説明

白色ないし黄色鹿角霊芝の熱水抽出物、並びにこれを含有する化粧品、健康食品、及び抗癌剤

【課題】白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体から得られ、ヒトに対して生理活性を有する物質を含有する熱水抽出物、並びにこれを含有する化粧品、健康食品、及び抗癌剤の提供
【解決手段】(1)白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体から得られ、ヒトに対して生理活性を有する物質を含有することを特徴とする熱水抽出物。
(2)生理活性を有する物質が、ヒト正常繊維芽細胞(NB1RGB)の増殖促進作用を有する前記(1)記載の熱水抽出物。
(3)生理活性を有する物質が、チロシナーゼ阻害活性作用を有する前記(1)記載の熱水抽出物。
(4)生理活性を有する物質が、抗酸化作用を有する前記(1)記載の熱水抽出物。
(5)生理活性を有する物質が、抗腫瘍効果を有する前記(1)の熱水抽出物
(6) ガノデリン酸類をほとんど含まず、苦味の少ない請求項1〜請求項5記載の熱水抽出物を含有する健康食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体から得られ、ヒトに対して生理活性を有する物質を含有する熱水抽出物、並びにこれを含有する化粧品、健康食品、及び抗癌剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図1に示す形状の鹿角霊芝1が知られている。この鹿角霊芝は傘が存在せず(開いていず)、白い頂部2を有しているが、菌柄3は褐色(以下褐色鹿角霊芝という)を呈している。
そして、褐色鹿角霊芝は、広葉樹の切断原木に霊芝(Ganoderma lucidum)の菌糸を接種して密生(蔓延)させた後、前記切断原木を、1〜2mの高さを有するハウジング内に、その切断面(木口)が見える程度に埋め(伏せ)込むと共に、前記ハウジング内を、下記の(A)及び(B)の条件に保持することによって、その子実体を生育させることができる。
(A)埋め(伏せ)込みから芽切り(発芽)後、幼霊芝が3cmほど成長し、その下部(菌柄)が茶褐色に変色し始めたら、ハウジングの上部を遮光すること。
(B)前記ハウジング内のスペースの温度を25〜30℃、かつ湿度を80〜90%程度に調節・保持すること。
【0003】
又、褐色鹿角霊芝は、広葉樹の切断原木に代えて人工的に作製できる菌床(人工培地)を用いても、前記した栽培方法と略同様に子実体を生育させることができる。
【0004】
発明者等は、霊芝は栽培方法により形態及び色調が大幅に変化することから、種々の栽培方法(条件)について試験したところ、広葉樹の切断原木に、霊芝(Ganoderma lucidum)の菌糸を接種して密生(蔓延)させた後、前記切断原木を、数十cmの高さを有するハウジング内に、その切断面(木口)が見える程度に埋め(伏せ)込むと共に、ハウジング内の遮光条件、温度、及び湿度を変えることにより、前記鹿角霊芝の菌柄を白色ないし黄色に変えることに成功し、一段と愛好家の鑑賞に耐え得る観賞用白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)を栽培することを可能にするに至り、すでに特許出願している(特許文献5)。
又、広葉樹の切断原木に代えて人工的に作製できる菌床(人工培地)を用いても、切断原木と、ほぼ同様な白色ないし黄色鹿角霊芝を栽培することに成功した(特許文献6)。
【0005】
なお、薬用又は観賞用の霊芝及び鹿角霊芝の栽培方法に関しては、例えば、次の特許文献が公知である。
【特許文献1】特公昭57−39605
【特許文献2】特開平11−146728
【特許文献3】特開2006−25765
【特許文献4】特開2006−271298
【特許文献5】特願2006−343664
【特許文献6】特願2007−074081
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者等は、前記栽培方法に成功した白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum、以下単に白鹿角霊芝ともいう)には、ヒトに対する種々の生理活性物質が豊富に含まれていると共に、従来の褐色霊芝に含まれるガノデリン酸(苦味成分)が殆んど含まれていないことを知り、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、下記の請求項1〜請求項11により構成されている。
〔請求項1〕 白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体から得られ、ヒトに対して生理活性を有する物質を含有することを特徴とする熱水抽出物。
〔請求項2〕 生理活性を有する物質が、ヒト正常繊維芽細胞(NB1RGB)の増殖促進作用を有する請求項1記載の熱水抽出物。
〔請求項3〕 生理活性を有する物質が、チロシナーゼ阻害活性作用を有する請求項1記載の熱水抽出物。
〔請求項4〕 生理活性を有する物質が、抗酸化作用を有する請求項1記載の熱水抽出物。
〔請求項5〕 生理活性を有する物質が、抗腫瘍効果を有する請求項1記載の熱水抽出物。
〔請求項6〕 請求項1〜請求項5記載の熱水抽出物を含有する化粧品。
〔請求項7〕 請求項1〜請求項5記載の熱水抽出物を含有する健康食品。
〔請求項8〕 請求項1〜請求項5記載の熱水抽出物を含有する抗癌剤。
〔請求項9〕 ガノデリン酸類をほとんど含まず、苦味の少ない請求項1〜請求項5記載の熱水抽出物を含有する健康食品。
〔請求項10〕 下記の(A)〜(C)に記載する栽培方法により得られる白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体を使用する請求項1〜請求項8に記載するヒト正常繊維芽細胞(NB1RGB)の増殖促進剤。
(A)白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体の栽培を広葉樹の切断原木を用いて行うこと。
(B)広葉樹の切断原木に霊芝(Ganoderma lucidum)の菌糸を接種して密生(蔓延)させた後、前記切断原木をハウジング内の土壌に、その切断面(木口)が見える程度に埋め(伏せ)込むこと。
(C)前記ハウジング内を、下記の(a)〜(c)の条件に保持して霊芝の子実体を生育させること。
(a)埋め(伏せ)込みから芽切り(発芽)を経て、幼霊芝が変色し始めるまでは、ハウジングの上部を半透光性の物体で覆い、透光率が65〜85%になるようにすること。
(b)芽切り後、幼霊芝が茶褐色に変色する前に、ハウジングの上面を遮光性材質で密に覆い、気密性を高めると共に光を完全に遮断すること。
(c)前記ハウジング内のスペースの温度を25〜35℃、かつ湿度を90%以上に調節・保持すること。
〔請求項11〕 下記の(A)〜(C)に記載する栽培方法により得られる白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganodermalucidum)の子実体を使用する請求項1〜請求項8に記載するヒト正常繊維芽細胞(NB1RGB)の増殖促進剤。
(A)白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体の栽培を菌床栽培法により行うこと。
(B)菌床に霊芝(Ganoderma lucidum)の菌糸を接種して密生(蔓延)させた後、前記菌床をハウジング内へ収納・保持すること。
(C)前記ハウジング内を、下記の(a)〜(b)の条件に保持して霊芝の子実体を生育させること。
(a)前記菌床をハウジング内へ収納後、霊芝が(Ganoderma lucidum)芽切り(発芽)を経て、幼霊芝が変色し始めるまでは、ハウジングの上部を半透光性の物体で覆い、透光率が65〜85%になるようにすること。
(b)芽切り後、幼霊芝が茶褐色に変色する前に、ハウジングの上面を遮光性材質で密に覆い、気密性を高めると共に光を完全に遮断すること。
(c)前記ハウジング内のスペースの温度を25〜35℃、かつ湿度を90%以上に調節・保持すること。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、従来存在しなかった白色ないし黄色鹿角霊芝の子実体から、ヒトに対して生理活性を有する物質を含有する熱水抽出物が容易に得られると共に、これを用いて、種々の効果を有する化粧品(美肌、美白)、健康食品(粉末、飲料)、及び抗癌剤を得ることができるという効果を有する。
又、本願発明に係る白色ないし黄色鹿角霊芝の子実体から、得られるヒトに対して生理活性を有する物質を含有する熱水抽出物は、従来の霊芝の成分であるガノデリン酸類(苦味物質)をほとんど含有しないので、これを用いて、種々の効果(美肌、美白、抗酸化、抗癌)を有する健康食品(粉末、飲料)を得ることができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
同一の樹種・菌種系統を用いて、白色鹿角霊芝(白色系)と鹿角霊芝(褐色系)を栽培し、一般成分及びβ−グルカン量を測定した。その結果を表1に示す(日本食品分析センター 第508070368−001号〜004号)。
なお、β−グルカンの測定は、酵素法によった。
【0010】
【表1】



【0011】
<生理活性測定用サンプル調製方法>
白色ないし黄色鹿角霊芝の子実体の乾燥物を細かく粉砕し、20倍量の蒸留水を加え、105℃、60分間オートクレーブで処理し熱水抽出した。
抽出液の分析結果を表2に示す。
【0012】
【表2】

【0013】
<ヒト正常繊維芽細胞増殖に対する作用の測定>
私達の肌には、表皮の底に繊維芽細胞が存在しており、コラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保ち、ハリの元となる物質を産生している。この繊維芽細胞は、年齢と共に衰え、コラーゲンやエラスチン産生能が低下し、うるおいが失われ、キメが崩れ、シワの原因になると言われている。
【0014】
測定サンプルは、得られた抽出液(表1)をろ過し、更に0.2μmフィルターによりろ過滅菌した後、100μg/ml(サンプル1mlが乾燥子実体100μgに相当)に調製し試験に用いた。予備試験の結果を基に、次の手順により、白色ないし黄色鹿角霊芝の抽出液に関し、培養24時間におけるヒト正常繊維芽細胞の増殖率を測定した。測定には、CellTiter96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay(プロメガ株式会社製)を用いた。
測定方法の概要は次のとおりである。
<1>ヒト正常繊維芽細胞(NB1RGB)を前培養した。
<2>前培養し、静止期にある細胞をトリプシン処理して細胞浮遊液を作製、細胞数を計数した。
<3>本細胞を96穴マイクロプレートに1×10細胞/wellで播種した。
<4>無血清培地で16時間培養した。
<5>培地を評価サンプル添加培地に交換した。
(a)対照(ネガティブコントロール、無添加、細胞あり)
(b)白鹿角霊芝子実体乾燥物の熱水抽出液
(c)褐色霊芝乾燥物の熱水抽出液
<6>無血清培地で24時間培養した。
<7>培地を回収後、細胞数をCellTiter 96R AQueous One Solution Cell Proliferation Assay(プロメガ株式会社製)を使用し、MTS法にて測定した。
測定結果を表3に示す。
【0015】
【表3】

【0016】
以上のように、細胞培養期間を24時間に設定して本期間における細胞増殖を調べた。
その結果、白鹿角霊芝子実体乾燥物の熱水抽出液は、十分なヒト正常繊維芽細胞増殖率(133%)を示した。
したがって、白鹿角霊芝子実体乾燥物の熱水抽出液は、自己再生能力を上げる化粧品原料として使用することができる。
なお、光学顕微鏡により細胞の形態変化を観察したが、サンプル添加によって、特徴的な形態変化は見られなかった。
【0017】
<チロシナーゼ阻害活性測定>
チロシナーゼとは、アミノ酸であるチロシンを酸化させて、メラニンを生成する酵素である。
サンプルは、表1の抽出液を濃度調整せずにそのまま用いた。
この試験法は、チロシナーゼ活性の阻害率を測定することにより、美白効果の有無を試験する方法である。
測定には、マッシュルーム由来チロシナーゼ酵素(50,000units)(シグマ化学薬品株式会社製)を用いた。
測定方法の概要は次のとおりである。
<1>McIlvaine緩衝液(pH6.8)1.0ml,チロシン溶液1.0ml,及びサンプル溶液0.9mlを混合したサンプル管を10分間、30℃で加温した。
<2>918units/mlのチロシナーゼ0.05mlを添加し、さらに10分間、30℃に加温した。
<3>1Mアジ化ナトリウムを、0.05ml加えて、反応を停止させた。
<4>475nmでの吸光度を測定した。
測定結果を表4に示す。
また、表4には、Controlの値からサンプルそれぞれの阻害率を計算して示した。
【0018】
【表4】

【0019】
前記表4の測定結果より、白鹿角霊芝子実体乾燥物の熱水抽出液には、チロシナーゼ活性を阻害する作用が認められた。
しみの要因には、ホルモンバランスの変化や肌荒れ,紫外線,老化等が挙げられるが、いずれも紫外線が関係している。紫外線を浴びると、紫外線をうけた表皮細胞から表皮の大部分を占める角化細胞が自らを守るために、メラニンを生成するメラノサイトに向けて、情報伝達物質(エンドリセンやホスホリパーゼ)が送られる。これを受けて、チロシナーゼがメラニンを生成する。生体内でチロシンというアミノ酸がチロシナーゼ酵素の作用で、ドーパとなり、次にドーパキノンとなる。ドーパキノンから酸化反応が進行し、メラニンを形成する。このメラニン形成経路のはじめの部分で反応を抑制・阻害できれば、生成するメラニン量を大幅に減らすことができると考えられる。白鹿角霊芝の子実体乾燥物の熱水抽出液には、チロシナーゼ活性阻害が認められたことから、メラニン生成に対する抑制効果も期待できる。以上のことより、白鹿角霊芝子実体乾燥物の熱水抽出液は、美白化粧品原料として期待できると考えられた。
【0020】
<抗酸化試験(DPPHラジカル消去能評価試験)>
DDPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)ラジカル消去能評価試験により、抗酸化活性を求めた。
生体内酸化ストレスによりフリーラジカルが発生すると、老化や癌、動脈硬化など、様々な疾病の原因になるといわれており、フリーラジカルを補足する物質はそのような疾病の予防に有用である。
サンプルは、表1の抽出液を濃度調整せずにそのまま用いた。
測定方法の概要は次のとおりである。
<1>DDPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)のエタノール溶液(4μM)、MES buffer(200mM,pH6.0 )、80%エタノールの混液(1:1:1)を調製した。
<2>サンプルごとに6本の試験管を用意し、蒸留水(300−a)μlを加えた。前記aは、<3>で加えるサンプル量を示す。ここでは、6本の試験管にそれぞれ300、270、240、180、120、60μml加えた。
<3>サンプルを試験管にaμl(a=0、30、60、120、180、240)加え、攪拌した。
<4><1>の反応液を各試験管に加え、攪拌して反応させた。
<5>上記の反応液をセルに入れ、分光光度計にセットした。抽出液を加えてから20分後に520nmでの吸光度を測定した。
<6>標準物質Trolox溶液(0.2mM)を調製し、<1>〜<5>の操作を行った。
<7>サンプルおよびTroloxについて吸光度を縦軸に、添加量(μl)を横軸にとり、プロットした図を作成した。次に直線的な吸光度減少が続く範囲(標準:直線性R2=0.9999、サンプル:直線性R2=0.975以上)で、単位添加量あたりの吸光度変化量を算出し、これを比較することにより、サンプルに含まれる抗酸化物質量(Trolox相当量)を算出した。
測定結果を表5に示す。
【0021】
【表5】

【0022】
以上から、白鹿角霊芝実体乾燥物の熱水抽出液には、様々なラジカルに対する消去活性があることがわかる。
したがって、フリーラジカルが要因とされている疾病の予防に役立つ健康食品の原料とすることができる。
【0023】
<抗腫瘍試験(細胞の増殖抑制試験及びアポトーシス誘導試験)>
(A)細胞の増殖抑制試験
<1>サンプルは、表1の抽出液を濃度調整せずにそのまま用いた。
<2>細胞培養は、以下の方法によった。
ヒト骨髄性白血病由来細胞(HL-60細胞)を用いて細胞増殖抑制試験及びアポトーシス誘導試験(in vitro)を行った。
ヒト骨髄性白血病由来細胞(HL-60細胞)は、10%ウシ胎児血清(FBS;フナコシ)とペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)(ペニシリン-ストレプトマイシン混液;SIGMA)を加えたRPMI 640培地(GIBCO)を用いて、37℃、5%CO2存在下で培養を行った。細胞は3〜4日に一度5〜6倍に稀釈し、継代培養を行った。
また、細胞のカウントは血球計算版を用いて、0.5%トリパンブルー(Wako)で染色し、顕微鏡下で測定した。
すべての試験は対数増殖期の細胞を用いて行った。
<3>細胞の増殖抑制試験は、以下のように行った。
対数増殖期にあるHl−60細胞を15mlの遠沈管に適量回収し、1.000rpmで5分間遠心分離した。遠心したチューブより、アスピレーターを用いて培地を除去し、37℃に暖めておいた培地で5〜6×105cells/mlになるように50mlの遠沈管を用いて細胞数を稀釈調整した。
24穴プレートに900μmlずつ、調整した細胞懸濁液を播種した。各ウェルにコントロールとして、蒸留水、また、それぞれのサンプルを100mlずつ添加し、37℃、CO2インキュベーター内で静置した。
24時間後に0.5%トリパンブルーで染色し、ヘマサイトメーターを用いて細胞数を計測し、細胞の増殖抑制率を算出した。
測定結果を表6に示す。
【0024】
【表6】

【0025】
表6によれば、白鹿角霊芝子実体乾燥物の熱水抽出液は、高い細胞増殖抑制効果を示すことがわかる。
【0026】
(B)ギムザ染色によるアポトーシス誘導細胞の確認
対数増殖期にあるHL−60細胞を15mlの遠沈管に適量回収し、1000rpmで5分間遠心分離した。遠心したチューブより、クリーンベンチ内でアスピレーターを用いて培地を除去し、37℃に暖めておいた培地で5〜6×105cells/mlになるように50mlの遠沈管を用いて細胞数を稀釈調整した。
24穴プレートに900μlずつ、調整した細胞懸濁液を分注し、各ウェルにコントロールとして、蒸留水(Control(DW))、また、それぞれのサンプル(G2:白鹿角霊芝、G3:褐色霊芝)を100μlずつ添加し、37℃、CO2インキュベーター内で静置した。
24時間後に取り出した細胞をそれぞれスピッツ管に回収した。ここにカルノア固定液(メタノール:酢酸=3:1混合液)を同量充填した。室温で10分間静置した後、ゆっくりと上下に傾けて混合し、さらに10分間静置した。1500rpmで10分間遠心分離し、上清を除去した後、カルノア固定液を2ml加えて懸濁させ、−20℃で一晩静置した。翌日1500rpmで10分間遠心分離し、上清を除去した後、氷冷したカルノア固定液200μlで懸濁し、スライドグラスに滴下した。乾燥したら、ギムザ染色液(Wakoを100倍希釈して使用)で20分間染色し、蒸留水で洗浄した。顕微鏡下で細胞の形態を確認し、写真撮影を行った。
【0027】
アポトーシス細胞における形態的特徴として、核の凝縮が挙げられる。
上記試験の結果、確認された細胞形態を図6に示した。ギムザ染色における細胞形態の確認においては、多くのアポトーシス誘発細胞を確認することが出来た。また、アポトーシス誘発細胞の割合は、細胞の増殖抑制率とほぼ同等の割合で確認された。
細胞増殖抑制試験およびアポトーシス誘発細胞の確認試験の結果より、白鹿角霊芝の実体乾燥物熱水抽出液は、高い割合でHL−60細胞の増殖を抑制し、その抑制はアポトーシスによる細胞死であることが推察された。

【0028】
<ガノデリン酸Aの定量>
<1>サンプルは、段落0010記載の抽出液(サンプル1mlが乾燥子実体100μgに相当)を用いた。
<2>下記に示す条件で液体クロマトグラフィーを行った。
カラム:ODS系カラム(SINSEIDO CAPCELL PAC C18)、35°
移動相:アセトニトリル/水/酢酸=35/65/1
流速:1.0ml/分
検出器:UV 254nm

<3>分析結果
従来の褐色の鹿角霊芝の熱水抽出物には、140(mg/100g霊芝子実体)以上のガノデリン酸Aが含まれていたが、本願発明に係る白鹿角霊芝の熱水抽出物には、10mg以上のガノデリン酸Aは見出することができなかった。

<4>官能検査結果
表1のサンプルの苦味について、10人のパネルを使用して官能検査をしたところ、下記の結果であった。

白鹿角霊芝
苦味無し −8人
若干苦味有 −2人
苦味有 −0人
褐色鹿角霊芝
苦味無し −1人
若干苦味有 −3人
苦味有 −6人

以上の結果から、本願発明に係る白色ないし黄色鹿角霊芝の子実体から得られるヒトに対して生理活性を有する物質を含有する熱水抽出物は、従来の褐色霊芝のように、苦味物質をほとんど含有しない。したがって、これを用いて、苦味がなくても種々の効果(美肌、美白、抗酸化、抗癌)を有する健康食品(粉末、飲料)を得ることができる。
【0029】
本願発明に使用する白鹿角霊芝は、下記の性状を有している(特許文献5および特許文献6参照)。
(a)全長(背丈)が25〜40cmで、分岐せず。
(b)先端部(菌傘に相当する部分)が白色
(c)菌柄が白色ないし黄色
(d)菌柄の直径がおよそ10.0mm(上部)〜20.0(下部)mm
【0030】
次に、本願発明に使用する白鹿角霊芝の栽培方法について述べる。
(1)広葉樹の切断原木を使用する場合
(イ)使用する広葉樹は、クヌギ又はナラガシが優れているが、コナラ、ミズナラ、アベマキ、サクラ、ブナ、ニセアカシア等も十分使用可能である。
(ロ)広葉樹の切断原木に霊芝の菌糸を接種して密生(蔓延)させるには、既に公知の方法を使用することができるが、例えば特許第3553005号、又は特開2002−84884(両者共、本願発明者の発明)記載の方法を用いれば、一層簡便・確実である。
(ハ)広葉樹の切断原木は、直径15〜25cm、高さ10〜16cm程度の大きさのものを使用する。原木の寸法は、必ずしもこの大きさに限るものではないが、この範囲の原木が、作業上及び管理上好都合である。
【0031】
(ニ)霊芝の菌糸を密生(蔓延)させた切断原木(株)を埋め(伏せ)込む土壌には、水捌けのよい山砂が適している。埋め込みはほぼ原木の高さまで行い、切断(木口)面の砂は払って除去するのがよい。
(ホ)埋め込む原木の左右の間隔は、7〜15cmの範囲がよい(1平方メートル当り9〜10本)。この範囲より狭くなると霊芝の成長が悪くなり、この範囲を超えると菌柄が黄色を超えて着色(褐色化)が進行し、又は着色(褐色化)するものが増える傾向にある。
(ヘ)ハウジングの内部の高さを30〜65cm、より好ましくは35〜45cmとすることが好ましい。この範囲より低くすると、霊芝の成長が悪くなったり、霊芝が横に伸びて外観が悪くなる。
又この範囲を超えると、菌柄が黄色を超えて着色(褐色化)が進行し、又は着色(褐色化)するものが増える傾向にある。
原木と原木との間隔、及びハウジング内部の高さは、1本の原木から発生する霊芝が生育するスペース(容積)を決定するものであり、このスペースの大きさは霊芝の着色に敏感に影響する。
すなわち、スペースが増すと(大きすぎれば)着色が増加する。
数本の原木を使用して詳細に試験した結果では、ハウジング内の二酸化炭素濃度を0.1%、(通常の空気の濃度:0.03%)以上にすることにより菌柄の褐色化を防ぐことが可能となり、この二酸化炭素濃度のスペースを確保するためには、通気を制限し、前記(原木の)間隔と(ハウジング内部の)高さが最適である。
【0032】
(ト)次に、ハウジングの構成例を示すと次のとおりである。
全体の構成を、周囲を箱状に囲む側板とその上部に被せる天蓋とし、その内部に高さ35〜45cmのスペースを確保する。側板と天蓋には、断熱材を貼着したものを使用し、完全に遮光・密閉可能とする。
使用する断熱材としては、例えば下記のボードを使用する。
内側:断熱材(発泡スチロール又は押出し法ポリスチレンフォーム(商品名:スタイロフォーム):9〜30mm)
外側:ベニヤ板(必要に応じて外側を遮光フィルムで被覆したもの):5〜10mm
(チ)前記天蓋は、温度及び湿度の急激な変化を避け、かつ霊芝の生育により増加した二酸化炭素濃度を維持するために、通常3〜5日に1度散水する時以外は開閉しない。
又、通常、散水は夜行い、日中の天蓋の開閉は、直射日光の差込を防ぐため行わない。
【0033】
(リ)ハウジング内の温度を25〜35℃、湿度を90%以上、より好ましくは95%以上に保持することを要する。この条件は、例えば、天蓋の断熱材の厚さを変えること(温度が低く過ぎるときは薄くしてハウジング内へ太陽光の熱を取り込み、高過ぎるときは厚くして太陽光の熱を遮断する)及び散水の量と頻度を変えることにより満たすことができる。
(ヌ)ハウジングを天蓋等で完全に遮光する時期は、幼霊芝が変色する寸前が好ましく、この時期は通常芽切り後5〜7日前後に訪れる。
【0034】
(ル)請求項9の(C)の(c)に使用する半透光性の物体(埋め込みから発芽を経て、幼霊芝が変色し始める期間、ハウジングの上部を覆うもの)とは、通常太陽光線を一部遮るシート状物体をいう。
又、この半透光性の物体としては、透光性のフィルム(シート)の上部に、その一部を覆う(例えば網状、簾状)シートを重ねても目的を達成することができる。
なお、天蓋で密閉する以前に、ハウジング内を、前記(C)の条件下に維持しないと、霊芝の変色が早まったり、霊芝の伸び(生育)が悪くなる。
【0035】
(ヲ)同一のスペース内で同時に大量(例えば100株以上)に栽培する場合は、露地栽培(太陽光照射)を行う。
このためには、5月中旬に、霊芝の菌糸を密生(蔓延)させた切断原木(株)を埋め(伏せ)こみ、7月中旬ないし8月初旬に収穫するのがよい。
この時期においては、前記スペース内は、散水を適宜行うこと、天蓋の断熱材の厚さを変えることにより、温度が25〜35℃、湿度が90%以上に保持される。
【0036】
(2)菌床を使用する場合
(イ)菌床(培地)は、広葉樹のオガクズ(又は及びチップ)、及び米ヌカ(又は及びフスマ)を主材料として作製する。広葉樹としては、クヌギ又はナラガシが優れているが、コナラ、ミズナラ、アベマキ、サクラ、ブナ、ニセアカシア等も十分使用可能である。
【0037】
(ロ)菌床に霊芝の菌糸を接種して密生(蔓延)させるには、既に公知の方法を使用することができるが、例えば特許第3553005号、又は特開2002−84884(両者共、本願発明者の発明)記載の方法を用いて種菌を培養すれば、一層簡便かつ確実である。
菌床に霊芝の菌糸を接種して密生(蔓延)させるには、通常120日以上を必要とする。
【0038】
(ハ)菌床の作製に使用する容器は、上部に広い開口部を有し、又培地を内部に入れて殺菌する必要があるので、加熱殺菌に耐え得る耐熱性の容器が好ましい。例えば、ガラス製、プラスチック製の容器(ビン、袋等)が使用できる。
容器の大きさは、特に限定されないが、底面積が80〜200cm2(直径10〜16cm)、高さが10〜15cm程度のものが、作業上及び管理上好都合である。
【0039】
(ニ)霊芝の菌糸を密生(蔓延)させた菌床を、ハウジング内へ収納・保持する際の菌床の配置は、下記のように規制するのが好ましい。
a)ハウジング内へ収納して並べる菌床の数を、ハウジング内の底面積に対し、収納する菌床の底面積の総和が20〜30%を占めるように制限すると共に、適宜間隔をあけて菌床を配置する。
b)菌床の下部には、スペースをとらない。
c)菌床をあまり密に収納・配置すると、霊芝の生育が悪くなり、あまり疎に収納・配置すると霊芝の菌柄が黄色を超えて着色(褐色化)が進行し、又は着色(褐色化)するものが増える傾向にある。
【0040】
(ホ)ハウジング内へ菌床を収納・配置したとき、菌床の上部に20〜55cm、より好ましくは25〜40cmのスペースを確保することが好ましい。この範囲より低くすると、霊芝の成長が悪くなったり、霊芝が横に伸びて外観が悪くなる。
又この範囲を超えると、菌柄が黄色を超えて着色(褐色化)が進行し、又は着色(褐色化)するものが増える傾向にある。
菌床と菌床との間隔、及びハウジング内部の高さ(菌床の上部に確保するスペース)は、1個の菌床から発生する霊芝が生育するスペース(容積)を決定するものであり、このスペースの大きさは霊芝の着色に敏感に影響する。
すなわち、スペースが増すと(大きすぎれば)着色が増加する。
数本の菌床を使用して詳細に試験した結果では、ハウジング内の二酸化炭素濃度を0.1%、(通常の空気の濃度:0.03%)以上にすることにより菌柄の褐色化を防ぐことが可能となり、この二酸化炭素濃度のスペースを確保するためには、通気を制限し、前記(菌床の)間隔と(菌床上部の)高さ(スペース)が最適である。
【0041】
(ヘ)次に、ハウジングの構成例を示すと次のとおりである。
全体の構成を、周囲を箱状に囲む側板とその上部に被せる天蓋とし、その内部に高さ35〜50cmのスペースを確保する。側板と天蓋には、断熱材を貼着したものを使用し、完全に遮光・密閉可能とする。
使用する断熱材としては、例えば下記のボードを使用する。
内側:断熱材(発泡スチロール又は押出し法ポリスチレンフォーム(商品名:スタイロフォーム):9〜30mm)
外側:ベニヤ板(必要に応じて外側を遮光フィルムで被覆したもの):5〜10mm
【0042】
(ト)前記天蓋は、温度及び湿度の急激な変化を避け、かつ霊芝の生育により増加した二酸化炭素濃度を維持するために、通常3〜5日に1度散水(ハウジング内部の湿度を維持するため)するとき以外は開閉しない。
又、通常、散水は夜行い、日中の天蓋の開閉は、直射日光の差込を防ぐため行わない。
【0043】
(チ)ハウジング内の温度を25〜35℃、湿度を90%以上、より好ましくは95%以上に保持することを要する。この条件は、例えば、天蓋の断熱材の厚さを変えること(温度が低く過ぎるときは薄くしてハウジング内へ太陽光の熱を取り込み、高過ぎるときは厚くして太陽光の熱を遮断する)及び散水の量と頻度を変えることにより満たすことができる。
以上のようなハウジングの構成により、1日の間に、ハウジング内の温度は、25〜35℃の範囲(温度差7〜9℃)を、ほぼ確実に上下することが測定された。
【0044】
(リ)ハウジングを天蓋等で完全に遮光する時期は、幼霊芝が変色する寸前が好ましく、この時期は通常芽切り後5〜7日前後に訪れる。
【0045】
(ヌ)請求項10の(C)の(a)に使用する半透光性の物体(埋め込みから発芽を経て、幼霊芝が変色し始める期間、ハウジングの上部を覆うもの)とは、通常太陽光線を一部遮るシート状物体をいう。
又、本願発明の条件を達成するために使用される半透光性の物体としては、透光性のフィルム(シート)の上部に、その一部を覆う(例えば網状、簾状)シートを重ねても目的を達成することができる。
なお、天蓋で密閉する以前に、ハウジング内を、前記(C)の条件下に維持しないと、霊芝の変色が早まったり、霊芝の伸び(生育)が悪くなる。
【0046】
(ル)同一のスペース内で同時に大量(例えば100株以上)に栽培する場合は、露地栽培(太陽光照射)を行う。
このためには、5月中旬に、霊芝(Ganoderma lucidum)の菌糸を密生(蔓延)させた菌床をハウジング内に配置し、7月中旬ないし8月初旬に収穫するのがよい。
この時期においては、前記スペース内は、散水を適宜行うこと、天蓋の断熱材の厚さを変えることにより、温度が25〜35℃、湿度が90%以上に保持される。
【0047】
本願発明の試験に供した白鹿角霊芝は、下記の栽培方法により得られた。
長野県下伊那郡根羽村に、図2に示す霊芝栽培用のハウジング5を地面に設置した。ハウジングの仕様は次のとおりである。
大きさ(内部):710cm(縦)×150cm(横)×40cm(高さ)
側板5:ベニヤ板6(外側,7mm)に発泡スチロール7(内側,10mm)を貼着
天蓋9:ベニヤ板6(外側,7mm)に発泡スチロール7(内側,20mm)を貼着
地面の土(山砂)13:水はけのよい山砂を、地面の下へ約20cm敷いた。
【0048】
白鹿角霊芝の栽培は、概ね次の経過を経た。

原木準備→→種菌接種・培養→→伏せ込み→→置蓋(天蓋で被覆)→→生育→→収穫
【0049】
イ)原木準備
原木は、11月から2月にかけて伐採した。この原木の直径15cm〜25cm(平均19センチcm)の部分を、約13cmの長さに切断し、切断原木4とした。これらを袋詰めし、常圧殺菌釜にて約2時間半殺菌して用いた。
ロ)種菌接種・培養
霊芝の種菌の切断原木4への接種及び培養は、概特許第3553005号の方法によった。
培養期間は120日〜150日、接種直後30日は、温度25℃〜27℃、湿度40〜60%に設定した簡易培養室にて培養し、30日を過ぎ十分に菌が蔓延した切断原木4から、自然環境(温度)にて管理した。
【0050】
ハ)伏せ込み(本伏せ)
前記ハウジング12内の山砂13へ、霊芝の菌糸を接種して密生(蔓延)させたクヌギの切断原木4を、その切断面(木口)が見える程度に埋め(伏せ)込んだ。切断原木4の相互の距離は、約10cmとした(5月中旬)。
ニ)次に、ハウジング12の上部を透光性のシート(ポリエチレン)10と遮光ネット(黒色、簾状)11で覆い、透光率が65〜85%になるようにした。
ホ)置蓋
霊芝は、伏せ込み後、10日前後で発芽(芽切り)した。その後約1週間後にハウジング12の上部を前記天蓋9で覆い、完全に遮光し、密閉した。
天蓋9の開閉(散水)は、温度(30℃)と湿度(95%以上)を目安に、3〜5日に一度、夜間に行った。
【0051】
(ヘ)生育
霊芝は順調に生育し、7月中旬には下記の特徴を有するものとなった。
(a)全長(背丈)が25〜40cmで、分岐せず。
(b)先端部(菌傘に相当する部分)が白色
(c)菌柄が白色ないし黄色
(d)菌柄の直径がおよそ10.0mm(上部)〜20.0(下部)mm
(ト)収穫
収穫は、8月上旬から中旬にかけて、菌柄が白色ないし黄色霊芝の生えている切断原木4を山砂13から取(堀)り出した。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】鹿角霊芝の斜視図である。
【図2】鹿角霊芝栽培用のハウジングを示す斜視図である。
【図3】ハウジングの側板の構造、透光性のシート(ポリエチレン)、及び遮光ネットを説明する部分図である。
【図4】ハウジングを天蓋で被覆する状態を示す部分斜視図である。
【図5】天蓋の構造を示す正面図である
【図6】白色ないし黄色鹿角霊芝の生育状態を示す部分斜視図である。
【図7】アポドーシスの形態変化を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 鹿角霊芝
2 頂部
3 菌柄
4 切断原木
5 側板
6 ベニヤ板
7 発泡スチロール
8 添木
9 天蓋
10 透光性シート
11 遮光ネット
12 ハウジング
13 地面の土(山砂)
14 支柱


【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体から得られ、ヒトに対して生理活性を有する物質を含有することを特徴とする熱水抽出物。
【請求項2】
生理活性を有する物質が、ヒト正常繊維芽細胞(NB1RGB)の増殖促進作用を有する請求項1記載の熱水抽出物。
【請求項3】
生理活性を有する物質が、チロシナーゼ阻害活性作用を有する請求項1記載の熱水抽出物。
【請求項4】
生理活性を有する物質が、抗酸化作用を有する請求項1記載の熱水抽出物。
【請求項5】
生理活性を有する物質が、抗腫瘍効果を有する請求項1記載の熱水抽出物。
【請求項6】
請求項1〜請求項5記載の熱水抽出物を含有する化粧品。
【請求項7】
請求項1〜請求項5記載の熱水抽出物を含有する健康食品。
【請求項8】
請求項1〜請求項5記載の熱水抽出物を含有する抗癌剤。
【請求項9】
ガノデリン酸類をほとんど含まず、苦味の少ない請求項1〜請求項5記載の熱水抽出物を含有する健康食品。
【請求項10】
下記の(A)〜(C)に記載する栽培方法により得られる白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体を使用する請求項1〜請求項8に記載するヒト正常繊維芽細胞(NB1RGB)の増殖促進剤。
(A)白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体の栽培を広葉樹の切断原木を用いて行うこと。
(B)広葉樹の切断原木に霊芝(Ganoderma lucidum)の菌糸を接種して密生(蔓延)させた後、前記切断原木をハウジング内の土壌に、その切断面(木口)が見える程度に埋め(伏せ)込むこと。
(C)前記ハウジング内を、下記の(a)〜(c)の条件に保持して霊芝の子実体を生育させること。
(a)埋め(伏せ)込みから芽切り(発芽)を経て、幼霊芝が変色し始めるまでは、ハウジングの上部を半透光性の物体で覆い、透光率が65〜85%になるようにすること。
(b)芽切り後、幼霊芝が茶褐色に変色する前に、ハウジングの上面を遮光性材質で密に覆い、気密性を高めると共に光を完全に遮断すること。
(c)前記ハウジング内のスペースの温度を25〜35℃、かつ湿度を90%以上に調節・保持すること。
【請求項11】
下記の(A)〜(C)に記載する栽培方法により得られる白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganodermalucidum)の子実体を使用する請求項1〜請求項8に記載するヒト正常繊維芽細胞(NB1RGB)の増殖促進剤。
(A)白色ないし黄色鹿角霊芝(Ganoderma lucidum)の子実体の栽培を菌床栽培法により行うこと。
(B)菌床に霊芝(Ganoderma lucidum)の菌糸を接種して密生(蔓延)させた後、前記菌床をハウジング内へ収納・保持すること。
(C)前記ハウジング内を、下記の(a)〜(b)の条件に保持して霊芝の子実体を生育させること。
(a)前記菌床をハウジング内へ収納後、霊芝が(Ganoderma lucidum)芽切り(発芽)を経て、幼霊芝が変色し始めるまでは、ハウジングの上部を半透光性の物体で覆い、透光率が65〜85%になるようにすること。
(b)芽切り後、幼霊芝が茶褐色に変色する前に、ハウジングの上面を遮光性材質で密に覆い、気密性を高めると共に光を完全に遮断すること。
(c)前記ハウジング内のスペースの温度を25〜35℃、かつ湿度を90%以上に調節・保持すること。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−43017(P2010−43017A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207610(P2008−207610)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(506423534)株式会社キソテック (3)
【出願人】(500436891)
【出願人】(500003165)
【Fターム(参考)】