫治療薬では長い年月を掛けても完治することがなかった白癬菌要因の皮膚病(水虫)が、本実施例の白癬菌要因の皮膚病治療材(水虫治療材7)を使用したことで、どの症例も僅か2週間前後で完治し、再発することも無いという極めて高い治療効果を有することが確認された。
【0074】
尚、本実施例では、抗白癬菌有効成分に気体状のエキセチンを用いた白癬菌要因の皮膚病皮膚病治療材(水虫治療材7)としているが、この気体状のエキセチン以外に、例えば、トリゴネン、ピペリン、ロベリン、プソイドペレチエリン、コニイン、カルパイン、ノルニコチン、ニコチン、α−ニコチリン、β−ニコチリン、ニコチン酸、ニコチノニトリル、アレカイジン、アレコリン、アナバシン、リシニン、リチニンなどのピリジンアルカロイドを抗白癬菌有効成分として用いても良く、これらを用いた場合もエキセチンと同様に白癬気に対して優れた抗菌(殺菌)効果を発揮することができる白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【実施例2】
【0075】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0076】
本実施例は、炭素,水素及び窒素で構成され分子式がCxHyN2で表されるアルカロイド系化合物を抗白癬菌有効成分とし、この抗白癬菌有効成分であるアルカロイド系化合物を気体状態にし、この気体状のアルカロイド系化合物を含有した抗白癬菌有効成分発生部2を患部に着接し得るように構成した白癬菌要因の皮膚病治療材である。
【0077】
具体的には、抗白癬菌有効成分発生部2を実施例1で説明したロール状シートに構成し、このロール状シートを接着シート9に設けた絆創膏タイプに構成し、また、この水虫治療材7の抗白癬菌有効成分発生部2に含有する抗白癬菌有効成分としてニコチンを採用した白癬菌要因の皮膚病治療材である。
【0078】
本実施例に用いるニコチンは、ナス科の植栽物の葉に含まれるアルカロイドから生成したのもで、具体的には、例えば、タバコの葉を天日で乾燥させ、これを破砕し、更に熱風を当てて脱水し、この脱水したものを更に細かく破砕し、これを燃焼(蒸し焼き)して生成したニコチン含有煙、即ち気体状態にしたニコチンである。
【0079】
即ち、本実施例に示す抗白癬菌有効成分であるニコチンは、煙という微粒子である気体状態にして繊維で構成したロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2に含有させて、このロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2を患部に着接することで、皮膚呼吸作用によって原因菌である白癬菌が存在する皮膚細胞内部、具体的には角質層の深層部へと浸透してゆく構成としている。
【0080】
また、このロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2に含有させるニコチン成分は、0.8mg〜1.2mgが適正であり、本実施例ではニコチン成分含有量を1.0mgに設定している。また更に、このロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2に含まれる水分含有率は、20%以下が適正であり、本実施例では水分含有率を10%〜16%に設定している。
【0081】
また、ロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2を設けた接着シート9は、
中央部に抗白癬菌有効成分発生部2を付設する幅広付設部10を有する帯状に形成し、全面に通気孔11を形成した構成としている。
【0082】
尚、本実施例では、気体状のニコチンを自然界のナス科の植物であるタバコの葉から得た構成としているが、このニコチンは、化学的に生成することも可能であり、気体状のニコチンを得る方法は本実施例に示す方法に限らず適宜採用するものとする。
【0083】
本実施例は上述のように構成したので、以下に示す作用効果を奏する。
【0084】
本実施例の水虫治療材7は、抗白癬菌有効成分を含有した抗白癬菌有効成分発生部2をロール状シートに形成し、このロール状シートの両端部を傾斜状に形成して逆台形状に構成したことで、より患部への接触面積を多くすることができ、更に、足の指間など立体的な患部(付け根及びその両側の指の内側)に着接する際にも、このロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2を折曲しても確実に抗白癬菌有効成分発生部2を着接することができる。
【0085】
しかも、抗白癬菌有効成分発生部2を患部に着接するための接着シート9に、多数の通気孔11を設けたことで、患部への通気性が良好となり、抗白癬菌有効成分発生部2に含有させた抗白癬菌有効成分を確実に患部に着接浸透させることができ、治療効果の高い優れた白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0086】
また更に、気体状のニコチンを有効成分とする抗白癬菌剤の含有量を1.0mgとすることで、人体への悪影響は全くなく、更に、抗白癬菌有効成分発生部2の水分含有率を10%〜16%まで抑えたことで白癬菌の生存条件である湿気をなくして、白癬菌を確実に死滅させ、この白癬菌要因の皮膚病、例えば、水虫やたむしなどを確実に完治させることができる極めて治療効果の高い画期的な白癬菌要因の皮膚病治療材となる。
【0087】
尚、本実施例では、抗白癬菌有効成分として気体状のニコチンを用いているが、炭素,水素及び窒素で構成され分子式がCxHyN2で表されるアルカロイド系化合物、例えば、4−シアノピリジン、1−エチル−1,4−ジヒドロニコチノニトリル、1−ブチル−1,4−ジヒドロニコチノニトリル、1,4−ジヒドロ−1−プロピルニコチノニトリル、3−シアノピリジン、1,4−ジヒドロ−2−イソプロピル−6−フェニルニコチノニトリル、2−(フェニルエチニル)−5−フェニルニコチノニトリル、アバナシン、ノルニコチン、イソニコチン、1−メチル−2−(4−ピリジニル)ピロリジン、メタニコチン、α−ニコチン、(R)−ノリニコチン、N−エチルノルニコチン、4−イソノルニコチン、2−イソノルニコチン、2−イソニコチン、4−イソニコチン、6−エチルニコチン、N’−ベンジルノルニコチン、(+)−ニコチン、(±)−ニコチン、N−メチルニコチン、(±)−ノルニコチン、trans−メタニコチン、N−プロピルノルニコチン、N−ブチルノルニコチン、ニコチリン(β−ニコチリン)、2−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)ピリジン(α−ニコチリン)、3−(2−ピロリル)ピリジン、ジヒドロニコチリンを用いた構成としても良く、これらを用いた場合もニコチンと同様に水虫治療材7として優れた効果を発揮することができる。
【0088】
次に、本実施例に用いた気体状のニコチンの白癬菌に対する抗菌性試験を行った結果を以下に示す。
【0089】
抗白癬菌有効成分として気体状にしたニコチンの抗菌力を確認するために、JIS L 1902:2008「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」9 定性試験(ハロー法)を参考にして、抗菌力試験を行った。但し、試験菌である白癬菌は1菌株で行い、この白癬菌の前培地はポテトデキストロース寒天培地を、菌液調製溶液は0.005%スルホこはく酸ジオクチルナトリウム溶液を、平板培地はサブロー寒天培地を用い、培養は25℃,7日間で行った。
【0090】
今回の抗菌性試験では、検体として気体状のニコチンを含有したシート状繊維を3つ用意し、このうちの2つの検体は、本実施例と同様に、気体状のニコチンをシート状繊維に1.0mg含有させ、更に、水分含有率を10%〜16%に調整した状態のもので、残りの1つの検体は、気体状のニコチンの含有率は前述した2つの検体と同様に1.0mg含有させているが、水分含有率を70%〜80%に増やした状態のものとした。
【0091】
試験結果、即ち、試験菌である白癬菌に対するハロー(増殖阻止帯)形成の有無に関しては、気体状のニコチンを1.0mg含有させ、更に、水分含有率を10%〜16%に調整した2つの検体でハロー(増殖阻止帯)を認める(増殖阻止帯の形成が確認できた)結果が得られ、このハロー(増殖阻止帯)の幅は21.5mmであった。
【0092】
また、水分含有率を70%〜80%に増やした検体には、ハロー(増殖阻止帯)が認められない結果となった。
【0093】
以上より、本実施例に示す水虫治療材7同様に構成した検体での白癬菌に対する抗菌効果の優位性を確認することができた。
【0094】
このように白癬菌に対して抗菌効果が確認できた本実施例に示す水虫治療材7を用いて、実際に本発明者が被験者となって使用し、その治療効果を確認したので、その結果を以下に説明する。
【0095】
被験者の患部、即ち、水虫発症部は、両足の指の間であり、患部の状態は指間が割れ、血が滲んでいる状態であり、痒みも伴っていた。このように、比較的重度の水虫に本実施例の皮膚病治療材2を着接して、その治療効果を確認した。
【0096】
具体的には、抗白癬菌有効成分として気体状のニコチンをロール状シートに構成した抗白癬菌有効成分発生部2を設けた水虫治療材7を患部に着接し、この水虫治療材7を患部に着接させた状態からずれたり外れたりしないように治療材押止具4を装着し、この治療材押止具4を装着した状態で靴下を履き、この状態で靴若しくはゴム長靴を履いて通常通りの仕事を行いながら治療を行い、その治療効果を確認した。
【0097】
尚、本実施例で用いた治療材押止具4は、実施例1に示した治療材押止具4と同様のものを採用している。
【0098】
また、治療条件として、水虫治療材7は毎日取り替え、治療材押止具4は継続して使用し、また、履物は新品ではなく、従来使用していたものをそのまま洗わずに継続して使用し、また更に、室内にいるときは、常に治療材押止具4を装着し、そのうえに靴下を履いた状態で過ごし、就寝時は、水虫治療材7と治療材押止具4のみを装着した状態とした。
【0099】
このようにして、治療効果を確認したところ、7日間で両足の指間に発症していた水虫(患部は全部で8箇所)が全て完治した。
【0100】
このように、本実施例は、一般的に市販されている多くの水虫治療薬がスプレータイプや軟膏タイプであることに対して、抗白癬菌有効成分であるニコチンを煙などの気体状の微粒子状態にして抗白癬菌有効成分発生部2に含有させ、皮膚呼吸の作用によって皮膚細胞内部、具体的には角質層の深層部に抗白癬菌有効成分である気体状のニコチンを到達させることが容易にできることで、皮膚に刺激を与えることもなく、よって、皮膚の防衛作用を引き起こすことなく、抗白癬菌有効成分発生部2に含有させた抗白癬菌有効成分を継続的に長時間に渡って患部に着接浸透させることができ、従来の水虫治療薬のように、1日に何度も治療を施す必要が無いので、他人に気付かれることなく治療を続けることができ、前述した水虫を完治させるための3つのポイント、即ち、患部の通気性を常に良好にすること、普通の生活を送りながら治療を長時間継続すること、他人に治療行為を気付かれず治療できることを全て満たすことができ、患者が使用して満足でき、極めて治療効果も高い従来にない画期的な白癬菌要因の皮膚病治療具となる。
【0101】
尚、本発明は、実施例1,実施例2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0102】
1 抗白癬菌有効成分発生剤
2 抗白癬菌有効成分発生部
3 通気口
4 治療材押止部
5 指挿入部
6 係止部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水虫やたむしの原因菌である白癬菌に対して抗菌,殺菌作用を施す抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する若しくは前記抗白癬菌有効成分を気体状にして放出し得る抗白癬菌有効成分発生剤を有する抗白癬菌有効成分発生部を備え、この抗白癬菌有効成分発生部から気体状の前記抗白癬菌有効成分を放出し、この放出した気体状の抗白癬菌有効成分を患部に着接浸透し得るように構成したことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項2】
前記抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する抗白癬菌有効成分発生部は、繊維からなることを特徴とする請求項1記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項3】
前記抗白癬菌有効成分発生剤を有する抗白癬菌有効成分発生部は、前記抗白癬菌有効成分発生剤から発生する気体状の前記抗白癬菌有効成分を通気自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項4】
前記抗白癬菌有効成分発生剤を粒状に形成し、この粒状の抗白癬菌有効成分発生剤を有する前記抗白癬菌有効成分発生部は、前記粒状の抗白癬菌有効成分発生剤を移動自在に収納する構成とすると共に、この移動自在に収納した抗白癬菌有効成分発生剤から発生する気体状の前記抗白癬菌有効成分を、この抗白癬菌有効成分発生部の外方に放出する通気口を設けたことを特徴とする請求項1,3のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項5】
前記抗白癬菌有効成分は、ピリジンアルカロイドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項6】
前記ピリジンアルカロイドは、トリゴネン、ピペリン、ロベリン、プソイドペレチエリン、コニイン、カルパイン、エキセチン、ノルニコチン、ニコチン、α−ニコチリン、β−ニコチリン、ニコチン酸、ニコチノニトリル、アレカイジン、アレコリン、アナバシン、リシニン、リチニンから選択されることを特徴とする請求項5記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項7】
炭素,水素及び窒素で構成され分子式がCxHyN2で表されるアルカロイド系化合物を抗白癬菌有効成分とし、この抗白癬菌有効成分である前記アルカロイド系化合物を気体状態にし、この気体状のアルカロイド系化合物を含有した抗白癬菌有効成分発生部を患部に着接し得るように構成したことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項8】
前記抗白癬菌有効成分であるアルカロイド系化合物は、ニコチン、ニコチノニトリル、α−ニコチリン、β−ニコチリンから選択されることを特徴とする請求項7記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項9】
前記抗白癬菌有効成分発生部は、前記アルカロイド系化合物の含有量を0.8mg〜1.2mgとしたことを特徴とする請求項7,8のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項10】
前記抗白癬菌有効成分発生部は、水分含有率が20%以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項11】
前記抗白癬菌有効成分発生部は繊維からなり、この繊維からなる前記抗白癬菌有効成分発生部をロール状に形成してロール状シートに構成し、前記抗白癬菌有効成分発生部を指間に着接し得る構成としたことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項12】
前記請求項1〜11のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材と、患部である足の指間に着接した前記白癬菌要因の皮膚病治療材を押さえつける治療材押止具とからなる白癬菌要因の皮膚病治療具であって、前記治療材押止具は、通気性を有する素材で形成し、一端側に足の各指を夫々挿入する指挿入部を設け、他端側に踵若しくは足首に押圧状態に係止する係止部を設け、前記指挿入部の間に前記白癬菌要因の皮膚病治療材を押さえつける押圧部を設けた構成としたことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療具。
【請求項1】
水虫やたむしの原因菌である白癬菌に対して抗菌,殺菌作用を施す抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する若しくは前記抗白癬菌有効成分を気体状にして放出し得る抗白癬菌有効成分発生剤を有する抗白癬菌有効成分発生部を備え、この抗白癬菌有効成分発生部から気体状の前記抗白癬菌有効成分を放出し、この放出した気体状の抗白癬菌有効成分を患部に着接浸透し得るように構成したことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項2】
前記抗白癬菌有効成分を気体状態で含有する抗白癬菌有効成分発生部は、繊維からなることを特徴とする請求項1記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項3】
前記抗白癬菌有効成分発生剤を有する抗白癬菌有効成分発生部は、前記抗白癬菌有効成分発生剤から発生する気体状の前記抗白癬菌有効成分を通気自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項4】
前記抗白癬菌有効成分発生剤を粒状に形成し、この粒状の抗白癬菌有効成分発生剤を有する前記抗白癬菌有効成分発生部は、前記粒状の抗白癬菌有効成分発生剤を移動自在に収納する構成とすると共に、この移動自在に収納した抗白癬菌有効成分発生剤から発生する気体状の前記抗白癬菌有効成分を、この抗白癬菌有効成分発生部の外方に放出する通気口を設けたことを特徴とする請求項1,3のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項5】
前記抗白癬菌有効成分は、ピリジンアルカロイドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項6】
前記ピリジンアルカロイドは、トリゴネン、ピペリン、ロベリン、プソイドペレチエリン、コニイン、カルパイン、エキセチン、ノルニコチン、ニコチン、α−ニコチリン、β−ニコチリン、ニコチン酸、ニコチノニトリル、アレカイジン、アレコリン、アナバシン、リシニン、リチニンから選択されることを特徴とする請求項5記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項7】
炭素,水素及び窒素で構成され分子式がCxHyN2で表されるアルカロイド系化合物を抗白癬菌有効成分とし、この抗白癬菌有効成分である前記アルカロイド系化合物を気体状態にし、この気体状のアルカロイド系化合物を含有した抗白癬菌有効成分発生部を患部に着接し得るように構成したことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項8】
前記抗白癬菌有効成分であるアルカロイド系化合物は、ニコチン、ニコチノニトリル、α−ニコチリン、β−ニコチリンから選択されることを特徴とする請求項7記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項9】
前記抗白癬菌有効成分発生部は、前記アルカロイド系化合物の含有量を0.8mg〜1.2mgとしたことを特徴とする請求項7,8のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項10】
前記抗白癬菌有効成分発生部は、水分含有率が20%以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項11】
前記抗白癬菌有効成分発生部は繊維からなり、この繊維からなる前記抗白癬菌有効成分発生部をロール状に形成してロール状シートに構成し、前記抗白癬菌有効成分発生部を指間に着接し得る構成としたことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材。
【請求項12】
前記請求項1〜11のいずれか1項に記載の白癬菌要因の皮膚病治療材と、患部である足の指間に着接した前記白癬菌要因の皮膚病治療材を押さえつける治療材押止具とからなる白癬菌要因の皮膚病治療具であって、前記治療材押止具は、通気性を有する素材で形成し、一端側に足の各指を夫々挿入する指挿入部を設け、他端側に踵若しくは足首に押圧状態に係止する係止部を設け、前記指挿入部の間に前記白癬菌要因の皮膚病治療材を押さえつける押圧部を設けた構成としたことを特徴とする白癬菌要因の皮膚病治療具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−194213(P2011−194213A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261484(P2010−261484)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(510054164)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(510054164)
【Fターム(参考)】
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